(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】複数のポンプ及び圧力センサを有する吸引システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
A61F9/007 130
(21)【出願番号】P 2022519719
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(86)【国際出願番号】 IB2020059342
(87)【国際公開番号】W WO2021070038
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-09-25
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョン モーガン ボーン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ギャリー ピー.ソレンセン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-522501(JP,A)
【文献】特開2008-68081(JP,A)
【文献】特表2008-543487(JP,A)
【文献】特表2014-505516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0163454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280434(US,A1)
【文献】特表2015-530147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術システムであって、
コンソールと、
作業チップに吸引開口部を有する前記作業チップを含むハンドピースであって、前記ハンドピースが前記コンソールに接続される、ハンドピースと、
前記ハンドピース内の吸引チャネル、前記ハンドピースと前記コンソールとの間の吸引配管、及び前記コンソール内の吸引チャネルを含む、吸引ラインと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサであって、前記圧力センサが、前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞
及び前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間の流路の閉塞をモニタリングするように適合される、圧力センサと、
を備える、眼科手術システム。
【請求項2】
前記第2の吸引ポンプが、前記コンソール内に位置する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
前記圧力センサが、前記コンソール内に位置する、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第1の吸引ポンプと同一の流速で前記第2の吸引ポンプを動作させるように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項7】
前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間でプリセット真空レベルを維持するように前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記眼科手術システムが、選択された真空レベル又は流速を操作者が入力するための入力制御をさらに備え、前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記入力制御からの前記真空レベル又は流速に基づいて、同一の流速で動作される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
眼科手術システムであって、前記眼科手術システムが、
コンソールと、
作業チップに吸引開口部を有する前記作業チップを含むハンドピースであって、前記ハンドピースが前記コンソールに接続される、ハンドピースと、
前記ハンドピース内の吸引チャネル、前記ハンドピースと前記コンソールとの間の吸引配管、及び前記コンソール内の吸引チャネルを含む、吸引ラインと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサと、
選択された真空レベル又は流速を操作者が入力するための入力制御と、
コントローラであって、前記コントローラが、前記入力制御からの前記真空レベル又は流速に基づいて同一の流速で前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される、コントローラと、
を備え、
前記圧力センサが、前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞
及び前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間の流路の閉塞をモニタリングするように適合される、眼科手術システム。
【請求項10】
前記第2の吸引ポンプが、前記コンソール内に位置する、請求項9に記載の眼科手術システム。
【請求項11】
前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する、請求項9に記載の眼科手術システム。
【請求項12】
前記圧力センサが、前記コンソール内に位置する、請求項9に記載の眼科手術システム。
【請求項13】
請求項1又は請求項9に記載の前記眼科手術システムが、眼科手術処置の間に
前記吸引ラインの閉塞をモニタリングする方法であって、
前記眼科手術システムのコントローラが、前記吸引ラインに沿って
前記ハンドピース内に位置する
前記第1の吸引ポンプを動作させることと、
前記眼科手術システムの前記コントローラが、前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する
前記第2の吸引ポンプを動作させることと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する
前記圧力センサを用いて前記吸引ライン内の圧力を
、前記眼科手術システムがモニタリングすることであって、それによって前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞をモニタリングする、
前記眼科手術システムがモニタリングすることと、
を含む、
方法。
【請求項14】
前記第2の吸引ポンプが、
前記コンソール内に位置する、請求項13に記載
の方法。
【請求項15】
前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する、請求項13に記載
の方法。
【請求項16】
前記圧力センサが、
前記コンソール内に位置する、請求項13に記載
の方法。
【請求項17】
前記第2の吸引ポンプが、前記第1の吸引ポンプと同一の流速で動作する、請求項13に記載
の方法。
【請求項18】
前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように動作する、請求項13に記載
の方法。
【請求項19】
前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間でプリセット真空レベルを維持するように動作する、請求項13に記載
の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば眼科手術の間に使用される吸引システム及び方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
眼科手術処置では、多くの場合、処置中に眼から流体が吸引される。例えば、白内障手術では、レンズを細分化又は乳化するため、及び破壊された又は乳化されたレンズを眼から吸引するために装置が使用され得る。別の例として、硝子体網膜手術では、眼から硝子体物質を吸引するために装置が使用され得る。
【0003】
加えて、いくつかの眼科手術処置では、流体を眼の中に注入することが望ましい場合がある。例えば、白内障手術、硝子体網膜手術、又は他の処置では、平衡塩類溶液又は他の灌流液が、眼の中に導入され得る。灌流液は、処置中に眼から吸引され得る。
【0004】
眼科手術処置を行ういくつかの既知のシステムは、処置を行う操作者によって保持されるハンドピースを含み、ハンドピースは、1つ又は複数の可撓性導管によってコンソールに接続されている。操作者は、ハンドピースを保持し、ハンドピースの作業チップを眼の中に導入する。灌流液及び他の物質(例えば、破壊された若しくは乳化されたレンズ物質又は硝子体物質)を眼から吸引するために、ハンドピースの作業チップは、ハンドピースをコンソールに接続する可撓性導管に吸引チャネルを通して接続される1つ又は複数の開口部を有する。コンソールは、可撓性導管を通して吸引力を生じさせる蠕動ポンプなどのポンプを収容する。それによって、流体及び他の物質は、眼からハンドピースの作業チップの開口部を通し、ハンドピースの吸引チャネル及び可撓性導管を通って、コンソール内に吸引され得る。
【0005】
いくつかの先行システムにおいて、コンソールは、コンソールのハウジング内に装着されるカセットを含む。カセットは、剛性のカセット本体に取り付けられたエストラマーシートを含み、1つ又は複数の流体チャネルが、エストラマーシートとカセット本体との間の空間内に形成される。ポンプに対して、コンソールは、回転ハブ上に取り付けられたローラを収容する。動作中、ポンプローラは、カセットのエストラマーシートをプレスして、ポンプ作用を生じさせる。
【0006】
吸引を伴う眼科手術処置では、吸引されている流体の圧力を、吸引されている最中にモニタリングすることが望ましい場合がある。これは、操作者及び/又はシステムが処置を調節すること、眼圧をモニタリングすること、及び/又は吸引ライン内に何らかの部分的若しくは完全な閉塞が存在するか否かを判断することに役立ち得る。例では、圧力センサが、吸引ラインに沿ってポンプのちょうど上流のコンソール内に(即ち、ハンドピースの方向に吸引ラインに沿ってコンソール内に)位置する。閉塞が発生している場合に、圧力センサは、吸引ライン内の真空ビルドアップを検出する。
【0007】
眼科処置における流体吸引及び/又は圧力測定に関する参考文献は、米国特許第6,261,283号明細書、米国特許第6,293,926号明細書、米国特許第6,572,349号明細書、米国特許第6,632,214号明細書、米国特許第6,740,074号明細書、米国特許第6,902,542号明細書、米国特許第6,962,488号明細書、米国特許第7,393,189号明細書、米国特許第7,775,780号明細書、米国特許第8,011,905号明細書、米国特許第8,545,198号明細書、米国特許第8,790,096号明細書、米国特許第9,482,216号明細書、及び米国特許第9,931,447号明細書を含み、これによりこれらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。圧力センサは、米国特許第5,910,110号明細書及び米国特許第5,470,312号明細書にさらに開示されており、これによりこれらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
いくつかの設計は、コンソールではなくハンドピース内に吸引ポンプを位置させることを提案している。ポンプをハンドピース内、したがって作業チップのより近くに位置させることによって、閉塞及びその後の真空サージに関連するリスクが最小化され、チャンバ安定性を改善し得る、より安定した圧力を達成する助けとなり得る。米国特許出願公開第2014/0271251号明細書は、ポンプがハンドピース内に位置する様々な設計を開示している。米国特許出願公開第2014/0271251号明細書の開示は、これによりその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
ポンプが作業チップに近いハンドピースに位置するとき、ポンプと作業チップとの間の距離は比較的小さい。加えて、操作を容易にするためにハンドピースを可能な限り人間工学的にすることが望ましいことが多く、それによって、サイズ、重量、及びバランス制約がハンドピースに課される。これらの因子は、閉塞が発生しているかどうかを判断するためにハンドピースポンプと作業チップとの間の圧力をモニタリングすることにおける課題を提示し得る。
【0010】
吸引システム及び関連する方法についての改善された設計に対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、眼科手術システムの改善された吸引システム及び関連する方法を目的とする。
【0012】
いくつかの例としての実施形態において、眼科手術システムは、コンソールと、作業チップに吸引開口部を有する作業チップを含むハンドピースであって、ハンドピースがコンソールに接続される、ハンドピースと、ハンドピース内の吸引チャネル、ハンドピースとコンソールとの間の吸引配管、及びコンソール内の吸引チャネルを含む、吸引ラインと、吸引ラインに沿ってハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプと、吸引ラインに沿ってハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプと、吸引ラインに沿って第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサと、を含む。第2の吸引ポンプは、コンソール内に位置し得る。圧力センサは、コンソール内など、ハンドピースから離れて位置し得る。第2の吸引ポンプ、及び第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間の圧力センサの使用によって、システムが、作業チップなどにおける、ハンドピース内の第1の吸引ポンプの上流の閉塞をモニタリングし、検出することが可能となる。
【0013】
いくつかの例としての実施形態において、眼科手術システムは、コントローラをさらに含む。コントローラは、第1の吸引ポンプと同一の流速で第2の吸引ポンプを動作させ、且つ/又は第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように動作させるように構成され得る。コントローラは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で低い真空レベルを維持するように構成され得る。眼科手術システムは、選択された真空レベル及び/又は選択された流速を操作者が入力するための入力制御をさらに含み得る。第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、入力制御からの真空レベル及び/又は流速に基づいて同一の流速で動作され得る。
【0014】
いくつかの例としての実施形態において、眼科手術処置の間の吸引方法は、吸引ラインに沿ってハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプを動作させることと、吸引ラインに沿ってハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプを動作させることと、吸引ラインに沿って第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサを用いて吸引ライン内の圧力をモニタリングすることと、を含む。第2の吸引ポンプは、第1の吸引ポンプと同一の流速で動作され得る。第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように動作され得る。第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で低い真空レベルを維持するように動作され得る。方法は、真空レベル及び/又は流速を選択することをさらに含んでもよく、第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、選択された真空レベルに基づいて同一の流速で動作される。第2の吸引ポンプ、及び第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間の圧力センサの使用によって、作業チップなどにおける、ハンドピース内の第1の吸引ポンプの上流の閉塞をモニタリングし、検出することが可能となる。
【0015】
吸引ラインに関連して本明細書で用いられる、「上流」及び「下流」という用語は、眼から離れる吸引流れの方向を基準として用いられる。よって、第2の構成要素又は物体が第1の構成要素又は物体の「上流」に位置するときに、第2の構成要素は、吸引ラインに沿って第1の構成要素よりも作業チップの開口部の近くに位置する。したがって、ハンドピース内の吸引ポンプの「上流」に位置する閉塞は、吸引ラインに沿ってハンドピース内の吸引ポンプよりも作業チップの開口部の近くに位置する(実際には、閉塞は作業チップの開口部に位置する場合がある)。
【0016】
上記の実施例及び他の実施例が、本開示に基づいて当業者により理解されるであろう。
【0017】
添付図面は、本明細書に開示されるシステム及び方法の実施例を示し、記述と併せて本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本開示によるシステム及び方法において使用され得る構成要素を例示する概略図である。
【
図2】
図2は、本開示による例としての方法におけるステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明を参照することにより、添付図面に対する理解が深まり得る。
【0020】
本開示の原理を説明することを目的として、図面に対する参照が行われ、特定の文言が、それらを説明するために用いられる。それでもやはり、本開示の範囲について何ら限定を意図していないことを理解されたい。説明するシステム、デバイス、機器、及び方法に対するあらゆる変更及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示に関連する当業者であれば通常想起されるものと十分に考えられる。特に、本開示の一例に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施例に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせてもよい。簡略化のために、場合によっては、図面全体を通して同一の参照番号を用いて同一又は類似部品を参照する。
【0021】
図1は、眼科手術システムにおいて使用され得る構成要素のいくつかを例示する概略図であり、灌流システム及び吸引システムの構成要素を示している。例としての眼科手術システムは、眼科手術コンソール100を含む。眼科手術コンソール100は、ハウジングと、ハウジング内に装着される流体カセットを含み得る。本明細書で説明される差異を除いて、眼科手術コンソールは、米国特許第9,931,447号明細書に示され説明される眼科手術コンソール(流体カセットを含む)に類似していてもよく、及び/又はAlcon Laboratories,Inc.(Fort Worth,Texas)から入手可能なCENTURION(登録商標)Vision System(流体カセットを含む)若しくはAlcon Laboratories,Inc.(Fort Worth,Texas)から入手可能なCONSTELLATION(登録商標)Vision System(流体カセットを含む)、又は本明細書で説明される原理と共に使用するのに適当な任意の他の眼科手術コンソールなど、既知であって使用されている眼科手術コンソールに類似していてもよい。
【0022】
コンソール100は、眼科手術処置を行う際に使用され得る1つ又は複数のシステムを含む。例えば、コンソール100は、眼に流体を送出するための灌流システム200と、流体及び/又は他の物質を眼から吸引するための吸引システム300と、を含む流体システムの構成要素を含む。コンソール100はまた、白内障手術中の超音波乳化吸引術などのための超音波振動ハンドピースを駆動するための超音波発生器システム、及び/又は硝子体切除ハンドピースを駆動するための空気圧硝子体切除カッターシステムを含み得る。システムは、処置の様々な態様を実行するために重複し、且つ協調し得る。
【0023】
典型的なセットアップでは、眼科手術コンソール100は、その内部にコンピュータシステムが配置されているハウジングと、眼科手術処置中のシステム動作及び性能に関連するデータを示すための関連する表示画面と、を含む。上述の通り、コンソールは、流体カセットを含んでもよく、流体カセットはハウジング内に装着されてもよい。コンソール100に加えて、眼科手術システムは、操作者が1つ又は複数の機能を制御する際に使用し得るフットペダルなどの、ユーザ操作のための1つ又は複数の外部デバイスを含み得る。フットペダル又は他の外部作業デバイスは、有線接続を介して又は無線でコンソールのコンピュータシステムと通信し得る。
【0024】
例としての眼科手術システムは、ハンドピース110も含む。ハンドピースは、例えば、白内障手術に適当な超音波乳化吸引術用ハンドピース又は硝子体切除術用ハンドピースなどの吸引機能を有する任意の適当なハンドピースであってもよい。例示される例としてのハンドピース110は、超音波乳化吸引術及び吸引のための作業チップ304を有する超音波乳化吸引術用ハンドピースである。他の実施例では、作業チップ304は、硝子体切除術針などの針であってもよい。作業チップ304は、流体及び他の物質を眼10から吸引するための開口部302をその遠位に有する。ハンドピース110はまた、灌流液を眼10に送出するための開口部202をその遠位に有する灌流チューブ204を有する。灌流チューブ204は、ハンドピース110の作業チップ304の周囲に配置される可撓性スリーブであってもよい。
【0025】
ハンドピース110は、灌流液をコンソール100からハンドピース110に送出するための灌流配管208、吸引された流体及び他の物質をハンドピース110からコンソール100へ送出するための吸引配管308、並びに/又はコンソール100とハンドピース110との間の電気通信のための電気配線406を含み、又は収容する1つ又は複数の可撓性導管によってコンソール100に接続される。
【0026】
例としての眼科手術システムは、コンソール100に含まれ得るか、又は配管212によってコンソール100に接続される別個の構成要素であり得る、灌流ソース214をさらに含む。灌流ソース214は、眼10に送出する平衡塩類溶液を保持するなどのための、無菌液リザーバであってもよい。他の流体が用いられてもよい。
【0027】
例としての灌流システム200は、灌流ソース214とハンドピース110との間に延び、手術処置中に灌流用流路を通して灌流液を手術部位(眼10)に運ぶ。灌流ソース214は、例えば、クランプ圧力システムによって圧縮される灌流バッグなどの、機械的に加圧された流体ソースであってもよい。他の実施形態では、灌流ソース214は、調整可能であっても又はなくてもよいポールによって懸架されたソース(例えば、IVポールによって懸架された灌流バッグ)であってもよい。他の流体ソースが、灌流ソース214として用いられてもよい。
【0028】
灌流システム200は、灌流ソース214から手術部位への流れを調節する灌流バルブ218と、コンソール100内(ハウジング及び/又はカセット内)の灌流チャネル210と、コンソール100とハンドピース110との間の灌流配管208と、ハンドピース110内の灌流チャネル206と、灌流チューブ又はスリーブ204(ハンドピース110の構成要素と考えられ得る)と、をさらに含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、灌流配管208は、複数のセグメントから形成され、いくつかのセグメントは剛性であり、他のセグメントは可撓性である。また、いくつかの実施形態では、灌流システム200の少なくとも一部分が、コンソールハウジング内に装着されるカセットに形成されて、灌流ソース214と患者の眼10との間に流体連通を提供する。灌流流路内の流体の圧力は、コンソール(ハウジング及び/又はカセット)内の圧力センサ216を介してモニタリングされ得る。
【0030】
灌流バルブ218は、灌流ソース214からハンドピース110へ、且つ眼10の中への流れを選択的に可能にするか又は遮断し得る。いくつかの実施例において、灌流バルブ218は、また、シャント経路220へ、且つドレイン320内への流れを可能にし得る。いくつかの実施例では、灌流バルブ218は、灌流ソース214からハンドピース110へ、且つ眼10の中への流れの速度を制御するように調整可能である。
【0031】
例としての吸引システム300は、作業チップ304の開口部302と、(作業チップ304を通ることを含む)ハンドピース110を通る吸引チャネル306と、ハンドピース110とコンソール100との間の吸引配管308と、コンソール100(ハウジング及び/又はカセット)内の吸引チャネル310と、通気弁324を有する通気ライン322と、通気リザーバ312と、ドレインバッグなどのドレイン320と、ドレイン320への配管316、318と、を含む。ドレイン320は、バッグ又は任意の適当な容器であってもよく、いくつかの実施形態では、それは、自己内蔵型リザーバの代わりにパイプ又は配管へのドレインであってもよい。
【0032】
図示されるように、吸引システム300は、手術部位(眼10)からドレイン320へ延びる吸引流体経路を含む。吸引システム300は、外科的処置中に、流体だけでなく乳化粒子又は硝子体線維などの眼から吸引される任意の他の物質を、吸引流路を通して眼10から吸引するために使用される。
【0033】
いくつかの実施形態では、吸引配管308は、複数のセグメントから形成され、いくつかのセグメントは剛性であり、他のセグメントは可撓性である。また、いくつかの実施形態では、吸引システム300の少なくとも一部が、コンソール100の一部であるカセット内に形成される。
【0034】
図1から分かるように、吸引システム300は、ハンドピースポンプ330を含む。ハンドピースポンプ330は、例えば、ハンドピース110内の吸引チャネル306の可撓性部分に作用する蠕動ポンプであってもよい。ハンドピースポンプ330のポンプ作用は、例えば、ロータ上に取り付けられた1つ若しくは複数のらせん状の隆起によって、又は1つ若しくは複数のローラによってもたらされ得る。ハンドピースポンプ330は、眼から吸引されることが望ましい任意の流体又は組織(例えば、乳化されたレンズ組織、硝子体線維)を吸引するのに十分な真空圧をもたらす。
【0035】
ハンドピースポンプ330の作用は、ハンドピースポンプ330をコントローラ400に接続する電気配線406によってハンドピースポンプ330と通信するコントローラ400によって制御される。代替として、コントローラ400は、ハンドピースポンプ330と無線通信し得る。入力制御402によって、操作者が吸引のための所望の真空圧及び/又は所望の流速を選択することを可能にする。入力制御402は、ダイアル、プッシュボタン、タッチスクリーンなどの任意の適当な入力機構を含み得る。入力制御402は、入力制御402をコントローラ400に接続する電気配線408によってコントローラ400と通信し得る。代替として、コントローラ400は、入力制御402と無線通信し得る。入力制御402からの入力に基づいて、コントローラ400は、ハンドピースポンプ330の作用を制御する。
【0036】
ハンドピースポンプ330の上流の(即ち、ハンドピースポンプ330と作業チップ304の開口部302との間の)圧力を含む、吸引ライン内の圧力をモニタリングするために、
図1の吸引システム300は、吸引ラインに沿って2つのポンプ332、330の間に位置する圧力センサ326と共に、コンソール100内に、且つ吸引ラインに沿ってハンドピースポンプ330と直列に位置する第2のポンプ332を含む。第2のポンプ332は、例えば、コンソール100内の(ハウジング及び/又はカセット内の)吸引チャネル310の可撓性部分に作用する蠕動ポンプであってもよい。第2のポンプ332のポンプ作用は、例えば、回転ハブ上に取り付けられた1つ若しくは複数のローラによって、又はロータ上に取り付けられた1つ若しくは複数のらせん状の隆起によってもたらされ得る。例えば、ローラのセットは、蠕動ポンプモータ(例えば、ステッパモータ若しくは直流(DC)サーボモータ、又は他のモータ(交流(AC)モータなど))の回転軸から放射状に取り付けられてもよく、吸引チャネル310の可撓性部分(カセット本体に取り付けられたエストラマーシートのポンプセグメントなど)を圧縮するように構成されてもよい。第2のポンプ332の作用、例えば、第2のポンプ332のモータの作用が、コントローラ400によって制御される。コントローラ400は、第2のポンプ332をコントローラ400に接続する電気配線404によって第2のポンプ332と通信する。代替として、コントローラ400は、第2のポンプ332と無線通信し得る。
【0037】
圧力センサ326は、吸引流路に沿って第2のポンプ332とハンドピースポンプ330との間に位置する。眼10からドレイン320への吸引流れの方向を考えると、圧力センサは、第2のポンプ332の上流且つハンドピースポンプ330の下流に位置する。
図1の例示される実施形態では、圧力センサ326は、コンソール100(ハウジング及び/又はカセット)内に位置する。代替として、圧力センサは、吸引流路に沿った第2のポンプ332とハンドピースポンプ330との間の別の位置におけるコンソール100の外部に位置し得る。
【0038】
圧力センサ326は、第2のポンプ332、330の間の吸引流路内の圧力を感知することが可能な任意の適当なセンサであってもよい。例としての圧力センサは、特に、ロードセルを用いて流体と接触する隔膜のたわみを測定する圧力センサ、及び流体と接触する隔膜のたわみの光学測定を用いる圧力センサを含む。
【0039】
コントローラ400は、プロセッサと、入力制御402から受信される情報を検出すること、ハンドピースポンプ330を動作させること、第2のポンプ332を動作させること、圧力センサ326から受信される情報を検出すること、及び通気弁324を動作させることなどの様々な機能を実行するための実行可能プログラムを含み得るメモリと、を含み得る。
【0040】
一実施例では、コントローラ400は、ハンドピースポンプ330、第2のポンプ332、及び/又は通気弁324を制御して、閉塞の発生時、又は閉塞の除去後のサージの発生時など、圧力偏差を緩和するように構成されるPIDコントローラである。コントローラ400は、所望の圧力限界を確立する1つ又は複数の事前確立された圧力閾値を含み得る。事前確立された圧力閾値は、入力制御402を通して操作者によって行われる異なる圧力選択に対して異なり得る。これらの閾値は、操作者によって入力されてもよく、又は製造中に事前設定され記憶されてもよい。圧力センサ326から測定又は検出された圧力が、これらの事前確立された閾値を超えるとき、コントローラ400は、ハンドピースポンプ330、第2のポンプ332、及び/又は通気弁324を制御して、圧力を所望のレベルに復元する。
【0041】
本明細書の開示によれば、第2のポンプ332は、吸引ラインを通してハンドピースポンプ330と同一の流速を生じるように動作される。即ち、ハンドピースポンプ330は、第2のポンプ332が流体をポンピングするのと同一の速度で第2のポンプ332に向かって流体をポンピングする。このようにして、2つのポンプ間の真空圧レベルは、一定又は比較的一定に保たれる。操作者が入力制御402を通して所望の圧力レベル及び/又は流速を選択すると、コントローラ400は、ハンドピースポンプ330を動作させてその選択された圧力レベル及び/又は流速を達成し、コントローラは、ハンドピースポンプ330と同一の流速を有するように第2のポンプ332を動作させる。
【0042】
手術中にレンズの破片が吸引経路の一部に入り、詰まった場合など、吸引経路が閉塞した場合、手術システムは、圧力センサ326を介して真空又は圧力差を検出し得る。閉塞が起こる一般的な位置は、作業チップ304の開口部302、又は開口部302付近である。そのような閉塞によって、ハンドピースポンプ330と作業チップ304の開口部302との間の領域で真空ビルドアップが引き起こされる。その結果、第2のポンプ332が継続的に動作することに起因して、真空ビルドアップは、ハンドピースポンプ330と第2のポンプ332との間でも生じ、それは、圧力センサ326によって検出される。
【0043】
それに応じて、
図1に示される実施例に含む、本明細書に開示されるようなシステムでは、システムは、ハンドピースポンプ330と第2のポンプ332との間の、ハンドピースポンプ330から下流に位置する圧力センサ326によって、作業チップ304内の閉塞又はハンドピースポンプ330の上流のどこかの閉塞をモニタリングし得る。即ち、閉塞事象がハンドピースポンプ330の上流で生じるとき、2つのポンプ330、332間の吸引ラインの流れの減少が、圧力の急降下をもたらす。これは、圧力センサ326によって検出されて、ハンドピースポンプ330の上流の圧力の間接測定をもたらす。
図1に示される実施例に含む、本明細書に開示されるシステムでは、システムは、ハンドピースポンプ330と作業チップ304の開口部302との間の、ハンドピースポンプ330の上流に位置する圧力センサを必要とすることなく、閉塞をモニタリング及び検出し得る。
【0044】
図2は、本開示による例としての方法におけるステップを示すフローチャートである。第1のステップ502において、吸引ラインに沿ってハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプが、流体及び/又は他の物質(例えば、乳化されたレンズ物質などの組織)を眼から吸引するように動作される。第1の吸引ポンプは、
図1に示されるハンドピースポンプ330などのハンドピースポンプであってもよい。第1のステップ502と同時に実行され得る第2のステップ504において、吸引ラインに沿ってハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプは、流体及び/又は第1の吸引ポンプによってポンピングされた他の物質をさらにポンピングするように動作される。第2の吸引ポンプは、
図1に示される第2のポンプ330などのポンプであってもよい。第2の吸引ポンプは、吸引ラインに沿って第1の吸引ポンプと直列に配置され、第2の吸引ポンプは、第1の吸引ポンプから下流に配置される。第1の吸引ポンプ及び第2の吸引ポンプが動作している間に実行される第3のステップ506において、吸引ライン内の圧力が、吸引ラインに沿って第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサを用いて測定される。圧力センサは、
図1の圧力センサ326などの圧力センサであってもよい。第2の吸引ポンプ、及び第1の吸引ポンプと第2の吸引ポンプとの間の圧力センサの使用によって、作業チップなど、ハンドピース内の第1の吸引ポンプの上流における閉塞をモニタリング及び検出することが可能となる。
【0045】
第2の吸引ポンプは、第1の吸引ポンプと同一の流速で動作されてもよい。第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように動作されてもよい。第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で低い真空レベルを維持するように動作されてもよい。代替実施形態において、第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、第2の吸引ポンプと第1の吸引ポンプとの間で圧力を大気圧レベルに維持するように動作されてもよい。方法は、真空レベル及び/又は流速を選択することをさらに含んでもよく、第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、選択された真空レベル及び/又は流速に基づいて同一の流速で動作される。例えば、操作者は、入力制御402などの入力制御を用いて真空レベル及び/又は流速を選択してもよく、第2の吸引ポンプ及び第1の吸引ポンプは、選択された真空レベルに基づいて同一の流速で動作されてもよい。
【0046】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、先行システム及び方法と比較して1つ又は複数の利点を有する。例えば、本明細書に開示されるシステム及び方法の実施形態は、ハンドピース内に圧力センサを必要とすることなく、ハンドピースポンプの上流で(作業チップなどにおいて)閉塞をモニタリング及び検出することを可能にし、より単純な設計及びより低いコストをもたらす。本明細書に開示されるシステム及び方法の実施形態は、また、ハンドピース内に圧力センサを必要とする設計と比較してハンドピースの改善された人間工学を可能にし得る。本明細書に開示されるシステム及び方法の実施形態は、ハンドピース内に圧力センサを必要とする設計において生じ得るハンドピースのサイズ、重量、及びバランスの問題を回避し得る。
【0047】
当業者には、本開示が包含する実施態様が、上述の特定の例示的実施態様に限定されないことが認識されるであろう。この点に関して、例示的な実施態様を図示及び記述してきたが、前述した開示においては、広範囲の修正、変更、及び置換が考えられる。このような変形が、本開示の範囲から逸脱することなく、前述したものに対して行われ得ると理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲は、広範に且つ開示と整合するように解釈されることが適切である。
態様(1)によれば、眼科手術システムであって、
コンソールと、
作業チップに吸引開口部を有する前記作業チップを含むハンドピースであって、前記ハンドピースが前記コンソールに接続される、ハンドピースと、
前記ハンドピース内の吸引チャネル、前記ハンドピースと前記コンソールとの間の吸引配管、及び前記コンソール内の吸引チャネルを含む、吸引ラインと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサであって、前記圧力センサが、前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞をモニタリングするように適合される、圧力センサと、
を備える、眼科手術システムである。
態様(2)によれば、前記第2の吸引ポンプが、前記コンソール内に位置する。
態様(3)によれば、前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する。
態様(4)によれば、前記圧力センサが、前記コンソール内に位置する。
態様(5)によれば、前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第1の吸引ポンプと同一の流速で前記第2の吸引ポンプを動作させるように構成される。
態様(6)によれば、前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される。
態様(7)によれば、前記眼科手術システムが、コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間でプリセット真空レベルを維持するように前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される。
態様(8)によれば、前記眼科手術システムが、選択された真空レベル又は流速を操作者が入力するための入力制御をさらに備え、前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記入力制御からの前記真空レベル又は流速に基づいて、同一の流速で動作される。
態様(9)によれば、眼科手術システムであって、前記眼科手術システムが、
コンソールと、
作業チップに吸引開口部を有する前記作業チップを含むハンドピースであって、前記ハンドピースが前記コンソールに接続される、ハンドピースと、
前記ハンドピース内の吸引チャネル、前記ハンドピースと前記コンソールとの間の吸引配管、及び前記コンソール内の吸引チャネルを含む、吸引ラインと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサと、
選択された真空レベル又は流速を操作者が入力するための入力制御と、
コントローラであって、前記コントローラが、前記入力制御からの前記真空レベル又は流速に基づいて同一の流速で前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプを動作させるように構成される、コントローラと、
を備え、
前記圧力センサが、前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞をモニタリングするように適合される、眼科手術システムである。
態様(10)によれば、前記第2の吸引ポンプが、前記コンソール内に位置する。
態様(11)によれば、前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する。
態様(12)によれば、前記圧力センサが、前記コンソール内に位置する。
態様(13)によれば、眼科手術処置の間に吸引ラインの閉塞をモニタリングする方法であって、
前記吸引ラインに沿ってハンドピース内に位置する第1の吸引ポンプを動作させることと、
前記吸引ラインに沿って前記ハンドピースから離れて位置する第2の吸引ポンプを動作させることと、
前記吸引ラインに沿って前記第1の吸引ポンプと前記第2の吸引ポンプとの間に位置する圧力センサを用いて前記吸引ライン内の圧力をモニタリングすることであって、それによって前記第1の吸引ポンプの上流の前記吸引ラインの閉塞をモニタリングする、モニタリングすることと、
を含む、眼科手術処置の間に吸引ラインの閉塞をモニタリングする方法である。
態様(14)によれば、前記第2の吸引ポンプが、コンソール内に位置する。
態様(15)によれば、前記圧力センサが、前記ハンドピースから離れて位置する。
態様(16)によれば、前記圧力センサが、コンソール内に位置する。
態様(17)によれば、前記第2の吸引ポンプが、前記第1の吸引ポンプと同一の流速で動作する。
態様(18)によれば、前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間で定圧を維持するように動作する。
態様(19)によれば、前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、前記第2の吸引ポンプと前記第1の吸引ポンプとの間でプリセット真空レベルを維持するように動作する。
態様(20)によれば、真空レベル又は流速を選択することをさらに含み、前記第2の吸引ポンプ及び前記第1の吸引ポンプが、選択された前記真空レベル又は流速に基づいて同一の流速で動作する。