(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】コントローラ、そのコントローラを含むクラッチ、及び着用可能なロボット
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20250116BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A61H3/00 B
B25J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2021177351
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015686
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 奎 正
(72)【発明者】
【氏名】林 賢 燮
(72)【発明者】
【氏名】朴 常 仁
(72)【発明者】
【氏名】尹 主 榮
(72)【発明者】
【氏名】金 範 洙
(72)【発明者】
【氏名】玄 東 眞
(72)【発明者】
【氏名】ベ 基 鉉
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-084335(JP,A)
【文献】特開2002-191654(JP,A)
【文献】特開2012-024201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、
前記ヘッド部の一側に結合されたボディ部と、を含むコントローラであって、
前記ディスプレイユニットは、前記ボディ部に結合される突出領域を含み、
前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、
前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、
前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、
前記凹部は複数個が備えられ、
前記凸
部は単数個が備えられることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
前記ディスプレイユニットは、
前記突出領域の周方向の外側面に備えられ、かつ前記凸部よりも前記ボディ部に向かって隣接して備えられたボールプランジャーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記ボタンユニットは、前記ディスプレイユニットの一側面から突出して備えられており、
前記ボタンユニットは、前記ディスプレイユニットの前記一側面から突出して備えられる複数の段差領域を含み、
前記複数の段差領域の上面に前記ボタンがそれぞれ結合されて備えられることを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記段差領域が前記ディスプレイユニットから離隔する方向を第1方向(D1)としたときに、
前記段差領域は、
前記ディスプレイユニットから延びる第1段差領域と、
前記第1段差領域から前記第1方向(D1)に延びた第2段差領域と、
前記第2段差領域から前記第1方向(D1)に延びた第3段差領域と、を含み、
前記ボタンは、
前記第1段差領域の上面に備えられた第1ボタンと、
前記第2段差領域の上面に備えられた第2ボタンと、
前記第3段差領域の上面に備えられた第3ボタンと、を含むことを特徴とする請求項
3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記第1段差領域乃至第3段差領域の上面はそれぞれ、前記第1方向(D1)に下り傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項
4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記第1段差領域乃至第3段差領域の上面はそれぞれ、前記ボディ部が前記ディスプレイユニットに向かう方向である第2方向(D2)に下り傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項
5に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記第3段差領域の上面が、前記第2段差領域の上面に比べて前記第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度が大きく備えられ、
前記第2段差領域の上面が、前記第1段差領域の上面に比べて前記第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度が大きく備えられることを特徴とする請求項
6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記第1ボタンは、前記第1段差領域の上面に対して垂直な方向に移動可能に備えられ
ることを特徴とする請求項
5に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記第2ボタンは、回転可能なスクロールホイールボタンであることを特徴とする請求項
6に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記第3ボタンは、回転軸を中心に回転可能なヒンジ(hinge)構造を有することを特徴とする請求項
7に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記ボディ部は、
ボディ本体と、
前記ボディ本体の周面に備えられており、前記ボディ本体の長さ方向及び周方向に沿って延びる螺旋状を有する第1突出部と、を含むことを特徴とする請求項
6に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記ボディ部は、
前記第2方向(D2)の反対方向に前記ボディ本体の端部領域に備えられており、前記ボディ本体の周方向に沿って備えられる第2突出部をさらに含むことを特徴とする請求項
11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記第2方向(D2)の反対方向に前記ボディ本体の端部領域には、前記第2方向(D2)に沿って複数の溝が備えられており、
前記第2突出部は、前記複数の溝を介して前記ボディ本体に着脱可能に備えられることを特徴とする請求項
12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記ボディ部は、
前記第2方向(D2)に前記ボディ本体の端部領域に備えられており、前記ボディ本体の周方向に沿って備えられる第3突出部をさらに含むことを特徴とする請求項
12に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記第2段差領域は、前記第1段差領域から下方に段差状に備えられ、
前記第3段差領域は、前記第1段差領域から下方に段差状に備えられることを特徴とする請求項
6に記載のコントローラ。
【請求項16】
人を支持するための
杖(クラッチ
)であって、
コントローラと、
前記コントローラが固定される
杖(クラッチ
)本体と、を含み、
前記コントローラは、
画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、
前記ヘッド部の一側に結合されるボディ部と、を含み、
ディスプレイユニットは、前記ヘッド部と結合される突出領域を含み、
前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、
前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、
前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、
前記凹部は複数個が備えられ、
前記凸
部は単数個が備えられることを特徴とする
杖。
【請求項17】
コントローラ、及び前記コントローラが固定される
杖(クラッチ
)本体を含む
杖(クラッチ
)と、
前記コントローラの操作により駆動され、人に着用可能に備えられるエクソスケルトンと、を含むロボットであって、
前記
杖は、
コントローラと、
前記コントローラが固定される
前記杖本体と、を含み、
前記コントローラは、
画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、
前記ヘッド部の一側に結合されるボディ部と、を含み、
ディスプレイユニットは、前記ヘッド部と結合される突出領域を含み、
前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、
前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、
前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、
前記凹部は複数個が備えられ、
前記凸
部は単数個が備えられることを特徴とする着用可能なロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ、そのコントローラを含むクラッチ、及び着用可能なロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
人が着用可能なエクソスケルトン(exo skeleton)が備えられるウェアラブルロボットは、エクソスケルトンを操作するためのコントローラを含む場合が多い。例えば、体が不自由な人のための、エクソスケルトンが備えられたウェアラブルロボットは、人の体重を支えるための杖(クラッチ)がロボットに備えられており、コントローラが杖(クラッチ)に結合されている場合が多い。
【0003】
しかし、従来技術によると、クラッチにコントローラが一つの形態で固定された状態で備えられるため、ユーザに応じて最適化されたコントローラのグリップ感を提供することができないという問題があった。
【0004】
また、従来技術によると、クラッチにコントローラが一つの形態でのみ固定された状態で備えられるため、ユーザによっては、コントローラの誤作動が引き起こされる恐れがあるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ユーザに応じて多様な形態で固定可能な構造を有するコントローラを提供することにあり、ユーザのグリップ感を向上させるとともに、コントローラの誤作動を防止することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるコントローラは、画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、前記ヘッド部の一側に結合されたボディ部と、を含むコントローラであって、前記ディスプレイユニットは、前記ボディ部に結合される突出領域を含み、前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、前記凸部と前記凹部のうちの1つは複数個が備えられることを特徴とする。
【0008】
前記凹部は複数個が備えられ、前記凸部は単数個が備えられることが好ましい。
【0009】
前記ディスプレイユニットは、前記突出領域の周方向の外側面に備えられ、かつ前記凸部よりも前記ボディ部に向かって隣接して備えられたボールプランジャーをさらに含み得る。
【0010】
前記ボタンユニットは前記ディスプレイユニットの一側面から突出して備えられており、前記ボタンユニットは、前記ディスプレイユニットの前記一側面から突出して備えられる複数の段差領域を含み、前記複数の段差領域の上面に前記ボタンがそれぞれ結合されて備えられることが好ましい。
【0011】
前記段差領域が前記ディスプレイユニットから離隔する方向を第1方向(D1)としたときに、前記段差領域は、前記ディスプレイユニットから延びる第1段差領域と、前記第1段差領域から前記第1方向(D1)に延びる第2段差領域と、前記第2段差領域から前記第1方向(D1)に延びる第3段差領域と、を含み、前記ボタンは、前記第1段差領域の上面に備えられる第1ボタンと、前記第2段差領域の上面に備えられる第2ボタンと、前記第3段差領域の上面に備えられる第3ボタンと、を含み得る。
【0012】
前記第1段差領域乃至第3段差領域の上面はそれぞれ、前記第1方向(D1)に下り傾斜するように形成されることが好ましい。
【0013】
前記第1段差領域乃至第3段差領域の上面はそれぞれ、前記ボディ部が前記ディスプレイユニットに向かう方向である第2方向(D2)に下り傾斜するように形成されることが好ましい。
【0014】
前記第3段差領域の上面が、前記第2段差領域の上面に比べて前記第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度が大きく備えられ、前記第2段差領域の上面が、前記第1段差領域の上面に比べて前記第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度が大きく備えられ得る。
【0015】
前記第1ボタンは、前記第1段差領域の上面に対して垂直な方向に移動可能に備えられ得る。
【0016】
前記第2ボタンは、回転可能なスクロールホイールボタンであり得る。
【0017】
前記第3ボタンは、回転軸を中心に回転可能なヒンジ(hinge)構造を有し得る。
【0018】
前記ボディ部は、ボディ本体と、前記ボディ本体の周面に備えられており、前記ボディ本体の長さ方向及び周方向に沿って延びる螺旋状を有する第1突出部と、を含み得る。
【0019】
前記ボディ部は、前記第2方向(D2)の反対方向に前記ボディ本体の端部領域に備えられており、前記ボディ本体の周方向に沿って備えられる第2突出部をさらに含み得る。
【0020】
前記第2方向(D2)の反対方向に前記ボディ本体の端部領域には、前記第2方向(D2)に沿って複数の溝が備えられており、前記第2突出部は、前記複数の溝を介して前記ボディ本体に着脱可能に備えられ得る。
【0021】
前記ボディ部は、前記第2方向(D2)に前記ボディ本体の端部領域に備えられており、前記ボディ本体の周方向に沿って備えられる第3突出部をさらに含み得る。
【0022】
前記第2段差領域は、前記第1段差領域から下方に段差状に備えられ、前記第3段差領域は、前記第1段差領域から下方に段差状に備えられ得る。
【0023】
上記目的を達成するためになされた本発明の一形態による杖(クラッチ)は、人を支持するための杖(クラッチ)であって、コントローラと、前記コントローラが固定される杖(クラッチ)本体と、を含み、前記コントローラは、画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、前記ヘッド部の一側に結合されるボディ部と、を含み、ディスプレイユニットは、前記ヘッド部と結合される突出領域を含み、前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、前記凹部は複数個が備えられ、前記凸部は単数個が備えられることを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による着用可能なロボットは、コントローラ、及び前記コントローラが固定される杖(クラッチ)本体を含む杖(クラッチ)と、前記コントローラの操作により駆動され、人に着用可能に備えられるエクソスケルトンと、を含むロボットであって、前記杖は、コントローラと、前記コントローラが固定される前記杖本体と、を含み、前記コントローラは、画面を表示するディスプレイユニット、及び操作可能なボタンを備えるボタンユニットを含むヘッド部と、前記ヘッド部の一側に結合されるボディ部と、を含み、ディスプレイユニットは、前記ヘッド部と結合される突出領域を含み、前記ボディ部は、前記突出領域が挿入される湾入領域を含み、前記突出領域の周方向の外側面には凸部が備えられ、前記湾入領域の周方向の内側面には、前記凸部に対応する形状を有する凹部が備えられており、前記凹部は複数個が備えられ、前記凸部は単数個が備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザに応じて多様な形態で固定可能な構造を有するコントローラを提供することで、ユーザのグリップ感を向上させるとともに、コントローラの誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるコントローラを示す第1斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるコントローラを示す第2斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるコントローラを示す第1側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるコントローラを示す第2側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるコントローラのヘッド部を分離して示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるコントローラのボディ部を分離して示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるコントローラにおいて第2突出部を除去した様子を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるコントローラの第2突出部を分離して示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるロボットを人が着用した姿の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態によるコントローラ、クラッチ、及び着用可能なロボットについて説明する。
【0028】
コントローラ
図1は、本発明の一実施形態によるコントローラを示す第1斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態によるコントローラを示す第2斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態によるコントローラを示す第1側面図であり、
図4は、本発明の一実施形態によるコントローラを示す第2側面図である。
【0029】
図1~
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるコントローラ10は、画面を表示する液晶を含むディスプレイユニット110、及び操作可能なボタン124を備えるボタンユニット120を含むヘッド部100と、ヘッド部100の一側に結合されたボディ部200と、を含む。ヘッド部100とボディ部200は別に設けられる構成であり、結合により互いに固定される。後述のように、ヘッド部100とボディ部200の結合可能な場合の数は複数であるため、本発明によれば、ユーザの体型などを考慮して、ユーザに最適化された状態でヘッド部100とボディ部200が互いに結合される。
【0030】
ディスプレイユニット110は、ディスプレイユニット110の本体を構成し、画面を表示する液晶が備えられたディスプレイ本体112を含む。
【0031】
一方、ボタンユニット120は、ディスプレイユニット110の一側面から突出した状態で備えられる複数の段差領域122を含み、複数の段差領域122の上面にボタンがそれぞれ結合されて備えられる。
【0032】
より詳細には、段差領域122がディスプレイユニット110から離隔する水平方向を第1方向(D1)とし、ボディ部200がディスプレイユニット110に向かう方向を第2方向(D2)としたときに、段差領域122は、ディスプレイユニット110から延びる第1段差領域122aと、第1段差領域122aから第1方向(D1)に延びる第2段差領域122bと、第2段差領域122bから第1方向(D1)に延びる第3段差領域122cと、を含む。
【0033】
一方、本発明によれば、ボタン124は、第1段差領域122aの上面に備えられる第1ボタン124aと、第2段差領域122bの上面に備えられる第2ボタン124bと、第3段差領域122cの上面に備えられる第3ボタン124cと、を含む。
【0034】
また、第2段差領域122bは、第1段差領域122aから下方に段差状に備えられ、第3段差領域122cは、第2段差領域122bから下方に段差状に備えられる。また、第1段差領域~第3段差領域(122a、122b、122c)の上面はそれぞれ、第1方向(D1)に下り傾斜するように形成され、かつ第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される。したがって、本発明によれば、ユーザがボディ部200によりコントローラ10を把持した時に、親指を用いて第1ボタン~第3ボタン(124a、124b、124c)の操作を容易に行うことができる。
【0035】
より好ましくは、第3段差領域122cの上面は、第2段差領域122bの上面に比べて第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度(すなわち、傾斜度)が大きく備えられ、第2段差領域122bの上面は、第1段差領域122aの上面に比べて第2方向(D2)に下り傾斜するように形成される程度(すなわち、傾斜度)が大きく備えられる。この場合、ユーザがボディ部200によりコントローラ10を把持した時に、ボタン124の操作容易性が極大化される。
【0036】
一例として、第2方向(D2)に対して、第1段差領域122aの上面は上下方向に約0度傾いており(すなわち、第2方向に平行であり)、第2段差領域122bの上面は上下方向に約8度傾いており、第3段差領域122cの上面は上下方向に約15.5度傾いている。
【0037】
また、一例として、第2方向(D2)の反対方向へのボディ部200の端部の中心と第1ボタン124aの中心とを連結した仮想の線と、第2方向(D2)に平行な他の仮想の線とが成す角度は約2度であり、第2方向(D2)の反対方向へのボディ部200の端部の中心と第2ボタン124bの中心とを連結した仮想の線と、第2方向(D2)に平行な他の仮想の線とが成す角度は約16.5度であり、第2方向(D2)の反対方向へのボディ部200の端部の中心と第3ボタン124cの中心とを連結した仮想の線と、第3方向(D2)に平行な他の仮想の線と、が成す角度は約32度である。
【0038】
上述の数値範囲についての内容は単純に選択されたものではなく、ユーザがボディ部200によりコントローラ10を把持した時におけるグリップ感及びボタン124の操作の容易性を著しく向上させるためのものである。
【0039】
一方、本発明によれば、第1ボタン~第3ボタン(124a、124b、124c)は、それぞれ互いに異なる種類のボタンである。例えば、第1ボタン124aは、第1段差領域122aの上面に対して垂直方向に移動可能に備えられ、第2ボタン124bは、回転可能なスクロールホイールボタンであり、第3ボタン124cは、回転軸を中心に回転可能なヒンジ(hinge)構造を有する。しかし、第1~第3ボタンの種類は上述の内容に限定されず、種々のボタンで備えられてもよい。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態によるコントローラのヘッド部を分離して示す斜視図であり、
図6は、本発明の一実施形態によるコントローラのボディ部を分離して示す斜視図である。
【0041】
図5及び
図6を参照すると、ディスプレイユニット110は、ディスプレイ本体112からボディ部200に向かって突出し、ボディ部200に結合される突出領域112aを含む。また、ボディ部200は、ボディ部200の本体を構成して、第2方向(D2、
図3及び
図4などを参照)に沿って延びるボディ本体210と、ボディ本体210に備えられて、突出領域112aが挿入される湾入領域210aと、を含む。
【0042】
引き続き、
図5及び
図6を参照すると、突出領域112aの周方向の外側面には凸部112bが備えられ、湾入領域210aの周方向の内側面には、凸部112bに対応する形状を有する凹部210bが備えられる。この際、本発明によれば、凸部112bと凹部210bのうちの1つは複数個が備えられる。
【0043】
本発明によれば、凸部112bと凹部210bのうちの1つが複数個備えられるため、ヘッド部100とボディ部200の結合時に、ヘッド部100とボディ部200との間の相対的な回転角度を調節することができる。したがって、ユーザの体型や手の形状などを考慮して、ヘッド部100とボディ部200の結合の最適化を図ることができる。
図5及び
図6には、一例として、凹部210bが複数個備えられ、凸部112bは単数個備えられた形態が示されている。この場合、凸部112bが複数の凹部210bのうちの何れか1つと選択的に結合されることで、ヘッド部100とボディ部200との間の相対的な回転角度を調節することができる。しかし、これと異なって、本発明の他の例によれば、凸部112bが複数個備えられ、凹部210bが単数個備えられてもよい。
【0044】
引き続き、
図5を参照すると、ディスプレイユニット110は、ディスプレイ本体112に備えられた突出領域112aの周方向の外側面に備えられ、かつ凸部112bよりもボディ部200に向かって隣接して備えられたボールプランジャー114をさらに含む。突出領域112aにボールプランジャーがさらに備えられ、本発明によれば、ヘッド部100とボディ部200との結合がより強固になる。
【0045】
一方、
図1~
図6を参照すると、ボディ部200は複数の突出部を含む。より詳細には、ボディ部200は、ボディ本体210の周面に備えられており、ボディ本体210の長さ方向及び周方向に沿って延びる螺旋状を有する第1突出部220を含む。第1突出部220は、ユーザが本発明によるコントローラ10のボディ部200を把持した時に、ユーザの親指を支持し、後述の本発明によるクラッチのクラッチ本体に人の体重を効果的に伝達するための構成である。したがって、第1突出部220は、ユーザがボディ部200を把持した時の親指の形状に対応する形状を有する。
【0046】
また、ボディ部200は、第2方向(D2)の反対方向に、ボディ本体210の長さ方向の端部領域に備えられ、ボディ本体210の周方向に沿って備えられた第2突出部230をさらに含み、第2方向(D2)にボディ本体210の長さ方向の端部領域に備えられ、ボディ本体210の周方向に沿って備えられた第3突出部240をさらに含む。第2突出部230及び第3突出部240は、ユーザがコントローラ10のボディ部200を把持した時に、ボディ部200がユーザの手から滑ることを防止するための構成である。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態によるコントローラにおいて第2突出部を除去した様子を示す斜視図であり、
図8は、本発明の一実施形態によるコントローラの第2突出部を分離して示す斜視図である。
【0048】
図7及び
図8を参照すると、第2突出部230は、ボディ本体210から着脱可能に備えられる。より詳細には、第2方向(D2)の反対方向にボディ本体210の端部領域には、第2方向(D2)に沿って複数の溝210cが備えられる。第2突出部230は、複数の溝210cを介してボディ本体210に着脱可能に備えられる。より詳細には、第2突出部230には、突出した形状の結合部材230aが備えられ、複数の溝210cのうちの一部と結合部材230aとの結合により、第2突出部230がボディ本体210に固定される。
【0049】
本発明によれば、ボディ本体210に複数の溝210cが備えられるため、結合部材230aが複数の溝210cのうちの一部に選択的に挿入される。この場合、ユーザの手の体型及び大きさなどに応じて、ユーザに最適化されたグリップ感を提供する。
【0050】
杖(クラッチ)
図9は、本発明の一実施形態によるロボットを人が着用した姿の一例を示す図である。
【0051】
図1~
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるクラッチ20は人を支持するための構成である。この際、クラッチ20は、上述のコントローラ10と、クラッチ20の本体を構成し、コントローラ10が固定されるクラッチ本体30と、を含む。
【0052】
また、コントローラ10は、画面を表示するディスプレイユニット110、及び操作可能なボタン124を備えるボタンユニット120を含むヘッド部100と、ヘッド部100の一側に結合されるボディ部200と、を含む。
【0053】
また、ディスプレイユニット110は、ヘッド部100に結合される突出領域112aを含み、ボディ部200は、突出領域112aが挿入される湾入領域210aを含む。
【0054】
この際、突出領域112aの周方向の外側面には凸部112bが備えられ、湾入領域210aの周方向の内側面には、凸部112bに対応する形状を有する凹部210bが備えられる。また、凸部112bと凹部210bのうちの1つは、複数個が備えられる。
【0055】
本発明の一実施形態によるコントローラ10についての上述の内容は、本発明の一実施形態によるクラッチ20にもそのまま適用可能である。
【0056】
着用可能なロボット
図1~
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるロボットは、人が着用可能な(wearable)ロボットである。
【0057】
本発明の一実施形態によるロボットは、コントローラ10、及びコントローラ10が固定されるクラッチ本体30を含むクラッチ20を備え、コントローラ10の操作により駆動され、人に着用可能に備えられるエクソスケルトン40を含む。例えば、
図9に示すように、エクソスケルトン40は人の下半身に着用可能に備えられる。
【0058】
コントローラ10に備えられた第1ボタン124aは、エクソスケルトン40の動作機能を制御するためのボタンであり、第2ボタン124bは、ディスプレイユニット110の画面などを切り替えるためのボタンであり、第3ボタン124cは、エクソスケルトン40の動作を停止するためのボタンである。しかし、各ボタンの機能は上述の内容により限定されない。
【0059】
また、本発明の一実施形態によるコントローラ10及びクラッチ20についての上述の内容は、本発明の一実施形態によるロボットにもそのまま適用可能である。
【0060】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と技術範囲に均等な範囲内で多様に実施実施することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 コントローラ
20 クラッチ
30 クラッチ本体
40 エクソスケルトン
100 ヘッド部
110 ディスプレイユニット
112 ディスプレイ本体
112a 突出領域
112b 凸部
114 ボールプランジャー
120 ボタンユニット
122 段差領域
122a 第1段差領域
122b 第2段差領域
122c 第3段差領域
124 ボタン
124a 第1ボタン
124b 第2ボタン
124c 第3ボタン
200 ボディ部
210 ボディ本体
210a 湾入領域
210b 凹部
210c 溝
220 第1突出部
230 第2突出部
230a 結合部材
240 第3突出部
D1 第1方向
D2 第2方向