実施例2
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、分解菌叢の添加量は有機汚染
水の1wt%である。
実施例3
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、分解菌叢の添加量は有機汚染
水の11wt%である。
実施例4
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、150rpmの加振機で1h
分解反応させる。
実施例5
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、150rpmの加振機で48
h分解反応させる。
実施例6
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、有機汚染水のpH値は5であ
る。
実施例7
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S1において、有機汚染水のpH値は7であ
る。
実施例8
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S2において、1リットルの有機汚染水中の
前複合体の添加量は1.39gであり、ここで、過酸化カルシウムは1gであり、硫酸第
一鉄七水和物は0.39gである。
実施例9
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:S2において、1リットルの有機汚染水中の
前複合体の添加量は27.80gであり、ここで、過酸化カルシウムは13.9gであり
、硫酸第一鉄七水和物は13.9gである。
実施例10
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり:前記前複合体の成分を改良し、改良後の前複
合体は過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物の2成分以上を含み、改良後の前複合体の
調製方法は以下のとおりであり:
S2-1、25℃で、3:0.5の質量比で1~10μmの活性炭、酸化マグネシウムを
混合して担体を得、
S2-2、15g:1mlの割合で、前記担体の表面にヘキサデシルアミンオクタン酸炭
酸塩を噴霧し、
S2-3、温度-15℃で、前記担体と過酸化カルシウムを1~:1の重量比でヘキサデ
シルアミンオクタン酸炭酸塩を噴霧した担体と過酸化カルシウムを混合し、25℃まで加
熱し、25℃で1h乾燥させ、前複合体を得、
S2-4、過酸化カルシウムと硫酸第一鉄七水和物を質量比1:0.39で、前記前複合
体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複合体を形成する。
実施例11
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-2において、担体とヘキサデシルア
ミンオクタン酸炭酸塩の割合は15g:2mlである。
実施例12
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-2において、担体とヘキサデシルア
ミンオクタン酸炭酸塩の割合は15g:1.8mlである。
実施例13
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-3において、温度-12℃で、前記
担体と過酸化カルシウムを0.9:1の重量比でヘキサデシルアミンオクタン酸炭酸塩を
噴霧した担体と過酸化カルシウムを混合し、25℃まで加熱し、25℃で1.5h乾燥さ
せ、前複合体を得る。
実施例14
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-3において、温度-10℃で、前記
担体と過酸化カルシウムを0.8:1の重量比でヘキサデシルアミンオクタン酸炭酸塩を
噴霧した担体と過酸化カルシウムを混合し、25℃まで加熱し、25℃で2h乾燥させ、
前複合体を得る。
実施例15
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-4において、過酸化カルシウムと硫
酸第一鉄七水和物を質量比3:1で、前記前複合体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複
合体を形成する。
実施例16
本実施例は実施例10とは以下の点で異なり、S2-4において、過酸化カルシウムと硫
酸第一鉄七水和物の質量比1:1で、前記前複合体と硫酸第一鉄七水和物を混合して前複
合体を形成する。
実施例17
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり、前記S2において、前複合体の添加方法は以
下のとおりであり:過酸化カルシウム、硫酸第一鉄七水和物をそれぞれ3等分し、まず2
5℃で、3分の1の過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で10min反応
させ、次に3分の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、120rpmの加振機で3.5h反
応させ、その後温度を25℃から8℃に下げ、同時に3分の1の過酸化カルシウムと3分
の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、180rpmの加振機で2.5h反応させ、その後
残りの過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で23min反応させ、残りの
硫酸第一鉄七水和物を添加し、130rpmの加振機で完了まで反応させる。
実施例18
本実施例は実施例17とは以下の点で異なり、前記S2において、前複合体の添加方法は
以下のとおりであり:過酸化カルシウム、硫酸第一鉄七水和物をそれぞれ3等分し、まず
25℃で、3分の1の過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で5min反応
させ、次に3分の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、120rpmの加振機で3h反応さ
せ、その後温度を25℃から5℃に下げ、同時に3分の1の過酸化カルシウムと3分の1
の硫酸第一鉄七水和物を添加し、180rpmの加振機で2h反応させ、その後残りの過
酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で20min反応させ、残りの硫酸第一
鉄七水和物を添加し、130rpmの加振機で完了まで反応させる。
実施例19
本実施例は実施例17とは以下の点で異なり、前記S2において、前複合体の添加方法は
以下のとおりであり:過酸化カルシウム、硫酸第一鉄七水和物をそれぞれ3等分し、まず
25℃で、3分の1の過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で15min反
応させ、次に3分の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、120rpmの加振機で4h反応
させ、その後温度を25℃から10℃に下げ、同時に3分の1の過酸化カルシウムと3分
の1の硫酸第一鉄七水和物を添加し、180rpmの加振機で3h反応させ、その後残り
の過酸化カルシウムを添加し、150rpmの加振機で25min反応させ、残りの硫酸
第一鉄七水和物を添加し、130rpmの加振機で完了まで反応させる。
実施例20
本実施例は実施例1とは以下の点で異なり、前記分解菌叢のスクリーニング・濃縮は以下
のとおりであり:
S1-1、予備馴化:
汚染時間2年の多環芳香族化水素汚染土壌、脱イオン水、硫化ナトリウムを質量比1:0
.4:0.015の割合で混合し、混合物を得、混合物を1:75の質量比で、フェナン
トレンおよびピレンを含有する混合栄養液に添加し、12d予備馴化培養し、その後含水
量が35%になるまで乾燥させ、予備馴化汚泥を得、
S1-2、スクリーニング・濃縮:
ステップS1-1で得られた予備馴化汚泥を再度馴化し、再度馴化は以下のとおりであり
:1:62の質量比で、予備馴化汚泥を混合栄養液に添加し、馴化液体を得、190rp
mの加振機で培養し、世代ごとに4d培養し、5回亜式増殖し、馴化液体内のフェナント
レン含有量が予備馴化汚泥中のフェナントレン含有量の3倍になるまで培養し、ステップ
S1-1とステップS1-2に記載の混合栄養液の組成は、酵母エキス1g/L、ペプト
ン5g/L、尿素1.6g/L、K
2HPO
48g/L、脱イオン水1L、フェナントレ
ン450mg/Lとピレン450mg/Lであり、pH7.0±0.5であり、
S1-3、分解菌叢を得:
ステップS1-2で得られた馴化液体を質量分率5%の接種量で、2000mg/Lフェ
ナントレン/ピレンを含有する無機塩培地に接種し、190rpmの加振機で50h培養
し、分解菌叢を得、測定の結果、得られた分解菌叢はAcinetobacter、St
enotrophomonas、Comamonasの3つの主要細菌を含有し、分解菌
叢の組成は
図1に示される。
前記無機塩培地の組成は、NH
4Cl1g/L、K
2HPO
41g/L、MgSO
40.
2g/L、FeSO
4・7H
2O0.02g/L、NaCl1g/L、(NH
4)
2SO
4
3g/L、0.01g/LCaCl
2、MoO
34mg/L、ZnSO
4・5H
2O28
mg/L、CuSO
4・5H
2O0.02mg/L、H
3BO
34mg/L、MnSO
4
・5H
2O4mg/L、CoCl
2・6H
2O4mg/Lであり、pH7.0である。
実施例21
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-1において、芳香族炭化水
素汚染土壌、脱イオン水、硫化ナトリウムを質量比1:0.4:0.01の割合で混合し
、混合物を得、混合物を1:70の質量比で、フェナントレンおよびピレンを含有する混
合栄養液に添加し、10d予備馴化培養し、その後含水量が30%になるまで乾燥させ、
予備馴化汚泥を得る。
実施例22
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-1において、芳香族炭化水
素汚染土壌、脱イオン水、硫化ナトリウムを質量比1:0.4:0.02の割合で混合し
、混合物を得、混合物を1:80の質量比で、フェナントレンおよびピレンを含有する混
合栄養液に添加し、15d予備馴化培養し、その後含水量が40%になるまで乾燥させ、
予備馴化汚泥を得る。
実施例23
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-2の培養パラメータが異な
り、1:65の質量比で、予備馴化汚泥を混合栄養液に添加し、馴化液体を得、200r
pmの加振機で培養し、世代ごとに3d培養し、5回亜式増殖し、馴化液体内のフェナン
トレンの含有量が予備馴化汚泥中のフェナントレン含有量の4.5倍になるまで培養する
。
実施例24
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-2中の培養パラメータが異
なり、1:60の質量比で、予備馴化汚泥を混合栄養液に添加し、馴化液体を得、180
rpmの加振機で培養し、世代ごとに5d培養し、6回亜式増殖し、馴化液体内のフェナ
ントレンの含有量が予備馴化汚泥中のフェナントレン含有量の2.0倍になるまで培養す
る。
実施例25
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-3中の培養パラメータは異
なり、ステップS1-2で得られた馴化液体を質量分率4%の接種量で、3000mg/
Lフェナントレン/ピレンを含有する無機塩培地に接種し、200rpmの加振機で24
h培養して分解菌叢を得る。
実施例26
本実施例は実施例20とは以下の点で異なり、ステップS1-3中の培養パラメータは異
なり、ステップS1-2で得られた馴化液体を質量分率6%の接種量で、100mg/L
フェナントレン/ピレンを含有する無機塩培地に接種し、180rpmの加振機で64h
培養して分解菌叢を得る。
実験例
一、有機汚染水中の多環芳香族化水素に対する本発明の分解効率の調べ、
ここで、水中の多環芳香族化水素の分解率は次式により算出され:
1、分解菌叢、前複合体の添加量の有機汚染水中の多環芳香族化水素の解効率への影響の
調べ、
比較例1:比較例1は実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水中に過酸化カルシウム
、硫酸第一鉄七水和物を添加せず、5wt%の分解菌叢のみを添加して分解し、
比較例2:比較例2は実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水中に分解菌叢を添加せ
ず、2g過酸化カルシウム、8.34g硫酸第一鉄七水和物のみを添加して分解し、
表1 分解菌叢の添加量の多環芳香族化水素の分解効率への影響
表1から分かるように、実施例1、比較例1、比較例2を比較した結果、比較例1、比較
例2におけるそれぞれ単独で使用した微生物分解、CP体系の単一浄化技術に比べて、実
施例1の複合技術では、汚染水中の多環芳香族化水素の分解効率が29.97~59.5
1%向上し、これは、実施例1の方法は体系に適合するという利点を生じさせることを示
し、したがって実施例1の方法はより好ましく、
実施例1、実施例2、実施例3を比較した結果、分解菌叢の添加量が5wt%である場合
、多環芳香族化水素の分解効果が最も優れ、これは、分解菌叢の添加量が低いと、分解菌
の量が不足し、分解効果が低く、分解菌叢の添加量がさらに上げると、分解効果がそれに
追従して向上することがなく、したがって、経済的な観点から、実施例1のパラメータは
より好ましい。
2、処理中、前複合体と分解菌叢の添加方法による有機汚染水中の多環芳香族化水素の分
解効率に対する影響の調べ、
比較例3:実施例1とは以下の点で異なり、まず前複合体を添加し、24h反応させた後
分解菌叢を添加し、合計時間が72hになるまで反応させ、分解を完成し、
表2 分解菌叢と前複合体の方法による多環芳香族化水素の分解効率に対する影響
表2から分かるように、実施例1と比較例3を比較した結果、実施例1の添加順序がより
好ましく、分解順序が芳香族炭化水素の分解に大きな影響を与え、実施例1はより好まし
く、
実施例1、17、18、19を比較した結果、実施例17~19の方法によって調製した
複合系は、ピレン、フェナントレンの分解効果が良好であり、これは、実施例17~19
の担体を使用することにより、汚染水の分解効果を向上させ、活性炭、酸化マグネシウム
の多孔質材料は分解を催化して促進する作用を有するため、複合系の分解能力が強く、こ
こで、実施例19はより好ましい。
3、有機汚染水のpH値の多環芳香族化水素の分解効率への影響の調べ、
比較例4:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水pH値は3であり、
比較例5:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水pH値は11であり、
表3 有機汚染水のpH値の多環芳香族化水素の分解効率への影響
表3から分かるように、実施例1、実施例6と実施例7、比較例4と比較例5を比較した
結果、実施例1、実施例6および実施例7中のpH、すなわちpH値が5~7である場合
、前複合体の分解効率が最も優れ、実施例4、比較例4と比較例5を比較した結果、pH
値が低すぎても高すぎても体系の分解効率が劣るが、それでも一定の多環芳香族化水素分
解能力を維持している。
4、分解菌叢の成分の有機汚染水中の多環芳香族化水素の分解効率への影響の調べ、
比較例6:分解菌叢は既存のPAHs分解菌株を採用し、《多環芳香族化水素分解菌およ
びその応用研究進展》より引用され、
表4 分解菌叢の成分の多環芳香族化水素の分解効率への影響
表4から分かるように、実施例1と比較例6を比較した結果、実施例1で採用した分解菌
叢の分解効果がより好ましく、実施例1、実施例20を比較した結果、実施例20におい
て、馴化濃縮の分解菌叢を用いた水域中の多環芳香族化水素の分解効果も良好である。
二、実施例1の分解処理の妨害防止性能の調べ、
それぞれフルボ酸とフミン酸の2種類の溶解性有機物を用い、前複合体の分解能力を調べ
、
比較例7:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水に100mg/Lフルボ酸を添加
して分解し、
比較例8:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水に250mg/Lフルボ酸を添加
して分解し、
比較例9:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水に100mg/Lフミン酸を添加
して分解し、
比較例10:実施例1とは以下の点で異なり、有機汚染水に250mg/Lフミン酸を添
加して分解し、
表5 分解処理の妨害防止性能
表5から分かるように、実施例1、比較例7と比較例8を比較した結果、フルボ酸は体系
による多環芳香族化水素の分解効率を低下させ、実施例1、比較例9と比較例10を比較
した結果、フミン酸も体系による多環芳香族化水素の分解効率を低下させるが、両者の低
下の程度が限られ、前複合体は依然として一定の分解能力を維持する。