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特許7621107コレカルシフェロール硫酸塩及びビタミンD欠乏症の処置のためのこれらの使用
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  • 特許-コレカルシフェロール硫酸塩及びビタミンD欠乏症の処置のためのこれらの使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】コレカルシフェロール硫酸塩及びビタミンD欠乏症の処置のためのこれらの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/593 20060101AFI20250117BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20250117BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61K31/593
A61K9/08
A61K9/70 401
A61P3/02 102
【請求項の数】 1
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020208442
(22)【出願日】2020-12-16
(62)【分割の表示】P 2018500894の分割
【原出願日】2016-07-12
(65)【公開番号】P2021042253
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102015009022.4
(32)【優先日】2015-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102015014760.9
(32)【優先日】2015-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522469198
【氏名又は名称】イノーヴァル・テクノロジー・スイッツァーランド・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】オイウォール・タイェ・サラミ
(72)【発明者】
【氏名】シグリット・オベンラント
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト・カリエベ
【合議体】
【審判長】藤原 浩子
【審判官】井上 千弥子
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-194968(JP,A)
【文献】国際公開第97/18817(WO,A1)
【文献】The Journal of Biological Chemistry,1981,256(11),pp.5536-5539
【文献】PEDIATRICS,2010,125(4),pp.627-632
【文献】Reprod.Nutr.Develop.,1987,27(6),pp.979-997
【文献】STEROIDS,1982,39(4),pp.391-398
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コレカルシフェロールスルファートの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記コレカルシフェロールスルファートの塩の少なくとも5%が、代謝されることなく投与部位から人体の全身的流体輸送システムに入ることを可能にする投与方法によって、脊椎動物におけるビタミンD3欠乏症と闘うためのものであり、
前記投与方法が、経皮及び経粘膜投与、並びに持続薬物放出デポー注射を含む皮内、皮下及び筋肉内注射から選択され
前記コレカルシフェロールスルファートの塩が、コレカルシフェロール硫酸L-リジンである、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレカルシフェロール硫酸塩の少なくとも5%がそれ自体で、代謝を伴うことなく投与部位から人体の全身的流体輸送システムに供給される投与方法により脊椎動物、特にヒトにおけるビタミンD3欠乏症と闘うための、薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩の使用、新しい薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩、及び薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩を含有する剤形の上記に記載した投与のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
世界の人口の大部分がビタミンD3欠乏症に罹患していることが知られている。自然条件下で、ビタミンD3は、皮膚のUV放射線への曝露により7-デヒドロコレステロールから水溶性ビタミンD3硫酸エステル(コレカルシフェロールスルファート)としてヒトにおいて産生されることが分かっている。特に冬季において、多くの人々は、皮膚内に十分な量のビタミンD3硫酸エステルを形成するのに十分に自分自身をUV放射線に曝露することができない。
【0003】
コレカルシフェロールスルファートは、母乳中に、且つ少量で他の種類の乳中にも見つかる。タラ肝油等の一部の他のタイプの食品は、非硫酸化脂溶性ビタミンD3(コレカルシフェロール)を含有する。栄養補助食品中で、ビタミンD3はやはり、脂溶性コレカルシフェロールとして含有されている。ビタミンD3のこの後者の形態は、体内で硫酸化されない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Remington、The Science and Practice of Pharmacy、Allen, Loyd V. Jr編、22版、Pharmaceutical Press
【文献】L. E. Reeveら、The Journal of Biological Chemistry (1981)、256巻、2号、824頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、皮膚にUV放射線を照射する必要性を伴うことなく、迅速な又はさもなければ長期の様式での体への天然コレカルシフェロールスルファートの供給を実現することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、コレカルシフェロール硫酸塩の少なくとも5%が、代謝を伴うことなくそれ自体で投与部位から人体の全身的流体輸送システムに到達する投与方法により脊椎動物、特にヒトにおけるビタミンD3欠乏症と闘うための、薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩の使用に関する。
【0007】
更に、本発明は、新規の薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩、特にコレカルシフェロール硫酸マグネシウム、コレカルシフェロール硫酸カルシウム、及びコレカルシフェロール硫酸L-リジン(L-lysine-cholecalciferol sulfate)に関する。
【0008】
最後に、本発明は、少なくとも1種の薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩と、経皮若しくは経粘膜投与、又は皮内、皮下若しくは筋肉内注射に適した担体とを含む医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】D4-メタノール中のコレカルシフェロール硫酸L-リジンのNMRスペクトル(200MHz;内部標準:TMS)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
意外にも、コレカルシフェロール硫酸塩、及びしたがってその天然型におけるビタミンD3は、水不溶性コレカルシフェロール又は(25OH)-コレカルシフェロールにこれらが即時に代謝されることのないやり方で体に供給されうることが判明した。リンパシステムは、体内に水溶性コレカルシフェロール硫酸塩をそれ自体で分布させることができる。水溶性コレカルシフェロール硫酸塩はもちろん、血液にも可溶性である。しかし、これらは、急速な、例えば酵素的な、分解を潜在的に起こしうる。
【0011】
本明細書では、ビタミンD3欠乏症と闘うことは、ビタミンD3欠乏症の予防及び処置を意味する。
【0012】
本明細書の薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩は、これらの塩の陽イオンが人体に決して毒性でないことを意味する。薬学的に許容される陽イオンは、例えば、Na、Mg、Ca、Zn、アンモニウム、及びプロトン化リジン等のプロトン化アミノ酸である。
【0013】
コレカルシフェロール硫酸塩は通常、水又は水性アルコール混合物中に可溶性である。無機陽イオンとの薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩の例は、コレカルシフェロール硫酸ナトリウム、コレカルシフェロール硫酸マグネシウム、コレカルシフェロール硫酸カルシウム、及びコレカルシフェロール硫酸アンモニウムである。有機陽イオンとの薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩の例は、コレカルシフェロール硫酸トリメチルアンモニウム及びコレカルシフェロール硫酸L-リジンである。
【0014】
本発明による投与方法は、それが、コレカルシフェロール硫酸塩の投与された量の少なくとも5%が、代謝を伴うことなく投与部位から人体の全身的流体輸送システムに輸送されるように選択される。投与方法に応じて、投与されたコレカルシフェロール硫酸塩の好ましくは少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%が、代謝を経ることなくそれ自体で投与部位から人体の全身的流体輸送システムに到達する。
【0015】
好ましくは、投与されたコレカルシフェロール硫酸塩は、少なくとも5分、好ましくは少なくとも10、15、20、又は更には30分超の時間にわたって、血液及びリンパから選択される全身的流体輸送システムの少なくとも1つにおいて、70%未満、好ましくは60%未満、例えば、50%、40%、30%、20%未満、若しくは更には10%未満、又はそれ未満、化学的に修飾される(代謝される)。
【0016】
人体の全身的流体輸送システムは、例えば、血液及び好ましくはリンパである。
【0017】
薬学的に許容されるコレカルシフェロール硫酸塩の投与の好適なやり方は、経皮又は経粘膜投与、並びに皮内、皮下及び筋肉内注射、活性物質の持続放出を含んだデポー注射である。経口的投与(即ち、例えば、嚥下により胃に供給される)、静脈及び動脈注射は、投与のやり方として明示的に除外される。
【0018】
投与されるコレカルシフェロール硫酸塩のモル量は一般に、コレカルシフェロールについて推奨されるモル量に対応する。
【0019】
コレカルシフェロール硫酸塩の調製は、ピリジン中で市販のコレカルシフェロールをピリジン-三酸化硫黄複合体と反応させ、トリエチルアミンと引き続いて反応させてコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウムにすることによって行うことができ、次いでこれを適切な陽イオンの飽和溶液を添加することにより水溶液中に沈殿させてこれらの陽イオンと一緒に塩を形成することができる。
【0020】
代替として、コレカルシフェロールをピリジン中でピリジン-三酸化硫黄複合体と反応させ、次いで、任意選択で適切な緩衝液の存在下で、所望の陽イオンと直接反応させて、所望の塩を形成することができる。
【0021】
本発明による医薬組成物は、適当な担体又は適当なビヒクルを含む。これらは、追加の活性剤、例えば、他のビタミン、ミネラル、及び微量元素等、並びに任意の種類の医薬も含みうる。
【0022】
経皮投与に適したビヒクル又は担体は、この目的についての薬学の分野における当業者に公知のすべてのビヒクルである。これらは、脂肪又は油ベースでの液体又は固体ビヒクル及び水性又は水性アルコールベースでのビヒクルを含む。製剤は、軟膏及び油剤、ローション剤、噴霧されるように適応した溶液、任意の種類の懸濁液及びエマルジョン、並びにビヒクル中に活性物質を含有するパッチの形態を採ることができる。製剤は、ジメチルスルホキシド等の浸透エンハンサー、乳化剤、並びに薬学において一般に使用される任意の更なる添加剤、例えば、賦形剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、及び防腐剤等を含みうる。
【0023】
経粘膜投与に適した製剤は、例えば、更なる添加剤を含みうる水性又はアルコール性水溶液、脂肪ベースの坐剤、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー剤、並びに膣内投与に適したペッサリー及びタンポン、並びに風味付けされた基剤、通常、スクロース及びアカシアガム又はトラガカントの中に活性成分を含有するロゼンジを含めた口内の局部投与又は舌下投与に適した固形剤形;ゼラチン又はグリセロール等の不活性基剤中に活性成分を含有する香錠;並びにチューインガムである。経粘膜投与用製剤は、ジメチルスルホキシド等の浸透エンハンサー、乳化剤、及び薬学において一般的な任意の更なる添加剤も含みうる。
【0024】
皮内、皮下及び筋肉内注射による非経口投与用の液体形態での配合物としては、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンがある。配合物は、製剤添加剤、例えば、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤等を含みうる。代替として、活性成分は、使用前に構成するために滅菌無発熱物質水のような適切なビヒクルと混合される粉末の形態であってもよい。
【0025】
本発明で使用するのに適した投与形態の詳細な提示は、例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、Allen, Loyd V. Jr編、22版、Pharmaceutical Pressに見出すことができる。
【実施例
【0026】
(実施例1)
コレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウムの調製
ピリジン6.5mlを、窒素雰囲気下で、ピリジン-三酸化硫黄複合体1.21g(約6.76mmolの、SO3と複合体形成したピリジン; Sigma-Aldrich社;製造者による情報によれば、≧45wt.-% SO3)及びコレカルシフェロール(Sigma-Aldrich社)1.21g(3.14mmol)に添加した。得られた溶液を58℃で1時間、集中的に撹拌した。次いで、トリエチルアミン0.63ml(0.456g;4.55mmol)を添加し、撹拌を58℃で更に20分間継続した。
【0027】
次いで反応混合物を0℃の氷浴中で冷却し、冷メタノール-トリクロロメタン(10:1vol./vol.)溶液16.5mlを添加し、撹拌を20分間継続した。
【0028】
溶液をガラスフリットに通して濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。更に精製するために、残渣をメタノール-トリクロロメタン(10:1Vol./Vol.)溶液で2回処理し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、それによりコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウム1.52g(3.13mmol;99.7%)を得た。
【0029】
TLC(シリカゲル):RF=メタノール-トリクロロメタン(1:9vol./vol.)中0.42。
【0030】
(実施例2)
コレカルシフェロール硫酸アンモニウムの調製
飽和酢酸アンモニウム溶液約14mlをコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウム1.52g(3.13mmol)に、コレカルシフェロール硫酸アンモニウムの白色沈殿物が形成するまで添加し、これを、一晩放置した後、ガラスフリットを使用して濾過し、約15℃の温度の水道水により冷却しながら高真空下で乾燥させた。
収量:1.74g(3.10mmol、99%)。
融点:104~108℃
【0031】
(実施例3)
コレカルシフェロール硫酸ナトリウムの調製
【0032】
【化1】
【0033】
塩化ナトリウムの飽和溶液(約14ml)をコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウム1.52g(3.13mmol)に、コレカルシフェロール硫酸ナトリウムの白色沈殿物が形成するまで添加し、これを、一晩放置した後、ガラスフリットを使用して濾過し、約15℃の温度を有する水道水により冷却しながら高真空下で乾燥させた。
収量:1.75g(3.10mmol、99%)。
【0034】
NMRスペクトルは、L. E. Reeveら、The Journal of Biological Chemistry (1981)、256巻、2号、824頁で公開されたものと同一であった。
【0035】
(実施例4)
コレカルシフェロール硫酸マグネシウムの調製
塩化マグネシウムの飽和溶液(約13ml)をコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウム1.52g(3.13mmol)に、コレカルシフェロール硫酸マグネシウムの白色沈殿物が形成するまで添加し、これを、一晩放置した後、ガラスフリットを使用して濾過し、約15℃の温度を有する水道水により冷却しながら高真空下で乾燥させた。
収量:1.76g(3.10mmol;99%)。
融点:107~110℃(分解)。
【0036】
(実施例5)
コレカルシフェロール硫酸カルシウムの調製
CaCl2・2H2Oの飽和溶液(約13ml)をコレカルシフェロール硫酸トリエチルアンモニウム1.52g(3.13mmol)に、コレカルシフェロール硫酸カルシウムの白色沈殿物が形成するまで添加し、これを、一晩放置した後、ガラスフリットを使用して濾過し、約15℃の温度を有する水道水により冷却しながら高真空下で乾燥させた。
収量:1.81g、(3.10mmol、99%)。
TLC(シリカゲル):Rf=メタノール-トリクロロメタン中(1:9Vol./Vol.)0.48
融点:97~101℃(分解)。
【0037】
(実施例6)
コレカルシフェロール硫酸L-リジンの調製
【0038】
【化2】
【0039】
ピリジン-三酸化硫黄複合体517.4mg(Sigma-Aldrich社;製造者による情報によれば、≧45wt.-%SO3)(約2.90mmolの、SO3と複合体形成したピリジン)及びコレカルシフェロール(Sigma-Aldrich社)506.3mg(1.32mmol)を窒素雰囲気下でピリジン4.4ml中に溶解させ、活発に撹拌しながら55℃で1時間加熱した。氷冷メタノール-トリクロロメタン(1:9Vol/Vol)混合物10mlを添加した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。次いで、リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.3 0.5ml中のL-リジン0.29g(1.98mmol)を添加し、5分間撹拌した。次いで、氷冷メタノール-トリクロロメタン(1:9vol./vol.)混合物20mlを撹拌しながら添加し、その後、混合物をロータリーエバポレーターでストリップした。無水エタノール10mlを残渣に添加し、溶液を冷蔵庫内で一晩貯蔵した。次いでエタノールを、形成した白色クリーム状沈殿物からデカントし、残渣を約15℃の温度の水道水により冷却しながら乾燥させ、それにより表題化合物を白色粉末(815mg、(1.30mmol);98.5%)として得た。
TLC(シリカゲル):Rf=メタノール-トリクロロメタン(1:9Vol./Vol.)中0.33。
融点:168℃(分解)
【0040】
NMRスペクトル:図1を参照
【0041】
(実施例7)
コレカルシフェロール硫酸D,L-リジンの調製
コレカルシフェロール硫酸D,L-リジンの調製は、L-リジンの代わりにDL-リジン(Sigma-Aldrich社)を使用してコレカルシフェロール硫酸L-リジンの調製に類似したやり方で行った。
【0042】
D4-メタノール中のNMRスペクトルにより、構造を確認する。
【0043】
(実施例8)
油性基剤中のコレカルシフェロール硫酸L-リジンの経皮製剤
コレカルシフェロール硫酸L-リジン100mgをオレイン酸11.04mlと混合し、次いでジメチルスルホキシド0.83mlを添加し、磁気撹拌機により室温(21~25℃)で2日間撹拌した。引き続いて、トリオレイン酸グリセロール10ml及びモノオレイン酸グリセロール(Pecerol(登録商標)、Gattefosse社)7mlを添加し、活発に振盪した。混合物が消泡するまで待った後、油相中のコレカルシフェロール硫酸L-リジンのほぼ完全に透明な安定溶液を得た。
【0044】
(実施例9)
実施例8の経皮製剤の皮膚への塗布
実施例8で調製した製剤約2mlを対象の皮膚に薄層で塗布し、4時間浸透させた。引き続いて、皮膚を、96%エタノールに浸漬した滅菌綿パッドを使用して十分拭った。綿パッドを追加の96%エタノールとともに煮沸し、圧搾した。エタノールをロータリーエバポレーターで蒸発させ、少量のクロロホルム-メタノール(9:1Vol./Vol.)混合物をフラスコに添加した。シリカゲル上でのこの混合物のTLCにより、コレカルシフェロール硫酸L-リジン(Rf:0.33)は、皮膚上に実質的に残っていなかったことが示された。
【0045】
(実施例10)
水性注射液の調製
10,000IUのビタミンD3に対応する量でコレカルシフェロール硫酸塩を含有する注射液2mlを調製するために、
a)注射液Aを生成するためのコレカルシフェロール硫酸ナトリウム1.5695mg
b)注射液Bを生成するためのコレカルシフェロール硫酸カルシウム1.6243mg
及び
c)注射液Cを生成するためのコレカルシフェロール硫酸L-リジン1.970mg
を蒸留水10ml中にそれぞれ溶解させた。次いで塩化ナトリウム89.9028mgを溶液のそれぞれに添加してこれらを等張性にした。
【0046】
注射液BのpHを、0.5N NaOHを使用してpH7に調整した。
【0047】
その後、溶液をアルゴン雰囲気下で0.22μm膜に通してフィルター滅菌し、2mlバイアル中に満たした。
【0048】
本明細書で引用したすべての文書、例えば、特許、公開済み特許出願、学術誌及び書籍で公開された論文等の開示は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
図1