IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファーストアカウンティング株式会社の特許一覧

特許7620837証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム
<>
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図1
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図2
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図3
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図4
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図5
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図6
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図7
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図8
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図9
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図10
  • 特許-証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20250117BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20250117BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q30/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024147365
(22)【出願日】2024-08-29
【審査請求日】2024-09-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 優尋
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 篤
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 央
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-061635(JP,A)
【文献】特許第7336801(JP,B1)
【文献】国際公開第2022/180678(WO,A1)
【文献】特開2024-064991(JP,A)
【文献】特開2016-212533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信部と、
前記証憑データ受信部が受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定部と、
欠落情報判定部が、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定した場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を送信する欠落情報通知部と、を有し、
前記所定の情報は、税金に関する情報であり、
前記欠落情報判定部が、前記証憑データから税金に関する情報が欠落していると判定した場合、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を作成する候補作成部を有し、
前記欠落情報通知部は、前記候補作成部が作成した税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信する、証憑情報処理システム。
【請求項2】
前記候補作成部は、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を複数作成し、
前記欠落情報通知部は、前記候補作成部が作成した複数の税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信し、
前記証憑発行者が、前記欠落情報通知部により送信された前記税金に関する情報の複数の候補のいずれかを選択した場合、前記証憑発行者により選択された前記欠落情報通知部により送信された前記税金に関する情報の候補が自動的に証憑データ受信者に送信される、
請求項1記載の証憑情報処理システム。
【請求項3】
指示を入力すると、当該指示に対する応答を出力する言語モデルを有し、
前記欠落情報判定部は、前記証憑データ及び前記証憑データから前記所定の情報が欠落しているか否かに関する情報を出力する旨の指示を前記言語モデルに入力することにより、所定の情報が欠落していないか判定する、
請求項1又は2に記載の証憑情報処理システム。
【請求項4】
コンピュータが実行する、
証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信ステップと、
前記証憑データ受信ステップにおいて受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定ステップと、
前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定された場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を送信する欠落情報通知ステップと、を有し、
前記所定の情報は、税金に関する情報であり、
前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから税金に関する情報が欠落していると判定された場合、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を作成する候補作成ステップを有し、
前記欠落情報通知ステップにおいて、前記候補作成ステップにおいて作成された税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信する、
証憑情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信ステップと、
前記証憑データ受信ステップにおいて受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定ステップと、
前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定された場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を送信する欠落情報通知ステップと、を実行させ、
前記所定の情報は、税金に関する情報であり、
前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから税金に関する情報が欠落していると判定された場合、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を作成する候補作成ステップを実行させ、
前記欠落情報通知ステップにおいて、前記候補作成ステップにおいて作成された税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信する、
証憑情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラムに関
する。
【背景技術】
【0002】
請求書の送付業務において、請求書のPDF形式の画像ファイルを作成し、電子メールに請求書の画像ファイルを添付して、請求先のメールアドレスに送信することが行われている。また、Peppol等の規格に従った電子インボイスネットワークを経由して、請求書発行業者から請求先に、直接請求書の内容を示すテキストデータ及び数値データ(以下併せて「請求書データ」という。)を送信することも行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2023/007720A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
請求書発行者から請求先(請求書データ受領者)に、電子インボイスネットワークを経由して請求書データが送信される場合、当該請求書データにおいて、請求書データ受領者が請求書処理を行うために必要な情報が一部欠落している場合がある。このような場合、請求書データ受領者は、請求書発行者に対し、欠落している情報を補充して再送するよう依頼する連絡をしなければならない。また、請求書発行者は、欠落している情報を調査し、当該情報を補充した上で、再度請求書データを請求書データ受領者に送信しなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、請求書発行者から請求書データ受領者に送信された請求書データにおいて、請求書データ受領者が請求書処理を行うために必要な情報が欠落している場合に、請求書データ受領者又は請求書発行者が行わなければならない作業の負担を軽減することができる証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理システムにおいては、証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信部と、前記証憑データ受信部が受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定部と、欠落情報判定部が、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定した場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を自動的に送信する欠落情報通知部と、を有するものとする。
【0007】
前記所定の情報は、証憑送付先の部署に関する情報、発注番号、請求書番号、税金に関する情報、請求期間又は摘要に関する情報のいずれかを含むものとしてもよい。
【0008】
前記所定の情報は、税金に関する情報であり、前記欠落情報判定部が、前記証憑データから税金に関する情報が欠落していると判定した場合、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を作成する候補作成部を有し、前記欠落情報通知部は、前記候補作成部が作成した税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信するものとしてもよい。
【0009】
前記候補作成部は、前記証憑データに基づいて税金に関する情報の候補を複数作成し、前記欠落情報通知部は、前記候補作成部が作成した複数の税金に関する情報の候補を前記証憑発行者に送信し、前記証憑発行者が、前記欠落情報通知部により送信された前記税金に関する情報の複数の候補のいずれかを選択した場合、当該選択結果が自動的に証憑受信者に送信されるものとしてもよい。
【0010】
前記欠落情報判定部は、言語モデルを使用して前記証憑データから所定の情報が欠落していないか判定するものとしてもよい。
【0011】
指示を入力すると、当該指示に対する応答を出力する言語モデルを有し、前記欠落情報判定部は、前記証憑データ及び前記証憑データから前記所定の情報が欠落しているか否かに関する情報を出力する旨の指示を前記言語モデルに入力することにより、所定の情報が欠落していないか判定するものとしてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の情報処理システムにおいては、取引先ごとに、証憑データ受信者が会計処理に必要な項目を保存する項目記憶部と、前記項目記憶部に記憶された取引先ごとの会計処理に必要な項目を、当該取引先に通知する項目通知部と、を有するものとしてもよい。
【0013】
本発明の第3の態様の証憑情報処理方法においては、コンピュータが実行する、証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信ステップと、前記証憑データ受信ステップにおいて受信された証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定ステップと、前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定された場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を自動的に送信する欠落情報通知ステップと、を有する。
本発明の第4の態様の証憑情報処理プログラムにおいては、コンピュータに、証憑発行者により証憑データが送受信される電子インボイスネットワークを経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信ステップと、前記証憑データ受信ステップにおいて受信された証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定ステップと、前記欠落情報判定ステップにおいて、前記証憑データから所定の情報が欠落していると判定された場合、前記証憑発行者に対し、前記証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を自動的に送信する欠落情報通知ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求書発行者から請求書データ受領者に送信された請求書データにおいて、請求書データ受領者が請求書処理を行うために必要な情報が欠落している場合に、請求書データ受領者又は請求書発行者が行わなければならない作業の負担を軽減することができる証憑情報処理システム、証憑情報処理方法及び証憑情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の構成を示す図である。
図2】本実施形態で使用されるコンピュータの構成を示す図である。
図3】実施例1の情報処理のフローチャートを示す図である。
図4】請求書データ受領者であるB社が請求書の処理に必要な情報のリストを示す図である。
図5】請求書発行者であるA社がB社に送信した請求書データ1を示す図である。
図6】A社システムの表示画面6を示す図である。
図7】請求書発行者であるA社がB社に送信した請求書データ2を示す図である。
図8】A社システムの表示画面8を示す図である。
図9】実施例3の構成を示す図である。
図10】A社システムの表示画面10を示す図である。
図11】A社システムの表示画面11を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる証憑情報処理システムの構成及び情報の流れを示す図である。本情報処理システムは、証憑発行者側システム1により証憑データが送受信される電子インボイスネットワーク2を経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信部31と、証憑データ受信部31が受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定部32と、欠落情報判定部32が、証憑データから所定の情報が欠落していると判定した場合、証憑発行者側システムに対し、証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を自動的に送信する欠落情報通知部33と、を有する。
【0017】
本明細書において、「証憑」とは、取引に関する書類またはデータをいう。証憑には、例えば、見積書、発注書、注文書、納品書、領収書等が含まれるものとする。また、「証憑データ」とは、証憑の内容を示す、テキストデータ及び数値データをいう。
【0018】
本情報処理システムにおける情報処理は、コンピュータによって実現される。図2は、本発明の情報処理に使用されるコンピュータ4の構成を示す図である。記憶部41は、情報処理を実行するためのデータ及びプログラムを保存するためのデバイスである。演算部42は、記憶部41から情報処理に必要なプログラム及びデータを読み出し、情報処理を実行し、欠落情報判定部等として機能する。通信部45は、外部のデバイスとの情報の入出力を行うためのデバイスである。入力部43は、コンピュータ4に情報を入力するためのデバイスである。入力部43の例としては、キーボード、マウス、カメラ、マイク等がある。出力部44は、記憶部41に記憶されている情報を出力するためのデバイスである。出力部44の例としては、ディスプレイ、スピーカー等がある。
【0019】
本実施形態によれば、証憑発行者側システムに対し、証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知が自動的に送信されるため、証憑データ受領者側で欠落しているデータがないか確認したり、証憑発行者に欠落している情報を送信するよう依頼する手間を省くことができる。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施例1を説明する。図3は、本実施例の情報処理の手順を示す図である。
【0021】
図4は、請求書データ受領者のB株式会社(以下「B社」という。)において、請求書の処理に必要な項目のリストを示している。B社で請求書の処理に必要な項目は、あらかじめ、B社の経理担当者が、B社が使用している会計情報処理システム(以下「B社システム」という。)に入力している。B社では、経費の負担部門を明確にする経営方針を取っており、請求書の処理に「担当部署名」の情報が必要である。
【0022】
まず、請求書発行者であるA株式会社(以下「A社」という。)の経理担当者が、A社が使用している会計情報処理システム(以下「A社システム」という。)を使用して、請求書データを、電子インボイスネットワークを経由して請求書データ受領者であるB社に送信し(S11)、B社システムの証憑データ受信部が、送信された請求書データを受信する。B社システムの証憑データ受信部が受信した請求書データは、B社システムの記憶部に記憶される。
【0023】
図5は、A社システムからB社システムに送信され、B社システムの記憶部に記憶された請求書データ1である。請求書データ1には、「担当部署名」の情報が存在しない。B社システムの欠落情報判定部では、B社において、請求書処理に必要な項目のリスト(図4)と、請求書データ1(図5)とを比較・照合し、請求書データ1において、B社の請求書処理に必要な情報が欠落していないかを判定する。その結果、請求書データ1には、B社の請求書処理業務に必要な「担当部署」の情報が欠落していると判定される(S12)。欠落情報判定部において、欠落している情報が存在しないと判定された場合、B社システムでの情報処理は完了する(S13)。
【0024】
B社システムの欠落情報通知部は、欠落情報判定部の判定結果に従い、A社システムに、「担当部署」の情報が欠落している旨及び「担当部署」の情報を送信する依頼を自動的に電子インボイスネットワーク経由で通知する(S14)。これらの通知を、電子メールによって送信してもよい。
【0025】
図6は、A社システムのディスプレイに表示された表示画面6を示している。表示画面6において、上部には対象となる請求書を特定する情報(請求書発行日、請求書番号、宛先)が表示され、その下には請求書送付先の企業の担当部署名の情報が入力されていなかった旨及び担当部署名の入力を促すメッセージが表示されている。A社の経理担当者が、担当部署名の記入エリア61にB社における担当部署名を入力し、送信ボタン62をクリックすると、B社に担当部署名の情報が送信され(S15)、送信された担当部署名の情報は、電子インボイスネットワークを経由してB社システムの証憑データ受信部が受信する。
【0026】
本実施例によれば、請求書データ受領者側は、受信した請求書データにおいて、請求書処理に必要な情報が揃っているか確認し、欠落した情報がある場合、請求書発行者に欠落した情報を送信するよう依頼する手間を省くことができ、効率化、迅速化及び正確な処理を実現することができる。また、請求書発行者側は、簡単な操作で欠落した情報を請求書データ受領者側に送信することができる。
【0027】
欠落情報判定部において、証憑データ、必要項目リスト及び証憑データから必要項目リスト記載の項目に該当する所定の情報が欠落しているか否かに関する情報を出力する旨の指示をLLM(大規模言語モデル)等の言語モデルに入力することにより、所定の情報が証憑データから欠落していないか判定する処理を行ってもよい。
【実施例2】
【0028】
以下、本発明の実施例2を説明する。実施例1と同じ情報処理については説明を省略する。
【0029】
図7は、A社システムからB社システムに送信された請求書データ2である。B社システムの欠落情報判定部は、B社の必要項目リスト(図4)と、請求書データ2(図7)を比較・照合して、請求書データ2においては、B社が請求書処理で必要としている情報のうち、「適用税率」、「税額」の情報が存在しない(欠落している)と判定する。そして、B社システムの候補作成部は、請求書データ2の「請求額」「500000円」の情報に基づき、消費税率が8%の場合と10%の場合、「請求額」が内税表記の場合と外税表記の場合、請求書発行者が免税事業者である場合のそれぞれについて、消費税額の候補を算出する。
【0030】
B社システムの欠落情報通知部は、候補作成部が算出した消費税額の候補をA社システムに送信する。図8は、A社システムのディスプレイに表示された表示画面8を示している。表示画面8において、B社システムから送信された消費税額の候補81が5個表示されている。A社の経理担当者は、5個の消費税額候補81のうち、適切なものを選択し、送信ボタン82をクリックすると、本件についての適切な消費税額がA社システムからB社システムに、電子インボイスネットワーク経由で送信される。
本実施例においては、請求書発行者の経理担当者は、消費税額を計算することなく、消費税額の候補から適切な候補を選択するだけで適切な消費税額が請求書データ受領者に送信されるため、請求書発行者の負担を軽減することができる。
【実施例3】
【0031】
以下本発明の実施例3を説明する。図9は本実施例の構成図を示している。請求書データ受領者であるB社の経理担当者は、B社システム91に、図4に示すB社の請求書処理に必要な項目(以下「必要項目リスト」という。)を入力し、必要項目リストは、B社システムの必要項目リスト記憶部92に記憶される。そして、必要項目リスト記憶部92に記憶された必要項目リストは、必要項目リスト送信部93により、請求書発行者であるA社が使用するA社システムに、電子インボイスネットワークを経由して送信される。送信された必要項目リストは、A社システム95の必要項目リスト受信部97が受信し、顧客情報記憶部に記憶される。
【0032】
図10は、A社システムにおいて、請求書発行処理を行おうとする場合の表示画面10を示している。表示画面10において、請求書送付先の入力を促すメッセージが表示される。A社の経理担当者が、請求書送付先を入力するための入力ボックス101に「B株式会社」と入力すると、顧客情報記憶部から、B社の必要項目リストが読み出され、A社システムのディスプレイに図11に示す表示画面11が表示される。表示画面11には、B社の必要項目リストを入力するための入力ボックスが表示される。「請求書発行者」、「適用税率」、「源泉徴収の有無」の入力ボックスには、A社が請求書を発行する際の標準的な情報が記憶部から読み出され、あらかじめ入力されている。
【0033】
本実施例によると、請求書データ受領者側で請求書の処理に必要となる情報が漏れなく請求書発行者によって送信されるため、請求書データ受領者が、欠落した情報の再送を請求書発行者に依頼する必要がなくなり、請求書発行者も再送に対応する必要がなくなるため、効率的に請求書に関する処理を行うことができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態及び実施例を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態及び実施例には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 証憑発行者側システム
2 電子インボイスネットワーク
3 証憑データ受領者側システム
31 証憑データ受信部
32 欠落情報判定部
33 欠落情報通知部
4 コンピュータ
41 記憶部
42 演算部
43 入力部
44 出力部
6 表示画面
61 記入エリア
62 送信ボタン
8 表示画面
81 消費税額候補
82 送信ボタン
91 B社システム
92 必要項目リスト記憶部
93 必要項目リスト送信部
94 電子インボイスネットワーク
95 請求書発行者側システム
96 顧客情報記憶部
97 必要項目リスト受信部
10 表示画面
101 入力ボックス
11 表示画面

【要約】
【課題】
請求書データ受領者が請求書処理を行うために必要な情報が欠落している場合に、請求書データ受領者又は請求書発行者が行わなければならない作業の負担を軽減する。
【解決手段】
本情報処理システムは、証憑発行者側システム1により証憑データが送受信される電子インボイスネットワーク2を経由して送信された証憑データを受信する証憑データ受信部31と、証憑データ受信部31が受信した証憑データにおいて、所定の情報が欠落していないか判定する欠落情報判定部32と、欠落情報判定部32が、証憑データから所定の情報が欠落していると判定した場合、証憑発行者側システムに対し、証憑データから欠落している情報を送信するよう要求する通知を自動的に送信する欠落情報通知部33と、を有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11