(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】電子キーシステム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20250116BHJP
E05B 19/00 20060101ALI20250116BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20250116BHJP
【FI】
E05B49/00 K
E05B19/00 J
B60R25/24
(21)【出願番号】P 2021014391
(22)【出願日】2021-02-01
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松元 洸樹
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158150(JP,A)
【文献】特開2015-51756(JP,A)
【文献】特開2018-199892(JP,A)
【文献】特開2014-141804(JP,A)
【文献】特開2010-275701(JP,A)
【文献】特開2017-214790(JP,A)
【文献】特開2006-348513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60R 25/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠対象に設けられたドアユニットと、使用者が所持可能な携帯機と、前記施錠対象に設置され、前記携帯機との無線通信の結果に基づいて前記ドアユニットの解錠を許可する設置機と、を備えた電子キーシステムにおいて、
前記携帯機に設けられ、前記携帯機を所持した前記使用者が前記携帯機に対して意図的な特定動作を行った際の特定動作情報、及び、前記携帯機を所持した前記使用者が前記特定動作以外の一般動作を行った際の一般動作情報を検出する動作検出手段と、
前記設置機に設けられ、前記設置機に予め登録された登録キー情報と前記携帯機から送信されるキー情報とを照合するキー照合手段と、
予め登録された前記使用者の登録特定動作情報と前記特定動作情報との照合を行う特定動作照合手段と、
予め登録された前記使用者の登録一般動作情報と前記一般動作情報との照合を行う一般動作照合手段と、
前記キー情報が前記登録キー情報と一致し、前記特定動作情報が前記登録特定動作情報と一致し、且つ、前記一般動作情報が前記登録一般動作情報と一致するとき、前記ドアユニットの解錠を許可する解錠許可手段と、を備え
、
前記特定動作照合手段及び前記一般動作照合手段は、前記携帯機に設けられ、
前記一般動作照合手段は、前記特定動作照合手段において前記登録特定動作情報と前記特定動作情報とが一致していると判定された後に、前記登録一般動作情報と前記一般動作情報との照合を行うことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
前記特定動作情報及び前記一般動作情報は、前記使用者の動作によって前記携帯機に発生する振動の波形信号であることを特徴とする請求項1に記載の電子キーシステム。
【請求項3】
前記施錠対象は車両であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子キーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御対象と携帯機との間で認証を行い、認証が成立した場合に制御対象の動作が可能となる電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両においては、ドアの施錠、解錠、及び、エンジンの始動等の許可を、無線通信を通じて行う電子キーシステム(スマートキーシステム)が知られている。この種の電子キーシステムでは、使用者がスマートフォン或いは専用の電子キー等の携帯機(スマートキー)を所持して車両に近づき、携帯機と車載機との間で所定の使用者認証を行うことにより、ドアの解錠を行うことが可能となっている。
【0003】
さらに、近年の電子キーシステムでは、携帯機が車両との通信圏外にある場合にも中継器を用いて通信を成立させることにより解錠等を行う、所謂リレーアタックに対策するための技術が各種提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、電子キーを叩くことで当該電子キーの操作を可能とし、電子キーへの叩き動作の回数に応じて施錠または解錠を要求するための信号(要求信号)を車載機に送信することにより、リレーアタックを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、例えば、電子キーを窃取した第三者が所定の叩き動作を行った場合にも解錠等を行うことができるため、車両の盗難を有効に防止することが困難な場合がある。これに対し、電子キーに対して異なる複数パターンの動作が行われたことを条件として解錠等を許可するよう、電子キーを構成することも可能であるが、このような構成では電子キーシステムの利便性を損なう虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、利便性を損なうことなく、十分なセキュリティを確保することができる電子キーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による電子キーシステムは、施錠対象に設けられたドアユニットと、使用者が所持可能な携帯機と、前記施錠対象に設置され、前記携帯機との無線通信の結果に基づいて前記ドアユニットの解錠を許可する設置機と、を備えた電子キーシステムにおいて、前記携帯機に設けられ、前記携帯機を所持した前記使用者が前記携帯機に対して意図的な特定動作を行った際の特定動作情報、及び、前記携帯機を所持した前記使用者が前記特定動作以外の一般動作を行った際の一般動作情報を検出する動作検出手段と、前記設置機に設けられ、前記設置機に予め登録された登録キー情報と前記携帯機から送信されるキー情報とを照合するキー照合手段と、予め登録された前記使用者の登録特定動作情報と前記特定動作情報との照合を行う特定動作照合手段と、予め登録された前記使用者の登録一般動作情報と前記一般動作情報との照合を行う一般動作照合手段と、前記キー情報が前記登録キー情報と一致し、前記特定動作情報が前記登録特定動作情報と一致し、且つ、前記一般動作情報が前記登録一般動作情報と一致するとき、前記ドアユニットの解錠を許可する解錠許可手段と、を備え、前記特定動作照合手段及び前記一般動作照合手段は、前記携帯機に設けられ、前記一般動作照合手段は、前記特定動作照合手段において前記登録特定動作情報と前記特定動作情報とが一致していると判定された後に、前記登録一般動作情報と前記一般動作情報との照合を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利便性を損なうことなく、十分なセキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係り、電子キーシステムの概略構成図
【
図2】同上、車両に適用された電子キーシステムを示す説明図
【
図3】同上、使用者に特定の動作を促す通知制御ルーチンを示すフローチャート
【
図4】同上、車載機に対する電波送信許可判定ルーチンを示すフローチャート
【
図5】同上、使用者の動作に対する動作照合ルーチンを示すフローチャート
【
図6】同上、車載機に対する電波送信制御ルーチンを示すフローチャート
【
図7】同上、アンロック判定ルーチンを示すフローチャート
【
図8】同上、使用者の動作に伴う波形を例示する説明図
【
図9】同上、使用者が車両に接近してから車両がアンロックされるまでのプロセスを示すフローチャート
【
図10】第2の実施形態に係り、使用者の動作に対する動作照合ルーチンを示すフローチャート
【
図11】同上、車載機に対する電波送信制御ルーチンを示すフローチャート
【
図12】同上、アンロック判定ルーチンを示すフローチャート
【
図13】第3の実施形態に係り、電子キーシステムの概略構成図
【
図14】同上、車載機に対する電波送信制御ルーチンを示すフローチャート
【
図15】同上、アンロック判定ルーチンを示すフローチャート
【
図16】変形例に係り、電子キーシステムの概略構成図
【
図17】同上、車両に適用された電子キーシステムを示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。
図1~
図9は本発明の第1の実施形態に係り、
図1は電子キーシステムの概略構成図である。
【0012】
図1に示す電子キーシステム1は、使用者が所持可能な携帯機2と、施錠対象である車両10に設けられた設置機としての車載機3と、車両10のドアに設けられたドアユニット4と、を備えて構成されている。
【0013】
携帯機2は、例えば、スマートフォン或いは専用の電子キー等によって構成されている。この携帯機2は、電波受信部21と、通知部22と、モーションセンサ23と、携帯機制御部24と、電波送信部25と、を備えて構成されている。
【0014】
電波受信部21は、例えば、LF信号(Low Frequency信号)を受信するための受信機によって構成されている。この電波受信部21は、車載機3においてLF信号に変調されたポーリング信号等を、車載機3との通信圏内において受信する。そして、電波受信部21は、受信したポーリング信号等を復調して通知部22及び携帯機制御部24に出力する。
【0015】
通知部22は、図示しないバイブレータやスピーカ等を有する。この通知部22は、電波受信部21からポーリング信号が入力された際に、バイブレータやスピーカ等を通じて振動や音を発生させる。これにより、通知部22は、携帯機2が車載機3の通信圏内に進入したことを使用者に通知する。
【0016】
モーションセンサ23は、加速度センサやジャイロセンサ等を備えて構成されている。このモーションセンサ23は、使用者によって携帯機2に付与された振動等を動作情報として検出する。すなわち、モーションセンサ23は、携帯機2を所持した使用者が、携帯機2に対して予め定められた特定動作を意図的に行った際の特定動作情報を検出する。また、モーションセンサ23は、携帯機2を所持した使用者が、特定動作以外の一般動作を行った際に、携帯機2に伝達される一般動作情報を検出する。
【0017】
具体的には、使用者が行う特定動作としては、例えば、携帯機2を所持した使用者が携帯機2に対し、自ら予め定めた所定回数のタップを所定のリズムで行う動作等が想定される。また、使用者が行う一般動作としては、例えば、携帯機2を所持した使用者が歩行する等の携帯機2に対して意図的に行わない動作が想定される。モーションセンサ23は、これら特定動作及び一般動作に起因して携帯機2に入力される振動波形を、例えば、動作波形信号(特定動作波形信号及び一般動作波形信号)として検出する。そして、モーションセンサ23は、検出した動作波形信号を携帯機制御部24に出力する。このように、本実施形態において、モーションセンサ23は、動作検出手段としての機能を実現する。
【0018】
なお、例えば、
図8に示すように、タップ等の特定動作による特定動作波形信号の振幅は、基本的には、歩行等の一般動作による一般動作波形信号の振幅よりも大きくなる。また、特定動作波形信号の波長は、基本的には、一般動作波形信号の波長よりも短くなる。
【0019】
携帯機制御部24は、機能的に示すと、送信許可判定部26と、波形記憶部27と、波形照合部28と、を有する。
【0020】
送信許可判定部26には、電波受信部21からのポーリング信号が入力されるとともに、モーションセンサ23からの動作波形信号が入力される。送信許可判定部26は、ポーリング信号が入力されたときオンされ、電波送信部25に対して送信許可信号を出力する。一方、送信許可判定部26は、電波受信部21からのポーリング信号が入力されていない状態且つ特定動作波形信号が入力されていない状態が設定時間経過したときオフされ、通信許可信号の出力を解除する。
【0021】
なお、特定動作波形信号が入力されたか否かの判定は、例えば、予め設定された閾値(
図8参照)以上の振幅を示す動作波形信号がモーションセンサ23から入力されたか否かにより行うことが可能である。或いは、特定動作波形信号が入力されたか否かの判定は、例えば、予め設定された閾値未満の波長を示す動作波形信号がモーションセンサ23から入力されたか否かにより行うことが可能である。
【0022】
波形記憶部27には、携帯機2の所有者等(所有者本人及び家族等)が特定動作情報及び一般動作情報を事前に登録することが可能となっている。具体的には、波形記憶部27には、所有者等が予め特定動作及び一般動作を行うことにより得られる特定動作波形信号及び一般動作波形信号を登録特定動作波形信号(登録特定動作情報)及び登録一般動作波形信号(登録一般動作情報)として登録することが可能となっている。なお、これら波形記憶部27に対する登録動作波形情報の登録は、ディーラ等において、1人または複数人について行うことが可能となっている。
【0023】
波形照合部28は、波形記憶部27からの情報に基づき、モーションセンサ23から入力された動作波形信号の照合を行う。すなわち、波形照合部28は、例えば、予め設定された閾値(
図8参照)以上の振幅を有する動作波形信号が入力された際に、登録特定動作波形信号を波形記憶部27から読み出し、入力された動作波形信号と読み出した登録特定動作波形信号とを比較する。そして、これら動作波形信号と登録特定動作波形信号が予め設定された条件において一致しているとき、波形照合部28は、携帯機2に予め設定されているキー信号(識別情報)を電波送信部25に出力する。すなわち、本実施形態において、キー信号は、特定動作波形信号が所有者等の登録特定動作波形信号と一致したことを示す特定動作照合完了情報を兼用する。
【0024】
一方、波形照合部28は、例えば、予め設定された閾値未満の振幅を有する波形信号が入力された際に、登録一般動作波形信号を波形記憶部27から読み出し、入力された動作波形信号と読み出した登録一般動作波形信号とを比較する。そして、これら動作波形信号と登録一般動作波形信号が予め設定された条件において一致しているとき、波形照合部28は、携帯機2に予め設定されている一般動作照合完了信号を電波送信部25に出力する。
【0025】
このように、本実施形態において、波形照合部28は、特定動作照合手段及び一般動作照合手段としての機能を実現する。
【0026】
電波送信部25は、例えば、RF信号(Radio Frequency信号)を送信するための送信機によって構成されている。この電波送信部25は、波形照合部28からキー信号或いは一般動作照合完了信号が入力されると、送信許可判定部26から通信許可信号が入力されていることを条件として、入力信号を変調したRF信号を周辺に対し適宜出力(送信)する。
【0027】
車載機3は、電波送信部31と、電波受信部32と、車載機制御部33と、を備えて構成されている。
【0028】
電波送信部31は、例えば、LF信号を送信するための送信機によって構成されている。この電波送信部31は、予め設定されたポーリング信号等を変調したLF信号を、設定周期毎に繰り返し送信する。なお、このLF信号の到達範囲は、例えば、車載機3から半径2m程度に設定されている(
図2中の2点鎖線参照)。
【0029】
電波受信部32は、例えば、RF信号を受信するための受信機によって構成されている。この電波受信部32は、RF信号に変調されたキー信号及び動作照合完了信号等の各種信号を、携帯機2との通信圏内において受信する。そして、電波受信部32は、受信した各種信号を復調して車載機制御部33に出力する。
【0030】
車載機制御部33は、機能的に示すと、キー照合部34と、アンロック判定部35と、を有する。
【0031】
キー照合部34には、電波受信部32からのキー信号が入力される。このキー照合部34は、電波受信部32からのキー信号が入力されると、入力されたキー信号を、予め車載機3に登録されている登録キー情報(登録キー信号)と照合する。そして、キー照合部34は、入力されたキー信号と登録キー信号が一致しているとき、キー照合完了信号をアンロック判定部35に出力する。このように、本実施形態において、キー照合部34は、キー照合手段としての機能を有する。
【0032】
また、キー照合部34は、例えば、電波受信部32における電波の受信状況等に基づいて、携帯機2が車室内に存在するか或いは車室外に存在するかの判定についても行う。そして、キー照合部34は、例えば、携帯機2が車室内に存在するか或いは車室外に存在するかを示す車室内外判定信号をアンロック判定部35に出力する。
【0033】
アンロック判定部35には、電波受信部32からの動作照合完了信号が入力されるとともに、キー照合部34からのキー照合完了信号及び車室内外判定信号等が入力される。さらに、アンロック判定部35には、ドアユニット4からアンロック要求信号(後述する)が入力される。
【0034】
そして、アンロック判定部35は、キー照合完了信号が入力され、携帯機2が車室外に存在する旨の車室内外判定信号が入力され、且つ、動作照合完了信号が入力されていることを条件として、ドアのアンロックを許可する旨の判定を行う。さらに、アンロック判定部35は、ドアのアンロックを許可する旨の判定が行われてから設定時間が経過するまでの間に、ドアユニット4からアンロック要求信号(後述する)が入力されたとき、ドアユニット4に対してアンロック指示信号を出力する。このように、本実施形態において、アンロック判定部35は、解錠許可手段としての機能を有する。
【0035】
ドアユニット4は、車両10の各ドアにそれぞれ設けられている。このドアユニット4は、タッチセンサ41と、ドアロックアクチュエータ42と、を備えて構成されている。
【0036】
タッチセンサ41は、例えば、車両10のドアハンドルに隣接する位置、或いは、ドアハンドルの裏面側等に設けられている。そして、タッチセンサ41は、当該タッチセンサ41が使用者等によって触れられた際に、所定のアンロック要求信号をアンロック判定部35に対して出力する。
【0037】
なお、本実施形態において、タッチセンサ41は、各ドアに設けられるドアユニット4のうち、例えば、運転席側のフロントドアにのみに、或いは、運転席側のフロントドア及びバックドアのみに限定的に設けられるものであるが、他のドアのドアユニット4にも設けることが可能である。また、ドアユニット4に設けられるスイッチ・センサ類としては、タッチセンサ41に代えて、例えば、使用者が押下した際にアンロック要求信号を出力するスイッチとすることも可能である。
【0038】
ドアロックアクチュエータ42は、車両10のドアを施錠(ロック)及び解錠(アンロック)するためのアクチュエータである。このドアロックアクチュエータ42は、車載機3のアンロック判定部35からアンロック指示信号が入力された際に、ドアをアンロックする。
【0039】
次に、携帯機2の通知部22における通知制御について、
図3に示す通知制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、携帯機2が車載機3の通信圏外から通信圏内に進入し、電波受信部21から通知部22にポーリング信号が入力されることにより開始する。
【0040】
ルーチンがスタートすると、通知部22は、ステップS101において、使用者に対する通知を出力する。すなわち、通知部22は、例えば、バイブレータを振動させることにより、或いは、スピーカを通じて通知音を出力することにより、携帯機2が車載機3との通信圏内に進入したことを使用者に通知する。
【0041】
続くステップS102において、通知部22は、電波受信部21から定期的にポーリング信号が入力されているか否かを調べる。すなわち、通知部22は、車載機3の電波送信部31から定期的に送信されるポーリング信号を、電波受信部21が受信しているか否かを調べる。
【0042】
そして、ステップS102において、定期的にポーリング信号が入力されていると判定した場合、通知部22は、そのまま待機する。
【0043】
一方、ステップS102において、定期的にポーリング信号が入力されていないと判定した場合、通知部22は、ルーチンを終了する。
【0044】
このような制御により、通知部22は、携帯機2が車載機3との通信圏内に進入した直後においてのみ、使用者に対して通知を行うことができる。従って、車載機3との通信圏内に携帯機2が存在する間に、通知が繰り返し行われることを防止することができ、使用者等の煩わしさを低減することができる。
【0045】
次に、携帯機2の送信許可判定部26における電波送信許可判定について、
図4に示す電波送信許可判定ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、携帯機2が車載機3の通信圏外から通信圏内に進入し、電波受信部21から送信許可判定部26にポーリング信号が入力されることにより開始する。
【0046】
ルーチンがスタートすると、送信許可判定部26は、ステップS201において、送信許可信号をONする。すなわち、ステップS201において、送信許可判定部26は、携帯機2が車載機3の通信圏内に侵入したことを条件として、電波送信部25に対する送信許可信号の出力を開始する。
【0047】
続くステップS202において、送信許可判定部26は、電波受信部21から定期的にポーリング信号が入力されているか否かを調べる。すなわち、送信許可判定部26は、車載機3の電波送信部31から定期的に送信されるポーリング信号を電波受信部21が受信しているか否かにより、携帯機2が車載機3との通信圏内に留まっているか否かを調べる。
【0048】
そして、ステップS202において、定期的にポーリング信号が入力されていると判定した場合、送信許可判定部26は、そのまま待機する。これにより、送信許可判定部26は、電波送信部25に対する送信許可信号の出力を維持する。
【0049】
一方、ステップS202において、定期的にポーリング信号が入力されていないと判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS203に進む。
【0050】
ステップS202からステップS203に進むと、送信許可判定部26は、モーションセンサ23から特定動作波形信号が入力されているか否かを調べる。すなわち、ステップS203において、送信許可判定部26は、現在、モーションセンサ23から動作波形信号が入力されているか否かを調べる。さらに、動作波形信号が入力されている場合、送信許可判定部26は、例えば、動作波形信号の振幅が予め設定された閾値以上であるか否かを調べる。
【0051】
そして、ステップS203において、現在、特定動作波形信号が入力されていると判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS202に戻る。すなわち、ステップS203において、現在、動作波形信号が入力されていると判定し、且つ、当該動作波形信号の振幅が予め設定された閾値以上であると判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS202に戻る。これにより、送信許可判定部26は、電波送信部25に対する送信許可信号の出力を維持する。
【0052】
一方、ステップS203において、現在、特定動作波形信号が入力されていないと判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS204に進む。すなわち、ステップS203において、現在、動作波形信号が入力されていないと判定した場合、或いは、現在、動作波形信号が入力されているが当該動作波形信号の振幅が予め設定された閾値未満であると判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS204に進む。
【0053】
ステップS203からステップS204に進むと、送信許可判定部26は、定期的にポーリング信号が入力されなくなり、且つ、特定動作波形信号が入力されなくなってから、予め設定された時間が経過したか否かを調べる。
【0054】
そして、ステップS204において、未だ設定時間が経過していないと判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS202に戻る。これにより、送信許可判定部26は、電波送信部25に対する送信許可信号の出力を維持する。
【0055】
一方、ステップS204において、設定時間が経過したと判定した場合、送信許可判定部26は、ステップS205に進み、送信許可信号をOFFした後、ルーチンを終了する。すなわち、ステップS205において、送信許可判定部26は、電波送信部25に対する送信許可信号の出力を解除した後、ルーチンを終了する。
【0056】
このように、本実施形態において、携帯機2は、送信許可判定部26を備え、主として、携帯機2が車載機3との通信圏内に存在する場合に、電波送信部25に対する送信許可を行う。従って、電波送信部25における不要な電波出力を抑制することができ、携帯機2のバッテリの消耗等を効果的に抑制することができる。
【0057】
次に、波形照合部28における動作照合について、
図5に示す動作照合ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、例えば、モーションセンサ23から特定動作波形信号が入力されることにより開始する。
【0058】
ルーチンがスタートすると、波形照合部28は、ステップS301において、現在、電波受信部21からのポーリング信号が定期的に入力されているか否かを調べる。
【0059】
そして、ステップS301において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていないと判定した場合、波形照合部28は、そのままルーチンを終了する。
【0060】
一方、ステップS301において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていると判定した場合、波形照合部28は、ステップS302に進み、特定動作波形の照合を行う。すなわち、波形照合部28は、波形記憶部27から登録特定動作波形信号を読み出し、モーションセンサ23から入力された特定動作波形信号と、読み出した登録特定動作波形信号との照合を行う。なお、波形記憶部27に複数の使用者等に関する登録特定波形信号が登録されている場合、波形照合部28は、全ての登録特定波形信号を読み出し、モーションセンサ23から入力された特定動作波形信号と、読み出した全ての登録特定波形信号との照合を行う。
【0061】
ステップS302からステップS303に進むと、波形照合部28は、ステップS302の照合結果を参照し、特定動作波形信号と何れかの登録特定波形信号とが所定の誤差範囲内において一致しているか否かを調べる。
【0062】
そして、ステップS303において、特定動作波形信号が何れの登録特定動作波形信号とも一致していないと判定した場合、波形照合部28は、そのままルーチンを終了する。
【0063】
一方、ステップS303において、特定動作波形信号が何れかの登録特定動作波形信号と一致していると判定した場合、波形照合部28は、ステップS304に進み、電波送信部25に対し、携帯機2のキー信号を出力した後、ステップS305に進む。すなわち、波形照合部28は、特定動作波形信号が登録特定波形信号と一致した旨を示す特定動作照合完了信号に代えて、携帯機2に予め登録されている特有のキー信号を電波送信部25に出力する。
【0064】
ステップS304からステップS305に進むと、波形照合部28は、現在、電波受信部21からのポーリング信号が定期的に入力されているか否かを調べる。
【0065】
そして、ステップS305において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていないと判定した場合、波形照合部28は、そのままルーチンを終了する。
【0066】
一方、ステップS305において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていると判定した場合、波形照合部28は、ステップS306に進み、特定動作波形信号の入力によって本ルーチンが開始してから設定時間が経過したか否かを調べる。
【0067】
そして、ステップS306において、本ルーチンが開始してから設定時間が経過したと判定した場合、波形照合部28は、そのままルーチンを終了する。ここで、特定動作波形信号が入力されてから十分な時間が経過した場合とは、例えば、車載機3との通信圏内において、携帯機2に対して特定動作を行った使用者が、途中で乗車する気がなくなりタイムアウトした可能性が考えられる。或いは、車載機3との通信圏内において、例えば、テーブル等に置かれた携帯機2に対して使用者が特定動作を偶然行う等した可能性が考えられる。或いは、車載機3との信圏外において、例えば、第三者にリレーアタックされたタイミングで、使用者が特定動作を行った可能性が考えられる。
【0068】
一方、ステップS306において、本ルーチンが開始してから設定時間が経過していないと判定した場合、波形照合部28は、ステップS307に進み、一般動作波形の照合を行う。すなわち、波形照合部28は、波形記憶部27から登録一般動作波形信号を読み出す。そして、波形照合部28は、モーションセンサ23から一般動作波形信号が入力されている場合には、当該一般動作波形信号と、読み出した登録一般動作波形信号との照合を行う。この場合、波形照合部28は、現在一致していることが判定されている特定動作波形信号に対応する使用者等の登録一般動作波形信号のみを読み出すことが望ましい。
【0069】
ステップS307からステップS308に進むと、波形照合部28は、ステップS307の照合結果を参照し、一般動作波形信号と登録一般動作波形信号とが所定の誤差範囲内において一致しているか否かを調べる。
【0070】
そして、ステップS308において、一般動作波形信号が登録一般動作波形信号と一致していないと判定した場合、波形照合部28は、ステップS305に戻る。
【0071】
一方、ステップS308において、一般動作波形信号が登録一般動作波形信号と一致していると判定した場合、波形照合部28は、ステップS309に進み、電波送信部25に対して一般動作照合完了信号を出力した後、ルーチンを終了する。
【0072】
このように、本実施形態においては、特定動作波形信号が登録特定動作波形信号と一致するまでは、一般動作波形信号と登録一般動作波形信号との照合を行わない。従って、携帯機2における波形照合のための演算負荷を軽減することができ、携帯機2のバッテリの消耗を抑制することができる。
【0073】
また、波形記憶部27に複数の使用者等についての登録特定動作波形信号及び登録一般動作波形信号が登録されている場合には、波形照合部28は、特定動作波形信号が一致した登録特定動作波形信号に対応する登録一般動作波形信号のみを読み出し、読み出した登録一般動作波形信号についてのみ、一般動作波形信号の照合を行う。従って、携帯機における波形照合のための演算負荷を軽減することができ、携帯機2のバッテリの消耗を抑制することができる。
【0074】
さらに、例えば、特定動作波形の照合が完了した際に、波形照合部28は、電波送信部25に対し、特定動作照合完了信号に代えてキー信号を出力する。従って、後述する電波送信部25において、特定動作照合完了信号及びキー信号を個別に送信する必要がなく、電波送信による携帯機2のバッテリの消耗を抑制することができる。
【0075】
次に、電波送信部25における電波送信制御について、
図6に示す電波送信制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、例えば、送信許可判定部26から送信許可信号が入力されることにより開始する。
【0076】
ルーチンがスタートすると、電波送信部25は、ステップS401において、現在も送信許可信号が入力中であるか否かを調べる。
【0077】
そして、ステップS401において、送信許可信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままルーチンを終了する。
【0078】
一方、ステップS401において、送信許可信号が入力中であると判定した場合、電波送信部25は、ステップS402に進み、波形照合部28からキー信号が入力されたか否かを調べる。
【0079】
そして、ステップS402において、キー信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、ステップS401に戻る。
【0080】
一方、ステップS402において、キー信号が入力されたと判定した場合、電波送信部25は、ステップS403に進み、入力されたキー信号の送信を行った後、ステップS404に進む。すなわち、電波送信部25は、キー信号をRF信号に変調し、変調後のキー信号の送信を行う。
【0081】
ステップS403からステップS404に進むと、電波送信部25は、現在も送信許可信号が入力中であるか否かを調べる。
【0082】
そして、ステップS404において、送信許可信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままルーチンを終了する。
【0083】
一方、ステップS404において、送信許可信号が入力中であると判定した場合、電波送信部25は、ステップS405に進み、波形照合部28から一般動作照合完了信号が入力されたか否かを調べる。
【0084】
そして、ステップS405において、一般動作照合完了信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、ステップS404に戻る。
【0085】
一方、ステップS405において、一般動作照合完了信号が入力されたと判定した場合、電波送信部25は、ステップS406に進み、一般動作照合完了信号の送信を行った後、ルーチンを終了する。すなわち、電波送信部25は、一般動作照合完了信号をRF信号に変調し、変調後の一般動作照合完了信号の送信を行う。
【0086】
このように、本実施形態において、電波送信部25は、送信許可判定部26からの送信許可信号が入力中であることを条件として、各種信号の送信を行う。従って、電波送信による消費電力を抑制することができ、携帯機2のバッテリの消耗を抑制することができる。
【0087】
次に、車載機3の車載機制御部33におけるアンロック判定について、
図7に示すアンロック判定ルーチンに従って説明する。このルーチンは、例えば、電波受信部32からキー信号が入力されることにより開始する。
【0088】
ルーチンがスタートすると、車載機制御部33は、ステップS501において、携帯機2が車室外に存在するか否かを調べる。
【0089】
そして、ステップS501において、携帯機2が車室内に存在すると判定した場合、車載機制御部33は、そのままルーチンを終了する。なお、詳細な説明は省略するが、携帯機2が車室内に存在する場合には、車載機制御部33において、別途のアンロック判定が行われる。
【0090】
一方、ステップS501において、携帯機2が車室外に存在すると判定した場合、車載機制御部33はステップS502に進み、携帯機2から受信したキー信号が、車載機3に予め登録されている登録キー信号と一致しているか否かを調べる。すなわち、ステップS502において、車載機制御部33は、携帯機2から受信したキー信号に基づいて、当該携帯機2が車両10の車載機3に対応付けた携帯機2であるか否かを確認する。さらに、車載機制御部33は、キー信号の入力に基づいて、携帯機2において検出された特定動作信号が、使用者により携帯機2に予め登録された登録特定動作信号と所定に一致していることを間接的に確認する。
【0091】
そして、ステップS502において、キー信号が一致していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS506に進み、ドアのアンロックを不許可とする旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0092】
一方、ステップS502において、キー信号が一致していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS503に進み、キー信号を受信してから設定時間が経過しているか否かを調べる。
【0093】
そして、ステップS503において、キー信号を受信してから設定時間が経過していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS506に進み、ドアのアンロックを不許可とする旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。すなわち、キー信号を受信してから設定時間が経過するまでに、後述する一般動作照合完了信号が受信されない場合、車載機制御部33は、携帯機2を窃取した第三者が使用者等になりすまして携帯機2に特定動作を行った可能性等があると判断し、ドアのアンロックを不許可とする旨の判定を行う。
【0094】
一方、ステップS503において、キー信号を受信してから設定時間が経過していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS504に進み、電波受信部32において一般動作照合完了信号を受信したか否かを調べる。すなわち、ステップS504において、車載機制御部33は、携帯機2において、検出された一般動作信号が、使用者により予め登録された登録一般動作信号と所定に一致していると判定されたか否かを確認する。
【0095】
そして、ステップS504において、一般動作照合完了信号を受信していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS503に戻る。すなわち、携帯機2において、一般動作信号が未だ検出されていない場合、或いは、検出された一般動作信号が登録一般動作信号と所定に一致していない場合、車載機制御部33は、ステップS504からステップS503に戻る。
【0096】
一方、ステップS504において、一般動作照合完了信号を受信したと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS505に進み、ドアのアンロックを許可する旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0097】
これにより、アンロック判定部35は、アンロックを許可する旨の判定を行ってから設定時間が経過するまでに、ドアユニット4のタッチセンサ41からタッチセンサ信号が入力されたことを条件として、ドアロックアクチュエータ42に対しアンロック指示信号を出力する。そして、このアンロック指示信号が入力されると、ドアロックアクチュエータ42は、ドアを解錠(アンロック)する。
【0098】
これらの制御により、ドアユニット4のドアロックアクチュエータ42は、例えば、
図9に示すように、以下の手順で解錠される。
【0099】
先ず、携帯機2を所持した使用者が車両10に接近し、携帯機2が車両10の車載機3との通信圏内に進入すると、携帯機2は、車載機3から定期的に送信されているポーリング信号を受信し、通知部22を通じて使用者に特定動作を促すための通知を行う(
図9のS31,S10,S21,S32参照)。
【0100】
携帯機2からの通知を受けて使用者が携帯機2に対して所定の特定動作を付与すると、携帯機2は、特定動作を認識して照合するとともに、携帯機2側の通信許可を行う。これにより、携帯機2側の電波通信がONされ、キー情報が車載機3に送信される(
図9のS33,S22,S23参照)。
【0101】
携帯機2からのキー信号を車載機3が受信すると、車載機3は、携帯機2が車両10の近くにあることを認識し、受信したキー信号と登録キー信号との照合を行う(
図9のS11,S12参照)。
【0102】
また、携帯機2に所定の特定動作を付与した後の使用者が車両10に向かって歩行を開始すると、携帯機2は、一般動作波形の計測(検出)を行うとともに、計測した一般動作波形の特徴点を抽出して登録一般動作波形信号との照合を行う(
図9のS24,S25参照)。そして、一般動作波形の照合が完了すると、携帯機2は、車載機3に対して一般動作照合完了信号を送信する(
図9のS26参照)。
【0103】
車載機3は、携帯機2からの一般動作照合完了信号を受けて、キー照合と一般動作照合が完了したことを認識すると、使用者がタッチセンサ41に触れたことを条件として、ドアロックアクチュエータ42をアンロックする(
図9のS13,S35,S14参照)。
【0104】
このような実施形態によれば、携帯機2において、使用者が意図的な特定動作を行った際の特定動作信号及び特定動作以外の一般動作を行った際の一般動作信号を検出し、予め登録した登録特定動作信号と検出した特定動作信号との照合を行うとともに、予め登録した登録一般動作信号と検出した登録一般動作信号との照合を行い、車載機3において、携帯機2からの無線通信によって受信したキー信号と予め登録された登録キー信号が一致し、特定動作信号が登録特定動作信号と一致し、且つ、一般動作信号が登録一般動作信号と一致していることが確認できたとき、ドアユニット4の解錠を許可することにより、利便性を損なうことなく、十分なセキュリティを確保することができる。
【0105】
すなわち、携帯機2をタップする等の意図的な特定動作に起因する特定動作信号の照合結果のみならず、携帯機2を所持した使用者が歩行する等の一般動作に起因する一般動作信号の照合結果の確認を行い、これらの少なくとも何れか一方が一致しない場合にはアンロックを許可しないので、携帯機2の窃取や所謂リレーアタックに対して十分なセキュリティを確保することができる。
【0106】
この場合において、携帯機2において照合される一般動作信号は、使用者が携帯機2に対して意図的に付与するものでなく、車載機3との通信圏内に進入した使用者が車両10に到達するまでに行う歩行等の一般動作に起因するものである。従って、使用者に複数パターンの煩わしい意図的な動作を強いることなく本人認証を行うことができ、高い利便性を維持したままセキュリティを確保することができる。
【0107】
次に、
図10~
図12は、本発明の第2の実施形態に係り、
図10は使用者の動作に対する動作照合ルーチンを示すフローチャート、
図11は、車載機に対する電波送信制御ルーチンを示すフローチャート、
図12はアンロック判定ルーチンを示すフローチャートである。ここで、上述の第1の実施形態は特定動作の照合が完了した後に一般動作の照合を行っていたのに対し、本実施形態は特定動作の照合及び一般動作の照合が順序を問わず行われる点が主として異なる。なお、上述の第1の実施形態と同様の構成及び作用等については、適宜説明を省略する。
【0108】
先ず、波形照合部28における動作照合について、
図10に示す動作照合ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、例えば、電波受信部21からポーリング信号が入力されることにより開始する。
【0109】
ルーチンがスタートすると、波形照合部28は、ステップS601において、現在、電波受信部21からのポーリング信号が定期的に入力されているか否かを調べる。
【0110】
そして、ステップS601において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていないと判定した場合、波形照合部28は、そのままルーチンを終了する。
【0111】
一方、ステップS601において、現在、ポーリング信号が定期的に入力されていると判定した場合、波形照合部28は、ステップS602に進み、特定動作波形の照合を行う。すなわち、波形照合部28は、モーションセンサ23から特定動作波形信号が入力されている場合には、波形記憶部27から登録特定動作波形信号を読み出す。そして、波形照合部28は、入力された特定動作波形信号と、読み出した登録特定動作波形信号との照合を行う。なお、波形記憶部27に複数の使用者等に関する登録特定波形信号が登録されている場合、波形照合部28は、全ての登録特定波形信号を読み出し、モーションセンサ23から入力された特定動作波形信号と、読み出した全ての登録特定波形信号との照合を行う。この場合において、後述するステップS605の処理において、既に、一般動作波形信号と登録一般動作波形信号とが一致する旨の照合結果が得られている場合、波形照合部28は、当該登録一般動作波形信号に対応する使用者に関する登録特定動作波形信号のみを読み出し、特定動作波形信号との照合を行う。
【0112】
ステップS602からステップS603に進むと、波形照合部28は、ステップS602の照合結果を参照し、特定動作波形信号と何れかの登録特定波形信号とが所定の誤差範囲内において一致しているか否かを調べる。
【0113】
そして、ステップS603において、特定動作波形信号が何れの登録特定動作波形信号とも一致していないと判定した場合、波形照合部28は、ステップS605に進む。
【0114】
一方、ステップS603において、特定動作波形信号が何れかの登録特定動作波形信号と一致していると判定した場合、波形照合部28は、ステップS604に進み、電波送信部25に対し、携帯機2のキー信号を出力した後、ステップS605に進む。すなわち、波形照合部28は、特定動作波形信号が登録特定波形信号と一致した旨を示す特定動作照合完了信号に代えて、携帯機2に予め登録されている特有のキー信号を電波送信部25に出力する。
【0115】
ステップS603或いはステップS604からステップS605に進むと、波形照合部28は、一般動作波形の照合を行う。すなわち、波形照合部28は、モーションセンサ23から一般動作波形信号が入力されている場合には、波形記憶部27から登録一般動作波形信号を読み出す。そして、波形照合部28は、入力された一般動作波形信号と、読み出した登録一般動作波形信号との照合を行う。なお、波形記憶部27に複数の使用者等に関する登録一般波形信号が登録されている場合、波形照合部28は、全ての登録一般波形信号を読み出し、モーションセンサ23から入力された一般動作波形信号と、読み出した全ての登録一般波形信号との照合を行う。この場合において、上述のステップS602の処理において、既に、特定動作波形信号と登録特定動作波形信号とが一致する旨の照合結果が得られている場合、波形照合部28は、当該登録特定動作波形信号に対応する使用者に関する登録一般動作波形信号のみを読み出し、一般動作波形信号との照合を行う。
【0116】
ステップS605からステップS606に進むと、波形照合部28は、ステップS605の照合結果を参照し、一般動作波形信号と何れかの登録一般波形信号とが所定の誤差範囲内において一致しているか否かを調べる。
【0117】
そして、ステップS607において、一般動作波形信号が何れの登録一般動作波形信号とも一致していないと判定した場合、波形照合部28は、ステップS609に進む。
【0118】
一方、ステップS607において、一般動作波形信号が何れかの登録一般動作波形信号と一致していると判定した場合、波形照合部28は、ステップS608に進み、電波送信部25に対し、一般動作照合完了信号を出力した後、ステップS609に進む。
【0119】
ステップS607或いはステップS608からステップS609に進むと、波形照合部28は、全ての信号を出力したか否か、すなわち、電波送信部25に対してキー信号及び一般動作照合完了信号の出力が完了したか否かを調べる。
【0120】
そして、ステップS609において、全ての信号を出力していないと判定した場合、波形照合部28はステップS601に戻る。
【0121】
一方、ステップS609において、全ての信号を出力したと判定した場合、波形照合部28は、ルーチンを終了する。
【0122】
次に、電波送信部25における電波送信制御について、
図11に示す電波送信制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、例えば、送信許可判定部26から送信許可信号が入力されることにより開始する。
【0123】
ルーチンがスタートすると、電波送信部25は、ステップS701において、現在も送信許可信号が入力中であるか否かを調べる。
【0124】
そして、ステップS701において、送信許可信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままルーチンを終了する。
【0125】
一方、ステップS701において、送信許可信号が入力中であると判定した場合、電波送信部25は、ステップS702に進み、波形照合部28からキー信号が入力されたか否かを調べる。
【0126】
そして、ステップS702において、キー信号が入力されたと判定した場合、電波送信部25は、ステップS303に進み、入力されたキー信号の送信を行った後、ステップS704に進む。すなわち、電波送信部25は、キー信号をRF信号に変調し、変調後のキー信号の送信を行う。
【0127】
一方、ステップS702において、キー信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままステップS704に進む。
【0128】
ステップS702或いはステップS703からステップS704に進むと、電波送信部25は、波形照合部28から一般動作照合完了信号が入力されたか否かを調べる。
【0129】
そして、ステップS704において、一般動作照合完了信号が入力されたと判定した場合、電波送信部25は、ステップS705に進み、入力された一般動作照合完了信号の送信を行った後、ステップS706に進む。すなわち、電波送信部25は、一般動作照合完了信号をRF信号に変調し、変調後の一般動作照合完了信号の送信を行う。
【0130】
一方、ステップS704において、一般動作照合完了信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままステップS706に進む。
【0131】
ステップS704或いはステップS705からステップS706に進むと、電波送信部25は、全ての信号を送信したか否か、すなわち、キー信号及び一般動作照合完了信号の送信が完了したか否かを調べる。
【0132】
そして、ステップS706において、全ての信号を送信していないと判定した場合、電波送信部25はステップS701に戻る。
【0133】
一方、ステップS706において、全ての信号を送信したと判定した場合、電波送信部25は、ルーチンを終了する。
【0134】
次に、車載機3の車載機制御部33におけるアンロック判定について、
図12に示すアンロック判定ルーチンに従って説明する。このルーチンは、例えば、電波受信部32が携帯機2からの電波を受信することにより開始する。すなわち、本実施形態において、このルーチンは、例えば、電波受信部32が携帯機2から受信したキー信号或いは一般動作照合完了信号が車載機制御部33に入力されることにより開始する。
【0135】
ルーチンがスタートすると、車載機制御部33は、ステップS801において、携帯機2が車室外に存在するか否かを調べる。
【0136】
そして、ステップS801において、携帯機2が車室内に存在すると判定した場合、車載機制御部33は、そのままルーチンを終了する。なお、詳細な説明は省略するが、携帯機2が車室内に存在する場合には、車載機制御部33において、別途のアンロック判定が行われる。
【0137】
一方、ステップS801において、携帯機2が車室外に存在すると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS802に進み、全ての信号が入力されているか否か、すなわち、電波受信部32においてキー信号及び一般動作照合完了信号の受信が完了したか否かを調べる。
【0138】
そして、ステップS802において、全ての信号が入力されていると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS804に進む。
【0139】
一方、ステップS802において、全ての信号が入力されていないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS803に進み、本ルーチンが開始してから予め設定された時間が経過しているか否かを調べる。
【0140】
そして、ステップS803において、設定時間が経過していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS802に戻り、全ての信号が入力されるまで待機する。
【0141】
一方、ステップS803において、設定時間が経過していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS806に進む。
【0142】
ステップS802からステップS804に進むと、車載機制御部33は、キー信号が予め車載機3に登録されている登録キー信号と一致しているか否かを調べる。すなわち、ステップS804において、車載機制御部33は、携帯機2から受信したキー信号に基づいて、当該携帯機2が車両10の車載機3に対応付けた携帯機2であるか否かを確認する。さらに、車載機制御部33は、キー信号の入力に基づいて、携帯機2において検出された特定動作信号及び一般動作信号が、使用者により携帯機2に予め登録された登録特定動作信号と所定に一致していることを間接的に確認する。
【0143】
そして、ステップS804において、キー信号が一致していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS805に進み、ドアのアンロックを許可する旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0144】
一方、ステップS804において、キー信号が一致していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS806に進む。
【0145】
ステップS803或いはステップS804からステップS806に進むと、車載機制御部33は、ドアのアンロックを不許可とする旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。なお、設定時間内にキー信号が入力されない場合の1つとしては、例えば、携帯機2を所持した使用者が車両10から離れた場所を歩行している場合等に、第三者によって、携帯機2が所謂リレーアタックされた場合等が想定される。
【0146】
これにより、アンロック判定部35は、アンロックを許可する旨の判定を行ってから設定時間が経過するまでに、ドアユニット4のタッチセンサ41からタッチセンサ信号が入力されたことを条件として、ドアロックアクチュエータ42に対しアンロック指示信号を出力する。そして、このアンロック指示信号が入力されると、ドアロックアクチュエータ42は、ドアを解錠(アンロック)する。
【0147】
このような実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様の作用効果を奏することができる。
【0148】
次に、
図13~
図15は本発明の第3の実施形態に係り、
図13は電子キーシステムの概略構成図、
図14は車載機に対する電波送信制御ルーチンを示すフローチャート、
図15はアンロック判定ルーチンを示すフローチャートである。ここで、上述の第1,第2の実施形態は特定動作及び一般動作の照合を携帯機2において行っていたのに対し、本実施形態は特定動作及び一般動作の照合を車載機3において行う点が主として異なる。なお、上述の第1,第2の実施形態と同様の構成及び作用等については、適宜説明を省略する。
【0149】
図13に示すように、本実施形態の電子キーシステム1は、波形記憶部36及び波形照合部37が、携帯機制御部24に代えて、車載機制御部33に設けられている。このため、電波送信部25には、モーションセンサ23において検出された動作波形信号が直接的に入力される。なお、これら波形記憶部36及び波形照合部37は、上述の第1の実施形態において説明した波形記憶部27及び波形照合部37と略同様の機能を有する。
【0150】
次に、電波送信部25における電波送信制御について、
図14に示す電波送信制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、例えば、送信許可判定部26から送信許可信号が入力されることにより開始する。
【0151】
ルーチンがスタートすると、電波送信部25は、ステップS901において、携帯機2に予め登録されているキー信号の送信を行う。
【0152】
続くステップS902において、電波送信部25は、現在も送信許可判定部26から送信許可信号が入力中であるか否かを調べる。
【0153】
そして、ステップS902において、送信許可信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、そのままルーチンを終了する。
【0154】
一方、ステップS902において、送信許可信号が入力中であると判定した場合、電波送信部25は、ステップS903に進み、モーションセンサ23から動作信号が入力されているか否かを調べる。
【0155】
そして、ステップS903において、動作信号が入力されていないと判定した場合、電波送信部25は、ステップS902に戻る。
【0156】
一方、ステップS903において、動作信号が入力されていると判定した場合、電波送信部25は、ステップS904に進み、入力された動作信号の送信を行った後、ステップS902に戻る。
【0157】
次に、車載機3の車載機制御部33におけるアンロック判定について、
図15に示すアンロック判定ルーチンに従って説明する。このルーチンは、例えば、電波受信部32が携帯機2からの電波を受信することにより開始する。すなわち、本実施形態において、このルーチンは、例えば、電波受信部32が携帯機2から受信したキー信号が車載機制御部33に入力されることにより開始する。
【0158】
ルーチンがスタートすると、車載機制御部33は、ステップS1001において、携帯機が車室外に存在するか否かを調べる。
【0159】
そして、ステップS1001において、携帯機2が車室内に存在すると判定した場合、車載機制御部33は、そのままルーチンを抜ける。
【0160】
一方、ステップS1001において、携帯機2が車室外に存在すると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1002において、キー信号が予め車載機3に登録されている登録キー信号と一致しているか否かを調べる。すなわち、ステップS1002において、車載機制御部33は、携帯機2から受信したキー信号に基づいて、当該携帯機2が車両10の車載機3に対応付けた携帯機2であるか否かを確認する。
【0161】
そして、ステップS1002において、キー信号が一致していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1009に進み、ドアのアンロックを不許可とする旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0162】
一方、ステップS1002において、キー信号が一致していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1003に進み、動作波形信号の照合処理を行う。すなわち、携帯機2から動作波形信号を受信している場合、車載機制御部33は、波形記憶部36に予め登録されている登録特定動作波形信号及び登録一般動作波形信号を読み出し、受信した動作波形信号との照合を行う。
【0163】
ステップS1003からステップS1004に進むと、車載機制御部33は、ステップS1003の照合処理の結果を参照し、特定動作波形信号が登録特定動作波形信号と一致していたか否かを調べる。
【0164】
そして、ステップS1004において、特定動作波形信号が所定に一致していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1006に進む。
【0165】
一方、ステップS1004において、特定動作波形信号が所定に一致していないと判定した場合、或いは、ステップS1003における照合処理がそもそも特定動作波形信号の照合処理でなかったと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1005に進む。
【0166】
ステップS1004からステップS1005に進むと、車載機制御部33は、ステップS1003の照合処理の結果を参照し、一般動作波形信号が登録一般動作波形信号と一致していたか否かを調べる。
【0167】
そして、ステップS1005において、一般動作波形信号が所定に一致していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1006に進む。
【0168】
一方、ステップS1005において、一般動作波形信号が所定に一致していないと判定した場合、或いは、ステップS1003における照合処理がそもそも一般動作波形信号の照合処理でなかったと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1003に戻る。
【0169】
ステップS1004或いはステップS1005からステップS1006に進むと、車載機制御部33は、全ての照合処理が完了しているか否か、すなわち、特定動作波形信号及び一般動作波形信号について所定に一致しているとの照合処理が完了しているか否かを調べる。
【0170】
そして、ステップS1006において、全ての照合処理が完了していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1008に進み、ドアのアンロックを許可する旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0171】
一方、ステップS1006において、未だ全ての照合処理が完了していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1007に進み、本ルーチンが開始してから予め設定された時間が経過しているか否かを調べる。
【0172】
そして、ステップS1007において、設定時間が経過していないと判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1003に戻る。
【0173】
一方、ステップS1007において、設定時間が経過していると判定した場合、車載機制御部33は、ステップS1009に進み、ドアのアンロックを不許可する旨の判定を行った後、ルーチンを終了する。
【0174】
このような実施形態によれば、上述の第1,第2の実施形態と略同様の効果を奏することができる。加えて、本実施形態では、特定動作及び一般動作の照合を車載機3側において行うため、携帯機2のバッテリの消耗を抑制することができる。
【0175】
ここで、上述の各実施形態において、一般動作波形信号の取得をより的確なものとするため、携帯機2を所持した使用者が車両10に接近したことを、電波送信部31と電波受信部21との通信圏内に使用者が進入する前に、GPS等による位置情報に基づいて検知させることも可能である。この場合、例えば、
図16に示すように、上述の第1の実施形態の
図1に示した構成に対し、携帯機2にGPS受信部29及び相対位置算出部30が追加される。
【0176】
GPS受信部29は、複数の衛星からの測位信号を受信することにより、携帯機2の現在位置(絶対座標)を測位する。このように測位した携帯機2の現在位置は相対位置算出部30に出力される。
【0177】
相対位置算出部30は、例えば、停車時における車両10と携帯機2との相対距離を算出する。このため、相対位置算出部30は、例えば、車両10のイグニッションスイッチがOFFされたタイミングにおいて、GPS受信部29が測位した現在位置を、車両10の位置(基準位置)として記憶する。
【0178】
そして、相対位置算出部30は、記憶した基準位置の座標と、GPS受信機29が測位した携帯機2の現在位置の座標と、に基づいて、車両10に対する携帯機2の相対距離を算出する。すなわち、相対位置算出部30は、イグニッションスイッチがOFFされた後の車両10と、車両10を降車した使用者(携帯機2を所持した使用者)と、の相対距離を逐次算出する。
【0179】
さらに、相対位置算出部30は、例えば、車両10のイグニッションスイッチがOFFされた後において、車両10と携帯機2との相対距離が設定距離R0(例えば、10m)よりも大きくなってから、再び設定距離R0以下となったとき(
図17参照)、通知部22及び波形照合部28に対して、ポーリング信号に相当する信号を出力する。
【0180】
このような変形例によれば、使用者の歩行等による一般動作波形信号を取得するための距離を十分に確保することができる。
【0181】
ここで、上述の実施形態において、携帯機制御部24、及び、車載機制御部33は、CPU,RAM,ROM、不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ、及びその周辺機器で構成されており、ROMにはCPUで実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。なお、プロセッサの全部若しくは一部の機能は、論理回路あるいはアナログ回路で構成してもよく、また各種プログラムの処理を、FPGAなどの電子回路により実現するようにしてもよい。
【0182】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。例えば、上述の各実施形態においては、電子キーシステムを車両に適用した一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、住宅等に適用することも可能である。例えば、電子キーシステムを住宅の玄関や勝手口の扉に適用することで、リレーアタックを利用した住宅荒らし等を防ぐことができ、セキュリティを向上することができる。さらに、このような電子キーシステムを用いたセキュリティ対策により、防犯カメラ等を用いた盗難システムよりも安価で煩わしくないセキュリティ対策を実現することができる。
【0183】
例えば、上述の各実施形態においては、携帯機の電波送信部がRF信号を送信し、車載機の電波送信部がLF信号を送信する構成の一例について説明したが、各電波送信部が送信する信号はこれらに限定されるものではなく他の信号を用いることも可能である。
【0184】
さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0185】
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0186】
1…電子キーシステム
2…携帯機
3…車載機
4…ドアユニット
10…車両
21…電波受信部
22…通知部
23…モーションセンサ
24…携帯機制御部
25…電波送信部
26…送信許可判定部
27…波形記憶部
28…波形照合部
29…GPS受信部
30…相対位置算出部
31…電波送信部
32…電波受信部
33…車載機制御部
34…キー照合部
35…アンロック判定部
36…波形記憶部
37…波形照合部
41…タッチセンサ
42…ドアロックアクチュエータ