(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】耐摩耗ホース
(51)【国際特許分類】
F16L 11/08 20060101AFI20250116BHJP
F16L 11/12 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
F16L11/08 A
F16L11/12 J
(21)【出願番号】P 2020207726
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517413605
【氏名又は名称】ニッタ化工品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 仁
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-007690(JP,U)
【文献】実開昭60-182885(JP,U)
【文献】実開昭60-182509(JP,U)
【文献】特開2008-309310(JP,A)
【文献】実公昭48-002752(JP,Y1)
【文献】実公昭38-025164(JP,Y1)
【文献】特開2007-162818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0321825(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103443519(CN,A)
【文献】特開2017-002934(JP,A)
【文献】特開2000-227190(JP,A)
【文献】特開平04-240501(JP,A)
【文献】国際公開第2008/136625(WO,A2)
【文献】実開平04-047608(JP,U)
【文献】実開昭58-173894(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/08
F16L 11/12
F17D 1/08
G01B 5/00
E04G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料製のホース本体と、前記ホース本体の基端部に嵌合一体化される筒状の接続用口金具とを備えるとともに、前記ホース本体の長手方向の伸張の寸法変化
量を表示可能な表示機構が設けられている耐摩耗ホース。
【請求項2】
前記表示機構は、前記ホース本体に印されたマークと、前記接続用口金具に装着される表示具とを有し、
前記表示具に印された目盛りと前記マークとの前記長手方向での相対位置関係の読み取りが可能に構成されている請求項1に記載の耐摩耗ホース。
【請求項3】
前記表示具は、前記接続用口金具に取付けられる取付部と、前記取付部から前記長手方向に伸びる表示本体部とを有し、前記表示本体部の先端部に前記目盛りが形成されている請求項2に記載の耐摩耗ホース。
【請求項4】
前記ホース本体は、前記接続用口金具に嵌合される接続ホース部分と、前記接続ホース部分に続く主ホース部分とを有し、前記マークは前記主ホース部分に形成されている請求項2又は3に記載の耐摩耗ホース。
【請求項5】
前記ホース本体には、螺旋状に巻回される補強コードが埋込み配置されており、前記補強コードの前記ホース本体の軸心に対する傾斜角度が、所定の静止角度より大に設定されている請求項1~4の何れか一項に記載の耐摩耗ホース。
【請求項6】
生コン打設用の先端ホースとして構成されている請求項1~5の何れか一項に記載の耐摩耗ホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コン打設用の先端ホースなど、可撓性材料製のホース本体と、ホース本体の基端部に嵌合一体化される筒状の接続用口金具とを備えている耐摩耗ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築現場での生コン(生コンクリート)の注入作業には、一般的にコンクリートポンプ車が用いられる。配管ラインを有するコンクリートポンプ車を用いて生コンを揚送し、配管ラインの終端に位置する生コン打設用の先端ホースから、所定の注入箇所に生コンを吐出供給する。このように耐摩耗性ホースによる先端ホースを用いる作業に関しては、特許文献1で開示されたものが知られている。
【0003】
配管ライン内に生コンやその配合成分(砂や骨材など)が付着して、先端ホースが詰まり気味になるとか、場合によっては閉塞することがある。例えば、ミキサー車から最初に排出されてくる砂成分の多い生コンクリートが、乾燥したホース内面に付着して固まることによる詰まりや閉塞が生じることがある。
【0004】
打設作業を中断して先端ホースを配管ラインから取外して、内部の詰まり除去作業及び洗浄作業を行う必要があり、作業効率を著しく阻害することとなって都合が悪い。また、配管ラインに生コンが流れてくると先端ホースの内圧が上がるが、詰まりや閉塞が生じると、内圧が上がり過ぎて先端ホースが破損するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、先端ホースにおいて、閉塞や閉塞に発展する詰まりの生じていることが分かるようにすれば、生コンの供給量を減じるとか一時的に中断するといった対策が採れて、先端ホース交換やメンテナンスなどによる作業の中断が予め防止できて好都合である。
【0007】
本発明の目的は、生コン打設作業が不都合なく効率良く行える先端ホースが実現できるように、内圧が所定以上に上がることが表示できるように改善された耐摩耗ホースを提供させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、耐摩耗ホースAにおいて、可撓性材料製のホース本体1と、前記ホース本体1の基端部に嵌合一体化される筒状の接続用口金具2とを備えるとともに、前記ホース本体1の長手方向の伸張の寸法変化量を表示可能な表示機構Bが設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記表示機構は、前記ホース本体1に印されたマーク12と、前記接続用口金具2に装着される表示具13とを有し、
前記表示具13に印された目盛りmと前記マーク12との前記長手方向での相対位置関係の読み取りが可能に構成されていると好都合である。
【0011】
前記表示具13は、前記接続用口金具2に取付けられる取付部13Bと、前記取付部から前記長手方向に伸びる表示本体13Aとを有し、前記表示本体13Aの先端部13Cに前記目盛りmが形成されているとよい。
【0012】
前記ホース本体1は、前記接続用口金具2に嵌合される接続ホース部分1Aと、前記接続ホース部分1Aに続く主ホース部分1Bとを有し、前記マーク12は前記主ホース部分1Bに形成されていると好都合である。
【0013】
前記ホース本体1には、螺旋状に巻回される補強コードkが埋込み配置されており、前記補強コードkの前記ホース本体1の軸心Pに対する傾斜角度θが、所定の静止角度βより大に設定されているとよい。
【0014】
耐摩耗ホースAは、生コン打設用の先端ホースとして構成されていると好都合である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ホース本体の寸法変化を表示可能な表示機構が設けられているので、生コンの供給や詰まりなどによる圧力上昇に伴うホース本体の伸張といった寸法変化を表示させることが可能になる。従って、表示機構においては、圧力上昇に伴う寸法変化のデータに基づいて、寸法変化を圧力変化に置き換えて表示することができる。
【0016】
従って、生コン打設時の負荷圧力が目視にて判断可能になるとともに、詰まりや閉塞並びにそれらによる破損を未然に防止できるようになる。
その結果、生コン打設作業が不都合なく効率良く行える先端ホースが実現できるように、内圧が所定以上に上がることが表示できるように改善された耐摩耗ホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】先端ホースの基端部と表示具とを示す平面図及び吹き出し図
【
図2】無加圧時における表示機構を示す平面図及び吹き出し図
【
図3】加圧時における表示機構を示す平面図及び吹き出し図
【
図4】先端ホースの構造を示す基端部の一部切欠き側面図
【
図5】ホース本体の要部を一部切欠いた側面図を用いて貼付角度を示す図
【
図6】補強層の傾斜角度を示し、(A)は無加圧時、(B)は加圧時
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明による耐摩耗ホースの実施の形態を、生コン打設用の先端ホースの場合について、図面を参照しながら説明する。なお、
図5は貼付角度θの概念を示すものであり、
図4に示されるものと断面構造を一致させてはいない。また、
図4,5においては、図面の見やすさの点から、基本、内外の面層3,4や各補強コード5~9のハッチングを省略してある。
【0019】
図4に示されるように、先端ホース(「耐摩耗ホース」の一例)Aは、ゴム(可撓性材料の一例)製のホース本体1と、ホース本体1の基端部に内嵌(嵌合一体化)される筒状の接続用口金具2と、を有する長尺状のホースである。筒状のホース本体1は、その基端部が接続用口金具2の先端部に外嵌された状態で強固に一体化されている。
【0020】
接続用口金具2は、
図4に示されるように、本体筒部2Aと、その基端に形成されている肉厚基端部2Bと、本体筒部2Aの長手方向の中間部に径外側に突出する状態で形成されているフランジ部2Cと、本体筒部2Aの先端側に形成されている小フランジ2Dと、を有する円筒状の金具である。本体筒部2Aの内周面の基端側は、基端側ほど径が大きくなる緩い傾斜角度が付けられたテーパ内周面2aに形成されている。フランジ部2Cの基端側の側周面(符記省略)、及び小フランジ2Dの先端側の側周面(符記省略)は、先端ホースAの軸心Pに対して傾斜した面に形成されている。
【0021】
ホース本体1は、
図4に示されるように、その肉厚の中間部に補強層5~9が埋め込み配置された補強ホースであって、接続用口金具2に外嵌されるホース基部である接続ホース部分1Aと、殆どの部分を占める補強ホース部分である主ホース部分1Bとからなる。ホース本体1は、ゴム(合成ゴムなど)製の内面層(内面ゴム)3と、ゴム(合成ゴムなど)製の外面層(外面ゴム)4と、それら3,4の間に配置される補強層5~9とを有している。なお、内面層3と外面層4とは、ホース本体1の前後端のそれぞれで径方向に繋がって一体になっている。主ホース部分1Bは、埋設される補強層5~9の影響により外径が軸心方向に緩く波打っているが、基本的に径は一定であると言える。
【0022】
内面層3と外面層4との径方向での間に設けられる補強層5~9は、合成繊維などよりなる内外の主補強層5,6、合成繊維などよりなる内外の副補強層7,8、及び鋼線(スチールコード)などよりなる螺旋状の補強線9を有して形成されている。なお、内外の主補強層5,6及び内外の副補強層7,8はそれぞれ補強コードkを構成している。
各種補強層5~9は、径内側から径外側に向けて、内主補強層5、内副補強層7、補強線9、外主補強層6、外副補強層8の順で積層されている。内主補強層5は内外二重に設けられているが、主ホース部分1Bの先端部1bのように、一重で装備されていてもよい。
【0023】
径が主ホース部分1Bより大きく、かつ、ホース長手方向(軸心P方向で)で径が徐変する接続ホース部分1Aにおいては、外主補強層6の基端部が、鋼線などによる補強リング10を巻き込む状態で径外側に折り返されている。補強リング10は、フランジ部2Cの基端側のすぐ近くに配置されている。また、接続ホース部分1Aには、合成繊維などからなる端部補強層11が、外主補強層6の径外側に続けて位置する状態で設けられている。なお、補強リング10及び端部補強層11も補強層である。
【0024】
図1~
図3及び
図4に示されるように、ホース本体1の長手方向(軸心P方向)の寸法変化を表示可能な表示機構Bが設けられている。表示機構Bは、ホース本体1に印されたマーク12と、接続用口金具2に装着される表示具13とを有してなり、表示具13に印されたいずれかの目盛りmとマーク12との長手方向での相対位置関係の読み取りが可能に構成されている。
【0025】
マーク12は、
図2や
図3に示されるように、主ホース部分1Bの基端部に、軸心Pに直交して周方向に延びる小幅のライン12Aを設けることにより構成されている。ライン12Aは円弧状でも、周に亘って巻回される(周設される)ものでもよい。また、図示は省略するが、マーク12は、ホース長手方向に離れた2本の基本線を設けることでなるものでもよい。
【0026】
表示具13は、
図1~
図3に示されるように、接続用口金具2に装着して支持させるための取付部13Bと、ホース本体1の長手方向(軸心P方向)に延びる表示本体13Aとを有し、例えば鋼板やアルミ合金などの金属板や合成樹脂板により構成されると好都合である。表示本体13Aの先端部は表示部13Cに形成され、表示部13Cには、幅方向の中央部が基端側に矩形形状で凹入する先端開口の切欠き部13Dが形成されている。切欠き部13Dの左右は、軸心P方向に間隔が開けられた複数の目盛りmが記された先端片13a,13bに形成されている。
【0027】
表示本体13Aは、その先端(表示部13C)が主ホース部分1Bの基端部に到達する箇所まで伸びており、各先端片13a,13bに複数の目盛りmが記されている。目盛りmは、
図1の吹き出し図に示されるように、先端ホースAの基端側から先端側にかけて順に、0Mpa、0.3Mpa、0.6Mpa、0.9Mpa、1.0Mpa、と5つの圧力値が記されている。
【0028】
互いに近接する2本の互いにライン12A,12Aよりなるマーク12は、丁度切欠き部13Dに位置するように、表示本体13Aの長さが設定されている。従って、表示機構Bは、左右の先端片13a,13bに印されている複数の目盛りmと切欠き部13Dに表れているマーク12との、先端ホースAの長手方向(軸心P方向)での相対位置関係を読み取り可能に構成されている。
【0029】
ホース本体1は、生コンなど、その内部を流体が流れる際の圧力上昇(加圧)により、ホース長手方向(軸心P方向)に若干伸びる性質を有している。従って、先端ホースA内において詰まりや閉塞が生じて強く加圧されると、ホース本体1が明確にホース長手方向に伸びるので、その伸びた長さにより、内部圧力を認識することが可能になる。
【0030】
表示機構Bによる表示の例は次のとおりである。生コン打設時の常用圧力は0.3MPa以下であることから、表示機構Bは、通常時は0~0.3MPaの範囲で推移する。ホース閉塞時は圧力が上昇するので、最高使用圧力を0.8MPa、破壊圧力3.9MPa以上を参考に、1.0MPa相当の伸びを異常圧力としてある。
【0031】
表示機構Bは、加圧によりホース本体1が長手方向に伸びる原理を用いたものであり、マーク12の表示部13C、詳しくは目盛りmとの位置関係により、先端ホースAの内部圧力を知ることができる。例えば、未使用時(無加圧時)では、
図2及びその吹き出し図に示されるように、表示機構Bは、マーク12が0MPaの目盛りmに合致した状態、即ち内部圧力が0であることを示している。
【0032】
そして、生コンが流されて先端ホースAが加圧されるとその長さが伸張するようになり、例えば
図3及びその吹き出し図に示されるように、ホース本体1が大きく伸びてマーク12が1.0MPaの目盛りmに合致した状態、即ち内部圧力が1.0MPaであることが表示機構Bにより読み取れるのである。
このように、接続用口金具2に取付けられる表示機構Bを設けてあるので、生コン打設作業を行いながら、先端ホースAの内部圧力をタイムリーに知ることができ、詰まりや閉塞による破損を未然に防止できるようになる。
【0033】
〔表示機構Bの実施例〕
表示具13の一例の構成を、
図1や
図4(仮想線を参照)を参照して説明する。表示本体13Aは、軸心P方向視で円弧状をなし、樽のように径外側に膨出した形状の接続ホース部分1Aの外郭形状に隙間なく沿う形状、即ち、先端側ほど径が大となる拡径部14、先端側ほど径が小となる縮径部15、径一定の表示部13Cとからなる。取付部13Bは、接続用口金具2の本体筒部2Aに取外し可能に外嵌装着可能となる形状(例:C字形状)形成されていれば好都合である。また、表示本体13Aの基端側の左右幅は、取付部13Bの幅に合せて拡げられた段付き形状とされている。
【0034】
表示本体13Aに、これを接続ホース部分1A又は主ホース部分1Bに嵌め込んで支持させるためのC字形状で可撓性材料(ばね鋼など)製の本体取付手段(図示省略)を設けてもよい。また、取付部13Bを、ばね鋼によるC形形状のものなど、可撓性材料製で本体筒部2Aに着脱可能に弾性締付け状態で取り付けられる構造でもよい。
【0035】
マーク12は、ホース本体1の製造時における加硫転写によりラインを入れることで形成されているが、その他の手段によってもよい。例として、ホース本体1に塗料を塗布する手段、ホース本体1の外周に溝を付け、かつ、その溝に塗料を塗布する手段、径外側に膨らむ外周溝をホース本体1に一体成形する手段、粘着テープを巻く手段、など種々の変更が可能である。
【0036】
〔先端ホースAの実施例〕
ホース本体1に埋設されている補強層5~9は、
図5に示されるように、補強コードkが、具体的には内外の主補強層5,6及び外副補強層8それぞれの繊維、例えば外副補強層8の繊維8aが、軸心Pに対して傾いた貼付角度(傾斜角度の一例)θをもって巻回されている。なお、
図5において、5aは内主補強層の繊維で、6aは外主補強層6の繊維である。
【0037】
補強層5~9を有するホース本体1(耐摩耗ホース)では、内面層3と外面層4の肉厚や硬度、或いは補強線9の線径や螺旋形状など、種々の緒元にもよるが、貼付角度θには、ホース本体1の内部圧力が上昇(加圧)されても長さが変化しない静止角度βというものが存在する。
【0038】
つまり、ホース本体1が加圧された場合、貼付角度θが静止角度βより大きいとホース本体1は、縮径しながら軸心P方向に伸び変位し、静止角度βより小さいとホース本体1は拡径しながら軸心P方向に縮み変位するように、それぞれ寸法変化する。本実施形態による先端ホースAにおいては、補強コードkの貼付角度θは、静止角度β(54.7度)より大きい64~65度に設定されている〔
図6(A)を参照〕。
【0039】
図6(A)に示されるように、所定の静止角度β(例:54.7度)に対して、貼付角度θがその静止角度βより大きい場合(例:65度)は、生コンを流すなどにより加圧(内圧封入)により補強コードkは静止角度β(例:54.7度)に近づこうとする作用が働く。従って、
図6(B)に示されるように、ホース本体1は縮径しながらホース長手方向(軸心P方向)には伸張変位(伸び変位)する。例えば、ホース長手方向の長さがLの場合には、加圧によりL+αに変化する。
【0040】
先端ホースA(ホース本体1)の内圧(内部圧力)MPaを(a)、ホース全長mmを(b)、伸長mm(c)、伸縮率%(d)と規定すると、データ(加圧伸長参考データ)例としては次の1~5が得られている。
1:(a)0 (b)500 (c)0 (d) 0
2:(a)0.3 (b)514 (c)14 (d) 2.80
3:(a)0.6 (b)532 (c)32 (d) 6.40
4:(a)0.9 (b)550 (c)50 (d)10.00
5:(a)1.0 (b)555 (c)55 (d)11.00
【0041】
〔作用効果について〕
前述のように、一般に、螺旋状の補強コードkを有する先端ホース(対摩耗ホース)Aは、加圧によりホース本体1が伸びるように設定されているものが多い。従って、そのホース本体1の伸びを利用して加圧状況の確認が行えるようにしたのが、表示機構Bを備える本発明の耐摩耗ホースAである。
【0042】
従来は、生コン打設用の先端ホースの使用時においては、加圧状況(異常な内部圧力も含む)を確認する手段や方法は無かったので、詰まりや閉塞が生じているか否かの判断が困難であった。
【0043】
しかしながら、ホースの伸長を圧力に換算する表示機構Bの実現により、加圧に伴うホース本体1の寸法変化、具体的には長さの変化生じると、その伸び量に応じて内圧である加圧値(先端ホースAの内部圧力値)が表示されるようになった。従って、生コン打設などの作業中であっても表示機構Bを目視すれば、先端ホースAの加圧状況を視認することができる。故に、マーク12と目盛りmとの表示により、加圧値が正常な範囲であるか異常に高い値であるかを瞬時に判断できる利点がある。
【0044】
また、そのための表示機構Bを、接続用口金具2に装着される表示具13と、ホース本体1に印されるマーク12とによる構造簡単で廉価な手段で実現でき、経済的合理的に従来の課題を解決できる良さも有している。
【0046】
図示は省略するが、表示具13は、軸心P方向で切った断面形状がL字形状であるものや、軸心P方向視の形状が平板状であるなど、種々の変更が可能である。本発明は、生コン打設作業に用いられるドッキングホースやポンピングチューブなど、先端ホース以外のあらゆる耐摩耗ホースに適用が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 ホース本体
1A 接続ホース部分
1B 主ホース部分
2 接続用口金具
12 マーク
13 表示具
13A 表示本体
13B 取付部
13C 先端部
A 先端ホース(耐摩耗ホース)
B 表示機構
P 軸心
k 補強コード
m 目盛り
θ 貼付角度(傾斜角度)
β 静止角度