(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】行動パターン分析装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/906 20190101AFI20250117BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20250117BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250117BHJP
【FI】
G06F16/906
G06F16/9035
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019044102
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2022-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500175277
【氏名又は名称】株式会社ビービット
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【氏名又は名称】田坂 一朗
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 直紀
【合議体】
【審判長】吉田 美彦
【審判官】須田 勝巳
【審判官】脇岡 剛
(56)【参考文献】
【文献】澤田 礼我 外8名,潜在的興味分析に基づく詳細な興味グループ判定方式の提案,第10回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(第16回日本データベース学会年次大会),日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 日本データベース学会 情報処理学会データベースシステム研究会,2018年03月06日,pp.1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンを分析する行動パターン分析装置であって、
前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する行動を示す履歴情報を、ユーザに関するユーザ情報と共に、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段と、
ある行動を示す前記履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する特定ユーザ抽出手段と、
機械学習の教師なし学習により、前記特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
複数の前記クラスタの中から
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザを抽出するクラスタリング特定ユーザ抽出手段と、
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザの前記ユーザ情報
及び前記履歴情報を配列したクラスタリング特定ユーザ抽出画面を、表示手段に表示する表示制御手段と、を備える行動パターン分析装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記特定ユーザ抽出手段が抽出した前記特定ユーザ全ての数に関する特定ユーザ人数情報と、前記クラスタリング特定ユーザ抽出手段により抽出された前記特定ユーザの数に関するクラスタリング特定ユーザ人数情報と、を前記表示手段に表示する請求項1に記載の行動パターン分析装置。
【請求項3】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンを分析する行動パターン分析装置が実行する方法であって、
前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する行動を示す履歴情報を、ユーザに関するユーザ情報と共に、ユーザ毎に取得するステップと、
ある行動を示す前記履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出するステップと、
機械学習の教師なし学習により、前記特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングするステップと、
複数の前記クラスタの中から
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザを抽出するステップと、
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザの前記ユーザ情報
及び前記履歴情報を配列したクラスタリング特定ユーザ抽出画面を、表示手段に表示するステップと、を含む行動パターン分析方法。
【請求項4】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンを分析する行動パターン分析装置を、
前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する行動を示す履歴情報を、ユーザに関するユーザ情報と共に、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段、
ある行動を示す前記履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する特定ユーザ抽出手段、
機械学習の教師なし学習により、前記特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段、
複数の前記クラスタの中から
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザを抽出するクラスタリング特定ユーザ抽出手段、
操作者に指定された前記クラスタにクラスタリングされた前記特定ユーザの前記ユーザ情報
及び前記履歴情報を配列したクラスタリング特定ユーザ抽出画面を、表示手段に表示する表示制御手段、として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンを分析する行動パターン分析装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報である、ウェブサイトのウェブページや、スマートフォン等のアプリケーション上で表示され、ユーザが閲覧可能な閲覧可能情報において、ユーザに商品やサービスの情報を提供し、その商品やサービスの購入等の行動を促すことが広く行われている。このようにユーザの行動を促すために、閲覧可能情報に対するユーザの動向に関する履歴を分析する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザIDで特定されるユーザがユーザ端末を用いてサービス提供サイトにアクセスした際の行動ログを取得するログ取得手段と、ログ取得手段で取得した行動ログに基づく行動パターンを少なくとも1以上のクラスタに分類するクラスタリング手段と、クラスタリング手段で分類されたクラスタ情報を含む複数の素性を用いて機械学習を行って識別関数を生成する機械学習手段とを備える情報分析装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の情報分析装置は、まず、クラスタリングして分類されたクラスタ情報を用いて、機械学習を行って識別関数を生成するため、分類されたクラスタに偏りが生じていた場合、その後、機械学習を行って識別関数を生成しても、偏りがある中での識別関数であり、分析結果も偏ったり漏れがあったりしてしまい、適切な分析ができない場合がある。
【0006】
本発明は、これらの課題に鑑み、ユーザのクラスタリングにおいて、偏りを抑え、適切な分析を可能とする行動パターン分析装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンを分析する行動パターン分析装置であって、
前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する行動を示す履歴情報を、ユーザに関するユーザ情報と共に、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段と、
ある行動を示す前記履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する特定ユーザ抽出手段と、
機械学習の教師なし学習により、前記特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記クラスタ毎に、クラスタリングされた前記特定ユーザを抽出するクラスタリング特定ユーザ抽出手段と、
前記クラスタ毎に、クラスタリングされた前記特定ユーザの前記ユーザ情報を、表示手段に表示する表示制御手段と、を備える行動パターン分析装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、前記クラスタ毎に、クラスタリングされた前記特定ユーザの前記行動パターンの傾向を特定するクラスタリング行動パターン特定手段を、更に備えてもよい。
【0009】
また、本発明は、前記表示制御手段は、前記特定ユーザ抽出手段が抽出した前記特定ユーザ全ての数に関する特定ユーザ人数情報と、前記クラスタリング特定ユーザ抽出手段により抽出された前記特定ユーザの数に関するクラスタリング特定ユーザ人数情報と、を前記表示手段に表示してもよい。
【0010】
また、本発明は、装置のカテゴリであるが、方法及びプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザのクラスタリングにおいて、偏りを抑え、適切な分析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る行動パターン分析装置のクラスタリングした結果の表示例である。
【
図2】
図2は、本実施形態の行動パターン分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の行動パターン分析装置のクラスタリング手段によるクラスタリングの概要を説明する図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の行動パターン分析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る行動パターン分析装置による特定ユーザ抽出画面の表示例である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る行動パターン分析装置によるクラスタリング特定ユーザ抽出画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る行動パターン分析装置のクラスタリングした結果の表示例である。
本実施形態に係る行動パターン分析装置は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報(例えば、インターネットを利用して閲覧することが可能なウェブサイトや、インターネットを利用して商品等を販売するアプリケーション上の表示等)に対するユーザの行動パターンを分析する。
【0015】
具体的には、行動パターン分析装置は、閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける閲覧可能情報へのアクセスに関する行動を示す履歴情報を、ユーザに関するユーザ情報と共に、ユーザ毎に取得する。
【0016】
その後、行動パターン分析装置は、全ユーザのうちから、操作者(例えば、商品を販売する者や、ユーザの行動を分析する者や、ユーザに所望の行動を促す者)が所望する行動(例えば、コンバージョン:商品の購入等)を示す履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する。
【0017】
そして、行動パターン分析装置は、機械学習の教師なし学習により、抽出した特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量(各特定ユーザのデータ(CV数、CVの頻度、PV数、PV頻度等)を用いて複数のクラスタにクラスタリングする。
【0018】
行動パターン分析装置は、クラスタリングの結果であるクラスタ(
図1に示す例では、「未集計」、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」、「パターンE」、「パターンF」)と、各クラスタに分類された特定ユーザの人数を算出し、
図1に示すように、表示する。
【0019】
また、行動パターン分析装置は、ユーザの操作に基づき、例えば、
図1に示すクラスタの一覧からあるクラスタが選択された場合、当該クラスタにクラスタリングされた特定ユーザのユーザ情報を表示する。
【0020】
このように、行動パターン分析装置は、ある行動パターンを含む履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出し、機械学習の教師なし学習により、特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングし、クラスタ毎に、クラスタリングされた特定ユーザを抽出し、クラスタ毎に、クラスタリングされた特定ユーザのユーザ情報を、表示手段に表示する。
【0021】
ここで、ユーザを、例えば、予め特定の行動パターン(例えば、所定の時間帯にアクセスする等)でラベリングし、機械学習の教師あり学習により、ラベリングしたユーザの行動パターンと、操作者が望む行動との関連性を抽出した場合、予め特定の行動パターンをとらないユーザと、操作者が望む行動との関連性を分析することができず、分析結果に偏りや、漏れが生ずるおそれがある。
【0022】
本実施形態の行動パターン分析装置によれば、ある行動をした特定ユーザを、機械学習の教師なし学習により、クラスタリングすることで、まず、例えば、操作者が所望する行動をした特定ユーザを抽出してから、機械学習の教師なし学習により、クラスタリングすることで、分析結果の偏りを抑えることが可能となる。
したがって、ユーザのクラスタリングにおいて、偏りを抑え、適切な分析が可能となる。
【0023】
<機能構成>
図2は、本実施形態の行動パターン分析装置の機能構成を示すブロック図である。
行動パターン分析装置1は、例えば、サーバで構成され、図示しないプロセッサ、メモリ、ストレージを備え、これらはバスにより接続されている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、メモリに記憶された各種プログラムを読み出して実行し、各種処理を行うことで、後述する各手段として機能する。メモリは、CPUにより実行されるプログラムを記憶するものであり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。ストレージは、後述するデータベースや制御プログラムなどを記憶するものである。
なお、行動パターン分析装置1は、1つのサーバで構成する必要はなく、例えば、行動パターン分析装置1の管理者により操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、このような端末とネットワークを介して接続されたサーバ等により、各種処理の全部又は一部を実行してもよい。
【0024】
行動パターン分析装置1は、ユーザ情報取得手段11と、ユーザ情報データベース(以下、「ユーザ情報DB」とも言う。)12と、履歴情報取得手段13と、履歴情報データベース(以下、「履歴情報DB」とも言う。)14と、特定ユーザ抽出手段15と、クラスタリング手段16と、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17と、表示手段18と、表示制御手段19と、を備える。
【0025】
ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、外部の装置であるオフラインデータベース(以下、「オフラインDB」とも言う。)200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0026】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
ユーザ情報DB12は、各ユーザを識別する識別情報に、年齢、所在地(ユーザが居住する都道府県や、住所等)等が対応付けられたユーザ情報が記憶されている。なお、ユーザ情報には、その他、性別、ユーザのネーム(例えば、ユーザにより設定されたニックネームや、ユーザの名前等)、ユーザ属性(例えば、ウェブサイトの運営者が運営するグループの会員ランク、PV(Page View)数、CV(Conversion)数等)や、オフラインデータ(例えば、ユーザの現実の行動履歴、NPS(Net Promoter Score)、ビジネス指標等)等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、ユーザ情報取得手段11が取得し、ユーザ情報DB12において、識別情報に、対応付けて記憶してもよい。
【0027】
図2に戻って、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)や、携帯端末(スマートフォン)等)を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプ(例えば、PVだけであったのか、CVに至ったのか)を示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間、イベントタイプの詳細(例えば、CVの内容や、サービスや商品の導入先)等を含む履歴情報を、当該閲覧可能情報をユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置(サーバ等)や、行動パターン分析装置1にネットワークを介して接続されたオフラインDB200や、行動パターン分析装置1にネットワークを介して接続された外部データベース(以下、「外部DB」とも言う。)300から取得し、履歴情報DB14に記憶する。また、履歴情報取得手段13は、ユーザ情報を取得したユーザ全ての数に関するユーザ人数情報を生成する。
【0028】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
履歴情報DB14は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報に、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプを示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間等が対応付けられて記憶されている。
図4に示すように、履歴情報DB14には、ある閲覧可能情報への訪問日時毎に履歴情報が記憶されている。すなわち、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、ある閲覧可能情報に、何回アクセスしているかや、ある期間に、ある閲覧可能情報に何回アクセスしているかの頻度も、履歴情報DB14に記憶している。
【0029】
なお、
図4に示す例では、「閲覧可能情報」の一例として、ウェブページの名称(
図4に示す例では「Ug特設ページ」)を示しているが、「閲覧可能情報」は、ウェブページのアドレスや、ウェブサイトにおけるショップ名や、インターネットを利用して商品等を販売するアプリケーションの名称等、ユーザがインターネットを利用して、閲覧可能な情報を識別できる情報であれば任意の情報とすることができる。
【0030】
また、履歴情報には、各閲覧可能情報におけるユーザの操作に関する情報として、表示画面においてスクロールされた量やスクロールする速度を示すスクロール情報や、ユーザに操作される端末におけるマウス操作やタッチ操作により、表示画面上で移動させることが可能なポインタの移動経路や移動量や移動速度を示すポインタ情報等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、履歴情報取得手段13が取得し、履歴情報DB14において、閲覧可能情報に、対応付けて記憶してもよい。また、履歴情報取得手段13は、流入経路を示す情報を、ユーザの初回アクセス時と2回目以降のアクセス時とで分類して取得し、それぞれ記憶してもよいし、CVに至ったときの流入経路を示す情報を、PVのみの場合と分類して取得し、それぞれ記憶してもよい。
【0031】
図2に戻って、特定ユーザ抽出手段15は、ある行動を示す履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する。詳細には、特定ユーザ抽出手段15は、操作者が所望する行動が指定された場合、履歴情報DB14(
図4参照)を参照して、指定された行動(例えば、CV:購入等)を示す履歴情報を有するユーザを特定ユーザとして抽出する。また、特定ユーザ抽出手段15は、抽出した特定ユーザ全ての数に関する特定ユーザ人数情報を生成する。
【0032】
クラスタリング手段16は、機械学習の教師なし学習により、特定ユーザ抽出手段15が抽出した特定ユーザを、履歴情報DB14(
図4参照)に記憶された履歴情報に基づく、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングする。
【0033】
図5は、本実施形態の行動パターン分析装置のクラスタリング手段によるクラスタリングの概要を説明する図である。
クラスタリング手段16は、ユーザ情報DB12(
図3参照)及び履歴情報DB14(
図4参照)を参照して、特定ユーザ抽出手段15が抽出した特定ユーザの履歴情報に基づき、公知の機械学習の教師なし学習により、複数のクラスタにクラスタリングする。
例えば、クラスタリング手段16は、特定ユーザの履歴情報に基づき、特定ユーザを、行動パターンの特徴量(各特定ユーザのデータ(CV数、CVの頻度、PV数、PV頻度等)で、分布させ、予め設定したクラスタ数(
図5に示す例では6つ)にグループ分けし、各グループにおける分布の中心を求める。そして、クラスタリング手段16は、求めた中心への近さで、特定ユーザを再グループ化し、再グループの中心を求める処理を繰り返すことで、予め設定したクラスタ数のクラスタを形成する。なお、本実施形態では、クラスタの数を6つとしているが、これに限らず、クラスタの数は任意に決めてもよい。
【0034】
図2に戻って、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17は、クラスタリング手段16によりクラスタリングされた特定ユーザを抽出する。詳細には、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17は、操作者が所望するクラスタが指定された場合、クラスタリング手段16により、指定されたクラスタにクラスタニングされた特定ユーザを抽出する。また、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17は、抽出したクラスタ毎の特定ユーザの数を計数し、計数した特定ユーザの数や、特定ユーザ抽出手段15が抽出した特定ユーザ全ての人数に対する、クラスタ毎の特定ユーザの数の比率を示すクラスタリング特定ユーザ人数情報を生成する。なお、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17は、クラスタリング手段16によりクラスタリングされていない特定ユーザ(例えば、クラスタリング手段16によりクラスタリングされた後に、履歴情報取得手段13により履歴情報が取得された特定ユーザ等)の数を計数し、計数した未集計の特定ユーザの数や、特定ユーザ抽出手段15が抽出した特定ユーザ全ての人数に対する、未集計の特定ユーザの数の比率を示す未集計特定ユーザ人数情報を生成する。
【0035】
表示手段18は、例えば、ディスプレイやタッチパネルで構成され、表示制御手段19の制御により、クラスタリングした結果を示す画面(
図1参照)等を表示する。
【0036】
表示制御手段19は、操作者の操作に基づき、クラスタリング手段16により、クラスタ毎に、クラスタリングされた特定ユーザのユーザ情報を、表示手段18に表示する。また、表示制御手段19は、特定ユーザ抽出手段15が生成した特定ユーザ人数情報と、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17が生成したクラスタリング特定ユーザ人数情報及び未集計特定ユーザ人数情報と、を表示手段18に表示する。
【0037】
<行動パターン分析処理>
次に、行動パターン分析装置による行動パターン分析処理の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態の行動パターン分析処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末や、外部の装置であるオフラインDB200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0038】
ステップS2において、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプを示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間等を含む履歴情報を、当該閲覧可能情報をユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置や、オフラインDB200や、外部DB300から取得し、履歴情報DB14に記憶する。
【0039】
ステップS3において、特定ユーザ抽出手段15は、ある行動を示す履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する。
【0040】
図7は、本実施形態に係る行動パターン分析装置による特定ユーザ抽出画面の表示例である。
行動パターン分析装置1において、ユーザ情報に履歴情報が対応付けられ、例えば、時系列で配列された初期画面において、操作者によりある行動(例えば、コンバージョン(「セミナー申込」や「Ug問い合わせ」等))が選択されると、特定ユーザ抽出手段15は、上記ある行動(例えば、コンバージョン)を示す履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出する。そして、表示制御手段19は、
図7に示すような、特定ユーザのユーザ情報に、操作者により選択された行動に関連する履歴情報等が対応づけられた特定ユーザ抽出画面を、表示手段18に表示する。また、表示制御手段19は、特定ユーザ抽出画面において、特定ユーザ抽出手段15が生成した特定ユーザ人数情報(
図7に示す例では「208名」)を表示する。
【0041】
図6に戻って、ステップS4において、機械学習の教師なし学習により、特定ユーザ抽出手段15が抽出した特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングする。
【0042】
図1や
図7に示す例では、操作者は、
図7に示す特定ユーザ抽出画面において、「行動パターンを選択」ボタンをクリックすることで、
図1に示すようなプルダウンメニューが表示され、このプルダウンメニューにおいて、クラスタリングされた複数のクラスタとして「未集計」、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」、「パターンE」」、「パターンF」のいずれかを選択することが可能となる。また、このとき、各クラスタに対応付けて、各クラスタに属する特定ユーザの人数(クラスタリング特定ユーザ人数情報)を表示する。
【0043】
そして、行動パターン分析装置1は、例えば、操作者により、
図1に示すようなプルダウンメニューにおいて、複数のクラスタ(「未集計」、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」、「パターンE」、「パターンF」)のいずれかが選択された場合、ステップS5に処理を移す。
【0044】
図6に戻って、ステップS5において、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17は、ステップS4において、クラスタリング手段16によりクラスタリングされ、操作者により選択されたクラスタの特定ユーザを抽出する。
【0045】
図8は、本実施形態に係る行動パターン分析装置によるクラスタリング特定ユーザ抽出画面の表示例である。
図8に示すように、表示制御手段19は、操作者により、
図1に示すようなプルダウンメニューにおいて、複数のクラスタ(「未集計」、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」、「パターンE」、「パターンF」)のいずれかが選択された場合、ステップS5で、クラスタリング手段16によりクラスタリングされ、操作者により選択されたクラスタ(
図8に示す例では「パターンA」)の特定ユーザを配列したクラスタリング特定ユーザ抽出画面を、表示手段18に表示する。また、表示制御手段19は、クラスタリング特定ユーザ抽出画面において、クラスタリング特定ユーザ抽出手段17が生成したクラスタリング特定ユーザ人数情報(
図8に示す例では「133名(63.9%)」)を表示する。
【0046】
<効果>
以上説明した本実施形態の行動パターン分析装置によれば、ある行動パターンを含む履歴情報を有するユーザである特定ユーザを抽出し、機械学習の教師なし学習により、特定ユーザを、複数種類の行動パターンの特徴量を用いて複数のクラスタにクラスタリングし、クラスタ毎に、クラスタリングされた特定ユーザを抽出し、クラスタ毎に、クラスタリングされた特定ユーザのユーザ情報を、表示手段に表示する。
これにより、ある行動をした特定ユーザを、機械学習の教師なし学習により、クラスタリングすることで、まず、例えば、操作者が所望する行動をした特定ユーザを抽出してから、機械学習の教師なし学習により、操作者の主観を入れずに、クラスタリングすることが可能となる。
したがって、ユーザのクラスタリングにおいて、偏りを抑え、適切な分析が可能となる。
【0047】
また、特定ユーザ抽出手段が抽出した特定ユーザ全ての数に関する特定ユーザ人数情報と、クラスタリング特定ユーザ抽出手段により抽出された特定ユーザの数に関するクラスタリング特定ユーザ人数情報と、を表示する。
これにより、操作者は、あるクラスタに属するユーザの人数と、ある行動をしたユーザ全ての人数とを対比させることが可能となるので、その後の分析において、複数のクラスタに対し優先順位を付けることが可能となり、より適切な分析が可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1・・・行動パターン分析装置、11・・・ユーザ情報取得手段、12・・・ユーザ情報DB、13・・・履歴情報取得手段、14・・・履歴情報DB、15・・・特定ユーザ抽出手段、16・・・クラスタリング手段、17・・・クラスタリング特定ユーザ抽出手段、18・・・表示手段、19・・・表示制御手段、200・・・オフラインDB、300・・・外部DB