(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】融合材料の製造方法、融合材料の製造装置及び融合材料
(51)【国際特許分類】
C08J 3/20 20060101AFI20250116BHJP
B01F 27/71 20220101ALI20250116BHJP
B01F 27/72 20220101ALI20250116BHJP
C08J 3/12 20060101ALI20250116BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20250116BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
C08J3/20
B01F27/71
B01F27/72
C08J3/12 A
C08K3/013
C08L101/00
(21)【出願番号】P 2021029771
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000154794
【氏名又は名称】株式会社放電精密加工研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】康 諭基泰
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 俊次郎
(72)【発明者】
【氏名】古島 祐二
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/076044(WO,A1)
【文献】特開2009-029927(JP,A)
【文献】特開平10-151332(JP,A)
【文献】特開2010-241986(JP,A)
【文献】特開2011-093990(JP,A)
【文献】特開2011-178877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00-3/28
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
B01F 21/00-27/96
B29B 7/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
混合容器と、
前記モータの回転数又はトルクを制御する制御部と、
前記モータによって回転する回転軸と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された複数の羽根と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された螺旋状のスクリューと、
前記混合容器内の圧力を検知する圧力センサーと、
前記混合容器内の温度を検知する温度センサーと、
前記モータの回転数を検知する回転数センサーと、
前記モータのトルクを検知するトルクセンサーと、
を備え、
前記制御部は、前記圧力センサー、前記温度センサー、前記回転数センサー、及び、前記トルクセンサーからの値に応じて、前記モータをフィードバック制御する、
融合材料の製造装置を用いる融合材料の製造方法であって、
前記モータによって、前記混合容器内で前記羽根及び前記スクリューを回転させて、粉砕された、無機材料又はバイオマス材料のうち少なくとも1種類、並びに、少なくとも1種類のプラスチック材料を混合する混合工程と、
前記混合工程での回転数よりも高い回転数で前記羽根及び前記スクリューを回転させる溶融工程と、
引き続き、前記モータを駆動し、前記回転軸、前記羽根、及び、前記スクリューを回転させ、材料の反応を進ませる融合工程と、
を有し、
前記混合工程、前記溶融工程、及び、前記融合工程を一連の一工程として行う
融合材料の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程の前に、前記材料を細かく粉砕する粉砕工程を有し、
前記粉砕工程、前記混合工程、前記溶融工程、及び、前記融合工程を一連の一工程として行う
請求項1に記載の融合材料の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程は、前記材料に水分を含ませる
請求項1又は2に記載の融合材料の製造方法。
【請求項4】
前記プラスチック材料は、前記融合材料を含む
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の融合材料の製造方法。
【請求項5】
前記混合工程、前記溶融工程、前記融合工程は、1800秒未満で実行される
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の融合材料の製造方法。
【請求項6】
モータと、
混合容器と、
前記モータの回転数又はトルクを制御する制御部と、
前記モータによって回転する回転軸と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された複数の羽根と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された螺旋状のスクリューと、
前記混合容器内の圧力を検知する圧力センサーと、
前記混合容器内の温度を検知する温度センサーと、
前記モータの回転数を検知する回転数センサーと、
前記モータ2のトルクを検知するトルクセンサーと、
を備え、
前記制御部は、前記圧力センサー、前記温度センサー、前記回転数センサー、及び、前記トルクセンサーからの値に応じて、前記モータをフィードバック制御する
融合材料の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融合材料の製造方法、融合材料の製造装置及び融合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、地球温暖化等の気候変動が問題化している。地球温暖化等の環境異常を抑制し、且つ、枯渇の危険がある化石資源の使用を減らすため、バイオ技術を有効に活用した再生可能な資源であるバイオマスの活用が進められている。バイオマス材料の製造について、木質系フィラー材料、潤滑剤、熱可塑性樹脂原料、及び酸素変性剤から木質系複合樹脂材料を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018─83876号公報
【文献】特許第4489017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたバイオマス材料の製造のように、従来、バイオマス材料と熱可塑性樹脂原料の融合を促進させるには、添加剤が必要であるが、添加剤の使用は、環境に悪影響を与える。また、熱可塑性樹脂原料に対して混合するバイオマス材料の比率は、一般に50%以下であって、環境負荷や原料コストが高い。さらに、無機材料と熱可塑性樹脂原料の融合については何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑み、添加剤を必要とせず、プラスチック材料と比較して無機材料及びバイオマス材料の比率が高い融合材料の製造方法、融合材料の製造装置及び融合材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる一実施形態の融合材料の製造方法は、
モータと、
混合容器と、
前記モータの回転数又はトルクを制御する制御部と、
前記モータによって回転する回転軸と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された複数の羽根と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された螺旋状のスクリューと、
前記混合容器内の圧力を検知する圧力センサーと、
前記混合容器内の温度を検知する温度センサーと、
前記モータの回転数を検知する回転数センサーと、
前記モータのトルクを検知するトルクセンサーと、
を備え、
前記制御部は、前記圧力センサー、前記温度センサー、前記回転数センサー、及び、前記トルクセンサーからの値に応じて、前記モータをフィードバック制御する、
融合材料の製造装置を用いる融合材料の製造方法であって、
前記モータによって、前記混合容器内で前記羽根及び前記スクリューを回転させて、粉砕された、無機材料又はバイオマス材料のうち少なくとも1種類、並びに、少なくとも1種類のプラスチック材料を混合する混合工程と、
前記混合工程での回転数よりも高い回転数で前記羽根及び前記スクリューを回転させる溶融工程と、
引き続き、前記モータを駆動し、前記回転軸、前記羽根、及び、前記スクリューを回転させ、材料の反応を進ませる融合工程と、
を有し、
前記混合工程、前記溶融工程、及び、前記融合工程を一連の一工程として行う。
【0007】
また、本発明の態様に係る融合材料の製造装置は、
モータと、
混合容器と、
前記モータの回転数又はトルクを制御する制御部と、
前記モータによって回転する回転軸と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された複数の羽根と、
前記混合容器内で前記回転軸の外周に形成された螺旋状のスクリューと、
前記混合容器内の圧力を検知する圧力センサーと、
前記混合容器内の温度を検知する温度センサーと、
前記モータの回転数を検知する回転数センサーと、
前記モータ2のトルクを検知するトルクセンサーと、
を備え、
前記制御部は、前記圧力センサー、前記温度センサー、前記回転数センサー、及び、前記トルクセンサーからの値に応じて、前記モータをフィードバック制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の融合材料の製造方法、融合材料の製造装置及び融合材料によれば、添加剤を必要とせず、バイオマス材料の比率を高くし、環境に優しい成分が均一な材料を製造でき、環境負荷や原料コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る融合材料の製造方法の一例を示す。
【
図2】本実施形態に係る融合材料の製造装置の一例を示す。
【
図3】本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例1の融合材料を示す。
【
図4】本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例2の融合材料を示す。
【
図5】本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例3の融合材料を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態に係る融合材料の製造方法の一例を示す。
図2は、本実施形態に係る融合材料の製造装置1の一部の一例を示す。
【0012】
本実施形態の融合材料の製造方法は、材料を粉砕する粉砕工程と、粉砕された材料を混合する混合工程と、混合した材料を溶融する溶融工程と、溶融された材料を融合する融合工程と、を有する。
【0013】
本実施形態の融合材料の製造装置1は、
図2に示すように、モータ2と、混合容器3と、モータ2の回転数又はトルクを制御する制御部4と、モータ2によって回転する回転軸5と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された複数の羽根10と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された螺旋状のスクリュー12と、混合容器3内の圧力を検知する圧力センサー6と、混合容器3内の温度を検知する温度センサー7と、モータ2の回転数を検知する回転数センサー8と、モータ2のトルクを検知するトルクセンサー9と、を備える。
【0014】
制御部4は、圧力センサー6、温度センサー7、回転数センサー8、及び、トルクセンサー9からの値に応じて、モータ2をフィードバック制御すると好ましい。例えば、実際の負荷が大きく、モータ2の回転数が設定よりも少ない場合に、フィードバック制御することで的確な値に制御することができる。
【0015】
なお、圧力センサー6、温度センサー7、回転数センサー8、及び、トルクセンサー9は、必ず用いる必要はない。制御部4に予め粉砕工程から融合工程までのモータ2の回転数とトルクを設定しておいてもよい。本実施形態融合材料の製造装置1としては、例えば、特許文献2に記載された混合粉砕装置を用いてもよい。
【0016】
融合材料を製造するための材料は、無機材料又はバイオマス材料のうち少なくとも1種類、並びに、少なくとも1種類のプラスチック材料である。本実施形態の融合材料を製造する際には、添加剤を使用しなくてもよい。
【0017】
無機材料は、無機物であって、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、石膏、炭酸、酸化カルシウム、貝殻、ガラス、又は、金属フィルム、蒸着金属、金属粉末等を含む。
【0018】
バイオマス材料は、活用できる生物由来の再生可能な有機資源であって、食物、建築廃材、古紙等の廃棄物系、及び、植物等の資源作物系等である。例えば、生ゴミ、木材、紙、又は、海藻等を含む。
【0019】
プラスチック材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PLA樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、又は、ナイロン等を含む。
【0020】
本実施形態の融合材料の製造方法は、
図1に示すように、粉砕工程、混合工程、溶融工程、融合工程、と順に行うが、各工程は、人の手によって切り替えてもよいが、自動的に時間に応じて回転数等を変更することで1つの工程のように行われることが好ましい。
【0021】
本実施形態の融合材料の製造方法は、まず、ステップ1で、粉砕工程が行われる。粉砕工程は、
図2に記載された融合装置の混合容器3の図示しない開口から内部に材料を入れて、モータ2を駆動し、回転軸5、羽根10、及び、スクリュー12を回転させて、無機材料又はバイオマス材料、並びに、プラスチック材料を細かく粉砕する。粉砕粒の大きさは、約2~7mmが好ましい。なお、粉砕工程は、予め材料を他の装置で粉砕しておいた材料を入れるだけの場合には行われない。
【0022】
続いて、ステップ2で、混合工程が行われる。混合工程は、引き続き、モータ2を駆動し、回転軸5、羽根10、及び、スクリュー12を回転させて、粉砕された、無機材料又はバイオマス材料、並びに、プラスチック材料を混合する。従来の製造方法では、バイオマス材料は、混合する種類が一種類のみで、プラスチック材料に混合する比率は一般に50%未満であった。本実施形態では、複数のバイオマス材料を50%以上97%まで混合可能である。バイオマス材料の混合比が増えることで、環境の負荷及び原料のコストを低減することができる。
【0023】
また、本実施形態の融合材料の製造においては、相溶化のための添加剤等を使用しなくてもよい。添加剤等を使用しないことで、環境性が向上する。さらに、本実施形態の混合工程は、水分を含ませることが好ましい。水分を含ませることで、後の工程で内圧を上昇させることができる。
【0024】
次に、ステップ3で、溶融工程が行われる。溶融工程は、引き続き、モータ2を駆動し、回転軸5、羽根10、及び、スクリュー12を回転させる。溶融工程における羽根の回転数は、混合工程での回転数よりも高くする。羽根10を高速に回転させると、材料自体の運動や材料同士が衝突する摩擦によって混合容器3内が高温になる。その後、水分から蒸気が発生し、混合容器3内が高圧化し、各材料が溶融する。すると、混合容器3内でバイオマス中の分解分離等が始まり、回転数が一定のまま、トルクが低下する。
【0025】
次に、ステップ4で、融合工程が行われる。融合工程は、引き続き、モータ2を駆動し、回転軸5、羽根10、及び、スクリュー12を回転させ、材料の反応を進ませる。反応が進むと、材料は、精製されて再樹脂化され、密度及び粘度が高くなって、外周内壁に張り付き、トルクが上昇する。同時に水分が水蒸気化して混合容器3の図示しない排出口から外に放出される。したがって、混合容器3内は乾燥し、水分等が除去された融合物が得られる。
【0026】
得られた融合物は、分子レベルで均一に融合された新たな新素材であって、射出、押出し、ブロー、プレス等の成形が可能なので、様々な用途に使用することができる。
【0027】
また、本実施形態の融合材料の製造方法は、1800秒未満で実行される。通常、プラスチック材料は、入熱が多いほど劣化が激しくなる。本実施形態の融合材料の製造方法は、プラスチック材料に熱が加わる時間が短い。したがって、本実施形態の融合材料の製造方法で製造された融合材料は、劣化が少なく、強度を保持することができる。また、本実施形態の融合材料の製造方法で製造された融合材料は、劣化が少ないので、完成した融合物を再利用することもできる。
【0028】
次に、本実施形態の融合材料の製造方法で製造した融合材料の例を示す。
【0029】
図3は、本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例1の融合材料を示す。
図3(a)は実施例1の融合材料の表面、
図3(b)は実施例1の融合材料の走査電子顕微鏡での写真を示す。
【0030】
実施例1は、木質材料55%とポリプロピレン45%を融合させた。表1は、実施例1の表面状態の成分を示す。計算上、酸素が約20Atom%となり、表面においてポリプロピレン成分が多くなっていると推定される。木質成分とポリプロピレン成分は、均一に融合され、一様な外観となっている。
【表1】
【0031】
図4は、本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例2の融合材料を示す。
図4(a)は実施例2の融合材料の表面、
図4(b)は実施例2の融合材料の走査電子顕微鏡での写真を示す。
【0032】
実施例2は、ホタテ貝殻50%とポリプロピレン37.5%とポリエチレンテレフタレート12.5%と水300gを融合させた。表2は、実施例2の表面状態の成分を示す。計算上、炭素が約62Atom%、酸素が約29Atom%、カルシウムが約8Atom%となり、炭素が多くなっているので、表面においてポリプロピレン成分が多くなっていると推定される。ホタテ貝殻の炭酸カルシウム成分、ポリプロピレン成分、ポリエチレンテレフタレート成分は、均一に融合され、一様な外観となっている。
【表2】
【0033】
図5は、本実施形態の融合材料の製造方法で製造した実施例3の融合材料を示す。
図5(a)は実施例3の融合材料の表面、
図5(b)は実施例3の融合材料の走査電子顕微鏡での写真を示す。
【0034】
実施例3は、ナイロン50%とポリエチレン50%と水300gを融合させた。表3は、実施例3の表面状態の成分を示す。計算上、炭素が約93Atom%、酸素が約7Atom%となり、炭素が多くなっているので、表面においてポリプロピレン成分が多くなっていると推定される。ナイロン成分、ポリエチレン成分は、均一に融合され、一様な外観となっている。
【表3】
【0035】
以上、本実施形態の融合材料の製造方法によれば、モータ2と、混合容器3と、モータ2によって回転する回転軸5と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された複数の羽根10と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された螺旋状のスクリュー12と、を備えた融合材料の製造装置1を用いる融合材料の製造方法であって、モータ2によって、混合容器3内で羽根10及びスクリュー12を回転させて、無機材料又はバイオマス材料のうち少なくとも1種類、並びに、少なくとも1種類のプラスチック材料を混合する混合工程と、混合工程での回転数よりも高い回転数で羽根10及びスクリュー12を回転させる溶融工程と、引き続き、モータ2を駆動し、回転軸5、羽根10、及び、スクリュー12を回転させ、材料の反応を進ませる融合工程と、を有し、混合工程、溶融工程、及び、融合工程を一連の一工程として行うので、添加剤を必要とせず、バイオマス材料の比率を高くし、環境に優しい成分が均一な材料を製造でき、環境負荷や原料コストを低減することができる。
【0036】
また、本実施形態の融合材料の製造方法によれば、混合工程の前に、材料を細かく粉砕する粉砕工程を有し、粉砕工程、混合工程、溶融工程、及び、融合工程を一連の一工程として行うので、添加剤を必要とせず、バイオマス材料の比率を高くし、環境に優しい成分が均一な材料を製造でき、環境負荷や原料コストをさらに低減することができる。
【0037】
また、本実施形態の融合材料の製造方法によれば、混合工程は、材料に水分を含ませるので、混合容器3の内圧を上昇させることができ、より均一な材料を製造することができる。
【0038】
また、本実施形態の融合材料の製造方法によれば、プラスチック材料は、融合材料を含むので、製造した融合材料を再利用することができる。
【0039】
また、本実施形態の融合材料の製造方法によれば、混合工程、溶融工程、融合工程は、1800秒未満で実行されるので、短時間で入熱時間の短い融合材料を製造することができ、効率良く低コストでさらに成分の均一な融合材料を製造することができる。
【0040】
さらに、本実施形態の融合材料の製造装置によれば、モータ2と、混合容器3と、モータ2の回転数又はトルクを制御する制御部4と、モータ2によって回転する回転軸5と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された複数の羽根10と、混合容器3内で回転軸5の外周に形成された螺旋状のスクリュー12と、混合容器3内の圧力を検知する圧力センサー6と、混合容器3内の温度を検知する温度センサー7と、モータ2の回転数を検知する回転数センサー8と、モータ2のトルクを検知するトルクセンサー9と、を備え、制御部4は、圧力センサー6、温度センサー7、回転数センサー8、及び、トルクセンサー9からの値に応じて、モータ2をフィードバック制御するので、添加剤を必要とせず、バイオマス材料の比率を高くし、環境に優しい成分が均一な材料を製造でき、環境負荷や原料コストを低減することができる。
【0041】
さらに、本実施形態の融合材料の製造装置によれば、前記融合材料の製造方法又は前記融合材料の製造装置によって製造されるので、添加剤を必要とせず、バイオマス材料の比率を高くし、環境に優しい成分が均一な材料であって、環境負荷や原料コストを低減することができる。
【0042】
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
1…融合材料の製造装置、2…モータ、3…混合容器、4…制御部、5…回転軸、6…圧力センサー、7…温度センサー、8…回転数センサー、9…トルクセンサー、10…羽根、12…スクリュー