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特許7620635標的ポリヌクレオチドを単離するための組成物、キットおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】標的ポリヌクレオチドを単離するための組成物、キットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/10 20060101AFI20250116BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20250116BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20250116BHJP
【FI】
C12N15/10 Z ZNA
C12Q1/6813 Z
C12Q1/6876 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022543377
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 GB2021050098
(87)【国際公開番号】W WO2021144587
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】2000672.2
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2000673.0
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】62/961,816
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520099955
【氏名又は名称】ディーエヌエイイー ダイアグノスティックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン、ノーム
(72)【発明者】
【氏名】ウールドリッジ、デイヴィッド
【審査官】三谷 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-531913(JP,A)
【文献】特表2011-520450(JP,A)
【文献】特表2019-534025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5’から3’方向に、
ポリヌクレオチド捕捉配列、
伸長ブロッカー、
前記ポリヌクレオチド捕捉配列の第1の相補体、および
標的ハイブリダイズ配列
を含む、捕捉オリゴマーであって、
前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体は、前記標的ハイブリダイズ配列および前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体にアニールした伸長された標的ポリヌクレオチド配列の非存在下で、前記ポリヌクレオチド捕捉配列にアニールするように構成され、
前記ポリヌクレオチド捕捉配列は、該ポリヌクレオチド捕捉配列が標的ポリヌクレオチド配列の伸長により前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体から離れると、捕捉試薬に含まれる前記ポリヌクレオチド捕捉配列の第2の相補体にアニールするように構成され、
前記捕捉オリゴマーは、第1及び第2の安定化配列をそれぞれ含む、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の5’端に位置する第1の追加の配列、および前記ポリヌクレオチド捕捉配列の第1の相補体の3’端に位置する第3の追加の配列を含むことを特徴とし、
ここで前記安定化配列は、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の5’端と、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体の3’端とをアラインメントし、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の5’端および前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体の3’端が、ポリヌクレオチドデュプレックスを形成するように構成され、
ここで、前記伸長ブロッカーが、1つ以上の非ヌクレオチドリンカーを含むか、または前記伸長ブロッカーが、1つ以上の脱塩基部位若しくは非天然ヌクレオチドを含み、標的ハイブリダイズ配列にアニールされた標的ポリヌクレオチド配列の3’端の、ポリメラーゼによる、ポリヌクレオチド捕捉配列に沿った伸長を防止するものであり、
ここで、伸長した標的ポリヌクレオチド配列は、標的ハイブリダイズ配列にアニールした後、ポリメラーゼを用いて3’端が伸長され、標的ハイブリダイズ配列の相補体とポリヌクレオチド捕捉配列の第1の相補体の相補体を含むアンプリコンを生成する、標的ポリヌクレオチド配列である、
上記捕捉オリゴマー。
【請求項2】
前記捕捉オリゴマーが、式:
5’-A1-C-B-C’-A3-THS-3’
(式中、A1は、前記第1の追加の配列であり;
Cは、前記ポリヌクレオチド捕捉配列であり、
Bは、前記伸長ブロッカーであり、
C’は、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体であり、
A3は、前記第3の追加の配列であり、
THSは、前記標的ハイブリダイズ配列である)
を有する、請求項1に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項3】
前記ポリヌクレオチド捕捉配列と前記伸長ブロッカーとの間に、ヌクレオチド配列または非ヌクレオチドリンカーまたはそれらの組合せであるリンカーを含む、請求項1または2に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項4】
前記捕捉オリゴマーが、前記標的ハイブリダイズ配列の5’端に位置する可逆的伸長ブロッカーを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項5】
前記捕捉オリゴマーが、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体および前記標的ハイブリダイズ配列の間に位置する第3の追加の配列を含み、前記可逆的伸長ブロッカーが、アダプター配列の3’端に位置し、前記第3の追加の配列が、アダプター配列を含み、
前記アダプター配列は、配列決定プライマー、または捕捉オリゴマー、またはディスプレーサオリゴマー、またはプローブ、または核酸修飾酵素に対する結合部位を提供するポリヌクレオチド配列である、請求項4に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項6】
前記捕捉オリゴマーが、可逆的伸長ブロッカーの3’端および前記標的ハイブリダイズ配列の5’端に位置する第4の追加の配列を含み、前記第4の追加の配列が、アダプター配列を含み、前記アダプター配列は、配列決定プライマー、または捕捉オリゴマー、またはディスプレーサオリゴマー、またはプローブ、または核酸修飾酵素に対する結合部位を提供するポリヌクレオチド配列である、請求項から5のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項7】
前記伸長ブロッカーと前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体との間に第2の追加の配列を含み、前記第2の追加の配列が、混合ヌクレオチドセグメントを含み、前記混合ヌクレオチドセグメントは、それぞれのヌクレオチドがそのすぐ隣接する各々とは異なる配列である、請求項1から6のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項8】
前記可逆的伸長ブロッカーが、Iso-dC、Iso-dG、キサンチン、5-(2,4ジアミノピリミジン)、2-アミノ-6-(N,N-ジメチルアミノ)プリン、ピリジン-2-オン、4-メチルベンゾイミジゾール(4-Methylbenzimidizole)、2,4-ジフルオロトルエン、7-アザインドール、イソカルボスチリル、dMMO2、d5SICS、dFまたはdQを含む、請求項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項9】
前記第1および第2の安定化配列が、クランプ配列、混合ヌクレオチド領域、GCリッチ配列または親和性増強修飾を含む配列であり、
前記混合ヌクレオチド領域は、それぞれのヌクレオチドがそのすぐ隣接する各々とは異なる配列であり、
親和性増強修飾は、シトシンの5-メチル化、2-アミノプリンの使用、2’-フルオロ修飾、2’-メトキシ修飾;C-5-プロピン、および拘束エチル(cEt)置換から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項10】
前記第1および第2の安定化配列が、GCクランプ配列である、請求項1~8のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項11】
前記第1および第2の安定化配列が、それぞれ(GC)配列または(CG)配列を含むGCクランプ配列である、請求項1~8のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマー。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマーを含む組合せであって、前記捕捉オリゴマーが、前記標的ハイブリダイズ配列の5’端にアダプター配列を含み、前記組合せが、前記アダプター配列を含むブロッカーオリゴマーをさらに含み、前記ブロッカーオリゴマーは、ポリメラーゼを用いて3’端で伸長することのできないものであり
前記アダプター配列は、配列決定プライマー、または捕捉オリゴマー、またはディスプレーサオリゴマー、またはプローブ、または核酸修飾酵素に対する結合部位を提供するポリヌクレオチド配列であり、
前記ブロッカーオリゴマーは、その3’末端の5残基以内にブロッキング部分を含むポリヌクレオチド配列であり、前記ブロッキング部分は、前記ポリメラーゼの前記ブロッカーオリゴマーへの結合を妨げるものである、
請求項1~11のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマーを含む組合せ。
【請求項13】
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法であって、前記方法が、
前記標的ポリヌクレオチドを請求項1から11のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマーと接触させることであって、前記捕捉オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が、前記標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で前記標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて前記標的ポリヌクレオチドの前記3’端を伸長させ、それによって前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体の相補体を形成すること、ここで、前記ポリヌクレオチド捕捉配列の前記第1の相補体の前記相補体は、前記捕捉オリゴマーの前記ポリヌクレオチド捕捉配列が、捕捉試薬に含まれる前記ポリヌクレオチド捕捉配列の第2の相補体への結合に利用可能であるように、前記捕捉オリゴマーにアニールされるものである;
前記捕捉オリゴマーの前記ポリヌクレオチド捕捉配列を、(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を追加的に含む前記捕捉試薬と接触させ、それによって前記標的ポリヌクレオチド、前記捕捉オリゴマー、および前記捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
前記複合体を前記組成物から単離し、それによって前記標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含み、
前記結合パートナーが、ビオチン、ビオチン結合剤、ジゴキシゲニン、アンチジゴキシゲニン、相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチド、または相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチドの標的であり
前記結合パートナーがビオチンである場合、ビオチン結合剤を含む固体支持体に結合するように構成され
前記結合パートナーがビオチン結合剤である場合、ビオチンを含む固体支持体に結合するように構成され
前記結合パートナーがジゴキシゲニンである場合、アンチジゴキシゲニンを含む固体支持体に結合するように構成され
前記結合パートナーがアンチジゴキシゲニンである場合、ジゴキシゲニンを含む固体支持体に結合するように構成され、
前記結合パートナーが、相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチドである場合、相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチドの標的に結合するように構成され、そして
前記結合パートナーが、相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチドの標的である場合、相補性決定領域およびフレームワーク領域を有する機能的抗原結合領域を含むポリペプチドを含む固体支持体に結合するように構成される、
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年1月16日に出願された米国仮特許出願第62/961,816号、2020年1月16日に出願された英国特許出願第2000673.0号、および2020年1月16日に出願された英国特許出願第2000672.2号の優先権の利益を主張し、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
I.序論および概要
本明細書の実施形態は、目的の生物由来のポリヌクレオチドおよびアンプリコンなどの標的標的ポリヌクレオチドを組成物から単離することに関する。実施形態は、例えば、配列決定または他の分析のために標的ポリヌクレオチドを調製するためのワークフローの一部として有用である。
【0003】
ある特定の生化学的および分子生物学的手順は、規定量の入力核酸から利益を得るか、またはそれを必要とする。例えば、配列決定ライブラリの調製手順は、許容可能な量の核酸の範囲を有し得、最小量を下回る量は、無駄になる処理能力および低いデータ出力をもたらし、最大量を上回る量は、低いライブラリの質をもたらす。さらに、所定量(「分子の数」としてしばしば表される)のライブラリ核酸は、一般に、一方でポリクローナル分子集団ならびに他方で無駄になる処理能力および低いデータ出力を回避するための配列決定ワークフローのクローン増幅ステップ(利用される場合)での使用、ならびに配列決定ステップに入力する分子の定められた数が最適な結果のために望ましい一分子配列決定ワークフローでの使用が望ましい。臨床試料を配列決定することによる病原体の迅速な検出など、時間が重要な用途に対しては、例えば定量化手順およびその後の濃縮または希釈ステップを含む、許容可能な量の核酸を試料に供給するための既存のアプローチは、不必要に遅くなる可能性がある。加えて、様々な既存の方法は、過剰な捕捉オリゴマーによる固体支持体の飽和およびアダプターまたは他の配列の付加に関連する複雑性など、他の問題を被り得る。
【0004】
したがって、例えば、制御されたまたは限定された様式、例えば、所定量以下の量;標的依存的に捕捉可能な捕捉オリゴマー;およびアダプターまたは他の配列の合理化された付加での核酸の迅速かつ正確な捕捉を含む、改良された核酸の捕捉を提供することができる組成物および方法が必要とされている。本開示は、これらのニーズの1つもしくは複数を満たす、他の利益を提供する、または少なくとも公衆に有用な選択肢をもたらす、組成物および方法を提供することを目的とする。核酸の量を捕捉および/もしくは制御するため(例えば、規定量の捕捉オリゴマーもしくは別の制限試薬(例えば、二次捕捉試薬)またはそれらの組合せは捕捉手順の出力を制御することができ、捕捉オリゴマーは標的依存的に捕捉可能になる);ならびに/またはアダプターもしくは他の配列を合理化された様式で付加するための、捕捉オリゴマー、捕捉オリゴマーと他のオリゴマーとの組合せ、および関連する組成物、キット、ならびに方法が本明細書で提供される、
【発明の概要】
【0005】
より具体的には、以下の実施形態が本明細書で提供される。実施形態1は、5’から3’方向に:
捕捉配列、
内部伸長ブロッカー、
捕捉配列の相補体、および
標的ハイブリダイズ配列
を含む、捕捉オリゴマーであって、
捕捉配列の相補体が、標的ハイブリダイズ配列および捕捉配列の相補体にアニールした伸長された標的配列の非存在下で、捕捉配列にアニールするように構成される、捕捉オリゴマーである。
【0006】
実施形態2は、捕捉オリゴマーが、式
5’-A1-C-L-B-A2-C’-A3-RB-A4-THS-X-3’
(式中、A1は、場合により存在する第1の追加の配列であり;
Cは、捕捉配列であり、
Lは、場合により存在するリンカーであり、
Bは、内部伸長ブロッカーであり、
A2は、場合により存在する第2の追加の配列であり、
C’は、捕捉配列の相補体であり、
A3は、場合により存在する第3の追加の配列であり、
RBは、場合により存在する可逆的伸長ブロッカーであり、
A4は、場合により存在する第4の追加の配列であり、
THSは、標的ハイブリダイズ配列であり;
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、実施形態1に記載の捕捉オリゴマーである。
【0007】
実施形態3は、捕捉配列がポリAまたはポリT配列を含み、捕捉配列の相補体がポリTまたはポリA配列を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0008】
実施形態4は、捕捉オリゴマーが、それぞれ第1および第2の安定化配列を含む、捕捉配列の第1の追加の配列5’および捕捉配列の相補体の第3の追加の配列3’を含み、場合により安定化配列がGCクランプ配列である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0009】
実施形態5は、第1の安定化配列が、捕捉配列の残りの部分の5’に位置、および/または第2の安定化配列が、捕捉配列の相補体の残りの部分の3’に位置する、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマーである。
【0010】
実施形態6は、GCクランプ配列が、それぞれ(GC)配列または(CG)配列を含む、実施形態4または5に記載の捕捉オリゴマーである。
【0011】
実施形態7は、捕捉配列と内部伸長ブロッカーとの間に、場合によりヌクレオチド配列もしくは非ヌクレオチドリンカーまたはそれらの組合せであるリンカーを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0012】
実施形態8は、内部伸長ブロッカーが、非ヌクレオチドリンカー、または1つもしくは複数の脱塩基部位、非天然ヌクレオチド、もしくは化学修飾された天然ヌクレオチドのいずれか1つまたは複数を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0013】
実施形態9は、捕捉配列の相補体とTHSとの間にアダプター配列を含む第3の追加の配列を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0014】
実施形態10は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する可逆的伸長ブロッカーを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0015】
実施形態11は、可逆的伸長ブロッカーが捕捉配列の相補体の3’に位置する、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマーである。
【0016】
実施形態12は、捕捉オリゴマーが、捕捉配列の相補体の3’および標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する第3の追加の配列を含み、可逆的伸長ブロッカーが、アダプター配列の3’に位置し、場合により第3の追加の配列が、アダプター配列を含む、実施形態10または11に記載の捕捉オリゴマーである。
【0017】
実施形態13は、捕捉オリゴマーが、可逆的ブロッカーの3’および標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する第4の追加の配列を含み、場合により第4の追加の配列がアダプター配列を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0018】
実施形態14は、内部伸長ブロッカーと捕捉配列の相補体との間に第2の追加の配列を含み、場合により第2の追加の配列が混合ヌクレオチドセグメントを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0019】
実施形態15は、可逆的伸長ブロッカーが、Iso-dCもしくはIso-dG、キサンチンもしくは5-(2,4ジアミノピリミジン)、2-アミノ-6-(N,N-ジメチルアミノ)プリンもしくはピリジン-2-オン、4-メチルベンゾイミジゾール(4-Methylbenzimidizole)もしくは2,4-ジフルオロトルエン、7-アザインドールもしくはイソカルボスチリル、dMMO2もしくはd5SICS、dFもしくはdQ;化学修飾された1つもしくは複数のヌクレオチドであって、修飾が可逆的連結を介して結合され、連結が、化学物質、酵素、温度変化、試薬組成変化のいずれか1つもしくは複数を供給することによって反転され得る、化学修飾された1つもしくは複数のヌクレオチド;可逆的な核酸の構造的特徴;または捕捉オリゴマーに可逆的に結合した分子であって、場合により、可逆的に結合した分子がタンパク質、酵素、脂質、炭水化物、もしくは化学的部分である、捕捉オリゴマーに可逆的に結合した分子を含む、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマーである。
【0020】
実施形態16は、標的ハイブリダイズ配列が、その3’端にブロッキング部分を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0021】
実施形態17は、例えば標的ハイブリダイズ配列に、1つまたは複数の親和性増強修飾(例えば、5-Me-C、2-アミノプリン、2’-フルオロ、C-5-プロピン、LNA、PNA、ZNA、ホスホロチオアート、2’-OMe、または拘束エチル(cEt)置換のいずれか1つまたは複数)を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーである。
【0022】
実施形態18は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーと、捕捉配列の相補体および(a)結合パートナー(例えば、ビオチン)または(b)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含む二次捕捉試薬とを含む組合せである。
【0023】
実施形態19は、組合せが、第2の捕捉オリゴマーおよび第2の二次捕捉試薬をさらに含み、第2の捕捉オリゴマーが、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列とは異なる第2の標的ハイブリダイズ配列および捕捉オリゴマーの捕捉配列とは異なる第2の捕捉配列を含み、第2の二次捕捉試薬が、第2の捕捉配列の相補体および(a)結合パートナー(例えば、ビオチン)または(b)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含む、直前の実施形態に記載の組合せである。
【0024】
実施形態20は、二次捕捉試薬が、捕捉配列の相補体および結合パートナー(例えば、ビオチン)を含み、組合せが、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナー(例えば、ビオチン結合剤、例えばストレプトアビジン)を含む固体支持体(例えば、ビーズ)をさらに含む、実施形態18に記載の組合せである。
【0025】
実施形態21は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せを含む組合せであって、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列のアダプター配列5’を含み、組合せが、伸長不可能なアダプター配列を含むブロッカーオリゴマーをさらに含み、場合により、ブロッカーオリゴマーが、捕捉オリゴマーのアダプター配列よりも高い親和性でアダプター配列の相補体に結合するか、または捕捉オリゴマーのアダプター配列とアダプター配列の相補体との複合体よりも高い融解温度を有するアダプター配列の相補体との複合体を形成するように構成される、組合せである。
【0026】
実施形態22は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せを含む組合せであって、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列のアダプター配列5’を含み、組合せが、アダプター配列の少なくとも一部分の相補体の第2の標的ハイブリダイズ配列5’を含む第2のオリゴマーをさらに含み、第1および第2の標的ハイブリダイズ配列のアクセス可能な相補体を有する標的ポリヌクレオチドの存在下で、捕捉オリゴマーおよび第2のオリゴマーが、標的ポリヌクレオチドと三本鎖接合を形成するように構成される、組合せである。
【0027】
実施形態23は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せと標的ポリヌクレオチドとを含む反応混合物である。
【0028】
実施形態24は、標的がアンプリコンであり、場合により少なくとも1つの増幅プライマーをさらに含み、さらに場合により捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、アンプリコンに対してプライマーよりも大きい親和性(例えば、より長いTHSまたは親和性増強修飾)を有する、直前の実施形態に記載の反応混合物である。
【0029】
実施形態25は、第2の捕捉オリゴマー、第2の二次捕捉試薬、および第2の標的ポリヌクレオチドをさらに含み、第2の捕捉オリゴマーが、第2の標的ポリヌクレオチドにアニールするように構成された第2の標的ハイブリダイズ配列および捕捉オリゴマーの捕捉配列とは異なる第2の捕捉配列を含み、第2の二次捕捉試薬が、第2の捕捉配列の相補体および(a)結合パートナー(例えば、ビオチン)または(b)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含む、実施形態23または24のいずれか1つに記載の反応混合物である。
【0030】
実施形態26は、第2の標的ポリヌクレオチドが、標的ポリヌクレオチドよりも低い濃度で存在する、直前の実施形態に記載の反応混合物である。
【0031】
実施形態27は、標的ポリヌクレオチドおよび第2の標的ポリヌクレオチドが環境の生物またはタイプ由来の試料から単離されるか、または生成され、第2の標的ポリヌクレオチドが、環境の生物またはタイプ由来の試料においてあまり一般的に観察されない、実施形態25または26のいずれか1つに記載の反応混合物である。
【0032】
実施形態28は、
(a)捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に:
第1および第2の部分を含む捕捉配列、
内部伸長ブロッカー、
第1および第2の部分を含むスペーサー配列、ならびに
標的ハイブリダイズ配列
を含み、
(b)相補的オリゴマーが、3’から5’方向に:
捕捉配列の第2の部分の相補体、および
スペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体
を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体およびスペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体が、スペーサー配列の相補体の非存在下で、捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される、
捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む組合せである。
【0033】
実施形態29は、捕捉オリゴマーが、式:
5’-A1-C1-C2-B-A2-S1-S2-A3-RB-A4-THS-X-3’
(式中、A1は、場合により存在する第1の追加の配列であり、;
C1は、捕捉配列の第1の部分であり、
C2は、捕捉配列の第2の部分であり、
Bは、内部伸長ブロッカーであり、
A2は、場合により存在する第2の追加の配列であり、
S1は、スペーサー配列の第1の部分であり、
S2は、スペーサー配列の第2の部分であり、
A3は、場合により存在する第3の追加の配列であり、
RBは、場合により存在する可逆的伸長ブロッカーであり、
A4は、場合により存在する第4の追加の配列であり、
THSは、標的ハイブリダイズ配列であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、直前の実施形態に記載の組合せである。
【0034】
実施形態30は、相補的オリゴマーが、式:
5’-S1’-A2’-L-C2’-X-3’
(式中、S1’は、スペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体であり、
A2’は、捕捉オリゴマー中に場合により存在する、第2の追加の配列の場合により存在する相補体であり;
Lは、場合により存在するリンカーであり、
C2’は、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、実施形態28または29のいずれか1つに記載の組合せである。
【0035】
実施形態31は、
(a)捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に:
第1および第2の部分を含む捕捉配列と、
第2および第1の部分を含む標的ハイブリダイズ配列と
を含み、
(b)相補的オリゴマーが、3’から5’方向に:
捕捉配列の第2の部分の相補体と、
標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体と
を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体および標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体が、標的ハイブリダイズ配列の相補体の非存在下で、捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される、
捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む組合せである。
【0036】
実施形態32は、捕捉オリゴマーが、式:
5’-A1-C1-C2-A2-S-A3-THS2-THS1-X-3’
(式中、A1は、場合により存在する第1の追加の配列であり、
C1は、捕捉配列の第1の部分であり、
C2は、捕捉配列の第2の部分であり、
A2は、場合により存在する第2の追加の配列であり、
Sは、場合により存在するスペーサー配列であり、
A3は、場合により存在する第3の追加の配列であり、
THS2は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分であり、
THS1は、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、直前の実施形態に記載の組合せである。
【0037】
実施形態33は、相補的オリゴマーが、式:
5’-THS2’-A3’-S’-A2’-C2’-X-3’
(式中、THS2’は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体であり、
A3’は、捕捉オリゴマー中に場合により存在する第3の追加の配列の場合により存在する相補体であり;
S’は、捕捉オリゴマー中に場合により存在するスペーサーの場合により存在する相補体であり、
A2’は、捕捉オリゴマー中に場合により存在する第2の追加の配列の場合により存在する相補体であり;
C2’は、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、実施形態31または32のいずれか1つに記載の組合せである。
【0038】
実施形態34は、捕捉オリゴマーおよび/または相補的オリゴマーが、その3’端にブロッキング部分を含む、実施形態28~33のいずれか1つに記載の組合せである。
【0039】
実施形態35は、捕捉オリゴマーのスペーサー配列が別個の相補体によって占有されている場合、捕捉配列の第2の部分の相補体が、65℃以上の温度で捕捉オリゴマーの捕捉配列に安定的にアニールするには不十分である、実施形態28~34のいずれか1つに記載の組合せである。
【0040】
実施形態36は、捕捉配列がポリAまたはポリTを含み、捕捉配列の相補体または捕捉配列の第2の部分の相補体がポリTまたはポリAを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0041】
実施形態37は、捕捉オリゴマーが、スペーサー配列の一部もしくは全部として、またはスペーサー配列の第3の追加の配列3’もしくは標的ハイブリダイズ配列の第4の追加の配列5’の一部もしくは全部としてアダプター配列を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0042】
実施形態38は、捕捉オリゴマーが、例えば標的ハイブリダイズ配列に、親和性増強修飾(例えば、5-Me-C、2-アミノプリン、2’-フルオロ、C-5-プロピン、LNA、PNA、ZNA、ホスホロチオアート、2’-OMe、または拘束エチル(cEt)置換のいずれか1つまたは複数)を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0043】
実施形態39は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する可逆的伸長ブロッカーを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0044】
実施形態40は、可逆的伸長ブロッカーがスペーサー配列の第2の部分の3’に位置する、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0045】
実施形態41は、可逆的伸長ブロッカーが、Iso-dCまたはIso-dG、キサンチンまたは5-(2,4ジアミノピリミジン)、2-アミノ-6-(N,N-ジメチルアミノ)プリンまたはピリジン-2-オン、4-メチルベンゾイミジゾール(4-Methylbenzimidizole)または2,4-ジフルオロトルエン、7-アザインドールまたはイソカルボスチリル、dMMO2またはd5SICS、dFまたはdQ、化学修飾された1つまたは複数のヌクレオチドであって、修飾が可逆的連結を介して結合され、場合により連結が、化学物質、酵素、温度変化、試薬組成変化のいずれか1つまたは2つ以上の任意に組合せにより可逆的である、化学修飾された1つまたは複数のヌクレオチド、可逆的な核酸の構造的特徴、タンパク質、酵素、脂質、炭水化物、または化学的部分の核酸テンプレートへの可逆的結合を含む、実施形態39または40のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0046】
実施形態42は、内部伸長ブロッカーとスペーサー配列の第1の部分との間に第2の追加の配列を含み、第2の追加の配列が混合ヌクレオチドセグメントを含む、実施形態28~41のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0047】
実施形態43は、混合ヌクレオチドセグメントが、各ヌクレオチドがその最近傍とは異なる5個のヌクレオチドを含む、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0048】
実施形態44は、混合ヌクレオチドセグメントが、反復ジヌクレオチド、反復トリヌクレオチド、および/または隣接する反復を含まない、実施形態42または43のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0049】
実施形態45は、5’から3’方向に:
捕捉オリゴマー中に存在しない配列の相補体;
混合ヌクレオチドセグメント;および
捕捉配列の相補体
を含むスプリントオリゴマーをさらに含む、実施形態42~44のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0050】
実施形態46は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列とスペーサー配列の第2の部分との間にアダプター配列を含む、第3もしくは第4の追加の配列を含むか、または捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列がアダプター配列であり;
スプリントオリゴマーが、捕捉配列のその相補体のアダプター配列3’の相補体をさらに含む、
直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0051】
実施形態47は、捕捉配列の相補体および(a)結合パートナー(例えば、ビオチン)または(b)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含む二次捕捉試薬をさらに含む、実施形態28~46のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0052】
実施形態48は、二次捕捉試薬が結合パートナーを含み、組合せが、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナーを含む固体支持体(例えば、1つまたは複数のビーズ)をさらに含み、場合により、二次捕捉試薬の結合パートナーがビオチンであり、第2の結合パートナーがビオチン結合剤(例えば、ストレプトアビジン)である、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0053】
実施形態49は、標的ポリヌクレオチドに結合するように構成されたディスプレーサ標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサオリゴマーをさらに含み、ディスプレーサ標的ハイブリダイズ配列の3’端が捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列によって結合される部位に向けて配向されている、実施形態28~48のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0054】
実施形態50は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の5’および捕捉配列の相補体の3’に位置するアダプター配列を含む、直前の実施形態に記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0055】
実施形態51は、標的ポリヌクレオチドを捕捉オリゴマーに対して反対の配向で結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含み、場合により逆方向標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する第2のアダプター配列をさらに含む増幅オリゴマーをさらに含む、実施形態49または50のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、反応混合物、または組合せである。
【0056】
実施形態52は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せを含み、標的ポリヌクレオチドをさらに含む反応混合物である。
【0057】
実施形態53は、標的がアンプリコンであり、捕捉オリゴマーと同じ鎖に結合する増幅プライマーを含む増幅プライマーをさらに含み、場合により、捕捉オリゴマーのTHSが、捕捉オリゴマーと同じ鎖に結合するプライマーよりもアンプリコンに対して大きい親和性を有する(例えば、捕捉オリゴマーは、捕捉オリゴマーと同じ鎖に結合するプライマーよりも長いTHSを有するか、または捕捉オリゴマーは親和性増強修飾を含む)、直前の実施形態に記載の反応混合物である。
【0058】
実施形態54は、実施形態1~51のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せと増幅オリゴマーとを含む組合せであって、
捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列と内部伸長ブロッカーとの間に第1のアダプター配列を含み、
増幅オリゴマーが、(i)捕捉オリゴマーに対して逆向きに標的ポリヌクレオチドに結合する逆方向標的ハイブリダイズ配列、および(ii)逆方向標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する第2のアダプター配列を含む、
組合せである。
【0059】
実施形態55は、捕捉オリゴマーが、その3’端にブロッキング部分を含む、直前の実施形態に記載の組合せである。
【0060】
実施形態56は、捕捉オリゴマーは伸長可能である、実施形態54に記載の組合せである。
【0061】
実施形態57は、増幅オリゴマーが、第2のアダプター配列と逆方向標的ハイブリダイズ配列との間に位置する可逆的伸長ブロッカーを含み、場合により捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列と第1のアダプター配列との間に位置する可逆的伸長ブロッカーをさらに含む、実施形態54~56のいずれか1つに記載の組合せである。
【0062】
実施形態58は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを実施形態1~22または36~51のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされている捕捉配列の相補体の相補体を形成すること;
捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0063】
実施形態59は、方法が、
組成物を実施形態28~30または34~51のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるのに十分な程度まで相補的オリゴマーが置換されるように、捕捉オリゴマーにアニールされているスペーサー配列の相補体を形成すること;
捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0064】
実施形態60は、方法が、
組成物を実施形態28~30または34~51のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
場合により鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させ、それによって、捕捉オリゴマーにアニールされているスペーサー配列の相補体を形成させること;
遊離捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることであって、相補的オリゴマーが遊離捕捉オリゴマーにアニールし、その捕捉配列を部分的に占有し、相補的オリゴマーが、スペーサー配列の相補体にアニールされた捕捉オリゴマーを含む複合体にアニールしない、接触させること;
標的ポリヌクレオチドと複合体化した捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって、標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させることであって、相補的オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドの3’端の伸長前、伸長中、または伸長後に組成物に導入される、形成すること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0065】
実施形態61は、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が伸長を受け、それによって伸長された捕捉オリゴマーを形成する、直前の実施形態に記載の方法である。
【0066】
実施形態62は、方法が、
組成物を、捕捉オリゴマーに対して反対の配向で標的ポリヌクレオチドに結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含み、場合により逆方向標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する第2のアダプター配列をさらに含む増幅オリゴマーをさらに含む、実施形態28~30または34~51のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールし、伸長を受け、それによって伸長された捕捉オリゴマーを形成する、接触させること;
増幅オリゴマーを伸長された捕捉オリゴマーにアニーリングさせること;
場合により鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて増幅オリゴマーの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーにアニールされている、捕捉オリゴマーの少なくとも標的ハイブリダイズ配列の相補体を形成すること;
遊離捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることであって、相補的オリゴマーが遊離捕捉オリゴマーにアニールし、その捕捉配列を部分的に占有し、相補的オリゴマーが、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の相補体にアニールされた捕捉オリゴマーを含む複合体にアニールしない、接触させること;
標的ポリヌクレオチドと複合体化した捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させることであって、相補的オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドの3’端の伸長前、伸長中、または伸長後に組成物に導入される、形成すること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0067】
実施形態63は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを実施形態1~22、28~30、または34~51のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第3または第4の追加の配列5’および捕捉配列の相補体の3’またはスペーサー配列の第2の部分を含む、接触させること;
標的ポリヌクレオチドを、第3または第4の追加の配列の少なくとも一部分の相補体の第2の標的ハイブリダイズ配列5’を含む第2のオリゴマーと接触させることであって、捕捉オリゴマーおよび第2のオリゴマーが標的ポリヌクレオチドと三本鎖接合を形成する、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて第2のオリゴマーの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされている、捕捉配列の相補体の相補体またはスペーサー配列の相補体を形成すること;
捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0068】
実施形態64は、捕捉オリゴマーが、その3’端にブロッキング部分を含む;および/または第2のオリゴマーが、鎖置換活性を有するポリメラーゼによる置換をブロックするその5’端の部分を含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0069】
実施形態65は、方法が、
組成物を実施形態31~51のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前または後に、捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることであって、相補的オリゴマーが遊離捕捉オリゴマーにアニールし、その捕捉配列を部分的に占有し、相補的オリゴマーが、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の相補体にアニールされた捕捉オリゴマーを含む複合体にアニールせず、捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることが、捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前に起こる場合、標的ポリヌクレオチドへの標的ハイブリダイズ配列のアニーリングは捕捉オリゴマーからの相補的オリゴマーの解離をもたらす、接触させること;
標的ポリヌクレオチドと複合体化した捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0070】
実施形態66は、二次捕捉試薬が結合パートナー(例えば、ビオチン)を含み、単離することが、複合体を、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)を含む固体支持体(例えば、ビーズ)と接触させることを含む、実施形態58~65のいずれか1つに記載の方法である。
【0071】
実施形態67は、捕捉オリゴマーが、二次捕捉試薬に対して過剰に供給される、実施形態58~66のいずれか1つに記載の方法である。
【0072】
実施形態68は、標的ポリヌクレオチドが臨床検体から得られる、実施形態58~67のいずれか1つに記載の方法である。
【0073】
実施形態69は、標的ポリヌクレオチドが病原体(細菌、ウイルスなど)に由来する、実施形態58~68のいずれか1つに記載の方法である。
【0074】
実施形態70は、標的ポリヌクレオチドが増幅産物である、実施形態58~69のいずれか1つに記載の方法である。
【0075】
実施形態71は、標的ポリヌクレオチドが配列決定ライブラリのメンバーである、実施形態58~70のいずれか1つに記載の方法である。
【0076】
実施形態72は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列と内部伸長ブロッカーとの間に第3または第4の追加の配列を含む、実施形態58~71のいずれか1つに記載の方法である。
【0077】
実施形態73は、伸長産物が、標的ポリヌクレオチドに沿って捕捉オリゴマーを伸長させることによって形成され、方法が、伸長産物を、伸長不可能な第3または第4の追加の配列を含むブロッカーオリゴマーと接触させることをさらに含み、場合により、ブロッカーオリゴマーが、捕捉オリゴマーの第3または第4の追加の配列よりも高い親和性で第3または第4の追加の配列の相補体に結合するか、または捕捉オリゴマーの第3または第4の追加の配列と第3または第4の追加の配列の相補体との複合体よりも高い融解温度を有する、第3または第4の追加の配列の相補体との複合体を形成するように構成される、実施形態63~72のいずれか1つに記載の方法である。
【0078】
実施形態74は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを増幅オリゴマーと接触させることであって、増幅オリゴマーが、(i)捕捉オリゴマーに対して逆向きに標的ポリヌクレオチドに結合する逆方向標的ハイブリダイズ配列、および(ii)第2の標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する追加の配列を含む、接触させること、
ならびに増幅オリゴマーを標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させて逆方向伸長産物を形成すること
をさらに含み、
捕捉オリゴマーの一部分が逆方向伸長産物にアニールする、実施形態58~73のいずれか1つに記載の方法である。
【0079】
実施形態75は、捕捉オリゴマーが、その3’端にブロッキング部分を含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0080】
実施形態76は、方法が、捕捉オリゴマーにアニールされた逆方向伸長産物を含む複合体を単離することをさらに含み、伸長産物が、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の実質的に一本鎖5’である、直前の実施形態に記載の方法である。
【0081】
実施形態77は、捕捉オリゴマーが伸長可能であり、方法が捕捉オリゴマーの一部分を伸長産物に沿って伸長させ、それによって第3または第4の追加の配列および増幅オリゴマーの追加の配列の相補体を含む第2の伸長産物を形成することをさらに含む、実施形態74~76のいずれか1つに記載の方法である。
【0082】
実施形態78は、標的ポリヌクレオチドが、標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列と、標的生物のDNAおよびRNAに存在しない追加の配列とを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの追加の配列にアニールするように構成される、実施形態58~77のいずれか1つに記載の方法である。
【0083】
実施形態79は、組成物が、(i)追加の配列、ならびに(ii)標的生物のDNAもしくはRNAとは異なる配列および/または異なる試料を含む複数の標的ポリヌクレオチドを含み、方法が、複数の標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む、実施形態78に記載の方法である。
【0084】
実施形態80は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する可逆的伸長ブロッカーを含み、方法が、
可逆的伸長ブロッカーをブロック解除する前に標的ポリヌクレオチドをコピーまたは増幅すること;
可逆的伸長ブロッカーをブロック解除すること;および
標的ポリヌクレオチドのさらなるコピーまたは増幅のラウンドを行うことであって、
場合により、標的ポリヌクレオチドを捕捉する前に可逆的伸長ブロッカーをブロック解除した後に、単一サイクルの増幅のみが行われる、さらなるコピーまたは増幅のラウンドを行うこと
を含む、実施形態58~79のいずれか1つに記載の方法である。
【0085】
実施形態81は、捕捉オリゴマーが、内部伸長ブロッカーとスペーサー配列の第1の部分または捕捉配列の相補体との間に混合ヌクレオチドセグメントを含み、
方法が、標的ポリヌクレオチドの3’端を、捕捉オリゴマーに沿って内部伸長ブロッカーまで伸長させ、それによって、その3’端に混合ヌクレオチドセグメントの相補体を含む伸長産物を形成すること;
伸長産物を、5’から3’方向に:
伸長産物の5’末端セグメントの相補体;
混合ヌクレオチドセグメント;
捕捉配列の相補体;および
場合により、捕捉配列のすぐ5’の伸長産物中のセグメントに相補的なセグメント
を含むスプリントオリゴヌクレオチドと接触させること;ならびに
伸長産物の5’端を伸長産物の3’端にライゲートすること
を含む、実施形態58~64または66~80のいずれか1つに記載の方法である。
【0086】
実施形態82は、伸長産物の5’末端セグメントがアダプター配列である、直前の実施形態に記載の方法である。
【0087】
実施形態83は、捕捉配列のすぐ5’の伸長産物中のセグメントがアダプター配列の相補体である、実施形態81または82に記載の方法である。
【0088】
実施形態84は、混合ヌクレオチドセグメントが、各ヌクレオチドがその最近傍とは異なる5個のヌクレオチドを含む、実施形態81~83のいずれか1つに記載の方法である。
【0089】
実施形態85は、混合ヌクレオチドセグメントが、反復ジヌクレオチド、反復トリヌクレオチド、および/または隣接する反復を含まない、実施形態81~84のいずれか1つに記載の方法である。
【0090】
実施形態86は、標的ポリヌクレオチドを配列決定することをさらに含む、実施形態58~85のいずれか1つに記載の方法である。
【0091】
実施形態87は、捕捉された標的ポリヌクレオチドのクローン増幅を行うことをさらに含む、実施形態58~86のいずれか1つに記載の方法である。
【0092】
実施形態88は、クローン増幅された標的ポリヌクレオチドを配列決定することをさらに含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0093】
実施形態89は、配列決定がサンガー配列決定または次世代配列決定であり、場合により次世代配列決定が、合成による配列決定、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定または一分子配列決定を含む、実施形態86または88のいずれか1つに記載の方法である。
【0094】
実施形態90は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを実施形態1~22、28~30、または34~51のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマーまたは組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端の上流の部位で標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
捕捉オリゴマーの3’端を標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させ、それによって第1の伸長鎖を形成すること;
標的ポリヌクレオチドを、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の下流の標的ポリヌクレオチドにアニールするディスプレーサ標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサオリゴマーと接触させること;
ディスプレーサオリゴマーを標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させ、それによって標的ポリヌクレオチドの第1の伸長鎖を置換すること
を含み、
場合により、捕捉オリゴマーおよびディスプレーサが、同時にまたは逐次的に組成物に添加される、
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0095】
実施形態91は、第1の伸長鎖を、第1の伸長鎖に結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含む逆方向増幅オリゴマーと接触させ、逆方向増幅オリゴマーを伸長させ、それによって第2の伸長鎖を形成することをさらに含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0096】
実施形態92は、逆方向増幅オリゴマーが、その標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’を含み、場合により、第1の伸長鎖の3’端がさらに伸長され、それによって逆方向増幅オリゴマーの追加の配列の相補体を形成する、直前の実施形態に記載の方法である。
【0097】
実施形態93は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する追加の配列をさらに含み、場合により、第2の伸長鎖の伸長が、存在する場合、捕捉オリゴマーの追加の配列の相補体を形成する、実施形態90~92のいずれか1つに記載の方法である。
【0098】
実施形態94は、標的ポリヌクレオチドの第2の鎖が、捕捉オリゴマーの追加の配列の相補体を含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0099】
実施形態95は、標的ポリヌクレオチドが、標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列と、標的生物のDNAおよびRNAに存在しない追加の配列とを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの追加の配列の第1の部分にアニールするように構成され、ディスプレーサオリゴヌクレオチドが、標的ポリヌクレオチドの追加の配列の第2の部分にアニールするように構成され、場合により、標的ポリヌクレオチドの追加の配列が、第1の部分と第2の部分との間に1個または複数のヌクレオチドをさらに含む、実施形態90または91に記載の方法である。
【0100】
実施形態96は、第1の伸長鎖が、標的生物のDNAまたはRNA由来の配列の近位、および捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の遠位に位置する第2の追加の配列を含み、
方法が、第1の伸長鎖を、第2の追加の配列に結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含む逆方向増幅オリゴマーと接触させ、逆方向増幅オリゴマーを伸長させ、それによって第2の伸長鎖を形成することをさらに含み、場合により、逆方向増幅オリゴマーが、その標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’を含み、方法が、第1の伸長鎖を逆方向増幅オリゴマーに沿ってさらに伸長させることをさらに含む、実施形態90または95に記載の方法である。
【0101】
実施形態97は、捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に:
第1の自己相補的配列、
標的ハイブリダイズ配列、および
第2の自己相補的配列、
を含み、
第1および第2の自己相補的配列は、標的ハイブリダイズ配列が一本鎖である場合は互いにアニールし、標的ハイブリダイズ配列がその標的にアニールされる場合はアニールしないように構成され;
二次捕捉試薬が、第1または第2の自己相補的配列の相補体および結合パートナーを含み;
捕捉オリゴマーが、二次捕捉試薬よりも多い量で組合せ中に存在する、
捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬を含むオリゴマーの組合せである。
【0102】
実施形態98は、捕捉オリゴマーが、以下の式:
5’-SC1-THS2-THS1-L-THS2’-SC2-X-3’
または
5’-SC2-THS2’-L-THS1-THS2-SC1-X-3’
(式中、SC1は第1の自己相補的配列であり、
THS2およびTHS1はそれぞれ、標的ハイブリダイズ配列の第2および第1の部分であり、
Lは、場合により存在するリンカーであり、
THS2’は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の場合により存在する相補体であり、
SC2は第2の自己相補的配列であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有する、直前の実施形態に記載の組合せである。
【0103】
実施形態99は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の3’および第2の自己相補的配列の5’に位置するリンカーを含む、実施形態97または98のいずれか1つに記載の組合せである。
【0104】
実施形態100は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の3’および第2の自己相補的配列の5’に位置する標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体を含む、実施形態97~99のいずれか1つに記載の組合せである。
【0105】
実施形態101は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の3’に位置するリンカーと、リンカーの3’および第2の自己相補的配列の5’に位置する標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体とを含む、実施形態97~100のいずれか1つに記載の組合せである。
【0106】
実施形態102は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の5’および第2の自己相補的配列の3’に位置するリンカーを含む、実施形態97~101のいずれか1つに記載の組合せである。
【0107】
実施形態103は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の5’および第2の自己相補的配列の3’に位置する標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体を含む、実施形態97~102のいずれか1つに記載の組合せである。
【0108】
実施形態104は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第1の部分の5’に位置するリンカーと、リンカーの5’および第2の自己相補的配列の3’に位置する標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体とを含む、実施形態97~103のいずれか1つに記載の組合せである。
【0109】
実施形態105は、捕捉オリゴマーおよび/または二次捕捉試薬が伸長不可能である、実施形態97~104のいずれか1つに記載の組合せである。
【0110】
実施形態106は、第1または第2の自己相補的配列がポリAまたはポリTを含み、自己相補的配列の相補体がポリTまたはポリAを含む、実施形態97~105のいずれか1つに記載の組合せである。
【0111】
実施形態107は、捕捉オリゴマーが、例えば標的ハイブリダイズ配列に、1つまたは複数の親和性増強修飾(例えば、5-Me-C、2-アミノプリン、2’-フルオロ、C-5-プロピン、LNA、PNA、ZNA、ホスホロチオアート、2’-OMe、または拘束エチル(cEt)置換のいずれか1つまたは複数)を含む、実施形態97~106のいずれか1つに記載の組合せである。
【0112】
実施形態108は、実施形態1~22、28~51、54~57、または97~107のいずれか1つに記載の組合せまたは捕捉オリゴマーを含むキットである。
【0113】
実施形態109は、実施形態1~22、28~51、54~57、または97~107のいずれか1つに記載の組合せまたは捕捉オリゴマーを含む組成物である。
【0114】
実施形態110は、(i)結合パートナーを含む二次捕捉試薬および(ii)二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナーを含む固体支持体(例えば、1つまたは複数のビーズ)を含み、場合により、二次捕捉試薬の結合パートナーがビオチンであり、第2の結合パートナーがビオチン結合剤(例えば、ストレプトアビジン)である、実施形態18~22、28~51、54~57、または97~107のいずれか1つに記載の組合せである。
【0115】
実施形態111は、実施形態18~22、28~51、54~57、97~107、または110のいずれか1つに記載の組合せを含み、標的ポリヌクレオチドをさらに含む反応混合物である。
【0116】
実施形態112は、標的が、細胞、検体、ウイルス、または生物学的試料からの抽出物中にあるか、または細胞、検体、ウイルス、または生物学的試料からの抽出物から得られる、直前の実施形態に記載の反応混合物である。
【0117】
実施形態113は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを実施形態97~107または110のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬が同時にまたは逐次的に添加され、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールし、二次捕捉試薬が捕捉オリゴマーの自己相補的配列にアニールし、それによって複合体を形成させる、接触させること;
複合体を、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナーと接触させることであって、第2の結合パートナーが固体支持体と会合し、第2の結合パートナーが二次捕捉試薬の結合パートナーに結合する、接触させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0118】
実施形態114は、捕捉オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドに対して過剰である、直前の実施形態に記載の方法である。
【0119】
実施形態115は、標的ポリヌクレオチドが、二次捕捉試薬に対して過剰である、実施形態113または114のいずれか1つに記載の方法である。
【0120】
実施形態116は、標的ポリヌクレオチドのある画分のみが捕捉される、実施形態113~115のいずれか1つに記載の方法である。
【0121】
実施形態117は、標的ポリヌクレオチドが臨床検体から得られる、実施形態113~116のいずれか1つに記載の方法である。
【0122】
実施形態118は、標的ポリヌクレオチドが病原体(細菌、ウイルスなど)に由来する、実施形態113~117のいずれか1つに記載の方法である。
【0123】
実施形態119は、標的ポリヌクレオチドが増幅産物である、実施形態113~118のいずれか1つに記載の方法である。
【0124】
実施形態120は、標的ポリヌクレオチドを増幅すること、および/または1つもしくは複数の追加の配列を標的ポリヌクレオチドに結合することをさらに含む、実施形態113~119のいずれか1つに記載の方法である。
【0125】
実施形態121は、標的ポリヌクレオチドを含む配列決定ライブラリを調製することをさらに含む、実施形態113~120のいずれか1つに記載の方法である。
【0126】
実施形態122は、配列決定ライブラリのクローン増幅メンバーおよび配列決定ライブラリの配列決定メンバーの一方または両方をさらに含み、場合により配列決定がサンガー配列決定または次世代配列決定であり、場合により次世代配列決定が合成による配列決定、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定または一分子配列決定を含む、実施形態113~121のいずれか1つに記載の方法である。
【0127】
実施形態123は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを、5’から3’方向に:
捕捉配列、
任意の内部伸長ブロッカー、
任意のスペーサー配列、および
標的ポリヌクレオチドにアニールするように構成された標的ハイブリダイズ配列
を含む捕捉オリゴマーと接触させること;
捕捉オリゴマーを、捕捉配列の相補体を含む第1の捕捉試薬と接触させること(標的ポリヌクレオチドを捕捉オリゴマーと接触させる前、接触させている間、または接触させた後);
捕捉配列以外の捕捉オリゴマー中の配列の相補体を含む第2の捕捉試薬を供給することであって、捕捉オリゴマーの一部または全部が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない場合、第2の捕捉試薬が、標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーと接触する、供給すること;
第1および第2の複合体を組成物から単離することであって、第1の複合体が標的ポリヌクレオチドを含み、第2の複合体が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーを含む、単離すること;ならびに
標的ポリヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチドを含む部分複合体を第1の複合体から選択的に溶出させること
を含み、
場合により、(a)第1の捕捉試薬が、(i)結合パートナーおよび(例えば、ビオチン)または(ii)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含むか、および/または(b)第2の捕捉試薬が、(i)結合パートナーおよび(例えば、ビオチン)または(ii)固体支持体(例えば、ビーズまたは表面)を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0128】
実施形態124は、標的ポリヌクレオチドを過剰量の捕捉オリゴマーと接触させる、実施形態123に記載の方法である。
【0129】
実施形態125は、第1の捕捉試薬が、捕捉オリゴマーに対して限定された量で供給される、実施形態123または124に記載の方法である。
【0130】
実施形態126は、捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドに対して限定された量で供給される、実施形態123~125のいずれか1つに記載の方法である。
【0131】
実施形態127は、第2の捕捉試薬と接触させた捕捉オリゴマーの画分が、標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーを含む、実施形態123~126のいずれか1つに記載の方法である。
【0132】
実施形態128は、第1の捕捉試薬が、捕捉配列の相補体を含む第1の固体支持体を含む、実施形態123~127のいずれか1つに記載の方法である。
【0133】
実施形態129は、第2の捕捉試薬が、捕捉配列以外の捕捉オリゴマー中の配列の相補体を含む第2の固体支持体を含む、実施形態123~128のいずれか1つに記載の方法である。
【0134】
実施形態130は、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列と内部伸長ブロッカーとの間にスペーサー配列を含み、場合により第2の捕捉試薬がスペーサー配列の相補体を含む、実施形態123~129のいずれか1つに記載の方法である。
【0135】
実施形態131は、標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端で標的ポリヌクレオチドにアニールする、実施形態123~130のいずれか1つに記載の方法である。
【0136】
実施形態132は、方法が、標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させることを含む、直前の実施形態に記載の方法である。
【0137】
実施形態133は、第2の捕捉試薬が、捕捉オリゴマーに対する第1の捕捉試薬の親和性よりも捕捉オリゴマーに対して大きい親和性を有するか、および/または第2の捕捉試薬が、第1の捕捉試薬と捕捉オリゴマーとの複合体よりも高い融解温度を有する、捕捉オリゴマーとの複合体を形成するように構成される、実施形態123~132のいずれか1つに記載の方法である。
【0138】
実施形態134は、
標的ポリヌクレオチドを、5’から3’方向に:
第1の捕捉シーケンス、
内部伸長ブロッカー、
第2の捕捉シーケンス、および
標的ポリヌクレオチドの3’端にアニールするように構成された標的ハイブリダイズ配列
を含む捕捉オリゴマーと接触させ、
それによって捕捉オリゴマーを標的ポリヌクレオチドにアニーリングさせること;
第2の捕捉配列を介して標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させること;
第1の複合体を、第1の捕捉配列の相補体を含む第1の固体支持体と接触させ、それによって第1の複合体を形成させること;
結合していない捕捉オリゴマーを、第2の捕捉配列の相補体を含む第2の固体支持体と接触させ、それによって第2の複合体を形成させることであって、第1の捕捉配列の相補体が、第2の捕捉配列と第2の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成される第2の複合体よりも低い融解温度を有するか、および/または第2の捕捉配列の相補体が、第1の捕捉配列に対する第1の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きい第2の捕捉配列に対する親和性を有する、形成させること;
第1および第2の複合体を第1または第2の固体支持体に結合していない材料から単離すること;ならびに
標的ポリヌクレオチドを第1の複合体から選択的に溶出させること
を含む、実施形態128~133のいずれか1つに記載の方法である。
【0139】
実施形態135は、第1の捕捉試薬が、捕捉オリゴマーまたは標的ポリヌクレオチドに相補的でない第2の捕捉配列をさらに含み、方法が、アニールされた捕捉オリゴマーを第1の捕捉試薬と接触させた後、第2の捕捉配列を、第2の捕捉配列の相補体を含む固体支持体にアニーリングさせることを含む、実施形態123に記載の方法である。
【0140】
実施形態136は、第2の捕捉試薬が、捕捉オリゴマーまたは標的ポリヌクレオチドに相補的でない第3の捕捉配列をさらに含み、方法が、結合していない捕捉オリゴマーを第2の捕捉試薬と接触させた後、第3の捕捉配列を、第3の捕捉配列の相補体を含む固体支持体にアニーリングさせることを含む、実施形態123または135に記載の方法である。
【0141】
実施形態137は、第1の捕捉試薬が、捕捉オリゴマーまたは標的ポリヌクレオチドに相補的でない第2の捕捉配列をさらに含み、方法が、アニールされた捕捉オリゴマーを第1の捕捉試薬と接触させた後、第2の捕捉配列を、第2の捕捉配列の相補体を含む固体支持体にアニーリングさせること;第3の捕捉配列に対する第3の捕捉配列の相補体の親和性が、第2の捕捉配列に対する第2の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きいか、および/または第3の捕捉配列の相補体が、第2の捕捉配列の相補体と第2の捕捉配列との複合体よりも高い融解温度を有する、第3の捕捉配列との複合体を形成するように構成される、実施形態123に記載の方法である。
【0142】
実施形態138は、捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に:
第1の捕捉配列、
任意の内部伸長ブロッカー、
任意の第2の捕捉配列、および
標的ハイブリダイズ配列
を含み;
第1の固体支持体が、第1の捕捉配列の相補体を含み;
第2の固体支持体が、第2の捕捉配列の相補体を含み;
第1の捕捉配列と第1の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第1の複合体が、第2の捕捉配列と第2の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第2の複合体よりも低い融解温度を有するか、および/または第2の捕捉配列の相補体が、第1の捕捉配列に対する第1の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きい第2の捕捉配列に対する親和性を有する、
捕捉オリゴマー、第1の固体支持体、および第2の固体支持体を含む組合せである。
【0143】
実施形態139は、捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に:
第1の捕捉配列、
任意の内部伸長ブロッカー、および
標的ハイブリダイズ配列
を含み;
第1の捕捉試薬が、第2の捕捉配列(ここで、第2の捕捉配列は、捕捉オリゴマーに相補的ではない)および第1の捕捉配列の相補体を含み;
第2の捕捉試薬が、第3の捕捉配列(ここで、第3の捕捉配列は、捕捉オリゴマーに相補的ではない)および第1の捕捉配列以外の捕捉オリゴマーの配列の相補体を含み;
第1の固体支持体が、第2の捕捉配列の相補体を含み;
第2の固体支持体が、第3の捕捉配列の相補体を含み;
第2の捕捉配列と第2の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第1の複合体が、第3の捕捉配列と第3の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第2の複合体よりも低い融解温度を有するか、および/または第3の捕捉配列の相補体が、第2の捕捉配列に対する第2の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きい第3の捕捉配列に対する親和性を有する、
捕捉オリゴマー、第1の捕捉試薬、第2の捕捉試薬、第1の固体支持体、および第2の固体支持体を含む組合せである。
【0144】
実施形態140は、捕捉オリゴマーが、
1つまたは複数の親和性増強ヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列;および
捕捉配列
を含み;
二次捕捉試薬が、捕捉配列の相補体および結合パートナーを含む、捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬を含む組合せである。
【0145】
実施形態141は、捕捉配列が、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する、実施形態138~140のいずれか1つに記載の組合せである。
【0146】
実施形態142は、標的ハイブリダイズ配列が、追加の配列にアニールするように構成される、実施形態138~141のいずれか1つに記載の組合せである。
【0147】
実施形態143は、二次捕捉試薬が、組合せ中に捕捉オリゴマーよりも少ない量で存在する、実施形態138~142のいずれか1つに記載の組合せである、
【0148】
実施形態144は、捕捉オリゴマーが、例えば標的ハイブリダイズ配列に、1つまたは複数の親和性増強修飾(例えば、5-Me-C、2-アミノプリン、2’-フルオロ、C-5-プロピン、LNA、PNA、ZNA、ホスホロチオアート、2’-OMe、または拘束エチル(cEt)置換のいずれか1つまたは複数)を含む、実施形態138~144のいずれか1つに記載の組合せである。
【0149】
実施形態145は、捕捉配列がポリAまたはポリT配列を含む、実施形態138~145のいずれか1つに記載の組合せである。
【0150】
実施形態146は、方法が、
標的ポリヌクレオチドを実施形態138~145のいずれか1つに記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬が同時にまたは逐次的に添加され、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールし、二次捕捉試薬が捕捉オリゴマーの捕捉配列にアニールし、それによって複合体を形成させる、接触させること;
複合体を、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナーと接触させることであって、第2の結合パートナーが固体支持体と会合し、第2の結合パートナーが二次捕捉試薬の結合パートナーに結合する、接触させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法である。
【0151】
実施形態147は、二次捕捉試薬が、捕捉オリゴマーおよび/または標的ポリヌクレオチドよりも少ない量で供給される、直前の実施形態に記載の方法である。
【0152】
実施形態148は、捕捉オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドよりも少ない量で供給され、場合により二次捕捉試薬が捕捉オリゴマーよりも少ない量で供給される、実施形態146または147に記載の方法である。
【0153】
実施形態149は、標的ポリヌクレオチドが追加の配列を含み、標的ハイブリダイズ配列が追加の配列にアニールする、実施形態146~148のいずれか1つに記載の方法である。
【0154】
実施形態150は、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が親和性増強修飾(例えば、5-Me-C、2-アミノプリン、2’-フルオロ、C-5-プロピン、LNA、PNA、ZNA、ホスホロチオアート、2’-OMe、または拘束エチル(cEt)置換のいずれか1つまたは複数)を含む、実施形態146~149のいずれか1つに記載の方法である。
【0155】
実施形態151は、標的ポリヌクレオチドが標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列を含み、追加の配列が標的生物のDNAおよびRNAには存在しない、実施形態146~150のいずれか1つに記載の方法である。
【0156】
実施形態152は、所定量以下である量の標的ポリヌクレオチドが捕捉され、場合により、所定量が、供給される捕捉オリゴマーのモル量または供給される二次捕捉試薬のモル量に対応する、実施形態58~96、113~137、または146~151のいずれか1つに記載の方法である。
【0157】
実施形態153は、捕捉オリゴマーが、10~1013分子/反応、10~1012分子/反応、または1010~1012分子/反応の範囲の量で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~152のいずれか1つに記載の方法である。
【0158】
実施形態154は、二次捕捉試薬が、存在する場合、10~1014分子/反応、または10~10分子/反応、または10~1013分子/反応、または10~10分子/反応、または10~1013分子/反応、または10~10分子/反応の範囲で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~153のいずれか1つに記載の方法である。
【0159】
実施形態155は、ブロッカーオリゴマーが、存在する場合、10~1014分子/反応、または1010~1013分子/反応、または1011~1013分子/反応の範囲で存在し;第2のオリゴマーが、存在する場合、10~1014分子/反応または10~1013分子/反応の範囲で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~154のいずれか1つに記載の方法である。
【0160】
実施形態156は、相補的オリゴマーが、存在する場合、約1.5×10~1014分子/反応または約1.5×10~1013分子/反応の範囲で存在し;スプリントオリゴマーが、存在する場合、10~1014分子/反応、または10~1010分子/反応、または2×10~1014分子/反応、または10~10分子/反応、または2×10~1014分子/反応、または2×10~10分子/反応の範囲で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~155のいずれか1つに記載の方法である。
【0161】
実施形態157は、増幅オリゴマーが、存在する場合、約10~1014分子/反応または約10~1013分子/反応の範囲で存在し;ブロッカーオリゴマーが、存在する場合、10~1014分子/反応、1010~1013分子/反応、または1011~1013分子/反応の範囲で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~156のいずれか1つに記載の方法である。
【0162】
実施形態158は、ディスプレーサオリゴマーが、存在する場合、約10~1014分子/反応または約10~1013分子/反応の範囲で存在する、実施形態58~96、113~137、または146~157のいずれか1つに記載の方法である。
【0163】
実施形態159は、捕捉オリゴマー中に存在する場合、第1の追加の配列(場合により安定化配列)の長さが約2~15ヌクレオチドまたは約3~10ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0164】
実施形態160は、捕捉配列の長さが約10~35ヌクレオチドまたは約10~25ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0165】
実施形態161は、存在する場合、リンカーの長さが、約10~20ヌクレオチド、または非ヌクレオチド系の場合、約3~20個以上の原子もしくは約2~15個以上の繰り返し単位である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0166】
実施形態162は、存在する場合、内部伸長ブロッカーの長さが、約1~20ヌクレオチドもしくは約1~8ヌクレオチド、または非ヌクレオチド系の場合、約3~20個以上の原子、もしくは1~8個以上の繰り返し単位である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0167】
実施形態163は、存在する場合、第2の追加の配列(場合により混合ヌクレオチド配列)の長さが、約2~10ヌクレオチドまたは約4~8ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0168】
実施形態164は、捕捉配列の相補体の長さが、約10~35ヌクレオチドまたは約10~25ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0169】
実施形態165は、存在する場合、第3の追加の配列(場合により安定化配列および/またはアダプター配列)の長さが、約2~50ヌクレオチドまたは約4~35ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。可逆的伸長ブロッカーの長さは、約1~20または約1~8ヌクレオチド(天然または非天然)である。
【0170】
実施形態166は、存在する場合、第4の追加の配列(場合によりアダプター配列)の長さが、約4~40ヌクレオチドまたは約6~25ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0171】
実施形態167は、標的ハイブリダイズ配列の長さが、約10~60ヌクレオチドまたは約12~25ヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0172】
実施形態168は、存在する場合、ブロッキング部分の長さが、約1~10もしくは約1~5ヌクレオチド、または非ヌクレオチド系の場合、約3~20個の原子もしくは約1~5個の繰り返し単位である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0173】
実施形態169は、捕捉オリゴマーの全長が、約40~200ヌクレオチド、または約40~150ヌクレオチド、または約60~140ヌクレオチド、または約60~130ヌクレオチドであり、場合により捕捉オリゴマーが約3~60個の原子または5~28個の繰り返し単位の長さを有する非ヌクレオチド要素をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の捕捉オリゴマー、組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0174】
実施形態170は、二次捕捉試薬が、存在する場合、約10~35ヌクレオチドまたは約10~20ヌクレオチドの長さを有する捕捉配列の相補体を含む、実施形態18~169のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0175】
実施形態171は、存在する場合、ブロッカーオリゴマーの長さが、約10~35ヌクレオチドまたは約10~20ヌクレオチドであり、場合により、ブロッカーオリゴマーが、約3~20個の原子または1~5個の繰り返し単位の長さを有する非ヌクレオチド要素をさらに含む、実施形態18~170のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0176】
実施形態172は、第2のオリゴマーの長さが、約15~50ヌクレオチドまたは約20~40ヌクレオチドである、実施形態18~171のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0177】
実施形態173は、存在する場合、相補的オリゴマーの長さが、約10~50ヌクレオチドまたは約15~35ヌクレオチドである、実施形態18~172のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0178】
実施形態174は、存在する場合、スプリントオリゴマーの長さが、約15~60ヌクレオチドまたは約20~50ヌクレオチドである、実施形態18~173のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0179】
実施形態175は、存在する場合、ディスプレーサオリゴマーの長さが、約10~50ヌクレオチドまたは約20~40ヌクレオチドである、実施形態18~174のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【0180】
実施形態176は、存在する場合、増幅オリゴマーの長さが、約10~80ヌクレオチドまたは約20~60ヌクレオチドである、実施形態18~175のいずれか1つに記載の組合せ、反応混合物、キット、組成物、または方法である。
【図面の簡単な説明】
【0181】
II.図面の簡単な説明
図1A】他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3または第4の追加の配列)、および標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す。図1Aでは、捕捉オリゴマーは標的ポリヌクレオチド(標的)にアニールされ、標的ポリヌクレオチドの3’端は標的ハイブリダイズ配列の5’端でアニールされる。捕捉配列はC’にアニールされる。
図1B】他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3または第4の追加の配列)、および標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す。図1Bにおいて、標的の3’端は、ブロッキング部分まで伸長されており、得られた標的伸長物は、追加の配列およびC’にアニールされるが、捕捉配列は置換されており、一本鎖になっている。捕捉オリゴマーの3’端も標的ポリヌクレオチドに沿って伸長されている。
図1C】他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3または第4の追加の配列)、および標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す。図1Cにおいて、図1Bの複合体は、捕捉配列の相補体および結合パートナーまたは固体基板を含む二次捕捉試薬にアニールしている。一方、過剰な捕捉オリゴマーは、捕捉配列が捕捉配列の相補体にアニールされたままであり、二次捕捉試薬と相互作用しない。
【0182】
図2A図1Bのような複合体が、捕捉配列の相補体を含む二次捕捉試薬にアニールされ、固体基板(この場合、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ)と会合している、本開示の実施形態を示す。固体基板は、二次捕捉試薬の一部であってもよく、または二次捕捉試薬の結合パートナー(例えば、ビオチン)との相互作用を介して二次捕捉試薬と会合していてもよい。
【0183】
図2B図2Aの伸長された捕捉オリゴマーと標的との複合体が二次捕捉試薬から溶出された、本開示の実施形態を示す。
【0184】
図3】第1の追加の配列としての安定化(クランプ)配列、捕捉配列、リンカー、内部伸長ブロッカー、捕捉配列の相補体、第3の追加の配列としての安定化(クランプ)配列、第4の追加の配列、および標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による捕捉オリゴマーの実施形態を示す。
【0185】
図4A】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。第1の鎖がその5’端に配列Sfおよびその3’端にSr’を含み、第2の鎖がその3’端に配列Sf’およびその5’端にSrを含む標的分子が供給される。ここでおよび全体を通して、a’を伴う配列指定は、’を伴わない指定を有する配列に対する相補性を示す。標的分子は、例えば、配列SfおよびSrを有するプライマーを使用して以前に行われた反応からのアンプリコンであり得る。捕捉配列C、内部伸長ブロッカー(黒丸)、捕捉配列の相補体C’、第4の追加の配列A4、およびSr’に相補的な標的ハイブリダイズ配列THSを含む本開示による捕捉オリゴマーが第1の標的鎖1(+)にアニールする、第1の伸長サイクル(サイクル1)が行われる。追加の配列A2、および少なくともSf’に相補的な標的ハイブリダイズ配列Sfを含む逆方向増幅オリゴマーは、第2の標的鎖1(-)にアニールする。Sfは、親和性増強修飾および/または第2の標的鎖に対する追加の相補的ヌクレオチドを含み、標的に対する親和性を増強し、存在する場合、以前の反応からの配列Sfを有するプライマーとの結合に関して競合を促進し得る。捕捉オリゴマーおよび逆方向増幅オリゴマーの伸長は、それぞれ産物2(-)および2(+)を生成し、第1の鎖は捕捉オリゴマーに沿って伸長されて産物1(+)eを生成し、第2の鎖は逆方向増幅オリゴマーに沿って伸長されて産物1(-)eを生成する。伸長された捕捉オリゴマー2(-)中の捕捉配列は、図1Bについて記載したように本質的に置換される。2(-)が逆方向増幅オリゴマーにアニールし、伸長をもたらして産物2(-)eおよび3.1(+)を生成する、第2の反応サイクル(サイクル2)が行われる。一方、1(+)eは捕捉オリゴマーにアニールし、捕捉オリゴマーの伸長は産物3.1(-)を生成する。1(-)eおよび2(+)ならびに2(-)eおよび3.1(+)の追加の例はまた、適切なハイブリダイゼーションおよび伸長事象から生成される。この反応スキームは、例えば、第2の捕捉試薬との結合に利用可能な形態のCの取込みによって標的を捕捉可能にすると共に、標的の各端に追加の配列を含めることを示す。
【0186】
図4B】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。第1の鎖がその5’端に配列Sfならびにその3’端にSr’およびA4’を含み、第2の鎖がその3’端に配列Sf’ならびにその5’端にSrおよびA4を含む標的分子が供給される。標的分子は、例えば、配列SfおよびA4-Srを有するプライマーを使用して以前に行われた反応からのアンプリコンであり得、例えば、A4はテンプレートに元々存在しない追加の配列である。捕捉配列C、内部伸長ブロッカー(黒丸)、捕捉配列の相補体C’、第4の追加の配列A4、およびA4’に相補的な標的ハイブリダイズ配列THSを含む本開示による捕捉オリゴマーが第1の標的鎖(図示せず)にアニールする、第1の伸長サイクル(サイクル1)が行われる。追加の配列A2、および少なくともSf’に相補的な標的ハイブリダイズ配列Sfを含む逆方向増幅オリゴマーは、第2の標的鎖(図示せず)にアニールする。Sfは、親和性増強修飾および/または第2の標的鎖に対する追加の相補的ヌクレオチドを含み、標的に対する親和性を増強し、存在する以前の反応からの配列Sfを有するプライマーとの結合に関して競合を促進し得る。これらの複合体の伸長は、伸長された捕捉オリゴマー2(-)および伸長された第1の標的鎖1(+)e、ならびに伸長された第2の標的鎖1(-)eおよび伸長された逆方向増幅オリゴマー2(+)を生成する。伸長された捕捉オリゴマー2(-)中の捕捉配列は、図1Bについて記載したように本質的に置換される。2(-)が逆方向増幅オリゴマーにアニールし、伸長をもたらして産物2(-)eおよび3.1(+)を生成する、第2の反応サイクル(サイクル2)が行われる。一方、1(+)eは捕捉オリゴマーにアニールし、捕捉オリゴマーの伸長は産物3.1(-)を生成する。1(-)eおよび2(+)ならびに2(-)eおよび3.1(+)の追加の例はまた、適切なハイブリダイゼーションおよび伸長事象から生成される。この反応スキームは、捕捉オリゴマー結合部位から遠位の標的の端に追加の配列を含めることと一緒に、ユニバーサルTHS(すなわち、以前のステップで、標的に結合することができる追加の配列A4’に結合する(例えば、増幅またはライゲーションを介して)を有し得る捕捉オリゴマーを使用して、Cを(結合に利用可能な形態で)取り込むことによって標的を捕捉可能にすることを示す。
【0187】
図5】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。とりわけ、3’ブロッキング部分、および標的鎖中の配列A1’に結合する標的ハイブリダイズ配列(THS)を含む捕捉オリゴマーが供給される。A1’は、以前のステップで標的に(例えば、増幅またはライゲーションを介して)結合した追加の配列であり得る。捕捉オリゴマーは、捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体を含む配列xをさらに含み、捕捉配列の相補体とTHSとの間に第3または第4の追加の配列も含み得る。標的鎖は、他の箇所で論じられるように、捕捉オリゴマーに沿って伸長されて、捕捉配列を捕捉配列の相補体から置換することができる。捕捉オリゴマーは、標的(例えば、1014コピー)に対して限定された量(例えば、1012コピー)で供給され得る。プライマーはまた、配列A2およびSfを含む標的(例えば、1015コピー)を超えて過剰に供給される。このプライマーの伸長は、その5’端にA2、およびその3’端にA1’を含む鎖をもたらす。標的鎖はまた、配列A2’を含むようにプライマーに沿って伸長される。第2の伸長サイクルが行われる場合(下向き矢印)、上記で論じられたもの、および標的鎖がその5’端にA2およびその3’端付近にA1’を含む標的鎖と捕捉オリゴマーとの複合体を含む産物の混合物が形成される。この反応スキームは、(第2の伸長サイクルが行われる場合)追加の配列が標的鎖に含まれているものを含む、一本鎖捕捉可能産物の生成を示す。
【0188】
図6】伸長可能な3’端を有する捕捉オリゴマーと別の捕捉オリゴマーとのハイブリダイゼーションが、伸長時に、捕捉配列がC’から置換された二量体をどのように作成することができるかを示す(破線の上)。この二量体は、ここでは捕捉可能であり、二次捕捉試薬(図示せず)を占有することによって所望の標的の捕捉との競合など、下流プロセスと干渉し得、干渉は後続の分析(例えば、二量体は配列決定ライブラリの一部になり、それによって後続の配列決定ランの出力および品質を低下させる)などである。Sx’は標的ハイブリダイズ配列の一部の相補体であり、他の要素は以前の図と同様である。破線の下には、その3’端にブロッキング部分(丸で囲んだx)を有する捕捉オリゴマーが示されており、これは、いかなる二量体もCの置換を受けないように、二量体伸長産物の形成を防止する。
【0189】
図7A】捕捉配列、様々な中間要素(「...」で示される)、可逆的伸長ブロッカー(黒丸)、および標的ハイブリダイズ配列(THS)を含む捕捉オリゴマーが使用される実施形態を示す。可逆的伸長ブロッカーをブロック解除する前、捕捉配列および様々な中間要素(存在する場合)は、(例えば、標的鎖または増幅オリゴマーの)伸長のためのテンプレートではない。これは、可逆的伸長ブロッカーがブロック解除されるまで、伸長または増幅プロセス全体を通して、産物中(例えば、形成され得る任意のミスプライミング産物中)の捕捉配列および様々な中間要素(存在する場合)に相補的な追加の配列の取込みを回避することによって、より効率的かつより特異的な伸長または増幅を促進することができ;ブロック解除に続いて、捕捉配列および様々な中間要素(存在する場合)を取り込むことができる。
【0190】
図7B】3’から5’に、標的ハイブリダイズ配列Sr、可逆的伸長ブロッカー(黒四角)、追加の配列A1、および任意の捕捉配列などの任意の追加の要素(「...」で示される)を含む第1の増幅オリゴマーが使用される実施形態を示す。3’から5’に、標的ハイブリダイズ配列Sf、可逆的伸長ブロッカー(白四角;これは、第1の増幅オリゴマー中の可逆的伸長ブロッカーと同じであり得るか、または異なり得る)、追加の配列A2および任意の追加の要素(「...」で示される:これらは、第1の増幅オリゴマー中のものと同じであり得るか、または異なり得る)を含む第2の増幅オリゴマーが、(図に示されるように)場合により使用される。1つまたは複数の可逆的伸長ブロッカーをブロック解除する前、追加の配列および任意の追加の要素(存在する場合)は、(例えば、標的鎖または増幅オリゴマーの)伸長のためのテンプレートでない。これは、最初の伸長または増幅プロセス全体を通して、産物中(例えば、形成され得る任意のミスプライミング産物中)の追加の配列および他の様々な要素(存在する場合)に相補的な配列の取込みを回避することによって、より効率的かつより特異的な伸長または増幅を促進することができる。1つまたは複数の可逆的伸長ブロッカーがブロック解除され(2つが存在する場合、ブロック解除は同時にまたは別々に行うことができる)、追加の配列および存在する任意の他の要素を、後の伸長ラウンドなどのプロセスの後の段階で取り込むことができる。
【0191】
図8A】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。最初の標的鎖1(+)および1(-)は、図4Aと同様である。垂直な直線矢印の下、標的ハイブリダイズ配列THSと、図4Aのオリゴマーについて記載されるように、追加の要素A4、C’、内部伸長ブロッカー、およびCを含む捕捉オリゴマーが供給される。THSは標的鎖の内部部位で結合し、伸長を受けて産物2N(-)を生成する。Srを含むディスプレーサオリゴマーが供給され、その伸長は1(+)から2N(-)を置換し、2(-)を生成する。図4Aのような逆方向増幅オリゴマーが供給され、1(-)に沿った伸長は2.1(+)を生成し、逆方向増幅オリゴマーに沿った1(-)の伸長は1(-)eを生成する。2N(-)が置換されると(左の湾曲した矢印)、逆方向増幅オリゴマーは2N(-)にアニールし、それぞれ伸長され、ここではA2’を含み、CがC’から置換された産物2N(-)eおよび2.2(+)をもたらす。この反応スキームは、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプター)を含む捕捉可能な産物の1サイクルのみでの生成を促進するためのディスプレーサオリゴマーの使用を示す。さらに、この反応スキームは、捕捉オリゴマーが標的鎖の3’端を含む部位に結合しない実施形態を示す。
【0192】
図8B】本開示による追加の例示的な分子および追加の例示的な反応スキームを示す。反応スキームは、以下の1)および2)を除いて、図4Aに示されるものと実質的に同様である。1)最初の標的鎖1(+)および1(-)は、標的ハイブリダイズ配列THS、任意のスペーサー配列Sおよびディスプレーサオリゴマー結合部位Dを含む追加の配列を含む。これらの追加の配列は、ユーザ定義の任意の配列であり、例えば、Srを含む増幅オリゴマーならびにTHS、SおよびDを含む配列タグならびにSfを含む増幅オリゴマーを使用する増幅反応によって標的に取り込むことができる。2)捕捉オリゴマーのTHSは、ユーザ定義のTHS部位に結合する。それ以外は、図8Aに示されるように反応が進行し、得られる産物を図8Bに示す。任意のスペーサーは、ディスプレーサオリゴマーの伸長および後続の捕捉オリゴマーの置換を改善するために有用であり得る。図4Aに示されるスキームと同様に、この反応スキームは、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプター)を含む捕捉可能な産物の生成(例えば、1サイクルのみで)を促進するためのディスプレーサオリゴマーの使用を示す。さらに、このスキームは、捕捉およびディスプレーサオリゴマーの両方の結合部位として機能することができる追加のユーザ定義配列の使用を示す。この設計は、アプローチを普遍化することができ、マルチプレックス形式を含む様々な標的と共に使用するための捕捉およびディスプレーサオリゴマーを設計する、より単純ではるかに費用効果の高い手段を可能にする。
【0193】
図9】ブロッカーオリゴマーがどのようにしてオリゴマー中の追加の配列と伸長産物中のその相補体との間のハイブリダイゼーションを防止することができるかの一般原理を示す。標的鎖T(-)にハイブリダイズする配列fを伴うフォワードプライマーと、配列A(標的中には存在しない追加の配列)および標的鎖T(+)にハイブリダイズする配列rを含むリバースプライマーとを用いて増幅反応を行う。伸長は、産物1(-)および1(+)を生成する。配列Aおよび3’ブロッキング部分を含むブロッカーオリゴマーが供給される。サイクル2では、フォワードプライマーは1(-)に沿って伸長され、2(+)を生成し、リバースプライマーは1(+)に沿って伸長され、2(-)を生成する。サイクル3以降では、ブロッカーオリゴマーは2(+)にアニールし、これはリバースプライマーが2(+)に沿って伸長をプライミングするためにrのr’へのハイブリダイゼーションが必要であることを意味する。これは、rの不完全な相補体を有するがA’を含むように伸長された少量の副産物を作成するミスプライミング事象が発生する場合に有益であり得る。ブロッカーオリゴマーなしでは、逆方向増幅オリゴマーのAとA’との間の相互作用のために、ミスプライミングされた副産物への逆方向増幅オリゴマーの結合がより有利になり、ブロッカーオリゴマーが供給された場合よりも多くの副産物の増幅をもたらされる。(一方、フォワードプライマーは2(-)にアニールし、伸長を受ける。)
【0194】
図10A】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。(i)捕捉配列の第1および第2の部分(C1およびC2)、内部伸長ブロッカー(黒丸)、スペーサー配列の第1および第2の部分(S1およびS2)、ならびにその3’端を含む標的鎖中の部位に結合する標的ハイブリダイズ配列(THS)を含む捕捉オリゴマー、ならびに(ii)S1’およびC2’を含む相補的オリゴマーとの組合せが供給される。捕捉オリゴマーの標的へのハイブリダイゼーションおよび捕捉オリゴマーに沿った標的の内部伸長ブロッカーまでの伸長時に、S’を標的鎖に取り込むと、相補的オリゴマーが置換される。捕捉オリゴマーも標的に沿って伸長される(本明細書に記載の他の実施形態では、捕捉オリゴマーはブロックされてもよく、そのような伸長は起こらないことに留意されたい)。リンカー(ジグザグ線)によって捕捉配列の相補体C’に連結された結合パートナーまたは固体支持体(丸で囲んだB)を含む二次捕捉試薬が供給される。二次捕捉試薬は、伸長された標的に結合した捕捉オリゴマーにアニールするが、相補的オリゴマーに結合した捕捉オリゴマーにはアニールしない。後者は、捕捉オリゴマーに対する二次捕捉試薬のアニーリングを実質的に防止するのに十分な量の捕捉配列であるC2を占有するためである。
【0195】
図10B】オリゴマーの組合せが、所望の場合、標的ポリヌクレオチドの一定量(例えば、限定された量または所定量以下の量)を含む組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉するために有用である実施形態を示す。組合せは、5’から3’に、捕捉配列の第1の部分C1、捕捉配列の第2の部分C2、任意のスペーサー配列S、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分THS2、第1の部分標的ハイブリダイズ配列THS1、および任意のブロッキング部分(丸で囲んだX)を含む捕捉オリゴマー;5’から3’に、THS2’、S’(任意;Sが捕捉オリゴマー中に存在する場合、使用してもしなくてもよい)およびC2’(ここで、要素の相補体は「’」で示される)および3’端の任意のブロッキング部分(丸で囲んだX)を含む別個の相補的オリゴ;ならびに5’から3’に、C2’、C1’(C1’またはC2’は、C1およびC2の全長に相補的であってもなくてもよい)、および結合パートナー(この図では、丸で囲んだBとして表されるビオチン分子で例示されている)を含む、捕捉配列の相補体を含む二次捕捉試薬を含む。標的ポリヌクレオチドの非存在下では、相補的オリゴマーは捕捉オリゴマーに結合し、二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体の結合をブロックするのに十分な程度まで完全捕捉配列へのアクセスをブロックする(図の上部の捕捉オリゴマーに対する相補的オリゴマーの複合体を参照)。標的の存在下では、捕捉オリゴマーのTHS1領域は標的に結合し、続いてエネルギー的に有利なTHS2領域が結合し、よって別個の相補的オリゴのTHS2’領域を捕捉オリゴマーから置換する。これが起こると、別個の相補的のC2’領域はもはや捕捉オリゴマーに結合するのに十分に安定ではなく、したがって結合しなくなり、よって第1の矢印の下に示されるように結合に利用可能な完全捕捉配列が残る。次いで、第2の矢印の下に示されるように、二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体は、捕捉オリゴマーの捕捉配列に結合する。次いで、この複合体を、例えば、ストレプトアビジン被覆磁性マイクロスフェア(本開示の他の箇所に記載)によって混合物から単離し、よって標的ポリヌクレオチドを捕捉および精製することができる。場合により、捕捉オリゴマーは、組合せ中に二次捕捉試薬よりも多い量で存在してもよい。そのようなオリゴマーおよび組合せは、一定量(例えば、限定された量または所定量以下の量)の標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉するために有用である。
【0196】
図11A】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。図11Aでは、THSが、3’端を含まない標的鎖(これは、図示のように環状であっても、直線状であってもよい)の部位に結合することを除いて、図4Aの捕捉オリゴマーについて記載した要素を本質的に含む捕捉オリゴマーが供給される。(i)捕捉オリゴマーのTHSに隣接してアニールする標的ハイブリダイズ配列および(ii)A4の少なくとも一部の相補体を含む相補的オリゴマーが供給される。A4の少なくとも一部の相補体は、標的鎖の非存在下で捕捉オリゴマーにアニールするには不十分である。
図11B】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。図11Bでは、相補的オリゴマーは伸長を受けており、これはCを置換し、二次捕捉試薬(図示せず)を使用して捕捉可能にする。このスキームは、環状分子を捕捉するために有用であるか、および/または標的鎖の3’端に結合しない捕捉オリゴマーを使用するための別のアプローチを表す。
【0197】
図12】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。C’と内部伸長ブロッカーとの間に混合ヌクレオチドセグメントを含み得る第2の追加の配列A2を有する、図4Aの捕捉オリゴマーのような要素を含む捕捉オリゴマーは、標的鎖にその3’端を含む部位でアニールする。標的鎖はまた、その5’端に配列A5を含み、これは任意の配列、以前の増幅反応で使用されたプライマー結合部位、または以前のステップ(例えば、増幅またはライゲーション)中に付加された配列であり得る。捕捉オリゴマーに沿った標的鎖の伸長は、標的鎖の3’端に配列A4’、C、およびA2’を付加する。捕捉オリゴマー中のA4および伸長された標的鎖中のA4’の存在は任意である。次いで、伸長された標的鎖は、配列A5’、A2、C’、およびA4を含むスプリントオリゴマーにアニールされることができ、伸長された標的鎖がスプリントオリゴマーにアニールされると、標的鎖5’および3’端はすぐ隣に隣接する。次いで、伸長された標的鎖をライゲーションによって環状化することができる。A2およびA2’配列は、伸長された標的鎖5’および3’端の適切な並置を確実にするのに役立つ。これは、CおよびC’が、そうでなければライゲーションのための基質の形成を阻害するであろう滑りやすい反復配列(例えば、ポリAおよびポリT、またはその逆)である場合に有用であり得る。このスキームは、標的分子を捕捉し、次いで環状化するため、例えばローリングサークル増幅手順で使用するために有用である。
【0198】
図13】本開示による例示的な分子および例示的な反応スキームを示す。配列Sを含む逆方向増幅オリゴマーと共に、捕捉配列C(第1および第2の部分、C1およびC2、を含む;図示せず)、内部伸長ブロッカー(黒丸)、スペーサー配列S(第1および第2の部分、S1およびS2、を含む;図示せず)、および標的ハイブリダイズ配列THSを含む捕捉オリゴマーを供給する。THSおよびSは、増幅された標的(例えば、PCRによる)を作成するのに役立つ。スペーサー配列の第1の部分の相補体S1’および捕捉配列の第2の部分の相補体C2’を含む相補的オリゴマーを添加する。C2’は、S’が増幅された標的の他方の鎖のSにアニールされる場合、増幅された標的のCにアニールするには不十分である。相補的オリゴマーは、増幅された鎖にアニールされていない捕捉オリゴマーにアニールする。増幅された標的を捕捉するために、C’および結合パートナーまたは固体支持体(丸で囲んだB)を含む二次捕捉試薬を添加する。二次捕捉試薬は、増幅された標的に結合するが、増幅された鎖にアニールされていない捕捉オリゴマーには結合せず、Cは相補的オリゴマーのC2’によって十分な程度までブロックされている。
【0199】
図14】クランプ配列ありまたはなしで捕捉オリゴマーを使用する方法の出力の倍数差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0200】
III.ある特定の実施形態の詳細な説明
A.定義
本教示を詳細に説明する前に、本開示は、特定の組成物またはプロセスステップに限定されず、したがって変化し得ることを理解されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は複数の指示対象を含み、「1つまたは複数の項目」などの表現は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「オリゴマー(an oligomer)」への言及は、複数のオリゴマーなどを含む。「または」という接続詞は、包括的な意味で、すなわち、包括的な意味が文脈上不当でない限り、「および/または」と等価であると解釈されるべきである。クラス(例えば、オリゴマー)の「少なくとも1つ」のメンバーが存在する場合、「その(the)」メンバー(例えば、オリゴマー)への言及は、当該メンバー(1つのみの場合)または存在する(2つ以上の場合)メンバー(例えば、複数のオリゴマー(oligomers))の少なくとも1つを指す。
【0201】
本開示で論じられる温度、濃度、量、時間などの前には、わずかおよびごくわずかな偏差が本明細書の教示の範囲内にあるように、暗示的な「約」があることが理解されよう。一般に、「約」という用語は、組成物の活性または安定性にいかなる有意な影響も及ぼさない組成物の構成要素の量のわずかな変動、例えば10%、5%、2%、または1%以内の変動を示す。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮し、通常の丸め技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。すべての範囲は、「端点を含まない」などの明示的な除外が存在しない場合には、端点を包含すると解釈されるべきである。したがって、例えば、「10~15以内」は、値10および15ならびに介在するすべての整数および(適切な場合には)非整数値を含む。また、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(contains)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」の使用は、限定することを意図するものではない。前述の一般的な説明および詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、教示を限定するものではないことを理解されたい。セクションの見出しは、単に読者の便宜のために提供されており、本開示を限定するものではない。参照により組み込まれる任意のものが本開示の表現内容と不一致である限りにおいて、本表現内容が優先する。
【0202】
特に明記しない限り、様々な構成要素を「含む(comprising)」と記載する本明細書の実施形態は、記載された構成要素「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」とも企図される。「から本質的になる(consisting essentially of)」とは、本明細書に記載の組成物および方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない追加の構成要素(複数可)、組成物(複数可)または方法ステップ(複数可)が、それらの組成物または方法に含まれ得ることを意味する。そのような特徴には、場合によっては、例えば、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、本明細書中に記載のさらなる結合および/または伸長反応を受ける能力が含まれる。
【0203】
「試料」とは、生物学的、臨床、環境および食品試料を含むがこれらに限定されない、標的ポリヌクレオチドを含み得る材料を指す。環境試料には、表面物質、土壌、水、空気および工業試料などの環境物質、ならびに食品および乳製品の加工機器、装置、設備、器具、使い捨ておよび非使い捨て物品から得られる試料が含まれる。「生物学的」または「臨床」試料とは、例えば、スワブ、洗浄液、吸引物、滲出液、生検組織、または血液もしくは尿などの体液を含む、標的ポリヌクレオチドを含み得る、生きているまたは死んだヒト、動物、または他の生物に由来する組織または材料を指す。試料を処理して組織または細胞構造を物理的または機械的に破壊し、細胞内核酸を、酵素、緩衝液、塩、界面活性剤などを含み得る溶液に放出して、分析用の試料を調製することができる。これらの例は、本開示に適用可能な試料の種類を限定すると解釈されるべきではない。
【0204】
「核酸」および「ポリヌクレオチド」とは、従来のRNA、DNA、混合RNA-DNA、およびそれらの類似体であるポリマーを含むポリヌクレオチドを形成するために互いに連結された窒素複素環塩基または塩基類似体を有するヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含む多量体化合物を指す。核酸「骨格」は、糖-ホスホジエステル連結、ペプチド-核酸結合(「ペプチド核酸」またはPNA;国際公開第95/32305号)、ホスホロチオアート連結、メチルホスホナート連結、またはそれらの組合せの1つまたは複数を含む、様々な連結から構成され得る。核酸の糖部分は、リボース、デオキシリボース、または置換、例えば2’メトキシもしくは2’ハライド置換を有する類似の化合物であり得る。窒素塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、それらの類似体(例えば、イノシン、またはその他;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5~36、Adamsら編.、第11版、1992)、プリンまたはピリミジンの誘導体(例えば、N-メチルデオキシグアノシン、デアザ-またはアザ-プリン、デアザ-またはアザ-ピリミジン、5位または6位に置換基を有するピリミジン塩基(例えば、5-メチルシトシン)、2位、6位、または8位に置換基を有するプリン塩基、2-アミノ-6-メチルアミノプリン、O-メチルグアニン、4-チオ-ピリミジン、4-アミノ-ピリミジン、4-ジメチルヒドラジン-ピリミジン、およびO-アルキル-ピリミジン;米国特許第5,378,825号および国際公開第93/13121号)であり得る。核酸は、1つまたは複数の「脱塩基」残基を含むことができ、ここで、骨格は、ポリマーの位置(複数可)に対して窒素塩基を含まない(米国特許第5,585,481号)。核酸は、従来のRNAまたはDNAの糖、塩基および連結のみを含み得るか、または従来の構成要素および置換の両方(例えば、2’メトキシ連結を有する従来の塩基、または従来の塩基と1つまたは複数の塩基類似体の両方を含むポリマー)を含み得る。核酸には、「ロックド核酸」(LNA)、相補的RNAおよびDNA配列に対するハイブリダイゼーション親和性を増強する、糖立体配座を模倣するRNAにロックされた二環式フラノース単位を有する1つまたは複数のLNAヌクレオチドモノマーを含む類似体が含まれる(VesterおよびWengel、2004、Biochemistry 43(42):13233~41)。ハイブリダイゼーション複合体の安定性に影響を及ぼし得るオリゴマーの実施形態には、PNAオリゴマー、2’-メトキシもしくは2’-フルオロ置換RNAを含むオリゴマー、または荷電結合(例えば、ホスホロチオアート)もしくは中性基(例えば、メチルホスホナート)を含むオリゴマーを含む、ハイブリダイゼーション複合体の全体的な電荷、電荷密度、もしくは立体的会合に影響を及ぼすオリゴマーが含まれる。5-メチルシトシンなどのメチル化シトシンは、特に指示しない限り、RNAまたはDNA骨格(またはそれらの混合物)を含む前述の骨格/糖/連結のいずれかと併せて使用され得る。RNAおよびDNA等価物は、異なる糖部分(すなわち、リボース対デオキシリボース)を有し、RNA中のウラシルおよびDNA中のチミンの存在によって異なり得る。RNAとDNA等価物との間の差は、等価物が特定の配列に対して同じ程度の相補性を有するので、相同性の差に寄与しない。オリゴヌクレオチド、アンプリコン、または他の核酸の長さの範囲を指す場合、範囲はすべての整数(例えば、長さが19~25個の連続するヌクレオチドには、19、20、21、22、23、24、および25個が含まれる)を含むことが理解される。「配列番号Xの配列」への言及は、対応する配列表エントリの塩基配列を指し、特に指示しない限り、骨格(例えば、RNA、2’-O-Me RNA、またはDNA)または塩基修飾(例えば、シトシン残基のメチル化)の同一性を必要としない。さらに、特に指示しない限り、T残基はU残基と交換可能であり、逆もまた同様であると理解される。
【0205】
「標的ポリヌクレオチド」とは、本明細書に記載の組成物または方法を使用して捕捉、単離、増幅、検出、および/または配列決定されることが求められるポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、生物(例えば、任意のウイルス、原核生物、真核生物、原生生物、植物、真菌、動物、哺乳動物、または他の生物学的実体であり、生存していても、以前に生存していてもよい)由来のDNAまたはRNAの配列を含む。例示的なDNAには、ゲノムDNA、エピソームまたはプラスミドDNA、およびミトコンドリアDNAが含まれる。例示的なRNAには、mRNA、より一般的には転写されたRNA、リボソームRNA、miRNA、非コードRNAなど(および適用可能な場合、例えばある特定のウイルスの場合、ゲノムRNA)が含まれる。標的ポリヌクレオチドはまた、追加の配列(本明細書に記載の任意の追加の配列など)が付加され得る、上記で論じられる核酸を含むアンプリコンを含む。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、例えば、インビトロ合成、ライゲーション、部位特異的変異誘発、組換えなどから生じる、天然に存在しない配列を含む。
【0206】
「オリゴマー」または「オリゴヌクレオチド」とは、下限約2~5ヌクレオチド(nt)および上限約500~900ntを有するサイズ範囲のものを含む、一般に1,000nt未満の核酸を指す。いくつかの特定の実施形態は、約5~15、16、17、18、19、または20ntの下限および約50~600ntの上限を有するサイズ範囲のオリゴマーであり、他の特定の実施形態は、約10~20ntの下限および約30~100ntの上限を有するサイズ範囲である。オリゴマーは、天然源から精製することができるが、任意の周知の酵素的または化学的方法を使用することによって合成することができる。オリゴマーは、機能名(例えば、捕捉プローブ、プライマーまたはプロモータープライマー)によって言及され得るが、当業者は、そのような用語がオリゴマーを指すことを理解するであろう。オリゴマーは、自己ハイブリダイズによって、または他のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることによって、二次および三次構造を形成することができる。そのような構造は、デュプレックス、ヘアピン、十字形、ベント、およびトリプレックスを含み得るが、これらに限定されない。オリゴマーは、化学合成、DNA複製、逆転写、PCR、またはそれらの組合せを含む任意の様式で生成され得る。いくつかの実施形態では、侵襲的切断構造を形成するオリゴマーは、反応(例えば、酵素的伸長反応におけるプライマーの伸長による)において生成される。
【0207】
「任意の配列」とは、典型的には下流プロセスにおいて所望の機能または目的を果たすために、ユーザによって選定、選択、決定、設計などされる任意の配列を指す。好ましいモードでは、任意の配列は、プロセスの所与の条件下で1つまたは複数の標的配列に対して非相補的であるか、そうでなければ非反応性であるように設計される。いくつかの実施形態では、任意の配列は、例えば、固有の分子識別子として使用するための、ランダムに生成された配列または配列のセットであり得る。
【0208】
「捕捉オリゴマー」、「捕捉オリゴヌクレオチド」、「捕捉プローブ」、「標的捕捉オリゴマー」、および「捕捉プローブオリゴマー」とは、(i)標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズすることができる標的ハイブリダイズ配列、および(ii)二次オリゴマーにハイブリダイズすることができる捕捉配列(例えば、固体支持体上に固定化されているかまたは結合パートナーに連結されて、組成物中の他の分子からの捕捉オリゴマー、標的および二次オリゴマーを含む複合体の単離を促進する)を含む核酸オリゴマーを指すために互換的に使用される。
【0209】
「アンプリコン」または「増幅産物」とは、核酸増幅反応で生成され、テンプレート核酸に由来する核酸分子を意味する。アンプリコンまたは増幅産物は、テンプレート核酸と同じまたは反対のセンスであり得る増幅核酸配列(例えば、標的核酸)を含む。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、約100~30,000ヌクレオチド、約100~10,000ヌクレオチド、約100~5000ヌクレオチド、100~2000ヌクレオチド、約100~1500ヌクレオチド、約100~1000ヌクレオチド、約100~800ヌクレオチド、約100~700ヌクレオチド、約100~600ヌクレオチド、または約100~500ヌクレオチドの長さを有する。
【0210】
「増幅オリゴヌクレオチド」または「増幅オリゴマー」とは、標的核酸またはその相補体にハイブリダイズし、例えばプライマーおよび/またはプロモータープライマーとして働く核酸伸長または増幅反応に関与するオリゴヌクレオチドを指す。増幅オリゴマーはまた、転写を開始することができるが、必ずしもDNAポリメラーゼによって伸長可能ではなく、3’ブロッキング部分を含み得るプロモーターを含むプロモータープロバイダーを包含する。特定の増幅オリゴマーは、標的核酸配列またはその相補鎖の領域に相補的な、少なくとも約10個の連続する塩基、および場合により少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個の連続する塩基の標的ハイブリダイズ配列を含む。標的ハイブリダイズ配列の他の例示的な長さまたは長さの範囲は、本明細書の他の箇所に記載されており、増幅オリゴマーに適用することができる。連続する塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または完全に相補的であり得る。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、相補的配列の2つのセグメント間に介在リンカーまたは非相補的配列を含み、例えばオリゴマーの2つの相補的セグメントは、集合的に少なくとも約10個の相補的塩基、および場合により少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の相補的塩基を含む。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、約10~約60塩基長であり、場合により修飾ヌクレオチドを含むことができる。増幅オリゴマーは、例えば標的配列に非相補的な5’領域を含めることによって、場合により修飾することができる。そのような修飾は、プライマーまたは標的オリゴヌクレオチドを操作または増幅するために使用または有用なタグ、プロモーター、または他の配列などの機能的付加を含み得る。
【0211】
「プライマー」とは、テンプレート核酸にハイブリダイズし、重合によって伸長される3’端を有するオリゴマーを指す。プライマーは、例えば、標的配列に非相補的な5’領域を含めることによって、場合により修飾することができる。そのような修飾は、プライマーまたは標的オリゴヌクレオチドを操作または増幅するために使用または有用なタグ、プロモーター、または他の配列などの機能的付加を含み得る。
【0212】
第1の配列は、第2の配列の「相補体」(または、等価的に、第2の配列に「相補的」である)であり、第1の配列は、合理的な結合条件(本明細書に記載のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件であり得るが必ずしもそうではなく、例えば、標準的なPCRならびにプライマーまたはプローブの結合および伸長を含む他の技法で使用されるアニーリング条件も包含する)下で、第2の配列にアニールするのに十分な長さおよび含有量を有する。
【0213】
「タグ」とは、オリゴマーに含まれ得る標的ハイブリダイズ配列以外の任意の追加の配列を指す。標的ハイブリダイズ配列に加えて存在する任意の配列は、タグとして機能し得る。タグには、アダプターが含まれるが、これに限定されない(以下を参照)。タグの追加の例は、プロモーター、本明細書の他の箇所に記載されている混合ヌクレオチド要素、およびクランプを含む安定化配列である。
【0214】
「アダプター」とは、それが付加された分子を、別の分子(例えば、配列決定プライマー、または捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列(THS))に対する結合部位をもたすように適合させる配列である。結合部位は、ユニバーサル結合部位(例えば、複数の捕捉オリゴマー用、すべて同じTHSを有する、マルチプレックス形式、またはユニバーサルプライマー用)であり得る。結合部位の追加の例は、ディスプレーサオリゴマー、プローブ、捕捉オリゴマー、もしくは核酸修飾酵素(例えば、RNAポリメラーゼ、プリマーゼ、リガーゼ、RNAse(RNAse Hなど)または制限酵素)のための、またはクローン増幅、または下流の用途、例えば濃縮、ライブラリ調製、クローン増幅もしくは配列決定に有用な他の1つもしくは複数の機能的要素における使用を含む、固相(固相プライマーまたは捕捉オリゴマーによるものを含む)への付着のための結合部位である。したがって、試料バーコードまたはインデックス配列、キーまたはキャリブレータ配列、分子バーコード(固有の分子識別子を含む)、下流でのクローニングのための部位および標的分子の環状化のための部位は、アダプターに含まれ得る要素の追加の例である。
【0215】
「リンカー」は、オリゴマーの一部分を別の部分に連結する、配列もしくは非配列要素またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、配列リンカーは、組合せまたは組成物中の標的ポリヌクレオチドおよび/または他のオリゴマーにハイブリダイズしない配列を含む。いくつかの実施形態では、非配列リンカーは、アルキル、アルケニル、アミド、またはポリエチレングリコール基[(-CHCHO-)]を含む。
【0216】
「安定化配列」は、クランプ、混合ヌクレオチド領域、またはデュプレックス領域の安定性を増加、および/またはハイブリダイゼーションのレジスタを制御するように機能する他の配列(例えば、スリップしやすい配列、例えば反復ヌクレオチド含有、例えばポリ-dAまたはポリ-dT配列に隣接して位置する場合)である。「アライメント配列」は、ハイブリダイゼーションのレジスタを制御する安定化配列である。本明細書の他の箇所に記載されているクランプおよび混合ヌクレオチド領域に加えて、安定化配列には、GCリッチ配列および親和性増強修飾を含む配列が含まれる。
【0217】
「内部伸長ブロッカー」は、核酸に沿った相補鎖の伸長を防止する、核酸の配列内に位置するか、または核酸に結合した要素である。例としては、非ヌクレオチドリンカーまたは1つもしくは複数の脱塩基部位、非天然ヌクレオチド、または化学修飾された天然ヌクレオチド、ならびに後述する可逆的伸長ブロッカーが挙げられる。
【0218】
「可逆的伸長ブロッカー」は、そのブロック機能を反転させることができる、すなわち相補鎖の伸長を許容することができる内部伸長ブロッカーである。例示的な可逆的伸長ブロッカーは、ポリメラーゼによって受け入れられ、天然ヌクレオチドに対して特異性を示す相補的ヌクレオチドを有する非天然ヌクレオチドである(すなわち、ポリメラーゼは、可逆的伸長ブロッカーを超えて天然塩基を付加しない)。相補的ヌクレオチドを供給することは、ブロッキング機能を反転させる。対のいずれかのメンバーが可逆的伸長ブロッカーとして機能することができる非天然塩基対の例は、Iso-dCもしくはIso-dG、キサンチンもしくは5-(2,4ジアミノピリミジン);2-アミノ-6-(N,N-ジメチルアミノ)プリンもしくはピリジン-2-オン;4-メチルベンゾイミジゾール(4-Methylbenzimidizole)もしくは2,4-ジフルオロトルエン;7-アザインドールもしくはイソカルボスチリル:dMMO2もしくはd5SICS;またはdFもしくはdQである。可逆的伸長ブロッカーの他の例は、化学修飾された1つまたは複数のヌクレオチドであり、修飾は可逆的連結を介して結合し、連結は、化学物質、酵素、温度変化、試薬組成変化など;可逆的な核酸の構造的特徴;または捕捉オリゴマーに可逆的に結合した分子であって、場合により、可逆的に結合した分子がタンパク質、酵素、脂質、炭水化物、または化学的部分である、捕捉オリゴマーに可逆的に結合した分子のいずれか1つまたは複数を供給することによって反転させることができる。
【0219】
「核酸増幅」とは、標的核酸配列、またはその相補的配列、またはその断片(すなわち、完全な標的核酸未満を含む増幅配列)の複数のコピーを作成する任意のインビトロ手順を指す。核酸増幅手順の例には、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)およびその他(例えば、米国特許第.5,399,491号、第5,554,516号、第5,437,990号、第5,130,238号、第4,868,105号、および第5,124,246号)、レプリカーゼ媒介増幅(例えば、米国特許第4,786,600号)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号)、ローリングサークル増幅(RCA)(例えば、米国特許第5,854,033号および第6,143,495号)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)(例えば、米国特許第7,666,598号)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、欧州特許出願公開第0320308号)および鎖置換増幅(SDA)(例えば、米国特許第5,422,252号)などの転写関連の方法が含まれる。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子、およびQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する。PCR増幅は、DNAポリメラーゼ、プライマー、および熱サイクリングステップを使用して、DNAまたはcDNAの2つの相補鎖の複数のコピーを合成する。LCR増幅は、少なくとも4つの別個のオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、および変性の複数サイクルを使用することによって標的およびその相補鎖を増幅する。SDAは、標的配列を含む半修飾DNAデュプレックスの一方の鎖にニックを入れる制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含むプライマーを使用し、続いて一連のプライマー伸長および鎖置換ステップで増幅する。特定の実施形態はPCRを使用するが、本明細書に開示されるオリゴマーが他の増幅方法におけるプライマーとして容易に使用され得ることは当業者には明らかであろう。
【0220】
「ハイブリダイゼーション」または「ハイブリダイズ」とは、2つの完全にまたは部分的に相補的な核酸鎖が、特定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、並列または逆並列配向で一緒になって、二本鎖領域を有する安定な構造を形成する能力を意味する。「ハイブリダイゼーション」および「ハイブリダイズ」は、それぞれ「アニーリング」および「アニール」と同義である。ハイブリッドと呼ばれることもある、この二本鎖構造の2本の構成鎖は、水素結合によって一緒に保持されている。これらの水素結合は、最も一般的には、単一核酸鎖上の塩基アデニンおよびチミンもしくはウラシル(AおよびTまたはU)またはシトシンおよびグアニン(CおよびG)を含むヌクレオチド間に形成するが、これらの「カノニカル」対のメンバーではない塩基間にも塩基対合が形成され得る。非カノニカル塩基対合は当技術分野で周知である。(例えば、R.L.P.Adamsら、The Biochemistry of the Nucleic Acids(第11版1992年)を参照されたい)
【0221】
本明細書で使用される場合、「特異的にハイブリダイズする」という用語は、所与のハイブリダイゼーション条件下で、プローブ、プライマー、または他のオリゴマー(例えば、捕捉オリゴマー)が、標的配列(複数可)を含む試料中のその標的配列にのみ実質的に検出可能にハイブリダイズする(すなわち、非標的配列に対して検出可能なハイブリダイゼーションはほとんどまたは全く存在しない)ことを意味する。特に、オリゴマーは、標的(例えば、特定の分類群、例えば属の生物由来の配列)のセットのいずれか1つに特異的にハイブリダイズするように構成することができる。いくつかの実施形態では、プローブ、プライマー、または他のオリゴマー(例えば、捕捉オリゴマー)は、その標的核酸にハイブリダイズして、安定なオリゴマー:標的ハイブリッドを形成することができるが、場合によっては増幅または捕捉のために十分な数の安定なオリゴマー:非標的ハイブリッドを形成することができない。標的核酸に特異的にハイブリダイズする増幅および捕捉オリゴマーは、標的核酸を増幅および捕捉するのに有用であるが、非標的核酸、特に系統発生的に密接に関連する生物の非標的核酸を増幅および捕捉するのには有用ではない。したがって、オリゴマーは、非標的核酸よりも十分に大きな程度で標的核酸にハイブリダイズして、当業者が特定の標的(例えば、特定の病原体)に由来する核酸の存在(または非存在)を必要に応じて正確に捕捉、増幅、および/または検出することを可能にする。一般に、オリゴヌクレオチド配列とその標的配列との間の相補性の程度を低下させることは、その標的領域に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの程度または速度を低下させる。しかしながら、1つまたは複数の非相補的ヌクレオシドまたは核酸塩基を含めることは、オリゴヌクレオチドが非標的核酸配列を区別する能力を促進し得る。
【0222】
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」とは、(1)オリゴマーが、異なる核酸(例えば、標的核酸との同一性にわずか1ヌクレオチドの相違を有する核酸)とは対照的に、標的核酸に優先的にハイブリダイズすることを可能にする条件、または(2)より高い親和性の標的ハイブリダイズ配列を有するオリゴマーのみが(より低い親和性の標的ハイブリダイズ配列を有するオリゴマーと比較して)標的にハイブリダイズすることを可能にする条件であって、例えば、より高い親和性の標的ハイブリダイズ配列が、より低い親和性の標的ハイブリダイズ配列よりも長いか、および/またはより低い親和性の標的ハイブリダイズ配列が含まない親和性増強修飾を含む、条件を意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の定義は変化しないが、ストリンジェントなハイブリダイゼーションに使用され得る実際の反応環境は、オリゴマーのGC含有量および長さ、オリゴマー配列と、試験試料中に存在し得る標的核酸および非標的核酸の配列との間の類似性の程度を含む因子に応じて変化し得る。ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション試薬または溶液の温度および組成を含む。本開示のオリゴマーを用いた例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、一価カチオン濃度が約0.4~1Mの範囲にあり、二価カチオン濃度が約0~10mMの範囲にあり、pHが約5~9の範囲にある場合、約40℃~75℃、例えば40℃~50℃、50℃~60℃、または60℃~75℃の温度に対応する。ハイブリダイゼーション条件の追加の詳細は、例のセクションに記載されている。他の許容され得るストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者によって容易に確認されるだろう。
【0223】
「標識」または「検出可能な標識」とは、検出されるかまたは検出可能なシグナルをもたらすプローブに直接的または間接的に連結された部分または化合物を指す。任意の検出可能な部分、例えば、放射性核種、ビオチンまたはアビジンなどのリガンド、酵素、酵素基質、反応基、検出可能な色を付与する色素または粒子(例えば、ラテックスまたは金属ビーズ)などの発色団、発光化合物(例えば、生物発光、リン光、または化学発光化合物)および蛍光化合物(すなわち、フルオロフォア)を使用することができる。フルオロフォアの実施形態には、約495nm~690nmの範囲の(例えば、ピーク吸収波長を有する)光を吸収し、約520nm~710nmの範囲の(例えば、ピーク発光波長を有する)光を放出するものが含まれ、これらには、FAM(商標)、TET(商標)、HEX、CAL FLUOR(商標)(オレンジまたはレッド)、CY、およびQUASAR(商標)化合物として公知のものが含まれる。フルオロフォアは、フルオロフォアに近接しているときに光を吸収してバックグラウンド蛍光を減少させるクエンチャー分子と組み合わせて使用することができる。そのようなクエンチャーは当技術分野で周知であり、例えば、BLACK HOLE QUENCHER(商標)(すなわちBHQ(商標))、Blackberry Quencher(登録商標)(すなわちBBQ-650(登録商標))、Eclipse(登録商標)、またはTAMRA(商標)化合物を含む。
【0224】
「伸長不可能な」オリゴマーまたは「その3’端にブロッキング部分」を含むオリゴマーは、伸長を防止するためにその3’末端(3’端とも呼ばれる)の十分近くにブロッキング部分を含む。伸長をブロックするのに十分に3’末端に近い任意のブロッキング部分は、それが3’ヒドロキシルもしくは酸素に結合していないかまたはその代わりに存在する場合であっても、本開示の目的のために3’末端「にある(at)」と考えられる。3’端付近のブロッキング部分は、いくつかの実施形態では、3’端の5残基以内にあり、オリゴマーへのポリメラーゼの結合を制限するのに十分な大きさであり、他の実施形態は、3’末端に共有結合したブロッキング部分を含む。多くの様々な化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基(例えば、3’-ヘキサンジオール残基)、およびコルジセピンを使用して、3’端をブロックすることができる。ブロッキング部分のさらなる例には、3’-デオキシヌクレオチド(例えば、2’,3’-ジデオキシヌクレオチド);3’-リン酸化ヌクレオチド;フルオロフォア、クエンチャー、または伸長を妨げる他の標識;逆位ヌクレオチド(例えば、場合により露出した5’-OHまたはリン酸を用いて、3’から3’へのホスホジエステルを介して先行するヌクレオチドに連結される);またはポリメラーゼによる新生核酸鎖のさらなる伸長を防止するようにオリゴヌクレオチドに連結されたタンパク質もしくはペプチドが含まれる。本開示の伸長不可能なオリゴヌクレオチドは、少なくとも10塩基長であり得、最大15、20、25、30、35、40、50またはそれ以上のヌクレオチド長であり得る。検出可能な標識を含む伸長不可能なオリゴヌクレオチドをプローブとして使用することができる。
【0225】
「結合パートナー」とは、非共有結合性会合を形成するために使用することができる一対の部分のメンバーである。結合パートナーの例示的なセットは、ビオチンおよびビオチン結合剤である。結合パートナーのさらなる例としては、ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン、より一般的には抗体およびその標的が挙げられるが、これらに限定されない。
【0226】
「ビオチン結合剤」とは、ビオチンに特異的に結合することができる薬剤(例えば、ポリペプチド)である。ストレプトアビジン、アビジン、およびニュートラアビジン(NeutrAvidin)は、ビオチン結合剤の例である。抗ビオチン抗体もビオチン結合剤と考えられる。
【0227】
「抗体」という用語は、相補性決定領域およびフレームワーク領域(例えば、VHおよびVLドメイン)を有する機能的抗原結合領域を含む任意のポリペプチドを包含し、scFv、Fab、および全長抗体(例えば、IgA、IgG、IgD、IgE、またはIgM抗体)を含むがこれらに限定されない。
【0228】
本明細書で使用される場合、「キット」とは、例えば、本明細書に開示される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む試薬のパッケージされた組合せである。例えば、キットは、標的ポリヌクレオチドを単離するための試薬を含む複数のチャンバを有する、1つまたは複数のバイアル、チューブ、またはカートリッジのパッケージされた組合せを含み得る。試薬は、本明細書に記載されるものなどの捕捉、プライマーおよびプローブオリゴヌクレオチド、ならびにヌクレオチド重合化酵素(例えば、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、RNAポリメラーゼなど)を含むことができる。ある特定の実施形態では、試薬は、液体形態、固体形態(例えば、凍結乾燥物)、または半固体形態(例えば、ガラス)であり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド試薬および酵素試薬は、単一の凍結乾燥組成物(例えば、ペレット)の構成要素としてキットに存在する。そのような例では、プライマー、プローブ、および1つまたは複数の酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)を、水性試薬で再構成することができる凍結乾燥形態で同じ反応チャンバまたはベッセル中に配置することができ、水性試薬を含む別個のバイアルまたはチューブが同じキットに含まれる。キットは、例えば、他のオリゴマーなどのいくつかの任意の構成要素をさらに含んでもよい。キット中に存在し得る他の試薬には、緩衝液、塩溶液、および/または適切なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP;および/またはATP、CTP、GTPおよびUTP)などのインビトロ増幅を行うのに適した試薬が含まれる。キットはさらに、試料調製手順においてオリゴマーを直接的または間接的に固定化するための固体支持体材料(例えば、磁気的に引きつけ可能な粒子、例えば磁気ビーズ)を含み得る。ある特定の実施形態では、キットは、本開示に従う方法を実践するための説明書のセットをさらに含み、説明書は、キットまたはその構成要素の添付文書および/または包装に関連付けられ得る。
【0229】
本明細書で使用される場合、オリゴマーの「組合せ」とは、互いに近接した、例えばキット内の異なる容器もしくは同じ容器、または互いに並置された組成物もしくは組成物のセット、例えばプレート、ラック、または他の容器内の任意の複数のオリゴマーを指す。
【0230】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的な定義は、分子生物学の分野に関連する技術書、例えば、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY、第2版(Singletonら、1994、John Wiley&Sons、New York、NY)またはTHE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(Hale&Marham、1991、Harper Perennial、New York、NY)に見出すことができる。
【0231】
B.例示的な組成物、キット、方法、および使用
本開示は、標的ポリヌクレオチドの単離および/またはアダプターなどのタグの結合のために有用なオリゴマー、組成物、およびキットを提供する。単離には、限定された量の単離(限定された捕捉)および特定の量の単離(コピーコントロール)が含まれる。例えば、ある特定のワークフローでは、所定量(例えば、配列決定ライブラリ調製などの下流の用途のために最大の望ましい値)以下であるが可能な限り多くの量の標的ポリヌクレオチド(例えば、天然のDNAもしくはRNAまたはアンプリコンであり得る)を捕捉する(または増幅および捕捉する)ことが望ましい。同様に、ある特定のワークフローでは、下流の用途(例えば、次世代配列決定ワークフローを含むクローン増幅)で使用するために、所定の特定量(例えば、特定の数の分子または分子のコピー)の標的ポリヌクレオチド(例えば、天然のDNAもしくはRNA、アンプリコンまたは配列決定ライブラリであり得る)を捕捉する(または増幅および捕捉する)ことが望ましい。さらに、ある特定のワークフローでは、配列決定ライブラリへのアダプターの取込みなど、標的ポリヌクレオチドに追加の配列を取り込むことが望ましい。様々な要素を含むオリゴマーが本明細書に記載される。特に指示しない限り、オリゴマーの列挙された要素の前、間、または後に、それらがその機能性を妨げない限り、追加の要素が存在してもよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、例えば、キットまたは組成物で提供される。オリゴマーは、一般に、例えば標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ領域を含む。異なる長さおよび塩基組成のオリゴマーを使用することができるが、いくつかの実施形態では、本開示のオリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列を論じるセクションに記載された長さの標的ハイブリダイズ領域を有する。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、標的ハイブリダイズ領域の5’に位置し得る、本明細書の他の箇所に詳細に記載されているような配列の追加の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、配列の第2の領域を含まない。いくつかの実施形態では、配列の追加の領域は、捕捉配列を含む。
【0233】
1.コピーコントロールおよび他の用途のための、捕捉オリゴマーおよび組合せ
a.捕捉配列およびその相補体を含む捕捉オリゴマー
いくつかの実施形態では、捕捉配列、内部伸長ブロッカー、捕捉配列の相補体、および標的ハイブリダイズ配列を含む捕捉オリゴマーが提供され、捕捉配列の相補体は、標的ハイブリダイズ配列および捕捉配列の相補体にアニールした伸長された標的配列の非存在下で、捕捉配列にアニールするように構成される。例示的な捕捉オリゴマーについて図1A図1Cに示されるように、そのような捕捉オリゴマーは、捕捉配列が最初に捕捉配列の相補体(C’)にアニールされる(図1A)が、標的ポリヌクレオチドがC’を通って伸長すると結合に利用可能になる(図1B)という点で、標的依存的に捕捉することができる。内部伸長ブロッカーは、捕捉配列自体に沿った標的の伸長を防止する。したがって、標的捕捉オリゴマーの伸長産物は、捕捉配列の相補体および結合パートナーまたは固体基板を含む二次捕捉試薬への結合を受けやすい(図1C)。一方、結合していない捕捉オリゴマーは伸長テンプレートとして機能しないので、C’は捕捉配列にアニールされたままであり、結合していない捕捉オリゴマーは二次捕捉試薬と実質的に相互作用しない。したがって、結合していない捕捉オリゴマーは、標的捕捉オリゴマーの伸長産物の複合体の単離後に元の溶液中に実質的に残存し、これは、結合パートナー(例えば、ビオチン)または固体基板(例えば、磁気ビーズ)の固有性に基づく適切な標準的技法を使用して達成することができる。ビーズと会合した標的と捕捉オリゴマーとの複合体を図2Aに模式的に示し、標的のビーズからの溶出を図2Bに示す。
【0234】
そのような捕捉オリゴマーおよび適切な二次捕捉試薬とのそれらの組合せは、捕捉、限定された捕捉、またはコピーコントロールが望ましい場合、および追加の配列の取込みが望ましい場合の任意の用途に有用である。伸長可能な3’端を有する本明細書に記載の捕捉オリゴマーは、例えば、捕捉オリゴマーの逆の配向を有する、増幅プライマー、標的鎖またはアンプリコン鎖と共に増幅オリゴマー(例えば、プライマー)として使用して、伸長産物またはアンプリコンを生成することができ、次いで、これを二次捕捉試薬と形成された複合体と接触させ、適切な単離ステップを行うことによって単離することができる。他の実施形態では、捕捉オリゴマーは増幅オリゴマーとして使用されないか、または複数ラウンドの伸長に使用されず、アンプリコンまたは天然のDNAもしくはRNAは、捕捉オリゴマー(および場合により、または適切な場合には、本明細書の他の箇所で詳細に論じられているように、捕捉配列の相補体の標的依存性置換を促進することができる、相補的オリゴマーまたはディスプレーサオリゴマー+逆方向増幅オリゴマーなどの本明細書で論じられている追加のオリゴマー)にアニーリングさせ、ポリメラーゼを用いて伸長ステップを行い、次いで伸長された複合体を二次捕捉試薬と接触させ、適切な単離ステップを行うことによって簡単に捕捉することができる。いずれの場合も、二次捕捉試薬の量は、捕捉に望ましい特定の量または最大量を設定するように選定することができる。さらに、捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬の両方の量は、捕捉に望ましい特定の量または最大量を設定するように選定することができ、例えば、捕捉オリゴマーの量は標的ポリヌクレオチドの量よりも少なくてもよく、二次捕捉試薬の量は捕捉オリゴマーの量よりも少なくてもよい。
【0235】
本開示による捕捉オリゴマーの例示的な式は、
5’-A1-C-L-B-A2-C’-A3-RB-A4-THS-X-3’
(式中、A1は、場合により存在する第1の追加の配列であり;
Cは、捕捉配列であり、
Lは、場合により存在するリンカーであり、
Bは、内部伸長ブロッカーであり、
A2は、場合により存在する第2の追加の配列であり、
C’は、捕捉配列の相補体であり、
A3は、場合により存在する第3の追加の配列であり、
RBは、場合により存在する可逆的伸長ブロッカーであり、
A4は、場合により存在する第4の追加の配列であり、
THSは、標的ハイブリダイズ配列であり;
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
である。
【0236】
上記の式に従うものを含むがこれに限定されない本明細書に記載の実施形態では、各追加の配列に先行する序数(第1、第2、第3、および第4)は、単に各可能な個々の追加の配列への具体的な参照を可能にするために使用され、必ずしも任意の他の追加の配列が存在することを意味しない。したがって、捕捉オリゴマーは、追加の配列のいずれか1つまたは2つ以上の任意の組合せ、例えば第4の追加の配列のみ;第3および第4の追加の配列;第1、第3、および第4の追加の配列;などを含み得る。さらに、任意の追加の配列は、複数の要素(例えば、バーコードおよびプライマー結合部位、またはこれらのいずれかもしくは両方+さらなる配列)を含み得るか、または単一の要素からなり得る。
【0237】
存在する場合、第1の追加の配列は、例えば、捕捉配列の5’端を保護、あるいは切断部位、酵素認識部位(例えば、制限エンドヌクレアーゼのため)またはデュプレックスを安定化および/もしくはデュプレックス領域のレジスタをアライメントするため(例えば、クランプ)の安定化配列として機能するために有用な任意の配列または1つもしくは複数の塩基を含み得る。クランプ配列を含む捕捉オリゴマーを図3に示す。
【0238】
捕捉配列は、捕捉配列としての使用に適した任意の配列、例えば、上記の実施形態および以下のオリゴマー要素のセクションを含む、本明細書に記載の捕捉配列の実施形態のいずれかを含み得る。
【0239】
存在する場合、リンカーは、配列もしくは非配列要素またはそれらの組合せであり得る。リンカーは、捕捉配列の相補体の捕捉配列への自己ハイブリダイゼーションを促進する柔軟性を提供することができ、捕捉配列の相補体が捕捉配列にハイブリダイズするときにループ様立体配座(例えば、リンカーが配列要素である場合、実質的に一本鎖)をとることができる。例示的な非配列リンカーには、3、6、12または18個以上の原子の例示的な長さを有するアルキル、アルケニル、アミドおよびポリエチレングリコール基[(-CHCHO-)]が含まれる。追加のリンカーの実施形態は、本明細書の他の箇所に提供される。
【0240】
内部伸長ブロッカーは、DNAポリメラーゼによって越えられない要素であり、よって内部伸長ブロッカーが一部である鎖に相補的な鎖の伸長を防止する。いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは、脱塩基部位、化学修飾されたヌクレオチド、非天然ヌクレオチド(例えば、isoCもしくはisoGまたは本明細書の他の箇所に記載されている他の非天然ヌクレオチド;有効なブロッカーであるために、相補的な非天然ヌクレオチドは反応混合物中に存在してはならず、例えば、isoCがブロッカーである場合にはisoGは存在せず、逆もまた同様である)、または非配列要素(例えば、上記で論じられる非配列リンカーのいずれか)である。非配列リンカーは、内部伸長ブロッカーとして機能し得るか、または別個のリンカーおよび内部伸長ブロッカーが存在し得る。isoCまたはisoGなどの非天然塩基が内部伸長ブロッカーとして使用される場合、DNAポリメラーゼが修飾塩基の位置を越えられないため相補的塩基はもたらされない。
【0241】
存在する場合、第2の追加の配列は、タグ、例えば以下で論じられる混合ヌクレオチド要素を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の追加の配列は、例えば、別の追加の配列中の対応する相補的配列と組み合わせて使用される場合、切断部位または安定化および/もしくはデュプレックス領域のレジスタをアライメントするため(例えば、クランプ配列)に使用される配列を含む。
【0242】
捕捉配列の相補体は、捕捉配列としての使用に適した任意の配列の相補体、例えば、上記の実施形態および以下のオリゴマー要素のセクションを含む、本明細書に記載の捕捉配列の実施形態のいずれかの相補体を含み得る。いくつかの実施形態では、捕捉配列の相補体は、捕捉配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%の相補性レベルを有する。さらに、捕捉配列の相補体は、捕捉配列の一部分のみ、例えば捕捉配列の50%、60%、70%、80%または90%に相補的であり得る。
【0243】
存在する場合、第3の追加の配列は、例えば、第1の追加の配列中の対応する相補的配列と組み合わせて使用される場合、タグまたは切断部位または安定化および/もしくはデュプレックス領域のレジスタをアライメントするため(例えば、クランプ配列)に使用される配列を含み得る。相補的クランプ配列は、自己ハイブリダイゼーションをよりエネルギー的に有利にすることができるか、および/または相補的領域CおよびC’を所望のレジスタ(アライメント)に保つのを助けることができ、例に示されるように捕捉オリゴマーの性能を改善することができる。クランプ配列を含む捕捉オリゴマーを図3に示す。いくつかの実施形態では、第3の追加の配列は、アダプターまたはタグ、例えば、プライマー(配列決定プライマーを含む)のための結合部位、後続の反応もしくはステップにおけるアンカーオリゴマーもしくはプローブ結合部位、または切断もしくは酵素結合部位(例えば、制限エンドヌクレアーゼのため)として、あるいは例えば、試料または分子の供給源を識別し、プール化を伴うアプローチ、例えば、高度に並列な配列決定などを促進するための、バーコードまたは他のタグとして使用することができる配列を含む。そのような配列は、安定化(例えば、クランプ)配列と共に第3の追加の配列の一部であり得る。
【0244】
存在する場合、可逆的伸長ブロッカーを使用して、第1の期間中に捕捉オリゴマーに沿った相補鎖の伸長を制限することができ、例えば、捕捉オリゴマーが増幅オリゴマーとして機能している場合、標的ポリヌクレオチドに対する標的ハイブリダイズ配列(THS)の結合の特異性を維持することができる。例示的な可逆的伸長ブロッカーには、IsoGおよびIsoC、ならびに本明細書の他の箇所に記載されている他のものが含まれ、これらは相補的ヌクレオチド(例えば、IsoGに対するIsoC、逆もまた同様である)を添加することによってブロック解除することができる。可逆的伸長ブロッカーが使用される場合、可逆的伸長ブロッカーとは異なる要素が捕捉配列の相補体の内部伸長ブロッカー5’として使用されるべきである。可逆的伸長ブロッカーは、THSの5’および存在する任意の追加の配列の3’に配置された増幅オリゴマー(例えば、伸長/増幅反応における捕捉オリゴマーに加えて逆方向増幅プライマー)にも使用することができる。上記のように、これは、他の利点の中でも、増幅プロセス中に標的ポリヌクレオチドに対する増幅オリゴマーのTHSの結合の特異性を維持することができる。可逆的伸長ブロッカーは増幅後に反転させることができ、追加の配列に対する相補体は単一の伸長ステップで作成することができ、したがって追加の配列をアンプリコンに取り込むことができる。捕捉オリゴマーが可逆的伸長ブロッカーも含む場合、それは場合により反転させることもでき、捕捉オリゴマーの相補体は、増幅オリゴマーの同様のプロセスと同時に内部伸長ブロッカーまで(上記のように)作成される。この単一伸長ステップは、増幅反応と同じ反応混合物中で場合により行うことができる。これは、追加の配列(例えば、配列決定ライブラリにおけるアダプターの付加に使用することができる)を産物にさらに取り込みながら、特異性を維持するための迅速かつ簡単な方法を表す。
【0245】
存在する場合、第4の追加の配列は、例えば、プライマー、プローブ、アンカーオリゴなどの結合部位配列として、または例えば、試料もしくは分子の供給源を識別し、プール化を伴うアプローチ、例えば、高度に並列な配列決定を促進するための、バーコードもしくは他のタグとして機能する、アダプターまたはタグを含み得る。そのような配列は、安定化配列、アライメント配列、切断部位、または酵素結合部位と共に第4の追加の配列の一部であり得る。いくつかの実施形態では、第4の追加の配列は、安定化またはアライメント配列を含む。
【0246】
記載された追加の配列(または追加の配列に沿った伸長によって形成されたその相補体)のいずれかが下流プロセス(例えば、ライブラリ調製、クローン増幅、配列決定またはデータ分析のために有用なアダプターの付加)に有用なタグを含む前述の実施形態のいずれかでは、タグ付加を標的捕捉と組み合わせることにより、ワークフロー全体を合理化することができる。
【0247】
標的ハイブリダイズ配列は、所与の標的にハイブリダイズするのに十分な長さおよび相補性の任意の配列、例えば、上記の実施形態および以下のオリゴマー要素のセクションを含む、本明細書に記載の標的ハイブリダイズ配列の実施形態のいずれかであり得る。
【0248】
存在する場合、ブロッキング部分は、ポリメラーゼによる3’端の伸長を防止する任意の部分であり得る。例示的なブロッキング部分は、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。ブロッキング部分は、例えば、捕捉オリゴマーの濃度が高い場合および/または標的ハイブリダイズ配列が二量体化する可能性がある場合に、そうでなければ起こり得る捕捉オリゴマーの二量体の伸長および後続の捕捉を防止することができる。図6を参照されたい。
【0249】
i.組合せ
いくつかの実施形態では、本開示による捕捉オリゴマー、および1つまたは複数の追加のオリゴマーを含む組合せが提供される。追加のオリゴマーは、以下のいずれか、または以下の2つ以上の任意の組合せを含み得る:捕捉オリゴマーを標的の3’端を含む部位に結合させずに、標的分子(環状であり得る)を捕捉するのに使用するための相補的オリゴマー(この組合せおよび環状標的分子を捕捉するためのその使用の説明については図11A図11Bを参照);例えば、捕捉オリゴマーに対して逆向きに標的ポリヌクレオチドに結合する増幅オリゴマー;例えば、標的を増幅するように構成された増幅オリゴマーの対;例えば、捕捉配列の相補体および結合パートナーもしくは固体支持体を含む二次捕捉試薬;スプリントオリゴマー;ブロッカーオリゴマー;またはディスプレーサオリゴマー。そのような追加のオリゴマーは、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。組合せはまた、例えば、複数の標的ポリヌクレオチドのマルチプレックス捕捉を行うための、1つまたは複数の追加の捕捉オリゴマーを含み得る。追加の捕捉オリゴマーは、適切な逆方向増幅オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー、ブロッカーオリゴマーなどの追加のオリゴマーを伴ってもよい。複数の捕捉オリゴマーが使用される場合、それらは、単一の二次捕捉試薬を使用できるように、同一または十分に類似した捕捉配列を有し得る。あるいは、それらは異なる捕捉配列を有していてもよく、例えば、1つの標的が高い存在量で存在する場合、伸長された捕捉オリゴマーとのその結果生じる複合体は、低い存在量の標的複合体を排除するための二次捕捉試薬を飽和させない。
【0250】
いくつかの実施形態では、組合せは、捕捉配列の相補体、少なくとも第2、第3、または第4の追加の配列、および他の要素を含む本明細書に記載の捕捉オリゴマーと、5’から3’方向に、標的ハイブリダイズ配列、および第2、第3、または第4の追加の配列の少なくとも一部分の相補体を含む相補的オリゴマーとを含む。図11Aを参照されたい。相補的オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の標的に近い(標的の配向に従って、3’側に)標的の部分に結合するはずである。第2または第3の追加の配列の少なくとも一部分の相補体は、標的依存的に捕捉オリゴマーにアニールする(すなわち、標的の非存在下ではアニールしないはず)ように構成されるべきである。標的、捕捉オリゴマー、および相補的オリゴマーの三元複合体は、ポリメラーゼによる相補的オリゴマーの3’端の伸長のための基質であり、そのような伸長による捕捉配列の相補体からの捕捉配列の置換は、それを二次捕捉試薬を使用した捕捉に利用可能にする。
【0251】
b.捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む組合せ
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む組合せが提供され、(a)捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に:第1および第2の部分を含む捕捉配列、内部伸長ブロッカー、第1および第2の部分を含むスペーサー配列、ならびに標的ハイブリダイズ配列を含み;(b)相補的オリゴマーは、3’から5’方向に:捕捉配列の第2の部分の相補体、およびスペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体およびスペーサー配列の第1の部分の相補体は、スペーサー配列の相補体の非存在下で、捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される。そのような組合せおよびその使用の説明については、図10Aを参照されたい。
【0252】
そのような捕捉オリゴマーは、式:
5’-A1-C1-C2-B-A2-S1-S2-A3-RB-A4-THS-X-3’
(式中、A1は、場合により存在する第1の追加の配列であり、
C1は、捕捉配列の第1の部分であり、
C2は、捕捉配列の第2の部分であり、
Bは、内部伸長ブロッカーであり、
A2は、場合により存在する第2の追加の配列であり、
S1は、スペーサー配列の第1の部分であり、
S2は、スペーサー配列の第2の部分であり、
A3は、場合により存在する第3の追加の配列であり、
RBは、場合により存在する可逆的伸長ブロッカーであり、
A4は、場合により存在する第4の追加の配列であり、
THSは、標的ハイブリダイズ配列であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有し得る。
【0253】
相補的オリゴマーは、式:
5’-S1’-A2’-L-C2’-X-3’
(式中、S1’は、スペーサー配列の第1の部分の相補体であり、
A2’は、捕捉オリゴマー中に場合により存在する、第2の追加の配列の場合により存在する相補体であり;
Lは、場合により存在するリンカーであり、
C2’は、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、
Xは、場合により存在するブロッキング部分である)
を有し得る。
【0254】
図10Aは、上記の説明に従う捕捉オリゴマーの例示的な組合せを示す。標的の非存在下では、相補的オリゴマーは捕捉オリゴマーにアニールされる。標的へのハイブリダイゼーションに続き、3’端の伸長が行われると、相補的オリゴマーが置換される。捕捉配列は、相補的オリゴマーの伸長、置換および「S」領域(相補的オリゴマーの再アニーリングをブロックする)におけるデュプレックスの生成のために実質的に一本鎖のままであり、捕捉配列の相補体および結合パートナーまたはビーズを含む二次捕捉試薬により接触させることができ、後続の単離ステップを容易にする。
【0255】
図13は、捕捉オリゴマーを標的にアニーリングさせる前ではなく、捕捉オリゴマーに沿った標的の伸長後に相補的オリゴマーが提供される、上記の説明に従う捕捉オリゴマーの組合せを使用するための異なる例示的なワークフローを示す。さらに、図13に示される例示的なワークフローでは、増幅反応(例えば、PCR)において捕捉オリゴマーと併せて利用されて、スペーサー領域がアンプリコンに取り込まれた産物を生じる逆方向増幅オリゴマーが供給される。このスペーサー領域は任意の配列である。このワークフローのいくつかの実施形態では、相補的オリゴマーは増幅反応中に供給される。このモードでは、反応のアニーリング段階中にスペーサーおよび捕捉配列の少なくとも一部分をブロックし、増幅反応が完了した後にスペーサー配列の相補体の非存在下で、捕捉オリゴマーになおもアニーリングさせることによって、増幅反応の特異性を改善する。
【0256】
存在する場合、第1の追加の配列はタグを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の追加の配列は、例えば捕捉配列の5’端を保護、または切断部位もしくは酵素認識部位(例えば、制限エンドヌクレアーゼ)として機能するために有用な1つまたは複数の塩基を含む。
【0257】
捕捉配列の第1および第2の部分は、捕捉配列、例えば、捕捉配列としての使用に適した任意の配列、例えば、上記の実施形態および以下のオリゴマー要素のセクションを含む、本明細書に記載の捕捉配列の実施形態のいずれかを形成する。
【0258】
内部伸長ブロッカーは、DNAポリメラーゼによって越えられない要素である。いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは、脱塩基部位、化学修飾されたヌクレオチド、非天然ヌクレオチド(例えば、isoCもしくはisoG、または天然ヌクレオチドの付加をテンプレートしない本明細書に記載の任意の他の非天然ヌクレオチド)、または非配列要素(例えば、上記の非配列リンカーのいずれか)である。非配列リンカーは、内部伸長ブロッカーとして機能し得る。isoCまたはisoGなどの修飾塩基が内部伸長ブロッカーとして使用される場合、DNAポリメラーゼが修飾塩基の位置を越えられないために相補的塩基はもたらされない。
【0259】
存在する場合、第2の追加の配列は、例えば、プライマー、プローブ、アンカーオリゴなどの結合部位配列として、または例えば、試料もしくは分子の供給源を識別し、プール化を伴うアプローチ、例えば、高度に並列な配列決定を促進するための、バーコードもしくは他のタグとして機能する、アダプターまたはタグを含む。そのような配列は、安定化配列、アライメント配列、切断部位、または酵素結合部位と共に第2の追加の配列の一部であり得る。いくつかの実施形態では、第2の追加の配列は、安定化またはアラインメント配列を含む。
【0260】
スペーサー配列の第1および第2の部分は、スペーサー配列を形成する。スペーサー配列の少なくとも第1の部分は、相補的オリゴマーの結合を担う。スペーサー配列は、その3’端を含む標的ポリヌクレオチドが捕捉オリゴマーにアニールされるときに伸長のためのテンプレートとして機能するように構成され、そのような伸長は相補的オリゴマーの置換をもたらし、それによって捕捉配列を二次捕捉試薬にアクセス可能にする。スペーサー配列は、標的ハイブリダイズ配列、捕捉配列、およびそれらの相補体とは異なる、すなわち、これらのいずれにも実質的にハイブリダイズすべきではない。スペーサー配列またはその第1もしくは第2の部分はまた、第2の追加の配列に関して上述した任意の要素を含み得る。
【0261】
存在する場合、第3の追加の配列は、例えば、後続の反応もしくはステップにおいてプライマー、もしくはプローブ、アンカーオリゴなどとして使用され得る標的結合部位配列として、または例えば、試料もしくは分子の供給源を識別し、プール化を伴うアプローチ、例えば、高度に並列な配列決定を促進するための、バーコードもしくは他のタグとしての任意の配列もしくは機能である、アダプターまたはタグを含み得る。そのような標的配列は、クランプ安定化配列、アライメント配列、切断部位、または酵素結合部位配列と共に第3の追加の配列の一部であり得る。いくつかの実施形態では、第3の追加の配列は、安定化またはアライメントクランプ配列を含む。
【0262】
存在する場合、可逆的伸長ブロッカーを使用して、第1の期間中に捕捉オリゴマーに沿った相補鎖の伸長を制限することができ、例えば、捕捉オリゴマーが増幅オリゴマーとして機能している場合、標的ポリヌクレオチドに対する標的ハイブリダイズ配列の結合の特異性を維持することができる。例示的な可逆的伸長ブロッカーには、IsoGおよびIsoC、ならびに本明細書の他の箇所に記載されている非天然ヌクレオチドの対の他のメンバーが含まれ、これらは相補的ヌクレオチド(例えば、IsoGに対するIsoC、逆もまた同様である)を添加することによってブロック解除することができる。可逆的伸長ブロッカーが使用される場合、可逆的伸長ブロッカーとは異なる要素が捕捉配列の相補体の内部伸長ブロッカー5’として使用されるべきである。
【0263】
存在する場合、第4の追加の配列は、例えば、プライマー、プローブ、アンカーオリゴなどの結合部位配列として、または例えば、試料もしくは分子の供給源を識別し、プール化を伴うアプローチ、例えば、高度に並列な配列決定を促進するための、バーコードもしくは他のタグとして機能する、アダプターまたはタグを含み得る。そのような配列は、安定化配列、アライメント配列、切断部位、または酵素結合部位と共に第4の追加の配列の一部であり得る。いくつかの実施形態では、第4の追加の配列は、安定化またはアライメント配列を含む。
【0264】
記載された追加の配列(または追加の配列に沿った伸長によって形成されたその相補体)のいずれかが下流プロセス(例えば、ライブラリ調製、クローン増幅、配列決定またはデータ分析のために有用なアダプターの付加)に有用なタグを含む前述の実施形態のいずれかでは、タグ付加を標的捕捉と組み合わせることにより、ワークフロー全体を合理化することができる。
【0265】
標的ハイブリダイズ配列は、所与の標的にハイブリダイズするのに十分な長さおよび相補性の任意の配列、例えば、上記の実施形態および以下のオリゴマー要素のセクションを含む、本明細書に記載の標的ハイブリダイズ配列の実施形態のいずれかであり得る。
【0266】
存在する場合、ブロッキング部分は、ポリメラーゼによる3’端の伸長を防止する任意の部分であり得る。例示的なブロッキング部分は、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。ブロッキング部分は、例えば、捕捉オリゴマーの濃度が高い場合および/または標的ハイブリダイズ配列が二量体化する可能性がある場合に、そうでなければ起こり得る捕捉オリゴマーの二量体の伸長および後続の捕捉を防止することができる。図6を参照されたい。
【0267】
相補的オリゴマーに目を向けると、スペーサー配列の第1の部分の相補体は、標的ポリヌクレオチドの伸長のためのテンプレートとして機能しなかった捕捉オリゴマーと相補的オリゴマーとの複合体を安定化するのに役立つ。必須ではないが、相補的オリゴマーは、スペーサー配列全体の相補体を含み得る。
【0268】
相補的オリゴマーが、第2の追加の配列を含む捕捉オリゴマーと共に使用される場合、捕捉オリゴマーへの結合を促進するために、相補的オリゴマーに第2の追加の配列の相補体を含めることが有用であり得る。
【0269】
存在する場合、リンカーについて上記で論じられた配列または非配列要素であり得るリンカーは、捕捉オリゴマー中の内部伸長ブロッカーのサイズおよび性質に応じて適切な間隔を提供して、スペーサーの第1の部分の相補体および捕捉配列の第2の部分の相補体の両方の捕捉オリゴマーの対応する部分への同時アニーリングを促進することができる。
【0270】
捕捉オリゴマーの第2の部分の相補体は、スペーサー配列の第1の部分の相補体(および該当する場合、捕捉オリゴマー中の配列を相補する相補的オリゴマーの他の部分)と一緒に捕捉オリゴマーにアニールするのに十分な長さおよび含有量を有するべきであるが、スペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体とは無関係にアニールするには不十分なはずである。換言すれば、スペーサー配列に沿った標的ポリヌクレオチドの伸長などによってスペーサー配列の少なくとも第1の部分の相補体が置換されると、捕捉配列の第2の部分の相補体は、オリゴマーの他の部分による追加のハイブリダイゼーションのエネルギー的寄与なしに捕捉配列の第2の部分に結合するのに十分な親和性を欠くので、解離するはずである。
【0271】
存在する場合、ブロッキング部分は、ポリメラーゼによる3’端の伸長を防止する任意の部分であり得る。例示的なブロッキング部分は、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。ブロッキング部分は、任意の配列(そこに結合すると、望ましくない副産物、プライマー二量体などを作成し得る)に沿った相補的オリゴマーの伸長を防止することができる。
【0272】
i.さらなる組合せ;キットおよび反応混合物
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のオリゴマーを含むさらなる組合せが提供される。追加のオリゴマーは、以下のいずれか、または以下の2つ以上の任意の組合せを含み得る:捕捉オリゴマーを標的の3’端を含む部位に結合させずに、標的分子(環状であり得る)を捕捉するのに使用するための相補的オリゴマー;例えば、捕捉オリゴマーに対して逆向きに標的ポリヌクレオチドに結合する増幅オリゴマー;例えば、標的を増幅するように構成された増幅オリゴマーの対;例えば、捕捉配列の相補体および結合パートナーまたは固体支持体を含む二次捕捉試薬;スプリントオリゴマー;ブロッカーオリゴマー;またはディスプレーサオリゴマー。そのような追加のオリゴマーは、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。組合せはまた、例えば、複数の標的ポリヌクレオチドのマルチプレックス捕捉を行うための1つまたは複数の追加の捕捉オリゴマーを含むことができ、これは1つまたは複数の追加の適切な相補的オリゴマー(および/または捕捉オリゴマーの2つ以上またはすべてに結合する相補的オリゴマーが供給されてもよい)を伴い得る。追加の捕捉オリゴマーは、適切な逆方向増幅オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー、ブロッカーオリゴマーなどの追加のオリゴマーを伴ってもよい。複数の捕捉オリゴマーが使用される場合、それらは、単一の二次捕捉試薬を使用できるように、同一または十分に類似した捕捉配列を有し得る。あるいは、それらは異なる捕捉配列を有していてもよく、例えば、1つの標的が高い存在量で存在する場合、伸長された捕捉オリゴマーとのその結果生じる複合体は、低い存在量の標的複合体を排除するための二次捕捉試薬を飽和させない。
【0273】
2.オリゴマー要素ならびに他の試薬および構成要素の詳細な説明
a.オリゴマー要素
i.捕捉配列
適切な相補体によって結合され得る任意の捕捉配列が使用され得る。いくつかの実施形態では、捕捉配列は、ポリAまたはポリT配列(例えば、少なくとも10、12、15、20、25、もしくは30個の連続するA残基、または少なくとも10、12、15、20、25、もしくは30個の連続するT残基)を含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、25個または30個の連続するA残基を含む。いくつかの実施形態では、ポリT配列は、25個または30個の連続するT残基を含む。T残基は、特に指示しない限り、ポリT配列として認定する目的でU残基を含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列は、標的ポリヌクレオチド中に存在しない任意の配列である。任意の配列は、所与のプロセスに対して所望の特性をもたらすように選定または設計することができ、例えば、所望の熱安定性、親和性および速度論的特性を得るように選定することができる。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドが遺伝子由来の配列であるかまたはそれを含む場合、捕捉配列は、遺伝子のゲノム中に存在しない任意の配列である。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドが生物由来の配列であるかまたはそれを含む場合、捕捉配列は、生物のゲノムに存在しない任意の配列である。いくつかの実施形態では、捕捉配列は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオチドからなる。
【0274】
ii.捕捉配列の相補体
適切なレベルの特異性および安定性で結合するために、捕捉配列に十分に相補的な任意の配列を、捕捉配列の相補体として使用することができる。いくつかの実施形態では、捕捉配列の相補体は、捕捉配列の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%に相補的な残基を含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列の相補体は、0.4~1M一価カチオン、0~10mM二価カチオン(例えば、マグネシウム)、10~100mM緩衝液(例えば、クエン酸塩、リン酸塩、トリス、ホウ酸塩)pH5~9および0~1mg/mL BSAなどのハイブリダイゼーション条件下で、40℃~75℃、例えば40℃~50℃、50℃~60℃、または60℃~75℃の範囲の融解温度を有する捕捉配列と複合体を形成するように構成される。
【0275】
iii.追加の配列
本明細書に記載されるように、捕捉オリゴマーは、例えば、捕捉オリゴマーおよび/または関連する伸長産物に追加の機能性をもたらす、1つまたは複数の追加の配列を含むことができる。
【0276】
捕捉オリゴマーは、安定化(例えば、クランプ)配列、例えば捕捉配列の5’および捕捉配列の相補体の3’を含むことができ、これは、自己ハイブリダイゼーションをよりエネルギー的に有利にするか、および/または捕捉オリゴマーおよび相補体の配列を捕捉オリゴマーに所望のようにアライメントさせるのを助けることができる。いくつかの実施形態では、クランプ配列は、Gおよび/またはC残基、例えば交互のGおよびC残基を含む。例示的なクランプ配列は、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、クランプ配列は、本明細書の他の箇所に記載されている、1つまたは複数の親和性増強修飾を含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、追加の配列はタグである。タグは、他の要素を空間的に分離するため、または別の特性を付与するために供給されてもよい。
【0278】
いくつかの実施形態では、追加の配列は、アダプター、例えば、プローブまたはプライマーに対する結合部位を提供する。例えば、追加の配列(または追加の配列に沿った伸長によって形成されたその相補体)は、ユニバーサルプライマーまたは配列決定プライマーの結合部位として機能し得る。したがって、追加の配列を含めることは、アダプター付加を標的捕捉と組み合わせることによってアダプター配列を付加する必要がある配列決定ライブラリ調製などのプロセスを合理化することができる。
【0279】
いくつかの実施形態では、追加の配列は、タグ配列、例えば、特定の供給源に由来するか、または特定の方法で処理された分子の識別を促進するバーコード配列を提供する。
【0280】
いくつかの実施形態では、追加の配列は、1つまたは複数の酵素認識部位、例えば制限部位を提供する。したがって、追加の配列は、切断および後続のライゲーションまたは分子クローニング手順を促進することができる。酵素認識部位の別の例は、部位特異的リコンビナーゼによって認識される部位である。
【0281】
いくつかの実施形態では、追加の配列は、混合ヌクレオチドセグメントなどのアライメント配列を含む。混合ヌクレオチドセグメントは、連続した一連の同じヌクレオチドではない。いくつかの実施形態では、アライメント配列または混合ヌクレオチドセグメントは、アライメント配列を含む捕捉オリゴマーに対して逆向きに結合する増幅オリゴマーを使用して形成された伸長産物がその3’端に混合ヌクレオチドセグメントの相補体を有するように、内部伸長ブロッカーのすぐ3’側にある。いくつかの実施形態では、アライメント配列または混合ヌクレオチドセグメントは、4、5、6、7、または8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、混合ヌクレオチドセグメント中の各ヌクレオチドは、その直接隣接するヌクレオチドのそれぞれとは異なる(例えば、異なる塩基対合特異性を有する)。アライメント配列または混合ヌクレオチドセグメントは、本明細書の他の箇所に記載されているように、環状化反応のための基質を調製するために有用であり得る。
【0282】
iv.リンカー
いくつかの実施形態では、リンカーは配列を含む。リンカー配列は任意であってもよく、または追加の配列に関して論じた特徴のいずれかを有してもよい。いくつかの実施形態では、リンカーは非配列要素を含む。例示的な非配列リンカーの要素には、3~20原子以上、つまり3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の原子)または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の繰り返し単位、例えば-CHCHO-単位の鎖長を有するアルキル、アルケニル、アミドおよびポリエチレングリコール基が含まれる。
【0283】
v.内部伸長ブロッカー
本明細書に記載の様々な捕捉オリゴマーは、内部伸長ブロッカーを含む。テンプレート中に存在する場合、ポリメラーゼがテンプレートに沿って伸長反応を継続するのを防止する任意の部分を、内部伸長ブロッカーとして使用することができる。ポリメラーゼに応じて、例示的な内部伸長ブロッカーは、脱塩基部位、化学修飾されたヌクレオチド、IsoGもしくはIsoC(有効なブロッカーであるためには、相補的な非天然ヌクレオチドは反応混合物中に存在してはならず、例えば、isoCがブロッカーである場合にはisoGは存在せず、逆もまた同様である)などの非天然ヌクレオチド、上記で論じられるような非配列リンカーの要素、またはそれらの組合せを含み得る。
【0284】
いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは脱塩基部位を含む。脱塩基部位は、核酸塩基が通常存在する位置から欠けている、核酸中の位置である。
【0285】
いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは化学修飾されたヌクレオチドを含む。アルキル化ヌクレオチド、およびヌクレオチドとある特定のDNA損傷剤、例えば化学療法薬との反応によって形成された修飾ヌクレオチドなど、DNAポリメラーゼによる伸長をブロックする様々な化学修飾されたヌクレオチドが公知である。内部伸長ブロッカーとして有用な他の修飾ヌクレオチドには、骨格修飾、糖修飾、塩基修飾およびそれらの組合せを有するものが含まれる。
【0286】
いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは、IsoG(6-アミノ-2-ケトプリン)またはIsoC(2-アミノ-4-ケトピリミジン)などの非天然ヌクレオチドを含む。IsoGおよびIsoCは、4つの天然DNAヌクレオチドのいずれともワトソン・クリック塩基対を形成しないが、互いに対合するヌクレオチドである。例えば、Hiraoら、Proc Jpn Acad Ser B Phys Biol Sci.2012;88(7):345~367を参照されたい。したがって、(i)テンプレートがIsoGを含み、(ii)IsoCヌクレオチドが利用可能でない場合、またはその逆の場合、ポリメラーゼはIsoGまたはIsoCの反対側を取り込むためのものを有さないので、伸長はブロックされる。
【0287】
いくつかの実施形態では、内部伸長ブロッカーは、非配列リンカーの要素、例えば3~20原子以上、つまり3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の原子)または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個の繰り返し単位、例えば-CHCHO-単位の鎖長を有するアルキル、アルケニル、アミドおよびポリエチレングリコール基を含む。
【0288】
vi.可逆的伸長ブロッカー
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは可逆的伸長ブロッカーを含む。可逆的伸長ブロッカーは、テンプレート中に存在する場合、ブロックが反転するまで、ポリメラーゼがテンプレートに沿って伸長反応を継続するのを防止する要素である。可逆的伸長ブロッカーの例には、IsoGおよびIsoCなどの、上記で論じられる非天然塩基対のメンバーが含まれる。例えば、上記のHiraoらを参照されたい。IsoGに基づくブロックは、伸長が継続できるようにIsoCヌクレオチド三リン酸を供給することによって反転させることができ、逆もまた同様である。可逆的伸長ブロッカーの使用の一般的な説明を図7Aに提供する。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは可逆的伸長ブロッカーを含む。そのような増幅オリゴマーは、伸長または増幅反応において別々に、または可逆的伸長ブロッカーを含まない捕捉オリゴマーと同時に、または可逆的伸長ブロッカーを含む捕捉オリゴマーと同時に使用することができる。両方が可逆的伸長ブロッカーを含む、増幅オリゴマーおよび捕捉オリゴマーを同じプロセスで使用される場合、それぞれの反転ステップは同時にまたは別々に行うことができる。
【0289】
vii.標的ハイブリダイズ配列
本開示による様々な捕捉オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列を含む。標的ハイブリダイズ配列は、例えば生物の核酸(DNAまたはRNAなど)中の天然に存在する配列にハイブリダイズし得るか、または結合部位またはアダプター配列(例えば、アダプター配列を含む増幅オリゴマーを使用して、またはライゲーションを使用してアンプリコンに付加される)にハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、約10~60塩基、約12~50ヌクレオチド、約12~40ヌクレオチド、約12~35ヌクレオチド、約12~30ヌクレオチド、約15~30ヌクレオチド、または約17~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。標的ハイブリダイズ配列として使用するための適切な配列を選択するための様々なアルゴリズムが、当業者に利用可能である。
【0290】
いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、標的の3’端を含む部位に結合するように構成される。そのような結合は、本明細書中の他の箇所でより詳細に論じられるように、本明細書に記載の様々なオリゴマーおよび組合せに対して、捕捉配列を二次捕捉試薬への結合に利用可能にする鎖置換をもたらす3’端の伸長のための基質を作り出す。
【0291】
いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、標的内の内部部位に結合するように構成される。そのような結合は、ディスプレーサまたは他の追加のオリゴマーと組み合わせて、またはより一般的には、標的の3’端を伸長させることを含まない本明細書の他の箇所に記載されている捕捉方法において使用することができる。
【0292】
viii.ブロッキング部分
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の捕捉オリゴマーまたは他のオリゴマーは、その3’端にブロッキング部分を含む。ブロッキング部分は、テンプレートに沿った部分であるオリゴマーの伸長を防止する。例示的なブロッキング部分には、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオール(例えば、3’-ヘキサンジオール残基)、およびコルジセピンが含まれる。ブロッキング部分のさらなる例には、3’-デオキシヌクレオチド(例えば、2’,3’-ジデオキシヌクレオチド);3’-リン酸化ヌクレオチド;フルオロフォア、クエンチャー、または伸長を妨げる他の標識;逆位ヌクレオチド(例えば、場合により露出した5’-OHまたはリン酸を用いて、3’から3’へのホスホジエステルを介して先行するヌクレオチドに連結される);または伸長を防止するようにオリゴヌクレオチドに連結されたタンパク質もしくはペプチドが含まれる。その3’端にブロッキング部分を有する例示的な捕捉オリゴマーの使用を図5に概略的に示す。そのような捕捉オリゴマーは、例えば、適切な逆方向増幅オリゴマー(標的に取り込まれる追加の配列も提供し得る)と組み合わせて、一本鎖標的を単離するのに有用であり得る。その3’端にブロッキング部分を有する捕捉オリゴマーはまた、二量体化捕捉オリゴマーの伸長および後続の捕捉を防止する利点を提供することができる。例示的な説明については図6を参照されたい。
【0293】
ix.親和性増強修飾
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の捕捉オリゴマーまたは他のオリゴマーは、例えば標的ポリヌクレオチドまたは二次捕捉試薬などの別の分子への結合を担う配列の一部分に、1つまたは複数の親和性増強修飾を含む。親和性増強修飾は、同じ標的に結合する配列を含む競合オリゴマー、例えば増幅反応により取り込まれていないプライマーが存在する場合でも、オリゴマーがその標的と効果的に競合することを確実にするために有用である。競合オリゴマーは、捕捉オリゴマーおよび/または標的に対して過剰に存在してもよく、これは、標的に対する相対的に高い親和性のために効果的に競合することが、捕捉オリゴマーのいくらかがその標的に結合するかに対して、優位になるのではなく、有意な効果を有することを意味する。
【0294】
例示的な親和性増強修飾には、シトシンの5-メチル化;2-アミノプリンの使用;2’-フルオロ修飾;2’-メトキシ修飾;C-5-プロピン;および拘束エチル(cEt)置換が含まれる。ハイブリダイゼーション複合体の安定性に影響を及ぼし得るオリゴマーの実施形態には、PNAオリゴマー、LNA(ある特定の立体配座でヌクレオチドを安定化し、エントロピーがハイブリダイゼーションの自由エネルギーを損なう程度を減少させるロックド核酸)、またはZNA(Zip Nucleic Acids)、荷電連結を含むオリゴマー(例えば、ホスホロチオアート)もしくは中性基(例えば、メチルホスホナート)を含む、ハイブリダイゼーション複合体の全体的な電荷、電荷密度、もしくは立体的会合に影響を及ぼすオリゴマーが含まれる。
【0295】
b.二次捕捉試薬
いくつかの実施形態では、二次捕捉試薬は、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと組み合わせて存在するか、または本明細書に記載の捕捉オリゴマーと共に使用される。二次捕捉試薬は、捕捉オリゴマー中の捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体、例えばビーズ(磁気ビーズなど)、ウェル、平面、充填カラム、繊維、樹脂またはゲルを含み得、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし得るか、および/または標的ポリヌクレオチド配列のコピーを含むように伸長を受けていてもよい、二次捕捉試薬と捕捉オリゴマーとを含む複合体の単離を促進する。
【0296】
本明細書中、例えば、定義のセクションに記載の任意の結合パートナーを含む、任意の適切な結合パートナーを使用することができる。いくつかの実施形態では、結合パートナーはビオチンである。
【0297】
c.ブロッカーオリゴマー
いくつかの実施形態では、ブロッカーオリゴマーは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと組み合わせて存在するか、または本明細書に記載の捕捉オリゴマーと共に使用される。ブロッカーオリゴマーは、一般に、追加の配列の相補体またはその少なくとも一部分を含み、追加の配列の相補体とのハイブリダイゼーションに対して競合すること(すなわち、捕捉オリゴマー中の追加の配列がその相補体にハイブリダイズするのをブロックすること、または少なくともそのようにする能力を低下させること)によって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列(または捕捉オリゴマーによる捕捉のためのアンプリコンを調製するために使用される増幅オリゴマー)のその標的への特異的ハイブリダイゼーションを促進するために使用することができる。増幅反応におけるブロッカーオリゴマーの使用に関する一般原理の説明については、図9を参照されたい。ブロッカーオリゴマーは、例えばブロッカーオリゴマーの伸長が望ましくない場合、その3’端にブロッキング部分を含めてもよい。ブロッカーオリゴマーを使用することは、実質的に標的ハイブリダイズ配列の相補体を含む標的のみが、追加の配列の相補体の存在にかかわらず、捕捉オリゴマーまたは増幅オリゴマーへのハイブリダイゼーションのための良好な基質であるという点で、増幅反応中にミスプライミングし、さらなる増幅を受ける産物の程度を減少させることができる。
【0298】
d.スプリントオリゴマー
いくつかの実施形態では、スプリントオリゴマーは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと組み合わせて存在するか、または本明細書に記載の捕捉オリゴマーと共に使用される。スプリントオリゴマーを使用して、伸長産物のライゲーションを促進し、それを環状化することができる。図12を参照されたい。スプリントオリゴマーは、捕捉オリゴマー中に存在しない配列の相補体;捕捉オリゴマー中に存在する第2の追加の配列;および捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体を含み得る。場合により、スプリントオリゴマーは、捕捉オリゴマー中に存在する第4の追加の配列をさらに含み得る。
【0299】
スプリントオリゴマーは、3’から5’方向に、任意の第4の追加の配列、捕捉配列の相補体、および第2の追加の配列を含む捕捉オリゴマーに沿って3’端から伸長された標的ポリヌクレオチドにアニールするように構成され、その後に内部伸長ブロッカーが続く。したがって、第2の追加の配列の相補体は、標的ポリヌクレオチドの3’端にある。
【0300】
捕捉オリゴマー中に存在しない配列のスプリントオリゴマーの相補体は、標的ポリヌクレオチドの5’端(すなわち、捕捉オリゴマーによって結合された部位の遠位)の配列に相補的であり、これは増幅中に付加されるアダプター配列であり得るか、または標的ポリヌクレオチドを増幅するために使用される増幅オリゴマーの一部または全部に対応し得る。
【0301】
第2の追加の配列は、標的ポリヌクレオチドの3’端に位置するその相補体にアニールするように構成される。捕捉配列の相補体、および存在する場合、第4の追加の配列はまた、標的ポリヌクレオチドの3’端付近の対応する配列にアニールする。標的ポリヌクレオチドは、スプリントオリゴマーにアニールされると、ライゲーションによる環状化のための基質となる。本明細書に従う例示的なスプリントオリゴヌクレオチドおよび環状化のためのその使用の説明については、図12を参照されたい。標的分子の環状化は、例えばローリングサークル増幅手順で使用するための標的の調製に有用であり得る。
【0302】
e.ディスプレーサオリゴマー
いくつかの実施形態では、ディスプレーサオリゴマー(例えば、ディスプレーサプライマー)は、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと組み合わせて存在するか、または本明細書に記載の捕捉オリゴマーと共に使用される。ディスプレーサオリゴマーを使用して、伸長された捕捉オリゴマーを標的ポリヌクレオチドのテンプレート鎖から置換することができる。例えば、図8Aおよび図8Bを参照されたい。いくつかの実施形態では、ディスプレーサオリゴマーは、ディスプレーサオリゴマーの伸長による置換を促進するように、ディスプレーサオリゴマーの結合部位に対して配置された標的内の内部部位(例えば、標的ポリヌクレオチド、アンプリコン、または以前の伸長もしくは増幅ステップ中に取り込まれた追加の配列内の部位)に結合する標的ハイブリダイズ配列を有する捕捉オリゴマーと組み合わせて供給される。
【0303】
いくつかの実施形態では、ディスプレーサオリゴマー(例えば、ディスプレーサプライマー)および捕捉オリゴマーを含む組合せは、伸長された捕捉オリゴマーに結合するように構成された(したがって、捕捉およびディスプレーサオリゴマーに対して逆向きの結合配向を有する)増幅オリゴマー(例えば、プライマー)をさらに含む。増幅オリゴマーの伸長は、捕捉オリゴマーおよび/または組合せの構成に応じて、相補的オリゴマーまたは捕捉配列の置換をもたらし得、したがって、伸長された捕捉オリゴマーの捕捉配列を二次捕捉試薬と相互作用するために利用可能にし得る。他の箇所に記載されているように、増幅オリゴマーを使用して、元の捕捉オリゴマー配列に対して遠位の伸長された捕捉オリゴマーの端に追加の配列(例えば、アダプター配列などのタグ)を取り込むこともできる(例えば、増幅オリゴマーの追加の配列に対する相補体が、伸長および置換された捕捉オリゴマーのさらなる伸長を介して作り出される、図8Aを参照)。したがって、簡単かつ迅速に行うことができる単一ステップワンポット法では、両端に追加の配列ならびにアクセス可能な捕捉配列を含む産物を作製することができる。
【0304】
f.増幅オリゴマー
いくつかの実施形態では、増幅オリゴマー(例えば、プライマー)は、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと組み合わせて存在するか、または本明細書に記載の捕捉オリゴマーと共に使用される。例えば、増幅オリゴマーは、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列とは反対の配向でアニールするように構成され得る。例については、図4Aを参照されたい。増幅オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列、および場合により標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’を含み得る。追加の配列は、増幅オリゴマーの追加の配列をテンプレートとして使用して、伸長された捕捉オリゴマーを含む鎖のさらなる伸長時に取り込まれ、1つまたは複数のアダプター配列を含み得る1つまたは複数のタグを提供し得る。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、可逆的内部伸長ブロッカー、例えば、標的ハイブリダイズ配列と標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’との間など、THS以外の1つまたは複数の要素の3’を含む。増幅オリゴマーを含む組合せは、例えば本明細書の他の箇所に記載されているように、ディスプレーサオリゴマー、スプリントオリゴマーなどの1つまたは複数のさらなるオリゴマーをさらに含み得る。
【0305】
g.キット
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーまたはその組合せ、例えば本明細書に記載の捕捉オリゴマーまたは組合せのいずれかを含み、捕捉オリゴマーもしくはその組合せと共に使用するための試薬、緩衝液、もしくは他の物質、および/または捕捉オリゴマーもしくはその組合せを使用するための説明書などの1つまたは複数の追加の要素をさらに含むキットが提供される。例示的な試薬には、dNTP、DNAポリメラーゼ、ナトリウム塩、マグネシウム塩、およびビーズが含まれ、例えば、捕捉配列の相補体、または二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体と共に存在する第1の結合パートナーに結合する第2の結合パートナーを含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは、10~1013分子/反応、10~1012分子/反応、または1010~1012分子/反応の範囲の量でキット中に存在する。
【0307】
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーの相補体を含む二次捕捉試薬は、10~1014分子/反応、または10~10分子/反応、または10~1013分子/反応、または10~10分子/反応、または10~1013分子/反応、または10~10分子/反応の範囲でキット中に存在する。
【0308】
いくつかの実施形態では、キットは、液体、凍結、または凍結乾燥状態にある捕捉オリゴマーを含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、キットはそれぞれ、本明細書に記載の捕捉オリゴマーおよび1つまたは複数の追加のオリゴマー(例えば、相補的オリゴマー、二次捕捉試薬、または増幅、スプリント、ブロッカー、第2もしくはディスプレーサオリゴマー)を含む少なくとも第1および第2の容器を含む。あるいは、オリゴマーのそのような組合せを、単一の容器で供給することができる。
【0310】
いくつかの実施形態では、キットは、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)を含む固体支持体/ビーズを含む。
【0311】
h.組成物
本明細書に記載の捕捉オリゴマーまたは組合せを含む組成物も提供される。本明細書に記載のオリゴマーまたは組合せのいずれも、組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥物または溶液の形態である。
【0312】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の捕捉オリゴマーまたは組合せなど、捕捉オリゴマーまたはその組合せを含む反応混合物が提供される。反応混合物は、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドおよび/または1つまたは複数の試薬(例えば、キットまたは方法に関連して本明細書で論じられる任意の試薬)をさらに含み得る。
【0313】
反応混合物は、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチド(例えば、方法に関連して本明細書で論じられる任意の標的)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的生物のDNAまたはRNA(例えば、ゲノムDNAまたはmRNA)に由来する配列、および追加の配列を含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、標的ポリヌクレオチドの追加の配列にアニールするように構成される。追加の配列は、伸長、ライゲーション、または増幅反応などの前の反応で付加されていてもよい。例えば、追加の配列は、標的生物のDNAおよびRNAに存在しない配列であり得る。そのような追加の配列は、追加の配列を含むプライマーを使用した以前の伸長反応において付加されていてもよい。このアプローチは、同じ追加の配列が結合している異なる標的を用いた捕捉オリゴマー設計のマルチプレックス捕捉または再利用を促進する。いくつかの実施形態では、組成物は、(i)追加の配列および(ii)標的生物のDNAまたはRNAとは異なる配列を含む複数の標的ポリヌクレオチドを含み、方法は、複数の標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む。
【0314】
3.ポリヌクレオチドを捕捉する方法の詳細な説明
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法が提供され、方法は:
標的ポリヌクレオチドを、捕捉配列および捕捉配列の相補体を含む本明細書に記載の捕捉オリゴマーと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること
を含む。方法はさらに、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされている、捕捉配列の相補体の相補体を形成すること;捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む。接触および伸長ステップを示す例示的なスキームを図4A図4Bに示す。図4Aでは、捕捉オリゴマーのTHSは、標的の3’端で配列に結合する。図4Bでは、捕捉オリゴマーのTHSは、標的の3’端で、例えば、以前の反応で付加され得る追加の配列に結合する。
【0315】
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法も本明細書で提供され、方法は:
組成物を、捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む本明細書に記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチドの3’端を含む部位で追加の配列にアニールする、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’端を伸長させ、それによって相補的オリゴマーが、捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるのに十分な程度まで置換されるように、捕捉オリゴマーにアニールされているスペーサー配列の相補体を形成すること;
捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む。組合せの相補的オリゴマーは、捕捉オリゴマーの捕捉配列を二次捕捉試薬と接触させる前の任意の時点で、例えば捕捉オリゴマーと共に、または捕捉オリゴマーに沿った標的の伸長後に組成物に供給されてもよい。本明細書に従う例示的な方法の説明のために、図10および図13を参照されたい。
【0316】
標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法も本明細書で提供され、方法は:
標的ポリヌクレオチドを、本明細書に記載の捕捉オリゴマーまたは組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列の第3または第4の追加の配列5’および捕捉配列の相補体の3’またはスペーサー配列の第2の部分を含む、接触させること;
標的ポリヌクレオチドを、第3または第4の追加の配列の少なくとも一部分の相補体の第2の標的ハイブリダイズ配列5’を含む第2のオリゴマーと接触させることであって、捕捉オリゴマーおよび第2のオリゴマーが標的ポリヌクレオチドと三本鎖接合を形成する、接触させること;
鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて第2のオリゴマーの3’端を伸長させ、それによって捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされている、捕捉配列の相補体の相補体またはスペーサー配列の相補体を形成すること;
捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む。この方法のいくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは環状である。本明細書に従う例示的な方法の説明のために、図11A図11Bを参照されたい。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは環状でない。例えば、標的ポリヌクレオチドは、捕捉オリゴマーおよび第2のオリゴマーの結合部位を近接させる転座接合部(例えば、BCR-ABL、または任意の他の転座)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のオリゴマーは、捕捉オリゴマーよりも高い濃度で反応混合物に供給される。いくつかの実施形態では、第2のオリゴマーは、捕捉オリゴマーよりも低い濃度で反応混合物に供給される。
【0317】
以下のさらなる実施形態は、前述の方法のいずれかに適用する。いくつかの実施形態では、二次捕捉試薬は結合パートナー(例えば、ビオチン)を含み、単離することは、複合体を、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナー(例えば、ストレプトアビジン)を含む固体支持体(例えば、ビーズ)と接触させることを含む。捕捉オリゴマーは、二次捕捉試薬に対して過剰に供給されてもよい。
【0318】
捕捉オリゴマー、ならびに適用可能な場合、相補的および/または第2のオリゴマーの例示的な濃度および量の範囲は、捕捉オリゴマーについて10~1013分子/反応、10~1012分子/反応、または1010~1012分子/反応;相補的オリゴについて約1.5×10~1014分子/反応または約1.5×10~1013分子/反応;および第2のオリゴマーについて10~1014分子/反応または10~1013分子/反応を含む。二次捕捉試薬の例示的な範囲は上記に提供されている。
【0319】
方法は、任意の供給源から標的ポリヌクレオチドを捕捉するために有用である。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドの供給源は、臨床検体、病原体、または環境試料である。いくつかの実施形態では、臨床試料は、敗血症を有するかまたは敗血症を有する疑いがある対象からの試料(例えば、血液、血清、または血漿試料)であり、いくつかの実施形態では、臨床試料は、がんを有するかまたは有する疑いがある患者からの試料である。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは伸長または増幅産物である。
【0320】
いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、配列決定ライブラリのメンバーである。
【0321】
いくつかの実施形態では、伸長産物(伸長された捕捉オリゴマー)は、標的ポリヌクレオチドに沿って捕捉オリゴマーを伸長することによって形成され、捕捉オリゴマーは、第3または第4の追加の配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、伸長産物を、伸長不可能な第3または第4の追加の配列を含むブロッカーオリゴマーと接触させることをさらに含み、場合により、ブロッカーオリゴマーは、捕捉オリゴマーの第3または第4の追加の配列よりも高い親和性で第3または第4の追加の配列の相補体に結合するか、または捕捉オリゴマーの第3または第4の追加の配列と第3または第4の追加の配列の相補体との複合体よりも高い融解温度を有する、第3または第4の追加の配列の相補体との複合体を形成するように構成される。このアプローチは、非特異的伸長を低減または回避するために有用であり、例えば、捕捉オリゴマーによるミスプライミング事象の産物は、第3または第4の追加の配列の、ブロッカーオリゴマーの非存在下で起こるであろう逆方向伸長産物へのハイブリダイゼーションによって追加の増幅ラウンドを生じさせ得る。
【0322】
いくつかの実施形態では、方法は:
標的ポリヌクレオチドを増幅オリゴマーと接触させること
をさらに含み、増幅オリゴマーが、(i)捕捉オリゴマーに対して逆向きに標的ポリヌクレオチドに結合する逆方向標的ハイブリダイズ配列、および(ii)第2の標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する追加の配列を含む。方法は、増幅オリゴマーを標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させて逆方向伸長産物を形成することをさらに含み、捕捉オリゴマーの一部分は逆方向伸長産物にアニールする。そのような実施形態は、捕捉オリゴマーに結合した端または捕捉オリゴマーを組み込む端から遠位の標的の端に追加の配列(例えば、アダプターなどのタグ)を取り込むために有用である。他の箇所で論じられるように、捕捉オリゴマーに沿った伸長(例えば、伸長された捕捉オリゴマー)は、捕捉配列の相補体を捕捉配列から置換することができる。増幅オリゴマーを使用して、そのような伸長をプライミングすることもできる。
【0323】
例えば、捕捉オリゴマーが、その3’端にブロッキング部分を含む、いくつかの実施形態では、方法は、例えば図5に示されるように、伸長産物が捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の実質的に一本鎖5’であり、捕捉オリゴマーの捕捉要素が逆方向伸長産物の伸長によって置換されている捕捉オリゴマーにアニールした逆方向伸長産物(例えば、上記のように作成されるか、または必ずしも追加の配列を含まない増幅オリゴマーを使用する)を含む複合体を単離することをさらに含む。分子の少なくとも半分が別の鎖にハイブリダイズされていない場合、伸長産物は実質的に一本鎖と考えられる。したがって、例えば、自己ハイブリダイズした核酸の短いストレッチは、分子またはその一部分が実質的に一本鎖であることを妨げない。
【0324】
逆方向伸長産物が作成されるいくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは伸長可能であり、方法は、逆方向伸長産物に沿って捕捉オリゴマーを伸長させ、それによって増幅オリゴマーの相補体を含む第2の伸長産物を形成することをさらに含む。第2の伸長産物は、捕捉オリゴマー中に存在する任意の追加の配列および逆方向増幅オリゴマー中に存在する任意の追加の配列の相補体を含むであろう。このようにして、一方または両方の端(例えば、両端)の近くまたは一方または両方の端に追加の配列(例えば、1つまたは複数のアダプターなどのタグ)を含む産物を生成することができる。
【0325】
いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列および追加の配列を含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、標的ポリヌクレオチドの追加の配列にアニールするように構成される。追加の配列は、伸長、ライゲーション、または増幅反応などの前の反応で付加されていてもよい。例えば、追加の配列は、標的生物のDNAおよびRNAに存在しない配列であり得る。そのような追加の配列は、追加の配列を含むプライマーを使用した以前の伸長反応において付加されていてもよい。このアプローチは、同じ追加の配列が結合している異なる標的を用いた捕捉オリゴマー設計のマルチプレックス捕捉または再利用を促進する。いくつかの実施形態では、組成物は、(i)追加の配列および(ii)標的生物のDNAまたはRNAとは異なる配列を含む複数の標的ポリヌクレオチドを含み、方法は、複数の標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する可逆的伸長ブロッカーを含み、方法は:可逆的伸長ブロッカーをブロック解除する前に標的ポリヌクレオチドをコピーまたは増幅すること;可逆的伸長ブロッカーをブロック解除すること;および標的ポリヌクレオチドのさらなる1回または複数回のコピーまたは増幅することを含む。いくつかの実施形態では、可逆的伸長ブロッカーをブロック解除した後、標的ポリヌクレオチドを捕捉する前に、増幅/伸長の単一サイクルのみが行われる。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは可逆的伸長ブロッカーを含み、上記と同様に機能する。いくつかの実施形態では、両方とも可逆的伸長ブロッカーを有する増幅オリゴマーおよび捕捉オリゴマーを同じプロセスで一緒に使用する。そのような場合、増幅捕捉オリゴマーの可逆的伸長ブロッカーは、同時または別個のステップで反転させることができる。いくつかの実施形態では、可逆的伸長ブロッカーは非天然ヌクレオチド対のメンバー(例えば、IsoCまたはIsoG)であり、可逆的伸長ブロッカーをブロック解除することは、非天然ヌクレオチド対の相補的メンバーを供給することを含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、方法は、標的ポリヌクレオチドの伸長産物を環状化することを含む。例えば、捕捉オリゴマーが、伸長ブロッカーとスペーサー配列の第1の部分または捕捉配列の相補体(例えば、内部伸長ブロッカーのすぐ3’)との間に混合ヌクレオチドセグメントを含む場合。方法は、標的ポリヌクレオチドの3’端を捕捉オリゴマーに沿って内部伸長ブロッカーまで伸長させ、それによってその3’端に混合ヌクレオチドセグメントの相補体を含む伸長産物を形成することを含む。方法は、伸長産物を、5’から3’方向に:伸長産物の5’端セグメントの相補体;混合ヌクレオチドセグメント;捕捉配列の相補体;および、場合により捕捉配列のすぐ5’の伸長産物中のセグメントに相補的なセグメントを含むスプリントオリゴヌクレオチドと接触させることをさらに含む。方法は、伸長産物の5’端を伸長産物の3’端にライゲートすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、伸長産物の5’末端セグメントは、標的ポリヌクレオチドを生成するために使用される増幅オリゴマーの配列の少なくとも一部、例えば増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の少なくとも一部、または(適用可能な場合)増幅オリゴマーの追加の配列の少なくとも一部を含み、ここで、追加の配列は増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の5’である。本明細書に従う例示的な方法の説明については、図12を参照されたい。
【0328】
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかは、標的ポリヌクレオチドの一方または両端に追加の配列を付加することを含む。例えば、そのような方法は、標的ポリヌクレオチドを、本明細書に記載の捕捉オリゴマーと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’端の上流の部位でアニールする、接触させること;
捕捉オリゴマーの3’端を標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させ、それによって第1の伸長鎖を形成すること;
標的ポリヌクレオチドを、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の下流の標的ポリヌクレオチドにアニールするディスプレーサ標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサオリゴマーと接触させること;
ディスプレーサオリゴマーを標的ポリヌクレオチドに沿って伸長させ、それによって第1の伸長鎖を置換すること
を含み得、
場合により、捕捉オリゴマーおよびディスプレーサは、同時にまたは逐次的に(例えば、ディスプレーサオリゴマーの伸長による置換の前に、捕捉オリゴマーの伸長を開始するように)組成物に添加される。捕捉オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する追加の配列(例えば、第3または第4の追加の配列)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーのTHSは、その相補体に対する結合について、ディスプレーサオリゴマーTHSがその相補体に対して行うよりも高いTmまたはより高い親和性を有するか、または捕捉オリゴマーはディスプレーサオリゴマーよりも高い濃度で供給される。これにより、ディスプレーサオリゴマーの伸長前の捕捉オリゴマーによる結合、および捕捉オリゴマーの伸長(または少なくとも伸長の開始)を促進することができる。捕捉オリゴマーのTmおよび/または親和性がより高い場合、これは、最初に、ディスプレーサオリゴマーの結合および伸長に比べて、捕捉オリゴマーの結合および伸長を優先的に可能にするより高い温度で、次いでディスプレーサオリゴマーの結合および伸長を可能にするより低い温度で反応混合物をインキュベートすることによってさらに促進することができる。
【0329】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、標的ポリヌクレオチドの第1の伸長鎖を、第1の伸長鎖に結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含む逆方向増幅オリゴマーと接触させること、および逆方向増幅オリゴマーを伸長させ、それによって第2の伸長鎖を形成することをさらに含む。逆方向増幅オリゴマーは、その標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’を含み得る。
【0330】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、第1の伸長鎖を、第1の伸長鎖の3’端に結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含む逆方向増幅オリゴマーと接触させること、および逆方向増幅オリゴマーを伸長させ、それによって第2の伸長鎖を形成することをさらに含む。逆方向増幅オリゴマーは、その標的ハイブリダイズ配列の追加の配列5’を含み得、その場合、第1の伸長鎖は、追加の配列をテンプレートとして使用してさらに伸長され、追加の配列の相補体を作り出す。図8Aを参照されたい。
【0331】
いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列と、標的生物のDNAおよびRNAに存在しない追加の配列とを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、標的ポリヌクレオチドの前駆体の追加の配列にアニールするように構成される。ディスプレーサオリゴマーはまた、標的ポリヌクレオチドの前駆体の追加の配列にアニールするように構成され、追加の配列中のディスプレーサオリゴマーの結合部位は、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の結合部位の下流にある(例えば、図8Bを参照)。
【0332】
いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドの第1の鎖は、標的生物のDNAまたはRNA由来の配列の近位および捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の遠位に位置する第2のアダプター配列を含み、
方法は、標的ポリヌクレオチドの第1の鎖を、第2のアダプター配列に結合するように構成された逆方向標的ハイブリダイズ配列を含む逆方向増幅オリゴマーと接触させ、逆方向増幅オリゴマーを伸長させ、それによって標的ポリヌクレオチドの第2の鎖を形成することをさらに含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかは、捕捉された標的ポリヌクレオチドのクローン増幅を行うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、クローン増幅された標的ポリヌクレオチドを配列決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかは、捕捉された標的ポリヌクレオチドの配列決定を行うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、配列決定はサンガー配列決定または次世代配列決定であり、場合により次世代配列決定は、合成による配列決定、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定または一分子配列決定を含む。次世代配列決定には、サンガー配列決定と比較してかなり並列な様式で、リードを生成する任意の形態の配列決定が含まれる。
【0334】
4.限定された捕捉および他の用途のための捕捉オリゴマーおよび組合せ
a.自己相補的配列を含む捕捉オリゴマー
いくつかの実施形態では、第1の自己相補的配列、標的ハイブリダイズ配列、および第2の自己相補的配列を含む捕捉オリゴマーが提供され、
第1および第2の自己相補的配列は、標的ハイブリダイズ配列が一本鎖である場合には互いにアニールするように構成され、標的ハイブリダイズ配列がその標的にアニールされる場合には互いにアニールしないように構成される。そのような捕捉オリゴマーは、第1または第2の自己相補的配列の相補体および結合パートナーを含む二次捕捉試薬と組み合わせてもよい。捕捉オリゴマーは、組合せ中に二次捕捉試薬よりも多い量で存在してもよい。そのようなオリゴマーおよび組合せは、一定量(例えば、限定された量または所定量以下の量)の標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉するために有用である。
【0335】
いくつかの実施形態では、そのような捕捉オリゴマーは、以下の式を有する:
5’-SC1-THS2-THS1-L-THS2’-SC2-3’。
いくつかの実施形態では、そのような捕捉オリゴマーは、以下の式を有する:
5’-SC2-THS2’-L-THS1-THS2-SC1-3’。
上記の式の各々では、SC1は、第1の自己相補的配列であり;THS2およびTHS1は、それぞれ、標的ハイブリダイズ配列の第2および第1の部分であり;Lは、場合により存在するリンカーであり;THS2’は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の場合により存在する相補体であり;SC2は第2の自己相補的配列である。
【0336】
第1および第2の自己相補的配列のいずれかは捕捉配列として機能し得る。第1の自己相補的配列が捕捉配列である場合、第2の自己相補的配列は捕捉配列の相補体である。第2の自己相補的配列が捕捉配列である場合、第1の自己相補的配列は捕捉配列の相補体である。捕捉配列および捕捉配列の相補体は、本明細書の他の箇所で詳細に論じられている。任意の適切な捕捉配列およびその相補体を使用することができる。
【0337】
存在する場合、リンカーは、任意の適切なリンカー、例えば、配列および非配列リンカーを含む本明細書の他の箇所に記載されている任意のリンカーであり得る。リンカーは、第1および第2の自己相補的配列の分子内ハイブリダイゼーションを促進する柔軟な要素として機能することができる。リンカーが配列を含む場合、いくつかの実施形態における配列は、標的ハイブリダイズ配列が由来するかまたは標的ハイブリダイズ配列が相補的である、供給源(例えば、生物、ゲノム、遺伝子、もしくは他の核酸またはそれらの組合せ)に存在しない配列である。リンカーは、一般に、たとえ標的ハイブリダイズ配列がその標的にアニールされた場合であっても、第1および第2の自己相補的配列の分子内ハイブリダイゼーションを可能にするほど長くすべきではない。(下記の議論を参照)。
【0338】
標的ハイブリダイズ配列は、本明細書の他の箇所で詳細に論じられている。任意の適切な標的ハイブリダイズ配列(および、存在する場合、その一部分の相補体)を使用することができる。
【0339】
二次捕捉試薬は、本明細書の他の箇所で詳細に論じられ、捕捉配列の相補体を含む。任意の適切な二次捕捉試薬を使用することができる。
【0340】
捕捉オリゴマーが組合せ中に二次捕捉試薬よりも多い量で存在する場合、比率は、約10,000対1、5000対1、2000対1、1000対1、500対1、200対1、100対1、50対1、20対1、10対1、5対1または2対1であり得る。
【0341】
そのような捕捉オリゴマーは、標的ポリヌクレオチドを捕捉するための方法において有用である。捕捉オリゴマーは、標的ポリヌクレオチドの非存在下で自己ハイブリダイズした立体配座をとることができる。自己ハイブリダイズした立体配座は、第1および第2の自己相補的配列を互いにアニーリングさせることを含み、したがって、捕捉オリゴマーを二次捕捉試薬の捕捉配列の相補体と実質的に相互作用できなくする。しかしながら、標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも部分的に一本鎖である。標的ポリヌクレオチドが存在する場合、標的ハイブリダイズ配列はそれにハイブリダイズすることができる。標的ハイブリダイズ配列がこのように実質的に二本鎖である場合、第1および第2の自己相補的配列の分子内ハイブリダイゼーションは、他の潜在的な因子もあるが、それらが遠すぎるために生じるはずはない。したがって、捕捉配列(すなわち、第1および第2の自己相補的配列の一方)は実質的に一本鎖であり、二次捕捉試薬にハイブリダイズすることができる。捕捉オリゴマーが利用可能な標的ポリヌクレオチドに優先的にハイブリダイズするように、標的ハイブリダイズ配列のハイブリダイゼーションが、第1および第2の自己相補的配列の分子内ハイブリダイゼーションよりもエネルギー的に有利であることが有益であり得る。過剰の捕捉オリゴマーを使用して、標的ポリヌクレオチドとの複合体の形成を駆動することもできる。
【0342】
次いで、例えば、二次捕捉試薬の結合パートナーまたは固体支持体に適した標準的な技法を使用して、二次捕捉試薬、捕捉オリゴマー、および標的の複合体を単離することができる。捕捉されるポリヌクレオチドの量は、二次捕捉試薬の量によって、または二次捕捉試薬の量と組み合わせた捕捉オリゴマーの量によって限定または決定することができる。
【0343】
b.捕捉オリゴマー、および捕捉配列の一部分の相補体を有する相補的オリゴマーを含む組合せ
いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを含む組合せが提供され、
(a)捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に:
第1および第2の部分を含む捕捉配列、ならびに
第2および第1の部分を含む標的ハイブリダイズ配列
を含み、
(b)相補的オリゴマーは、3’から5’方向に:
捕捉配列の第2の部分の相補体、および
標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体
を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体および標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体は、標的ハイブリダイズ配列の相補体の非存在下で、捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される。図10Bは、これらの実施形態に従う例示的なオリゴマーの説明を提供する。上に列挙されたさらなる実施形態で説明したように、および/または図10B(例えば、図10Bの任意の個々の要素またはそれらの任意の組合せ)に示されるように、任意の追加の要素が存在してもよい。
【0344】
組合せを使用することで、相補的オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドに結合した捕捉オリゴマーではなく、遊離捕捉オリゴマーに結合するように構成することができるという点で、限定された捕捉を行うことができる。例えば、標的ポリヌクレオチドへの捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の結合は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分への捕捉配列の第2の部分の相補体の結合よりもエネルギー的に有利であり得る。標的ポリヌクレオチドの非存在下では、相補的オリゴマーは捕捉オリゴマーに結合し、本明細書の他の箇所に記載されている二次捕捉試薬のいずれかであり得る、二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体による捕捉配列の結合をブロックするのに十分な程度まで、捕捉配列(図10BのC1+C2)へのアクセスをブロックする。
【0345】
したがって、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法も提供され、方法は:
組成物を、本明細書の上記またはその任意のさらなる実施形態に記載の組合せと接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールする、接触させること;
捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前または後に、捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることであって、相補的オリゴマーが遊離捕捉オリゴマーにアニールし、その捕捉配列を部分的に占有し、相補的オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドにアニールされた捕捉オリゴマーを含む複合体にアニールせず、捕捉オリゴマーと相補的オリゴマーとの接触が捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前に起こる場合、標的ポリヌクレオチドへの標的ハイブリダイズ配列のアニーリングは相補的オリゴマーの捕捉オリゴマーからの解離をもたらす、接触させること;
標的ポリヌクレオチドと複合体化した捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体および(i)結合パートナーまたは(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー、および二次捕捉試薬を含む複合体を形成させること;ならびに
複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉すること
を含む。上に列挙されたさらなる実施形態で説明したように、および/または図10B(例えば、図10Bの任意の個々の要素またはそれらの任意の組合せ)に示されるように、任意の追加の要素が存在してもよい。
【0346】
5.差次的捕捉方法およびオリゴマーの組合せ
標的ポリヌクレオチドと複合体を形成しているか否かに基づいて、捕捉オリゴマーを差次的に(例えば、異なる親和性を用いて)捕捉するための方法およびオリゴマーの組合せも本明細書で提供される。そのような方法は、標的ポリヌクレオチドと会合しない捕捉オリゴマーを実質的に溶出することなく、標的ポリヌクレオチドの溶出を可能にする。そのような組合せおよび方法における捕捉配列、標的ハイブリダイズ配列、およびオリゴマーの他の要素は、例えば、以下に記載されるオリゴマー、組合せ、および方法の特徴と一致する本明細書に記載の捕捉配列、標的ハイブリダイズ配列などのいずれかであり得る。
【0347】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、標的ポリヌクレオチドを、5’から3’方向に:捕捉配列;任意の内部伸長ブロッカー;任意のスペーサー配列;および標的ポリヌクレオチドにアニールするように構成された標的ハイブリダイズ配列を含む捕捉オリゴマーと接触させることを含む。それにより、そのような接触は、捕捉オリゴマーの少なくともいくつか(すなわち、捕捉オリゴマーの集団のある画分)を標的ポリヌクレオチドにアニールさせることができる。方法は、捕捉オリゴマーを、(標的ポリヌクレオチドを捕捉オリゴマーと接触させる前、接触させている間、または接触させた後に)捕捉配列の相補体を含む第1の捕捉試薬と接触させること;および捕捉配列以外の捕捉オリゴマー中の配列の相補体を含む第2の捕捉試薬を供給し、捕捉オリゴマーの一部または全部が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない場合、第2の捕捉試薬は、標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーと接触することをさらに含む。捕捉配列以外の捕捉オリゴマー中の配列は、標的ハイブリダイズ配列の一部もしくは全部、または標的ハイブリダイズ配列と重複する配列、またはそうでなければ捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールされると第2の捕捉試薬がアクセスできなくなる配列であり得る。方法は、第1および第2の複合体を組成物から単離することであって、第1の複合体が標的ポリヌクレオチドを含み、第2の複合体が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーを含む、単離すること;および標的ポリヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチドを含む部分複合体を第1の複合体から選択的に溶出することをさらに含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドを過剰量の捕捉オリゴマーと接触させる。いくつかの実施形態では、第1の捕捉試薬は、捕捉オリゴマーに対して限定された量で供給される。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは、標的ポリヌクレオチドに対して限定された量で供給される。いくつかの実施形態では、第2の捕捉試薬と接触した捕捉オリゴマーの画分は、結合していない捕捉オリゴマーを含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、第1の捕捉試薬は、捕捉配列の相補体を含む第1の固体支持体を含む。そのような実施形態の追加の態様は、上記の概要を含む本明細書の他の箇所に記載されている。
【0350】
いくつかの実施形態では、第1の捕捉試薬は、捕捉オリゴマーまたは標的ポリヌクレオチドに相補的ではない第2の捕捉配列をさらに含み、方法は、アニールされた捕捉オリゴマーを第1の捕捉試薬と接触させた後、第2の捕捉配列を、第2の捕捉配列の相補体を含む固体支持体にアニーリングさせることを含む。そのような実施形態の追加の態様は、上記の概要を含む本明細書の他の箇所に記載されている。
【0351】
捕捉オリゴマー、第1の固体支持体、および第2の固体支持体を含む組合せも本明細書で提供される。捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に:
第1の捕捉配列、内部伸長ブロッカー、第2の捕捉配列、および標的ハイブリダイズ配列
を含む。
第1の固体支持体は、第1の捕捉配列の相補体を含む。第2の固体支持体は、第2の捕捉配列の相補体を含む。第1の捕捉配列と第1の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第1の複合体は、第2の捕捉配列と第2の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第2の複合体よりも低い融解温度を有するか、および/または第2の捕捉配列の相補体は、第1の捕捉配列に対する第1の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きい第2の捕捉配列に対する親和性を有する。
【0352】
捕捉オリゴマー、第1の捕捉試薬、第2の捕捉試薬、第1の固体支持体、および第2の固体支持体を含む組合せも本明細書で提供される。
捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に:
第1の捕捉配列、内部伸長ブロッカー、および標的ハイブリダイズ配列
を含む。
第1の捕捉試薬は、第2の捕捉配列および第1の捕捉配列の相補体を含み、第2の捕捉配列は捕捉オリゴマーに相補的ではない。第2の捕捉試薬は、第3の捕捉配列、および第1の捕捉配列以外の捕捉オリゴマーの配列の相補体を含み、第3の捕捉配列は捕捉オリゴマーに相補的ではない。第1の固体支持体は、第2の捕捉配列の相補体を含む。第2の固体支持体は、第3の捕捉配列の相補体を含む。第2の捕捉配列と第2の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第1の複合体は、第3の捕捉配列と第3の捕捉配列の相補体とのアニーリングによって形成された第2の複合体よりも低い融解温度を有するか、および/または第3の捕捉配列の相補体は、第2の捕捉配列に対する第2の捕捉配列の相補体の親和性よりも大きい第3の捕捉配列に対する親和性を有する。
【0353】
捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬を含む組合せも本明細書で提供される。捕捉オリゴマーは、1つまたは複数の親和性増強ヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列および捕捉配列を含む。二次捕捉試薬は、捕捉配列の相補体および結合パートナーを含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列は、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置する。いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、アダプター配列にアニールするように構成される。いくつかの実施形態では、二次捕捉試薬は、組合せ中に捕捉オリゴマーよりも少ない量で存在する。
【0354】
標的ポリヌクレオチドを上記のような組合せと接触させることを含む、標的ポリヌクレオチドを組成物から捕捉する方法も本明細書で提供される。捕捉オリゴマーおよび二次捕捉試薬は、同時にまたは逐次的に添加される。捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は標的ポリヌクレオチドにアニールし、二次捕捉試薬は捕捉オリゴマーの捕捉配列にアニールし、それによって複合体を形成させる。
方法は、複合体を、二次捕捉試薬の結合パートナーに結合するように構成された第2の結合パートナーと接触させることであって、第2の結合パートナーが固体支持体と会合し、第2の結合パートナーが二次捕捉試薬の結合パートナーに結合する、接触させること;および複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉することをさらに含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、二次捕捉試薬は、組合せ中に捕捉オリゴマーおよび/または標的ポリヌクレオチドよりも少ない量で存在する。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは、組合せ中に標的ポリヌクレオチドよりも少ない量で存在し、二次捕捉試薬は、組合せ中に捕捉オリゴマーよりも少ない量で存在する。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドはアダプター配列を含み、標的ハイブリダイズ配列はアダプター配列にアニールする。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは標的生物のDNAまたはRNAに由来する配列を含み、アダプター配列は標的生物のDNAおよびRNAには存在しない。
【0356】
IV.例
以下の例は、ある特定の開示された実施形態を説明するために提供され、決して本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0357】
A.捕捉配列およびその相補体を含む捕捉オリゴマーを用いた所定量のアンプリコンの捕捉
オリゴマー。
【0358】
大腸菌(E.coli)uidA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、プライマーを使用して行った:
Ec_uidA_F:GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACC(配列番号1)
Ec_uidA_R:GGCAATAACATACGGAGTGACATC(配列番号2)
【0359】
プライマーは、以下の配列を有するアンプリコンを生成するように設計された:
GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACCGAAAGGTTGGGCGGGCCAGCGTATTGTACTGCGTTTCGATGCGGTCACTCATTACGGCAAAGTGTGGGTAAATAATCAGGAAGTGATGGAGCATCAGGGCGGCTATACGCCATTTGAAGCCGATGTCACTCCGTATGTTATTGCC(配列番号3)
【0360】
以下の配列を有する、uidA_PA_1.2と呼ばれる捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACCTCTA/iSp18/TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTAGACGCAAGCTACTGGTGATTTGGCAATAACATACGGAGTGACATCGGCTTC(配列番号4)(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー(IDT))
【0361】
このオリゴマーでは、5’ポリA配列は捕捉配列である。CCTCTAはリンカー配列である。iSp18は内部伸長ブロッカーである。iSp18に続くポリT配列は、捕捉配列の相補体である。AGACGCAAGCTACTGGTGATTT(配列番号5)は、第4の追加の配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)は、GGCAATAACATACGGAGTGACATCGGCTTC(配列番号6)であり、これは標的アンプリコン中のuidA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。この例では、THSは、THSのTmを上昇させ、標的にハイブリダイズする際にリバースプライマーよりも競合的に有利になるように、それが重複するリバースPCRプライマー(上記の配列を参照)よりも長い。
【0362】
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT30-ビオチン:TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン(配列番号7)
【0363】
コピーコントロール産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマーおよびプローブを使用した:
Ec_uidA_F GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACC(配列番号1)
uidA_Probe 5’FAM/TAGCCGCCCTGATGCTCCATCACTTCCTG/3’IowaBlack(配列番号8)
TQ_R AGACGCAAGCTACTGGTGAT(配列番号9)
【0364】
プロトコル/反応条件。
【0365】
(1)上記のプライマーを利用して標的uidAのPCRアンプリコンを生成した。製造業者の推奨プロトコルを使用しAMPure XP(Beckman Coulter)を使用してアンプリコンを精製し、uidA_Probeと共に、uidAフォワードおよびリバースプライマーを使用してqPCRによって定量した。
【0366】
(2)捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長-精製されたuidAアンプリコンを2、10または100倍希釈した。アンプリコンの各希釈物の20μLアリコートを、0.07U/μl SDPol(Bioron)、1×SDPol反応緩衝液、0.17mM dNTP、3mM MgCl、1mg/ml BSAおよび5×1010コピーの捕捉オリゴマーからなる捕捉オリゴマーのアニーリング/伸長反応物に添加した(30μLの最終体積)。捕捉オリゴマーをuidAアンプリコンの相補鎖の3’端にアニールし、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用してアンプリコン鎖を伸長した:92℃で2分間、54℃で2分間、68℃で10分間、54℃で2分間、続いて制御された20℃へのランプダウン(0.3℃/秒)。この例では、捕捉オリゴマーの3’端も伸長された。
【0367】
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長反応混合物の全体を10μLの二次捕捉試薬(4倍濃度)に添加し、最終濃度125mM NaCl、0.25mg/ml BSAおよび10、10または10コピーの捕捉配列の相補体を得た(すなわち、3つの異なる量を試験した)。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を室温(20~24℃)で15分間インキュベートすることによって行った。
【0368】
(4)アンプリコンおよび捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-250mM NaClおよび1mg/ml BSA中のMyOneC1ストレプトアビジンビーズ(ThermoFisher Scientific)の5μLアリコート(50μg)をハイブリダイゼーション混合物(上記のステップ3)に添加し、捕捉配列複合体の捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長産物/相補体をビーズ上に捕捉し、ビーズを製造業者の推奨に従って洗浄した。
【0369】
(5)溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝液が除去された後、10μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
【0370】
(6)定量-溶出産物および捕捉オリゴマー伸長産物(上記のステップ2を参照)の量を、uidA_Probeと共に、uidA_Fプライマー部位およびTQプライマー-アダプター部位を標的化するプライマーを使用するqPCRによって定量した。
【0371】
結果および結論:
【0372】
標的化濃縮ステップ(上記ステップ1を参照)で作成されたアンプリコンの2倍、10倍および100倍希釈物を、10、10または10コピーの捕捉オリゴマーを使用したコピー・コントロール・プロセス(上記のステップ2~5を参照)に供した。表1に示すように、回収されたアンプリコンの量は、各PCR希釈物に対して添加された捕捉オリゴマーの量に比例していた(ほぼ予想される比率で;表の「比率」欄を参照)。各データ点でのレプリケート間のばらつきは低かった(「標準偏差(Std Dev)」欄を参照)。
【0373】
【表1】
【0374】
さらに、アンプリコン入力量の50倍の差にもかかわらず、出力の変動は、10、10および10コピーの捕捉オリゴマーについてそれぞれ2.36倍、3.11倍および3.44倍であった(表1)。上記のように、レプリケート間の変動は小さかった。
【0375】
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーを使用して、様々な入力標的量の範囲から所定量の標的出力を得ることができることを実証している。
【0376】
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、大腸菌(E.coli)のuidA遺伝子、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のnuc遺伝子、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecallis)のvanA遺伝子またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)のrpb7遺伝子を標的とするようにTHS領域を設計した捕捉オリゴマーを使用したマルチプレックス形式で行った(すなわち、1反応あたり4つの捕捉オリゴマーを使用した)。uidA、nucおよびvanA遺伝子は、uidAについては上記に示したプライマーならびにnucおよびvanA遺伝子については設計した追加のプライマーを使用し、上記のようにPCRを使用してそれぞれ別々に増幅した。得られたアンプリコンを10倍または100倍希釈し、個々の標的それぞれの各希釈物の20μLアリコートを、上記の4つの捕捉オリゴマーのそれぞれを5×1010コピー含む、別個の捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長反応物に添加した(すなわち、4プレックス捕捉オリゴであるが、1つの標的しか存在しない)。反応条件は、以下の熱プロファイルを除いて、およそ記載したものと同じであった:92℃で2分間、64℃で2分間、68℃で10分間、98℃で2分間、57℃で2分間、続いて制御された20℃へのランプダウン(0.3℃/秒)。この反応が完了した後、捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体の5×10コピーを各反応に添加した。これに、上記の捕捉、洗浄、溶出および定量ステップが続いた。
【0377】
10倍異なる入力量を用いてアンプリコンを捕捉した後の出力量を表2に示す。結果は、マルチプレックス形式で試験した3つの個々の標的アンプリコンのそれぞれについて、入力アンプリコンレベルの10倍の差がコピーコントロール後の平均出力レベルで1.4倍以下の差まで減少したことを示している。さらに、コピーコントロール後の平均出力レベルの範囲は、3つの標的アンプリコンすべてにわたっておよそ1.6倍に広がったが、それらの入力レベルは270倍を超えて広がっていた。
【0378】
【表2】
【0379】
追加の実験を、本質的には上記のようにシングルプレックス形式であるが、PCR増幅ステップ中に目的の標的に取り込まれたタグ配列中のユニバーサル結合部位にTHSがアニールする捕捉オリゴマーを使用して行った。細菌23S rRNA遺伝子を標的とするようにプライマーを設計し、細菌ゲノムDNAからPCRアンプリコンを生成した。リバースプライマーは、PCR中にアンプリコンに取り込まれたユニバーサル配列タグを含んでいた。未希釈(すなわち、希釈なし;およそ9×1012コピー)または50倍希釈(およそ2×1011コピー)の40μLアリコートを0.02U/μL SDポリメラーゼ(Bioron)、0.4×SDポリメラーゼ反応緩衝液(Bioron)、0.012mMの4dNTP、1.8mM MgCl、0.6mg/mL BSAおよび5×1010コピーの捕捉オリゴマーを含む反応混合物に添加し、最終反応体積を100μLとしたことを除いて、捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長を上記のように行った。使用した熱プロファイルは、92℃で2分間、54℃で2分間、68℃で10分間、54℃で2分間、続いて制御された20℃へのランプダウン(0.3℃/秒)であった。上記反応物の全体積を、1mg/ml BSA、125mM NaCl、および5×10コピーの二次捕捉試薬を含有する50μLの3×アニーリングミックスに添加した。反応混合物を25℃のサーマルブロックで10分間インキュベートすることによってアニーリングを行う。4M NaCl、20mM Tris-HCl pH7.5、2mM EDTA、0.20%Tween20、2mg/mL BSAからなる4×洗浄緩衝液中、50μL体積(この実験では200μg)のMyOneC1ストレプトアビジンビーズ(ThermoFisher Scientific)を上記の反応物150μLに添加した。捕捉オリゴマー、アンプリコン伸長産物、および捕捉配列の相補体を含む得られた複合体をビーズ上に捕捉し、製造業者の推奨(この場合、1×洗浄緩衝液を使用;すぐ上の4X配合物を参照)に従ってビーズを洗浄した。20μLの体積の水を溶出に使用した(プロトコルその他は上記と同じ)。特異的フォワードプライマーおよびユニバーサルタグを標的とするリバースプライマーを用いてqPCRを行った。
【0380】
アンプリコン入力レベルの50倍の差にもかかわらず、出力の変動は、捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長ステップ後にはわずか2.5倍であり、二次捕捉試薬との接触および得られた複合体の単離後には1(すなわち、完全に正規化されている)であった(表3を参照)。さらに、これらの結果は、THSがユニバーサルタグ配列に結合する本開示の実施形態を実証している。
【0381】
【表3】
【0382】
追加の実験を、本質的にすぐ上記のように(シングルプレックス、ユニバーサルTHS)に行ったが、THSがPCR増幅ステップ中に目的の標的の各々に取り込まれたユニバーサルタグ配列にアニールする捕捉オリゴマーを使用して、マルチプレックス形式で行った。細菌16S rRNA遺伝子、23S rRNA遺伝子および抗生物質耐性マーカーKPC中の8つの異なるアンプリコン標的化領域を、8つの別個のシングルプレックス反応でK.ニューモニエ(K.pneumonia)ゲノムDNAから生成した。合成内部コントロール(IC)DNAを標的とする1つのアンプリコンも作成し、合計9つの個々のアンプリコンとした。等量の9つすべてのアンプリコンをプールし、未希釈(すなわち、希釈なし;およそ1×1013コピー)または10倍希釈(およそ1×1012コピー)の54μLアリコートを、別個の捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長反応混合物に添加した(それぞれ最終体積100μL)。5×1011コピーの捕捉オリゴマーおよび5×10コピーの二次捕捉試薬を使用したことを除いて、ワークフローの残りの部分は上記と本質的に同じように行った。特異的フォワードプライマーおよびユニバーサルタグを標的とするリバースプライマーを使用したqPCRを行い、各標的を定量した(9つの別個のPCR)。個々の標的それぞれについて回収された量を合計して、捕捉方法の全体の回収を決定した。
【0383】
アンプリコン入力レベルの10倍の差にもかかわらず、全体的な出力の変動は、捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長ステップ後にはわずか2.5であり、二次捕捉試薬との接触および得られた複合体の単離後には1.6であった(表を参照)。さらに、これらの結果は、THSがマルチプレックス形式でユニバーサルタグ配列に結合し、よって混合物中に存在するすべての標的アンプリコンを捕捉する本発明の実施形態を実証している。
【0384】
【表4】
【0385】
B.捕捉配列を含む捕捉オリゴマー、その相補体、およびクランプ配列を用いた所定量のアンプリコンの捕捉
標的アンプリコンを、uidAに関して本質的に上記のように調製し、第1および第3の追加の配列として挿入されたクランプ配列(GCGCGC)ありまたはなしの捕捉オリゴマーを用いた実験で使用した(図3を参照)。未希釈、10倍希釈および100倍希釈アンプリコンを使用して、本質的に上記のように捕捉を行った。捕捉された産物の量を、本質的に上記のように定量した。結果を図14に示す。クランプ配列を含む捕捉オリゴマーを使用することにより、アンプリコンの異なる希釈にわたって出力量を正規化する能力が改善した。
【0386】
C.捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを用いた所定量のアンプリコンの捕捉
オリゴマー。
E.フェシウム(E.faecium)vanA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、以下のプライマーを使用して行った:
Efm_vanA_F:GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG(配列番号10)
Efm_vanA_R:CTGAACGCGCCGGCTTAAC(配列番号11)
プライマーは、以下の配列を有するアンプリコンを生成するように設計された:
GGCTGCGATATTCAAAGCTCAGCAATTTGTATGGACAAATCGTTGACATACATCGTTGCGAAAAATGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGGGTTATTAATAAAGATGATAGGCCGGTGGCAGCTACGTTTACCTATCCTGTTTTTGTTAAGCCGGCGCGTTCAG(配列番号12)
以下の配列を有する、CC_Blo_vanA_001と呼ばれる捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18/CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCCTGAACGCGCCGGCTTAAC(配列番号13)(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー(IDT))
【0387】
このオリゴマーは、図10Aの例示的な捕捉オリゴマーについて示されている要素を含む。このオリゴマーでは、5’ポリA配列は、第1および第2の部分を有する捕捉配列である。iSp18は、内部伸長ブロッカーである。
CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTC(配列番号14)は、第1および第2の部分を有するスペーサー配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)は、CTGAACGCGCCGGCTTAAC(配列番号15)であり、これは標的アンプリコン中のvanA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。
【0388】
図10Aの例示的な相補的オリゴマーについて示されている要素を含む、Blocker_vanA_001と呼ばれる相補的オリゴが、以下の配列を有して用意された:CGGTGCCAGAGGAGTTTTTTTTTT/invdt/(配列番号16)(ここで、invdtは、ブロッキング部分として働く逆位Tヌクレオチドである)。このオリゴマーでは、CGGTGCCAGAGGAG(配列番号17)は、捕捉オリゴマーのスペーサー配列の第1の部分の相補体であり、TTTTTTTTTT(配列番号18)は、捕捉配列の第2の部分の相補体である。
【0389】
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT20-ビオチン:TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン(配列番号19)
【0390】
コピーコントロール産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマーおよびプローブを使用した:
vanA_PCR2_Fwd TTGTATGGACAAATCGTTGACATACA(配列番号20)
Efm_Probe_FAM 5’FAM/TGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGG/3’IowaBlack(配列番号21)
CC_Univ_Inner_Rev ACCGTGCTGCCTTGGCTTC(配列番号22)
【0391】
プロトコル/反応条件。
【0392】
(1)上記のEfm_vanA_FおよびEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAのPCRアンプリコンを生成した。アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用してチップベースのキャピラリー電気泳動により定量した。
【0393】
(2)捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長-vanAアンプリコンを希釈せずに(未希釈)または10倍希釈して(それぞれおよそ2×1013および2×1012コピー)使用した。各アンプリコン(未希釈および10倍希釈)の80μLアリコート量を20μLの捕捉オリゴマーのアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μL Deep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝液、0.012mM dNTP、1.8mM MgCl、0.6mg/ml BSA、1×1011コピーの捕捉オリゴマー(CC_Blo_vanA_001)および1×1012コピーの相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。捕捉オリゴマーをvanAアンプリコンの相補鎖の3’端にアニールし、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用してアンプリコン鎖を伸長した:92℃で2分間、64℃で2分間および68℃で10分間。この例では、捕捉オリゴマーの3’端も伸長された。
【0394】
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長反応混合物の全体に50μLの二次捕捉試薬(3倍濃度)を添加し、最終濃度42mM NaCl、0.33mg/ml BSAおよび10コピーの捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を得た。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を30℃で10分間インキュベートすることによって行った。
【0395】
(4)アンプリコンおよび捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの50μLアリコート(200μg)をハイブリダイゼーション混合物全体(150μL)に添加し、最終濃度1M NaCl、5mM TrisHCl(pH7.5)、0.5mM EDTA、0.05%Tween20および0.5mg/ml BSAを得た。複合体を25℃でビーズ上に捕捉し、すぐ上に詳述したのと同じ組成を有する洗浄試薬を使用してビーズを洗浄した。
【0396】
(5)溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝液が除去された後、30μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
【0397】
(6)定量-溶出産物および捕捉オリゴマー伸長産物(上記のステップ2を参照)の量を、Efm_Probe_FAMと共に、vanA_PCR2_Fwdプライマー部位およびユニバーサルプライマー-アダプター部位(CC_Univ_Inner_Rev)を標的化するプライマーを使用するqPCRによって定量した。
【0398】
結果および結論:
【0399】
上記のステップ1(PCR)で作成されたアンプリコンの0倍(未希釈)および10倍希釈物を、10コピーの二次捕捉オリゴマーを使用したコピー・コントロール・プロセス(上記のステップ2~5を参照)に供した。表5に示すように、入力標的量の10倍の差にもかかわらず、出力レベルは本質的に同一であった。
【表5】
【0400】
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを使用して、入力標的量の10倍の差にわたって所定の正規化された量の標的出力を得ることができることを実証している。
【0401】
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
【0402】
(1)PCRアンプリコンを、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造業者の説明書に従って使用して精製した後、Agilent BioAnalyzerを使用してチップベースのキャピラリー電気泳動により定量した。
【0403】
(2)捕捉オリゴマーのアニーリングおよびアンプリコン鎖の伸長-vanAアンプリコンを希釈せずに(未希釈)、10倍希釈および100倍希釈して(それぞれおよそ8×1011、8×1010および6×10コピー)使用した。捕捉オリゴマー(CC_Blo_vanA_001)を1×1012コピー/反応の捕捉オリゴマーで使用し、相補的オリゴ(Blocker_vanA_001)を0または1×1013コピー/反応で使用した。捕捉オリゴマーをvanAアンプリコンの相補鎖の3’端にアニールし、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用してアンプリコン鎖を伸長した:95℃で2分間および64℃で15分間。このステップにおける他のすべての条件は、上記のステップ2と同じであった。
【0404】
(3~6)ステップ4において、複合体を25℃の代わりに30℃でビーズ上に捕捉したことを除いて、ステップ3~6を上記のステップ3~6に記載のように行った。
【0405】
結果および結論:
【0406】
上記のステップ1(PCR)で作成したアンプリコンの0倍(未希釈)、10倍および100倍希釈物をコピー・コントロール・プロセス(上記のステップ2~5を参照)に供した。この実験では、使用した様々な核酸構成要素の量は、およそ8×1011、8×1010および6×10コピーの標的、1×1012コピーの捕捉オリゴマー、0または1×1013コピーの相補的オリゴマーおよび1×10コピーの二次捕捉オリゴマーであった。相補的オリゴマーありまたはなしの結果を表6に示す。
【表6】
【0407】
相補的オリゴマーの非存在下では、二次捕捉オリゴマー(dT20-ビオチン)は、標的に結合しているか否かにかかわらず、捕捉オリゴマー分子のいずれかに結合することができる。この実験では、1×1012コピーの捕捉オリゴマーおよび1×10コピーの二次捕捉オリゴマーを使用した、すなわち、これらの量には1000倍の差がある。最も高い標的レベル(未希釈)では、捕捉オリゴマーの大部分は標的に結合し、したがって、二次捕捉オリゴマーの大部分は標的と会合した捕捉オリゴマーに結合し、捕捉および溶出後の出力コピーは比較的高い。これは、比較的高い出力(9.3×10コピー)が観察される、未希釈の標的入力(相補的オリゴなし)のデータで裏付けられる。しかしながら、標的の10倍希釈では、過剰な捕捉オリゴマーが存在し、したがってそのすべてが標的に結合するわけではない。二次捕捉オリゴマーのいくつかは、標的と会合した捕捉オリゴマーに結合するが、いくつかは、標的に結合していない捕捉オリゴマーに対してである。したがって、実際に観察されるように、出力は低下する(出力=2.6×10コピー)。標的の100倍希釈では、捕捉オリゴマーの大部分は標的に結合せず、同様に二次オリゴマーの大部分は標的に会合していない捕捉オリゴマーに結合する。したがって、これらの条件下での予想は、出力の顕著な低下であり、これは実際に観察される(出力=5.0×10コピー)。
【0408】
相補的オリゴマーの存在下では、標的に結合していない捕捉オリゴマーは、結合した相補的オリゴマーを有し、これが次に二次捕捉試薬の結合をブロックする。逆に、標的に結合した捕捉オリゴマーは、結合した相補的オリゴマー(これは置換された)を有さず、これが次に二次捕捉試薬が結合することを可能にする。したがって、この実験で試験された標的入力のすべてのレベルで、出力は、相補的オリゴマーの非存在下よりも相補的オリゴマーの存在下でより高いと予想される(その結果は上記で論じられている)。これはまさに観察されるものである(表6を参照)。さらに、データは、未希釈と10倍希釈の出力標的レベルの間に約2倍の差しかなく、未希釈と100倍の出力標的レベルの間に14倍を少し上回る差しかなく、正規化が行われていることを実証している。100倍の標的希釈での出力は、この低レベルの標的に起因して結合速度がより遅いため、理論よりもわずかに低い。より長いインキュベーション時間が与えられると、出力は増加し、正規化係数は改善するだろう。
【0409】
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーおよび相補的オリゴマーを使用して、入力標的量の100倍の差にわたって所定の正規化された量の標的出力を得ることができることを実証している。
【0410】
D.捕捉オリゴマー、相補的オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー、およびフォワードプライマーを使用した、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプター)を含む捕捉可能な産物の生成
オリゴマー。
E.フェシウム(E.faecium)vanA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、以下のプライマーを使用して行った:
Efm_vanA_F:GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG(配列番号23)
Efm_vanA_R:CTGAACGCGCCGGCTTAAC(配列番号24)
プライマーは、以下の配列を有するアンプリコンを生成するように設計された:
GGCTGCGATATTCAAAGCTCAGCAATTTGTATGGACAAATCGTTGACATACATCGTTGCGAAAAATGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGGGTTATTAATAAAGATGATAGGCCGGTGGCAGCTACGTTTACCTATCCTGTTTTTGTTAAGCCGGCGCGTTCAG(配列番号25)
【0411】
以下の配列を有する、PCR2R_adapter_CCと呼ばれる捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18/CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCGTAGCTGCCACCGGCCTAT(配列番号26)
(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー(IDT))
このオリゴマーは、図10Aの例示的な捕捉オリゴマーについて示されている要素を含む。このオリゴマーでは、5’ポリA配列は、第1および第2の部分を有する捕捉配列である。iSp18は、内部伸長ブロッカーである。
CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTC(配列番号27)は、第1および第2の部分を有するスペーサー配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)は、GTAGCTGCCACCGGCCTAT(配列番号28)であり、これは標的アンプリコン中のvanA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。
【0412】
図10Aの例示的な相補的オリゴマーについて示されている要素を含む、Blocker_vanA_001と呼ばれる相補的オリゴが、以下の配列を有して用意された:CGGTGCCAGAGGAGTTTTTTTTTT/invdt/(配列番号29)(ここで、invdtは、ブロッキング部分として働く逆位Tヌクレオチドである)。このオリゴマーでは、CGGTGCCAGAGGAG(配列番号30)は、捕捉オリゴマーのスペーサー配列の第1の部分の相補体であり、TTTTTTTTTT(配列番号31)は、捕捉配列の第2の部分の相補体である。
【0413】
図8Aの例示的なディスプレーサオリゴマーについて示されている要素を含むEfm_vanA_R(上記の配列)を用意した。図8Aのアダプターを有する例示的なフォワードプライマーについて示されている要素を含む、PCR1F_adapterと呼ばれるオリゴマーも用意され、以下の配列を有していた:
AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCGGCTGCGATATTCAAAGCTCAG(配列番号32)。
【0414】
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT20-ビオチン:TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン(配列番号33)
コピーコントロール産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマーおよびプローブを使用した:
CCRPA_uni_F AAAACGAGACATGCCGAGCATC(配列番号34)
Efm_Probe_FAM 5’FAM/TGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGG/3’IowaBlack(配列番号35)
CC_Univ_Inner_Rev ACCGTGCTGCCTTGGCTTC(配列番号36)
【0415】
プロトコル/反応条件(1)。
(1)上記のEfm_vanA_FおよびEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAのPCRアンプリコンを生成した。アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用するチップベースのキャピラリー電気泳動による定量の前に、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造業者の説明書に従って使用して精製した。
(2)捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマーおよびアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長-およそ1×1012コピーを含むvanAアンプリコンのアリコートをアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μl Deep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝液、0.012mM dNTP、1.8mM MgCl、0.6mg/ml BSA、5×1013コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)、±1×1013コピーのディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)、および5×1013コピーのアダプターを伴うフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。入力アンプリコンを用いた捕捉およびディスプレーサオリゴマーのアニーリングおよび伸長、ならびに捕捉オリゴマーの伸長産物を用いたアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長はすべて、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用して同じアニーリング/伸長反応で行った:95℃で5分間、次いで64℃で20分間。
(3)定量-アニーリング伸長反応のそれぞれのアリコートを100倍希釈し、それぞれに含まれる産物の量を、Efm_Probe_FAMと共に、プライマーCCRPA_uni_FおよびCC_Univ_Inner_Rev(ユニバーサルアダプター領域をそれぞれ順方向および逆方向に標的化する)を使用するqPCRによって定量した。
【0416】
結果および結論:
上記の入力標的およびオリゴマーを使用して、単一サイクルのアニーリングおよび伸長反応(単一サイクルは、ただ1つの変性ステップ、例えば、95℃でのインキュベーションとして定義される;別のサイクルは、別の熱変性ステップで始まるであろう)を行った。表7に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、分子の両端にユニバーサルアダプターを含む産物が形成された。
【表7】
【0417】
これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用することで、分子の両端にアダプター(または他の所望の配列)を伴う産物を生成することができることを実証している。さらに、これらのデータは、プライマー-アダプターオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。これらのデータはまた、所望の産物がディスプレーサオリゴマーの非存在下で生成され得ることを実証している。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された実施形態内で異なる機構が機能して所望の産物を得ることができる可能性がある。ディスプレーサオリゴマーの存在下で複数の機構が機能して、観察された結果を生成することが可能である。
【0418】
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
(2)捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマーおよびアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長-およそ1×1013コピーを含むvanAアンプリコンのアリコートをアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μl Deep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝液、0.012mM dNTP、1.8mM MgCl、0.6mg/ml BSA、5×1014コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)および5×1014コピーのアダプターを伴うフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。この混合物のアニーリングおよび伸長は、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用して行った:95℃で5分間、次いで64℃で15分間。この時点で、5×1014コピーのディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)を反応混合物のいくつかのレプリケートに添加し、いくつかには緩衝液のみに添加し、64℃で5分間、75℃で5分間および72℃で15分間の熱プロファイルを使用して、アニーリングおよび伸長を継続した。
【0419】
結果および結論:
上記の入力標的およびオリゴマーを使用して、単一サイクルのアニーリングおよび伸長反応(単一サイクルは、ただ1つの変性ステップ、例えば、95℃でのインキュベーションとして定義される;別のサイクルは、別の熱変性ステップで始まるであろう)を行った。性能をさらに最適化するために、ディスプレーサオリゴマーを、プロセスの途中でアニーリングおよび伸長反応物に添加した。表8に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、分子の両端にユニバーサルアダプターを含む産物が形成された。
【表8】
【0420】
上記のように、これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用することで、分子の両端にアダプター(または他の所望の配列)を有する産物を生成することができることを実証している。また、上記のように、これらのデータは、プライマー-アダプターオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。さらに、これらのデータは、アニーリングおよび伸長温度プロファイルを調整することによって(および、この場合、プロセスの途中でディスプレーサオリゴマーを添加することによって)、全体的な性能を改善できることを実証している。特に注目すべきは、これらの条件下では、ディスプレーサオリゴマーが存在する場合、存在しない場合よりも生成された所望の産物の量が多く、図8Aに示されるように置換スキームが動作していることを実証していることである。また、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された実施形態内で異なる機構も機能して所望の産物を得られる可能性がある。
【0421】
プロトコル/反応条件(2)。
(1)上記のEfm_vanA_FおよびEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAのPCRアンプリコンを生成した。アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用するチップベースのキャピラリー電気泳動による定量の前に、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造業者の説明書に従って使用して精製した。
(2)捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマーおよびアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長-およそ1×1012コピーを含むvanAアンプリコンのアリコートをアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μl Deep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝液、0.012mM dNTP、1.8mM MgCl、0.6mg/ml BSA、5×1013コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)、±5×1012コピーのディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)、および5×1013コピーのアダプターを伴うフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。入力アンプリコンを用いた捕捉およびディスプレーサオリゴマーのアニーリングおよび伸長、ならびに捕捉オリゴマーの伸長産物を用いたアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長はすべて、以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用して同じアニーリング/伸長反応で行った:95℃で5分間、次いで64℃で20分間。
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-伸長反応混合物の全体に50μLの二次捕捉試薬(3倍濃度)を添加し、最終濃度42mM NaCl、0.33mg/ml BSAおよび5x1014コピーの捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を得た。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を30℃で10分間インキュベートすることによって行った。
(4)アンプリコンおよび捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの50μLアリコート(200μg)をハイブリダイゼーション混合物全体(150μL)に添加し、最終濃度1M NaCl、5mM TrisHCl(pH7.5)、0.5mM EDTA、0.05%Tween20および0.5mg/ml BSAを得た。複合体を30℃でビーズ上に捕捉し、すぐ上に詳述したのと同じ組成を有する洗浄試薬を使用してビーズを洗浄した。
(5)溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝液が除去された後、30μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
(6)定量-溶出産物を、Efm_Probe_FAMと共に、プライマーCCRPA_uni_FおよびCC_Univ_Inner_Rev(ユニバーサルアダプター領域をそれぞれ順方向および逆方向に標的化する)を使用するqPCRによって定量した。
【0422】
結果および結論:
上記の入力標的およびオリゴマーを使用して、単一サイクルのアニーリングおよび伸長反応を行い、産物を捕捉、洗浄、溶出し、次いでqPCRを使用して定量した。表8に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、捕捉され、溶出される分子の両端にユニバーサルアダプターを含む産物が形成された。
【表9】
【0423】
これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用することで、分子の両端にアダプター(または他の所望の配列)を有する産物を生成することができ、この産物をビーズ上への捕捉、洗浄および溶出によって単離することができることを実証している。さらに、これらのデータは、プライマー-アダプターオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。これらのデータはまた、所望の産物がディスプレーサオリゴマーの非存在下で生成され得ることを実証している。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された実施形態内で異なる機構が機能して所望の産物を得ることができる可能性がある。ディスプレーサオリゴマーの存在下で複数の機構が機能して、観察された結果を生成することが可能である。
【0424】
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
(2)捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマーおよびアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長-アニーリング/伸長反応混合物は、5×1014コピーの相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)も含む新しい試料を添加したことを除いて、上記と同じであった。入力アンプリコンを用いた捕捉およびディスプレーサオリゴマーのアニーリングおよび伸長、捕捉オリゴマーを用いた相補的オリゴマーのアニーリング、ならびに捕捉オリゴマーの伸長産物を用いたアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長はすべて、表9に示される以下の熱プロファイルに従ったサーマルサイクラーを使用して同じアニーリング/伸長反応で行った。
【表10】

(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を1×10コピー使用したことを除いて、条件については、上記と同じであった。
【0425】
結果および結論:
上記の入力標的およびオリゴマーを使用して、単一サイクルのアニーリングおよび伸長反応を行い、産物を規定量の捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を使用して捕捉、洗浄、溶出し、次いでqPCRを使用して定量した。結果を表10に示す。
【表11】
【0426】
これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用することで、分子の両端にアダプター(または他の所望の配列)を有する産物を生成することができ、この産物をビーズ上への捕捉、洗浄および溶出によって単離することができることを実証している。さらに、入力標的レベルの10倍の差を4.7倍の差に正規化し、これは2倍の正規化係数を超える。さらに、これらのデータは、プライマー-アダプターオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。
【0427】
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
【0428】
(2)捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマーおよびアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長-アニーリング/伸長反応混合物は、1E+13および1E+12(10倍希釈)コピー/反応の入力標的を使用したこと;5×1014コピーの相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)も含む新しい試料を添加したことを除いて、上記と同じであった。入力アンプリコンを用いた捕捉オリゴマーのアニーリングおよび伸長、捕捉オリゴマーを用いた相補的オリゴマーのアニーリング、ならびに捕捉オリゴマーの伸長産物を用いたアダプターを伴うフォワードプライマーのアニーリングおよび伸長はすべて、以下の熱プロファイル:95℃で5分間、次いで64℃で15分間に従ったサーマルサイクラーを使用して同じアニーリング/伸長反応で行った。
【0429】
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を1×10コピー使用したことを除いて、条件については、上記と同じであった。ハイブリダイゼーションは、30℃で30分間行った。
【0430】
結果および結論:
【0431】
上記の入力標的およびオリゴマーを使用して、単一サイクルのアニーリングおよび伸長反応を行い、産物を規定量の捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を使用して捕捉、洗浄、溶出し、次いでqPCRを使用して定量した。結果を表10に示す。
【0432】
【表12】
【0433】
これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用することで、分子の両端にアダプター(または他の所望の配列)を有する産物を生成することができ、この産物をビーズ上への捕捉、洗浄および溶出によって単離することができることを実証している。さらに、入力標的レベルの10倍の差を、相補的オリゴが存在する場合、0.67倍の差(約1)に正規化した。相補的オリゴなしでは、予想されるように、産物の回収は10分の1以上減少したが、正規化は同様であった。さらに、これらのデータは、プライマー-アダプターオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。
【配列表フリーテキスト】
【0434】
配列表1 <223>合成
配列表2 <223>合成
配列表3 <223>合成
配列表4 <223>合成
配列表4 <223>iSp18の部位(ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー)
配列表5 <223>合成
配列表6 <223>合成
配列表7 <223>合成
配列表7 <223>3’ビオチン
配列表8 <223>合成
配列表8 <223>5’FAM、3’IowaBlack
配列表9 <223>合成
配列表10 <223>合成
配列表11 <223>合成
配列表12 <223>合成
配列表13 <223>合成
配列表13 <223>iSp18の部位(ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー)
配列表14 <223>合成
配列表15 <223>合成
配列表16 <223>合成
配列表16 <223>3’invdt
配列表17 <223>合成
配列表18 <223>合成
配列表19 <223>合成
配列表19 <223>3’ビオチン
配列表20 <223>合成
配列表21 <223>合成
配列表21 <223>5’FAM、3’IowaBlack
配列表22 <223>合成
配列表23 <223>合成
配列表24 <223>合成
配列表25 <223>合成
配列表26 <223>合成
配列表26 <223>iSp18の部位(ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサー)
配列表27 <223>合成
配列表28 <223>合成
配列表29 <223>合成
配列表29 <223>3’invdt
配列表30 <223>合成
配列表31 <223>合成
配列表32 <223>合成
配列表33 <223>合成
配列表33 <223>3’ビオチン
配列表34 <223>合成
配列表35 <223>合成
配列表35 <223>5’FAM、3’IowaBlack
配列表36 <223>合成
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
【配列表】
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