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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】レコメンドシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250116BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20250116BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250116BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/40
G01C21/26 P
G01C21/34
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023554994
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 JP2022033319
(87)【国際公開番号】W WO2023062968
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2021168093
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 令和3年9月16日 ウェブサイトのアドレス(URL) https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210916_00.pdf 頒布日 令和3年9月16日 配布した場所 ・iOS : https://apps.apple.com/jp/app/id1553869790 ・Android : https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nttdocomo.android.nudgebus
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 裕木子
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】中村 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲哉
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151259(JP,A)
【文献】特許第6667863(JP,B1)
【文献】特開2019-82386(JP,A)
【文献】特表2019-527902(JP,A)
【文献】特開2012-202972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/26
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに乗車するバスをレコメンドするレコメンドシステムであって、
前記ユーザが乗車するバスの乗車区間に関する乗車バス情報を参照可能であり、
前記乗車バス情報は、前記乗車区間の始点及び終点である乗車バス停及び降車バス停、並びに、前記乗車バス停に含まれる1以上の乗り場のうちの前記ユーザが乗車する予定の乗車予定バスの乗り場である乗車バス乗り場を示す情報を含み、
前記レコメンドシステムは、
前記ユーザが前記乗車バス乗り場に到着する時刻である乗り場到着時刻を予測する到着時刻予測部と、
前記乗り場到着時刻以後に前記乗車バス乗り場に到着する前記乗車予定バスを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記乗車予定バスの乗客の混雑度を取得する混雑度取得部と、
前記乗車予定バスの前記混雑度が所定の程度以上である場合に、前記乗車バス停に含まれる乗り場のうちのいずれかの乗り場から乗車可能な前記乗車区間を運行するバスであって、前記ユーザが各乗り場に到着することが可能な時刻である到着可能時刻以後に、各乗り場に到着し、且つ、前記混雑度が所定の程度未満であるバスを推奨バスとして検索する検索部と、
前記推奨バスに関する推奨情報を前記ユーザの端末に提示させるレコメンド部と、
を備えるレコメンドシステム。
【請求項2】
前記乗車バス乗り場に前記ユーザの端末が接近したことを、前記端末の所在位置を示す端末位置情報及び前記乗車バス乗り場の所在位置を示す乗り場位置情報に基づいて検知する接近検知部、を更に備え、
前記到着時刻予測部は、前記端末の前記乗車バス乗り場への接近が検知された場合に、前記乗り場到着時刻を予測する、
請求項1に記載のレコメンドシステム。
【請求項3】
前記到着時刻予測部は、前記ユーザによる前記端末に対する所定の指示入力がされた場合に、前記乗り場到着時刻を予測する、
請求項1に記載のレコメンドシステム。
【請求項4】
前記検索部は、前記到着可能時刻以後の所与の時間以内に各乗り場に到着するバスを検索する、
請求項に記載のレコメンドシステム。
【請求項5】
前記抽出部は、前記乗り場到着時刻以後の所与の時間以内に前記乗車バス乗り場に到着するバスを、前記乗車予定バスとして抽出する、
請求項に記載のレコメンドシステム。
【請求項6】
前記推奨バスに前記ユーザが乗車した場合に、前記ユーザに対してインセンティブを付与することを決定する付与部、を更に備える、
請求項に記載のレコメンドシステム。
【請求項7】
前記付与部は、前記推奨バスが前記乗車バス停に到着した時以後の所定時間以上の間において、前記推奨バスの所在位置を示す推奨バス位置情報と、前記端末の所在位置を示す端末位置情報との間の距離が所与の距離以内である場合、又は、前記端末において前記推奨バスに前記ユーザが乗車した旨の情報が入力された場合に、前記ユーザが前記推奨バスに乗車したことを判断する、
請求項6に記載のレコメンドシステム。
【請求項8】
前記検索部は、前記乗車バス停に含まれる乗り場のうちの、前記乗車バス乗り場からの距離又は移動時間が所与の距離又は所与の時間以内の乗り場から乗車可能なバスを前記推奨バスとして検索する、
請求項に記載のレコメンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに乗車するバスをレコメンドするレコメンドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の運行区間を運行するバスに関して、予め設定された運行スケジュールに基づいて、ユーザが乗車する区間を運行するバスを案内するシステムが知られている。また、同一経路を走行する2以上のバスの乗車率に基づいて、先行バスから後続バスへの乗客の乗り換えの必要性を判断するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-265191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、所定の運行区間を運行するバスにおいて、特定のバス車両に乗客が集中することにより、各バス車両間において混雑度のばらつきが発生し、運行ダイヤに乱れが生じていた。また、バスに乗車するユーザにおいては、目的地への到着が多少遅れることとなっても、混雑を避けて移動したいと考える場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、所定の運行区間を運行するバスに関して、特定のバスに乗客が集中することによる混雑度のばらつき及び運行ダイヤの乱れを緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係るレコメンドシステムは、ユーザに乗車するバスをレコメンドするレコメンドシステムであって、ユーザが乗車するバスの乗車区間に関する乗車バス情報を参照可能であり、乗車バス情報は、乗車区間の始点及び終点である乗車バス停及び降車バス停、並びに、乗車バス停に含まれる1以上の乗り場のうちのユーザが乗車する予定の乗車予定バスの乗り場である乗車バス乗り場を示す情報を含み、レコメンドシステムは、ユーザが乗車バス乗り場に到着する時刻である乗り場到着時刻を予測する到着時刻予測部と、乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された乗車予定バスの乗客の混雑度を取得する混雑度取得部と、乗車予定バスの混雑度が所定の程度以上である場合に、乗車バス停に含まれる乗り場のうちのいずれかの乗り場から乗車可能な乗車区間を運行するバスであって、ユーザが各乗り場に到着することが可能な時刻である到着可能時刻以後に、各乗り場に到着し、且つ、混雑度が所定の程度未満であるバスを推奨バスとして検索する検索部と、推奨バスに関する推奨情報をユーザの端末に提示させるレコメンド部と、を備える。
【0007】
上記の形態によれば、ユーザが乗車バス乗り場に到着する乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスの混雑度が取得され、混雑度が所定の程度以上である場合に、乗車予定バスと同じ乗車区間を運行するバスであって、各バスの乗り場に対するユーザの到着可能時刻以後に各乗り場に到着し混雑度が所定の程度未満のバスが、ユーザに対して乗車を推奨する推奨バスとして検索され、推奨バスに関する推奨情報がユーザの端末において提示される。従って、乗車予定バスに代えて、端末に提示された推奨バスにユーザが乗車することにより、特定のバスに乗客が集中すること緩和される。また、ユーザにおいては、より混雑度が低いバスにより移動することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
所定の運行区間を運行するバスに関して、特定のバスに乗客が集中することによる混雑度のばらつき及び運行ダイヤの乱れを緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のレコメンドシステムの装置構成の例を示す図である。
図2】第1実施形態のレコメンド装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】レコメンド装置のハードブロック図である。
図4】ユーザ情報記憶部に記憶されているユーザ情報の例を示す図である。
図5】バス停情報記憶部に記憶されている乗り場情報の例であって、乗り場のジオフェンスに関する情報の例を示す図である。
図6】バス停及び乗り場の構成の例を示す図である。
図7】バス情報記憶部に記憶されているバス情報の一部の例を示す図である。
図8】バス情報記憶部に記憶されているバス情報の一部の例を示す図である。
図9】バス停情報記憶部に記憶されている乗り場情報の例であって、移動可能な乗り場の情報の例を示す図である。
図10】乗り場間のユーザの移動の例を示す図である。
図11】推奨情報が提示された端末の画面例を示す図である。
図12】推奨情報と共に、ユーザが乗車したバスの情報を入力するためのボタンが提示された端末の画面例を示す図である。
図13】レコメンドシステムにおけるレコメンド方法の処理内容を示すフローチャートである。
図14】レコメンドプログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るレコメンドシステムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るレコメンドシステムの装置構成を示す図である。図1に示されるように、レコメンドシステム1は、ネットワークNを介して互いに通信可能に構成されたレコメンド装置10及び端末Tを含み得る。
【0012】
レコメンド装置10は、ユーザに乗車するバスをレコメンドする装置である。端末Tは、バスの乗客となり得るユーザにより操作される装置である。端末Tは、後に詳述されるように、端末の所在位置の取得、所在位置を示す位置情報のレコメンド装置10への送信、レコメンド装置10からの推奨情報の受信、推奨情報に示される推奨バスに関する情報の提示等を実施する。端末Tを構成する装置は限定されず、例えば高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯電話機及び携帯情報端末(PDA)などの携帯端末であってもよい。なお、図1には、例として2台の端末Tが示されているが、端末Tの台数はこの例に限定されない。
【0013】
図2は、レコメンド装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。レコメンド装置10は、機能的には、接近検知部11、到着時刻予測部12、抽出部13、混雑度取得部14、検索部15、レコメンド部16及び付与部17を含む。これらの各機能部11~17は、一つの装置(プロセッサ、コンピュータ等)に構成されてもよいし、複数の装置に分散されて構成されてもよい。また、各機能部11~17のうちの1以上の機能部は、端末Tに構成されてもよい。
【0014】
また、レコメンド装置10は、ユーザ情報記憶部20、バス停情報記憶部30及びバス情報記憶部40といった記憶手段にアクセス可能に構成されている。ユーザ情報記憶部20、バス停情報記憶部30及びバス情報記憶部40は、レコメンド装置10内に構成されてもよいし、図2に示されるように、レコメンド装置10の外部に、レコメンドシステムからアクセス可能な別の装置として構成されてもよい。
【0015】
なお、図2に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0016】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0017】
例えば、本発明の一実施の形態におけるレコメンド装置10は、コンピュータとして機能してもよい。図3は、本実施形態に係るレコメンド装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。レコメンド装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0018】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。レコメンド装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0019】
レコメンド装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0020】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、図2に示した各機能部11~17などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0021】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、レコメンド装置10の各機能部11~17は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0022】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係るレコメンド方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0024】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0025】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0026】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0027】
また、レコメンド装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0028】
再び図2を参照して、レコメンド装置10の機能部を説明する。接近検知部11は、ユーザが乗車する予定の乗車予定バスの乗り場である乗車バス乗り場にユーザの端末Tが接近したことを検知する。この検知のために、接近検知部11は、ユーザ情報記憶部20及びバス停情報記憶部30を参照できる。
【0029】
図4は、ユーザ情報記憶部20に記憶されているユーザ情報の構成の一例を示す図である。ユーザ情報は、ユーザが乗車するバスの乗車区間に関する情報である乗車バス情報を構成しうる。ユーザ情報は、ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、乗車バス乗り場、乗車バス停、降車バス乗り場、降車バス停及び接近検知時刻等の情報を含む。
【0030】
本実施形態において、バス停は、1以上のバス乗り場を含み得る。乗車バス乗り場は、乗車バス停に含まれる1以上の乗り場のうちの、ユーザが乗車する予定の乗車予定バスの乗り場である。降車バス乗り場は、降車バス停に含まれる1以上の乗り場のうちの、ユーザが乗車予定バスから降車する予定の乗り場である。乗車バス乗り場及び降車バス乗り場はそれぞれ、ユーザが乗車予定バスに乗車する乗車区間の始点及び終点である。
【0031】
図4に例示されるように、ユーザID「U10」のユーザは、乗車バス停「A01」に含まれる乗車バス乗り場「T49」において乗車予定バスに乗車し、降車バス停「A09」に含まれる降車バス乗り場「T13,T14」において乗車予定バスから降車することを予定している。
【0032】
具体的には、接近検知部11は、端末Tの所在位置を示す端末位置情報及び乗車バス乗り場の所在位置を示す乗り場位置情報に基づいて、乗車バス乗り場に対するユーザの接近を検知する。図5は、バス停情報記憶部30に記憶されている乗り場情報の例であって、乗り場のジオフェンスに関する情報の例を示す図である。
【0033】
乗り場に対してジオフェンスが設定されている場合には、接近検知部11は、ユーザの端末Tが乗車バス乗り場のジオフェンスにチェックインしたことにより、乗車バス乗り場に対するユーザの接近を検知してもよい。ジオフェンスは、現実世界に対して設定された任意の仮想的な地理的境界または地理的領域である。図5に示される例では、バス停「A01」に含まれる乗り場「T49」は、緯度「lat_y1」、経度「lon_x1」を中心とする半径50mの円からなるジオフェンスを有する。チェックインとは、端末Tがジオフェンスの領域内に入ったことを示す。具体的には、接近検知部11は、ユーザの端末Tから受信した端末Tの位置情報に示される位置と、緯度「lat_y1」及び経度「lon_x1」により示される位置との間の距離が50m以内である場合に、端末Tが乗り場「T49」のジオフェンスにチェックインしたことを判定し、その判定によりユーザが乗り場「T49」に接近したことを検知する。
【0034】
図6は、バス停及び乗り場の構成の例を示す図である。図6には、バス停btの例が示されている。バス停btは、乗り場bs1,bs2,bs3を含む。乗り場bs1は、ジオフェンスgf1を有する。図5を参照して説明したジオフェンスは円形状を呈しているが、ジオフェンスの形状は円形状に限定されず、いかなる形状を有する領域であってもよく、図6に示されるように、方形状を呈していてもよい。乗り場bs2は、ジオフェンスgf2を有する。乗り場bs3は、ジオフェンスgf3を有する。接近検知部11は、図6に例示されるように、ユーザUの端末Tがジオフェンスgf11にチェックインした場合に、ユーザUが乗り場bs1に接近したことを検知する。
【0035】
また、図6に例示されるような、複数の乗り場bs1,bs2,bs3を含むバス停btにおいて、乗り場bs1を乗車バス乗り場とするバスがユーザの乗車予定バスである場合に、各乗り場bs1,bs2,bs3を出発して、ユーザが乗車予定バスに乗車する乗車区間と同じ区間を運行するバスが存在する場合がある。本実施形態のレコメンドシステム1は、そのようなユーザの乗車区間と同じ区間を運行するバスのうち、ユーザの乗り場間の移動に要する距離、時間及び各バスの混雑度等に関する所定の条件に該当するバスを推奨バスとして、ユーザにレコメンドする。
【0036】
なお、本実施形態では、接近検知部11は、端末Tの位置情報及び乗車バス乗り場の位置情報に基づいてユーザの端末Tの乗車バス乗り場に対する接近を検知することとしているが、そのような手法には限定されず、例えば、端末Tと乗車バス乗り場との間で送受信されるWiFi信号及びBeacon信号等に基づいて検知することとしてもよい。
【0037】
到着時刻予測部12は、ユーザが乗車バス乗り場に到着する時刻である乗り場到着時刻を予測する。具体的には、到着時刻予測部12は、端末Tの乗車バス乗り場に対する接近が接近検知部11により検知された場合に、乗り場到着時刻を予測してもよい。
【0038】
例えば、到着時刻予測部12は、ジオフェンスの領域の大きさに基づいて予め設定された所定時間を現在時刻に加算することにより、乗り場到着時刻を予測してもよい。また、到着時刻予測部12は、端末位置情報に示される位置と乗り場位置情報に示される位置との間の距離を端末Tの移動速度で除することにより、乗り場到着時刻を予測してもよい。端末Tの移動速度は、予め設定された所定値であってもよいし、端末Tの位置情報の単位時間に対する変位に基づいて算出された値であってもよい。
【0039】
また、到着時刻予測部12は、ユーザによる端末Tに対する所定の指示入力がされたことを契機として、乗り場到着時刻を予測してもよい。また、到着時刻予測部12は、端末Tの乗車バス乗り場に対する接近が接近検知部11により検知された時以後において、所定の時間間隔で繰り返して乗り場到着時刻を予測してもよい。
【0040】
抽出部13は、ユーザの乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスを抽出する。具体的には、抽出部13は、乗車予定バスの情報をバス情報記憶部40から抽出する。
【0041】
図7は、バス情報記憶部40に記憶されているバス情報の一部の例を示す図である。図7に示されるように、バス情報は、運行されるバスを識別するバスIDに関連付けて、次の乗り場、次のバス停、到着予定時刻、混雑度、並びに、次のバス停以降に停車する乗り場、バス停及び到着予定時刻のリストを含む。
【0042】
バス情報のうちの次の乗り場及び次のバス停は、当該バスが次に停車する乗り場及びバス停の情報である。
【0043】
到着予定時刻は、当該バスが次の乗り場に到着する予定の時刻である。到着予定時刻は、当該バスの最新の位置情報に示される位置と次の乗り場の位置情報に示される位置との間の距離をバスの平均速度で除することにより算出され、バス情報として記憶されていることとしてもよい。また、到着予定時刻は、予め設定された当該バスの運行予定を示す情報に基づいて取得されてもよい。到着予定時刻の算出及び取得は、レコメンドシステム1により実施されてもよいし、バスを運行する事業者及び管理者等のシステムにより実施されてもよい。
【0044】
混雑度は、当該バスの乗客数の多さの程度を示す情報であって、例えば、乗車定員に対する乗客数の割合であってもよいし、乗客数であってもよい。バス情報に含まれる混雑度の取得元は限定されないが、例えば、事業者等のシステムから取得されることとしてもよい。また、混雑度は、当該バスの位置情報の遷移とともに位置情報が遷移する携帯端末の数に基づいて、算出されることとしてもよい。
【0045】
次のバス停以降に停車する乗り場、バス停及び到着予定時刻のリストのうちの乗り場及びバス停の情報は、例えば、バスの事業者等のシステムから取得された情報であってもよい。また、リストのうちの次のバス停以降の乗り場に到着する到着予定時刻は、先述の次のバス停の到着予定時刻と同様に算出または取得されることができる。
【0046】
抽出部13は、図7に例示されるようなバス情報を参照して、ユーザの乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスを抽出する。例えば、ユーザ「U10」は、バス停「A01」の乗り場「T49」でバスに乗車し、バス停「A09」の乗り場「T13,T14」で降車し、到着時刻予測部12により予測された、ユーザ「U10」が乗り場「T49」に到着する乗り場到着時刻が「08/01 12:33.0」である場合には、抽出部13は、バス停「A01」の乗り場「T49」に、乗り場到着時刻「08/01 12:33.0」以後の時刻「08/01 12:38.001」に到着し、バス停「A09」の乗り場「T13」までを運行区間として有するバス「V01」を、乗車予定バスとして抽出する。
【0047】
また、抽出部13は、乗り場到着時刻以後の所与の時間以内に乗車バス乗り場に到着するバスを、乗車予定バスとして抽出してもよい。例えば、乗り場到着時刻以後6分以内に乗車バス乗り場に到着するバスを乗車予定バスとして抽出することが設定されている場合には、抽出部13は、乗り場到着時刻「08/01 12:33.0」の6分後である時刻「08/01 12:39.0」までに乗り場「T49」到着するバスを乗車予定バスとして抽出する。バス「V01」は時刻「08/01 12:38.001」に到着する予定であるので、抽出部13は、バス「V01」を乗車予定バスとして抽出する。
【0048】
このように、ユーザが乗車予定バスに乗車する場合における、ユーザが乗車予定バスの到着を待つ時間の上限が設定されることにより、適切な乗車予定バスの抽出が可能となる。
【0049】
混雑度取得部14は、抽出部13により抽出された乗車予定バスの乗客の混雑度を取得する。具体的には、例えば、各バスの混雑度がバス情報記憶部40といった記憶手段にバス情報として記憶されている場合には、混雑度取得部14は、バス情報を参照して、乗車予定バスの混雑度を取得する。図7に示される例では、混雑度取得部14は、バス「V01」の混雑度「3」を取得する。
【0050】
なお、混雑度の取得は上述の例に限定されず、混雑度取得部14は、例えば、乗車予定バスのバスID等の識別子をキーとして事業者のシステムに照会することにより、混雑度を取得してもよい。
【0051】
検索部15は、乗車予定バスの混雑度が所定の程度以上である場合に、ユーザにレコメンドする推奨バスを検索する。推奨バスは、乗車バス停に含まれる乗り場のうちのいずれかの乗り場から乗車可能な、ユーザの乗車区間を運行するバスであって、ユーザが各乗り場に到着することが可能な時刻である到着可能時刻以後に、各乗り場に到着することが予測され、且つ、混雑度が所定の程度未満であるバスである。なお、乗車予定バスの混雑度に関する閾値は、例えば、バスの事業者及びユーザにより任意に設定可能である。
【0052】
検索部15は、例えば、バス情報記憶部40に記憶されているバス情報を参照して、推奨バスを検索する。図8は、バス情報記憶部40に記憶されているバス情報の一部の例を示す図である。図7に示されたバス情報と同様に、図8に示されるバス情報は、運行されるバスを識別するバスIDに関連付けて、次の乗り場、次のバス停、到着予定時刻、混雑度、並びに、次のバス停以降に停車する乗り場、バス停及び到着予定時刻のリストを含む。
【0053】
例えば、乗車予定バスの混雑度が「3」以上である場合に推奨バスの検索が実施されることとすると、図7に例示された乗車予定バス「V01」の混雑度が3であるので、検索部15は、推奨バスの検索を実施する。
【0054】
検索部15は、乗車バス停「A01」に含まれるいずれかの乗り場から乗車可能なバスであって、バス停「A01」からバス停「A09」に至る乗車区間を運行することを検索の条件の一つとする。即ち、検索部15は、バス停「A01」に停車するバスであって、次のバス停以降に停車するバス停として、バス停「A09」を含むバスを検索する。
【0055】
また、ユーザが各乗り場に到着することが可能な時刻である到着可能時刻以後に、各乗り場に到着するバスであることを検索の条件とするために、検索部15は、各乗り場に対する到着可能時刻を予測する。
【0056】
図9は、バス停情報記憶部30に記憶されている乗り場情報の一例であって、ユーザが移動可能な乗り場の情報の例を示す図である。図9に示される乗り場情報によれば、乗り場「T49」から、バス停「A01」に含まれる乗り場「T50」,「T51」に移動可能であり、乗り場「T49」から乗り場「T50」までの距離が100mであり、乗り場「T49」から乗り場「T51」までの距離が50mであることが示されている。なお、バス停情報における乗り場間の距離は、移動ルートに沿った移動距離であってもよいし、乗り場間の直線距離であってもよい。
【0057】
図10は、乗り場間のユーザの移動の例を示すための、各乗り場の位置関係の例を示す図である。図10では、一例として、ユーザUが乗り場「T49」にチェックインした時を示している。
【0058】
検索部15は、例えば、ユーザUの端末Tと乗り場「T49」との間の距離ds11に、乗り場「T49」から乗り場「T50」までの距離ds12を加算した距離を、ユーザU及び端末Tの移動速度で除することにより、乗り場「T50」までの所用時間を算出し、現在時刻(例えば、ユーザUが乗り場「T49」のジオフェンスgf11にチェックインした時刻)に、算出した所用時間を加えることにより、乗り場「T50」に対する到着可能時刻を算出する。
【0059】
同様に、検索部15は、例えば、ユーザUの端末Tと乗り場「T49」との間の距離ds11に、乗り場「T49」から乗り場「T51」までの距離ds13を加算した距離を、ユーザU及び端末Tの移動速度で除することにより、乗り場「T51」までの所用時間を算出し、現在時刻(例えば、ユーザUが乗り場「T49」のジオフェンスgf11にチェックインした時刻)に、算出した所用時間を加えることにより、乗り場「T51」に対する到着可能時刻を算出する。
【0060】
乗り場「T50」に対する到着可能時刻が例えば「08/01 12:36.0」であるとすると、検索部15は、到着可能時刻「08/01 12:36.0」以後に乗り場「T50」に到着するバスであることを検索条件とする。また、乗り場「T51」に対する到着可能時刻が例えば「08/01 12:35.0」であるとすると、検索部15は、到着可能時刻「08/01 12:35.0」以後に乗り場「T51」に到着するバスであることを検索条件とする。
【0061】
なお、検索部15は、到着可能時刻以後の所与の時間以内に各乗り場に到着するバスを検索することとしてもよい。この検索の条件における所与の時間は、バスの事業者、レコメンドシステムの運営者及びユーザ等により任意に設定可能である。例えば、到着可能時刻以後6分以内に各乗り場に到着するバスであることを検索の条件とする場合には、検索部15は、到着可能時刻「08/01 12:36.0」以後且つ時刻「08/01 12:42.0」以前に乗り場「T50」に到着するバスであることを検索条件とする。また、検索部15は、到着可能時刻「08/01 12:35.0」以後且つ時刻「08/01 12:41.0」以前に乗り場「T51」に到着するバスであることを検索条件とする。このような条件により推奨バスが検索されることにより、ユーザがレコメンドされた推奨バスに乗車することを選択した場合に、ユーザが推奨バスの到着を待つ時間の上限が設定されることとなるので、ユーザにおける利便性が考慮されたバスのレコメンドが可能となる。
【0062】
さらに、検索部15は、混雑度が所定の程度未満であることを推奨バスの検索の条件とする。例えば、整数で表される混雑度が3未満であることが条件として設定されている場合には、検索部15は、混雑度が2以下であることを検索の条件として、推奨バスを検索する。
【0063】
検索部15は、上記の検索の条件に基づいて、図8に例示されるバス情報を参照して、バス停「A01」の乗り場「T50」に停車し、次のバス停以降に停車するバス停及び乗り場としてバス停「A09」及び乗り場「T14」を含み、乗り場「T50」に対するユーザの到着可能時刻「08/01 12:36.0」以後の時刻「08/01 12:39.001」を到着予定時刻とし、混雑度が「1」であるバス「V02」を推奨バスとして抽出する。
【0064】
また、検索部15は、同様の検索の条件に基づいて、バス停「A01」の乗り場「T51」に停車し、次のバス停以降に停車するバス停及び乗り場としてバス停「A09」及び乗り場「T14」を含み、乗り場「T51」に対するユーザの到着可能時刻「08/01 12:35.0」以後の時刻「08/01 12:40.001」を到着予定時刻とし、混雑度が「2」であるバス「V03」を推奨バスとして抽出する。
【0065】
なお、検索部15は、乗車バス停に含まれる乗り場のうちの、乗車バス乗り場からの距離又は移動時間が所与の距離又は所与の時間以内の乗り場から乗車可能なバスであることを、更なる検索の条件として推奨バスを検索してもよい。このように、ユーザが推奨バスに乗車するための乗り場への移動に要する距離又は時間に対して上限が設定されることにより、推奨バスへの乗車のためのユーザにおける労力及び負担が軽減される。
【0066】
再び図2を参照して、レコメンド部16は、推奨バスに関する推奨情報を端末Tに提示させる。具体的には、レコメンド部16は、例えば、推奨バスの乗り場、推奨バスが乗り場に到着する時刻の情報を推奨情報としてユーザの端末Tに送信する。端末Tは、受信した推奨情報を、例えば端末Tのディスプレイに表示させる。
【0067】
図11は、推奨情報が提示された端末Tの表示画面例を示す図である。図11に例示されるように、レコメンド部16は、端末Tの表示画面D1に推奨情報を表示させる。表示画面D1は、推奨情報d11,d12を表示する。推奨情報d11は、乗車予定バスに関する情報であって、乗車予定バスの到着時刻、混雑度、乗り場の情報を含む。推奨情報d12は、推奨バスに関する情報であって、推奨バスとして検索されたバス「V02」の到着時刻、混雑度、乗り場の情報を含む。また、推奨情報d12は、推奨バスとして検索されたバス「V03」の到着時刻、混雑度、乗り場の情報を含む。ユーザは、端末Tの表示画面D1に表示された推奨情報を参照することにより、乗車予定バスに代えて推奨バスに乗車することを検討できる。
【0068】
再び図2を参照して、付与部17は、推奨バスにユーザが乗車した場合に、ユーザに対してインセンティブを付与することを決定する。インセンティブの態様は限定されないが、例えば、付与部17は、ユーザに対してポイントを付与することを決定してもよいし、乗車料金をユーザに還元することを決定してもよい。
【0069】
具体的には、付与部17は、ユーザに対してインセンティブを付与する旨のインセンティブ情報を当該ユーザの端末Tに送信してもよい。また、付与部17は、インセンティブの情報を管理している所定のデータベースにおいて、インセンティブ情報を当該ユーザに関連付けて記憶させてもよい。
【0070】
付与部17は、ユーザが推奨バスの乗車したことを種々の手法により判断することが可能であり、その手法は限定されない。例えば、付与部17は、推奨バスが乗車バス停に到着した時以後の所定時間以上の間において、推奨バスの所在位置を示す推奨バス位置情報と、端末Tの所在位置を示す端末位置情報との間の距離が所与の距離以内である場合に、ユーザが推奨バスに乗車したことを判断してもよい。付与部17は、例えば、バスを運行する事業者のシステム及びバスに搭載された通信端末等から推奨バス位置情報を取得してもよい。また、付与部17は、ユーザの端末Tから端末位置情報を取得してもよい。
【0071】
また、付与部17は、端末Tにおいて推奨バスに前記ユーザが乗車した旨の情報が入力された場合に、ユーザが推奨バスに乗車したことを判断してもよい。図12は、推奨情報と共に、ユーザが推奨バスに乗車した旨の情報を入力するためのボタンが提示された端末Tの画面例を示す図である。図12に例示される表示画面D2は、推奨情報d21、ボタンbt21,bt22を表示する。
【0072】
推奨情報d21は、乗車予定バス及び推奨バスの到着予定時刻、行き先のバス停、乗り場及び混雑度の情報を含む。
【0073】
ボタンbt21は、ユーザが推奨バスに乗車する場合に、ユーザにより入力操作させるためのオブジェクトである。ユーザがボタンbt21に対する入力操作をした場合に、入力操作がされた旨の情報が端末Tから送信され、付与部17は、ユーザが推奨バスに乗車したことを判断できる。
【0074】
ボタンbt22は、ユーザが乗車予定バスに乗車する場合に、ユーザにより入力操作させるためのオブジェクトである。ユーザがボタンbt22に対する入力操作をした場合に、入力操作がされた旨の情報が端末Tから送信され、付与部17は、ユーザが乗車予定バスに乗車したことを判断できる。
【0075】
図10は、レコメンド装置10におけるレコメンド方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS1において、接近検知部11は、ユーザが乗車する予定の乗車予定バスの乗り場である乗車バス乗り場にユーザの端末Tが接近したことを検知したか否かを判定する。乗車バス乗り場にユーザの端末Tが接近したことが検知された場合には、処理はステップS2に進む。一方、乗車バス乗り場にユーザの端末Tが接近したことが検知されなかった場合には、ステップS1の検知処理が繰り返される。
【0077】
ステップS2において、抽出部13は、ユーザが乗車バス乗り場に到着する時刻である乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスを抽出する。乗り場到着時刻は、到着時刻予測部12により予測される。
【0078】
ステップS3において、混雑度取得部14は、ステップS2において抽出された乗車予定バスの混雑度を取得し、混雑度が所定の程度以上であるか否かを判定する。乗車予定バスの混雑度が所定の程度以上であると判定された場合には、処理はステップS4に進む。一方、乗車予定バスの混雑度が所定の程度以上であると判定されなかった場合には、処理はステップS7に進む。
【0079】
ステップS4において、検索部15は、ユーザにレコメンドするための、所定の条件に該当する推奨バスを検索する。推奨バスは、乗車バス停に含まれる乗り場のうちのいずれかの乗り場から乗車可能な、ユーザの乗車区間を運行するバスであって、ユーザが各乗り場に到着することが可能な時刻である到着可能時刻以後に、各乗り場に到着することが予測され、且つ、混雑度が所定の程度未満であるバスである。
【0080】
ステップS5において、検索部15は、所定の条件に該当する推奨バスを検索できたか否かを判定する。推奨バスを検索できたと判定された場合には、処理はステップS6に進む。一方、推奨バスを検索できたと判定されなかった場合には、処理はステップS7に進む。
【0081】
ステップS6において、レコメンド部16は、推奨バスに関する推奨情報を端末Tに送信し、推奨情報を端末Tに提示させる。推奨情報は、推奨バスの乗り場、推奨バスが乗り場に到着する時刻の情報を含む。
【0082】
一方、ステップS7において、レコメンド部16は、乗車予定バスの情報を端末Tに送信する。
【0083】
なお、図13に示したフローチャートに示されるレコメンド処理は、ユーザの端末Tが乗車バス乗り場に接近したことの検知を契機として実行されるが、ユーザの端末Tが乗車バス乗り場から所定の距離以内の範囲に滞在している間、即ち、ユーザが乗車バス乗り場に接近している状態が継続している場合に、例えば所定の時間間隔で繰り返し実行されることとしてもよい。
【0084】
次に、図14を参照して、コンピュータを、本実施形態のレコメンド装置10として機能させるためのレコメンドプログラムについて説明する。
【0085】
図14は、レコメンドプログラムの構成を示す図である。レコメンドプログラムP1は、レコメンド装置10におけるレコメンド処理を統括的に制御するメインモジュールm10、接近検知モジュールm11、到着時刻予測モジュールm12、抽出モジュールm13、混雑度取得モジュールm14、検索モジュールm15、レコメンドモジュールm16及び付与モジュールm17を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m17により、接近検知部11、到着時刻予測部12、抽出部13、混雑度取得部14、検索部15、レコメンド部16及び付与部17のための各機能が実現される。
【0086】
なお、レコメンドプログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図14に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0087】
以上説明した本実施形態のレコメンド装置10、レコメンド方法及びレコメンドプログラムP1によれば、ユーザが乗車バス乗り場に到着する乗り場到着時刻以後に乗車バス乗り場に到着する乗車予定バスの混雑度が取得され、混雑度が所定の程度以上である場合に、乗車予定バスと同じ乗車区間を運行するバスであって、各バスの乗り場に対するユーザの到着可能時刻以後に各乗り場に到着し混雑度が所定の程度未満のバスが、ユーザに対して乗車を推奨する推奨バスとして検索され、推奨バスに関する推奨情報がユーザの端末において提示される。従って、乗車予定バスに代えて、端末に提示された推奨バスにユーザが乗車することにより、特定のバスに乗客が集中すること緩和される。また、ユーザにおいては、より混雑度が低いバスにより移動することが可能となる。
【0088】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、乗車バス乗り場にユーザの端末が接近したことを、端末の所在位置を示す端末位置情報及び乗車バス乗り場の所在位置を示す乗り場位置情報に基づいて検知する接近検知部、を更に備え、到着時刻予測部は、端末の乗車バス乗り場への接近が検知された場合に、乗り場到着時刻を予測することとしてもよい。
【0089】
上記形態によれば、端末位置情報と乗り場位置情報とに基づいて乗車バス乗り場に対するユーザの端末の接近が検知された場合に、ユーザの乗り場到着時刻が予測され、予測された乗り場到着時刻に基づいて、推奨バスの検索及び端末への推奨情報の提示が行われる。従って、適切なタイミングで推奨バスの情報をユーザにレコメンドすることが可能となる。
【0090】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、到着時刻予測部は、ユーザによる端末に対する所定の指示入力がされた場合に、乗り場到着時刻を予測することとしてもよい。
【0091】
上記形態によれば、端末に対する所定の指示入力を契機として乗り場到着時刻が予測され、予測された乗り場到着時刻に基づいて、推奨バスの検索及び端末への推奨情報の提示が行われる。従って、ユーザは、任意のタイミングで推奨バスのレコメンドを受けることが可能となる。
【0092】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、検索部は、到着可能時刻以後の所与の時間以内に各乗り場に到着するバスを検索することとしてもよい。
【0093】
上記形態によれば、ユーザがレコメンドされた推奨バスに乗車することを選択した場合に、ユーザが推奨バスの到着を待つ時間の上限が設定される。従って、ユーザにおける利便性が考慮されたバスのレコメンドが可能となる。
【0094】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、抽出部は、乗り場到着時刻以後の所与の時間以内に乗車バス乗り場に到着するバスを、乗車予定バスとして抽出することとしてもよい。
【0095】
上記形態によれば、ユーザが乗車予定バスに乗車する場合における、ユーザが乗車予定バスの到着を待つ時間の上限が設定される。従って、適切な乗車予定バスの抽出が可能となる。
【0096】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、推奨バスにユーザが乗車した場合に、ユーザに対してインセンティブを付与することを決定する付与部、を更に備えることとしてもよい。
【0097】
上記形態によれば、ユーザが乗車予定バスに代えて推奨バスに乗車することを選択した場合に、ユーザに対してインセンティブが付与されるので、ユーザに対して推奨バスの利用が促される。従って、乗車予定バスにおける乗客の集中が緩和される。
【0098】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、付与部は、推奨バスが乗車バス停に到着した時以後の所定時間以上の間において、推奨バスの所在位置を示す推奨バス位置情報と、端末の所在位置を示す端末位置情報との間の距離が所与の距離以内である場合、又は、端末において推奨バスにユーザが乗車した旨の情報が入力された場合に、ユーザが推奨バスに乗車したことを判断することとしてもよい。
【0099】
上記形態によれば、当該レコメンドシステムにおいて、ユーザが推奨バスに確実に乗車したことを認識できる。
【0100】
また、別の形態に係るレコメンドシステムは、検索部は、乗車バス停に含まれる乗り場のうちの、乗車バス乗り場からの距離又は移動時間が所与の距離又は所与の時間以内の乗り場から乗車可能なバスを推奨バスとして検索することとしてもよい。
【0101】
上記形態によれば、ユーザが推奨バスに乗車するための乗り場への移動に要する距離又は時間に対して上限が設定される。従って、推奨バスへの乗車のためのユーザにおける労力及び負担が軽減される。
【0102】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0103】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0104】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0105】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0106】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0107】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0108】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0109】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0110】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0111】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0112】
なお、本開示において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0113】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0114】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0115】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0116】
本開示で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0117】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0118】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0119】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0120】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0121】
1…レコメンドシステム、10…レコメンド装置、11…接近検知部、12…到着時刻予測部、13…抽出部、14…混雑度取得部、15…検索部、16…レコメンド部、17…付与部、20…ユーザ情報記憶部、30…バス停情報記憶部、40…バス情報記憶部、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…接近検知モジュール、m12…到着時刻予測モジュール、m13…抽出モジュール、m14…混雑度取得モジュール、m15…検索モジュール、m16…レコメンドモジュール、m17…付与モジュール、P1…レコメンドプログラム、T…端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14