(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】作動システムにおける、または作動システムに関連する改善
(51)【国際特許分類】
F16K 31/122 20060101AFI20250117BHJP
B25C 1/04 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
F16K31/122
B25C1/04
(21)【出願番号】P 2022542060
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 NZ2021050002
(87)【国際公開番号】W WO2021141503
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2024-01-06
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】522173929
【氏名又は名称】グローバルフォース アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ パターソン,イアン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4384668(US,A)
【文献】米国特許第3088440(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0078799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/122
B25C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
高圧流体源から高圧流体を受容する
ように構成された環状の形状のダンプチャンバと、
ドーズチャンバであって、前記ダンプチャンバから前記ドーズチャンバへの流路を介して前記ダンプチャンバから前記高圧流体の流れを受容
するように構成され、
前記ドーズチャンバは出口を有する、ドーズチャンバと、
入口端部に入口を有する仕事チャンバと、
前記入口端
部を囲む環状封止面を有するドーズ弁部材と、を備えるか、または含み、
前記ドーズ弁部材が閉状態にあるとき、前記封止面は、環状の座部と当接して前記出口を封止し、前記ドーズ弁部材が開状態にあるとき、前記環状封止面と前記座部との間に間隙が呈されて、高圧流体が前記出口から入口に移動することを可能にし、
前記高圧流体の流れが前記ドーズチャンバまたは前記ダンプチャンバに入ることを防止され、
前記ダンプチャンバ内の前記高圧流体は、少なくとも一部が、前記ダンプチャンバ内の前記高圧流体の圧力が低減させられ、それにより前記ドーズチャンバ内の前記高圧流体が前記ドーズ弁部材を前記開状態に解放するまで、前記ドーズ弁部材を前記閉状態に保持する、装置。
【請求項2】
前記ドーズ弁部材が開いているとき、
前記高圧流体の流れは、前記ダンプチャンバに入ることを防止される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記仕事チャンバに流入する前記高圧流体は次いで、前記仕事チャンバ内のワークロードに対して仕事を実行して、前記ワークロードを、前記仕事チャンバの反対側の端から吐出するか、または前記反対側の端へともしくは前記反対側の端に向けて移動させ
るか、又は、
前記仕事チャンバに流入する前記高圧流体は次いで、前記仕事チャンバ内のワークロードに対して仕事を実行して、前記ワークロードを、前記仕事チャンバの反対側の端から吐出するか、または前記反対側の端へともしくは前記反対側の端に向けて移動させ、前記ワークロードが、第1の端部(又は入口端部)から第2の端部(又は反対側端部)に駆動されるとき、いかなる高圧流体源から前記ワークロードを駆動するアセンブリまたはチャンバへの、利用可能な流体接続は存在しない、請求項1または
2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドーズ弁部材は、直線的に滑動する
ように構成されている、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ドーズ弁部材は、前記装置の主軸に平行な直線軸に沿って滑動する
ように構成されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ワークロードは、ピストンのような捕捉されたものであっても、発射体のような吐出されるものであっても、前記
装置の主軸と平行に、前記入口端
部から、前記反対側の端すなわち遠位端へとまたは前記反対側の端すなわち遠位端に向けて、前記仕事チャンバに沿って直線的に滑動する
ように構成されている、請求項3~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ダンプチャンバ、前記ドーズチャンバおよび前記仕事チャンバは、前記
装置の主軸と同軸にまたは平行に存する、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記入口端
部においてまたは前記入口端
部に向かって付勢されて開き、前記ドーズチャンバを出る前記高圧流体による作動の下で排気ポートを閉じる
ように構成された排気弁が存在する
か、又は、
前記入口端部においてまたは前記入口端部に向かって付勢されて開き、前記ドーズチャンバを出る前記高圧流体による作動の下で排気ポートを閉じるように構成された排気弁が存在し、前記付勢の作用の下で、前記ワークロードが前記反対側の端部にあるときまたは前記反対側の端部の近くにあるとき、前記排気ポートが開くように構成されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記排気弁は、前記ドーズ弁
部材により少なくとも部分的に包囲された、ピストンまたはダイヤフラムである、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記ドーズ弁
部材は、前記閉状態において少なくとも部分的に付勢されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ドーズチャンバは、前記仕事チャンバから径方向外側または内側にある中空の容積である、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記流路は、前記ドーズ
弁部材を介する
か、又は、
前記流路は、前記ドーズ弁部材を介し、前記流路は、前記ドーズ弁部材のスカート内にある、請求項1~
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ダンプチャンバから前記ドーズチャンバへの前記流路内に制限部が存在し、それにより前記ダンプチャンバは、前記ドーズチャンバを充填するときであっても、前記ドーズ弁
部材の閉鎖圧力に加わる、請求項1~
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ダンプチャンバから前記ドーズチャンバへの前記流路内に一方向弁が存在する
か、又は、
前記装置は、前記ダンプチャンバから前記ドーズチャンバへの流路に逆止弁をさらに有し、前記逆止弁は、前記装置がトリガされるのに応じて、前記ドーズチャンバから前記ダンプチャンバへの前記高圧流体の流れを防止するように構成されている、請求項1~
13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ダンプチャンバ内の圧力は、トリガ機構または類似のものにより低減させられる
か、又は、
前記ダンプチャンバ内の圧力は、トリガ機構または類似のものにより低減させられ、前記トリガ機構は、前記ダンプチャンバ内の圧力を大気中にダンプする、請求項1~
14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ワークロードは、後側における流体クッション、または後側もしくは前側におけるばね、または前側から前記入口端
部へともしくは前記入口端
部に向けて接続された引張部材により、前記入口端
部に戻される、請求項1~
15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記排気弁における付勢器は、ばねである
か、又は、
前記排気弁における付勢器は、ばねであり、前記排気弁における付勢器は、前記ワークロードと前記排気弁との間に接続された引張部材である、請求項
8又は9に記載の装置。
【請求項18】
前記装置の動作を防止するために、前記ドーズチャンバから選択的に圧力をダンプする
ように構成された安全弁が存在する
か、又は、
前記高圧流体の供給圧力が前記ドーズチャンバの圧力よりも低下した場合に、前記ドーズチャンバから流体圧力を放出するように構成されたスローリーク安全弁が存在する、請求項1~
17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
高圧流体装置を動作させる方法であって、
環状の形状のダンプチャンバを高圧流体で充填するステップと、
ドーズ弁部材の封止圧力を前記
ドーズ弁部材の後側に作用する前記高圧流体により増加させて、前記
ドーズ弁部材を閉状態に保持するステップであって、前記
ドーズ弁部材は、ドーズチャンバからの出口と
仕事チャンバの入口端部にある仕事チャンバへの入口との間に環状封止面を有する、ステップと、
前記ダンプチャンバから前記ドーズチャンバに流路を介して
前記高圧流体を通過させるステップと、
前記ダンプチャンバの圧力を低減させ、それにより、前記
ドーズ弁部材の前側に作用する前記ドーズチャンバ内の前記高圧流体が、前記
ドーズ弁部材を前記入口と前記出口との間に間隙を呈示する開状態にするステップと、
前記
ドーズ弁部材が開いているときに、
前記高圧流体の流れが前記ドーズチャンバまたは前記ダンプチャンバに入ることを防止するステップと、
前記高圧流体が次いで、前記仕事チャンバ内のワークロードに対する仕事を実行するため、前記ドーズチャンバから前記仕事チャンバに入るステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記弁部材が開いているときに、前記高圧流体の流れが前記ドーズチャンバに入るのを防止するステップを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記圧力を低減させる前に充填されるときに、前記ダンプチャンバと前記ドーズチャンバとはほぼ同じ圧力である、請求項
19又は20に記載の方法。
【請求項22】
排気ポートが例えば付勢の下で開く、前記ワークロードに対する仕事が実行される
ときまで、排気弁は、
前記仕事チャンバからの前記排気ポートを閉じる位置に動かされ
るか、又は、
排気ポートが例えば付勢の下で開く、前記ワークロードに対する仕事が実行されるときまで、排気弁は、前記仕事チャンバからの前記排気ポートを閉じる位置に動かされ、前記方法は、前記ワークロードが、前記仕事チャンバの前記入口端部に戻ることを可能にするステップであって、前記ワークロードと前記入口端部との間のいずれの流体も、前記排気ポートを通って出るステップを含む、請求項
19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記排気ポートは、前記高圧流体が前記ドーズチャンバを出て、それにより前記付勢が打ち勝たれ前記排気弁が前記排気ポートの閉位置に移動するときを除いて、付勢されて開く、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
前記ワークロードが前記反対側の端へとまたは前記反対側に向けて移動すると、前記ドーズ弁部材は、前記閉位置に移動する、請求項
19~
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
トリガ機構は、前記ダンプチャンバ内の圧力を低減させる、請求項
19~
24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
限定するものではないが、流体クッション/圧力付勢器、または前記ワークロードの後方の非仕事側における圧縮性部材、およびまたは前記ワークロードの前方の仕事側における引張部材のような付勢器により、前記ワークロードが前記入口端
部に戻される、請求項
19~
25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ダンプチャンバおよび前記ドーズチャンバは、前記ドーズ弁部材が閉位置となると、再び自由に充填される、請求項
19~
26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ここでまたはこれに加えて、前記ダンプチャンバを充填することは、前記ドーズ弁部材を閉じることを補助する、請求項
19~
27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、任意選択的に、前記装置が動作することを防止するために、前記ドーズチャンバ内の前記高圧流体を大気中にダンプするステップを含む、請求項
19~
28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧流体を動力とする装置のための作動システムに関する。
【0002】
特に、これに限らないが、本発明は、弁および該弁を作動させてエネルギーを放出または付与する方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
エネルギー、特に、高圧流体によって伝達、供給または放出されるエネルギーを、制御および放出するニーズが存在する。
【0004】
一例においては、例えば、空気または二酸化炭素といった圧縮ガスのような高圧流体が、仕事を実行するために使用することができる。かかる例の1つにおいては、例えば、限定するものではないが、釘打ち機のような工具において、締め具を打つことのような仕事を実行するため仕事チャンバ内のピストンなどを駆動するために、圧縮空気が弁により調整され得る。
【0005】
かかる場合においては、高圧流体源から膨張を介してエネルギーが抽出される。ガスの膨張は、システムに対して加熱もしくは追加的な仕事(圧縮)が実行されるか、または追加的なガスが追加されない限り、常に圧力の低減に関連する。
【0006】
典型的には気体圧式コンプレッサにテザーによって装着されており、往復運動するピストンを駆動するために圧力下のガスを使用する空気を動力とする釘打ち機が存在し、そのピストンは次いで、釘または締め具を締結されるべき材料へと打ち込む。これらのコンプレッサにより提供されるシステムにおいては、ピストンの背後の圧力を、所望の駆動機能を実行するのに十分な高さに保つために、弁を介して空気が継続的に供給される。この弁または別の弁が次いで、ピストンが仕事位置への準備状態に戻ることを可能にする。
【0007】
吸入ガスを低温に保つことは、圧縮ガスの高効率の使用を維持するために重要であるが、多くの燃焼サイクルの後には困難または不可能である。圧力が高いレベルに維持されなかった場合、低い圧力は釘を深く打ち込むのに十分でない可能性があるため、このことは工具の機能に重要である。これは、当然のことながら、特定の設計において実装される特定の基板、釘の種類、チャンバ容積およびピストン直径に依存する。
【0008】
これらの工具(特にフレーミングの変形例)は、圧縮ガスの使用において効率が悪い。これらは、それぞれの釘を打ち、駆動ピストンを戻すために、大量の空気を使用する。それ故これらは、任意の有意義な商用のために、圧縮空気の供給源とするコンプレッサから切り離して動作させることができない。コンプレッサはユーザにとってほとんど費用または手間をかけずわずかに長く動作するのみであるから、この理由のため、これらの工具では効率は典型的には主要な性能指標ではない。その代わりに、パワー、信頼性、頑丈さ、コンパクトさ、および他の快適さが効率よりも優先され、そのうちのいくつかは、繋がれたコンプレッサからの実質的に無制限の空気供給の存在によって、直接的または間接的に可能になる。
【0009】
少なくとも繋がれるという問題には対処しようと、いくつかの種々のシステムが開発されてきた。
【0010】
かかるシステムの1つは、ブタンのような可燃性ガスを利用して、工具の動作を駆動するための爆発を提供する。かかる燃焼システムは、工具が通常可燃性ガスのための貯蔵装置と燃焼源とを互いに近接して含むことから、それ自体の安全性の問題を有する。また、ガスおよびガスカートリッジは高価であり、一部の供給者からしか入手できない傾向がある。さらに、終了後はガスカートリッジが廃棄物となり、常にリサイクルされるとも限らない。さらに、これらは典型的に点火源として電池を必要とする。ここでもまた、これらが故障すると、再充電可能なものであっても、リサイクルされない場合がある。さらに、爆発の熱および衝撃は、工具を大きく消耗させる傾向があり、頻繁なメンテナンスを必要とさせる。また、工具が雨のような湿気にさらされる場合、電気部品は故障し易い。これらすべての要因が、追加的なコスト、廃棄物、およびユーザにとっての不便さの要素を追加する。これに加えて、急速燃焼の状況においてには、燃焼ガスを排気し、燃焼の前に適切に混合されたガスおよび空気の新鮮な補充を取り込まなければならないため、その性能は低下し得る。これに加えて、燃焼補充により生成される圧力のすべてが使用されるわけではないため、効率が悪くなり得る。さらにこれらは、特に閉じた場所において、ユーザの健康に対して危険なものとなり得るガスを生成する。
【0011】
最近では、二酸化炭素のような加圧流体を収容する容器を、レギュレータを介して、伝統的にエアコンプレッサにより駆動される工具に接続する、携帯用圧力源が開発されている。これらのシステムは、従来のセットアップのホース接続の要件により制限されることなく、より携帯性の高い態様で、工具が使用されることを可能にする。しかしながら、利用可能な気体圧式工具は、圧縮空気またはガスの供給が事実上無制限である気体圧式セットアップのために設計されている。そのため、エネルギー伝達および圧縮ガスの使用は、ここでもまた、特に駆動機構において、比較的効率が悪い。
【0012】
典型的には、かかる圧縮ガスにより駆動される工具は、少なくとも、その製造およびアセンブリを簡素化するために、仕事を実行する駆動ピストンに圧縮ガスを供給する弁のうちの1つが2つの機能を実行するアーキテクチャを有するため、効率が悪い。その結果、少なくとも短時間、駆動されるピストンが往復運動するチャンバを介した、主加圧流体供給源と大気との間の流路が存在する。圧力領域は一般にこの流路を速やかに止めるように設計されるが、たとえ短時間であっても、高圧源から大気中への直接経路が存在するため、この高圧流体に存在するエネルギーを浪費し、いくつかの設計においては非効率性の大きな要因となり得る。これらの確立された設計においては、一時的なリーク経路が効果的に最小化される場合であっても、この機構は、依然として大量の全圧ガスを大気中に排気する態様で動作するため、いずれの仕事も実行しなかったガスが浪費される。このことは、熱力学的に非常に非効率的である。
【0013】
それ故、気体圧式工具の駆動機構が、圧縮ガスまたは高圧流体の消費においてより効率的となることが、有利となり得る。
【0014】
高圧流体の遠隔供給源への繋ぎ、または燃焼の使用、または高圧流体の非効率的な使用を回避する1つの解決策は、本発明者自身の特許NZ573990に開示されている弁操作および作動システムである。この弁操作および作動システムは、木材、コンクリートおよび関連建材用の衝撃式釘打ち機を含む、多くの用途で使用することができる。しかしながら、同じ作動および弁システムは、害虫駆除、空気モータ、または他の高効率の弁制御が望ましいものを含むが、これらに限定されない、他の多くの用途における利用法を見出すことができる。
【0015】
NZ573990においては、高圧流体を仕事チャンバに放出する弁が、弁に衝突して開く撃鉄により割られて開き、仕事を実行する仕事チャンバに流体が入ることを可能にする。これは非常に効率的なシステムであり、高圧流体の浪費が非常に少ない。
【0016】
本明細書において、特許明細書、他の外部文献、または他の情報源を参照した場合、これは、概して、本発明の特徴を考察するために背景を提供することを目的としている。特に明記しない限り、このような外部文書を参照することは、いかなる管轄においても、このような文書またはこのような情報源が先行技術であるか、または当技術分野における一般常識の一部をなすことの承認として解釈されないものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、高圧流体のための改善された作動および/または弁操作システムを提供すること、より効率的でかつ高圧流体もしくはガスによって大部分がもしくは単独で動かされる高圧流体のための改善された作動および/または弁操作システムを提供すること、上記の欠点を克服するもしくは上記の要望に対処すること、または少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の態様においては、本発明は、装置であって、
高圧流体源から高圧流体を受容するダンプチャンバと、
ドーズチャンバであって、ダンプチャンバからドーズチャンバへの流路を介してダンプチャンバから高圧流体の流れを受容し、出口を有する、ドーズチャンバと、
端部に入口端を有する仕事チャンバと、
入口端を囲む環状封止面を有するドーズ弁部材と、を備えるか、または含み、
ドーズ弁部材が閉状態にあるとき、封止面は、環状の座部と接して出口を封止し、ドーズ弁部材が開状態にあるとき、環状封止面と座部との間に間隙が呈されて、高圧流体が出口から入口に移動することを可能にし、
ダンプチャンバ内の高圧流体は、少なくとも一部が、ダンプチャンバ内の高圧流体の圧力が低減させられ、それによりドーズチャンバ内の高圧流体がドーズ弁部材を開状態に解放するまで、ドーズ弁部材を閉状態に保持する、装置に存する。
【0019】
好ましくは、ドーズ弁部材が開いているとき、高圧流体の流れは、ドーズチャンバまたはダンプチャンバに入ることを防止される。
【0020】
好ましくは、ドーズ弁部材が開いているとき、高圧流体の流れは、ダンプチャンバに入ることを防止される。
【0021】
好ましくは、仕事チャンバに流入する高圧流体は次いで、仕事チャンバ内のワークロードに対して仕事を実行して、ワークロードを、仕事チャンバの反対側の端から吐出するか、または該端へともしくは該端に向けて移動させる。
【0022】
好ましくは、ワークロードが、第1の端(すなわち入口端)から第2の端(すなわち反対側の端)に駆動されるとき、アセンブリまたはチャンバを駆動するワークロードへの高圧流体源からの利用可能な流体接続は存在しない。
【0023】
好ましくは、ドーズ弁部材は、直線的に滑動する。
【0024】
好ましくは、ドーズ弁部材は、装置の主軸に平行な直線軸に沿って滑動する。
【0025】
好ましくは、ワークロードは、ピストンのような捕捉されたものであっても、発射体のような吐出されるものであっても、主軸と平行に、入口端から、反対側の遠位端へとまたは該遠位端に向けて、仕事チャンバに沿って直線的に滑動する。
【0026】
好ましくは、ダンプチャンバ、ドーズチャンバおよび仕事チャンバは、主軸と同軸にまたは平行に位置する。
【0027】
好ましくは、入口端においてまたは入口端に向かって付勢されて開き、ドーズチャンバを出る高圧流体による作動の下で排気ポートを閉じる排気弁が存在する。
【0028】
好ましくは、付勢の作用の下で、ワークロードが該反対側の端にあるときまたは該反対側の近くにあるとき、排気ポートが開く。
【0029】
好ましくは、排気弁は、ドーズ弁により少なくとも部分的に包囲された、ピストンまたはダイヤフラムである。
【0030】
好ましくは、ドーズ弁は、閉状態において少なくとも部分的に付勢されている。
【0031】
好ましくは、ドーズチャンバは、仕事チャンバから径方向外側または内側にある中空の容積である。
【0032】
好ましくは、流路は、ドーズチャンバを介する。
【0033】
好ましくは、流路は、ドーズ弁のスカート内にある。
【0034】
好ましくは、ダンプチャンバからドーズチャンバへの流路内に制限部が存在し、それによりダンプチャンバは、ドーズチャンバを充填するときであっても、ドーズ弁の閉鎖圧力に加わる。
【0035】
好ましくは、ダンプチャンバからドーズチャンバへの流路内に一方向弁が存在する。
【0036】
好ましくは、ダンプチャンバは、環状チャンバのような中空の円筒形の容積である。
【0037】
好ましくは、ダンプチャンバ内の圧力は、トリガ機構または類似のものにより低減させられる。
【0038】
好ましくは、トリガ機構は、ダンプチャンバ内の圧力を大気中にダンプする。
【0039】
好ましくは、ワークロードは、後側における流体クッション、後側もしくは前側におけるばね、または前側から入口端へともしくは該入口端に向けて接続された引張部材により、入口端に戻される。
【0040】
好ましくは、排気弁における付勢器は、ばねである。
【0041】
好ましくは、ここでまたはこれに加えて、排気弁における付勢器は、ワークロードと排気弁との間に接続された引張部材である。
【0042】
好ましくは、装置の動作を防止するために、ドーズチャンバから選択的に圧力をダンプするための安全弁が存在する。
【0043】
好ましくは、高圧流体の供給圧力がドーズチャンバの圧力よりも降下した場合に、ドーズチャンバから流体圧力を放出するスローリーク安全弁が存在する。
【0044】
別の態様においては、本発明は、高圧流体装置を動作させる方法であって、
ダンプチャンバを高圧流体で充填するステップと、
弁部材の封止圧力を弁部材の後側に作用する高圧流体により増加させて、弁部材を閉状態に保持するステップであって、弁部材は、ドーズチャンバからの出口と仕事チャンバへの入口との間に環状封止面を有する、ステップと、
ダンプチャンバからドーズチャンバに流路を介して高圧流体を通過させるステップと、
ダンプチャンバの圧力を低減させ、それにより、弁部材の前側に作用するドーズチャンバ内の高圧流体が、弁部材を入口と出口との間に間隙を提示する開状態にするステップと、
高圧流体が次いで、仕事チャンバ内のワークロードに対する仕事を実行するため、ドーズチャンバから仕事チャンバに入るステップと、を含む方法に存する。
【0045】
好ましくは、圧力を低減させる前に充填されるときに、ダンプチャンバとドーズチャンバとはほぼ同じ圧力である。
【0046】
好ましくは、ワークロードに対する仕事が実行されるまで、排気弁が、排気弁が仕事チャンバからの排気ポートを閉じる位置に動かされ、そのとき、例えば、付勢の下で排気ポートが開く。
【0047】
好ましくは、本方法は、ワークロードが、仕事チャンバの入口端に戻ることを可能にするステップであって、ワークロードと入口端との間のいずれの流体も、排気ポートを通って出るステップを含む。
【0048】
好ましくは、排気ポートは、高圧流体がドーズチャンバを出て、それにより付勢が打ち勝たれ排気弁が排気ポートの閉位置に移動するときを除いて、付勢されて開く。
【0049】
好ましくは、ワークロードが反対側へとまたは該反対側に向けて移動すると、ドーズ弁部材が閉位置に移動する。
【0050】
好ましくは、トリガ機構が、ダンプチャンバ内の圧力を低減させる。
【0051】
好ましくは、限定するものではないが、流体クッション/圧力付勢器、ワークロードの後方の非仕事側における圧縮性部材、および/またはワークロードの前方の仕事側における引張部材のような付勢により、ワークロードが入口端に戻される。
【0052】
好ましくは、ダンプチャンバおよびドーズチャンバは、ドーズ弁部材が閉位置となると、再び自由に充填される。
【0053】
好ましくは、ここでまたはそれに加えて、ダンプチャンバを充填することは、ドーズ弁部材を閉じることを補助する。
【0054】
好ましくは、本方法は、任意選択的に、装置が動作することを防止するために、ドーズチャンバ内の高圧流体を大気中にダンプするステップを含む。
【0055】
別の態様においては、本発明は、添付の図面のいずれか1つ以上を参照して本明細書に説明されるような装置に存する。
【0056】
別の態様においては、本発明は、添付図面のうちのいずれか1つ以上を参照して本明細書に説明されるような、高圧流体装置を動作させる方法に存する。
【0057】
本明細書で使用される「および/または(and/or)」という用語は、「および」もしくは「または」またはその双方を意味する。
【0058】
本明細書で使用される、名詞に続く「(s)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0059】
本明細書で使用される「含む」という用語は、「から少なくとも部分的になる」を意味する。その用語を含む本明細書中の言及、各言及中のその用語で始まる特徴を解釈するとき、すべて存在する必要があるが、他の特徴も存在することができる。「含む(comprise)」および「含まれる(comprised)」などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
【0060】
本明細書に開示された数値範囲(例えば、1~10)の言及はまた、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、および10)への言及およびその範囲内の任意の範囲の有理数(例えば、2~8、1.5~5.5、および3.1~4.7)への言及をも包含することが意図される。
【0061】
上記および下記に引用されているすべての出願、特許および刊行物の開示全体は、存在する場合は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
本発明はまた、広義には、本特許出願の明細書中で個別にまたはまとめて言及または示された部品、要素および特徴、ならびに部品、要素または特徴のうちのいずれか2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせから構成されると言うことができ、本発明が関連する技術分野において既知の均等物を有する特定の整数が本明細書に記載されている場合、そのような既知の均等物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。
【0063】
本発明の他の態様は、単に例として、添付図面を参照して与えられる以下の発明を実施するための形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明の好ましい形態が、ここで添付の図面を参照して説明される。
【
図1】高圧流体が適用されていない休止状態にある本発明による装置を通る垂直断面図を示す。
【
図2】圧力安全解放弁ならびにダンプチャンバへの供給およびダンプポートの位置を示す、
図1と同様の図を示す。
【
図3】充填されたダンプチャンバ、およびそこからドーズチャンバへの該チャンバを充填する流れを示す、
図1と同様の図を示す。
【
図4】ドーズチャンバも満杯になった、
図3の次の段階を示す。
【
図5】ダンプチャンバが排気される、
図4の次の段階を示す。
【
図6】ドーズ弁が開いており、ドーズチャンバの出口から仕事チャンバの入口への流れを可能にする、
図5の次の段階を示す。
【
図7】排気弁が閉じられ、本例においてはピストンであるワークロードが仕事チャンバの反対側の端に向けて駆動されている、
図6の次の段階を示す。
【
図8】仕事チャンバの反対側の端にあるワークロード、
図7の次の段階を示す。
【
図9】本例においてはピストンであるワークロードが仕事チャンバに沿った戻りストロークを開始し、排気弁が開いている、
図8の次の段階を示す。
【
図10】ワークロードが仕事チャンバの弁側の端に戻された、
図9の次の段階を示す。
【
図11】ピストンすなわちワークロードを戻すことを補助し、および/または少なくとも部分的に排気弁として機能する、引張部材が追加された、
図1と同様の図であり、Aにおいて、ピストンが仕事位置に戻る準備状態にあり引張部材はほとんど張力がかかっていない状態を示し、Bにおいて、ピストンが仕事を終えた位置まで移動し引張部材がピストンと排気弁との間に延在し張力下にある状態を示し、Cにおいて、引張部材により少なくとも部分的に補助されて、ピストンが仕事チャンバに沿って戻る状態を示す。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態の概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
ここで、好ましい実施形態が、
図1~
図12を参照して説明される。示される図は、主軸に沿った垂直断面図であり、そのため、図示される実施形態およびその構成要素は、大部分が径方向に対称的である。
【0066】
新規な気体圧式の力作動弁の設計は、力作動弁をトリガする圧力ダンプを利用して、例えば、限定するものではないが、空気または二酸化炭素のような圧縮ガスといった高圧流体から、高効率のエネルギー抽出をもたらす。また、高圧流体を高効率で使用する高サイクル速度のシステムにおいて有用な、力作動弁と緊密に一体化した、ワークロードの背後の圧力がベントされることを可能にする、新規な圧力ベースのピストン戻りおよび排気流量制御システムも提案される。
【0067】
本装置の構成要素および特徴が、
図1~
図10を参照しながら説明される。
【0068】
装置1は、流体源4から高圧流体3の供給を受ける。好ましい一形態においては、流体源4は、例えば、ハンドヘルド型の釘打ち機もしくは締め具打ち機、害虫捕獲器、救助浮き装置発射器、ガスパルス洗浄システム、または他の本発明の弁操作構成を必要とするアセンブリのような、装置1がその一部である工具などと接続され一体化されている。本例における高圧流体源4は、高圧流体を保持する加圧された容器またはタンクである。他の実施形態においては、流体源4は、離れて位置させられ、例えば弁システムなどにおいて流体接続され得る。
【0069】
高圧流体3は、直接に、またはレギュレータ、安全弁などを通して、ダンプチャンバ2に供給される。典型的にはレギュレータが必要とされ、これはその安全面および安全弁に加えて、トリガシステムおよびダンプチャンバに一定の動作圧力が供給されることを確実にする。典型的には、高圧流体はタンクまたは容器内にあり、4500psi以上の高圧流体を保持し、例えば約400~600psiの動作圧力に下がるよう調整する。高圧流体の供給源内の圧力は、当然のことながら、必要に応じて高くあり得、例えば、装置が繋がっていないものである場合の所望の容量であり得る。レギュレータまたはその下流にある弁は、装置の適切な動作を確実にするために、低すぎる圧力がダンプチャンバに供給されることを防止する。
【0070】
ダンプチャンバ2は、図示されるように環状の容積であり、このことはいくつかの利点を提供する。このことは、よりコンパクトなシステムを提供する。さらに、ドーズ弁部材11のリング状の性質、およびそれが装置の主長手方向軸に沿って直線的に滑動することを考えると、ダンプチャンバ2は、発射時にドーズ弁部材11が滑動して入り閉位置13に移動するときに出る環状の空間によって少なくとも部分的に形成される。さらに、ダンプチャンバ2を環状のリング容積として有することは、独立した排気弁20および排気ポート21(以下に説明される)が、内部に位置すること、好ましくは同心的に内部に存することを可能にする(ただし必要であればドーズ弁部材11の軸からオフセットされ得る)。このことは、簡略化され最適化された排気タイミングおよび制御を提供する。
【0071】
ダンプチャンバ2の下流には、ドーズチャンバ5が存在する。この2つは、ドーズ弁部材11によって分離されている。ドーズチャンバ5もまた環状のリングチャンバであり、中空の円筒形の容積または空隙としても説明され得る。この2つの間には、すぐ後に説明されるドーズ弁部材11が存在する。ダンプチャンバ2とドーズチャンバ5との間には、流路6が存在する。流路6は、ドーズ弁部材11本体を通り得るか、または例えばこれらのチャンバの各々の壁における1つまたは複数のポートを通してドーズチャンバ5への別個の流路を通って流れ、これらチャンバを流体的に接続し得る。ダンプチャンバ2が、通常は高圧で、動作流体3で充填されると、流路6を介してドーズチャンバ5も充填され得る。好ましい形態においては、流路は、
図3に示されるように、少なくとも部分的にドーズ弁部材11によって提供される。代替的に、それは、ドーズ弁部材11のまわりのリーク経路によって提供され得る。一形態においては、流路6は、ダンプチャンバ2とドーズチャンバ5との間で常時開いている。しかしながら、他の形態においては、それは、ドーズ弁部材11がドーズチャンバ5を封鎖する閉位置にあるときにのみ開き得る。
【0072】
好ましい形態においては、ダンプチャンバ2とドーズチャンバ5との間の流路6内には、制限部25が存在する。他の形態においては、ドーズチャンバとダンプチャンバとの間には、逆止弁または一方向弁26が存在し得る。特定の用途においては、このことは不要であるが、高サイクル速度の用途においては、このことは非常に有益となる。例えば、ダンプチャンバの圧力が低減させられたとき、一方向弁26がなければ、圧力がドーズチャンバ5からダンプチャンバ2へと、次いで潜在的に大気へと、逆流し得る。逆止弁は、溝内の単一または一連の穴の上に着座する、ドーズ弁部材2の外周における溝内のOリングによって形成され得る。空気は、Oリングを変位させることによって穴から流出することができるが、Oリングによって、例えば、ダンプチャンバからドーズチャンバへ、穴を通って戻ることは防止される。逆止弁は、ポペット弁またはボール逆止弁のような他のいずれの手段により形成され得る。ダンプチャンバ2とドーズチャンバ5とを連結する流路6がドーズ弁部材11を介さない設計においては、これらの代替的な逆止弁の選択肢がより好適である可能性が高い。
【0073】
この逆止弁を提供することは、以下の利点を提供する。
【0074】
a)例えば、締め付け工具のような高サイクル速度(1sより短いサイクル)の用途のような高速充填が有益である用途における、ドーズチャンバの高速な充填。
【0075】
b)ダンプチャンバ内の圧力のトリガおよびダンピングのときに、ドーズチャンバのガスがダンプチャンバ、および次いで、大気中に逆流することを可能にしないこと。このことは、開く力の付勢を最大化することにより作動機構の信頼性を増加させ、より少ない空気しか大気中へダンプされないため効率を増加させる。
【0076】
c)逆止弁は、いくつかの用途において他の安全機能を必要とする(後述される追加的な逆止弁)。
【0077】
d)逆止弁が存在しない場合、トリガ排気流容量がダンプからドーズへの流路6を通る流量容量を超える場合、ドーズ弁部材またはダンプチャンバとドーズチャンバとを連結する別の流路を通して、流量制限が存在し得る。
【0078】
好ましい形態においては、ドーズチャンバ5も、ダンプチャンバ2と同様に、中空の円筒形の容積としても説明され得る、リング状または環状のチャンバである。
図1に示されるような好ましい形態においては、これは、ダンプチャンバ2に沿っている。
【0079】
安全機能は、ドーズチャンバ5、および、場合によっては、ダンプチャンバ2からの圧力を、独立してダンプする能力である。このようにして、弁および作動システム1は、安全モードまたは非動作モードにすることができる。ドーズ弁部材11の他のいずれのロックアウトシステムもない場合、少なくともドーズチャンバ5からの圧力をダンプすることは、ドーズ弁部材11の発射を防止し、それ故ワークロード17の発射を防止することとなる。
【0080】
好ましい形態においては、ドーズチャンバ5の圧力をダンプすることは、流路によって接続されているためダンプチャンバ2の圧力もダンプすることとなるが、最初にドーズチャンバのもの、次いでダンプチャンバのものと順次に実行されるか、またはドーズチャンバ内の圧力がダンプチャンバ内の圧力をオーバーライドできず、それ故ドーズ弁部材が閉じられたままになり、したがって装置が発射できない、他の制御された態様で実行される。
【0081】
一例として、本発明のアーキテクチャが釘打ち機に採用される場合、ドーズチャンバ5の圧力をダンプすることは、釘打ち機を装備解除し、その発射を防止することとなる。操作者が工具を再び使用する準備ができた状態となり工具を再起動するまで、引き金が引かれても、ダンプチャンバ2への(およびしたがってドーズチャンバへの)、または少なくともドーズチャンバへの高圧流体の流入を防止するさらなるロックアウトが存在し得、このようにして、ドーズチャンバ5からのあらゆる安全弁を閉じ、その後に動作流体がダンプチャンバ2、および、したがって、次いで、ドーズチャンバ5に入ることを可能にし、工具または少なくとも装置1が再び作動する準備ができた状態となる。単にダンプチャンバ2をダンプし、さらなる動作流体が該チャンバに入ることを可能にしないことも選択肢の1つであるが、ドーズチャンバ5が装備状態とされ次いで仕事チャンバ8およびその中のあらゆるワークロード17を発射することとなるため、このことは安全ではない。この理由のため、「電源を切る」または「安全にする」機能は、ダンプチャンバ2から圧力をダンプしてはならず、その代わりに、少なくともドーズチャンバ5のみからまたはドーズチャンバ5を最初にダンプまたは解放しなければならない。
【0082】
好ましい形態においては、ダンプチャンバ2の中心軸、およびドーズチャンバ5の中心軸は、装置の主軸18と平行であり、好ましい形態においては、これらはすべて同心である。しかし、いくつかの形態においては、平行でありながら、これらは互いからオフセットのものであり得る。
【0083】
安全性を増加させるため、意図しない圧力損失用の安全逆止弁29Aおよび29Bが存在し得、これは、締め付け用途で必要とされるであろう機能である。
【0084】
これらのうち第1のものは、致命的な供給不良用の逆止弁29Aである。トリガの上流において大きなリーク流路が発生する極端なイベントにおいては、このことはダンプチャンバ2が圧力を失うことに導き得る。ダンプチャンバからダンプチャンバ2に供給が入るインライン逆止弁は、ダンプチャンバ2がリークを通して戻るようダンプして発射イベントをトリガすることを止める。ハウジングの種類およびシステムの全体性、ならびに他のコンポーネントの流量容量に依存して、この安全機能は必要ではないと判断され得るが、それは非常に十分に検討された上での判断である必要がある。
【0085】
これらのうち第2のものは、スローリーク用の安全逆止弁29Bである。意図しないスローリーク、または圧力供給ベントを介した通常の圧力損失が発生した場合、発射イベントに帰着し得るため、ドーズチャンバ5はダンプチャンバ2よりも著しく高い圧力になることが可能にされてはならない。致命的な供給不良用の逆止弁の上流にある逆止弁が、このことを実現する。供給圧力がドーズチャンバの圧力よりも降下すると、空気は、ドーズチャンバからリーク用の安全逆止弁に流れ、最終的には不良リーク点から大気中に流出する。
【0086】
トリガ機構は、ダンプチャンバ2内の圧力をダンプするスプール弁を利用し得る。代替的に、ダンプチャンバ2への動作流体3の流れを中断し、ダンプチャンバ2を大気中への排気に接続する、スプール弁が使用され得る。スプール弁は次いで、排気を閉じて供給をダンプチャンバ2に再接続する第1の状態に戻り得る。このことは、第1の位置において、ダンプチャンバおよびドーズチャンバを補充するために高圧流体を供給し、次いで第2の位置に移動すると、高圧流体の供給を完全に遮断し、次いでダンプチャンバを大気圧または基準圧力もしくはより低い圧力に接続する効果を有する。このことは次いで、ダンプチャンバがその圧力を解放すること、およびしたがって、ドーズチャンバがドーズ弁を開き、後に仕事を実行するように仕事チャンバまたはワークロード31を補充することを可能にする。
【0087】
ダンプチャンバ2とドーズチャンバ5との間には、ドーズ弁部材11が存在する。ドーズ弁部材11は、
図2に示されるような閉位置13、および
図7に示されるような開位置15を有する。一形態においては、ドーズ弁部材11は、付勢されて閉じられている。ドーズ弁部材11は、環状封止面12を有し、この環状封止面は、好ましい形態においては、図示されるように、鈍角のまたは丸みを帯びたナイフエッジであるか、または実質的にかかる形態である。この環状封止面12は次いで、閉位置13において、封止部材34において封止する。好ましい形態においては、封止部材34は、図示されるような、Oリング、正方形の断面のリング、X字型(または「クワッド」)リング、もしくは一体化された共成形された封止要素、または同様の断面のゴムもしくはゴム様材料であるが、封止面12に対して必要なだけ封止することができる限り他の形態も許容可能であり、以下に説明されるように反対の配置も利用することができる。封止部材34は、例えば、
図2に示されるように、ドーズチャンバの壁上またはその近傍にある。代替的に、封止部材34は、ドーズ弁部材11上にあり、封止面12は、ドーズチャンバの壁上またはその近傍にあり得る。
【0088】
ドーズ弁部材が
図6および
図7に示されるように開位置15にあるとき、環状封止面12と封止部材34との間に隙間16が提示または作成または形成される。このことは、ドーズチャンバ5から仕事チャンバ8への出口7を形成する。このことは、圧力下の動作流体が仕事チャンバ8内に入ることを可能にする。
【0089】
好ましい形態においては、ドーズ弁部材11は、例えばドーズばね35によって、付勢されて閉じられる。
【0090】
図示されるようなドーズ弁部材11は、その直線軸18に沿ってかつ平行に延在する長細のスカート23を有する。この長細のスカート23は、開位置15にあるとき、ダンプチャンバ2内に受容される。好ましい形態においては、長細のスカート23は、ダンプチャンバ2全体を充填する。閉位置13にあるとき、長細のスカートは、ダンプチャンバ2である環状の空隙の壁を部分的に形成する。ダンプチャンバ内の流体圧力は、ドーズ弁部材11の後面36に作用して、部分的にそれを閉じた状態に保持する。それ故、この流体圧力は、ダンプ弁部材11を閉位置13にさらに押し込むよう作用し、環状封止面12と封止部材34との間の封止を増加させる。このことは、ドーズばね35とともに、またはドーズばね35の代わりに行われる。
【0091】
ドーズ弁部材11の前面37は、ドーズチャンバ内の動作流体3からの圧力も受ける。しかしながら、ドーズ弁部材は、この圧力および/またはダンプチャンバとの面積差によって閉位置に保持される。このときドーズ弁部材11が開くのは、ダンプチャンバ内のこの圧力が低減させられたときのみである。高い圧力のため、この開きは非常に高速であり、0.01~2秒、好ましくは0.5秒未満で起こる。
【0092】
定常状態の状況においては、ドーズチャンバ5とダンプチャンバ2との間の圧力は、実質的に同じであり、典型的には、ほとんどの高速発射状況についても、それらは同じとなる。しかしながら、ダンプチャンバ2は、ドーズチャンバ5に提示される前面よりも後面36上に圧力が作用する大きな面積を有し、したがってドーズ弁部材11は閉じられたままである。ドーズチャンバ5が、ドーズ弁部材11を開くのに十分な力を有するのは、ダンプチャンバ2内の圧力が、例えば以上に説明されたようなトリガシステムによって、低減させられ、ダンプされ、ベントされまたは放出されたときのみとなる。
【0093】
ドーズチャンバ5およびその出口7から下流には、仕事チャンバ8が存在する。この仕事チャンバは、ドーズ弁部材11が開放位置15に移動するときに、ドーズチャンバ5から仕事流体3を受容する入口端10において入口9を有する。
【0094】
仕事チャンバ8は、ワークロード17を含む。このワークロードは、限定するものではないが、ピストン内で往復運動するピストンのような捕捉されたワークロードであり得るか、または仕事チャンバ8から射出される発射体などのような捕捉されないワークロードであり得る。代替的に、ピストンまたは発射体のようないずれの物理的なアイテムも仕事チャンバ内に存在しない場合があり、チャンバ内にまたはチャンバから放出されて仕事を行うものは圧力波であり得る。
【0095】
好ましい形態においては、ワークロードは、好ましくは、ドーズ弁部材11が開く前にはその背後に存在する空隙または容積を有さずに、入口端10に配置される。
【0096】
同様に、ドーズチャンバ5およびドーズ弁部材11の下流に、排気弁20が存在する。この排気弁は、仕事チャンバ8の上流にあり得るか、または、仕事流体3が同時にまたはほぼ同時に両方に対して動作する、仕事チャンバ8と同じストリーム位置にあり得る。
【0097】
排気弁20はまた、
図3に示されるような開位置、および
図7に示されるような閉位置を有する。排気弁は、開位置にあるとき、1つ以上の排気ポート21を露出させ、閉位置にあるとき、これらを閉じる。好ましい形態においては、排気弁20は、例えば排気ばね38によって、またはこれに加えてもしくはその代わりに以下に説明されるような引張部材28によって、開位置に付勢される。
【0098】
排気弁20は、ドーズ弁部材11が開くと動作流体3によって閉位置に移動し、かくして排気ポート21を閉じて仕事チャンバ8に閉じた容積を提供する。
【0099】
仕事チャンバ8がこの加圧された動作流体3にさらされると、その中のワークロードは動作流体からエネルギーを受けて該動作流体から作用を受け、例えば仕事チャンバ8の反対側の端22に移動する。このワークロードは次いで、例えば発射体としてそこから吐出され得るか、または例えばピストンの場合には戻り得る。
【0100】
以上に説明されたように、ワークロードを発射位置、すなわちドーズ弁端または入口端の近くに戻すための1つの方法は、ワークロードの前側31、例えばピストンの前側31において、エアクッションを使用することである。このエアクッションは、戻りチャンバ39により形成される。後側においても、ばねなどが使用され得る。
【0101】
別の方法は、代替として、またはこれに加えて、
図11A~
図11Cに示されるように、例えば、ピストンのようなワークロードの後側32において引張部材28を使用することである。引張部材28は、その弛緩状態または弛緩状態に近い状態において、ワークロードを仕事チャンバの入口端の近くまたはそれに接するように保持する、例えば、限定するものではないが、シリコーンゴムまたは同様の材料のような、弾力性のある弾性要素であり得る。
【0102】
作動システム1が発射され、ワークロードが仕事チャンバ8に沿って移動すると、引張要素28は伸長する。発射ストロークが完了すると、ワークロードは、仕事チャンバ8の弁端または入口端10に戻る必要があり、ワークロードの仕事側または後側における圧力は低減させられる。引張部材は、それ自体で、またはワークロードの前面31におけるエアクッションもしくは他の蓄積されたエネルギーと連動して、再び収縮しようとすることとなる。このようにして、この引張部材は、エアクッションがこの引張部材を押す間、ワークロードを仕事チャンバ8の入口端10に向けて引き戻すことになる。
【0103】
引張部材28は、仕事チャンバ8の内部に接続され得るか、または仕事チャンバの壁を通って延在し、外側面、本体、固定、または締結方法によって接続もしくは拘束され得る。
【0104】
他の形態においては、引張部材は、
図11A~
図11Cに示されるように、排気弁20、例えば、座部、ピストンまたは可動要素に接続され得る。排気弁20は、発射時に、以上に説明されたように、ワークロードが仕事チャンバ8に沿って移動するときに、排気ポート21を閉じることになる。仕事ストロークの完了時、またはその近くにおいて、排気弁20は、排気ポート21を開いてワークロードの前部における圧力を低減させ、したがって仕事チャンバ8の入口端10における開始位置に戻ることを容易にするようタイミングを合わせられる。
【0105】
引張部材28が排気弁20に接続されると、引張部材28は、少なくとも部分的に、または完全に、排気弁20の動きを制御して排気ポート21を開くことを支援することとなるよう調整される。このことは、ワークロードの位置に基づいて排気要素に力を付与することによって、排気ポート21が開くことを調整しタイミングを合わせるための追加的な方法である。このことは、ピストン戻りチャンバ39を完全に除去する(したがって、部品数、封止不良の可能性、および/または複雑さを低減する)ために使用することができ、または例えば一方向逆止弁のようなその構成要素のいくつかを除去し、または少なくともピストン戻りチャンバ39のサイズの低減を可能にし、またはピストン戻りチャンバが低圧で効果的に動作させられることを可能にするため、利点を提供し得る。
【0106】
加えて、引張部材28が弾性材料である場合、少なくともそれが経験するであろう伸長については、典型的には、引張部材が伸長するとともに断面積を低減させ、膨張するとともに断面積が拡大する。このことは、
図11A~
図11Cに明確に示されている。
【0107】
図11に示されるような引張部材28は、少なくとも部分的に、排気弁20を通して接続され得る。したがって、引張部材28が伸長すると、
図11Bに見えるようにその断面積を低減させ、典型的には、ワークロードがそのストロークの極限にあり、したがって高圧流体によって仕事が行われ、ワークロードが戻る準備ができたときに、それが通って接続される排気弁20の部分を開くこととなる。排気弁20は次いで、以上に説明された作用の下で、任意選択的にさらには引張部材28が引っ張ることおよび細くなることにより開き、ポート21から離れて開位置に移動することとなる。引張部材28が細くなることは次いで、排気弁20の本体、この場合は中心部を通る、さらなる排気経路を可能にする。
【0108】
この特徴はさらに、排気弁20および排気ポート21の開くタイミングを合わせるために利用することができる。このようにして、排気弁20がポート21を開閉するのに必要とされる直線運動を低減することができる。
【0109】
本装置は、少なくとも部分的に収容され、ハウジング33によって説明された構造のいくつかを形成する。本装置は、その主な長さに沿って延びる主軸18を有する。
【0110】
ここで、本発明による弁および作動システムの動作の方法が、
図1~
図10を参照しながら説明される。弁、ワークロードおよび動作流体3の動きの方向は矢印により示され、動作流体の位置はクロスハッチ線を用いて明確にされている。
【0111】
図3においては、ダンプチャンバ2がドーズチャンバ5よりも速く充填され、ドーズ弁部材11が閉じることおよび封止力の付勢を生成または追加する。この充填速度の差は、ドーズチャンバ5がダンプチャンバ2から流路6を介して供給されること、およびその流路における弁26の任意の制限部25のため不可避であり、生じる圧力差の量は、ダンプチャンバ2に入るおよびダンプチャンバ2から出る流路の流量容量に依存する。また、ドーズチャンバ5は、一方向弁を通して充填され得る。
図4においては、ドーズチャンバ5は、補充されて示されている。
【0112】
図5においては、トリガ機構27が作動されると、ダンプチャンバ2は、本例においては例えば大気圧または基準圧のようなより低い圧力にまで、排気または放出される。ドーズ弁部材11における力のバランスは、内側封止、外側封止および面封止の圧力領域により交換される。他の形態においては、ダンプチャンバは仕事チャンバ8に排気し得る(効率をわずかに増加させ、効率のためにドーズチャンバ5を極端に小さくする必要性を部分的に緩和することになる)。
【0113】
図6においては、ドーズチャンバ5が次いで開き、加圧ガスが流れて、本例においては図示されるようにピストンであるワークロード17の背後の小さな空間を充填する。このことは、
a.ドーズ弁部材11における開く力の付勢をさらに増加させて完全に開き、ダンプチャンバ2内の残りのガスを押し出す。
【0114】
b.排気弁にエネルギーを付与し、排気弁を閉位置に向かって移動させ始める。
【0115】
c.仕事チャンバに沿ってワークロードを動かし始める。
【0116】
ドーズチャンバ5内の動作流体3は、
図7に示されるように膨張し、圧力が降下して、ワークロード17を仕事チャンバ8に沿って押す。図示されるようにピストン形状である排気弁20は、排気ポート21、およびしたがってワークロードの背後にある仕事チャンバを封止するために、その面封止に対して封止される。
【0117】
本例においてはピストンであるワークロードは、移動すると、
図8における戻りチャンバの一方向弁40を通過し、ワークロードの前側31における仕事チャンバ圧力がピストン戻りチャンバ39へと広がることを可能にする。ドーズ弁部材11に力付勢ばね35(図示されていない)が嵌合されている場合、調整に依存してドーズ弁部材11をそのときに、そのわずかに前に、またはそのわずかに後に閉じることになる。
【0118】
図9に示されるように排気圧力が到達され、排気ばね38が圧力の力に打ち勝って排気弁20、およびしたがって排気ポート21を開くことを可能にする。このことは、ピストン戻りチャンバ39内の動作流体3、および/または引張部材28によって駆動されるワークロードの戻り、すなわち装填を可能にする。ドーズばね35が含まれている場合、ドーズ弁部材11はこの段階において閉位置13に移動するが、このばねがない場合、ドーズ弁部材11は開いたままとなり、ドーズチャンバ5は仕事チャンバに、および続いて排気が開かれた後に大気中に、完全に排気されることとなる。
【0119】
ワークロード17の背後に残った動作流体3はポート21を通して大気中に排気され、ワークロード17は
図10に示されるように入口端10に戻る。
【0120】
トリガを引くかまたは他の態様で作動させると、発射機構、すなわちダンプチャンバ2への動作流体の供給が遮断される。次いで、トリガ機構27の解放時に、ダンプチャンバ2およびドーズ5チャンバが迅速に再補充される。他の形態においては、トリガ機構27を作動させることは、供給を瞬間的に遮断するが、その後、トリガ機構が解放されなくても、ダンプチャンバ2を再充填する。
【0121】
トリガ27の解放は、トリガが依然として押下されている間に再充填を可能にするように、すなわちトリガが短時間しか有効でないように、何らかの態様で自動化され、ラッチ駆動され、もしくはばね駆動され得るか、またはトリガ動作の一部として工具がワークピースに対して保持されることを確実にする釘打ち機に使用される安全要素のような別のトリガ要素に依存し得る。
【0122】
排気は、ドーズ弁部材11の位置とは独立して生じ得る。
【0123】
本発明は、貫通型の締め付け工具、気体圧式モータ、発射物発射装置、高速パルス空気または流体弁などにおいて、潜在的な用途を有し得る。動作流体は、圧縮ガスであり得、好ましくは、4500PSI以上を供給源として使用して高度に圧縮されたものであり得るが、例えば空気、二酸化炭素、窒素などの、調整して降圧されたものであり得る。代替的な形態においては、動作流体は、液圧流体、超臨界流体などであり得る。
【0124】
本発明は、先行技術に対して多くの利点を提供する。
・弁は非常に効率的であり、利用可能なエネルギーの高い割合が高圧流体から抽出することができる。このことは、より多くの反復が高圧流体源から得られることを可能にし、供給源の再補充に関連するコストを減少させ、運動伝達装置を使用する利便性を増加させる。
・システムの閉鎖された性質、およびサイクルの開始から終了までの流体圧力の大きな低減のため、装置により生成される騒音が著しく低減され、使い勝手を増加させる。
・サイクルごとに必要とされる加圧流体の量が少ないため、より多くの反復が安全に実現される。
・作動システムの排気の間に吐出される加圧流体の容積がより少ないため、排気要件、およびこのプロセスに関連する潜在的な安全上の危険性が低減される。例えば、加圧された流体が二酸化炭素である場合、ドライアイスが排気中に発生する危険性が低減される。
・弁の開く領域は、ドーズチャンバの容積に対して大きく、弁の領域は,急速に開く。したがって、満杯に補充された高圧ガスは非常に迅速にドーズチャンバから出て、弁は開いた後すぐに閉じた状態に戻ることができる。このことは、この機構が非常に高いサイクル速度で効果的に動作することを可能にし、ワークロードがチャンバに沿って移動している間であっても、ドーズチャンバおよびダンプチャンバが補充され、再び発射する準備ができている状態にすることができる。
・信頼性の高い圧力ダンプ、力付勢封止およびトリガを使用した、高いパワー密度の、極めて高い効率の気体圧式力作動を可能にする。
【0125】
本発明の前述の説明は、その好ましい形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、それに修正を加えることができる。