(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20250116BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20250116BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/69 510
A63F13/822
(21)【出願番号】P 2020213857
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 康寛
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-171411(JP,A)
【文献】特開2014-217485(JP,A)
【文献】特開2001-293256(JP,A)
【文献】期間限定イベント「船上のMerry Christmas GIGS ダンテが街にやってくる」開催!,バンドやろうぜ![online],2017年11月29日,インターネット<URL:https://www.banyaro.net/news/appli.html?id=45648>,[2024年9月6日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部、
記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部、
集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部、
として機能させ、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から取得される前記アイテムの希少度が高くなるように前記アイテムを変更する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部、
記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部、
集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部、
として機能させ、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象から、取得可能な複数の前記アイテムのラインナップの中から所定の確率に基づいて前記アイテムが取得される場合には、集計された前記取得回数に基づいて、前記ラインナップを変更
し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象からの取得回数が少ないほど、前記ラインナップに希少度がより高い前記アイテムが加わるように、前記ラインナップを変更する、
ゲームプログラム。
【請求項3】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部、
記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部、
集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部、
として機能させ、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象から、取得可能な複数の前記アイテムのラインナップの中から所定の確率に基づいて前記アイテムが取得される場合には、集計された前記取得回数に基づいて、前記確率を変更し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から希少度がより高い前記アイテムを取得できる確率が上昇するように、前記確率を変更する、
ゲームプログラム。
【請求項4】
前記識別情報記録処理部は、
前記端末装置において前記アイテムが宝箱から取得された際に、前記宝箱を識別可能な前記識別情報を記録し、
前記取得回数集計処理部は、
記録した前記識別情報に基づいて前記宝箱ごとの取得回数を集計し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記宝箱からの取得回数が少ないほど、当該宝箱から取得される前記アイテムの希少度が高くなるように前記アイテムを変更する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記識別情報記録処理部は、
前記端末装置において前記アイテムが採取場所から前記ラインナップ及び前記確率に基づいて取得された際に、前記採取場所を識別可能な前記識別情報を記録し、
前記取得回数集計処理部は、
記録した前記識別情報に基づいて前記採取場所ごとの取得回数を集計し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記採取場所からの取得回数が少ないほど、当該採取場所から希少度がより高い前記アイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、前記ラインナップに希少度がより高い前記アイテムが加わるように、前記確率又は前記ラインナップの少なくとも一方を変更する、
請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記識別情報記録処理部は、
前記端末装置において前記アイテムがゲームキャラクタからの譲り受けにより取得された際に、前記ゲームキャラクタを識別可能な前記識別情報を記録し、
前記取得回数集計処理部は、
記録した前記識別情報に基づいて前記ゲームキャラクタごとの取得回数を集計し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記ゲームキャラクタからの取得回数が少ないほど、当該ゲームキャラクタから取得される前記アイテムの希少度が高くなるように前記アイテムを変更する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記識別情報記録処理部は、
前記端末装置において前記アイテムが敵キャラクタを討伐することで前記ラインナップ及び前記確率に基づいて取得された際に、前記敵キャラクタを識別可能な前記識別情報を記録し、
前記取得回数集計処理部は、
記録した前記識別情報に基づいて前記敵キャラクタごとの取得回数を集計し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記敵キャラクタからの取得回数が少ないほど、当該敵キャラクタから希少度がより高い前記アイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、前記ラインナップに希少度がより高い前記アイテムが加わるように、前記確率又は前記ラインナップの少なくとも一方を変更する、
請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記識別情報記録処理部は、
前記端末装置において前記アイテムが所定の範囲を有するエリアから前記ラインナップ及び前記確率に基づいて取得された際に、当該エリアを識別可能な前記識別情報を記録し、
前記取得回数集計処理部は、
記録した前記識別情報に基づいて前記エリアごとの取得回数を集計し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記エリアからの取得回数が少ないほど、当該エリアから希少度がより高い前記アイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、前記ラインナップに希少度がより高い前記アイテムが加わるように、前記確率又は前記ラインナップの少なくとも一方を変更する、
請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録するステップと、
記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計するステップと、
集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更するステップと、
を有し、
前記アイテムを変更するステップは、
前記取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から取得される前記アイテムの希少度が高くなるように前記アイテムを変更する、
ゲーム処理方法。
【請求項10】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部と、
記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部と、
集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部と、
を有し、
前記取得アイテム変更処理部は、
前記取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から取得される前記アイテムの希少度が高くなるように前記アイテムを変更する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ装置に接続された複数の端末装置において複数のプレイヤがゲームをプレイするいわゆるオンラインゲームにおいて、フィールド上でアイテムを取得できるゲームが知られている。
【0003】
このようなゲームの一例として、例えば特許文献1には、フィールド上の所定の場所に宝箱が配置されており、プレイヤキャラクタが宝箱を開けることでアイテムを取得できるゲームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のインターネットの普及により、フィールドのどの場所でどのようなアイテムを取得できるかといった情報は、例えば攻略サイト等において細部まで公開されてしまう場合がある。このような場合、プレイの新鮮味が薄れてしまい、面白みに欠けるという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、フィールド上で取得可能なアイテムをプレイヤの動向に応じて変更することで、面白みを向上することができるゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部、記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部、集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部、として機能させる。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録するステップと、記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計するステップと、集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更するステップと、を有する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、前記端末装置においてアイテムが取得対象から取得された際に、前記取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部と、記録した前記識別情報に基づいて前記取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部と、集計された前記取得回数に基づいて、前記取得対象から取得される前記アイテムを変更する取得アイテム変更処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、フィールド上で取得可能なアイテムをプレイヤの動向に応じて変更することで、面白みを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
【
図2】端末装置の構成の一例を表す装置構成図である。
【
図3】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図4】取得対象が宝箱である場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の一例を表す説明図である。
【
図5】取得対象が採取場所である場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の一例を表す説明図である。
【
図6】取得対象が採取場所である場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の他の例を表す説明図である。
【
図7】取得対象がゲームキャラクタである場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の一例を表す説明図である。
【
図8】取得対象が敵キャラクタである場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の一例を表す説明図である。
【
図9】取得対象が所定の範囲を有するエリアである場合の取得アイテム変更処理部による処理内容の一例を表す説明図である。
【
図10】サーバ装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図11】サーバ装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、
図1及び
図2を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の端末装置3と、サーバ装置5を有する。複数の端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、
図1ではサーバ装置5が1台のコンピュータで構成されているが、複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
図2に示すように、各端末装置3は、ゲームコントローラ7と表示装置9に有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0015】
端末装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0016】
プレイヤは、ゲームコントローラ7を用いて各種の操作入力を行う。
図2に示す例では、ゲームコントローラ7は例えば十字キー11や複数のボタン13等を有する。なお、ゲームコントローラ7は上記に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。
【0017】
表示装置9は、例えばブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL、プロジェクター等によるディスプレイ装置である。表示装置9は、音声を出力するスピーカー(図示省略)等を一体又は別体として備えてもよい。
【0018】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したゲームサービス(オンラインゲーム)を提供する。
【0019】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、各端末装置3におけるプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0020】
<2.サーバ装置の機能的構成>
次に、
図3乃至
図9を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0021】
図3に示すように、サーバ装置5は、ゲーム進行処理部15と、識別情報記録処理部17と、取得回数集計処理部19と、取得アイテム変更処理部21とを有する。
【0022】
ゲーム進行処理部15は、プレイヤの入力内容に応じてゲームを進行させる。例えば、各プレイヤの入力内容に応じて各プレイヤキャラクタを行動させつつ、ゲーム内の住人や敵キャラクタ等のノンプレイヤキャラクタをゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズム(いわゆるゲームAI)により自動制御する。また、各種のムービーの再生やゲームイベント等を実行させてゲームを進行させる。
【0023】
識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムが取得対象から取得された際に、取得対象を識別可能な識別情報を記録する。「取得対象」は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタが当該対象からアイテムを取得可能なものである。例えば取得対象には、アイテムを収容可能な容器や家具(宝箱、樽、箱、タンス、本棚等)、フィールド上でアイテムを採取可能な採取場所、アイテムを有償又は無償で譲り渡すゲームキャラクタ、戦闘で倒すことによりアイテムを取得できる敵キャラクタ、プレイヤキャラクタに例えば「しらべる」、「拾う」、「さがす」等のコマンドを実行させることによりアイテムを取得可能なフィールド上の所定の範囲を有するエリア等が含まれる。「識別情報」は、複数の取得対象の中から特定の取得対象の種別や位置を識別可能な情報であり、例えば各取得対象にそれぞれ設定された固有のIDである。識別情報はサーバ装置5の適宜の記録手段(例えばRAM505や記録装置517等。後述の
図11参照)に記録される。
【0024】
取得回数集計処理部19は、上記識別情報記録処理部17により記録した識別情報に基づいて取得対象ごとの取得回数を集計する。例えば、識別情報が記録されるごとに取得回数を1ずつ増やしてカウントする。集計タイミングは予め設定されており(例えば1時間ごと、1日ごと、1週間ごと、1月ごと等)、取得回数集計処理部19は集計タイミングごとに集計を実行する。
【0025】
取得アイテム変更処理部21は、上記取得回数集計処理部19により集計された取得回数に基づいて、取得対象から取得されるアイテムを変更する。例えば、取得対象からアイテムが固定的に取得される場合(取得対象とアイテムが一対一の関係である場合)には、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
【0026】
一方、取得対象において取得可能な複数のアイテムのラインナップと各アイテムが取得される確率が予め設定されており、ラインナップの中から所定の確率に基づいてアイテムが取得される場合には、取得アイテム変更処理部21は、上記取得回数集計処理部19により集計された取得回数に基づいて、上記確率又はラインナップの少なくとも一方を変更する。例えば、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、確率を変更する。また例えば、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、ラインナップを変更する。
【0027】
なお、「希少度」はアイテムの価値や入手の困難さの度合いであり、希少度が高いほどアイテムの価値が高く、入手が困難となる。本明細書では希少度のことを適宜「レア度」ともいう。
【0028】
上記取得アイテム変更処理部21によるアイテムに関する変更内容は、オンラインゲームに参加する全てのプレイヤの端末装置3に対して反映される。
【0029】
次に、
図4~
図9を用いて、取得アイテム変更処理部21による処理内容の具体例について説明する。
【0030】
図4に、取得対象が宝箱である場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の一例を示す。宝箱は、フィールド上の予め定められた位置(屋内、屋外を含む)にそれぞれ配置されている。
図4に示すように、宝箱A,B,C,Dにはそれぞれ各宝箱を識別可能な識別情報TB-a,TB-b,TB-c,TB-dが付与されている。各端末装置3において宝箱が開封されてアイテムが取得される度に、対応する識別情報がサーバ装置5に送信されて識別情報記録処理部17により記録され、取得回数集計処理部19により宝箱ごとに取得回数が集計される。
図4に示す例では、宝箱A,B,C,Dからの取得回数は例えば717回、1281回、272回、45回となっている。この例では、宝箱とアイテムは一対一の関係であり、宝箱A,B,C,Dにはそれぞれジュエルa1,b1,c1,d1が収容されている。ここでは説明を容易とするために、アイテム変更前の各ジュエルa1,b1,c1,d1のレア度はそれぞれ共通の三つ星であるものとする。なお、レア度の高低の関係は、一つ星<二つ星<三つ星<四つ星<五つ星である。
【0031】
取得アイテム変更処理部21は、宝箱からの取得回数が少ないほど、当該宝箱から取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
図4に示す例では、取得回数が2番目に少ない宝箱Cについてはレア度が四つ星のジュエルc2に変更され、取得回数が最も少ない宝箱Dについてはレア度が五つ星のジュエルd2に変更されている。反対に、取得回数が2番目に多い宝箱Aについてはレア度が二つ星のジュエルa2に変更され、取得回数が最も多い宝箱Bについてはレア度が一つ星のジュエルb2に変更されている。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい宝箱や行きづらい宝箱から取得されるアイテムを、自動的によりレアな(レア度の高い)アイテムに変更することができると共に、反対にフィールド上で見つかりやすい宝箱や行きやすい宝箱から取得されるアイテムを、自動的によりノーマルな(レア度の低い)アイテムに変更することができる。
【0032】
なお、取得回数の大小は例えば所定の基準値に対する大小関係に基づいて判定される。基準値は、例えば予め設定された固定値でもよいし、集計時の各宝箱の取得回数の平均値(
図4に示す例では579)等としてもよい。取得回数が基準値から一定の範囲内である場合には、アイテムを変更せずに維持してもよい。また、各宝箱の取得回数はアイテムが変更される度(取得回数の集計が実行される度)に0にリセットされてもよいし、そのまま保持されてもよい。0にリセットされる場合には集計期間ごとの取得回数に基づいて大小判定が行われ、保持される場合には取得回数の累積値に基づいて大小判定が行われる。
【0033】
図5に、取得対象が採取場所である場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の一例を示す。採取場所は、例えば樹木、水辺、岩、洞窟、滝つぼ、鉱山、建物、像、機器類等、アイテムを取得可能な様々な場所を含んでおり、フィールド上の予め定められた位置(屋内、屋外を含む)にそれぞれ配置されている。
図5に示すように、採取場所A,B,Cにはそれぞれ各採取場所を識別可能な識別情報CP-a,CP-b,CP-cが付与されている。各端末装置3において採取場所で採取されてアイテムが取得される度に、対応する識別情報がサーバ装置5に送信されて識別情報記録処理部17により記録され、取得回数集計処理部19により採取場所ごとに取得回数が集計される。
図5に示す例では、採取場所A,B,Cからの取得回数は例えば717回、272回、45回となっている。
【0034】
各採取場所には、取得可能な複数のアイテムのラインナップと各アイテムが取得される確率が予め設定されており、ラインナップの中から所定の確率に基づいてアイテムが取得される。
図5に示す例では、採取場所A,B,Cにおける取得確率は、レア度一つ星が35%、レア度二つ星が30%、レア度三つ星が20%、レア度四つ星が10%、レア度五つ星が5%、にそれぞれ設定されている。なお、ここでは説明を容易とするために、変更前の各採取場所A,B,Cの取得確率はそれぞれ共通であるものとする。
【0035】
取得アイテム変更処理部21は、採取場所からの取得回数が少ないほど、当該採取場所から希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、確率を変更する。
図5に示す例では、所定の基準値(例えば平均値。
図5に示す例では345)を基準として、取得回数が2番目に少ない採取場所Bについてはレア度が四つ星のアイテムの取得確率が10%から15%に上昇されると共に、併せてレア度が二つ星のアイテムの取得確率が30%から25%に低減されている。また、取得回数が最も少ない採取場所Cについてはさらにレア度が五つ星のアイテムの取得確率が5%から10%に上昇されると共に、併せてレア度が一つ星のアイテムの取得確率が35%から30%に低減されている。なお、取得回数が基準値よりも多い採取場所Aについては反対にレア度が二つ星のアイテムの取得確率が30%から35%に上昇されると共に、併せてレア度が四つ星のアイテムの取得確率が10%から5%に低減されている。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい採取場所や行きづらい採取場所から、自動的によりレアなアイテムを取得しやすくすることができると共に、反対に例えばフィールド上で見つかりやすい採取場所や行きやすい採取場所から、自動的によりノーマルなアイテムを取得しやすくすることができる。
【0036】
図6に、取得対象が採取場所である場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の他の例を示す。
図6に示す例では、採取場所A,B,Cからの取得回数は前述の
図5と同様に例えば717回、272回、45回となっている。またこの例では、採取場所Aにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度一つ星の鉱石a1、レア度二つ星の鉱石a2、レア度三つ星の鉱石a3である。同様に、採取場所Bにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度一つ星の鉱石b1、レア度二つ星の鉱石b2、レア度三つ星の鉱石b3である。同様に、採取場所Cにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度一つ星の鉱石c1、レア度二つ星の鉱石c2、レア度三つ星の鉱石c3である。なお、ラインナップに含まれる各アイテムの取得確率は適宜の値に設定されている。また、ここでは説明を容易とするために、各採取場所A,B,Cにおけるラインナップのレア度はそれぞれ共通であるものとする。
【0037】
取得アイテム変更処理部21は、採取場所からの取得回数が少ないほど、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、ラインナップを変更する。
図6に示す例では、所定の基準値(例えば平均値。
図5に示す例では345)を基準として、取得回数が2番目に少ない採取場所Bについてはレア度が四つ星である鉱石b4がラインナップに加わっている。また、取得回数が最も少ない採取場所Cについては、レア度が四つ星である鉱石c4に加えてさらにレア度が五つ星である鉱石c5がラインナップに加わっている。なお、ラインナップに含まれる各アイテムの取得確率は適宜の値に設定されている。また、ラインナップにレア度が高いアイテムが加わった際に併せてレア度が低いアイテムをラインナップから削除してもよい。一方、取得回数が基準値よりも多い採取場所Aについてはラインナップが変更されずに同じ内容で維持されている。なお、取得回数が多い採取場所において、希少度がより低いアイテムをラインナップに加えたり、希少度が高いアイテムをラインナップから削除してもよい。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい採取場所や行きづらい採取場所から、自動的によりレアなアイテムを取得可能とすることができる。
【0038】
なお、以上では取得回数に応じて取得確率を変更する場合とラインナップを変更する場合を別々に説明したが、取得回数に応じて取得確率及びラインナップの両方を一度に変更してもよい。また、以上ではアイテムが採取場所から所定のラインナップ及び確率に基づいて取得される場合について説明したが、前述の宝箱のように、各採取場所からアイテムが一対一の関係で取得されてもよい。その場合には、前述の
図4に示した例と同様の処理を行ってもよい。
【0039】
図7に、取得対象がゲームに登場するゲームキャラクタ(ゲーム内の住人等)である場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の一例を示す。ゲームキャラクタは、フィールド上の予め定められた位置(屋内、屋外を含む)にそれぞれ配置されている。なお、ゲームキャラクタは所定の範囲内で移動可能としてもよい。プレイヤキャラクタは、上記ゲームキャラクタから例えば購入、交換、もらう等によりアイテムを有償又は無償で譲り受ける。
図7に示すように、ゲームキャラクタA,B,C,Dにはそれぞれ各キャラクタを識別可能な識別情報NPC-a,NPC-b,NPC-c,NPC-dが付与されている。各端末装置3においてプレイヤキャラクタがゲームキャラクタから譲り受けてアイテムが取得される度に、対応する識別情報がサーバ装置5に送信されて識別情報記録処理部17により記録され、取得回数集計処理部19によりゲームキャラクタごとに取得回数が集計される。
図7に示す例では、ゲームキャラクタA,B,C,Dからの取得回数は例えば137回、281回、32回、5回となっている。この例では、ゲームキャラクタとアイテムは一対一の関係であり、ゲームキャラクタA,B,C,Dからそれぞれ巻物a1,b1,c1,d1を取得する。ここでは説明を容易とするために、アイテム変更前の各巻物a1,b1,c1,d1のレア度はそれぞれ共通の三つ星であるものとする。
【0040】
取得アイテム変更処理部21は、ゲームキャラクタからの取得回数が少ないほど、当該ゲームキャラクタから取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
図7に示す例では、所定の基準値(例えば平均値。
図7に示す例では114)を基準として、取得回数が2番目に少ないゲームキャラクタCについてはレア度が四つ星の巻物c2に変更され、取得回数が最も少ないゲームキャラクタDについてはレア度が五つ星の巻物d2に変更されている。反対に、取得回数が2番目に多いゲームキャラクタAについてはレア度が二つ星の巻物a2に変更され、取得回数が最も多いゲームキャラクタBについてはレア度が一つ星の巻物b2に変更されている。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にいるゲームキャラクタや行きづらい場所にいるゲームキャラクタから取得されるアイテムを、自動的によりレアな(レア度の高い)アイテムに変更することができると共に、反対にフィールド上で見つかりやすい場所にいるゲームキャラクタや行きやすい場所にいるゲームキャラクタから取得されるアイテムを、自動的によりノーマルな(レア度の低い)アイテムに変更することができる。
【0041】
なお、取得回数が基準値から一定の範囲内である場合には、アイテムを変更せずに維持してもよい。
【0042】
図8に、取得対象が敵キャラクタである場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の一例を示す。敵キャラクタは、フィールド上の予め定められた位置(屋内、屋外を含む)にそれぞれ配置されている。なお、敵キャラクタは所定の範囲内で移動可能としてもよい。
図8に示すように、敵キャラクタの一例であるドラゴンA,B,Cにはそれぞれ各ドラゴンを識別可能な識別情報EC-a,EC-b,EC-cが付与されている。各端末装置3においてプレイヤキャラクタが敵キャラクタを討伐することでアイテムが取得される度に、対応する識別情報がサーバ装置5に送信されて識別情報記録処理部17により記録され、取得回数集計処理部19により敵キャラクタごとに取得回数が集計される。
図8に示す例では、ドラゴンA,B,Cからの取得回数は例えば717回、272回、45回となっている。
【0043】
各敵キャラクタには、取得可能な複数のアイテム(いわゆるドロップアイテム)のラインナップと各アイテムが取得される確率(ドロップする確率)が予め設定されており、ラインナップの中から所定の確率に基づいてアイテムが取得される。
図8に示す例では、ドラゴンA,B,Cにおける取得確率は、レア度一つ星が35%、レア度二つ星が30%、レア度三つ星が20%、レア度四つ星が10%、レア度五つ星が5%、にそれぞれ設定されている。なお、ここでは説明を容易とするために、変更前の各ドラゴンA,B,Cの取得確率はそれぞれ共通であるものとする。
【0044】
取得アイテム変更処理部21は、敵キャラクタからの取得回数が少ないほど、当該敵キャラクタから希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、確率を変更する。
図8に示す例では、所定の基準値(例えば平均値。
図8に示す例では345)を基準として、取得回数が2番目に少ないドラゴンBについてはレア度が四つ星のアイテムの取得確率が10%から15%に上昇されると共に、併せてレア度が二つ星のアイテムの取得確率が30%から25%に低減されている。また、取得回数が最も少ないドラゴンCについてはさらにレア度が五つ星のアイテムの取得確率が5%から10%に上昇されると共に、併せてレア度が一つ星のアイテムの取得確率が35%から30%に低減されている。なお、取得回数が基準値よりも多いドラゴンAについては反対にレア度が二つ星のアイテムの取得確率が30%から35%に上昇されると共に、併せてレア度が四つ星のアイテムの取得確率が10%から5%に低減されている。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にいる敵キャラクタや行きづらい場所にいる敵キャラクタから、自動的によりレアなアイテムを取得しやすくすることができると共に、反対に例えばフィールド上で見つかりやすい場所にいる敵キャラクタや行きやすい場所にいる敵キャラクタから、自動的によりノーマルなアイテムを取得しやすくすることができる。
【0045】
なお、以上では取得回数に応じて取得確率を変更する場合を説明したが、前述の
図6と同様に、取得回数に応じてラインナップを変更してもよい。また、以上ではアイテムが敵キャラクタから所定のラインナップ及び確率に基づいて取得される場合について説明したが、前述の宝箱のように、各敵キャラクタからアイテムが一対一の関係で取得されてもよい。その場合には、前述の
図4又は
図7に示した例と同様の処理を行ってもよい。
【0046】
図9に、取得対象がフィールド上のエリアである場合の取得アイテム変更処理部21による処理内容の一例を示す。エリアは、フィールド上の予め定められた位置(屋内、屋外を含む)にそれぞれ所定の範囲を有する領域として設定されている。
図9に示すように、エリアA,B,Cにはそれぞれ各エリアを識別可能な識別情報AR-a,AR-b,AR-cが付与されている。プレイヤは、プレイヤキャラクタに例えば「しらべる」、「拾う」、「さがす」等のコマンドを実行させることにより、各エリアにおいてアイテムを取得することが可能である。各端末装置3において特定のエリアでアイテムが取得される度に、対応する識別情報がサーバ装置5に送信されて識別情報記録処理部17により記録され、取得回数集計処理部19によりエリアごとに取得回数が集計される。
図9に示す例では、エリアA,B,Cにおける取得回数は例えば717回、369回、45回となっている。
【0047】
また
図9に示す例では、エリアAにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度二つ星の薬草a2、レア度三つ星の薬草a3、レア度四つ星の薬草a4である。同様に、エリアBにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度二つ星の薬草b2、レア度三つ星の薬草b3、レア度四つ星の薬草b4である。同様に、エリアCにおける取得可能アイテムのラインナップは、レア度二つ星の薬草c2、レア度三つ星の薬草c3、レア度四つ星の薬草c4である。なお、ラインナップに含まれる各アイテムの取得確率は適宜の値に設定されている。また、ここでは説明を容易とするために、各エリアA,B,Cにおけるラインナップのレア度はそれぞれ共通であるものとする。
【0048】
取得アイテム変更処理部21は、採取場所からの取得回数が少ないほど、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、ラインナップを変更する。
図9に示す例では、所定の基準値(例えば平均値。
図9に示す例では377)を基準として、取得回数が少ない採取場所Cについてはレア度が五つ星である薬草c5がラインナップに加わると共に、併せてレア度が二つ星である薬草c2がラインナップから削除されている。一方、取得回数が基準値よりも多い採取場所Aについてはレア度が一つ星である薬草a1がラインナップに加わると共に、併せてレア度が四つ星である薬草a4がラインナップから削除されている。また、取得回数が基準値に近い値であるエリアBについてはラインナップが変更されずに同じ内容で維持されている。なお、ラインナップに含まれる各アイテムの取得確率は適宜の値に設定されている。これにより、例えばフィールド上で見つかりにくいエリアや行きづらいエリアにおいて取得可能なアイテムを、自動的によりレアなアイテムにすることができる共に、反対に例えばフィールド上で見つかりやすいエリアや行きやすいエリアにおいて取得可能なアイテムを、自動的によりノーマルなアイテムにすることができる。
【0049】
なお、以上では取得回数に応じてラインナップを変更する場合を説明したが、前述の
図5又は
図8と同様に、取得回数に応じて取得確率を変更してもよい。また、以上ではアイテムがエリアから所定のラインナップ及び確率に基づいて取得される場合について説明したが、前述の宝箱やゲームキャラクタのように、各エリアからアイテムが一対一の関係で取得されてもよい。その場合には、前述の
図4又は
図7に示した例と同様の処理を行ってもよい。
【0050】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(後述の
図11参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0051】
<3.サーバが実行する処理手順>
次に、
図10を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0052】
ステップS10では、サーバ装置5は、ゲーム進行処理部15により、各端末装置3のプレイヤの入力内容に応じてゲームを進行させる。
【0053】
ステップS20では、サーバ装置5は、各端末装置3においてアイテムが取得対象から取得されたか否かを判定する。アイテムが取得された場合には(ステップS20:YES)、ステップS30に移る。一方、アイテムが取得されていない場合には(ステップS20:NO)、後述のステップS40に移る。
【0054】
ステップS30では、サーバ装置5は、識別情報記録処理部17により、アイテムが取得された取得対象を識別可能な識別情報を記録する。
【0055】
ステップS40では、サーバ装置5は、所定の集計タイミングになったか否かを判定する。集計タイミングになった場合には(ステップS40:YES)、ステップS50に移る。一方、集計タイミングになっていない場合には(ステップS40:NO)、先のステップS10に戻る。
【0056】
ステップS50では、サーバ装置5は、取得回数集計処理部19により、上記ステップS30で記録した識別情報に基づいて取得対象ごとの取得回数を集計する。
【0057】
ステップS60では、サーバ装置5は、取得アイテム変更処理部21により、上記ステップS50で集計した取得回数に基づいて、取得対象から取得されるアイテム、取得確率、又はラインナップを変更する。
【0058】
ステップS70では、サーバ装置5は、ゲームを終了するか否かを判定する。例えばオンラインゲームの運営者やサーバ管理者等によりゲーム終了の指示入力があった場合には(ステップS70:YES)、本フローチャートを終了する。一方、ゲーム終了の指示入力がない場合には(ステップS70:NO)、先のステップS10に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0059】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0060】
<4.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、複数の端末装置3と通信可能に接続されたサーバ装置5を、端末装置3においてアイテムが取得対象から取得された際に、取得対象を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録処理部17、記録した識別情報に基づいて取得対象ごとの取得回数を集計する取得回数集計処理部19、集計された取得回数に基づいて、取得対象から取得されるアイテムを変更する取得アイテム変更処理部21、として機能させる。
【0061】
本実施形態では、各端末装置3においてプレイヤが取得対象からアイテムを取得すると、当該取得対象の識別情報が記録され、記録された識別情報から取得対象ごとの取得回数が集計される。これにより、アイテムを取得しやすい取得対象と取得しにくい取得対象が判明する。そして、集計された取得回数に基づいて取得対象から取得されるアイテムが変更される。これにより、例えばアイテムを取得しやすい取得対象からは希少度が低いアイテムが取得されるように、アイテムを取得しにくい取得対象からは希少度が高いアイテムが取得されるように、自動的に変更することが可能となる。このようにすることで、フィールド上で取得可能なアイテムをプレイヤの動向に応じて随時変更することが可能となる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となってプレイの新鮮味が増し、面白みを向上することができる。また、プレイヤの動向に応じたオンラインゲームの運営が容易となる。
【0062】
また、本実施形態では特に、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
【0063】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい取得対象や行きづらい取得対象から取得されるアイテムを、自動的によりレアなアイテムに変更することができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となってプレイの新鮮味が増すと共に、そのような取得対象を見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、取得アイテム変更処理部21は、取得対象から、取得可能な複数のアイテムのラインナップの中から所定の確率に基づいてアイテムが取得される場合には、集計された取得回数に基づいて、確率又はラインナップの少なくとも一方を変更する。これにより、次のような効果を奏する。
【0065】
すなわち、取得対象には、取得可能なアイテムが固定的(取得対象とアイテムが一対一)に設定されるものと、予め設定された取得可能な複数のアイテムのラインナップの中から所定の確率に基づいてアイテムが取得されるものとがある。本実施形態では、取得対象が後者である場合に、集計された取得回数に基づいて確率又はラインナップの少なくとも一方が変更される。これにより、例えばアイテムを取得しやすい取得対象からは希少度が低いアイテムが取得されやすくなり、アイテムを取得しにくい取得対象からは希少度が高いアイテムが取得されやすくなるように、自動的に変更することが可能となる。このようにすることで、フィールド上で取得可能なアイテムをプレイヤの動向に応じて随時変更することが可能となる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となってプレイの新鮮味が増し、面白みを向上することができる。
【0066】
また、本実施形態では特に、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、当該取得対象から希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、確率を変更する。
【0067】
これにより、例えば見つかりにくい取得対象や行きづらい取得対象からよりレアなアイテムを取得しやすくすることができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となってプレイの新鮮味が増すと共に、そのような取得対象を見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0068】
また、本実施形態では特に、取得アイテム変更処理部21は、取得対象からの取得回数が少ないほど、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、ラインナップを変更する。
【0069】
これにより、例えば見つかりにくい取得対象や行きづらい取得対象からよりレアなアイテムが取得可能となる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となってプレイの新鮮味が増すと共に、そのような取得対象を見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0070】
また、本実施形態では特に、識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムが宝箱から取得された際に、宝箱を識別可能な識別情報を記録し、取得回数集計処理部19は、記録した識別情報に基づいて宝箱ごとの取得回数を集計し、取得アイテム変更処理部21は、宝箱からの取得回数が少ないほど、当該宝箱から取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
【0071】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にある宝箱や行きづらい場所にある宝箱から取得されるアイテムを、自動的によりレアなアイテムに変更することができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となりプレイの新鮮味が増すと共に、そのような宝箱を見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0072】
また、本実施形態では特に、識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムが採取場所からラインナップ及び確率に基づいて取得された際に、採取場所を識別可能な識別情報を記録し、取得回数集計処理部19は、記録した識別情報に基づいて採取場所ごとの取得回数を集計し、取得アイテム変更処理部21は、採取場所からの取得回数が少ないほど、当該採取場所から希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、確率又はラインナップの少なくとも一方を変更する。
【0073】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にある採取場所や行きづらい場所にある採取場所から、よりレアなアイテムを自動的に取得しやすく又は取得可能とすることができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となりプレイの新鮮味が増すと共に、そのような採取場所を見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0074】
また、本実施形態では特に、識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムがゲームキャラクタからの譲り受けにより取得された際に、ゲームキャラクタを識別可能な識別情報を記録し、取得回数集計処理部19は、記録した識別情報に基づいてゲームキャラクタごとの取得回数を集計し、取得アイテム変更処理部21は、ゲームキャラクタからの取得回数が少ないほど、当該ゲームキャラクタから取得されるアイテムの希少度が高くなるようにアイテムを変更する。
【0075】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にいるゲームキャラクタや行きづらい場所にいるゲームキャラクタから取得されるアイテムを、自動的によりレアなアイテムに変更することができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となりプレイの新鮮味が増すと共に、そのようなゲームキャラクタがいる場所を見つけ出そうとしたりその場所に到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムが敵キャラクタを討伐することでラインナップ及び確率に基づいて取得された際に、敵キャラクタを識別可能な識別情報を記録し、取得回数集計処理部19は、記録した識別情報に基づいて敵キャラクタごとの取得回数を集計し、取得アイテム変更処理部21は、敵キャラクタからの取得回数が少ないほど、当該敵キャラクタから希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、確率又はラインナップの少なくとも一方を変更する。
【0077】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくい場所にいる敵キャラクタや行きづらい場所にいる敵キャラクタから、よりレアなアイテムを自動的に取得しやすく又は取得可能とすることができる。その結果、同じ敵キャラクタを討伐した場合でもその場所に応じて取得されるアイテムの希少度を異ならせることができる。また、思いがけないアイテムの取得が可能となりプレイの新鮮味が増すと共に、そのような敵キャラクタがいる場所を見つけ出そうとしたりその場所に到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、識別情報記録処理部17は、端末装置3においてアイテムが所定の範囲を有するエリアからラインナップ及び確率に基づいて取得された際に、当該エリアを識別可能な識別情報を記録し、取得回数集計処理部19は、記録した識別情報に基づいてエリアごとの取得回数を集計し、取得アイテム変更処理部21は、エリアからの取得回数が少ないほど、当該エリアから希少度がより高いアイテムを取得できる確率が上昇するように、又は、ラインナップに希少度がより高いアイテムが加わるように、確率又はラインナップの少なくとも一方を変更する。
【0079】
これにより、例えばフィールド上で見つかりにくいエリアや行きづらいエリアにおいて、よりレアなアイテムを自動的に取得しやすく又は取得可能とすることができる。その結果、思いがけないアイテムの取得が可能となりプレイの新鮮味が増すと共に、そのようなエリアを見つけ出そうとしたり到達しようとする意欲をプレイヤに湧かせることができ、面白みを向上することができる。
【0080】
<5.変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0081】
例えば、特定のゲームイベントの開催期間や特定の日付期間等の所定の期間内に限って、アイテムの取得回数を集計し、集計結果に基づいて取得アイテムを変更してもよい。また例えば、ゲーム内の全ての空間ではなく特定の空間(例えば複数のサーバ装置がある場合には一部のサーバ装置等)に限って、アイテムの取得回数を集計し、集計結果に基づいて取得アイテムを変更してもよい。また例えば、ゲームが一定の進捗度(例えばレベル、ステージ、チャプタ等のゲームの構成単位、ゲームのスコアやポイント、プレイヤキャラクタのパラメータなど)に達した場合に限って、アイテムの取得回数を集計し、集計結果に基づいて取得アイテムを変更してもよい。
【0082】
また例えば、オンラインゲームに参加する全てのプレイヤではなく、一部のプレイヤに対してのみ、アイテムの取得回数を集計し、集計結果に基づいて取得アイテムを変更してもよい。一部のプレイヤは、例えば特定のアイテムを使用したプレイヤ、特定のスキル等を発動したプレイヤ、所定の課金に対し支払いをしたプレイヤ、ゲームのプレイモードを特定のモード(例えば「アイテム変更モード」など)に設定したプレイヤ等である。
【0083】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0084】
<6.サーバ装置のハードウェア構成>
次に、
図11を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0085】
図11に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0086】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0087】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0088】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0089】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0090】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の識別情報記録処理部17、取得回数集計処理部19、取得アイテム変更処理部21等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0091】
また、CPU501は、端末装置3のゲームコントローラ7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0092】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0093】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して端末装置3の表示装置9に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0094】
3 端末装置
5 サーバ装置(情報処理装置)
15 ゲーム進行処理部
17 識別情報記録処理部
19 取得回数集計処理部
21 取得アイテム変更処理部