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特許7621023自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法
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  • 特許-自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20250117BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250117BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G08G1/00 A
B60W60/00
B60W50/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024116159
(22)【出願日】2024-07-19
【審査請求日】2024-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0109841
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524274668
【氏名又は名称】セルプラスコリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ミン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジョン フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ギョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン フン
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173933(WO,A1)
【文献】特表2021-516816(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0114496(KR,A)
【文献】米国特許第11126763(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第114296424(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B60R 16/00 - 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行車両の走行性能を検証する装置であって、
前記自律走行車両は、走行モードと検証モードとを有し、
走行モードで動作し、実際の道路を走行しながら、自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーからリアルタイムでセンシングされて提供されるセンシングデータをリアルタイムで受信する受信部と、
走行モードで動作し、前記センシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐させて提供する分岐部と、
走行モードでは、前記分岐部で提供される前記第2センシングデータをリアルタイムで保存し、検証モードでは、保存された前記第2センシングデータを再生するセンシングデータ再生部と、
実際の道路で行われる走行モードでは、リアルタイムで提供される前記第1センシングデータが前記自律走行車両の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に提供されるようにし、前記第1センシングデータに応答して実際の道路上で自律走行を行うようにして第1走行データを取得し、別途設定されたテスト道路で行われる検証モードでは、前記センシングデータ再生部を介して再生される前記第2センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供されるように制御し、前記電子制御ユニット(ECU)で前記第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で自律走行を行うようにして第2走行データを取得し、前記走行モードでの走行状況を記録した前記第1走行データと、前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって走行性能を検証する検証制御部と、を備え、
前記検証モードでは、前記受信部及び前記分岐部は動作しない
ことを特徴とする自律走行車両の走行性能検証装置。
【請求項2】
前記センサーは、カメラ、ライダー、レーダー、超音波センサー、操舵センサー、温度/湿度センサー、およびGPSのうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の自律走行車両の走行性能検証装置。
【請求項3】
前記電子制御ユニット(ECU)は、学習されたAI自律走行アルゴリズムを内蔵して前記第1センシングデータまたは前記第2センシングデータに応答して自律走行を行う
請求項1に記載の自律走行車両の走行性能検証装置。
【請求項4】
自律走行車両の走行性能検証方法であって、
前記自律走行車両は、走行モードと検証モードとを有し、
実際の道路で行われる走行モードが開始し、実際の道路を走行しながら、前記自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーからセンシングされてリアルタイムで受信されるセンシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐させる第1ステップと、
前記第1センシングデータは、前記自律走行車両の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に提供されるようにし、前記第2センシングデータは保存する第2ステップと、
前記電子制御ユニット(ECU)で前記第1センシングデータに応答して実際の道路上で自律走行を行うようにして第1走行データを取得する第3ステップと、
別途設定されたテスト道路で行われる検証モードが開始し、前記第2センシングデータを再生させて前記第2センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供されるようにする第4ステップと、
前記電子制御ユニット(ECU)で前記第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で自律走行を行うようにして第2走行データを取得する第5ステップと、
前記走行モードでの走行状況を記録した第1走行データと、前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって走行性能に対する検証を行う第6ステップと、を備え
前記検証モードでは、前記センシングデータは前記第1センシングデータと前記第2センシングデータに分岐されない
ことを特徴とする自律走行車両の走行性能検証方法。
【請求項5】
前記センサーは、カメラ、ライダー、レーダー、超音波センサー、操舵センサー、温度/湿度センサー、およびGPSのうちの少なくとも1つを含む
請求項4に記載の自律走行車両の走行性能検証方法。
【請求項6】
前記第1走行データ及び前記第2走行データのそれぞれは、自律走行車両の走行に要求される各部分の作動状態に対する情報を含む
請求項4に記載の自律走行車両の走行性能検証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法に係り、実際の道路でセンシングされたセンシングデータに基づいて実車シミュレーションを行って走行性能を検出することができる、自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行車両とは、運転者が車両の走行を操作するのではなく、車両自体で走行を制御して目的地まで移動する車両をいう。自律走行車両の駆動のためには、運転者に代わって周辺環境を監視するための様々な種類のセンサーを必要とし、自律走行車両は、センサーがセンシングしたセンシングデータを用いて人間、動物、他の車両及び交通信号などの対象物(以下、「オブジェクト情報」という。)を正確に認識し、認識後に対応する走行制御を行う。
【0003】
自律走行車両は、運転者の不注意なミスによる事故や攻撃的な形態の運転を防止することができるだけでなく、無免許、盲人、未成年者までも車両を自由に利用することができるという利点があるため、最近、自律走行の制御に関して多くの研究が行われている。
しかし、実際の車両が走行する道路環境は、予測不可能な部分が多く、発生可能な変数も多いため、安全で正確な自律走行が提供されるようにするためには、自律走行車両に対する走行性能の検証が必要となる。
【0004】
従来の走行性能の検証は、様々な事故環境を設定したシミュレータを用いて行われてきたが、このようなシミュレータ内で生成した事故環境とそれに対応するアルゴリズムを用いて行われるので、実車検証や、実際の道路でセンシングされたロードデータを用いた検証が行われないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0097646号(2022年7月8日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の問題点を克服することができる、自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、実際の道路でセンシングされたセンシングデータに基づいて実車シミュレーションを行い、走行性能を正確かつ効果的に検証することができる、自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題の一部を達成するための本発明の具体化によれば、本発明による自律走行車両の走行性能検証装置は、走行モードで動作し、実際の道路を走行しながら、自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーからリアルタイムでセンシングされて提供されるセンシングデータをリアルタイムで受信する受信部と、走行モードで動作し、前記センシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐させて提供する分岐部と、走行モードでは前記分岐部から提供される前記第2センシングデータをリアルタイムで保存し、検証モードでは保存された前記第2センシングデータを再生するセンシングデータ再生部と、実際の道路で行われる走行モードでは、リアルタイムで提供される前記第1センシングデータが前記自律走行車両の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に提供されるようにし、前記第1センシングデータに応答して実際の道路上で自律走行を行うようにして第1走行データを取得し、別途設定されたテスト道路で行われる検証モードでは、前記再生部を介して再生される前記第2センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供されるように制御し、前記電子制御ユニット(ECU)で前記第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で自律走行を行うようにして第2走行データを取得し、前記走行モードでの走行状況を記録した前記第1走行データと前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって走行性能を検証する検証制御部と、を備える。
【0008】
前記検証モードで、前記受信部及び前記分岐部は、動作しなくてもよい。
【0009】
前記センサーは、カメラ、ライダー、レーダー、超音波センサー、操舵センサー、温度/湿度センサー、およびGPSのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
前記電子制御ユニット(ECU)は、学習されたAI自律走行アルゴリズムを内蔵して前記第1センシングデータまたは前記第2センシングデータに応答して自律走行を行うことができる。
【0011】
上述した技術的課題の一部を達成するための本発明の他の具体化によれば、本発明による自律走行車両の走行性能検証方法は、実際の道路で行われる走行モードが開始し、実際の道路を走行しながら、前記自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーからセンシングされてリアルタイムで受信されるセンシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐させる第1ステップと、前記第1センシングデータは、前記自律走行車両の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に提供されるようにし、前記第2センシングデータは保存する第2ステップと、前記電子制御ユニット(ECU)で前記第1センシングデータに応答して実際の道路上で自律走行を行うようにして第1走行データを取得する第3ステップと、別途設定されたテスト道路で行われる検証モードが開始し、前記第2センシングデータを再生させて前記第2センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供されるようにする第4ステップと、前記電子制御ユニット(ECU)で前記第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で自律走行を行うようにして第2走行データを取得する第5ステップと、前記走行モードでの走行状況を記録した第1走行データと、前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって走行性能に対する検証を行う第6ステップと、を備える。
【0012】
前記センサーは、カメラ、ライダー、レーダー、超音波センサー、操舵センサー、温度/湿度センサー、およびGPSのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
前記第1走行データおよび前記第2走行データのそれぞれは、自律走行車両の走行に要求される各部分の作動状態に関する情報を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、実際の道路でセンシングされたセンシングデータに基づいて実車シミュレーションを行うことにより、自律走行車両の走行性能を正確かつ効果的に検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による自律走行車両の走行性能検証装置の概略図である。
図2図1の走行性能検証装置の内部構成ブロック図である。
図3】走行モードの動作順序図である。
図4】検証モードの動作順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の徹底した理解を提供する意図以外の意図なしに、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明による自律走行車両の走行性能検証装置の概略図、図2図1の走行性能検証装置の内部構成ブロック図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本発明による自律走行車両の走行性能検証装置100は、自律走行車両の走行制御に対する性能を検証するためのものであり、自律走行車両に取り付けられたセンサー10と電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)200との間に装着され、受信部110、分岐部120、再生部130、及び検証制御部140を備える。
【0019】
本発明による自律走行車両の走行性能検証装置100は、実際の道路を走行しながら取得したセンシングデータに基づいて走行性能を検証するためのものであり、走行モードと検証モードに区分して検証を行う。前記主行モードでは、実際の道路を走行しながらセンシングデータを取得し、前記検証モードでは、前記走行モードで取得したセンシングデータに基づいてテスト走行を行うようにして、走行モードの走行データと検証モードの走行データとを比較することにより、自律走行車両の走行性能を検証する。ここで、前記受信部110と前記分岐部120は、前記走行モードでのみ動作し、検証モードでは動作せず、前記再生部130および前記検証制御部140は、前記走行モードおよび前記検証モードの両方で動作する。
【0020】
ここで、前記センサー10は、カメラ、ライダー、レーダー、超音波センサー、操舵センサー、温度/湿度センサー及びGPSのうちの少なくとも一つを含むことができ、これ以外に自律走行に必要であると通常の技術者によく知られている様々な種類のセンサーをさらに含むことができる。
【0021】
前記電子制御ユニット(ECU)200は、自律走行車両に内蔵されて自律走行車両の全般的な動作を制御し、学習されたAI自律走行アルゴリズムを内蔵して、前記センサー10によってセンシングされたセンシングデータに応答して自律走行を行う構成を有する。前記電子制御ユニット(ECU)の構成や動作は、通常の技術者によく知られている。
【0022】
前記受信部110は、走行モードで動作し、実際の道路を走行しながら、自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサー10からリアルタイムでセンシングされて提供されるセンシングデータをリアルタイムでそれぞれ受信して前記分岐部120に提供する。
【0023】
前記分岐部120は、前記受信部110を介してリアルタイムで受信されるセンシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐する。前記分岐部120は、データの分岐のためのモジュールを備えることができる。
【0024】
前記分岐部120は、センサーの数に応じて独立して設けられてもよい。すなわち、カメラのための分岐部、ライダーのための分岐部、レーダーのための分岐部など、それぞれのセンサーごとに設けられてもよい。
【0025】
ここで、前記第1センシングデータは、前記検証制御部140の制御によって前記電子制御ユニット(ECU)に提供され、前記第2センシングデータは、前記再生部130に提供される。
【0026】
前記第1センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に伝送されると、前記電子制御ユニット(ECU)では、学習されたAI自律走行アルゴリズムを用いて第1センシングデータを分析して障害物、信号、車線などのオブジェクト情報を認識および判断し、実際の道路での自律走行を行う。この場合は、前記自律走行車両が実際の道路を走行しながら、それぞれのセンサー10からリアルタイムでセンシングした前記第1センシングデータに応答して実際の道路で自律走行を行う。
【0027】
前記再生部130は、走行モードでは前記分岐部120でリアルタイムにて提供される前記第2センシングデータを保存し、検証モードでは保存された前記第2センシングデータを再生して前記電子制御ユニット(ECU)に提供する。前記検証モードでは、前記センサー10を介してリアルタイムにて感知されたセンシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供されず、前記再生部130で再生される前記第2センシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に提供され、前記電子制御ユニット(ECU)では、学習されたAI自律走行アルゴリズムを用いて第2センシングデータを分析して障害物、信号、車線などを判断し、自律走行を行う。
【0028】
前記検証制御部140は、センサー10を介してリアルタイムにてセンシングされて提供される第1センシングデータを介して実際の道路上で自律走行を行う走行モードと、前記再生部130で再生される第2センシングデータを介してテスト道路上で自律走行を行う検証モードの動作を制御する。
【0029】
具体的には、前記検証制御部140は、前記走行モードでは、リアルタイムで提供される前記第1センシングデータを前記分岐部120を介して前記電子制御ユニット(ECU)に提供し、前記電子制御ユニットECUで前記第1センシングデータに応答して実際の道路上で前記自律走行車両の走行を制御するようにする。また、検証モードでは、別途設定されたテスト道路で行われるようにし、前記再生部130で再生されて提供される前記第2センシングデータを前記電子制御ユニット(ECU)に提供されるようにして、前記電子制御ユニット(ECU)で第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で前記自律走行車両のテスト走行を制御するようにする。
【0030】
以後、前記電子制御ユニット(ECU)で提供される前記走行モードでの走行状況を記録した第1走行データと、前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって自律走行車両の走行性能を検証する。
【0031】
従来の場合には、自律走行車両の走行性能の検証のために、仮想のシナリオを構成して、仮想の信号を注入し、対応する走行動作のデータを収集して車両制御に対する検証を行った。しかし、この場合には、雪、雨、霧などの天候変化による条件をシミュレートすることが困難であり、実際の環境に関するデータではないので、実際の道路での走行制御動作時の評価に困難があり、仮想のシナリオを構成することに費用および時間がかかるという問題点があった。
【0032】
本発明では、実際の道路を走行しながら得たセンシングデータを用いて走行性能を評価し、自律走行車両から直接取得したセンシングデータを用いるので、より正確な評価が可能であるという利点がある。
【0033】
前記第1走行データ及び前記第2走行データは、前記電子制御ユニット(ECU)でそれぞれ生成及び保存され、前記検証制御部140に提供される。
【0034】
前記第1走行データ及び前記第2走行データのそれぞれは、自律走行車両の速度情報、ステア情報、ペダル情報などを含めて、自律走行車両の走行に要求される各部分の作動状態に関する情報を含むことができる。特に、走行速度、ブレーキ作動状態、アクセルペダル作動状態、ホイール操作量などに関する情報を含むことができる。
【0035】
前記検証制御部140は、前記第1走行データと前記第2走行データとを比較することにより行われる自律走行車両の走行性能の検証は、自律走行車両の動き比較によって同一のセンサー環境での機械的動作差や操舵角などの差異比較によって可能である。また、同一のセンシングデータに対する応答速度、操舵、加速、減速、ハンドル、エクセル、ブレーキなどの駆動装置をどの時点で、どの程度に動作させるかなどに対する差異比較が可能である。これにより、自律走行車両のセンシングデータの認識に問題があるのか、ソフトウェアに問題があるのか、ハードウェア(機械装置)に問題があるのかなどの把握が可能である。
【0036】
以下、図3及び図4に基づいて、自律走行車両の走行性能検証装置100を用いた走行性能検証方法を説明する。図3は走行モードの動作順序図、図4は検証モードの動作順序図である。
【0037】
走行モード及び検証モードの開始に先立ち、上述した走行性能検証装置100を自律走行車両に装着する。前記走行性能検証装置100は、自律走行車両に取り付けられたセンサー10と電子制御ユニット(ECU)との間に装着され、センサー10でセンシングされたセンシングデータが前記電子制御ユニット(ECU)に直接伝達されずに、前記走行性能検証装置100を介して、具体的には前記受信部110および前記分岐部120を介して前記電子制御ユニット(ECU)に伝達されるように構成する。
【0038】
図3に示すように、実際の道路で行われる走行モードが開始すると(S110)、検証対象となる自律走行車両が実際の道路を走行しながら、前記自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーからセンシングされてリアルタイムで受信されるセンシングデータを前記受信部110で受信し、前記分岐部120で互いに同一の前記第1センシングデータと前記第2センシングデータに分岐させる(S120)。
【0039】
その後、前記分岐部120で、前記第1センシングデータは、前記自律走行車両の電子制御ユニット(ECU)に提供し(S130)、前記電子制御ユニット(ECU)では、前記第1センシングデータに応答して前記実際の道路上で前記自律走行車両の走行を制御するようにする(S140)。このとき、前記第2センシングデータは、前記再生部130に保存される。
【0040】
前記走行モードでの自律走行を介して記録された前記第1走行データは、前記検証制御部140に伝送されて取得及び保存される(S150)。
【0041】
その後、図4に示すように、検証モードが開始する(S210)。前記検証モードは、実際の道路ではなく、別途設定されたテスト用道路で行われる。
【0042】
前記検証モードでは、前記自律走行車両に取り付けられたセンサー10でリアルタイムにてセンシングされるセンシングデータではなく、前記走行モードの際に、前記再生部130に保存された前記第2センシングデータを前記電子制御ユニットECUに提供する方式で行われる(S220)。
【0043】
その後、前記電子制御ユニット(ECU)で前記第2センシングデータに応答して前記テスト道路上で前記自律走行車両の自律走行を制御するようにする(S230)。
【0044】
このとき、前記検証モードでの自律走行を介して記録された前記第2走行データは、前記検証制御部140に伝送されて取得及び保存される(S240)。
【0045】
以後、前記走行モードでの走行状況を記録した第1走行データと、前記検証モードでの走行状況を記録した第2走行データとを比較して、一致か否かによって自律走行車両の走行性能に対する検証を行う(S250)。
【0046】
前記自律走行車両の走行性能の検証は、自律走行車両の動き比較を介して同一のセンサー環境での機械的動作差異、操舵角などの差異比較によって可能である。また、同一のセンシングデータに対する応答速度、操舵、加速、減速、ハンドル、エクセル、ブレーキなどの駆動装置をどの時点で、どの程度に動作させるかなどに対する差異比較が可能である。これにより、自律走行車両のセンシングデータの認識に問題があるのか、ソフトウェアに問題があるのか、ハードウェア(機械装置)に問題があるのかなどの把握が可能である。
【0047】
上述したように、本発明によれば、実際の道路でセンシングされたセンシングデータに基づいて実車シミュレーションを行うことにより、自律走行車両の走行性能を正確かつ効果的に検証することができる。
【0048】
上述した実施形態の説明は、本発明をより徹底的に理解させるために図面を参照して例を挙げたものに過ぎず、本発明を限定する意味ではない。また、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の基本的原理から逸脱することなく多様な変化及び変更が可能であるのは明らかである。
【符号の説明】
【0049】
110 受信部
120 分岐部
130 再生部
140 検証制御部
【要約】      (修正有)
【課題】自律走行車両の走行性能検証装置及び走行性能検証方法を提供する。
【解決手段】自律走行車両に取り付けられたそれぞれのセンサーから提供されるセンシングデータを受信する受信部110と、センシングデータを互いに同一の第1センシングデータと第2センシングデータに分岐させて提供する分岐部120と、走行モードでは、分岐部から提供される第2センシングデータをリアルタイムで保存し、検証モードでは、保存された第2センシングデータを再生するセンシングデータ再生部130と、走行モードでは、第1センシングデータを自律走行車両の電子制御ユニットに提供して第1走行データを取得し、検証モードでは、再生される第2センシングデータを電子制御ユニットに提供して第2走行データを取得し、第1走行データと前記第2走行データとを比較して、一致か否かによって走行性能を検証する検証制御部140と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4