(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ミネラルウールウェブを水平方向に断割する方法および装置
(51)【国際特許分類】
D06H 7/04 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
D06H7/04
(21)【出願番号】P 2022502560
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020069942
(87)【国際公開番号】W WO2021009198
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-06
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】500336306
【氏名又は名称】ロックウール アクティーゼルスカブ
【住所又は居所原語表記】Hovedgaden 584, 2640 Hedehusene, DENMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アフメチャノフ, ダミル アザトビッチ
(72)【発明者】
【氏名】シャキロフ, アルバート リフォビッチ
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05981024(US,A)
【文献】国際公開第97/001006(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0264465(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00336912(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H1/00-18/04
D06B1/00-23/30
D06C3/00-29/00
D06G1/00-5/00
D06H1/00-7/24
D06J1/00-1/12
B65H35/02
B26D3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割する方法であって、
前記方法は、
硬化させられたミネラルウールウェブをコンベア上に提供するステップであって、
前記コンベアは、進行の第一の方向を有する、ステップと、
前記硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割するステップと、
その後、
前記コンベアのある区間を持ち上げることによって部分ウェブを持ち上げるステップと、
前記持ち上げられた部分ウェブを水平方向に切断するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記部分ウェブの
それぞれを個々に持ち上げること
は、前記進行の下流方向において続けて
実行され、これにより、前記部分ウェブの
それぞれの前記持ち上げられた区間は、進行の前記コンベア
の方向上の
複数の異なる位置に生じ、
これにより、前記部分ウェブの水平方向の切断は、別個に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記持ち上げられた部分ウェブに対する水平方向の切断
は、前記少なくとも2つの部分ウェブ
のそれぞれに対して
同時に実行される、請求項
1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水平方向の切断は、水平方向の下部活動的切断経路
と上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸によって
実行され、前記活動的切断経路および
前記上部帰還経路
の両方は、進行の前記第一の方向に実質的に垂直である、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化させられたミネラルウールウェブは、2つの部分ウェブに分割される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記硬化させられたミネラルウールウェブは、2つの部分ウェブに分割され、前記帯鋸は、反対方向に進み、好ましくは
、前記帯鋸の
それぞれの前記活動的
切断経路は、前記硬化させられたミネラルウールウェブの外側縁に向かって進む、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割するための装置であって、
前記装置は、進行の第一の方向を有するコンベア
を備え、前記コンベアは、硬化させられたミネラルウールウェブを受け取り、
前記硬化させられたミネラルウールウェブを
前記第一の方向に前進させるように適合され
ており、
少なくとも1つの分割デバイス
が設けられ
ており、前記少なくとも1つの分割デバイスは、
前記硬化させられたミネラルウールウェブが前進させられ、
かつ、前記少なくとも1つの分割デバイスを通過させられると、
前記硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割し、
少なくとも1つの持ち上げ機構
が前記分割デバイスの下流に設けられ
ており、前記コンベアのある区間
が部分ウェブを持ち上げるように適合され
ており、少なくとも1つの水平方向切断デバイス
は、前記部分ウェブが
前記コンベア区間において持ち上げられている間、
前記部分ウェブを水平方向に切断するために設けられている、装置。
【請求項8】
持ち上げ機構
は、前記進行
の下流方向
において、前記部分ウェブの
それぞれに
続けて設けられ
ており、これにより、前記部分ウェブの
それぞれの前記持ち上げられた区間は、進行の前記コンベア
の方向上の
複数の異なる位置に生じ、
これにより、前記部分ウェブの前記水平方向の切断は、別個に行われる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コンベアは、ローラーコンベアである、請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ローラーコンベアは、各部分ウェブに対応するローラーの部分ラインを設けられ、前記関連付けられた持ち上げ機構は、ある区間において部分ウェブを持ち上げることが可能であるように適合されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記水平方向切断デバイスは、各持ち上げ区間の上方に設けられ
ており、各持ち上げ区間は
、個々の持ち上げ区間において持ち上げられている間、前記部分ウェブの
それぞれを水平方向に切断するように適合されている、請求項7~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの水平方向切断デバイスは、水平方向の下部活動的切断経路
と上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸を備え、
前記活動的切断経路および
前記上部帰還経路
の両方は、進行の前記第一の方向に実質的に垂直である、請求項7~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記硬化させられたミネラルウールウェブを2つの部分ウェブに長手方向に分割するための1つの分割デバイス
が設けられている、請求項7~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記硬化させられたミネラルウールウェブを2つの部分ウェブに長手方向に分割するための1つの分割デバイスが設けられており、前記帯鋸は、反対方向に進むように配置されており、好ましくは
、前記帯鋸の
それぞれの前記活動的
切断経路は、
前記硬化させられたミネラルウールウェブの外側縁に向かって進む、請求項
12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進行の第一の方向を有するコンベアを備えた、ミネラルウールウェブを水平方向に断割する方法および装置に関連し、コンベアは、硬化させられたミネラルウールウェブを受け取り、それを当該第一の方向に前進させるように適合されている。
【背景技術】
【0002】
(背景)
そのような種類の方法および装置は、第EP-A-0336912号から知られている。硬化させられたミネラルウールウェブがコンベア上で前進させられている間、ウェブを上層と下層とに水平方向に断割することが、この開示から知られている。断割後、真空掃除機が、上層と下層との間に導入され、その後、水平方向の切断行為によって生み出された屑が、除去される。
【0003】
硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割するための別の装置が、第US2007/0264465A1号から知られている。この開示に従うと、前進しているミネラルウール繊維ウェブは、水平方向に切断され、その後、ウェブは、この水平方向の切断から下流において、並んで整頓された2つのウェブに分離され、その後、さらなる処理に回される。
【0004】
現在の高容量生産ラインでは、水平方向の切断は、2メートルまたはそれより大きな幅を伴うウェブに対して、典型的に、生産幅全体に及ぶ帯鋸を使用することによって実施されることが多い。しかしながら、硬化させられたミネラルウールウェブが水平方向に切断されるとき、切断行為は、屑を生み出す。2メートルを超える幅などの大きな幅を伴うとき、帯鋸は、上層と下層との分割面上に比較的大きな量の屑を残す。いくつかの製品に関して、これは、許容できるものではなく、面は、ミネラルウールウェブが梱包される前に掃除されなければならない。上述のように、この問題は、第EP-A-0336912号において対処されている。しかしながら、そのような掃除は、時間消費的であり、かつ余計なコストを生産に追加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
問題は、長い水平方向の切断中に作り出された全ての屑を帯鋸が除去し得ないことである。従って、大きな幅を伴う硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に切断する単純かつ費用効率的な方法および装置を提供することが、本発明の目的である。
【0006】
この目的は、ミネラルウールウェブを水平方向に断割する方法によって達成され、方法は、硬化させられたミネラルウールウェブをコンベア上に提供するステップであって、コンベアは、進行の第一の方向を有する、ステップと、硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割するステップと、その後、コンベアのある区間を持ち上げることによって部分ウェブを持ち上げるステップと、(持ち上げられている間、)持ち上げられた部分ウェブを水平方向に切断するステップとを含む。
【0007】
本発明は、硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割するための装置にさらに関連し、装置は、進行の第一の方向を有するコンベアであって、硬化させられたミネラルウールウェブを受け取り、それを第一の方向に前進させるように適合されたコンベアを備え、少なくとも1つの分割デバイスが、設けられ、少なくとも1つの分割デバイスは、硬化させられたミネラルウールウェブが前進させられ、少なくとも1つの分割デバイスを通過させられると、硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割し、少なくとも1つの持ち上げ機構が、分割デバイスの下流(例えば、分割デバイスから進行の下流方向)に設けられ、それによって、コンベアのある区間は、部分ウェブを持ち上げるように適合され、少なくとも1つの水平方向切断デバイスが、設けられ、部分ウェブがコンベア区間において持ち上げられている間、部分ウェブを水平方向に切断する。一実施形態では、硬化させられたミネラルウールウェブを2つの部分ウェブに水平方向に分割するための厳密に1つの分割デバイス(すなわち、唯一の分割デバイス)が、設けられている。
【0008】
硬化させられたミネラルウールウェブを2つまたはそれより多くの隣接する部分ウェブに分割し、その後、それらの部分ウェブの各々を水平方向に切断することによって、帯鋸が大きな幅の端から端までを切断することを行わないことと、その後、水平方向の切断中に作り出された屑を帯鋸が除去することが可能であることとが、本発明によって有利に見出される。従って、各帯鋸は、除去され得るより多くの鋸屑を生み出さず、分割面に実質的に鋸屑がないことが、示されている。それによって、残留する鋸屑は、分割面上から遠ざけられ、ミネラルウール製品の梱包またはさらなる処理の前の時間消費的であり、コスト的に余計である掃除動作が、回避され得る。
【0009】
実際には、帯鋸は、生産ラインの上方に配置されており、それによって、硬化させられたミネラルウールウェブが水平方向に分割されるべきでない場合、硬化させられたミネラルウールウェブは、帯鋸の真下を通過するだけである。しかしながら、硬化させられたミネラルウールウェブが水平方向に分割されなければならないとき、各長手方向の部分ウェブの真下のローラーまたはコンベアは、上に向かって持ち上げられ、それによって、各部分ウェブは、他の部分ウェブがない状態で別個の帯鋸に関与する。
【0010】
従って、部分ウェブの各々の個々の持ち上げは、進行の下流方向において続けて実施され、それによって、部分ウェブの各々の持ち上げられた区間は、進行のコンベア方向上の異なる位置に生じ、それによって、部分ウェブの水平方向の切断は、別個に行われる。
【0011】
本発明の好まれる実施形態では、水平方向の切断は、水平方向の下部活動的切断経路と、上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸によって実施され、当該活動的切断経路および当該上部帰還経路は、両方とも進行の第一の方向に実質的に垂直である。
【0012】
同時切断が少なくとも2つの部分ウェブに対して実施され得ることが、本発明によって認識される。部分ウェブの数は、当然、硬化させられたミネラルウールウェブの幅に対する生産された最終ミネラルウール製品の幅に依存し、従って、最も簡単な実施形態では、硬化させられたミネラルウールウェブは、2つの部分ウェブに分割される。
【0013】
好まれる実施形態では、帯鋸は、反対方向に進み、好ましくは、それによって、帯鋸の各々の活動的経路は、硬化させられたミネラルウールウェブの外側縁に向かって進む。それによって、帯鋸は、生産ラインの外側面に鋸屑を除去し、屑は、容易に除去可能であり、鋸屑が隣接する部分ウェブ上に堆積することが、回避される。
【0014】
本発明の有利な実施形態では、ミネラルウールウェブを水平方向に断割するための装置が、設けられ、持ち上げ機構が、進行の下流方向に続いて、部分ウェブの各々に設けられ、それによって、部分ウェブの各々の持ち上げられた区間は、進行のコンベア方向上の異なる位置に生じ、それによって、部分ウェブの水平方向の切断は、別個に行われる。
【0015】
好ましくは、コンベアは、ローラーコンベアである。ローラーコンベアは、好ましくは、各部分ウェブに対応するローラーの部分ラインを設けられ、関連付けられた持ち上げ機構は、ある区間において部分ウェブを持ち上げることが可能であるように適合されている。ローラーの各部分ラインのローラーは、独立に高さ調整可能であり、それによって、部分ウェブは、それらの上を運搬され、その特定の部分ウェブラインに関する指定された帯鋸に向かって個々に持ち上げられ得る。
【0016】
好まれる実施形態では、水平方向切断デバイスは、各持ち上げ区間の上方に設けられ、各持ち上げ区間は、個々の持ち上げ区間において持ち上げられている間、部分ウェブの各々を水平方向に切断するように適合されている。帯鋸が設けられ、それによって、部分ウェブが持ち上げられていない場合、部分ウェブは帯鋸の真下を通過し、部分ウェブが持ち上げられたときのみ、部分ウェブは帯鋸の下部活動的切断経路によって関与されるので、これは、有利である。従って、水平方向切断デバイスは、水平方向の下部活動的切断経路と、上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸を備え、当該活動的切断経路および当該上部帰還経路は、両方とも進行の第一の方向に実質的に垂直である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割する方法であって、該方法は、
硬化させられたミネラルウールウェブをコンベア上に提供するステップであって、該コンベアは、進行の第一の方向を有する、ステップと、
該硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割するステップと、
その後、該コンベアのある区間を持ち上げることによって部分ウェブを持ち上げるステップと、
該持ち上げられた部分ウェブを水平方向に切断するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記部分ウェブの各々を個々に持ち上げることが、前記進行の下流方向において続けて実施され、それによって、該部分ウェブの各々の前記持ち上げられた区間は、進行の前記コンベア方向上の異なる位置に生じ、それによって、該部分ウェブの水平方向の切断は、別個に行われる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記水平方向の切断は、水平方向の下部活動的切断経路と、上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸によって実施され、該活動的切断経路および該上部帰還経路は、両方とも進行の前記第一の方向に実質的に垂直である、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
同時切断が、前記少なくとも2つの部分ウェブに対して実施される、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記硬化させられたミネラルウールウェブは、2つの部分ウェブに分割される、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記帯鋸は、反対方向に進み、好ましくは、それによって、該帯鋸の各々の前記活動的経路は、前記硬化させられたミネラルウールウェブの外側縁に向かって進む、項目5に記載の方法。
(項目7)
硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に断割するための装置であって、
該装置は、進行の第一の方向を有するコンベアであって、硬化させられたミネラルウールウェブを受け取り、該硬化させられたミネラルウールウェブを該第一の方向に前進させるように適合されたコンベアを備え、
少なくとも1つの分割デバイスが、設けられ、該少なくとも1つの分割デバイスは、該硬化させられたミネラルウールウェブが前進させられ、該少なくとも1つの分割デバイスを通過させられると、該硬化させられたミネラルウールウェブを少なくとも2つの部分ウェブに長手方向に分割し、
少なくとも1つの持ち上げ機構が、該分割デバイスの下流に設けられ、それによって、該コンベアのある区間は、部分ウェブを持ち上げるように適合され、少なくとも1つの水平方向切断デバイスが、該部分ウェブが該コンベア区間において持ち上げられている間、該部分ウェブを水平方向に切断するために設けられている、装置。
(項目8)
持ち上げ機構が、前記進行の前記下流方向に続いて、前記部分ウェブの各々に設けられ、それによって、該部分ウェブの各々の前記持ち上げられた区間は、進行の前記コンベア方向上の異なる位置に生じ、それによって、該部分ウェブの前記水平方向の切断は、別個に行われる、項目7に記載の装置。
(項目9)
前記コンベアは、ローラーコンベアである、項目7または項目8に記載の装置。
(項目10)
前記ローラーコンベアは、各部分ウェブに対応するローラーの部分ラインを設けられ、前記関連付けられた持ち上げ機構は、ある区間において部分ウェブを持ち上げることが可能であるように適合されている、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記水平方向切断デバイスは、各持ち上げ区間の上方に設けられ、該各持ち上げ区間は、該個々の持ち上げ区間において持ち上げられている間、前記部分ウェブの各々を水平方向に切断するように適合されている、項目7~10のいずれか一項に記載の装置。
(項目12)
前記少なくとも1つの水平方向切断デバイスは、水平方向の下部活動的切断経路と、上部帰還経路とを伴う無端鋸帯を有する帯鋸を備え、該活動的切断経路および該上部帰還経路は、両方とも進行の前記第一の方向に実質的に垂直である、項目7~11のいずれか一項に記載の装置。
(項目13)
前記硬化させられたミネラルウールウェブを2つの部分ウェブに長手方向に分割するための1つの分割デバイスが、設けられている、項目7~12のいずれか一項に記載の装置。
(項目14)
前記帯鋸は、反対方向に進むように配置されており、好ましくは、それによって、該帯鋸の各々の前記活動的経路は、前記初期ウェブの外側縁に向かって進む、項目13に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0017】
(図面の説明)
以下、本発明が、付属の図面の参照を伴って詳細に記載される。
【0018】
【
図1】
図1は、ミネラル繊維からの断熱材の硬化させられたミネラルウールウェブの生産の概略的図示である。
【0019】
【
図2】
図2は、本発明に従ったミネラルウールウェブの鉛直方向の分割および水平方向の断割の方法を実施する切断ステーションの概略的図示である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(詳細な説明)
図1は、ミネラル繊維(特に石繊維)を備えた断熱材の硬化させられたウェブの生産のための生産ラインの例を概略的に示している。生産ラインは、炉1を備え、石などのミネラル材料が、炉1の中で溶融させられ、ミネラル溶融物を形成する。示された例では、ミネラル溶融物は、溶融物出口2を介して、4つの高速回転するスピニングホイール4を有するカスケードスピナー3に供給される。
【0021】
溶融物は、スピニングホイール4の外面上に供給され、強いガス流が、軸方向におけるスピニングホイールの面を横切るように通過させられ、それによって、繊維5の形成を引き起こし、繊維5は、3つのローラー7によって支持された無端穴あきコレクターベルト6上に収集され、3つのローラー7のうちの1つが、駆動手段(示されていない)によって駆動されている。繊維5がコレクターベルト6に到達する前に、硬化されていないバインダーが、繊維5に対して噴霧される。その結果として、一次繊維ウェブ8が、形成され、このウェブは、さらなる無端コンベアベルトの手段によって2つの振り子ベルト10、11間の空間内に導入される。
【0022】
振り子10、11の下端は、2つのローラー13によって支持されたさらなる無端コンベアベルト12の運動の方向に垂直な方向に回動するように位置付けられており、2つのローラー13のうちの1つが、駆動手段(示されていない)によって駆動されている。
【0023】
振り子ベルト10、11の下部の揺れの振幅は、コンベアベルト12の幅に対応し、従って、部分的に重なった繊維層8の二重繊維ウェブ14が、ベルト12上に形成される。この繊維ウェブ14は、二次繊維ウェブと呼ばれる。
【0024】
続いて、二次繊維ウェブ14は、三組の協調ローラー15、16および17からなる高さ圧縮区間に導入され、ローラーの組におけるローラー間の間隔は、繊維ウェブの長手方向に減少している。続いて、二次繊維ウェブ14は、同様に3つのローラーの組18、19および20からなる長手方向圧縮区間に導入され、ローラーの後者の組のローラーは、同じ速度で回転しており、その速度は、ローラーの組15、16および17の速度より低い。高さおよび長さ圧縮のために、コンベアベルトが、ローラーの代わりに適用され得る。
【0025】
その後、まだ硬化させられていない二次繊維ウェブは、硬化炉21の中に導入され、二次繊維ウェブは、硬化炉21の中で、バインダーを硬化させ、かつ繊維を互いに相対的に固定するために十分に高い温度まで加熱される。その結果は、所望の密度および厚さを伴う硬化させられたミネラルウールウェブ14’であり、その後、ミネラルウールウェブ14’は、所望の製品に切断される。
【0026】
硬化させられたミネラル繊維ウェブは、他の生産方法(例えば、小さなオリフィスが設けられたスピニングカップを使用し、いわゆる内部遠心分離によってガラス溶融物の紡糸を行う方法。溶融物は、オリフィスを通して繊維を形成する)の結果でもあり得ることに言及されるべきである。一次ウェブが所望の厚さおよび密度を既に有する場合、振り子による相互重ね合わせプロセスは、省略され得る。
【0027】
本発明は、硬化させられたミネラルウールウェブを水平方向に分割することによって製造される比較的薄い製品に関する。そのような水平方向の切断のための切断ステーションが、
図2に示されている。
【0028】
切断行為との関連において、硬化させられたミネラルウールウェブ14’は、コンベア23上を運搬される。コンベア23は、ローラー23a、23bの2つの隣接するラインを備え、ローラー23a、23bは、硬化させられたミネラルウールウェブ14’を鉛直方向カッター22によって鉛直方向に断割することによって生産された2つの部分ウェブ25a、25bを支持し、それらを移送するように構成されている。
【0029】
部分ウェブ25a、25bは、鉛直方向カッター22の断割行為の下流において、コンベアローラー23a、23bの隣接するライン上を運搬され、鉛直方向カッター22の下流の異なる位置に設けられた、コンベアローラー23a、23bのラインの各々上の持ち上げ区間26a、26bによって持ち上げられる。部分ウェブ25a、25bの各々の水平方向の切断を実施するように適合された関連付けられた帯鋸24a、24bが、持ち上げ区間26a、26bの上方に設けられている。
【0030】
水平方向の切断を実施する帯鋸24a、24bは、各々、水平方向の下部活動的切断経路と、上部帰還経路とを伴う無端鋸帯(
図2中の帯鋸の実際の示された構成要素である)を備え、当該活動的切断経路および当該上部帰還経路は、両方とも進行の第一の方向に実質的に垂直である。
【0031】
帯鋸24a、24bに隣接する矢印によって示されているように、2つの帯鋸24a、24bは、反対方向に進み、それによって、帯鋸24a、24bの各々の活動的経路は、硬化させられたミネラルウールウェブ14’の外側縁に向かって進む。それによって、帯鋸24a、24bは、生産ラインの外側面に鋸屑を除去し、それによって、屑は、容易に収集可能かつ除去可能であり、硬化させられたミネラルウールウェブ14’の長手方向の鉛直方向の断割に鋸屑が堆積させられることと、従って、隣接する部分ウェブ25a、25b上に鋸屑が終着することとが、回避される。
【0032】
持ち上げ機構は、進行の下流方向に続いて、部分ウェブ25a、25bの各々に設けられ、それによって、部分ウェブ25a、25bの各々の持ち上げられた区間26a、26bは、進行のコンベア方向上の異なる位置に生じ、部分ウェブ25a、25bの水平方向の切断が別個に行われることを確実にする。
【0033】
上述のように、ローラーコンベア23は、好ましくは、各部分ウェブ25a、25bに対応するローラーの部分ライン23a、23bを設けられ、関連付けられた持ち上げ機構26a、26bは、ある区間において部分ウェブ25a、25bを持ち上げるように適合されている。ローラーの各部分ライン23a、23bのローラーは、独立に高さ調整可能であり、それによって、部分ウェブ25a、25bは、それらの上を運搬され、その特定の部分ウェブラインに関する指定された帯鋸24a、24bに向かって個々に持ち上げられ得る。帯鋸24a、24bが、設けられ、それによって、部分ウェブ25a、25bは、部分ウェブ23a、23bが持ち上げられていない場合、帯鋸24a、24bの真下を通過し、部分ウェブ25a、25bは、部分ウェブ25a、25bが持ち上げられたときのみ、帯鋸24a、24bの下部活動的切断経路によって関与される。
【0034】
代替の実施形態(示されていない)では、ローラーコンベア23は、各部分ウェブ25a、25bを支持するために、ローラーの別個の部分ライン23a、23bを設ける代わりに、生産ラインの幅全体に及ぶローラーを備えている。この実施形態では、持ち上げ機構26a、26bは、ローラーコンベア23のローラー間に配置された追加のローラーを備え、それらの追加のローラーは、ローラーコンベア23から上向きに各部分ウェブ25a、25bを個々に持ち上げるために高さ調整可能である。
【0035】
現代の高容量生産ラインでは、硬化させられたミネラルウールウェブの幅は、典型的に2メートル前後である。それは、1.8メートルほどの小ささであり得るが、2.4メートルほどの大きさであるか、またはそれより大きいことが多い。硬化させられたミネラルウールウェブの密度は、製品の最終用途に依存して、25~190kg/m3の範囲内であることが多い。水平方向に断割する前の硬化させられたミネラルウールウェブの厚さは、50~100mmであることが多く、水平方向に切断した後、25~50mmの厚さの製品を提供する。ライン速度は、(高密度製品に関して)2m/sほどの低さであり得るか、または(低密度製品に関して)18m/sほどの高さであり得る。帯鋸24a、24bの切断速度は、10~18m/sであり得るか、または10~25m/sでさえあり得る。切断速度は、ライン速度、硬化させられたミネラルミネラルウールウェブの密度、およびそれらと同様のものに従って調節され得る。
【0036】
上述のように、2つの帯鋸24a、24bは、反対方向に進む。帯鋸は、(それが適当である場合に)同じ切断速度で進み得、または異なる切断速度で進み得る。帯鋸は、何が最も適当かに依存して、同じタイプのものであり得、または異なるタイプのものであり得る。
【0037】
以上、いくつかの現在好まれる実施形態の参照を伴って、本発明が、記載されている。
図2に示されているように、各部分ウェブ25a、25bは、持ち上げ区間26a、26bにおいて、長手方向に距離をとって持ち上げられ得る。当然、最終製品の寸法に依存して、2つより多く(3つまたは4つなど)の長手方向の部分ウェブ25a、25bが、存在し得る。その場合、さらなる帯鋸24a、24bも、設けられなければならない。他の変形物も、付属の特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲から逸脱することなく提供され得る。