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特許7620658エアロゾル発生物品及びそれを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/70 20200101AFI20250116BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20250116BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20250116BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20250116BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20250116BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20250116BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/42
A24D1/20
A24D3/17
A24D3/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023077782
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2021503590の分割
【原出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2023100909
(43)【公開日】2023-07-19
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】18185821.8
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ズルバ,オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ギル,マーク
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/068098(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/036959(WO,A1)
【文献】特表2017-526381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0164654(US,A1)
【文献】国際公開第2017/188227(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品(1、2、3)を製造する方法であって、
(i)植物由来のエアロゾル発生材料(12)を含有する第1の材料(10)を提供すること、
(ii)マウスピース(18)を構成する第2の材料(16)を前記第1の材料(10)と直列に配置すること、
(iii)前記第1の材料(10)及び前記第2の材料(16)をシート(26、68)で包装して、実質的に円筒形のエアロゾル発生物品(1、2、3)を形成すること
を含み、ステップ(i)は、
(a)円筒形カップ(40)を提供し、且つ前記円筒形カップ(40)を前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と第3の材料(42)とで満たすこと
を含む、方法。
【請求項2】
前記円筒形カップ(40)は、紙カップである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記円筒形カップ(40)の底壁(48)は、空気透過性である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の材料(42)は、誘導加熱可能サセプタ(14)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記誘導加熱可能サセプタ(14)は、複数の実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素(56)を含み、且つステップ(a)は、前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と前記実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素(56)とを前記円筒形カップ(40)内に交互に位置決めすることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記誘導加熱可能サセプタ(14)は、実質的に管状であり、且つステップ(a)は、前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)が管状サセプタ(54、58)の内側及び外側の両方に配置されるように、前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と前記管状サセプタ(54、58)とを前記円筒形カップ(40)内に位置決めすることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記誘導加熱可能サセプタ(14)は、粒子状サセプタ材料(60)を含み、且つステップ(a)は、前記円筒形カップ(40)を前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と前記粒子状サセプタ材料(60)との混合物で満たすことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記円筒形カップ(40)を前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と前記第3の材料(42)とで満たす前記ステップは、回転台(80)上で実行される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記円筒形カップ(40)を前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)と前記第3の材料(42)とで満たす前記ステップ後、前記植物由来のエアロゾル発生材料(12)を前記カップ(40)内に保持するために前記円筒形カップ(40)の開放端(44)を空気透過性蓋体(66)で閉鎖するステップをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の材料(16)は、フィルタ材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(ii)は、前記第2の材料(16)の2つの本体であって、前記2つの本体の一方は、前記マウスピース(18)を構成する、2つの本体を、前記第1の材料(10)が前記第2の材料(16)の前記2つの本体間に位置決めされるように、前記第1の材料(10)と直列に配置することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
中空体(20)は、前記第1の材料(10)と前記第2の材料(16)との間に位置決めされる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数のドラム(84a~g)を有する装置を使用して実施され、且つ各ドラムは、ステップ(ii)の前記配置又はステップ(iii)の前記包装を実施するように適合される、複数の軸方向に延び且つ周方向に配置された溝を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
エアロゾル発生物品(1、2、3)であって、
植物由来のエアロゾル発生材料(12)を含有する第1の円筒形材料(10)、
第2の円筒形材料(16)
を含み、
前記第1の円筒形材料(10)と前記第2の円筒形材料(16)とは、直列に配置され、且つシート(26、68)によって包装され、
前記第1の円筒形材料(10)は、植物由来のエアロゾル発生材料(12)と第3の材料(42)とで満たされた円筒形カップ(40)を含む、エアロゾル発生物品(1、2、3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル発生物品に関し、より具体的には、エアロゾル発生物品を加熱して、使用者による吸入のためのエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品に関する。本開示の実施形態は、特に、エアロゾル発生物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル発生材料を燃焼させるのではなく、加熱して、吸入のためのエアロゾルを生じさせる装置が消費者に人気になっている。そのような装置は、いくつかの異なる方式の1つを使用して、エアロゾル発生材料に熱を提供することができる。
【0003】
1つの方式は、抵抗性加熱システムを採用するエアロゾル発生装置を提供することである。そのような装置では、抵抗性加熱素子が設けられてエアロゾル発生材料を加熱し、加熱素子から伝達される熱によってエアロゾル発生材料が加熱されるにつれてエアロゾルが発生する。
【0004】
別の方式は、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生装置を提供することである。そのような装置では、誘導コイルが装置と共に設けられ、サセプタが、通常、エアロゾル発生材料と共に設けられる。使用者が装置を作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、次いで誘導コイルが交流電磁場を発生させる。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば、伝導によってエアロゾル発生材料に伝達され、エアロゾル発生材料が加熱されるとエアロゾルが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いずれの方式が用いられても、使用者がエアロゾル発生装置に挿入できるエアロゾル発生物品の形態でエアロゾル発生材料を提供することが便利であり得る。したがって、エアロゾル発生物品の製造を容易にする方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生物品を製造する方法であって、
(i)植物由来のエアロゾル発生材料を含有する第1の材料を提供すること、
(ii)マウスピースを構成する第2の材料を第1の材料と直列に配置すること、
(iii)第1の材料及び第2の材料をシートで包装して、実質的に円筒形のエアロゾル発生物品を形成すること
を含み、ステップ(i)は、
(a)植物由来のエアロゾル発生材料を発泡材料として提供すること、又は
(b)円筒形カップを提供し、且つ円筒形カップを植物由来のエアロゾル発生材料と第3の材料とで満たすこと
を含む、方法が提供される。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル発生物品であって、
植物由来のエアロゾル発生材料を含有する第1の円筒形材料、第2の円筒形材料を含み、第1の円筒形材料と第2の円筒形材料とは、直列に配置され、且つシートによって包装され、第1の円筒形材料は、植物由来のエアロゾル発生材料と第3の材料とを含有する発泡材料又は円筒形カップを含む、エアロゾル発生物品が提供される。
【0008】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料を燃焼させることなく、植物由来のエアロゾル発生材料を加熱して、植物由来のエアロゾル発生材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、それによりエアロゾル発生装置の使用者による吸入のためのエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生装置で使用するためのものである。
【0009】
一般論として、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質である。これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより、蒸気を液体に凝縮させることができることを意味する。一方、エアロゾルとは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の分散系である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、使用者による吸入のために発生させる吸入可能媒体の形態に関して互換的に使用され得ることに留意すべきである。
【0010】
本開示は、植物由来のエアロゾル発生材料とマウスピースとを含むエアロゾル発生物品を製造する、特にエアロゾル発生物品の大量生産を容易にする迅速且つ比較的簡単な方法を提供する。
【0011】
発泡材料は、複数の微粒子(例えば、タバコ粒子)を含み得、ある量の水及び/又は保湿剤などの水分添加物も含むことができる。発泡材料は、多孔性であり得、且つ/又は発泡材料を通した空気又は蒸気の流れを可能にし得る。
【0012】
円筒形カップは、紙カップであり得、且つ成形紙カップであり得る。紙カップは、安価且つ容易に製造することができ、高温でも安全に使用することできる。紙カップは、変形可能でもあり、紙カップの変形する能力は、ステップ(iii)中のシートでの第1の材料(すなわち植物由来のエアロゾル発生材料と第3の材料とで満たされたカップ)及び第2の材料の包装を容易にすることができる。
【0013】
円筒形カップは、開放端と閉鎖端とを有し得る。円筒形カップは、実質的に円筒形の側壁を含み得、且つ閉鎖端に底壁を含み得る。底壁は、実質的に円形であり得る。
【0014】
円筒形カップの底壁は、空気透過性であり得る。例えば、底壁は、空気透過性である材料、例えば空気が底壁を通して流れることを可能にする多孔質構造を有する材料を含み得る。代替的又は追加的に、底壁は、1つ又は複数の開口又は孔を含み得る。後者の場合、底壁は、それ自体が空気不透過性である材料を含み得、その結果、空気が底壁を通して流れることを可能にするために開口又は孔が必要である。空気透過性底壁を設けることは、有利には、エアロゾル発生物品を通した空気の流れを促進し、それによりエアロゾルの発生及びマウスピースを介した使用者へのエアロゾルの移送を最適化する。
【0015】
第3の材料は、誘導加熱可能サセプタを含み得る。誘導加熱可能サセプタを使用することにより、植物由来のエアロゾル発生材料を加熱するための便利で効果的且つエネルギー効率の良い方法が提供される。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に位置決めされ、時間変化する電磁場に曝露されると、エネルギーが電磁エネルギーから熱エネルギーに変換される渦電流及び磁気ヒステリシス損失により、誘導加熱可能サセプタで熱が発生する。誘導加熱可能サセプタで発生した熱は、植物由来のエアロゾル発生材料に伝達され、そうすると、植物由来のエアロゾル発生材料が加熱されて所望の特性を有するエアロゾルを発生させる。
【0016】
誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅の1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。
【0017】
誘導加熱可能サセプタは、複数の実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素を含み得、且つステップ(b)は、植物由来のエアロゾル発生材料と実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素とを円筒形カップ内に交互に位置決めすることを含み得る。それにより、植物由来のエアロゾル発生材料全体への実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素の均一な分散が保証され、次いでこれにより、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品の使用中の誘導加熱可能サセプタ要素から植物由来のエアロゾル発生材料への熱の最適な伝達が確実となる。
【0018】
誘導加熱可能サセプタは、実質的に管状であり得、且つステップ(b)は、植物由来のエアロゾル発生材料が管状サセプタの内側及び外側の両方に配置されるように、植物由来のエアロゾル発生材料と管状サセプタとを円筒形カップ内に位置決めすることを含み得る。この配置により、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品の使用中の管状サセプタから植物由来のエアロゾル発生材料への熱の最適な伝達が確実となる。
【0019】
誘導加熱可能サセプタは、粒子状サセプタ材料を含み得、且つステップ(b)は、円筒形カップを植物由来のエアロゾル発生材料と粒子状サセプタ材料との混合物で満たすことを含み得る。粒子状サセプタ材料は、植物由来のエアロゾル発生材料中に分散され得、植物由来のエアロゾル発生材料中に実質的に均一に分散され得る。この配置により、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品の使用中の粒子状サセプタ材料から植物由来のエアロゾル発生材料への熱の最適な伝達が確実となり、且つ植物由来のエアロゾル発生材料の均一な加熱がもたらされる。また、円筒形カップを植物由来のエアロゾル発生材料と粒子状サセプタ材料との混合物で満たすことは、エアロゾル発生物品の製造を容易にし得る。
【0020】
円筒形カップを植物由来のエアロゾル発生材料と第3の材料、例えば誘導加熱可能サセプタとで満たすステップは、回転台上で実行され得る。回転台の使用により、植物由来のエアロゾル発生材料及び第3の材料、例えば誘導加熱可能サセプタを円筒形カップ内に正確且つ確実に位置決めすることが可能となる。回転台の使用は、ステップ(b)が、植物由来のエアロゾル発生材料と実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素とを円筒形カップ内に交互に位置決めすることを含む実施形態において、特に有利であり得る。
【0021】
方法は、円筒形カップを植物由来のエアロゾル発生材料と第3の材料とで満たすステップ後、例えば、植物由来のエアロゾル発生材料をカップ内に保持するために円筒形カップの開放端を空気透過性蓋体で閉鎖するステップをさらに含み得る。空気透過性蓋体は、空気透過性である材料、例えば空気が空気透過性蓋体を通して流れることを可能にする多孔質構造を有する材料を含み得る。代替的又は追加的に、空気透過性蓋体は、1つ又は複数の開口又は孔を含み得る。後者の場合、空気透過性蓋体は、それ自体が空気不透過性である材料を含み得、その結果、空気が空気透過性蓋体を通して流れることを可能にするために開口又は孔が必要である。植物由来のエアロゾル発生材料をカップ内に保持することに加えて、空気透過性蓋体は、有利には、エアロゾル発生物品を通した空気の流れを促進し、それによりエアロゾルの発生及びマウスピースを介した使用者へのエアロゾルの移送を最適化する。
【0022】
第2の材料は、フィルタ材料を含み得る。例として、フィルタ材料は、セルロースアセテート繊維を含み得る。当然ながら、当業者であれば、他のフィルタ材料を使用できることを理解するであろう。
【0023】
ステップ(ii)は、第2の材料の2つの本体を、第1の材料が第2の材料の2つの本体間に位置決めされるように、第1の材料と直列に配置することを含み得る。2つの本体の一方がマウスピースを構成し得る。他方の本体は、エアロゾル発生装置でのエアロゾル
発生物品の使用中、植物由来のエアロゾル発生材料を通した均一に分散された空気流を促進するのに役立ち得る。エアロゾル発生物品の製造は、この方法によっても容易になり得る。
【0024】
中空体は、第1の材料と第2の材料との間に位置決めされ得る。したがって、中空体は、植物由来のエアロゾル発生材料とマウスピースとの間に位置決めされ得る。この中空体は、有利には、加熱されたエアロゾルと、この加熱されたエアロゾル中の揮発成分とを冷却し且つ凝縮させて、使用者による吸入のために最適な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にする。中空体は、エアロゾル発生物品の製造中に所望の位置に容易に配置することができる。
【0025】
方法は、複数のドラムを含み得る装置を使用して実施され得る。各ドラムは、ステップ(ii)の配置又はステップ(iii)の包装を実施するように適合され得る、複数の軸方向に延び且つ周方向に配置された溝を含み得る。複数の軸方向に延び且つ周方向に配置された溝を有するドラムは、着火端式シガレットなどの従来の喫煙物品を製造するためによく使用され、本開示によるエアロゾル発生物品は、従来の機械を使用して、場合により既存の生産ライン上で製造することができる。さらに、そのような装置の使用により、エアロゾル発生物品の大量生産が容易になる。
【0026】
ステップ(iii)中に第1の材料及び第2の材料を包装するために使用されるシートは、紙を含み得る。第1の材料及び第2の材料、例えば植物由来のエアロゾル発生材料及びマウスピースを包装するための紙の使用は、エアロゾル発生物品の製造及び組み立てを容易にし得、且つ物品を通した空気及び加熱されたエアロゾルの流れを制御するのにも役立ち得る。
【0027】
植物由来のエアロゾル発生材料が発泡材料として提供される実施形態では、発泡材料は、誘導加熱可能サセプタを含み得る。誘導加熱可能サセプタは、上記のようなものであり得、したがって複数の実質的に平面状の誘導加熱可能サセプタ要素、管状サセプタ又は粒子状サセプタ材料を含み得る。上記のように、誘導加熱可能サセプタを使用することにより、発泡材料を加熱するための便利で効果的且つエネルギー効率の良い方法が提供される。
【0028】
エアロゾル発生物品は、長尺状であり得、且つ実質的に円筒形であり得る。その円形断面を有するエアロゾル発生物品の円筒形状は、キャビティを画定する螺旋状の誘導コイルを含むエアロゾル発生装置のキャビティへのエアロゾル発生物品の挿入を有利に促進し得る。
【0029】
植物由来のエアロゾル発生材料は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であり得る。エアロゾル発生固体の例示的なタイプとしては、顆粒、ペレット、粉末、細片、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料又はシートが挙げられる。植物由来のエアロゾル発生材料は、タバコを含み得る。
【0030】
植物由来のエアロゾル発生材料は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例は、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物を含む。通常、植物由来のエアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。いくつかの実施形態では、植物由来のエアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで15%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。
【0031】
加熱すると、植物由来のエアロゾル発生材料は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化
合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】エアロゾル発生物品の第1の例の概略断面図である。
図2図1に示すエアロゾル発生物品の第1の例を製造する方法の概略図である。
図3】エアロゾル発生物品の第2の例の概略断面図である。
図4a】異なる構成の誘導加熱可能サセプタを示す、図3のエアロゾル発生物品の第2の例の一部の概略断面図である。
図4b】異なる構成の誘導加熱可能サセプタを示す、図3のエアロゾル発生物品の第2の例の一部の概略断面図である。
図4c】異なる構成の誘導加熱可能サセプタを示す、図3のエアロゾル発生物品の第2の例の一部の概略断面図である。
図4d】異なる構成の誘導加熱可能サセプタを示す、図3のエアロゾル発生物品の第2の例の一部の概略断面図である。
図4e】異なる構成の誘導加熱可能サセプタを示す、図3のエアロゾル発生物品の第2の例の一部の概略断面図である。
図5図3に示すエアロゾル発生物品の第2の例を製造する方法の概略図である。
図6a図4aに示す代替的なサセプタ構成を有する、図3に示すエアロゾル発生物品の第2の例を製造する装置及び方法の概略図である。
図6b-1】図4aに示す代替的なサセプタ構成を有する、図3に示すエアロゾル発生物品の第2の例を製造する装置及び方法の概略図である。
図6b-2】図4aに示す代替的なサセプタ構成を有する、図3に示すエアロゾル発生物品の第2の例を製造する装置及び方法の概略図である。
図7】エアロゾル発生装置と、図3に示すエアロゾル発生物品の第2の例とを含むエアロゾル発生システムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【0034】
まず、図1を参照すると、エアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品1の第1の例が示されており、エアロゾル発生装置の例については、本明細書で後述する。エアロゾル発生物品1は、長尺状であり、実質的に円筒形である。円形断面により、使用者による物品1の取り扱い及びエアロゾル発生装置の加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0035】
エアロゾル発生物品1は、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10を含む。植物由来のエアロゾル発生材料12は、発泡材料を含み、したがって半固体形態を有する。植物由来のエアロゾル発生材料12は、通常、タバコを含み、したがってタバコ発泡体又はタバコムースと呼ばれることもある。
【0036】
植物由来のエアロゾル発生材料12は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。通常、植物由来のエアロゾル発生材料12は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。加熱されると、植物由来のエアロゾル発生材料12は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含む揮発性化合物を放出する。
【0037】
植物由来のエアロゾル発生材料12は、植物由来のエアロゾル発生材料12全体に分散される粒子形態の誘導加熱可能サセプタ14を含む。エアロゾル発生装置での物品1の使用中、粒子状の誘導加熱可能サセプタ14の近傍に時間変化する電磁場が印加されると、
渦電流及び磁気ヒステリシス損失によって粒子状の誘導加熱可能サセプタ14で熱が発生し、この熱は、粒子状サセプタ材料から植物由来のエアロゾル発生材料12に伝達されて、エアロゾル発生材料12を燃焼させることなく加熱し、それにより使用者による吸入のためのエアロゾルを発生させる。粒子状の誘導加熱可能サセプタ14は、通常、植物由来のエアロゾル発生材料12全体に均一に分散され、したがって粒子状サセプタ材料から植物由来のエアロゾル発生材料12に直接的に且つそれによって効率的に熱を伝達することが可能となる。
【0038】
エアロゾル発生物品1は、第1の円筒形材料10と直列に配置された第2の円筒形材料16を含む。第2の円筒形材料16は、セルロースアセテート繊維などのフィルタ材料を含み、エアロゾル発生物品1のマウスピース18を構成し、このマウスピース18を通して、使用者は、エアロゾル発生装置での物品1の使用中に発生したエアロゾルを吸入することができる。
【0039】
例えば、通路22を画定するセルロースアセテート繊維を含む中空体20は、第1及び第2の円筒形材料10、16と直列に、且つ第1の円筒形材料10と第2の円筒形材料16との間、すなわち植物由来のエアロゾル発生材料12とマウスピース18との間に位置決めされる。加熱されたエアロゾルが中空体20内の通路22を通して植物由来のエアロゾル発生材料12からマウスピース18に向かって流れるにつれて、加熱されたエアロゾルは、冷却され且つ凝縮して、マウスピース18を通して使用者が吸入するのに最適な特性(温度を含む)を有するエアロゾルを形成する。
【0040】
図示の実施形態では、第2の材料のさらなる円筒体24は、植物由来のエアロゾル発生材料12の、マウスピース18及び中空体20とは反対の側において第1の円筒形材料10と直列に配置される。したがって、植物由来のエアロゾル発生材料12は、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16と第2の材料のさらなる円筒体24との間に位置決めされ、より具体的には中空体20と第2の材料のさらなる円筒体24との間に直接位置決めされる。
【0041】
エアロゾル発生物品1の構成部品、すなわち植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10、中空体20、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16及び第2の材料のさらなる円筒体24は、通常、包装紙の形態のシート26により包装され、構成部品が互いに直列に一緒に保持されることを確実にする。図示の実施形態では、中空体20及びマウスピース18を構成する第2の円筒形材料16は、2つの構成部品を直列に保持するために、通常、包装紙の形態のシート28により包装されることが分かるであろう。この配置では、シート26は、重なり合う領域におけるシート26の長さの一部に沿ってシート28を取り囲み、それにより物品1の構成部品を互いに直列に保持する。
【0042】
ここで、図2を参照すると、図1に関連して上述したエアロゾル発生物品1を製造する方法の例が示されている。
【0043】
第1のステップ30では、本方法は、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10を発泡材料として提供することを含む。上で説明したように、植物由来のエアロゾル発生材料12は、発泡材料全体に分散された粒子状の誘導加熱可能サセプタ材料14を含み得る。
【0044】
第2のステップ32では、本方法は、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16を、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10と直列に配置することを含む。第2のステップ32の図示の例では、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16と中空体20とが既に直列に配置されており、それらの相対位置を固定するためにシート28により包装されていることに留意されたい。次いで、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10は、中空体20(したがってマウスピース18)と第2の材料のさらなる円筒体24との間に且つ中空体20(したがってマウスピース18)及び第2の材料のさらなる円筒体24と直列に位置決めされる。
【0045】
第3のステップ34では、物品1の構成部品間の隙間が閉鎖され、且つ植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10と第2の材料のさらなる円筒体24との両方がシート26により包装されて、円筒形のエアロゾル発生物品1を形成する。シート26により包装することにより、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10と第2の材料のさらなる円筒体24とが互いに直列に固定され、植物由来のエアロゾル発生材料12を含有する第1の円筒形材料10及び第2の材料のさらなる円筒体24は、シート26及び28の重なり合う領域により、予め包装されたマウスピース18を構成する第2の円筒形材料16及び中空体20にさらに固定される。
【0046】
次に、図3を参照すると、図1及び図2に関連して上述したエアロゾル発生物品1と同様のエアロゾル発生物品2の第2の例が示されており、対応する要素は、同じ参照番号を使用して示されている。
【0047】
エアロゾル発生物品2では、第1の円筒形材料10は、植物由来のエアロゾル発生材料12と第3の材料42とで満たされた円筒形カップ40を含む。この例では、植物由来のエアロゾル発生材料12は、通常、固体又は半固体の材料である。好適なエアロゾル形成固体の例としては、粉末、シュレッド、ストランド、多孔質材料、発泡材料及びシートが挙げられる。植物由来のエアロゾル発生材料12は、上述のように、エアロゾル形成剤を含み、通常、タバコを含む。
【0048】
円筒形カップ40は、通常、紙カップ、例えば成形紙カップである。図5で最も良く分かるように、円筒形カップ40は、開放端44と、実質的に円形の底壁48により画定された閉鎖端46と、実質的に円筒形の側壁50とを有する。底壁48は、空気透過性であり、図示の実施形態では複数の開口又は孔52を含む。
【0049】
第3の材料42は、誘導加熱可能サセプタ14を含む。図3の実施形態では、誘導加熱可能サセプタ14は、円筒形カップ40の長さに沿って開放端44と閉鎖端46との間に完全に延びる管状の誘導加熱可能サセプタ54である。植物由来のエアロゾル発生材料12は、管状の誘導加熱可能サセプタ54の内側及び外側の両方に配置される。エアロゾル発生装置での物品2の使用中、管状の誘導加熱可能サセプタ54の近傍に時間変化する電磁場が印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失によって管状の誘導加熱可能サセプタ54で熱が発生し、この熱は、管状の誘導加熱可能サセプタ54から植物由来のエアロゾル発生材料12に伝達されて、植物由来のエアロゾル発生材料12を燃焼させることなく加熱し、それにより使用者による吸入のためのエアロゾルを発生させる。管状の誘導加熱可能サセプタ54は、実質的にその全体の内側面及び外側面にわたって植物由来のエアロゾル発生材料12と接触しており、したがって管状の誘導加熱可能サセプタ54から植物由来のエアロゾル発生材料12に直接的に且つそれによって効率的に熱を伝達することが可能となる。
【0050】
図4a~図4eは、異なる構成の誘導加熱可能サセプタ14を有する円筒形カップ40の概略図である。
【0051】
図4aの例では、誘導加熱可能サセプタ14は、ディスク又はリング56などの複数の実質的に平面状のサセプタ要素56を含み、これらのサセプタ要素56は、円筒形カップ
40の内側に同軸に配置され、開放端44と閉鎖端46との間に軸方向に離間して配置される。
【0052】
図4bの例では、誘導加熱可能サセプタ14は、図3に関連して上述した管状サセプタ54と同様であるが、円筒形カップ40の長さに沿って開放端44と閉鎖端46との間の途中までのみ延びる管状サセプタ58を含む。
【0053】
図4cの例では、誘導加熱可能サセプタ14は、植物由来のエアロゾル発生材料12全体に分散される粒子状サセプタ材料60を含む。円筒形カップ40は、例えば、植物由来のエアロゾル発生材料12と粒子状サセプタ材料60との混合物を収容し得る。
【0054】
図4dの例では、誘導加熱可能サセプタ14は、針状又は板状サセプタ62が開放端44と閉鎖端46との間に延びるように円筒形カップ40内に軸方向に配置される針状又は板状サセプタ62を含む。
【0055】
図4eの例では、誘導加熱可能サセプタ14は、植物由来のエアロゾル発生材料12全体に分散される複数のサセプタストリップ又はプレート64を含む。
【0056】
図3及び図4a~図4eに関連して上述した誘導加熱可能サセプタ14の構成は、単なる例として与えられていることと、及び当業者に明らかな他の構成が完全に本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。
【0057】
再び図3を参照すると、円筒形カップ40は、植物由来のエアロゾル発生材料12及び誘導加熱可能な管状サセプタ54をカップ40の内側に保持するために、開放端44に空気透過性蓋体66を含む。円筒形カップ40は、蓋体66が中空体20に隣接して位置決めされた状態で、中空体20及びマウスピース18を構成する第2の円筒形材料16と直列に位置決めされる。円筒形カップ40、中空体20及びマウスピース18を構成する第2の円筒形材料16は、通常、包装紙の形態のシート68により包装される。当業者であれば、植物由来のエアロゾル発生材料12を加熱すると発生するエアロゾルが、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品2の使用中に円筒形カップ40から通路22に沿ってマウスピース18を通して流れることができるように、蓋体66が空気透過性である必要があることを理解するであろう。
【0058】
ここで、図5を参照すると、図3に関連して上述したエアロゾル発生物品2を製造する方法の例が示されている。
【0059】
第1のステップ70及び第2のステップ72では、上述のような円筒形カップ40が提供され、植物由来のエアロゾル発生材料12と、第3の材料42、すなわち誘導加熱可能な管状サセプタ54とで満たされる。第3のステップ74では、円筒形カップ40の開放端44は、植物由来のエアロゾル発生材料12及び管状サセプタ54が、その向きにかかわらず、円筒形カップ40の内側に保持されることを確実にするために、空気透過性蓋体66で閉鎖される。
【0060】
第4のステップ76では、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16は、空気透過性蓋体66が中空体20に隣接して位置決めされた状態で円筒形カップ40と直列に配置される。第4のステップ76の図示の例では、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16と中空体20とが既に直列に配置されており、それらの相対位置を固定するためにシート28により包装されていることに留意されたい。
【0061】
第5のステップ78では、円筒形カップ40並びに予め包装された中空体20及び第2
の円筒形材料16(マウスピース18)は、シート68により包装され、互いに対して直列に固定されて、円筒形のエアロゾル発生物品2を形成する。シート68は、円筒形カップ40の側壁50の外側面に沿って、空気透過性蓋体66によってシールされた端部から閉鎖端46に向かって途中までのみ延びることに留意されたい。これは、エアロゾル発生物品2の構成部品を一緒に固定するのに十分であるが、他の実施形態では、シート68は、円筒形カップ40の側壁50の外側面に沿って、閉鎖端46に向かってさらに且つ場合により完全に延びることができる。
【0062】
ここで、図6a及び図6b-1、2を参照すると、図4aに関連して上述した代替的なサセプタ構成を有する、図3に関連して上述したエアロゾル発生物品2の第2の例を製造する装置及び方法が概略的に示されている。この装置及び方法は、特に、エアロゾル発生物品2の大量生産に好適である。
【0063】
まず、図6aを参照すると、装置は、上述のように円筒形カップ40を受け取るための複数の凹部82を有する回転台80(図6aに平面図で示す)を含む。回転台80は、通常、モータにより、図6aの矢印で示すように反時計方向に割り出され、したがって、各凹部は、異なる回転位置に割り出される。図6aの回転台80の動作について、参照番号82a~82jで示す異なる割り出し位置における単一の凹部82内に収容された単一の円筒形カップ40との関連で説明する。当然ながら、図示の実施形態では、複数の円筒形カップ40が、通常、回転台80を使用して同時に準備されるように、隣接する各凹部は、通常、異なる準備段階における円筒形カップ40を含むことが理解されるであろう。
【0064】
植物由来のエアロゾル発生材料12と誘導加熱可能サセプタディスク/リング56とで満たされた円筒形カップ40を準備するために、空の円筒形カップ40は、まず、位置82aにおける凹部82内に位置する。次いで、回転台80は、植物由来のエアロゾル発生材料12の第1の層が円筒形カップ40内に位置決めされる位置82bに反時計方向に割り出される。その後、回転台80は、第1の誘導加熱可能サセプタディスク/リング56が植物由来のエアロゾル発生材料12の予め堆積された第1の層上に位置決めされる位置82cに反時計方向に割り出される。回転台80の反時計方向へのさらなる割り出し回転により、植物由来のエアロゾル発生材料12のさらなる層及びさらなる誘導加熱可能サセプタディスク/リング56を円筒形カップ40内に連続して位置決めすることが可能となり、位置82dでは、植物由来のエアロゾル発生材料12の第2の層がカップ40内に位置決めされ、位置82eでは、第2の誘導加熱可能ディスク/リング56が、カップ40内において、植物由来のエアロゾル発生材料12の予め堆積された第2の層上に位置決めされ、位置82fでは、植物由来のエアロゾル発生材料12の第3の層がカップ40内に位置決めされ、位置82gでは、第3の誘導加熱可能ディスク/リング56が、カップ40内において、植物由来のエアロゾル発生材料12の予め堆積された第3の層上に位置決めされ、且つ位置82hでは、植物由来のエアロゾル発生材料12の第4の最終層が、カップ40を完全に満たすようにカップ40内に位置決めされる。
【0065】
円筒形カップ40の準備を完了する目的で、回転台80は、植物由来のエアロゾル発生材料12及び誘導加熱可能ディスク/リング56がカップ40内に保持されることを確実にするために空気透過性蓋体66がカップ40の開放端44に位置決めされる位置82iにカップ40を移動させるように再び反時計方向に割り出される。最後に、回転台80は、準備されたカップ40が、図6b-1、2に示すように複数のドラム84a~84gに移送される位置82jにカップを移動させるように反時計方向に割り出される。各ドラム84a~gは、複数の軸方向に延び且つ周方向に配置された溝を各ドラム84a~gの外側面の周囲に含み、且つドラム84a~gは、複数のエアロゾル発生物品2を大量生産するために、上述した様々な構成要素を組み立てるように配置される。
【0066】
より詳細には、ステップ1では、第1のドラム84aの各溝は、別個の回転台80上の位置82jにおける凹部82から、軸方向に離間した2つのカップ40を受け取る。軸方向に離間したカップ40は、第1のドラム84a及び第2のドラム84bが回転すると、第1のドラム84aから第2のドラム84bに移送される。第3のドラム84cの溝のそれぞれは、上述のような第2の円筒形材料16と、ステップ2において第2の円筒形材料16の片側に位置決めされた中空体20とを受け取る。第2の円筒形材料16及び中空体20は、これらを互いに対して直列に固定するためにシート28により予め包装されている。
【0067】
第2のドラム84b及び第3のドラム84cは、包装された第2の円筒形材料16及び中空体20が第3のドラム84cの各溝から第2のドラム84bの溝内に移送され、これにより2つのカップ40間の包装された第2の円筒形材料16及び中空体20を第3のドラム84cの溝から第2のドラム84bの溝内に位置決めして、ステップ3で示すような部分的に組み立てられた物品を形成するように配置される。部分的に組み立てられた物品が第2のドラム84b及び第4の84dにより移送されると、円筒形カップ40は、ステップ4において、隣接する中空体20に向けて押されて中空体20に接触する。
【0068】
ステップ5では、部分的に組み立てられた物品は、それぞれ第5のドラム84eの溝内に移送され、第6のドラム84fにより供給される個々のシート68により包装される。カップ40は、シート68により包装されるときに押圧され、したがって、紙カップ40の使用は、カップ40が破損することなく変形できるために特に有利である。
【0069】
部分的に組み立てられた物品は、最終的に、ステップ6において、第2の円筒形材料16を略中間点で切断するためにカッター86が使用される第7のドラム84gにより移送される。これにより、第2の円筒形材料16が各物品2に対してマウスピース18の機能を果たす2つのエアロゾル発生物品2が製造される。
【0070】
ここで、図7を参照すると、吸入されるエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生システム90が示されている。エアロゾル発生システム90は、エアロゾル発生装置92を含む。エアロゾル発生装置92は、筺体94と、電源96と、高周波数で動作するように構成され得る制御回路98とを含む。電源96は、通常、例えば誘導充電式であり得る1つ又は複数のバッテリを含む。エアロゾル発生装置92は、空気入口100も含む。
【0071】
エアロゾル発生装置92は、植物由来のエアロゾル発生材料12を加熱するための誘導加熱アセンブリ102を含む。誘導加熱アセンブリ102は、略円筒形の加熱コンパートメント104を含み、略円筒形の加熱コンパートメント104は、本開示の態様による対応する形状の略円筒形のエアロゾル発生物品を受け入れるように配置される。
【0072】
図7は、加熱コンパートメント104内に位置決めされたエアロゾル発生物品3の第3の例を示す。エアロゾル発生物品3は、図3に関連して上述したエアロゾル発生物品2と同様であり、図1に示すような第2の材料16のさらなる円筒体24を追加的に含む。第2の材料16のさらなる円筒体24は、空気入口100を通して円筒形カップ40の円形底壁48の表面を横切って加熱コンパートメント104に流入する空気の均一な分散をもたらす。
【0073】
加熱コンパートメント104及びエアロゾル発生物品3は、マウスピース18を構成する第2の円筒形材料16が加熱コンパートメント104から突出するように配置され、これにより、使用者が自身の唇をマウスピース18に係合させて、システム90の動作中に発生したエアロゾルを吸入することができる。
【0074】
誘導加熱アセンブリ102は、螺旋状の誘導コイル106を含む。螺旋状の誘導コイル106は、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部とを有し、円筒形の加熱コンパートメント104の周りに延び、電源96及び制御回路98によって励磁され得る。したがって、誘導コイル106は、加熱コンパートメント104の形態の空洞を画定し、この空洞内にエアロゾル発生物品3が位置決めされる。加熱コンパートメント104とエアロゾル発生物品3とは、各々の長手方向軸線をそれぞれ有し、この長手方向軸線は、エアロゾル発生物品3が加熱コンパートメント104の内側に位置決めされると、互いに実質的に整列することに留意されたい。
【0075】
制御回路98は、電子部品の中でもとりわけ、電源96からの直流を誘導コイル106のための交流高周波電流に変換するように配置されたインバータを含む。当業者であれば理解するように、誘導コイル106が交流高周波電流によって励磁されると、交流の時間変動電磁場が生成される。この電磁場は、誘導加熱可能な管状サセプタ54と結合し、誘導加熱可能な管状サセプタ54内に渦電流及び/又は磁気ヒステリシス損失を発生させ、サセプタを発熱させる。次に、熱は、例えば、伝導、放射及び対流により管状サセプタ54から植物由来のエアロゾル発生材料12に伝達されて、植物由来のエアロゾル発生材料12を燃焼させることなく加熱し、それによってエアロゾルを生成する。植物由来のエアロゾル発生材料12のエアロゾル化は、空気入口100を通して周囲環境から空気を加えることによって促進される。植物由来のエアロゾル発生材料12を加熱することにより発生したエアロゾルは、空気透過性蓋体66を通して、通路22に沿って、マウスピース18を通して流れ、マウスピース18では、エアロゾルは、通常、システム90の使用者により吸入される。
【0076】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な修正形態がなされ得ることが理解されるべきである。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0077】
本明細書で特段の断りのない限り又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせが本開示によって包含される。
【0078】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6a
図6b-1】
図6b-2】
図7