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特許7621026解除可能なモジュラーセルフロックジョイント及び組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】解除可能なモジュラーセルフロックジョイント及び組立方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/04 20060101AFI20250117BHJP
   F16B 1/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F16B7/04 301E
F16B1/02 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024131668
(22)【出願日】2024-08-08
【審査請求日】2024-08-08
(31)【優先権主張番号】202410225848.8
(32)【優先日】2024-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】司 ▲啓▼
(72)【発明者】
【氏名】李 航
(72)【発明者】
【氏名】潘 志宏
(72)【発明者】
【氏名】倉 玉▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】王 文真
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0061202(US,A1)
【文献】特開平10-030616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/04
F16B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにフィットするジョイントセルフロックボックスとセルフロック連結ロッド(10)とを備え、
前記ジョイントセルフロックボックスは、ジョイントボックス(1)と、前記ジョイントボックス(1)の内部に位置する第2固定板(2)と、第1固定板(3)と、連結軸(301)と、規制軸(302)と、セルフロックフック(4)と、復帰ばね(6)と、T字形スライダ(5)と、引張ばね(7)とを備え、
ジョイントボックス(1)は上端開口構造であり、かつ底部にT字形シュート(102)が設けられ、T字形スライダ(5)は前記T字形シュート(102)に装着され、ジョイントボックス(1)の側壁におけるT字形スライダ(5)の端部に対応する位置に雌ねじを有する取外孔が開設され、第2固定板(2)及び第1固定板(3)は対向して設けられ、ボルトを介してジョイントボックス(1)の内壁に固定され、2つのセルフロックフック(4)は対向して配置され、連結軸(301)を介して第2固定板(2)と第1固定板(3)との間に装着され、両前記セルフロックフック(4)の挟持端の外側とジョイントボックス(1)の側壁との間に圧縮状態の復帰ばね()が固定され、前記第2固定板(2)および/または第1固定板(3)には、両前記セルフロックフック(4)の挟持端の内側への過回転を規制する規制軸(302)が設けられ、前記セルフロックフック(4)の自由端の内側及びT字形スライダ(5)のそれぞれに、位置が対応する逆鉤が設けられ、2つの引張ばね(7)の両端はそれぞれセルフロックフック(4)の自由端、T字形スライダ(5)の逆鉤に固定され、
前記セルフロック連結ロッド(10)は、テーパ状挿入部(1001)と、セルフロックフックを収容する係止溝(1002)とを有し、
前記セルフロックフック(4)の挟持端は鉤状構造を有する端部が斜面であり、前記斜面はテーパ状挿入部(1001)のテーパ面にフィットし、
前記連結軸(301)と規制軸(302)はいずれも第1固定板(3)に設けられ、第2固定板(2)に、連結軸が貫通可能な連結孔(201)と規制軸が貫通可能な規制孔(202)が設けられ、
復帰ばね(6)の両端のそれぞれは、セルフロックフックの外側及びジョイントボックス(1)の側壁の内側に溶接されていることを特徴とする、解除可能なモジュラーセルフロックジョイント。
【請求項2】
前記ボルトはねじ栓であることを特徴とする、請求項1に記載の解除可能なモジュラーセルフロックジョイント。
【請求項3】
前記取外孔にはねじ栓が装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の解除可能なモジュラーセルフロックジョイント。
【請求項4】
前記ねじ栓の端部の中心は、六角孔を有することを特徴とする、請求項2に記載の解除可能なモジュラーセルフロックジョイント。
【請求項5】
前記ねじ栓の端部の中心は、六角孔を有することを特徴とする、請求項3に記載の解除可能なモジュラーセルフロックジョイント。
【請求項6】
2つのセルフロックフック(4)の貫通孔(402)を第1固定板(3)の連結軸(301)に嵌設し、第1固定板(3)の連結軸(301)と規制軸(302)をそれぞれ第2固定板(2)の連結孔(201)と規制孔(202)に貫通させ、第2固定板(2)と第1固定板(3)の組立を完了するステップと、2つの引張ばね(7)の一端をT字形スライダの第2逆鉤(501)に接続し、他端をセルフロックフックの第1逆鉤(403)に接続し、両セルフロックフックをそれぞれT字形スライダに接続するステップと、 さらに組み立てられた第1固定板(3)、第2固定板(2)、セルフロックフック(4)、T字形スライダ(5)をジョイントボックス(1)に収容し、T字形スライダ(5)をジョイントボックスのT字形シュート(102)に入れ、次に、第1固定板(3)、第2固定板(2)とジョイントボックス(1)をねじ栓で固定するステップと、
さらに2つの復帰ばね(6)の一端をセルフロックフック(4)の上部外側に溶接し、他端をジョイントボックス(1)の内壁にそれぞれ溶接し、最後にねじ栓で予め設けられた取外孔を封塞し、ジョイントセルフロックボックスの組立を完了するステップとを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築工学技術分野に関し、特に解除可能なモジュラーセルフロックジョイント及び組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼構造のモジュール建築はモジュール設計及びその製造プロセスを採用し、建築物がいくつかの規格化されたモジュールに分けられ、これらのモジュールは工場で生産や組立を行ってから、現場に搬送して取り付けることができるものである。鋼構造のモジュール建築は建築速度が速く、品質が制御可能であり、環境保護や省エネが図れるなどの利点があるため、現代建築分野で幅広く応用されている。鋼構造のモジュール建築の製造過程は、建築の構造安定性と安全性を確保するために、詳細な設計や計算を行う必要がある。鋼構造のモジュール建築の構造体系は建築の安定性と安全性を保証する鍵である。既存のモジュラーセルフロックでかつ取り外し可能なジョイントには、内部からしか取り外すことができず、取り外しが難しいという課題があり、ジョイントの取り外しや修理が必要な場合には、余計の作業や特殊な道具が必要となり、メンテナンスコストが増加するだけでなく、構造の取り外しにも挑戦をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術に存在する課題を鑑みて、本発明は解除可能なモジュラーセルフロックジョイント及び組立方法を提供することを目的とし、この装置はセルフロックにより迅速な取り付けが図れ、構造の外部からジョイントを着脱することができ、既存の挿入式セルフロックジョイントの取り外しや修理が困難である課題を解決している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の目的を達成するために、本発明の技術案は以下の通りである。
【0005】
解除可能なモジュラーセルフロックジョイントは、互いにフィットするジョイントセルフロックボックスとセルフロック連結ロッドとを備え、
前記ジョイントセルフロックボックスは、ジョイントボックスと、前記ジョイントボックスの内部に位置する第2固定板と、第1固定板と、連結軸と、規制軸と、セルフロックフックと、復帰ばねと、T字形スライダと、引張ばねとを備え、
ジョイントボックスは上端が開口され、かつ底部にT字形シュートが設けられ、前記T字形シュートにT字形スライドが装着され、ジョイントボックスの側壁におけるT字形スライドの端部に対応する位置に雌ねじを有する取外孔が開設され、第2固定板及び第1固定板は対向して設けられ、ボルトを介してジョイントボックスの内壁に固定され、2つのセルフロックフックは対向して配置され、連結軸を介して第2固定板と第1固定板との間に装着され、両前記セルフロックフックの挟持端の外側とジョイントボックスの側壁との間に圧縮状態の復帰ばねが固定され、前記第2固定板および/または第1固定板には、両前記セルフロックフックの挟持端の内側への過回転を規制する規制軸が設けられ、前記セルフロックフックの自由端の内側及びT字形スライダのそれぞれに、位置が対応する逆鉤が設けられ、2つの引張ばねの両端はそれぞれセルフロックフックの自由端、T字形スライダの逆鉤に固定され、
セルフロック連結ロッドは、テーパ状挿入部と、セルフロックフックを収容する係止溝とを有する。
【0006】
さらに、前記セルフロックフックの挟持端は鉤状構造を有する端部が斜面であり、前記斜面はテーパ状挿入部のテーパ面にフィットする。
【0007】
さらに、前記ボルトはねじ栓である。
【0008】
さらに、前記取外孔にはねじ栓が装着されている。
【0009】
さらに、前記ねじ栓の端部の中心は、六角孔を有する。
【0010】
さらに、前記連結軸と規制軸はいずれも第1固定板に設けられ、第2固定板に連結軸が貫通可能な連結孔と規制軸が貫通可能な規制孔とが設けられている。
【0011】
さらに、復帰ばねの両端のそれぞれは、セルフロックフックの外側及びジョイントボックスの側壁の内側に溶接されている。
【0012】
前記解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの組立方法は、2つのセルフロックフックの貫通孔を第1固定板の連結軸に嵌設し、第1固定板の連結軸と規制軸をそれぞれ第2固定板の連結孔と規制孔に貫通させ、第2固定板と第1固定板の組立を完了するステップと、2つの引張ばねの一端をT字形スライダの逆鉤に接続し、他端をセルフロックフックの逆鉤に接続し、両セルフロックフックをそれぞれT字形スライダに接続するステップと、
さらに組み立てられた第1固定板、第2固定板、セルフロックフック、T字形スライダをジョイントボックスに収容し、T字形スライダをジョイントボックスのT字形シュートに入れ、次に、第1固定板、第2固定板とジョイントボックスをねじ栓で固定するステップと、
さらに2つの復帰ばねの一端をセルフロックフックの上部外側に溶接し、他端をジョイントボックスの内壁にそれぞれ溶接し、最後にねじ栓で予め設けられた取外孔を封塞し、ジョイントセルフロックボックスの組立を完了するステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、従来技術と比較すると、以下の顕著な利点を有する。
【0014】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントは、モジュラージョイントの内挿式セルフロック接続が実現でき、現場では接続道具が必要なく、モジュールユニットは迅速に組み立てることができ、鋼構造のモジュール建築の組立効率は大幅に向上される。
【0015】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントは、その構造設計と加工とも簡単であり、プロジェクトの前期準備のコストや時間が低減される。
【0016】
本発明におけるすべての部材はいずれも工場で製作、完成することができ、現場組合せ方式を採用して組み立てることができ、組立過程は非常に簡単で、効果的な施工プロセスの簡単化、現場の施工効率の向上、施工時間の節約は図れる。
【0017】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントは、便利に取り外し可能な性質によりモジュール建築に、より高い柔軟性と持続可能性を与え、外部から建築を取り外すことができ、施工に対する要求が低くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの構成概略図である。
図2】本発明に係るジョイントボックスの構成概略図である。
図3】本発明に係る第2固定板の構造概略図である。
図4】本発明に係る第1固定板の構造概略図である。
図5】本発明に係るセルフロックフックの構造概略図である。
図6】本発明に係るT字形スライダの構造概略図である。
図7】本発明に係る復帰ばねの構成概略図である。
図8】本発明に係る引張ばねの構造概略図である。
図9】本発明に係るねじ栓の構造概略図である。
図10】本発明に係るセルフロック連結ロッドの構造概略図である。
図11】本発明に係る取り外しロッドの構成概略図である。
図12】本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの解除取外しプロセスの概略図である。
図13】本発明に係る組合せ板の構造概略図である。
図14】本発明に係る組立式建築の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案をさらに説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントは、モジュール建築の組立接続が実現されるように互いにフィットするジョイントセルフロックボックスとセルフロック連結ロッド10とを備える。
【0021】
前記ジョイントセルフロックボックスは、ジョイントボックス1と、第1固定板3と、第2固定板2と、セルフロックフック4と、T字形スライダ5と、復帰ばね6と、引張ばね7とを備える。ジョイントボックスは、図2に示すように、上開きの構造であり、かつ底部にT字形シュート102が設けられ、ジョイントボックス1の側壁の下におけるT字形シュート102の位置に対応する位置に取外孔101が開設されている。取外孔101が開設された側壁に隣接する2つの側壁には、第1固定板3と第2固定板2とを連結固定する2つの第1ねじ栓孔103が開設されている。
【0022】
図4に示すように、第1固定板3はジョイントボックスの横断面における形状が一致した固定板であり、第1固定板3に、セルフロックフック4を貫通する2つの連結軸301と、セルフロックフックの回転方向を規制する2つの規制軸302と、第1固定板3とジョイントボックス1を連結する第2ねじ栓孔303とが設けられている。図3に示すように、第2固定板2もジョイントボックスの横断面における形状が一致する固定板であり、第2固定板2に、連結軸301が貫通される2つの連結孔201と、規制軸302が貫通される2つの規制孔202と、第2固定板2とジョイントボックス1を連結する第3ねじ栓孔203が開設されている。
【0023】
図5に示すように、セルフロックフック4は、挟持端に位置するフック構造体401と、貫通孔402と、自由端に位置する第1逆鉤403とを備え、そのうち2つのセルフロックフック4は、ジョイントボックス1内に左右対称に設けられ、セルフロックフック4は、第1固定板3と第2固定板2との間に固定されるとともに連結軸301周りに回転できるように貫通孔402が連結軸301に装着されている。復帰ばね6は、図7に示すように、一端がセルフロックフック4の外側上部に溶接され、他端がジョイントボックスの内壁に溶接されている。前記規制軸302は、2つの前記セルフロックフック4の挟持端の内側への過回転を規制するように、セルフロックフック4の挟持端より内側に位置する。
【0024】
図6に示すように、T字形スライダ5には、左右にそれぞれ第2逆鉤501が設けられ、T字形スライダ5はジョイントボックスにおけるT字形シュート102に収容され、T字形スライダ5の第2逆鉤501は引張ばね7に接続されている。引張ばね7は、図8に示すように、一端がセルフロックフック4の第1逆鉤403に接続され、他端がT字形スライダ5の第2逆鉤501に接続されている。
【0025】
ジョイントボックス1の一側に第1固定板3が連続され、ねじ栓が第1ねじ栓孔103と第2ねじ栓孔303を貫通することで、第1固定板3とジョイントボックス1とが連結固定されている。ジョイントボックス1の反対側の内壁には第2固定板2が連結され、ねじ栓が第1ねじ栓孔103と第3ねじ栓孔203を貫通することで、第2固定板2とジョイントボックス1とが連結固定されている。前記ねじ栓に、図9に示すように、着脱が容易な六角孔801が設けられている。取外孔101に、ジョイントボックスを封止するねじ栓も装着されている。
【0026】
図10に示すように、セルフロック連結ロッド10は、天板と、天板の下面に位置するテーパ状挿入部1001と、セルフロックフックを収容する係止溝1002とを備え、テーパ状挿入部1001は左右対称構造であり、2つの斜面を有し、テーパ状挿入部はフック構造体401にフィットしている。
【0027】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの組立方法は、2つのセルフロックフック4の貫通孔402を第1固定板3の連結軸301に嵌設し、第1固定板3の連結軸301と規制軸302をそれぞれ第2固定板2の連結孔201と規制孔202に貫通させ、第2固定板2と第1固定板3の組立を完了し、2つの引張ばね7の一端をT字形スライダの第2逆鉤501に接続し、他端をセルフロックフックの第1逆鉤403に接続し、両セルフロックフックをそれぞれT字形スライダに接続し、さらに組み立てられた第1固定板3、第2固定板2、セルフロックフック4、T字形スライダ5をジョイントボックス1に収容し、T字形スライダ5をジョイントボックスのT字形シュート102に入れ、次に、第1固定板3、第2固定板2をジョイントボックス1にねじ栓で固定し、さらに2つの復帰ばね6の一端をセルフロックフック4の上部外側に溶接し、他端をジョイントボックス1の内壁にそれぞれ溶接し、最後にねじ栓で予め設けられた取外孔を封塞し、ジョイントセルフロックボックスの組立を完了する。
【0028】
前記解除可能なモジュラーセルフロックジョイントのセルフロックプロセス及び解除・取り外し方法は以下の通りである。
【0029】
セルフロック連結ロッド10をジョイントセルフロックボックスに挿入し、テーパ状挿入部1001の斜面をフック構造体401の斜面に接触させ、セルフロック連結ロッド10は両側のセルフロックフック4を押して連結軸301周りに回転させはじめ、規制軸302の作用でセルフロックフック4が外側にしか回転できず、復帰ばね6が圧縮され、テーパ状挿入部1001が完全に挿入されると、復帰ばね6がスプリングバックし、セルフロックフック4を押して連結軸301周りに内側へ回転させることで、フック構造体401が係止溝1002内に挿入され、フック構造体401と係止溝1002が接面し、セルフロック接続が実現される。
【0030】
ロックを解除して取り外す必要がある場合は、まずジョイントボックスの取外孔に位置するねじ栓をヘックスドライバで緩めて外し、図11に示すように一端に雄ねじが付いた取り外しロッド11を用いて、取り外しロッド11を取外孔101に合わせて回転させてジョイントボックス1にねじ込み、T字形スライダ5を元の位置から押し離し、同時に引張ばね7を引っ張り、セルフロックフック4の自由端を内側に回転させ、セルフロックフック4の挟持端を外側に回転させ、すなわちセルフロックフックが開いた状態になり、図12に示すように、セルフロック装置の解除が実現され、接続された2つのモジュールが取り外された。
【0031】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントを用いた組立式建築は、前記解除可能なモジュラーセルフロックジョイントと、モジュラー上鋼柱13と、モジュラー下鋼柱14とを備え、前記解除可能なモジュラーセルフロックジョイントのセルフロック連結ロッド10はモジュラー上鋼柱13の下端に固定され、上ジョイント鋼構造モジュールを構成し、ジョイントセルフロックボックスはモジュラー下鋼柱14内に装着され、下ジョイント鋼構造モジュールを構成し、上ジョイント鋼構造モジュールはセルフロック連結ロッド10が下ジョイント鋼構造モジュールのジョイントセルフロックボックスに挿入され、下ジョイント鋼構造モジュールとのセルフロック接続が実現される。
【0032】
組立が必要なモジュラー上鋼柱13、モジュラー下鋼柱14の数が複数である場合、組合せ板12も併用する必要がある。前記組合せ板12に、N個の挿入孔1201があり、図13に示すように、Nはモジュラー上鋼柱13、モジュラー下鋼柱14の数と等しい。前記上ジョイント鋼構造モジュールの複数のセルフロック連結ロッド10が組合せ板12の挿入孔1201に挿入された後、さらに下ジョイント鋼構造モジュールのジョイントセルフロックボックスに挿入されることで、セルフロック接続が実現され、図14に示すように、上ジョイント鋼構造モジュールと下ジョイント鋼構造モジュールのセルフロック接続が実現される。
【0033】
本発明に係る解除可能なモジュラーセルフロックジョイントの鋼構造モジュールにより接続される場合、セルフロックが実現でき、現場の作業量が減少され、効率が向上できる。構造物を取り外す必要がある場合は、ジョイントボックス1の両側のねじ栓をヘックスドライバで緩めて外し、取り外しロッド11をジョイントボックスの取外孔101に挿し込み、T字形スライダ5を力強く押すだけで、このセルフロック装置が開くことができ、元の構造を破壊することなく取り外しや修理を行うことができ、取り外されたモジュールは繰り返し使用することができる。
【0034】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明の設計構想はこれに限定されるものではなく、本発明の技術構想の範囲内で、本発明の技術構想についていろいろな同等変換を行うことができ、これらの同等変換はすべて本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0035】
1 ジョイントボックス
2 第2固定板
3 第1固定板
4 セルフロックフック
5 T字形スライダ
6 復帰ばね
7 引張ばね
8 ねじ栓
10 セルフロック連結ロッド
11 取り外しロッド
12 組合せ板
13 モジュラー上鋼柱
14 モジュラー下鋼柱
101 取外孔
102 T字形シュート
103 第1ねじ栓孔
201 連結孔
202 規制孔
203 第3ねじ栓孔
301 連結軸
302 規制軸
303 第2ねじ栓孔
401 フック構造体
402 貫通孔
403 第1逆鉤
501 第2逆鉤
1001 テーパ状挿入部
1002 係止溝
1101 雄ねじ
1201 挿入孔
801 六角孔
【要約】      (修正有)
【課題】モジュールのセルフロック接続と解除を簡単に実現でき、組立、解体効率を高めることができるセルフロックジョイント及び組立方法を提供する。
【解決手段】セルフロックジョイントは相互フィットするボックスとセルフロック連結ロッドとを備え、ボックスは上端が開口され、かつ底部にT字形シュートが設けられ、T字形シュートにT字形スライダが装着され、ジョイントボックスの側壁のT字形スライダ端部に位置する雌ねじの取外孔が開設され、2つのセルフロックフックは対向して配置され、連結軸によりボックスに装着され、両セルフロックフックの挟持端の外側とボックスの側壁との間に圧縮状態の復帰ばねが固定され、規制軸により両セルフロックフックの挟持端の内側への過回転が規制され、セルフロックフックの自由端の内側とT字形スライダ間に取り外すため引張ばねが設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14