(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】航空機、及び、回転翼モジュール
(51)【国際特許分類】
B64C 29/00 20060101AFI20250116BHJP
B64D 29/06 20060101ALI20250116BHJP
B64C 11/00 20060101ALI20250116BHJP
B64U 10/20 20230101ALI20250116BHJP
B64U 30/294 20230101ALI20250116BHJP
【FI】
B64C29/00 A
B64D29/06
B64C11/00
B64U10/20
B64U30/294
(21)【出願番号】P 2024074448
(22)【出願日】2024-05-01
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518210225
【氏名又は名称】テトラ・アビエーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】中井 佑
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/242448(WO,A1)
【文献】米国特許第10029785(US,B2)
【文献】米国特許第11124304(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 29/00
B64D 29/06
B64C 11/00
B64U 10/20
B64U 30/294
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直離着陸を行う航空機であって、
胴体と、
前記胴体から前記航空機の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼と、
少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより前記航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、
前記航空機の前後方向にて延在するように前記少なくとも1対の固定翼に固定されるとともに、前記回転翼を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、前記少なくとも1枚の羽根が前記航空機の前後方向にて延在する状態において、前記航空機の左右方向にて見た場合に前記少なくとも1枚の羽根を覆うように前記少なくとも1枚の羽根を前記航空機の左右方向にて挟む第1位置と、前記航空機の上下方向における位置が前記少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備え
、
前記支持体は、前記1対のカバーが前記少なくとも1枚の羽根よりも前記航空機の下方である状態において、鉛直下方へ向かって前記1対のカバーを見た場合に、前記支持体のうちの、前記1対のカバー以外の部分と前記1対のカバーが重ならない領域にて、前記1対のカバーの面積である水平面投影面積を異ならせるように、前記1対のカバーが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角が異なる複数の状態に設定可能である、航空機。
【請求項2】
垂直離着陸を行う航空機であって、
胴体と、
前記胴体から前記航空機の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼と、
少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより前記航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、
前記航空機の前後方向にて延在するように前記少なくとも1対の固定翼に固定されるとともに、前記回転翼を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、前記少なくとも1枚の羽根が前記航空機の前後方向にて延在する状態において、前記航空機の左右方向にて見た場合に前記少なくとも1枚の羽根を覆うように前記少なくとも1枚の羽根を前記航空機の左右方向にて挟む第1位置と、前記航空機の上下方向における位置が前記少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備え、
前記支持体は、前記1対のカバーが前記少なくとも1枚の羽根よりも前記航空機の下方である状態において、鉛直下方へ向かって前記1対のカバーを見た場合に、前記支持体のうちの、前記1対のカバー以外の部分と前記1対のカバーが重ならない領域にて、前記1対のカバーの面積である水平面投影面積を変更することにより、前記航空機が鉛直上方向又は鉛直下方向へ飛行している期間にて、前記回転翼の回転に伴って生じる前記推力を変更する、航空機。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の航空機であって、
前記支持体は、前記1対のカバーが前記第1位置を有する状態において、前記少なくとも1枚の羽根が収納される内部空間を有する、航空機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の航空機であって、
前記支持体は、前記
1対のカバーが前記第1位置を有する状態において、前記
1対のカバーが前記支持体の外表面と面一となる形状を有する、航空機
。
【請求項5】
請求項
1又は請求項2に記載の航空機であって、
前記支持体は、前記
1対のカバーが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角を変更することにより、前記水平面投影面積を変更する変更機構を備え
、
前記変更機構は、前記1対のカバーと前記支持体との間の水平方向における距離を長くするとともに前記傾斜角を小さくすることにより、前記水平面投影面積を大きくする、航空機。
【請求項6】
請求項
5に記載の航空機であって、
前記変更機構は、前記
1対のカバーの鉛直下方における端部と、前記支持体と、の間の水平方向における距離が長くなるほど、前記水平面投影面積が大きくなる、航空機。
【請求項7】
航空機の胴体から左右方向にて延在する固定翼に固定される回転翼モジュールであって、
少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより前記航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、
前記航空機の前後方向にて延在するとともに、前記回転翼を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、前記少なくとも1枚の羽根が前記航空機の前後方向にて延在する状態において、前記航空機の左右方向にて見た場合に前記少なくとも1枚の羽根を覆うように前記少なくとも1枚の羽根を前記航空機の左右方向にて挟む第1位置と、前記航空機の上下方向における位置が前記少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備え
、
前記支持体は、前記1対のカバーが前記少なくとも1枚の羽根よりも前記航空機の下方である状態において、鉛直下方へ向かって前記1対のカバーを見た場合に、前記支持体のうちの、前記1対のカバー以外の部分と前記1対のカバーが重ならない領域にて、前記1対のカバーの面積である水平面投影面積を異ならせるように、前記1対のカバーが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角が異なる複数の状態に設定可能である、回転翼モジュール。
【請求項8】
航空機の胴体から左右方向にて延在する固定翼に固定される回転翼モジュールであって、
少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより前記航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、
前記航空機の前後方向にて延在するとともに、前記回転翼を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、前記少なくとも1枚の羽根が前記航空機の前後方向にて延在する状態において、前記航空機の左右方向にて見た場合に前記少なくとも1枚の羽根を覆うように前記少なくとも1枚の羽根を前記航空機の左右方向にて挟む第1位置と、前記航空機の上下方向における位置が前記少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備え、
前記支持体は、前記1対のカバーが前記少なくとも1枚の羽根よりも前記航空機の下方である状態において、鉛直下方へ向かって前記1対のカバーを見た場合に、前記支持体のうちの、前記1対のカバー以外の部分と前記1対のカバーが重ならない領域にて、前記1対のカバーの面積である水平面投影面積を変更することにより、前記航空機が鉛直上方向又は鉛直下方向へ飛行している期間にて、前記回転翼の回転に伴って生じる前記推力を変更する、回転翼モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機、及び、回転翼モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
垂直離着陸を行う航空機が知られている。例えば、特許文献1に記載の航空機は、胴体と、胴体から左右方向にて延在する1対の固定翼と、1対の固定翼に固定される複数の回転翼モジュールと、回転駆動されることにより航空機を前方向へ推進させる推力を発生する水平方向用回転翼と、を備える。
回転翼モジュールは、回転駆動されることにより航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する1対の鉛直方向用回転翼と、1対の鉛直方向用回転翼を支持する支持体と、を備える。
【0003】
航空機は、鉛直方向用回転翼を回転駆動することにより鉛直方向にて上昇又は下降する(換言すると、鉛直飛行を行う)。これにより、航空機は、離着陸を行う。航空機は、鉛直飛行を行う状態(換言すると、離着陸状態)において、各鉛直方向用回転翼の回転数を調整することによって、航空機の姿勢を制御する。更に、航空機は、水平方向用回転翼を回転駆動することにより水平方向にて飛行する(換言すると、水平飛行を行う)。これにより、航空機は、巡航を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/0105268号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水平飛行を行う状態(換言すると、巡航状態)において、鉛直方向用回転翼の羽根が風を受けることにより、鉛直方向用回転翼によって気流が乱されるので、抗力が増加する虞がある。
【0006】
本発明の目的の一つは、巡航状態において抗力を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、航空機は、垂直離着陸を行う。
航空機は、胴体と、胴体から航空機の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼と、少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、航空機の前後方向にて延在するように少なくとも1対の固定翼に固定されるとともに、回転翼を支持する支持体と、を備える。
【0008】
支持体は、少なくとも1枚の羽根が航空機の前後方向にて延在する状態において、航空機の左右方向にて見た場合に少なくとも1枚の羽根を覆うように少なくとも1枚の羽根を航空機の左右方向にて挟む第1位置と、航空機の上下方向における位置が少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備える。
【0009】
他の一つの側面では、回転翼モジュールは、航空機の胴体から左右方向にて延在する固定翼に固定される。
回転翼モジュールは、少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、航空機の前後方向にて延在するとともに、回転翼を支持する支持体と、を備える。
【0010】
支持体は、少なくとも1枚の羽根が航空機の前後方向にて延在する状態において、航空機の左右方向にて見た場合に少なくとも1枚の羽根を覆うように少なくとも1枚の羽根を航空機の左右方向にて挟む第1位置と、航空機の上下方向における位置が少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備える。
【発明の効果】
【0011】
巡航状態において抗力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の航空機の、カバーが第1位置を有する状態における斜視図である。
【
図2】第1実施形態の航空機の、カバーが第2位置を有する状態における斜視図である。
【
図3】第1実施形態の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図4】第1実施形態の第1変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図5】第1実施形態の第2変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図6】第1実施形態の第3変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図7】第2実施形態の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図8】第2実施形態の回転翼モジュールの、カバーの傾斜角と水平面投影面積との関係を表す説明図である。
【
図9】第2実施形態の第1変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図10】第2実施形態の第1変形例の回転翼モジュールの、カバーの傾斜角と水平面投影面積との関係を表す説明図である。
【
図11】第2実施形態の第2変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図12】第2実施形態の第2変形例の回転翼モジュールの、カバーの傾斜角と水平面投影面積との関係を表す説明図である。
【
図13】第2実施形態の第3変形例の回転翼モジュールの、航空機の前後方向に直交する鉛直面による部分断面図である。
【
図14】第2実施形態の第3変形例の回転翼モジュールの、カバーの傾斜角と水平面投影面積との関係を表す説明図である。
【
図15】第2実施形態の第3変形例の回転翼モジュールの、カバーの傾斜角と水平面投影面積との関係を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の、航空機、及び、回転翼モジュールに関する各実施形態について
図1乃至
図15を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の航空機は、垂直離着陸を行う。
航空機は、胴体と、胴体から航空機の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼と、少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼と、航空機の前後方向にて延在するように少なくとも1対の固定翼に固定されるとともに、回転翼を支持する支持体と、を備える。
【0015】
支持体は、少なくとも1枚の羽根が航空機の前後方向にて延在する状態において、航空機の左右方向にて見た場合に少なくとも1枚の羽根を覆うように少なくとも1枚の羽根を航空機の左右方向にて挟む第1位置と、航空機の上下方向における位置が少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバーを備える。
【0016】
これによれば、巡航状態において、1対のカバーを第1位置に位置させることができる。これにより、巡航状態において、1対のカバーは、羽根を覆うように航空機の左右方向にて挟む。従って、巡航状態において、回転翼の羽根が風を受けることにより、気流が乱されることを抑制できる。この結果、巡行状態において抗力を抑制することができる。
次に、第1実施形態の航空機、及び、回転翼モジュールについて、より詳細に説明する。
【0017】
(構成)
図1及び
図2に表されるように、航空機1は、垂直離着陸を行う。本例では、航空機1は、電力によって航空機1を飛行させるeVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)である。航空機1は、鉛直方向にて飛行する(換言すると、鉛直方向にて上昇又は下降する)鉛直飛行を行う状態(換言すると、離着陸状態)と、水平方向にて飛行する(換言すると、巡航する)水平飛行を行う状態(換言すると、巡航状態)と、の間で動作状態が切り替わる。
【0018】
本例では、後述の各方向(例えば、上下方向、前後方向、又は、左右方向)は、離着陸状態における方向である。なお、各方向は、巡航状態における方向であってもよい。上方向、及び、下方向は、それぞれ、鉛直上方向、及び、鉛直下方向である。
【0019】
航空機1は、胴体10と、1対の前方固定翼20-1,20-2と、1対の後方固定翼20-3,20-4と、を備える。なお、航空機1が備える固定翼の対の数は、1対であってもよいし、3対以上であってもよい。本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4のそれぞれは、単に、固定翼20-j(jは、1乃至4の整数を表す。)とも表される。
【0020】
胴体10は、航空機1の左右方向における中央部において、航空機1の前後方向にて延在する。本例では、胴体10は、航空機1の上下方向における位置、及び、航空機1の前後方向における位置のそれぞれが互いに異なる2個の棒状体又は柱状体が、航空機1の前後方向における中央部にて互いに連結された形状を有する。
【0021】
本例では、胴体10は、航空機1の前方向における端部の鉛直下方向における端面が、航空機1の後方向における端部の鉛直下方向における端面よりも鉛直下方に位置する。本例では、胴体10は、航空機1の前方向における端部の鉛直上方向における端面が、航空機1の後方向における端部の鉛直上方向における端面よりも鉛直下方に位置する。
【0022】
なお、胴体10は、航空機1の前後方向にて延在する棒状又は柱状であってもよい。例えば、胴体10は、航空機1の前後方向における両端部のそれぞれにおいて、先端に近づくほど細くなる形状(換言すると、先細形状)を有してよい。
例えば、胴体10の前後方向における長さは、1m乃至15mの長さであってよい。
【0023】
1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の左方向、及び、航空機1の右方向へ、胴体10からそれぞれ延在する板状である。1対の前方固定翼20-1,20-2のそれぞれは、航空機1の左右方向に直交する平面によって切断された断面において、翼型形状を有する。
【0024】
1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の左右方向に直交し、且つ、胴体10の左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。例えば、1対の前方固定翼20-1,20-2のそれぞれの左右方向における長さは、0.5m乃至10mの長さであってよい。
【0025】
1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の前後方向における胴体10の中央よりも前方に位置する。本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2は、胴体10の前方向における端部に位置する。例えば、1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の前後方向において、胴体10の前方向における端から1対の前方固定翼20-1,20-2の後方向における端までの距離の、航空機1の前後方向における胴体10の長さに対する比が、0.01乃至0.4(本例では、0.1乃至0.3)の値である位置を有する。
本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の重心よりも前方の位置を有する。
【0026】
1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の上下方向における胴体10の中央よりも下方に位置する。本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2は、胴体10の下方向における端部に位置する。例えば、1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の上下方向において、胴体10の下方向における端から1対の前方固定翼20-1,20-2の上方向における端までの距離の、航空機1の上下方向における胴体10の高さ(本例では、航空機1の上下方向における胴体10の高さの最大値)に対する比が、0.01乃至0.4(本例では、0.05乃至0.2)の値である位置を有する。
本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の重心よりも鉛直下方の位置を有する。
【0027】
1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の左方向、及び、航空機1の右方向へ、胴体10からそれぞれ延在する板状である。1対の後方固定翼20-3,20-4のそれぞれは、航空機1の左右方向に直交する平面によって切断された断面において、翼型形状を有する。
【0028】
1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の左右方向に直交し、且つ、胴体10の左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。1対の後方固定翼20-3,20-4のそれぞれの左右方向における長さは、1対の前方固定翼20-1,20-2のそれぞれの左右方向における長さと略等しい。本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4のそれぞれの左右方向における長さは、1対の前方固定翼20-1,20-2のそれぞれの左右方向における長さよりも僅かに長い。例えば、1対の後方固定翼20-3,20-4のそれぞれの左右方向における長さは、0.5m乃至10mの長さであってよい。
【0029】
1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の前後方向における胴体10の中央よりも後方に位置する。本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、胴体10の後方向における端部に位置する。例えば、1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の前後方向において、胴体10の後方向における端から1対の後方固定翼20-3,20-4の前方向における端までの距離の、航空機1の前後方向における胴体10の長さに対する比が、0.01乃至0.4(本例では、0.1乃至0.3)の値である位置を有する。
本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の重心よりも後方の位置を有する。
【0030】
1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の上下方向における胴体10の中央よりも上方に位置する。本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、胴体10の上方向における端部に位置する。例えば、1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の上下方向において、胴体10の上方向における端から1対の後方固定翼20-3,20-4の下方向における端までの距離の、航空機1の上下方向における胴体10の高さに対する比が、0.01乃至0.4(本例では、0.05乃至0.2)の値である位置を有する。
本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の重心よりも鉛直上方の位置を有する。
【0031】
このように、本例では、航空機1は、航空機1の前後方向における位置が互いに異なるとともに、航空機1の上下方向における位置が互いに異なる2対の固定翼20-1~20-4を備える。
換言すると、本例では、航空機1は、1対の前方固定翼20-1,20-2と、1対の前方固定翼20-1,20-2よりも後方に位置し、且つ、鉛直方向における位置が1対の前方固定翼20-1,20-2と異なる1対の後方固定翼20-3,20-4と、を備える。
本例では、1対の前方固定翼20-1,20-2は、1対の第1固定翼と表されてもよい。本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、1対の第2固定翼と表されてもよい。
【0032】
上述のように、本例では、1対の後方固定翼20-3,20-4は、鉛直方向における位置が1対の前方固定翼20-1,20-2よりも鉛直上方の位置である。なお、1対の後方固定翼20-3,20-4は、鉛直方向における位置が1対の前方固定翼20-1,20-2よりも鉛直下方の位置であってもよい。この場合、1対の前方固定翼20-1,20-2は、航空機1の重心よりも鉛直上方の位置を有し、且つ、1対の後方固定翼20-3,20-4は、航空機1の重心よりも鉛直下方の位置を有していてよい。
【0033】
航空機1は、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4に固定される、複数(本例では、16個)の回転翼モジュール40-1~40-16を備える。なお、航空機1が備える回転翼モジュールの数は、2乃至15個であってもよく、17個以上であってもよい。例えば、航空機1が備える回転翼モジュールの数は、8個、12個、16個、20個、又は、24個である。
なお、各固定翼20-jに固定される回転翼モジュールの数は、2以上であることが好適である。
【0034】
本例では、複数の回転翼モジュール40-1~40-16は、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4に取り外し可能に固定される。なお、複数の回転翼モジュール40-1~40-16は、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4に取り外し不能に固定(例えば、一体に形成)されていてもよい。
【0035】
4個の回転翼モジュール40-1~40-4は、1対の前方固定翼20-1,20-2のうちの、胴体10の左方に位置する前方固定翼20-1に固定される。4個の回転翼モジュール40-5~40-8は、1対の前方固定翼20-1,20-2のうちの、胴体10の右方に位置する前方固定翼20-2に固定される。4個の回転翼モジュール40-9~40-12は、1対の後方固定翼20-3,20-4のうちの、胴体10の左方に位置する後方固定翼20-3に固定される。4個の回転翼モジュール40-13~40-16は、1対の後方固定翼20-3,20-4のうちの、胴体10の右方に位置する後方固定翼20-4に固定される。
【0036】
胴体10の左方に位置する8個の回転翼モジュール40-1~40-4,40-9~40-12と、胴体10の右方に位置する8個の回転翼モジュール40-5~40-8,40-13~40-16と、は、航空機1の左右方向に直交し、且つ、胴体10の左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0037】
固定翼20-jに固定される回転翼モジュール40-i(iは、1乃至16の整数を表す。)は、航空機1の左右方向における当該固定翼20-jの先端部以外の領域に位置する。
本例では、固定翼20-jに固定される回転翼モジュール40-iは、航空機1の左右方向において、当該固定翼20-jの先端から当該回転翼モジュール40-iまでの距離の、航空機1の左右方向における当該固定翼20-jの長さに対する比が、0より大きく且つ1より小さい(本例では、0より大きく且つ0.95以下である)位置を有する。
なお、固定翼20-jに固定される回転翼モジュール40-iの少なくとも1つは、航空機1の左右方向における当該固定翼20-jの先端部に位置していてもよい。
【0038】
本例では、固定翼20-jに固定される4個の回転翼モジュール40-k~40-l(kは、1、5、9、又は、13の整数を表す。lは、k+3の整数を表す。)は、航空機1の左右方向において、等間隔にて位置する。なお、固定翼20-jに固定される4個の回転翼モジュール40-k~40-lは、航空機1の左右方向において、異なる間隔を有していてもよい。
【0039】
例えば、固定翼20-jに固定される4個の回転翼モジュール40-k~40-lは、航空機1の左右方向において、当該4個の回転翼モジュール40-k~40-lのうちの、互いに隣り合う2個の回転翼モジュール間の距離の、航空機1の左右方向における当該固定翼20-jの長さに対する比が、0.1乃至0.4(本例では、0.2乃至0.3)の値である位置を有してよい。
【0040】
本例では、航空機1の左右方向において、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4のうちの、互いに隣り合う2個の回転翼モジュール間の距離と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12のうちの、互いに隣り合う2個の回転翼モジュール間の距離と、は、互いに等しい。なお、両者の距離は、互いに異なっていてもよい。
【0041】
本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12と、の航空機1の左右方向における位置は、それぞれ略同じである。
本例では、航空機1の左右方向において、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4の位置と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12の位置と、は、互いに一致する。なお、両者の位置は、互いに異なっていてもよい。
【0042】
本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12と、の航空機1の上下方向における位置は、互いに異なる。本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4は、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12よりも鉛直下方の位置を有する。なお、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4は、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12よりも鉛直上方の位置を有していてもよい。
【0043】
本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12と、は、航空機1を鉛直方向にて見た場合において、航空機1の前後方向にて互いに隔てられている。
【0044】
図1乃至
図3に表されるように、固定翼20-jに固定される回転翼モジュール40-iは、支持体401と、2つの第1回転翼402-1,402-2と、2つの電動機403-1,403-2と、を備える。なお、回転翼モジュール40-iが備える第1回転翼及び電動機の数は、1つ、又は、3つ以上であってもよい。
【0045】
支持体401は、航空機1の前後方向において(換言すると、航空機1を鉛直方向にて見た場合において)、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とに亘って、航空機1の前後方向にて延在する棒状又は柱状である。支持体401は、航空機1の前後方向における中央部が固定翼20-jに取り外し可能に固定される。
本例では、支持体401は、固定翼20-jの下方に位置する。なお、支持体401は、固定翼20-jの上方に位置していてもよい。
【0046】
支持体401は、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2と、2対のカバー401b-1,401b-2と、を備える。
【0047】
2つの内部空間形成部401a-1,401a-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。換言すると、内部空間形成部401a-1は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方に位置するとともに、内部空間形成部401a-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの後方に位置する。本例では、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2は、航空機1の前後方向における支持体401の両端部にそれぞれ位置する。
【0048】
図2及び
図3に表されるように、内部空間形成部401a-p(pは、1乃至2の整数を表す。)は、航空機1の左右方向において支持体401を貫通する穴を形成する。従って、内部空間形成部401a-pは、支持体401のうちの、航空機1の左右方向における両端面にて開口を有する。
【0049】
第1回転翼402-pは、航空機1の上下方向が主成分である方向にて回転の中心軸が延在するように回転可能に支持体401に支持される。本例では、第1回転翼402-pは、直線状に並ぶ2枚の羽根を有する。なお、第1回転翼402-pが有する羽根の数は、1枚、又は、3枚以上であってもよい。
【0050】
第1回転翼402-pは、電動機403-pによって回転駆動されることにより航空機1を上方向へ推進させる推力を発生する。本例では、第1回転翼402-pは、鉛直方向用回転翼、又は、ロータと表されてもよい。
【0051】
図1及び
図3の(A)に表されるように、第1回転翼402-pは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される穴に収容される。
【0052】
2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向における2つの第1回転翼402-1,402-2間の距離の、航空機1の前後方向における固定翼20-jの長さに対する比が、1.2乃至4.5(本例では、2乃至3)の値である位置を有してよい。
【0053】
本例では、2つの第1回転翼402-1,402-2は、回転方向が互いに異なる。
本例では、航空機1の左右方向にて隣接する2つの第1回転翼402-1は、回転方向が互いに異なるとともに、航空機1の左右方向にて隣接する2つの第1回転翼402-2は、回転方向が互いに異なる。また、本例では、航空機1の前後方向にて隣接する2つの第1回転翼402-1,402-2は、回転方向が互いに異なる。
【0054】
1対のカバー401b-pは、
図1及び
図3の(A)に表される第1位置と、
図2及び
図3の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0055】
ところで、1対のカバー401b-pは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。従って、
図3においては、回転翼モジュール40-iのうちの、航空機1の左右方向における略半分(換言すると、1対のカバー401b-pのうちの一方のみ)が表される。なお、後述の
図4乃至
図15においても、回転翼モジュール40-iのうちの、航空機1の左右方向における略半分が表される。
【0056】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0057】
本例では、カバー401b-pが第1位置を有する状態において、航空機1の上下方向におけるカバー401b-pの長さは、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上下方向における長さと略等しい。
【0058】
1対のカバー401b-pは、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を閉塞する。換言すると、支持体401は、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が収納される内部空間を有する。
【0059】
本例では、1対のカバー401b-pは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pのうちの航空機1の上方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上方向における端と略一致する。本例では、1対のカバー401b-pは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pのうちの航空機1の下方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の下方向における端と略一致する。
【0060】
本例では、支持体401は、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pが支持体401の外表面と面一となる形状を有する。本例では、1対のカバー401b-pは、第1位置を有する状態において鉛直面に沿って延在する。なお、支持体401は、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pと支持体401の外表面との境界に段差を有していてもよい。
【0061】
一方、1対のカバー401b-pは、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を開放する。本例では、支持体401は、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の下方である。なお、支持体401は、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の上方であってもよい。
【0062】
本例では、1対のカバー401b-pは、第2位置を有する状態において、支持体401の外表面から隔てられるとともに、鉛直面に沿って延在する。なお、1対のカバー401b-pは、第2位置を有する状態において、支持体401の外表面から隔てられるとともに、鉛直面に対して傾斜していてもよい。
【0063】
支持体401は、カバー401b-pを支持するアーム体AMを備える。アーム体AMの一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401に固定される。アーム体AMの他方の端部は、カバー401b-pが第1位置を有する状態において、カバー401b-pのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。
【0064】
本例では、支持体401は、1対のカバー401b-pが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、アーム体AMを図示されない電動機によって回転駆動する。
【0065】
本例では、航空機1は、第1回転翼402-pが回転駆動されない期間においては、カバー401b-pが第1位置を有する状態に設定されるとともに、第1回転翼402-pが回転駆動される期間においては、カバー401b-pが第2位置を有する状態に設定される。
【0066】
このような構成により、航空機1は、複数の回転翼モジュール40-1~40-16のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2のそれぞれが発生する、航空機1を上方向へ推進させる推力によって、垂直離着陸を行う。
【0067】
本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2と、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2と、の航空機1の上下方向における位置は、互いに異なる。
【0068】
本例では、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2は、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2よりも、航空機1の下方向の位置を有する。なお、前方固定翼20-1に固定される4個の回転翼モジュール40-1~40-4のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2は、後方固定翼20-3に固定される4個の回転翼モジュール40-9~40-12のそれぞれが備える2つの第1回転翼402-1,402-2よりも、航空機1の上方向の位置を有していてもよい。
【0069】
胴体10は、輸送対象を収容する内部空間を有する。本例では、内部空間は、航空機1の前後方向において、1対の前方固定翼20-1,20-2と、1対の後方固定翼20-3,20-4と、の間に位置する。例えば、内部空間は、航空機1の前後方向における中央部に位置する。
【0070】
輸送対象は、人、及び、物体のうちの、少なくとも1つを含む。例えば、輸送対象に含まれる人は、搭乗者と表されてもよい。例えば、搭乗者は、航空機1を操縦してよい。また、航空機1が自動操縦により飛行するように構成されている場合、搭乗者は、航空機1を操縦しなくてもよい。例えば、輸送対象に含まれる物体は、貨物又は荷物である。
【0071】
例えば、胴体10が有する内部空間は、1人乃至5人の搭乗者を収容可能であってよい。本例では、胴体10が有する内部空間は、1人又は2人の搭乗者を収容可能である。
例えば、航空機1の最大離陸重量は、120kg乃至3000kgの重量であってよい。本例では、航空機1の最大離陸重量は、150kg乃至460kgの重量である。胴体10は、収容空間を開閉可能な扉(本例では、カウル)を備える。
【0072】
胴体10は、第2回転翼12を備える。なお、胴体10は、少なくとも1つの尾翼を備えていてもよい。この場合、尾翼は、胴体10の後方向における端部に位置してよい。
【0073】
第2回転翼12は、航空機1の前後方向が主成分である方向にて回転の中心軸が延在するように回転可能に胴体10に支持される。第2回転翼12は、図示されない電動機によって回転駆動されることにより航空機1を前方向へ推進させる推力を発生する。
【0074】
このような構成により、航空機1は、第2回転翼12が発生する、航空機1を前方向へ推進させる推力と、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4が発生する揚力と、によって、水平方向にて飛行する。
【0075】
本例では、第2回転翼12は、胴体10の後方向における端部に位置する。なお、第2回転翼12は、胴体10の後方向における端部以外の部分(例えば、胴体10の前方向における端部、又は、胴体10の前後方向における中央部等)に位置してもよい。
【0076】
なお、胴体10が備える第2回転翼12の数は、2個以上であってもよい。この場合、例えば、複数の第2回転翼12は、胴体10の前方向における端部、及び、胴体10の後方向における端部の両方にそれぞれ位置していてもよいし、いずれか一方のみに位置していてもよい。また、例えば、複数の第2回転翼12は、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4の少なくとも1つに位置していてもよい。
本例では、第2回転翼12は、水平方向用回転翼、又は、プロペラと表されてもよい。
【0077】
(動作)
次に、航空機1の動作について説明する。
先ず、搭乗者は、航空機1の左方の位置から、前方固定翼20-1と後方固定翼20-3との間を通って、胴体10の内部空間に搭乗する。なお、搭乗者は、航空機1の右方の位置から、前方固定翼20-2と後方固定翼20-4との間を通って、胴体10の内部空間に搭乗してもよい。
【0078】
次いで、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32対のカバー401b-1,401b-2が第2位置を有する状態に、16個の回転翼モジュール40-1~40-16を制御する。次いで、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32個の第1回転翼402-1,402-2を回転駆動する。
これにより、航空機1を上方向へ推進させる推力が発生する。この結果、航空機1は、鉛直上方向へ飛行(換言すると、上昇)することにより離陸する。
【0079】
その後、航空機1は、第2回転翼12を回転駆動する。これにより、航空機1を前方向へ推進させる推力が発生する。この結果、1対の前方固定翼20-1,20-2、及び、1対の後方固定翼20-3,20-4は、揚力を発生する。
【0080】
次いで、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32個の第1回転翼402-1,402-2の回転駆動を停止する。次いで、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32対のカバー401b-1,401b-2が第1位置を有する状態に、16個の回転翼モジュール40-1~40-16を制御する。
これにより、航空機1は、水平方向へ飛行(換言すると、巡航)する。
【0081】
その後、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32対のカバー401b-1,401b-2が第2位置を有する状態に、16個の回転翼モジュール40-1~40-16を制御する。次いで、航空機1は、16個の回転翼モジュール40-1~40-16が備える32個の第1回転翼402-1,402-2を回転駆動する。これにより、航空機1を上方向へ推進させる推力が発生する。次いで、航空機1は、第2回転翼12の回転駆動を停止する。この結果、航空機1は、鉛直下方向へ飛行(換言すると、下降)する。
その後、航空機1は、着陸する。
【0082】
以上、説明したように、第1実施形態の航空機1は、垂直離着陸を行う。航空機1は、胴体10と、胴体10から航空機1の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼20-1~20-4と、少なくとも1枚の羽根を有するとともに、回転駆動されることにより航空機1を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する第1回転翼402-pと、航空機1の前後方向にて延在するように少なくとも1対の固定翼20-1~20-4に固定されるとともに、第1回転翼402-pを支持する支持体401と、を備える。
【0083】
支持体401は、少なくとも1枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に少なくとも1枚の羽根を覆うように少なくとも1枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む第1位置と、航空機1の上下方向における位置が少なくとも1枚の羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバー401b-pを備える。
【0084】
これによれば、巡航状態において、1対のカバー401b-pを第1位置に位置させることができる。これにより、巡航状態において、1対のカバー401b-pは、羽根を覆うように航空機1の左右方向にて挟む。従って、巡航状態において、第1回転翼402-pの羽根が風を受けることにより、気流が乱されることを抑制できる。この結果、巡行状態において抗力を抑制することができる。
【0085】
更に、第1実施形態の航空機1において、支持体401は、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、少なくとも1枚の羽根が収納される内部空間を有する。
【0086】
これによれば、巡航状態において、羽根を支持体401の内部空間に収納できる。従って、第1回転翼402-pの羽根が支持体401の外部に露出する場合よりも気流の乱れを抑制できる。この結果、巡航状態において抗力を抑制できる。
【0087】
更に、第1実施形態の航空機1において、支持体401は、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pが支持体401の外表面と面一となる形状を有する。
【0088】
これによれば、巡航状態において、1対のカバー401b-pが支持体401の外表面と面一となる。従って、1対のカバー401b-pが支持体401の外表面から突出する場合よりも抗力を抑制できる。
【0089】
更に、第1実施形態の航空機1において、支持体401は、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、1対のカバー401b-pが少なくとも1枚の羽根よりも航空機1の下方である。
【0090】
これによれば、支持体401が1対のカバー401b-pを航空機1の下方に移動させる機構を有することにより、1対のカバー401b-pを第1位置から第2位置へ迅速に移動させることができる。
【0091】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の航空機について説明する。第1実施形態の第1変形例の航空機は、第1実施形態の航空機に対して、支持体のうちの、第1回転翼の鉛直上方の部分の形状において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第1変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0092】
図4に表されるように、第1実施形態の第1変形例の回転翼モジュール40-iは、第1実施形態の支持体401に代えて、支持体401Aを備える。
【0093】
支持体401Aは、第1実施形態の2つの内部空間形成部401a-1,401a-2に代えて、2つの凹部形成部401a-1A,401a-2Aを備える。更に、支持体401Aは、第1実施形態の支持体401と同様に、2対のカバー401b-1,401b-2を備える。
【0094】
2つの凹部形成部401a-1A,401a-2Aは、第1実施形態の2つの内部空間形成部401a-1,401a-2と同様に、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。
【0095】
図4に表されるように、凹部形成部401a-pAは、航空機1の左右方向において支持体401Aを貫通するとともに、航空機1の上方向が開放された凹部を形成する。従って、凹部形成部401a-pAは、支持体401Aのうちの、航空機1の左右方向における両端面にて開口を有するとともに、航空機1の上方向における端面にて開口を有する。
【0096】
図4の(A)に表されるように、第1回転翼402-pは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、凹部形成部401a-pAにより形成される凹部に収容される。
【0097】
1対のカバー401b-pは、
図4の(A)に表される第1位置と、
図4の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0098】
支持体401Aは、カバー401b-pを支持するアーム体AMを備える。アーム体AMの一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Aに固定される。アーム体AMの他方の端部は、カバー401b-pが第1位置を有する状態において、カバー401b-pのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。
【0099】
本例では、支持体401Aは、1対のカバー401b-pが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、アーム体AMを図示されない電動機によって回転駆動する。
【0100】
1対のカバー401b-pは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0101】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0102】
本例では、1対のカバー401b-pは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pのうちの航空機1の上方向における端の位置が、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の上方である。本例では、1対のカバー401b-pは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pのうちの航空機1の下方向における端の位置が、凹部形成部401a-pAにより形成される凹部の、航空機1の下方向における端面(換言すると、底面)と略一致する。
【0103】
支持体401Aは、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pが支持体401Aの外表面と面一となる形状を有する。なお、支持体401Aは、1対のカバー401b-pが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pと支持体401Aの外表面との境界に段差を有していてもよい。
【0104】
本例では、支持体401Aは、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の下方である。なお、支持体401Aは、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の上方であってもよい。
【0105】
以上、説明したように、第1実施形態の第1変形例の航空機1によっても、第1実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0106】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、第1実施形態の第2変形例の航空機について説明する。第1実施形態の第2変形例の航空機は、第1実施形態の航空機に対して、支持体のうちの、第1回転翼を支持する部分の形状において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第2変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0107】
図5に表されるように、第1実施形態の第2変形例の回転翼モジュール40-iは、第1実施形態の支持体401に代えて、支持体401Bを備える。
【0108】
支持体401Bは、第1実施形態の支持体401と異なり、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2を備えない。支持体401Bは、第1実施形態の支持体401と同様に、2対のカバー401b-1,401b-2を備える。
【0109】
図5に表されるように、2つの第1回転翼402-1,402-2は、支持体401Bのうちの、航空機1の上方向における端部に位置する。2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。換言すると、第1回転翼402-1は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方に位置するとともに、第1回転翼402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの後方に位置する。本例では、2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向における支持体401Bの両端部にそれぞれ位置する。
【0110】
1対のカバー401b-pは、
図5の(A)に表される第1位置と、
図5の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0111】
支持体401Bは、カバー401b-pを支持するアーム体AMを備える。アーム体AMの一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Bに固定される。アーム体AMの他方の端部は、カバー401b-pが第1位置を有する状態において、カバー401b-pのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。
【0112】
本例では、支持体401Bは、1対のカバー401b-pが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、アーム体AMを図示されない電動機によって回転駆動する。
【0113】
1対のカバー401b-pは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0114】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0115】
本例では、支持体401Bは、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の下方である。なお、支持体401Bは、1対のカバー401b-pが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pが航空機1の上方であってもよい。
【0116】
以上、説明したように、第1実施形態の第2変形例の航空機1によっても、第1実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0117】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、第1実施形態の第3変形例の航空機について説明する。第1実施形態の第3変形例の航空機は、第1実施形態の航空機に対して、カバーの位置を変更する機構において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第3変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0118】
図6に表されるように、第1実施形態の第3変形例の回転翼モジュール40-iは、第1実施形態の支持体401に代えて、支持体401Cを備える。
【0119】
支持体401Cは、第1実施形態の2つの内部空間形成部401a-1,401a-2に代えて、2つの内部空間形成部401a-1C,401a-2Cを備える。更に、支持体401Cは、2対のカバー401b-1,401b-2に代えて、2対のカバー401b-1C,401b-2Cを備える。
【0120】
2つの内部空間形成部401a-1C,401a-2Cは、第1実施形態の2つの内部空間形成部401a-1,401a-2と同様に、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。
【0121】
図6に表されるように、内部空間形成部401a-pCは、航空機1の左右方向において支持体401を貫通する穴を形成する。従って、内部空間形成部401a-pCは、支持体401のうちの、航空機1の左右方向における両端面にて開口を有する。
【0122】
図6の(A)に表されるように、第1回転翼402-pは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、内部空間形成部401a-pCにより形成される穴に収容される。
【0123】
1対のカバー401b-pCは、
図6の(A)に表される第1位置と、
図6の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pCは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pCの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pCは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0124】
本例では、1対のカバー401b-pCは、図示されない電動機によって航空機1の上下方向にて摺動するように駆動されることにより、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更される。
1対のカバー401b-pCは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0125】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pCが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0126】
本例では、カバー401b-pCが第1位置を有する状態において、航空機1の上下方向におけるカバー401b-pCの長さは、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上下方向における長さと略等しい。
【0127】
1対のカバー401b-pCは、1対のカバー401b-pCが第1位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pCにより形成される開口を閉塞する。換言すると、支持体401Cは、1対のカバー401b-pCが第1位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が収納される内部空間を有する。
【0128】
本例では、1対のカバー401b-pCは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pCのうちの航空機1の上方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pCにより形成される開口の、航空機1の上方向における端と略一致する。本例では、1対のカバー401b-pCは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pCのうちの航空機1の下方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pCにより形成される開口の、航空機1の下方向における端と略一致する。
【0129】
本例では、支持体401Cは、1対のカバー401b-pCが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pCが支持体401Cの外表面と面一となる形状を有する。なお、支持体401Cは、1対のカバー401b-pCが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pCと支持体401Cの外表面との境界に段差を有していてもよい。
本例では、1対のカバー401b-pCは、第1位置を有する状態において鉛直面に沿って延在する。
【0130】
一方、1対のカバー401b-pCは、1対のカバー401b-pCが第2位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pCにより形成される開口を開放する。本例では、支持体401Cは、1対のカバー401b-pCが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pCが航空機1の下方である。なお、支持体401Cは、1対のカバー401b-pCが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pCが航空機1の上方であってもよい。
本例では、1対のカバー401b-pCは、第2位置を有する状態において鉛直面に沿って延在する。
【0131】
以上、説明したように、第1実施形態の第3変形例の航空機1によっても、第1実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0132】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の航空機について説明する。第2実施形態の航空機は、第1実施形態の航空機に対して、カバーの傾斜角を変更可能である点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0133】
図7に表されるように、第2実施形態の回転翼モジュール40-iは、第1実施形態の支持体401に代えて、支持体401Dを備える。
【0134】
支持体401Dは、第1実施形態の支持体401と同様に、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2を備える。更に、支持体401Dは、2対のカバー401b-1,401b-2に代えて、2対のカバー401b-1D,401b-2Dを備える。本例では、カバー401b-pDは、ルーバーと表されてもよい。
【0135】
1対のカバー401b-pDは、
図7の(A)に表される第1位置と、
図7の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pDは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pDの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pDは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0136】
1対のカバー401b-pDは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0137】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pDが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0138】
本例では、カバー401b-pDが第1位置を有する状態において、航空機1の上下方向におけるカバー401b-pDの長さは、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上下方向における長さと略等しい。
【0139】
支持体401Dは、変更機構を備える。変更機構は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように1対のカバー401b-pDを揺動可能に支持する。揺動の中心軸は、1対のカバー401b-pDが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pDのうちの、航空機1の下方向における端部に位置する。
【0140】
変更機構は、1対のカバー401b-pDが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、1対のカバー401b-pDを図示されない電動機によって回転駆動する。
【0141】
1対のカバー401b-pDは、1対のカバー401b-pDが第1位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を閉塞する。換言すると、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが第1位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が収納される内部空間を有する。
【0142】
本例では、1対のカバー401b-pDは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pDのうちの航空機1の上方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上方向における端と略一致する。本例では、1対のカバー401b-pDは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pDのうちの航空機1の下方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の下方向における端と略一致する。
【0143】
本例では、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pDが支持体401Dの外表面と面一となる形状を有する。なお、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pDと支持体401Dの外表面との境界に段差を有していてもよい。
本例では、1対のカバー401b-pDは、第1位置を有する状態において鉛直面に沿って延在する。
【0144】
一方、1対のカバー401b-pDは、1対のカバー401b-pDが第2位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を開放する。本例では、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pDが航空機1の下方である。なお、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pDが航空機1の上方であってもよい。
【0145】
本例では、1対のカバー401b-pDは、第2位置を有する状態において、鉛直面に対して傾斜する。なお、1対のカバー401b-pDは、第2位置を有する状態において、鉛直面に沿って延在していてもよい。
【0146】
更に、変更機構は、1対のカバー401b-pDが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角を変更するように、1対のカバー401b-pDを図示されない電動機によって回転駆動する。
【0147】
図8に表されるように、傾斜角θの変化に伴って、水平面投影面積APは変化する。水平面投影面積APは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも1対のカバー401b-pDが航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のカバー401b-pDを見た場合における1対のカバー401b-pDの面積である。
図8における破線RTは、第1回転翼402-pの先端の軌跡を表す。
【0148】
本例では、
図8の(A)に表されるように、傾斜角θが0度である状態において、水平面投影面積APは、最大である。
図8の(B)に表されるように、傾斜角θが大きくなるほど、水平面投影面積APは小さくなる。
このように、支持体401Dの変更機構は、傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する。
【0149】
本例では、航空機1は、鉛直上方向、又は、鉛直下方向へ飛行している期間において、航空機の姿勢が乱された場合、少なくとも1つの第1回転翼402-pに対する1対のカバー401b-pDの傾斜角を変更することにより、当該少なくとも1つの第1回転翼402-pの回転に伴って生じる上方推力を変更する。これにより、航空機1の姿勢を制御する。
【0150】
以上、説明したように、第2実施形態の航空機1によっても、第1実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態の航空機1において、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが少なくとも1枚の羽根よりも航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のカバー401b-pDを見た場合における1対のカバー401b-pDの面積である水平面投影面積APが変更可能である。
【0151】
これによれば、水平面投影面積APを大きくすることにより、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分を減少させることができる。従って、水平面投影面積APを変更することにより、第1回転翼402-pの回転に伴って生じる、航空機1を鉛直上方向へ推進させる推力(換言すると、上方推力)を迅速に変更できる。この結果、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0152】
更に、第2実施形態の航空機1において、支持体401Dは、1対のカバー401b-pDが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する変更機構を備える。
【0153】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制しながら、水平面投影面積APを変更できる。
【0154】
なお、支持体401Dは、傾斜角θの変更に代えて、又は、傾斜角θの変更に加えて、1対のカバー401b-pDの面積を変更することにより、水平面投影面積APを変更するように構成されていてもよい。
【0155】
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例の航空機について説明する。第2実施形態の第1変形例の航空機は、第2実施形態の航空機に対して、支持体のうちの、第1回転翼を支持する部分の形状、及び、カバーの傾斜角を変更する機構において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の第1変形例の説明において、第2実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0156】
図9に表されるように、第2実施形態の第1変形例の回転翼モジュール40-iは、第2実施形態の支持体401Dに代えて、支持体401Eを備える。
【0157】
支持体401Eは、第2実施形態の支持体401Dと異なり、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2を備えない。支持体401Eは、第2実施形態の2対のカバー401b-1D,401b-2Dに代えて、2対のカバー401b-1E,401b-2Eを備える。本例では、カバー401b-pEは、ルーバーと表されてもよい。
【0158】
図9に表されるように、2つの第1回転翼402-1,402-2は、支持体401Eのうちの、航空機1の上方向における端部に位置する。2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。換言すると、第1回転翼402-1は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方に位置するとともに、第1回転翼402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの後方に位置する。本例では、2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向における支持体401Eの両端部にそれぞれ位置する。
【0159】
1対のカバー401b-pEは、
図9の(A)に表される第1位置と、
図9の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pEは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、カバー401b-pEの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
なお、カバー401b-pEは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0160】
1対のカバー401b-pEは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0161】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pEが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0162】
支持体401Eは、変更機構を備える。変更機構は、カバー401b-pEを支持する第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を備える。
第1アーム体AM1の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Eに固定される。第1アーム体AM1の他方の端部は、カバー401b-pEが第1位置を有する状態において、カバー401b-pEのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。第1アーム体AM1は、伸縮自在である。
【0163】
第2アーム体AM2の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Eに固定される。第2アーム体AM2の他方の端部は、カバー401b-pEが第1位置を有する状態において、カバー401b-pEのうちの、航空機1の下方向における端部に連結される。第2アーム体AM2は、伸縮自在である。
【0164】
本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pEが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0165】
本例では、1対のカバー401b-pEは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pEのうちの航空機1の上方向における端の位置が、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の上方である。本例では、1対のカバー401b-pEは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pEのうちの航空機1の下方向における端の位置が、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方である。
【0166】
本例では、1対のカバー401b-pEは、第1位置を有する状態において、支持体401Eの外表面に隣接するとともに、鉛直面に沿って延在する。
【0167】
本例では、支持体401Eは、1対のカバー401b-pEが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pEが航空機1の下方である。なお、支持体401Eは、1対のカバー401b-pEが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pEが航空機1の上方であってもよい。
【0168】
本例では、1対のカバー401b-pEは、第2位置を有する状態において、支持体401Eの外表面から隔てられるとともに、鉛直面に対して傾斜する。なお、1対のカバー401b-pEは、第2位置を有する状態において、支持体401Eの外表面に隣接していてもよい。また、1対のカバー401b-pEは、第2位置を有する状態において、鉛直面に沿って延在していてもよい。
【0169】
更に、変更機構は、1対のカバー401b-pEが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角を変更するように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0170】
図10に表されるように、傾斜角θの変化に伴って、水平面投影面積APは変化する。水平面投影面積APは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも1対のカバー401b-pEが航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のカバー401b-pEを見た場合における1対のカバー401b-pEの面積である。
図10における破線RTは、第1回転翼402-pの先端の軌跡を表す。
【0171】
本例では、
図10の(B)に表される場合における傾斜角θは、
図10の(A)に表される場合における傾斜角θよりも大きい。更に、
図10の(B)に表される場合における水平面投影面積APは、
図10の(A)に表される場合における水平面投影面積APよりも小さい。従って、傾斜角θが大きくなるほど、水平面投影面積APは小さくなる。
このように、本例では、支持体401Eの変更機構は、傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する。
【0172】
本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pEと支持体401Eとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角を小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pEの鉛直下方における端部と、支持体401Eと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0173】
本例では、航空機1は、鉛直上方向、又は、鉛直下方向へ飛行している期間において、航空機の姿勢が乱された場合、少なくとも1つの第1回転翼402-pに対する1対のカバー401b-pEの傾斜角を変更することにより、当該少なくとも1つの第1回転翼402-pの回転に伴って生じる上方推力を変更する。これにより、航空機1の姿勢を制御する。
【0174】
以上、説明したように、第2実施形態の第1変形例の航空機1によっても、第2実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態の第1変形例の航空機1において、変更機構は、1対のカバー401b-pEと支持体401Eとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角θを小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。
【0175】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分の減少量を増加できる。従って、上方推力を迅速に変更できるので、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0176】
更に、第2実施形態の第1変形例の航空機1において、変更機構は、1対のカバー401b-pEの鉛直下方における端部と、支持体401Eと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0177】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが支持体401Eと干渉することを抑制できる。この結果、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制できる。
【0178】
<第2実施形態の第2変形例>
次に、第2実施形態の第2変形例の航空機について説明する。第2実施形態の第2変形例の航空機は、第2実施形態の航空機に対して、支持体のうちの、第1回転翼を支持する部分の形状、カバーに代えてルーバーを備える点、及び、ルーバーの傾斜角を変更する機構において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の第2変形例の説明において、第2実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0179】
図11に表されるように、第2実施形態の第2変形例の回転翼モジュール40-iは、第2実施形態の支持体401Dに代えて、支持体401Fを備える。
【0180】
支持体401Fは、第2実施形態の支持体401Dと異なり、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2を備えない。支持体401Fは、第2実施形態の2対のカバー401b-1D,401b-2Dに代えて、2対のルーバー401c-1F,401c-2Fを備える。本例では、ルーバー401c-pFは、気流制御体と表されてもよい。
【0181】
図11に表されるように、2つの第1回転翼402-1,402-2は、支持体401Fのうちの、航空機1の上方向における端部に位置する。2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方と固定翼20-jの後方とにそれぞれ位置する。換言すると、第1回転翼402-1は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの前方に位置するとともに、第1回転翼402-2は、航空機1の前後方向において、固定翼20-jの後方に位置する。本例では、2つの第1回転翼402-1,402-2は、航空機1の前後方向における支持体401Fの両端部にそれぞれ位置する。
【0182】
1対のルーバー401c-pFは、
図11の(A)に表される第1位置と、
図11の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、ルーバー401c-pFは、長方形状の板状体である。航空機1の前後方向において、ルーバー401c-pFの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。なお、航空機1の前後方向において、ルーバー401c-pFの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも短くてもよい。
なお、ルーバー401c-pFは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0183】
1対のルーバー401c-pFは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0184】
本例では、第1位置及び第2位置のそれぞれは、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第1位置及び第2位置のそれぞれは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。なお、第1位置及び第2位置のそれぞれは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の上方の位置であってもよい。
【0185】
本例では、1対のルーバー401c-pFは、第1位置を有する状態において、支持体401Fの外表面に隣接するとともに、鉛直面に沿って延在する。
【0186】
本例では、1対のルーバー401c-pFは、第2位置を有する状態において、支持体401Fの外表面から隔てられるとともに、鉛直面に対して傾斜する。なお、1対のルーバー401c-pFは、第2位置を有する状態において、支持体401Fの外表面に隣接していてもよい。また、1対のルーバー401c-pFは、第2位置を有する状態において、鉛直面に沿って延在していてもよい。
【0187】
支持体401Fは、変更機構を備える。変更機構は、ルーバー401c-pFを支持する第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を備える。
第1アーム体AM1の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Fに固定される。第1アーム体AM1の他方の端部は、ルーバー401c-pFが第1位置を有する状態において、ルーバー401c-pFのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。第1アーム体AM1は、伸縮自在である。
【0188】
第2アーム体AM2の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Fに固定される。第2アーム体AM2の他方の端部は、ルーバー401c-pFが第1位置を有する状態において、ルーバー401c-pFのうちの、航空機1の下方向における端部に連結される。第2アーム体AM2は、伸縮自在である。
【0189】
本例では、変更機構は、1対のルーバー401c-pFが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0190】
更に、変更機構は、1対のルーバー401c-pFが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角を変更するように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0191】
図12に表されるように、傾斜角θの変化に伴って、水平面投影面積APは変化する。水平面投影面積APは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも1対のルーバー401c-pFが航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のルーバー401c-pFを見た場合における1対のルーバー401c-pFの面積である。
図12における破線RTは、第1回転翼402-pの先端の軌跡を表す。
【0192】
本例では、
図12の(B)に表される場合における傾斜角θは、
図12の(A)に表される場合における傾斜角θよりも大きい。更に、
図12の(B)に表される場合における水平面投影面積APは、
図12の(A)に表される場合における水平面投影面積APよりも小さい。従って、傾斜角θが大きくなるほど、水平面投影面積APは小さくなる。
このように、本例では、支持体401Fの変更機構は、傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する。
【0193】
本例では、変更機構は、1対のルーバー401c-pFと支持体401Fとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角θを小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。本例では、変更機構は、1対のルーバー401c-pFの鉛直下方における端部と、支持体401Fと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0194】
本例では、航空機1は、鉛直上方向、又は、鉛直下方向へ飛行している期間において、航空機の姿勢が乱された場合、少なくとも1つの第1回転翼402-pに対する1対のルーバー401c-pFの傾斜角を変更することにより、当該少なくとも1つの第1回転翼402-pの回転に伴って生じる上方推力を変更する。これにより、航空機1の姿勢を制御する。
【0195】
以上、説明したように、第2実施形態の第2変形例の航空機1において、支持体401Fは、1対のルーバー401c-pFが少なくとも1枚の羽根よりも航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のルーバー401c-pFを見た場合における1対のルーバー401c-pFの面積である水平面投影面積APが変更可能である。
【0196】
これによれば、水平面投影面積APを大きくすることにより、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分を減少させることができる。従って、水平面投影面積APを変更することにより、第1回転翼402-pの回転に伴って生じる、航空機1を鉛直上方向へ推進させる推力(換言すると、上方推力)を迅速に変更できる。この結果、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0197】
更に、第2実施形態の第2変形例の航空機1において、支持体401Fは、1対のルーバー401c-pFが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する変更機構を備える。
【0198】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制しながら、水平面投影面積APを変更できる。
【0199】
更に、第2実施形態の第2変形例の航空機1において、変更機構は、1対のルーバー401c-pFと支持体401Fとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角θを小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。
【0200】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分の減少量を増加できる。従って、上方推力を迅速に変更できるので、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0201】
更に、第2実施形態の第2変形例の航空機1において、変更機構は、1対のルーバー401c-pFの鉛直下方における端部と、支持体401Fと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0202】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが支持体401Fと干渉することを抑制できる。この結果、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制できる。
【0203】
<第2実施形態の第3変形例>
次に、第2実施形態の第3変形例の航空機について説明する。第2実施形態の第3変形例の航空機は、第1実施形態の航空機に対して、カバーの形状、及び、カバーの傾斜角を変更可能である点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の第3変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0204】
図13に表されるように、第2実施形態の第3変形例の回転翼モジュール40-iは、第1実施形態の支持体401に代えて、支持体401Gを備える。
【0205】
支持体401Gは、第1実施形態の支持体401と同様に、2つの内部空間形成部401a-1,401a-2を備える。更に、支持体401Gは、2対のカバー401b-1,401b-2に代えて、2対のカバー401b-1G,401b-2Gを備える。本例では、カバー401b-pGは、ルーバーと表されてもよい。
【0206】
1対のカバー401b-pGは、
図13の(A)に表される第1位置と、
図13の(B)に表される第2位置と、の間で位置が変更可能である。本例では、カバー401b-pGは、長方形状の板状体である。
なお、カバー401b-pGは、長方形状と異なる形状(例えば、台形状、平行四辺形状、多角形状、半円形状、又は、半楕円形状等)を有していてもよい。
【0207】
航空機1の前後方向において、カバー401b-pGの長さは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態における、第1回転翼402-pの長さよりも長い。
【0208】
1対のカバー401b-pGは、航空機1の左右方向に直交し、且つ、回転翼モジュール40-iの左右方向における中央を通る平面に対して、互いに面対称である。
【0209】
第1位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が航空機1の前後方向にて延在する状態において、航空機1の左右方向にて見た場合に、1対のカバー401b-pGが、当該2枚の羽根を覆うように当該2枚の羽根を航空機1の左右方向にて挟む位置である。第2位置は、航空機1の上下方向において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根と異なる位置である。本例では、第2位置は、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも航空機1の下方の位置である。
【0210】
本例では、カバー401b-pGが第1位置を有する状態において、航空機1の上下方向におけるカバー401b-pGの長さは、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上下方向における長さよりも長い。
【0211】
支持体401Gは、変更機構を備える。変更機構は、カバー401b-pGを支持する第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を備える。
第1アーム体AM1の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Gに固定される。第1アーム体AM1の他方の端部は、カバー401b-pGが第1位置を有する状態において、カバー401b-pGのうちの、航空機1の上方向における端部に連結される。第1アーム体AM1は、伸縮自在である。
【0212】
第2アーム体AM2の一方の端部は、揺動の中心軸が航空機1の前後方向にて延在するように支持体401Gに固定される。第2アーム体AM2の他方の端部は、カバー401b-pGが第1位置を有する状態において、カバー401b-pGのうちの、航空機1の下方向における端部に連結される。第2アーム体AM2は、伸縮自在である。
【0213】
本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pGが、第1位置を有する状態と、第2位置を有する状態と、の間で状態が変更されるように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0214】
1対のカバー401b-pGは、1対のカバー401b-pGが第1位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を閉塞する。換言すると、支持体401Gは、1対のカバー401b-pGが第1位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根が収納される内部空間を有する。
【0215】
本例では、1対のカバー401b-pGは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pGのうちの航空機1の上方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の上方向における端と略一致する。本例では、1対のカバー401b-pGは、第1位置を有する状態において、1対のカバー401b-pGのうちの航空機1の下方向における端の位置が、内部空間形成部401a-pにより形成される開口の、航空機1の下方向における端よりも航空機1の下方である。
【0216】
本例では、1対のカバー401b-pGは、第1位置を有する状態において、支持体401Gの外表面に隣接するとともに、鉛直面に沿って延在する。
【0217】
一方、1対のカバー401b-pGは、1対のカバー401b-pGが第2位置を有する状態において、内部空間形成部401a-pにより形成される開口を開放する。本例では、支持体401Gは、1対のカバー401b-pGが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pGが航空機1の下方である。なお、支持体401Gは、1対のカバー401b-pGが第2位置を有する状態において、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも、1対のカバー401b-pGが航空機1の上方であってもよい。
【0218】
本例では、1対のカバー401b-pGは、第2位置を有する状態において、支持体401Gの外表面から隔てられるとともに、鉛直面に対して傾斜する。なお、1対のカバー401b-pGは、第2位置を有する状態において、支持体401Gの外表面に隣接していてもよい。また、1対のカバー401b-pGは、第2位置を有する状態において、鉛直面に沿って延在していてもよい。
【0219】
更に、変更機構は、1対のカバー401b-pGが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角を変更するように、第1アーム体AM1及び第2アーム体AM2を図示されない電動機によって回転駆動するとともに伸縮する。
【0220】
図14に表されるように、傾斜角θの変化に伴って、水平面投影面積APは変化する。水平面投影面積APは、第1回転翼402-pが有する2枚の羽根よりも1対のカバー401b-pGが航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のカバー401b-pGを見た場合における1対のカバー401b-pGの面積である。
図14における破線RTは、第1回転翼402-pの先端の軌跡を表す。
【0221】
本例では、
図14の(B)に表される場合における傾斜角θは、
図14の(A)に表される場合における傾斜角θよりも大きい。更に、
図14の(B)に表される場合における水平面投影面積APは、
図14の(A)に表される場合における水平面投影面積APよりも小さい。従って、傾斜角θが大きくなるほど、水平面投影面積APは小さくなる。
このように、本例では、支持体401Gの変更機構は、傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する。
【0222】
本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pGと支持体401Gとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角θを小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。本例では、変更機構は、1対のカバー401b-pGの鉛直下方における端部と、支持体401Gと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0223】
本例では、航空機1は、鉛直上方向、又は、鉛直下方向へ飛行している期間において、航空機の姿勢が乱された場合、少なくとも1つの第1回転翼402-pに対する1対のカバー401b-pGの傾斜角θを変更することにより、当該少なくとも1つの第1回転翼402-pの回転に伴って生じる上方推力を変更する。これにより、航空機1の姿勢を制御する。
【0224】
以上、説明したように、第2実施形態の第3変形例の航空機1によっても、第1実施形態の航空機1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態の第3変形例の航空機1において、支持体401Gは、1対のカバー401b-pGが少なくとも1枚の羽根よりも航空機1の下方である状態において、鉛直下方へ向かって1対のカバー401b-pGを見た場合における1対のカバー401b-pGの面積である水平面投影面積APが変更可能である。
【0225】
これによれば、水平面投影面積APを大きくすることにより、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分を減少させることができる。従って、水平面投影面積APを変更することにより、第1回転翼402-pの回転に伴って生じる、航空機1を鉛直上方向へ推進させる推力(換言すると、上方推力)を迅速に変更できる。この結果、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0226】
更に、第2実施形態の航空機1において、支持体401Gは、1対のカバー401b-pGが水平面に対して傾斜する角度である傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する変更機構を備える。
【0227】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制しながら、水平面投影面積APを変更できる。
【0228】
なお、支持体401Gは、傾斜角θの変更に代えて、又は、傾斜角θの変更に加えて、1対のカバー401b-pGの面積を変更することにより、水平面投影面積APを変更するように構成されていてもよい。
【0229】
更に、第2実施形態の第3変形例の航空機1において、変更機構は、1対のカバー401b-pGと支持体401Gとの間の水平方向における距離を長くするとともに傾斜角θを小さくすることにより、水平面投影面積APを大きくする。
【0230】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れのうちの、鉛直下方向の成分の減少量を増加できる。従って、上方推力を迅速に変更できるので、離着陸時に航空機1の姿勢を迅速に制御できる。
【0231】
更に、第2実施形態の第3変形例の航空機1において、変更機構は、1対のカバー401b-pGの鉛直下方における端部と、支持体401Gと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなる。
【0232】
これによれば、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが支持体401Gと干渉することを抑制できる。この結果、第1回転翼402-pが回転することによって送出する空気の流れが乱されることを抑制できる。
【0233】
なお、第2実施形態の第3変形例の航空機1において、変更機構は、1対のカバー401b-pGの鉛直上方における端部と、支持体401Gと、の間の水平方向における距離が長くなるほど、水平面投影面積APが大きくなるように構成されていてもよい。
【0234】
この場合においても、
図15に表されるように、傾斜角θの変化に伴って、水平面投影面積APは変化する。本例では、
図15の(B)に表される場合における傾斜角θは、
図15の(A)に表される場合における傾斜角θよりも大きい。更に、
図15の(B)に表される場合における水平面投影面積APは、
図15の(A)に表される場合における水平面投影面積APよりも小さい。従って、傾斜角θが大きくなるほど、水平面投影面積APは小さくなる。
このように、本例でも、支持体401Gの変更機構は、傾斜角θを変更することにより、水平面投影面積APを変更する。
【0235】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【符号の説明】
【0236】
1 航空機
10 胴体
12 第2回転翼
20-1~20-4 固定翼
40-1~40-16 回転翼モジュール
401,401A,401B,401C,401D,401E,401F,401G 支持体
401a-1,401a-2,401a-1C,401a-2C 内部空間形成部
401a-1A,401a-2A 凹部形成部
401b-1,401b-2,401b-1C,401b-2C,401b-1D,401b-2D,401b-1E,401b-2E,401b-1G,401b-2G カバー
401c-1F,401c-2F ルーバー
402-1,402-2 第1回転翼
403-1,403-2 電動機
AM アーム体
AM1 第1アーム体
AM2 第2アーム体
【要約】
【課題】巡航状態において抗力を抑制することが可能な航空機を提供すること。
【解決手段】航空機1は、垂直離着陸を行う。航空機は、胴体10と、胴体から航空機の左右方向にて延在する、少なくとも1対の固定翼20-1~20-4と、羽根を有するとともに、回転駆動されることにより航空機を鉛直上方向へ推進させる推力を発生する回転翼402-1,402-2と、航空機の前後方向にて延在するように少なくとも1対の固定翼に固定されるとともに、回転翼を支持する支持体401と、を備える。支持体は、羽根が航空機の前後方向にて延在する状態において、航空機の左右方向にて見た場合に羽根を覆うように羽根を航空機の左右方向にて挟む第1位置と、航空機の上下方向における位置が羽根と異なる第2位置と、の間で位置が変更可能である1対のカバー401b-1,401b-2を備える。
【選択図】
図2