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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021062891
(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公開番号】P2022158167
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】浅野 慎一
【審査官】奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108302(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008346(WO,A1)
【文献】特開2018-015133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機間の遊技者の移動頻度を示す回遊情報を遊技機に対応付け、移動先、及び移動元の少なくとも一方となる回遊相手遊技機により区分して管理する管理手段と、
前記回遊相手遊技機を前記回遊情報により区別するための基準情報を設定する設定手段と、
前記回遊相手遊技機により区分される前記回遊情報と前記基準情報とを比較して、回遊相手遊技機を区別する区別処理を行う区別手段と、
遊技島を模したレイアウト上における対象となる遊技機とその回遊相手遊技機との回遊経路を示し、前記区別処理の結果に応じて識別態様を変更可能な識別情報を表示する表示手段と
管理者の操作に応じて前記レイアウト上の遊技機の配置を変更する変更手段と、を備え
前記変更手段は、前記表示手段により前記識別情報が表示されたレイアウト上に表示される遊技機のいずれかを選択可能であり、当該選択した遊技機に対する操作に応じて遊技機の配置を変更し、
前記表示手段は、前記変更手段により前記識別情報が表示されたレイアウト上に表示された遊技機に対する操作に応じて遊技機の配置が変更された場合に、当該配置変更された遊技機に追従して前記識別情報を更新する遊技場用システム。
【請求項2】
記表示手段は、前記変更手段により遊技機の配置が変更された場合は配置替え相手となる遊技機を対象とした前記識別情報を表示する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記表示手段は、対象となる遊技機とその回遊相手遊技機との回遊経路が遊技島を跨ぐ場合、当該遊技島を迂回して前記識別情報を表示する請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記識別情報は、少なくとも複数の識別態様による識別が可能であり、
前記表示手段は、前記識別情報を前記回遊情報に関する複数の情報であり、夫々で内容の異なる複数の情報に基づいて表示する請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記管理手段は、自店を対象とした第1回遊情報と、少なくとも他店を対象に含む第2回遊情報とを管理し、
前記区別手段は、前記第1回遊情報により回遊相手遊技機を区別する第1区別処理と、前記第2回遊情報により回遊相手遊技機を区別する第2区別処理とを可能とし、
前記表示手段は、前記第1区別処理に応じた第1識別情報と前記第2区別処理に応じた第2識別情報とを比較可能に表示する請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では多数の遊技機が配置されており、遊技者は遊技対象となる遊技機を変更する所謂台移動(以下、回遊)により複数の遊技機を遊技する傾向があり、例えば特許文献1の図13のように回遊先と回遊元とにより区分して回遊回数を管理する傾向が見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-125074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の場合、この回遊回数が多い機種を近隣に配置すべきだが、近隣にあるか否かは数値で把握することが難しく、例えば遊技機の配置を示すレイアウト表示上で回遊先と回遊元との遊技機間の距離を確認する必要がある。
【0005】
しかしながら、レイアウト表示では上記のような回遊回数を把握し難く、結局のところ、レイアウト表示と回遊回数との2つの帳票を見比べて遊技機の配置が適切であるか確認する必要があり、非常に手間がかかっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者が遊技対象となる遊技機を変更する回遊を考慮した配置となっているかの確認を容易にする遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、遊技機間の遊技者の移動頻度を示す回遊情報を特定し、遊技島を模したレイアウト上に回遊相手遊技機を区別する区別処理の結果に応じて識別態様を変更可能な識別情報を表示するので、遊技者が遊技対象となる遊技機を変更する回遊を考慮した配置となっているかの確認が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】遊技島における機種の配置を模式的に示す図
図3】回遊元と回遊先とを対応付けて示す回遊率を示す図
図4】回遊率の高い機種を近隣に配置する場合の優先順位を示すレイアウト図
図5】カウンタと他種別に対する近隣を示すレイアウト図
図6】特別配置を説明するためのレイアウト図
図7】機種別に遊技者の年齢層を特定した分布を示す図
図8】配置結果を示すレイアウト図
図9】同ランクの遊技情報における回遊率を重ねて示すレイアウト図
図10】管理装置の動作を示すフローチャート(その1)
図11】管理装置の動作を示すフローチャート(その2)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場A内には複数機種の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は2台ずつ中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5(管理手段、設定手段、区別手段、表示手段、変更手段、近隣設定手段、配置手段、優先設定手段)と接続されている。また、遊技場A内には、図示しないPOSや残高精算機も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN4を介して管理装置5と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には多数(例えば数百台)の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
【0010】
管理装置5は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6、モニタ7、プリンタ(図示略)等が接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人情報、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
【0011】
遊技場用システムでは、別の遊技場(図1の例示では遊技場B、遊技場C)においても、上記した遊技機1、遊技装置2、中継装置3、LAN4、管理装置5等を設置した遊技場Aと同様の構成が採用されている。各遊技場A~Cに設置されている各管理装置5は、インターネットやVPN接続等の公衆回線8を介して各遊技場A~Cとは別に設置されているシステム管理用の管理サーバ9と接続されており、各種信号や各種情報を公衆回線8等を介して管理サーバ9と通信可能に構成されている。
【0012】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有するとともに、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、大入賞口18等を有する。
【0013】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口16、17への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部14にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0015】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/200で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率はヘソ入賞では50%であるのに対して電チューでは70%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口を開放する。ここでRはヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チューでは10Rに50%、4Rに50%振分けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
(4)確変中は大当り確率が1/50に向上するとともに第2始動口17への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生まで継続する。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、100回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、大当りが発生しなければ通常状態に戻る。
【0017】
(5)第2始動口17は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口17の入賞率が高くなる。
【0018】
このような遊技機以外に、所謂ST機のような所謂回数切りの確変を採用した遊技機、所謂天井時短を発生可能な遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機、或いはスロットマシンといった例示した遊技機以外の遊技機を管理対象としても良い。
【0019】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口16,17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
(1)アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機側から出力される信号でもよい。
【0020】
(2)セーフ信号=遊技機側から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
(3)スタート信号=遊技機側から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部14(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定する。尚、始動入賞時に出力されるS入賞信号にて代用しても良い。
(4)大当り信号=遊技機側から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
【0022】
(5)特別状態信号=遊技機側から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口17の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であってもよい。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、当該遊技装置2や遊技機1等の状態を示す状態表示灯19、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口20、遊技者からの入力操作を受け付けるとともに遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部21、持玉(会員であれば貯玉も含む、獲得価値、有価価値)を払い出すための払出釦22、払い出された玉が通過する払出ノズル23、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口24、遊技機1の下部受皿13の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
【0024】
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣を受け付けると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を表示するとともに貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いた残高の表示とする。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(2)残高がある状態で遊技機1の図示しない貸出釦が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払い出させ、その対価分を残高から引き落とす。また、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払い戻すことも可能であり、その払い戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定することも可能である。
【0026】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の図示しない返却釦が押下(発行操作)されると、残玉や持玉を特定可能な一般カードを発行する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが可能としてもよい。
【0027】
(4)中継装置3とのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カードの受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
【0028】
さて、管理装置5はマイクロコンピュータを主体に構成され、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部、I/O等を備えており、その不揮発性の記憶部に記憶された制御プログラムに従い動作する。管理装置5は、遊技機側から出力される遊技信号により特定される遊技情報を管理する管理手段として各遊技機1の遊技情報を集計している。
【0029】
ここで、管理装置5は遊技島を模したレイアウト上で機種を自動的に配置替えする機能を有しており、当該機能について説明する。
図2は遊技場における遊技島26に配置した遊技機について、機種を特定可能に模式的に示した図である。「PA」「PB」…は機種名を示し、「P~」がパチンコ遊技機、「S~」がスロットマシンに対応している。景品カウンタ(以下、カウンタ)27はPOSのような景品交換関連機器が設置される景品交換を行うための箇所であり、遊技者は遊技終了後に景品交換のために景品カウンタ(以下、カウンタ)27に立ち寄ってから退店するといった動線が想定される。
【0030】
図3は、遊技者が所謂台移動を行った人数の比率の一例をマトリクス状に示した図である。本実施形態では遊技者が遊技対象となる遊技機を変更する台移動を「回遊」、遊技場が行う遊技機の移動を「配置替え」と区別している。
【0031】
図3では回遊元(移動元)となる遊技機から回遊先(移動先)となる遊技機へ移動した人数を機種別に、また、スロットマシンのような他種別はグループ化して「他種別」に、いずれの遊技機にも回遊せずに退店した遊技者を「終了」にそれぞれ区分する区別処理により集計し(特定箇所への移動頻度を示す特定移動情報を遊技機に対応付けて管理し)、各区分の合計人数を集計した上で、その合計人数に対する各区分に対応する人数の割合(以下、回遊率(遊技者の移動頻度を示す回遊情報)、終了率を示している。図3に示す例では、例えば機種PAであれば、PBに回遊した遊技者が7.7%、他種別に回遊した遊技者が10.8%、回遊せずに退店した遊技者が15.6%であることが示されている。
【0032】
遊技者の特定は例えば、会員カードや遊技装置2において発行される獲得価値を対応付けた所謂一般カードのような記録媒体や、遊技装置2やPOS等にカメラのような撮像手段を設けて、画像認証により遊技者を追随して回遊元と回遊先とを管理するといったような周知の管理方法にて特定すればよい。また、図3では割合を示しているが、例えば人数を管理するといった他の遊技情報を対象としても勿論良い。尚、遊技終了は対象機種での遊技後、POSや島端での特定はできたが他の機種での特定ができない場合や、遊技場の出入口28(図2参照)に撮像手段を設けて退店する遊技者を撮像した場合に遊技を終了したというように周知の判定方法を採用すれば良い。
【0033】
また、アウトは回遊元における該当機種の遊技者が使用した遊技価値を示し、稼動率は遊技場の営業時間において使用され得るアウト(例えば営業時間×5000)に対する該当機種のアウトの割合を示しているが、例えば稼動時間やスタートのような他の稼動状況を特定可能な遊技情報を採用しても良い。
【0034】
図3の「終順」は対象となる全機種の内、該当機種における終了率の順位、同様に「他順」は該当機種における他種別の回遊率の順位を示しており、回遊率について回遊元における回遊先の回遊率の順位に応じて、赤(図中では横線パターン)を1位、橙(図中では縦線パターン)を2位、黄(図中では右斜線パターン)を3位、緑(図中では左斜線パターン)を4位、青(図中ではドットパターン)を5位といったように色分けし、同様にアウト、終順、他順も全機種における該当機種の順位に応じて色分けしている。尚、上位5位迄を色分け対象としたが全てを色分けするといったように識別対象とする順位は限定されない。
【0035】
ところで、遊技者が対象機種から他の機種へ回遊したり、他種別へ回遊したり、退店したりする動線は図3で示すような傾向があることから、動線が極力短くなるように機種の配置替えを考慮するのが望ましい。
【0036】
即ち、対象機種から離れた個所に回遊率が高い機種が配置されることで動線が長い場合、当該機種の遊技状況を確認し難いことや移動距離が長くなることから、当該機種へ回遊したいと考える遊技者の遊技意欲が低下してしまうことが想定される。
このような事情から、本実施形態では、遊技者の動線を極力短くなるように機種を配置替えすることで遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制した。
【0037】
具体的には、図3のように回遊元の対象機種に対して回遊先の機種の回遊率を特定したことから、図4に示すように回遊元となる対象機種(第1の遊技機)の配置箇所に対して回遊率の高い(回遊情報が所定の条件を満たす)機種(第2の遊技機)を近隣に配置するようにした。この場合、近隣に優先順位(配置順)を設定しており、対象機種の背後が優先順位1位に設定されている。これは、対象機種の背後が最も回遊がし易いだけでなく遊技中に遊技者が振返ることで回遊先となる機種の遊技状況を容易に確認できるといった点を考慮して動線が最も短い隣よりも優先順位を高めている。
【0038】
対象機種の両隣が優先順位2位となる。勿論、対象機種が島端に設置されて一方の隣側にしか配置できない場合は、一方のみが対象となる。また、両隣の背後が3位となり、対象機種の遊技島26の裏側が4位となる。
更に2位の機種の隣に他の機種を配置する場合は4位、その背後に配置する場合は5位となり、この場合の裏側は4位から6位に繰下がる。更に4位の機種の隣に他の機種を配置する場合は上記順位特定を繰返す。
【0039】
また、例えば図4においてトイレや喫煙所のような遊技を中断したり、遊技後に向かったりする休憩場所(特定箇所)への移動頻度を示す特定移動情報を遊技機に対応付けて管理し、それらの箇所に対しての近隣の範囲を設定するようにしても良い。この場合、図4の遊技島26の上側には配置されているが下側には配置されていないことが想定され、そのような場合は、図4に同順位と示した場合も含めて休憩場所への動線を考慮して上側の機種の優先順位を高めに設定しても勿論良い。
上記では対象機種の背面の優先順位を高くすることを例示したが、横隣の優先順位を高めるといったように例示した以外の優先順位を採用しても良い。また、対象機種の背後に島が設定されていない場合は、両隣の優先順位を1位にすれば良い。
【0040】
図4では対象機種となる回遊元となる機種を基準として近隣に優先順位を設定したが、回遊先となる対象機種を基準として回遊率の高い機種を近隣に配置することも想定される。この場合、回遊先となる対象機種を基準として近隣に優先順位を設定することになる。
【0041】
図5はパチンコを対象としてカウンタ27(特定箇所)と他種別の設置個所(特定箇所)を基準として近隣の範囲を設定する場合の例示である。尚、他種別はスロットマシンである。また、図3では「終了」がカウンタ27を移動先とする遊技者に対応する。即ち、遊技を終了した遊技者は獲得価値を景品交換すべくカウンタ27に移動するためである。
【0042】
図4も含めて該当する場所は予め設定すれば良いが、図5では緑線(図中では太い点線)がカウンタ27、赤線(図中では太い実線)が他種別の近隣に該当する箇所を示している。
図5では他種別に対応した「1位」~「4位」を示しているが、これは他種別の近隣に該当する箇所における他種別に向かう回遊率が高い回遊元の優先順位を設定している。つまり、他種別の近隣に配置する機種がある場合、この優先順位に従い回遊元となる機種を配置する。尚、図5では示していないが、カウンタ27の近隣に該当する箇所に対しても同様に優先順位が設定される。
【0043】
図5ではカウンタ27と他種別との双方の近隣に該当する箇所であって、重複する箇所が示されている(例えば2位と3位で1カ所、4位で2カ所)。この箇所にはカウンタ27と他種別との双方の近隣に該当する回遊元となる機種が配置される。また、トイレに行く割合や、来店して直ぐに遊技する割合を管理し、トイレや出入口28の近隣を上記同様に近隣対象にしても良い。
【0044】
上記ではカウンタ27や他種別に近い順に優先順位を高くすることを例示したが、例えば退店する遊技者には他の機種も見てもらいたい場合や、他の機種を遊技する遊技者はカウンタ27が近くても回遊する場合もあるとの見方もあるので、必ずしも例示した通りの優先順位を採用しなくとも良い。
【0045】
一方で、近隣には関連しないが例えば青枠(図5中の一点鎖線)で示した箇所のように遊技場の出入口28に近い箇所を優先指定箇所として指定する。この優先指定箇所は出入口28に近いことから遊技場に入場した遊技者の目に一番止まり易い箇所であり、遊技場の広告塔ともいえる箇所であるため、当該箇所には稼動率の高いような見栄えの良い機種を配置したいとのニーズがある。
即ち、上述のように対象機種の近隣に回遊率の高い回遊先の機種を配置したり、回遊率の高い回遊元の機種を配置したりする場合であっても、機種を配置する際に優先して特別に配置(以下、特別配置)する機種を考慮する必要がある。
【0046】
特別配置には4通りあり、従来同様に指定した機種を指定した箇所に配置する特別配置1(主に新台のような特別に配慮すべき機種(導入期間が短い機種)が対象)と、例えば出率を高めに設定し、稼動を優先させる所謂育成機種を予め設定し、アウトが多く、遊技終了する割合(終了率)が低いといった誘引条件を満たす誘引機種の近隣に配置する特別配置2と、遊技者の年齢層が近似する機種をグループ化して配置する特別配置3と、配置替え対象から特定の機種を除外する特別配置4とがある。
【0047】
特別配置1については従来同様であるので説明は省略する。まず、特別配置2について説明する。誘引条件としては、アウトが基準値(例えば30000、基準情報)に達している、終了率が基準値(例えば10%、基準情報)に達していない、特定の機種や他種別の回遊率が基準値(例えば機種なら5%、他種別なら10%、基準情報)に達しているといった基準情報との比較結果に応じて他の機種への回遊が見込み易いことに関連した項目を少なくとも1つ満たすことで成立する。また、育成機種への回遊率が基準値に達していることや、誘引機種を直接指定することを含めても良い。
【0048】
図6は機種を配置する際に優先して配置を行う特別配置を説明するための図である。育成機種を設定した場合、配置対象となる機種の中から誘引機種を誘引条件に基づき特定し、その誘引機種の特性に基づき育成機種を近隣に配置可能な箇所に配置する。例えば基準値との比較結果に応じて他種別の回遊率が高い場合、図6の誘引機種1と育成機種1とのように配置する。即ち、誘引機種1を図5に示す他種別の近隣箇所に配置し、育成機種1は誘引機種1に対して図4に示す高い優先順位、且つ、回遊率の高い他種別の間に挟まれるように配置する。
【0049】
また、例えば誘引条件としてアウトが基準値に達している場合に、誘引機種2を特定し、図6の誘引機種2と育成機種2とのように配置する。即ち、誘引機種2を図5に基づきカウンタ27の近傍に誘引機種2を配置し、上記同様に誘引機種2の近傍且つ、カウンタ27との間に育成機種2を配置する。このような場合、誘引条件としてアウトが高いだけでも良いが、終了率が基準値に達していることを条件に加えても良い。
【0050】
次に、特別配置3について説明する。まず、機種別に特定の年代の遊技者の割合を特定し、基準値に達している機種をグループ化する。そのグループ化した機種に属する遊技機の台数を特定して、グループ内の機種を配置可能な箇所を特定する。この場合、配置箇所は予め指定しても良いし、他の機種の配置を考慮して図5に示す近隣の範囲外となるように配置しても良い。
【0051】
図7は、機種別に遊技者の年齢層を特定した分布表を示している。遊技者の年齢は例えば対象機種にて会員カードを利用した会員遊技者の属性情報から特定することや、遊技者を例えば遊技装置2に設けられるカメラのような撮像手段にて撮像した画像から推定される年齢、或いは遊技開始時に遊技者に年齢を入力させるといったように周知のどのような特定方法を採用しても良い。
【0052】
図7の最も右欄に示す通り、別途指定する特定の年代(図7では50歳以上)を対象とした割合を機種単位で特定し、基準値(例えば図7の平均値38.5%)に達している機種を抽出する。図7の場合、PB、PD、PE、及びPFが抽出され、それらの機種をグループ化して特別配置3の対象とする。
【0053】
そして、上述のように特別配置3を特定した位置の中で、グループに属する機種の配置を後述するフローチャートのような他の機種と同様に回遊率や終了率に基づき特定する。尚、当該グループ内の配置は例えば遊技場の出入口28に近い順からアウト順に配置するといった他の機種とは異なる配置方法を採用しても良い。この特別配置3は年齢層の異なる遊技者が遊技する機種に余り近付きたくないといった遊技者がいることを考慮した配置となる。
【0054】
次に、特別配置4について説明する。特別配置4は、単純に配置替えしても余り効果のない機種を無暗に配置替えすることで、配置替えに伴う労力を省くために、配置替え対象から除外する除外機種を設定し、当該除外機種は他の機種の配置替え前後で配置を変更しないようにするための処理である。除外機種は指定入力しても例えばアウトが基準値に達しない、図5に示す近隣に該当しないといった除外条件を設定し、その除外条件を満たす機種を除外機種として特定すれば良い。
【0055】
図8は、図7までに説明した手順や後述するフローチャートにて機種を配置した配置結果を示す。尚、図8では説明の都合上、「P~」といったパチンコ遊技機のみを対象とし、「S~」といったスロットマシンの配置替えは除外している。
【0056】
図8では機種「PJ」を起点とした3つの赤(図中では白抜き)の矢印(PJ→PM、PJ→PB、PJ→PQ)と、2つの青(図中では黒色)の矢印(PJ→PG、PJ→PD)とが示されているが、これは矢印の起点となる「PJ」を選択した際の「PJ」を回遊元とした回遊先となる機種(回遊相手遊技機)までの回遊経路を矢印(識別情報)にて示している。回遊先となる機種は例えば回遊率の高い機種(例えば上位5機種)を対象として、その中で影響度の高い機種(例えば上位3機種)を赤矢印、影響度の低い機種(下位2機種)を青矢印にて示している。つまり、上位3位、或いは上位5位といった基準情報と順位とを比較した結果に応じて回遊相手遊技機を区別する区別処理を行って、赤矢印や青矢印といったように識別態様を変更している。
【0057】
矢印の太さ(識別態様)は影響度を示しており、例えば回遊率1位のPJ→PMは最も太い矢印、回遊率5位のPJ→PDは最も細い矢印にて示している。矢印の長さにより遊技者が回遊する場合の距離感を把握でき、例えばPGのように遊技島26を跨いだ回遊となる場合は間になる遊技島26を迂回するように矢印を示している。つまり、順位自体(1位、2位、3位等)を基準情報として、順位に応じた区別処理を行って矢印の太さのような識別態様を変更している。
【0058】
マウスにより選択した機種は例えばドラッグやドロップといった操作によりそのまま機種の配置替えを指定可能である。例えばPJをPPの位置に配置替えした場合、PPとPJとの台数が同数であればそのまま入替えるが、台数が異なる場合には多い方の機種の台数を減らすか、少ない方の機種の近隣の機種を選択して台数調整するか、スライド配置させるかの選択となる。
【0059】
例えば、PPの台数が多い場合にPPの台数を減らすのであれば、どの遊技機を残すかを選択してPJと入替える一方、PPを減らさないのであれば、PPの両隣のいずれの機種を配置替え対象とするかを選択する。勿論、このような操作入力に応じた選択に限らず、台番が若い方を優先して残す、或いは配置替え対象とするといった条件を予め設定し、その条件に応じて配置替え対象となる機種や遊技機を特定しても良い。また、機種をスライド配置させる場合には、例えば時計回りと反時計回りのいずれにスライドさせるかを選択し、例えば反時計回りにスライドさせる場合にはPJの隣のPBをPJ側に、PQをPB側(島跨ぎとなる)にスライドさせることにより残り台数分を確保する。このようにすることで図8のようなレイアウト表示上での配置替えが可能となるが、この場合、入替えた後もPJについて上記同様に連動して矢印表示を行う。
【0060】
更に、PJの配置替えに伴い配置替えとなった例えばPPのような機種もPJ同様に連動した矢印表示の変更対象となるが、矢印の表示色を薄くする、或いは切替表示を行うといったようにPJに対する矢印表示とは区別して表示することが望ましい。勿論、PJ同様にPPやPMといった他の機種を選択すれば上記同様の矢印表示の対象となる。
【0061】
また、上記では回遊率の順位を矢印の色と太さ(複数の識別態様)で表現することを例示したが、例えば図3に示した回遊率の順位に応じた色のように色だけで順位表示する一方、回遊率に応じて矢印の太さを調整するといったように異なる情報(回遊情報に関する異なる情報)に基づき、色や太さを使い分けるようにしても良い。また、色や太さ以外に例えば表示色の濃淡のような他の表示方法を採用しても勿論良い。更に基準情報として順位を例示したが例えば3.0%といった回遊率に対する基準値を基準情報とするといったように順位以外に対して基準情報を設けて区別処理を行っても良い。
【0062】
矢印の長さにより回遊する遊技者の回遊距離感を示すため、遊技島26を跨ぐ場合には遊技島26を迂回するような矢印表示を例示したが、簡易的に直線的な表示としても良い。更に矢印表示にしなくとも回遊元と回遊先とを関連付けて表示したり、その回遊距離感を示せられればどのような表示方法を採用しても良い。
【0063】
これまでに説明した自動配置が終わった後に配置を微調整することを目的として図8を利用することを例示したが、図8は例えば特別配置1を行う場合に採用しても良いし、自動配置に関わらず従来の配置替えをシミュレートする場合に採用しても良いし、配置替えに関わらずレイアウト表示する場合に表示しても良い。
【0064】
図1に示すように遊技場に設けられる管理装置5は公衆回線8を通じて管理サーバ9と接続されており、管理装置5にて集計された図3図7にて示すデータは管理サーバ9においても管理対象となる。管理サーバ9は例えば遊技場Bや遊技場Cのような他の遊技場に設けられる管理装置5とも接続され、そのような遊技情報を例えば全国レベルで管理すればよいが、例えば系列店のように限定的な他店の情報としても良いし、他店の情報が含まれていれば自店の情報が含まれていても良い。
【0065】
管理サーバ9では遊技場単位の遊技情報を集計するが、その中に含まれるアウトや粗利といった遊技情報により遊技場をランク分けし(例えば高、中、低)、そのランク別に遊技情報を区分して管理し、各遊技場の管理装置5へ遊技情報を配信可能とする。
図8では自店における回遊率に応じて矢印による表示を行ったが、管理サーバ9から配信される情報を対象として矢印表示しても良い。
【0066】
この場合、自店における回遊率(第1回遊情報)と管理サーバ9から配信された回遊率(第2回遊情報)とを切換表示することが望ましいが、例えば矢印を2重(第1識別情報、第2識別情報)に示すことで同時に表示しても良い(第1区別処理、第2区別処理)。また、ランク分けされた遊技情報の内、当該遊技場に対応したランクよりも高いランクにおける回遊率を表示対象とすることが望ましいが、指定したランクにおける回遊率を表示対象としても良い。勿論、例えば高、中、低のランクと自店との回遊率を複数の矢印を表示することで同時に表示しても良い。
【0067】
図9は管理サーバ9にて管理され、自店と同ランクの回遊率に応じた矢印表示(第2識別情報)を図8の矢印表示(第1識別情報)に重ねた例を示している。図9では管理サーバ9における回遊率に応じた矢印表示は緑(図中では斜線)にて示し、その回遊率の高さにより矢印の太さを変更し、自店と管理サーバ9とに対応した各々の矢印の太さを比較して細い方を優先して表示するようにしているが、並べて表示しても勿論良く、比較可能であれば切換表示や重ねた表示等、どのような表示方法を採用しても良い。
【0068】
図9では図8同様に矢印の太さを自店については順位に応じて調整しているが、管理サーバ9における回遊率と同様に回遊率に応じた太さとしても良く、例示したどのような表示方法を採用しても良く、自店と管理サーバ9とで同表示方法としても良いし、異なる表示方法としても良い。
遊技情報に応じたランク分けにより区分することを示したが、例えば駅前なのか郊外なのか、或いは住所が属する市町村の人口等により遊技情報を区分して、上記のランク分け同様に表示対象としても良い。
【0069】
次に、管理装置5が上述したレイアウト上の配置替え処理する動作について図10及び図11を参照して説明する。
管理装置5は、レイアウト処理を開始すると、まず図6に示した特定の機種を優先して配置する特別配置を実施する(S1)。次に、残りの未配置の残機種について図3に示すアウトや稼動率の高い方から順に優先順位を特定し、その最上位の機種を次の配置対象となる配置機種として特定する(S2)。
【0070】
次に、配置機種の終順と他順とのいずれかが上位(基準順位(例えば5位)内)かを判定し(S3、S4、S7)、双方上位でない場合(S3:NO、S7:NO)、つまり退店や他種別への回遊の可能性が低い機種の場合、配置済みの機種であって配置機種における配置済みの機種への回遊率が上位(基準順位(例えば3位))である機種の近隣(図4に示す4位以内)に配置可能かを判定し(S11)、可能であれば(S11:YES)、近隣の内、配置可能な最上位の箇所に配置する(S12)。
【0071】
一方、回遊率上位の機種が配置されていない場合や近隣に配置できない(既に他機種を配置済みの)場合には(S11:NO)、図5にて説明した優先指定箇所に配置可能であれば(S13:YES)、優先指定箇所に配置し(S15)、配置できなければ(S13:NO)、その最も近隣(近傍)に配置する(S14)。
【0072】
また、終順は上位ではないが(S3:NO)、他順は上位である場合(S7:YES)、つまり退店する可能性は低いものの他種別への回遊の可能性は高い場合、他種別へ回遊する動線を想定できることから、他種別近隣に配置可能であれば(S8:YES)、他種別の最も優先順位の高い近隣に配置し(S9)、配置できなれば(S8:NO)、その最も近隣に配置する(S10)。
【0073】
同様に、終順が上位で(S3:YES)、他順は上位でない場合(S4:NO)、つまり退店の可能性は高いものの他種別への回遊の可能性は低い場合、カウンタ27に寄ってから退店する動線を想定できることから、カウンタ27近隣に配置可能であれば(S5:YES)、カウンタ27近隣に配置し(S18)、配置できなれば(S5:NO)、その最も近隣に配置する(S6)。
【0074】
終順と他順との双方が上位の場合(S3:YES、S4:YES)、つまり退店の可能性も他種別への回遊の可能性も高い場合、カウンタ27に寄ってから退店する動線と他種別へ回遊する動線の両方が想定できることから、カウンタ27と他種別の近隣に配置可能であれば(S16:YES、S17:YES)、カウンタ27と他種別の近隣に配置し(S21)、配置できなれば(S17:NO)、カウンタ27近隣に配置する(S18)。
また、カウンタ27近隣に配置できなければ(S16:NO)、他種別近隣に配置可能なら(S19:YES)、他種別近隣に配置し(S9)、配置できなければ(S19:NO)、他種別とカウンタ27との最も近隣に配置する(S20)。
【0075】
以上のようにして配置機種の配置が終了した場合(特定箇所の近隣に遊技機を配置する場合)は、配置機種の近傍に配置可能(S22)、且つ配置機種における回遊率上位の残機種(回遊情報が所定の条件を満たす遊技機)があるか(S24)を判定する。いずれかの条件を満たさなければ(S22:NO、或いはS24:NO)、残機種がなくなるまで(S23:NO)、ステップS2に戻って(S23:YES)上位動作を繰返す。
【0076】
いずれの条件も満たす場合(S22:YES、S24:YES)、その内の回遊率が最上位の機種を当該残機種として(S25)、当該残機種の終順と他順とを、上記ステップS3、S4、S7同様に判定し(S26、S27、S29)、いずれも上位の場合、つまり退店の可能性も他種別への回遊の可能性も高い場合(S26:YES、S27:YES)、配置機種の近隣における他種別とカウンタ27側に配置し(S28)、終順は上位だが他順は上位でなければ(S26:YES、S27:NO)、配置機種の近隣におけるカウンタ27側に配置する(S32)。また、当該残機種の終順が上位でないが他順が上位なら(S26:NO、S29:YES)、配置機種の近隣における他種別側に配置し(S30)、いずれも上位でなければ(S26:NO、S29:NO)、それらに関わらず配置機種の近隣に配置する(S31)。
【0077】
即ち、当該残機種は配置機種の近隣に配置するが、可能であれば残機種の終順や他順も考慮するといった配置で、当該残機種の終順や他順の考慮よりも優先順位の高い配置機種の近隣に配置する方を優先するということである。このように当該残機種の条件を満たす機種がなくなるまで回遊率が上位である機種から順に上記を繰返し(S22:YES、S24:YES)、当該残機種の条件を満たさなくなったら(S22:NO、或いはS24:NO)上記の通り残機種がなくなるまで(S23:YES)ステップS2に戻り(S23:NO)上記の通り処理する。
【0078】
尚、上記では特別配置の実施後に、特別配置にて配置した機種の回遊率が高い機種をステップS22以降のように配置せずに、配置機種の終順や他順により配置することを例示したが、特別配置した機種を配置機種としてステップS22以降のような配置を行っても良い。また、特別配置には回遊率の影響度が高い特別配置2や回遊率を余り考慮する必要のない特別配置3や特別配置4等もあるので、選択的にステップS22以降の処理を行っても良い。
【0079】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置5は、遊技機間の回遊率を特定し、遊技島26を模したレイアウト上に回遊率に関する情報に応じた矢印により回遊先を示す表示を行うので、矢印の識別と長さにより回遊率に応じた重要度と遊技者が回遊するための回遊距離とを容易に把握可能となる。
【0080】
レイアウト上の遊技機の配置を変更可能であり、当該変更に連動して矢印の表示内容を更新するので、配置替えがどのように遊技者の回遊に影響するかを把握することが容易になる。
【0081】
上記のように配置替えを変更した場合、配置替え相手となる遊技機についても回遊率に応じた矢印による回遊先を示す表示を行うので、配置替え相手の遊技機についても遊技者の回遊を考慮した上で遊技機の配置替えが可能となる。
【0082】
矢印にて遊技島26を跨いで回遊先を示す場合、遊技島26を迂回するようにして回遊先を示すので、実際に遊技者が回遊する場合の回遊距離を把握した上で遊技機の配置替えが可能となる。
【0083】
矢印は色、太さ、濃さの内、少なくとも複数による識別が可能であり、それぞれ回遊率に関する異なる情報に基づき識別するので、回遊に伴う回遊距離を把握した上で回遊率に関わる多方面での情報に基づき遊技機の配置替えが可能となる。
【0084】
他店を対象に含む回遊率を管理し、矢印は他店を含む回遊率と自店の回遊率との各々に関する情報に対応した表示が可能であり、両者を比較可能に表示するので、自店だけだとデータに信頼性が見込めない場合に、他店を対象とした回遊率を参考にしてレイアウトを参照可能となり、この場合、自店よりも高いランクの他店の回遊率を表示対象とすればより強い遊技場の回遊率を参考にして、レイアウトを参照可能となる。
【0085】
遊技機間の回遊率を特定し、遊技島26を模したレイアウト上に回遊率が高い機種が近隣になるように遊技機を配置するので、例えば遊技終了した場合に次に遊技する可能性の高い機種が近隣に配置されることで、そのまま退店される虞が低減され、稼動の低下を抑制可能となる。
【0086】
回遊率の高い機種の近隣に配置する場合、その遊技機の背面と横隣とに対して優先順位を設定し、その優先順位の高い方から配置するので、例えば遊技中に遊技経過を確認し易い背面に設置される遊技機を回遊率の高い機種とすることで、遊技中から遊技終了後の回遊を促すような運用が可能となる。
【0087】
アウト(遊技機の稼動状況を示す稼動情報、参照情報)や新台であるか否かといった導入期間(遊技機の導入時期を示す導入情報、参照情報)等により優先順位(配置順)を設定し、その優先順位に遊技機を配置するで、遊技場の重要度の高い機種の優先順位を高めて、重要度の高い機種をより優先して配置できるようになるので、遊技場の実益に伴った配置が可能となる。
【0088】
遊技中または遊技後に特定の箇所に向かう傾向を示す情報に基づき、その特定の箇所の近傍に遊技機を配置するので、遊技者の動線に伴った配置が可能になり、遊技者の利便性を高められる。
上記のように遊技機を配置した場合、更に当該遊技機の回遊率が高い機種を近隣に配置するので、遊技者の利便性を更に高めた配置が可能になる。
【0089】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置5の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0090】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
機種単位で遊技機の配置や回遊率を管理することを例示したが、遊技機単位で配置したり回遊率を管理したりしても良い。
【0091】
回遊率の高い機種を近隣に配置する場合、回遊元から回遊先への回遊率(例えば図3を横に見た回遊率)を採用することを例示したが、回遊先から回遊元への回遊率(図3を縦に見た回遊率)や、回遊元、回遊先の区分なく回遊があることにより特定した回遊率(上記の混合)を採用しても良い。つまり、移動先と移動元のいずれを回遊相手遊技機としても良い。
対象機種の近隣に設定する優先順位はアウトや稼動率の高い方から或いは特別配置1のような新台を優先配置することを例示したが、導入期間順に配置しても良い。
【0092】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0093】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式のように遊技媒体を払い出さない遊技機を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置5が行う処理の一部を中継装置、或いは遊技装置2等にて行っても良く、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0094】
図面中、1は遊技機、5は管理装置(管理手段、設定手段、区別手段、表示手段、変更手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11