(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】上部電極の傾斜及び位置調節システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
(21)【出願番号】P 2023205262
(22)【出願日】2023-12-05
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】519433126
【氏名又は名称】ヴイエム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、テ ジン
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-359232(JP,A)
【文献】特開平11-193471(JP,A)
【文献】特開2012-126968(JP,A)
【文献】特開2001-053065(JP,A)
【文献】特開2008-066135(JP,A)
【文献】米国特許第05354413(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程チャンバ(C)の下部電極モジュール13と対向して配される上部電極モジュール11と、
工程チャンバ(C)の上側部分に結合されるリード12と、
リード12の上面に配される少なくとも3つのモータ14a、14bと、
少なくとも3つのモータ14a、14bと上部電極モジュール11とを
それぞれ連結する連結手段と、を含
み、
少なくとも3つのモータ14a、14bによる連結手段の選択的な作動によって上部電極モジュール11の傾きが調節される
ことを特徴とする上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項2】
連結手段は、ベローズ構造の誘導管路15a、15bを通じて上部電極モジュール11に連結される
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項3】
少なくとも3つのモータ14a、14bは、リード12の縁部に互いに分離されて配される
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項4】
少なくとも3つのモータ14a、14bは、リード12の中央部分に互いに分離されて配される
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項5】
少なくとも3つのモータ14a、14bは、1つの誘導ホール22を通じて連結手段によって上部電極モジュール11と連結される
請求項4に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項6】
上部電極モジュール11の下側に配されるシャワーヘッド111を含み、シャワーヘッド111は、外側に傾いた傾斜誘導部分111aを含む
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項7】
上部電極モジュール11の周面に形成されるパージギャップをさらに含む
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項8】
上部電極モジュール11の周面に結合される接地リング61をさらに含み、接地リング61は、円状のリングベース611及びリングベース611に沿って形成された多数個の流動ホール612_1ないし612_Nを含む
請求項1に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【請求項9】
接地リング61は、伸縮性を有する
請求項8に記載の上部電極の傾斜及び位置調節システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部電極の傾斜及び位置調節システムに係り、具体的に、下部電極に対する上部電極の位置または傾斜の調節によって工程空間の調節が可能な上部電極の傾斜及び位置調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の高い集積度と高効率構造との形成のために、パターンは、次第に微細に変化し、これにより、多様な物質の適用を通じて半導体素子の製造のための性能が発展している。このような発展につれて、パターンが次第に微細化され、構造が複雑かつ深くなりながら、全体工程の数とそれぞれの工程難易度は、迅速に高くなっている。生産力を考慮して高難易度工程を進行するために、ウェーハの収率を保持及び向上させることが必須不可欠であり、これにより、全体工程の均一度、単位時間当たり生産量、工程プロファイル(Profile)の形成のような工程因子が工程装備の競争力として急浮上している。多様な半導体装備製造社は、当該主要性能を向上させるために、温度の均一性向上、プラズマの密度調整、シース(Sheath)領域の調整のような多様な固定要素の多様な開発に努力を傾けている。特に、最近、1つの工程内の多数のエッチング段階で異なるプロセスガスの使用と多様な領域帯のRF出力を使用するような次第に複雑な工程が必要となる状況で従来の制御ノブ(Control Knob)で限界点が明らかになっており、追加的な制御ノブの活用が不可避であると言える。半導体製造過程に工程因子の改善と関連して、特許文献1は、基板上にエッチングされるレイヤ内にマスクを通じて高アスペクト比のフィーチャーをエッチングする方法について開示する。また、特許文献2は、プラズマチャンバに用いられるRFパワー供給器(RF power supplier)及びマッチングネットワークについて開示する。工程エッチングの均一度の向上及び工程ギャップ(gap)の制御のために、例えば、上部電極と下部電極との間隔または上部電極または下部電極の間に形成される空間構造が調節される必要がある。しかし、先行技術または公知技術は、それを調節することができる技術について開示しない。
【0003】
本発明は、先行技術の問題点を解決するためのものであって、下記のような目的を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開番号WO 2005/022623(ラムリサーチコーポレーション、2006.03.10.公開)多様な周波数のRF電力変調を用いる高アスペクト比のエッチング
【文献】大韓民国特許公開番号10-2011-0014520(アドバンスト・マイクロファブリケーション・イクイップメント・インコーポレイテッド・アジア、2011.02.11.公開)スイッチング可能なバイアスパワーを備えるプラズマチャンバ及びそのためのスイッチング可能な周波数RFマッチネットワーク
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電動モータを活用して上部電極のリアルタイム位置及び傾きの調整が可能であり、これにより、工程エッチングの均一度の向上及び固定ギャップ制御(Process Gap Control)を通じたエッチングプロファイルの制御ノブとして活用されるようにするモータによる上部電極の傾き及び位置の調整が可能な調節システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適切な実施形態によれば、上部電極の傾斜及び位置調節システムは、工程チャンバの下部電極モジュールと対向して配される上部電極モジュール;工程チャンバの上側部分に結合されるリード;リードの上面に配される少なくとも3つのモータ;及び少なくとも3つのモータと上部電極モジュールとを連結する連結手段;を含む。
【0007】
本発明の他の適切な実施形態によれば、少なくとも3つのモータによる連結手段の作動によって上部電極モジュールの傾きまたは上下位置が調節される。
【0008】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、連結手段は、ベローズ構造の誘導管路を通じて上部電極モジュールに連結される。
【0009】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、少なくとも3つのモータは、リードの縁部に互いに分離されて配される。
【0010】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、少なくとも3つのモータは、リードの中央部分に互いに分離されて配される。
【0011】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、少なくとも3つのモータは、1つの誘導ホールを通じて連結手段によって上部電極モジュールと連結される。
【0012】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、上部電極モジュールの下側に配されるシャワーヘッドを含み、シャワーヘッドは、外側に傾いた傾斜誘導部分を含む。
【0013】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、上部電極モジュールの周面に形成されるパージギャップをさらに含む。
【0014】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、上部電極モジュールの周面に結合される接地リングをさらに含み、接地リングは、円状のリングベース及びリングベースに沿って形成された多数個の流動ホールを含む。
【0015】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、接地リングは、伸縮性を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による上部電極の傾き及び位置調整が可能な調節システムは、エッチング均一制御ノブ(Etch Uniformity Control Knob)として機能しうる。具体的に、本発明による調節システムは、均等なプラズマ密度の形成のために、CCP(Capacitively Coupled Plasma)電極を有して構成する場合、上部電極の接地(Ground)面積が最大になるように設計して下部基板と電極との間のプラズマ領域を拡大し、プラズマ密度を均一にする。また、Shower HeadのGas噴射口を区域別に分け、設計特性上、Gas噴射の差が発生する場合、追加的なGas比率の変更あるいはTuning Gasの追加でPlasma Uniformityをより容易に調整可能にする。それ以外にも、下部基板を固定する静電チャックの温度均一性を保持するために、区域別の温度調整が可能になるようにヒーターと冷媒ラインとを構成するなど多様な方法を研究して使用している。エッチングプロファイル(Etch Profile)の場合、主に基板の外郭部に発生し、排出(Exhaust)によるガス流動(Gas Flow)の変化、外郭でのシース面積(Sheath Area)の傾きの形成、基板とエッジリング(Edge Ring)との温度差のような多様な原因によって変形される。これにより、このような現象の制御のために、シース領域の傾きの変形を目的として上部外郭電極の形状は、内側メイン電極に比べて、突出するように設計される。そして、平面状(flat from)のシース領域が基板外郭部に形成されるようにする。さらにDCを印加するような付随的な動作を通じて下部シース領域の傾きを制御する。また、下部基板の外郭に存在するエッジリングまたはフォーカスリングの材質を基板材質と同じシリコンで製作してウェーハがより広く開かれたような形状に見られるようにし、実際シース領域の傾きが発生する部分をエッジリング方向に移動させて基板全体が平面状のシース領域になるようにする。さらにエッジリングと基板との温度差によって、プラズマのラジカルイオンの方向が変われるので、基板外郭でのエッチングプロファイルによってエッジリングの温度を基板温度と対比して、昇降させる方式で調節する。このように多様な方法を通じてエッチングの均一性及びプログラムファイル制御を行うが、設計公差あるいは製造公差によるエッチングマップの偏向のような工程結果の差が発生する場合、補正ができる方法は制限され、ほとんどの場合、基板中心を基準に円形的な調整のみ可能であり、基板で左右側の偏差などを改善する方法はより制限的である。本発明による調節システムは、設計公差または製造公差の偏向がリアルタイムで補正されるようにする。具体的に、モータを用いて工程過程でリアルタイムで上部電極の傾きの形成または上下動きが可能であって、工程別または単一工程内の多様なエッチング過程で均一性またはプログラムファイルの制御を可能にする。これにより、本発明による調節システムは、工程結果を決定する主な媒介変数として適用されてリアルタイム制御ノブとして活用されるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による上部電極の傾き及び位置の調整が可能な調節システムの実施形態を示した図面である。
【
図2】本発明による調節システムのためのモータ配置構造の実施形態を示した図面である。
【
図3】本発明による調節システムで中心モータ制御構造の実施形態を示した図面である。
【
図4】本発明による調節システムで側面壁構造の実施形態を示した図面である。
【
図5】本発明による調節システムでガスパージ構造の実施形態を示した図面である。
【
図6】本発明による調節システムで電極接地構造の実施形態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明は、添付図面に提示された実施形態を参照して詳細に説明されるが、実施形態は、本発明の明確な理解のためのものであって、本発明は、これに制限されるものではない。下記の説明で、互いに異なる図面で同じ図面符号を有する構成要素は、類似した機能を有するので、発明の理解のために、不要であれば、反復説明はせず、公知の構成要素は、簡略に説明されるか、省略されるが、本発明の実施形態から除外されない。
【0019】
図1は、本発明による上部電極の傾き及び位置の調整が可能な調節システムの実施形態を図示したものである。
【0020】
図1を参照すれば、上部電極の傾斜及び位置調節システムは、工程チャンバ(C)の下部電極モジュール13と対向して配される上部電極モジュール11;工程チャンバ(C)の上側部分に結合されるリード12;リード12の上面に配される少なくとも3つのモータ14a、14b;及び少なくとも3つのモータ14a、14bと上部電極モジュール11とを連結する連結手段;を含む。
【0021】
工程チャンバ(C)は、真空チャンバになり、プラズマによってウェーハに対するエッチング工程のような半導体工程が行われる空間になりうる。工程チャンバ(C)の内部に上側に静電チャック(Electrostatic Chuck)131が位置する下部電極モジュール13が配置される。そして、下部電極モジュール13と対向するように工程チャンバ(C)の上側に上部電極モジュール11が配置される。下部電極モジュール13は、下部電極、下部電極の上側に配される静電チャック131;静電チャック131の内部に配されて工程過程でウェーハの温度を調節するヒーター132;エッジリング133;及びエッジリングヒーター134を含みうる。下部電極に互いに異なる周波数を有したRF電力が制御器17を通じて印加され、冷却器18によって静電チャック131の温度を所定の範囲に保持するための冷却水(coolant)が供給されうる。また、フィルターユニット19を経由して電力が供給されてヒーター132が作動する。工程チャンバ(C)の上側にリード12が結合されて工程チャンバ(C)が密閉され、リード12は、工程チャンバ(C)の上側部分を取り囲むフレームブロック121に結合される円板状になりうる。リード12の下側に上部電極モジュール11が配され、上部電極モジュール11は、リード12の上面に配される少なくとも3つのモータ14a、14bと構造的に連結される。具体的に、少なくとも3つのモータ14a、14bの作動によって上部電極モジュール11の上下位置が調節されるか、上部電極モジュール11の傾きが調節される。リード12は、円板状になり、リード12の上面の互いに異なる位置に少なくとも3つのモータ14a、14bが配置される。例えば、3つのモータ14a、14bがリード14a、14bの縁部に沿って120°の円周角を有しながら分離されて配置される。または、3つのモータ14a、14bがリード12の中央部分に120°の円周角を有するように配置される。それぞれのモータ14a、14bに対応するようにリード12に誘導ホール122が形成され、誘導ホール122を通じてチャンバ(C)の内部に作動軸141a、141bが流入される。作動軸141a、141bの一端は、モータ14a、14bと連結され、作動軸141a、141bの他端は、上部電極モジュール11の上面に結合されうる。例えば、それぞれのモータ軸にピニオンギアが結合され、作動軸141a、141bのラックギアの構造になりうる。そして、それぞれのモータ14a、14bの作動によって作動軸141a、141bが上下に移動することができる。モータ14a、14bと作動軸141a、141bは、多様な方法で互いに連結され上部電極モジュール11を上下に移動させ、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0022】
誘導ホール122は、チャンバ(C)の内部に対して密閉される必要があり、そのために、誘導ホール122を取り囲む形態で誘導管路15a、15bが形成され、誘導管路15a、15bは、リード12の下面と上部電極モジュール11の上面とを連結する構造を有しうる。誘導管路15a、15bは、上下に伸縮性を有した構造からなり、例えば、ベローズ構造またはコルゲート管構造からなりうる。これにより、作動軸141a、141bの昇降によって誘導管路15a、15bの上下長さが調節される。誘導管路15a、15bの下側端部が上部電極モジュール11の上面と接触される部分は、密閉ユニット16a、16bによって密閉され、誘導管路15a、15bがチャンバ(C)の内部に対して遮断される。リード12の中央部分に中心ホール(CH)が形成され、中心ホール(CH)に中心誘導管路15cが形成されうる。中心誘導管路15cは、誘導管路15a、15bと類似した構造を有することができ、中心誘導管路15cの上側端部は、リード12の下面に接触され、中心誘導管路15cの下側端部は、上部電極モジュール11の上面に結合されうる。中心誘導管路15cの下側端部と上部電極モジュール11の上面とが接する部分に中心密閉ユニット16cが形成されうる。また、中心誘導管路15cは、上下に伸縮性を有した構造からなり、例えば、ベローズ構造またはコルゲート管構造からなりうる。このように形成された中心誘導管路15cを通じて冷却水ラインが上部電極モジュール11に誘導される。また、上部電極モジュール11の内部に配されたヒーターユニットに電力を供給するための電力線が誘導され、ガス(G)が中心誘導管路15cを通じて注入される。このような誘導管路15a、15b及び中心誘導管路15cの構造によって上部電極モジュール11が昇降可能となる。少なくとも3つのモータ14a、14bによって作動する少なくとも3つの作動軸141a、141bによって上部電極モジュール11の上下位置が決定されて上部電極モジュール11と下部電極モジュール13との間隔が調節される。また、少なくとも1つのモータ14a、14bによって作動する少なくとも1つの作動軸141a、141bの昇降によって上部電極モジュール11の傾斜が調節される。少なくとも3つのモータ14a、14bは、リード12の上面に多様に配され、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0023】
図2は、本発明による調節システムのためのモータ配置構造の実施形態を図示したものである。
【0024】
図2を参照すれば、3つのモータ14a、14b、14cがリード12の縁部の部分に120°の円周角を有するように互いに分離されて配置される。このような配置構造でそれぞれのモータ14a、14b、14cのために、リード12に誘導ホールが形成されなければならず、それぞれが誘導ホールを基準に3つの誘導管路が形成されなければならない。これに比べて、中央分離位置21a、21b、21cに3つのモータ14a、14b、14cが配される場合、1つの中心誘導ホール22が形成され、1つの中心誘導ホールに3つのモータ14a、14b、14cによって作動する3つの作動軸が配置される。したがって、本発明の一実施形態において、3つの中央分離位置21a、21b、21cに3つのモータ14a、14b、14cが配置される。3つの中央分離位置21a、21b、21cは、中心誘導ホール22の縁部に沿って120°の円周角を有するように互いに分離されて配され、以下、このような配置構造を基準に本発明が説明される。但し、モータ14a、14b、14cは、3つまたはそれ以上であり、本発明がそれに制限されるものではない。
【0025】
図3は、本発明による調節システムで中心モータ制御構造の実施形態を図示したものである。
【0026】
図3を参照すれば、3つのモータ14a、14bが中央分離位置に配され、3つのモータ14a、14bの中心に中心誘導ホール22が形成され、中心誘導ホール22を基準に1つの誘導管路15aが形成されうる。誘導管路15aは、上下方向に伸縮性を有した構造からなり、例えば、ベローズ構造またはコルゲート管構造からなりうる。また、誘導管路15aの下側端部が上部電極モジュール11の上面と結合される部分に密閉ユニット16aが形成されうる。このような構造を有する1つの誘導管路15aに沿ってそれぞれのモータ14a、14bと連結される作動軸141a、141bが延び、それぞれの作動軸141a、141bの下側端部は、上部電極モジュール11の上面に接触される。誘導管路15aの内部に沿って冷却水ライン(CL)が誘導され、上部電極モジュール11に配されるヒーター113に電力を供給するヒーターライン(HL)が誘導管路15aに沿って上部電極モジュール11に誘導される。プロセス進行のためのガス(G)が誘導管路15aを通じてチャンバ内部に注入される。また、パージ(Purge)のためのガスがリード12に形成されたパージホール(PH)を通じて上部電極モジュール11の上面を通じてチャンバ内部に注入される。上部電極モジュール11は、電極機能を有するシャワーヘッド111;シャワーヘッド111の上側に配されたヒーターブロック112;シャワーヘッド111の上面に配されるヘッドヒーター113;及びヒーターブロック112に配された多数個の冷却水経路141_1ないし141_Nからなりうる。このような構造を有する上部電極モジュール11の上面が中心を基準に3つの互いに異なる位置に3つの作動軸141a、141bの下側端部が正三角形の頂点となる位置に接触されて上部電極モジュール11を上下に移動させることができる。また、3つの作動軸141a、141bが選択的に作動して上部電極モジュール11の傾きが調節される。3つのモータ14a、14bは、独立して作動し、これにより、3つの作動軸141a、141bは、独立して上部電極モジュール11の上面の互いに異なる位置に同一であるか、互いに異なる力を印加することができる。3つの作動軸141a、141bによって印加される力によって上部電極モジュール11の上下位置または傾きが決定される。これにより、3つの作動軸141a、141bによって印加される力または移動長さを測定する手段が作られる必要がある。例えば、それぞれの作動軸141a、141bの移動距離は、線形測定手段(linear scaler)を適用して光学手段によって探知される。光学手段によって探知されたそれぞれの作動軸141a、141bの移動距離によって下部電極モジュールに対する上部電極モジュール11の相対的な距離が測定され、これと共に、上部電極モジュール11の平行状態が確認される。上部電極モジュール11の位置または傾きは、多様な方法で探知され、これにより、本発明はこれに制限されるものではない。
【0027】
図4は、本発明による調節システムで側面壁構造の実施形態を図示したものである。
【0028】
図4を参照すれば、上部電極モジュール11の下側に配されるシャワーヘッド111を含み、シャワーヘッド111は、外側に傾いた傾斜誘導部分111aを含む。上部電極モジュール11は、シャワーヘッド111は全体として円板状になりうる。上部電極モジュール11の上側部分のガスが上部電極モジュール11の周面に形成されたギャップに沿ってパージになる必要があり、ガスが迅速に排出されながら、工程空間に影響を及ぼさないようにシャワーヘッド111の縁部が上側から下側に傾斜することができ、これにより、シャワーヘッド111の縁部に傾斜誘導部分111aが形成されうる。そして、このような傾斜誘導部分111aによってフレームブロック121とシャワーヘッド111との周りに沿って傾斜誘導ギャップ(GP)が形成されうる。そして、このような傾斜誘導ギャップ(GP)によってガスの排出が迅速に行われながら、工程空間に影響を及ぼさない。傾斜誘導ギャップ(GP)は、多様な延長長さを有することができ、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0029】
図5は、本発明による調節システムでガスパージ構造の実施形態を図示したものである。
【0030】
図5を参照すれば、上部電極モジュール11の周面に形成されるパージギャップをさらに含む。中心誘導ホール22に沿って流入されたプロセスガスは、誘導管路15aに沿って流動してシャワーヘッド111を通じてチャンバ内部に流入される。また、パージガスは、リード12に形成されたパージホール(PH)に沿って注入されて上部電極モジュール11とリード12との間に流動して上部電極モジュール11とチャンバ側壁の内部面の間に形成されたパージギャップ(GP)とに沿って流動しうる。例えば、窒素またはアルゴンのように反応性が低い不活性ガスが中心誘導ホール22を通じて注入されて誘導管路15aに沿って流動しうる。これにより、真空チャンバ内部のガスまたはプラズマが上側への流動が防止されながら、エッチング過程から発生する中間生成物が上部空間への蒸着が防止されて粒子(particle)の発生を防止させる。そのために、シャワーヘッドの縁部が前述したように傾斜して形成されうる。または、後述するように、接地リングがシャワーヘッドの周面に配置される。
【0031】
図6は、本発明による調節システムで電極接地構造の実施形態を図示したものである。
【0032】
図6を参照すれば、上部電極モジュール11の周面に結合される接地リング61をさらに含み、接地リング61は、円状のリングベース611及びリングベース611に沿って形成された多数個の流動ホール612_1ないし612_Nを含む。シャワーヘッド111の縁部の部分に傾斜誘導部分111aが形成され、シャワーヘッド111の上面の周りに接地リング(ground ring)61が配置される。接地リング61は、円状のリング状になり、円状のリングベース611及びリングベース611に沿って形成された多数個の流動ホール612_1ないし612_Nからなりうる。リングベース611は、四角状の断面を有するリング状になり、リングベース611の内側面に沿ってガス流動が可能な多数個の流動ホール612_1ないし612_Nが形成されうる。接地リング61は、シャワーヘッド111の縁部とチャンバ側面壁の内部面との間に形成されたパージギャップに位置するように配置される。中心誘導ホール22に沿って流入されたガス(G)は、誘導管路15aに沿って流動してシャワーヘッド111を通じてチャンバ内部に流入される。また、パージガス(PG)は、パージホール(PH)を通じて上部電極モジュール11の上側に流入される。以後、パージガス(PG)は、上部電極モジュール11の周面に形成されたパージギャップに沿って流動しながら、接地リング61の流動ホール612_1ないし612_Nを貫通して傾斜誘導部分111aに沿って流動しうる。接地リング61は、伸縮性または弾性を有した素材からなり、これにより、上部電極モジュール11に対する結合位置によってサイズが調節される。接地リング61は、多様な構造からなり、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0033】
以上、本発明は、提示された実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、提示された実施形態を参照して、本発明の技術的思想を外れない範囲で多様な変形及び修正発明を作ることができる。本発明は、このような変形及び修正発明によって制限されず、ただ特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0034】
11:上部電極モジュール
12:リード
13:下部電極モジュール
14a、14b:モータ
15a、15b:誘導管路
22:誘導ホール
61:接地リング
111:シャワーヘッド
111a:傾斜誘導部分
612_1ないし612_N:流動ホール
【要約】
【課題】上部電極の傾斜及び位置調節システムを提供すること。
【解決手段】上部電極の傾斜及び位置調節システムは、工程チャンバ(C)の下部電極モジュール13と対向して配される上部電極モジュール11;工程チャンバ(C)の上側部分に結合されるリード12;リード12の上面に配される少なくとも3つのモータ14a、14b;及び、少なくとも3つのモータ14a、14bと上部電極モジュール11とを連結する連結手段;を含む。
【選択図】
図1