(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】車両運転モード切り替えを制御する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20250117BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20250117BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20250117BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W40/02
B60W30/182
(21)【出願番号】P 2023504186
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(86)【国際出願番号】 CN2020103818
(87)【国際公開番号】W WO2022016457
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】524397185
【氏名又は名称】深▲ジェン▼引望智能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,リンフォン
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/068273(WO,A1)
【文献】特開2000-259982(JP,A)
【文献】特開2019-101453(JP,A)
【文献】特開2011-131838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによる車両の運転モードの切り替えを制御する方法であって:
前記コンピュータシステムが、第2の車両によって検出された環境情報を取得することであって、前記第2の車両は対象道路区間を進行する車両であり、前記対象道路区間は第1の車両の進行方向の前方に位置する道路区間であること;
前記コンピュータシステムが、前記第2の車両の運転モード変更情報を取得することであって、前記運転モード変更情報は変更された運転モードおよび変更理由を含むこと;
前記第2の車両によって検出された前記環境情報および前記第2の車両の前記運転モード変更情報に基づいて、
前記コンピュータシステムが、前記対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測すること;および
前記対象道路区間が自動運転に適さず、前記第1の車両が自動運転モードに現在ある場合、前記第1の車両が前記自動運転モードから手動運転モードに切り替えられるように、
前記コンピュータシステムが、運転制御権を引き継ぐよう前記第1の車両の運転者に注意を促すこと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記対象道路区間が自動運転に適さず、前記第1の車両が前記手動運転モードに現在ある場合、前記方法は、さらに:
前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の前記運転者に前記自動運転モードに切り替えないように注意を促すこと;または
前記コンピュータシステムが、前記手動運転モードから前記自動運転モードに切り替えることが禁止されていることを前記第1の車両に通知すること;を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに:
前記コンピュータシステムが、自動運転環境マップを生成することを含み、前記自動運転環境マップは、前記第1の車両の前記進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、前記複数の道路区間は前記対象道路区間を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変更理由は、前記変更理由の重みおよび有効期間のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
車両運転モード切り替えを制御する装置であって、前記装置は取得モジュールおよび処理モジュールを有し;
前記取得モジュールは、第2の車両によって検出された環境情報を取得するように構成され、前記第2の車両は対象道路区間を進行する車両であり、前記対象道路区間は第1の車両の進行方向の前方に位置する道路区間であり、前記取得モジュールはさらに前記第2の車両の運転モード変更情報を取得するように構成され、前記運転モード変更情報は変更された運転モードおよび変更理由を含み;
前記処理モジュールは:前記第2の車両によって検出された前記環境情報および前記第2の車両の前記運転モード変更情報に基づいて、前記対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し;前記対象道路区間が自動運転に適さず、前記第1の車両が自動運転モードに現在ある場合、前記第1の車両が前記自動運転モードから手動運転モードに切り替えられるように、前記第1の車両の運転制御権を引き継ぐよう前記第1の車両の運転者に注意を促す;ように構成される、
装置。
【請求項6】
前記対象道路区間が自動運転に適さず、前記第1の車両が現在前記手動運転モードにある場合、前記処理モジュールはさらに:
前記自動運転モードに切り替えないように前記第1の車両の前記運転者に注意を促す;または
前記手動運転モードから前記自動運転モードに切り替えることが禁止されていることを前記第1の車両に通知する;ように構成される、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記処理モジュールはさらに:
自動運転環境マップを生成するように構成され、前記自動運転環境マップは、前記第1の車両の前記進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、前記複数の道路区間は前記対象道路区間を含む、
請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記変更理由は、前記変更理由の重みおよび有効期間のうちの少なくとも1つを含む、
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
プロセッサおよびメモリを有する、車両運転モード切り替えを制御する装置であって、前記メモリはプログラム命令を格納するように構成され、前記プロセッサはプログラム命令を呼び出して、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、装置。
【請求項10】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載の装置を有する自動運転車両。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令がプロセッサによって実行されると、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
チップであって、前記チップはプロセッサおよびデータインターフェースを有し、前記プロセッサは、前記データインターフェースを通して、メモリに格納された命令を読み取り、
前記プロセッサは、前記命令を実行するとき、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法を実行する、チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、自動運転の分野に関し、より具体的には、車両運転モード切り替えを制御する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能(artificial intelligence、AI)は、デジタルコンピュータまたはデジタルコンピュータによって制御される機械を用いて、人間の知能をシミュレート、延長、拡張し、環境を知覚し、知識を得て、その知識を利用して最良の結果を得るための理論、手法、技術、および応用システムである。言い換えれば、人工知能は、知能の本質を理解し、人間の知能と同様の反応をすることができる新しい知能機械を生み出そうとするコンピュータ科学の一分野である。人工知能は、様々な知能機械の設計原理や実装方法を研究し、機械に知覚、推論、意思決定の機能を持たせることである。人工知能分野の研究は、ロボット工学、自然言語処理、コンピュータビジョン、意思決定と推論、人間とコンピュータの相互作用、推奨と検索、AI基礎理論などを含む。
【0003】
自動運転は、人工知能分野の主流のアプリケーションである。自動運転技術は、コンピュータビジョン、レーダー、監視装置、全地球測位システムなどに依存して、相互に連携し、人間の介入なしに自動車の自動運転を実現する。自動運転車両は、さまざまなコンピューティングシステムを使用して、ある場所から別の場所への乗客の輸送を支援する。一部の自動運転車両は、いくつかの初期入力またはオペレーター(例えば、パイロット、運転手、乗客)からの連続入力を必要とする場合がある。自動運転車両は、オペレーターが手動運転モードから自動運転モードに切り替えること又は2つのモードの間のモードで運転することを可能にする。自動運転技術は、人が自動車を運転することを必要としないため、理論的には、人の運転ミスを効果的に回避することができ、交通事故の発生を減らすことができ、道路の輸送効率を向上させることができる。そのため、自動運転技術への注目が高まっている。
【0004】
現在、自動運転SAEのレベルL4以下では、手動引き継ぎまたはエリアベースの手動運転が依然として自動運転の基本要件となっている。既存の自動運転技術では、通常、現車のリアルタイム検出情報のみが考慮される。現車の前方の範囲に危険な状況が存在することを検出した場合、現車は運転者に緊急に車両を引き継ぐことを強制的に要求する。しかし実際には、自動運転中の方が運転者は気が散りやすい。手動での引き継ぎ中、認知の回復に時間が(平均10秒、場合によっては30秒)かかり、引き継ぎ中にリスクが発生しやすくなる。制御権の移行中に生じる事故は、自動運転車両の事故の20%以上を占めている。事故は、道路障害物やかたまりになった霧(西部山岳地帯で発生しやすい)などの急変による制御権の切り替え時中により発生しやすい。
【0005】
したがって、自動運転の安全性をどのように向上させるかは、早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、自動運転の安全性を向上させるために、車両の運転モード切り替えを制御する方法および装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、車両の運転モード切り替えを制御する方法が提供される。この方法は:第2の車両によって検出される環境情報を取得することであって、第2の車両は対象道路区間を進む車両であり、対象道路区間は第1の車両の進行方向の前に位置する道路区間である、取得すること;第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測すること;および対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両が自動運転モードから手動運転モードに切り替えられるように、第1の車両の運転制御権を引き継ぐよう運転者に注意を促すこと(reminding);を含む。
【0008】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、第1の車両の運転制御権を引き継ぐ準備をするようにまたは直接引き継ぐように、注意を促され得る。
【0009】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、代替的に、運転者の緊迫感を高め、自動運転の安全性を向上させるために、第1の車両の運転制御権を引き継ぐことを強いられ得る。
【0010】
本出願の本実施形態では、第1の車両の進行の前方の対象道路区間の第2の車両によって検知された環境情報が取得され;対象道路区間が自動運転に適しているかどうかは、環境情報に基づいて予測され;対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、第1の車両の運転制御権を引き継ぐように注意を促され得る。このように、走行過程において、自動運転車両は、前方の対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを事前に知る(learn)ことができる。そのため、自動運転中の手動引き継ぎのリアルタイム要件を効果的に軽減し、引き継ぎ要件を現在の秒レベルから分レベルに変更し、運転者が引き継ぎ前に認知を回復するための特定の時間を提供し、それによって自動運転の安全性を向上させる。
【0011】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実装では、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、本方法はさらに:第1の車両の運転者に自動運転モードに切り替えないように注意を促すこと;または、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを第1の車両に通知すること;を含む。
【0012】
本出願の本実施形態では、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、自動運転モードに切り替えないように注意を促され得る、または、第1の車両は、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを通知され得る。これは、車両の走行過程における頻繁な運転モード間の切り替えを効果的に回避し、それによって自動運転の継続性と運転者の経験を確保することができる。
【0013】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実装では、方法はさらに:自動運転環境マップを生成することを含み、自動運転環境マップは、第1の車両の進行方向の前に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、複数の道路区間は対象道路区間を含む。
【0014】
本出願の本実施形態では、自動運転環境マップは、運転者が、自動運転環境マップに基づいて事前に、進行方向の前方の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを知ることができ、その後、運転者が、事前に準備状態に入るまたは経路計画を実行することができるように、生成され、それによって、自動運転の安全性を向上させる。
【0015】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実装では、本方法はさらに:第2の車両の運転モード変更情報を取得することを含み、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含み;第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測することは:第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測することを含む。
【0016】
本出願の本実施形態では、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかは、第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、予測されるため、実際の状況が予測プロセスにおいて十分に考慮されており、それによって予測結果の精度および自動運転の安全性が向上する。
【0017】
第2の態様によれば、車両運転モード切り替えを制御する装置が提供される。装置は、取得モジュールおよび処理モジュールを含む。取得モジュールは、第2の車両によって検出された環境情報を取得するように構成され、第2の車両は対象道路区間を進む車両であり、対象道路区間は第1の車両の進行方向の前に位置する道路区間である。処理モジュールは:第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し;対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両を自動運転モードから手動運転モードに切り替えるように、第1の車両の運転制御権を引き継ぐよう運転者に注意を促す;ように構成される。
【0018】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実装では、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、処理モジュールはさらに:第1の車両の運転者に自動運転モードに切り替えないように注意を促す;または、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを第1の車両に通知する;ように構成される。
【0019】
第2の態様を参照して、第2の態様のいくつかの実装では、処理モジュールはさらに、自動運転環境マップを生成するように構成され、自動運転環境マップは、第1の車両の進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、複数の道路区間は対象道路区間を含む。
【0020】
第2の態様を参照して、第2の態様のいくつかの実装では、取得モジュールはさらに、第2の車両の運転モード変更情報を取得するように構成され、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含む。処理モジュールはさらに、第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測するように構成される。
【0021】
第3の態様によれば、装置が提供される。装置は記憶媒体および中央処理装置を含む。記憶媒体は不揮発性記憶媒体であってもよく、記憶媒体はコンピュータ実行プログラムを格納する。中央処理装置は、不揮発性記憶媒体に接続され、コンピュータ実行プログラムを実行して、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実装する。
【0022】
第4の態様によれば、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる装置を含む自動運転車両が提供される。
【0023】
第5の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作する場合、コンピュータは第1の態様または第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することが可能にされる。
【0024】
第6の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、デバイスによる実行のためのプログラムコードを格納し、プログラムコードは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行するために使用される命令を含む。
【0025】
第7の態様によれば、チップが提供される。チップはプロセッサおよびデータインターフェースを含む。プロセッサは、データインターフェースを通してメモリに格納された命令を読み取り、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する。
【0026】
オプションで、実装では、チップはさらにメモリを含み得る。メモリは命令を格納し、プロセッサはメモリに格納された命令を実行するように構成される。命令が実行されているとき、プロセッサは第1の態様または第1の態様のいずれか1つの方法を実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本出願の一実施形態による車両の機能のブロック図である。
【0028】
【
図2】本出願の一実施形態による自動運転システムの例示的な図である。
【0029】
【
図3】本出願の一実施形態によるクラウド命令ベースの自動運転車両の例示的な図である。
【0030】
【
図4】本出願の一実施形態による車両運転モード切り替えを制御する方法の例示的な図である。
【0031】
【
図5】本出願の一実施形態による制御権交換方法の例示的なフローチャートである。
【0032】
【
図6】本出願の一実施形態による他の制御権交換方法の例示的なフローチャートである。
【0033】
【
図7】本出願の一実施形態による車両クラウド連携システムのアーキテクチャの図である。
【0034】
【
図8】本出願の一実施形態による車両側による変更情報を報告することの例示的なフローチャートである。
【0035】
【
図9】本出願の一実施形態による車両運転モード切り替えを制御する装置の構造の例示的な図である。
【0036】
【
図10】本出願の一実施形態による装置の構造の例示的な図である。
【0037】
【
図11】本出願の一実施形態によるコンピュータプログラム製品の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下は、本出願の技術的な解決策を添付の図面を参照して説明する。
【0039】
図1は、本出願の一実施形態による車両100の機能のブロック図である。一実施形態では、車両100は完全または部分的自動運転モードで構成される。
【0040】
例えば、車両100は、自動運転モードのときに自己制御することができ、手動操作を通じて、車両の現在の状態および周囲の環境を決定し、周囲の環境における少なくとも1つの他の車両の可能な挙動を決定し、他の車両が可能な挙動を行う可能性に対応する信頼度を決定し、決定された情報に基づいて車両100を制御することができる。車両100が自動運転モードのとき、車両100は人とのやり取りなしに動作するように設定され得る。
【0041】
車両100は、走行システム102、センサーシステム104、制御システム106、1つ以上の周辺装置108、電源110、コンピュータシステム112、およびユーザインターフェース116などの様々なサブシステムを含み得る。オプションで、車両100は、より多くまたはより少ないサブシステムを含む場合があり、各サブシステムは複数の要素を含むことがある。加えて、車両100のサブシステムおよび要素は、有線または無線で相互接続され得る。
【0042】
走行システム102は、車両100の運動を提供するコンポーネントを含み得る。一実施形態では、走行システム102は、エンジン118、エネルギー源119、トランスミッション装置120、ホイール/タイヤ121を含み得る。エンジン118は、内燃機関、モーター、空気圧縮エンジン、または他の種類のエンジンの組み合わせ、例えば、ガソリンエンジンとモーターによって形成されるハイブリッドエンジン、または内燃機関と空気圧縮エンジンによって形成されるハイブリッドエンジンであり得る。エンジン118は、エネルギー源119を機械エネルギーに変換する。
【0043】
例えば、エネルギー源119は、ガソリン、ディーゼル、別の油ベースの燃料、プロパン、別の圧縮ガスベースの燃料、無水アルコール、ソーラーパネル、バッテリー、および別の電源を含む。エネルギー源119は、また、車両100の別のシステムにエネルギーを提供し得る。
【0044】
トランスミッション装置120は、エンジン118からの機械的出力をホイール121に伝達し得る。トランスミッション装置120は、ギアボックス、ディファレンシャルギア、およびドライブシャフトを含み得る。一実施形態では、トランスミッション装置120はさらに別の構成要素、例えばクラッチを含み得る。ドライブシャフトは、1つ以上のホイール121に結合され得る1つ以上のシャフトを含み得る。
【0045】
センサーシステム104は、車両100の周辺環境に関する情報を感知するいくつかのセンサーを含み得る。例えば、センサーシステム104は、測位(positioning)システム122(測位システムは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)であり得る、またはBeiDouシステムや他の測位システムであり得る)、慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)124、レーダー126、レーザー距離計128、カメラ130を含み得る。センサーシステム104は、さらに、監視される車両100の内部システムのセンサー(例えば、車内空気質モニター、燃料計、および油温計)を含み得る。これらのセンサーのうちの1つ以上からのセンサーデータは、物体とその物体の対応する特性(位置、形状、方向、速度など)を検出するために使用され得る。このような検出および識別は、自動運転車両100の安全な運行の重要な機能である。
【0046】
測位システム122は、車両100の地理的位置を推定するように構成され得る。IMU124は、慣性加速度に基づいて車両100の位置および向きの変化を感知するように構成される。一実施形態では、IMU124は加速度計とジャイロスコープの組み合わせであり得る。
【0047】
レーダー126は、無線信号を使用して、車両100の周囲環境にある物体を感知し得る。いくつかの実施形態では、物体を感知することに加えて、レーダー126は、さらに、物体の速度および/または進行方向を感知するように構成され得る。
【0048】
レーザー距離計128は、レーザー光を使用して、車両100が置かれている環境内の物体を感知し得る。いくつかの実施形態では、レーザー距離計128は、1つ以上のレーザー源、レーザースキャナ、1つ以上の検出器、および他のシステムコンポーネントを含み得る。
【0049】
カメラ130は、車両100の周辺環境の複数の画像をキャプチャするように構成され得る。カメラ130は、スチルカメラまたはビデオカメラであり得る。
【0050】
制御システム106は、車両100および車両100のコンポーネントの動作を制御する。制御システム106は、ステアリングシステム132、スロットル134、ブレーキユニット136、センサー融合アルゴリズム138、コンピュータビジョンシステム140、ルート制御システム142、および障害物回避システム144などの様々な要素を含み得る。
【0051】
ステアリングシステム132は、車両100の進行方向を調整するために操作され得る。例えば、一実施形態では、ステアリングシステム132は、ステアリングホイールシステムであり得る。
【0052】
スロットル134は、エンジン118の動作速度を制御し、結果として車両100の速度を制御するように構成される。
【0053】
ブレーキユニット136は、減速するように車両100を制御するように構成され、ブレーキユニット136はホイール121を減速させるために摩擦力を使用し得る。別の実施形態では、ブレーキユニット136は、ホイール121の運動エネルギーを電流に変換し得る。ブレーキユニット136は、代替的に、車両100の速度を制御するために別の形態でホイール121の回転速度を減速させ得る。
【0054】
コンピュータビジョンシステム140を操作して、カメラ130によってキャプチャされた画像を処理および分析し、車両100の周辺環境における物体および/または特性を識別し得る。物体および/または特性は、交通信号、道路境界、および障害物を含み得る。コンピュータビジョンシステム140は、物体認識アルゴリズム、動作からの構造(Structure from Motion、SFM)アルゴリズム、ビデオトラッキング、およびその他のコンピュータビジョン技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステム140は:環境の地図を描く、物体を追跡する、物体の速度を推定する、などのように構成され得る。
【0055】
ルート制御システム142は、車両100の走行ルートを決定するように構成される。いくつかの実施形態では、ルート制御システム142は、センサー138、GPS122、および1つ以上の所定の地図からのデータに基づいて、車両100の走行ルートを決定し得る。
【0056】
障害物回避システム144は、車両100が置かれている環境内の潜在的な障害物を特定、評価、および回避または迂回するように構成される。
【0057】
確かに、一例では、制御システム106は、追加的または代替的に、示され説明されているもの以外のコンポーネントを含み得る。あるいは、上に示されているコンポーネントのいくつかは、制御システム106から削除されてもよい。
【0058】
車両100は、周辺装置108を使用することによって、外部センサー、別の車両、別のコンピュータシステム、またはユーザと対話する。周辺装置108は、無線通信システム146、車載コンピュータ148、マイク150、および/またはラウドスピーカ152を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、周辺装置108は、車両100のユーザがユーザインターフェース116と対話する手段を提供する。例えば、車載コンピュータ148は、車両100のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェース116は、さらに、車載コンピュータ148を操作することによってユーザ入力を受信し得、車載コンピュータ148はタッチスクリーンを使用することによって操作することができる。別のケースでは、周辺装置108は、車両100が別の車載装置と通信する手段を提供し得る。例えば、マイク150は、車両100のユーザからの音声(例えば、音声コマンドまたは別の音声入力)を受信し得る。同様に、ラウドスピーカ152は、車両100のユーザに音声を出力し得る。
【0060】
無線通信システム146は、直接または通信ネットワークを介して、1つ以上のデバイスと無線通信し得る。例えば、無線通信システム146は、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、移動通信用グローバルシステム(global system for mobile communications、またはGSM)、および汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)などの3Gセルラー通信、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)などの4Gセルラー通信、または5Gセルラー通信を使用し得る。無線通信システム146は、Wi-Fiを使用することによって無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)と通信し得る。いくつかの実施形態では、無線通信システム146は、赤外線リンク、Bluetooth(登録商標)などを使用することによってデバイスと直接通信し得る。様々な車両通信システムなどの他の無線プロトコル、例えば、無線通信システム146は、1つ以上の狭域通信(dedicated short range communications、DSRC)デバイスを含み得る。これらのデバイスには、公共および/または民間のデータ通信を相互に行う車両および/または道路沿いのステーションの装置を含み得る。
【0061】
電源110は、車両100のコンポーネントに電力を供給する。一実施形態では、電源110は、充電可能なリチウムイオンまたは鉛蓄電池であり得る。このようなバッテリーの1つ以上のバッテリーパックは、車両100のコンポーネントに電力を供給する電源として構成され得る。いくつかの実施形態では、一部の純電気自動車のように、電源110とエネルギー源119は一緒に実装され得る。
【0062】
車両100の一部またはすべての機能は、コンピュータシステム112によって制御される。コンピュータシステム112は、少なくとも1つのプロセッサ113を含み得、プロセッサ113は、例えばメモリ114のような非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令115を実行する。コンピュータシステム112は、代替的に、車両100の個々のコンポーネントまたはサブシステムを、分散的な方法で、制御する複数のコンピューティングデバイスであり得る。
【0063】
プロセッサ113は、任意の従来のプロセッサ、例えば、市販のCPUであり得る。代替的には、プロセッサは、専用デバイス、例えば、ASICまたは他のハードウェアベースのプロセッサであり得る。
図1は、同じブロック内のコンピュータ110のプロセッサ、メモリ、および他の要素を機能的に示しているが、当業者は、プロセッサ、コンピュータ、またはメモリが実際には、同じ物理的ハウジングに格納されている場合もされていない場合もある、複数のプロセッサ、コンピュータ、またはメモリを含み得ることを理解すべきである。例えば、メモリは、コンピュータ110のものとは異なるハウジングに配置されたハードディスクドライブまたは別の記憶媒体であり得る。したがって、プロセッサまたはコンピュータへの参照は、並列に動作する場合もしない場合もあるプロセッサまたはコンピュータまたはメモリのセットへの参照を含むことが理解される。ここで説明するステップを実行するために単一のプロセッサを使用することとは異なり、ステアリングコンポーネントまたは減速コンポーネントなどの一部のコンポーネントは、それぞれのプロセッサを含み得る。プロセッサは、コンポーネント固有の昨日に関連する計算のみを実行する。
【0064】
ここで説明するさまざまな態様において、プロセッサは、車両から遠く離れた場所に配置され、無線で車両と通信してもよい。その他の態様では、ここで説明するいくつかのプロセスは車両内に配置されたプロセッサで実行され、一方、その他のプロセスはリモートプロセッサによって実行される。プロセスは、単一の動作を実行するために必要なステップを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、メモリ114は命令115(例えばプログラムロジック)を含み得、命令115は、上述の機能を含む車両100の様々な機能を実行するために、プロセッサ113によって実行され得る。メモリ114はまた、走行システム102、センサーシステム104、制御システム106、および周辺装置108の1つ以上に、データを送信する、それらからデータを受信する、それらと対話する、および/またはそれらを制御する命令を含む、追加の命令を含み得る。
【0066】
命令115に加えて、メモリ114はまた、道路地図、ルート情報、車両の位置、方向、速度、このタイプの他の車両のデータ、およびその他の情報などのデータを格納し得る。これらの情報は、自律モード、半自律モード、および/または手動モードでの車両100の動作中に、車両100とコンピュータシステム112によって使用され得る。
【0067】
ユーザインターフェース116は、車両100のユーザに情報を提供するまたはユーザから情報を受信するように構成される。オプションで、ユーザインターフェース116は、周辺装置108、例えば、無線通信システム146、車載コンピュータ148、マイク150、およびラウドスピーカ152のセット内の1つ以上の入出力デバイスに含まれ得る。
【0068】
コンピュータシステム112は、様々なサブシステム(例えば、走行システム102、センサーシステム104、および制御システム106)とユーザインターフェース116から受信した入力に基づいて車両100の機能を制御し得る。例えば、コンピュータシステム112は、センサーシステム104および障害物回避システム144によって検出された障害物を回避するようにステアリングユニット132を制御するために、制御システム106からの入力を使用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、車両100および車両100のサブシステムの多くの状況を制御するように操作され得る。
【0069】
オプションで、前述のコンポーネントの1つ以上は、車両100とは別にまたは車両100に関連して取り付けられ得る。例えば、メモリ114は、車両100とは部分的または完全に分離して存在し得る。前述のコンポーネントは、有線および/または無線で相互に通信結合され得る。
【0070】
オプションで、前述のコンポーネントは単なる例にすぎない。実際の応用では、前述のモジュール内のコンポーネントは、実際の要件に応じて追加または削除される場合がある。
図1は、本出願の実施形態に対する限定として理解されるべきではない。
【0071】
道路を走行する自動運転車両、例えば、車両100は、現在の速度を調整することを決定するために、車両100の周囲環境の物体を識別し得る。物体は、別の車両、交通制御装置、または別の種類の物体であり得る。いくつかの例では、各識別された物体は、独立して考慮され、物体の現在の速度、物体の加速度、物体と車両との間の間隔などの各物体の特性に基づいて、自動運転車両によって調整される速度を決定するために使用され得る。
【0072】
オプションで、自動運転車両100または自動運転車両100に関連するコンピューティングデバイス(例えば、
図1のコンピュータシステム112、コンピュータビジョンシステム140、またはメモリ114)は、識別された物体の特性と周辺環境の状態(例えば、交通、雨、または道路上の氷など)に基づいて、識別された物体の動作を予測し得る。オプションで、識別された物体は互いの挙動に依存する。そのため、すべての識別された物体は、単一の識別された物体の挙動を予測するために一緒に考慮され得る。車両100は、識別された物体の予測された挙動に基づいて車両100の速度を調整できる。言い換えれば、自動運転車両は、物体の予測される挙動に基づいて、車両が特定の安定した状態(例えば、加速、減速、停止状態)に調整される必要があることを決定できる。このプロセスでは、車両100の速度を決定するために別の要因、例えば、車両100が走行する道路上の車両100の水平位置、道路の曲率、静止物体と動的物体との間の近接性も考慮され得る。
【0073】
自動運転車両の速度を調整するための命令を提供することに加えて、コンピューティングデバイスは、車両100のステアリング角度を変更するための指示を提供し得、これにより、自動運転車両は所与のトラックに従うおよび/または自動運転車両の近くの物体(例えば、道路上の隣接車線にある車)からの安全な横方向および縦方向の距離を維持する。
【0074】
オプションで、自動運転車両100または自動運転車両100に関連するコンピューティングデバイス(例えば、
図1のコンピュータシステム112、コンピュータビジョンシステム140、またはメモリ114)は、さらに、車両の状態および検出された環境情報に基づいて、前方の道路区間が自動運転に利用できるかどうかを予測し、自動運転モードと手動運転モードとの間の切り替えを制御し得る。
【0075】
車両100は、自動車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、レクリエーション用車両、遊園地の乗り物、建設装置、トロリー、ゴルフカート、列車、手押し車などであり得る。これは、本出願の本実施例において特に限定されない。
【0076】
図2は、本出願の一実施形態による自動運転システムの例示的な図である。
【0077】
図2に示す自動運転システムは、コンピュータシステム101を含む。コンピュータシステム101はプロセッサ103を含み、プロセッサ103はシステムバス105に結合される。プロセッサ103は1つ以上のプロセッサであり得、各プロセッサは1つ以上のプロセッサコアを含み得る。ディスプレイアダプタ(ビデオアダプタ)107がディスプレイ109を駆動し得、ディスプレイ109はシステムバス105に結合される。システムバス105はバスブリッジ111を介して入出力(input/output、I/O)バス113に結合される。I/Oインターフェース115がI/Oバスに結合される。I/Oインターフェース115は、入力デバイス117(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン)、マルチメディアトレイ(メディアトレイ)121(例えば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)またはマルチメディアインターフェース)、トランシーバ123(無線通信信号を送受信し得る)、カメラレンズ155(静的および動的なデジタルビデオ画像をキャプチャし得る)、および外部ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)インターフェース125などの複数のI/Oデバイスと通信する。オプションで、I/Oインターフェース115に接続されているインターフェースはUSBインターフェースであり得る。
【0078】
プロセッサ103は、任意の従来のプロセッサ、例えば、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer、RISC)プロセッサ、複合命令セットコンピュータ(complex instruction set computer、CISC)プロセッサ、またはそれらの組み合わせであり得る。オプションで、プロセッサは、専用装置、例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)などであり得る。プロセッサ103は、ニューラルネットワークプロセッサ、または、ニューラルネットワークプロセッサと前述の従来のプロセッサの組み合わせであり得る
【0079】
オプションで、本明細書に記載されているさまざまな実施形態では、コンピュータシステム101は、自動運転車両から離れた場所に配置され得、自動運転車両と無線で通信し得る。その他の態様では、本明細書に記載されているいくつかのプロセスは、自動運転車両の内部に配置されたプロセッサで実行され、一方、その他のプロセスはリモートプロセッサによって実行される。プロセスには、単一の動作を実行するために必要なアクションを含む。
【0080】
コンピュータ101は、ネットワークインターフェース129を介してソフトウェア展開サーバ149と通信し得る。ネットワークインターフェース129は、ハードウェアネットワークインターフェース、例えば、ネットワークインターフェースカードである。ネットワーク127は、外部ネットワーク、例えば、インターネットであり得る、または、内部ネットワーク、例えば、イーサネット(登録商標)または仮想プライベートネットワーク(virtual private network、VPN)であり得る。代替的には、ネットワーク127は、無線ネットワーク、例えば、Wi-Fiネットワークまたはセルラーネットワークであり得る。
【0081】
ハードディスクドライブインターフェースがシステムバス105に結合される。ハードウェアドライバインターフェースが、ハードディスクドライブに接続される。システムメモリ135が、システムバス105に結合される。システムメモリ135で動作するデータは、コンピュータ101のオペレーティングシステム137およびアプリケーションプログラム143を含み得る。
【0082】
オペレーティングシステムは、シェル(shell)139とカーネル(kernel)141を含む。シェル139は、ユーザとオペレーティングシステムのカーネル(kernel)との間のインターフェースである。シェルはオペレーティングシステムの最外層であり得る。シェルは、ユーザとオペレーティングシステム間の相互作用:ユーザ入力の待機、オペレーティングシステムへのユーザ入力の解釈、オペレーティングシステムのさまざまな出力結果の処理、を管理する。
【0083】
カーネル141は、メモリ、ファイル、周辺デバイス、およびシステムリソースを管理するように構成されたオペレーティングシステムのコンポーネントを含む。カーネル141はハードウェアと直接対話する。オペレーティングシステムのカーネルは通常、プロセスを実行し、プロセス間の通信を提供し、CPUタイムスライス管理、割り込み、メモリ管理、I/O管理などを提供する。
【0084】
アプリケーションプログラム143は、車両の自動運転を制御するための関連プログラム、例えば、自動運転車両と道路障害物との相互作用を管理するためのプログラム、自動運転車両のルートまたは速度を制御するためのプログラム、自動運転車両と道路上の他の自動運転車両との相互作用を制御するためのプログラムを含む。アプリケーションプログラム143はまた、展開サーバ149のシステム上に存在する。一実施形態では、コンピュータシステム101は、アプリケーションプログラム147を実行する必要がある場合に、展開サーバ14からアプリケーションプログラム143をダウンロードし得る。
【0085】
例えば、アプリケーションプログラム141は、自動運転支援機能を有効または無効にすることを可能にするように自動運転車両を制御するためのプログラムであり得る。
【0086】
センサー153はコンピュータシステム101に関連付けられ、センサー153はコンピュータ101の周囲環境を検出するように構成される。例えば、センサー153は、動物、車、障害物、および横断歩道を検出し得る。さらに、センサーは、動物、車、障害物、および横断歩道などの前述の物体の周囲の環境、例えば動物の周囲の環境、動物の周囲の他の動物、気象条件、周囲環境の明るさを検出し得る。オプションで、コンピュータ101が自動運転車両に配置されている場合、センサーは、カメラレンズ、赤外線センサー、化学検出器、マイクなどであり得る。
【0087】
図1のコンピュータシステム112はまた、他のコンピュータシステムから情報を受信または他のコンピュータシステムに情報を転送し得る。代替的には、車両100のセンサーシステム104から収集されたセンサーデータはデータを処理するために他のコンピュータに転送され得る。
【0088】
例えば、
図3に示すように、コンピュータシステム312からのデータは、さらなる処理のためにネットワークを介してクラウド側サーバ320(クラウド側とも呼ばれる)に送信され得る。ネットワークおよび中間ノードは、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、1つ以上の企業の独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、ハイパーテキスト転送プロトコル(hypertext transfer protocol、HTTP)、およびそれらのさまざまな組み合わせを含む、さまざまな構成およびプロトコルを含み得る。このような通信は、別のコンピュータとの間でデータを送信できる任意のデバイス、例えば、モデムおよび無線インターフェースによって実装され得る。例えば、車両の状態および環境情報などのデータは、さらなる処理のためにクラウド側サーバ320に送信される。クラウド側サーバは、これらのデータを複数のニューラルネットワークモデルを使用することによって識別および処理し、コンピュータシステム312に識別結果をフィードバックし得、その結果、コンピュータシステム312は自動運転支援機能の有効にするか無効にするかを確認することができる。
【0089】
一例では、サーバ320は、複数のコンピュータ、例えばロードバランシングサーバクラスタを持つサーバを含み得、ネットワークの異なるノードと情報を交換して、コンピュータシステム312からのデータを送信、処理、および送信する。サーバは、コンピュータシステム312と同様の方法で構成され得、プロセッサ330、メモリ340、命令350、およびデータ360を有する。
【0090】
自動運転システムは、いくつかの自動運転支援機能、例えば、プリコリジョンシステム(pre-collision system、PCS)、アダプティブクルーズコントロール(adaptive cruise control、ACC)、車線維持支援(lane keeping aid、LKA)、クロストラフィックアラート、(cross traffic alert、CTA)、リアクロストラフィックアラート(rear cross traffic alert、RCTA)、ブラインドスポットワーニング(blind spot warning、BSW)、車両警報ターンオフ、および渋滞アシスト(traffic jam assist、TJA)を含み得る。
【0091】
近年の自動運転の急速な発展に伴い、自動運転は自動化の度合いによって複数のレベルに分けられることがある。表1は、本出願の本実施形態で提供される自動運転レベル分類状況を示す。表1から、レベルL4以下では、手動引き継ぎまたはエリアベースの手動運転が依然として自動運転の基本要件であることを知ることができる。
【表1】
【0092】
既存の自動運転技術では、通常、現在の車両のリアルタイム検出情報のみが考慮される。現在の車両の前方の範囲に危険な状況が存在することを検出すると、現在の車両は、運転者に緊急に車両を引き継ぐことを強制的に要求する。しかし、実際には、運転者は自動運転中、気が散りやすい。手動引き継ぎ中、認知の回復に時間(平均10秒、場合によっては30秒)がかかり、応答が間に合わないため、引き継ぎ中にリスクが発生しやすくなる。
【0093】
前述の問題を考慮して、本出願は、車両の運転モードの切り替えを制御する方法を提供する。第1の車両の進行方向前方の特定距離にある対象道路区間において、第2の車両によって検出される環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかが適切に予測され;対象道路区間が自動運転に適しておらず、第1の車両が現在自動運転モードである場合、引き継ぎリマインダが、現在の車両の運転者に送られて、運転者が緊急に車両を引き継ぐ必要があることを回避するとともに、運転者が時間内に応答しないことにより生じるリスクを回避し、それによって自動運転の安全性を向上させる。
【0094】
図4は、本出願の一実施形態による車両運転モード切り替えを制御する方法の一例の図である。方法400は、
図1に示す自動運転車両100、
図2に示す自動運転システム101、または
図3に示すサーバ320によって実行され得る。方法400は、ステップS410からS430を含む。これらのステップの詳細を以下に示す。
【0095】
S410:第2の車両によって検出された環境情報を取得する。
【0096】
第2の車両は対象道路区間を走行する車両であり、対象道路区間は第1の車両の進行方向の前方に位置する道路区間であることが理解されるべきである。言い換えれば、第1の車両は、この時点では対象道路区間を走行しておらず、対象道路区間までの特定の距離が依然としてある。
【0097】
一例では、距離は100m以上であり得る。例えば、対象道路区間は、第1の車両から100m離れている場合、第1の車両から500m離れている場合、第1の車両から1000m離れている場合がある。これは、本出願では限定されない。距離は、第1の車両の運転者が運転制御権を引き継ぐのに十分な応答時間を有することを確実にする必要があることが理解されるべきである。加えて、対象道路区間の長さは、本出願では限定されず、道路状況または気象情報に基づいて調整され得る。
【0098】
オプションで、第2の車両は、対象道路区間を進行し、環境情報検出機能を有する車両であり得る、またはその機能を有する収集車両、例えば専用測定車両であり得る。オプションで、第2の車両によって検出される環境情報は、第2の車両によって報告または送信され得る、または、取得機能を有する他の装置によって収集され得る。
【0099】
オプションで、第2の車両によって検出された環境情報を取得することは、第1の車両の進行方向前方の対象道路区間において、1台以上の第2の車両によって検出された環境情報を取得することであり得る。これは、本出願では、予測結果の参照および自動運転の安全性を向上させるために、予測が1台の第2の車両によって検出された環境情報に基づいて行われ得ること、または予測が複数の第2の車両によって検出された環境情報を包括的に分析することによって行われ得ることを意味する。
【0100】
第2の車両によって検出された環境情報は、道路状況および/または気象情報を含み得ることが理解されるべきである。道路状況は、道路の障害物状態、道路の幅、道路上の歩行者、道路の直線性/カーブ、道路上の水の蓄積または氷の状態、道路が通行を禁止されているかどうかなどであり得る。気象情報は、雨、雪、霧などによって生じる視程、温度条件、光強度などであり得る。環境情報は、単なる一例であり、本出願の限定を構成するものではないことが理解されるべきである。実際の用途では、環境情報は、第2の車両の実際の検出情報に基づいて決定され得る。
【0101】
S420:第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測する。
【0102】
オプションで、1台以上の第2の車両によって検出された道路状況および/または気象情報が分析され得る。各道路状況または気象要因の自動運転への影響の程度が分析される、すなわち自動運転がその環境において適しているかどうかが分析される。
【0103】
オプションで、方法400はさらに:自動運転環境マップを生成することを含み、自動運転環境マップは、第1の車両の進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、複数の道路区間は目標道路区間を含む。
【0104】
自動運転環境マップは、エリア内または第1の車両の進行方向の前方の道路上の複数の道路区間のそれぞれが自動運転に適しているかどうかを示すことができることが理解されるべきである。自動運転環境マップは、さらに、複数の道路区間の位置情報を含み得る。自動運転環境マップは、一定期間内に複数の車両によって使用されることがあり、環境などの情報の変化に伴って連続的に更新されることが理解されるべきである。
【0105】
例えば、道路区間が自動運転に適している場合、「イエス」が地図の道路区間にマークされ得る;または予測結果が、自動運転に適さない道路区間であることを示す場合、「ノー」が地図の道路区間にマークされる。代替的には、異なる色が、自動運転区間と手動運転区間を表すために使用され得る。これにより、エリア内の複数の道路区間の自動運転環境マップが取得される。したがって、コンピュータデバイスまたはサーバは、道路またはエリアにおける自動運転状態についてグローバルな決定を行うために、事前に自動運転環境マップに基づいて、特定の道路区間を通過しようとする車両の運転者に、その道路区間が自動運転に適しているかどうかを通知し得る、または、運転者が、事前にマップに基づいて、その先の複数の道路区間のそれぞれが自動運転に適しているかどうかを知ることができるように、自動運転環境マップを運転者に送信し得る。
【0106】
本出願の本実施形態では、自動運転環境マップが生成され、その結果、運転者は、事前に自動運転環境マップに基づいて、進行方向の前方の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを知ることができ、その後、運転者は、事前に準備状態に入るまたは経路計画を実行することができ、それによって、自動運転の安全性が向上する。
【0107】
オプションで、本出願では、第2の車両の運転モードがされに取得され得、運転モードは自動運転モードまたは手動運転モードであり;対象道路区間が自動運転に適しているかどうかは第2の車両の運転モードに基づいて予測される。
【0108】
例えば、対象道路区間における1台の第2の車両の運転モードが取得される。運転モードが自動運転の場合、対象道路区間は自動運転に適しているとみなされ得る。代替的には、対象道路区間の複数の第2の車両の運転モードが取得される。複数の第2の車両のうち数量が特定の値以上の第2の車両が自動運転モードにある場合、対象道路区間は自動運転に適しているとみなされ得る
【0109】
オプションで、方法400はさらに:第2の車両の運転モード変更情報を取得すること;および第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測すること;を含む。
【0110】
対象道路区間における第2の車両の運転モード変更情報は、対象道路区間における第2の車両の運転モードが変更されたときに生成される情報であることが理解されるべきである。オプションで、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含み得る。変更理由は、運転モードが変更される理由である。オプションで、変更理由は、気象要因(雨、雪、霧など)、道路要因(障害物、歩行者、道路状況など)、運転者の原因(手動アクティブトリガー)、または車両の原因(システム障害など)であり得る。これは本出願では限定されない。オプションで、運転モード変更情報はさらに、運転モードが変更された場所に関する情報を含み得る。
【0111】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかが、第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、予測されるとき、対象道路区間の第2の車両の運転モードが変更されていない場合、予測は、第2の車両によって検出された環境情報に基づいて行われ得る。対象道路区間の第2の車両の運転モードが変更された場合、予測は、検出された環境情報に加えて、運転モード変更情報に基づいて行われ得る、又は、予測は、運転モード変更情報のみに基づいて行われ得る。これは本出願では限定されない。例えば、第2の車両の運転モードが変更されたが、その変更理由が、第2の車両のシステム障害、手動アクティブトリガーなどである場合、予測は、第2の車両によって検出された環境情報に基づいて行われ得る、または前の道路区間の運転モードがこの場合には直接使用され得る。変更理由が、検出された環境情報に相当する気象要因または道路要因などである場合は、予測は、運転モード変更情報のみに基づいて行われ得る。予測が運転モード変更情報に基づいて行われるとき、予測情報は適切に取得されることができ、それによって、取得される情報量を減らし、予測効率を向上させることが理解されるべきである。
【0112】
車両の走行過程において、車両の運転モードは、多くの理由によって変更され、異なる車両の運転モードが変更される理由は同一の場合もあれば異なる場合もある。加えて、変更理由は、参照のための異なる値と、他の車両による参照のための異なる有効期間を有する。したがって、実際の予測プロセスでは、変更理由の重みおよび/または有効期間が決定され得;対象道路区間が第1の車両による自動運転に適しているかどうかは、変更理由の重みおよび/または有効期間に基づいて予測される。具体的には、対応する重みが、参照のための値および自動運転への影響の程度に基づいて、1つ以上の変更理由に設定され得る、またはこれらの理由イベントが、有効期間の長さに基づいて分類され得る。その後、包括的な分析が、運転モード変更理由が共通しているかどうか、その理由が他の車両による参照のために使用されることができるかどうか、その理由が長期間または短期間で他の車両による参照のために使用されることができるかどうかについて実行される。具体例を以下の実施形態に詳述する。詳細はここには記載しない。
【0113】
オプションで、変更理由の重みおよび/または有効期間に基づいて、対象道路区間が第1の車両によって実行される自動運転に適しているかどうかを予測することは:変更理由の重みが第1のしきい値以上であるおよび/または変更理由の有効期間が第2のしきい値以上であるとき、変更された運転モードに基づいて、対象道路区間が第1の車両によって実行される自動運転に適しているかどうかを予測することを含む。
【0114】
オプションで、1つの変更理由がある場合、変更理由の重みが第1のしきい値以上であるおよび/または変更理由の有効期間が第2のしきい値以上であるとき、対象道路区間が第1の車両によって実行される自動運転に適しているかどうかは、変更された運転モードに基づいて予測され得る。複数の変更理由がある場合、少なくとも1つの変更理由の重みが第1のしきい値以上であるおよび/または少なくとも1つの変更理由の有効期間が第2のしきい値以上であるとき、対象道路区間が第1の車両によって実行される自動運転に適しているかどうかは変更された運転モードに基づいて予測され得る。上記はあくまで実装に過ぎず、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかは実際の運用の実態によって決定され得ることが理解されるべきである。これは本出願では限定されるものではない。
【0115】
本出願の本実施形態では、対象道路区間が第1の車両によって実行される自動運転に適しているかどうかは、変更理由の重量および/または有効期間に基づいて予測されることで、運転モードの異なる変更理由および異なる変更理由の有効期間の影響の程度が予測プロセスにおいて十分に考慮され、それによって、自動運転の予測結果の参照性および安全性を効果的に向上させる。
【0116】
S430:対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転制御権を引き継ぐように、第1の車両の運転者に注意を促す。
【0117】
第1の車両の運転制御権を引き継ぐように第1の車両の運転者に注意を促す目的は、第1の車両の運転者の制御下で、運転モードが自動運転モードから手動運転モードに切り替えられることを可能にすることであることが理解されるべきである。
【0118】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、第1の車両の運転制御権を引き継ぐ準備をするように注意を促され得る。例えば、
図5は、本出願の一実施形態による制御権交換方法の例示的なフローチャートである。
図5に示すように、方法は以下のステップを含む:
【0119】
S510:第1の車両が現在自動運転モードかどうかを決定し、第1の車両が自動運転モードにある場合、S520に進む。
【0120】
S520:第1の車両の前方の対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを決定し、対象道路区間が自動運転に適さない場合、S530に進む。
【0121】
S530:第1の車両の運転制御権を引き継ぐ準備をするよう、第1の車両の運転者に注意を促す。
【0122】
第1の車両の運転制御権を引き継ぐ準備をするよう第1の車両の運転者が注意を促された後、手動介入または次の引き継ぎレベルに達するまでは、車両制御のために自動運転は依然として実行されることができることが理解されるべきである。具体的には、第1の車両の運転者が第1の車両の運転制御権を引き継ぐ準備をする必要があることのリマインダを受信した後、第1の車両の運転者は、最初に第1の車両の運転制御権を引き継がないことを選択し、自動運転モードで運転することを継続し、自動運転に適さない場所に到達したときに第1の車両の運転制御権を引き継ぎ得る。このように、第1の車両の運転者は、より長い準備と応答時間を持つ。
【0123】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、第1の車両の運転制御権を直接引き継ぐように注意を促され得る。この場合、第1の車両の運転者の応答時間が過度に長くなっても、運転の安全には影響しない。
【0124】
本出願の本実施形態では、第1の車両の進行方向前方の対象道路区間で第2の車両によって検出された環境情報を取得され;対象道路区間が自動運転に適しているかどうかが、環境情報に基づいて予測され;対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードである場合、第1の車両の運転者は、第1の車両の運転制御権を引き継ぐように注意を促され得ることで、第1の車両は、運転者の引き継ぎによって自動運転モードから手動運転モードに切り替えられる。このように、走行過程において、自動運転車両は、前方の対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを事前に知ることができる。したがって、自動運転中の手動引き継ぎのリアルタイム要件が効果的に軽減され、引き継ぎ要件は現在の秒レベルから分レベルに変更され、特定の時間が、運転者が引き継ぎ前に認知を回復するために提供され、それによって、自動運転の安全性が向上する。
【0125】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、代替的に、運転者の緊迫感を高め、自動運転の安全性を向上させるために、第1の車両の運転制御権を強制的に引き継がされ得る。
【0126】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、方法400はさらに:第1の車両の運転者に自動運転モードに切り替えないように注意を促すことを含む。
【0127】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、方法400はさらに:運転者が自動運転モードを起動している(activating)場合、自動運転モードに切り替えないように第1の車両の運転者に注意を促すことを含む。
【0128】
例えば、
図6は、本出願の一実施形態による別の制御権交換方法の例示的なフローチャートである。
図6に示すように、方法は次のステップを含む:
【0129】
S610:第1の車両が自動運転モードにあるかどうかを決定し、第1の車両が自動運転モードにない場合、S620に進む。
【0130】
S620:第1の車両の運転者が自動運転モードを起動しているかどうかを決定し、運転者が自動運転モードを起動している場合、S630に進む。
【0131】
S630:第1の車両の前方の対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを決定し、対象道路区間が自動運転に適さない場合、S640に進む。
【0132】
S640:第1の車両の運転者に、自動運転モードに切り替えないように注意を促す。
【0133】
現在の手動運転モードでは、運転者が自動運転モードを起動する場合、自動運転が特定距離先で使用されることに適さないことを運転者が見出す場合は、運転者はさらに、手動運転モードに再び切り替える必要があり、これは、自動運転と手動運転の頻繁な切り替えをもたらすことが理解されるべきである。したがって、本出願の本実施形態では、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、第1の車両の運転者は、自動運転モードに切り替えないように注意を促される。これは、車両の走行過程における運転モードの頻繁な切り替えを効果的に回避し、それによって自動運転の継続性と運転者の体験を確保する。
【0134】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、第1の車両は、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを通知され得る。
【0135】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、運転者が自動運転モードを起動している場合、第1の車両は、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えを禁止されていることを通知される。
【0136】
本出願の本実施形態では、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、第1の車両は、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを通知されることで、第1の車両のコンピューティングシステムが、運転モード間の切り替えを禁止するように時間内に対応する決定を行い、それによって、自動運転の継続性と運転者の体験を確保する。
【0137】
オプションで、上記のプロセスは、クラウド側サービスセンターで実行されてもよく、または情報収集、情報分析、および情報送信などの機能を持つ別の装置または専門家によって実行されてもよく、または第1の車両によって実行されてもよく、特に第1の車両のコンピュータシステムによって実行されてもよい。
【0138】
好ましくは、以下は、例としてクラウド側サービスセンターを使用することによって本出願の解決策を説明する。本出願の本実施形態では、クラウド側サービスセンターをクラウド側と呼ぶこともあり、クラウド側はネットワークを使用することによって第2の車両と第1の車両に関連付けられることが理解されるべきである。
【0139】
具体的な実装では、クラウド側は第2の車両によって検出された環境情報を取得し得;第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得;対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両が自動運転モードから手動運転モードに切り替えられるように、第1の車両の運転制御権を引き継ぐよう第1の車両の運転者に注意を促し得る。
【0140】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、クラウド側は、第1の車両の運転者に自動運転モードに切り替えないように注意を促し得る;または、手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが禁止されていることを第1の車両に通知し得る。
【0141】
オプションで、クラウド側はさらに自動運転環境マップを生成し得、自動運転環境マップは、第1の車両の進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、複数の道路区間には対象道路区間を含む。
【0142】
オプションで、クラウド側はさらに、第2の車両の運転モード変更情報を取得し得、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含み;第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。
【0143】
実際の運用では、クラウド側は、特定の範囲内の複数の車両にサービスを提供する場合があることが理解されるべきである。クラウド側は、これらの車両からの情報を検出し、これらの車両にプロンプト情報(prompt information)を送信して、現在の道路区間またはその先の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを車両に注意を促し得る。
【0144】
図7は、本出願の一実施形態による車両クラウド連携システムのアーキテクチャの図である。
図7に示すように、システムアーキテクチャは、クラウド側710、ネットワーク720、および車両側730を含む。
【0145】
クラウド側710は、ネットワーク720、例えば無線通信ネットワークを介して、クラウド側710の動作環境において車両側730からセンサーデータなどのデータを受信し得る。車両側730は、前述の第1の車両および1台以上の第2の車両などの複数の車両を含む。クラウド側710は、受信したデータに基づいて、クラウド側710に格納された車両運転関連プログラムを実行して、
図4に示す方法を実現する。車両側とクラウド側との間の直接的な関連付けは、コンピュータシステムとクラウド側との関連付けと見なされ得ることが理解されるべきである。
【0146】
実装では、クラウド側710は:運転エリア内の複数の道路区間で車両側730によって検出された環境情報を取得し、車両側730によって検出された環境情報に基づいて、車両側730の運転エリア内の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測するように構成される。複数の道路区間が自動運転に適さないとき、クラウド側710はプロンプト情報を車両側730に送信し得る。クラウド側710はさらに、予測結果に基づく融合(fusion)により道路またはエリアの自動運転環境マップを生成するように構成され得る。車両側730は、クラウド側710の予測結果、リマインダ、または自動運転環境マップに基づいて、運転制御権を手動で引き継ぐかどうかを確認し得る。
【0147】
車両側730は、前述の第1の車両および第2の車両を含むことが理解されるべきである。これは、第1の車両の走行過程において、クラウド側が、第1の車両の進行方向の前方の第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、第2の車両の進行道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し、その道路区間に進行しようとしている第1の車両に予測結果を参考に提供すし得ることを意味する。第1の車両はまた、現在の進行道路区間で検出された環境情報をクラウド側に報告し得ることで、クラウド側は、第1の車両によって提供された情報に基づいて、第1の車両の現在の進行道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し、その道路区間に進行しようとしている他の車両に予測結果を参考に提供し得る。
【0148】
別の実装では、クラウド側710は、代替的に、車両側730によって識別された運転モード変更情報に基づいて、車両側730の運転エリア内の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。
【0149】
具体的には、クラウド側710は、車両側730によって検出された運転モード変更情報に基づいて、車両側730の運転エリア内の複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測するように構成される。クラウド側710は、さらに、予測結果に基づく融合により、道路またはエリアの自動運転環境マップを生成するように構成され得る。
【0150】
車両側730は、運転モードの変更を識別するように構成される。車両側730は、さらに、クラウド側710の予測結果またはリマインダに基づいて、運転制御権を手動で引き継ぐかどうかを確認するように構成され得る。
【0151】
以下、
図8および表1を参照して、この実装について詳述する。
【0152】
具体的には、車両側730の複数の車両が、車両が位置するエリアまたは道路を進行するとき、車両の運転モードが変更されたことを車両が識別する場合、車両は、運転モード変更情報をクラウド側710に報告する。
図8は、本出願の一実施形態による、車両側による運転モード変更情報の報告の例示的なフローチャートである。
図8に示すように、次のステップが含まれる:S810:車両側730は、車両側730の運転モードが変更されたかどうかを識別し、車両側730の運転モードが変更された場合、ステップS820を実行する。S820:運転モード変更情報をクラウド側710に報告する。加えて、本実施形態では、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含み得る。
【0153】
その後、車両側730によって報告された運転モード変更情報を受信した後、クラウド側710は、車両側730が位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを包括的に予測する。
【0154】
具体的には、クラウド側710は、車両側730の運転モード変更理由を一緒に分析し、変更理由および自動運転への影響度の参照ための値に基づいて変更理由に対応する重みを設定する、または、有効期間の長さに基づいて変更理由を分類し、次いで、変更理由の重みおよび/または有効期間に基づいて、車両側730が走行する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測する。表2に、異なる変更理由および変更理由の有効期間の分類の例示的な表を示す:
【表2】
【0155】
表2に示すように、変更理由は有効期間によって3つのタイプに分類され得る。第1のタイプの変更理由は、特定期間内で参照のためにすべての自動運転車両に適用可能であり、例えば、一時的な障害物、天候、および歩行者によって生じる変更である。第2のタイプの変更理由は、長期間参照のためにすべての自動運転車両に適用可能であり、例えば、交通規制によって強いられる自動運転の禁止によって生じる変更である。第3のタイプの変更理由は、参照のために他の車両によって使用されず、例えば、車両のシステム障害および手動トリガーによって生じる変更である。
【0156】
上記の説明に基づいて、オプションで、クラウド側710は、変更理由の参照のための値および自動運転への影響の程度に基づいて、変更理由に対応する重みを設定し得、変更理由の重みに基づいて、車両側730が進行する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。
【0157】
例えば、車両の現在の運転車線の前方に障害物または道路工事および再建が存在するために、車両運転モードが手動運転モードに変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、理由が道路区間の自動運転にある程度影響することを知る(learn)ことができ、理由の重みをA、例えば0.6に設定し得る。進行道路区間で自動運転が禁止されているために車両運転モードが変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、理由が道路区間で自動運転を完全に適用できなくすることを知ることができ、理由の重みをB、例えば1に設定し得る。歩行者、車両、動物などの突発的な侵入のために車両運転モードが変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、理由が他の車両によって実行される自動運転に影響しないことを知ることができ、理由の重みをC、例えば0に設定し得る。加えて、変更理由に設定された重みが第1のしきい値以上であるとき、クラウド側はさらに、変更された運転モードに基づいて、道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。例えば、この例では、検出された変更理由に設定されている重みが0.5より大きいとき、道路区間が自動運転に適しているかどうかは、変更された運転モードに基づいて、予測され得る。
【0158】
オプションで、クラウド側710は、さらに、変更理由の有効期間の長さに基づいて理由イベントを分類し得、変更理由の有効期間に基づいて、車両側730が進行する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。
【0159】
例えば、運転車線の前方に障害物または道路工事および再建が存在するために車両運転モードが手動運転モードに変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、理由が存在する可能性のある有効期間が工事期間であることを知ることができ、有効期間を短い期間、例えば10日と設定し得る。進行道路区間で自動運転が禁止されているために車両運転モードが変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、理由が交通規制のために存在しかつ長期間存在することを知ることができ、理由の有効期間を長期と設定し得る。歩行者、車両、動物などの突発的な侵入、または車両の原因のために車両運転モードが変更される場合、クラウド側は、この場合の分析によって、その理由が緊急事態または車両の状態のために存在し、他の車両に参照のために適用できないことを知ることができ、その理由の有効期間を0と設定し得る。加えて、指定された有効期間が第2のしきい値以上であるとき、クラウド側は、さらに、変更された運転モードに基づいて、道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し得る。第2のしきい値は、実際の状況に応じて決定され得、例えば、後続の車両がその道路区間に到着する時間に基づいて決定され得る。例えば、この例では、車両が1時間後に道路区間に進行し、有効期間が1時間以上である変更理由が存在する場合、道路区間が自動運転に適しているかどうかは、変更された運転モードに基づいて予測される。
【0160】
オプションで、クラウド側710は、さらに、変更理由の重みおよび有効時間に基づいて、車両側730が進行する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを包括的に予測し得る。
【0161】
クラウド側は、サービス範囲内で取得されたすべてのデータを分析できることが理解されるべきである。したがって、道路区間において、運転モードが変更されない場合、または、運転モードが変更されたが、変更理由が参照のための値を持たない若しくは変更理由の有効期間が第2のしきい値未満である場合、道路区間が自動運転に適しているかどうかは、道路区間の前の道路区間の運転モードに基づいて予測され得る。例えば、前の道路区間の運転モードが自動運転モードであり、現道路区間の運転モードが変更されていない場合、現道路区間が自動運転に適していることを予測することができる。
【0162】
さらに別の実装では、クラウド側710は、代替的に、車両側730によって検出された環境情報および運転モード変更情報の両方を取得し、検出された環境情報および検出された運転モード変更情報に基づいて予測を実行し得る。ここでは詳細は説明しない。
【0163】
ネットワーク720は、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、1つ以上の企業の独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、Wi-Fi、HTTP、およびそれらのさまざまな組み合わせを含むさまざまな構成およびプロトコルが含み得ることが理解されるべきである。このような通信は、別のコンピュータとの間でデータを送信できる任意のデバイス、例えば、モデムおよび無線インターフェースによって実装され得る。
【0164】
一例では、クラウド側710は、複数のコンピュータを持つサーバ、例えば負荷分散サーバクラスタを含み得る。これらのサーバは、コンピュータシステム201またはコンピュータシステム150と同様に構成され得、プロセッサ、メモリ、命令などを有する。
【0165】
図9は、本出願の一実施形態による車両運転モード切り替えを制御する装置の構造の例示的な図である。装置900は、取得モジュール910および処理モジュール920を含む。
【0166】
取得モジュール910は、第2の車両によって検出された環境情報を取得するように構成され、第2の車両は対象道路区間を進行する車両であり、対象道路区間は第1の車両の進行方向の前方に位置する道路区間である。処理モジュール920は:第2の車両によって検出された環境情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測し;対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在自動運転モードにある場合、第1の車両が自動運転モードから手動運転モードに切り替えられるように、第1の車両の運転制御権を引き継ぐよう運転者に注意を促す;ように構成される。
【0167】
オプションで、対象道路区間が自動運転に適さず、第1の車両が現在手動運転モードにある場合、処理モジュール920をさらに:第1の車両の運転者に自動運転モードに切り替えないように注意を促す;または、手動運転モードから自動運転モードへの切り換えが禁止されていることを第1の車両に通知する;ように構成され得る。
【0168】
オプションで、処理モジュール920は、さらに、自動運転環境マップを生成するように構成され得、自動運転環境マップは、第1の車両の進行方向の前方に位置する複数の道路区間が自動運転に適しているかどうかを示すために使用され、複数の道路区間は目標道路区間を含む。
【0169】
オプションで、取得モジュール910は、さらに、第2の車両の運転モード変更情報を取得するように構成され得、運転モード変更情報は、変更された運転モードおよび変更理由を含む。処理モジュール920は、さらに、第2の車両によって検出された環境情報および第2の車両の運転モード変更情報に基づいて、対象道路区間が自動運転に適しているかどうかを予測するように構成され得る。
【0170】
図10は、本出願の一実施形態による装置1300の構造の例示的な図である。装置1300は、プロセッサ1302、通信インターフェース1303、およびメモリ1304を含む。例えば、装置1300はチップである。別の例として、装置1300はコンピューティングデバイスである。
【0171】
プロセッサ1302、メモリ1304、および通信インターフェース1303は、バスを介して相互に通信し得る。メモリ1304は実行コードを格納し、プロセッサ1302はメモリ1304内の実行コードを読み込んで対応する方法を実行する。メモリ1304は、さらに、プロセス実行に必要な別のソフトウェアモジュール、例えばオペレーティングシステムを含み得る。オペレーティングシステムはLinux(商標)、Unix(商標)、またはWindows(商標)などであり得る。
【0172】
例えば、メモリ1304内の実行コードは、
図4に示す方法を実装するために使用され、プロセッサ1302は、
図4に示す方法を実行するためにメモリ1304内の実行コードを読み込む。
【0173】
プロセッサ1302はCPUであり得る。メモリ1304は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えばランダムアクセスメモリ(Random access memory、RAM)を含み得る。メモリ1304はさらに、不揮発性メモリ(non-volatile memory、NVM)、例えば、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、ソリッドステートディスク(solid state disk、SSD)を含み得る。
【0174】
本出願のいくつかの実施形態では、開示された方法は、コンピュータ可読記憶媒体上に機械可読形式でエンコードされた、または別の非一時的な媒体または人工物にエンコードされたコンピュータプログラム命令を使用することによって実装され得る。
図11は、ここに記載された少なくともいくつかの実施例に従って配置された例示的なコンピュータプログラム製品の概念的部分図を概略的に示す。例示的なコンピュータプログラム製品は、コンピューティングデバイス上でコンピュータプロセスを実行するためのコンピュータプログラムを含む。一実施形態では、例示的なコンピュータプログラム製品1400は、信号担持媒体1401を使用することによって提供される。信号担持媒体1401は、1つ以上のプログラム命令1402を含み得る。プログラム命令1402が1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、
図4に示された方法について記載された上記の機能または上記の機能の一部が提供される。したがって、例えば、
図4に示された実施形態を参照すると、S410からS430の1つ以上の機能が、信号担持媒体1401に関連する1つ以上の命令を使用することによって実装され得る。
【0175】
いくつかの例では、信号担持媒体1401は、コンピュータ可読媒体1403、例えば、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD) 、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、またはランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、信号担持媒体1401は、コンピュータ記録可能媒体1404、例えば、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、またはR/W DVDを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、信号担持媒体1401は、通信媒体1405、例えば、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、または無線通信リンク)を含み得るが、これらに限定されない。この場合、例えば、信号担持媒体1401は、無線形式(例えば、IEEE 802.11規格または他の伝送プロトコルに準拠した無線通信媒体)の通信媒体1405を使用することによって伝送を実行し得る。1つ以上のプログラム命令1402は、例えば、コンピュータ実行可能命令または論理実装命令であり得る。いくつかの例では、前述のコンピューティングデバイスは、コンピュータ可読媒体1403、コンピュータ記録媒体1404、および/または通信媒体1405を介してコンピューティングデバイスに送信される1つ以上のプログラム命令1402に応答して、様々な操作、機能、またはアクションを提供するように構成され得る。ここに記載されている配置は、説明のためだけのものであることが理解されるべきである。したがって、当業者は、他の配置および他の要素(例えば、マシン、インターフェース、機能、シーケンス、および機能グループ)くぉ代替的に使用することができ、予想される結果に応じて一部の要素が省略される場合があることを理解している。加えて、記載されている要素の多くは、離散コンポーネントまたは分散コンポーネントとして実装されている場合もあれば、任意の適切な組み合わせおよび位置を使用することによって他のコンポーネントと関連して実装された機能エンティティである場合もある。
【0176】
当業者は、本明細書に開示されている実施形態に記載されている例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実装され得ることを認識することができる。機能がハードウェアによって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、各特定の用途に記述された機能を実装するために異なる方法を使用し得るが、その実装が本出願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0177】
簡便かつ簡潔な説明のために、上記のシステム、装置、およびユニットの詳細な作動プロセスについては、上記の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することは、当業者には明確に理解され得る。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0178】
本出願で提供される実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法が別の方法で実装され得ることが理解されるべきである。例えば、記載されている装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニット分割は単なる論理機能の分割であり、実際の実装時には他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントは、組み合わされることがあるまたは他のシステムに統合されることがあり、一部の機能は、無視され得るまたは実行されないことがある。加えて、表示または議論されている相互結合や直接的な結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを介して実装されることがある。装置またはユニットの間の間接的な結合または通信接続は、電気的、機械的、または別の形式で実装されることがある。
【0179】
別々の部品として記載されるユニットは、物理的に分離されている場合とされない場合があり、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットである場合とそうでない場合がある。具体的には、部品は、1つの場所に配置されている場合があり、または複数のネットワークユニットに分散されている場合がある。ユニットの一部またはすべては、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択される場合がある。
【0180】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されている場合もあれば、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在している場合もあり、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されている場合もある。
【0181】
機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、機能はコンピュータ可読記憶媒体に格納されることがある。このような理解に基づいて、本質的に本出願の技術的解決策、先行技術に寄与する部分、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形で実装されることがある。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであり得る)に本出願の実施形態で説明されている方法のすべてまたは一部のステップを実行するよう指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
【0182】
上記の説明は、本出願の単なる特定の実装であり、本出願の保護範囲を限定することを意図していない。本出願で開示されている技術的範囲内で当業者が容易に理解できる変形または置換は、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。