(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】結び目形成具
(51)【国際特許分類】
B65B 67/06 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
B65B67/06 Z
(21)【出願番号】P 2024094932
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2021552416の分割
【原出願日】2020-10-14
【審査請求日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2019189667
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】305017675
【氏名又は名称】矢口 太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】矢口 太郎
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0025438(US,A1)
【文献】米国特許第05810214(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物にラッピング用の紐をかけ、少なくとも2つのループを有する結び目を形成するための結び目形成具であり、
ユーザが手で把持可能な本体と、
前記本体の一端部に形成され、前記対象物にかけられた紐の交差点を前記対象物との間
に挟ん
で押えるための交差点押さえ部と、
前記本体の、上記交差点押さえ部に対向する他端側に設けられ、前
記交差点から伸びた一方の紐の端部を引っ掛けて折り返して
第1のループを形成するための第1のループ形成部と、
上記交差点押さえ部と第1のループ形成部との間に設けられ、上記交差点から伸びた他方のリボンの端部を、前記第1のループの下にくぐらせて折り返し第2のループを形成するための第2のループ形成部とを有する
ことを特徴とする結び目形成具。
【請求項2】
請求項1記載の結び目形成具において、
前記第2のループ形成部は、上記交差点押さえ部と第1のループ形成部との間に設けられ、第1のループ形成
部で折り返したリボンを通すためのスリットと、上記第2のループを把持したユーザの指を挿入可能な空間部とを有するものである
ことを特徴とする結び目形成具。
【請求項3】
請求項1記載の結び目形成具において、
前記紐を45度の角度で折り返すための折り返し用スリットを有するものである
ことを特徴とする結び目形成具。
【請求項4】
請求項1記載の結び目形成具において、
一方若しくは両面に紐に結び目を形成するための手順が矢印及び番号で印字されている
ことを特徴とする結び目形成具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折り目付け具及びその折り目付け器具を用いたギフトラッピング方法、結び目形成具及びそれを用いた結び目形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、箱状の贈り物をラッピングする方法として、包装紙を用いる方法が一般的である。
【0003】
その場合、包装紙の上に箱を置いた後、その箱の側面を覆うように包装紙を折り曲げ、全ての面を覆った後、ほどけないようにテープ等で止めるように行っていた。
【0004】
ここで、箱のラッピングの方法としては、主にキャラメル包みと斜め包みとがある。
【0005】
キャラメル包みとは、包装紙の中央に、箱の各辺を包装紙の各辺を平行にした状態で置き、左右の紙を箱の上面中央で止めた後、手前と奥の側面を閉じるという方法である。
【0006】
一方、斜め包みは、商品に対して包装紙を斜めに置き、回転させて包むものである。この包み方は、キャラメル包みと比較してスピーディーに包めるのと、停めるためのテープが少なくできるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、斜め包みの場合、包装紙と箱の角度が平行ではないので、紙の大きさを決めるのが難しいということがある。また、紙の大きさに対して適切な包み初めの位置を決めたり、角度をきめるのが難しい。さらに、斜め包みの場合、包装紙を織り込みながら二重にプリーツを付けていく必要があり、手技をマスターするのが困難である。
【0008】
また、包装紙でのラッピング後、包装紙をテープで止める代わりに又はテープと共にリボンをかけて結びたいという場合がある。しかしながら、リボンの結び目を作ることに関しても、手わざをマスターするのが困難である。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、斜め包みを含む包装紙でのラッピングを効果的に行える器具及び方法を提供することにある。
【0010】
また、同様にリボンや紐による結び目の形成を効果的に行える器具及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この発明の主要な観点によれば、以下の発明が提供される。
【0012】
(1) 薄板状の本体と、
前記本体の、第1の方向に沿う全長に亘って設けられた第1のヒンジと、
前記本体の、第2の方向に沿う全長に亘って設けられ、第1のヒンジと交差する第2のヒンジと、
前記第1のヒンジと第2のヒンジの交点から、前記第1のヒンジと第2のヒンジのなす角の二等分線に沿って前記本体の外側に向かう一方向に延出された第3のヒンジと
を有し、
包装紙上に対象物を載せた状態で、上記包装紙を挟んだ前記対象物下に上記本体の上記第3のヒンジが設けられていない反対側の部分を挿入して上記交差点を上記対象物の1つの角に一致させた後、上記本体の前記対象物の外側の部分を、上記第1、第2のヒンジで谷折り、上記第3のヒンジで山折りすることで、上記包装紙に折り目を付けるように構成されている
ことを特徴とする折り目付け具。
【0013】
(2) 上記(1)の折り目付け具において、
前記第1のヒンジと第2のヒンジのなす角度は90度である
ことを特徴とする折り目付け具。
【0014】
(3) 上記(2)記載の折り目付け具において、
この折り目付け具は、斜め包み用であり、
この本体には、この本体を包装紙のエッジ(縁)と位置決めするための基準線が描画されている
ことを特徴とする折り目付け具。
【0015】
(4) 上記(3)記載の折り目付け具において、
前記基準線は、前記第1のヒンジ若しくは第2のヒンジと約33度を成して描画されている
ことを特徴とする折り目付け具。
【0016】
(5) 折り目付け具を用いて対象物を包装する方法であって、
折り目付け具は、
薄板状の本体と、
前記本体の、第1の方向に沿う全長に亘って設けられた第1のヒンジと、
前記本体の、第2の方向に沿う全長に亘って設けられ、第1のヒンジと交差する第2のヒンジと、
前記第1のヒンジと第2のヒンジの交点から、前記第1のヒンジと第2のヒンジのなす角の二等分線に沿って前記本体の外側に向かう一方向に延出された第3のヒンジと
を有するものであり、
この方法は、
包装紙上に対象物を載せた状態で、上記包装紙を挟んだ前記対象物下に上記本体の上記第3のヒンジが設けられていない反対側の部分を挿入して上記交差点を上記対象物の1つの角に一致させる工程と、
上記本体の前記対象物の外側の部分を、上記第1、第2のヒンジで谷折り、上記第3のヒンジで山折りすることで、上記包装紙に折り目を付ける工程と
を有することを特徴とする方法。
【0017】
(6) 上記(5)記載の折り目付け方法において、
前記第1のヒンジと第2のヒンジのなす角度は90度である
ことを特徴とする方法。
【0018】
(7) 上記(5)記載の折り目付け具において、
この折り目付け具は、斜め包み用であり、
この本体には、この本体を包装紙のエッジ(縁)と位置決めするための基準線が描画されている
ものであり、
この方法は、
前記本体を、前記基準線を包装紙のエッジ(縁)と位置決めし、上記交差点とヒンジを対象物の角及び辺を位置決めする工程を有する
ことを特徴とする方法。
【0019】
(8) 対象物にラッピング用の紐をかけ、少なくとも2つのループを有する結び目を形成するための結び目形成具であり、
ユーザが手で把持可能な本体と、
前記本体の一端部に形成され、前記対象物にかけられた紐の交差点を前記対象物との間挟んでこの押えるための交差点押さえ部と、
前記本体の、上記交差点押さえ部に対向する他端側に設けられ、前記最初の交差点から伸びた一方の紐の端部を引っ掛けて折り返すための第1のループ形成部と、
上記交差点押さえ部と第1のループ形成部との間に設けられ、上記交差点から伸びた他方のリボンの端部を、前記第1のループの下にくぐらせて折り返し第2のループを形成するための第2のループ形成部とを有する
ことを特徴とする結び目形成具。
【0020】
(9) 上記(8)記載の結び目形成具において、
前記第2のループ形成部は、上記交差点押さえ部と第1のループ形成部との間に設けられ、第1のループ形成部27で折り返したリボンを通すためのスリットと、上記第2のループを把持したユーザの指を挿入可能な空間部とを有するものである
ことを特徴とする結び目形成具。
【0021】
(10) 上記(8)記載の結び目形成具において、
前記紐を45度の角度で折り返するための折り返し用スリットを有するものである
ことを特徴とする結び目形成具。
【0022】
(11) 上記(8)記載の結び目形成具において、
一方若しくは両面に紐に結び目を形成するための手順が矢印及び番号で印字されている
ことを特徴とする結び目形成具。
【0023】
なお、上記に記載された以外の特徴については、以下の実施形態及び図面に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態を示す包装用キットの斜視図。
【0025】
【0026】
【
図3】
図3は、同じく、折り目付け具の平面図及び側面図。
【0027】
【
図4】
図4は、同じく、使用時の形態を示す斜視図。
【0028】
【
図5】
図5は、同じく、包装紙と対象物、折り目付け具の位置関係を示す概略図。
【0029】
【
図6】
図6は、同じく、サーバ及びユーザインタフェースを示す模式図。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【
図15】
図15は、同じく、リボン結び目形成具を示す平面図。
【0039】
【
図16】
図16は、同じく、リボン結び目形成具を示す平面図。
【0040】
【
図17】
図17は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0041】
【
図18】
図18は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0042】
【
図19】
図19は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0043】
【
図20】
図20は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0044】
【
図21】
図21は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0045】
【
図22】
図22は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0046】
【
図23】
図23は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0047】
【
図24】
図24は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0048】
【
図25】
図25は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0049】
【
図26】
図26は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0050】
【
図27】
図27は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0051】
【
図28】
図28は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0052】
【
図29】
図29は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0053】
【
図30】
図30は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0054】
【
図31】
図31は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0055】
【
図32】
図32は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【0056】
【
図33】
図33は、同じく、リボン結び目形成工程を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、この発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
【0058】
1.包装具キット
図1,
図2中に示すのはこの実施形態に係る包装具キットである。
【0059】
このキットには、プレゼントや商品等の包装対象物をラッピングするのに使用する包装具として、ケース1と、このケース1内に収容された折り目付け具2と、リボン結び具3と、カッティングルーラ4とが収容されてなる。
【0060】
このケース1には、各ツール2~5を収納するために最適な形状の凹部1a、~1cが所定の位置に形成されており、それらの凹部1a~1cに各ツール2~4を挿入することで整理よく収納できるようになっている。
【0061】
このケース1には図示しない透明な蓋が付いており、蓋を占めることで各ツール2~4の脱落を防止できるようになっている。
2.折り目付け具
前記折り目付け具2は、
図3に示すように、略矩形状の薄板本体9と、前記薄板本体9の、第1の方向に沿う全幅に亘って設けられた第1のヒンジ10と、前記薄板本体9の第2の方向に沿う全幅に亘って設けられ、第1のヒンジ10と交差する第2のヒンジ11と、前記第1のヒンジ10と第2のヒンジ11の交点12から、前記第1のヒンジ10と第2のヒンジ11のなす角の二等分線に沿って前記本体の外側に向かう一方向に延出された第3のヒンジ13とを有する。
【0062】
前記薄板本体9は例えばポリプロピレン等の透光性プラスティック材料で形成されている。そして、上記第1~第3のヒンジ10、11,13は、この薄板本体9を両面若しくは片面側からプレス加工、切削加工、若しくはレーザ加工ですることにより、この部分の板厚を部分的に薄くすることによって形成されている。
【0063】
これら第1~第3のヒンジ10,11,13により、薄板本体9は、図に2a~2eで示す第1~5のパネルに分割されている。これらのパネルのうち、図に2aで示す第1のパネル(上記第3のヒンジ13に対し、上記第1、第2のヒンジ10.11の交点12を挟む点対称の位置のパネル)は、あとで説明するように、包装紙(ラッピングペーパー)上に包装対象物(箱等)を載せた状態で、上記包装紙下に挿入するようにして使用される。
【0064】
したがって、薄板本体9の板厚は、包装紙下にスムーズに挿入できるように、1.5mm以下、好ましくは1mm、0.7mm、0.5mm以下であることが好ましい。また、この薄板本体9の角部は面取り或は丸め成形されていることが好ましい。
【0065】
また、この薄板本体9には、この折り目付け具2を包装紙のエッジ(縁)と位置決めするための基準線15が描画されている。この基準線15の使い方については、次の使用法の箇所で説明する。
3.折り目付け具の機能
図4に示すように、第2、第3のパネル2b、2cに示すパネルは上記第1のパネル2aを基準として、対象物の側面に沿うように谷折りされることによって立ち上げるように用いられることが企図されている。そして、これらの第2、第3パネル2b、2cを立ち上げることにより、それに連動して上記第3のヒンジ部は第1、第2のヒンジの交点12を支点にして他端側が持ち上げられると共に山折りされ、この第3のヒンジ13を挟んで3角形状の第4、第5のパネル2d,2eが重ね合されるように折り畳まれる。
【0066】
上記第1のパネル2aに包装紙と対象物を載せている状態でこの動作を行うことにより、包装紙は、上記対象物と第2~第5のパネル2b~2eとの間に挟まれて折り曲げられ、上記第1~第3のヒンジ10,11,13に沿った折り目がつけられることになる。
3.折り目付け具の使用方法
この実施例では、
図5に示すように、適切な大きさ(幅W、縦H)の矩形状に切断された包装紙上17に箱形状の対象物18を置いて、図に矢印で示すように手前から奥側に転がしながら斜め包み(ダイアゴナルラッピング)する場合について説明する。
(1)包装紙の大きさの設定
ここで、包装紙17の大きさは、例えば、対象物18が6面体の場合、最も長い辺a、次に長い辺b、最も短い辺cの3つのパラメータから、計算に求めることが好ましく、この実施形態では、
図6に示すように、サーバ19にインストールされた包装紙サイズ計算プログラム21がこの計算を行ってスマホ等のディスプレイにユーザインタフェース20を提供するように構成されている。
【0067】
この実施形態では、上記折り目付け具2に設けられた基準線の角度θ、基準線15と上記交点12との距離tに応じて、上記包装紙のサイズH,Wを決定するように構成されている。
【0068】
したがって、この包装紙サイズ計算プログラム21は、上記折り目付け具の種類、その種類に応じた上記基準線15の角度θ及び距離t、上記対象物18のサイズa~c、そして必要な余白量d(図示せず)を用いて計算を行い、上記包装紙17の寸法H、Wを出力し、ユーザに表示する。
【0069】
また、折り目付け具2の種類によって計算することから、折り目付け具選択のオプションが表示されていることが好ましい。また、包装紙として用いる用紙によっても余白の量が変わることから包装紙17の種類のオプションも設けられていることが好ましい。
【0070】
さらに、対象物18が正立方体の場合、すなわち、a~cが同じ値の場合には、通常とは異なる包装方法(箱の奥位置が変わる)ことから、正立方体であるかあるいはa~cが等しいか略等しいかの判断を行うプログラムを有することが好ましい。
【0071】
そして、上記プログラム21は、ユーザインタフェース上に、選んだ箱の形に合わせてグラフィックを描画すると共に用紙のサイズを出力するようになっていることが好ましい。
【0072】
ここで、包装紙17の成形は、決定したサイズより大きなサイズの包装紙から切り出すようにしても良いし、不要な部分を折り曲げるようにして成形しても良い。
(2)位置合わせ工程
まず、次に上記折り目付け具2を用いた対象物18と包装紙17との位置決めを行う。
【0073】
斜め包みを行う場合、
図5に示すように、包装紙17上に最初に対象物18を置く位置が重要である。
【0074】
そこで、最初に、上記折り目付け具2の基準線15を包装紙17の手前の縁部17aに一致させて包装紙17上に置く。この時、上記基準線15は、例えば、図にtで示す交点12までの寸法が2.5cm(1インチ)かつ、第1のヒンジ10となす角度θが33度になる位置に設けられている。
【0075】
そして、この状態で対象物18を構成する3辺のうち、最も長い辺aを第1のヒンジ10に沿わせて置き、最も短い辺を第2のヒンジ11に沿わせておく。この状態で対象物18の包装紙17に接している面の最も手前のコーナK1が上記第1、第2のヒンジ10,11の交点12に一致することになる。
【0076】
そして、対象物18の包装物17に接している面の最も置く側のコーナK2が包装紙17の右側の端部17bと略一致するように、上記折り目付け具2と対象物18を手前の縁部17aに沿って平行に移動(矢印Y)させて両者と包装紙17の位置を調整する。
【0077】
このようにして基準線15が包装紙17の下縁部17aと一致した状態で、上記対象物18の2のコーナK1とK2が折り目付け具2及び包装紙17と位置決められたならば、
図7に示すように上記折り目付け具2を引き抜き、
図8以下に示す折り目付け工程を開始する。
(2)最初の折り目付け工程
まず
図8に示すように、包装紙17の下に上記折り目付け具2を挿入し、上記交点12と対象物18の左手前の角K1が一致するまで差し込み位置合わせする。
【0078】
次いで、
図9に示すように、折り目付け具2の手前の第2のパネル2bを立ち上げて、上記第1のヒンジ10に沿って包装紙17の右端の三角形の部分を上に折り上げる。そして、その状態で箱を手前から奥側に置く方向に倒す。このことで、対象物18は、
図10に示すように、最も大きな面が底面となった状態となる。
【0079】
この状態で、
図10に矢印で示すように、上記包装紙下に上記折り目付け具2の上記第1のパネル2aの部分を押し込んで上記交点12を上記対象物の底面の最も左手前の角K3に一致させると共に(
図11)、第1のヒンジ部10をもっとも長い辺aに沿わせて位置決めする。そして、
図12に示すように、上記折り目付け具2の第2のパネル2bを、上記第1のヒンジ10で谷折りすると共に、上記第2のヒンジ11を谷折りする。このことで上述したように第3のヒンジ13の他端が持ち上げられると共に山折りされ、上記包装紙17に
図12に示すような折り目を付けることができる。
【0080】
この折り目付け具によれば、第1~第3のヒンジ部10,11、13を同時に折り曲げることで、包装紙17の内側に折り込まれて外部から見えなくなる部分(図に円で囲んだ部分)の形成を段折りしながら中折りすることが容易且つ美しく行えることになる。
【0081】
次いで、
図13に示すように、この折り目付け具2を取り外し、上記折り目付け具でつけた折り目に沿って上記包装紙17を折り戻しながら、
図14に示すように、包装紙17の三角片を対象物18に重ねる。
(3)2回目以降の折り目付け工程の繰り返し
次いで、
図14に示す左奥側の角K4、そして右側の角K5、最も奥の角K6について順次、上記と同じ手順で折り目を付ける。すなわち、各コーナーについて、折り目付け具2で折り目を付けたならば折り目付け具2を取外し折り目を戻しながら箱を奥側に転がす、という動作を繰り返し、最後にテープで止めることでラッピングを終了する。
4.リボン結び具
次にリボン結び具3について
図15以下で説明する。
【0082】
このリボン結び具3は、上記でラッピングを終えた対象物18にリボンをかけ、結び目に超蝶結びを形成するためのツールであり、
図15に示すように、ユーザが手で把持可能な本体25と、前記本体25の一端部に形成され、前記対象物18にかけられたリボンの最初の交差点を前記対象物との間挟んでこの押えるための交差点押さえ部26と、上記交差点押さえ部26に対向する他端側に設けられ、前記最初の交差点から伸びた一方のリボンの一端部を引っ掛けて折り返すための第1のループ形成部27と、上記結び目押さえ部26と第1のループ形成部27との間に設けられ、上記交差点から伸びた他方のリボンの他端部で第2のループを形成した後、この第2のループを第1のループの下にくぐらせて折り返すための第2のループ形成部28とを有する。
【0083】
ここで、前記第2のループ形成部28は、上記交差点押さえ部26と第1のループ形成部27との間に設けられ、第1のループ形成部27で折り返したリボンを通すためのスリット29と、上記第2のループを把持したユーザの指を挿入可能な空間部30とを有する。
【0084】
また、この結び具3は、上記スリット29から45度の角度で伸びたリボン折り返し用スリット31を有する。
【0085】
さらに、この結び具3には、
図15に示すように、表側にリボンを蝶々結びするための手順が矢印及び番号で印刷されている。また、裏側には
図16に示すように、上記対象物18に十字にリボンをかけて交差点を作るための手順が矢印及び番号で印刷されている。
5.リボン結び具の使い方
この実施例では、十字結びを例にとって説明する。
(1)交差部の形成
最初に、
図17に示すように、上記リボン結び具3を対象物18表面の結び目を作りたい位置に置く。
【0086】
次に、
図18、
図19に示すように、リボン32の一端を手前に置いた状態から奥側へリボンを回し、対象物18の上から裏側に回して一回りさせる。そして、
図20に示すように、一回りさせたリボン32を上記リボン結び具3の折り返しスリット31で左側に折り返して横方向に転換する。
【0087】
そして、
図21に示すように、方向転換したリボンを裏側に一回りさせて右方向から表に戻した後、
図22に矢印で示すように、上記リボン押さえ部26の下に通して、若干上に引き上げることにより、矢印で示した部分にリボン32を引っ掛ける。
【0088】
そして、上記折り返し部31からリボン32を外した後、上記押さえ部26にリボンをひっかけたまま、
図23、
図24に示すように上記リボン結び具3を右斜め上方向に引き上げる。そして、全てのリボンを引き抜き(
図25)、リボン32の端32a、32bを相反する方向にグッと引くと
図26に示すように十字の交差部34を作ることができる。
(2)蝶々結びの形成
次に、このリボン結び具3をひっくり返して、上記押さえ部26を上記十字の交差部に重ねて上から指で押える。この時、右側のリボン端32aを上記リボン結び具3の空間部30から表側に出すようにして左側に倒し、この右側リボン端32aの返し部分もこのリボン押さえ具3で同時に押さえる。
【0089】
図28に示すように、次に左側のリボン端32bを、手でループを作りながら上に折り返し、そのループを上記第1のループ形成部27に引っ掛ける。そして、
図29に示すように、折り返したリボン片を上記スリット29から手前に出して、右側に垂らす。
【0090】
次に、左側に折り返された右側リボン端32aを上記折り返された左側リボン端32bの下に、図に矢印で示すように、通す。この時、作業しやすいように、上記空間部30が設けられている。
【0091】
このことで、
図30に示すように、左側リボン端32bで第2のループを形成するとともに、
図31に示すようにさらに下に引っ張ることで上記押しつけ部26回りに結び目を作る。
【0092】
そして、
図32に示すように、上記結び目からリボン結び具3取り外し、
図33に示すように、さらに硬く結に形を整えることで蝶々結びが完成する。
【0093】
以上、本願発明の最適な実施形態を説明したが、本願はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0094】
例えば、上記一実施気諦においては上記第1、第2のヒンジ部はプレス加工、レーザ加工、切り欠き加工等の機械加工で設けたが、エッチング等の化学加工によって形成してもよい。
【0095】
また、下降による成形方法に限られるものではなく、例えば本体と略大きさの0.2mm厚のPPシートを用意し、このシートの上若しくは両面のヒンジ以外の部分に、0.5mm厚の矩形状のPPシートを貼付することで形成されていても良い。この場合、上記ヒンジ以外場所を構成するパネルは、ヒンジ材料の両側に貼付されていても良い。
【0096】
また、この折り目付け具は斜め包用であったが、これに限定されるものではなく、キャラメル包用であっても良く、この場合には上記基準線は別の位置に設けられていても良い。
【0097】
なお、この実施形態では、6面体形状の対象物を想定しているため、ヒンジのなす角度は90度であるが、対象物が6面体以上の場合には、対象物の側面のなす角度に応じてそれらの角度を設定することが好ましい。
また、上記結び目形成具についても、上記実施形態のものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0098】
1…ケース
1a~1c…凹部
2a…第1のパネル
2b…第2のパネル
2c…第3のパネル
2d…第4のパネル
2e…第5のパネル
4…カッティングルーラ
9…薄板本体
10…第1のヒンジ
11…第2のヒンジ
12…交点
13…第3のヒンジ
15…基準線
17…包装紙
17a…縁部
17b…縁部
18…対象物
19…サーバ
20…ユーザインタフェース
21…包装紙サイズ計算プログラム
25…本体
26…交差点押さえ部
27…第1のループ形成部
28…第2のループ形成部
29…スリット
30…空間部
31…スリット
32…リボン
32a…リボン端
32b…リボン端
34…交差部