(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及びゲーム開始タイミング表示方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20250116BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20250116BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20250116BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/795
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2021001514
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 功
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6783918(JP,B1)
【文献】特開平11-244535(JP,A)
【文献】特開2009-213754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置を、
前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付手段、
前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御手段、
として機能させ
、
前記ゲームを開始するタイミングを示す情報は、参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数に基づいて変化する、前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を含む、
プログラム。
【請求項2】
前記画面制御手段は、前記ゲームを開始するタイミングを示す情報として前記第1のプレイヤに設定された、前記参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数と前記ゲームが開始されるまでの待ち時間と、を対応付ける情報に基づき、前記画面に表示されている前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を、参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数に基づいて更新すること
を特徴とする請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記画面制御手段は、前記参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数が増加した場合に、増加した前記第2のプレイヤの人数と対応付けられた前記ゲームが開始されるまでの待ち時間、及び前記画面に表示されている時間経過により減少した前記ゲームが開始されるまでの待ち時間のうち、短い方の前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を前記画面に表示すること
を特徴とする請求項
2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記画面制御手段は、前記参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数が増加した場合に、前記画面に表示されている時間経過により減少した前記ゲームが開始されるまでの待ち時間の経過の割合を算出し、増加した前記第2のプレイヤの人数と対応付けられた前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を前記経過の割合となるように変更して、前記画面に表示すること
を特徴とする請求項
2に記載のプログラム。
【請求項5】
第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置を、
前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付手段、
前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御手段、
として機能させ、
前記ゲームを開始するタイミングを示す情報は、前記ゲームが開始されるまでの待ち時間の設定の方針を示す情報を含む、
プログラム。
【請求項6】
第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置を、
前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付手段、
前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御手段、
として機能させ、
前記画面制御手段は、前記画面に表示されている前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を増減させる操作を、参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤから受け付け
る
プログラム。
【請求項7】
第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置であって、
前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付手段と、
前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御手段と、
を有
し、
前記ゲームを開始するタイミングを示す情報は、参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数に基づいて変化する、前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を含む、
情報処理装置。
【請求項8】
第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置のゲーム開始タイミング表示方法であって、
前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付ステップと、
前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御ステップと、
を有
し、
前記ゲームを開始するタイミングを示す情報は、参加希望を受け付けた前記第2のプレイヤの人数に基づいて変化する、前記ゲームが開始されるまでの待ち時間を含む、
ゲーム開始タイミング表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及びゲーム開始タイミング表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば据置型のゲーム装置に携帯ゲーム装置を接続し、複数のプレイヤが同一の仮想空間内でゲームをプレイすることができるようにしたシステムがある。このようなシステムにおいて、複数のプレイヤが情報交換するためのロビー画像を携帯ゲーム装置に表示してプレイヤをルームに入場させ、ルームへの参加者が所定数以上となることによってゲームを開始させる技術は従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマルチプレイゲームでは、ホストとなるプレイヤがルーム等を作成して、同一のゲームへ参加する他のプレイヤを募集し、ホストとなるプレイヤと、その募集に応じて集まった一人以上の他のプレイヤとが、同一のゲームを行うものがあった。
【0005】
例えば従来のマルチプレイゲームではホストとなるプレイヤがルーム等に例えば4人などの複数のプレイヤを集めてゲームを開始したいと考えているが、なかなか4人のプレイヤが集まらない場合がある。このような場合に対処するため、従来のマルチプレイゲームでは4人のプレイヤが集まらなくても、所定時間の経過やホストとなるプレイヤの操作によりゲームを開始できる。
【0006】
しかしながら、従来のマルチプレイゲームにおいて、ホストとなるプレイヤの募集に応じて集まった他のプレイヤは、例えば4人集まるまで待ってゲームを開始する方針や例えば4人集まれなくても所定時間の経過によりゲームを開始する方針など、ホストとなるプレイヤの方針を知ることができないという問題があった。
【0007】
本開示は、ゲームへの参加を募集した第1のプレイヤと、募集に応じて集まった参加希望の第2のプレイヤとが、ゲームを開始するタイミングを示す情報を共有する新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一の態様によれば、第1のプレイヤがゲームへの参加を募集し、前記第1のプレイヤと前記募集に応じて集まった一人以上の第2のプレイヤとが、同一のゲームを行う情報処理装置を、前記第1のプレイヤから前記ゲームを開始するタイミングを示す情報の設定を受け付ける設定受付手段、前記第1のプレイヤが前記ゲームへの参加を募集し、前記第2のプレイヤからの参加希望を受け付ける画面に、前記第1のプレイヤから設定を受け付けた前記ゲームを開始するタイミングを示す情報を表示する画面制御手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一の態様によれば、ゲームへの参加を募集した第1のプレイヤと、募集に応じて集まった参加希望の第2のプレイヤとが、ゲームを開始するタイミングを示す情報を共有する新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るクライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るクライアントの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るゲームシステムの処理手順を示した一例のフローチャートである。
【
図7】ホストルーム設定画面の一例のイメージ図である。
【
図9】ゲームが開始されるまでの待ち時間の更新処理の手順を示した一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ホストとなるプレイヤ(第1のプレイヤの一例)が例えばロビー内にルームを作成し、そのルームを用いて一緒にゲームをプレイする他のプレイヤ(第2のプレイヤの一例)を募集する例について説明するが、これに限定するものではない。
【0012】
なお、本開示において「ロビー」は複数のプレイヤが集まる仮想空間(ゲーム空間)である。また「ルーム」は、ロビー内に作成される仮想空間であり、ロビーに集まっているプレイヤが入室できる。
【0013】
ホストとなるプレイヤ(以下、ホストプレイヤと呼ぶ)はゲームへの参加を募集するためにルームを作成する。ホストプレイヤの募集に応じるプレイヤ(以下、参加希望プレイヤと呼ぶ)はルームに入室し、募集に応じる操作を行うことができる。ルームを作成したホストプレイヤと、募集に応じる操作を行った一人以上の参加希望プレイヤとは、一緒にゲームをプレイする(同一のゲームを行う)ことができる。なお「一緒にゲームをプレイする」とは、プレイヤ同士が協力するゲームであってもよいし、プレイヤ同士が対戦するゲームであってもよい。
【0014】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0015】
クライアント20はプレイヤがゲームをプレイする情報処理装置の一例である。情報処理装置はスマートフォンなどの携帯電話機、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0016】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理、プレイヤのログイン処理、各種テーブルの管理、クライアント20の間のルームやゲームの同期処理などに利用される。
【0017】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0018】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0019】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0020】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、クライアント制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。
【0021】
記憶部210は、ゲームプログラムなどのプログラム212、そのプログラム212が利用するデータ、プレイヤ情報214、ルーム設定情報216を記憶している。なお、記憶部210は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。ルーム設定情報216は、ホストプレイヤが作成するルームに関する情報であり、後述のホストルーム設定画面からホストプレイヤが設定する情報を含む。
【0022】
クライアント制御部200は、クライアント20の全体の制御を行う。クライアント制御部200は、CPU121がゲームプログラムなどのプログラム212に記載された処理を実行することにより実現される。クライアント制御部200は、ルーム設定受付部222、ルーム作成受付部224、ルーム画面制御部226、ルーム参加受付部228、及びゲーム制御部230を有する構成である。
【0023】
ルーム設定受付部222は、表示装置125に表示された後述のホストルーム設定画面に対するホストプレイヤの操作に基づき、ルーム設定情報216の設定を受け付け、記憶部210に記憶させる。ルーム作成受付部224は、ホストプレイヤからルーム設定情報216に従ったルームを作成する操作を受け付けると、ルームの作成をサーバ30に要求する。
【0024】
ルーム画面制御部226は、表示装置125に表示された後述のルーム画面に関する制御を行う。ルーム参加受付部228は、表示装置125に表示された後述のルーム画面等に対する参加希望プレイヤの操作に基づき、参加希望プレイヤからのゲームへの参加希望を受け付ける。ゲーム制御部230は、ホストプレイヤと参加希望プレイヤとが一緒にプレイするゲーム全般に関する制御を行う。
【0025】
操作受付部202は入力装置124に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。出力制御部204はクライアント制御部200の制御に従って各種画面を表示装置125に表示する。操作受付部202はCPU121がプログラム212に従って入力装置124を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU121がプログラム212に従って表示装置125を制御することにより実現される。入力装置124に対するプレイヤの各種操作とはCPU121に処理を実行させるため、プレイヤが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204はクライアント制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。
【0026】
通信部206は、ネットワーク40等を介して通信する。通信部206はCPU121がプログラム212を実行し、プログラム212に従って通信装置123を制御することにより実現される。
【0027】
図5はサーバ30の機能構成の一例を示す図である。サーバ30は、サーバ制御部300、通信部302、及び記憶部310を有する。記憶部310は、サーバプログラムなどのプログラム312、そのプログラム312が利用するデータ、ルーム情報314を記憶している。記憶部51は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。ルーム情報314は、ホストプレイヤが作成したルームの後述のルーム情報であり、後述のルーム画面の表示に必要な情報を含む。
【0028】
サーバ制御部300は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部300は、CPU131がサーバプログラムなどのプログラム312に記載された処理を実行することにより実現される。
【0029】
サーバ制御部300は、ルーム作成部322、ルーム管理部324、ルーム同期制御部326、及びゲーム同期制御部328を有する構成である。ルーム作成部322はクライアント20からの要求に従い、ルームを作成し、作成したルームのルーム情報314を記憶部310に記憶させる。ルーム管理部324は、記憶部310に記憶されたルーム情報314の管理を行う。例えばルーム管理部324は、記憶部310に記憶されたルーム情報314を利用して、一人以上のホストプレイヤにより作成されたルームごとに、ホストプレイヤ、一人以上の参加希望プレイヤ、ゲームが開始されるまでの待ち時間の管理などを行う。
【0030】
ルーム同期制御部326は、クライアント20が表示するルーム画面を同期させるためのルーム同期制御を行う。例えばルーム同期制御部326は、あるロビーにおいてホストプレイヤがルームを作成すると、そのルーム画面を、ロビーに集まっているプレイヤのクライアント20に表示できるようにルーム情報314の同期制御を行う。
【0031】
また、例えばルーム同期制御部326は、ホストプレイヤ以外の他のプレイヤがルームに入室して参加希望の操作を行うと、その他のプレイヤが参加希望プレイヤとして追加表示されているルーム画面を、ロビーに集まっているプレイヤのクライアント20に表示できるようにルーム情報314の同期制御を行う。
【0032】
ゲーム同期制御部328は、ルームを作成してゲームへの参加を募集したホストプレイヤのクライアント20と、そのルームでホストプレイヤからの募集に応じてゲームへの参加を希望した参加希望プレイヤのクライアント20とに、一緒にゲームをプレイするためのゲーム画面を表示させるゲーム同期制御を行う。
【0033】
ルームを作成してゲームへの参加を募集したホストプレイヤと、そのルームでホストプレイヤからの募集に応じてゲームへの参加を希望した参加希望プレイヤとは、クライアント20が表示する例えば同期したゲーム画面などで、一緒にゲームをプレイすることができる。
【0034】
通信部302はネットワーク40等を介してクライアント20と通信する。通信部302はCPU131がプログラム312を実行し、プログラム312に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0035】
なお、
図4に示したクライアント20の機能構成と、
図5に示したサーバ30の機能構成とは、一例であって、クライアント20の一部の機能をサーバ30が有する機能構成であってもよいし、サーバ30の一部の機能をクライアント20が有する機能構成であってもよい。また、クライアント20及びサーバ30の一部の機能を、クライアント20及びサーバ30以外の情報処理装置が有する構成であってもよい。
【0036】
[処理]
以下では、ホストプレイヤがルームを作成し、そのルームを用いてゲームへの参加希望プレイヤを集め、ホストプレイヤと一人以上の参加希望プレイヤとで一緒にゲームをプレイする処理について説明する。
【0037】
図6は、本実施形態に係るゲームシステムの処理手順を示した一例のフローチャートである。ステップS10において、ホストプレイヤはクライアント20を操作し、例えば
図7に示すホストルーム設定画面1000を表示する。
【0038】
図7はホストルーム設定画面の一例のイメージ図である。
図7に示したホストルーム設定画面1000は、ホストプレイヤがゲームへの参加を募集するために作成するルームについて、そのルームに集まった参加希望プレイヤとのゲームを開始するタイミングを示す情報として、ルーム方針、待ち時間、及びタイマー設定を行う例である。
【0039】
ルーム方針は、ゲームを開始するタイミングを「せっかち」「普通」「じっくり」又は「無制限」から選択することで、待ち時間を設定するための情報である。ホストプレイヤはルーム方針の「せっかち」「普通」「じっくり」又は「無制限」から一つを選択することで、ルーム方針ごとにプリセットされている待ち時間を設定できる。
【0040】
ルーム方針ごとにプリセットされている待ち時間は「せっかち<普通<じっくり」の順に長くなる。また、ルーム方針の「無制限」は待ち時間が設定されない。例えば理想の人数の参加希望プレイヤが集まらなくても短い待ち時間でゲームを開始する予定のホストプレイヤはルーム方針として例えば「せっかち」を設定することで、待ち時間を短く設定できる。
【0041】
待ち時間は、ゲームを開始するタイミングを、ルームに集まった参加希望プレイヤの人数ごとに設定するための情報である。
図7に示したホストルーム設定画面1000はルームに集まった参加希望プレイヤの人数ごとに秒単位で待ち時間を設定できる例を表している。なお、ルーム方針に沿わない待ち時間が設定された場合は、設定された待ち時間に沿ったルーム方針に自動で変更してもよいし、ルーム方針に沿わない待ち時間が設定された旨の警告表示を行うようにしてもよい。
【0042】
なお、ルームに集まった参加希望プレイヤの人数は、例えばゲームの開始前にルームから退室することなどにより、減る場合がある。そこで、
図7に示したホストルーム設定画面1000は参加希望プレイヤの人数が減った場合の待ち時間の増加分を設定できるようにしている。
【0043】
タイマー設定は、参加希望プレイヤの人数が増えた場合の待ち時間の更新についての情報である。ホストプレイヤはタイマー設定として「リセット」又は「継続」の何れかを設定できる。
【0044】
リセットは、参加希望プレイヤの人数が増えた場合、ゲームを開始するまでの待ち時間として、増えた人数に対応付けて設定されている待ち時間をそのままセットする設定を表している。
【0045】
例えばリセットの場合は、ホストプレイヤと参加希望プレイヤとを合わせた人数(以下では、待機プレイヤの人数と呼ぶ)が二人の状態で6分経過後に、待機プレイヤの人数が三人になると、ゲームを開始するまでの待ち時間として「3:00」がそのままセットされる。
【0046】
継続は、参加希望プレイヤの人数が増えた場合、増えた人数に対応付けて設定されている待ち時間が、後述のルーム画面に表示されている時間経過により減少したゲームを開始するまでの待ち時間よりも短ければ、増えた人数に対応付けて設定されている待ち時間をそのままセットする設定を表している。なお、継続では、参加希望プレイヤの人数が増えた場合、増えた人数に対応付けて設定されている待ち時間が、後述のルーム画面に表示されている時間経過により減少したゲームを開始するまでの待ち時間よりも長ければ、増えた人数に対応付けて設定されている待ち時間をセットしない設定を表している。
【0047】
例えば継続の場合は、待機プレイヤの人数が二人の状態で6分経過後に、待機プレイヤの人数が三人になると、増えた待機プレイヤの人数「三人」に対応付けられて設定されている待ち時間「3:00」が、後述のルーム画面に表示されている時間経過により減少したゲームを開始するまでの待ち時間「2:00」よりも長いため、後述のルーム画面に表示されている待ち時間「2:00」のままとなる。
【0048】
なお、
図7のホストルーム設定画面1000は一例であって、例えばルーム方針の設定及びタイマー設定を省略し、ホストプレイヤに待機プレイヤの人数が二人の状態の待ち時間を設定させる画面であってもよい。この場合、待機プレイヤの人数が二人から三人に変化すると、後述のルーム画面に表示されている時間経過により減少した待ち時間を半分にしてセットし、待機プレイヤの人数が三人から二人に変化すると、後述のルーム画面に表示されている時間経過により減少した待ち時間を倍にしてセットする。
【0049】
例えばルームに入室し、ホストプレイヤの募集に応じた参加希望プレイヤは、最大でも入室時に確認したゲームを開始するまでの待ち時間まで待てば、ゲームが開始されることを理解できる。
【0050】
ルーム方針「無制限」が選択されている場合は、時間経過により減少するゲームを開始するまでの待ち時間が、後述のルーム画面に表示されない。したがって、例えばルームに入室し、ホストプレイヤの募集に応じた参加希望プレイヤは、後述のルーム画面にゲームを開始するまでの待ち時間が表示されているか否かで、理想の人数の参加希望プレイヤが集まるまでゲームを開始しない可能性のあるルームであるのか、後述のルーム画面に表示されている待ち時間まで待てばゲームを開始するルームであるのか、を判断できる。
【0051】
図6に戻り、クライアント20はホストルーム設定画面1000からルーム設定情報216の設定を受け付け、記憶部210に記憶させる。ステップS12に進み、クライアント20はホストプレイヤからルーム設定情報216に従ったルームを作成する操作を受け付ける。クライアント20はルーム設定情報216に従ったルームの作成をサーバ30に要求する。サーバ30はクライアント20からの要求に従い、ルームを作成し、作成したルームのルーム情報314を記憶部310に記憶させる。
【0052】
記憶部310に記憶されたルーム情報314を利用することで、サーバ30はホストプレイヤにより作成されたルームのルーム情報314の情報を、ロビーに集まっているプレイヤのクライアント20で表示できるように同期制御を行う。ホストプレイヤ以外の他のプレイヤは一人以上のホストプレイヤが作成したルームに入室することで、例えば
図8に示すようなルーム画面2000をクライアント20に表示できる。
【0053】
図8はルーム画面の一例のイメージ図である。
図8のルーム画面2000はロビーに集まっているプレイヤのクライアント20に表示される。ルーム画面2000は、時間経過により減少するゲームが開始されるまでの待ち時間2002、ホストプレイヤの情報2004、参加希望プレイヤの情報2006、及びゲームを開始するタイミングを示す情報2008を情報として表示している。
図8のゲームを開始するタイミングを示す情報2008には
図7のホストルーム設定画面1000で設定されたルーム方針が、そのルームにおけるゲーム開始の方針を示すテキスト情報2009で表示されている。
【0054】
また、ルーム画面2000は参加希望ボタン2010及び退室ボタン2012が設けられている。ホストプレイヤ以外の他のプレイヤは例えば参加希望ボタン2010を押下する操作を行い、ホストプレイヤの募集に応じて参加希望を行うことができる。また、参加希望を行った参加希望プレイヤは退室ボタン2012を押下する操作を行うことで、参加希望を取り下げて、ホストプレイヤが作成したルームから退室できる。なお、ルーム画面2000をクライアント20に表示しているプレイヤは退室ボタン2012を押下する操作を行うことで、ホストプレイヤが作成したルームから退室できる。
【0055】
なお、
図8のルーム画面2000をホストプレイヤのクライアント20に表示する場合は例えばゲーム開始ボタンを設けてもよい。ホストプレイヤはゲーム開始ボタンを押下する操作を行うことで、ゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過する前であってもゲームを開始できる。
図8のルーム画面2000は一人の参加希望プレイヤが表示されている例である。
【0056】
ホストプレイヤ以外の他のプレイヤは
図8のルーム画面2000のゲームが開始されるまでの待ち時間2002と、ゲームを開始するタイミングを示す情報2008とを確認することで、そのルームにおけるゲーム開始の方針を判断できる。
【0057】
図6のステップS14に戻り、クライアント20はルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数に増減があったか判定する。ルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数に増減がなければ、クライアント20はステップS16及びS18の処理をスキップする。
【0058】
ルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数に増減があれば、クライアント20はステップS16及びS18の処理を行う。ステップS16において、クライアント20はルーム画面2000に表示されている、ゲームが開始されるまでの待ち時間2002の更新処理を行う。また、ステップS18において、クライアント20は更新処理後のルーム画面2000を、ロビーに集まっているプレイヤのクライアント20に表示できるように更新処理の内容をサーバ30に通知する。サーバ30はクライアント20から受信した更新処理の内容に従って、ロビーに集まっているプレイヤのクライアント20に更新処理の内容が反映されたルーム画面2000を表示できるようにルーム情報314の同期制御を行う。
【0059】
ステップS20において、クライアント20はホストプレイヤからゲーム開始ボタンの押下などのゲーム開始の指示があったか否かを判定する。ゲーム開始の指示がないと判定した場合、クライアント20はステップS22において、ゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過したか否かを判定する。
【0060】
ゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過していないと判定した場合、クライアント20はステップS20の処理に戻る。ゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過したと判定した場合、又はゲーム開始の指示があったと判定した場合、クライアント20はステップS24のゲーム同期処理を行う。
【0061】
なお、ゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過したと判定した場合は、強制的にステップS24のゲーム同期処理を実行してゲームを開始してもよいし、強制的にステップS24のゲーム同期処理を実行するのではなく、待ち時間2002をホストプレイヤからゲーム開始ボタンの押下を受け付ける目安として扱ってもよい。
【0062】
例えば3人のプレイヤが集まった場合に適した装備と4人のプレイヤが集まった場合に適した装備とが異なるようなセオリーのあるゲームでは集まったプレイヤの人数により装備を変えて(戦闘準備を行って)出撃することが望ましい。したがって、集まったプレイヤの人数によって装備を変えて(戦闘準備を行って)出撃したいゲームでは、プレイヤの人数の確定後に戦闘準備を行わせる時間を設けるようにしてもよい。
【0063】
プレイヤの人数の確定後に戦闘準備を行わせる時間は、待ち時間2002が経過してからステップS24の処理を実行するまでの間に、例えば10~60秒くらい設けるようにしてもよい。また、ホストプレイヤがゲーム開始ボタンを押下するまでステップS24の処理に進まないゲームの場合は、待ち時間2002が経過してからホストプレイヤによりゲーム開始ボタンが押下されるまでの時間が、プレイヤの人数の確定後に戦闘準備を行わせる時間となる。
【0064】
ステップS24において、クライアント20は、ホストプレイヤが操作するクライアント20と、ホストプレイヤの募集に応じて集まった参加希望プレイヤが操作するクライアント20と、で一緒にゲームをプレイするための要求をサーバ30に行う。
【0065】
サーバ30はホストプレイヤが操作するクライアント20と、ホストプレイヤの募集に応じて集まった参加希望プレイヤが操作するクライアント20とに、一緒にゲームをプレイするためのゲーム画面を表示させるゲーム同期処理を行う。
図6のフローチャートは一例であって、例えばステップS22の処理でゲームが開始されるまでの待ち時間2002が経過したと判定したあと、ホストプレイヤからのゲーム開始の指示を待ってステップS24の処理を行うようにしてもよい。
【0066】
なお、ステップS16のゲームが開始されるまでの待ち時間の更新処理は、例えば
図9に示す処理手順で実行される。
図9はゲームが開始されるまでの待ち時間の更新処理の手順を示した一例のフローチャートである。
【0067】
ステップS30において、クライアント20はルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が増えたか否かを判定する。ルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が増えていればステップS32の処理を行う。ステップS32において、クライアント20は参加希望プレイヤが理想の人数に近付いたため、ルーム画面2000に表示されているゲームが開始されるまでの待ち時間を減らす処理を行う。クライアント20はルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が増えていなければステップS32の処理をスキップする。
【0068】
ステップS34において、クライアント20はルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が減ったか否かを判定する。ルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が減っていればステップS36の処理を行う。ステップS36において、クライアント20は参加希望プレイヤが理想の人数から離れたため、ルーム画面2000に表示されているゲームが開始されるまでの待ち時間を増やす処理を行う。クライアント20はルーム画面2000に表示されている参加希望プレイヤの人数が減っていなければステップS36の処理をスキップする。
【0069】
なお、
図9のゲームが開始されるまでの待ち時間の更新処理は一例である。例えば
図9のステップS32において、待機プレイヤの人数が二人の状態で、待機プレイヤの人数「三人」に対応付けられて設定されている待ち時間8分から4分(50%)が経過した後に、待機プレイヤの人数が三人になると、増えた待機プレイヤの人数「三人」に対応付けられて設定されている待ち時間3分の50%の1分30秒を、ルーム画面2000に表示するゲームが開始されるまでの待ち時間2002としてもよい。
【0070】
このように、ステップS32ではルーム画面2000に表示されているゲームが開始されるまでの待ち時間2002が時間経過により減少した割合を算出し、増えた待機プレイヤの人数に対応付けられて設定されている待ち時間2002を、その割合となるように変更して、ルーム画面2000に表示するゲームが開始されるまでの待ち時間2002としてもよい。
【0071】
図8のルーム画面2000は、例えば
図10に示すような構成であってもよい。
図10はルーム画面の一例のイメージ図である。
図10のルーム画面2000は
図8のルーム画面2000の参加希望プレイヤの情報2006に、待ち時間を減らすボタン2014及び待ち時間を増やすボタン2016を追加した構成である。
【0072】
図10のルーム画面2000において、参加希望プレイヤは待ち時間を減らすボタン2014を押下する操作を行うことで、ルーム画面2000に表示するゲームが開始されるまでの待ち時間2002を減らすことができる。
【0073】
また、
図10のルーム画面2000において、参加希望プレイヤは待ち時間を増やすボタン2016を押下する操作を行うことで、ルーム画面2000に表示するゲームが開始されるまでの待ち時間2002を増やすことができる。
【0074】
このように
図10のルーム画面2000では、他のプレイヤがホストプレイヤのゲーム開始の方針を把握できるだけでなく、待機プレイヤの人数が少なくてもゲームを開始したい又は待機プレイヤが理想の人数になるまでゲームの開始を待ちたいなどの参加希望プレイヤの意志を、ホストプレイヤに伝えることができる。
【0075】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0076】
10 ゲームシステム
20 クライアント
30 サーバ
200 クライアント制御部
202 操作受付部
204 出力制御部
206 通信部
210 記憶部
222 ルーム設定受付部
224 ルーム作成受付部
226 ルーム画面制御部
228 ルーム参加受付部
230 ゲーム制御部
300 サーバ制御部
302 通信部
310 記憶部
322 ルーム作成部
324 ルーム管理部
326 ルーム同期制御部
328 ゲーム同期制御部
1000 ホストルーム設定画面
2000 ルーム画面