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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20250116BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20250116BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20250116BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20250116BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/53
A24F40/50
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022508574
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2020077723
(87)【国際公開番号】W WO2021064209
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】19201113.8
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイソン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リエル, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】プレヴニック, マルコ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/224132(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203446532(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108720083(CN,A)
【文献】特表2017-506890(JP,A)
【文献】特表2018-534909(JP,A)
【文献】特表2017-533732(JP,A)
【文献】実開昭60-063353(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0099877(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品を受け入れるように適合されたチャンバと、
前記チャンバを収容し及び前記消耗品を前記チャンバから取り出すことができる開口部を含むハウジングと、
前記ハウジングの前記開口部が露出される開位置と前記ハウジングの前記開口部が閉じられる閉位置との間で移動するように構成された、カバーと
を含む、エアロゾル生成装置であって、
前記エアロゾル生成装置が、前記消耗品から吸入可能な蒸気を生成するように適合され、
記カバーが前記閉位置から前記開位置に移動したときに、
前記チャンバと前記消耗品との取り付けが弱められ、
前記消耗品が前記カバーに取り付けられずに前記チャンバから部分的に吐出されるように、前記カバーが、前記消耗品を取り外すように適合された1つ又は複数の取り外し要素を含む、
エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記取り付けが、前記消耗品と前記チャンバとの摩擦、及び/又は前記消耗品がチャンバ内で加熱されたときに前記消耗品と前記チャンバとの間に形成される結合を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記開位置が、新たな消耗品を前記開口部に挿通できるように構成され、前記閉位置が、ユーザが前記エアロゾル生成装置を操作して前記吸入可能な蒸気を前記消耗品から生成及び吸入し得るように構成される、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数の取り外し要素が、2つ以上の取り外し要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記取り外し要素が前記消耗品のフランジ部と係合するように適合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記取り外し要素がスナップ嵌めコネクタである、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記1つ又は複数の取り外し要素が各々、前記カバーの運動方向に対して実質的に垂直に移動してスナップ嵌め接続を形成するように構成された係合部材を含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記係合部材が弾性部材である、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記カバーが、前記カバーが前記閉位置にあるときに弾性シールが前記消耗品の前記フランジ部に接触するように配置された前記弾性シールを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記エアロゾル生成装置が、前記カバーが前記ハウジングにいつ押し付けられたかを検出するように配置されたセンサを含み、前記弾性シールは、前記カバーを前記ハウジングから離れる方向に付勢するように配置される、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記カバーが前記ハウジングに押し付けられたことを前記センサが検出したときに前記吸入可能な蒸気の生成を開始するように前記エアロゾル生成装置を制御するように構成された制御回路を更に含む、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記カバーが前記開位置において前記ハウジングに取り付けられる、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記カバーがヒンジによって前記ハウジングに取り付けられる、請求項12に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記ヒンジが、前記カバーが前記開位置及び前記閉位置の各位置で安定するように構成されたり止め軸を含む、請求項13に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項15】
前記ヒンジがねじりばねを含み、及び前記カバー又は前記ハウジングに磁石が含まれ、
前記ねじりばねが、前記カバーを前記開位置に向けて付勢するように構成され、前記磁石が、前記カバーを前記閉位置に保持するように構成される、請求項13に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項16】
前記エアロゾル生成装置が長手方向に沿って細長く、及び前記ヒンジが前記長手方向に対して垂直な向きに配置される、請求項13~1のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項17】
前記カバーが、マウスピースと、前記吸入可能な蒸気が流れることができる流路とを含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記カバーが当接できる当接表面を含み、前記表面が前記開口部を含み、及び前記チャンバが、前記当接表面に対して前記ハウジング内に凹設される、請求項1~1のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項19】
前記取り外し要素が、前記カバーが前記閉位置にあるときに前記開口部を貫通して延びるように配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置、及びエアロゾル生成装置と消耗品とを含むエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこなどのエアロゾル生成装置は比較的よく知られており、近年、消費者に一層人気となっている。このような電子たばこについての共通の動作原理は、消耗品を燃焼させることなく加熱し、吸入のためのエアロゾル(蒸気とも呼ばれる)をユーザに提供することである。このような消耗品の例には、たばこ材料の装入物又は風味成分及びニコチンなどの有効成分を含む液体のカプセルが含まれる。
【0003】
エアロゾル生成装置は、ヒータと、ヒータに電気を供給するための電源と、消耗品が吸入用の蒸気を発するように加熱され得るように、消耗品をヒータの付近で受け入れるための加熱チャンバなどの容器とを含むことが多い。
【0004】
近年、複数回使用のエアロゾル生成装置の需要は、使用後に処分される使い捨て装置の需要を上回っている。消耗品は、必要な有効成分又は風味成分をこれらの成分が消耗される前の限られた加熱持続時間の間しか提供できないので、複数回使用の装置では消耗品を交換しなければならない。これは、概して、消耗された消耗品を加熱チャンバから除去すること及び新たな消耗品と交換することによって実現される。
【0005】
しかしながら、このようなエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムには、複数の欠点が存在する。具体的には、消耗品の交換は、構成要素のサイズ、及び使用済みの消耗品を除去し、新たな消耗品と交換する間、エアロゾル生成装置を操作して適当な向きにする必要性を考慮すると、ユーザにとって不便なプロセスであることが多い。このプロセスは定期的に実行しなければならず、それが問題を悪化させる。
【0006】
特に、消耗品は、加熱チャンバに取り付けられているので、加熱チャンバから取り出すことが困難である場合がある。この取り付けは、例えば、チャンバと消耗品との締り嵌めが生じる場合には、加熱チャンバと消耗品との摩擦を含み得る。追加的又は代替的に、取り付けは、消耗品がチャンバ内で加熱されたときに消耗品とチャンバとの間に形成される結合を含み得る。例えば、消耗品は、加熱されたときに熱膨張することがあり、使用のために消耗品を挿入することよりも、使用後に消耗品を取り出すことが困難になる。別の例として、消耗品の加熱によって、消耗品を加熱チャンバに付着させるタールなどの粘着性物質が生成又は放出され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、これらの欠点の1つ又は複数に対処するエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾル生成装置は、チャンバと、ハウジングと、カバーとを含む。チャンバは、消耗品を受け入れるように適合される。ハウジングは、チャンバを収容するとともに、消耗品をチャンバから取り出すことができる開口部を含む。カバーは、ハウジングの開口部が露出される開位置と、ハウジングの開口部が閉じられる閉位置との間で移動するように構成される。エアロゾル生成装置は、消耗品から吸入可能な蒸気を生成するよう適合される。カバーは、カバーが閉位置から開位置に移動したときに、チャンバと消耗品との取り付けが弱められ、消耗品がカバーに取り付けられずにチャンバから部分的に吐出されるように、消耗品を取り外すように適合された1つ又は複数の取り外し要素を含む。
【0009】
任意選択で、取り付けは、消耗品とチャンバとの摩擦及び/又は消耗品がチャンバ内で加熱されたときに消耗品とチャンバとの間に形成される結合を含む。
【0010】
任意選択で、開位置は、新たな消耗品を開口部に挿通できるように構成され、且つ閉位置は、ユーザがエアロゾル生成装置を操作して吸入可能な蒸気を消耗品から生成し吸入し得るように構成される。
【0011】
任意選択で、1つ又は複数の取り外し要素は、2つ以上の取り外し要素を含む。
【0012】
任意選択で、取り外し要素は、消耗品のフランジ部と係合するように適合される。
【0013】
任意選択で、取り外し要素は、スナップ嵌めコネクタである。
【0014】
任意選択で、1つ又は複数の取り外し要素は各々、カバーの運動方向に対して実質的に垂直に移動してスナップ嵌め接続を形成するように構成された係合部材を含む。
【0015】
任意選択で、係合部材は弾性部材である。
【0016】
任意選択で、カバーは、カバーが閉位置にあるときに弾性シールが消耗品のフランジ部に接触するように配置された弾性シールを含む。
【0017】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、カバーがハウジングにいつ押し付けられたかを検出するように配置されたセンサを含み、且つ弾性シールは、カバーをハウジングから離れる方向に付勢するように配置される。
【0018】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、カバーがハウジングに押し付けられたことをセンサが検出したときに吸入可能な蒸気の生成を開始するようにエアロゾル生成装置を制御するように構成された制御回路を更に含む。
【0019】
任意選択で、カバーは、開位置においてハウジングに取り付けられる。
【0020】
任意選択で、カバーは、ヒンジによってハウジングに取り付けられる。
【0021】
任意選択で、ヒンジは、カバーが開位置及び閉位置の各位置で安定するように構成された戻り止め軸を含む。
【0022】
任意選択で、ヒンジはねじりばねを含み、且つカバー又はハウジングには磁石が含まれ、ねじりばねは、カバーを開位置に向けて付勢するように構成され、且つ磁石は、カバーを閉位置に保持するように構成される。
【0023】
任意選択で、1つ又は複数の取り外し要素は各々、ヒンジに部分的に対向するように配置される。
【0024】
任意選択で、1つ又は複数の取り外し要素のうちの第1の取り外し要素は、第1の取り外し要素が消耗品を取り外したときに消耗品が第1の取り外し要素とヒンジとの間に位置するように配置される。
【0025】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、長手方向に沿って細長く、且つヒンジは、長手方向に対して垂直な向きに配置される。
【0026】
任意選択で、カバーは、マウスピースと、吸入可能な蒸気が流れることができる流路とを含む。
【0027】
任意選択で、ハウジングは、カバーが当接できる当接表面を含み、表面は開口部を含み、且つチャンバは、当接表面に対してハウジング内に凹設される。
【0028】
任意選択で、取り外し要素は、カバーが閉位置にあるときに開口部を貫通して延びるように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】エアロゾル生成装置の概略図である。
図1B】エアロゾル生成装置の概略図である。
図1C】エアロゾル生成装置の概略図である。
図2A】エアロゾル生成装置における取り外しプロセスの概略図である。
図2B】エアロゾル生成装置における取り外しプロセスの概略図である。
図2C】エアロゾル生成装置における取り外しプロセスの概略図である。
図2D】エアロゾル生成装置における取り外しプロセスの概略図である。
図2E】エアロゾル生成装置における取り外しプロセスの概略図である。
図3A】エアロゾル生成装置における取り外し要素の概略図である。
図3B】エアロゾル生成装置における取り外し要素の概略図である。
図3C】エアロゾル生成装置における取り外し要素の概略図である。
図4A】ヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図4B】ヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図4C】ヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図5A】戻り止め軸を含むヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図5B】戻り止め軸を含むヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図6A】ねじりばねを含むヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図6B】ねじりばねを含むヒンジ式カバーを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図7A】インジケータを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図7B】インジケータを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図8A】制御システムを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図8B】制御システムを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図8C】制御システムを有するエアロゾル生成装置の概略図である。
図9】エアロゾル生成装置の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1A図1Cは、本発明によるエアロゾル生成装置1を概略的に図示する。エアロゾル生成装置1は、消耗品2を受け入れるように適合されたチャンバ11を含み、ハウジング12とカバー13とを更に含む。図1A図1Cはまた、吸入可能な蒸気の生成の準備として消耗品をエアロゾル生成装置に挿入する方法を順に図示する。
【0032】
図1A及び図1Bに示すように、チャンバ11はハウジング12内に収容され、このハウジング12は、消耗品2をチャンバ11に追加するか又は消耗品2をチャンバ11から取り出すことができる開口部を有する。ハウジングは、ユーザがエアロゾル生成装置を保持するように適合された細長いハウジングであり得る。
【0033】
チャンバ11は、同じくハウジング12内にあるヒータ(図示せず)による消耗品の加熱中に消耗品を収容するための加熱チャンバである。いくつかの実施形態では、ヒータは、追加的に又は代わりに、カバー13に含まれ得る。
【0034】
カバー13は、図1Cに示すようにカバー13が閉位置にあるときにハウジング12の開口部を閉じるように構成され、且つ図1A及び図1Bに示すようにハウジングの開口部が露出される開位置と閉位置との間で移動するように構成される。開位置では、ハウジング12の開口部を通して消耗品2をチャンバ11に挿入するか又はチャンバ11から取り外すことができるように、カバー13が邪魔にならない位置にある。
【0035】
カバー13は、カバーが閉位置から開位置に移動したときに消耗品2を取り外すように適合された1つ又は複数の取り外し要素15を含む。本明細書では、「取り外し」とは、取り外し要素15がチャンバ11と消耗品2との取り付けを弱めることを意味する。このように取り付けが弱められることに起因して、消耗品がチャンバから部分的に吐出される。このことは、カバーが開いたときに、消耗品が、チャンバ11内に留まったままで緩められ得るか、又は取り外し要素15が及ぼす力に起因してエアロゾル生成装置1から飛び出し得ることを意味する。しかしながら、取り外し要素15は、消耗品2を開位置に保持するように構成されておらず、消耗品2はカバー13に取り付けられない。取り外し要素15は、閉位置又は閉位置の付近で消耗品2を保持して、カバー13が開位置に移動したときに消耗品2を解放するように構成され得る。代替的に、取り外し要素15は、消耗品2を全く保持しないように構成され得る。この場合、取り外し要素15は更に、カバー13が閉位置から開位置に移動するときに消耗品2に触れて通過し、それにより、取り外しを行うように構成される。
【0036】
例として、ユーザは、カバーが閉位置から開位置に移動した(すなわち、カバーが開いた)ときに、消耗品2が取り外し要素15によって取り外されて廃棄物収集装置内に落下するように、閉じられたカバーが廃棄物収集装置の方を向いた状態でエアロゾル生成装置を廃棄物収集装置(例えば、ゴミ箱)の上に吊り下げ得る。代替的に、カバーが閉位置から開位置に移動したときに、消耗品2が取り外し要素15によって取り外され、チャンバ11から部分的に吐出されるが、ユーザが消耗品2を容易に取り出し得るようにチャンバ11内に部分的に留まるか又はハウジング12上に置かれるように、ユーザは、閉じられたカバーが上方を向いた状態でエアロゾル生成装置を保持し得る。
【0037】
エアロゾル生成装置1は、吸入可能な蒸気を消耗品2から生成するように適合され、且つエアロゾル生成装置1と消耗品2とをまとめてエアロゾル生成システムを構成するもの又はエアロゾル生成用のキットとみなすことができる。より具体的には、消耗品2がチャンバ11内にあり且つヒータによって加熱されたときに、蒸気が生成される。蒸気は、エアロゾル生成装置1のマウスピース14に移動し、このマウスピース14において、エアロゾル生成装置1のユーザが蒸気を吸入することができる。この実施形態では、マウスピース14はカバー13の一部を形成するが、他の実施形態では、マウスピース14は、ハウジング12の一部を形成し得るか、又はマウスピースを必要としない本発明の使用では、吸入可能な蒸気を放出するための代替手段に置き換えられ得る。マウスピース14は、ユーザにとって快適であるように、軟質又は可撓性材料から作製され得る。
【0038】
カバー13は追加的に、開位置では、ユーザがエアロゾル生成装置1を操作して吸入可能な蒸気を消耗品2から生成し吸入し得るように適合され得る。その一方で、エアロゾル生成装置1は、カバー13が開位置にあるときには蒸気の生成を不可能にするように適合され得る。
【0039】
この実施形態では、カバー13は、開位置にあるときであっても、ハウジング12に取り付けられる。より具体的には、カバー13は、ヒンジ16によってハウジング12に取り付けられる。追加的に、図示の実施形態では、ヒンジ16は、細長いエアロゾル生成装置の長手方向(すなわち、カバー13が閉位置にある場合のマウスピース14を通ってハウジング12の基部を通る方向)に対して垂直な向きに配置される。代替案では、カバー13は、ハウジング12の開口部が露出される任意の位置を開位置が含むように、着脱可能であり得る。更に、例えば、カバー13が、可撓性部材又は紐を介してハウジング12に取り付けられる場合には、カバー13は、1つの特定の開位置に制約されることなく、ハウジング12に永久的に取り付けられ得る。より一般的には、カバー13の移動に対する必要な唯一の制約は、カバー13が閉位置から移動したときに、取り外し要素15が消耗品2を取り外すことである。
【0040】
図2A図2Eは、1つ又は複数の取り外し要素15の動作原理を図示するために、消耗品2とエアロゾル生成装置の要素とを概略的に示す。
【0041】
より具体的には、図2Aは、カバー13が、消耗品2を収容するチャンバ11を覆う閉位置にある、エアロゾル生成システムの断面を図示する。2つの取り外し要素15は、消耗品2のフランジ部21と係合するように適合される。
【0042】
この例では2つの取り外し要素15が示されているが、本発明の取り外し効果は、1つの取り外し要素15のみ又は3つ以上の取り外し要素15を用いて達成され得る。しかしながら、少なくとも2つの取り外し要素を使用することには、消耗品2がチャンバ11から取り外されるときにどのように移動するのかの制御を改善する利点があり、その一方で、取り外し要素の数を2つ以下に最小化することには、エアロゾル生成装置1の製造を簡略化する利点がある。
【0043】
図2B図2Dに順に示すように、カバー13が閉位置から開位置に移動するとき、この場合はヒンジ16を中心に枢動するときに、取り外し要素15がフランジ21と係合し、それにより、消耗品2に力を及ぼして消耗品をチャンバ11から取り外す。しかしながら、消耗品2へのこの力はまた、フランジ21に対して係合解除されるように取り外し要素を付勢し、カバー13が開位置に達するまでに、取り外し要素15がフランジ21から係合解除され、消耗品2が、開位置ではカバー13に取り付けられていない。したがって、取り外し要素15は、カバー13が閉位置にあるときにフランジ21を軽く把持する軽く接触する効果を有するとともに、カバー13が閉位置から開位置に移動するときに、消耗品がチャンバ11内の所定の位置で動きが取れなくなることのないようにする僅かな取り外し効果を有することが理解されるであろう。
【0044】
取り外し要素15は、スナップ嵌めコネクタであり得る。取り外し要素は各々、カバーの運動方向に対して実質的に垂直に移動するように構成された係合部材151を含み得る。この略垂直運動を行う係合部材の能力によって、取り外し要素15がフランジ21と係合してスナップ嵌め接続を形成することが可能となる。また、この能力によって、カバー13が開位置に移動するときに取り外し要素15がフランジ21から係合解除される。ここでは、「実質的に垂直に」とは、図2Cに示すように係合部材が側方に移動することを意味する。特に、スナップ嵌めコネクタは、多くの場合、図2Cに示すように、所定の位置に嵌る前に曲がることによって機能する弾性部材であり、そのような曲がり運動は、スナップ嵌め接続を形成するときの運動方向に逆行する運動成分を含む。よって、そのような場合には、運動は真に垂直ではないが、それでも実質的に垂直である。
【0045】
他の実施形態では、係合及び係合解除のための上記で説明した垂直運動は、弾性部材が自然に曲がるのに依存するのではなく、むしろ、係合及び係合解除のために係合部材全体を適切な位置に移動するように制御する機械又は電子制御システムによって達成することができる。例えば、係合部材の運動を、ハウジング12とカバー13との間のヒンジ16の角度に機械的に関連付けることができる。
【0046】
図2Eは、消耗品のフランジ21と係合された取り外し要素15を含むカバー13の平面図を概略的に図示する。この図は、閉位置にあるカバーの内面図を表す。図2Eは、カバー13と消耗品2の両方が円形断面を有する実施形態を図示する。しかしながら、これが当てはまる必要はなく、エアロゾル生成装置と消耗品の両方が、例えば、むしろ多角形断面を有してもよい。
【0047】
図2Eは、取り外し要素15がカバー13の内表面の突出部132の周囲に配置され得ることを図示し、取り外し要素15の運動方向3を平面図で図示する。この方向3は、カバー13の中心に向かう及び中心から離れる方向(すなわち、円形断面の場合には径方向の運動)である。カバー13の中心に対する、取り外し要素15とヒンジ16との間の角度は、φ(ファイ)と表示される。図2A図2Dの取り外し要素15のφは0度~180度であり、これに対して、図2Eの取り外し要素15の両方のφは90度であることに留意すべきである。
【0048】
図3A図3Cは、この実施形態のエアロゾル生成装置1の追加の詳細を概略的に図示する。図3Bは、ヒンジが除外された部分切取図であることに留意すべきである。
【0049】
特に、図3Aに示すように、カバー13は、弾性シール17を含む。このシールは、図3B及び図3Cに示す閉位置にカバーがあるときにシールが消耗品2のフランジ部21に接触するように配置される。例えば、弾性シール17は、エラストマー製のリップシールであり得る。
【0050】
追加的に、図3Bに示すように、カバー13は、吸入可能な蒸気が消耗品2からマウスピース14に流れることができる流路18を含む。消耗品2が、フランジ21に取り囲まれた頂部表面において吸入可能な蒸気を生成するように設計される場合、弾性シール17は、吸入可能な蒸気が流路18を通ってマウスピース14に流れ、カバー13とハウジング12との間の隙間から漏出しないことを確実にする。
【0051】
この実施形態では、シール17は、カバー13の内表面の突出部132上に装着され、突出部は平坦部131に取り囲まれる。突出部はまた、取り外し要素15を含む。更に、この実施形態では、取り外し要素15は、突出部132の外表面の滑らかな延長部を形成し、取り外し要素15をより頑丈にし、折れにくくする。
【0052】
これに対応して、図3Bに示すように、この実施形態では、ハウジング12の内表面は、カバー13が当接できる当接表面121を含む。当接表面121は、消耗品をチャンバ11に追加するか又は消耗品をチャンバ11から取り出すことができる開口部を含み、チャンバ11は、当接表面121に対してハウジング12内に凹設される。例えば、ハウジング12の内表面は、チャンバ11内で消耗品2を支持するようにチャンバ11に隣接して配置された消耗品支持表面122と、当接表面121と消耗品支持表面122との間の接続壁123とを更に含み得る。
【0053】
カバー13が閉位置にあるときに、カバーの内表面の平坦部131は、当接表面121と位置合わせされ、取り外し要素15(及び任意選択でカバー13の内表面の突出部)は、開口部を貫通して延びる。
【0054】
消耗品支持表面122は、消耗品2が消耗品支持表面122によって支持されている間に、取り外し要素15の係合手段151が消耗品2を越えて延びて消耗品2と係合できるようにするために、図3Bに示すような追加の凹部124を有するように適合され得る。
【0055】
図3Cに更に示すように、この実施形態の係合部材151は、消耗品2のフランジ21の縁部を捕捉するように配置された突起の形態をとる。この図では、矢印3(図2Eの平面図に既に示した)は、縦断面図における取り外し要素15の運動を図示する。より具体的には、取り外し要素は、径方向外方に曲がってカバー13に向かって上方に曲がり、消耗品2が取り外されるときに係合部材151がフランジ21から係合解除されることを可能にする。
【0056】
再び図3Aを参照すると、この実施形態では、取り外し要素15が各々、ヒンジ16に部分的に対向するように配置されることも分かる。換言すれば、取り外し要素が消耗品を取り外したときに、消耗品は、各取り外し要素とヒンジとの間に位置する。ここでは、「~の間に」とは、例えば図2Eに既に示したように、消耗品2が取り外し要素15の任意の部分とヒンジ16の任意の部分との間に位置する場合を含む広範な意味を有すると理解されたい。より具体的には、取り外し要素15及びヒンジ16の各々は、カバー13の中心の周囲に配置され、ヒンジ16と取り外し要素15の各々との間のカバー13の中心の周囲の角度φは、少なくとも90度である。例えば、取り外し要素15に対する角度φは、90度、100度、120度、130度、又は180度であり得る。このように取り外し要素15をヒンジ16とは反対の消耗品2の側に配置することによって、各取り外し要素15によってフランジ21に加えられる力、及びフランジ21によって各取り外し要素に加えられる力は、ヒンジ16を中心としてカバー13を開くために加えられる所与のトルクに対して低減される。これは、係合部材151を曲げて消耗品2を解放するのに必要なエネルギーがより長い距離にわたって付与され、消耗品2を取り外すときに破損なしに、より脆弱な材料を取り外し要素15に使用できることを意味する。追加的に、取り外し要素をヒンジ16から少なくとも90度の角度で配置することによって、取り外し要素は、消耗品の一方側には配置されず、カバー13がヒンジ16を中心に回転するときに、消耗品が、チャンバ11の壁側に且つ消耗品支持表面122側に押し付けられる。これにより、取り外し要素15が、曲がってフランジ21から係合解除されるのに十分な抵抗を受けるまで、消耗品2とチャンバ11の壁又は消耗品支持表面122との間の摩擦が増大する。これが全ての取り外し要素15に当てはまる必要はなく、取り外し要素の1つでも少なくとも90度の角度φをなして位置する場合に利点が得られることに留意すべきである。例えば、図2A図2Dに示すように、各図の左側の取り外し要素に対する角度φは90度よりも大きく(具体的には180度)、各図の右側の取り外し要素に対する角度φは90度未満(具体的には0度)である。
【0057】
図4A図4Cを参照すると、本実施形態のエアロゾル生成装置のヒンジによる動きの追加の詳細が図示されている。図4Aは、ハウジング12に対して閉位置にあるカバー13を図示し、図4Bは、ヒンジ16を中心に閉位置と開位置との間で移動するカバー13を図示し、且つ図4Cは、ハウジング12に対して開位置にあるカバー13を図示する。図4Cに示すように、開位置では、カバー13とハウジング12との間の角度θ(テータ)が90度よりも大きくてもよく、90度よりも大きな角度には、チャンバ11内の消耗品2へのアクセスが容易であるという利点がある。
【0058】
この実施形態では、ヒンジ16は、図4Bに示すような中間位置では不安定であるが、図4Aの閉位置及び図4Cの開位置にあるカバー13に対して双安定性であるように適合される。このことは、ヒンジ16が開位置又は閉位置のいずれかに素早く移動して、開位置と閉位置との間の中間位置に留まらないように付勢されることを意味する。
【0059】
カバー13及びハウジング12は、図4Aに示すように、それぞれホール効果磁石41及びホール効果センサ42を含み得る。ホール効果センサは、ホール効果磁石の存在を検出し、したがって、カバー13が閉位置にあるときを検出する。
【0060】
双安定ヒンジ16の2つの実施形態は、図5A図6Bを使用して図示されている。しかしながら、他の双安定ヒンジも使用され得る。更に、ヒンジ16が含まれる実施形態では、ヒンジは、双安定ヒンジである必要はなく、ヒンジは、開位置の周囲で自由であってもよい。しかしながら、エアロゾル生成装置が偶発的に開く可能性が低くなるように、ヒンジが少なくとも閉位置で安定することが有利である。
【0061】
まず、図5A及び図5Bでは、双安定ヒンジ16は、ばね付きプランジャ162と共に戻り止め軸161を含む。ばね付きプランジャ162のばねは、プランジャを戻り止め軸161に向けて付勢し、カバー13が閉位置と開位置との間で移動する(これはプランジャ162が戻り止め軸161を中心に移動することを意味する)ときに、戻り止め軸161及びばね付きプランジャ162の一方が固定される。戻り止め軸161の凹部は、プランジャ162が戻り止め軸161に向かって更に延びることができる安定位置を提供し、これらの安定位置の間での移動は、ばね付きプランジャ162のばねの圧縮を必要とする。したがって、閉位置及び開位置の各位置にそれぞれの窪みを有するように戻り止め軸を構成することによって、カバー13が開位置及び閉位置の各位置で安定する双安定ヒンジが得られる。戻り止め軸の実施形態の更なる利点は、戻り止め軸がヒンジアセンブリ内に完全に隠され得ることである。ばね付きプランジャ162は、戻り止め軸161を使用する実施形態に必須ではなく、戻り止め軸の窪みに向けて付勢するための任意の付勢手段に置き換えることができることに留意すべきである。更に、実施形態は、戻り止めシャフトが、付勢手段を含む軸を中心に回転する内表面に窪みを有するように、反転させることができる。
【0062】
この種類の双安定ヒンジでは、2つの安定位置を切り替えるために、プランジャ162が、戻り止め軸161における2つの窪み間の最頂点を通過しなければならないことが必須である。したがって、閉位置から開始して開位置に安着する前にカバー13を開かなければならない最小角度がある。この最小角度は、戻り止め軸の形状に応じて設定されるが、対称な戻り止め軸の場合は全可動域の半分である。
【0063】
次に、図6A及び図6Bでは、双安定ヒンジ16は、ねじりばね163と軸ピン164とを含む。この場合、ねじりばねは、カバー13を開位置に向けて付勢するように構成され、且つ安定した開位置は、ハウジング12との接触に起因する、ヒンジ16の周囲のカバー13の可動域の制限によって固定される。しかしながら、そのような付勢力を有するように構成されたねじりばね163はまた、安定した閉位置を提供することができない。したがって、この実施形態はまた、カバー13が閉位置にあるときに、ねじりばね163によってもたらされる付勢力と均衡する力によってカバー13がハウジング12に引き付けられて閉位置に保持されるように配置された1つ又は複数の磁石をカバー13及び/又はハウジング12内に含む。磁石の強度は、カバー13が閉位置から僅かな距離でも移動すると、ねじりばね163の力が磁力を上回り、カバー13がばね付勢されて開位置に達するように設定することができる。したがって、この実施形態の双安定ヒンジは、むしろ「準双安定」として説明することができる。
【0064】
1つ又は複数の取り外し要素15の動作に関して双安定ヒンジの上記2つの実施形態を比較すると、図5A及び図5Bの戻り止め軸の場合、カバー13の全可動域の半分は、ほとんどの場合、消耗品2が取り外されたときに消耗品2が移動する範囲よりも広いので、ユーザは、ばね付きプランジャ162に打ち勝つとともに取り外し要素の取り外し動作を駆動するための力を与えなければならない。その一方で、図6A及び図6Bのばねヒンジの場合には、ユーザは、カバー13を閉位置に保持する磁石の力に打ち勝ちさえすればよい。この力に打ち勝った後に、ねじりばね163によって、取り外し要素15の取り外し動作を駆動してカバー13を開位置に移動させる力がもたらされる。したがって、カバー13を閉位置に保持することが可能である一方で可能な限り弱いものであるように選択された磁石と共に図6A及び図6Bと同様のばねヒンジを設けることによって、カバー13を容易に開くことができ且つカバー13が開かれた後に(又は、例えば、閉位置においてカバー13が下方を向いた状態でエアロゾル生成装置が保持される場合には、カバー13が開かれるのと同時に)消耗品2が容易に取り出される、エアロゾル生成装置を提供することができる。
【0065】
図7A及び図7Bは、実施形態のインジケータ19を概略的に図示する。インジケータは、例えば、エアロゾル生成装置の電源におけるエネルギー残量を表示し得るか、又はエアロゾル生成装置内における消耗品2の有無を表示し得る。
【0066】
更に、インジケータ19は、ユーザがエアロゾル生成装置を操作する位置を表示し得る。より具体的には、図7Bに示すように、インジケータ19は、カバー13とハウジング12との間のヒンジ16とは反対のカバー13の側に位置し、したがって、インジケータ19は、ユーザがカバー13をハウジング12に押し付けてチャンバ11内の消耗品2の加熱を開始することができる位置を表示し得る。この同じ位置において、インジケータ19は、ヒンジ16を中心にカバー13を回転させてカバー13を閉位置から開位置に移動させるためにユーザがどこを押すべきかを表示することができる。
【0067】
したがって、インジケータ19は、エアロゾル生成装置の状態を表示し、装置によってエアロゾルの生成をどのように制御するかを表示し且つエアロゾル生成装置をどのように開くかを表示する多くの機能を同時に提供し得る。
【0068】
有利には、エアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成装置1の細長いハウジング12に沿って片手で保持できるように且つカバー13が親指で操作され得る、この場合は、親指がマウスピース14を押圧すると、カバー13が閉位置から開位置に移動し、親指がインジケータ19を押し下げると、エアロゾル生成装置が消耗品2の加熱を開始する、ように構成され得る。
【0069】
図8A図8Cは、エアロゾル生成装置を制御するための機構の更なる詳細を図示する。図8Aは、エアロゾル生成装置の断面を示し、図8Bは、エアロゾル生成装置を制御するための機構を含む断面の拡大部分を示し、且つ図8Cは、カバー13とハウジング12との相対的な位置決めを図示する。
【0070】
図8Aに図示するように、この実施形態では、チャンバ11は、装置に挿入されている消耗品2を取り囲む一方で、チャンバ11は、ハウジング12の内部空間を満たさず、制御回路及び電源などの他の構成要素が内部に収納される、空間がハウジング12内に、例えば図8Aに示すように消耗品2の下方に存在し得る。
【0071】
図8Aはまた、消耗品支持表面122とカバー13の内表面との間に、消耗品2とシール17とによって提供される若干の隙間があることを図示する。同様に、図8Cは、当接表面121とカバー13の内表面の平坦部131との間に若干の隙間があることを図示する。
【0072】
これらの隙間によって、矢印7を用いて示すように押圧されたときに、閉位置から開始するときでも、カバー13がヒンジ16を中心にハウジング12に向かって枢動することが可能である。したがって、そのような実施形態では、カバー13がハウジング12にいつ押し付けられたかを検出するように配置されたセンサ81を含むことが有用である。センサ81は、例えば、タクタイルスイッチであり得る。この実施形態では、センサ81がPCB82上に配置され、カバー13の対応する切り欠き81’と延長部分81’’とが、センサ81に押圧力を伝達する。この押圧は、シール17がカバー13をハウジング12から離れる方向に付勢するように配置されるので、ユーザによってカバー13がハウジング12に能動的に押し付けられたときにのみ検出される。よって、シール17とセンサ81との組み合わせによって、エアロゾル生成装置のボタン制御が行われる。他の実施形態では、シール17は弾性である必要はなく、代わりに、ハウジング12から離れる方向へのカバー13の付勢を、例えば、ヒンジ16のねじりばね163によって、提供できることに留意すべきである。
【0073】
そのようなボタン制御は、カバー13がハウジング12に押し付けられたことをセンサ81が検出したときに吸入可能な蒸気の生成を開始するようにエアロゾル生成装置を制御するように構成された制御回路と組み合わされ得る。例えば、制御回路は、チャンバ11内の消耗品2を加熱するためのヒータを制御するために、PCB82に設けられ得る。
【0074】
図9は、上記で説明した特徴以外の追加の任意選択の特徴を示すエアロゾル生成装置の概略分解図である。図9に示す実施形態では、ヒンジ16は、図6と同様にねじりばねと軸ピンとを含むが、図9の特徴は、ヒンジにおいて戻り止め軸を使用する実施形態などの他の実施形態と組み合わされ得る。
【0075】
図9は、カバー13を閉位置に保持するために、ハウジング12及びカバー13内に設けられた閉鎖磁石対91、91’を示す。この実施形態では、2つの磁石対が示されているが、任意の数の対が使用され得る。各磁石対がカバー13を閉位置に保持することに等しく寄与するようにヒンジ16に対して対称に配置される磁石対を提供することが有利である。
【0076】
図9はまた、この実施形態ではインジケータ19を提供するLED92を示す。LED92はPCB82上に実装され、LEDからの光は、ハウジング12内の1つ又は複数の本体導光部92’とカバー13内の1つ又は複数の頂部導光部92’’とを通して導かれ、その結果、カバー13が閉位置にあるときに、LEDからの光は、図7A図7Bに示すインジケータ19としてユーザにとって視認可能である。図3Aに戻ると、エアロゾル生成装置が組み立てられたときに、導光部92’及び92’’がカバー13及びハウジング12の内表面と面一であることが分かる。
【0077】
図9はまた、PCB82上に実装されたホール効果センサ93と、カバー13内に配置されたホール効果磁石93’とを示し、ホール効果センサ93及びホール効果磁石93’は、図4Aに示すホール効果センサ及びホール効果磁石と同様のものである。ホール効果センサ93は、カバー13が閉位置にあるときを検出するために制御回路によって使用され得る。それにより、制御回路は、LEDと導光部92、92’、92’’とを使用してインジケータ19をいつ生成できるか、又は吸入可能な蒸気の生成をいつ開始できるかを検出し得る。
【0078】
図9に更に示すように、ハウジング12は、当接表面121と消耗品支持表面122と接続壁123とを含む別個の内表面94を含む2つの部品として提供され得る。この内表面94は、例えば、製造中に装置が組み立てられるときにスナップ嵌め又はプレス嵌め接続を使用して、外側ハウジング95内に接続し得る。別個の内表面94又は外側ハウジング95は、ヒンジ16に接続するように適合されたヒンジ係合部165を更に含み得る。
【0079】
同様に、カバー13は、マウスピース14と流路18とを含む別個の外側部96と、取り外し要素15を含み且つシール17が取り付けられ得る別個の内表面97とを含む2つの部品として提供され得る。
【0080】
ハウジング及び/又はカバーのための個別の部品を提供することによって、ハウジング/カバーの個別の部品は、別々に製造され、次いで、ハウジング/カバーの内部構成要素の周囲に組み付けられる(すなわち、チャンバ11、PCB82、導光部、磁石などの周囲に組み付けられる)。
【0081】
当業者であれば認識するように、上記で説明した実施形態における多くの特徴は、他の特徴とは別個の利益を有する。したがって、当業者であれば、個別の利益を伴う特徴が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれる限り、個別に実施形態に含まれ得るか又は実施形態から除外され得ることを認識するであろう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9