(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20250116BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2021136810
(22)【出願日】2021-08-25
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】近藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】宮内 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-087361(JP,A)
【文献】特開2020-064663(JP,A)
【文献】特開平08-263554(JP,A)
【文献】特開2015-191476(JP,A)
【文献】特開2022-076082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1作業領域で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、前記第1作業領域を表す作業領域情報とを関連付けた作業データを記憶することと、
第2作業領域で行われた作業装置による作業を表す推定作業種別を、前記作業装置の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定することと、
前記確定作業種別に対応する前記第1作業領域と、確定していない前記推定作業種別に対応する前記第2作業領域とを区別して表す領域表示情報を出力することと、
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記確定作業種別と前記推定作業種別とに含まれる1つ以上の作業種別ごとに、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを含む複数の作業領域のうち、前記1つ以上の作業種別が行われた作業領域の数量または面積を集計することをさらに含み、
前記領域表示情報を出力することは、
前記作業領域の数量または面積を表す統計情報を出力すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項3】
前記1つ以上の作業種別が行われた前記作業領域の数量または面積を集計することは、
前記確定作業種別と、確定していない前記推定作業種別とを区別して集計すること
を含み、
前記統計情報に表される前記作業領域の数量または面積は、前記確定作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積と、確定していない前記推定作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積とを区別している
請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項4】
前記作業種別ごとに、確定していない前記推定作業種別の割合を表す情報を表示することをさらに含む請求項3に記載の作業管理方法。
【請求項5】
前記複数の作業領域で作業を行う第1作業者の情報と、第2作業者の情報とを記憶することと、
前記統計情報を表示することと、
をさらに含み、
前記1つ以上の作業種別が行われた前記作業領域の数量または面積を集計することは、
前記第1作業者により作業が行われた第1作業種別と、前記第2作業者により作業が行われた第2作業種別とを区別して集計すること
を含み、
前記統計情報に表される前記作業領域の数量または面積は、前記第1作業者により作業が行われた前記第1作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積と、前記第2作業者により作業が行われた前記第2作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積とを区別しており、
前記統計情報を表示することは、
前記第1作業者により作業が行われた前記第1作業種別に対応する前記作業領域に含まれる確定していない前記推定作業種別に対応する前記作業領域の割合を表す情報を表示すること
を含む請求項3または4に記載の作業管理方法。
【請求項6】
前記複数の作業領域で作業を行う第1作業者の情報と、第2作業者の情報とを記憶することをさらに含み、
前記1つ以上の作業種別が行われた前記作業領域の数量または面積を集計することは、
前記第1作業者により作業が行われた第1作業種別と、前記第2作業者により作業が行われた第2作業種別とを区別して集計すること
を含み、
前記統計情報に表される前記作業領域の数量または面積は、前記第1作業者により作業が行われた前記第1作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積と、前記第2作業者により作業が行われた前記第2作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積とを区別している
請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記作業種別ごとに、前記第1作業者により作業が行われた前記第1作業種別に対応する前記作業領域の数量または面積を表す情報を表示することをさらに含む請求項6に記載の作業管理方法。
【請求項8】
前記第2作業領域で行われた正しい作業種別を表す確定情報に基づき、前記推定作業種別を確定することをさらに含む請求項1から7のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項9】
前記第1作業領域の前記確定作業種別は、
前記第1作業領域で作業を行った作業装置の稼働状態を表す稼働情報に基づき、推定され、
前記第1作業領域で行われた正しい作業種別を表す確定情報に基づき、確定された
請求項1から8のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項10】
第1作業領域で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、前記第1作業領域とを関連付けた作業データを記憶するデータ記憶部と、
第2作業領域で行われた作業装置による作業を表す推定作業種別を、前記作業装置の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定する推定部と、
前記確定作業種別に対応する前記第1作業領域と、確定していない前記推定作業種別に対応する前記第2作業領域とを区別して表す領域表示情報を出力する出力部と、
を備える作業管理システム。
【請求項11】
第1作業領域で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、前記第1作業領域とを関連付けた作業データを記憶することと、
第2作業領域で行われた作業装置による作業を表す推定作業種別を、前記作業装置の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定することと、
前記確定作業種別に対応する前記第1作業領域と、確定していない前記推定作業種別に対応する前記第2作業領域とを区別して表す領域表示情報を出力することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、圃場における作業で使用される作業装置から稼働情報を受信し、受信した稼働情報に基づき、圃場内で行われた作業の作業種別を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術で推定された作業種別は、実際に行われた作業の作業種別と異なる場合がある。このため、ユーザ、例えば作業者、圃場の所有者などは、推定された作業種別が実際に行われた作業の作業種別と同じか否かを設定する。ここで、多くの圃場で作業が行われているとき、ユーザは、作業種別を確認した圃場と、確認していない圃場とを容易に把握できない場合がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、ユーザによる作業種別を確認した圃場と、確認していない圃場との把握を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、第1作業領域(400-1)で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、第1作業領域(400-1)を表す作業領域情報とを関連付けた作業データ(300)を記憶することを含む。また、作業管理方法は、第2作業領域(400-2)で行われた作業装置(30)による作業を表す推定作業種別を、作業装置(30)の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定することを含む。また、作業管理方法は、確定作業種別に対応する第1作業領域(400-1)と、確定していない推定作業種別に対応する第2作業領域(400-2)とを区別して表す領域表示情報を出力することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、データ記憶部(150)と、推定部(160)と、出力部(190)とを備える。データ記憶部(150)は、第1作業領域(400-1)で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、第1作業領域(400-1)を表す作業領域情報とを関連付けた作業データ(300)を記憶する。推定部(160)は、第2作業領域(400-2)で行われた作業装置(30)による作業を表す推定作業種別を、作業装置(30)の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定する。出力部(190)は、確定作業種別に対応する第1作業領域(400-1)と、確定していない推定作業種別に対応する第2作業領域(400-2)とを区別して表す領域表示情報を出力する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(310)は、第1作業領域(400-1)で行われた作業を表し、確定した確定作業種別と、第1作業領域(400-1)を表す作業領域情報とを関連付けた作業データ(300)を記憶することを演算装置(120)に実行させる。また、作業管理プログラム(310)は、第2作業領域(400-2)で行われた作業装置(30)による作業を表す推定作業種別を、作業装置(30)の稼働状態を表す稼働情報に基づき推定することを演算装置(120)に実行させる。また、作業管理プログラム(310)は、確定作業種別に対応する第1作業領域(400-1)と、確定していない推定作業種別に対応する第2作業領域(400-2)とを区別して表す領域表示情報を出力することを演算装置(120)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザは、作業管理装置に登録される作業種別を効率的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
【
図2】一実施の形態において、端末により表示される作業領域を表す図である。
【
図3】一実施の形態において、作業種別ごとの作業領域の数量を表すグラフである。
【
図4】一実施の形態における作業データの構成を表す図である。
【
図5】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図6】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図7】一実施の形態において、作業種別ごとの作業領域の数量を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0014】
作業管理装置100は、作業装置30から稼働情報を取得して、取得した稼働情報に基づき、作業に関する情報、例えば作業領域、作業期間、作業種別などを推定する。作業期間は、作業装置30が圃場で作業を行った期間を表し、例えば、作業装置30のエンジンが始動してから停止するまでの作業を表す。作業種別は、圃場で行われた作業の種類、例えば耕起、整地、施肥、植付などを表す。作業装置30は、例えば作業を行う作業機械を牽引するトラクターを含む。作業機械は、例えば耕起を行うプラウやロータリー、整地を行うハロー、施肥を行うブロードキャスタ、植付を行う移植機などを含む。
【0015】
端末200は、作業管理装置100から作業に関する情報を取得し、ユーザ、例えば作業者、圃場の所有者などに取得した作業に関する情報を提供する。例えば、端末200は、
図2に示すように、複数の作業領域400を地図上に表す画像を表示する。端末200は、ユーザが作業種別を確認した第1作業領域400-1と、ユーザが作業種別を確認していない第2作業領域400-2とを区別可能に表示する。例えば、作業種別が確認された第1作業領域400-1を表す領域の色は、作業種別が確認されていない第2作業領域400-2を表す領域の色と異なる。これにより、ユーザは、作業種別を確認していない第2作業領域400-2と、その割合を容易に把握することができる。
【0016】
また、端末200は、
図3に示すように、作業種別ごとに、作業が行われた作業領域400の数量を表す全体数量510をグラフで表示する。また、作業領域400の数量は、作業種別が確認されていない第2作業領域400-2の数量を表す未確定数量520と、作業種別が確認された第1作業領域400-1の数量を表す確定数量530とを区別して表してもよい。これにより、ユーザは、複数の作業領域400で行われている作業種別の傾向を容易に確認することができる。また、ユーザは、作業種別ごとに、作業種別が未確認の第2作業領域400-2の割合を容易に確認でき、さらに、推定される作業種別の傾向を確認することができる。端末200は、作業種別ごとに、作業が行われた作業領域400の数量を表す全体数量510の一覧を表示してもよい。
【0017】
ここで、稼働情報は、圃場で作業を行っているときの作業装置30の稼働状態を表す情報を含み、例えば作業装置30の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況、作業装置30の各時刻の位置情報、作業期間などを表す情報を含む。作業装置30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0018】
また、稼働情報は、作業装置30の位置情報を含む。作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、作業装置30が移動した各時刻の位置を表す位置情報を取得する。
【0019】
(作業管理システムの構成)
図1に示す作業管理システム1000に含まれる作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0020】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置130は、作業装置30から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0021】
記憶装置140は、作業領域400で行われた作業を表す作業種別を確定するための様々なデータ、例えば作業データ300と、作業管理プログラム310とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0022】
作業データ300は、圃場の作業に関するデータ、例えば作業装置30からの稼働情報から算出されるデータを含む。例えば、作業データ300は、
図4に示すように、作業領域400を表す作業領域情報(例えば作業領域400の位置と形状)と、作業領域400の作業面積を表す作業面積情報と、作業期間を表す作業期間情報と、作業種別と、作業種別の登録状態を表す登録状態情報とを記憶する。作業領域情報と、作業期間情報と、作業種別と、登録状態情報とは、互いに関連付けて記憶されている。
【0023】
登録状態は、作業種別が確定している否かの状態を表す。例えば、
図4の作業データ300において、「領域A」の作業領域400において、登録状態に示された「確定」は、作業種別が「耕起」で確定していることを表す。「領域C」の作業領域400において、登録状態に示された「未確定」は、作業種別が「耕起」で確定していないことを表す。以下、確定した作業種別を確定作業種別と呼ぶ場合がある。
【0024】
図1に示す演算装置120は、作業管理プログラム310を実行して、作業領域400で行われた作業の作業種別を確定するための様々なデータ処理に使用される。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0025】
演算装置120は、作業管理プログラム310を読み出し実行することで、
図5に示すように、データ記憶部150と、推定部160と、確定部170と、集計部180と、出力部190とを実現する。データ記憶部150は、作業データ300を記憶する。推定部160は、作業装置30から稼働情報を取得して、推定作業種別を推定する。確定部170は、ユーザが作業種別を確認したことを表す確定情報に基づき、作業種別を確定する。集計部180は、作業種別ごとに、作業が行われた作業領域400の数量を集計する。出力部190は、作業領域400を表す領域表示情報を端末200に出力する。
【0026】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、
図1に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0027】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置230は、作業管理装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0028】
記憶装置240は、作業装置30が作業を行った作業領域400を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム320を格納する。記憶装置240は、表示プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。表示プログラム320は、記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0029】
演算装置220は、表示プログラム320を読み出し実行することで、入出力装置210と協働して、
図5に示すように、表示部250を実現する。表示部250は、作業管理装置100から作業領域400を表す領域表示情報を取得して、作業領域400を表す領域表示情報を表示する。また、表示部250は、ユーザの操作により、作業領域400で行われた作業の作業種別を確定するための確定情報を作業管理装置100に送信する。
【0030】
(作業管理装置の動作)
作業管理装置100の演算装置120は、作業装置30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム310を読み出し実行する。作業管理プログラム310を実行することで、演算装置120は、作業管理方法である
図6に示す処理を実行する。
【0031】
ステップS110において、推定部160は、作業装置30から取得した稼働情報に基づき、作業装置30が作業を行った作業領域400と、作業期間とを決定する。例えば、推定部160は、稼働情報に含まれる作業装置30の位置情報に基づき、作業領域400を決定する。例えば、作業領域400は、取得した位置情報に表される位置を含む任意の閉じた図形、例えば多角形、矩形などで表される。例えば、作業領域400は、取得した位置情報のすべてを囲むような図形で表される。決定された作業領域400を表す作業領域情報は、推定部160により、
図4に示す作業データ300に新たに記憶される。
【0032】
また、推定部160は、作業装置30が起動された時刻から作業装置30が停止された時刻までを作業期間として決定する。推定部160は、決定された作業期間を表す作業期間情報を新たに追加された作業領域情報と関連付けて作業データ300に記憶する。
【0033】
推定部160は、作業領域400で作業を行った作業者も作業データ300に記憶する。推定部160は、作業装置30と作業者とを関連付けた作業者対応データを有し、稼働情報を送信した作業装置30に基づき、作業者を決定する。
【0034】
図6に示すステップS120において、推定部160は、稼働情報に基づき、作業領域400において行われた作業の作業種別を表す推定作業種別を推定する。例えば、推定部160は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いて、推定作業種別を推定する。この場合、学習済みモデルは、稼働情報から推定作業種別を推定するように、学習されている。また、推定部160は、推定作業種別を、作業装置30の機種に基づき推定してもよい。この場合、記憶装置140は、作業装置30の機種と、推定作業種別とを関連付ける作業対応データを格納する。推定部160は、作業対応データに基づき、推定作業種別を推定する。推定された作業種別は、推定部160により、作業領域400を表す作業領域情報と関連付けて、
図4に示す作業データ300に記憶される。また、推定部160は、作業データ300の対応する登録状態に「未確定」を設定する。
【0035】
図6に示すステップS130において、出力部190は、作業データ300に記憶された作業領域情報を、登録状態情報と関連付けた領域表示情報を端末200に出力する。例えば、出力部190は、登録状態が「確定」を示す第1作業領域400-1と、登録状態が「未確定」を示す第2作業領域400-2とを区別して表す領域表示情報を出力する。領域表示情報は、新たに追加された作業領域情報のほかに、過去に記憶された作業領域情報を含む。
【0036】
ステップS140において、端末200の表示部250は、作業管理装置100から取得された領域表示情報に基づき、
図2に示すように、作業領域400を地図上に表した画像を表示して、ユーザによる作業種別の確定操作を受け付ける。例えば、表示部250は、作業種別が確定した第1作業領域400-1と、作業種別が確定していない第2作業領域400-2とを区別可能に表した画像を表示する。ユーザは、作業種別が確定していない第2作業領域400-2を容易に把握することができる。
【0037】
表示部250は、入出力装置210に確定操作が入力されると、正しい作業種別を表す確定情報を作業管理装置100に送信する。確定情報が送信されると、処理は
図6に示すステップS150に移行する。例えば、ユーザは、端末200の入出力装置210に、作業種別が確定していない第2作業領域400-2を選択する。表示部250は、第2作業領域400-2が選択されると、
図2に示すように、選択された第2作業領域400-2に対応付けて、第2作業領域400-2の推定作業種別を表す作業情報410を表示する。ユーザは、表示された推定作業種別を確認する。表示された推定作業種別が対応する第2作業領域400-2で行われた作業の作業種別と同じとき、ユーザは、作業種別を確定する確認操作、例えば確認ボタン411を選択する操作を入出力装置210に入力する。推定作業種別が対応する第2作業領域400-2で行われた作業の作業種別と異なるとき、ユーザは作業種別を変更するための変更操作、例えば変更ボタン412を選択する操作を入出力装置210に入力する。ユーザは、変更操作を行った後、正しい作業種別を入出力装置210に入力する。表示部250は、確認操作または変更操作に基づき、正しい作業種別を表す確定情報を作業管理装置100に出力する。確認操作が入出力装置210に入力されたとき、確定情報は選択された第2作業領域400-2の推定作業種別が正しいことを表す。変更操作が入出力装置210に入力されたとき、確定情報は選択された第2作業領域400-2の正しい作業種別を表す。
【0038】
表示部250は、
図6に示すステップS140において、作業種別ごとの作業領域400の数量を表す統計情報を表示するための統計表示操作も受け付ける。確定操作が入力されずに統計表示操作が入力されると、表示部250は、統計情報を要求する要求情報を作業管理装置100に送信する。要求情報が送信されると、処理はステップS160に移行する。
【0039】
ステップS150において、作業管理装置100の確定部170は、正しい作業種別を表す確定情報に基づき、第2作業領域400-2の作業種別を確定する。具体的には、確定部170は、確定情報に表された第2作業領域400-2と、正しい作業種別とを取得する。確定部170は、
図4に示す作業データ300において、確定情報に表された第2作業領域400-2において、正しい作業種別を設定し、登録状態を「確定」に変更する。例えば、確認操作、例えば確認ボタン411を選択する操作が入力されているとき、確定部170は、対応する登録状態を「確定」に変更する。変更操作が入力されているとき、確定部170は、第2作業領域400-2の作業種別を確定情報に表された作業種別に変更し、登録状態を「確定」に変更する。
【0040】
図6に示すステップS160において、集計部180は、
図4に示す作業データ300に基づき、作業種別ごとに、作業領域400の数量を集計する。例えば、最初に、集計部180は、作業データ300に記憶されている1つ以上の作業種別を抽出する。
図4に示す例において、集計部180は、作業データ300に記憶されている作業種別として、「耕起」と「除草」とを抽出する。
【0041】
次に、集計部180は、作業データ300に記憶されている作業領域400のうち、抽出された1つ以上の作業種別に該当する作業領域400の数量を集計する。
図4に示す例において、集計部180は、作業種別が「耕起」である作業領域400の数量として「4」を得る。また、集計部180は、作業種別が「除草」である作業領域400の数量として「1」を得る。
【0042】
さらに、集計部180は、作業データ300に基づき、作業種別ごとに、確定した作業種別に対応する第1作業領域400-1の数量と、確定していない作業種別に対応する第2作業領域400-2の数量とを集計する。
図4に示す例において、集計部180は、作業種別が「耕起」であり、かつ、登録状態が「確定」である第1作業領域400-1の数量として、「2」を得る。集計部180は、作業種別が「耕起」であり、かつ、登録状態が「未確定」である第2作業領域400-2の数量として、「2」を得る。集計部180は、作業種別が「除草」であり、かつ、登録状態が「確定」である第1作業領域400-1の数量として、「1」を得る。集計部180は、作業種別が「除草」であり、かつ、登録状態が「未確定」である第2作業領域400-2の数量として、「0」を得る。
【0043】
図6に示すステップS170において、出力部190は、作業種別ごとの作業領域400の数量を表す統計情報を端末200に出力する。統計情報は、作業種別ごとに、作業種別が確定した確定作業種別に対応する第1作業領域400-1の数量と、作業種別が確定していない推定作業種別に対応する第2作業領域400-2の数量とを区別して、作業領域400の数量を表してもよい。
【0044】
ステップS180において、端末200の表示部250は、作業管理装置100から取得された統計情報を入出力装置210に表示する。表示部250は、
図3に示すように、作業が行われた作業領域400の数量を表す全体数量510と、作業種別が確認されていない第2作業領域400-2の数量を表す未確定数量520と、作業種別が確認された第1作業領域400-1の数量を表す確定数量530とを表示する。表示部250は、
図3に示すように、未確定数量520と確定数量530とを用いて全体数量510を表し、全体数量510に対する未確定数量520の割合を表してもよい。また、表示部250は、全体数量510に対する未確定数量520の割合を数値で表示してもよい。ユーザは、入出力装置210に表示された画像を確認することで、作業種別が未確定の作業領域400の割合を作業種別ごとに把握することができる。
【0045】
このように、作業管理システム1000は、ユーザによる作業種別の確認操作を支援する。
【0046】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、端末200の表示部250は、
図3に示す作業種別ごとの作業領域400の数量を表示するときに、作業種別が確定した第1作業領域400-1の数量と、作業種別が確定していない第2作業領域400-2の数量とを区別せずに表示してもよい。
【0047】
表示部250は、
図3に示すグラフにおいて、作業領域400の数量に代わり、作業領域400の面積で表示してもよい。この場合、
図6に示すステップS160において、作業管理装置100の集計部180は、
図4に示す作業データ300に基づき、作業種別ごとに、作業領域400の面積を集計して総面積を算出する。また、集計部180は、作業種別ごとに、確定した作業種別に対応する第1作業領域400-1の面積と、確定していない作業種別に対応する第2作業領域400-2の面積とを集計して、第1作業領域400-1の総面積と、第2作業領域400-2の総面積とを算出する。ステップS170において、出力部190は、作業種別ごとの作業領域400の面積を表す統計情報を端末200に出力する。統計情報は、作業種別ごとに、作業種別が確定した確定作業種別に対応する第1作業領域400-1の面積と、作業種別が確定していない推定作業種別に対応する第2作業領域400-2の面積とを区別して、作業領域400の面積を表してもよい。ステップS180において、端末200の表示部250は、統計情報を入出力装置210に表示する。
【0048】
また、表示部250は、
図7に示すように、作業領域400において作業を行った作業者を区別して、作業種別ごとの作業領域400の数量を表示してもよい。
図7に示す例において、第1作業者別グラフ600-1は、作業種別ごとに、作業者aが作業を行った作業領域400の数量を表す。第2作業者別グラフ600-2は、作業種別ごとに、作業者bが作業を行った作業領域400の数量を表す。作業者別グラフ600は、作業種別が確認されていない第2作業領域400-2の数量を表す未確定数量620と、作業種別が確認された第1作業領域400-1の数量を表す確定数量630とを区別して表してもよい。表示部250は、未確定数量620と確定数量630とを用いて全体数量610を表し、全体数量610に対する未確定数量620の割合を表してもよい。これにより、ユーザは、作業者単位で、作業領域400で行われた作業の作業種別を確認することができる。また、ユーザは、作業種別を確認している作業者の確認率を他の作業者の確認率と容易に比較することができる。例えば、ユーザは、確認率が他の作業者の確認率より低い作業者に、作業種別を確認することを通知することができる。この場合、作業管理装置100の集計部180は、作業者を区別して、作業種別ごとの作業領域400の数量を集計し、集計した数量を表す統計情報を端末200に出力する。
【0049】
表示部250は、作業者の代わりに、複数の作業領域400を分類した作業領域グループを区別して、作業種別ごとの作業領域400の数量を表示してもよい。ここで、作業領域グループは、2つの作業領域400の間の類似度に基づき分類された複数の作業領域400を含む。類似度は、同じ作業種別の作業が行われた2つの作業領域400において、行われた作業が類似しているかを表す。
【0050】
例えば、作業管理装置100の集計部180は、
図4に示す作業データ300に基づき、2つの作業領域400の類似度を算出する。例えば、類似度は、2つの作業領域400の間の距離と、2つの作業領域400で作業が行われた時刻の時間差とを用いて算出される。例えば、類似度は、作業領域400間の距離と時間差とをそれぞれ1つの軸とした2次元の距離に基づき、算出されてもよい。具体的には、集計部180は、距離の2乗に時間差の2乗を加算した値の平方根で算出されるユークリッド距離を算出する。算出したユークリッド距離の逆数を算出することで、集計部180は類似度を算出する。また、ユークリッド距離の代わりに任意の距離、例えば、マンハッタン距離を用いてもよい。
【0051】
この場合、集計部180は、
図6に示すステップS160において、類似度に応じて、作業領域400を分類する。例えば、類似度が閾値より小さい2つの作業領域400が同じ作業領域グループに含まれるように、作業領域400は分類される。集計部180は、作業領域グループに区別して、作業種別ごとの作業領域400の数量を集計する。ステップS170において、集計部180は、集計した数量を表す統計情報を端末200に出力する。端末200の表示部250は、統計情報に基づき、作業者を区別して、作業種別ごとの作業領域400の数量を表示する。
【0052】
また、表示部250は、所定の日付に作業が行われた作業領域400の数量を表示してもよい。この場合、集計部180は、作業種別ごとに、所定の日付に作業が行われた作業領域400の数量を集計し、集計した数量を表す統計情報を端末200に出力する。
【0053】
図2に示す作業領域400は、圃場を表してもよい。この場合、
図4に示す作業データ300の作業領域400は圃場を表し、
図6に示すステップS110において、推定部160は、作業装置30の位置情報から作業が行われた圃場を決定する。例えば、推定部160は、作業装置30が作業を行った位置を含む圃場を、作業が行われた圃場として決定する。表示部250は作業が行われた圃場の数量を表示する。
【0054】
1つの圃場に複数の作業領域400が含まれてもよい。例えば、
図6に示すステップS160において、作業管理装置100の集計部180は、1つの圃場に含まれる作業領域400のすべての登録状態が「確定」であるときに、対応する圃場の作業種別が確定したと判定する。集計部180は、1つの圃場に含まれる作業領域400の少なくとも1つの登録状態が「未確定」であるのとき、対応する圃場の作業種別が確定していないと判定する。集計部180は、作業種別ごとに、確定した作業種別に対応する第1作業領域400-1の数量と、確定していない作業種別に対応する第2作業領域400-2の数量とを集計する。
【0055】
図6に示すステップS110において、推定部160は、任意の方法で作業期間を決定してもよい。例えば、推定部160は、作業装置30が圃場に入った時刻と、圃場から出た時刻とに基づき、作業期間を決定してもよい。
【0056】
図6に示すステップS140において、端末200の表示部250は、所定の期間、例えば現時点から1月前までの期間に作業が行われた作業領域400を表示してもよい。この場合、ステップS130において、出力部190は、
図4に示す作業データ300から所定の期間に作業が行われた作業領域400を抽出する。具体的には、出力部190は、作業期間が所定の期間に含まれる作業領域400を抽出する。抽出された作業領域400を表す領域表示情報が端末200に出力される。
【0057】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、作業管理装置100の一部、または、すべての処理を端末200が実行してもよい。また、端末200の一部、または、すべての処理を作業管理装置100が実行してもよい。
【0058】
また、作業管理システム1000は、端末200を含まず、作業管理システム1000に含まれない外部端末に領域表示情報や統計情報を表示させてもよい。また、端末200の表示部250は、作業管理システム1000に含まれない外部サーバから地図情報を取得して、地図上に領域表示情報を表した地図情報を表示してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ記憶部
160 :推定部
170 :確定部
180 :集計部
190 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
300 :作業データ
310 :作業管理プログラム
320 :表示プログラム
400 :作業領域
410 :作業情報
411 :確認ボタン
412 :変更ボタン
510 :全体数量
520 :未確定数量
530 :確定数量
600 :作業者別グラフ
610 :全体数量
620 :未確定数量
630 :確定数量
1000 :作業管理システム