(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A61H7/00 300G
(21)【出願番号】P 2021132971
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】石橋 和馬
(72)【発明者】
【氏名】森元 学
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-89264(JP,A)
【文献】中国実用新案第203861540(CN,U)
【文献】米国特許第5311860(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター(17)を有する駆動部(16)が設けられるマッサージヘッド(2)と、
マッサージヘッド(2)に設けられ、人体表面に接当されるマッサージ体(6)と、を備え、
マッサージ体(6)は、駆動部(16)で駆動される可動マッサージ体(74)と、固定状態で設けられる固定マッサージ体(75)とを有し、複数の可動マッサージ体(74)および固定マッサージ体(75)が、マッサージヘッド(2)の前面から前向きに突設されて
おり、
マッサージヘッド(2)は、内部に駆動部(16)が設けられるヘッド本体(10)と、ヘッド本体(10)に固定されるヘッドユニット(12)とを備え、
マッサージ体(6)がヘッドユニット(12)に設けられており、
駆動部(16)は、前後方向に回転軸(R)を有し、モーター(17)の回転動力が出力される出力軸(26)を備えており、
マッサージ体(6)の可動マッサージ体(74)は、ヘッドユニット(12)で回転可能に軸支されて出力軸(26)に連結される操作軸(102)で操作されており、
操作軸(102)は、前方に伸びて有底筒状に形成された可動マッサージ体(74)の内部に挿入される操作アーム(110)を有し、操作アーム(110)の伸び方向に沿う中心軸線(C)は、出力軸(26)の回転軸(R)に対して傾斜しており、
出力軸(26)の先端側は、駆動軸部(27)が形成されており、
操作軸(102)は、出力軸(26)との連結を担う連結軸(103)を備え、
連結軸(103)の後面に駆動軸部(27)が差し込まれる受動穴(106)が凹み形成されており、
受動穴(106)に対する駆動軸部(27)の連結姿勢を出力軸(26)の回転軸(R)まわりに変更することにより、出力軸(26)に対する操作軸(102)の連結姿勢を、出力軸(26)の回転軸(R)まわりに変更できるように構成されており、
駆動軸部(27)と受動穴(106)との、出力軸(26)の回転軸(R)まわりの連結姿勢を変更することにより、各可動マッサージ体(74)の、出力軸(26)の回転軸(R)まわりの位相を個別に変更できるように構成したことを特徴とするマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮等の人体表面に対してマッサージ刺激を付与するマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のマッサージ装置は例えば特許文献1に開示されている。特許文献1のマッサージ装置(発明の名称:頭皮ケア装置)は、本体ハウジングを基体として構成されており、本体ハウジングの上部に、施術子(マッサージ体)と、施術子の外周を囲むように配されるミスト発生部とを備える。施術子は、略円柱状に形成され、その上面に上方向に伸びる4個の施術突起を備えており、本体ハウジング内に搭載されたモータ(モーター)で回転駆動される。施術突起は、可撓性を有する弾性体からなり、施術子の回転軸を中心とした同一円上に等間隔置きに配されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の頭皮ケア装置では、頭皮(人体表面)に対する頭皮ケア装置の押し付け加減により、施術突起によるマッサージ刺激の強弱を調整できるので、ユーザーの好む強度のマッサージ刺激を頭皮に対して付与できる。しかし、特許文献1の頭皮ケア装置では、頭皮に対して施術突起の回転によるマッサージ刺激を付与するのみであり、マッサージ刺激が単調になる点で満足感が得られにくい。また、マッサージ中に頭皮に対して強く押し付け操作されると、頭皮と施術突起との摩擦による駆動抵抗により施術子の回転動作にブレーキ力が作用し、当該ブレーキ力により施術子を回転駆動しているモータの負荷が増大する。このモータ負荷の増大により電源部からモータに過電流が供給され、過電流の供給が長引くとモータが焼損するおそれがある。また、過電流が供給される分モータにおける電力消費が増加するという不具合も生じる。
【0005】
本発明は、マッサージ装置において、マッサージで得られる満足感を高めることに加え、駆動抵抗の増大に伴うモーター負荷を抑制して、故障の発生、および電力消費の増加を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のマッサージ装置は、モーター17を有する駆動部16が設けられるマッサージヘッド2と、マッサージヘッド2に設けられ、人体表面に接当されるマッサージ体6とを備える。そして、マッサージ体6は、駆動部16で駆動される可動マッサージ体74と、固定状態で設けられる固定マッサージ体75とを有し、複数の可動マッサージ体74および固定マッサージ体75が、マッサージヘッド2の前面から前向きに突設されていることを特徴とする。
【0007】
マッサージヘッド2の前面を基準面Fとして、基準面Fから可動マッサージ体74の前方先端までの前後方向の寸法をH1、基準面Fから固定マッサージ体75の前方先端までの前後方向の寸法をH2と規定するとき、不等式(H2<H1)を満足するように、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とが形成されている。
【0008】
少なくとも可動マッサージ体74が可撓性を備えている。
【0009】
可動マッサージ体74および固定マッサージ体75が可撓性を備えている。
【0010】
可動マッサージ体74の弾性率と固定マッサージ体75の弾性率とが、大小に異なるように構成されている。
【0011】
可動マッサージ体74の弾性率が相対的に小さく、固定マッサージ体75の弾性率が相対的に大きく構成されている。
【0012】
マッサージ体6は、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75の基端部を支持する円環状のベースリング73を備え、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75がベースリング73の前面において周方向に交互に配されている。マッサージヘッド2の前面に装着凹部121が周回状に凹み形成され、装着凹部121にベースリング73が埋設状に嵌め込み固定されている。
【0013】
マッサージヘッド2は、内部に駆動部16が設けられるヘッド本体10と、ヘッド本体10の前部に着脱可能に設けられるリング状のユニットホルダ11と、周縁部がユニットホルダ11で保持されてヘッド本体10に固定されるヘッドユニット12とを備える。マッサージ体6はヘッドユニット12に設けられている。
【0014】
駆動部16は、前後方向に回転軸Rを有し、モーター17の回転動力が出力される出力軸26を備える。マッサージ体6の可動マッサージ体74は、ヘッドユニット12で回転可能に軸支されて出力軸26に連結される操作軸102で操作されている。操作軸102は、前方に伸びて有底筒状に形成された可動マッサージ体74の内部に挿入される操作アーム110を有し、操作アーム110の伸び方向に沿う中心軸線Cは、出力軸26の回転軸Rに対して傾斜している。出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢が、出力軸26の回転軸Rまわりに変更できるように構成されている。
【0015】
マッサージ体6のベースリング73の後面には、周回状に凹み形成された取付凹部80が設けられ、取付凹部80に可動マッサージ体74の開口部81が臨んでいる。ヘッドユニット12は、操作軸102が軸支されるユニットベース83と、ユニットベース83の前側に設けられ、取付凹部80の内部に配された状態でベースリング73を保持するリングホルダ85とを備え、ユニットベース83とリングホルダ85とは締結具128で締結固定されている。操作軸102の操作アーム110は、リングホルダ85に形成された切欠部92を介して開口部81から可動マッサージ体74の内部に挿入されている。
【0016】
ヘッドユニット12は、マッサージヘッド2の前面を構成するカバー前壁117を有するユニットカバー84を備え、カバー前壁117に装着凹部121が形成されている。ユニットベース83とリングホルダ85とが、ユニットカバー84に設けられた装着凹部121の凹部底壁122を挟む状態で設けられている。
【0017】
マッサージヘッド2の前面に、前方に向かって水を吐出する吐水部5が設けられている。
【0018】
マッサージ体6は、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75の基端部を支持する円環状のベースリング73を備え、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75がベースリング73の前面に配されている。吐水部5は、ベースリング73の内方およびベースリング73の外周縁に臨むマッサージヘッド2の前面に形成されるように構成されている。マッサージヘッド2の正面視において、可動マッサージ体74の駆動軌跡で囲まれる領域で規定される可動領域Sに重畳するマッサージヘッド2の前面には、吐水部5が形成されないように構成されている。
【0019】
正面視において円形に形成されたマッサージヘッド2の前面と同心状に、マッサージ体6のベースリング73が配されており、マッサージヘッド2の前面は、その中心部分が最も前側に突出する部分球面状に形成されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明のマッサージ装置のように、駆動部16で駆動される可動マッサージ体74と固定状態で設けられる固定マッサージ体75とが複数設けられていると、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とで異なる刺激態様のマッサージ刺激を人体表面の複数個所に対して付与できるので、従来のマッサージ装置(頭皮ケア装置)のようにマッサージ刺激が単調になることを回避できる。また、固定マッサージ体75が、マッサージヘッド2の前面から前向きに突設されていると、人体表面に対するマッサージヘッド2の押し付け操作は、固定マッサージ体75がマッサージヘッド2と人体表面との間で突っ張ることで、その程度が固定マッサージ体75で規制されるので、人体表面と可動マッサージ体74との間の摩擦による駆動抵抗が過剰となることを防ぐことができる。以上のように、本発明のマッサージ装置によれば、マッサージで得られる満足感を高めることができ、さらに、駆動抵抗の増大に伴うモーター負荷を抑制して、マッサージ装置が故障すること、および電力消費が増加することを防ぐことができる。
【0021】
マッサージヘッド2の前面を基準面Fとして、基準面Fから可動マッサージ体74の前方先端までの前後方向の寸法をH1、基準面Fから固定マッサージ体75の前方先端までの前後方向の寸法をH2と規定するとき、不等式(H2<H1)を満足するように、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とが形成されている形態を採ることができる。このように、可動マッサージ体74の前後方向の寸法H1が、固定マッサージ体75の前後方向の寸法H2よりも大きく形成されていると、固定マッサージ体75が人体表面に接当する前に可動マッサージ体74を人体表面に接当させることができるので、駆動されることで相対的に刺激強度が強い可動マッサージ体74によるマッサージ刺激を人体表面に対して的確に付与することができる。
【0022】
少なくとも可動マッサージ体74が可撓性を備えていると、駆動される可動マッサージ体74が変形できるので、人体表面と可動マッサージ体74との間の駆動抵抗を軽減できる。また、駆動部16で駆動される可動マッサージ体74の肌当たりをソフトなものにすることができる。なお、固定マッサージ体75が剛体の場合には、可動マッサージ体74による肌当たりがソフトなマッサージ刺激と、固定マッサージ体75による肌当たりがハードなマッサージ刺激とを人体表面に対して付与することができる。
【0023】
可動マッサージ体74および固定マッサージ体75が可撓性を備えていると、両マッサージ体74・75の肌当たりをソフトなものとすることができる。
【0024】
可動マッサージ体74の弾性率と固定マッサージ体75の弾性率とが大小に異なるように構成されていると、可動マッサージ体74を駆動しない状態で、マッサージ体6を人体表面に接当させる場合でも、強さの異なるマッサージ刺激を人体表面に対して付与できる。したがって、可動マッサージ体74の駆動状態にかかわらず、異なる刺激態様のマッサージ刺激を人体表面に対して付与することができる。
【0025】
可動マッサージ体74の弾性率が相対的に小さく、固定マッサージ体75の弾性率が相対的に大きく構成されていると、人体表面に対するマッサージヘッド2の押し付け操作を固定マッサージ体75で突っ張って的確に規制できる。
【0026】
マッサージ体6は、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75の基端部を支持する円環状のベースリング73を備え、複数の可動マッサージ体74および固定マッサージ体75がベースリング73の前面において周回状に配されており、マッサージヘッド2の前面に装着凹部121が周回状に凹み形成され、装着凹部121にベースリング73が埋設状に嵌め込み固定されていると、両マッサージ体74・75の基端部を支持するベースリング73を、装着凹部121の壁面で囲むように強固に支持して、両マッサージ体74・75が人体表面に接当したときのベースリング73の変形を抑制できる。したがって、ベースリング73で両マッサージ体74・75を適正姿勢に支持して、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75によるマッサージ刺激を人体表面に対して的確に付与することができる。
【0027】
マッサージヘッド2は、駆動部16が設けられるヘッド本体10と、ヘッド本体10の前部に着脱可能に設けられるリング状のユニットホルダ11と、周縁部がユニットホルダ11で保持されてヘッド本体10に固定されるヘッドユニット12とを備え、マッサージ体6がヘッドユニット12に設けられていると、ユニットホルダ11をヘッド本体10から取り外してヘッドユニット12の保持を解除することでマッサージヘッド2からヘッドユニット12を分離できる。これにより、人体表面に接当され皮脂等が付着しやすいマッサージ体6を含むヘッドユニット12の全体を、ヘッド本体10が邪魔になることがなく簡便に洗浄することができる。
【0028】
駆動部16は、前後方向に回転軸Rを有し、モーター17の回転動力が出力される出力軸26を備えており、マッサージ体6の可動マッサージ体74は、ヘッドユニット12で回転可能に軸支されて出力軸26に連結される操作軸102で操作されており、操作軸102は、前方に伸びて有底筒状に形成された可動マッサージ体74の内部に挿入される操作アーム110を有し、操作アーム110の伸び方向に沿う中心軸線Cは、出力軸26の回転軸Rに対して傾斜している構成を採ることができる。これによれば、正面視において先端が円を描くように可動マッサージ体74を回転駆動して人体表面に対してマッサージ刺激を付与できる。加えて、出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢が、出力軸26の回転軸Rまわりに変更できるように構成されていると、操作軸102の連結姿勢を各操作軸102で個別に設定することで、回転駆動される可動マッサージ体74の回転開始位置を可動マッサージ体74毎に変更することができる。したがって、出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢を変更するだけで、各可動マッサージ体74の回転駆動の位相を同じ位相で動作させ、あるいは異なる位相で動作させることができ、様々な形態のマッサージ刺激を人体表面に対して付与することができる。
【0029】
ヘッドユニット12は、操作軸102が軸支されるユニットベース83と、ベースリング73の後面に凹み形成された取付凹部80の内部に配された状態でベースリング73を保持するリングホルダ85とを備え、ユニットベース83とリングホルダ85とが締結具128で締結固定されていると、マッサージ体6のベースリング73をユニットベース83に締結固定されるリングホルダ85で補強しつつ強固に保持することができる。そのうえで、操作軸102の操作アーム110が、リングホルダ85に形成された切欠部92を介して、取付凹部80に臨む開口部81から可動マッサージ体74の内部に挿入されていると、リングホルダ85でユニットベース83を強固に保持しながらも、補強用のリングホルダ85を回避しつつ操作アーム110で可動マッサージ体74を適正に操作することができる。
【0030】
ヘッドユニット12は、マッサージヘッド2の前面を構成するカバー前壁117を有するユニットカバー84を備え、カバー前壁117に装着凹部121が形成されており、ユニットベース83とリングホルダ85とが、ユニットカバー84に設けられた装着凹部121の凹部底壁122を挟む状態で設けられていると、リングホルダ85とユニットカバー84とユニットベース83の3者を強固に固定でき、さらに、リングホルダ85で保持されてユニットカバー84に固定されるマッサージ体6の可動マッサージ体74を、ユニットベース83で軸支される操作軸102の操作アーム110で確実に操作することができる。
【0031】
マッサージヘッド2の前面に、前方に向かって水を吐出する吐水部5が設けられていると、マッサージ体6に加え吐水部5から吐出される水の圧力によって、マッサージ体6による刺激態様とは異なるマッサージ刺激を人体表面に対して付与することができ、マッサージの満足感をさらに高めることができる。
【0032】
吐水部5が、マッサージ体6のベースリング73の内方およびベースリング73の外周縁に臨むマッサージヘッド2の前面に形成されるように構成されており、マッサージヘッド2の正面視において、可動マッサージ体74の駆動軌跡で囲まれる領域で規定される可動領域Sに重畳するマッサージヘッド2の前面には、吐水部5が形成されないように構成されていると、吐水部5から吐出された水が可動マッサージ体74に衝突することを回避することができるので、意図しない方向へ水が飛び散ることを防ぐことができる。
【0033】
正面視において円形に形成されたマッサージヘッド2の前面と同心状に、マッサージ体6のベースリング73が配されており、マッサージヘッド2の前面が、その中心部分が最も前側に突出する部分球面状に形成されていると、人体表面とベースリング73の内方部分に形成される吐出部5との距離と、人体表面とベースリング73の外周縁部分に形成される吐出部5との距離とに差を設けて、内外の吐出部5で人体表面に到達する際の水圧を異なるようにすることができるので、異なる強度の水圧によるマッサージ刺激を人体表面に対して付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態に係るマッサージ装置の要部を示す断面図である。
【
図6】ベース筒からグリップ筒を分離した状態を示す正面図である。
【
図7】ヘッド本体からユニットホルダおよびヘッドユニットを分離した状態を示す分解平面図である。
【
図8】ヘッドユニットを分離し、ヘッドユニットおよびユニットホルダを反転させた状態を示す正面図である。
【
図9】マッサージ体とリングホルダの分解斜視図である。
【
図10】ユニットベースから操作軸を分離した状態を示す分解斜視図である。
【
図11】連結軸とアーム軸との固定方法を示す正面図である。
【
図12】
図11におけるC-C線断面図であり、ユニットベースに操作軸が取付けられた状態を示している。
【
図14】ヘッドユニットを分解した状態を示す縦断平面図である。
【
図15】出力軸と操作軸の連結状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施形態)
図1から
図16に本発明に係るマッサージ装置の実施形態を示す。本実施形態における前後、左右、上下とは、
図2および
図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。本実施形態のマッサージ装置はシャワーヘッド1として構成されており、
図2においてシャワーヘッド1は、ヘッド部(マッサージヘッド)2と、ヘッド部2から下向きに伸びて持手を形成するグリップ部3とを備え、該グリップ部3の下端に給水ホース4が接続されている。ヘッド部2の前面には、一群の吐水孔(吐水部)5およびマッサージ体6が配設されている。
【0036】
図2および
図3に示すように、ヘッド部2は樽型に形成されており、基体となるヘッド本体10と、ヘッド本体10の前部に着脱可能に設けられるユニットホルダ11と、周縁部がユニットホルダ11で保持されてヘッド本体10に固定されるヘッドユニット12などを備える。ヘッド本体10は、前部開口を有するカップ状のヘッドケース15と、ヘッドケース15の内部に設けられる駆動ユニット(駆動部)16とを備える。駆動ユニット16は、マッサージ体6を駆動するものであり、駆動源となるモーター17と、該モーター17の回転動力を減速しつつ分岐して出力する減速機構18と、これらモーター17および減速機構18を収容する駆動ケース19などを備える。
【0037】
図3、
図4および
図8に示すように減速機構18は、モーター17の主軸が連結され、モーター17の回転を減速して出力する減速機20と、減速機20の主軸に連結される原動ギヤ21と、該原動ギヤ21で回転駆動される中間ギヤ22と、該中間ギヤ22の回転動力を2系統に分岐する左右一対の分岐ギヤ23・23と、分岐ギヤ23で回転駆動される4個の従動ギヤ24とを備えている。中間ギヤ22は左側の分岐ギヤ23に一体に設けられており(
図5参照)、各分岐ギヤ23はそれぞれ2個の従動ギヤ24を駆動している。各従動ギヤ24は、ギヤ軸25にそれぞれ固定されており、ギヤ軸25には減速された回転動力が出力される出力軸26が一体に固定されている。出力軸26の先端側は十字軸からなる駆動軸部27とされている。
図8において原動ギヤ21が時計まわり方向に回転するときには、ヘッド部2の左側に配される上下の出力軸26は時計まわり方向に回転し、ヘッド部2の右側に配される上下の出力軸26は反時計まわり方向に回転する。
【0038】
図4に示すように駆動ケース19は、後方開口を有する有底筒状の前ケース29と、前ケース29の後方開口を蓋する後ケース30と、前ケース29の筒内部に配されて、各ギヤ21~24およびギヤ軸25を回転可能に軸支するギヤフレーム31などを備える。モーター17および減速機20は、後ケース30に形成された有底筒状のモーター筒32の内部に収容保持されている。前ケース29と後ケース30とは、ギヤフレーム31を間に挟むようにビス(図示していない)で締結固定され、前ケース29と後ケース30とで囲まれる駆動ケース19の内部は水密状に構成されている。各出力軸26は前ケース29のケース前壁34を貫通しており、駆動軸部27が駆動ケース19の前方へと突出されている(
図7参照)。ケース前壁34と各出力軸26との間には、駆動ケース19の内部へ湯水(水)が侵入することを防止するためのシールリング35がそれぞれ設けられており、シールリング35は、ケース前壁34とその前側に固定されるケース前蓋36とで保持されている。駆動ケース19は、後ケース30がビス37でヘッドケース15に締結固定されて、ヘッド本体10として一体化されている。
【0039】
図3に示すように、グリップ部3は、内径断面および外径断面が円形に形成された中空筒状のグリップケース40を備える。グリップケース40は、ヘッドケース15と一体に形成されるベース筒41と、ベース筒41に対して着脱可能に連結されるグリップ筒42とを備えており、有底筒状に形成されたグリップ筒42の下端に給水ホース4が連結されている(
図2参照)。ベース筒41の内方には、円筒状のソケット固定筒43が設けられており、グリップ部3の上部側はベース筒41とソケット固定筒43とで2重筒状に構成されている。ソケット固定筒43の下端には、下方に開口するソケット凹部44を有するソケット45が設けられており、ソケット45には後述する電源体55が固定される。
【0040】
図6に示すように、グリップ筒42の上側外周縁には、等間隔置きに4個のバヨネット溝46が形成されており、ベース筒41の下側内周縁には、バヨネット溝46に対応して等間隔置きに4個のバヨネット爪47が形成されている。これらバヨネット溝46とバヨネット爪47との係脱により、ベース筒41に対してグリップ筒42が装着され、あるいはベース筒41からグリップ筒42が分離される。ベース筒41からグリップ筒42を分離すると、ソケット45に固定された電源体55を露出させることができる。
図3および
図6において符号48は、ベース筒41とグリップ筒42の連結部分を水密状に封止するパッキンである。
【0041】
ベース筒41とグリップ筒42との着脱操作を容易化するために、グリップケース40にグリップ指標体49が設けられている。
図6に示すようにグリップ指標体49は、ベース筒41の外面前部に突出形成された基準マーク50と、グリップ筒42の外面前部に突出形成された解除マーク51およびロックマーク52とで構成されている。グリップ筒42の前面のマークのうち右側が解除マーク51であり、解除マーク51が基準マーク50と合致しているときには、バヨネット溝46からバヨネット爪47が抜け出しており、ベース筒41に対してグリップ筒42を上下方向に抜き差しできる。また、左側がロックマーク52であり、ロックマーク52が基準マーク50と合致しているときには、バヨネット溝46とバヨネット爪47とが係合しており、ベース筒41に対してグリップ筒42が固定されている。
【0042】
グリップ部3の内部には、モーター17に電力を供給する電源体55が設けられている。
図6に示すように電源体55は、充電回路を一体に備える二次電池からなる電池56と、電池56を密封状に封入してなる電池モジュール57と、電池モジュール57をソケット45に固定するための有底筒状に形成されたモジュールケース58とからなる。電源体55は、モジュールケース58とソケット凹部44との間に設けられた螺合構造によりソケット45に対して着脱可能に構成されている。電池モジュール57は、電池56の電力を出力する一対の給電端子61を備え、ソケット45は、給電端子61が出力する電力を受け取る一対の受電端子62を備えている。両端子61・62は、ソケット45に対する電源体55の固定の完了により接続されて通電状態が確立される。
【0043】
ソケット45から分離されている電源体55は、モジュールケース58の内部に電池モジュール57を収容した状態で、モジュールケース58の上端をソケット凹部44に差込み、さらに電池モジュール57を右まわりに回転操作して螺合構造の螺合状態を確立することによりソケット45に固定される。また、ソケット45に固定されている電源体55は、電池モジュール57を左まわりに回転操作して螺合構造の螺合状態を解除し、さらに下方に引き抜くことによりソケット45から分離される。
【0044】
図7および
図8に示すように、ユニットホルダ11はリング状に形成されており、ヘッド本体10の前側外周縁に装着される。ヘッドケース15の前側外周縁には、等間隔置きに4個のバヨネット溝65が形成され、ユニットホルダ11の後側内周縁には、バヨネット溝65に対応して、等間隔置きに4個のバヨネット爪66が形成されている。これらバヨネット溝65とバヨネット爪66との係脱により、ヘッドケース15に対してユニットホルダ11が装着され、あるいはヘッドケース15からユニットホルダ11が分離される。
【0045】
ユニットホルダ11の着脱操作を容易化するために、ヘッド指標体67が設けられている。ヘッド指標体67は、ヘッドケース15の外側上部に突出形成された基準マーク68と、ユニットホルダ11の外面上部に突出形成された解除マーク69とロックマーク70とで構成されている。ユニットホルダ11の上面のマークのうち右側が解除マーク69であり、解除マーク69が基準マーク68と合致しているときには(
図7の状態)、ヘッドケース15に対してユニットホルダ11を前後方向に抜き差しできる。また、左側がロックマーク70であり、ロックマーク70が基準マーク68と合致しているときには(
図2の状態)、バヨネット溝65とバヨネット爪66とが係合してヘッドケース15に対してユニットホルダ11が固定される。
【0046】
図5および
図9に示すようにマッサージ体6は、円環状のベースリング73と、ベースリング73で基端部が支持される、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75などを備えており、マッサージ体6の全体は、可撓性を有するゴム素材で形成されている。可動マッサージ体74は、駆動部16で駆動されるように構成されており、ベースリング73から突設される有底筒状に形成されている。また、固定マッサージ体75は、ベースリング73に固定状態で設けられており、ベースリング73から突設される中実円錐柱状に形成されている。可動マッサージ体74の弾性率と固定マッサージ体75の弾性率とは大小に異なるように構成されており、中空状に形成された可動マッサージ体74は相対的に弾性率が小さく、中実状に形成された固定マッサージ体75は相対的に弾性率が大きく構成される。可動マッサージ体74の前端には、円柱状に形成された5個の刺激突起76が設けられている。
【0047】
図9に示すようにベースリング73は、円環状のリング壁77と、リング壁77の内周縁から後向きに延設される内周壁78と、リング壁77の外周縁から後向きに延設される外周壁79とを備えており、ベースリング73の後面には、リング壁77および内外の周壁78・79で囲まれる周回状の凹みからなる取付凹部80が形成されている。可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とはそれぞれ4個(複数)ずつ設けられており、リング壁77の前面に等間隔置きに交互に配される。有底筒状の可動マッサージ体74の開口部81は、取付凹部80に臨む状態で開口している。
【0048】
図9および
図13に示すようにヘッドユニット12は、先のマッサージ体6と、ヘッドユニット12の基体となるユニットベース83と、ユニットベース83の前面および上下左右の周面に被さるユニットカバー84と、マッサージ体6を保持するリングホルダ85などを備える。リングホルダ85は、円環状のプレートからなるホルダ本体86と、ホルダ本体86の後面に等間隔置きに突設される締結固定用の4個のボス87とを備える。ホルダ本体86の内周縁には4個の内嵌合爪88が内向きに突設されており、ホルダ本体86の外周縁には4個の外嵌合爪89が外向きに突設されている。内嵌合爪88と外嵌合爪89とは、位相が90度ずれた位置に形成されている。マッサージ体6とリングホルダ85とは、取付凹部80の内部にホルダ本体86を嵌め込み、内嵌合爪88を内周壁78に貫通状に形成した内嵌合孔90に嵌合させ、さらに外嵌合爪89を外周壁79に貫通状に形成した外嵌合孔91に嵌合させることにより一体化され、当該一体化によりマッサージ体6はリングホルダ85で保持される。リングホルダ85は、可動マッサージ体74の開口部81と正対する部分に、外周縁から内向きに切欠かれた切欠部92が設けられており、切欠部92を介して開口部81が後面に露出している。リングホルダ85にマッサージ体6が保持された状態において、ホルダ本体86の前面とリング壁77の後面との間には間隙が形成される。
【0049】
図13および
図14に示すようにユニットベース83は、円盤状の主壁95と、主壁95の周縁部から前後に延設されるベース周壁96と、主壁95の前面に設けられ、リングホルダ85のボス87を受止めるボス受け97と、主壁95の前面中央から前向きに突設される水路筒98と、主壁95の後面に設けられ、ベース周壁96の左右と水路筒98の底面とにおいて開口する中空部を有する水路枠99などを備える。ユニットベース83は、出力軸26に連結されて可動マッサージ体74を操作する操作軸102を回転可能に軸支する。
【0050】
図1に示すように操作軸102は、出力軸26との連結を担う連結軸103と、可動マッサージ体74の内部に挿入されるアーム軸104とを備える。
図10および
図12に示すように連結軸103は、前面に十字軸からなる締結軸部105が形成され、後面に駆動軸部27が差し込まれる十字穴からなる受動穴106が凹み形成されている。また、連結軸103の後端にはフランジ壁107が外向きに張り出し形成されている。アーム軸104は、後面に締結軸部105が差し込まれる十字穴からなる差込穴108を有する締結座109と、締結座109から前方に伸びる操作アーム110とを備えており、締結座109の後端には、フランジ壁111が外向きに張り出し形成されている。
図15に示すように、操作アーム110の伸び方向に沿う中心軸線Cは、出力軸26の回転軸Rに対して傾斜しており、本実施形態では、回転軸Rと中心軸線Cとで挟まれる角度は、20度に設定されている。
【0051】
図11および
図12に示すように操作軸102は、主壁95を貫通する支持孔112で支持されている。支持孔112の内面には、前後方向の中途部に内向きに突出形成される保持リブ113が設けられており、保持リブ113の前後側の支持孔112に、一端が保持リブ113で受け止められる軸受筒114がそれぞれ差込み固定される。ユニットベース83に対する操作軸102の組付けは、
図10に示す状態において、まず、ユニットベース83の前後から軸受筒114を支持孔112にそれぞれ差込む。次いで、ユニットベース83の後面側から両軸受筒114に連結軸103を差込み、続けて、ユニットベース83の前面側から、アーム軸104を締結軸部105と差込穴108とを位置合わせしたうえで連結軸103に嵌め合わせる。最後に、ビス115を締結座109側から締結軸部105にねじ込むことにより、連結軸103とアーム軸104とが一体化され、操作軸102はユニットベース83で軸支される。一体化された操作軸102は、連結軸103のフランジ壁107とアーム軸104のフランジ壁111とで軸受筒114を挟んでおり、これにより、操作軸102は前後方向の移動が規制される。
【0052】
図13および
図14に示すようにユニットカバー84は、円盤状のカバー前壁117と、カバー前壁117の周縁部から後方に延設される円筒状のカバー周壁118とを備えている。カバー前壁117の後面には、カバー周壁118より小径の第1内筒壁119および第1内筒壁119より小径の第2内筒壁120が形成されており、第1内筒壁119と第2内筒壁120との間におけるカバー前壁117の前面には、マッサージ体6が装着される周回状の装着凹部121が凹み形成されている。装着凹部121は、装着凹部121の底部を形成する凹部底壁122と第1内筒壁119と第2内筒壁120とで画成され、凹部底壁122には、ボス87が挿通される4個のボス孔123と、操作軸102が挿通される4個の挿通孔124とが交互に開設されている。挿通孔124は、ユニットカバー84とリングホルダ85とを組付けたときに切欠部92と正対するように配されている。ユニットカバー84のカバー前壁117の前面は、マッサージ体6のベースリング73の前面とともに、ヘッド部2の前面を構成している。
【0053】
図2および
図16に示すようにカバー前壁117には、装着凹部121(マッサージ体6)の内外に微小な一群の吐水孔5が形成されている。装着凹部121の内側の吐水孔5は、二重の同心円上に等間隔置きに配されており、装着凹部121の外側の吐水孔5も、二重の同心円上に等間隔置きに配されている。つまり、一群の吐水孔5は、マッサージ体6のベースリング73の内方およびベースリング73の外周縁に臨むヘッド部2の前面に形成されている。
図16において符号Sは、可動マッサージ体74が駆動されたときの駆動軌跡で囲まれる領域で規定される可動領域(一点鎖線で囲まれる部分)であり、ヘッド部2の正面視において、可動領域Sに重畳するカバー前壁117(ヘッド部2の前面)には、吐水孔5が形成されないように構成されている。可動マッサージ体74の可動領域Sと重畳する部分の吐水孔5を排除することにより、吐水孔5から吐出された湯水が可動マッサージ体74に衝突することを回避できる。
【0054】
ヘッドユニット12の組付けは、まず
図9の状態からリングホルダ85にマッサージ体6を保持させ、
図13および
図14に示すようにユニットカバー84の前面側から、ボス87とボス孔123とを位置合わせしたうえで、装着凹部121にベースリング73が嵌るように、ユニットカバー84にマッサージ体6を装着することで、マッサージ体6を保持したリングホルダ85とユニットカバー84とが仮固定される。このとき、挿通孔124と切欠部92とは正対しており、挿通孔124と切欠部92とを介して開口部81は後面に露出している。次いで、ユニットカバー84の後面側から、ユニットベース83に組付けられた操作軸102の操作アーム110と挿通孔124とを位置合わせしたうえで、第1内筒壁119の内側にベース周壁96の前端が嵌るように、ユニットベース83にユニットカバー84を装着することで、操作アーム110が可動マッサージ体74の内部に挿入された状態で、ユニットベース83とユニットカバー84とが仮固定される。
【0055】
最後に、仮固定されたこれら3者(ユニットベース83、ユニットカバー84、マッサージ体6を保持したリングホルダ85)を、ビス(締結具)128で締結して一体化する。ビス128は、ユニットベース83に開設したビス孔127を介してリングホルダ85のボス87にねじ込まれる。
図1および
図14において符号129および符号130はそれぞれパッキンであり、パッキン129はユニットベース83とユニットカバー84との間を水密状に封止し、パッキン130はヘッドユニット12と前ケース29との間を水密状に封止する。
【0056】
ユニットベース83、ユニットカバー84、リングホルダ85、およびマッサージ体6がヘッドユニット12として組付けられたとき、ユニットカバー84のカバー前壁117は、ユニットベース83の主壁95とリングホルダ85とに挟まれるので、ユニットカバー84は強固に固定される。また、
図15に示すように操作アーム110は、挿通孔124および切欠部92を介して開口部81から可動マッサージ体74の内部に挿入されている。
図13および
図15において符号131は、操作アーム110の先端に被さるように装着されるキャップ体であり、キャップ体131は、比較的摩擦係数の小さい素材、例えばフッ素樹脂などで形成される。可動マッサージ体74は、その内面にキャップ体131が接当して操作アーム110で操作されており、キャップ体131により可動マッサージ体74と操作アーム110との摩擦抵抗を低減し、また可動マッサージ体74の摩耗を軽減する。
図16に示すように、正面視において円形に形成されたヘッド部2の前面とベースリング73とは同心状に配されている。また、
図5に示すように、カバー前壁117の前面とベースリング73の前面とは滑らかに連続しており、これら両者(カバー前壁117、ベースリング73)で形成されるヘッド部2の前面は、その中心部分が最も前側に突出する部分球面状に形成されている。
【0057】
部分球面状に形成されたヘッド部2の前面の頂点位置、つまりヘッド部2の前面の中央を通る前後方向に直交する面を基準面Fとして、基準面Fから可動マッサージ体74の前方先端までの前後方向の寸法をH1、基準面Fから固定マッサージ体75の前方先端までの前後方向の寸法をH2と規定するとき、
図1に示すように前記H1およびH2は、不等式(H2<H1)を満足するように、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とは形成されている。また、基準面Fから操作アーム110の前方先端までの前後方向の寸法をH3と規定するとき、前記H1、H2およびH3は、不等式(H3<H2<H1)を満足するように、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75と操作アーム110とは形成されている。
【0058】
図3および
図4に示すようにヘッド部2の後面には、駆動ユニット16の作動状態を操作する電源スイッチ134が設けられている。電源スイッチ134は、タクト式のスイッチ本体135と、スイッチ本体135を押込み操作する操作ボタン136とを備えており、スイッチ本体135は駆動ユニット16の動作を制御する制御基板137に実装されている。駆動ユニット16が停止している状態で操作ボタン136を押込み操作すると、制御基板137はモーター17に通電し、出力軸26を介して操作軸102の操作アーム110で可動マッサージ体74を操作してマッサージ動作が行われる。モーター17はまず弱いマッサージ刺激を付与するための弱モード(低回転数)で駆動され、再度操作ボタン136を押込み操作すると、モーター17は強いマッサージ刺激を付与するための強モード(高回転数)で駆動される。強モードにおいて操作ボタン136を押込み操作すると、制御基板137はモーター17を停止させる。以後は、操作ボタン136を押込み操作する毎に、制御基板137はモーター17の弱モード、強モード、停止を繰り返し制御する。
【0059】
シャワーヘッド1の内部には、給水ホース4から吐水孔5へと至る水路が設けられている。当該水路は、グリップ部3の内部に設けられる通水路140と、ヘッド部2の内部に設けられる給水路141と、ベース筒41が連結されたヘッドケース15の下部周壁に形成され、通水路140と給水路141とを連通する給水口142とで構成されている。通水路140はグリップケース40の内部空間で構成されており、グリップ筒42の下端から電源体55(モジュールケース58)の下端部までの部分は円柱状の水路とされ、当該部分よりも上側、つまり、電源体55、ソケット45、およびソケット固定筒43の部分は周回状の水路とされている。
【0060】
図3および
図4に示すように給水路141は、マッサージ体6の外側に配された一群の吐水孔5に湯水を送給する主給水路143と、マッサージ体6の内側に配された一群の吐水孔5に湯水を送給する副給水路144とを備えており、主給水路143と副給水路144とは、連絡水路145で連通されている。主給水路143は、ヘッド部2の前半部において前ケース29とユニットベース83、およびヘッドケース15とカバー周壁118で囲まれる空間で区画され、副給水路144は、水路枠99の内部空間とカバー前壁117および第2内筒壁120で囲まれる空間とで区画される。連絡水路145は水路枠99の内部空間で構成される(
図5参照)。給水口142からヘッド部2の内部へと送給された水は、給水路141を介して吐水孔5へと至り、各吐水孔5から前方向へ吐出される。主給水路143の後端側は、ヘッドケース15と駆動ケース19(前ケース29)との間に配した水密パッキン146により水密状に区画されており、ヘッド部2の内部後半部に水が侵入することを阻止している。外部水源からシャワーヘッド1へと湯水が供給されると、通水路140、給水口142、給水路141を経て多数の吐水孔5から前方に向かって湯水が吐出される。
【0061】
マッサージ動作は、湯水の吐出如何に関わらず行うことができ、外部水源から湯水が供給されない状態では、マッサージ体6にマッサージ動作を行わせた状態で、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75を頭部にあてがうことにより、頭皮等にマッサージ刺激を付与することができる。また、外部水源から湯水が供給される状態では、頭髪に付着の洗剤等を洗い流しつつ頭皮等にマッサージ刺激を付与することができる。なお、可動マッサージ体74の動作により、頭髪に付着の洗剤等の洗い流しを補助することができる。
【0062】
例えば、駆動ユニット16を駆動した状態でシャワーヘッド1を操作してマッサージ体6を頭部にあてがうと、頭皮(人体表面)に対して駆動ユニット16で操作される可動マッサージ体74が先に接当し、頭皮に対してマッサージ刺激が付与される。本実施形態では、中心軸線Cが出力軸26の回転軸Rに対して傾斜する操作アーム110により可動マッサージ体74が操作されるので、可動マッサージ体74はヘッド部2の正面視においてその先端が円を描くように全体が首振り操作され、頭皮に対してもみ刺激(マッサージ刺激)を付与する。シャワーヘッド1の操作により、さらにマッサージ体6を頭部に押し付けると、頭皮に固定マッサージ体75が接当して、頭皮に対して押圧刺激(マッサージ刺激)が付与されるとともに、固定マッサージ体75で頭皮を保持した状態で、頭皮に対して可動マッサージ体74によるもみ刺激が付与される。
【0063】
この状態からさらにマッサージ体6を頭部に押し付けようとすると、相対的に弾性率が大きく設定されている固定マッサージ体75が頭皮を突っ張り、過剰にマッサージ体6が頭皮に押し付けられることが阻止される。これにより、頭皮と可動マッサージ体74との摩擦による駆動抵抗が過大となることが防止される。このとき、先に説明した可動マッサージ体74、固定マッサージ体75、および操作アーム110の突出寸法の関係により、可動マッサージ体74を操作している操作アーム110と頭皮との間には距離があるため、可動マッサージ体74を介して操作アーム110が頭皮に接当されることがなく、これによっても駆動抵抗が過大となることが防止される。
【0064】
一方、一群の吐水孔5から湯水を吐出した状態でマッサージ体6を頭部にあてがうことにより、吐出される湯水の圧力によっても頭皮にたたき刺激に類似したマッサージ刺激を付与することができる。このとき、ヘッド部2の前面の形状により、マッサージ体6の内側に配された一群の吐水孔5は、マッサージ体6の外側に配された一群の吐水孔5に比べて頭皮までの距離が短い。そのため、前者から吐出される湯水が頭皮に当たる際の水圧は、後者から吐出される湯水が頭皮に当たる際の水圧よりも大きくなるので、内外で大小に異なる強さのたたき刺激が頭皮に付与される。
【0065】
駆動ユニット16で電力が消費された電池56は、シャワーヘッド1から分離して充電を行う。
図2の状態のシャワーヘッド1から電源体55を取り外す場合、まず、ヘッドケース15を支持した状態のままグリップ筒42を左まわりに回転させ、基準マーク50に解除マーク51を合致させることで、バヨネット溝46とバヨネット爪47との係合を解除する。この状態で、グリップ筒42を下方にスライドさせると、ベース筒41からグリップ筒42が分離できる。次いで、ヘッドケース15を固定した状態のままモジュールケース58を左まわりに回転させ螺合構造を解除することで、電源体55をソケット45から分離でき、さらにモジュールケース58から電池モジュール57を引き出すことで、電池モジュール57を取り出すことができる。取り出された電池モジュール57は充電器(図示していない)に装着することにより、電池56を充電することができる。
【0066】
電池モジュール57の充電後、電源体55を取り付けるには、まず、モジュールケース58の筒内部に電池モジュール57を挿入する。次いで、モジュールケース58の上側の筒端をソケット凹部44に差し込む。この状態から、モジュールケース58を右まわりに回転させると螺合構造の螺合が開始され、螺合構造の螺合状態が確立されると、ソケット45に対する電源体55の固定が完了する。電源体55の固定の完了とともに、給電端子61と受電端子62との通電状態も確立される。
【0067】
ソケット45に対する電源体55の固定が完了したら、電源体55がグリップ筒42の内部に収容されるように、基準マーク50と解除マーク51とを位置合わせしたうえで、下方からグリップ筒42をベース筒41に差し込む(
図6参照)。さらに、ヘッドケース15を固定した状態のままグリップ筒42を右まわりに回転させ、基準マーク50にロックマーク52を合致させることで、バヨネット溝46とバヨネット爪47とが係合され、ベース筒41に対するグリップ筒42の装着が完了する。
【0068】
シャワーヘッド1の使用により給水路141を含む湯水の水路に水垢等が付着し吐水孔5からの湯水の出方が悪化することがあるため、湯水の水路は定期的に清掃することが好ましい。また、マッサージ体6への皮脂等の付着による衛生性の悪化を防止するため、マッサージ体6を定期的に洗浄することが好ましい。これら給水路141の清掃およびマッサージ体6の洗浄は、ヘッド部2からヘッドユニット12を取り外すことにより、容易に行うことができる。
図2の状態のシャワーヘッド1からヘッドユニット12を取り外す場合には、まず、ヘッド本体10に装着されているユニットホルダ11を左まわり(正面視で反時計まわり)方向へ回転操作する。これにより、バヨネット爪66とバヨネット溝65との係合が解除されるので、ヘッドケース15からユニットホルダ11を手前側に分離することができる。また、ユニットホルダ11の分離により、ヘッドケース15に対するヘッドユニット12の保持が解除されるので、ヘッドケース15からヘッドユニット12を前方へと取り外すことができる。
【0069】
ヘッドユニット12を取り外したのち、ヘッドユニット12、ユニットホルダ11、およびヘッドケース15の内部を清掃することで、給水路141に付着の水垢等を除去することができる。また、マッサージ体6を洗浄することで、付着の皮脂等を除去することができる。清掃および洗浄後は、出力軸26と操作軸102とを位置合わせしたうえで、ヘッド本体10に対してヘッドユニット12を前方から後方に差し込む。次いで、基準マーク68と解除マーク69とを位置合わせしたうえで、ユニットホルダ11をヘッドケース15の前面に被せつけ、右まわり(正面視で時計まわり)方向へ回転操作することで、バヨネット爪66とバヨネット溝65とが係合されるので、ヘッド本体10に対してユニットホルダ11を装着することができる。ユニットホルダ11の装着により、ヘッドケース15に対するヘッドユニット12の保持が確立される。
【0070】
出力軸26と操作軸102との連結は、十字軸からなる駆動軸部27と十字穴からなる受動穴106とによる連結のため、上記の出力軸26と操作軸102との位置合わせの際には、操作アーム110の中心軸線Cの傾き方向が、例えば上方、下方、左方、右方の4方向に設定することができ、出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢が、出力軸26の回転軸Rまわりに4方向に変更できる。操作アーム110の中心軸線Cの傾き方向は、例えば分離されたヘッドユニット12の操作軸102を後面側からマイナスドライバー等を差し込んで行うことができる。操作軸102の連結姿勢は、操作軸102ごとに変更することができ、例えば、正面視において上側2個の操作軸102は、操作アーム110の中心軸線Cが上方に傾く連結姿勢とし、下側2個の操作軸102は、操作アーム110の中心軸線Cが下方に傾く連結姿勢とする、あるいは、すべての操作軸102を、操作アーム110の中心軸線Cが左方に傾く連結姿勢とするなど、様々に変更することができる。操作軸102の連結姿勢の変更により可動マッサージ体74によるもみ刺激における刺激態様を変更することができる。
【0071】
以上のように、シャワーヘッド1として構成した本実施形態のマッサージ装置では、駆動部16で駆動される可動マッサージ体74と固定状態で設けられる固定マッサージ体75とを複数設けたので、可動マッサージ体74と固定マッサージ体75とで異なる刺激態様のマッサージ刺激を頭皮の複数個所に対して付与することが可能であり、従来のマッサージ装置(頭皮ケア装置)のようにマッサージ刺激が単調になることがない。また、固定マッサージ体75をマッサージヘッド2の前面から前向きに突設することにより、人体表面に対するマッサージヘッド2の押し付け操作は、固定マッサージ体75がマッサージヘッド2と人体表面との間で突っ張ることで、その程度が固定マッサージ体75で規制されるので、人体表面と可動マッサージ体74との間の摩擦による駆動抵抗が過剰となることを防ぐことができる。相対的に弾性率が小さい可動マッサージ体74は変形しやすいので、これによっても頭皮と可動マッサージ体74との間の駆動抵抗を軽減できる。以上のように、本実施形態のマッサージ装置によれば、マッサージで得られる満足感を高めることができ、さらに、駆動抵抗の増大に伴うモーター負荷を抑制して、マッサージ装置が故障すること、および電力消費が増加することを防ぐことができる。
【0072】
ヘッド部2の基準面Fから可動マッサージ体74の前方先端までの前後方向の寸法H1を、ヘッド部2の基準面Fから固定マッサージ体75の前方先端までの前後方向の寸法H2よりも大きく形成したので、固定マッサージ体75が頭皮に接当する前に可動マッサージ体74を頭皮に接当させることができる。これにより、駆動されることで相対的に刺激強度が強い可動マッサージ体74によるマッサージ刺激を頭皮に対して的確に付与することができる。
【0073】
可動マッサージ体74および固定マッサージ体75は可撓性を備えているものとしたので、両マッサージ体74・75の肌当たりをソフトなものとすることができる。
【0074】
可動マッサージ体74の弾性率と固定マッサージ体75の弾性率とを大小に異なるように構成したので、可動マッサージ体74を駆動しない状態で、マッサージ体6を人体表面に接当させる場合でも、強さの異なるマッサージ刺激を人体表面に対して付与できる。したがって、可動マッサージ体74の駆動状態にかかわらず、異なる刺激態様のマッサージ刺激を人体表面に対して付与することができる。
【0075】
また、可動マッサージ体74の弾性率を相対的に小さく、固定マッサージ体75の弾性率を相対的に大きく構成したので、人体表面に対するマッサージヘッド2の押し付け操作を固定マッサージ体75で突っ張って的確に規制できる。
【0076】
ヘッド部2の前面に周回状に凹み形成された装着凹部121に、マッサージ体6の円環状のベースリング73を埋設状に嵌め込み固定したので、両マッサージ体74・75の基端部を支持するベースリング73を、装着凹部121の壁面(第1内筒壁119、第2内筒壁120、凹部底壁122)で囲むように強固に支持して、両マッサージ体74・75が頭皮に接当したときのベースリング73の変形を抑制できる。したがって、ベースリング73で両マッサージ体74・75を適正姿勢に支持して、可動マッサージ体74および固定マッサージ体75によるマッサージ刺激を頭皮に対して的確に付与することができる。
【0077】
駆動部16が設けられるヘッド本体10と、ヘッド本体10の前部に着脱可能に設けられるリング状のユニットホルダ11と、周縁部がユニットホルダ11で保持されてヘッド本体10に固定されるヘッドユニット12とを備えるヘッド部2のヘッドユニット12に、マッサージ体6が設けられていると、ユニットホルダ11をヘッド本体10から取り外してヘッドユニット12の保持を解除することでヘッド部2からヘッドユニット12を分離できる。これにより、頭皮に接当され皮脂等が付着しやすいマッサージ体6を含むヘッドユニット12の全体を、ヘッド本体10が邪魔になることがなく簡便に洗浄することができる。
【0078】
操作軸102が有する可動マッサージ体74を操作する操作アーム110の伸び方向に沿う中心軸線Cを、操作軸102に連結される出力軸26の回転軸Rに対して傾斜するように構成したので、正面視において先端が円を描くように可動マッサージ体74を回転駆動して頭皮に対してマッサージ刺激を付与できる。加えて、出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢が、出力軸26の回転軸Rまわりに変更できるように構成したので、操作軸102の連結姿勢を各操作軸102で個別に設定することで、回転駆動される可動マッサージ体74の回転開始位置を可動マッサージ体74毎に変更することができる。したがって、出力軸26に対する操作軸102の連結姿勢を変更するだけで、各可動マッサージ体74の回転駆動の位相を同じ位相で動作させ、あるいは異なる位相で動作させることができ、様々な形態のマッサージ刺激を頭皮に対して付与することができる。
【0079】
ヘッドユニット12は、操作軸102が軸支されるユニットベース83と、ベースリング73の後面に凹み形成された取付凹部80の内部に配された状態でベースリング73を保持するリングホルダ85とを備え、ユニットベース83とリングホルダ85とをビス128で締結固定したので、マッサージ体6のベースリング73をユニットベース83に締結固定されるリングホルダ85で補強しつつ強固に保持することができる。そのうえで、操作軸102の操作アーム110を、リングホルダ85に形成された切欠部92を介して、取付凹部80に臨む開口部81から可動マッサージ体74の内部に挿入したので、リングホルダ85でユニットベース83を強固に保持しながらも、補強用のリングホルダ85を回避しつつ操作アーム110で可動マッサージ体74を適正に操作することができる。
【0080】
ユニットベース83とリングホルダ85とを、ユニットカバー84に設けられた装着凹部121の凹部底壁122を挟む状態で設けたので、リングホルダ85とユニットカバー84とユニットベース83の3者を強固に固定でき、さらに、リングホルダ85で保持されてユニットカバー84に固定されるマッサージ体6の可動マッサージ体74を、ユニットベース83で軸支される操作軸102の操作アーム110で確実に操作することができる。
【0081】
ヘッド部2の前面に、前方に向かって水を吐出する吐水部5を設けたので、マッサージ体6に加え吐水部5から吐出される水の圧力によって、マッサージ体6による刺激態様とは異なるマッサージ刺激を頭皮に対して付与することができ、マッサージの満足感をさらに高めることができる。
【0082】
ヘッド部2の正面視において、可動マッサージ体74の駆動軌跡で囲まれる領域で規定される可動領域Sに重畳するヘッド部2の前面には、吐水部5が形成されないように構成したので、吐水部5から吐出された水が可動マッサージ体74に衝突することを回避して、意図しない方向へ水が飛び散ることを防ぐことができる。
【0083】
ヘッド部2の前面を、その中心部分が最も前側に突出する部分球面状に形成したので、頭皮とベースリング73の内方部分に形成される吐出部5との距離と、頭皮とベースリング73の外周縁部分に形成される吐出部5との距離とに差を設けて、内外の吐出部5で頭皮に到達する際の水圧を異なるようにして、異なる強度の水圧によるマッサージ刺激を頭皮に対して付与することができる。
【0084】
また、本実施形態に係るマッサージ装置によれば、国際連合で定められた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」で示される17の目標のうち、例えば、「3:すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)」といった一部の目標の達成に寄与することができる。
【0085】
上記の実施形態では、ベースリング73、可動マッサージ体74、および固定マッサージ体75を同一の素材としてマッサージ体6を一体的に構成したが、異なる素材を複合してマッサージ体6を構成することもできる。例えば、両マッサージ体74・75を樹脂素材等の剛体で構成し、これらマッサージ体74・75を支持するベースリング73のみ可撓性を有するゴム素材で構成することができる。また、ベースリング73および可動マッサージ体74は可撓性を有するゴム素材で構成し、固定マッサージ体75は樹脂素材等の剛体で構成する、あるいは可動マッサージ体74は樹脂素材等の剛体で構成し、ベースリング73および固定マッサージ体75は可撓性を有するゴム素材で構成することもできる。可動マッサージ体74が剛体で形成されている場合でも、ベースリング73が可撓性を有していれば、可動マッサージ体74の基端部を支持するベースリング73が変形するので、可動マッサージ体74を動作させることは可能である。
【0086】
可動マッサージ体74の弾性率と固定マッサージ体75の弾性率とが大小に異なる構成については、両マッサージ体74・75が同一の素材で構成されている場合に加え、両マッサージ体74・75が異なる素材で構成されている場合も含む。例えば、固定マッサージ体75が剛体の場合には、可動マッサージ体74による肌当たりがソフトなマッサージ刺激と、固定マッサージ体75による肌当たりがハードなマッサージ刺激とを人体表面に対して付与することができる。
【0087】
上記以外に、湯水の流路に流量センサを設け、該流量センサが湯水の流れを検知したとき、自動的に駆動ユニット16を駆動する形態を採ることができる。この場合には電源スイッチ134を省略することができる。上記では、シャワーヘッドとしてマッサージ装置を構成したが、手持ち式の所謂ハンドマッサージ器として構成することもできる。特に、前記ハンドマッサージ器においては、商用電源からモーター17へ電力供給を行う形態であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 シャワーヘッド
2 マッサージヘッド(ヘッド部)
5 吐水部(吐水孔)
6 マッサージ体
10 ヘッド本体
11 ユニットホルダ
12 ヘッドユニット
16 駆動部(駆動ユニット)
17 モーター
26 出力軸
73 ベースリング
74 可動マッサージ体
75 固定マッサージ体
80 取付凹部
81 開口部
83 ユニットベース
85 リングホルダ
92 切欠部
102 操作軸
110 操作アーム
117 カバー前壁
121 装着凹部
122 凹部底壁
128 締結具(ビス)
C 操作アームの伸び方向に沿う中心軸線
F 基準面
R 回転軸
S 可動マッサージ体の駆動軌跡で囲まれる領域で規定される可動領域
H1 基準面から可動マッサージ体の前方先端までの前後方向の寸法
H2 基準面から固定マッサージ体の前方先端までの前後方向の寸法