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特許7620746塊状体およびそれを用いてラベルが接着された容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】塊状体およびそれを用いてラベルが接着された容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20250116BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20250116BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20250116BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20250116BHJP
   C08L 23/08 20250101ALI20250116BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
B65D85/00 L
C09J11/08
C09J201/00
C08L23/06
C08L23/08
B65D65/46
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024019157
(22)【出願日】2024-02-13
【審査請求日】2024-09-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石黒 秀之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一平
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 洋一
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0356562(US,A1)
【文献】特開2022-83626(JP,A)
【文献】特開2014-177284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00
B65D 65/40-65/46
B65D 30/00-33/38
B65D 67/00-79/02
C09J 1/00-201/10
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融袋中にホットメルト粘着剤を内包する塊状体であって、
溶融袋が密度923~930kg/mの低密度ポリエチレン樹脂(A)とエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)を含む混合樹脂フィルムからなり、
ホットメルト粘着剤が、ワックス(C)を含有し、かつ140℃における粘度が500~2500mPa・sである、塊状体。
【請求項2】
混合樹脂フィルム100質量%中のエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)の含有率が10~50質量%である、請求項1に記載の塊状体。
【請求項3】
エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)の酢酸ビニル含有率が5~30質量%である、請求項1に記載の塊状体。
【請求項4】
低密度ポリエチレン樹脂(A)の190℃、2.16kgf/cmにおけるメルトマスフローレートが1~25g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の塊状体。
【請求項5】
ワックス(C)の融点が70~150℃であることを特徴とする請求項1に記載の塊状体。
【請求項6】
ワックス(C)が、融点が90~150℃のポリエチレン系ワックス(C-1)および融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の塊状体。
【請求項7】
溶融袋の膜厚が、10~500μmであることを特徴とする請求項1に記載の塊状体。
【請求項8】
融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)を含有し、かつワックス(C-2)が無水マレイン酸をグラフト重合させたポリプロピレンワックスを含むことを特徴とする請求項6に記載の塊状体。
【請求項9】
ホットメルト粘着剤が、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載の塊状体。
【請求項10】
請求項1~9いずれか1項に記載の塊状体を用いてラベルが接着された容器。
【請求項11】
容器の材質がポリエチレンテレフタレート又はガラスであることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融袋中にホットメルト粘着剤を内包する塊状体、およびそれを用いてラベルが接着された容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は溶融して対象物を貼り合わせた後、放冷・冷却すればすぐに接着機能が発現することから、養生期間を不要とする利点が見直され、包装、工業用途で適用が広がっている。そして昨今の環境への負荷低減を重視する社会変化を受け、使用時に溶剤や乾燥工程も不要な利点も再認識され、ますますの拡大が進みつつある。
【0003】
ホットメルト接着剤の適用範囲の広がりに伴い作業性向上が求められている。例えば、夏場は塊状のホットメルト同士がくっついてしまい(ブロッキング)、梱包された段ボール等から取り出す際に巨大塊状となり作業性が著しく低下する問題があった。そこで特に常温で粘着性を示すホットメルト粘着剤は、剥離紙や剥離フィルムにより包装された状態で梱包、輸送、保管され、ホットメルト粘着剤を使用する際にそれらを剥がし、廃棄していたが、これら剥離材の廃棄も環境負荷として問題視されるようになった。
【0004】
そこでホットメルト粘着剤を硬い材料で包装し、使用時には包装したままホットメルト粘着剤を溶融する、いわゆる溶融袋を用いた仕様(塊状体)が開発されている(特許文献1)。塊状体は、溶融袋で包装したままホットメルト粘着剤を溶融するため、溶融袋とホットメルトの溶解性(相溶性)、高温での保存による破袋性といった基本性能が求められる。塊状体の実用化により剥離材の廃棄による環境負荷を回避でき、また塊状のホットメルト粘着剤を溶融するたびに剥離材を剥離する作業負担もなくなり、作業性は格段に向上した。
さらに近年では溶融袋の強度を上げたり(特許文献2)、形状をエンボス状にしたり(特許文献3)して、ブロッキングしない施策が取られている。
【0005】
通常、飲料用等で使用されるポリエチレンテレフタレートボトル(以下PETボトル)はラベルが接着されており、ラベルとして胴巻ラベルが多く利用されている。胴巻きラベルの接着に使用される粘着剤としては、一般的にはホットメルト粘着剤が用いられている。PETボトルのラベル用に使用されるホットメルト粘着剤は、ラベルに塗工する際にホットメルトが飛び散り糸状にラベラーを汚染する(糸曳き性)ことを防ぐために、140℃における粘度が2,500mPa・s以下の低粘度ホットメルトが好適である(特許文献4)。飲料用PETボトルの使用量の増加に伴い、このような低粘度ホットメルトを溶融袋で包装した塊状体への需要が高まっているが、溶融した塊状体の糸曳き性の点で課題があった。
【0006】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1~3に記載の発明では、低粘度のホットメルトを溶融袋に内包した場合、保管時にコールドフロー(ホットメルトが少しずつ変形して広がる現象)によって溶融袋からホットメルトが溶出する等して、梱包時に溶融袋が破袋してホットメルト接着剤が表面に出ることで塊状物同士がブロッキングする問題があった。
すなわち、溶融袋とホットメルトの溶解性と、ブロッキングを防止するための破袋性と、塗工時の糸曳き性を満足する、溶融袋中に低粘度のホットメルトを内包した塊状体は開発されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-002581号公報
【文献】国際公開第2014/194087号
【文献】特開2019-065164号公報
【文献】特許4278704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明は、溶融袋中に140℃における粘度が500~2500mPa・sの低粘度のホットメルト粘着剤を内包した場合でも、従来よりも破袋性に優れ、内容物との溶解性(相溶性)及び塗工時の糸曳き性に優れた塊状体およびそれを用いてラベルが接着された容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、以下の塊状体および塊状体を用いてラベルが接着された容器を提供する。
[1]:溶融袋中に、ホットメルト粘着剤を内包する塊状体であって、
溶融袋が密度923~930kg/mの低密度ポリエチレン樹脂(A)とエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)を含む混合樹脂フィルムからなる、
ホットメルト粘着剤が、ワックス(C)を含有し、かつ140℃における粘度が500~2500mPa・sである塊状体。
【0010】
[2]:混合樹脂フィルム100質量%中のエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)の含有率が10~50質量%である、上記塊状体。
【0011】
[3]:エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)の酢酸ビニル含有率が5~30質量%である、上記塊状体。
【0012】
[4]:低密度ポリエチレン樹脂(A)の190℃、2.16kgf/cmにおけるメルトマスフローレートが1~25g/10分であることを特徴とする上記塊状体。
【0013】
[5]:ワックス(C)の融点が70~150℃であることを特徴とする上記塊状体。
【0014】
[6]:ワックス(C)が、融点が90~150℃のポリエチレン系ワックス(C-1)および融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする上記塊状体。
【0015】
[7]:溶融袋の膜厚が、10~500μmであることを特徴とする上記塊状体。
【0016】
[8]:融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)を含有し、かつワックス(C-2)が無水マレイン酸をグラフト重合させたポリプロピレンワックスを含むことを特徴とする上記塊状体。
【0017】
[9]:ホットメルト粘着剤が、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤であることを特徴とする上記塊状体。
【0018】
[10]:上記塊状体を用いてラベルが接着された容器。
【0019】
[11]:容器の材質がポリエチレンテレフタレート又はガラスであることを特徴とする上記容器。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示について詳細に説明する。なお、本開示の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本開示の範疇に含まれることは言うまでもない。
【0021】
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値の範囲として含むものとする。なお、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。また、「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0022】
本明細書において、「粘度」は、JIS K6862(ホットメルト接着剤の溶融粘度試験方法)によって測定した。
本明細書において、「メルトマスフローレート(以下、MFRと略す)」は、JIS K7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)によって測定した。
本明細書において、「ワックスの融点」は、示差走査熱量測定装置(島津社製自動示差熱量計DSC-60A Plus)で測定した値である。
本明細書において、「膜厚」は、尾崎製作所社製 PEACOCK DIGITAL THICKNESS GAUGE G2-205で測定した。
【0023】
また、本明細書においては「ホットメルト」とは、常温で固体あるいは粘稠な状態にあり、加熱により溶融して軟化、流動状体あるいは液状となる性質をいう。
【0024】
<溶融袋>
溶融袋は、ホットメルト粘着剤を包装するために用いられる。しかし、ホットメルト粘着剤以外の物品に対し、技術的に貢献できるのであればこの限りではない。 本発明に用いる溶融袋は、密度923~930kg/mの低密度ポリエチレン樹脂(A)とエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)を含む混合樹脂フィルムからなる。溶融袋は、混合樹脂フィルムを加温して溶融し、既知の手法により成膜(製造)できる。溶融袋の膜厚は、なるべく均一であることが望ましい。
【0025】
融解性及び破袋性の観点から、混合樹脂フィルム100%質量中に、低密度ポリエチレン樹脂(A)を50~90質量%含むことが好ましく、さらに好ましくは70~90質量%である。また、破袋性及び溶解性の観点から、混合樹脂フィルム100%質量中に、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)を10~50質量%含むことが好ましく、さらに好ましくは10~30質量%である。
【0026】
溶融袋の膜厚は、10~500μmであることが好ましく、より好ましくは20~200μm、さらに好ましくは30~100μmである。膜厚が上記範囲内であることで、溶解性と破袋性を両立しやすい。
【0027】
[低密度ポリエチレン樹脂(A)]
低密度ポリエチレン(A)の密度は、923~930kg/mである。密度が923~930kg/mであることで、破袋性及び溶解性に優れる。低密度ポリエチレン樹脂(A)のMFRは、融解性及び破袋性の観点から1~25g/10分が好ましく、さらに好ましくは7~25g/10分である。
【0028】
[エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(B)]
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(B)は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であれば特に限定されない。エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(B)の酢酸ビニル含有率は、破袋性及び溶解性の観点から、5~30質量%が好ましく、より好ましくは10~25質量%である。なお、酢酸ビニル含有率とは、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂に含まれる酢酸ビニルの含有率(質量%)である。
【0029】
(混合樹脂フィルムの製造方法)
溶融袋に使用されるフィルムの製造方法は、本発明が目的とするホットメルト粘着剤の塊状体を得ることが出来る限り、その製造方法は特に限定されないが、公知の溶融流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法等を例示できる。本発明の実施形態の熱可塑性フィルムは、単層フィルムであっても、2 層以上からなる複層フィルムであっても差し支えない。
熱可塑性フィルムの表面は、粗面化されて凹凸が形成されていても差し使いない。本発明が目的とするホットメルト粘着剤を包含する塊状体を得られる限り、特に制限されることはない。
【0030】
<ホットメルト粘着剤>
ホットメルト粘着剤は、破袋性及び糸曳き性の観点からワックス(C)を含有し、かつ140℃における粘度が500~2000mPa・sであり、より好ましくは、700~1300mPa・sである。
【0031】
[ワックス(C)]
ワックス(C)は、天然ワックス(動物系ワックス(蜜蝋など)、植物系ワックス(木蝋、米糠蝋など)、鉱物系ワックス(オゾケライトなど)、石油系ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど))と、合成ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンおよび酸などの変性ワックスなど)に大別される。ワックス(C)は単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用される。
【0032】
ワックス(C)は、溶融袋中にホットメルト粘着剤を内包する塊状体の破袋性を良好にする観点から融点が70~150℃であることが好ましい。
【0033】
ワックス(C)は、融点が90~150℃のポリエチレン系ワックス(C-1)又は/及び融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)を含むことが好ましい。(C-1)又は/及び(C-2)を含むことで、塊状体の破袋性をより良好なものとすることができる。融点が90~150℃のポリプロピレン系ワックス(C-2)を含むことがより好ましい。
【0034】
ポリエチレン系ワックス(C-1)としては、エチレンから製造され、マレイン酸変性などの変性物も含まれる。例えば、ポリワックス(NuCera社製)、そのマレイン酸変性物であるワックスも含まれる。例えばサンワックス(三洋化成工業社製)、ハイワックス(三井化学社製)などが挙げられる。
ポリプロピレン系ワックス(C-2)としては、主にプロピレンから製造され、マレイン酸変性などの変性物も含まれる。例えばビスコール(三洋化成社製)、ハイワックスNPシリーズ(三井化学社製)、リコセンPPシリーズ(クライアントケミカルズ社製)などの別のモノマーをブロック状に共重合させたブロックポリプレンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系ワックス(C-2)は、塊状体のアルカリ分散性の観点から無水マレイン酸をグラフト重合させたポリプロピレンワックスであることが好ましい。
【0035】
ホットメルト粘着剤は、ワックス(C)の他に熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、オイル、着色剤、ブロッキング防止剤、無機フィラー、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤、蛍光増白剤などの成分を含んでも差し支えない。
【0036】
(熱可塑性ラストマー)
熱可塑性エラストマーとは、常温では加硫ゴムと同様な性質を持ち、弾性のある材料をいい、高温では普通の熱可塑性樹脂と同じく、既存の成形機をそのまま使用できる高分子材料である。熱可塑性エラストマーは、分子中に弾性を持つゴム成分(ソフトセグメント:軟質相)と塑性変形を防止するための分子拘束成分(ハードセグメント:硬質相)との両方を持っているためゴムとプラスチックの中間の性質を持つ。
熱可塑性エラストマーは、一般的にポリスチレンブロックとゴム中間ブロックとを有し、ポリスチレン部分が物理的架橋(ドメイン)を形成して橋掛け点となり、中間のゴムブロックは製品にゴム弾性を与える。中間のソフトセグメントにはポリブタジエン(B)、ポリイソプレン(I)およびポリオレフィンエラストマー(エチレン・プロピレン(EP)、エチレン・ブチレン(EB)、ブチレン・ブタジエン(BB)) があり、ハードセグメントのポリスチレン(S)との配列の様式によって、直鎖型(リニアタイプ)および分岐型(ラジアルタイプ)とに分かれる。
【0037】
(粘着付与剤)
粘着付与剤は、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、フェノール-変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、水素化ロジン、酸変性ロジン、水素添加されたロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などが挙げられる。特に、酸価が100~300mgKOH/gである粘着付与剤は、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤に好適である。一例として、水素化ロジン、酸変性ロジンなどが挙げられる。
【0038】
(オイル)
オイルは、ゴムや熱可塑性エラストマー等の可塑剤として一般的に使用されるオイル、いわゆる石油精製等において生産されるプロセスオイルであり、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルに大別される。
プロセスオイルは、芳香族環・ナフテン環・パラフィン鎖の混合物であるが、本願におけるナフテン系プロセスオイルは、プロセスオイルの全炭素中のナフテン環炭素が35~46質量%のものを指す。また、全炭素中の芳香族炭素が30質量%以上のものを芳香族系プロセスオイル、全炭素中のパラフィン鎖炭素が50質量%以上のものをパラフィン系とプロセスオイルと分類する。
【0039】
(着色剤)
着色剤は、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができる。着色剤としては、顔料、染料、色素のいずれでもよく、例えば、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント、ペリレン系、モノアゾ系、縮合アゾ系、イソインドリノン系、酸化チタン、カーボンなどが挙げられる。
【0040】
(ブロッキング防止剤)
ブロッキング防止剤としてはシリコーン、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アミドおよびベヘン酸アマイドなどの不飽和脂肪酸アマイドなどが挙げられる。
【0041】
(無機フィラー)
無機フィラーとしては、金属、金属酸化物および金属水酸化物など粒子、繊維状などが挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、珪酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ワラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミナ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、カーボンナノチーブ、グラファイト、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリナイト、アパタイトなどが挙げられる。
【0042】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジエチル〔[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル〕ホスフォネート、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル]プロピオネート、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0043】
(充填剤)
充填剤としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が挙げられる。
【0044】
(難燃剤)
難燃剤としては、燐含有化合物系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられる。
【0045】
(可塑剤)
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
【0046】
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物およびベンゾエイト系化合物などが挙げられる。
【0047】
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0048】
(重金属不活性化剤)
重金属不活性化剤としては、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体又はシュウ酸アミド誘導体などが挙げられる。
【0049】
(蛍光増白剤)
蛍光増白剤としては、スチルベン系、クマリン系、オキサゾール系、ナフタルイミド系が挙げられる。
【0050】
<ホットメルト粘着剤の製造方法>
ホットメルト粘着剤は、ホットメルト粘着剤を得ることが出来る限り、その製造方法は特に限定されない。製造方法の一例を例示する。撹拌機を備えた溶融釜を約150℃に加熱、ワックス(C)、オイルなどを加熱溶融したものに熱可塑性エラストマーを混合分散し、粘着付与剤を添加し、さらに混合することにより製造することができる。
【0051】
≪塊状体≫
本発明の塊状体は、前記溶融袋中に前記ホットメルト粘着剤を内包したものである。塊状体の重量としては、10g~5000gが好ましい。上記の範囲内であれば扱いやすく、かつ充填回数の作業性に優れるため好ましい。重量に応じて溶融袋の膜厚を適宜調整することができる。
【0052】
溶融袋中に内包させるホットメルト粘着剤は、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤であっても良い。清涼飲料水、調味料等を充填したPETボトル及びビール、日本酒等を充填した瓶は、リサイクル又はリユースされている。通常、リサイクル又はリユースする過程でPETボトルや瓶に貼り付けられたラベルを剥離する工程があり、一般的に85~95℃程度の1.5~4質量%水酸化ナトリウム水溶液で剥離する。そのため、ラベル用途ではアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が用いられる。本発明は、このようなアルカリ分散型ホットメルト粘着剤を包装した塊状体として好適である。
アルカリ分散型ホットメルト粘着剤に用いられる粘着付与剤としては、ホットメルト粘着剤のアルカリ分散性の観点から酸価が100~300mgKOH/gである粘着付与剤を含むことが好ましい。一例としてロジン系粘着付与剤が挙げられる。
なお、酸価は、試料1gを中和するに要する水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数であり、JIS K5601-2-1酸価(滴定法)に準拠して測定した値である。
【0053】
(塊状体の製造方法)
本発明において、ホットメルト粘着剤を包含する塊状体を製造する方法は、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を包含する塊状体を得ることができる限り特に制限されることはないが、例えば、下記の方法を例示することができる。
熱溶融された状態のホットメルト粘着剤を室温で放置し、固化させてホットメルト粘着剤のブロックを製造する。混合樹脂フィルム(溶融袋)で、ホットメルト粘着剤のブロックを包装して塊状体を製造する。
一方、混合樹脂フィルム上に、熱溶融されたホットメルト粘着剤を注いて固化することで、ホットメルト粘着剤のブロックを製造すると同時に、混合樹脂フィルム(溶融袋)でホットメルト粘着剤のブロックを包装してもよい。
【0054】
≪容器≫
本発明における容器は、塊状体を用いてラベルが装着されたものを指す。容器の材質としてはガラス、プラスチック、紙などが挙げられるが、特に限定されない。また、その形状は丸型であっても角型等の非丸型であっても良い。容器の材質はPETまたはガラスが好ましく、さらに好ましくはPETである。
【0055】
PETボトルにおいては、PETボトルの胴周りの一部にラベルが貼着されたものの他、ボトルの胴周りを周状に覆うように巻きまわされたロールラベルとして利用されている。このようなロールラベルとしてはOPPフィルムが多用されている。本発明のラベルについても、裏面に印刷がなされているものも、印刷がなされていないものも同様に、良好な接着を行うことができる。本発明において、塊状体は、ラベル裏面の一部に塗工されている。塗布方式としては、オープンホイール方式、クローズガン方式、ダイレクトコート方式などがある。剥がしたときにPETボトルなどに糊が残らない方式としては、オープンホイール方式、ダイレクトコート方式が好ましい。
【0056】
本発明の塊状体は、衛生材料、使い捨て医療用ドレープ、紙、テープ及びラベル、家具、織物、履物の製造、木材加工又は建築業、例えば、屋根用膜又は他の建築型積層に使用することができる。
【実施例
【0057】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明する。しかし、本発明
は、以下の実施例に限定されるものではない。例中、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
【0058】
[粘着剤の酸価の測定方法]
酸価の測定は、JIS K5601-2-1酸価(滴定法)に準拠して行った。具体的には、試料1gを精密に量り、250mlのフラスコに入れ、エタノールまたはエタノールおよびエーテル等の容量混液50mlを加え、加温して溶かし、時々振り混ぜながら0 .1N水酸化カリウム液で滴定した(指示薬:フェノールフタレイン)。滴定の終点は、液の淡紅色が30秒残存する点とした。次いで、同様の方法で空試験を行って補正し、次の式から酸価の値を求めた。
酸価=〔0.1N水酸化カリウム液の消費量(ml)×5.611〕/〔試料量(g)〕
【0059】
[ワックス(C)の融点の測定方法]
ワックス(C)の融点は、示差走査熱量測定装置(島津自動示差熱量計DSC-60A Plus)で測定を行った。約5mgのサンプルを取り、0℃に冷却した後昇温速度10℃/分で170℃まで加熱を行い、次に-20℃/分の冷却速度で0℃まで冷却を行った。0℃1分間保持した後10℃/分の昇温速度で再び加熱を行い、170℃に加熱した時の発熱吸熱量を測定した。ワックスが溶ける時の融解ピークを融点とした。
【0060】
[低密度ポリエチレン樹脂(A)]
ペトロセン205:東ソー社製、密度:924kg/m3、MFR:3g/10分
ペトロセン230:東ソー社製、密度:925kg/m3、MFR:8g/10分
ペトロセン208:東ソー社製、密度:924kg/m3、MFR:23g/10分
ペトロセン1384R:東ソー社製、密度:928kg/m3、MFR:7.6g/10分
ペトロセン173:東ソー社製、密度:924kg/m3、MFR:0.3g/10分
ペトロセン209:東ソー社製、密度:924kg/m3、MFR:45g/10分
【0061】
[その他低密度ポリエチレン樹脂]
ノバテックLD LC720:日本ポリエチレン社製、密度:922kg/m3、MFR:9.4g/10分
【0062】
[エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)]
ウルトラセン526:東ソー社製、酢酸ビニル含有量:25質量%
ウルトラセン633:東ソー社製、酢酸ビニル含有量:20質量%
ウルトラセン710:東ソー社製、酢酸ビニル含有量:28質量%
ウルトラセン750:東ソー社製、酢酸ビニル含有量:32質量%
ウルトラセン625:東ソー社製、酢酸ビニル含有量:15質量%
【0063】
[ワックス(C)]
・ワックス(C-1)
PW655:NuCera社製ポリエチレンワックス、融点:99℃
PW2000:NuCera社製ポリエチレンワックス、融点126℃
・ワックス(C-2)
PPMA6252:リコセンPPMA6252、クライアントケミカルズ社製酸変性ポリプロピレンワックス、融点:127℃
ビスコール660P:三洋化成工業社製ポリプロピレンワックス、融点:136℃
・その他
HNP-9:日本精蝋社製パラフィンワックス、融点:75℃
HNP-11:日本精蝋社製パラフィンワックス、融点:68℃
【0064】
[酸化防止剤]
IRG1010:イルガノックス1010、BASF社製、ペンタエリスリトール=テトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
【0065】
[熱可塑性エラストマー]
G1650:クレイトンG1650、クレイトンポリマー社製、SEBS
G1643:クレイトンG1643、クレイトンポリマー社製、SEBS
G1652:クレイトンG1652、クレイトンポリマー社製、SEBS
G1726:クレイトンG1726、クレイトンポリマー社製、SEBS
D1118:クレイトンD1118、クレイトンポリマー社製、SBS
【0066】
[粘着付与剤]
RHR-301(中国 Wuzhou Sun Shine Forestry & Chemicals Co., LTD of Guangxi社製)水添化ロジン、酸価:170mgKOH/g
KE-604B:パインクリスタルKE-604B(荒川化学社製)アクリル変性ロジン、酸価:230mgKOH/g
アルコンM-90(荒川化学社製)水添石油樹脂、酸価:なし
【0067】
[オイル]
N90:N-90(出光興産社製)、ナフテン系プロセスオイル
PW-90:ダイアナプロセスオイルPW-90(出光興産社製)、パラフィン系プロセスオイル
PW-380:ダイアナプロセスオイルPW-380(出光興産社製)、パラフィン系プロセスオイル
【0068】
<溶融袋用混合樹脂の製造>
(製造例F-1)
LDPE:ペトロセン205を80部及びウルトラセン710を20部プレブレンドし、押出機アイ・ケー・ジー社製の同方向回転二軸押し出し機PMT32-40.5)のホッパーに投入して、スクリューフィーダーを用いて押出機に供給し、スクリュー回転速度:50rpm、供給速度:5kg/hrの条件で押し出し工程を行い、低密度ポリエチレン樹脂とエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂の混合樹脂を得た。
【0069】
(製造例F-2~F-14)
表1に示す配合比で、製造例F-1と同様にして製造例F-2~F-14の混合樹脂を製造した。
【0070】
【表1】
【0071】
<ホットメルト粘着剤の製造>
(製造例:HM-1)
ホットメルト粘着剤は、下記の方法で製造した。攪拌機を備えたステンレスビーカーに、ワックス:PPMA6252を8部、オイル:PW-90を17重量部、PW-380を17重量部および酸化防止剤:IRG1010を0.5部投入し、内容物が130~150℃になるように注意して加熱した。溶融後攪拌を行い、均一溶融溶液とした後、130~150℃の温度を保ちながら、かつ攪拌を続けながら、この溶融物に熱可塑性エラストマー:G1643を10及びG1652を10部徐々に加え、添加終了後、130~150℃の温度で加熱撹拌し、粘着付与剤:RHR-301を38部完全に溶融させ、均一混合物とし、冷却してホットメルト接着剤を製造した。
【0072】
(製造例:HM-2~HM-10)
表2に示す配合比で、製造例HM-1と同様にして製造例HM-2~HM-10を製造した。
【0073】
(製造例:HM’-1)
攪拌機を備えたステンレスビーカーに、オイル:PW-90を20部、PW-380を20部および酸化防止剤:IRG1010を0.5部投入し、内容物が130~150℃になるように注意して加熱した。溶融後攪拌を行い、均一溶融溶液とした後、130~150℃の温度を保ちながら、かつ攪拌を続けながら、この溶融物に熱可塑性エラストマー:G1643を10及びG1652を10部徐々に加え、添加終了後、130~150℃の温度で加熱撹拌し、粘着付与剤:RHR-301を40部完全に溶融させ、均一混合物とし、冷却してホットメルト接着剤を製造した。
【0074】
【表2】
【0075】
[実施例1]
混合樹脂(F-1)を、PET/離型処理層(シリコーン処理)の離型処理層上にTダイを用いて製膜し、厚さ50μmの混合樹脂フィルムを得た。得られた混合樹脂フィルムを15cm×30cmに切り、500gのホットメルト粘着剤(HM-1)を包むように折り曲げ、開口している三方をヒートシールして実施例1の塊状体(X)を得た。
【0076】
[実施例2~19及び比較例1~5]
混合樹脂の種類、混合樹脂フィルムの厚み、および、ホットメルト粘着剤の種類を表3に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2~19及び比較例1~5の塊状体(X)を得た。
【0077】
(破袋性)
塊状体(X)を縦50cm×横38cm×高さ30cmの段ボールに40個入れて、40℃のオーブンの中に24時間放置して溶融袋の状態を目視で確認して評価を行った。◎、〇、△を合格とし、×は不合格とした。
[評価基準]
◎:溶融袋の破袋なし。優良。
〇:溶融袋の破袋はあるが、塊状体同士が接着していない。良好。
△:溶融袋の破袋があり、塊状体同士が接着しているが、簡単に剥がすことが出来る。実用上問題なし。
×:溶融袋の破袋があり、塊状体同士が接着して剥がすことが出来ない。実用不可。
【0078】
(溶解性)
HM-1~HM-10およびHM’-1について、それぞれホットメルト粘着剤の全重量に対して酸化チタンを1質量%配合した白色ホットメルト粘着剤を作製した。得られた混合樹脂フィルムを15cm×30cmに切り、500gの白色ホットメルト粘着剤を包むように折り曲げ、開口している三方をヒートシールして白色ホットメルト粘着剤を内包する塊状体(Y)を得た。塊状体(Y)をビーカーに入れて、150℃に加熱した後攪拌羽根(IKA Japan 社製、攪拌羽根 R1381)を用いて、500rpmの攪拌スピードで1分間攪拌を来なった後、黒い紙の上に溶融物を垂らして、色むらを目視で評価した。◎、〇、△を合格とし、×は不合格とした。
[評価基準]
◎:色ムラ無し、優良。
〇:色ムラが部分的に見られる、良好。
△:色ムラが全体的に見られるものの、溶融袋の溶融残りはなし、実用上問題なし。
×:色ムラが全体的に見られ、かつ溶融袋も残っている、実用不可。
【0079】
(糸曳き性)
塊状体をホットメルトガンの溶融タンクに投入後150℃に加熱して、ホットメルトガンの先端から30cm離れた被着体に対し、真横に600回間欠塗工を行った。ホットメルトガンと被着体との間の落下物の重量を測定して、糸曳き性の評価を行った。試験条件は、次の通りで、3回行いその平均値を調べた。
吐出温度:140℃
吐出量:0.2g/回
吐出時間:0.2秒
吐出間隔:0.2秒
◎、〇、△を合格とし、×は不合格とした。

[評価基準]
◎:200mg以下、優良。
〇:200mgより多く、500mg以下、良好。
△:500mgより多く、1g以下、実用上問題なし。
×:1gより多い、又は溶解した塊状体がノズルにつまり塗布できない。実用不可。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
表3、4から、混合樹脂フィルムからなる溶融袋中にホットメルト粘着剤を含有する塊状体は、溶解性及び破袋性に優れ、ラベリング時の良好な糸曳き性を有する。一方、表5の比較例は、溶解性及び破袋性に優れ、ラベリング時の良好な糸曳き性を満たす塊状体は、得られなかった。
【要約】
【課題】
溶融袋中に低粘度のホットメルト粘着剤を内包した場合でも、従来よりも破袋性に優れ、内容物との溶解性(相溶性)及び塗工時の糸曳き性に優れた塊状体およびそれを用いてラベルが接着された容器の提供。
【解決手段】
溶融袋中にホットメルト粘着剤を内包する塊状体であって、溶融袋が密度923~930kg/mの低密度ポリエチレン樹脂(A)とエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(B)を含む混合樹脂フィルムからなり、ホットメルト粘着剤が、ワックス(C)を含有し、かつ140℃における粘度が500~2500mPa・sである、塊状体。
【選択図】なし