(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20250117BHJP
E05F 15/73 20150101ALI20250117BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/73
(21)【出願番号】P 2020180463
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴志
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095940(JP,A)
【文献】特開2014-175878(JP,A)
【文献】特表2005-532493(JP,A)
【文献】特開昭62-107192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06- 9/18
E06B 9/24- 9/388
E06B 9/40- 9/50
E06B 9/56- 9/92
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、
前記開閉体を開放移動させるための開放
操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放
操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、
前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖
操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖
操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、
前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作
の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止操作
の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、
前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、
前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、
前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ
前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、
前記開放操作手段を、前記開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、
前記閉鎖操作手段を、前記開放操作手段とは別体であって、前記閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、
前記停止操作手段を、前記開放操作手段及び前記閉鎖操作手段とは別体であって、前記停止信号を識別可能に送信する非接触センサ又は押しボタンにて構成し、
前記開閉移動制御手段は、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、
前記停止応答時間のうち
前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられるまでの時間である停止受付時間を、前記開放応答時間のうち
前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられるまでの時間である開放受付時間よりも短く、且つ前記閉鎖応答時間のうち
前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられるまでの時間である閉鎖受付時間よりも短くした、
制御システム。
【請求項2】
前記停止応答時間のうち前記停止
操作の入力が受け付けられてから前記停止信号が送信されるまでの時間である停止送信時間を、前記開放応答時間のうち前記開放
操作の入力が受け付けられてから前記開放信号が送信されるまでの時間である開放送信時間と同一とし、且つ前記閉鎖応答時間のうち前記閉鎖
操作の入力が受け付けられてから前記閉鎖信号が送信されるまでの時間である閉鎖送信時間と同一とした、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、
前記開閉体を開放移動させるための開放
操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放
操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、
前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖
操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖
操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、
前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止
操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止
操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、
前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、
前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、
前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ
前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、
前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、及び前記停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成し、
前記1つの非接触センサは、前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を、識別不能信号であって前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を識別不能に送信するための識別不能信号で送信するものであり、
前記開閉移動制御手段は、
前記開閉体の移動状態又は/及び前記開閉体の開閉状態に基づいて、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を、前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号として特定し、
当該特定した前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、
前記1つの非接触センサにおいて、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている旨を示す開閉移動中信号が前記開閉移動制御手段から受信されている場合には、前記1つの非接触センサにおける
操作が行われてから前記操作の入力が受け付けられた後に前記識別不能信号が送信されるまでの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、
前記開閉移動制御手段は、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を前記停止信号として特定する、
制御システム。
【請求項4】
建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、
前記開閉体を開放移動させるための開放
操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放
操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、
前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖
操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖
操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、
前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止
操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止
操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、
前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、
前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、
前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ
前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、
前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、及び前記停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成し、
前記1つの非接触センサは、前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を、識別不能信号であって前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を識別不能に送信するための識別不能信号で送信するものであり、
前記開閉移動制御手段は、
前記開閉体の移動状態又は/及び前記開閉体の開閉状態に基づいて、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を、前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号として特定し、
当該特定した前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、
前記1つの非接触センサは、前記識別不能信号である第1信号を送信すると共に、前記識別不能信号である第2信号を前記第1信号の送信から所定時間経過後に送信し、
前記1つの非接触センサにおける
操作が行われてから前記操作の入力が受け付けられた後に前記第1信号が送信されるまでの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、
前記開閉移動制御手段は、
前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を前記停止信号として特定し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を無視し、
前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を無視し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を前記開放信号又は前記閉鎖信号として特定する、
制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に取り付けられるシャッター装置を対象として、感染症対策の観点から、開閉体の開閉移動に関する操作を非接触で行うための技術が提案されている。このような技術においては、例えば、開口部の周縁に設けられたエリアセンサによって手指が接近していることが検知されているか否かの検知状態に基づいて、開閉体を開閉移動させたり、当該開閉移動を停止させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、上記エリアセンサは、開ボタンに対応する第1エリアセンサと、停止ボタンに対応する第2エリアセンサと、閉ボタンに対応する第3エリアセンサとを含んでおり、これらエリアセンサは、手指の接近を検知すると検知信号を送信する近赤外線距離限定反射式のエリアセンサでそれぞれ構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の技術においては、上述したように、第1エリアセンサ、第2エリアセンサ、及び第3エリアセンサは、近赤外線距離限定反射式のエリアセンサで構成されているものの、各エリアセンサにおける手指の接近の検知から検知信号の送信までに要する時間の設定の詳細については開示されていない。このため、例えば、各エリアセンサの上記時間がそれぞれ同一且つ比較的長い時間に設定されている場合において、第3エリアセンサを用いて開閉体の閉鎖移動を停止させようとすると、当該停止に時間を要することで開口部を通行する人又は物と開閉体とが接触してしまうおそれがあった。よって、シャッター装置の如き開閉装置の使用時の安全性を高める観点からは、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、開閉装置の使用時の安全性を高めることが可能になる、制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、前記開閉体を開放移動させるための開放操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、前記開放操作手段を、前記開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、前記閉鎖操作手段を、前記開放操作手段とは別体であって、前記閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、前記停止操作手段を、前記開放操作手段及び前記閉鎖操作手段とは別体であって、前記停止信号を識別可能に送信する非接触センサ又は押しボタンにて構成し、前記開閉移動制御手段は、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、前記停止応答時間のうち前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられるまでの時間である停止受付時間を、前記開放応答時間のうち前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられるまでの時間である開放受付時間よりも短く、且つ前記閉鎖応答時間のうち前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられるまでの時間である閉鎖受付時間よりも短くした。
【0007】
請求項2に記載の制御システムは、請求項1に記載の制御システムにおいて、前記停止応答時間のうち前記停止操作の入力が受け付けられてから前記停止信号が送信されるまでの時間である停止送信時間を、前記開放応答時間のうち前記開放操作の入力が受け付けられてから前記開放信号が送信されるまでの時間である開放送信時間と同一とし、且つ前記閉鎖応答時間のうち前記閉鎖操作の入力が受け付けられてから前記閉鎖信号が送信されるまでの時間である閉鎖送信時間と同一とした。
【0008】
請求項3に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、前記開閉体を開放移動させるための開放操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、及び前記停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成し、前記1つの非接触センサは、前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を、識別不能信号であって前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を識別不能に送信するための識別不能信号で送信するものであり、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体の移動状態又は/及び前記開閉体の開閉状態に基づいて、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を、前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号として特定し、当該特定した前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、前記1つの非接触センサにおいて、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている旨を示す開閉移動中信号が前記開閉移動制御手段から受信されている場合には、前記1つの非接触センサにおける操作が行われてから前記操作の入力が受け付けられた後に前記識別不能信号が送信されるまでの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を前記停止信号として特定する。
【0009】
請求項4に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、前記開閉体を開放移動させるための開放操作の入力を非接触で受け付けると、前記開放操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖操作の入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、前記停止操作手段における前記停止操作が行われてから前記停止操作の入力が受け付けられた後に前記停止信号が送信されるまでの応答時間である停止応答時間を、前記開放操作手段における前記開放操作が行われてから前記開放操作の入力が受け付けられた後に前記開放信号が送信されるまでの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作が行われてから前記閉鎖操作の入力が受け付けられた後に前記閉鎖信号が送信されるまでの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くし、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、及び前記停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成し、前記1つの非接触センサは、前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を、識別不能信号であって前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を識別不能に送信するための識別不能信号で送信するものであり、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体の移動状態又は/及び前記開閉体の開閉状態に基づいて、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を、前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号として特定し、当該特定した前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御し、前記1つの非接触センサは、前記識別不能信号である第1信号を送信すると共に、前記識別不能信号である第2信号を前記第1信号の送信から所定時間経過後に送信し、前記1つの非接触センサにおける操作が行われてから前記操作の入力が受け付けられた後に前記第1信号が送信されるまでの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を前記停止信号として特定し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を無視し、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を無視し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を前記開放信号又は前記閉鎖信号として特定する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の制御システムによれば、停止応答時間を、開放応答時間よりも短く、且つ閉鎖応答時間よりも短くしたので、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を高めることができる。
また、開放操作手段を、開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、閉鎖操作手段を、開放操作手段とは別体であって、閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、停止操作手段を、開放操作手段及び閉鎖操作手段とは別体であって、停止信号を識別可能に送信する非接触センサ又は押しボタンにて構成したので、開放操作の入力、閉鎖操作の入力、及び停止操作の入力を別体の非接触センサ(又は押しボタン)で個別に行うことができ、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の使用性を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の制御システムによれば、停止応答時間を、開放応答時間よりも短く、且つ閉鎖応答時間よりも短くしたので、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を高めることができる。
また、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成したので、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の部品数や製造作業の手間を低減でき、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の製造性を高めることができる。
また、開閉移動制御手段が、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定し、当該特定した開放信号、閉鎖信号、又は停止信号に基づいて、開閉体の開閉移動を制御するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて当該識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定でき、開閉体の開閉移動の制御を正確に行うことが可能となる。
また、開閉移動中信号が開閉移動制御手段から受信されている場合には、1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に識別不能信号が送信されるまでの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御手段が、開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を停止信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0014】
請求項4に記載の制御システムによれば、停止応答時間を、開放応答時間よりも短く、且つ閉鎖応答時間よりも短くしたので、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を高めることができる。
また、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成したので、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の部品数や製造作業の手間を低減でき、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の製造性を高めることができる。
また、開閉移動制御手段が、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定し、当該特定した開放信号、閉鎖信号、又は停止信号に基づいて、開閉体の開閉移動を制御するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて当該識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定でき、開閉体の開閉移動の制御を正確に行うことが可能となる。
また、1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に第1信号が送信されるまでの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御手段が、開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を停止信号として特定し、1つの非接触センサから受信された第2信号を無視し、開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を無視し、1つの非接触センサから受信された第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を第1信号及び第2信号で送信する場合に、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る開閉装置を概念的に示す図である。
【
図2】制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る開閉処理のフローチャートである。
【
図4】実施の形態2に係る開閉装置を概念的に示す図である。
【
図5】制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【
図7】実施の形態2に係る開閉処理のフローチャートである。
【
図8】実施の形態3に係る制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【
図10】実施の形態3に係る開閉処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムに関するものである。
【0021】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、開閉装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置や扉装置を含む概念である。また、開閉装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。
【0022】
また「開閉体の開閉状態」とは、例えば、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」を含む概念である。
【0023】
このうち、「全閉状態」とは、開閉体によって開口部を全閉した状態であり、この全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、開閉体によって開口部を全開した状態であり、この全開状態における開閉体の位置を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、開閉体が全閉位置と全開位置との間に位置している状態であり、半開状態における開閉体の位置を「半開位置」と称する。
【0024】
また「開閉体の移動状態」とは、例えば、「開放移動状態」、「閉鎖移動状態」、及び「停止状態」を含む概念である。
【0025】
このうち、「開放移動状態」とは、開閉体が開放移動している状態である。また、「閉鎖移動状態」とは、開閉体が閉鎖移動している状態である。また、「停止状態」とは、開閉体の開閉移動が停止している状態である。
【0026】
以下、実施の形態では、開閉装置が、マンションの如き建物のガレージの入出口に設けられた上下開閉式の電動シャッターである場合について説明する。
【0027】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0028】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る制御システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する開放操作部、後述する閉鎖操作部、及び後述する停止操作部が別体で構成される形態である。
【0029】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る制御システムが適用される開閉装置の構成について説明する。
【0030】
以下の説明では、
図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、
図1のY方向を開閉装置の上下方向(+Y方向を開閉装置の上方向、-Y方向を開閉装置の下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向(
図1の紙面の手前側に至る方向を開閉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、
図1の紙面の奥側に至る方向を開閉装置の後方向(建物の屋内側の方向))と称する。
【0031】
図1に示すように、この開閉装置1は、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、及び制御システム50を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0032】
また、この開閉装置1を構成する各構成要素の接続形態については、以下に示す通りに設定している。すなわち、後述する制御システム50の制御装置90は、開閉機40、後述する制御システム50の操作装置60、上限検知部71、下限検知部72、及び座板スイッチ81の各々と配線3を介して電気的に接続されている。これにより、後述する制御装置90と、開閉機40、後述する操作装置60、後述する上限検知部71、後述する下限検知部72、又は後述する座板スイッチ81との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0033】
なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
【0034】
(構成-収納部)
収納部10は、開閉装置1の各部を収納するための中空体である。
図1に示すように、この収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、開閉機40、巻取軸、並びに、後述する制御システム50の上限検知部71、下限検知部72、コードリール82、及び制御装置90が収容されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も、収納部10の内部に収容される。
【0035】
(構成-ガイドレール)
ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0036】
(構成-開閉体)
開閉体30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。この開閉体30は、
図1に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。
【0037】
また、この開閉体30の閉鎖側端部(具体的には、開閉体30の下端部)には、座板32が接続されている。この座板32は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の閉鎖側端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0038】
(構成-開閉機)
開閉機40は、巻取軸の回転を制御することによって開閉体30を電動で開閉移動させる駆動手段である。この開閉機40は、
図1に示すように、収納部10の内部において、巻取軸の近傍位置に設けられており、例えば公知の開閉機等によって構成されている。具体的には、駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達する出力軸と、出力軸を電動で回転させることにより、開閉体30を駆動させる駆動部と、出力軸への作用により巻取軸の回転を制動するブレーキ部を備えている(いずれも図示省略)。
【0039】
(構成-巻取軸)
巻取軸は、開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、この巻取軸の左端部(又は右端部)がチェーン(図示省略)及びクラッチ(図示省略)を介して開閉機40の出力軸に連結されているので、開閉機40の出力軸の回転に伴って巻取軸を回転させることができる。
【0040】
(構成-制御システム)
次に、制御システム50の構成について説明する。
【0041】
制御システム50は、開閉装置1を制御するためのものであり、
図1に示すように、操作装置60、上限検知部71、下限検知部72、座板スイッチ81、コードリール82、及び制御装置90を備えている。
【0042】
(構成-制御システム-操作装置)
操作装置60は、開閉装置1に関する操作を行う操作手段である。この操作装置60は、
図1に示すように、開口部2の近傍に設けられており、例えば公知のシャッター装置用の操作装置等を用いて構成されており、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63を備えている。
【0043】
(構成-制御システム-操作装置-開放操作部)
開放操作部61は、開閉体30を開放移動させるための開放操作の入力を非接触で受け付けると、開放操作の入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段である。この開放操作部61は、実施の形態1では、開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成されており、例えば、赤外線式の接触センサ、マイクロ波式の接触センサ、又は透過型の光電センサ等にて構成されてもよい。
【0044】
ここで、「開放信号を識別可能に送信する」とは、例えば、開放信号である旨を示す特定の識別コードを開放信号に含めて送信すること等が該当する(なお、閉鎖信号や停止信号を識別可能に送信する場合についても略同様とする)。
【0045】
(構成-制御システム-操作装置-閉鎖操作部)
閉鎖操作部62は、開閉体30を閉鎖移動させるための閉鎖操作の入力を非接触で受け付けると、閉鎖操作の入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段である。この閉鎖操作部62は、実施の形態1では、開放操作部61とは別体であって、閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサ(例えば、赤外線式の接触センサ等)にて構成されており、開放操作部61とは相互に間隔を隔てて設けられている。
【0046】
(構成-制御システム-操作装置-停止操作部)
停止操作部63は、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作の入力を接触又は非接触で受け付けると、停止操作の入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段である。この停止操作部63は、実施の形態1では、開放操作部61及び閉鎖操作部62とは別体であって、停止信号を識別可能に送信する非接触センサ(例えば、赤外線式の接触センサ等)にて構成されており、開放操作部61及び閉鎖操作部62とは相互に間隔を隔てて設けられている。ただし、これに限らず、例えば、停止信号を識別可能に送信する押しボタンにて構成されてもよい。
【0047】
また、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63における各種の信号の送信に関する設定方法については任意であるが、実施の形態1では、停止操作部63における停止操作が行われてから停止操作の入力が受け付けられた後に停止信号が送信されるまでの応答時間(以下、「停止応答時間」と称する)を、開放操作部61における開放操作が行われてから開放操作の入力が受け付けられた後に開放信号が送信されるまでの応答時間(以下、「開放応答時間」と称する)よりも短く、且つ閉鎖操作部62における閉鎖操作が行われてから閉鎖操作の入力が受け付けられた後に閉鎖信号が送信されるまでの応答時間(以下、「閉鎖応答時間」と称する)よりも短く設定している。
【0048】
具体的には、停止応答時間のうち停止操作が行われてから停止操作の入力が受け付けられるまでの時間(具体的には、停止操作の入力が継続して行われている時間。以下、「停止受付時間」と称する。)を、開放応答時間のうち開放操作が行われてから開放操作の入力が受け付けられるまでの時間(具体的には、開放操作の入力が継続して行われている時間。以下、「開放受付時間」と称する。)よりも短く、且つ閉鎖応答時間のうち閉鎖操作が行われてから閉鎖操作の入力が受け付けられるまでの時間(具体的には、閉鎖操作の入力が継続して行われている時間。以下、「閉鎖受付時間」と称する。)よりも短く設定している。
【0049】
また、停止応答時間のうち停止操作の入力が受け付けられてから停止信号が送信されるまでの時間(以下、「停止送信時間」と称する)を、開放応答時間のうち開放操作の入力が受け付けられてから開放信号が送信されるまでの時間(以下、「開放送信時間」と称する)と同一であり、且つ閉鎖応答時間のうち閉鎖操作の入力が受け付けられてから閉鎖信号が送信されるまでの時間(以下、「閉鎖送信時間」と称する)と同一に設定している。
【0050】
なお、実施の形態1では、開放応答時間及び閉鎖応答時間については、同一に設定しているが、これに限らず、例えば、非同一に設定してもよい。
【0051】
例えば、開放応答時間=閉鎖応答時間=1.0secである場合には、停止応答時間=0.05secに設定してもよい。
【0052】
このような設定により、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置1の使用時の安全性を高めることができる。
【0053】
なお、実施の形態1では、操作装置60は、制御装置90と有線で通信するものとして説明するが、これに限られず、例えば、制御装置90と無線で通信するものであってもよい。また、これら有線式及び無線式の操作装置60の両方が設けられてもよい。
【0054】
以上のような操作装置60により、開放操作の入力、閉鎖操作の入力、及び停止操作の入力を別体の非接触センサ(又は押しボタン)で個別に行うことができ、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の使用性を高めることができる。
【0055】
(構成-制御システム-上限検知部)
上限検知部71は、開閉体30の閉鎖側端部が全開位置に到達しているか否かを検出する上限検知手段である。この上限検知部71は、例えば公知の検知センサ(一例として、開閉機40の出力軸の回転数を検出するカウンター式のリミットスイッチ等)を用いて構成されており、
図1に示すように、収納部10内において開閉機40の近傍位置に設置されている。
【0056】
また、上限検知部71が上記カウンター式のリミットスイッチである場合の具体的な検知動作については任意であるが、例えば、開閉機40の出力軸の回転数が、開閉体30の閉鎖側端部が開口部2の下端部から全開位置に到達するまでに必要な必要回転数に達している場合には、その旨を示す上限検知信号を出力する。一方で、開閉機40の出力軸の回転数が上記必要回転数に達していない場合には、上限検知信号を出力しないものとする。
【0057】
(構成-制御システム-下限検知部)
下限検知部72は、開閉体30の閉鎖側端部が、全閉位置に到達しているか否かを検出する下限検知手段である。この下限検知部72は、例えば公知の検知センサ(一例として、開閉機40の出力軸の回転数を検出するカウンター式のリミットスイッチ等)を用いて構成されており、
図1に示すように、収納部10内において開閉機40の近傍位置に設置されている。
【0058】
また、下限検知部72が上記カウンター式のリミットスイッチである場合の具体的な検知動作については任意であるが、例えば、開閉機40の出力軸の回転数が、開閉体30の閉鎖側端部が開口部2の上端部から全閉位置に到達するまでに必要な必要回転数に達している場合には、その旨を示す下限検知信号を出力する。一方で、開閉機40の出力軸の回転数が上記必要回転数に達していない場合には、下限検知信号を出力しないものとする。
【0059】
(構成-制御システム-座板スイッチ)
座板スイッチ81は、障害物を検知する障害物検知手段である。ここで、「障害物」とは、開閉体30の開閉移動(具体的には閉鎖移動)の妨げになるものを意味し、例えば、人、動物、物等が該当する。
【0060】
この座板スイッチ81は、例えば公知の有線式の座板スイッチ(一例として、マイクロスイッチ等)を用いて構成されており、
図1に示すように、座板32に取り付けられている。
【0061】
また、座板スイッチ81がマイクロスイッチである場合の検知動作については任意であるが、例えば、開閉体30の閉鎖移動中に開閉体30の閉鎖側端部が障害物に接触して当該開閉体30に対して相対的に上方に持ち上げられた場合に、その持ち上げられた変位がマイクロスイッチ等によって検知されることにより、障害物が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「障害物検知信号」と称する)を出力する。一方で、開閉体30の閉鎖移動中において開閉体30の閉鎖側端部が障害物に接触していないことで当該開閉体30に対して相対的に上方に持ち上げられていない場合には、障害物検知信号を出力しないものとする。
【0062】
なお、実施の形態1では、座板スイッチ81が設けられていると説明するが、これに限られず、例えば、座板スイッチ81に代えて、障害物を検知するための任意の検知手段を用いることができ、一例として、光電センサ等によって、開閉体30の閉鎖側端部よりも下方に存在する障害物を検知してもよい。
【0063】
(構成-制御システム-コードリール)
コードリール82は、開閉装置1の開閉移動に伴って座板スイッチ81が当該開閉移動方向に向けて移動しても、座板スイッチ81と制御装置90とを有線通信可能に接続する配線4(以下、「座板側配線4」と称する)の巻出し長さが常に適切な長さに維持されるように、座板側配線4の巻上げ又は巻出しを行うものである。このコードリール82は、例えば公知のコードリール等を用いて構成されており、
図1に示すように、開口部2の近傍に設けられている。
【0064】
(構成-制御システム-制御装置)
制御装置90は、開閉装置1の各部を相互に連動させる装置であり、
図2に示すように、通信部91、電源部92、制御部93、及び記憶部94を備えている。
【0065】
(構成-制御装置-通信部)
通信部91は、開閉機40、操作装置60、上限検知部71、下限検知部72、又は座板スイッチ81と制御装置90との相互間で通信を行うための通信手段である。
【0066】
(構成-制御装置-電源部)
電源部92は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置90の各部に供給すると共に、操作装置60、上限検知部71、下限検知部72、又は座板スイッチ81等にも供給する電源手段である。
【0067】
(構成-制御装置-制御部)
制御部93は、制御装置90の各部を制御する制御手段である。この制御部93は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0068】
また、この制御部93は、
図2に示すように、機能概念的に、開閉移動制御部93aを備えている。
【0069】
(構成-制御装置-制御部-開閉移動制御部)
開閉移動制御部93aは、開放操作部61、閉鎖操作部62、又は停止操作部63から受信された信号に基づいて、開閉体30の開閉移動を制御する開閉移動制御手段である。なお、この制御部93によって実行される処理の詳細については後述する。
【0070】
(構成-制御装置-記憶部)
記憶部94は、制御装置90の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0071】
(開閉処理)
次に、制御システム50の制御装置90によって実行される開閉処理について説明する。以下の説明では、
図3に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。
【0072】
開閉処理は、開閉体30の開閉移動を制御するための処理である。この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、開閉装置1の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
【0073】
開閉処理が起動されると、
図3に示すように、SA1において開閉移動制御部93aは、操作装置60から開放信号、閉鎖信号、停止信号が受信されたか否かを判定する。ここで、実施の形態1では、上述したように、停止応答時間が開放応答時間及び閉鎖応答時間よりも短いので、停止信号を迅速に受信でき、後述するSA2において当該停止信号に基づいた処理(開閉移動の停止)を迅速に行うことが可能となる。
【0074】
そして、開閉移動制御部93aは、開放信号等が受信されたと判定された場合(SA1、Yes)にはSA2に移行し、開放信号等が受信されていないと判定された場合(SA1、No)にはSA3に移行する。
【0075】
SA2において開閉移動制御部93aは、SA1にて受信された開放信号等に基づいて、開閉体30を開閉移動させたり、又は開閉体30の開閉移動を停止させる。
【0076】
具体的には、SA1にて開放信号又は閉鎖信号が受信された場合には、開放信号又は閉鎖信号に対応する制御信号(以下、「開放制御信号」、「閉鎖制御信号」と称する)を開閉機40に送信することにより、開閉機40のブレーキ部を電気的に解放させると共に、開閉機40の駆動部を駆動させることで、開閉体30を電動で閉鎖移動又は開放移動させる。ここで、実施の形態1では、開放信号等の受信が停止した場合においても、上記制御信号の送信を継続することによって開閉機40の駆動部を駆動させることで、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を継続させる。すなわち、いわゆる「自己保持操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行う(なお、停止信号が受信された場合についても略同様とする)。ただし、これに限らず、例えば、閉鎖信号等の受信が停止した場合に、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動も停止させてもよい。すなわち、いわゆる「押切操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。
【0077】
また、開閉体30が閉鎖移動又は開放移動している場合に停止信号が受信された場合には、停止信号に対応する制御信号(以下、「停止制御信号」と称する)を開閉機40に送信することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキ部を作用させることで、開閉体30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる(なお、後述するSB5の処理についても略同様とする)。
【0078】
SA3において開閉移動制御部93aは、開口部2に障害物が存在するか否かを判定する。
【0079】
この障害物が存在するか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態1では、SA3の処理時において座板スイッチ81から障害物検知信号が受信されているか否かに基づいて判定し、障害物検知信号が受信されている場合には障害物が存在すると判定し、障害物検知信号が受信されていない場合には障害物が存在しないと判定する。
【0080】
そして、開閉移動制御部93aは、障害物が存在すると判定された場合(SA3、Yes)にはSA4に移行し、障害物が存在しないと判定された場合(SA3、No)にはSA5に移行する。
【0081】
SA4において開閉移動制御部93aは、SA4の処理直前において開閉体30の開閉移動が継続されている場合には、当該開閉移動を停止させる。その後、SA1に移行する。
【0082】
ここで、開閉体30の開閉移動を停止させる方法については任意であるが、実施の形態1では、開閉体30の開閉移動を一旦停止させた後(ただし、当該停止動作は開閉体30を開閉移動させている場合に限る)、開閉体30の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉体30を開放移動させ、その後この開放移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。だたし、これに限られず、例えば、開閉体30の開閉移動を単に停止させるだけでもよい(いわゆる、「タッチストップ動作」を行う)。
【0083】
SA5において開閉移動制御部93aは、開閉体30の開閉状態が全閉状態又は全開状態であるか否かを判定する。
【0084】
この全閉状態又は全開状態であるか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態1では、SA5の処理時において上限検知部71又は下限検知部72から上限検知信号又は下限検知信号を受信しているか否かに基づいて判定し、上限検知信号又は下限検知信号を受信している場合には、全閉状態又は全開状態であると判定し、上限検知信号及び下限検知信号を受信していない場合には、全閉状態又は全開状態でないと判定する。
【0085】
そして、開閉移動制御部93aは、全閉状態又は全開状態であると判定された場合(SA5、Yes)にはSA4に移行して、開閉体30の開閉移動を停止させる。一方、全閉状態又は全開状態でないと判定された場合(SA5、No)にはSA1に移行して、以降同様に、SA1からSA5の処理を繰り返す。
【0086】
以上のような開閉処理により、開閉体30の開閉移動を行うことができ、状況に応じて開閉体30の開閉状態を変更することができる。
【0087】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、停止応答時間を、開放応答時間よりも短く、且つ閉鎖応答時間よりも短くしたので、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置1の使用時の安全性を高めることができる。
【0088】
また、開放操作部61を、開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、閉鎖操作部62を、開放操作部61とは別体であって、閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、停止操作部63を、開放操作部61及び閉鎖操作部62とは別体であって、停止信号を識別可能に送信する非接触センサ(又は押しボタン)にて構成したので、開放操作の入力、閉鎖操作の入力、及び停止操作の入力を別体の非接触センサ(又は押しボタン)で個別に行うことができ、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の使用性を高めることができる。
【0089】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る制御システムについて説明する。この実施の形態2は、開放操作部、閉鎖操作部、及び停止操作部が一体で構成される形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0090】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る開閉装置の構成について説明する。
【0091】
実施の形態2に係る開閉装置101は、
図4に示すように、実施の形態1に係る開閉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、操作装置60及び制御装置90の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0092】
(構成-操作装置の構成の詳細)
次に、操作装置60の構成の詳細について説明する。
【0093】
実施の形態2において、操作装置60は、
図4に示すように、開放操作部61、閉鎖操作部62、停止操作部63、及び操作側受信部(図示省略)を備えている。このうち、操作側受信部は、操作装置60と制御装置90との相互間で通信を行うための操作側通信手段である。
【0094】
(構成-操作装置の構成の詳細-開放操作部、閉鎖操作部、停止操作部)
また、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の具体的な構成については任意であるが、実施の形態2では、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63は、1つの非接触センサにて一体に構成されている。
【0095】
具体的には、開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を、識別不能信号で送信する1つの非接触センサにて構成されている。例えば、赤外線式の接触センサ、マイクロ波式の接触センサ、又は透過型の光電センサ等にて構成されてもよい。
【0096】
ここで、「識別不能信号」とは、開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能に送信するための信号(ただし、制御装置90によって受信され得る程度に識別可能な信号)である。この識別不能信号は、例えば、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号である旨を示す特定の識別コードを含まない信号であって、特定の種類の信号等が該当する。
【0097】
このような構成により、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の部品数や製造作業の手間を低減でき、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の製造性を高めることができる。
【0098】
また、上記1つの非接触センサにおける各種の信号の送信に関する設定方法については任意であるが、実施の形態2では以下の通りに設定する。
【0099】
すなわち、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させている旨を示す信号(以下、「開閉移動中信号」と称する)が制御装置90(具体的には、開閉移動制御部93a)から受信されている場合には、上記1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に識別不能信号が送信されるまでの応答時間(以下、「識別不能応答時間」と称する)を、停止応答時間と同一に設定する。また、開閉移動中信号が受信されていない場合には、識別不能応答時間を、開放応答時間(又は閉鎖応答時間)と同一に設定する。
【0100】
このような設定により、開閉体30が開放移動又は閉鎖移動している場合には識別不能信号を迅速に送信でき、当該識別不能信号に基づいた処理(開閉移動の停止)を迅速に行うことが可能となる。また、開閉体30の開閉移動が停止している場合には識別不能信号の誤送信を抑制でき、当該識別不能信号に基づいた処理を正確に行うことができる。
【0101】
(構成-制御装置の構成の詳細)
次に、制御装置90の構成の詳細について説明する。
【0102】
実施の形態2に係る制御装置90は、
図5に示すように、実施の形態1に係る制御装置90とほぼ同様に構成されている。ただし、記憶部94の構成については、下記に示す工夫が施されている。
【0103】
(構成-制御装置の構成の詳細-記憶部)
記憶部94は、
図5に示すように、第1特定テーブル94aを備えている。
【0104】
第1特定テーブル94aは、操作装置60から受信された識別不能信号が開放信号、閉鎖信号、又は停止信号であるかを特定するための情報(以下、「特定情報」と称する)を格納する第1特定格納手段である。この第1特定テーブル94aは、
図6に示すように、項目「移動状態情報」、項目「開閉状態情報」、及び項目「特定情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納している。
【0105】
このうち、項目「移動状態情報」に対応する情報は、開閉体30の移動状態を示す移動状態情報であり、例えば、
図6に示す「開放移動状態」等が該当する。また、項目「開閉状態情報」に対応する情報は、開閉体30の開閉状態を示す開閉状態情報であり、例えば、
図6に示す「全開状態」等が該当する。また、項目「特定情報」に対応する情報は、特定情報であり、例えば、
図6に示す特定すべき信号である「停止信号」等が該当する。なお、
図6における「-」については、何らの情報も格納されていないことを表している。
【0106】
(開閉処理)
次に、制御システム50の制御装置90によって実行される開閉処理について説明する。
【0107】
開閉処理が起動されると、
図7に示すように、SB1において開閉移動制御部93aは、操作装置60から識別不能信号が受信されたか否かを判定する。ここで、実施の形態2では、上述したように、操作装置60が開閉移動中信号を受信している場合には、識別不能応答時間が停止応答時間と同一に設定されるので、識別不能信号を迅速に受信できる。よって、後述するSB4、後述するSB5において上記識別不能信号に基づいた処理(開閉移動の停止)を迅速に行うことができ、開閉装置101の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0108】
そして、開閉移動制御部93aは、識別不能信号が受信されたと判定された場合(SB1、Yes)にはSB2に移行し、識別不能信号が受信されていないと判定された場合(SB1、No)にはSB6に移行する。
【0109】
SB2において開閉移動制御部93aは、開閉体30の移動状態を特定する。
【0110】
この開閉体30の移動状態の特定方法については任意であるが、実施の形態2では、SB1の処理時における開閉機40に送信されている制御信号の種別に基づいて特定している。具体的には、開放制御信号が送信されている場合には、開放移動状態であると特定し、閉鎖制御信号が送信されている場合には、開放移動状態であると特定し、停止制御信号が送信されている場合、あるいは、開放制御信号、閉鎖制御信号、又は停止制御信号のいずれも送信されていない場合には、停止状態であると特定する。
【0111】
SB3において開閉移動制御部93aは、開閉体30の開閉状態を特定する。
【0112】
この開閉体30の開閉状態の特定方法については任意であるが、実施の形態2では、SB1の処理時における上限検知部71又は下限検知部72からの上限検知信号又は下限検知信号の受信状態に基づいて特定している。具体的には、上限検知信号が受信されている状態では全開状態であると特定し、下限検知信号が受信されている状態では全閉状態であると特定し、上限検知信号及び下限検知信号が受信されていない状態では半開状態であると特定する。
【0113】
SB4において開閉移動制御部93aは、SB2にて特定された開閉体30の移動状態、又は/及びSB3にて特定された開閉体30の開閉状態に基づいて、操作装置60(具体的には、上記1つの非接触センサ)から受信された識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定する。
【0114】
具体的には、第1特定テーブル94aに格納されている特定情報のうち、SB2にて特定された開閉体30の移動状態、又は/及びSB3にて特定された開閉体30の開閉状態に対応する特定情報を抽出し、当該抽出した特定情報が示す信号を特定すべき信号として特定する。
【0115】
例えば、
図6に示すように、SB2にて特定された開閉体30の移動状態=開放移動状態、SB3にて特定された開閉体30の開閉状態=半開状態である場合には、開放移動状態に対応する特定情報=停止信号を特定すべき信号として特定する。
【0116】
図7に戻り、SB5において開閉移動制御部93aは、SB4にて特定された信号に基づいて、開閉体30を開閉移動させたり、又は開閉体30の開閉移動を停止させる。
【0117】
具体的には、SB4にて開放信号が特定されると、開閉体30を開放移動させる。また、SB4にて閉鎖信号が特定されると、開閉体30を閉鎖移動させる。また、SB4にて停止信号が特定されると、開閉体30の開閉移動を停止させる。
【0118】
このようなSB4、SB5の処理により、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体30の移動状態又は/及び開閉体30の開閉状態に基づいて当該識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定でき、開閉体30の開閉移動の制御を正確に行うことが可能となる。
【0119】
SB6において開閉移動制御部93aは、SA3の処理と略同様に、開口部2に障害物が存在するか否かを判定する。
【0120】
そして、開閉移動制御部93aは、障害物が存在すると判定された場合(SB6、Yes)にはSB7に移行し、障害物が存在しないと判定された場合(SB6、No)にはSB8に移行する。
【0121】
SB7において開閉移動制御部93aは、SA4の処理と略同様に、SB7の処理直前において開閉体30の開閉移動が継続されている場合には、当該開閉移動を停止させる。その後、SB1に移行する。
【0122】
SB8において開閉移動制御部93aは、SA5の処理と略同様に、開閉体30の開閉状態が全閉状態又は全開状態であるか否かを判定する。
【0123】
そして、開閉移動制御部93aは、全閉状態又は全開状態であると判定された場合(SB8、Yes)にはSB7に移行して、開閉体30の開閉移動を停止させる。一方、全閉状態又は全開状態でないと判定された場合(SB8、No)にはSB1に移行して、以降同様に、SB1からSB8の処理を繰り返す。
【0124】
以上のような開閉処理により、実施の形態1に係る開閉処理と略同様に、開閉体30の開閉移動を行うことができ、状況に応じて開閉体30の開閉状態を変更することができる。
【0125】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63を、1つの非接触センサにて一体に構成したので、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の部品数や製造作業の手間を低減でき、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の製造性を高めることができる。
【0126】
また、開閉移動制御部93aが、開閉体30の移動状態又は/及び開閉体30の開閉状態に基づいて、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定し、当該特定した開放信号、閉鎖信号、又は停止信号に基づいて、開閉体30の開閉移動を制御するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体30の移動状態又は/及び開閉体30の開閉状態に基づいて当該識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定でき、開閉体30の開閉移動の制御を正確に行うことが可能となる。
【0127】
また、開閉移動中信号が開閉移動制御部93aから受信されている場合には、1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に識別不能信号が送信されるまでの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御部93aが、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を停止信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置101の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0128】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る制御システムについて説明する。この実施の形態3は、1つの非接触センサが2つの識別不能信号を送信する形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0129】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る開閉装置の構成について説明する。
【0130】
実施の形態3に係る開閉装置201は、実施の形態2に係る開閉装置101とほぼ同様に構成されている。ただし、操作装置60及び制御装置90の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0131】
(構成-操作装置の構成の詳細)
次に、操作装置60の構成の詳細について説明する。
【0132】
実施の形態3に係る操作装置60は、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63を備えている。
【0133】
また、開放操作部61、閉鎖操作部62、及び停止操作部63の具体的な構成については任意であるが、実施の形態3では、1つの非接触センサにて一体に構成されている。
【0134】
具体的には、開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を、識別不能信号である第1信号を送信すると共に、識別不能信号である第2信号を第1信号の送信から所定時間経過後(例えば、0.5sec等)に送信する1つの非接触センサにて構成されている。例えば、赤外線式の接触センサ、マイクロ波式の接触センサ、又は透過型の光電センサ等にて構成されてもよい。
【0135】
このような構成により、実施の形態2に係る操作装置60に比べて、識別不能応答時間の設定変更を行う必要がないことから、識別不能信号の送信を簡易に行うことが可能となる。
【0136】
また、上記1つの非接触センサにおける第1信号の送信に関する設定方法については任意であるが、実施の形態3では、上記1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に第1信号が送信されるまでの応答時間(以下、「第1応答時間」と称する)を、停止応答時間と同一に設定している。
【0137】
このような設定により、第1信号を迅速に送信でき、当該第1信号に基づいた処理(開閉移動の停止)を迅速に行うことが可能となる。
【0138】
(構成-制御装置の構成の詳細)
次に、制御装置90の構成の詳細について説明する。
【0139】
実施の形態3に係る制御装置90は、
図8に示すように、実施の形態2に係る制御装置90とほぼ同様に構成されている。ただし、記憶部94の構成については、下記に示す工夫が施されている。
【0140】
(構成-制御装置の構成の詳細-記憶部)
記憶部94は、
図8に示すように、第2特定テーブル94bを備えている。
【0141】
第2特定テーブル94bは、操作装置60から受信された第1信号が開放信号、閉鎖信号、又は停止信号であるかを特定するための情報(以下、「第1特定情報」と称する)と、操作装置60から受信された第2信号が開放信号、閉鎖信号、又は停止信号であるかを特定するための情報(以下、「第2特定情報」と称する)とを格納する第2特定格納手段である。この第2特定テーブル94bは、
図9に示すように、項目「移動状態情報」、項目「開閉状態情報」、項目「第1特定情報」、及び項目「第2特定情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納している。
【0142】
このうち、項目「移動状態情報」に対応する情報は、移動状態情報である。また、項目「開閉状態情報」に対応する情報は、開閉状態情報である。また、項目「第1特定情報」に対応する情報は、第1特定情報であり、例えば、
図9に示す特定すべき信号である「停止信号」等が該当する。また、項目「第2特定情報」に対応する情報は、第2特定情報であり、例えば、
図9に示す特定すべき信号である「開放信号」等が該当する(なお、「開放信号」に代えて「閉鎖信号」であってもよい)。なお、
図9における「-」については、何らの情報も格納されていないことを表している。
【0143】
(開閉処理)
次に、制御システム50の制御装置90によって実行される開閉処理について説明する。
【0144】
開閉処理が起動されると、
図10に示すように、SC1において開閉移動制御部93aは、操作装置60から第1信号が受信されたか否かを判定する。そして、開閉移動制御部93aは、第1信号が受信されたと判定された場合(SC1、Yes)にはSC2に移行し、第1信号が受信されていないと判定された場合(SC1、No)にはSC6に移行する。
【0145】
SC2において開閉移動制御部93aは、SB2の処理と略同様に、開閉体30の移動状態を特定する。
【0146】
SC3において開閉移動制御部93aは、SB3の処理と略同様に、開閉体30の開閉
状態を特定する。
【0147】
SC4において開閉移動制御部93aは、SC2にて特定された開閉体30の移動状態、又は/及びSC3にて特定された開閉体30の開閉状態に基づいて、SC1にて受信された第1信号を停止信号として特定できるか否かを判定する。
【0148】
この第1信号を停止信号として特定できるか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態3では、第2特定テーブル94bに格納されている第1特定情報のうち、SC2にて特定された開閉体30の移動状態、又は/及びSC3にて特定された開閉体30の開閉状態に対応する第1特定情報を抽出し、当該抽出した第1特定情報が示す信号が停止信号であるか否かに基づいて判定する。ここで、上記第1特定情報が示す信号が停止信号である場合には停止信号として特定できると判定し、上記第1特定情報が示す信号が停止信号でない場合には停止信号として特定できないと判定する。
【0149】
例えば、
図9に示すように、SC2にて特定された開閉体30の移動状態=開放移動状態である場合には、開放移動状態に対応する第1特定情報=停止信号が特定されるため、第1信号を停止信号として特定できると判定する。
【0150】
図10に戻り、そして、開閉移動制御部93aは、停止信号として特定できると判定された場合(SC4、Yes)には、第1信号を停止信号として特定して(すなわち、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、第1信号を停止信号として特定して)、SC5に移行する。一方、停止信号として特定できないと判定された場合(SC4、No)には、第1信号を停止信号として特定することなく(すなわち、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、第1信号を無視し)、SC6に移行する。
【0151】
SC5において開閉移動制御部93aは、開閉体30の開閉移動を停止させる。
【0152】
このようなSC4、SC5の処理により、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を第1信号及び第2信号で送信する場合に、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置201の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0153】
SC6において開閉移動制御部93aは、操作装置60から第2信号が受信されたか否かを判定する。そして、開閉移動制御部93aは、第2信号が受信されたと判定された場合(SC6、Yes)にはSC7に移行し、第2信号が受信されていないと判定された場合(SC6、No)にはSC9に移行する。
【0154】
SC7において開閉移動制御部93aは、SC2にて特定された開閉体30の移動状態に基づいて、SC6にて受信された第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定できるか否かを判定する。
【0155】
この第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定できるか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態3では、第2特定テーブル94bに格納されている第2特定情報のうち、SC2にて特定された開閉体30の移動状態、又は/及びSC3にて特定された開閉体30の開閉状態に対応する第2特定情報を抽出し、当該抽出した第2特定情報が示す信号が開放信号又は閉鎖信号であるか否かに基づいて判定する。ここで、上記第2特定情報が示す信号が開放信号又は閉鎖信号である場合には開放信号又は閉鎖信号として特定できると判定し、上記第2特定情報が示す信号が開放信号又は閉鎖信号でない場合には開放信号又は閉鎖信号として特定できないと判定する。
【0156】
例えば、
図9に示すように、SC2にて特定された開閉体30の移動状態=停止状態であり、SC3にて特定された開閉体30の開閉状態=全開状態である場合には、閉鎖移動状態に対応する第2特定情報=閉鎖信号が特定されるため、第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定できると判定する。
【0157】
図10に戻り、そして、開閉移動制御部93aは、開放信号又は閉鎖信号として特定できると判定された場合(SC7、Yes)には、第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定して(すなわち、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定して)、SC8に移行する。一方、開放信号又は閉鎖信号として特定できないと判定された場合(SC7、No)には、第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定することなく(すなわち、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、第2信号を無視し)、SC9に移行する。
【0158】
SC8において開閉移動制御部93aは、SC7にて特定された開放信号又は閉鎖信号に基づいて開閉体30を開閉移動させる。
【0159】
具体的には、SC7にて開放信号が特定されると、開閉体30を開放移動させる。また、SC7にて閉鎖信号が特定されると、開閉体30を閉鎖移動させる。
【0160】
SC9において開閉移動制御部93aは、SB6の処理と略同様に、開口部2に障害物が存在するか否かを判定する。
【0161】
そして、開閉移動制御部93aは、障害物が存在すると判定された場合(SC9、Yes)にはSC10に移行し、障害物が存在しないと判定された場合(SC9、No)にはSC11に移行する。
【0162】
SC10において開閉移動制御部93aは、SB7の処理と略同様に、SC10の処理直前において開閉体30の開閉移動が継続されている場合には、当該開閉移動を停止させる。その後、SC1に移行する。
【0163】
SC11において開閉移動制御部93aは、SB8の処理と略同様に、開閉体30の開閉状態が全閉状態又は全開状態であるか否かを判定する。
【0164】
そして、開閉移動制御部93aは、全閉状態又は全開状態であると判定された場合(SC11、Yes)にはSC10に移行して、開閉体30の開閉移動を停止させる。一方、全閉状態又は全開状態でないと判定された場合(SC11、No)にはSC1に移行して、以降同様に、SC1からSC11の処理を繰り返す。
【0165】
以上のような開閉処理により、実施の形態2に係る開閉処理と略同様に、開閉体30の開閉移動を行うことができ、状況に応じて開閉体30の開閉状態を変更することができる。
【0166】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、1つの非接触センサにおける操作が行われてから操作の入力が受け付けられた後に第1信号が送信されるまでの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御部93aが、開閉体30を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を停止信号として特定し、1つの非接触センサから受信された第2信号を無視し、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を無視し、1つの非接触センサから受信された第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を第1信号及び第2信号で送信する場合に、開閉体30の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置201の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0167】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0168】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0169】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置90を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部93を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部94を設けてもよい。
【0170】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0171】
(制御システムについて)
上記実施の形態1から3では、制御システム50が、上限検知部71、下限検知部72、座板スイッチ81、及びコードリール82を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、上限検知部71、下限検知部72、座板スイッチ81、及びコードリール82に代えて、位置検知部及び回転数検知部を備えてもよい。
【0172】
ここで、位置検知部は、開閉体30の位置(具体的には、後述する閉鎖側端部の位置)を検知し、当該検知した位置を示す信号(以下、「位置信号」と称する)を所定周期で出力するための位置検知手段である。また、回転数検知部は、開閉機40の駆動部の回転数(以下、「駆動部の回転数」と称する。)を検知し、当該検知した回転数を示す信号(以下、「回転数信号」を所定周期で出力するための回転数検知手段である。また、位置検知部及び回転数検知部の具体的な構成については任意であるが、例えば、位置検知部及び回転数検知部の両方の機能を有するホールIC等を用いて構成されてもよい。
【0173】
このような位置検知部及び回転数検知部により、位置信号に基づいて開閉体30の開閉状態を特定できると共に、回転数信号に基づいて障害物が存在するか否かを判定できる。
【0174】
また、上記実施の形態1から3では、座板スイッチ81からの障害物検知信号が、コードリール82を用いて制御装置90に送信されると説明したが、これに限らない。例えば、コードリール82を省略してもよい。そして、座板スイッチ81からの障害物検知信号が無線送信部によって無線で送信され、当該送信された障害物検知信号が無線受信部によって受信された後に、制御装置90に送信されてもよい。
【0175】
(操作装置について)
上記実施の形態2では、操作装置60(具体的には、1つの非接触センサ)が、開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信すると説明したが、これに限らず、開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別可能に送信してもよい。
【0176】
一例として、相互に異なる開放操作、閉鎖操作、及び停止操作の入力をそれぞれ識別して受け付けて、当該入力が受け付けられた操作の入力に応じた信号(開放信号、閉鎖信号、又は停止信号)を識別可能に送信してもよい。あるいは、操作装置60は、制御装置90から移動状態情報及び開閉状態情報を示す信号を受信し、操作の入力が受け付けられた際には、第1特定テーブル94aを参照しながら、当該受信した移動状態情報及び開閉状態情報に基づいて開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別可能に送信してもよい。
【0177】
また、上記実施の形態2では、停止操作部63が、赤外線式の非接触センサで構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、開放操作部61及び閉鎖操作部62とは異なる種類の非接触センサ又は押しボタンであって、開放操作部61の開放応答時間及び閉鎖操作部62の閉鎖応答時間よりも短い停止応答時間となる非接触センサ(一例として、透過型の光電センサ等)又は押しボタンで構成されてもよい。
【0178】
(開閉処理について)
実施の形態1では、開閉装置1が、実施の形態1に係る開閉処理を実行すると説明したが、これに限らない。例えば、実施の形態1に係る開閉処理に加えて、実施の形態2に係る開閉処理又は/実施の形態3に係る開閉処理を実行できるようにしてもよい。
【0179】
一例として、実施の形態2に係る開閉処理を実行できるようにする場合には、制御部93が、実施の形態1に係る開閉処理を実行する第1制御モードと、実施の形態2に係る開閉処理を実行する第2制御モードとを切り替える切替手段を備え、記憶部94が第1特定テーブル94aを備えてもよい。そして、切替手段によって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に実施の形態1に係る開閉処理を実行し、切替手段によって制御モードが第2制御モードに切り替えられた場合に実施の形態2に係る開閉処理を実行してもよい(なお、実施の形態3に係る開閉処理を実行できるようにする場合についても略同様とする)。
【0180】
(付記)
付記1の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、前記開閉体を開放移動させるための開放操作入力を非接触で受け付けると、前記開放操作入力に対応する開放信号を送信する開放操作手段と、前記開閉体を閉鎖移動させるための閉鎖操作入力を非接触で受け付けると、前記閉鎖操作入力に対応する閉鎖信号を送信する閉鎖操作手段と、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させるための停止操作入力を接触又は非接触で受け付けると、前記停止操作入力に対応する停止信号を送信する停止操作手段と、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備え、前記停止操作手段における前記停止操作入力の受け付けから前記停止信号の送信までの応答時間である停止応答時間を、前記閉鎖操作手段における前記開放操作入力の受け付けから前記開放信号の送信までの応答時間である開放応答時間よりも短く、且つ前記閉鎖操作手段における前記閉鎖操作入力の受け付けから前記閉鎖信号の送信までの応答時間である閉鎖応答時間よりも短くした。
【0181】
付記2の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記開放操作手段を、前記開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、前記閉鎖操作手段を、前記開放操作手段とは別体であって、前記閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、前記停止操作手段を、前記開放操作手段及び前記閉鎖操作手段とは別体であって、前記停止信号を識別可能に送信する非接触センサ又は押しボタンにて構成し、前記開閉移動制御手段は、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、又は前記停止操作手段から受信された前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する。
【0182】
付記3の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記開放操作手段、前記閉鎖操作手段、及び前記停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成した。
【0183】
付記4の制御システムは、付記3に記載の制御システムにおいて、前記1つの非接触センサは、前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を、識別不能信号であって前記開放信号、前記閉鎖信号、及び前記停止信号を識別不能に送信するための識別不能信号で送信するものであり、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体の移動状態又は/及び前記開閉体の開閉状態に基づいて、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を、前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号として特定し、当該特定した前記開放信号、前記閉鎖信号、又は前記停止信号に基づいて、前記開閉体の開閉移動を制御する。
【0184】
付記5の制御システムは、付記4に記載の制御システムにおいて、前記1つの非接触センサにおいて、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている旨を示す開閉移動中信号が前記開閉移動制御手段から受信されている場合には、前記1つの非接触センサにおける操作入力の受け付けから前記識別不能信号の送信までの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、前記1つの非接触センサから受信された前記識別不能信号を前記停止信号として特定する。
【0185】
付記6の制御システムは、付記4に記載の制御システムにおいて、前記1つの非接触センサは、前記識別不能信号である第1信号を送信すると共に、前記識別不能信号である第2信号を前記第1信号の送信から所定時間経過後に送信し、前記1つの非接触センサにおける操作入力の受け付けから前記第1信号の送信までの応答時間を、前記停止応答時間と同一に設定し、前記開閉移動制御手段は、前記開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を前記停止信号として特定し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を無視し、前記開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、前記1つの非接触センサから受信された前記第1信号を無視し、前記1つの非接触センサから受信された前記第2信号を前記開放信号又は前記閉鎖信号として特定する。
【0186】
(付記の効果)
付記1に記載の制御システムによれば、停止応答時間を、開放応答時間よりも短く、且つ閉鎖応答時間よりも短くしたので、開放応答時間と、閉鎖応答時間と、停止応答時間とが同一である場合に比べて、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の誤動作を抑制しながら、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を高めることができる。
【0187】
付記2に記載の制御システムによれば、開放操作手段を、開放信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、閉鎖操作手段を、開放操作手段とは別体であって、閉鎖信号を識別可能に送信する非接触センサにて構成し、停止操作手段を、開放操作手段及び閉鎖操作手段とは別体であって、停止信号を識別可能に送信する非接触センサ又は押しボタンにて構成したので、開放操作入力、閉鎖操作入力、及び停止操作入力を別体の非接触センサ(又は押しボタン)で個別に行うことができ、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の使用性を高めることができる。
【0188】
付記3に記載の制御システムによれば、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段を、1つの非接触センサにて一体に構成したので、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の部品数や製造作業の手間を低減でき、開放操作手段、閉鎖操作手段、及び停止操作手段の製造性を高めることができる。
【0189】
付記4に記載の制御システムによれば、開閉移動制御手段が、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定し、当該特定した開放信号、閉鎖信号、又は停止信号に基づいて、開閉体の開閉移動を制御するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体の移動状態又は/及び開閉体の開閉状態に基づいて当該識別不能信号を、開放信号、閉鎖信号、又は停止信号として特定でき、開閉体の開閉移動の制御を正確に行うことが可能となる。
【0190】
付記5に記載の制御システムによれば、開閉移動中信号が開閉移動制御手段から受信されている場合には、1つの非接触センサにおける操作入力の受け付けから識別不能信号の送信までの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御手段が、開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合に、1つの非接触センサから受信された識別不能信号を停止信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を識別不能信号で送信する場合に、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【0191】
付記6に記載の制御システムによれば、1つの非接触センサにおける操作入力の受け付けから第1信号の送信までの応答時間を、停止応答時間と同一に設定し、開閉移動制御手段が、開閉体を開放移動又は閉鎖移動させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を停止信号として特定し、1つの非接触センサから受信された第2信号を無視し、開閉体の開放移動又は閉鎖移動を停止させている場合には、1つの非接触センサから受信された第1信号を無視し、1つの非接触センサから受信された第2信号を開放信号又は閉鎖信号として特定するので、1つの非接触センサが開放信号、閉鎖信号、及び停止信号を第1信号及び第2信号で送信する場合に、開閉体の開放移動又は閉鎖移動の停止を迅速に行うことができ、開閉装置の使用時の安全性を確保しやすくなる。
【符号の説明】
【0192】
1 開閉装置
2 開口部
3 配線
4 座板側配線
10 収納部
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 座板
40 開閉機
50 制御システム
60 操作装置
61 開放操作部
62 閉鎖操作部
63 停止操作部
71 上限検知部
72 下限検知部
81 座板スイッチ
82 コードリール
90 制御装置
91 通信部
92 電源部
93 制御部
93a 開閉移動制御部
94 記憶部
94a 第1特定テーブル
94b 第2特定テーブル
101 開閉装置
201 開閉装置