(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ネクタイ及びタイラバ
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A01K85/00 A
(21)【出願番号】P 2024026034
(22)【出願日】2024-02-22
【審査請求日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】P 2023049801
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)2022年5月31日 https: ameblo.jp/tai-raba/entry-12745727319.html ほか
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523111452
【氏名又は名称】有限会社喜樂
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】松岡 健彦
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3241302(JP,U)
【文献】登録実用新案第3241275(JP,U)
【文献】登録実用新案第3241289(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有し、均一な厚みに形成されたネクタイであって、
ハリスに取り付けられ
、一方に向かって延出する被取付部と、
前記被取付部
の延出端部における一方の縁部に接続され、前記被取付部の延出方向に略直線的に延出する直線縁部と、前記延出端部における他方の縁部に接続され、前記被取付部の延出方向に延出するとともに、山状に膨出する山状縁部と、を有するボディ部と、
前記直線縁部の延出端に接続され、螺旋状に延出する一の螺旋縁部と、前記山状縁部の延出端に接続され、螺旋状に延出する他の螺旋縁部と、を有するテール部と、
を備え、
前記山状縁部は、前記被取付部の延出方向に直交する一方に向かって山状に形成されており、
前記一の螺旋縁部と前記他の螺旋縁部は、前記被取付部の延出方向に直交する他方に向かって螺旋状に形成されており、
前記一の螺旋縁部と前記他の螺旋縁部の間の幅寸法が漸減するよう形成される、ネクタイ。
【請求項2】
前記ボディ部は、前記被取付部よりも幅広く形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のネクタイ。
【請求項3】
前記山状縁部は、
前記被取付部側に設けられた第1山状縁部と、
前記テール部側に設けられた第2山状縁部と、
を備える、請求項1に記載のネクタイ。
【請求項4】
前記第2山状縁部は前記第1山状縁部よりも膨出していることを特徴とする、請求項3に記載のネクタイ。
【請求項5】
前記被取付部は、
前記ハリスに係止される係止部と、
前記係止部と前記ボディ部の間に形成された拡幅部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のネクタイ。
【請求項6】
前記ボディ部には、フックを引っ掛ける引掛穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のネクタイ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のネクタイを備えるタイラバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りにおいて疑似餌として用いられるネクタイ及びタイラバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タイ釣りにおいて、刺し餌や撒き餌を用いずに、疑似餌でタイを釣るタイラバ(「タイカブラ」ともいう。)と呼ばれる仕掛けが流行している。タイラバは、ヘッドと呼ばれる鉛玉と、水中において揺動動作する揺動体と、ハリスに取り付けられたフックと、により構成されており、これらの部材が、道糸に接続されたリーダーに取り付けられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、揺動体として機能するネクタイが記載されている。当該ネクタイは、樹脂シート(シリコンゴムシート)を切り出して形成されたシングルタイプのネクタイであり、部分的に厚みが異なるように形成されている。その例として、両端部分よりも中程部分が厚くなるように形成されたネクタイが記載されている。また、他の例として、両端部分よりも中程部分が薄くなるように形成されたネクタイが記載されている。このようにネクタイの厚みに変化を設けることで、水中でのネクタイの動きに変化を持たせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ネクタイは、水中を移動する際の水の抵抗によって揺動動作(以下、「アクション」ともいう)するものであり、当該アクションによってタイの食い気を誘うものである。したがって、小さなアクションではタイを誘引することができないため、ある程度の大きさのアクションが求められる。そこで、本発明は、魚の食い気を誘うアクションが可能なネクタイ及びタイラバを提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、アクションが大きくなるに従って、アクション中のネクタイがハリスやフックに絡まりやすくなり、その結果、所望のアクションが得られない、フックが機能しない、などの問題が生じることとなる。そこで、本発明は、ハリスやフックに絡まり難いネクタイ及びタイラバを提供することを第2の目的とする。
【0007】
さらに、タイラバが水中を移動する際、特にフォールする場合において、フックが道糸に絡まることによって、タイのアタックに合わせたフッキングができない場合がある。そこで、本願発明は、フックが道糸に絡まることを防止し得るネクタイ及びタイラバを提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、弾性を有し、均一な厚みに形成されたネクタイであって、ハリスに取り付けられる被取付部と、前記被取付部から延出するボディ部と、前記ボディ部の延出先部から前記ボディ部の一方側方に向かって湾曲しながら延出するテール部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記のネクタイにおいて、ボディ部は、前記被取付部より幅広く形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記のネクタイにおいて、前記ボディ部は、前記一方側方とは逆の他方側方に向かって幅広く形成された拡幅部を含むことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、上記のネクタイにおいて、前記拡幅部は、前記ボディ部の延出元部側に設けられた第1拡幅部と、前記ボディ部の延出先部側に設けられた第2拡幅部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、上記ネクタイにおいて、前記第2拡幅部は、前記第1拡幅部よりも幅広く形成されたことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、前記第2拡幅部は、前記ボディ部の延出元部側から延出先部側に向かって幅が漸増する部分を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上記ネクタイにおいて、前記被取付部は、先端に設けられ、前記ハリスに係止される係止部と、前記係止部と前記ボディ部の間に形成された拡幅部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上記ネクタイにおいて、前記ボディ部には、フックを引っ掛ける引掛穴が形成されていることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明のタイラバは、上記のネクタイを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、魚の食い気を誘うアクションが可能となる。また、ネクタイがハリスやフックに絡まり難くなる。さらに、フックが道糸に絡まることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るタイラバの一部構成を示す写真である。
【
図3】(a)水中における上記タイラバの静止状態を示す図、(b)水中における上記タイラバの移動状態を示す図
【
図4】(a)第2実施形態のタイラバが備えるネクタイの平面図、(b)当該タイラバの一部拡大図
【
図6】(a)変形例4に記載の一のネクタイの平面図、(b)変形例4に記載の他のネクタイの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係るタイラバを説明する。
【0020】
[第1実施形態]
【0021】
第1実施形態に係るタイラバ100は、タイを釣るための疑似餌であって、
図1に示すように、二股状に形成されたハリス110と、取付部材120と、ネクタイ130と、フック140と、を備えている。
【0022】
ハリス110は、一本のライン111が片側部分において二つ折りにされ、二つ折りに形成された部分において2重止め結びされることにより形成されており、ループ状部112と、ストッパー部113と、短ライン111aと、長ライン111bと、を備えている。ループ状部112は、後述のネクタイ130のヘッド部131が挿入される程度の大きさのループ状に形成されている。ストッパー部113は、ループ状部112の根本に形成されており、後述の取付部材120の位置を止めるものである。当該ストッパー部113は、上記2重止め結びにより形成される。短ライン111aは、ストッパー部113から短く延出したライン111であり、その端部にフック140aが取り付けられている。長ライン111bは、ストッパー部113から短ライン111aよりも長く延出したライン111であり、その端部にフック140bが取り付けられている。なお、ハリス110は、短ライン111aと長ライン111bを備えるものに限定されず、上記ストッパー部113から同定度の長さに延出した一対のライン111を備えるものであっても構わない。
【0023】
取付部材120は、ネクタイ130をハリス110に取り付けるための部材であり、ビーズ状に形成されている。当該取付部材120は、貫通穴が形成されており、当該貫通穴に上記ハリス110のループ状部112が通される。
【0024】
ネクタイ130は、厚みの均一な弾性シート(シリコンシート)が切り抜かれて形成されたものであり、
図2に示すように、ヘッド部131、ボディ部132、及びテール部133により構成されている。なお、
図2に示された破線は、各構成の区切りを示すものであり、ネクタイ130の表面に表示される模様ではない。当該ネクタイ130の厚みは特に限定されないが、本実施形態では厚みが1mmに形成されている。また、本実施形態のネクタイ130は、ヘッド部131の長さが10mm、ボディ部132の長さが60mm、テール部133の長さが200mmに形成されているが、このような寸法には限定されない。また、当該ネクタイ130は、後述のように、ヘッド部131を前方に向けた姿勢で水中を移動するため、ヘッド部131をネクタイ130の前部と言い、テール部133の端部をネクタイ130の後部という。
【0025】
ヘッド部131は、ハリス110に取り付けられる被取付部として機能する部分であり、ネクタイ130の前部に形成されている。ヘッド部131には、その先端側から順に、係止部134および拡幅部135が設けられている。係止部134は、
図2に基づく平面視において錨状に形成されており、x方向正負両側に(左右に)対称的に延出する一対の爪部134a,134bと、一対の爪部134a,134bの中心からy方向正側(後方)に向かって延出する柄状部134cと、を備えている。拡幅部135は、柄状部134cの延出端に接続されており、x方向正負両側に(左右に)対称的に幅が広くなるように形成されている。
【0026】
ボディ部132は、ヘッド部131からy方向正側(後方)に向かって延出し、
図2に基づく平面視において、当該延出方向に向かって片側に幅広く形成された拡幅部136,137を含む。具体的には、ボディ部132は、ヘッド部131とテール部133の間に形成されており、x方向負側に幅が広くなるように(幅が漸増するように)形成された拡幅部136,137を有する。本実施形態のボディ部132は2つの拡幅部136,137がy方向正側(後方)に向かって連続して形成されている。拡幅部の一方136(「第1拡幅部136」という。)はヘッド部131側に形成されており、拡幅部の他方137(「第2拡幅部137」という。)はテール部133側に形成されている。これら第1拡幅部136および第2拡幅部137は、x方向負側にのみ幅が広く(膨らむように)形成されており、x方向正側の幅方向はストレート状に形成されている。当該第1拡幅部136の最大幅Hb(膨らみ)は、ヘッド部131との接続部分の幅Haの2倍程度であり、第2拡幅部137の最大幅Hc(膨らみ)は、第1拡幅部136の最大幅Hbの2倍程度となっている。当該第1拡幅部136の最大幅および第2拡幅部137の最大幅は当該態様に限定されず、第2拡幅部137が第1拡幅部136よりも幅広く形成されていればよい。また、第1拡幅部136の長さはヘッド部131の長さと同程度であり、第2拡幅部137の長さは第1拡幅部136の長さの4倍程度に形成されている。当該第1拡幅部136および第2拡幅部137の長さは当該態様に限定されず、第2拡幅部137の長さは第1拡幅部136の長さよりも長く形成されていればよい。
【0027】
テール部133は、前記ボディ部132から延出し、上記ボディ部132の拡幅部136,137が形成された片側とは逆側に形成されている。具体的には、テール部133は、第2拡幅部137の終端部からx方向正側に向かって弧を描くように延出し、その末端にかけて螺旋状に形成されている。当該テール部133は、その幅寸法が延出方向に進むに従って漸減するように形成されている。
【0028】
上記のように構成されるネクタイ130は、
図1に示すように、そのヘッド部131がハリス110に取り付けられる。具体的には、ヘッド部131の係止部134が上記ループ状部112内に挿入された後に、当該ループ状部112に取付部材120が取り付けられることにより、係止部134がストッパー部113と取付部材120により挟まれた状態でループ状部112に係止されるとともに、拡幅部135によってヘッド部131の位置ずれが防止される。このようにネクタイ130のヘッド部131は、ハリス110に取り付けられる被取付部として機能し、水中におけるネクタイ130の脱落を防止することができる。
【0029】
図3(a)に示すように、ハリス110に対してネクタイ130及び取付部材120が取り付けられた後に錘150が取り付けられる。錘150は、鉛やタングステンによって形成された丸型の錘であり、その表面が、オレンジ、赤、黄、緑、又は黒などの色で着色されている。当該錘150には貫通穴が形成されており、当該貫通穴に対してハリス110のループ状部112が通され、当該ループ状部112に対して道糸160が取り付けられる。このように、フック140、ハリス110、ネクタイ130、取付部材120、及び錘150によってタイラバ100が構成されている。
【0030】
本実施形態のタイラバ100が水中において静止している状態においては、
図3(a)に示すように、ネクタイ130は起立姿勢となる。具体的には、ボディ部132の面方向が鉛直方向を向き、テール部133が螺旋を描きながら垂れ下がる姿勢となる。
図3(a)に示されるように、テール部133の下端と長ライン111bのフック140の位置が同じ高さとなる。
【0031】
次に、道糸160が巻き取られた場合には、タイラバ100が水中を移動することとなり、
図3(b)に示すように、ネクタイ130は前傾姿勢となる。具体的には、テール部133が、水の抵抗を受けることにより、後方側においてランダムに揺動することとなる。このように、ボディ部132の後方においてテール部133が揺動することにより、ボディ部132の後端部分には持ち上がる方向の力(「持上力」という。)が作用する。ここで、当該持上力が作用する方向に、ボディ部132の第2拡幅部137が拡幅しているとともに、ネクタイ130そのものが弾性を有しているので、持上力に対抗する力がテール部133に作用する。その結果、ボディ部132がヘッド部131を起点として前傾(角度θ)した状態で、その後方においてテール部133がランダムに揺動する。また、ボディ部132とヘッド部131の接続箇所が第1関節となり、さらに、第1拡幅部136と第2拡幅部137の接続箇所が第2関節となって、ボディ部132は、移動方向に対して左右に多関節的に揺動することとなる。
【0032】
このように、本実施形態のタイラバ100は、ボディ部132が前傾した状態で左右に揺動することとなり、テール部133がボディ部132の後方においてランダムに揺動することとなるので、ネクタイ130とハリス110及びフック140の間隔が上下左右に広がることとなるため、ハリス110やフック140がネクタイ130に絡まり難くなると共に、タイの食い気を誘う所望のアクションが可能となる。
【0033】
[第2実施形態]
【0034】
図4に示すように、第2実施形態に係るタイラバ200は、二股状に形成されたハリス110と、取付部材120と、ネクタイ230と、フック140と、錘150と、を備えている。当該ハリス110、取付部材120、フック140、及び錘150は第1実施形態と同様の構成である。本実施形態のネクタイ230は、第1実施形態のネクタイ130と同じ形状であるが、ボディ部232に引掛穴238が形成されている点で第1実施形態のネクタイ130とは異なっている。以下、第1実施形態とは異なる点、即ちボディ部132の引掛穴238について説明し、第1実施形態と共通する構成についての説明は省略する。
【0035】
引掛穴238は、短ライン側111aのフック140を引っ掛けるための穴であり、本実施形態では第2拡幅部237におけるヘッド部231側中央に形成されている。当該引掛穴238の形成位置は、第2拡幅部237に限定されず、短ライン111aの長さとフック140の寸法に基づいて定められる。具体的には、引掛穴238の形成位置は、係止部234cから引掛穴238までの長さが、フック140の胴141(軸)の長さと短ライン111aの長さを合計した長さに相当するように定められる。また、本実施形態の引掛穴238は、ボディ部232の延伸方向に長く形成されており、ヘッド部231側が狭く、テール部233側が広くなるように形成されている。しかし、引掛穴238の形状は当該形状に限定されず、円形、楕円形、多角形などであっても構わない。
【0036】
本実施形態のタイラバ200は、短ライン111aのフック140が引掛穴238に引っ掛けられた状態で使用される。これにより、タイラバ200の水中移動時、特にフォール時において、フック140が道糸160や長ライン111bに絡まることを防止することができる。また、ネクタイ230において引掛穴238の周囲が幅狭く形成されるので、当該部位が変形しやすくなり、上記第2関節の揺動動作を向上させることができる。ここで、タイ(魚)は、ヘッド部231側からアタック(食べてくる)することが多い。したがって、ヘッド部231側の揺動動作を向上させることでタイを効果的に誘引しつつ、短ライン111aのフック140の絡まりを防止して、タイのアタックに対して確実にフッキングすることができる。
【0037】
[第3実施形態]
【0038】
第3実施形態に係るタイラバは、二股状に形成されたハリス110と、取付部材120と、ネクタイ330(
図5)と、フック140と、錘150と、を備えている。当該ハリス110、取付部材120、フック140、及び錘150は、第1実施形態と同様の構成である。
図5に示すように本実施形態のネクタイ330は、いわゆるダブルタイプのネクタイである点で、第1実施形態のネクタイ130(シングルタイプ)と異なっている。以下、本実施形態のネクタイ330を主に説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0039】
図5に示すように、本実施形態のネクタイ330は、中央に設けられた帯状に延在する被取付部331と、被取付部331から一方に延出する一のボディ部332aと、被取付部331から他方に延出する他のボディ部332bと、一のボディ部332aから延出する一のテール部333aと、他のボディ部332bから延出する他のテール部333bと、を備えている。当該一のボディ部332aと他のボディ部332bは、被取付部331の中心を対称の中心として点対称に延在しており、同様に、一のテール部333aと他のテール部333bは、被取付部331の中心を対称の中心として点対称に延在している。このように、一のボディ部332aと他のボディ部332bの形状は同様であり、一のテール部333aと他のテール部333bの形状は同様であるため、以下、一のボディ部332a及び一のテール部333aを説明することとし、他のボディ部332bと他のテール部333bの説明は省略する。
【0040】
被取付部331は、その中心が若干幅狭く(若干凹状に)形成されている。この様に中心が幅狭く形成されることで、ハリス110の位置ずれを防止することができる。なお、当該被取付部331の幅寸法は図示した態様に限定されず、更に幅が狭く形成されても構わない。この様に更に幅を狭く形成することで、水中移動時におけるボディ部332a,332bの動きをより大きくすることが可能となる。
【0041】
一のボディ部332aは、被取付部331から帯状に延出する帯状部336aと、帯状部336aから片側に幅広く形成された拡幅部337aと、を有している。当該帯状部336aは被取付部331と同程度の幅寸法に形成されている。拡幅部337aは、第1実施形態の第2拡幅部137と同様の形状に形成されている。一のテール部333aは、一のボディ部332aの後端部(延出端部)から延出しており、第1実施形態と同様に螺旋状に形成されている。
【0042】
本実施形態のタイラバは、ネクタイ330の被取付部331がハリス110のループ状部112内に通された状態で取付部材120によって留められる。当該タイラバは、水中において、被取付部331を先頭にして移動することとなり、一対のボデイ部332a,332bおよび一対のテール部333a,333bの各々は、第1実施形態のボディ部132およびテール部133と同様のアクションを実現する。
【0043】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、下記のような変形態様であっても構わない。
【0044】
<変形例1>
ボディ部132は、第2拡幅部137のみを備える態様であっても構わない。また、ボディ部132は、第1拡幅部136および第2拡幅部137に加えて第3拡幅部を備えても構わない。当該第3拡幅部は、第1拡幅部136および第2拡幅部137と同様に幅広く形成される。
【0045】
<変形例2>
ヘッド部131の係止部134は、錨状に限定されず、T字状や鉤状に形成されても構わない。
【0046】
<変形例3>
ネクタイの色は、特に限定されず、オレンジ、赤、黄、緑、青であっても良いし、光沢がある素材を用いても構わない。
【0047】
<変形例4>
上記第1実施形態では、ボディ部132において、第2拡幅部137の最大幅Hcが第1拡幅部136の最大幅Hbよりも幅広く形成されているが、当該態様に限定されない。例えば、
図6(a)に示すネクタイ430aであっても構わない。当該ネクタイ430aのヘッド部431は、第1実施形態のネクタイ130のヘッド部131と同様である。また、当該ネクタイ430aのテール部433は、第1実施形態のネクタイ130のテール部133と同様である。当該ネクタイ430aのボディ部432aは、第1拡幅部436の最大幅と第2拡幅部437の最大幅が同程度に形成されている。
また、
図4(b)に示すネクタイ430bであっても構わない。当該ネクタイ430bのヘッド部431は、第1実施形態のネクタイ130のヘッド部131と同様である。また、当該ネクタイ430bのテール部433は、第1実施形態のネクタイ130のテール部133と同様である。当該ネクタイ430bのボディ部432aは、ヘッド部431よりは幅広く延出する帯状に形成されている。このように、ネクタイのボディ部は、ヘッド部との連結部分(延出元部)よりもテール部との連結部分(延出先部)が幅広く形成されたものであればよい。
本変形例のネクタイ430a,430bも第1実施形態と同様に、水中移動時には、テール部433が水の抵抗を受けて、ボディ部432a,432bの後方において揺動することとなる。このようにテール部433が揺動することで、ボディ部432a,432bに対して持上力が作用することとなり、ボディ部432a,432bが前傾した姿勢となって水中を移動することとなる。これにより、魚の食い気を効果的に誘引することができる。
【0048】
<変形例5>
テール部133は、螺旋状に形成されたものに限られず、弧状やジグザグに形成されたものであっても構わない。例えば、
図7に示すネクタイ530であっても構わない。当該ネクタイ530のヘッド部531およびボディ部532は、第1実施形態のネクタイ130のヘッド部131およびボディ部132と同様である。本変形例のネクタイ530のテール部533は、弧状に形成されている。具体的には、テール部533は、ボディ部532の拡幅部536,537の拡幅方向とは逆側に向かって延出し、且つ、ボディ部532の第1拡幅部536に向かって半円弧を描くように湾曲して延出している。当該テール部533は、先端が先細るように形成されている。
【0049】
当該ネクタイ530は、水中移動時に、テール部533が、水の抵抗を受けることにより、後方側においてランダムに揺動することとなる。このように、ボディ部532の後方においてテール部533が揺動することにより、ボディ部532の後端部分には持ち上がる方向の力(「持上力」という。)が作用する。その結果、ボディ部532がヘッド部531を起点として前傾した状態で、その後方においてテール部533がランダムに揺動することとなり、効果的に魚を誘引することができる。なお、当該テール部533の形状は、上記ネクタイ230のテール部233、ネクタイ330の一対のテール部333a,333b、ネクタイ430aのテール部433、及びネクタイ430bのテール部433に適用することができる。
【0050】
<変形例6>
上記第2実施形態において記載した引掛穴238は、他の実施形態や上記変形例のネクタイ330,430a,430b,530や、他の種々の形状のネクタイに形成することができ、当該引掛穴238が形成されたタイラバは、短ライン111a側のフック140が道糸160に絡まることを防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
100 タイラバ
110 ハリス
120 取付部材
130 ネクタイ
140 フック
150 錘
230 ネクタイ
330 ネクタイ
430a ネクタイ
430b ネクタイ
530 ネクタイ