(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】アクチュエータユニットおよび安全スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 27/00 20060101AFI20250117BHJP
H01H 3/38 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H01H27/00 B
H01H3/38
(21)【出願番号】P 2020158006
(22)【出願日】2020-09-21
【審査請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103241
【氏名又は名称】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】福井 孝男
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 繁年
(72)【発明者】
【氏名】釜谷 拓次
(72)【発明者】
【氏名】山野 雅丈
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特許第4859526(JP,B2)
【文献】特許第3397342(JP,B2)
【文献】米国特許第06949712(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0040694(US,A1)
【文献】米国特許第05662212(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00 - 7/16
H01H 27/00 - 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータユニットであって、
アクチュエータ挿入孔に挿入可能な先端部を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータの基端部を前記アクチュエータ挿入孔に対する前記アクチュエータの挿入方向と交差する
任意の方向にボールベアリングを介して移動自在に支持するベース部とを備え、
前記アクチュエータの前記先端部と前記アクチュエータ挿入孔との位置ずれが前記ボールベアリングを介した前記アクチュエータの前記基端部の移動により
任意の方向において吸収されるようになっている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記アクチュエータの前記基端部が複数のボールを回転自在に保持する保持部を有しており、前記各ボールおよび前記保持部により前記ボールベアリングが構成されている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項3】
請求項1において、
前記先端部が凸円弧状面または傾斜面を有している、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項4】
請求項1において、
前記ベース部には、前記アクチュエータをその外周側から弾性的に支持する第1の弾性支持部材が設けられている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項5】
請求項1において、
前記アクチュエータが前記先端部および前記基端部の間に延びる軸部を有し、前記ベース部が、前記基端部の前記移動を許容するように前記軸部が挿通する開孔を有している、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項6】
請求項5において、
前記軸部と前記先端部との間に段差が形成されている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項7】
請求項5において、
前記ベース部には、前記アクチュエータの前記軸部をその外周側から弾性的に支持する第1の弾性支持部材が設けられている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の弾性支持部材が前記開孔を覆っている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項9】
請求項1において、
前記アクチュエータが、前記アクチュエータ挿入孔を有するスイッチ本体の内部の係止部材に係止される係止孔を有している、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項10】
請求項1において、
前記ベース部には、前記アクチュエータの前記基端部を前記アクチュエータの前記挿入方向において弾性的に支持する第2の弾性支持部材が設けられている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項11】
請求項10において、
前記ベース部には、前記ボールベアリングの転動面を構成する凹円弧状面が形成された円弧状プレート部材が設けられており、前記円弧状プレート部材が前記第2の弾性支持部材により弾性的に支持されている、
ことを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項12】
請求項1に記載の前記アクチュエータユニットと、
前記アクチュエータ挿入孔を有するスイッチ本体と、
を備えた安全スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータユニットおよびこれを備えた安全スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械や産業用ロボットなどの産業用機械が設置された危険区域の出入口には、扉の開閉状態に応じてオン/オフする安全スイッチが設けられている。
【0003】
一般に、安全スイッチは、扉側に配置されるアクチュエータと、壁側に配置され、アクチュエータ挿入孔を有するとともに、内部の操作ロッドの動きに応じて接点が切り替えられるスイッチ本体とを備えており、扉の閉塞時に扉側のアクチュエータが壁側のスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に挿入され、スイッチ本体の内部の操作ロッドが移動して接点が切り替えられるようになっている。
【0004】
このような安全スイッチにおいては、扉のガタツキや扉自体の位置ずれ等によって、アクチュエータがアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれを生じ、その結果、扉の閉塞時にアクチュエータがアクチュエータ挿入孔に対してスムーズに挿入できない場合が起こり得る。そこで、このような事態の発生を防止するために、これまで種々の方策が講じられてきた。
【0005】
たとえば、特開2017-91877号公報に記載のアクチュエータにおいては、操作キー(2)をベース(3)に揺動可能に支持させるとともに、ねじりコイルばね(41)の付勢力によって、揺動後の操作キー(2)を基準位置に復帰させるようにしたことにより、扉のがたつきが大きい場合でも、操作キー(2)の挿入時には操作キー(2)が揺動することで、操作キー(2)がスイッチ本体のキー挿入口(103、104)に差し込まれるようにしている(同公報の段落[0037]、[0038]、[0044]、
図1、
図13~
図15参照)。
【0006】
特開平8-138500号公報に記載のキースイッチにおいては、操作キー(3)のキー本体(9)をホルダー部(8)の支軸部(12)にスライド自在に設けるとともに、弾性体(13)の付勢力によって、キー本体(9)をスライド中立位置に配置させるようにしたことにより、操作キー(3)およびスイッチ本体(2)に組付け誤差や位置ずれが生じた場合でも、操作キー(3)の挿入時には操作キー(3)がスライド移動することで、操作キー(3)がスイッチ本体(2)のキー孔(6)に挿入されるようにしている(同公報の段落[0009]、[0020]、
図1~
図3参照)。
【0007】
特開平11-317132号公報に記載の安全スイッチ用駆動子においては、キー(2)の基部(3)を円形のPTFE製スライドベアリング(またはローラーベアリング)(9)を介してホルダー(1)に摺動し得るように取り付けるとともに、ばね(10)によってキー(2)を中心位置に付勢するようにしたことにより、キー(2)の基部(3)をスライドベアリング(9)の取付面に沿って変位させることで、駆動子と安全スイッチの挿入スロットとの間の不整合が補正されるようにしている(同公報の請求項1、段落[0011]、[0012]、
図1、
図3、
図4参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開2017-91877号公報に記載のものでは、操作キー(2)とスイッチ本体(100)のキー挿入口(103、104)との間に位置ずれがあるとき、操作キー(2)のキー挿入口(103、104)への挿入時に操作キー(2)が揺動することで位置ずれを吸収するようになっているので、操作キー(2)の揺動方向(つまり揺動面内)の位置ずれに対しては対応可能であるが、揺動方向と交差(たとえば直交)する方向の位置ずれには対応できない。
【0009】
特開平8-138500号公報に記載のものでは、操作キー(3)のキー本体(9)とスイッチ本体(2)のキー孔(6)との間に位置ずれがあるとき、キー本体(9)のキー孔(6)への挿入時にキー本体(9)がスライド移動することで位置ずれを吸収するようになっているので、キー本体(9)のスライド方向(つまりスライド面内)の位置ずれに対しては対応可能であるが、スライド方向と交差(たとえば直交)する方向の位置ずれには対応できない。
【0010】
これに対して、特開平11-317132号公報に記載のものでは、キー(2)と安全スイッチの挿入スロットとの間に位置ずれがあるとき、キー(2)の挿入スロットへの挿入時にキー(2)がスライドベアリング(9)の取付面に沿って移動することで位置ずれを吸収するようになっているので、任意の方向の位置ずれに対応可能である。
【0011】
しかしながら、キー(2)と安全スイッチの挿入スロットとの間に位置ずれがある状態で扉を閉めたとき、キー(2)の基部(3)には、扉の慣性に伴う過大な衝撃荷重が作用し、これがそのままPTFE製スライドベアリングに作用するため、PTFE製スライドベアリングが破損する恐れがあり、耐久性に問題がある。なお、特開平11-317132号公報に記載のものでは、PTFE製スライドベアリングの代わりにローラーベアリングを用いてもよい旨記載されているが、ローラーベアリングを用いた場合には、キー(2)の基部(3)がローラーベアリングの転動方向にしか変位することができないため、転動方向の位置ずれに対しては対応可能であるが、転動方向と交差(たとえば直交)する方向の位置ずれには対応できない。
【0012】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、アクチュエータ挿入孔に対する位置ずれを挿入方向と交差する任意の方向において吸収できるだけでなく、耐久性を向上できるアクチュエータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るアクチュエータユニットは、アクチュエータ挿入孔に挿入可能な先端部を有するアクチュエータと、アクチュエータの基端部をアクチュエータ挿入孔に対するアクチュエータの挿入方向と交差する任意の方向にボールベアリングを介して移動自在に支持するベース部とを備えており、アクチュエータの先端部とアクチュエータ挿入孔との位置ずれが、ボールベアリングを介したアクチュエータの基端部の移動により任意の方向において吸収されるようになっている。
【0014】
本発明によれば、アクチュエータの基端部がアクチュエータの挿入方向と交差する任意の方向にボールベアリングを介してベース部に移動自在に支持されるとともに、アクチュエータの先端部とアクチュエータ挿入孔との位置ずれが、ボールベアリングを介したアクチュエータの基端部の移動により吸収されるので、アクチュエータ挿入孔に対する位置ずれを挿入方向と交差する任意の方向において吸収できるようになる。しかも、本発明によれば、アクチュエータの基端部がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ挿入孔に対する位置ずれの発生時にアクチュエータの先端部に過大な荷重が作用することでアクチュエータの基端部に過大なスラスト荷重が作用した場合でも、アクチュエータの基端部をボールベアリングにより確実に支承でき、これにより、アクチュエータユニットの耐久性を向上できる。また、転がり摩擦は滑り摩擦よりもはるかに小さいため、ボールベアリングを用いることにより、スライドベアリングを用いる場合よりも摩擦係数を小さくでき、これにより、アクチュエータの円滑な動きを実現でき、耐久性を一層向上できる。
【0015】
本発明では、アクチュエータの基端部が複数のボールを回転自在に保持する保持部を有し、各ボールおよび保持部によりボールベアリングが構成されている。
【0016】
本発明では、アクチュエータの先端部が凸円弧状面または傾斜面を有している。この場合には、位置ずれにより先端部がアクチュエータ挿入孔の開口縁部に当接したとき、アクチュエータの基端部がスムーズに移動できるようになる。
【0017】
本発明では、アクチュエータをその外周側から弾性的に支持する第1の弾性支持部材がベース部に設けられている。この場合には、移動後のアクチュエータを第1の弾性支持部材の付勢力で元の位置に戻すことができる。
【0018】
本発明では、アクチュエータが先端部および基端部の間に延びる軸部を有し、ベース部が、基端部の移動を許容するように軸部が挿通する開孔を有している。
【0019】
本発明では、軸部と先端部との間に段差が形成されている。
【0020】
本発明では、アクチュエータの軸部をその外周側から弾性的に支持する第1の弾性支持部材がベース部に設けられている。この場合には、移動後のアクチュエータを第1の弾性支持部材の付勢力で元の位置に戻すことができる。
【0021】
本発明では、第1の弾性支持部材がベース部の開孔を覆っている。
【0022】
本発明では、アクチュエータが、アクチュエータ挿入孔を有するスイッチ本体の内部の係止部材に係止される係止孔を有している。
【0023】
本発明では、アクチュエータの基端部をアクチュエータの挿入方向において弾性的に支持する第2の弾性支持部材がベース部に設けられている。この場合には、位置ずれの発生時においてアクチュエータの挿入時にアクチュエータに作用するスラスト荷重を第2の弾性支持部材により支承することができ、ボールベアリングの耐久性を向上できる。
【0024】
本発明では、ボールベアリングの転動面を構成する凹円弧状面が形成された円弧状プレート部材がベース部に設けられており、円弧状プレート部材が第2の弾性支持部材により弾性的に支持されている。この場合には、円弧状プレート部材の凹円弧状面によりボールベアリングの転動面が形成されていることにより、アクチュエータの基端部を容易に元の位置に戻すことができる。
【0025】
本発明に係る安全スイッチは、請求項1に記載のアクチュエータユニットと、アクチュエータ挿入孔を有するスイッチ本体とを備えている。
【発明の効果】
【0026】
以上のように本発明によれば、アクチュエータの先端部とアクチュエータ挿入孔との位置ずれをアクチュエータの挿入方向と交差する任意の方向において吸収できる。しかも、本発明によれば、位置ずれの発生時にアクチュエータの先端部に過大な荷重が作用することでアクチュエータに過大なスラスト荷重が作用した場合でも、アクチュエータの基端部をボールベアリングにより確実に支承でき、これにより、アクチュエータユニットの耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例によるアクチュエータユニットおよびスイッチ本体を備えた安全スイッチの概略構成を示す図である。
【
図2】前記アクチュエータユニット(
図1)の全体斜視図である。
【
図3】前記アクチュエータユニット(
図2)の平面図である。
【
図4】
図1のIV-IV線矢視図であって、前記アクチュエータユニット(
図2)から底面側の蓋体を取り外した状態の底面図である。
【
図5】
図4のV-V線断面図であって、前記アクチュエータユニット(
図2)の縦断面を示している。
【
図6】
図5のVI-VI線断面図であって、前記アクチュエータユニット(
図2)のベース部の横断面を示している。
【
図7】前記安全スイッチ(
図1)において、前記アクチュエータが前記スイッチ本体の内部に挿入された状態を示す図である。
【
図8】前記安全スイッチ(
図1)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図9】前記安全スイッチ(
図1)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図10】前記安全スイッチ(
図1)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図11】前記アクチュエータユニット(
図10)の平面図であって、
図3に相当する図である。
【
図12】
図10のXII-XII線矢視図であって、前記アクチュエータユニット(
図10)から底面側の蓋体を取り外した状態の底面図である。
【
図13】
図12のXIII-XIII線縦断面図であって、前記アクチュエータユニット(
図10)の縦断面を示している。
【
図14】
図13のXIV-XIV線断面図であって、前記アクチュエータユニット(
図10)のベース部の横断面を示している。
【
図15】前記アクチュエータ(
図8)が前記スイッチ本体の内部に挿入された状態を示す図である。
【
図16】本発明の第1の変形例によるアクチュエータユニット(
図18)のXVI-XVI線断面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図17】前記アクチュエータユニット(
図18)の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図19】前記アクチュエータユニット(
図18)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図14に相当する図である。
【
図20】本発明の第2の変形例によるアクチュエータユニット(
図22)のXX-XX線断面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図21】前記アクチュエータユニット(
図22)の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図23】前記アクチュエータユニット(
図22)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図14に相当する図である。
【
図24】本発明の第3の変形例によるアクチュエータユニット(
図26)のXXIV-XXIV線断面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図25】前記アクチュエータユニット(
図26)の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図27】前記アクチュエータユニット(
図26)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図14に相当する図である。
【
図28】本発明の第4の変形例によるアクチュエータユニット(
図30)のXXVIII-XXVIII線断面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図29】前記アクチュエータユニット(
図30)の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図31】前記アクチュエータユニット(
図30)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図14に相当する図である。
【
図32】本発明の第5の変形例によるアクチュエータユニット(
図34)のXXXII-XXXII線断面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図33】前記アクチュエータユニット(
図34)の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図35】前記アクチュエータユニット(
図34)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図14に相当する図である。
【
図36】本発明の第6の変形例によるアクチュエータユニットの全体斜視図であって、前記実施例の
図2に相当する図である。
【
図37】前記アクチュエータユニット(
図36)から底面側の蓋体を取り外した状態の縦断面図であって、前記実施例の
図5に相当する図である。
【
図38】前記アクチュエータユニット(
図36)から底面側の蓋体を取り外した状態の底面図であって、前記実施例の
図4に相当する図である。
【
図39】前記アクチュエータユニット(
図36)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図13に相当する図である。
【
図40】本発明の第7の変形例によるアクチュエータユニットの縦断面概略図である。
【
図41】前記アクチュエータユニット(
図40)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図13に相当する図である。
【
図42】本発明の第8の変形例によるアクチュエータユニットの縦断面概略図である。
【
図43】前記アクチュエータユニット(
図42)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図13に相当する図である。
【
図44】本発明の第9の変形例によるアクチュエータユニットの縦断面概略図である。
【
図45】前記アクチュエータユニット(
図44)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図13に相当する図である。
【
図46】本発明の第10の変形例によるアクチュエータユニットおよびスイッチ本体を備えた安全スイッチの概略構成を示す図である。
【
図47】前記アクチュエータユニット(
図46)から底面側の蓋体を取り外した状態の縦断面図であって、前記実施例の
図5に相当する図である。
【
図48】前記安全スイッチ(
図46)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図49】前記安全スイッチ(
図46)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図50】前記安全スイッチ(
図46)において、前記アクチュエータユニットが前記スイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合について、前記アクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図である。
【
図51】前記アクチュエータユニット(
図47)がスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合において、前記アクチュエータの移動後の状態を示しており、前記実施例の
図13に相当する図である。
【
図52】
図50のLII矢視概略図であって、前記実施例の
図7に相当する図である。
【
図53】本発明の第11の変形例によるアクチュエータユニットにおいて、底面側の蓋体を取り外した状態の底面図であって、前記実施例の
図4中の基端部の変形例を示している。
【
図54】本発明の第12の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図55】本発明の第13の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記第1の変形例の
図16に相当する図である。
【
図56】本発明の第14の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記第5の変形例の
図32に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし
図15は、本発明の一実施例によるアクチュエータユニットおよびこれを備えた安全スイッチを説明するための図であって、
図1は安全スイッチの概略構成図、
図2はアクチュエータユニットの全体斜視図、
図3はその平面図、
図4はアクチュエータユニットから底面側の蓋体を取り外した状態の底面図(
図1のIV-IV線矢視図)、
図5はアクチュエータユニットから底面側の蓋体を取り外した状態の縦断面図(
図4のV-V線断面図)、
図6は
図5のVI-VI線断面図、
図7は
図1の状態からアクチュエータがスイッチ本体の内部に挿入された状態を示す図、
図8ないし
図10は、アクチュエータユニットがスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合においてアクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図、
図11はアクチュエータ移動後の平面図、
図12はアクチュエータ移動後の底面図(
図10のXII-XII線矢視図)、
図13はアクチュエータ移動後の縦断面図(
図12のXIII-XIII線断面図)、
図14は
図13のXIV-XIV線断面図、
図15は
図8の状態からアクチュエータがスイッチ本体の内部に挿入された状態を示す図である。
【0029】
図1に示すように、本実施例による安全スイッチ1は、たとえば壁または固定扉(図示せず)に配置されるスイッチ本体2と、たとえばスライド式の可動扉(図示せず)に配置され、スイッチ本体2に抜き差し可能に設けられたアクチュエータユニット3とを備えている。
図1は可動扉を正面方向から見ており、同図中、矢印Aは、アクチュエータユニット3の挿入方向を示している。なお、
図1は、可動扉の閉塞途中の状態を示しており、可動扉がわずかに開いた状態が示されている。
【0030】
スイッチ本体2は、一つまたは複数のアクチュエータ挿入孔20を有している。アクチュエータ挿入孔20は、スイッチ本体2の壁部を貫通するたとえば円形のテーパー孔であって、スイッチ本体2の壁部の外表面からスイッチ本体2の内方に向かうにしたがい、徐々に小径となっており、テーパー面20aを有している。
図1中、一点鎖線2C
Lは、アクチュエータ挿入孔20の中心線を示している。なお、図示していないが、スイッチ本体2の内部には、切替え可能な接点が設けられるとともに、挿入されたアクチュエータユニット3に係止する係止部材(後述)が設けられている。
【0031】
アクチュエータユニット3は、スイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に挿入可能な先端部30を有するアクチュエータ3Aと、アクチュエータ3Aの基端側を収容するベース部3Bとを有している。先端部30は、たとえば半球状の突部であって、先端側に配置された凸円弧状面30aと、後端側に配置された平坦状面30bとを有しており、平坦状面30bには、軸方向に延びるたとえば円柱状の軸部31の先端が一体に連設されている。軸部31は先端部30よりも小径の部材であって、平坦状面30bは軸部31の先端に対して段差を形成している。
図1中、一点鎖線3C
Lは、軸部31(つまりアクチュエータ3A)の軸方向の中心線を示しており、この例では、中心線3C
Lがスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20の中心線2C
Lと一致した状態が示されている。
【0032】
図2および
図3に示すように、ベース部3Bは、たとえば箱状の部材であって、アクチュエータ3Aの軸部31が挿通するたとえば円形状の開孔32aを一端側に有し、他端側が開口する箱状のベース本体32と、ベース本体32の他端側の開口を覆う薄板状の蓋体33とを有している。開孔32aの内径は、開孔32a内での軸部31の移動を許容し得るように、軸部31の外径に対してたとえば数ミリメートルから10数ミリメートル程度大きくなっている。また、ベース本体32には、蓋体33の取付ねじ(図示せず)や、アクチュエータユニット3を可動扉に取り付けるための取付ねじ(図示せず)が挿入される複数のねじ挿入孔32bが形成されている。
【0033】
図4および
図5に示すように、ベース部3Bの内部には、アクチュエータ3Aの基端部34が収容されている。基端部34は、軸部31の後端に配置され、軸部31よりも大径の円盤状の部材であって、軸部31の後端に一体に連設されている。すなわち、軸部31は、アクチュエータ3Aの先端部30と基端部34の間に延設されている。基端部34の後端面には、各々円形状の複数(この例では5個)の保持穴34aが形成されている。各保持穴34aは、円周上に均等間隔または略均等間隔で配置されている。各保持穴34aには、たとえば鋼製のボール(つまり鋼球)35がそれぞれ収容されており、各ボール35は各保持穴34aにそれぞれ回転自在(つまり自転自在)に支持されている。各保持穴34aには、潤滑剤としてたとえばグリースが充填されている。各保持穴34aの底部は、たとえばテーパー状に形成されており、各保持穴34aの深さは、収容された各ボール35の一部が各保持穴34aの開口端(つまり基端部34の後端面)から覗く(つまり突出する)ような深さに設定されている(
図5参照)。各保持穴34aおよび各ボール35により、ボールベアリングが構成されている。この場合には、基端部34自体がボールベアリングの保持部(つまりリテーナ)を構成している。
【0034】
図4および
図5は、ベース部3Bから蓋体33(
図1)を取り外した状態を示しており、蓋体33を取り付けた状態においては、
図5中の一点鎖線に示すように、基端部34の後端面から突出する各ボール35は、蓋体33の内面に当接しており、当該内面に沿って矢印B方向に移動自在になっている。ここで、矢印B方向とは、アクチュエータユニット3の挿入方向である矢印A方向と直交または略直交(つまり交差)する任意の方向を指している。すなわち、矢印B方向は、
図5の紙面内の方向のみならず、同図の紙面に対して、手前側および奥側に角度をなすあらゆる方向を含んでいる。これを
図4を用いて説明すると、基端部34は、同図の紙面内において、縦方向、横方向及び斜め方向を含む任意の方向に移動し得るようになっている。上述したように、ベース部3Bの一端側に形成された開孔32aは、開孔32a内での軸部31の移動を許容し得るように、軸部31に対して大きめに形成されているので(
図2、
図3)、ベース部3Bに対する基端部34の移動(したがってアクチュエータ3A)の移動が可能である。
【0035】
図5に示すように、アクチュエータ3Aの軸部31は、ベース部3B内において、外周側に張り出すフランジ部31fを有している。フランジ部31fは、たとえば円盤状の部材である。フランジ部31fは、基端部34との間に所定の間隔を隔てて配置されている。フランジ部31fと基端部34との間には、矢印A方向と直交または略直交(つまり交差)する方向に延びる複数(この例では4本)のワイヤ(第1の弾性支持部材)37
1、37
2、37
3、37
4が配設されている(
図4参照)。各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4は、たとえばピアノ線のような高張力鋼線やその他の鋼線、金属線等から構成されている。
【0036】
図6に示すように、ワイヤ37
1、37
2は、軸部31を同図左右両側から挟持するようにそれぞれ同図上下方向に平行に配設されており、ワイヤ37
3、37
4は、軸部31を同図上下両側から挟持するようにそれぞれ同図左右方向に平行に配設されている。すなわち、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4は、格子状に配設されている。なお、各ワイヤ37
1、37
2は、各ワイヤ37
3、37
4に対して
図6紙面手前側に配置されている。ベース部3Bのベース本体32には、それぞれ
図6紙面垂直方向に延びる複数(この例では8本)の支柱36が設けられている。各ワイヤ37
1~37
4は、いずれも2本の支柱36および軸部31の間で挟持されていて、軸部31の外周面に弾性的に当接している。これにより、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、各ワイヤ37
1~37
4により外周側から弾性的に支持されている。
【0037】
また、
図5に示すように、アクチュエータ3Aの軸部31のフランジ部31fとベース部3Bのベース本体32の前側壁部との間には、ワッシャー38が配置されている。ワッシャー38は、薄肉の円形状(ドーナツ状)部材であって、アクチュエータ3Aの軸部31が挿通する開孔38aを有している。開孔38aの内径は、軸部31の外径よりも大きく、ベース本体32の開孔32aより小さい。また、ワッシャー38の外径は、開孔32aより大きくなっている。
【0038】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
図1に示す状態から、可動扉を閉塞方向に移動させると、アクチュエータユニット3のアクチュエータ3Aが矢印A方向に移動し、
図7に示すように、アクチュエータ3Aがスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20を通ってスイッチ本体2の内部に挿入される。この挿入の際には、上述したように、アクチュエータ3Aの中心線3C
Lはスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20の中心線2C
Lと一致しており、そのため、アクチュエータ3Aの先端部30は、アクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aと干渉することなく、スイッチ本体2の内部にスムーズに挿入される。すると、スイッチ本体2の内部の係止部材SRが、アクチュエータ3Aの先端部30と軸部31との間の段差を形成する平坦状面30bを係止する。これにより、アクチュエータ3Aがロックされて抜け止めがなされる。この状態から、スイッチ本体2の内部の接点(図示せず)が切り替わって、ロボット等の機械の駆動が開始される。
【0039】
その一方、
図8に示すように、軸部31(つまりアクチュエータ3A)の中心線3C
Lがスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20の中心線2C
Lに対して位置ずれを起こしていたとし、そのときの位置ずれの距離(つまりオフセット量)をeとする。同図では、中心線3C
Lが中心線2C
Lに対して上方に距離eだけ位置ずれを起こしている場合を例にとっている。
【0040】
この状態から、可動扉を閉塞方向に移動させると、アクチュエータユニット3のアクチュエータ3Aが矢印A方向に移動し、
図9に示すように、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aに当接する。このとき、テーパー面20aには先端部30の凸円弧状面30aが当接しており、そのため、可動扉の閉塞中には、先端部30の凸円弧状面30aがテーパー面20aに沿ってテーパー面20a上を摺動しつつ図示斜め下方に移動しようとする。
【0041】
このとき、
図5を用いて説明したように、アクチュエータ3Aの基端部34の後端面から突出する各ボール35が蓋体33の内面に沿って矢印B方向に移動自在になっているので、可動扉の閉塞中にアクチュエータ3Aの先端部30に対して下方に移動させる力が作用すると、各ボール35が蓋体33の内面上を転動することにより、基端部34が蓋体33の内面に沿って下方に移動する(
図13参照)。なお、このとき、上述したように、ベース部3Bの一端側に形成された開孔32aは、開孔32a内での軸部31の移動を許容し得るように、軸部31に対して大きめに形成されているので(
図2、
図3参照)、ベース部3Bに対する基端部34の移動(したがってアクチュエータ3A)の移動はスムーズに行われる。
【0042】
これにより、アクチュエータ3Aの先端部30がアクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aに沿って
図9斜め下方に移動し、
図10に示すように、先端部30がアクチュエータ挿入孔20に挿入される。この状態から、可動扉がさらに閉塞方向に移動すると、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20を通ってスイッチ本体2の内部に挿入される。すると、
図15に示すように、スイッチ本体2の内部の係止部材SRが、アクチュエータ3Aの先端部30と軸部31との間の段差を形成する平坦状面30bを係止する。これにより、アクチュエータ3Aがロックされて抜け止めがなされる。この状態から、スイッチ本体2の内部の接点(図示せず)が切り替わって、ロボット等の機械の駆動が開始される。
【0043】
このように本実施例によれば、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるようになっており、これにより、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるようになる。
【0044】
しかも、本実施例によれば、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ挿入孔20に対する位置ずれの発生時にアクチュエータ3Aの先端部30に過大な荷重が作用することでアクチュエータ3Aの基端部34に過大なスラスト荷重が作用した場合でも、アクチュエータ3Aの基端部34をボールベアリングにより確実に支承でき、これにより、アクチュエータユニット3の耐久性を向上できる。また、転がり摩擦は滑り摩擦よりもはるかに小さいため、ボールベアリングを用いることにより、スライドベアリングを用いる場合よりも摩擦係数を小さくでき、これにより、アクチュエータ3Aの円滑な動きを実現でき、耐久性を一層向上できる。
【0045】
なお、アクチュエータ3Aの基端部34が下方に移動したとき、
図13に示すように、軸部31の下方への移動にともなってワッシャー38も若干量下方に移動しているが、その場合でも、ベース本体32の開孔32a内においてフランジ部31fの上側領域はワッシャー38で塞がれており、これにより、開孔32aを通してベース部3Bの内部が外部に露出しないようになっている。
【0046】
また、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき、先端部30および基端部34はそれぞれ下方に移動しているが(
図11、
図12参照)、このとき、
図14に示すように、アクチュエータ3Aの軸部31も下方に移動しており、下方のワイヤ37
4に当接してこれを下方に弾性変形させている。よって、このとき、軸部31の外周面には、ワイヤ37
4の弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している。
【0047】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用するワイヤ374の弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34はボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0048】
なお、前記実施例では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31が下方のワイヤ37
4に当接してワイヤ37
4を下方に弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31が上方のワイヤ37
3に当接してこれを上方に弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31が左右のワイヤ37
1または37
2に当接してワイヤ37
1または37
2を
図6中の左方または右方に弾性変形させることになる。
【0049】
〔第1の変形例〕
図16ないし
図19は、本発明の第1の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各々直線状に延びる4本のワイヤを用い、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4を上下方向および左右方向に格子状に配設した例を示したが(
図4、
図6参照)、この第1の変形例では、第1の弾性支持部材として、4本のねじりコイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4が用いられている。
【0050】
図16に示すように、ねじりコイルばね37C
1のコイル部はベース本体32の支柱36
1に取付けられており、その固定腕部37
1’はベース本体32の内壁面に係止され、可動腕部37
1は軸部31の外周面に弾性的に当接している(
図16参照)。同様に、ねじりコイルばね37C
2のコイル部は支柱36
2に取付けられており、固定腕部37
2’はベース本体32の内壁面に係止され、可動腕部37
2は軸部31の外周面に弾性的に当接している。ねじりコイルばね37C
3のコイル部は支柱36
3に取付けられており、固定腕部37
3’はベース本体32の内壁面に係止され、可動腕部37
3は軸部31の外周面に弾性的に当接している。ねじりコイルばね37C
4のコイル部は支柱36
4に取付けられており、固定腕部37
4’はベース本体32の内壁面に係止され、可動腕部37
4は軸部31の外周面に弾性的に当接している。
【0051】
これにより、各ねじりコイルばね37C1、37C2、37C3、37C4の各可動腕部371、372、373、374が斜め方向およびこれと直交または概ね直交する斜め方向に格子状に配設されており、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、各ねじりコイルばね37C1、37C2、37C3、37C4の各可動腕部371、372、373、374により外周側から弾性的に支持されている。
【0052】
各ねじりコイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4の各可動腕部37
1、37
2、37
3、37
4は、
図18に示すように、前記実施例の各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4と同様に、アクチュエータ3Aの基端部34とフランジ部31fとの間に配設されている。
【0053】
この第1の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図17、
図18参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0054】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、軸部31が下方の各可動腕部37
2、37
3に当接してこれらを下方に弾性変形させている(
図19参照)。よって、このとき、軸部31の外周面には、各可動腕部37
2、37
3の弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している。
【0055】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する各可動腕部372、373の弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0056】
なお、
図19では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31が下方の各可動腕部37
2、37
3に当接して各可動腕部37
2、37
3を下方に弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31が上方の各可動腕部37
1、37
4に当接して各可動腕部37
1、37
4を上方に弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31が左右の各可動腕部37
3、37
4または37
1、37
2に当接して各可動腕部37
3、37
4または37
1、37
2を
図16中の左方または右方に弾性変形させることになる。
【0057】
〔第2の変形例〕
図20ないし
図23は、本発明の第2の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例または前記第1の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各々直線状に延びる4本のワイヤを用い、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4を上下方向および左右方向に格子状に配設した例を示したが(
図4、
図6参照)、この第2の変形例では、第1の弾性支持部材として、4本の引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4が用いられている。
【0058】
図20に示すように、引張コイルばね37C
1、37C
3は上下方向に配設され、引張コイルばね37C
2、37C
4は左右方向に配設されており、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4は、アクチュエータ3Aの軸部31の中心Oを通る延長線上において十字状に配設されている。引張コイルばね37C
1の一端のフック部はベース本体32の支柱36
1に係止されており、他端のフック部は、
図22に示すように、アクチュエータ3Aのフランジ部31fの後端面から後方(同図右方)に突出する係止突起31faに係止されている(
図20参照)。同様に、引張コイルばね37C
2の一端のフック部はベース本体32の支柱36
2に係止され、他端のフック部はフランジ部31fの係止突起31faに係止されている。引張コイルばね37C
3の一端のフック部はベース本体32の支柱36
3に係止され、他端のフック部はフランジ部31fの係止突起31faに係止されている。引張コイルばね37C
4の一端のフック部はベース本体32の支柱36
4に係止され、他端のフック部はフランジ部31fの係止突起31faに係止されている。
【0059】
これにより、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4により外周側から弾性的に支持されている。また引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4は、
図22に示すように、前記実施例の各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4と同様に、アクチュエータ3Aの基端部34とフランジ部31fとの間に配設されている。
【0060】
この第2の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図21、
図22参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0061】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、
図23に示すように、下方の引張コイルばね37C
3が圧縮変形するとともに、上方および左右の各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
4が引張変形する。このとき、軸部31には、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4の弾性変形にともなう弾性反発力がその外周側から上方に作用している。
【0062】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する各引張コイルばね37C1、37C2、37C3、37C4の弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0063】
なお、
図23では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時に、下方の引張コイルばね37C
3が圧縮変形するとともに、上方および左右の各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
4が引張変形する場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、上方の引張コイルばね37C
1が圧縮変形するとともに、下方および左右の各引張コイルばね37C
2、37C
3、37C
4が引張変形し、左方への位置ずれの場合には、右方の引張コイルばね37C
2が圧縮変形するとともに、上方、下方および左方の各引張コイルばね37C
1、37C
3、37C
4が引張変形し、右方への位置ずれの場合には、左方の引張コイルばね37C
4が圧縮変形するとともに、上方、下方および右方の各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3が引張変形することになる。
【0064】
〔第3の変形例〕
図24ないし
図27は、本発明の第3の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1または第2の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各々直線状に延びる4本のワイヤを用い、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4を上下方向および左右方向に格子状に配設した例を示したが(
図4、
図6参照)、この第3の変形例では、第1の弾性支持部材として、1本の渦巻きばね37Cが用いられている。
【0065】
図24に示すように、渦巻きばね37Cの内周側の一端37Caは、アクチュエータ3Aの軸部31の外周面に形成された係止凹部に係止されており、外周側の他端37Cbは、ベース部3Bのベース本体32の内壁面に形成された係止凹部に係止されている。
【0066】
これにより、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、渦巻きばね37Cにより外周側から弾性的に支持されている。また、渦巻きばね37Cは、
図26に示すように、前記実施例の各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4と同様に、アクチュエータ3Aの基端部34とフランジ部31fとの間に配設されている。
【0067】
この第3の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図25、
図26参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0068】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、軸部31の外周面には、渦巻きばね37Cの弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している(
図27参照)。
【0069】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する渦巻きばね37Cの弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0070】
なお、
図27では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31が渦巻きばね37Cを下方に弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31が渦巻きばね37Cを上方に弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31が渦巻きばね37Cを左方または右方に弾性変形させることになる。また、この第3の変形例においては、渦巻きばね37Cの内周側の一端がアクチュエータ3Aの軸部31に係止され、外周側の他端がベース本体32に係止されており、アクチュエータ3Aの移動時に軸部31が自転しようとした際には渦巻きばね37Cが捩じられてその弾性復元力が軸部31に作用することになるので、軸部31の自転を規制できる。
【0071】
〔第4の変形例〕
図28ないし
図31は、本発明の第4の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第3の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各々直線状に延びる4本のワイヤを用い、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4を上下方向および左右方向に格子状に配設した例を示したが(
図4、
図6参照)、この第4の変形例では、第1の弾性支持部材として、4本の引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4が用いられている。
【0072】
図28に示すように、引張コイルばね37C
1、37C
2は、アクチュエータ3Aの軸部31の上方において左右方向に直線状に配設され、引張コイルばね37C
3、37C
4は、軸部31の下方において左右方向に直線状に配設されており、各引張コイルばね37C
1、37C
2は、各引張コイルばね37C
3、37C
4に対して平行に配設されている。引張コイルばね37C
1の一端のフック部はベース本体32の支柱36
1に係止されており、他端のフック部は、軸部31から半径方向外方に突出する係止突起31aに係止されている。同様に、引張コイルばね37C
2の一端のフック部はベース本体32の支柱36
2に係止され、他端のフック部は軸部31の係止突起31aに係止されている。引張コイルばね37C
3の一端のフック部はベース本体32の支柱36
3に係止され、他端のフック部は、軸部31から半径方向外方に突出する係止突起31bに係止されている。引張コイルばね37C
4の一端のフック部はベース本体32の支柱36
4に係止され、他端のフック部は軸部31の係止突起31bに係止されている。
【0073】
これにより、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4により外周側から弾性的に支持されている。また、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4は、
図30に示すように、前記実施例の各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4と同様に、アクチュエータ3Aの基端部34とフランジ部31fとの間に配設されている。
【0074】
この第4の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図29、
図30参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0075】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、上方の引張コイルばね37C
1、37C
2が引張変形するとともに、下方の引張コイルばね37C
3、37C
4が引張変形する(
図31参照)。このとき、軸部31には、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4の弾性変形にともなう弾性反発力がその外周側から上方に作用している。
【0076】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する各引張コイルばね37C1、37C2、37C3、37C4の弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0077】
なお、
図31では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時に、上方および下方の各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4が引張変形する場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、同様に、上方および下方の各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4が引張変形し、左方への位置ずれの場合には、右方の各引張コイルばね37C
1、37C
4が圧縮変形するとともに、左方の各引張コイルばね37C
2、37C
3が引張変形し、右方への位置ずれの場合には、左方の各引張コイルばね37C
2、37C
3が圧縮変形するとともに、右方の各引張コイルばね37C
1、37C
4が引張変形することになる。また、この第4の変形例においては、引張コイルばね37C
1、37C
2が軸部31の係止突起31aに係止され、引張コイルばね37C
3、37C
4が軸部31の係止突起31bに係止されており、アクチュエータ3Aの移動時に軸部31が自転しようとした際には、各引張コイルばね37C
1、37C
2、37C
3、37C
4の変形にともなう弾性復元力が軸部31に作用することになるので、軸部31の自転を規制できる。
【0078】
〔第5の変形例〕
図32ないし
図35は、本発明の第5の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第4の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各々直線状に延びる4本のワイヤを用い、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4を上下方向および左右方向に格子状に配設した例を示したが(
図4、
図6参照)、この第5の変形例では、第1の弾性支持部材として、エンドレスタイプの2本のゴムバンド3
7
1
、3
7
2
が用いられている。
【0079】
図32に示すように、ゴムバンド37
1は、ベース本体32の4本の支柱36
1に外周側から巻き掛けられ、上下方向に長い矩形状に配設されている。同様に、ゴムバンド37
2は、ベース本体32の4本の支柱36
2に外周側から巻き掛けられ、左右方向に長い矩形状に配設されている。ゴムバンド37
1は、ゴムバンド37
2に対して
図32紙面手前側に配置されている。各ゴムバンド37
1、37
2は、軸部31の外周面に弾性的に当接しており、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、各ゴムバンド37
1、37
2により外周側から弾性的に支持されている。
【0080】
各ゴムバンド37
1、37
2は、
図34に示すように、前記実施例の各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4と同様に、アクチュエータ3Aの基端部34とフランジ部31fとの間に配設されている。
【0081】
この第5の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図33、
図34参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0082】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、軸部31がゴムバンド37
2の下側スパンに当接してこれを下方に弾性変形させている(
図35参照)。よって、このとき、軸部31の外周面には、ゴムバンド37
2の下側スパンの弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している。
【0083】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用するゴムバンド372の下側スパンの弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0084】
なお、
図35では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31がゴムバンド37
2の下側スパンに当接して当該下側スパンを下方に弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31がゴムバンド37
2の上側スパンに当接して当該上側スパンを上方に弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31がゴムバンド37
1の左側スパンまたは右側スパンに当接してこれらのスパンを
図32の左方または右方に弾性変形させることになる。
【0085】
〔第6の変形例〕
図36ないし
図39は、本発明の第6の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第5の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記実施例では、各ワイヤ37
1、37
2、37
3、37
4がベース部3Bの内部に設けられた例を示したが(
図5参照)、この第6の変形例では、第1の弾性支持部材がベース部3Bの外部に設けられている。
【0086】
図36および
図37に示すように、アクチュエータユニット3において、ベース部3Bのベース本体32の前端面32Aおよび側面32Bには、ゴム製のカバー4が装着されている。カバー4は、ベース本体32の前端面32A上においては、軸部31が挿通する貫通孔40aが中央に形成された蛇腹状部(第1の弾性支持部材)40を有している。蛇腹状部40の貫通孔40aの内周面は、軸部31の外周面に密に接触しており、軸部31は、蛇腹状部40により弾性的に支持されている。蛇腹状部40は、貫通孔40aから外方に向かって同心状に形成されており、伸縮によって軸部31の外周面に弾性反発力を作用させるように構成されている。また、蛇腹状部40は、ベース本体32の前端面32Aに形成された貫通孔32aを覆っている。
【0087】
この第6の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図37、
図38参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0088】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、軸部31が蛇腹状部40を下方に弾性変形させている(
図39参照)。すなわち、この場合、軸部31から下側の蛇腹状領域は圧縮変形し、軸部31から上側の蛇腹状領域は引張変形する。よって、このとき、軸部31の外周面には、蛇腹状部40の弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している。
【0089】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する蛇腹状部40の弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0090】
なお、
図39では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31が蛇腹状部40を下方に弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31が蛇腹状部40を上方に弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31が蛇腹状部40を
図36の左方または右方に弾性変形させることになる。
【0091】
〔第7の変形例〕
図40および
図41は、本発明の第7の変形例を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第6の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0092】
図40に示すように、ベース部3Bのベース本体32の内部において、アクチュエータ3Aの基端部34の後方(同図右方)には、圧縮ばね等から構成された弾性構造体(第2の弾性支持部
材)5が設けられるとともに、弾性構造体5と基端部34の間には平坦状の硬質プレート39が配設されている。硬質プレート39の前端面には、基端部34の各ボール35が当接しており、後端面には、弾性構造体5の一端が当接している。弾性構造体5の他端は、ベース部3Bの蓋体33の前端面に当接している。これにより、アクチュエータ3Aの基端部34および硬質プレート39が、アクチュエータ挿入方向の矢印A方向において弾性構造体5により弾性的に支持されている。
【0093】
なお、図示していないが、この第7の変形例では、前記実施例または前記第1ないし第6の変形例に示したいずれかの第1の弾性支持部材が設けられている。
【0094】
この場合においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図41参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0095】
しかも、この場合には、基端部34の各ボール35が転動する硬質プレート39が弾性構造体5によりスラスト方向に弾性支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に作用する過大なスラスト荷重は、弾性構造体5が弾性圧縮変形することでより効果的に吸収できる。
【0096】
また、位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30、基端部34および軸部31が移動することで、第1の弾性部材(図示せず)の弾性変形にともなう弾性反発力がアクチュエータ3Aに作用する。
【0097】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、第1の弾性部材の弾性反発力により、アクチュエータ3Aが移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの移動はスムーズに行われる。
【0098】
〔第8の変形例〕
図42および
図43は、本発明の第8の変形例(とくに第7の変形例の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第7の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0099】
図42に示すように、この第8の変形例では、前記第7の変形例における平坦状の硬質プレート39の代わりに、円弧状(または椀形状/皿板状/皿ばね状)の硬質プレート39’が設けられている。硬質プレート39’は、前端側に凹円弧状面39’aを有し、後端側に凸円弧状面39’bを有している。凹円弧状面39’aには基端部34の各ボール35が当接しており、凸円弧状面39’bには、弾性構造体5の一端が当接している。弾性構造体5の他端は、ベース部3Bの蓋体33の前端面に当接している。これにより、アクチュエータ3Aの基端部34および硬質プレート39’が、アクチュエータ挿入方向Aにおいて弾性構造体5により弾性的に支持されている。なお、図示していないが、この第8の変形例においても、前記第7の変形例と同様に、前記実施例または前記第1ないし第6の変形例に示したいずれかの第1の弾性支持部材が設けられている。
【0100】
この場合においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図43参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0101】
さらに、この場合には、基端部34の各ボール35が転動する硬質プレート39’が弾性構造体5によりスラスト方向に弾性支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に作用する過大なスラスト荷重を弾性構造体5の弾性圧縮変形により効果的に吸収できる。しかも、この場合には、基端部34が硬質プレート39’の凹円弧状面39’aに沿って移動するとともに、基端部34が移動した側において弾性構造体5の圧縮変形量が大きくなるので(
図43)、アクチュエータ3Aが元の位置に戻る際には、第1の弾性支持部材(図示せず)の弾性反発力がアクチュエータ3Aに作用することに加えて、弾性構造体5の弾性反発力が硬質プレート39’を介してアクチュエータ3Aに作用することになるので、アクチュエータ3Aの元の位置への復帰をスムーズに行える。
【0102】
〔第9の変形例〕
図44および
図45は、本発明の第9の変形例(とくに第1の弾性支持部材の変形例)を示しており、各図中、前記実施例、前記第1ないし第8の変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0103】
図44に示すように、この第9の変形例による第1の弾性支持部材37は、内周側に配置された筒状部37Aと、筒状部37Aの後端(同図右端)から斜め前方に張り出す張出し部37Bとから構成されており、筒状部37Aおよび張出し部37Bは、軸方向断面が略V字状に形成されている。筒状部37Aの内周面37Aaは、軸部31の基端部34およびフランジ部31f間において、軸部31の外周面に密に接触している。張出し部37Bの外周端縁部は、ベース本体32の内壁面に当接している。この構成により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)は、第1の弾性支持部材37により、外周側から弾性的に支持されている。
【0104】
この第9の変形例においても、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に対して位置ずれを起こしている場合には(前記実施例の
図8参照)、当該位置ずれがボールベアリングを介したアクチュエータ3Aの基端部34の移動により吸収されるので(
図45参照)、アクチュエータ挿入孔20に対するアクチュエータ3Aの位置ずれをアクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)において吸収できるばかりでなく、基端部34がボールベアリングを介して支持されているので、アクチュエータ3Aの挿入時に基端部34に過大なスラスト荷重が作用した際に基端部34をボールベアリングにより確実に支承できる。
【0105】
また、上方への位置ずれを起こした状態でアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に挿入されたとき(前記実施例の
図15参照)、先端部30および基端部34が下方に移動することで軸部31も下方に移動しており、このとき、軸部31が第1の弾性支持部材37の下側領域の張出し部37Bを弾性変形させている(
図45参照)。よって、このとき、軸部31の外周面には、第1の弾性支持部材37の下側領域の張出し部37Bの弾性変形にともなう弾性反発力が上方に作用している。
【0106】
そのため、可動扉の開放の際、可動扉の移動にともなってアクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20から離れようとしたとき、軸部31に作用する第1の弾性支持部材37の下側領域の張出し部37Bの弾性反発力により、軸部31(したがってアクチュエータ3A)が上方に移動しようとする。このとき、アクチュエータ3Aの基端部34がボールベアリングにより移動自在になっているので、アクチュエータ3Aの上方への移動はスムーズに行われる。
【0107】
なお、
図45では、アクチュエータ3Aがアクチュエータ挿入孔20に対して上方に位置ずれを起こしていることにより、位置ずれの吸収時にアクチュエータ3Aの軸部31が第1の弾性支持部材37の下側領域の張出し部37Bを弾性変形させる場合を例にとって説明したが、下方への位置ずれの場合には、軸部31が第1の弾性支持部材37の上側領域の張出し部37Bを弾性変形させ、左右への位置ずれの場合には、軸部31が第1の弾性支持部材37の左側または右側領域の張出し部37Bを左方または右方に弾性変形させることになる。
【0108】
〔第10の変形例〕
図46ないし
図52は、本発明の第10の変形例によるアクチュエータユニットおよびスイッチ本体を備えた安全スイッチを説明するための図である。
図46は安全スイッチの概略構成図(前記実施例の
図1に相当する図)、
図47はアクチュータユニットの縦断面図(前記実施例の
図5に相当する図)、
図48ないし
図50は、アクチュエータユニットがスイッチ本体のアクチュエータ挿入孔に対して位置ずれがある場合においてアクチュエータユニットおよびアクチュエータの移動を時系列的に示す図(前記実施例の
図8ないし
図10に相当する図)、
図51はアクチュエータ移動後のアクチュエータユニットの縦断面図(前記実施例の
図13に相当する図)、
図52は、アクチュエータがスイッチ本体に挿入されてスイッチ本体内部の係止部材がアクチュエータに係止した状態を示す図(前記実施例の
図15に相当する図)である。各図中、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0109】
この第10の変形例では、アクチュエータの形状が前記実施例のものと異なっている。前記実施例では、アクチュエータ3Aの軸部31が円柱形状を有し(つまり横断面円形状であって)、先端部30が先端に凸円弧状面30aを有する半球形状を有している例を示したが、第10の変形例では、アクチュエータ3A’の軸部31’は板状であって(
図50、
図52参照)(つまり横断面矩形状であって)、平坦状の先端部31’aの角部にアール部(つまり凸円弧状面)31’rを有している。また、軸部31’の先端部31’aの近傍領域には、軸部31’を厚み方向に貫通するたとえば矩形状の係止孔31’bが形成されている。
【0110】
なお、
図47および
図51に示すように、この第10の変形例では、第1の弾性支持部材として、前記実施例におけるワイヤ37
1~37
4が用いられているが、第1の弾性支持部材としては、上述した各変形例に示したようなその他の部材を用いるようにしてもよい。また、アクチュエータ3A’の軸部31’を板状にしたことにともなって、ベース部3Bのベース本体32の前端面に形成する開口32aを円形ではなく、矩形状にしてもよい。
【0111】
図46に示すように、アクチュエータ3A’の中心線3C
Lがスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20の中心線2C
Lと一致している場合には、アクチュエータ挿入時には、アクチュエータ3A’の先端部31’aは、アクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aと干渉することなく、アクチュエータ挿入孔20への挿入はスムーズに行われる。
【0112】
その一方、
図48に示すように、軸部31’(つまりアクチュエータ3A’)の中心線3C
Lがスイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20の中心線2C
Lに対して位置ずれを起こしていたとき、アクチュエータ挿入時には、アクチュエータ3A’の先端部31’aのアール部31’rがアクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aに当接する(
図49参照)。これにより、可動扉の閉塞中には、先端部31’aのアール部31’rがテーパー面20aに沿ってテーパー面20a上を摺動しつつ図示斜め下方に移動しようとする。
【0113】
このとき、
図47に示すように、アクチュエータ3A’の基端部34の後端面から突出する各ボール35が蓋体33の内面に沿って矢印B方向に移動自在になっているので、可動扉の閉塞中にアクチュエータ3A’の先端部31’aに対して下方に移動させる力が作用すると、
図51に示すように、各ボール35が蓋体33の内面上を転動することにより、基端部34が蓋体33の内面に沿って下方に移動する。これにより、アクチュエータ3A’がベース部3Bに対して下方に移動する
【0114】
その結果、アクチュエータ3A’の先端部31’aのアール部31’rがアクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aに沿って
図49斜め下方に移動し、
図50に示すように、アクチュエータ3A’がアクチュエータ挿入孔20を通ってスイッチ本体2の内部に挿入される。すると、
図52に示すように、スイッチ本体2内部の係止部材(たとえばカム部材)SRが、アクチュエータ3A’の軸部31’の係止孔31’bを係止する。これにより、アクチュエータ3A’がロックされて抜け止めがなされる。この状態から、スイッチ本体2の内部の接点(図示せず)が切り替わって、ロボット等の機械の駆動が開始される。
【0115】
この第10の変形例においても、前記実施例と同様に、位置ずれの発生時には、ボールベアリングを介したアクチュエータ3A’の基端部34の移動により位置ずれを吸収できるとともに、アクチュエータ挿入方向(矢印A方向)と交差する任意の方向(矢印B方向)の位置ずれを吸収できる。さらに、位置ずれの発生時にアクチュエータ3A’の基端部34に作用する過大なスラスト荷重をボールベアリングにより確実に支承できる。また、ボールベアリングを用いることで、摩擦係数を小さくでき、耐久性を一層向上できる。なお、各ワイヤ37
1~37
4の弾性変形にともなう弾性反発力がアクチュエータ3A’に作用することにより、アクチュエータ3A’が元の位置に戻る点についても、前記実施例と同様であるが、この第10の変形例では、アクチュエータ3A’の軸部31’が矩形状断面を有していることから、アクチュエータ挿入孔20への挿入および挿入後の係止部材SRによる軸部31’の係止孔31’bへの係止がよりスムーズに行われるようにするためには、軸部31’の自転が規制されている方が好ましく、その点で各ワイヤ37
1~37
4は軸部31’を上下左右から挟持している(後述する第12の変形例(
図54)参照)。軸部31’の自転を規制する機構としては、上述した第3の変形例(
図24)や第4の変形例(
図28)によるものを採用するようにしてもよい。
【0116】
〔第11の変形例〕
前記実施例では、アクチュエータ3Aの基端部34が5個のボール35を保持している例を示したが(
図4、
図12参照)、本発明の適用はこれに限定されない。ボール35の個数は5個より多くても少なくてもよい。
図53は本発明の第11の変形例を示しており、前記実施例の
図4に相当しているが、
図53では基端部34の後端面のみを取り出して示している。
【0117】
図53に示すように、アクチュエータ3Aの基端部34には、円周上に均等間隔または略均等間隔で配置された5個のボール35に加えて、中心位置または略中心位置に1個のボール35が配置されている。各ボール35の配置については、これ以外に種々の配置が考えられ、各ボール35の大きさも必ずしも同一でなくてもよい。
【0118】
前記実施例では、ボール35の保持穴34aの底部がテーパー状に形成された例を示したが(
図5参照)、本発明の適用はこれに限定されない。保持穴34aの底部は平坦状でもよい。また、保持穴34aの形状は、必ずしも円形状でなくてもよく、楕円状/長円状/オーバル状等でも、多角形状でもよく、さらに、一つの保持穴34aに複数のボール35を保持するようなものでもよい。
【0119】
前記実施例では、基端部34に保持穴34aが直接形成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。低摩擦係数の材料から薄肉の保持具を製作し、大きめに形成した保持穴34aに当該保持具を嵌入して固着することにより、ボール35を保持具により自転自在に保持するようにしてもよい。
【0120】
前記実施例では、ボール35が基端部34に保持された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。蓋体33を厚肉にし、これに複数の保持穴を形成してそれぞれボールを自転自在に保持させるとともに、基端部34の後端面を平坦状面にして、各ボールを基端部34の後端面に当接させるようにしてもよい。
【0121】
〔第12の変形例〕
図54は、本発明の第12の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記実施例の
図6に相当する図である。前記実施例では、アクチュエータ3Aの軸部31が円形断面を有している例を示したが、軸部31は矩形状断面を有していてもよい。
図54に示す例では、正方形断面を有する軸部31Aが示されている。同図に示すように、軸部31Aの4つの面には、それぞれワイヤ37
1~37
4が当接しており、これにより、位置ずれ発生時のアクチュエータ挿入の際にアクチュエータ3Aが移動するとき、軸部31Aの自転が規制されるようになっている。
【0122】
〔第13の変形例〕
図55は、本発明の第13の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記第1の変形例の
図16に相当する図である。前記第1の変形例では、アクチュエータ3
Aの軸部31が円形断面を有している例を示したが、軸部31は矩形状断面を有していてもよい。
図55に示す例では、正方形断面を有する軸部31Bが示されている。同図に示すように、軸部31Bの4つの面には、それぞれねじりコイルばね37C
1~37C
4の各可動腕部37
1~37
4が当接している。これにより、位置ずれ発生時のアクチュエータ挿入の際にアクチュエータ3Aが移動するとき、軸部31Bの自転が規制されるようになっている。
【0123】
〔第14の変形例〕
図56は、本発明の第14の変形例によるアクチュエータユニットを示しており、前記第5の変形例の
図32に相当する図である。前記第5の変形例では、アクチュエータ3
Aの軸部31が円形断面を有している例を示したが、軸部31は矩形状断面を有していてもよい。
図56に示す例では、正方形断面を有する軸部31Cが示されている。同図に示すように、軸部31Cの4つの面には、それぞれゴムバンド37
1、37
2が当接している。これにより、位置ずれ発生時のアクチュエータ挿入の際にアクチュエータ3Aが移動するとき、軸部31Cの自転が規制されるようになっている。
【0124】
〔第15の変形例〕
前記第10の変形例では、スイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20がテーパー面20aを有し、アクチュエータ3A’の先端部31’aの角部がアール部(つまり凸円弧状面)31’rを有している例を挙げたが、本発明の適用はこれに限定されない。アクチュエータ挿入孔20が凸円弧状面を有し、アクチュエータ3A’の先端部31’aの角部が面取り部(つまり傾斜面)を有していてもよい。
【0125】
〔第16の変形例〕
スイッチ本体2のアクチュエータ挿入孔20に設けられるテーパー面20a(
図1)は、スイッチ本体2の内部の係止部材SR(
図7)の近傍位置まで長く延設されていてもよい(図示せず)。この場合、アクチュエータ3Aが上下方向または左右方向のいずれかまたは双方に位置ずれを起こしていたとしても、アクチュエータ3Aがテーパー面20aに沿って係止部材SRの近傍位置まで移動した際には、アクチュエータ3Aの位置ずれは解消されており、これにより、係止部材SRによるアクチュエータ3Aの係止を確実に行えるようになる。
【0126】
〔第17の変形例〕
前記実施例では、アクチュエータ3Aの軸部31を半球状の先端部30よりも小径にした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。軸部31を先端部30と実質的に同一の径にするとともに、先端部30と軸部31との間に、先端部30および軸部31よりも小径の凹部または凹溝/周溝(図示せず)を形成し、これら凹部等に係止部材SRを係止させるようにしてもよい。あるいは、前記実施例において、小径の軸部31の長手方向中間位置において先端部30との間に間隔(係止部材SRの係止用凹部として機能する)を隔てて、先端部30と実質的に同一径で軸部31より大径の大径部を設けるようにしてもよい。
【0127】
これらの場合には、アクチュエータ3Aの先端部30がスイッチ本体2の内部に進入した後、先端部30と実質的に同一径の軸部31または大径部がアクチュエータ挿入孔20のテーパー面20aに当接しつつテーパー面20aに沿ってスイッチ本体2の内部に進入するので、アクチュエータ3Aが上下方向または左右方向のいずれかまたは双方に位置ずれを起こしていたとしても、アクチュエータ3Aが係止部材SRの位置まで移動した際には、アクチュエータ3Aの位置ずれは解消されており、これにより、係止部材SRによるアクチュエータ3Aの係止を確実に行えるようになる。
【0128】
〔その他の変形例〕
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、アクチュエータユニットおよびこれを備えた安全スイッチに有用である。
【符号の説明】
【0130】
1: 安全スイッチ
2: スイッチ本体
20: アクチュエータ挿入孔
3: アクチュエータユニット
3A、3A’: アクチュエータ
30、31’a: 先端部
30a: 凸円弧状面
31、31’: 軸部
31’b: 係止孔
31’r: アール部(凸円弧状面)
32a: 開孔
34: 基端部(保持部)
34a: 保持穴
35: ボール
3B: ベース部
371~374: ワイヤ(第1の弾性支持部材)
37C1~37C4: ねじりコイルばね/引張コイルばね(第1の弾性支持部材)
371、372: ゴムバンド
37C: 渦巻きばね(第1の弾性支持部材)
39’: 円弧状の硬質プレート(円弧状プレート部材)
39’a: 凹円弧状面
40: 蛇腹状部(第1の弾性支持部材)
5: 弾性構造体(第2の弾性支持体)
SR: 係止部材
A: アクチュエータ挿入方向
B: アクチュエータ挿入方向との交差方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【文献】特開2017-91877号公報(段落[0037]、[0038]、[0044]、
図1、
図13~
図15参照)
【文献】特開平8-138500号公報(段落[0009]、[0020]、
図1~
図3参照)
【文献】特開平11-317132号公報(請求項1、段落[0011]、[0012]、
図1、
図3、
図4参照)