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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】高周波電力分配器
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/19 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
H01P5/19 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020194256
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083029
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広次
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-022007(JP,A)
【文献】米国特許第04875024(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第01017124(EP,A1)
【文献】特開平01-241202(JP,A)
【文献】特開2009-171420(JP,A)
【文献】特開昭58-115901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板と、
前記基板上に設けられ、入力端と、第1出力端と、第2出力端と、複数の第1マイクロストリップ線路と、複数の第2マイクロストリップ線路と、複数の第3マイクロストリップ線路と、抵抗素子と、を含む回路であって、
前記入力端と前記第1出力端との間には、前記複数の第1マイクロストリップ線路のうちの1つの第1マイクロストリップ線路と、前記複数の第2マイクロストリップ線路のうちの1つの第2マイクロストリップ線路と、が配置され、
前記入力端と前記第2出力端との間には、前記複数の第1マイクロストリップ線路のうちの別の第1マイクロストリップ線路と、前記複数の第2マイクロストリップ線路のうちの別の第2マイクロストリップ線路と、が配置され、
前記入力端は、前記1つの第1マイクロストリップ線路の第1端と、前記別の第1マイクロストリップ線路の第1端と、に接続され、
前記1つの第1マイクロストリップ線路の第2端は、前記1つの第2マイクロストリップ線路の第1端に接続され、
前記1つの第2マイクロストリップ線路の第2端は、前記第1出力端に接続され、
前記別の第1マイクロストリップ線路の第2端は、前記別の第2マイクロストリップ線路の第1端に接続され、
前記別の第2マイクロストリップ線路の第2端は、前記第2出力端に接続され、
前記複数の第3マイクロストリップ線路のうちの1つの第3マイクロストリップ線路の第1端は、前記1つの第1マイクロストリップ線路の前記第2端および前記1つの第2マイクロストリップ線路の前記第1端に接続され、
前記1つの第3マイクロストリップ線路の第2端は、前記抵抗素子の一端に接続され、 前記複数の第3マイクロストリップ線路のうちの別の第3マイクロストリップ線路の第1端は、前記別の第1マイクロストリップ線路の前記第2端および前記別の第2マイクロストリップ線路の前記第1端に接続され、
前記別の第3マイクロストリップ線路の第2端は、前記抵抗素子の他端に接続され、
前記複数の第1マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は90度であり、
前記複数の第2マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は90度であり、
前記複数の第3マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は180度である、回路と、
を備え、
前記入力端、前記第1出力端および前記第2出力端は、前記基板の表面に沿い前記第2出力端から前記第1出力端への第1方向に並び、前記入力端は、前記第1出力端と前記第2出力端との間に設けられ、
前記1つの第1マイクロストリップ線路、前記別の第1マイクロストリップ線路、前記1つの第2マイクロストリップ線路および前記別の第2マイクロストリップ線路は、それぞれ、前記第1方向に延在し、
前記入力端と前記抵抗素子は、前記基板の前記表面に沿った第2方向であって、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
前記1つの第3マイクロストリップ線路は、前記1つの第3マイクロストリップ線路の前記第1端から前記第2方向に延在する第1部分と、前記第1部分の先端から前記第1方向の反対側に延在する第2部分と、前記2部分の先端から前記第2方向に延在する第3部分と、前記第3部分の先端から前記第1方向に延在する第4部分と、前記第4部分の先端から前記第2方向に延在する第5部分と、前記第5部分の先端から前記1つの第3マイクロストリップ線路の前記第2端に延在する第6部分と、を有し、
前記別の第3マイクロストリップ線路は、前記別の第3マイクロストリップ線路の前記第1端から前記第2方向に延在する第1部分と、前記第1部分の先端から前記第1方向に延在する第2部分と、前記2部分の先端から前記第2方向に延在する第3部分と、前記第3部分の先端から前記第1方向の反対側に延在する第4部分と、前記第4部分の先端から前記第2方向に延在する第5部分と、前記第5部分の先端から前記別の第3マイクロストリップ線路の前記第2端に延在する第6部分と、を有する、高周波電力分配器。
【請求項2】
前記入力端、前記第1出力端および前記第2出力端における特性インピーダンスは、50Ωである請求項1記載の高周波電力分配器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回路を複数備え、
前記複数の回路は、第1および第2回路を含み、
前記第1回路の第1出力端は、前記第2回路の入力端に接続された高周波電力分配器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、高周波電力分配器に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波などの高周波数帯における電力分配には、例えば、ウイルキンソン型電力分配器が用いられる。しかしながら、ウイルキンソン型電力分配器では、その帯域を広げるために多段化すると、電力損失が増加し、回路規模も大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-321509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、広帯域化が可能な高周波電力分配器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る高周波電力分配器は、絶縁性の基板と、前記基板上に設けられた回路と、を備える。前記回路は、入力端と、第1出力端と、第2出力端と、複数の第1マイクロストリップ線路と、複数の第2マイクロストリップ線路と、複数の第3マイクロストリップ線路と、抵抗素子と、を含む。前記入力端と前記第1出力端との間には、前記複数の第1マイクロストリップ線路のうちの1つの第1マイクロストリップ線路と、前記複数の第2マイクロストリップ線路のうちの1つの第2マイクロストリップ線路と、が配置される。前記入力端と前記第2出力端との間には、前記複数の第1マイクロストリップ線路のうちの別の第1マイクロストリップ線路と、前記複数の第2マイクロストリップ線路のうちの別の第2マイクロストリップ線路と、が配置される。前記入力端は、前記1つの第1マイクロストリップ線路の第1端と、前記別の第1マイクロストリップ線路の第1端と、に接続される。前記1つの第1マイクロストリップ線路の第2端は、前記1つの第2マイクロストリップ線路の第1端に接続され、前記1つの第2マイクロストリップ線路の第2端は、前記第1出力端に接続される。前記別の第1マイクロストリップ線路の第2端は、前記別の第2マイクロストリップ線路の第1端に接続され、前記別の第2マイクロストリップ線路の第2端は、前記第2出力端に接続される。前記複数の第3マイクロストリップ線路のうちの1つの第3マイクロストリップ線路の第1端は、前記1つの第1マイクロストリップ線路の前記第2端および前記1つの第2マイクロストリップ線路の前記第1端に接続される。前記1つの第3マイクロストリップ線路の第2端は、前記抵抗素子の一端に接続される。前記複数の第3マイクロストリップ線路のうちの別の第3マイクロストリップ線路の第1端は、前記別の第1マイクロストリップ線路の前記第2端および前記別の第2マイクロストリップ線路の前記第1端に接続される。前記別の第3マイクロストリップ線路の第2端は、前記抵抗素子の他端に接続される。前記複数の第1マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は90度であり、前記複数の第2マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は90度である。前記複数の第3マイクロストリップ線路のそれぞれの前記第1端と前記第2端との間における高周波信号の位相変化は180度である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る高周波電力分配器を表す模式平面図である。
図2】実施形態に係る高周波電力分配器を表す回路図である。
図3】実施形態に係る高周波電力分配器の特性を表すグラフである。
図4】実施形態の変形例に係る高周波電力分配器を表す回路図である。
図5】比較例に係る高周波電力分配器を表す回路図および模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
図1は、実施形態に係る高周波電力分配器1を表す模式平面図である。高周波電力分配器1は、例えば、絶縁性基板RSの表面上に設けられた複数のマイクロストリップ線路および抵抗素子Rbで構成される。絶縁性基板RSは、例えば、樹脂もしくはセラミックを含み、裏面上に図示しない金属層を有する。複数のマイクロストリップ線路は、例えば、銅(Cu)もしくは金(Au)を含む。
【0010】
図1に示すように、高周波電力分配器1は、入力端Pinと、第1出力端Pout1と、第2出力端Pout2と、複数の第1マイクロストリップ線路10a、10bと、複数の第2マイクロストリップ線路20a、20bと、複数の第3マイクロストリップ線路30a、30bと、抵抗素子Rbと、を含む。
【0011】
例えば、入力端Pin、第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、絶縁性基板RSの表面に沿った第1方向、例えば、Y方向に並ぶ。入力端Pinは、第1出力端Pout1と第2出力端Pout2との間に設けられる。また、入力端Pinと抵抗素子Rbは、例えば、絶縁性基板の表面に沿った第2方向であって、第1方向と交差する第2方向、例えば、X方向に並ぶ。
【0012】
入力端Pinと第1出力端Pout1との間には、第1マイクロストリップ線路10aと、第2マイクロストリップ線路20aと、が配置される。また、入力端Pinと第2出力端Pout2との間には、第1マイクロストリップ線路10bと、第2マイクロストリップ線路20bと、が配置される。
【0013】
第1マイクロストリップ線路10a、10b、第2マイクロストリップ線路20aおよび20bは、それぞれ、Y方向に延在する。第1マイクロストリップ線路10a、10b、第2マイクロストリップ線路20aおよび20bは、それぞれ、分岐せず、一方の端(以下、第1端)と、他方の端(以下、第2端)を有する。
【0014】
入力端Pinは、第1マイクロストリップ線路10aの第1端と、第1マイクロストリップ線路10bの第1端に接続される。
【0015】
第1マイクロストリップ線路10aの第2端は、第2マイクロストリップ線路20aの第1端に接続される。第2マイクロストリップ線路20aの第2端は、第1出力端Pout1に接続される。
【0016】
第1マイクロストリップ線路10bの第2端は、第2マイクロストリップ線路20bの第1端に接続される。第2マイクロストリップ線路20bの第2端は、第2出力端Pout2に接続される。
【0017】
第3マイクロストリップ線路30aは、第1マイクロストリップ線路10aおよび第2マイクロストリップ線路20aの接続点CP1と抵抗素子Rbとの間に設けられる。第3マイクロストリップ線路30aの第1端は、接続点CP1において、第1マイクロストリップ線路10aの第2端および第2マイクロストリップ線路20aの第1端に接続される。また、第3マイクロストリップ線路30aの第2端は、抵抗素子Rbの一端に接続される。
【0018】
第3マイクロストリップ線路30bは、第1マイクロストリップ線路10bおよび第2マイクロストリップ線路20bの接続点CP2と抵抗素子Rbとの間に設けられる。第3マイクロストリップ線路30bの第1端は、接続点CP2において、第1マイクロストリップ線路10bの第2端および第2マイクロストリップ線路20bの第1端に接続される。また、第3マイクロストリップ線路30bの第2端は、抵抗素子Rbの他端に接続される。
【0019】
図2は、実施形態に係る高周波電力分配器1を表す回路図である。図2に示すように、入力端Pin、第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、特性インピーダンスZportがそれぞれ50Ωとなるように設けられる。
【0020】
第1マイクロストリップ線路10aおよび10bは、それぞれ、特性インピーダンスZ1を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が90度となるように設けられる。
【0021】
第2マイクロストリップ線路20aおよび20bは、それぞれ、特性インピーダンスZ2を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が90度となるように設けられる。
【0022】
第3マイクロストリップ線路30aおよび30bは、それぞれ、特性インピーダンスZ3を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が180度となるように設けられる。
【0023】
図3は、実施形態に係る高周波電力分配器1の特性を表すグラフである。横軸は、信号周波数を中心周波数で規格化した値である。縦軸は、S11の絶対値(dB)である。図3中には、実施形態に係る高周波電力分配器1の特性SP1と、比較例に係る高周波電力分配器2(図5参照)の特性SP2と、を示している。
【0024】
図5(a)は、高周波電力分配器2を示す模式平面図であり、図5(b)は、高周波電力分配器2を示す回路図である。図5(a)に示すように、高周波電力分配器2は、絶縁性基板RSの表面上に設けられる。高周波電力分配器2は、ウイルキンソン電力分配器である。
【0025】
高周波電力分配器2は、入力端Pinと、第1出力端Pout1と、第2出力端Pout2と、第1マイクロストリップ線路10aと、第1マイクロストリップ線路10bと、抵抗素子Rbと、を含む。入力端Pin、第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、例えば、X方向に並び、入力端Pinおよび抵抗素子Rbも、X方向に並ぶように配置される。
【0026】
第1マイクロストリップ線路10aは、入力端Pinと第1出力端Pout1との間に設けられる。第1マイクロストリップ線路10aの第1端は、入力端Pinに接続され、第2端は、抵抗素子Rbの一端に接続される。
【0027】
第1マイクロストリップ線路10bは、入力端Pinと第2出力端Pout2との間に設けられる。第1マイクロストリップ線路10bの第1端は、入力端Pinに接続され、第2端は、抵抗素子Rbの他端に接続される。
【0028】
第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、それぞれ抵抗素子Rbの一端および他端に接続される。
【0029】
図5(b)に示すように、入力端Pin、第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、特性インピーダンスZportがそれぞれ50Ωとなるように設けられる。第1マイクロストリップ線路10aおよび10bは、それぞれ、特性インピーダンスZ1を有し、第1端と第2端との間の高周波信号の位相変化が90度となるように設けられる。
【0030】
図3に示すように、高周波電力分配器2の特性SP2は、中心周波数において、極小値を有する。中心周波数は、例えば、3GHzである。一方、高周波電力分配器1の特性SP1は、例えば、2~4GHzの帯域に対応する比帯域0.67~1.33の範囲において、|S11|が小さくなることを示している。例えば、|S11|が-20dB以下の帯域で見ると、高周波電力分配器1は、高周波電力分配器2よりも広い比帯域幅を有する。
【0031】
さらに、図1に示すように、高周波電力分配器1の第1出力端Pout1および第2出力端Pout2は、Y方向に離間して設けられる。このため、抵抗素子Rbの両端に第1出力端Pout1および第2出力端Pout2が設けられる高周波電力分配器2に比べて、次段回路への接続が容易になる。
【0032】
図4は、実施形態の変形例に係る高周波電力分配器3を表す回路図である。高周波電力分配器3は、図2に示す電力分配回路の第1出力端Pout1に、同じ構造の電力分配器回路が直列接続された回路構成を有している。
【0033】
図4に示すように、高周波電力分配器3は、第4マイクロストリップ線路40aおよび40bと、第5マイクロストリップ線路50aおよび50bと、第6マイクロストリップ線路60aおよび60bと、抵抗素子Rb2と、をさらに含む。
【0034】
第4マイクロストリップ線路40aおよび第5マイクロストリップ線路50aは、第2マイクロストリップ線路20aと第1出力端Pout1との間に設けられる。第4マイクロストリップ線路40aの第1端は、第2マイクロストリップ線路20aの第2端に接続され、第4マイクロストリップ線路40aの第2端は、第5マイクロストリップ線路50aの第1端に接続される。第5マイクロストリップ線路50aの第2端は、第1出力端Pout1に接続される。
【0035】
第4マイクロストリップ線路40bおよび第5マイクロストリップ線路50bは、第2マイクロストリップ線路20aと第2出力端Pout2との間に設けられる。第4マイクロストリップ線路40bの第1端は、第2マイクロストリップ線路20aの第2端に接続され、第4マイクロストリップ線路40bの第2端は、第5マイクロストリップ線路50bの第1端に接続される。第5マイクロストリップ線路50bの第2端は、第2出力端Pout2に接続される。
【0036】
第6マイクロストリップ線路60aは、第4マイクロストリップ線路40aおよび第5マイクロストリップ線路50aの接続点CP3と抵抗素子Rb2との間に設けられる。第6マイクロストリップ線路60aの第1端は、接続点CP3において、第4マイクロストリップ線路40aの第2端および第5マイクロストリップ線路50aの第1端に接続される。また、第3マイクロストリップ線路60aの第2端は、抵抗素子Rb2の一端に接続される。
【0037】
第6マイクロストリップ線路60bは、第4マイクロストリップ線路10bおよび第5マイクロストリップ線路50bの接続点CP4と抵抗素子Rb2との間に設けられる。第6マイクロストリップ線路60bの第1端は、接続点CP4において、第4マイクロストリップ線路40bの第2端および第5マイクロストリップ線路50bの第1端に接続される。また、第6マイクロストリップ線路60bの第2端は、抵抗素子Rb2の他端に接続される。
【0038】
第4マイクロストリップ線路40aおよび40bは、それぞれ、特性インピーダンスZ4を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が90度となるように設けられる。
【0039】
第5マイクロストリップ線路50aおよび50bは、それぞれ、特性インピーダンスZ5を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が90度となるように設けられる。
【0040】
第6マイクロストリップ線路60aおよび60bは、それぞれ、特性インピーダンスZ6を有し、第1端と第2端との間における高周波信号の位相変化が180度となるように設けられる。
【0041】
高周波電力分配器3は、さらに、第2マイクロストリップ線路20bに接続された図2と同様の回路(図示しない)を有する。高周波電力分配器3は、第3出力端Pout3および第4出力端Pout4(図示しない)をさらに備える。
【0042】
この例では、図2に示す回路を2段に接続する構成を示したが、実施形態は、これに限定される訳ではない。例えば、図2に示す回路をN段に構成すると、出力端の数は、2Nとなる。すなわち、2Nの出力端を有する高周波電力分配器を構成することができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1、2、3…高周波電力分配器、 10a、10b…第1マイクロストリップ線路、 20a、20b…第2マイクロストリップ線路、 30a、30b…第3マイクロストリップ線路、 40a、40b…第4マイクロストリップ線路、 50a、50b…第5マイクロストリップ線路、 60a、60b…第6マイクロストリップ線路、 CP1、CP2、CP3、CP4…接続点、 Pin…入力端、 Pout1…第1出力端、 Pout2…第2出力端、 RS…絶縁性基板、 Rb、Rb2…抵抗素子
図1
図2
図3
図4
図5