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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250117BHJP
   G06Q 10/1053 20230101ALI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/1053
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024119575
(22)【出願日】2024-07-25
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518182508
【氏名又は名称】株式会社Matchbox Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-055322(JP,A)
【文献】特開2022-057831(JP,A)
【文献】特開2023-047838(JP,A)
【文献】特開2021-114197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理するためのプログラムであって、
前記メモリは、前記事業者からの求人情報に対して、前記就業者が就業した過去の所定労働時間及び支払賃金を含む実績情報を記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記事業者からの求人情報の入力を受け付けて前記就業者へ提示するステップと、
前記求人情報に対する前記就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者に係る過去の所定労働時間及び支払賃金を含む前記実績情報を参照し、前記就業者について、前記就業者の就業状況に応じて設けられた甲欄、乙欄、または丙欄からなる所得税の計算区分のいずれの計算区分で計算するかを判定するステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者の情報を、前記就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて前記事業者へ提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、さらに、
前記事業者から、前記応募情報を受け付けた前記就業者から実際に就業する者の選定を受け付けるステップと、
前記選定された前記就業者についての前記判定結果に基づき、前記事業者に対して、前記選定された前記就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当することを前記事業者へ通知するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記メモリは、前記就業者について、就業に係る希望条件の情報を記憶し、
前記事業者へ通知するステップにおいて、前記就業者について記憶されている前記希望条件の情報を前記事業者へ通知する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記事業者へ報知するステップにおいて、前記就業者について、前記求人情報の就業する際の条件を変更することにより前記就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当しない場合、条件の変更により前記就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当しないことを前記事業者へ通知する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに、
前記応募情報を受け付けた前記就業者についての前記判定結果に基づき、前記就業者に対して、前記求人情報に係る就業をすることにより、前記就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、さらに、
前記応募情報を受け付けた前記就業者についての前記判定結果に基づき、当該就業者に係る所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる前記就業者について、必要な処理に係るステータス情報を管理する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる前記就業者について必要な帳票を発行する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる前記就業者について、他の事業者に対して就業した実績情報を取得して管理する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項10】
前記求人情報が、短期の就業、日雇いの就業、または短時間の就業に係る求人の情報である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
制御部と、メモリとを備え、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理する情報処理装置であって、
前記メモリは、前記事業者からの求人情報に対して、前記就業者が就業した過去の所定労働時間及び支払賃金を含む実績情報を記憶し、
前記制御部は、
前記事業者からの求人情報の入力を受け付けて前記就業者へ提示するステップと、
前記求人情報に対する前記就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者に係る過去の所定労働時間及び支払賃金を含む前記実績情報を参照し、前記就業者について、前記就業者の就業状況に応じて設けられた甲欄、乙欄、または丙欄からなる所得税の計算区分のいずれの計算区分で計算するかを判定するステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者の情報を、前記就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて前記事業者へ提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理するための方法であって、
前記メモリは、前記事業者からの求人情報に対して、前記就業者が就業した過去の所定労働時間及び支払賃金を含む実績情報を記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記事業者からの求人情報の入力を受け付けて前記就業者へ提示するステップと、
前記求人情報に対する前記就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者に係る過去の所定労働時間及び支払賃金を含む前記実績情報を参照し、前記就業者について、前記就業者の就業状況に応じて設けられた甲欄、乙欄、または丙欄からなる所得税の計算区分のいずれの計算区分で計算するかを判定するステップと、
前記応募情報を受け付けた前記就業者の情報を、前記就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて前記事業者へ提示するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店、ファミリーレストランや居酒屋等の飲食店等では、非正規雇用のアルバイトやパートタイマーの労働者を店員として採用していることが多い。このような労働者を確保するため、就業者の情報をあらかじめ登録しておき、求人情報がある場合に就業者にその情報を配信し、求人情報に対して就業者からの応募(就業希望)を受け付けることで、労働者を確保することが行われている。また、上記のように、就業者の情報をあらかじめ登録して管理することが行われ、そのためのプラットフォームが提供されている。
【0003】
このような非正規雇用のアルバイトやパートタイマーの労働者、具体的には、短期間、短時間の労働者に対しても、社会保険の適用が義務付けられることとなった。そのため、短期間、短時間の労働者について、本人が加入を望まない場合、社会保険の適用を受けるために必要な条件に該当しないように管理する必要がある。
【0004】
特許文献1には、社会保険への加入を希望しない者に対して、社会保険の適用を受けるために必要な条件に該当しないように管理する求人管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2024-055322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような非正規雇用のアルバイトやパートタイマーの労働者、具体的には、短期間、短時間の労働者に対して、所得税の源泉徴収が義務付けられている。所得税の源泉徴収には、就業者の就業状況に応じた計算区分が設けられている。しかしながら、上記のように就業者を登録して管理するプラットフォームにおいて、就業者について所得税の計算区分を管理できるようなサービスは提供されていないのが現状である。
【0007】
そこで、本開示では、就業者について所得税の計算区分を管理することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理するためのプログラムが提供される。メモリは、事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報を記憶する。プログラムは、プロセッサに、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示するステップと、求人情報に対する就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップと、応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定するステップと、応募情報を受け付けた就業者の情報を、就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定することにより、所得税の計算区分を管理する。これにより、労働者を登録するためのプラットフォームにおいて、事業者に対してコンプライアンスを尊守させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】就業者管理システム1の全体の構成を示す図である。
図2図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4図3の事業者データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5図3の就業者データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6図3の求人データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
図7】就業者管理システム1による所得税計算区分判定処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】就業者管理システム1による所得税計算区分変更処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】端末装置10に表示する求人応募情報の画面例を示す図である。
図10】端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。
図11】端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。
図12】端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。
図13】端末装置10に表示する求人情報の画面例を示す図である。
図14】端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象を表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0012】
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0013】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0014】
また、以下の説明において、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。
【0015】
また、以下の説明において、各データベースを構成するテーブルは一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0016】
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
【0017】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0018】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0019】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0020】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0021】
<概要>
以下、本開示に係る就業者管理システムについて説明する。本開示に係る就業者管理システムは、例えば、求人情報に対する応募を容易にし、就業者を確保(雇用)しやすくするため、就業者の情報をあらかじめ登録しておき、就業を希望する求人情報があった場合に通知して応募の情報を送信できるようにするためのシステムである。この就業者管理システムは、例えば、長期の就業を想定した正社員やアルバイト、パートタイマーの求人情報を提供してもよく、短期(単発)の就業を想定した小売店等におけるアルバイトやパートタイマー等の労働者が就業する労働時間、いわゆるギグワークの求人情報を提供してもよい。また、ギグワークにおけるシフトの希望を受け付け、事業者や管理者が調整するシステムであってもよい。本開示に係る就業者管理システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、事業者に対する就業のために登録されている登録者、または事業者であるユーザが、所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0022】
本開示に係る就業者管理システムを利用するユーザは、就業者の応募を受け付ける小売店等の事業者だけではなく、事業者と所定の関係を有する管理者であってもよい。ここで、事業者とは、例えば企業、小売店や飲食店のような店舗の経営者や、小売店や飲食店のような店舗を運営する企業の従業員として店舗を運営する者であり、フランチャイズチェーンビジネスを行う店舗のオーナー事業者でもよい。また、管理者とは、1または複数の小売店や飲食店のような店舗を運営する企業や、小売店や飲食店のような店舗に対して人材を提供するサービスを提供する者であり、フランチャイズチェーンビジネスを行う企業でもよく、特定の資格やスキルを有する者の団体であってもよい。なお、管理者は、1または複数の種類の(業態が異なる)小売店や飲食店のような店舗を運営する企業であってもよい。
【0023】
ところで、上記のように、ギグワークの担い手である非正規雇用のアルバイトやパートタイマー、日雇い等の労働者に対しても、所得税の源泉徴収が義務付けられている。所得税の源泉徴収には、就業者の就業状況に応じた計算区分が設けられており、甲欄、乙欄、または丙欄のいずれかの区分で計算することとされている。所得税の源泉徴収について、例えば、日雇い賃金については丙欄の区分で計算するが、一定以上の期間就業する場合、甲欄の区分で計算することとされている。そのため、このようなギグワーカーを採用する事業者で労働時間を管理する必要があり、所定の条件を満たす場合には、源泉徴収票に記載する金額を変更する等、所定の手続きが必要になる。
【0024】
ギグワーカーを登録しておき、採用を支援するためのプラットフォームが提供されているが、このようなプラットフォームにおいて、就業者について所得税の計算区分を管理し、変更に該当する場合には適切な手続きを行えるようなサービスは提供されていないのが現状である。そのため、事業者が上記のようなギグワーカーの採用の際に、採用しようとする者が所得税の計算区分を採用の都度確認するのは容易ではなく、また、区分変更の適用対象となった場合の手続きも煩雑であり、事業者にとって負担となっていた。
【0025】
そこで、本開示に係る就業者管理システムは、ギグワーカーを例とする就業者が就業した実績情報を記憶しておき、就業者について所得税の計算区分を管理し、区分変更に該当するか否かを判定し、該当する場合、区分の変更に必要な処理を行う構成となっている。
【0026】
このような構成により、本開示に係る就業者管理システムを利用することで、就業者について所得税の計算区分を管理し、区分変更に該当するか否かを管理し、該当する場合には適切な手続きを行うことを可能にしている。これにより、事業者のコンプライアンス違反を防止し、企業活動におけるコンプライアンスを尊守させることを可能にしている。
【0027】
<第1の実施形態>
以下、就業者管理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0028】
<1 就業者管理システム1の全体構成>
図1は、就業者管理システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、就業者管理システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。ネットワーク80は、例えば、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。ネットワーク80は、無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。また、有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0029】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を利用して就業者管理システム1の機能である、事業者として求人情報の入力、就業者として求人情報の参照/応募情報の登録、就業者の選定を行う者であり、事業者、就業者等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC(ノートPC)等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0030】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、3G、4G、5G、LTE等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0031】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0032】
サーバ20は、事業者から求人情報を受け付け、就業者から求人情報に対する応募を受け付けて管理する装置である。サーバ20は、事業者であるユーザから求人情報を受け付けて登録し、求人情報を就業者であるユーザへ提示し、就業者からの応募を受け付ける。サーバ20は、就業者が就業した実績情報を記憶しておき、就業者について所得税の計算区分を判定する。さらに、サーバ20は、当該就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当する場合、必要な手続き処理を行う。
【0033】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。なお、サーバ20は、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータに分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータを仮想的に実現することができる。このように、サーバ20は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータだけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0034】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0035】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施形態1の就業者管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0036】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0037】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0038】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0039】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0040】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0041】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0042】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0043】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0044】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0045】
ユーザ情報161は、端末装置10を利用して就業者管理システム1の機能である、事業者として求人情報の入力、就業者の選定、就業者として求人情報の参照/応募情報の登録を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名、住所等、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0046】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0047】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0048】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0049】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0050】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0051】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施形態1の就業者管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0052】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0053】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、事業者データベース2021と、就業者データベース2022と、求人データベース2023等を記憶する。
【0054】
事業者データベース2021は、就業者管理システム1を利用して求人情報の登録をするために登録された、事業者の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0055】
就業者データベース2022は、就業者管理システム1を利用して求人情報を参照して応募するために登録された、就業者の情報を保持するためのデータベースである。また、就業者データベース2022は、就業者管理システム1を利用する事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報を記憶して保持している。詳細は後述する。
【0056】
求人データベース2023は、就業者管理システム1を利用する事業者により登録された求人情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0057】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、求人受付提示モジュール2033、応募受付モジュール2034、所得税該当区分判定モジュール2035、就業者選定受付モジュール2036、就業者判定結果提示モジュール2037、及び所得税区分変更モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0058】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0059】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0060】
求人受付提示モジュール2033は、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示する処理を制御する。事業者は、端末装置10を操作して、事業に係る求人情報の入力を行ってサーバ20へ送信するので、求人受付提示モジュール2033は、端末装置10から送信された求人情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。事業者が入力する求人情報は、長期の就業を想定した正社員やアルバイト、パートタイマーの求人情報でもよく、短期(単発)の就業を想定した、小売店や飲食店等におけるアルバイトやパートタイマー等の労働者が就業する労働時間、いわゆるギグワークの求人情報でもよく、シフトへの募集の情報、不足しているシフトへの追加募集の情報でもよい。なお、求人受付提示モジュール2033が求人情報を受け付ける事業者は、就業者管理システム1のユーザとして事業者データベース2021に登録されている事業者でもよく、それ以外であってもよい。
【0061】
また、求人受付提示モジュール2033は、事業者から受け付けた求人情報を、通信部201を介して就業者が使用する端末装置10へ送信し、就業者に対して参照可能に提示する。就業者は、端末装置10を操作して、求人情報を参照するための指示入力を行うので、求人受付提示モジュール2033は、求人データベース2023を読み取り、当該就業者に該当する求人情報を抽出し、端末装置10に送信して表示させる。なお、求人受付提示モジュール2033が求人情報を提示する就業者は、就業者管理システム1のユーザとして就業者データベース2022に登録されている事業者でもよく、それ以外であってもよい。
【0062】
求人受付提示モジュール2033は、事業者からの求人情報として、例えば、事業者名(法人名称)、会社名(通称を含む)、個人事業主の氏名、屋号等の主体の情報、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、所定時間における給与の単価(例えば、日給、時給等)の情報等を受け付ける。また、求人受付提示モジュール2033は、例えば、長期の就業を想定した求人情報の場合、所定期間における勤務可能な日時や回数の条件を示す情報(例えば、週4回、1回6時間以上、等)、短期(単発)の就業を想定した求人情報(シフト)の場合、就業予定の日時を示す情報を受け付ける。
【0063】
また、求人受付提示モジュール2033は、事業者から受け付けた求人情報を、例えば、求人データベース2023に登録して記憶させる。
【0064】
応募受付モジュール2034は、求人受付提示モジュール2033が提示した事業者からの求人情報に対する、就業者からの応募情報の入力を受け付ける処理を制御する。就業者は、端末装置10を操作して、求人情報を参照し、就労を希望する求人に対する応募の意思表示の入力を行ってサーバ20へ送信するので、応募受付モジュール2034は、端末装置10から送信された応募情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0065】
応募受付モジュール2034は、応募情報として、例えば、就業者の氏名、住所、年齢、性別、連絡先等の個人情報等を受け付ける。また、応募受付モジュール2034は、求人情報に係る職種名や作業の名称、当該求人情報が長期の就業を想定した求人情報の場合、就業者が勤務可能な日時や回数の条件を示す情報(例えば、週4回、1回6時間以上、等)、当該求人情報が短期の就業を想定した求人情報(シフト)の場合、就業者が希望する勤務開始日時及び勤務終了日時、等の情報を受け付ける。
【0066】
また、応募受付モジュール2034は、就業者から受け付けた応募情報を、例えば、求人データベース2023に登録して記憶させる。
【0067】
所得税該当区分判定モジュール2035は、応募受付モジュール2034が応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定する処理を制御する。所得税該当区分判定モジュール2035は、就業者の所得税の計算区分について、具体的には、国税庁で公開している「源泉徴収税額表」の甲欄、乙欄、または丙欄のいずれに該当するかを判定する。所得税該当区分判定モジュール2035は、例えば、応募情報を受け付けた就業者について、就業者データベース2022に格納されている、過去の所定の期間における就業者が就業した実績情報を参照する。そして、所得税該当区分判定モジュール2035は、応募情報を受け付けた就業者が、「源泉徴収税額表」の甲欄、乙欄、または丙欄のいずれに該当するかを判定する。
【0068】
サーバ20は、例えば、所得税の計算区分を判定するための所定の条件、具体的には、法令に定められた条件として、就業者が直近の年末時に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していること、就業者の賃金が日雇い賃金で計算されること、雇用期間が2カ月以内/以上であること、扶養家族の有無、等の所定の条件を保持する。なお、サーバ20は、法令に定められた条件以外に、事業者が独自に定めた条件を保持してもよい。所得税該当区分判定モジュール2035は、当該所定の条件に基づいて、就業者データベース2022に格納されている、当該就業者の過去の就業実績情報(例えば、2カ月間の所定労働時間、支払賃金等)を参照して、これらの条件に基づき、「源泉徴収税額表」の甲欄、乙欄、または丙欄のいずれに該当するかを判定する。当該所定の条件が法令の改正等により変更された場合、サーバ20に設定された当該所定の条件を変更する。
【0069】
所得税該当区分判定モジュール2035は、当該就業者が応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当するため、当該就業者に対して源泉徴収金額の変更が必要になることを判定してもよい。例えば、所得税該当区分判定モジュール2035は、後述する就業者選定受付モジュール2036が、実際に就業する者の選定の入力を受け付けた際に、当該就業者が応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを判定してもよい。また、所得税該当区分判定モジュール2035は、応募受付モジュール2034が、求人への応募を受け付けた際に、当該就業者が応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを判定してもよい。
【0070】
また、所得税該当区分判定モジュール2035は、所得税の計算区分の判定結果を、例えば、就業者データベース2022に登録して記憶させる。
【0071】
就業者選定受付モジュール2036は、求人受付提示モジュール2033が求人情報を受け付けた事業者から、応募受付モジュール2034が受け付けた就業者の中から実際に就業する者の選定の入力を受け付ける処理を制御する。就業者選定受付モジュール2036は、応募受付モジュール2034が受け付けた就業者からの応募情報に係る就業者の情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信して事業者へ提示する。事業者は、端末装置10を操作して、応募を受け付けた就業者の中から、実際に就業してもらう就業者を選定し、就業者の選定結果の入力を行ってサーバ20へ送信するので、就業者選定受付モジュール2036は、端末装置10から送信された就業者の選定結果の情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。このとき、事業者は、後述する就業者判定結果提示モジュール2037による就業者について所得税の計算区分の判定結果を参照し、就業者を選定する。なお、本開示に係る就業者管理システム1では、就業者選定受付モジュール2036が受け付けた選定結果を入力した事業者と、選定結果の就業者との間で、雇用契約が成立したものとみなす構成となっており、雇用条件の提示等、雇用契約に必要な情報提供、情報入力がされたものとする。
【0072】
また、就業者選定受付モジュール2036は、所定の条件に基づき、応募受付モジュール2034が受け付けた就業者の中から、実際に就業する者の選定を自動で決定する構成としてもよい。所定の条件とは、求人受付提示モジュール2033が事業者から受け付けた求人情報の中に含まれてもよく、別途あらかじめ事業者から受け付けてもよい。この場合、就業者選定受付モジュール2036は、所定の条件に該当する就業者からの応募情報を受け付けると、当該就業者を実際に就業する者として即座に決定してもよい。この場合も、事業者と就業者との間で、雇用契約が自動で成立したものとみなす構成となっており、雇用条件の提示等、雇用契約に必要な情報提供、情報入力がされたものとする。
【0073】
就業者選定受付モジュール2036は、例えば、就業者が希望した勤務開始日時及び勤務終了日時に対して、時間を調整して選定することを可能としてもよい。例えば、就業者が指定した勤務希望時間が9:00~15:00であった場合において、事業者は、勤務時間が9:00~14:00であれば受入可能である場合、勤務時間として9:00~14:00と変更して入力し、選定することを可能としてもよい。
【0074】
また、就業者選定受付モジュール2036は、事業者から受け付けた選定結果の情報を、例えば、求人データベース2023に登録して記憶させる。
【0075】
就業者判定結果提示モジュール2037は、応募受付モジュール2034が応募情報を受け付けた就業者の情報を、所得税該当区分判定モジュール2035による、就業者についての所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示する処理を制御する。事業者は、端末装置10を操作して、求人情報に対する就業者の応募情報を参照するための指示入力を行うので、就業者判定結果提示モジュール2037は、求人データベース2023を読み取り、求人情報に対して応募した就業者の情報を抽出し、端末装置10に送信して表示させる。このとき、就業者判定結果提示モジュール2037は、求人データベース2023を読み取り、所得税該当区分判定モジュール2035による、就業者についての所得税の計算区分の判定結果を抽出し、端末装置10に送信して表示させる。
【0076】
就業者判定結果提示モジュール2037は、例えば、求人情報に対して応募した就業者を一覧として端末装置10に表示させ、この一覧に、就業者についての所得税の計算区分を識別可能に表示してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、就業者の一覧の該当する就業者の欄に「甲」、「乙」、「丙」のような区分を示す所定の文字列を表示し、または所定のアイコン等により表示してもよい。また、就業者判定結果提示モジュール2037は、例えば、所得税の計算区分の変更条件に該当する就業者のみ、または所得税の計算区分の変更条件に該当しない就業者のみを表示してもよく、所得税の計算区分の変更条件に該当する/しない、を選択可能に構成してもよい。
【0077】
ある局面において、就業者判定結果提示モジュール2037は、就業者選定受付モジュール2036が実際に就業する者の選定の入力を受け付けたとき、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、当該就業者が応募した求人に就業することにより、雇用期間が2カ月以上に達するような場合に、所得税の計算区分の変更条件に該当するため、当該就業者に対して源泉徴収金額の変更が必要になることを通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、ポップアップ画面等で該当する就業者について通知してもよい。
【0078】
ある局面において、就業者判定結果提示モジュール2037は、就業者選定受付モジュール2036が実際に就業する者の選定の入力を受け付けたとき、当該就業者についての希望条件、例えば所得税の計算区分の変更条件に該当しない範囲内での就業を希望する、等の条件を通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、ポップアップ画面等で該当する就業者について通知してもよい。
【0079】
ある局面において、就業者判定結果提示モジュール2037は、就業者選定受付モジュール2036が実際に就業する者の選定の入力を受け付けたとき、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当するが、就業する際の条件を変更することにより所得税の計算区分の変更条件に該当しないことを通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、当該就業者が応募した求人に就業することにより、雇用期間が2カ月以上に達するが、就業する際の条件を変更することにより所得税の計算区分の変更条件に該当しない場合に、所得税の計算区分の変更条件に該当しないとして通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、ポップアップ画面等で該当する就業者について通知してもよい。
【0080】
ある局面において、就業者判定結果提示モジュール2037は、応募受付モジュール2034が就業者から応募情報を受け付けたとき、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当すること(所得税該当区分判定モジュール2035による判定結果)を通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、当該就業者が応募した求人に就業することにより、雇用期間が2カ月以上に達する場合等に、所得税の計算区分の変更条件に該当するため、当該就業者に対して源泉徴収金額の変更が必要になることを通知してもよい。就業者判定結果提示モジュール2037は、具体的には、ポップアップ画面等で該当する就業者について通知してもよい。
【0081】
所得税区分変更モジュール2038は、応募受付モジュール2034が応募情報を受け付けた就業者についての判定結果に基づき、当該就業者に係る所得税の計算区分の変更に必要な処理を制御する。所得税区分変更モジュール2038は、所得税の計算区分の変更処理として、具体的には、源泉徴収票への記載についての処理等を行う。所得税区分変更モジュール2038は、これらの処理について必要な処理に係るステータス情報を管理し、事業者が参照可能に構成してもよい。
【0082】
ある局面において、所得税区分変更モジュール2038は、所得税の計算区分の変更処理として、対象となる就業者について必要な帳票を発行する処理を行ってもよい。また、所得税区分変更モジュール2038は、所得税の計算区分の変更となる就業者について必要となる情報の入力を受け付けてもよく、必要な帳票の帳票データを生成する処理を行ってもよい。このとき、必要となる情報の入力を受け付けるだけ(帳票類の提出は別途行う)でもよい。さらに、所得税区分変更モジュール2038は、対象となる就業者について、他の事業者に対して就業した実績情報を取得して管理してもよい。
【0083】
<2 データ構造>
図4は、図3の事業者データベース2021のデータ構造の例を示す図である。図5は、図3の就業者データベース2022のデータ構造の例を示す図である。また、図6は、図3の求人データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【0084】
図4に示すように、事業者データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名」と、項目「住所」と、項目「業態」等を含む。
【0085】
項目「事業者ID」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである事業者それぞれを識別する情報である。
【0086】
項目「事業者名」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである事業者の名称である。
【0087】
項目「住所」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである事業者の住所である。項目「住所」に格納される住所は、求人情報に係る就業場所の住所とは異なってもよい。
【0088】
項目「業態」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである事業者の業態を示す情報である。項目「業態」には、例えば、「小売(コンビニエンスストア)」、「病院」等の情報が格納されている。
【0089】
サーバ20は、事業者から登録情報を受け付けることに伴って、事業者データベース2021にレコードを追加する。
【0090】
図5に示すように、就業者データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「就業者ID」と、項目「就業者名」と、項目「住所」と、項目「就業実績情報」等を含む。
【0091】
項目「就業者ID」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである就業者それぞれを識別する情報である。
【0092】
項目「就業者名」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである就業者の氏名である。
【0093】
項目「住所」は、就業者管理システム1に登録されている、ユーザである就業者の住所である。項目「住所」には、例えば、就業者自身が居住する住所以外に、親戚の居住地、通学先の学校の住所、副業を希望する場合の本業の就業先住所が格納されてもよい。
【0094】
項目「就業実績情報」は、就業者管理システム1に登録されている当該就業者が、過去に就業者管理システム1を利用して就業した実績の情報であり、具体的には、項目「事業者ID」と、項目「日時」と、項目「時給」等を含む。
【0095】
項目「事業者ID」は、就業者管理システム1を利用して当該就業者が実際に就業した際に雇用された事業者それぞれを識別する情報であり、事業者データベース2021の項目「事業者ID」に対応している。
【0096】
項目「日時」は、就業者管理システム1を利用して当該就業者が実際に就業したときの就業日時である。
【0097】
項目「時給」は、就業者管理システム1を利用して当該就業者が実際に就業したときの時給である。
【0098】
サーバ20の就業者から登録情報を受け付けることに伴って、就業者データベース2022にレコードを追加する。また、サーバ20は、就業者が実際に就業すると、就業者データベース2022の項目「就業実績情報」にレコードを追加する。
【0099】
図6に示すように、求人データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名」と、項目「求人詳細情報」等を含む。
【0100】
項目「事業者ID」は、就業者管理システム1に登録されている、求人情報を登録した事業者それぞれを識別する情報であり、事業者データベース2021の項目「事業者ID」に対応している。
【0101】
項目「事業者名」は、就業者管理システム1に登録されている、求人情報を登録した事業者の名称であり、事業者データベース2021の項目「事業者名」に対応している。
【0102】
項目「求人詳細情報」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人に関する情報であり、具体的には、項目「求人ID」と、項目「募集職種」と、項目「時給」と、項目「人数」と、項目「日時」と、項目「就業予定者」等を含む。この項目「求人詳細情報」は、項目「事業者名」が示す事業者が求人情報を登録するごとにレコードが登録されるように構成されている。
【0103】
項目「求人ID」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人情報それぞれを識別する情報である。
【0104】
項目「募集職種」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人情報に係る職種を示す情報である。具体的には、当該求人で実際に就業する場合の作業内容であり、図6に示す例では、コンビニエンスストアの店舗内で接客作業を行う「接客」や、飲食店の厨房内で各種作業を行う「キッチン」等の情報が格納されている。
【0105】
項目「時給」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人に応募して実際に就業した場合の、所定時間における給与の単価を示す情報であり、例として時給を示している。
【0106】
項目「人数」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人情報の募集人数を示す情報である。
【0107】
項目「日時」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人情報に係る就業をする日時を示す情報である。
【0108】
項目「就業予定者」は、就業者管理システム1に事業者が登録した求人情報に応募した就業者それぞれを識別する情報であり、就業者データベース2022の項目「就業者ID」に対応している。項目「就業予定者」には、例えば、サーバ20の就業者選定受付モジュール2036が受け付けた実際に就業する予定の就業者の情報が格納されるように構成されている。
【0109】
サーバ20の就業者選定受付モジュール2036は、事業者から求人情報を受け付けることに伴って、求人データベース2023にレコードを追加する。
【0110】
<3 動作>
以下、図7及び図8を参照しながら、第1の実施形態における就業者管理システム1による所得税計算区分判定処理、及び所得税計算区分変更処理について説明する。なお、図7及び図8においては、事業者が使用する端末装置を端末装置10A、就業者が使用する端末装置を端末装置10Bとする。
【0111】
図7は、就業者管理システム1による所得税計算区分判定処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0112】
ステップS111において、端末装置10Aの入力操作受付部171は、事業者からの操作によりサーバ20が提供するWebサーバへアクセスし、求人情報の入力、具体的には、事業者名(法人名称)、会社名(通称を含む)、個人事業主の氏名、屋号等の主体の情報、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、所定時間における給与の単価(例えば、日給、時給等)の情報等の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた登録情報を、サーバ20へ送信する。
【0113】
ステップS121において、サーバ20の求人受付提示モジュール2033は、ステップS111で端末装置10Aから送信された求人情報を、通信部201を介して受け付ける。求人受付提示モジュール2033は、受け付けた求人情報を、通信部201を介して端末装置10Bへ送信する。また、求人受付提示モジュール2033は、受け付けた求人情報を、求人データベース2023に登録する。
【0114】
ステップS131において、端末装置10Bの送受信部172は、ステップS121でサーバ20から送信された求人情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた求人情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0115】
ステップS132において、端末装置10Bの入力操作受付部171は、就業者からの操作によりサーバ20が提供するWebサーバへアクセスし、ステップS131で受け付けた求人情報に対する応募情報の入力、例えば、求人情報を参照し、就労を希望する求人に対する応募の意思表示の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた応募情報を、サーバ20へ送信する。
【0116】
ステップS122において、サーバ20の応募受付モジュール2034は、ステップS132で端末装置10Bから送信された応募情報を、通信部201を介して受け付ける。また、求人受付提示モジュール2033は、受け付けた応募情報を、求人データベース2023に登録する。
【0117】
ステップS123において、サーバ20の所得税該当区分判定モジュール2035は、ステップS122で応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定する。ステップS123では、例えば、応募情報を受け付けた就業者について、就業者データベース2022に格納されている、過去の所定の期間における就業者が就業した実績情報を参照する。そして、ステップS123では、応募情報を受け付けた就業者が、「源泉徴収税額表」の甲欄、乙欄、または丙欄のいずれに該当するかを判定する。
【0118】
ステップS124において、サーバ20の就業者判定結果提示モジュール2037は、ステップS123で応募情報を受け付けた就業者の情報を、ステップS123で判定した、就業者についての所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示する。ステップS124では、求人データベース2023を読み取り、就業者についての所得税の計算区分の判定結果を抽出し、通信部201を介して端末装置10Bへ送信する。
【0119】
ステップS114において、端末装置10Aの送受信部172は、ステップS124でサーバ20から送信された、応募情報を受け付けた就業者の情報と、就業者についての所得税の計算区分の判定結果の情報とを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた就業者の情報と判定結果の情報とを、ディスプレイ150に表示させる。
【0120】
ステップS115において、端末装置10Aの入力操作受付部171は、事業者からの操作によりサーバ20が提供するWebサーバへアクセスし、ステップS114で受け付けた就業者の情報と判定結果の情報とに基づき、応募を受け付けた就業者の中から、実際に就業してもらう就業者を選定し、就業者の選定結果の入力を受け付ける。このとき、事業者は、就業者についての所得税の計算区分の判定結果を参照し、就業者を選定する。ステップS115では、送受信部172は、受け付けた就業者の選定結果の情報を、サーバ20へ送信する。
【0121】
ステップS125において、サーバ20の就業者選定受付モジュール2036は、ステップS115で端末装置10Aから送信された、就業者の選定結果の情報を、通信部201を介して受け付ける。就業者選定受付モジュール2036は、受け付けた就業者の選定結果について、該当する就業者に対して通知するため、通信部201を介して端末装置10Bへ送信する。また、就業者選定受付モジュール2036は、受け付けた選定結果の情報を、求人データベース2023に登録する。
【0122】
ステップS135において、端末装置10Bの送受信部172は、ステップS121でサーバ20から送信された、就業者の選定結果の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた、就業者の選定結果の情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0123】
以上のように、就業者管理システム1では、事業者であるユーザから求人情報を受け付けて就業者であるユーザへ提示し、就業者からの応募を受け付ける。就業者が就業した実績情報を記憶しておき、就業者についての所得税の計算区分を判定する。
【0124】
図8は、就業者管理システム1による所得税計算区分変更処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0125】
ステップS221において、サーバ20の所得税区分変更モジュール2038は、ステップS123で判定した、応募情報を受け付けた就業者についての判定結果に基づき、当該就業者に係る所得税の計算区分の変更に必要な処理を行う。
【0126】
以上のように、就業者管理システム1では、求人情報に応募した就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当する場合、所得税の計算区分の変更に必要な処理を行う。これにより、就業者について所得税の計算区分を管理し、変更に該当する場合には適切な手続きを行うことが可能になる。
【0127】
<4 画面例>
以下、図9ないし図14を参照しながら、就業者管理システム1による求人応募情報の画面例、求人情報の画面例、及び所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例について説明する。
【0128】
図9は、端末装置10に表示する求人応募情報の画面例を示す図である。図9の画面例は、就業者からの応募に対して、実際に就業してもらう就業者を選定するために表示された状態の画面例を示す。図7のステップS125に相当する。
【0129】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、応募情報表示画面1031aが表示されている。この応募情報表示画面1031aには、就業者からの応募情報として、就業者に関する情報を示す就業者表示欄1031b,1031c,1031dが表示されている。また、就業者表示欄1031b,1031c,1031dに表示される就業者について、不採用とする場合に押下する不採用ボタン1031e,1031g,1031iと、採用とする場合に押下する採用ボタン1031f,1031h,1031jとが設けられている。また、就業者表示欄1031b,1031c,1031dに表示される就業者について、所得税の計算区分の判定結果として、計算区分を示す計算区分表示欄1031k,1031l,1031mが表示されている。
【0130】
求人情報を入力して送信した事業者の端末装置10のディスプレイ150に、図10に示す応募情報表示画面1031aが表示されるので、当該事業者は、就業者表示欄1031b,1031c,1031dを参照し、さらに計算区分表示欄1031k,1031l,1031mを参照して、採用/不採用を決定する。そして、当該就業者を採用する場合、採用ボタン1031f,1031h,1031jを押下し、不採用とする場合、不採用ボタン1031e,1031g,1031iを押下する操作を行い、採用/不採用の結果を入力する。
【0131】
図10は、端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。図10の画面例は、図9に示す就業者を採用する場合として、採用ボタン1031fが押下された後に当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知するために表示された状態の画面例を示す。図7のステップS125に相当する。
【0132】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、所得税計算区分変更通知画面1032aが表示されている。この所得税計算区分変更通知画面1032aには、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する文面表示欄1032bが表示されている。また、当該就業者について、不採用とする場合に押下する不採用ボタン1032cと、採用とする場合に押下する採用ボタン1032dとが設けられている。
【0133】
事業者の端末装置10のディスプレイ150に、図10に示す所得税計算区分変更通知画面1032aが表示されるので、当該事業者は当該就業者について採用/不採用を決定する。そして、当該就業者を採用する場合、採用ボタン1032dを押下し、不採用とする場合、不採用ボタン1032cを押下する操作を行い、採用/不採用の結果を入力する。
【0134】
図11は、端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。図11の画面例は、図9に示す就業者を採用する場合として、採用ボタン1031fが押下された後に当該就業者が、所得税の計算区分の変更条件に該当しない範囲内での就業を希望する就業者であることを通知するために表示された状態の画面例を示す。図7のステップS125に相当する。
【0135】
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、所得税計算区分変更通知画面1033aが表示されている。この所得税計算区分変更通知画面1033aには、当該就業者が、所得税の計算区分の変更条件に該当しない範囲内での就業を希望する就業者であることを通知する文面表示欄1033bが表示されている。また、当該就業者について、不採用とする場合に押下する不採用ボタン1033cが設けられている。
【0136】
事業者の端末装置10のディスプレイ150に、図11に示す所得税計算区分変更通知画面1033aが表示されるので、当該事業者は当該就業者について(本人の希望により採用できないので)不採用と決定する。そして、不採用ボタン1033cを押下する操作を行い、不採用の結果を入力する。
【0137】
図12は、端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象者を表示する画面例を示す図である。図12の画面例は、図9に示す就業者を採用する場合として、採用ボタン1031fが押下された後に当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知するために表示された状態の画面例を示す。図7のステップS125に相当する。
【0138】
図12に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、所得税計算区分変更通知画面1034aが表示されている。この所得税計算区分変更通知画面1034aには、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当するが、応募した求人の就業条件を変更することにより所得税の計算区分の変更条件に該当しないことを通知する文面表示欄1034bが表示されている。また、当該就業者について、不採用とする場合に押下する不採用ボタン1034cと、条件変更により採用とする場合に押下する採用ボタン1034dと、そのまま採用とする場合に押下する採用ボタン1034eとが設けられている。
【0139】
事業者の端末装置10のディスプレイ150に、図12に示す所得税計算区分変更通知画面1034aが表示されるので、当該事業者は当該就業者について採用/条件変更による採用/不採用を決定する。そして、当該就業者をそのまま採用する場合、採用ボタン1034eを押下し、当該就業者を条件変更により採用する場合、採用ボタン1034dを押下し、不採用とする場合、不採用ボタン1034cを押下する操作を行い、採用/条件変更による採用/不採用の結果を入力する。
【0140】
図13は、端末装置10に表示する求人情報の画面例を示す図である。図13の画面例は、就業者からの応募を受け付けるために求人情報が表示された状態の画面例を示す。図7のステップS121に相当する。
【0141】
図13に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、求人情報表示画面1035aが表示されている。この求人情報表示画面1035aには、求人情報として、求人情報に係る就業日時を示す就業日時表示欄1035b,1035c,1035dが表示されている。また、求人情報に係る就業日時表示欄1035b,1035c,1035dにそれぞれ対応して、条件表示欄1035e,1035f,1035gが表示されている。また、就業日時表示欄1035b~1035d及び条件表示欄1035e~1035gに示す求人情報の表示内容について、所定の条件により絞り込みを行うための絞り込み選択ボタン1035hと、勤務日の近い順に並べ替えを指示する並べ替え選択ボタン1035iとが設けられている。
【0142】
就業者の端末装置10のディスプレイ150に、図13に示す求人情報表示画面1035aが表示されるので、当該就業者は、就業日時表示欄1035b~1035d及び条件表示欄1035e~1035gを参照して、応募するか否かを決定する。そして、当該就業者が応募する場合、例えば、就業日時表示欄1035b~1035dが応募画面(図示は省略)へ遷移するように構成されており、就業日時表示欄1035b~1035dを押下することで応募の入力を行う。
【0143】
図14は、端末装置10に表示する所得税の計算区分変更対象を表示する画面例を示す図である。図14の画面例は、図13に示す求人に応募する場合として、就業日時表示欄1035b~1035dが押下された後に当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知するために表示された状態の画面例を示す。
【0144】
図14に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、所得税計算区分変更通知画面1036aが表示されている。この所得税計算区分変更通知画面1036aには、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する文面表示欄1036bが表示されている。また、当該求人について、応募する場合に押下する応募ボタン1036cと、応募せずに戻る場合に押下する戻るボタン1036dとが設けられている。
【0145】
事業者の端末装置10のディスプレイ150に、図14に示す所得税計算区分変更通知画面1036aが表示されるので、当該就業者は応募する/しないを決定する。そして、当該就業者が応募する場合、応募ボタン1036cを押下し、応募しない場合、戻るボタン1036dを押下する操作を行い、応募する/しないの結果を入力する。
【0146】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、事業者であるユーザから求人情報を受け付けて就業者であるユーザへ提示し、就業者からの応募を受け付ける。就業者が就業した実績情報を記憶しておき、就業者について所得税の計算区分の変更条件に該当するか否かを判定する。求人情報に応募した就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当する場合、所得税の計算区分の変更に必要な処理を行う。そのため、就業者について所得税の計算区分を管理し、区分変更に該当する場合には適切な手続きを行うことを可能にしている。これにより、事業者のコンプライアンス違反を防止し、企業活動におけるコンプライアンスを尊守させることが可能になる。
【0147】
また、採用する就業者を選定して入力をする際、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する構成となっており、当該就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当することを把握することが可能となっている。これにより、所得税の計算区分の変更にかかるコストを把握し、その上で当該就業者を採用するか否かを判断することが可能である。
【0148】
さらに、採用する就業者を選定して入力をする際、当該就業者が、所得税の計算区分の変更条件に該当しない範囲内での就業を希望する就業者であることを通知する構成となっており、当該就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当しない範囲内での就業を希望する就業者であることを把握することが可能となっている。これにより、当該就業者とのトラブルを防止することが可能である。
【0149】
さらにまた、採用する就業者を選定して入力をする際、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当するが、応募した求人の就業条件を変更することにより所得税の計算区分の変更条件に該当しないことを通知する構成となっており、当該就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当すること、条件変更により該当しないようにすることが可能であることを把握することが可能となっている。これにより、所得税の計算区分の変更にかかるコストと、条件変更によっては変更手続きをしないことも可能であること(ただし、近々当該就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当すること)を把握し、その上で当該就業者を採用するか否かを判断することが可能である。
【0150】
また、就業者が求人応募の入力をする際、当該就業者が、応募した求人に就業することにより、所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する構成となっている。これにより、当該就業者自身が所得税の計算区分の変更条件に該当することを把握することが可能である。
【0151】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0152】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0153】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理するためのプログラムであって、メモリ25は、事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報(2022)を記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示するステップ(S121)と、求人情報に対する就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定するステップ(S123)と、応募情報を受け付けた就業者の情報を、就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0154】
(付記2)プログラムは、さらに、事業者から、応募情報を受け付けた就業者から実際に就業する者の選定を受け付けるステップ(S125)と、選定された就業者についての判定結果に基づき、事業者に対して、選定された就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当することを事業者へ通知するステップと、を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0155】
(付記3)メモリは、就業者について、就業に係る希望条件の情報を記憶し、事業者へ通知するステップにおいて、就業者について記憶されている希望条件の情報を事業者へ通知する、(付記2)に記載のプログラム。
【0156】
(付記4)事業者へ報知するステップにおいて、就業者について、求人情報の就業する際の条件を変更することにより就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当しない場合、条件の変更により就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当しないことを事業者へ通知する、(付記2)に記載のプログラム。
【0157】
(付記5)プログラムは、さらに、応募情報を受け付けた就業者についての判定結果に基づき、就業者に対して、求人情報に係る就業をすることにより、就業者が所得税の計算区分の変更条件に該当することを通知する、(付記1)に記載のプログラム。
【0158】
(付記6)プログラムは、さらに、応募情報を受け付けた就業者についての判定結果に基づき、当該就業者に係る所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップ(S221)を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0159】
(付記7)所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる就業者について、必要な処理に係るステータス情報を管理する、(付記6)に記載のプログラム。
【0160】
(付記8)所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる就業者について必要な帳票を発行する、(付記6)に記載のプログラム。
【0161】
(付記9)所得税の計算区分の変更に必要な処理を行うステップにおいて、対象となる就業者について、他の事業者に対して就業した実績情報を取得して管理する、(付記6)に記載のプログラム。
【0162】
(付記10)求人情報が、短期の就業、日雇いの就業、または短時間の就業に係る求人の情報である、(付記1)から(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0163】
(付記11)制御部203と、メモリ25(記憶部202)とを備え、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理する情報処理装置であって、メモリ25は、事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報(2022)を記憶し、制御部203は、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示するステップ(S121)と、求人情報に対する就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定するステップ(S123)と、応募情報を受け付けた就業者の情報を、就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0164】
(付記12)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、事業者の求人情報に対して応募する就業者を管理するための方法であって、メモリ25は、事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報(2022)を記憶し、方法は、プロセッサ29が、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示するステップ(S121)と、求人情報に対する就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定するステップ(S123)と、応募情報を受け付けた就業者の情報を、就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0165】
1 :就業者管理システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :データ処理部
174 :通知制御部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :事業者データベース
2022 :就業者データベース
2023 :求人データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :求人受付提示モジュール
2034 :応募受付モジュール
2035 :所得税該当区分判定モジュール
2036 :就業者選定受付モジュール
2037 :就業者判定結果提示モジュール
2038 :所得税区分変更モジュール

【要約】
【課題】就業者について所得税の計算区分を管理することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】就業者管理システム1のサーバ20は、事業者からの求人情報に対して、就業者が就業した実績情報(2022)を記憶し、その機能として、事業者からの求人情報の入力を受け付けて就業者へ提示するステップと、求人情報に対する就業者からの応募情報の入力を受け付けるステップと、応募情報を受け付けた就業者に係る実績情報を参照し、就業者について所得税の計算区分を判定するステップと、応募情報を受け付けた就業者の情報を、就業者に係る所得税の計算区分の判定結果に応じて事業者へ提示するステップと、を実行させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14