(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】運動支援システム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20250117BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A63B69/00 A
A63B71/06 Z
(21)【出願番号】P 2019079333
(22)【出願日】2019-04-18
【審査請求日】2022-04-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月1日にウェブサイト 「https://youtu.be/lsrAgAKVxMA」に公開
(73)【特許権者】
【識別番号】519077850
【氏名又は名称】株式会社Sportip
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼久 侑也
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-083023(JP,A)
【文献】特開2016-209030(JP,A)
【文献】特開2005-224572(JP,A)
【文献】特開2015-119833(JP,A)
【文献】特開2015-027437(JP,A)
【文献】特開2016-087226(JP,A)
【文献】特開2017-064120(JP,A)
【文献】特開2017-080197(JP,A)
【文献】特開2017-080195(JP,A)
【文献】特開2015-146980(JP,A)
【文献】特開2013-154125(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056449(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/208291(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0038187(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0260884(US,A1)
【文献】特開2019-058285(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082376(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
A63B 71/06
A63B 69/36
A63F 13/213
A63F 13/814
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの運動を支援するシステムであって、
前記運動時の前記ユーザを撮影するカメラと、
前記運動を行う場所に設置されるディスプレイと、
運動に関する説明を前記ディスプレイに出力する説明出力部と、
前記カメラが撮影した画像を解析して前記ユーザの身体の部位の位置を特定する部位特定部と、
前記部位の位置を前記画像に重畳させて前記ディスプレイに出力する出力部と、
前記ユーザの前記身体の部位の位置または動きの条件に対応付けて
、数値からなる文字列を除く文字列からなるアドバイスを含む改善策情報が記憶される改善策情報記憶部と、
を備え、
前記出力部は、前記特定部が特定した前記部位の位置または動きが条件を満たす、アドバイスを含む
前記改善策情報を、
前記改善策情報記憶部から取得して提示すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運動支援システムであって、
前記説明出力部は、少なくともトレーニングのやり方を表す動画データを含む説明を前記ディスプレイに出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の運動支援システムであって、
少なくとも1つの前記部位の位置に係る基準値を記憶する基準値記憶部と、
前記画像における前記部位の位置および前記基準値を比較して前記運動の評価値を決定する評価部と、
を備え、
前記出力部は、改善策情報として、前記基準値に基づいた身体の骨格の状態を、前記画像に重畳させて表示すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の運動支援システムであって、
前記基準値記憶部は、第1および第2の前記部位のそれぞれと第3の前記部位とを結ぶ直線の間の角度についての前記基準値を記憶し、
前記部位特定部は、前記第1ないし第3の前記部位のそれぞれを前記画像から特定し、
前記評価部は、特定された前記第1ないし第3の前記部位についての前記角度を算出し、算出した前記角度と前記基準値とを比較して、前記評価値を決定すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の運動支援システムであって、
前記部位の位置に基づいて、前記運動の回数をカウントする回数カウント部をさらに備え、
前記出力部はさらに、前記運動の回数を前記ディスプレイに出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項6】
請求項3または4に記載の運動支援システムであって、
前記出力部はさらに、前記評価値を音声で出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の運動支援システムであって、
前記出力部はさらに、前記部位特定部が特定した前記ユーザの身体の前記位置に基づいて前記改善策情報を音声で出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
【請求項8】
ユーザの運動時の前記ユーザを撮影するカメラと、
運動を行う場所に設置されるディスプレイと、
プロセッサと、
を備える運動支援システムにより前記ユーザの前記運動を支援するプログラムであって、
前記プロセッサに、
運動に関する説明を前記ディスプレイに出力する説明出力ステップと、
前記カメラが撮影した画像を解析して前記ユーザの身体の部位の位置を特定する部位特定ステップと、
前記部位の位置を前記画像に重畳させて前記ディスプレイに出力する出力ステップと、
前記身体の部位の位置または動きの条件に対応付けて
、数値からなる文字列を除く文字列からなるアドバイスを含む改善策情報が記憶される改善策情報記憶ステップと、
を実行させ、
前記出力ステップは、前記特定ステップが特定した前記部位の位置または動きが条件を満たす、アドバイスを含む
前記改善策情報を、
前記改善策情報記憶ステップから取得して提示すること、
を特徴とする運動支援プログラム。
【請求項9】
ユーザの運動時の前記ユーザを撮影するカメラと、
運動を行う場所に設置されるディスプレイと、
プロセッサと、
を備える運動支援システムにより前記ユーザの前記運動を支援する方法であって、
前記プロセッサに、
運動に関する説明を前記ディスプレイに出力する説明出力ステップと、
前記カメラが撮影した画像を解析して前記ユーザの身体の部位の位置を特定する部位特定ステップと、
前記部位の位置を前記画像に重畳させて前記ディスプレイに出力する出力ステップと、
前記身体の部位の位置または動きの条件に対応付けて
、数値からなる文字列を除く文字列からなるアドバイスを含む改善策情報が記憶される改善策情報記憶ステップと、
を実行させ、
前記出力ステップは、前記特定ステップが特定した前記部位の位置または動きが条件を満たす、アドバイスを含む
前記改善策情報を、
前記改善策情報記憶ステップから取得して提示すること、
を特徴とする運動支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体運動分野における分析技術として、動画像に繰り返し表れる動作パターンを抽出し、抽出した動画像における時間位置が異なる複数位置での動作パターンを所定の観点で比較し、比較結果を動画像や静止画像として出力する技術(特許文献1)、また、スポーツにおいては、例えば、ゴルフにおいて、装置をユーザの身体に装着して、モーションセンサによりゴルフウィングを解析する技術(特許文献2)、また、2台のカメラで投球の各段階(軸足の設置、体幹の水平回転)を撮影し、移行時間を算出する技術(特許文献3)などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-229081号公報
【文献】特開2010-068947号公報
【文献】特開2018-114138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ないし3のいずれの技術も、複数の動画像、特定の装置、複数台のカメラといった設備やリソースを必要とし、一人のユーザがこれらの装置等を取り入れて、身体運動の分析を行い、分析結果を理解することは困難である。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、効率的に身体運動を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ユーザの運動を支援するシステムであって、前記運動時の前記ユーザを撮影するカメラと、前記運動を行う場所に設置されるディスプレイと、前記運動に関する説明を前記ディスプレイに出力する説明出力部と、前記カメラが撮影した画像を解析して前記ユーザの身体の部位の位置を特定する部位特定部と、前記部位の位置を前記画像に重畳させて前記ディスプレイに出力する出力部と、を備えることとする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率的に身体運動を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る運動支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】サーバ装置20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】トレーニング情報記憶部231の構成例を示す図である。
【
図5】ユーザ情報記憶部232の構成例を示す図である。
【
図6】ユーザ情報を入力する入力画面41の一例を示す図である。。
【
図7】画像データ記憶部233の構成例を示す図である。
【
図8】基準情報記憶部234の構成例を示す図である。
【
図9】評価条件情報記憶部235の構成例を示す図である。
【
図10】トレーニング計画記憶部236の構成例を示す図である。
【
図11】トレーニング履歴記憶部237の構成例を示す図である。
【
図12】改善条件記憶部238の構成例を示す図である。
【
図13】トレーニング情報の出力画面42の一例を示す図である。
【
図14】評価部215が作成する評価情報の構成例を示す図である。
【
図15】評価情報出力部216が出力する画面42の一例を示す図である。
【
図16】評価情報出力部216が出力する画面42の一例を示す図である。
【
図17】評価情報出力部216が出力する画面42の一例を示す図である。
【
図18】ユーザ端末10によるトレーニング履歴の表示例を示す図である。
【
図19】トレーニングボリューム情報の出力画面44の一例を示す図である。
【
図20】本実施形態の運動支援システムにおいて実行される処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による運動支援システムは、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
ユーザの運動を支援するシステムであって、
前記運動時の前記ユーザを撮影するカメラと、
前記運動を行う場所に設置されるディスプレイと、
前記運動に関する説明を前記ディスプレイに出力する説明出力部と、
前記カメラが撮影した画像を解析して前記ユーザの身体の部位の位置を特定する部位特定部と、
前記部位の位置を前記画像に重畳させて前記ディスプレイに出力する出力部と、
を備えることを特徴とする運動支援システム。
[項目2]
項目1に記載の運動支援システムであって、
少なくとも1つの前記部位の位置に係る基準値を記憶する基準値記憶部と、
前記画像における前記部位の位置および前記基準値を比較して前記運動の評価値を決定する評価部と、
をさらに備え、
前記出力部はさらに、前記評価値を前記ディスプレイに出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
[項目3]
項目2に記載の運動支援システムであって、
前記評価部は、前記基準値から前記位置までの距離に応じて前記評価値を決定すること、
を特徴とする運動支援システム。
[項目4]
項目2に記載の運動支援システムであって、
前記基準値記憶部は、第1および第2の前記部位のそれぞれと第3の前記部位とを結ぶ直線の間の角度についての前記基準値を記憶し、
前記部位特定部は、前記第1ないし第3の部位のそれぞれを前記画像から特定し、
前記評価部は、特定された前記第1ないし第3の部位についての前記角度を算出し、算出した前記角度と前記基準値とを比較して、前記評価値を決定すること、
を特徴とする運動支援システム。
[項目5]
項目1に記載の運動支援システムであって、
前記部位の位置に基づいて、前記運動の回数をカウントする回数カウント部をさらに備え、
前記出力部はさらに、前記運動の回数を前記ディスプレイに出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
[項目6]
項木2に記載の運動支援システムであって、
前記出力部はさらに、前記評価値を音声で出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
[項目7]
項目1に記載の運動支援システムであって、
前記出力部はさらに、前記特定されたユーザの身体の位置に基づいて改善策情報を音声で出力すること、
を特徴とする運動支援システム。
【0012】
本発明の一実施形態に係る運動支援システムは、トレーニングジムにおいてユーザのトレーニングを支援しようとするものである。本実施形態の運動支援システムは、トレーニング器具を用いてユーザが身体運動をしている様子をカメラで撮影し、撮影した画像(静止画像であっても動画像であってもよいが、本実施形態では動画像であるものとする。)から、トレーニングの回数をカウントするとともに、トレーニング中のユーザの身体の姿勢や動きを評価する。
【0013】
図1は本実施形態に係る運動支援システムの全体構成例を示す図である。同図に示すように、本実施形態の運動支援システムでは、サーバ装置20とカメラ21およびディスプレイ22とが通信ネットワーク23を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク23は、たとえば、インターネットやLAN(Local Area Network)であり、公衆電話回線網、専用電話回線網、携帯電話回線網、イーサネット(登録商標)、無線通信路などにより構築される。
【0014】
カメラ21は、トレーニング中のユーザ1を撮影する。カメラ21は、たとえば監視カメラを利用してもよいし、トレーニング機器にカメラ21を取り付けるなど、カメラ21をトレーニング場所に設置したりしてもよい。カメラ21は、TCP/IPやBluetooth(登録商標)などのプロトコルにより、撮影した画像をサーバ装置20に送信することができる。カメラ21は、常時撮影するようにしてもよいし、ユーザ1が近傍に来たことを検出して撮影開始するようにしてもよいし、ユーザ1からの指示に応じて撮影を開始するようにしてもよい。
【0015】
ディスプレイ22は、トレーニング前およびトレーニング中にユーザ1から視認可能に設置される。ディスプレイ22は、通信ネットワーク23を介してサーバ装置20からの制御により情報を出力するものとする。なお、ディスプレイ22にコンピュータを接続し、当該コンピュータとサーバ装置20とが通信を行うことにより、サーバ20からの指示に応じて情報をディスプレイ22に出力することができる。また、ディスプレイ22とともに、またはディスプレイ22に替えて、ユーザ1にヘッドフォン、イヤフォン、ネックスピーカなどの音声出力装置を装着させて、情報を音声として出力することもできる。
【0016】
ユーザ端末10は、ユーザ1またはその支援者が操作するコンピュータである。ユーザ端末10は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10がカメラ等の撮像装置を備え、これにより運動中におけるユーザ1の身体を撮像するようにしてもよい。ディスプレイ22に表示されていた情報は、サーバ装置20からユーザ端末10にも提供される。ユーザ1は後からユーザ端末10を確認することで、トレーニングに関する情報を閲覧することができる。
【0017】
サーバ装置20は、トレーニングを支援するコンピュータである。サーバ装置20は、たとえば、ワークステーションやパーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティングにより論理的に実現される仮想コンピュータなどである。サーバ装置20は、ユーザ端末10が撮影した動画像を受信し、受信した動画像を解析して身体運動の評価を行う。また、サーバ装置20は、身体運動の改善策に係る提案も行う。身体運動の評価および改善策の提案の詳細については後述する。
【0018】
管理者端末30は、トレーニングジムの管理者が操作するコンピュータである。管理者端末30は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0019】
図2は、サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置20は、演算装置201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。演算装置201は、各種の演算処理を行う、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)である。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0020】
図3は、サーバ装置20のソフトウェア構成例を示す図である。同図に示すように、サーバ装置20は、ユーザ認証部210、トレーニング情報出力部211、画像取得部212、画像解析部213、回数カウント部214、評価部215、評価情報出力部216、トレーニング履歴送信部217、改善策情報出力部218の各機能部と、トレーニング情報記憶部231、ユーザ情報記憶部232、画像データ記憶部233、基準情報記憶部234、評価条件情報記憶部235、トレーニング計画記憶部236、トレーニング履歴記憶部237、改善条件記憶部238の各記憶部とを備える。
【0021】
なお、上記各機能部は、サーバ装置20が備える演算装置201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部は、サーバ装置20が備えるメモリ202および記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0022】
トレーニング情報記憶部231は、トレーニングに関する情報を記憶する。トレーニングに関する情報は、たとえば、トレーニングの説明である。トレーニングの説明には、トレーニング器具の使い方、トレーニング器具を利用した効果的なトレーニングの仕方などを含む。
図4は、トレーニング情報記憶部231の構成例を示す図である。同図に示すように、トレーニング情報記憶部231には、トレーニング情報とディスプレイ情報とを記憶している。トレーニング情報は、トレーニングに関する情報である。トレーニング情報には、トレーニングのメニューを特定するための情報(メニューID)およびトレーニングの目的に対応付けて、トレーニングの内容と、回数と、トレーニングのやり方を表す動画データとが含まれる。トレーニングの目的は、たとえば、運動不足の解消や、筋肉量の増加など、トレーニングにより求める結果を示す。トレーニングの内容には、トレーニング機器の使い方、トレーニングに関する注意点など、任意の情報を設定することができる。動画データは、たとえば、トレーニングの仕方をデモンストレーションした人を撮影した動画、トレーニング機械の使い方を示すチュートリアル動画などである。トレーニングの内容および動画データは、トレーニングの目的に紐付いており、当該トレーニング機器を用いて当該目的を達成するためにどのようなトレーニングを何回行うべきかの提案を行うために準備されたものである。ディスプレイ情報は、ディスプレイ22を見ながら行うトレーニングメニューを設定する情報である。ディスプレイ情報には、ディスプレイ22を特定するディスプレイIDに対応付けて、メニューIDが含まれる。
【0023】
ユーザ情報記憶部232は、ユーザ1に関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。
図5は、ユーザ情報記憶部232の構成例を示す図である。同図に示すように、ユーザ情報記憶部232が記憶するユーザ情報には、ユーザ1を特定するユーザIDに対応付けて、認証情報、身長、体重、筋肉量、柔軟性などが含まれる。認証情報は、ユーザ1を認証するために使用可能な情報である。認証情報は、たとえば、顔認証に用いるためのユーザ1の顔部分の特徴量であってもよいし、ユーザ端末10の機器IDであってもよいし、ユーザ名とパスワードとの組み合わせであってもよいし、ユーザ1の公開鍵であってもよいが、ユーザ1の認証を行うことが可能な情報であればこれらに限られない。また、ユーザ情報には上記の項目以外にも、測定または評価可能なユーザの身体に関する各種の情報を含めることができる。
【0024】
図6は、ユーザ情報を入力するための入力画面41の一例を示す図である。たとえば、ユーザ端末10に同図に示すような入力画面41を表示し、ユーザ1にユーザ情報の各項目411を入力させるようにすることができる。この場合、ユーザ端末10からユーザ情報の各項目がサーバ装置20に送信され、ユーザ情報記憶部232に登録されるようにすることができる。
【0025】
画像データ記憶部233は、カメラ21が撮影した画像を記憶する。
図7は、画像データ記憶部233の構成例を示す図である。同図に示すように、画像データ記憶部233は画像情報を記憶し、画像情報には、撮影したカメラ21を特定するカメラIDに対応付けて、画像データが含まれる。画像データは、カメラ21が撮影した画像を表示するためのデータである。画像データは、たとえば、MP4、MPEG2、AVI、MOVなど任意の形式のデータとすることができる。
【0026】
基準情報記憶部234は、ユーザ1の身体運動に係る姿勢(部位の位置や角度)の基準値を含む情報(以下、基準情報という。)を記憶する。
図8は、基準情報記憶部234の構成例を示す図である。同図に示すように、基準情報記憶部234は、部位の絶対位置または他の部位もしくは他の基準物に対する相対位置に関する基準情報(以下、位置基準情報という。)と、関節部位を含む3つの部位について、2つの部位のそれぞれと関節部位とを結ぶ直線により形成される角度の基準情報(以下、角度基準情報という。)とを記憶する。
【0027】
位置基準情報には、モードとチェックポイントIDとに対応付けて、部位と、当該部位の基準となる位置が含まれる。チェックポイントIDは、ユーザの身体の一連の動作の中で、姿勢などをチェックするべきポイント(以下、チェックポイントという。)を示す情報である。部位は複数あってもよい。位置について、鉛直方向の位置は、たとえば、地面からの高さとしてもよいし、いずれかの足先からの距離とすることができる。水平方向の位置は、所定の基準物(たとえば、床上のマークや設置されている器具など)からの距離としてもよいし、肩や胸、足などの基準部位からの距離としてもよい。位置基準情報は、予め登録されているものとする。
【0028】
角度基準情報には、モードとチェックポイントIDとに対応付けて、2つの部位(部位1および部位2)と、1つの関節部位と、部位1と関節部位とを結ぶ直線と、部位2と関節部位とを結ぶ直線との間の角度の基準値とが含まれる。
【0029】
評価条件情報記憶部235は、評価を行うための情報(以下、評価条件情報という。)を記憶する。
図9は、評価条件情報記憶部235の構成例を示す図である。評価条件情報には、カテゴリ、条件、評価ランク、コメントが含まれている。カテゴリは、評価のカテゴリである。カテゴリとしては、たとえば、「アームカール」「クリーン」「プレス」などとすることができる。条件は、画像における身体の各部位の位置または動き(時系列における位置の変化)に対する条件である。たとえば、ウェイトリフティングの動作を分析する場合、ウェイトをクリーンするチェックポイントについて、肘の角度や腰の角度などに対する条件を評価条件情報に設定することができる。評価ランクは、上記条件が満たされた場合の評価値である。コメントは、上記条件が満たされた場合における、身体の姿勢や動きについての説明である。
【0030】
トレーニング計画記憶部236は、ユーザ1またはその支援者が設定したトレーニングの計画を記憶する。
図10は、トレーニング計画記憶部236の構成例を示す図である。トレーニング計画記憶部236は、トレーニング計画を記憶しており、各トレーニング計画には、ユーザ1を示すユーザIDと日付に対応づけて、トレーニングメニューを示すメニューID、トレーニング機器等の設定内容(たとえば、ウェイトの重さなど)、トレーニング(たとえば、ウェイトを上げることやスクワットをすることなどの繰り返す行為)の回数が含まれる。トレーニング計画は、事前にユーザ1またはその支援者により設定されているものとする。
【0031】
トレーニング履歴記憶部237は、ユーザ1のトレーニングの履歴を記憶する。
図11は、トレーニング履歴記憶部237の構成例を示す図である。同図に示すように、トレーニング履歴記憶部237は、トレーニング履歴を記憶し、各トレーニング履歴には、ユーザ1を示すユーザIDおよびユーザ1がトレーニングを行った日時に対応付けて、ユーザ1が行ったトレーニングメニューを示すメニューID、トレーニング機器等の設定内容を示す設定情報、トレーニングの回数、トレーニングを行った時間などが含まれる。
【0032】
改善条件記憶部238は、トレーニングの改善策に係る情報(以下、改善条件情報という。)を記憶する。
図12は、改善条件記憶部238の構成例を示す図である。同図に示すように、改善条件記憶部238が記憶する改善条件情報には、メニューID、目的、カテゴリおよび条件に対応付けてアドバイスが含まれる。条件は、身体条件(柔軟性など)に対する条件であってもよいし、身体の部位の位置や動きに対する条件であってもよい。アドバイスは、本実施形態では改善策を表した文字列であることを想定するが、画像や動画などにより改善策を提示するコンテンツであってもよい。
【0033】
ユーザ認証部210は、ディスプレイ22を見ているユーザ1を認証する。ユーザ認証部210は、ユーザ情報の認証情報を用いてユーザ1を認証することができる。本実施形態では、ユーザ情報の認証情報はユーザ1の顔部分の特徴量であり、ユーザ認証部210は、カメラ21が撮影した画像からその特徴量を抽出できたことによりユーザ1を認証することを想定する。なお、ユーザ認証部210は、たとえば、ユーザ端末10との間で通信を行い、ユーザ1を認証するようにしてもよいし、ディスプレイ22がユーザ端末10との間で通信を行うことによりユーザ1を認証し、その結果をディスプレイ22からユーザ認証部210に送信するようにしてもよい。
【0034】
トレーニング情報出力部211は、ディスプレイ22にトレーニング情報を出力する。トレーニング情報出力部211は、ディスプレイ22を示すディスプレイIDに対応するメニューIDをディスプレイ情報から特定し、特定したメニューIDに対応するトレーニング情報の内容および動画データをディスプレイ22に出力する。トレーニング情報出力部211は、ディスプレイ22の近傍にユーザ1が来たこと(たとえば、ディスプレイ22が人感センサーを備え、人感センサーがユーザ1を検知し、あるいはディスプレイ22がユーザ端末10と通信を行う通信機能を備え、ディスプレイ22がユーザ端末10と通信可能となったことを検知することにより、ユーザ1が近傍にいることを検知することができる。)契機として、当該ディスプレイ22に対してトレーニング情報を出力することができる。ユーザ1は、トレーニング前またはトレーニング中に、ディスプレイ22に出力されたトレーニング内容や動画を見てトレーニングの参考とすることができる。
【0035】
図13は、トレーニング情報の出力画面42の一例を示す図である。出力画面42には、トレーニングの目的421と、トレーニング内容422と、動画423とが表示されている。動画データは、トレーンイング情報に複数含まれてよく、複数の動画が出力画面42に表示されてよい。
【0036】
なお、トレーニング情報出力部211は、身体情報に基づいてトレーニング情報の内容を補正するようにしてもよい。たとえば、トレーニング情報出力部211は、身長に応じて、トレーニング機器の椅子の高さを変更したり、身長および体重に応じて、おすすめのウェイトの重さを設定したりすることができる。
【0037】
また、トレーニング情報出力部211は、ユーザ1の過去のトレーニング履歴に応じてトレーニング情報の内容を補正するようにしてもよい。たとえば、トレーニング情報出力部211は、トレーニング履歴記憶部237からユーザ1を示すユーザIDに対応するトレーニング履歴を読み出し、読み出したトレーニング履歴に含まれている設定情報(ウェイトの重さや椅子の高さなど)や回数に応じて、たとえば、前回の設定情報の内容と同様の情報または前回のウェイトよりも所定値だけ重いウェイトもしくは前回の回数よりも所定値だけ多い回数を提案するようにトレーニング情報の内容に含めるようにすることができる。
【0038】
画像取得部212は、カメラ21が撮影した画像を取得する。本実施形態では、カメラ21は撮影した画像データを通信によりサーバ装置20に送信し、画像取得部212はカメラ21から送信される画像データを、当該カメラ21を示すカメラIDに対応付けて画像データ記憶部233に登録する。なお、画像取得部212は、ユーザ認証部210がユーザ1の認証に成功したことを契機として、カメラ21に指示を送信し、カメラ21が撮影を開始するようにしてもよい。
【0039】
画像解析部213(部位特定部)は、画像データを解析する。画像解析部213は、画像データを解析して身体の各部位の特徴量を抽出し、各部位の画像における位置を特定する。なお、画像解析部213による画像解析の手法については一般的なものを採用するものとして、ここでは詳細な説明を省略する。画像解析部213は、フレームごとまたはキーフレーム毎に画像データを解析するようにしてもよいし、ランダムなタイミングで解析するようにしてもよい。
【0040】
画像解析部213はまた、チェックポイントIDごとに、画像データから抽出した各部位の位置と、基準情報記憶部232に記憶されている位置基準情報とを比較し、最も近い時点をチェックポイントの時点として特定する。
【0041】
また、画像解析部213は、ユーザ1の身体の動作を認識することもできる。この場合、画像解析部213は、たとえば、機械学習により動画データから身体の動作(たとえば、スクワットやリフトアップなど)を認識可能なモデルを作成しておき、当該モデルを用いて動作を認識することができる。この場合において、画像解析部213は、たとえば、複数のGPUを用いて並列処理を行うことにより実現するようにしてもよい。
【0042】
回数カウント部214は、トレーニングの回数をカウントする。回数カウント部214は、画像解析部213が解析した各部位の位置を用いて、ユーザ1が(他の姿勢から)所定の姿勢に変化した回数をカウントすることができる。回数カウント部214は、たとえば、画像解析部213が解析した各部位のそれぞれについて、部位の位置と、位置基準情報に含まれている位置との距離が所定値以内になっている場合にカウントアップすることができる。また、角度基準情報に含まれている関節部位を頂点とした2つの部位の角度が所定値以内である場合にカウントアップするようにしてもよい。また、回数カウント部214は、たとえば、身体の姿勢を教師データとし、各部位の位置(相対的な位置関係)を入力データとした機械学習により作成したモデルを事前に準備しておき、当該モデルを用いてユーザ1の姿勢を特定し、所定の姿勢になったときにカウントアップするようにしてもよい。
【0043】
なお、回数カウント部214は、トレーニングの回数及びトレーニングのセット数をカウントし、これらの数値にウェイトの重さを掛け合わせ、トレーニングボリュームを算出することでユーザ1の仕事量を計算することもできる。このトレーニングボリュームをユーザ1の疲労度を測る一指標として利用することができる。このトレーニングボリュームをトレーニング履歴記憶部237に記憶しておくことで、ユーザ1は、所望のタイミングで、このトレーニングボリューム及びその推移をディスプレイ22等に表示して確認することができる。
【0044】
評価部215は、画像データに基づいてユーザ1の身体の動きを評価する。本実施形態では、評価部215は、画像データから特定された各部位の位置および部位の動きが満たす条件を含む評価条件情報を評価条件記憶部235から検索し、条件が満たされた評価条件情報があればそれに含まれる評価ランクおよびコメントを取得する。
【0045】
図14は、評価部215が作成する評価情報の構成例を示す図である。評価情報には、メニューID、ユーザID、位置情報、姿勢情報、動き情報およびチェックポイント情報が含まれる。
【0046】
位置情報は、身体の各部位(たとえば、頭、肩、肘、腰、膝、足首など)の画像中の位置を示す。位置情報には、動画の時間軸上の時点に対応付けて、部位と、当該部位の位置とが含まれる。位置情報に基づいて、身体の骨格の状態(ボーン)を表示することができる。すなわち、たとえば、位置情報が示す位置に、部位を示す図形(たとえば円など)を画像に重畳させて表示することができる。なお、1つの時点について複数の部位の位置が含まれ得る。なお、2つの部位の間を結ぶ部位(たとえば、手首と肘を結ぶ前腕や腰と膝を結ぶ大腿など)については、位置情報が含まれていなくてよい。この場合、所定の2つの部位を示すマーク(円など)のペアの間を線で結ぶことにより、これらの2つの部位の間を結ぶ部位を表現することができる。位置情報は、動画を構成する各フレームについて含まれていてもよいし、キーフレームごとに含まれていてもよいし、任意の数ごとのフレームごとに含まれていてもよいし、ランダムな時点について含まれていてもよい。マイフレームに位置情報が含まれていない場合、最も近い過去の時点の位置情報に基づいてボーンを表示するようにすることができる。
【0047】
姿勢情報は、ユーザの身体の姿勢に係る情報である。姿勢情報には、動画の時間軸上の時点に対応付けて、評価対象となる部位と、姿勢値と、評価ランクと、評価コメントとが含まれる。姿勢値とは、姿勢を表す値である。姿勢値は、たとえば、地面から部位までの距離、2つの部位間の距離、間接部位の角度(第1の端部の部位から間接部位への直線と、第2の端部の部位から間接部位への直線とが作る角度)などである。評価ランクは、評価値をランクにより表した値である。評価ランクは、たとえば、5段階の1ないし5や、ABCなどで表現される。評価コメントは、姿勢に関する評価に係るコメントである。たとえば、モードが「リフティング」で、屈曲が十分でない場合に、「腰が下がっていない」といった評価コメントが含まれうる。
【0048】
動き情報は、ユーザの身体の動きに係る情報である。動き情報には、動画の時間軸上の期間に対応付けて、評価対象となる部位と、姿勢値のリストと、評価ランクと、評価コメントとが含まれる。姿勢値のリストは、期間内における時系列の姿勢値である。評価コメントは、動きに関する評価に係るコメントである。たとえば、モードが「リフティング」で、膝の伸展がスムーズでない場合に、「膝の動きがスムーズではありません」といった評価コメントが含まれうる。
【0049】
チェックポイント情報は、チェックポイントに関する情報である。チェックポイントとしては、たとえば、ウェイトリフティングのトレーニングメニューの場合に、ウェイトのバーを握ったところ、ウェイトを持って直立したところ、ウェイトを胸の高さまで上げたところなどである。チェックポイント情報には、動画の時間軸上の時点に対応付けて、チェックポイントを記憶している。すなわち、チェックポイントIDが示すチェックポイントが表示されている動画中のフレーム(静止画像)を特定することができる。
【0050】
評価部215は、画像解析部212が特定した動画の時間軸における時点と各部位の位置とを含む位置情報を生成することができる。評価部215は、取得した評価ランクおよびコメントについて、部位の位置が条件を満たす場合には、時点、部位および姿勢値と、評価ランクおよびコメントとを含む姿勢情報を生成し、部位の動き(時系列における位置の変化)が条件を満たす場合には、時点、部位および姿勢値のリストと、評価ランクおよびコメントとを含む動き情報を生成する。また、評価部215は、画像解析部212が解析した、各チェックポイントに対応する時点と、当該チェックポイントを示すチェックポイントIDとを含むチェックポイント情報を生成する。
【0051】
評価情報出力部216は、評価情報をディスプレイ22に出力する。評価情報出力部216は、たとえば、評価表示部114は、評価情報に含まれている位置情報に基づいて、動画に重畳させて、身体の部位を表す図形(たとえば、端部や間接を表す円とそれらを結ぶ線)を表示することで、ボーンの動きを動画に重ねて表示することができる。また、評価情報出力部216は、たとえば、部位の位置の時系列的な変化をグラフ表示することができる。
【0052】
また、評価表示部114は、評価情報に含まれている姿勢情報および動き情報に基づいて、動画の表示に併せて、評価ランクおよび評価コメントを表示することができる。たとえば、評価表示部114は、動画の再生時間が、姿勢情報に含まれている時点の前後近傍(たとえば、5秒前後など任意の長さとすることができる。)にきたところで、姿勢情報に含まれている評価ランクおよび評価コメントを表示することができる。また、評価表示部114は、動画の再生時間が、動き情報に含まれている期間内にきたところで、動き情報に含まれている評価ランクおよび評価コメントを表示することができる。また、評価表示部114は、姿勢情報に含まれている姿勢値を表示することができる。また、評価表示部114は、動き情報に含まれている姿勢値のリストに基づいて、姿勢値の時系列的な変換をグラフ表示することができる。
【0053】
図15、
図16および
図17は、評価情報出力部216が出力する画面42の一例を示す図である。
図15において、画面42には、ユーザ1を撮影した画像データ421に重畳させて、ボーン422が表示されている。また、
図15の例では、画面42には、姿勢情報の評価コメント423と動き情報の評価コメント424が表示されている。さらに、画面42の例には、トレーニング情報の回数425と、回数カウント部214がカウントした回数426とが表示されている。
図16の例では、肩や手首、足首などの速度を表すグラフ427の例が示されている。
図17の例では、トレーニング情報の動画データ423が表示されている。このような画面42がディスプレイ22に表示されることにより、ユーザ1はトレーニング時の身体の姿勢や動きを修正し、効率的かつ効果的なトレーニングを行うことが可能となる。
【0054】
評価情報出力部216は、評価情報をユーザ端末10に送信することもできる。ユーザ1は、ユーザ端末10を用いてトレーニング中およびトレーニング後にトレーニングの振り返りを行うことが可能となる。
【0055】
評価情報出力部216は、ユーザ1によるトレーニングの履歴をトレーニング履歴記憶部237に登録する。評価情報出力部216は、ユーザ1を示すユーザIDと、ユーザ認証部210がユーザ1を認証した日時と、ディスプレイ22に対応するメニューIDと、設定情報と、回数カウント部214がカウントした回数と、ユーザを認証した時刻から、トレーニング終了までの時間とを含むトレーニング履歴をトレーニング履歴記憶部237に登録することができる。設定情報については、ディスプレイ22がユーザ1から設定情報の入力を受け付けて(たとえば、ディスプレイ22をタッチパネルディスプレイとし、タッチパネルディスプレイに選択肢などを表示して入力を受け付けることができる。)、ディスプレイ22から設定情報を受信するようにしてもよいし、ユーザ端末10が設定情報の入力を受け付けて、ユーザ端末10から設定情報を受信するようにしてもよいし、トレーニング機器が通信機能を備えるようにして、トレーニング機器から設定情報を取得するようにしてもよい。
【0056】
トレーニング履歴送信部217は、トレーニング履歴をユーザ端末10に送信する。トレーニング履歴送信部217は、トレーニングが終了する度にトレーニング情報をユーザ端末10に送信するようにしてもよいし、ユーザ端末10からのリクエストに応じてトレーニング履歴を応答するようにしてもよい。ユーザ端末10では、トレーニング履歴を表示することができる。
図18は、ユーザ端末10によるトレーニング履歴の表示例を示す図である。
図18に示す画面43では、ユーザ1が行ったトレーニングの内容431と、トレーニング中のユーザ1を撮影した動画432が表示されている。このようにユーザ1はトレーニング中の状態を後から振り返ることができるので、効果的なトレーニングが可能となる。
【0057】
トレーニング履歴送信部217は、トレーニングボリュームをユーザ端末10に送信する。
図19に示す画面44では、トレーニングボリューム情報の出力画面44の一例を示す。
図19に示すように、トレーニングボリュームを、ユーザの日次の身長、体重等の身体情報とともに、日次、週次、月次の推移を示すことができる。また、
図19に示すように、ユーザの脂肪率とともにトレーニングボリューム情報を同時に示すことで、ユーザに仕事量に対する脂肪率の推移を比較することもできる。
【0058】
また、トレーニング履歴送信部217は、トレーニング履歴を管理者端末30にも送信することができる。トレーニング履歴送信部217は、トレーニングが終了する度にトレーニング情報を管理者端末10に送信するようにしてもよいし、管理者端末30からのリクエストに応じてトレーニング履歴を応答するようにしてもよい。
【0059】
改善策情報出力部218は、トレーニングの改善策をディスプレイ22に出力する。改善策情報出力部218は、ディスプレイ22に対応するメニューIDに対応する改善条件情報のうち、ユーザ1の身体情報や、画像解析部213が特定した各部位の位置や動きが条件を満たされるものを検索する。改善策情報出力部218は、検索した改善策情報のアドバイスを取得し、取得したアドバイスをディスプレイ22に出力する。改善策情報出力部218は、また、基準情報に含まれている各部位の位置や角度をディスプレイ22に出力することができる。たとえば、改善策情報出力部218は、基準位置に含まれている各部位の位置や角度に基づいて、身体の骨格の状態(ボーン)を表示することができる。すなわち、たとえば、位置情報が示す位置に、部位を示す図形(たとえば円など)を画像に重畳させて表示することができる。
【0060】
図20は、本実施形態の運動支援システムにおいて実行される処理の流れを示す図である。
【0061】
サーバ装置20のユーザ認証部210は、ユーザ1がトレーニング器具の近傍に来たことを検出する(S501)。ユーザ1の検出は、たとえば、人感センサーをディスプレイ22付近に設置してもよいし、カメラ21からの画像を監視し、画像から人間を検出するようにしてもよい。
【0062】
次にユーザ認証部210は、ユーザ1の認証を行う(S502)。ユーザ1の認証は、たとえば、画像から顔部分の特徴量を抽出してユーザ情報の認証情報に含まれている特徴量と比較することにより行うことができる。また、ユーザ認証部210は、たとえば、ユーザ端末10との間の通信(たとえば、ユーザ端末10からユーザIDおよびパスワード、あるいは公開鍵などの認証情報の入力を受け付けることなど)によりユーザ1の認証を行うようにしてもよい。また、ディスプレイ22付近にICカードリーダを設置して会員証を用いて認証を行うようにしてもよい。
【0063】
ユーザ1が認証されると、画像取得部212は、カメラ21からの画像を取得して画像データ記憶部233に登録することを開始する(S503)。トレーニング情報出力部211は、ディスプレイ22に対応するメニューIDをトレーニング情報記憶部231から特定し、特定したメニューIDに対応するトレーニング情報をトレーニング情報記憶部231から読み出し(S504)、読み出したトレーニング情報を、ユーザ1に対応するユーザ情報を用いて修正する(S505)。トレーニング情報出力部211は、たとえば、身長や体重、筋肉量などに応じて、ウェイトの重さや回数などを修正することができる。また、トレーニング情報出力部211は、ユーザ1のトレーニング履歴に応じてトレーニング情報を修正するようにしてもよい。トレーニング情報出力部211は、修正したトレーニング情報をディスプレイ22に出力する(S506)。トレーニング情報出力部211は、ここでユーザ1から目的の入力を受け付けるようにして、目的とメニューIDとに対応するトレーニング情報を読み出すようにしてもよい。トレーニング情報の出力例は、たとえば
図13に示した画面42である。
【0064】
画像解析部213は、カメラ21から取得した画像データを解析して、ユーザ1の身体の各部位の位置を特定する(S507)。回数カウント部214は、部位の位置に基づいて、ユーザ1が行ったトレーニングの回数をカウントする(S508)。回数カウント部214は、たとえば、膝の角度が所定角度以内になった場合に、足の屈伸を1回行ったとカウントしたり、臀部の位置が床上所定距離以内になった場合に、スクワットを1回行ったとカウントしたりすることができる。
【0065】
評価情報出力部216は、ユーザ1を撮影した画像に、各部位の位置とその接続関係を重畳表示させる、いわゆるボーンの表示を行う(S509)。また、評価部215は、部位の位置や動き(位置または角度の時系列変化)に基づいてトレーニングの評価を行い、評価情報出力部216は、その評価結果をディスプレイ22に出力する(S510)。ここで、ユーザ1がイヤフォン、ヘッドフォン、ネックスピーカなどの音声出力装置を装着している場合は、評価結果を音声として出力することもできる。
【0066】
改善策情報出力部218は、ユーザ1の身体情報や、画像解析部213が特定した各部位の位置および動きが条件を満たす改善条件情報を改善条件記憶部238から検索し、検索した改善条件情報のアドバイスをディスプレイ22に出力する(S511)。なお、改善策情報出力部218は、改善条件情報に含まれている他の項目をディスプレイ22に出力してもよい。また、ユーザ1がイヤフォン、ヘッドフォン、ネックスピーカなどの音声出力装置を装着している場合は、改善条件情報に含まれているアドバイスなどの情報を音声として出力してもよい。
【0067】
最後に回数カウント部214は、トレーニングの履歴をトレーニング履歴記憶部237に登録することができる(S512)。回数カウント部214は、トレーニングの回数をカウントする度に、または、トレーニングのカウントができなくなって所定時間経過したことなどによりトレーニングの終了を検知して、履歴を登録するようにしてもよい。
【0068】
以上のようにして、本実施形態の運動支援システムによれば、トレーニング機器ごとに設置されるディスプレイ22にトレーニングの説明などの情報が表示されるとともに、カメラ21によって撮影されたユーザ1の身体を解析して姿勢や動きについての評価および改善策が提示される。したがって、従来パーソナルトレーナーなどが人力で行っていた機器の説明や身体の動きの評価・アドバイス等をシステムにより行うことができるので、ユーザ1の指導を効率化することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態の運動支援システムによれば、容易に身体運動についての評価を行うことができる。トレーニングに係る身体運動について、身体の各部位の位置関係や動きについて評価することができるので、具体的な改善努力につながりやすく、トレーニング効果の向上が期待される。また、本実施形態の運動支援システムでは、コメントやアドバイスも提供されるため、ユーザは容易に現状と改善策とを把握することが可能になる。
【0070】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0071】
たとえば、本実施形態では、サーバ装置20において画像の解析を行うものとしたが、これに限らず、カメラ21またはユーザ端末10において画像の解析を行い、各部位の位置関係を特定するようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、部位の位置は2次元の画像上の位置であることを想定したが、これに限らず、3次元の位置としてもよい。たとえば、カメラ21に加えて、トレーニング器具の設置場所にデプスカメラを配置し、カメラ21からの画像と、デプスカメラからの深度マップとに基づいて、部位の3次元の位置を特定することができる。なお、カメラ21に代えてデプスカメラを設けるようにし、デプスカメラからの深度マップのみから3次元の位置を特定することも可能である。
【0073】
また、本実施形態では、カメラで撮影するユーザの身体の部位は、ユーザの正面方向または横方向から見た部位であることを想定したが、これに限らず、ユーザより上方に設置するカメラの特性を活かし、ユーザの頭上方向から見た部位であることとしてもよい。この場合、頭上から見たユーザの頭の中心及び両肩の二次元上の位置を特定して解析を行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、運動中のユーザの身体を撮像した画像がカメラ21からサーバ装置20に送信されるものとしたが、これに限らず、トレーニング器具の設置場所にコンピュータを配置し、当該コンピュータにおいて画像から特徴量を抽出し、特徴量をサーバ装置20に送信するようにしてもよいし、当該コンピュータが特徴量に基づいて身体の部位を推定し、部位の絶対的な位置(画像のXY座標上の位置としてもよいし、基準位置(たとえば、地面や足先、頭、身体の重心など)からの実寸での距離としてもよいし、その他の任意の座標系での位置とすることもできる。)または複数部位間の相対的な位置関係を取得し、これらの絶対的な位置や相対的な位置関係をサーバ装置20に送信するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、改善策情報にはサーバ装置20側で準備されたコンテンツが提供されるものとしたが、これに限らず、たとえば、基準値を含めるようにして、基準値に基づく正しい姿勢(各部位の位置や角度)となるボーンを動画または動画から抽出した静止画に重畳して表示するようにしてもよい。これにより、どのような姿勢とするべきかを容易に把握することができる。
【0076】
また、本実施形態では、身体の部位の位置または動き(経時的な位置)について評価するものとしたが、これに限らず、ユーザが把持または装着している道具の位置を特定して評価するようにしてもよい。この場合、道具の位置についての基準情報と評価条件情報を登録しておき、道具の特徴量を抽出して位置を特定して、身体部位の位置と同様に評価を行うようにすればよい。
【0077】
また、本実施形態では、改善策についてはアドバイス等のコンテンツを提供するものとしたが、たとえば、用具のレコメンデーションを行うようにしてもよい。この場合、サーバ装置20は、ユーザの身体情報(身長、体重等)に対応付けて、用具と当該用具のサイズ(長さ等)の基準値を記憶しておき、画像データからユーザが使用している用具の特徴量を抽出して用具の形状を特定し、当該形状と身体情報に含まれるユーザのサイズ(たとえば身長等)に基づいて用具の大きさを推定し、推定した用具の大きさと、基準値との差が所定の閾値以上であれば、基準値のサイズの用具をレコメンドすることができる。
【0078】
また、道具の位置を推定することにより、サーバ装置20は、道具のスピードを推定することができる。また、サーバ装置20は、時系列での道具の位置の変化のパターンを抽出することにより、パターンの回数を、道具を使った動作の回数として推定することができる。
【0079】
また、ある姿勢または動きを検出した場合に、その動作に対する課題を提案するようにしてもよい。この場合、サーバ装置20は、ひとつまたは一連の姿勢または動きに対応付けて、評価コメントに代えて、課題を記憶しておき、当該課題を出力すればよい。
【0080】
また、ある姿勢または動きを検出した場合に、行うべきトレーニングを提示するようにしてもよい。この場合、サーバ装置20は、ひとつまたは一連の姿勢または動きに対応付けて、評価コメントに代えて、トレーニング内容を記憶しておき、当該内容を出力すればよい。
【0081】
また、プレイヤーが行った動作を自動検出するようにすることもできる。この場合、サーバ装置20は、たとえばシュートやパスなどの所定の動作を行う姿勢(身体の各部位の位置)を基準情報として記憶しておき、画像から解析した身体の部位の位置と基準情報とを比較して、画像中のプレイヤーが行った動作を特定することができる。
【0082】
また、本実施形態では、所定の機能の実行及び情報の記憶を、ユーザ端末またはサーバ装置で行うものとしているが、これに限らず、いずれか一方の装置で当該機能の実行及び情報の記憶を行うこととしてもよい。または、本実施形態とは異なる形態で、機能部及び記憶部を分散して設けてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、基準情報(位置基準情報および角度基準情報)は予め設定されているものとしたが、これに限らず、複数のユーザ1を撮影した画像データから基準情報を作製するようにしてもよい。この場合、たとえば、ユーザ1の姿勢や運動が正しいか否かの入力を受け付けて、正しいと評価されたもののみに基づいて、基準情報を作成するようにすることができる。
【0084】
また、本実施形態では、トレーニングに関する情報や評価結果などがディスプレイ22に表示され、またはユーザ1が装着している音声出力装置から音声として出力されるものとしたが、トレーニングを応援するメッセージをディスプレイ22に表示し、またはトレーニングを応援するかけ声をユーザ1が装着している音声出力装置から音声として出力するようにしてもよい。これにより、ユーザ1のトレーニングのモチベーションを向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0085】
10 ユーザ端末
20 サーバ装置
21 カメラ
22 ディスプレイ
23 通信ネットワークすぴ
30 管理者端末
210 ユーザ認証部
211 トレーニング情報出力部
212 画像取得部
213 画像解析部
214 回数カウント部
215 評価部
216 評価情報送信部
231 トレーニング情報記憶部
232 ユーザ情報記憶部
233 画像データ記憶部
234 基準情報記憶部
235 評価条件情報記憶部
236 トレーニング計画記憶部
237 トレーニング履歴記憶部
238 改善条件記憶部