(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】高寿命非接触式ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/08 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
F04B43/08 A
(21)【出願番号】P 2023545958
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2021019382
(87)【国際公開番号】W WO2022164034
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0012467
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523284756
【氏名又は名称】朴 明哲
【氏名又は名称原語表記】PARK, Myoung Chul
【住所又は居所原語表記】2507-104, 20, Dongtan-daero 10-gil, Hwaseong-si, Gyeonggi-do 18496 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 明哲
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特公昭49-013526(JP,B1)
【文献】特開2005-155676(JP,A)
【文献】特開昭62-186077(JP,A)
【文献】国際公開第2016/006648(WO,A1)
【文献】特開平11-214489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/08
F16J 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に形成された入口
(103
)と出口
(105
)とに沿い、ポンピング作業を介し、流体を流入/排出させるが、前記入口
(103
)に沿って流体が流入するとき、出口
(105
)側に具備され、排出された流体の逆流を防止する出口弁
(120
)と、前記出口
(105
)に沿って流体が排出されるとき、入口
(103
)側に具備され、流体の流入を防止する入口弁
(110
)と、を含み、流入される流体が収容される所定のポンピング空間
(101
)を有するポンプシリンダ
(100
)と、
前記ポンプシリンダ
(100
)のポンピング空間
(101
)に具備され、前記入口
(103
)及び出口
(105
)に沿って流入/排出される流体をポンピングすることができるように、ポンピング空間
(101
)の体積を可変するベローズ
(200
)と、
前記ベローズ
(200
)の一端部を終結させ、前記ベローズ
(200
)と共に遊動するピストン
(410
)と、
前記ピストン
(410
)に一体に連結され、前記ポンプシリンダ
(100
)の外側に延長され、前記ピストン
(410
)の遊動と共に往復作動し、ベローズ
(200
)を伸縮可変させる往復ロッド
(420
)と、
前記ポンプシリンダ
(100
)の一部を終結させ、前記ベローズ
(200
)の他端部を固定し、前記往復ロッド
(420
)が貫通するシリンダカバー
(300
)と、
前記シリンダカバー
(300
)の外側に具備され、連結された往復ロッド
(420
)に沿い、前記ピストン
(410
)を往復駆動させる往復駆動部
(400
)と、を含んで構成され、
前記ベローズ(200)の内部には真空空間(201)が形成されており、この真空空間(201)は、前記シリンダカバー(300)に形成された真空ライン(310)を介して前記ベローズ(200)の内部を排気することにより維持されることを特徴とする高寿命非接触式ポンプ。
【請求項2】
前記ベローズ
(200
)は、
ゴムによってなり、伸縮自在に体積を可変させ、内部に真空空間
(201
)を有する第1ベローズ管
(200a
)と、
前記第1ベローズ管
(200a
)の反復的な体積可変に堅固性を維持するように、前記第1ベローズ管
(200a
)の外側に形成され、金属薄板によってなる第2ベローズ管
(200b
)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の高寿命非接触式ポンプ。
【請求項3】
前記シリンダカバー
(300
)には、前記真空空間
(201
)に侵入した流体を排出するドレインホール
(320
)が形成され、
前記ドレインホール
(320
)には、前記真空空間
(201
)に侵入した流体を外部から確認し、侵入流体を除去することができるように、ドレインホール
(320
)に結合され、前記ベローズ
(200
)の破損時、真空空間
(201
)に侵入する流体を感知するリークセンサ
(330
)がさらに具備されることを特徴とする請求項1に記載の高寿命非接触式ポンプ。
【請求項4】
前記ポンプシリンダ
(100
)のいずれか一ヵ所には、
前記ベローズ
(200
)のポンピングにより、前記ポンピング空間
(101
)に流入/排出される流体の温度を感知する温度センサ
(130
)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高寿命非接触式ポンプ。
【請求項5】
前記ポンプシリンダ
(100
)のいずれか一ヵ所には、
前記ベローズ
(200
)のポンピングにより、前記ポンピング空間
(101
)に流入/排出される流体の圧力を感知する圧力センサ
(140
)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高寿命非接触式ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式ポンプに係り、さらに具体的には、部品の摩擦なしに、ポンピング作動による気密維持、及び摩擦による流体の異物発生を防止し、消耗品の交替寿命改善及び交替コスト節減を行い、装備の稼動率上昇及び既存に比べて消耗品交替が容易であり、多様な産業分野に適用効果を期待することができる高寿命非接触式ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、
図1に図示されているように、ピストン往復型ポンプは、ポンプ内部に液体が流入する入口、入口において、液体の逆流を防止する入口弁1と、ポンプ内部から液体が排出されうる出口、出口において、液体の逆流を防止する出口弁2と、ポンプ内部に液体を入れることができる空間を形成するポンプシリンダ3と、ポンプシリンダ3内部に液体が出入りするように空間を増大・縮小させるピストン4と、ポンプシリンダ3とピストン4との間において、液体が流出されないように密封するシーリング部材5と、密封ガイド6と、シーリング部材5の摩耗を減らすことができるように、液体を注入する液体注入筒7と、ピストン4が往復動を行うことができるポンピング駆動部8と、によって構成されている。
【0003】
ポンプシリンダ3内部の体積が増大する場合、入口弁1を介し、当該液体がポンプ内部に進入し、ポンプシリンダ3内部の体積が縮小される場合、出口弁2を介し、当該液体がポンプ外部に排出される構造である。
【0004】
既存ピストン往復型ポンプの場合、ピストン4とポンプシリンダ3との往復動及び摩擦により、気密用に使用された材質が摩耗され、一定回数の動作後、消耗品に交替しなければならない。
【0005】
従って、装備の製品生産能が向上され、動作回数が増加するにつれ、関連消耗品交替周期がだんだんと短くなっている。装備の生産能により、短くは、1~2週当たり1回周期で消耗品を交替させる生産ラインもある。
【0006】
言い換えれば、ピストン往復型ポンプのように、ポンプシリンダ3とピストン4との間に液体が流出されないように密封し、シーリング部材5が摩擦しながら、ピストン4が往復動を行う構造においては、ピストン4とシーリング部材5とが摩擦する面をさらに滑らかにするか、あるいはシーリング部材5につき、摩擦力と摩耗とが少ない材質を選定し、消耗品の交替周期を延長させなければならない。
【0007】
しかしながら、接触面の加工と、シーリング部材5の変更途によっては、材質摩擦動作を行う構造において、消耗品の寿命を数倍以上延長させるのに限界がある。
【0008】
また、交替時期が短くなるにつれ、装備の稼動を中断させ、作業者が頻繁に消耗品を交替させる周期が早くなり、製造会社の消耗品コストや、装備の稼動中断時間や、人件費の増大のように、製造会社に損失が生じるという問題点がある。
【0009】
そして、消耗品交替時に分解すれば、部品シーリング部材5と、密封ガイド6と、液体注入筒7とに潤滑剤を注入する作業のように、交替及び作業を行わなければならない部品が多く、シーリング部材5と密封ガイド6との組み立て作業において、シーリング部材5が損傷されたり、正位置に密着組み立てがなされなかったりする場合、作業者の作業熟練度によって異なるので、交替及び維持補修の容易性に欠けるという問題点がある。
【0010】
特に、大韓民国登録特許公報第10-1449047号は、ベローズ材質を樹脂材質として適用するにおき、外部圧力による、ベローズのはなはだしい変形を防ぐために、ベローズ内に、圧力維持のために油のような液体によってなる非圧縮性間接媒体を含んでいる。
【0011】
すなわち、少量の流体をポンピングする構造において、樹脂系の流体の使用におき、流体の圧縮時に変形が生じ、それを補完するために、非圧縮性媒体を48時間充填しなければならない。
【0012】
また、ベローズ内部に非圧縮性間接媒体を適用するために、複雑な構造の構成が必要であるので、製作によるコストが増大され、製品の価格が上昇していたという問題点がある。
【0013】
そして、ピストン往復型ポンプは、往復動作時、密封材質の摩擦により、異物が発生し、その異物が流体に流入されうる短所があり、医療用液体、または純度維持のための化学流体のような液体ポンピングには、不合理な構造でもある。
【0014】
従って、既存バッテリ製造工程の生産能向上により、関連装備の消耗品交替周期が短くなり、装備の稼動を中断し、消耗品を交替させなければならない周期が短くなっており、それに対応する製品を必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述の問題点を解決するために、本発明は、ベローズを適用したポンプ構造を提案し、部品の摩擦なしに、ポンピング作動による気密を維持し、摩擦による流体の異物発生を防止し、消耗品の交替寿命を改善させ、交替コストを節減し、装備の稼動率が上昇され、既存に比べ、消耗品交替が容易であり、多様な産業分野に適用効果を期待することができる高寿命非接触式ポンプを提供するところに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述の目的を達成するために、本発明は、両側に形成された入口と出口とに沿い、ポンピング作業を介して流体を流入/排出させるものの、前記入口に沿って流体が流入するとき、出口側に具備されて排出された流体の逆流を防止する出口弁と、前記出口に沿って流体が排出されるとき、入口側に具備されて流体の流入を防止する入口弁と、を含み、流入される流体が収容される所定のポンピング空間を有するポンプシリンダと、前記ポンプシリンダのポンピング空間に具備され、前記入口及び前記出口に沿って流入/排出される流体をポンピングすることができるように、ポンピング空間の体積を可変するベローズと、前記ベローズの一端部を終結させ、前記ベローズと共に遊動するピストンと、前記ピストンに一体に連結され、前記ポンプシリンダの外側に延長され、前記ピストンの遊動と共に往復作動し、ベローズを伸縮可変させる往復ロッドと、前記ポンプシリンダの一部を終結させ、前記ベローズの他端部を固定し、前記往復ロッドが貫通するシリンダカバーと、前記シリンダカバーの外側に具備され、連結された往復ロッドに沿い、前記ピストンを往復駆動させる往復駆動部と、を含むことを特徴とする高寿命非接触式ポンプを提供する。
【0017】
ここで、前記ベローズは、ゴムによってなり、伸縮自在に体積を可変させ、内部に真空空間を有する第1ベローズ管と、前記第1ベローズ管の反復的な体積可変に堅固性を維持するように、前記第1ベローズ管の外側に形成され、金属薄板によってなる第2ベローズ管と、を含むことを特徴とする。
【0018】
そして、前記シリンダカバーには、前記ベローズの内部に形成された真空空間に、真空を形成する真空ラインをさらに形成することを特徴とする。
【0019】
なお、前記シリンダカバーのドレインホールには、前記真空空間に侵入した流体を外部から確認し、侵入流体を除去することができるように、ドレインホールに結合され、ベローズの破損時、真空空間に侵入する流体を感知するリークセンサがさらに具備されることを特徴とする。
【0020】
なお、前記ポンプシリンダのいずれか一ヵ所には、前記ベローズのポンピングにより、前記ポンピング空間に流入/排出される流体の温度を感知する温度センサをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
なお、前記ポンプシリンダのいずれか一ヵ所には、前記ベローズのポンピングにより、前記ポンピング空間に流入/排出される流体の圧力を感知する圧力センサをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
前述のところのように構成された本発明を提供することにより、以下のような効果を期待することができる。
【0023】
第一に、ポンピング動作を行うにおいて、気密を維持する部品の摩擦なしに、金属ベローズを利用し、収縮膨脹のポンピング動作を行う構造が改善され、既存製品の一週または数週ごとに交替させる消耗品交替周期を、数ヵ月ごとに交替させるように、消耗品交替寿命を改善させる効果がある
【0024】
第二に、既存において、短い消耗品交替周期を補完し、不都合事項を解決し、消耗品交替による損失コストを節減させ、装備の稼動率を高める効果がある。
【0025】
第三に、既存ポンプに比べ、交替数量が少なく、交替方法が簡単であり、容易に交替させることができる。
【0026】
第四に、バッテリ製造以外に、半導体、ディスプレイ、化学物質のような多様な産業分野に容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】既存ピストン往復型ポンプを示す構成図である。
【
図2】本発明による高寿命非接触式ポンプを示す構成図である。
【
図3】本発明による高寿命非接触式ポンプを示す作動状態図である。
【
図4】本発明による高寿命非接触式ポンプを示す作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の特異な観点、特定の技術的特徴は、添付図面と、関連する以下の具体的な内容と、実施形態とから、さらに明白になるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一構成要素については、たとえ他の図面上に表示されているにしても、可能な限り、同一符号を有させていることに留意しなければならない。
【0029】
また、本発明の実施例の説明するにおき、関連する公知構成または機能に係わる具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にしうると判断される場合には、その詳細な説明は、省略する。
【0030】
また、本発明の構成要素の説明にあたり、用語は、その構成要素を、他の構成要素と区別するためのものであるのみ、その用語により、当該構成要素の本質や、順番または順序などが限定されるものではない。ある構成要素が、他の構成要素に、「連結」、「結合」または「接続」がなされると記載された場合、その構成要素は、該他構成要素に、直接に連結されたり接続されたりしうるが、それぞれの構成要素間において、さらに他の構成要素が、「連結」、「結合」または「接続」がなされうると理解されなければならないのである。
【0031】
以下、本発明の実施形態について、添付図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。
【0032】
本発明の高寿命非接触式ポンプは、
図2ないし
図4に図示されているように、バッテリに、流体(電解液またはバッテリ液)を注入するポンプシリンダ100、前記ポンプシリンダ100の内部に具備され、伸縮を介してポンピング作動するベローズ200、前記ベローズ200をポンピング作動させる往復駆動部400、並びにポンプシリンダ100及びベローズ200を終結させ、バッテリ液の漏れを防止するシリンダカバー300を含んで構成されうる。
【0033】
ポンプシリンダ100は、流体を流入させるものの、流体の逆流を防止する入口弁110を有する入口103、及び流体を流出させるものの、流体の逆流を防止する出口弁120を有する出口105が両側に形成され、流体が収容される所定のポンピング空間101を有する。
【0034】
言い換えれば、ポンプシリンダ100は、両側に形成された入口103と出口105とに沿い、ポンピング作業を介して流体を流入/排出させるものの、入口103に沿って流体が流入するとき、出口105側に具備され、排出された流体の逆流を防止する出口弁120と、出口105に沿って流体が排出されるとき、入口103側に具備され、流体の流入を防止する入口弁110と、を含み、流入される流体が収容される所定のポンピング空間101を有するシリンダと、によってなることが望ましい。
【0035】
そして、ベローズ200は、ポンプシリンダ100のポンピング空間101に具備され、入口103及び出口105を介して流入/排出される流体をポンピングすることができるように、ポンピング空間101の体積を可変させることができる。
【0036】
すなわち、ベローズ200は、ゴムによってなり、伸縮自在に体積を可変させ、内部に真空空間201を有する第1ベローズ管200aを構成し、第1ベローズ管200aの反復的な体積可変に堅固性を維持させるように、前記第1ベローズ管200aの外側に形成され、金属薄板によってなる第2ベローズ管200bを含むものでもある。
【0037】
なお、第2ベローズ管200bが金属によってなるが、伸縮性を有し、第1ベローズ管200aのような気密性能を有した材質に代替が可能であるならば、第2ベローズ管200bだけでもって、ベローズ200を構成しうる。
【0038】
このとき、ポンピング空間101の十分な体積可変と、反復動作によるストレスを最小化させるために、金属薄板溶接ベローズを適用した第2ベローズ管200bは、流体の十分な体積と反復寿命との効果を高めることができる。
【0039】
このとき、ベローズ200は、ポンピング空間101に伸縮具備される第2ベローズ管200bと、第2ベローズ管200bの一端部を終結させるピストン410と、第2ベローズ管200bの他端部を終結させると共に、シリンダカバー300の内側に固設される固定フランジ210と、を含むことが望ましい。
【0040】
すなわち、ピストン410は、前記ベローズ200の一端部を終結させ、前記ベローズ200と共に遊動可能である。
【0041】
そして、往復ロッド420は、前記ピストン410に一体に連結され、前記ポンプシリンダ100の外側に延長され、前記ピストン410の遊動と共に往復作動し、ベローズ200を伸縮可変させることができる。
【0042】
シリンダカバー300は、ポンプシリンダ100の一部を終結させ、ベローズ200の他端部を固定し、往復ロッド420が貫通して構成されうる。
【0043】
このとき、シリンダカバー300には、前記ベローズ200の内部に形成された真空空間201に真空を形成する真空ライン310がさらに形成されることが望ましい。
【0044】
そして、往復駆動部400は、シリンダカバー300の外側に具備され、連結された往復ロッド420に沿い、ピストン410を往復駆動させることができる。
【0045】
なお、ベローズ200のピストン410と、往復駆動部400との間には、往復ロッド420が連結され、ベローズ200のピストン410に一端が固定され、ベローズ200の伸縮可変を作動させることができる。
【0046】
そして、往復駆動部400は、シリンダカバー300の外側に結合され、往復ロッド420を連結し、ピストン410を往復駆動させることができる。
【0047】
なお、ポンプシリンダ100のいずれか一ヵ所には、ポンピング空間101に流入/排出される流体の温度を感知する温度センサ130が含まれるものでもある。
【0048】
最後に、ポンプシリンダ100のいずれか一ヵ所には、ポンピング空間101に流入/排出される流体の圧力を感知する圧力センサ140が含まれるものでもある。
【0049】
すなわち、ポンプシリンダ100のポンピング空間101に流体が流入する入口103と、この入口103において、流体の逆流を防止する入口弁110とが一側に提供され、ポンプシリンダ100のポンピング空間101から流体が排出されうる出口105と、この出口105において、流体の逆流を防止する出口弁120とが一側に形成され、流体をバッテリに持続的にポンピングを提供しうる。
【0050】
ポンプシリンダ100のポンピング空間101に流体が出入りすることができるように伸縮可変されるベローズ200が提供され、前記ベローズ200の真空空間201に真空を形成するために、ベローズ200内部と、シリンダカバー300の外部とを一定サイズのホールで連結されている真空ライン310が形成される。
【0051】
なお、シリンダカバー300の中央には、往復ロッド420にブッシングで結合され、ベローズ200のポンピング作動時、往復ロッド420の精密往復を案内するロッドガイド220がさらに具備されうる。
【0052】
ここで、ベローズ200のピストン410に固定され、ベローズ200の収縮膨脹のために往復駆動される往復ロッド420が順次に構成され、往復ロッド420が精密に往復されるように案内するロッドガイド220が、シリンダカバー300の中央に具備される。
【0053】
従って、ベローズ200の寿命が尽きて破損された場合、ベローズ200の真空空間201に漏れた流体を感知するために、リークセンサ330が具備されうる。
【0054】
ここで、リークセンサ330は、ベローズ200の破損時、真空空間201に侵入する流体を排出させるドレインホール320を終結させ、リークセンサ330の感知信号により、真空空間201から流体を除去するように、シリンダカバー300のドレインホール320に具備されうる。
【0055】
なお、温度センサ130は、ポンピングする流体の温度が変わる場合、流体の密度変化による排出体積が変化されるので、流体の温度を感知し、アラームを送ったり、体積変化を補正したりすることができる。
【0056】
なお、圧力センサ140は、ポンプシリンダ100の内部流体に対する吸入時及び排出時、圧力を測定して管理し、流体の吸入時及び排出時、最適のポンピングコンディションを管理しうる。
【0057】
ベローズ200とロッドガイド220と往復駆動部400とを結合するシリンダカバー300、ポンプシリンダ100とベローズ200とシリンダカバー300との気密のために組み立てられるシーリング部材240を提案しうる。
【0058】
ここで、シーリング部材240は、ポンプシリンダ100と固定フランジ210との間に具備される第1シーリング241と、固定フランジ210とシリンダカバー300との間に具備される第2シーリング243と、シリンダカバー300と往復ロッド420との間に具備される第3シーリング245と、によってもなる。
【0059】
前述のように構成された本発明の高寿命非接触式ポンプの場合、次のような構造及び連結関係について説明する。
【0060】
まず、ポンプシリンダ100とベローズ200との間のポンピング空間101には、流体が満たされている。
【0061】
従って、流体は、入口弁110を介し、ポンプシリンダ100内部に入り、出口弁120を介して排出され、当該流体をベローズ200がポンピングしうる。
【0062】
ここで、入口弁110及び出口弁120は、流体の逆流を防止するために、チェック弁(逆止弁)を内蔵することが望ましい。
【0063】
ポンプシリンダ100と、ベローズ200及びシリンダカバー300との間においては、シーリング部材240により、結合部分の気密を維持し、流体の漏れを防止しうる。
【0064】
ベローズ200の真空空間201には、真空ライン310が連結され、一定真空状態を常時維持し、往復駆動部400の駆動において、往復ロッド420が前進位置である場合、ピストン410は、入口弁110と出口弁120との側方向に位置される。
【0065】
このとき、ベローズ200のピストン410が最大前進状態において、ベローズ200は、最大に延び、ポンプシリンダ100のポンピング空間101が最小体積を有する。
【0066】
一方、流体の流入前、待機状態において、往復駆動部400の駆動により、往復ロッド420が後進する場合、ベローズ200のピストン410は、入口弁110と出口弁120とに対して遠方方向に後進動作が始まりながら、入口弁110を開通させ、ポンプシリンダ100内部に流体が流入される。
【0067】
後進動作が終われば、入口弁110は、閉じながら、ベローズ200のピストン410が最も後進されている状態において、ベローズ200が最小に縮小されている状態で、ポンプシリンダ100のポンピング空間101は、最大の体積空間を形成する。
【0068】
なお、流体流入動作を完了した状態において、流体排出前、待機状態において、往復駆動部400により、往復ロッド420が前進する場合、ベローズ200のピストン410は、入口弁110及び出口弁120と近方方向に進むことになり、前進動作が始まれば、出口弁120が開かれながら、ポンプシリンダ100のポンピング空間101から流体が出口弁120を介して排出される。
【0069】
このとき、前進動作が終われば、ポンプ出口弁120は、閉鎖状態を維持することになり、流体が排出完了した後、復帰することになる。
【0070】
本発明の高寿命非接触式ポンプは、往復駆動部400の動作により、流体排出前の待機状態と、流体流入前の待機状態とを反復して往復動作し、当該流体をポンピングしうる。
【0071】
なお、ベローズ200の真空空間201の場合、真空状態を維持することにより、シリンダカバー300の下部には、一方が密封されているリークセンサ330が設けられている。
【0072】
なお、ベローズ200は、伸縮可変動作を反復しながら、ベローズ200の金属板に疲労が累積しうる。
【0073】
このとき、ベローズ200の金属板に疲労が累積し、寿命が尽いた場合、金属板を溶接されたところ、または疲労が累積したところに間隙が生じ、真空状態のポンプシリンダ100のポンピング空間101に流体が漏れたとしても、ベローズ200の金属板に間隙が生じ始め、少量の流体が漏れ始めれば、ベローズ200真空空間201の下部に流体が満たされ始め、ドレインホール320に漏れた流体が満たされる。
【0074】
一方、ドレインホール320に流体が満たされれば、リークセンサ330により、ベローズ200に間隙が生じてもチェックし、装備にアラームを送り、ベローズ200破損による装備破損を防止すると共に、消耗品の交替時期を知らせることができる。
【0075】
流体の排出定量は、ベローズ200の前進位置と後進位置において、ポンプシリンダ100のポンピング空間101の体積変化によって供給量を決定することができる。
【0076】
なお、流体の温度変化により、流体の密度が変化され、同じ体積基準でもって排出重量が変化することを確認することができ、温度条件の変化により、流体の密度が変化された体積の重量ほど補正するか、あるいは温度変化に対するアラーム設定機能があれば、製品の品質を高めることができる。
【0077】
また、ポンプシリンダ100のポンピング空間101における流体の温度を測定することができる温度センサ130を含み、満たされる流体の温度を測定し、温度変化による体積の変化量を計算し、ベローズ200の往復駆動量を補償制御することができ、装備の温度変化を感知し、危険状況を把握しうる。
【0078】
なお、圧力センサ140は、ポンプシリンダ100の内部流体に対する吸入時及び排出時、圧力を測定して管理し、流体の吸入時及び排出時、最適のポンピングコンディションを管理しうる。
【0079】
言い換えれば、毎回の吐出時、吸入/排出圧力が一定であるか否かということを確認し、ポンプ内部に流入される流体の量が一定であるか否かということを確認することができ、流体が吸入排出される入口103、出口105に逆流防止の役割を行う入口チェック弁110及び出口チェック弁120が良好に動作しているか否かということを確認しうる。
【0080】
従って、毎回の吸入時または排出時、一定した圧力を維持することにより、正確な量の流体をポンピングすることができ、吸入圧力及び排出圧力が変化する場合、吸入されたり吐出されたりする流体の量が変更されるか、あるいは入口103及び出口105の各チェック弁の点検が必要である状況を知らせることができる。
【0081】
本発明の高寿命非接触式ポンプの場合、バッテリに流体を供給するために、流体ポンピング動作は、既存ポンプの寿命に問題になる接触と摩擦とによる摩耗を防止するために、ベローズ200を適用することができる構造に開発され、消耗品の寿命を高寿命に延長が可能である。
【0082】
従って、ベローズ200の設計寿命は、数百万回ほどと、既存に比べ、10倍以上に寿命の改善効果が顕著であり、バッテリに流体を注入する生産ラインの生産能を既存に比べ、6~12ヵ月さらに延長させることができる。
【0083】
従って、ベローズ200の伸縮状態または静止状態において、ベローズ200の変形を最小化させるために、内部に真空を施し、ベローズ200の真空空間201の圧力と、外部の圧力とが同一である場合、ベローズ200を水平に設けたとき、ベローズ200中央部が自重によって反ることが生じたり、ベローズ200往復動作により、ベローズ200の揺れが生じたりすることを最小化させることができる。
【0084】
一方、ベローズ200の真空空間201に真空条件を維持することにより、ベローズ200は、外部との差圧による変形を最小化させ、形状を介し、流体の流入/排出精度を高め、さらに安定したポンピング量を制御しうる。
【0085】
また、リークセンサ330は、ベローズ200の破損により、内部に流体が漏れたとしても、装備本体の負荷による破損を防止しうる。
【0086】
従って、本発明の高寿命非接触式ポンプに、ベローズ200を適用することにより、ポンピング構造を画期的に改善させ、気密を維持する部品の摩擦なしに、ベローズ200を利用し、収縮膨脹のポンピング動作を行う構造により、既存に比べ、数十万回の消耗品交替周期を、数百万回に改善させることができ、現在、一週ごとまたは数週ごとに交替させなければならない消耗品を、数ヵ月以上交替周期を改善させることができる。
【0087】
そして、消耗品交替時、ベローズ200の1個、または少量の部品だけ交替させればよく、交替作業が、既存方式に比べ、比較的簡便に進められ、交替部品の数量が少なく、既存ポンプに比べ、交替方法も簡単であり、作業者が容易に交替方法を熟知し、短時間に消耗品を交替させることができる。
【0088】
本発明の高寿命非接触式ポンプは、ベローズ200の金属板に間隙が生じ始め、少量の流体が漏れ始めれば、リークセンサ330により、漏れが即座に感知され、当該流体がポンプ外部に漏れる前に交替時期を知ることができるので、装備が汚染したり、火災事故のような安全事故を防止したりすることができるという大なる長所がある。
【0089】
また、流体は、自動車用流体注入工程以外に、半導体、ディスプレイ、化学物質、製薬会社のように、ポンピングを介し、多様な産業分野に適用し、効果を期待することができ、ベローズ200の材質を、金属ではない樹脂系及び特殊素材を利用し、それぞれの流体特性に合うように適用が可能である。
【0090】
前述のように構成された本発明を提供することにより、製造工程において、消耗品交替周期がさらに長い製品を必要としているが、適する製品がなく、ピストン動作型ポンプを適用することができ、ピストンポンプの短所である接触型気密ではない他の概念の構図を利用し、画期的に消耗品交替周期がさらに延長される。
【0091】
第一に、ポンピング動作を行うにおき、気密を維持する部品の摩擦なしに、ベローズを利用し、収縮膨脹のポンピング動作を行う構造を特徴とし、ポンピング回数が数十万回から数百万回に増大されることにより、消耗品交替周期が既存に比べ、さらに延長されうる。
【0092】
第二に、消耗品交替周期を、現在数週ごとに交替させる消耗品を、数ヵ月に一回ずつ交替させるように対応することができる。
【0093】
第三に、短い消耗品交替周期を補完し、不都合事項を解決し、製造会社の消耗品交替による損失コストを画期的に減らし、装備の稼動率を高めることができる。
【0094】
第四に、消耗品交替時、ベローズ1個、または少量の部品だけ交替すればよく、交替作業が既存方式に比べ、比較的簡便に進められ、交替部品の数量が少なく、既存ポンプに比べ、交替方法も簡単であり、作業者が容易に交替方法を熟知し、短時間に消耗品を交替させることができる。
【0095】
以上で説明した本明細書、及び請求範囲に使用される用語及び単語は、一般的であるか、あるいは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明者は、自身の発明について最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則にのっとり、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。
【0096】
従って、本明細書に記載された図面及び実施形態に図示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態であるのみ、本発明の技術的思想をいずれも代弁するのではないので、本出願時点において、それらを代替することができる多様な均等物と変形例とがありうるということが理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
高寿命非接触式ポンプを利用したポンピング流体は、バッテリ製造工程のバッテリ液注入工程以外に、半導体、ディスプレイ、化学物質、製薬会社、食品、化粧品のような、ポンピングを介し、多様な産業分野に適用し、効果を期待することができ、ベローズの材質を、金属ではない樹脂系及び特殊素材を利用し、それぞれの流体特性に合うように適用が可能である。