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特許7621270シアリダーゼ耐性糖およびその調製および使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】シアリダーゼ耐性糖およびその調製および使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 5/10 20060101AFI20250117BHJP
   A61K 39/395 20060101ALN20250117BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
C07H5/10
A61K39/395 B
A61K39/395 H
A61P35/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021558537
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2020014608
(87)【国際公開番号】W WO2020205034
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】62/829,736
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317010417
【氏名又は名称】アカデミア シニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,チ-ヒューイ
(72)【発明者】
【氏名】ロー,ホン-ジェイ
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518989(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115797(WO,A1)
【文献】Journal of the American Chemical Society,2007年,129(35),10630-10631,DOI: 10.1021/ja072687u
【文献】Angewandte Chemie International Edition,2019年01月25日,58(12),3814-3818,DOI: 10.1002/anie.201812963
【文献】Tetrahedron,1987年,43(24),5919-5928,DOI: 10.1016/S0040-4020(01)87797-8
【文献】Journal of the American Chemical Society,2019年04月15日,141(16),6484-6488,DOI: 10.1021/jacs.9b01991
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3-ヒドロキシ-シアル酸を糖と反応させることによりグリコシル化反応を行ってα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドを形成する工程、および
前記α2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドをフッ素化剤と反応させることによりフッ素化反応を行って3-フルオロ-シアル酸を含む糖を形成する工程
を含む、3-フルオロ-シアル酸を含む糖を調製する方法であって、
前記3-ヒドロキシ-シアル酸は、式(I)の化合物:
【化1】
であり、
前記糖は、式(II)の化合物:
【化2】
であり、
前記α2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドは、式(III)の化合物:
【化3】
であり、
前記3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、式(IV)の化合物:
【化4】
である、3-フルオロ-シアル酸を含む糖を調製する方法。
【請求項2】
前記フッ素化剤はペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(NfF)であり、前記フッ素化反応は触媒の存在下で行い、前記触媒は1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデカ-7-エン(DBU)であり、前記フッ素化反応は、トルエン中で行い、前記フッ素化反応はさらにジフルオロトリメチルケイ酸トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム(TASF)の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フッ素化剤はNfFであり、前記グリコシル化反応はAgOTfおよびNaHPOの存在下で行い、前記フッ素化反応は触媒の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒はDBUであり、前記グリコシル化およびフッ素化反応はそれぞれトルエン中で行い、
前記フッ素化反応はさらにTASFの存在下で行う、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記3-フルオロ-シアル酸を含む糖を第2の糖と反応させることにより別のグリコシル化反応を行う工程をさらに含み、
前記フッ素化剤はNfFであり、前記グリコシル化反応はAgOTfおよびNaHPOの存在下で行い、前記フッ素化反応は触媒の存在下で行い、
前記触媒はDBUであり、前記グリコシル化およびフッ素化反応はそれぞれトルエン中で行い、
前記フッ素化反応は、任意で、さらにTASFの存在下で行う、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
モノクローナル抗体を3-フルオロ-シアル酸を含む糖でグリコシル化する工程を含む、3-フルオロ-シアル酸を含む糖に結合された均質な抗体を調製する方法であって、前記3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、
3-ヒドロキシ-シアル酸を糖と反応させることによりグリコシル化反応を行ってα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドを形成する工程、および
前記α2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドをフッ素化剤と反応させることによりフッ素化反応を行って3-フルオロ-シアル酸を含む糖を形成する工程
によって得られ、
前記3-ヒドロキシ-シアル酸は、式(I)の化合物:
【化5】
であり、
前記糖は、式(II)の化合物:
【化6】
であり、
前記α2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドは、式(III)の化合物:
【化7】
であり、
前記3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、式(IV)の化合物:
【化8】
である、3-フルオロ-シアル酸を含む糖に結合された均質な抗体を調製する方法。
【請求項7】
前記フッ素化剤はNfFであり、前記グリコシル化反応はAgOTfおよびNaHPOの存在下で行い、前記フッ素化反応は触媒の存在下で行い、
記触媒はDBUであり、前記グリコシル化およびフッ素化反応はそれぞれトルエン中で行
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フッ素化反応後に、前記3-フルオロ-シアル酸を含む糖を第2の糖と反応させることにより別のグリコシル化反応を行う工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シアル酸は、糖脂質および糖タンパク質上のグリカンの最外端に示されることが多い負に帯電した単糖であり、細胞、ウイルスおよび細菌上の他の生体分子および受容体との相互作用を含む多くの生理的な細胞内および細胞間プロセスに関与している。またシアル化は、分泌型糖タンパク質および膜結合受容体の機能および運命を調節するのに重要な役割を担う。例えば上皮増殖因子受容体(EGFR)のシアル化はEGFR二量体化を阻害し、このようにしてEGF結合およびリン酸化を妨害することが分かっており、これは腫瘍発生に関連づけられている。またN-グリカンの脱シアル化は基礎をなすガラクトースを露出し、これが肝臓のアシアロ糖タンパク質受容体によって認識され、それにより循環からの糖タンパク質の急速な除去が生じるため、シアル化は血液循環中の糖タンパク質の半減期を調整する。故にシアル化の程度の増加は、糖タンパク質治療薬の半減期および望ましくない効果を高める可能性がある。
【0002】
最近ではタンパク質構造および機能に対するグリコシル化の役割が集中的に研究されており、タンパク質、特に治療用モノクローナル抗体(mAbs)のグリカンsynthesicampillaryおよび糖鎖工学のための新しい方法の開発を奨励している。例えば末端のα-2,6-結合型シアル酸を有する脱フコシル化二分岐N-グリカンは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞障害(CDC)および抗炎症活性の増強にとって最適なグリカン構造を有することが分かっている
【0003】
C-3位にフッ素を有するシアル酸誘導体は、シアリルトランスフェラーゼおよびシアリダーゼ(またはノイラミニダーゼ)を阻害し、かつより安定であることが知られている。しかしドナーとしてのフッ化糖によるグリコシル化は、グリコシル化反応を不活性化させるフッ素基の強力な電子効果により大きな課題をもたらすことが多い。対応するシチジン一リン酸-シアル酸から3-フルオロ-シアル酸残基を転移させてα-2,3-結合型シアロシドを形成することができるシアリルトランスフェラーゼは存在するが、利用可能な対応するα-2,6-シアリルトランスフェラーゼは存在しない11
【0004】
従って、糖タンパク質治療薬を開発するために使用することができるα-2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド(α-2,6-linked 3-fluoro-sialosides)を含む糖を確実に調製するための方法を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、3-フルオロ-シアル酸を含む糖を調製する方法である。本方法は、3-ヒドロキシ-シアル酸を糖と反応させることによりグリコシル化反応を行ってα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドを形成する工程、およびα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドをフッ素化剤と反応させることによりフッ素化反応を行って3-フルオロ-シアル酸を含む糖を形成する工程を含む。
【0006】
本発明の別の態様は、3-フルオロ-シアル酸を含む糖に結合された均質な抗体を調製する方法である。本方法は、モノクローナル抗体を糖でグリコシル化することにより行う。
【0007】
本発明のさらなる態様は、式(VI)の化合物:
【化1】
(式中、RはAcまたはHであり、RはBzまたはHであり、RはメチルまたはHであり、RはBnまたはHであり、かつXはOH、脱離基または糖である)に関する。なお、「Ac」はアセチルを表し、「Bz」はベンゾイルを表し、「Bn」はベンジルを表し、糖は単糖、二糖またはオリゴ糖であってもよい。
【0008】
α2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド末端N-グリカンに結合されたモノクローナル抗体も本発明の範囲内である。
【0009】
さらに癌を治療する方法が本発明によって包含される。本方法は、有効量のα2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド末端N-グリカンに結合されたモノクローナル抗体をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
【0010】
本発明の詳細は、以下の発明を実施するための形態に記載されている。本発明の他の特徴、目的および利点は、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からも明らかになるであろう。
【0011】
以下の説明は添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aは酵素濃度の関数として3種類のシアロシド、すなわち1、2およびS27の酵素触媒加水分解を示す2つのグラフを示し、図1Bは2、S27または2-デオキシ-2,3-ジデヒドロ-N-アセチルノイラミン酸(DANA)(シアリダーゼ阻害剤)の濃度の関数としてシアリダーゼ阻害を示す2つのグラフを示す。
図2】4種類のN-グリカン:(1)リツキサン-G、(2)リツキサン-Fax-SCT、(3)リツキサン-SCTおよび(4)市販のリツキサンの染色された電気泳動ゲルである。
図3】3種類のN-グリカン、すなわちリツキサン-Fax-SCT、リツキサン-SCTおよびリツキサンについて得られた質量スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に最初に詳細に開示されているのは、3-フルオロ-シアル酸を含む糖を調製する方法である。
【0014】
繰り返すが、本方法は、3-ヒドロキシ-シアル酸を糖と反応させることによりグリコシル化反応を行ってα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドを形成する工程、およびα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドをフッ素化剤と反応させることによりフッ素化反応を行って3-フルオロ-シアル酸を含む糖を形成する工程を含む。糖は単糖、二糖またはオリゴ糖であってもよい。例示的な方法では、糖は単糖である。
【0015】
本方法の特定の実施形態では、3-ヒドロキシ-シアル酸は2-ブロモ-3-ヒドロキシ-シアル酸であり、グリコシル化反応はトリフルオロメタンスルホン酸銀(AgOTf)およびリン酸水素二ナトリウム(NaHPO)の存在下で行う。好ましくは、グリコシル化反応はトルエン中で行う。
【0016】
本方法の他の実施形態では、フッ素化剤はペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(NfF)であり、フッ素化反応は触媒の存在下で行う。例えば触媒は、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデカ-7-エン(DBU)である。好ましくは、フッ素化反応はトルエン中で行う。なお、この反応はさらにジフルオロトリメチルケイ酸トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム(TASF)の存在下で行うことができる。
【0017】
例示的な方法では、3-ヒドロキシ-シアル酸は、式(I)の化合物:
【化2】
であり、
糖は、式(II)の化合物:
【化3】
であり、
α2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドは、式(III)の化合物:
【化4】
であり、かつ
3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、式(IV)の化合物:
【化5】
である。
【0018】
さらなる実施形態では、本方法は、3-フルオロ-シアル酸を含む糖を第2の糖と反応させることにより別のグリコシル化反応を行う工程をさらに含む。
【0019】
3-フルオロ-シアル酸を含む糖に結合された均質な抗体を調製する方法も本発明の範囲内である。この場合も、本方法はモノクローナル抗体を3-フルオロ-シアル酸を含む糖でグリコシル化する工程を含む。
【0020】
本方法の特定の実施形態では、3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、3-ヒドロキシ-シアル酸を糖と反応させることによりグリコシル化反応を行ってα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドを形成する工程、およびα2,6-結合型3-ヒドロキシ-シアロシドをフッ素化剤と反応させることによりフッ素化反応を行って3-フルオロ-シアル酸を含む糖を形成する工程を含む上記方法およびその実施形態によって得られる。
【0021】
他の実施形態では、3-フルオロ-シアル酸を含む糖は、α2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド末端N-グリカンであり、これは式(V)の化合物:
【化6】
であってもよく、
式中、Zは、
【化7】
である。
【0022】
本発明の別の態様は、式(VI)の化合物:
【化8】
に関し、R、R、R、RおよびXは上記発明の概要の箇所に定義されている。
【0023】
一実施形態では、当該化合物は、式(IV)の化合物:
【化9】
である。
【0024】
さらに別の実施形態では、式(VI)の化合物は、それぞれN-グリカンであるXを含む。本実施形態の例示的な化合物は、式(V)の化合物:
【化10】
であり、
式中、Zは、
【化11】
である。
【0025】
本発明は、3-フルオロ-シアル酸を含む糖に結合されたモノクローナル抗体も包含し、3-フルオロ-シアル酸を含む糖はα2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド末端N-グリカンである。好ましくはα2,6-結合型3-フルオロ-シアロシド末端N-グリカンは、上に示されている式(V)の化合物である。
【0026】
癌または自己免疫疾患を治療する方法が本発明によってさらに包含され、これは有効量の上記モノクローナル抗体をそれを必要とする対象に投与することを含む。例えば、癌は白血病またはリンパ腫であってもよく、自己免疫疾患は関節リウマチ、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球癆、血栓性血小板減少性紫斑病、特発性血小板減少性紫斑病白血病、リンパ腫、エバンス症候群、脈管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、抗NMDA受容体脳炎、デビック病、グレーブス眼症、自己免疫性膵炎、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群またはIgG4関連疾患であってもよい。
【0027】
「治療する」または「治療」という用語は本明細書では、治療もしくは予防効果を与えるという目的で、上記疾患すなわち癌、そのような疾患の症状またはそのような疾患に対する素因を有する対象に上記医薬組成物を投与することを指す。「有効量」という用語は、そのような効果を与えるために必要な活性薬物の量を指す。有効な用量は当業者によって認識されるように、治療される疾患の種類、投与経路、賦形剤の使用および他の治療処置と同時使用する可能性に応じて異なる。
【0028】
本発明の特定の具体的な態様のより詳細な説明を以下に提供する。
【0029】
3-フルオロ置換されたシアル酸誘導体は、非フッ素化シアル酸誘導体と比較してシアリダーゼに対してより安定であることが知られている。フッ素原子をアノマーのC-3位に導入することにより、2,3-ジフルオロシアル酸(DFSA)を開発し(スキーム1)、生化学的プローブおよびシアリダーゼを研究するための活性系タンパク質プロファイリングプローブ10として使用した。DFSAの助けを借りて、C-3において軸方向位置にあるフッ素原子(3Fax)が、3Feq誘導体よりも酵素の脱活性化(k)および再活性化(khydr)の両方の減速に対してより大きい効果を有することが分かった8b。この観察に触発されて、本発明者らは糖タンパク質治療薬におけるそれらの潜在的使用のために3-フルオロシアル酸を用いてシアロシドの安定性を調査することを望んだ。具体的には本発明者らは、mAb上のN-グリカンの末端に3Fax-Neu5Acモチーフを組み込むことによりシアリダーゼに対するその安定性を高め、かつそのエフェクター機能を維持することができるかを研究する意図である。
【0030】
本発明者らの目標に向かって、本発明者らは二分岐N-グリカンを含むα2,6-結合型3Fax-Neu5Acオリゴ糖の合成のための分取方法を開発した。本発明者らは、合成の3-FaxNeu5Ac-α2,6-Gal結合はシアリダーゼの存在下でより安定であり、かつ対応する二分岐グリカンを有する抗体は非フッ素化対応物と同じ結合親和力を有することも証明した。
【0031】
(a)XeF-BF×OEt 12、分子状フッ素13およびSelectfluorによる保護されたグリカンのフッ素化7c、(b)シアル酸誘導体におけるC3でのエクアトリアルヒドロキシル基の反転7f、および(c)ManNAcおよび3-フルオロ-ピルビン酸の3FeqNeu5Acおよび3FaxNeu5Acへのアルドラーゼ触媒酵素変換7a、11a、14を含む、3F-Neu5Acの合成のためのいくつかの方法が報告された。しかし本発明者らの知る限りでは、3Fax-Neu5Ac末端N-グリカンの合成について記載している方法はこれまで存在しない。3Fax-Neu5Acを含む二糖の調製を開示している唯一の説明は3-FaxNeu5Ac-α2,3-Lacの酵素合成に限られており、必要とされているα2,6-結合型のものではない11a。従って本発明者らは、本発明者らの努力をこの結合の化学合成に焦点を当てた15
【化12】
【0032】
3Fax-Neu5Ac系のドナーを用いた様々なグリコシル化条件のスクリーニング後に(スキーム2a)、本発明者らは、3OH-Neu5Ac-α2,6-Gal-STolにおける3OHeqの3FaxへのS2反応を包含する他の戦略を調査した(スキーム2b)。最初に本発明者らは、Gotoらによって報告されている条件を用いてO-6におけるシアル化を調べた(表1、項目1)16。この反応はトルエン中で1当量の促進剤としてのAgOTfおよびベースとしてNaHPOを用いて-10℃で行った(スキーム3)。これらの条件により3:1(α:β)のアノマー比で二糖6が低い収率(15%)で得られた。溶媒をCHClに変えてもジアステレオ選択性は向上しなかった(項目2)。温度および反応時間を増加させることにより、その収率は上昇したが、選択性は劇的に低下した(項目3~5)。驚くべきことに、より多くの当量のアクセプターを使用するほど、より良好な立体選択性が観察された(項目3対6)。最適化された条件(項目7)により優れたα選択性(α:β=13:1)で6が35%(99%brsm)の収率で得られた。
【化13】
【表1】
【0033】
OHeqのFaxへの反転は困難な作業であることが分かった。TASFを用いたOTfおよびOMsのフッ素での置換により出発物質の分解が生じた。この変換を最適化するために、本発明者らは様々なフッ素化試薬をスクリーニングしたが全く成功しなかった。しかし、6を無水トルエン中の1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下でペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(NfF)により90℃で2日間処理することにより(スキーム3)、4が6%の収率で得られた(表2、項目1)17。反応温度の低下(項目1、5および6)および反応時間の増加(項目7)などの反応条件のさらなる最適化により4の全収率が向上した。7から4への変換はC-3の周りでの立体障害が原因で律速段階であるように思われる。多くの場合に、本発明者らは1日以内に室温およびNfFおよびDBUの存在下で形成された7を単離することができた。しかし、7から4への変換(77%brsmの収率)は長い反応時間を必要とする。反応温度を上げることによりその変換を向上させる試みにより、7の分解が生じた。従って本発明者らの最良の結果は、試薬の量の増加および反応時間の15日間への延長により得られた(項目8)。最後に本発明者らは、TASFの添加により反応効率を高め、それにより反応時間をたった2日に短縮させるのに役立つことを見出した(項目9)。完全に保護された3Fax-Neu5Ac-α2,6-Gal-STol二糖(4)の立体化学をX線回折分析により確認した。
【化14】
【表2】
【0034】
スキーム5を参照すると、NIS/TMSOTfを用いて3Fax-Neu5Ac-二糖ドナー4をアクセプター(8)に結合させて9を得た。次にアノマー位置にあるO-allyl基をAcOH/NaOAc中のPdClによる異性化によって除去し、アノマーのヒドロキシル基(10)をさらにフルオリド(11)およびイミデート(12)に変換した。CpHfCl/AgOTf条件を用いた3Fax-Neu5Ac末端フルオリドドナー(11)によるO-3におけるコア二糖(13)のグリコシル化によりヘキサ糖14を85%の収率で得た。ベンジリデン基の除去後に、15をO-6位においてグリコシル化して、優れた位置選択性およびα立体選択性により所望の十糖(16)を70%の収率で得た。本発明者らは、N-フェニルトリフルオロアセトイミデートドナー(12)を用いたTfOH促進グリコシル化も試験したが、これにより不十分な収率の生成物が得られた。次に、以下の一連の工程:(a)エステルおよびNHTroc基を除去するためのLiOHによる鹸化、(b)遊離アミンおよびアルコールのアセチル化、(c)ナトリウムメトキシドによるOAc基の除去、および(d)MeOH/水/HCOH混合物中のPd/CによるO-ベンジル基の水素化分解4bに従って、完全に脱保護されたグリカン(17)を40%の全収率で得た。
【化15】
【0035】
スキーム5における試薬および条件:(a)8、TfOH、NIS、4ÅのMS、CHCl、-40℃、2時間、64%。(b)PdCl、CHCOONa、AcOH/HO、82%。(c)DAST、CHCl、-20℃、73%。(d)ClC(=NPh)CF、CsCO、CHCl、0℃~室温、3時間、56%。(e)11、AgOTf、CpHfCl、トルエン、4ÅのMS、0℃、3時間、85%。(f)pTSA・HO、CHCN、室温、6時間、75%。(g)11、AgOTf、CpHfCl、トルエン、4ÅのMS、-15℃、3時間、70%(80%brsm)。(h)12、TfOH、CHCl、4ÅのMS、-60~-20℃、3時間、33%(55%brsm)。(i)LiOH、ジオキサン/HO(4:1)、90℃、16時間。(j)AcO、Py、16時間。(k)NaOMe、MeOH、16時間。(l)Pd(OH)、MeOH/HO/HCOOH(6:3:1)、H、16時間、40%(4段階)。
【0036】
段階的合成のためのプロトコルを確立した後、本発明者らは、17の前駆体であるヘキサ糖(14)のプログラム可能な[2+2+2]ワンポット合成を開発することによりグリカンの組み立てを合理化した(スキーム6)。設計したワンポットプロトコルは、-40℃での3Fax-Neu5Ac-二糖ドナー(4)(RRV=2053)と反応性のより低いアクセプター(18)(RRV=537)との最初の結合、その後の-20℃での還元末端アクセプター13の注入で構成されていた。-10℃および標準的な精製プロトコルで1時間後、ヘキサ糖14を26%の収率で単離した。
【化16】
【0037】
スキーム6における試薬および条件:(a)TfOH、NIS、4ÅのMS、CHCl、-40℃~-10℃、3時間、26%。
【0038】
シアリダーゼの存在下で3Fax-Neu5Ac-α2,6-Galモチーフの安定性に関する予備データを収集するために、本発明者らはウェルシュ菌およびコレラ菌由来の市販されているシアリダーゼを用いるインビトロアッセイ19のために、(1)Neu5Ac-α2,6-Gal-pNPおよび(2)3Fax-Neu5Ac類似体を基質として調製した(スキーム1)。どちらの酵素も未変性の基質1に対して期待された加水分解活性を示したが、3Fax-類似体2に対しては不活性であった(図1Aを参照)。本発明者らは、2がDANAのように1の加水分解を有意に阻害しないことも観察した(図1Bを参照)。
【0039】
mAbの均質なグリコフォームを調製するために、標準的なプロトコルに従って化合物17をオキサゾリンドナーに変換し、かつEndo S2(D184Q)の存在下でGlcNAcにより修飾されたIgG(コアフコースを含まない)に連結させた。均質な3Fax-Neu5Ac-グリコフォームのFcγRIIIaへの結合親和力を、親の非フッ素化グリコフォーム(G2S2)およびリツキシマブの市販試料(主要なグリコフォーム:G1F1、G0F1、G2F1)と共に、表面プラズモン共鳴分析により測定した。リツキシマブの市販試料と比較した場合、α2,6-シアル化を含み、かつコアフコースを含まない二分岐N-グリカンを有するIgGの均質なグリコフォームは、結合親和力における39.9倍(Neu5Ac-G2S2)および37.4倍(3Fax-Neu5Ac-G2S2)の向上を示した(表4を参照)。3Fax-Neu5Ac修飾されたグリコフォームの結合親和力は親のグリカンと同じ範囲内であることが分かったという事実は、3Fax-Neu5Ac-グリコシル化mAbのインビボ研究のための前提を与える。これらの結果はそのうち報告されるであろう。
【0040】
結論として本発明者らは、シアリダーゼ耐性オリゴ糖および3Fax-Neu5Ac末端二分岐N-グリカンを含む代表的な均質な抗体の合成のためのビルディングブロックとして、3Fax-Neu5Ac-α2,6-Gal-STolの化学合成を開発した。市販のリツキシマブ試料と比較した場合、3Fax-Neu5Ac-グリカンにより修飾された均質なグリコフォームは、FcγRIIIaに結合する際に37.4倍の向上を示した。さらに親の非フッ素化および3Fax-Neu5Ac修飾された抗体グリコフォームは、Fc受容体への同様の結合親和力を示した。全体として本発明者らの結果は、治療用糖タンパク質の半減期の向上のための新しい一般的な戦略を明らかにした。
【0041】
さらなる詳細がなくとも、当業者であれば上記説明に基づいて本発明を最大限に利用することができると考えられる。従って以下の具体例は単に例示であり、何であっても決して本開示の残りを限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用されている全ての文献はそれら全体が参照により組み込まれる。
【0042】
実施例1:3-フルオロ-シアル酸を含む糖および前駆体の合成
特に記載がない限り全ての反応を不活性雰囲気下で行い、その後に標準的なシリンジ-セプタム技術を行った。溶媒は商業的供給源から購入し、さらに精製することなく使用した。微粉状モレキュラーシーブ4Å(EMD Millipore社)を粉砕して粉末にし、使用前に活性化させた。全ての反応の進行をシリカゲル60 F254(Merck KGaA社)で予めコーティングしたTLCガラスプレートにより監視した。TLCを紫外線(254nm)、p-アニスアルデヒドおよび/またはセリウムモリブデン酸アンモニウム染色により可視化した。Acrossシリカゲル(粒径0.035~0.070mm、60Å)でカラムクロマトグラフィを行った。H、13Cおよび19F NMRスペクトルをBruker AVIII-600、DRX-500、AV-400、DPX-400、AVANCE 500 AVおよびAVANCE 600分光計により25℃で記録し、残留する溶媒ピークを内部標準として用いて化学シフトをδ(ppm)で測定した(δ、H NMRではppm:7.24(CHCl)、4.80(HO)、13C NMRでは77(CDCl))。結合定数(J)はHzで測定した。データは「化学シフト、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=幅広)」で表す。エレクトロスプレーイオン化飛行時間(ESI-TOF)リフレクトロン実験ではAgilent LC/MSD TOF質量分析計で高解像度質量スペクトル(HRMS)を記録した。Cu Kα放射線(λ=1.5478)を備えたBruker D8 Platinum-135CCD回折計により単結晶X線回折研究を行った。Hitachi HPLC D-7000システムによりHPLC測定を行った。1mL/分の流速で溶媒系EtOAc/ヘキサンを用いて順相ZORBAX RX-SIL、5μm、4.6×250mm(コロイド状シリカ、Agilent Technologies社)を用いてRRV測定値を記録し、254nmで可視化した。
【0043】
【化17】
p-トリル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-5-デオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド6α。無水トルエン(60mL)中のアクセプター3(1.05g、1.80mmol、1当量)およびドナー5(1.02mg、1.80mmol、1当量)混合物をアルゴン雰囲気下で10分間撹拌した。次いで反応混合物を-50℃に冷却し、乾燥NaHPO(1.07g、7.54mmol、4.2当量)、その後にAgOTf(692mg、2.69mmol、1.5当量、トルエン18mL中)を撹拌しながら添加した。反応が完了したら(24時間後にTLCが出発物質の消失を示した)、反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、20%Na水溶液(10mL)、飽和NaHCO水溶液(5mL)および塩水(5mL)で洗浄し、次いで有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(3:7)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、回収されたアクセプター3(670mg、99%brsm)と共に化合物6(α:β=13:1)を白色の粉末として得た(680mg、35%)。α-アノマー6α:R=0.36(シリカゲル、CHCl:MeOH=20:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.96-7.94(m,2H,Ar-H),7.91-7.90(m,2H,Ar-H),7.50-7.47(m,2H,Ar-H),7.40-7.39(m,2H,Ar-H),7.37-7.32(m,5H,Ar-H),7.25-7.18(m,4H,Ar-H),7.06-7.04(m,2H,Ar-H),5.81(dd,J=10.2,9.6Hz,1H),5.59(d,J=10.2Hz,1H),5.38(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),5.35-5.32(m,1H),5.25(dd,J=10.2,9.6Hz,1H),5.24(d,J=7.8,2.4Hz,1H),4.92(d,J=9.6Hz,1H,C1-Hβ),4.71(d,J=12.0Hz,1H),4.60(d,J=12.0Hz,1H),4.49(dd,J=10.8,1.8Hz,1H),4.30(dd,J=12.6,3.0Hz,1H),4.26(ddd,J=10.2,10.2,10.2Hz,1H),4.20(d,J=3.0Hz,1H),4.10(dd,J=10.2,7.2Hz,1H),4.04(dd,J=12.6,6.6Hz,1H),4.00(dd,J=6.6,6.6Hz,1H),3.86(d,J=9.6Hz,1H),3.82-3.73(m,2H),3.75(s,3H,-CH),2.30(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),2.07(s,3H,-CH),2.06(s,3H,-CH),1.96(s,3H,-CH),1.89(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.6,170.6,170.3,170.1,169.5,168.5,165.8,165.1,138.0,137.9,133.4,133.1,129.8,129.7,129.6,128.9,128.6,128.4,128.3,128.2,127.7,127.6,100.3,86.6,75.9,74.5,73.7,73.2,73.1,72.5,68.8,68.3,63.1,62.5,52.8,48.4,23.1,21.2,20.9,20.8,20.7,20.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5459NO20SNa[M+Na]の計算値:1096.3243/実測値:1096.3241.
【0044】
【化18】
p-トリル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-5-デオキシ-D-エリスロ-β-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド6β。β-アノマー6β:R=0.42(シリカゲル、CHCl:MeOH=20:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.94-7.92(m,4H,Ar-H),7.50-7.47(m,2H,Ar-H),7.43-7.40(m,6H,Ar-H),7.37-7.31(m,5H,Ar-H),7.13-7.12(m,2H,Ar-H),5.81(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),5.51(dd,J=10.2,3.0Hz,1H),5.22(ddd,J=6.0,6.0,3.0Hz,1H),5.14(d,J=13.2Hz,1H),5.07(dd,J=6.0,2.4Hz,1H),4.90(d,J=10.2Hz,1H,C1-Hβ),4.66-4.62(m,2H),4.55(dd,J=12.6,2.4Hz,1H),4.29(d,J=1.8Hz,1H),4.14(dd,J=7.8,7.2Hz,1H),4.08(ddd,J=10.8,10.8,10.8Hz,1H),3.98(dd,J=12.6,6.6Hz,1H),3.92-3.88(m,2H),3.85-3.77(m,3H),3.83(s,3H,-CH),3.53(dd,J=10.8,2.4Hz,1H),2.32(s,3H,-CH),2.26(s,3H,-CH),2.07(s,3H,-CH),2.04(s,3H,-CH),1.97(s,3H,-CH),1.68(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.4,170.6,170.3,169.8,169.8,166.6,165.8,165.2,139.2,138.4,133.5,133.4,133.1,129.9,129.8,129.5,128.9,128.5,128.3,127.2,126.0,99.6,86.9,76.0,75.5,74.3,73.1,72.5,71.7,70.3,68.4,67.2,62.1,62.0,53.3,47.5,22.9,21.5,21.2,20.8,20.7,20.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5459NO20S[M+H]の計算値:1074.3424/実測値:1074.3458.
【0045】
【化19】
p-トリル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド4。撹拌子を含むスクリューキャップバイアル中の化合物6α(500mg、0.47mmol、1当量)のトルエン(5mL)溶液に、DBU(0.28mL、1.86mmol、4当量)、ペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(0.33mL、1.86mmol、4当量)およびTASF(256mg、0.93mmol、2当量)を添加した。この反応バイアルを密閉し、40℃で撹拌した。24時間後に、反応混合物をさらなる量のDBU(0.28mL、1.86mmol、4当量)、ペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(0.33mL、1.86mmol、4当量)およびTASF(256mg、0.93mmol、2当量)で処理し、次いで40℃でさらに24時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムに直接充填し、アセトン/トルエン(7:3)で溶離した。淡黄色の粉末としてのペルフルオロ-1-ブタンスルホニル化合物7(50mg、8%)と共に、二糖4を淡黄色の粉末として得た(300mg、60%)。
【0046】
7からの二糖4の合成:撹拌子を含むスクリューキャップバイアル中の化合物7(730mg、0.54mmol、1当量)のトルエン(7mL)溶液に、DBU(0.64mL、4.31mmol、8当量)およびペルフルオロ-1-ブタンスルホニルフルオリド(0.77mL、4.31mmol、8当量)を添加した。この容器を密閉し、40℃で15日間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムに直接充填し、溶離液としてのアセトン/トルエン(7:3)で溶離した。淡黄色の粉末としてのペルフルオロ-1-ブタンスルホニル化合物7(267mg、77%brsm)と共に、二糖4を淡黄色の粉末として単離した(282mg、49%)。R=0.43(シリカゲル、アセトン/トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.95-7.93(m,2H,Ar-H),7.87-7.85(m,2H,Ar-H),7.48-7.44(m,2H,Ar-H),7.41-7.39(m,2H,Ar-H),7.35-7.33(m,2H,Ar-H),7.31-7.29(m,2H,Ar-H),7.25-7.24(m,2H,Ar-H),7.21-7.19(m,2H,Ar-H),7.16-7.14(m,1H,Ar-H),7.04-7.03(m,2H,Ar-H),5.79(dd,J=10.2,9.6Hz,1H),5.49(ddd,J=9.0,5.4,2.4Hz,1H),5.42(dd,J=10.2,3.0Hz,1H),5.31-5.28(m,2H),5.20(dd,J=27.0,11.4Hz,1H,sia-C4-H),5.01(dd,J=51.6,1.8Hz,1H,sia-C3-H),4.97(d,J=10.2Hz,1H,C1-Hβ),4.66(d,J=11.4Hz,1H),4.58(d,J=11.4Hz,1H),4.37(dd,J=12.6,2.4Hz,1H),4.28-4.26(m,2H),4.17(dd,J=12.6,5.4Hz,1H),4.09-4.05(m,2H),3.98(dd,J=10.2,6.0Hz,1H),3.74(dd,J=10.2,8.4Hz,1H),3.72(s,3H,-CH),2.29(s,3H,-CH),2.17(s,3H,-CH),2.16(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),1.98(s,3H,-CH),1.91(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.9,170.7,170.4,170.2,169.8,165.6,165.3,138.3,137.6,133.2,133.0,132.6,129.8,129.8,129.7,129.5,129.3,129.1,128.4,128.3,128.1,127.5,127.3,98.3,98.2,88.1,86.8,86.4,76.2,75.6,74.6,74.0,71.4,69.2,69.0,68.5,68.0,67.3,63.4,62.5,53.2,45.5,23.4,21.2,21.2,20.8,20.7,20.7;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.9;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5458FNO19SNa[M+Na]の計算値:1098.3200/実測値:1098.3212.
【0047】
【化20】
p-トリル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-5-デオキシ-3-O-(ペルフルオロ-1-ブタン)スルホニル-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド7。R=0.59(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.95-7.94(m,2H,Ar-H),7.90-7.89(m,2H,Ar-H),7.49-7.45(m,2H,Ar-H),7.40-7.39(m,2H,Ar-H),7.36-7.30(m,4H,Ar-H),7.27-7.26(m,2H,Ar-H),7.25-7.18(m,3H,Ar-H),7.04-7.03(m,2H,Ar-H),5.82(dd,J=10.2,9.6Hz,1H),5.62-5.38(m,4H),5.26(d,J=9.0Hz,1H),4.96-4.94(m,2H,C1-Hβ),4.70-4.64(m,3H),4.35-4.30(m,1H),4.22-4.20(m,2H),4.09(dd,J=9.6,6.0Hz,1H),4.02(dd,J=12.6,6.0Hz,1H),3.98(dd,J=6.6,6.0Hz,1H),3.93(dd,J=10.2,7.2Hz,1H),3.76(s,3H,-CH),2.29(s,3H,-CH),2.17(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),2.06(s,3H,-CH),1.94(s,3H,-CH),1.90(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.6,170.2,170.1,169.3,167.0,165.7,165.2,138.1,137.7,133.2,133.0,132.5,129.8,129.7,129.7,129.5,129.1,129.0,128.4,128.3,128.1,128.0,127.5,127.4,97.8,86.5,83.4,75.7,74.6,74.2,72.6,70.0,68.4,67.9,66.5,64.5,62.4,53.1,49.0,23.0,21.1,20.9.,20.7,20.6,20.3;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-126.2,-126.2,-121.5,-121.5,-110.4,-110.4,-81.0,-80.9,-80.9;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5858NO22Na[M+Na]の計算値:1378.2640/実測値:1378.2644.
【0048】
【化21】
アリル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシド9。無水CHCl(7mL)中のアクセプター8(1.04g、1.03mmol、1当量)、ドナー4(1.39g、1.29mmol、1.25当量)および活性化させた粉末状4ÅのMS(0.70g)の混合物をアルゴン下で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-40℃に冷却し、NIS(465mg、2.06mmol、2当量)、その後にTfOH(EtO中0.5M、0.62mL、0.31mmol、0.3当量)を撹拌しながら添加した。反応が完了したら(約2時間にTLCが出発物質の消失を示した)、反応混合物をEtN(0.4mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(30mL)で希釈し、20%Na水溶液(10mL)、飽和NaHCO水溶液(15mL)および塩水(8mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物9を白色の粉末として得た(1.30g、64%)。R=0.51(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.90-7.88(m,4H,Ar-H),7.48-7.45(m,2H,Ar-H),7.34-7.22(m,24H,Ar-H),7.18-7.13(m,10H,Ar-H),5.85-5.78(m,2H),5.47-5.44(m,1H),5.35-5.32(m,4H),5.24-5.16(m,2H),5.11(dd,J=10.2,1.2Hz,1H),5.06-4.97(m,3H,C1-Hβ),4.85-4.73(m,4H,C1-Hα,C1-Hβ),4.70-4.54(m,6H),4.53-4.42(m,4H),4.33-4.26(m,2H),4.23-4.18(m,3H),4.14-4.04(m,3H),3.97-3.93(m,1H),3.89-3.81(m,5H),3.73-3.58(m,10H),3.45-3.43(m,1H),3.32-3.30(m,1H),2.16(s,3H,-CH),2.13(s,3H,-CH),2.10(s,3H,-CH),2.01(s,3H,-CH),1.92(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.7,170.6,170.4,170.2,169.8,165.6,165.4,165.4,165.1,153.8,138.8,138.6,138.5,138.2,138.2,138.1,133.7,133.2,133.1,133.1,130.8,130.0,129.8,129.6,129.4,129.0,128.4,128.3,128.3,128.2,128.2,128.2,128.1,128.1,128.0,128.0,127.9,127.6,127.6,127.5,127.4,127.3,127.2,125.2,117.1,100.0,98.3,98.2,96.9,95.6,88.1,86.8,77.9,75.0,74.7,74.6,74.5,74.2,74.1,73.9,73.4,73.3,73.1,73.0,72.4,71.9,71.4,70.9,70.9,69.5,69.2,69.1,69.0,68.0,67.9,67.2,62.9,62.3,57.2,53.2,45.5,23.3,21.0,20.7,20.7,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C100108ClFN31Na[M+Na]の計算値:1979.5878/実測値:1979.5889.
【0049】
【化22】
[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシド10。四糖9(578mg、0.30mmol、1当量)の酢酸(6.0mL、酢酸/水、10:1=v/v)撹拌溶液に、CHCOONa(121mg、1.48mmol、5当量)を添加し、その後にPdCl(105mg、0.59mmol、2当量)を室温で添加した。20時間後に、TLCが出発物質の消失を示した際に、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20mL)の中に注ぎ入れた。水層を酢酸エチルで抽出し(2×10mL)、1つにまとめた有機相をMgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/ヘキサン(2:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物10を白色の粉末として得た(465mg、82%)。R=0.23(シリカゲル、アセトン:ヘキサン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.90-7.87(m,4H,Ar-H),7.48-7.45(m,2H,Ar-H),7.34-7.20(m,24H,Ar-H),7.19-7.12(m,10H,Ar-H),5.80-5.75(m,1H),5.45-5.43(m,1H),5.33-5.28(m,3H),5.21-4.89(m,5H,man-C1-Hα,man-C1-Hβ,C1-Hβ),4.84-4.30(m,15H,C1-Hβ),4.27-3.79(m,12H),3.78-3.43(m,12H),2.13-2.12(m,6H,-2CH),2.09-2.08(m,3H,-CH),2.02-2.00(m,3H,-CH),1.91(br,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.8,170.7,170.7,170.7,170.6,170.5,170.4,170.3,170.3,170.2,169.9,169.8,165.6,165.6,165.4,165.2,165.2,154.0,138.6,138.5,138.3,138.2,138.1,133.2,133.1,129.8,129.6,129.5,129.0,128.4,128.4,128.3,128.3,128.2,128.2,128.2,128.1,128.0,127.9,127.9,127.7,127.7,127.6,127.5,127.5,127.4,127.4,127.3,100.0,99.5,98.3,98.2,98.1,95.8,95.7,92.3,88.2,88.1,86.8,76.1,74.8,74.7,74.6,74.6,74.3,74.2,74.2,73.9,73.8,73.3,73.2,73.1,73.1,72.7,72.6,72.4,72.3,71.6,71.4,71.2,70.9,70.8,69.9,69.5,69.3,69.2,69.1,69.0,68.1,68.0,67.2,67.1,63.0,62.3,62.2,62.1,53.3,53.3,45.5,45.4,26.3,23.3,21.1,20.8,20.7,20.7,20.6,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.2,-215.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C97104ClFN31Na[M+Na]の計算値:1939.5565/実測値:1939.5619.
【0050】
【化23】
[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシルフルオリド11。ヘミアセタール10(395mg、0.21mmol、1当量)の無水CHCl(12mL)の十分に撹拌した溶液に、DAST(81.6μL、0.62mmol、3当量)を-20℃で添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(3時間)、反応混合物を激しく撹拌した。反応混合物をCHCl(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(5mL)および塩水(4mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/ヘキサン(3:4)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物11を白色の粉末として得た(289mg、73%)。R=0.32(シリカゲル、アセトン:ヘキサン=3:4);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.89-7.88(m,4H,Ar-H),7.47-7.45(m,2H,Ar-H),7.33-7.22(m,22H,Ar-H),7.17-7.12(m,12H,Ar-H),5.78(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.53-5.40(m,2H),5.33-5.29(m,3H,C1-Hα),5.21(dd,J=27.6,11.4Hz,1H,sia-C4-H),5.05-4.96(m,2H,C1-Hβ),4.94(d,J=11.4Hz,1H),4.82-4.79(m,4H,C1-Hβ),4.75-4.72(m,1H),4.68-4.59(m,3H),4.58-4.54(m,2H),4.50-4.48(m,2H),4.30(dd,J=12.6,3.0Hz,1H),4.26(d,J=10.2Hz,1H),4.23-4.15(m,4H),4.08-4.04(m,2H),3.95(dd,J=9.0,8.4Hz,1H),3.89-3.78(m,5H),3.72-3.57(m,9H),3.50-3.48(m,1H),3.35(d,J=0.6Hz,1H)2.14(s,3H,-CH),2.12(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),2.00(s,3H,-CH),1.91(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.8,170.7,170.4,170.2,169.9,165.6,165.4,165.2,153.9,138.2,138.1,137.8,133.2,133.1,129.8,129.6,129.4,129.0,128.4,128.3,128.2,128.1,128.0,127.9,127.7,127.6,127.6,127.4,127.3,127.3,106.9,105.4,99.8,99.2,98.3,98.2,95.6,88.1,86.8,74.9,74.8,74.2,74.0,73.9,73.8,73.3,73.2,72.5,71.4,71.3,70.9,69.1,69.1,68.9,68.0,67.3,62.8,62.3,56.9,53.3,45.6,23.4,21.1,20.8(2C),20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-138.6,-215.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C97103Cl30Na[M+Na]の計算値:1941.5521/実測値:1941.5521.
【0051】
【化24】
(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミデート[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-D-マンノピラノシド12。ヘミアセタール10(395mg、0.21mmol、1当量)の無水CHCl(12mL)の十分に撹拌した溶液に、CsCO(83.2mg、0.26mmol、2当量)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルクロリド(41μL、0.26mmol、2当量)を撹拌しながら0℃で添加し、次いで混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物をCHCl(10mL)で希釈し、セライトパッドで濾過し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/ヘキサン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物12を白色の泡状物として得た(150mg、56%);アノマーの混合物(α:β=1:1)。R=0.55(シリカゲル、アセトン:ヘキサン=1:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.93-7.88(m,4H,Ar-H),7.49-7.45(m,2H,Ar-H),7.40-7.12(m,38H,Ar-H),6.75-6.71(m,1H,Ar-H),5.82-5.78(m,1H),5.46-5.42(m,1H),5.36-5.30(m,3H),5.24-5.16(m,1H),5.08-4.81(m,5H,0.5man-C1-Hα,2C1-Hβ),4.78-4.74(m,1H),4.69-4.41(m,9H,0.5man-C1-Hβ),4.33-4.06(m,7H),3.95-3.82(m,5H),3.69-3.36(m,10H),2.16-2.10(m,9H,-3CH),2.01-1.99(m,3H,-CH),1.92(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.7,170.7,170.7,170.7,170.4,170.2,169.9,169.9,165.6,165.6,165.4,165.2,165.1,154.1,153.9,143.3,143.1,138.7,138.5,138.3,138.2,138.2,138.1,138.0,138.0,137.8,137.7,133.2,133.1,133.1,129.8,129.6,129.4,129.3,129.0,128.7,128.4,128.4,128.3,128.3,128.3,128.2,128.2,128.1,128.1,128.1,128.0,127.9,127.7,127.7,127.6,127.5,127.5,127.5,127.4,127.3,119.4,119.2,102.3,100.2,100.0,98.3,98.2,95.6,95.5,88.0,86.7,80.0,79.3,75.9,75.0,74.7,74.7,74.5,74.3,74.2,73.8,73.8,73.5,73.3,73.2,73.1,72.8,72.4,72.3,71.5,71.4,71.1,71.0,70.9,70.1,69.8,69.3,69.1,68.2,67.2,67.2,62.8,62.3,62.2,53.3,53.2,45.5,23.3,21.0,21.0,20.7,20.7,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-65.2,-65.4,-65.5,-65.6,-65.6,-65.7,-215.6,-215.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C105108Cl31Na[M+Na]の計算値:2110.5860/実測値:2110.5865.
【0052】
【化25】
ベンジル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-[3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシル]-(1→3)-[2-O-アセチル-4,6-O-ベンジリジン-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシド14。無水トルエン(15mL)中のAgOTf(194mg、0.75mmol、アクセプターに対して6当量)、ビスCpHfCl(167mg、0.44mmol、アクセプターに対して3.5当量)および新たに活性化させた4ÅのMS(1.50g)の混合物をアルゴン下室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-20℃に冷却し、ドナー11(290mg、0.15mmol、1.2当量)およびアクセプター13(115mg、0.13mmol、1当量)の無水トルエン(8mL)溶液で処理した。TLCが出発物質の消失を示すまで(3時間)、反応混合物を0℃で撹拌した。反応が完了したら反応混合物をEtN(0.25mL)で失活させ、EtOAc(25mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(10mL)および塩水(6mL)で2回洗浄し、有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物14を白色の粉末として得た(299mg、85%)。
【0053】
ワンポット合成:無水CHCl(1.25mL)中のアクセプター18(40.0mg、0.037mmol、1当量)、ドナー4(60.1mg、0.056mmol、1.5当量)および活性化させた粉末状の4ÅのMS(0.25g)の混合物をアルゴン下で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-40℃に冷却し、NIS(12.6mg、0.056mmol、1.5当量)、その後にTfOH(EtO中0.5M、22.3μL、0.011mmol、0.3当量)を添加し、次いで混合物を-20℃まで2時間撹拌した。次に、出発物質が消失したら(TLCによって監視)、反応混合物をアルゴン下で撹拌しながら、無水CHCl(1.25mL)中のアクセプター13(34.2mg、0.037mmol、1当量)、NIS(16.8mg、0.075mmol、2当量)およびTfOH(EtO中0.5M、22.3μL、0.011mmol、0.3当量)で10分間連続的に処理した。全ての試薬を添加したら、混合物を-10℃に温め、TLCが出発物質の消失を示すまで(1時間)撹拌し続けた。完了したら、その反応をEtN(0.4mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(10mL)で希釈し、20%Na水溶液(3mL)、飽和NaHCO水溶液(2mL)および塩水(2mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィ、その後にアセトン/ヘキサン(3:4)を溶離液として用いる第2のカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物14を白色の粉末として得た(27mg、26%)。R=0.43(シリカゲル、アセトン:トルエン=3:5);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.96-7.95(m,2H,Ar-H),7.91-7.90(m,2H,Ar-H),7.51-7.47(m,2H,Ar-H),7.36-7.26(m,35H,Ar-H),7.23-7.10(m,19H,Ar-H),5.84(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.45-5.42(m,1H),5.34-5.27(m,4H),5.21-5.15(m,2H),5.04-4.94(m,4H,C1-Hα,C1-Hβ),4.87-4.78(m,4H),4.71-4.50(m,14H,2C1-Hβ),4.46-4.34(m,5H),4.31-4.21(m,4H),4.16(dd,J=12.6,5.4Hz,1H),4.13-4.06(m,2H),3.98-3.95(m,4H,C1-Hβ),3.84-3.57(m,17H),3.51-3.41(m,4H),3.36-3.35(m,2H),3.15(br,1H),2.93(br,1H),2.68-2.67(m,1H),2.12(s,3H,-CH),2.11(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),1.99(s,3H,-CH),1.91(s,3H,-CH),1.85(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.8,170.7,170.4,170.2,169.7,169.4,165.6,165.4,165.2,153.7,153.6,138.9,138.7,138.4,138.3,137.9,137.1,133.2,129.8,129.7,129.5,129.1,128.9,128.6,128.5,128.4,128.4,128.3,128.3,128.2,128.1,128.1,128.0,128.0,127.9,127.9,127.9,127.8,127.8,127.6,127.6,127.6,127.5,127.4,127.4,127.3,127.2,126.3,102.1,100.1,99.0,98.7,98.6,95.8,95.5,88.2,86.9,78.8,78.4,74.8,74.5,74.3,74.2,73.9,73.8,73.3,72.9,72.3,71.9,71.4,71.1,70.7,70.3,69.2,69.1,69.0,68.4,68.3,67.9,67.2,66.2,63.2,62.3,57.4,56.8,53.3,45.5,23.3,21.0,20.8,20.7,20.6,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C142150ClFN43Na[M+2Na]2+の計算値:1429.8771/実測値:1429.8864.
【0054】
【化26】
ベンジル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-[2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル]-(1→4)-[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-[3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシル]-(1→3)-[2-O-アセチル-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシド15。出発物質14(318mg、0.11mmol、1当量)のアセトニトリル(12mL)撹拌溶液に、p-TsOH・HO(21.5mg、0.11mmol、1当量)を添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(6時間)、反応混合物を激しく撹拌した。完了したら、反応混合物をEtN(0.3mL)で失活させ、高真空下で濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(3:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物15を白色の粉末として得た(231mg、75%)。R=0.25(シリカゲル、アセトン:トルエン=1:2);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.88-7.87(m,4H,Ar-H),7.46(dd,J=7.2,7.2Hz,1H,Ar-H),7.43(dd,J=7.2,7.2Hz,1H,Ar-H),7.33-7.13(m,47H,Ar-H),7.09-7.08(m,2H,Ar-H),6.01(br,1H),5.76(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.46-5.43(m,1H),5.38(d,J=8.4Hz,1H),5.31-5.29(m,3H),5.19-5.13(m,2H,C1-Hα),5.05-4.96(m,3H,C1-Hβ),4.89-4.79(m,4H,C1-Hβ),4.69-4.60(m,8H,C1-Hβ),4.57-4.49(m,8H,C1-Hβ),4.45(d,J=12.0Hz,1H),4.40-4.36(m,2H),4.31(dd,J=12.6,2.4Hz,1H),4.24-4.16(m,4H),4.12-4.09(m,2H),4.02(br,1H),3.98-3.93(m,2H),3.91-3.86(m,2H),3.80(dd,J=7.8,6.0Hz,1H),3.76-3.69(m,6H),3.66-3.37(m,18H),2.96-2.93(m,1H),2.13(s,3H,-CH),2.11(s,3H,-CH),2.09(s,3H,-CH),1.98(s,3H,-CH),1.93(s,3H,-CH),1.90(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.8,170.7,170.4,170.3,170.2,169.8,165.6,165.5,165.3,154.3,153.8,138.6,138.4,138.3,138.1,138.0,137.8,137.2,133.3,133.1,129.8,129.6,129.4,129.0,128.5,128.4,128.3,128.2,128.2,127.9,127.9,127.8,127.7,127.6,127.5,127.5,127.4,127.4,127.3,100.1,99.1,98.3,98.2,98.1,95.7,95.5,88.2,86.9,78.6,78.2,75.4,75.1,74.8,74.7,74.4,74.2,74.1,73.8,73.3,73.2,72.6,71.9,71.8,71.5,71.4,70.9,70.6,69.5,62.3,57.2,56.8,53.8,53.3,45.4,23.3,21.1,21.0,20.7(2C),20.7;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C135146ClFN43Na[M+Na]の計算値:2748.7337/実測値:2748.7373.
【0055】
【化27】
ベンジル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシル-(1→3)]-[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシル-(1→6)]-[2-O-アセチル-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシド16。
【0056】
フルオリドドナーから:無水トルエン(10mL)中のAgOTf(142mg、0.55mmol、アクセプターに対して8当量)、CpHfCl(105mg、0.28mmol、アクセプターに対して4当量)および新たに活性化させた4ÅのMS(1g)の混合物をアルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-40℃に冷却し、ドナー11(232mg、0.12mmol、1.75当量)およびアクセプター15(188mg、0.069mmol、1当量)の無水トルエン(1mL)溶液を添加した。-15℃で3時間撹拌を続けた。反応混合物をEtN(0.20mL)で失活させ、EtOAc(20mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(8mL)および塩水(4mL)で2回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(2:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、回収された15(23.0mg、80%brsm)と共に化合物16を白色の粉末として得た(223mg、70%)。
【0057】
トリフルオロアセトイミデートドナーから:無水CHCl(2mL)中のアクセプター15(32.0mg、0.012mmol、1当量)、ドナー12(42.9mg、0.021mmol、1.75当量)および活性化させた粉末状の4ÅのMS(200mg)の混合物をアルゴン下で30分間撹拌した。次いで反応混合物を-60℃に冷却し、TfOH(EtO中0.5M、5.86μL、2.93μmol、アクセプターに対して0.25当量)で処理した。-20℃で3時間撹拌した後、反応混合物をEtN(0.10mL)で失活させ、CHCl(10mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(4mL)および塩水(3mL)で2回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(2:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、回収されたアクセプター(12.6mg、55%brsm)と共に化合物16を白色の粉末として得た(18.0mg、33%)。R=0.17(シリカゲル、アセトン:トルエン=1:2);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.91-7.86(m,8H,Ar-H),7.48-7.42(m,4H,Ar-H),7.33-7.11(m,83H,Ar-H),5.81-5.75(m,2H),5.43-5.38(m,3H),5.31-5.07(m,11H,2C1-Hα),5.03-4.78(m,9H,2C1-Hβ),4.75-4.08(m,48H,4C1-Hβ),4.05-3.89(m,7H),3.87-2.99(m,40H),2.13-2.12(m,6H,-2CH),2.10-2.07(m,15H,-5CH),1.99-1.97(s,6H,-2CH),1.90-1.88(m,6H,-2CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.7,170.6,170.6,170.4,170.2,169.8,169.7,169.6,165.6,165.5,165.4,165.4,165.1,154.0,153.6,139.1,138.8,138.4,138.3,138.1,138.0,137.7,133.2,133.1,129.8,129.8,129.7,129.6,129.6,129.5,129.5,129.1,129.1,128.4,128.4,128.3,128.2,128.2,128.0,128.0,127.8,127.8,127.8,127.7,127.7,127.5,127.4,127.4,127.3,127.2,127.1,100.1,99.8,98.8,98.4,98.2,95.7,88.1,86.8,78.3,77.8,75.3,74.7,74.5,74.4,74.3,74.2,74.0,73.9,73.4,73.3,73.3,73.2,73.1,73.0,72.9,72.5,72.4,72.0,71.9,71.5,71.0,71.0,70.9,70.9,70.7,69.5,69.4,69.2,69.1,69.0,69.0,68.5,68.1,68.1,68.0,67.2,62.9,62.2,57.5,57.2,53.8,53.2,53.2,45.5,45.3,23.3,21.0,21.0,20.8,20.7,20.7,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.6(2F);HRMS(ESI-TOF)m/e:C232255Cl74[M+HO+NH2+の計算値:2330.6770/実測値:2330.6724.
【0058】
【化28】
[5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソネート-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-α-D-マンノピラノシル-(1→3)]-[5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソネート-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-α-D-マンノピラノシル-(1→6)]-[β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコピラノシド17。保護されたグリカン16(103mg、0.022mmol、1当量)およびLiOH(51.5mg、S.M.wtで50%)の1,4-ジオキサン/HO混合物(3mL、4:1=v/v)溶液を90℃で16時間撹拌した。反応混合物を高真空下で濃縮し、アセチル化条件(ピリジン(2.5mL)、AcO(1.5mL)、室温、16時間)に供した。溶媒を除去した後、粗製の残留物をHO/MeOH(1:5)を溶離液として用いるLiChroprep(登録商標)RP-18逆相カラムクロマトグラフィにより精製した。その生成物をMeOH(3mL、0.5M)中のNaOMeで16時間撹拌することにより脱アセチル化した。反応混合物をIR-120で中和し、濾過し、真空濃縮した。残留物をHO/MeOH(1:4)を溶離液として用いるLiChroprep(登録商標)RP-18逆相カラムクロマトグラフィにより精製した。脱アセチル化した粗製生成物をMeOH/HO/HCOOH(3mL、6:3:1=v/v/v)の混合物に溶解し、Pd(OH)(51.5mg、S.M.wtで50%)で20時間処理した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、真空濃縮した。残留物を(BIO-RAD)Biogel P-2カラムクロマトグラフィ(水で溶離)で精製し、その後にLiChroprep(登録商標)RP-18逆相カラムクロマトグラフィ(水で溶離)で精製して、化合物17をアノマーの混合物(α:β=0.65:0.35)の白色の粉末として得た(18.3mg、40%)。H NMR(600MHz,DO):δ5.23(d,J=3.0Hz,0.65H,a-C1-Hα),5.14(d,J=52.8Hz,2H,sia-C3-H),5.14(br,1H,c-C1-Hα),4.96(br,1H,c’-C1-Hα),4.79(br,1H,b-C1-Hβ),4.73(br,0.35H,a-C1-Hβ),4.60(d,J=7.8Hz,2H,dd’-C1-Hβ),4.48(d,J=7.8Hz,2H,ee’-C1-Hβ),4.28-4.21(m,4H),4.13(br,1H),4.00-3.51(m,57H),2.09-2.08(m,9H,-3CH),2.05(br,6H,-2CH);13C NMR(150MHz,DO):δ174.5,174.2,174.1,102.7,102.6,100.0,99.1,98.9,98.9,98.7,98.6,96.6,94.4,91.0,90.0,89.8,80.0,79.7,79.3,78.9,76.0,75.8,74.1,74.0,73.9,73.1,72.9,72.7,72.4,71.9,71.9,71.6,71.5,71.1,70.3,69.8,69.4,69.2,69.1,69.0,68.7,68.0,67.8,66.9,66.8,65.4,65.2,63.6,62.2,61.2,61.2,59.7,59.6,55.6,54.4,53.1,46.3,21.9,21.6;19F NMR(376MHz,DO):δ-217.4,-217.4;HRMS(ESI-TOF)m/e:C7612157[M-2H]-2の計算値:1026.8351/実測値:1026.8299.
【0059】
【化29】
[5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソネート-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-α-D-マンノピラノシル-(1→3)]-[5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソネート-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-α-D-マンノピラノシル-(1→6)]-[β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-(2-アセトアミド-1,2-ジデオキシ-D-グルコピラノ)-[2,1-d]-2-メチルオキサゾリンS1。グリカンオキサゾリンの代表的な合成。グリカン17(14.5mg、7.05μmol、1当量)、2-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ベンズイミダゾール-3-イウムクロリド(CDMBI)(12.2mg、0.056mmol、8当量)およびEtN(19.9μL)の水(121.1μL)溶液を4℃で1時間撹拌した。反応混合物をSephadex G-25カラムによるゲル濾過クロマトグラフィに供し、0.05%EtN水溶液で溶離した。グリカンオキサゾリン生成物を含有する画分を1つにまとめ、凍結乾燥して所望の生成物S1を白色の粉末として得た(12.6mg、収率87%)。H NMR(600MHz,DO+0.05%EtN):δ6.09(d,J=7.2Hz,1H,oxa-C1-Hα),5.12(d,J=52.2Hz,2H,sia-C3-H),5.11(br,1H,c-C1-Hα),4.95(br,1H,c’-C1-Hα),4.74(br,1H,b-C1-Hβ),4.60-4.57(m,2H,dd’-C1-Hβ),4.46-4.45(m,2H,ee’-C1-Hβ),4.39(br,1H),4.22-4.15(m,5H),3.98-3.49(m,55H),3.43-3.40(m,1H),2.07-2.02(m,15H,-5CH);13C NMR(150MHz,DO+0.05%EtN):δ174.9,174.7,174.7,170.7,170.7,168.5,103.1,103.1,101.4,99.9,99.5,99.4,99.2,99.1,99.0,96.5,91.4,90.2,80.4,79.4,77.9,76.4,76.0,74.6,74.2,73.4,73.4,72.8,72.4,72.3,72.0,71.9,71.5,70.8,70.7,70.2,69.6,69.5,69.4,69.1,68.5,68.2,67.2,65.8,65.7,65.1,64.1,62.6,61.6,61.6,60.1,54.9,46.7,22.4,22.0,12.9;19F NMR(470MHz,DO+0.05%EtN):δ-217.3(d,JFH=51.3Hz),-217.3(d,JFH=51.3Hz);HRMS(ESI-TOF)m/e:C7612056[M-H]の計算値:2036.6658/実測値:2036.6672.
【0060】
【化30】
スキームS1における試薬および条件:(a)TFA、MeOH、60℃、16時間、次いでAcCl、室温、2日間、次いでNaHPO、CHCN、還流、20時間、92%。(b)参照3、80%(3段階)。(c)TiBr、ジクロロエタン、室温、10分間、92%。(d)BH、Cu(OTf)、THF、室温、8時間、96%。
【0061】
【化31】
5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2,6-アンヒドロ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エン酸メチルS319。化合物S2(20g、64.7mmol、1当量)のMeOH(600mL)撹拌溶液に、TfOH(4.95mL、64.7mmol、1当量)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下での回転蒸発により除去し、トルエンと共に2回同時蒸発させて微量の水を除去した。得られた残留物を丸底フラスコ中のAcCl(200mL)に0℃で溶解し、密閉し、室温まで2日間撹拌した。溶媒を除去したら、得られた残留物を無水アセトニトリル(200mL)で希釈し、次いでNaHPO(19.6g、155mmol、2.4当量)をアルゴン下で添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(16時間)、反応混合物を90℃で激しく撹拌した。この溶液をセライトパッドで濾過し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(4:1)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S3を褐色の泡状物として得た(28.2g、92%)。分光学的データは以前に文献において報告されているものと一致していた19。R=0.30(シリカゲル、EtOAc);H NMR(600MHz,CDCl):δ5.95(d,J=3.0Hz,1H),5.81(d,J=9.0Hz,1H),5.47-5.44(m,2H),5.32-5.30(m,1H),4.59(dd,J=12.0,3.0Hz,1H),4.38-4.33(m,2H),4.15(d,J=12.0,7.2Hz,1H),3.76(s,3H,-CH),2.08(s,3H,-CH),2.03(s,3H,-CH),2.02(s,3H,-CH),2.01(s,3H,-CH),1.88(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.7,170.5,170.1,170.1,170.0,161.6,145.0,107.9,70.6,67.8,67.6,61.9,52.5,46.5,23.1,20.8,20.7,20.7;HRMS(ESI-TOF)m/e:C2027NO12Na[M+Na]の計算値:496.1425/実測値:496.1435.
【0062】
【化32】
5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-2-ブロモ-2,5-ジデオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノン-2-ウロピラノソン酸メチル320。エポキシドS4の合成を報告されている手順を用いてシアル酸から行った21。エポキシド化合物S4(1.10g、2.25mmol、1当量)の無水1,2-ジクロロエタン(18mL)撹拌溶液に、TiBr(0.91g、2.47mmol、1.1当量)をアルゴン下で10分間添加した。高真空下での回転蒸発により溶媒を除去した。得られた残留物をEtOAc(30mL)で希釈し、NaSO飽和水溶液(10mL)、5%NaHCO水溶液(10mL)、次いで塩水(5mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮し、得られた残留物をアセトン/ヘキサン(2:1)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物3を白色の粉末として得た(1.18g、92%)。分光学的データおよびプロトコルは以前に報告されているものと同一であった20。R=0.23(シリカゲル、アセトン:トルエン=1:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ5.99(d,J=7.2Hz,1H),5.42(dd,J=7.2,1.2Hz,1H),5.21-5.18(m,1H),5.10(ddd,J=6.0,6.0,2.4Hz,1H),4.38(dd,J=12.6,2.4Hz,1H),4.32-4.30(m,2H),3.99(dd,J=12.6,6.0Hz,1H),3.86(s,3H,-CH),3.78(d,J=9.0Hz,1H),3.66(br,1H,-OH),2.07(s,3H,-CH),2.06(s,3H,-CH),2.05(s,3H,-CH),2.01(s,3H,-CH),1.84(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.4,170.6,170.3,169.8,169.7,167.0,98.0,75.0,72.8,72.2,69.9,66.5,61.9,54.0,47.2,22.9,21.0,20.7,20.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C2029BrNO13[M+H]の計算値:570.0817/実測値:570.0822.
【0063】
【化33】
p-トリル2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド522。出発物質S523(4.00g、6.86mmol、1当量)のBH-THF複合体(THF中に1M、34.3mL、34.3mmol、5当量)撹拌溶液に、Cu(OTf)(124mg、0.34mmol、0.05当量)を添加し、反応混合物を室温で8時間撹拌した。完了したら、反応系を0℃でTEA(0.96mL、6.86mmol、1当量)により慎重に中和し、次いでMeOH(15mL)で希釈した。真空中で溶媒を除去した後、得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物5を白色の粉末として得た(3.85g、96%)。分光学的データは以前に文献において報告されているものと一致していた22。R=0.45(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.97-7.94(m,4H,Ar-H),7.51-7.48(m,2H,Ar-H),7.38-7.34(m,6H,Ar-H),7.27-7.21(m,5H,Ar-H),5.85(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),5.36(dd,J=9.6,3.0Hz,1H),4.87(d,J=9.6Hz,1H,C1-Hβ),4.74(d,J=12.0Hz,1H),4.47(d,J=12.0Hz,1H),4.16(d,J=2.4Hz,1H),3.91(d,J=11.4,7.2Hz,1H),3.76(dd,J=6.0,6.0Hz,1H),3.61(dd,J=11.4,5.4Hz,1H),2.30(s,3H,-CH),1.83(br,1H);13C NMR(150MHz,CDCl):δ165.9,165.2,138.1,137.4,133.4,133.1,133.0,129.8,129.7,129.6,129.5,128.9,128.7,128.5,128.4,128.3,128.1,127.9,86.8,79.0,76.0,74.6,73.7,68.5,61.9,21.1;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3432SNa[M+Na]の計算値:607.1761/実測値:607.1770.
【0064】
【化34】
スキームS2における試薬および条件:(a)TESOTf、BnCHO、TESH、トルエン、THF、2時間、-20℃、90%。(b)NIS、TfOH、4ÅのMS、-40℃、1.5時間、CHCl、75%。(c)NaBHCN、HCl/エーテル、AW-300、THF、0℃~室温、16時間、85%。
【0065】
【化35】
p-トリル3-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-1-チオ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルバモイルアミノ-β-D-グルコピラノシドS7。出発物質S624(5.17g、9.42mmol、1当量)のTHF/トルエン混合物(45mL、1:2=v/v)撹拌溶液に、TESOTf(4.26mL、18.8mmol、2当量)をアルゴン下-20℃で添加した。-20℃で45分間撹拌した後、ベンズアルデヒド(4.79mL、47.1mmol、5当量)およびトリエチルシラン(2.26mL、14.1mmol、1.5当量)を混合物に撹拌しながら滴下した。-20℃で2時間後、TLCが出発物質の消失を示し、その反応をNaCO飽和水溶液で失活させ、EtOAc(100mL)で希釈し、NaCO飽和水溶液(30mL)および塩水で洗浄した。1つにまとめた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物を最初に溶離液としてCHCl/トルエン(1:4)を用い、次いでEtOAc/トルエン(1:10)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S7を白色の固体として得た(5.40g、90%)。R=0.50(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:25);H NMR(600MHz,アセトン-d6):δ7.52-7.50(m,2H,Ar-H),7.42-7.36(m,4H,Ar-H),7.32-7.31(m,2H,Ar-H),7.29-7.22(m,4H,Ar-H),7.18-7.15(m,2H,Ar-H),5.72(s,1H,Ph-CH),5.03(d,J=10.8Hz,1H,C1-Hβ),4.90-4.82(m,3H),4.74(d,J=12.0Hz,1H),4.30(dd,J=10.2,5.4Hz,1H),3.95(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.84-3.71(m,3H),3.56(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.83(s,2H),2.32(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,アセトン-d6):δ155.3,139.8,139.4,138.6,133.3,130.7,130.5,129.8,129.6,129.1,129.0,129.0,128.5,128.2,127.1,101.8,97.1,88.6,82.7,80.8,75.0,75.0,71.2,69.1,57.4,21.1;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3030ClNOSNa[M+Na]の計算値:660.0752/実測値:660.0749.
【0066】
【化36】
アリル[3-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシドS9。無水CHCl(20mL)中のアクセプターS825(523mg、0.94mmol、1当量)、ドナーS7(900mg、1.41mmol、1.5当量)および活性化させた粉末状の4ÅのMS(2.00g)の混合物をアルゴン下で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-40℃に冷却し、NIS(423mg、1.88mmol、2当量)およびTfOH(EtO中0.5M、0.47mL、0.23mmol、0.25当量)で処理した。その温度で1.5時間撹拌した後、TLC分析は出発物質の消失を示し、反応混合物をEtN(0.2mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(20mL)で希釈し、20%Na水溶液(5mL)、飽和NaHCO水溶液(10mL)および塩水(5mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:10)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S9を白色の泡状物として得た(710mg、75%)。R=0.36(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:10);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.50-7.48(m,2H,Ar-H),7.39-7.36(m,6H,Ar-H),7.33-7.25(m,15H,Ar-H),7.23-7.22(m,2H,Ar-H),5.84(ddd,J=16.2,10.8,5.4Hz,1H),5.55(s,1H,Ph-CH),5.26(d,J=1.2Hz,1H),5.23-5.20(m,1H),5.16(dd,J=10.8,1.2Hz,1H),5.01(d,J=7.8Hz,1H,C1-Hβ),4.90(d,J=10.8Hz,1H),4.83(d,J=11.4Hz,1H),4.75-4.62(m,6H,C1-Hα),4.55-4.51(m,3H),4.33-4.29(m,2H),4.13-4.10(m,1H),4.08(dd,J=2.4,2.4Hz,1H),4.00-3.97(m,1H),3.94(dd,J=9.6,3.0Hz,1H),3.89(dd,J=13.2,6.0Hz,1H),3.82-3.78(m,2H),3.72-3.66(m,3H),3.50-3.46(m,1H),3.12(d,J=6.0Hz,1H);13C NMR(150MHz,CDCl):δ153.8,138.6,138.5,138.3,138.1,137.3,133.7,129.0,128.4,128.3,128.2,128.1,128.0,127.8,127.6,127.6,127.4,126.0,117.2,101.2,98.9,96.9,95.5,82.4,78.5,75.6,75.2,74.6,74.4,74.2,73.3,72.2,72.2,69.2,68.6,68.0,66.1,58.1;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5356ClNO12Na[M+Na]の計算値:1026.2760/実測値:1026.2780.
【0067】
【化37】
アリル[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシド827。出発物質S9(500mg、0.50mmol、1当量)の無水THF(12mL)撹拌溶液に、活性化させた粉末状AW300MS(1.20g)をアルゴン下で添加した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、NaCNBH(313mg、4.97mmol、10当量)を添加し、その後にHCl・EtO(EtO中2M、2.24mL、4.48mmol、9当量)をゆっくりと添加し、TLCが出発物質の消失を示すまで(16時間)、混合物を撹拌し続けた。完了したら、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(0.5mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(20mL)で希釈し、次いで飽和NaHCO水溶液(8mL)および塩水(5mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物8を白色の泡状物として得た(425mg、85%)。分光学的データは文献27において報告されているものと一貫していた。R=0.17(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:10);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.36-7.23(m,23H,Ar-H),7.20-7.19(m,2H,Ar-H),5.84(ddd,J=16.2。10.2,6.0Hz,1H),5.35(br,1H),5.21(dd,J=16.2,1.2Hz,1H),5.14(dd,J=10.2,1.2Hz,1H),4.95(d,J=7.2Hz,1H,C1-Hβ),4.88(d,J=10.8Hz,1H),4.78(d,J=1.8Hz,1H,C1-Hα),4.75(d,J=11.4Hz,1H),4.70-4.63(m,5H),4.60(d,J=11.4Hz,1H),4.55-4.49(m,4H),4.14-4.07(m,3H),3.96-3.87(m,3H),3.77(dd,J=10.8,4.2Hz,1H),3.73-3.70(m,3H),3.66(dd,J=10.8,1.8Hz,1H),3.61(dd,J=9.6,8.4Hz,1H),3.54-3.51(m,1H),3.08(m,1H),2.71(m,1H,-OH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ154.0,138.5,138.5,138.4,138.1,137.6,133.7,128.5,128.5,128.3,128.3,128.3,128.2,128.0,128.0,127.8,127.7,127.7,127.6,127.6,127.5,117.3,79.2,78.2,75.1,74.6,74.3,74.2,73.8,73.7,73.4,73.3,72.0,71.7,70.9,69.3,68.0,57.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5358ClNO12Na[M+Na]の計算値:1028.2917/実測値:1028.2927.
【0068】
【化38】
スキームS3における試薬および条件:(a)NaBHCN、HCl/エーテル、AW-300、THF、0℃~室温、16時間、90%。(b)AcO、ピリジン、室温、16時間、98%。(c)NIS、TfOH、HOPO(OBu)、4ÅのMS、-30℃、2時間、CHCl、90%。(d)TMSOTf、4ÅのMS、-50℃、1時間、CHCl、87%。(e)NaOMe、MeOH/CHCl、0℃~室温、76%。
【0069】
【化39】
p-トリル3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-1-チオ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルバモイルアミノ-β-D-グルコピラノシドS1028。出発物質S7(1.00g、1.56mmol、1当量)の無水THF(30mL)撹拌溶液に、活性化させた粉末状AW300MS(3.00g)をアルゴン下で添加した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、NaCNBH(0.98g、15.6mmol、10当量)を添加し、その後にHCl・EtO(EtO中2M、7.04mL、14.1mmol、9当量)をゆっくりと添加し、TLCが出発物質の消失を示すまで(16時間)、混合物を撹拌した。完了したら、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(0.5mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(50mL)で希釈し、次いで飽和NaHCO水溶液(15mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン/CHCl(1:3:1)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S10を白色の泡状物として得た(902mg、90%)。分光学的データは文献28において報告されているものと一貫していた。R=0.29(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.40-7.38(m,2H,Ar-H),7.36-7.27(m,10H,Ar-H),7.04-7.03(m,2H,Ar-H),5.20(d,J=7.8Hz,1H),4.84(d,J=10.2Hz,1H,C1-Hβ),4.77-4.72(m,4H),4.58-4.52(m,2H),3.76(d,J=4.8Hz,2H),3.71-3.64(m,2H),3.50-3.49(m,1H),3.42-3.38(m,1H),2.90(br,1H,-OH),2.29(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ153.8,138.1,138.1,137.7,133.0,129.6,128.6,128.5,128.4,128.1,127.9,127.8,127.7,95.5,86.1,81.9,78.0,74.5,74.4,73.6,72.5,70.4,55.9,21.1;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3032ClNOSNa[M+Na]の計算値:662.0908/実測値:662.0919.
【0070】
【化40】
p-トリル4-O-アセチル-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-1-チオ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルバモイルアミノ-β-D-グルコピラノシドS11。出発物質S10(0.97g、1.51mmol、1当量)のピリジン(12mL)撹拌溶液に、AcO(6mL)を添加した。反応混合物を室温で16時間激しく撹拌し、次いで真空濃縮し、EtOAc/ヘキサン/CHCl(1:4:1)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S11を白色の粉末として得た(1.01g、98%)。R=0.47(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.41-7.40(m,2H,Ar-H),7.34-7.25(m,8H,Ar-H),7.22-7.21(m,2H,Ar-H),7.03-7.01(m,2H,Ar-H),5.29(d,J=7.2Hz,1H),5.04(d,J=10.2Hz,1H,C1-Hβ),4.98(dd,J=9.6,9.6Hz,1H),4.78(d,J=12.0Hz,1H),4.70(d,J=12.0Hz,1H),4.62(d,J=11.4Hz,1H),4.57(d,J=11.4Hz,1H),4.50(br,2H),4.05(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.65-3.63(m,1H),3.59-3.55(m,2H),3.33(ddd,J=9.6,9.6,9.6Hz,1H),2.29(s,3H,-CH),1.87(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ169.8,153.7,138.4,138.0,137.7,133.3,129.8,128.6,128.5,128.4,128.2,128.1,128.1,127.9,127.9,127.7,95.5,85.3,79.4,77.7,74.4,73.6,71.4,69.7,56.5,21.1,20.9;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3234ClNOSNa[M+Na]の計算値:704.1014/実測値:104.1031.
【0071】
【化41】
4-O-アセチル-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-1-チオ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルバモイルアミノ-αもしくはβ-D-グルコピラノシドリン酸ジブチルS12a,b。無水CHCl(18mL)中の化合物S11(990mg、1.45mmol、1当量)、リン酸ジブチル(1.15mL、5.80mmol、3当量)および活性化させた粉末状の4ÅのMS(1.80g)混合物をアルゴン下で1時間撹拌した。次いでそれを撹拌しながら-30℃に冷却し、NIS(978mg、4.35mmol、2当量)を添加し、その後にTfOH(EtO中0.5M、0.87mL、0.43mmol、0.3当量)を添加した。2時間後、TLC分析は出発物質の消失を示し、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(0.5mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(50mL)で希釈し、20%Na水溶液(10mL)、飽和NaHCO水溶液(5mL)および塩水(5mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S12を白色の泡状物として得た(1.00g、90%);アノマーの混合物(α:β=1:3)。β-アノマーS12b:R=0.32(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.30-7.22(m,10H,Ar-H),5.81(br,1H),5.35(dd,J=7.8,7.8Hz,1H,C1-Hβ),5.09(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),4.74(d,J=12.0Hz,1H),4.65-4.58(m,3H),4.49-4.44(m,2H),4.06-3.97(m,4H),3.88(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.77-3.74(m,1H),3.69(ddd,J=9.6,4.2,4.2Hz,1H),3.53-3.52(m,2H),1.83(s,3H,-CH),1.61-1.54(m,4H),1.36-1.31(m,4H),0.93-0.85(m,6H);13C NMR(150MHz,CDCl):δ169.5,154.2,137.6,137.6,128.5,128.4,128.3,127.9,127.9,127.7,127.7,96.5,95.3,78.3,74.5,73.9,73.6,73.5,70.6,69.2,68.1,68.1,68.1,68.0,57.2,57.2,32.1,32.0,32.0,20.7,18.6,18.6,13.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3345ClNO11PNa[M+Na]の計算値:790.1688/実測値:790.1685。α-アノマーS12a:R=0.44(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.31-7.22(m,10H,Ar-H),5.67(dd,J=6.0,3.6Hz,1H,C1-Hα),5.21-5.16(m,2H),4.75(d,J=12.0Hz,1H),4.62-4.56(m,3H),4.49-4.44(m,2H),4.11-3.99(m,6H),3.77(dd,J=10.2,9.6Hz,1H),3.50-3.49(m,2H),1.89(s,3H,-CH),1.60-1.55(m,4H),1.35-1.31(m,4H),0.92-0.86(m,6H);13C NMR(150MHz,CDCl):δ169.3,154.0,137.4,137.4,128.4,128.2,127.8,127.8,127.8,127.6,127.6,127.6,96.4,96.3,95.2,76.4,74.6,73.6,73.5,71.1,70.1,68.6,68.1,68.0,68.0,67.9,54.4,54.3,32.1,32.0,20.7,18.5,18.5,13.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C3345ClNO11PNa[M+Na]の計算値:790.1688/実測値:790.1688.
【0072】
【化42】
p-トリル[4-O-アセチル-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-1-チオ-α-D-マンノピラノシドS14。無水CHCl(2mL)中のアクセプターS1329(407mg、0.73mmol、1当量)およびドナーS12(900mg、1.17mmol、1.6当量)および活性化させた粉末状4Åのモレキュラーシーブ(200mg)の混合物をアルゴン下で30分間撹拌した。次いでそれを-50℃に冷却し、その後にTLC分析が出発物質の消失を示すまで(1時間)、TMSOTf(0.21mL、1.17μmol、アクセプターに対して1.6当量)を撹拌しながら添加した。反応混合物をEtN(0.30mL)で失活させ、CHCl(20mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(8mL)および塩水(4mL)で2回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S14を白色の粉末として得た(710mg、87%)。R=0.26(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.37-7.36(m,2H,Ar-H),7.33-7.14(m,25H,Ar-H),7.05-7.03(m,2H,Ar-H),5.33(d,J=1.8Hz,1H,C1-Hα),5.26(d,J=4.8Hz,1H),5.07(d,J=9.0Hz,1H,C1-Hβ),4.93-4.90(m,2H),4.77(d,J=11.4Hz,1H),4.60-4.52(m,5H),4.46-4.34(m,5H),4.27(dd,J=8.4,8.4Hz,1H),4.19(dd,J=9.6,2.4Hz,1H),4.15(d,J=12.0Hz,1H),4.07(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.84-3.81(m,2H),3.64-3.63(m,2H),3.57(dd,J=10.8,6.0Hz,1H),3.51(dd,J=11.4,3.0Hz,1H),3.01(dd,J=6.6Hz,1H),2.28(s,3H,-CH),1.82(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ169.7,154.2,138.5,138.3,138.0,137.8,137.7,137.6,132.5,130.3,129.8,129.7,129.0,128.4,128.4,128.3,128.2,128.2,128.2,128.2,127.9,127.8,127.8,127.7,127.7,127.6,127.6,127.6,127.4,125.2,97.1,95.4,86.2,78.3,75.2,75.1,74.5,74.1,74.0,73.6,73.4,73.1,72.5,71.7,71.3,70.0,69.2,58.1,21.1,20.8;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5962ClNO12SNa[M+Na]の計算値:1136.2950/実測値:1136.2978.
【0073】
【化43】
p-トリル[3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシル]-(1→2)-3,4,6-トリ-O-ベンジル-1-チオ-α-D-マンノピラノシド18。化合物S14(203mg、0.18mmol、1当量)のCHCl/MeOH混合物(10mL、1:1=v/v)の十分に撹拌した溶液に、NaOMe(2.95mg、0.055mmol、0.3当量)を0℃で添加した。20分後、氷浴を除去し、TLC分析が出発物質の消失を示すまで(4時間)、反応混合物を撹拌しながら室温に温めた。完了したら、反応混合物をIR-120で中和し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物18を白色の泡状物として得た(149mg、76%)。R=0.14(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.39-7.37(m,2H,Ar-H),7.34-7.24(m,25H,Ar-H),7.06-7.05(m,2H,Ar-H),5.33(d,J=1.8Hz,1H,C1-Hα),5.24(d,J=4.8Hz,1H),5.00(d,J=7.8Hz,1H,C1-Hβ),4.93(d,J=10.8Hz,1H),4.78(d,J=11.4Hz,1H),4.69-4.64(m,2H),4.61(d,J=11.4Hz,2H),4.57-4.51(m,4H),4.43(d,J=11.4Hz,1H),4.34(dd,J=2.4,2.4Hz,1H),4.22-4.20(m,2H),4.07-4.04(m,2H),3.84-3.82(m,2H),3.77-3.72(m,2H),3.67-3.65(m,1H),3.59-3.54(m,2H),3.01(d,J=7.2Hz,1H),2.68(br,1H,-OH),2.30(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ154.2,138.5,138.4,138.3,137.9,137.7,137.6,132.5,130.3,129.8,128.5,128.5,128.4,128.3,128.1,128.0,127.9,127.8,127.8,127.7,127.6,127.6,127.5,97.5,95.4,86.2,79.1,78.4,75.3,75.2,74.6,74.4,74.2,73.8,73.8,73.2,73.1,72.5,71.4,70.9,69.3,57.8,21.1;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5760ClNO11SNa[M+Na]の計算値:1094.2845/実測値:1094.2881.
【0074】
【化44】
スキームS4における試薬および条件:(a)NIS、TfOH、4ÅのMS、-40℃、1時間、CHCl、93%。(b)エチレンジアミン/BuOH(1:4)、90℃、2時間、次いでNaHCO、TrocCl、CHCl、0℃、3時間、81%。(c)TfO、ピリジン、CHCl、0℃、4時間。(d)BuNOAc、トルエン、超音波処理、室温、8時間、次いでNaHCO、TrocCl、CHCl、0℃、3時間、61%(2段階)。(e)DDQ、CHCl、リン酸緩衝液(pH=7)、0℃~室温、3時間、85%。(f)ヒドラジン酢酸塩、THF、室温、16時間、92%。(g)TfO、ピリジン、CHCl、0℃、2時間。(h)BuNOAc、トルエン、超音波処理、室温、8時間、93%(2段階)。(i)エチレンジアミン/BuOH(1:4)、90℃、2時間、次いでNaHCO、TrocCl、CHCl、0℃、3時間。(j)AcO、ピリジン、CHCl、室温、16時間、83%(2段階)。
【0075】
【化45】
ベンジル[4,6-O-ベンジリジン-3-O-p-メトキシ-ベンジル-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシドS17。アクセプターS16の混合物30。無水CHCl(50mL)中のアクセプターS16の混合物30(1.59g、2.74mmol、1当量)、ドナーS1526(2.11g、3.57mmol、1.3当量)および活性化させた粉末状の4ÅのMS(5.00g)をアルゴン下で1時間撹拌した。次いで反応混合物を-40℃に冷却し、NIS(1.23g、0.49mmol、2当量)を添加し、その後にTfOH(EtO中0.5M、1.37mL、0.69mmol、0.25当量)を添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(2時間)、その反応を続けた。完了したら、反応混合物をEtN(0.7mL)で失活させ、セライトパッドで濾過した。濾液をCHCl(50mL)で希釈し、20%Na水溶液(15mL)、飽和NaHCO水溶液(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(2:3)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S17を白色の泡状物として得た(2.68g、93%)。R=0.43(シリカゲル、アセトン:トルエン=1:6);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.75(br,1H,Ar-H),7.63(br,2H,Ar-H),7.50(br,1H,Ar-H),7.46-7.45(m,2H,Ar-H),7.39-7.32(m,7H,Ar-H),7.29-7.26(m,1H,Ar-H),7.20-7.18(m,2H,Ar-H),7.07-7.05(m,1H,Ar-H),7.02-7.01(m,4H,Ar-H),6.98-6.97(m,2H,Ar-H),6.87-6.83(m,5H,Ar-H),5.44(s,1H,Ph-CH),5.10-5.08(m,1H,C1-Hβ),4.92(dd,J=9.0,8.4Hz,1H),4.81-4.71(m,4H),4.58(d,J=7.8Hz,1H,C1-Hβ),4.56(d,J=4.2Hz,1H),4.47(d,J=6.0Hz,1H),4.45(d,J=6.6Hz,1H),4.36(d,J=12.6Hz,1H),4.23(dd,J=10.2,4.8Hz,1H),4.20-4.19(m,2H),4.09-4.06(m,1H),3.87(dd,J=11.4,3.0Hz,1H),3.79-3.78(m,1H),3.78(s,3H,-CH),3.59(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.55-3.51(m,2H),3.43(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),3.17(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.81-2.76(m,1H),2.70-2.65(m,1H),2.50-2.38(m,2H),2.20(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ206.2,171.1,159.2,138.6,138.1,137.3,133.5,131.6,130.4,129.4,129.0,128.5,128.2,128.1,127.9,127.8,127.7,127.5,127.5,127.0,126.0,123.1,113.6,101.1,100.6,97.4,81.7,78.0,77.9,76.6,74.8,74.5,73.7,73.6,70.7,68.6,67.7,65.8,55.7,55.3,37.7,29.9,27.8;HRMS(ESI-TOF)m/e:C6161NO15Na[M+Na]の計算値:1070.3933/実測値:1070.3933.
【0076】
【化46】
ベンジル[4,6-O-ベンジリジン-3-O-p-メトキシ-ベンジル-β-D-グルコピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシドS18。二糖S17(625mg、0.596mmol、1当量)のエチレンジアミン/n-BuOH(7mL、2:8=v/v)溶液を90℃で2時間撹拌した。溶媒を高真空下での回転蒸発により除去し、トルエンと共に2回同時蒸発させて微量の水を除去した。得られた残留物を無水CHCl(15mL)に溶解し、NaHCO(250mg、2.98mmol、5当量)およびクロロギ酸2,2,2-トリクロロエチル(0.41mL、2.98mmol、5当量)アルゴン下0℃で3時間処理した。完了したら、反応混合物をCHCl(20mL)で希釈し、水(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:4)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S18を白色の粉末として得た(481mg、81%)。R=0.60(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:2);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.47-7.46(m,2H,Ar-H),7.40-7.25(m,20H,Ar-H),6.86-6.85(m,2H,Ar-H),5.46(s,1H,Ph-CH),5.12(br,1H),4.88-4.85(m,3H),4.71-4.55(m,9H,2C1-Hβ),4.06-4.03(m,2H),3.99(dd,J=11.4,3.6Hz,1H),3.87(br,1H),3.80(dd,J=11.4,1.8Hz,1H),3.78(s,3H,-CH),3.56(dd,J=9.6,9.0Hz,1H),3.52-3.45(m,5H),3.15(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),3.03(br,1H,-OH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ159.3,153.8,138.4,137.7,137.3,137.2,130.4,129.6,128.9,128.4,128.4,128.3,128.2,128.0,127.8,127.8,127.6,127.4,126.0,113.8,103.2,101.1,99.2,95.5,81.3,79.9,79.2,77.7,74.9,74.5,74.3,74.2,73.5,70.7,68.6,68.2,66.2,57.6,55.2;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5154ClNO13Na[M+Na]の計算値:1016.2553/実測値:1016.2554.
【0077】
【化47】
ベンジル[2-O-アセチル-4,6-O-ベンジリジン-3-O-p-メトキシ-ベンジル-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシドS19。S18から:二糖S18(1.02g、1.02mmol、1当量)の無水CHCl(13mL)撹拌溶液に、無水ピリジン(0.58mL、7.17mmol、7当量)を添加し、その後にTfO(0.30mL、1.79mmol、1.75当量)をアルゴン下0℃で滴下した。TLCが出発物質の消失を示すまで(4時間)、反応混合物を0℃で撹拌した。完了したら、それをCHCl(20mL)で希釈し、0.5NのHCl(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗製残留物をBuNOAc(927mg、3.07mmol、3当量)と混合し、トルエン(20mL)に溶解した。溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共に2回同時蒸発させ、次いで無水トルエン(13mL)に再溶解し、混合物を8時間超音波処理した。この時間の間に、本発明者らはNHTrocの部分的脱保護を観察し、反応混合物を高真空下で濃縮した。得られた残留物をCHCl(13mL)に溶解し、NaHCO(430mg、5.12mmol、5当量)およびクロロギ酸2,2,2-トリクロロエチル(0.71mL、5.12mmol、5当量)でアルゴン下0℃で処理した。3時間撹拌した後、反応混合物をCHCl(20mL)で希釈し、水(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S19を白色の粉末として得た(650mg、61%)。
【0078】
S21から:二糖S21(1.20g、1.21mmol、1当量)のエチレンジアミン/n-BuOH(15mL、2:8=v/v)溶液を90℃で2時間撹拌した。溶媒の除去後、粗製生成物をトルエンと共に2回同時蒸発させた。得られた残留物をCHCl(30mL)に溶解し、NaHCO(508mg、6.05mmol、5当量)およびクロロギ酸2,2,2-トリクロロエチル(0.83mL、6.05mmol、5当量)でアルゴン下0℃で処理した。3時間後、反応混合物をCHCl(45mL)で希釈し、水(30mL)および塩水(15mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮し、トルエンと共に2回同時蒸発させ、真空中で蒸発させた。得られた残留物を、温度を0℃から室温に16時間かけてゆっくりと温めながら、アセチル化条件ピリジン(14mL)中のAcO(7mL)に直接供した。反応混合物を高真空下で濃縮し、アセトン/トルエン(1:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S19を白色の粉末として得た(1.04g、83%)。R=0.54(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.48-7.46(m,2H,Ar-H),7.39-7.35(m,3H,Ar-H),7.33-7.25(m,14H,Ar-H),7.24-7.21(m,3H,Ar-H),6.84-6.82(m,2H,Ar-H),5.50(s,1H,Ph-CH),5.41(d,J=3.0Hz,1H),5.09(br,1H),4.92(d,J=10.8Hz,1H),4.88(d,J=12.0Hz,1H),4.72-4.62(m,5H,2C1-Hβ),4.58-4.56(m,3H),4.47-4.44(m,2H),4.08(dd,J=10.2,4.8Hz,1H),4.04(dd,J=9.0,8.4Hz,1H),3.87-3.84(m,2H),3.78-3.72(m,5H,-CH),3.59(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),3.45-3.43(m,2H),3.38(ddd,J=8.4,8.4,8.4Hz,1H),3.10(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.07(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.3,159.3,153.8,138.4,137.8,137.4,137.1,129.7,129.2,128.9,128.5,128.4,128.3,128.2,128.0,128.0,127.9,127.8,127.7,126.1,113.8,101.4,99.1,99.1,77.8,75.3,74.4,73.5,71.4,70.8,69.1,68.5,68.4,67.0,57.5,55.2,21.0;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5356ClNO14Na[M+Na]の計算値:1058.2658/実測値:1058.2657.
【0079】
【化48】
ベンジル[2-O-アセチル-4,6-O-ベンジリジン-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシド13。S19(120mg、0.12mmol、1当量)のCHCl/リン酸緩衝液混合物(pH=7)(3mL、9:1=v/v)撹拌溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(52.5mg、0.23mmol、2.2当量)を0℃で添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(3時間)、反応混合物を激しく撹拌した。完了したら、反応混合物をCHCl(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(8mL)および塩水(4mL)で洗浄し、有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をEtOAc/トルエン(1:4)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物13を白色の粉末として得た(90mg、85%)。R=0.29(シリカゲル、EtOAc:トルエン=1:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.45-7.44(m,2H,Ar-H),7.39-7.34(m,7H,Ar-H),7.33-7.26(m,11H,Ar-H),5.47(s,1H,Ph-CH),5.23(d,J=3.6Hz,1H),5.06(br,1H),4.91(d,J=11.4Hz,1H),4.87(d,J=12.0Hz,1H),4.74(d,J=12.0Hz,1H),4.68-4.61(m,4H,2C1-Hβ),4.58-4.56(m,2H),4.48(d,J=12.0Hz,1H),4.08(dd,J=10.2,4.8Hz,1H),4.04(dd,J=9.0,9.0Hz,1H),3.83(br,1H),3.78(dd,J=11.4,3.0Hz,1H),3.73-3.70(m,2H),3.64(dd,J=9.6,3.6Hz,1H),3.56(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),3.43-3.36(m,2H),3.11(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.21(d,J=3.6Hz,1H),2.11(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.5,153.8,138.5,137.8,137.1,137.0,129.3,128.6,128.6,128.4,128.4,128.3,128.1,128.0,128.0,127.9,127.8,127.7,126.2,102.1,99.1,99.0,78.5,78.2,74.4,74.4,73.6,71.2,70.8,69.7,68.4,68.4,66.7,57.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C4549ClNO13[M+H]の計算値:916.2264/実測値:916.2252.
【0080】
【化49】
ベンジル[4,6-O-ベンジリジン-3-O-p-メトキシ-ベンジル-β-D-グルコピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシドS20。出発物質S17(2.48g、2.37mmol、1当量)の無水THF(55mL)撹拌溶液に、ヒドラジン酢酸塩(327mg、3.55mmol、1.5当量)をアルゴン下室温で添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(16時間)、反応混合物を激しく撹拌した。完了したら、反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、水(60mL)および塩水(30mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S20を白色の泡状物として得た(2.07g、92%)。R=0.54(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.79-7.54(m,4H,Ar-H),7.51-7.44(m,2H,Ar-H),7.38-7.33(m,7H,Ar-H),7.30-7.27(m,3H,Ar-H),7.08-7.04(m,1H,Ar-H),7.02-7.01(m,4H,Ar-H),6.98-6.97(m,2H,Ar-H),6.89-6.81(m,5H,Ar-H),5.46(s,1H,Ph-CH),5.09(d,J=8.4Hz,1H,C1-Hβ),4.85(d,J=11.4Hz,1H),4.77(d,J=12.6Hz,1H),4.75(d,J=4.2Hz,1H),4.73(d,J=4.2Hz,1H),4.68(d,J=11.4Hz,1H),4.62(d,J=7.2Hz,1H,C1-Hβ),4.56(d,J=12.0Hz,1H),4.46(d,J=12.0Hz,1H),4.38(d,J=12.0Hz,1H),4.32(dd,J=10.8,8.4Hz,1H),4.21(d,J=10.8,8.4Hz,1H),4.15-4.10(m,2H),4.04(dd,J=11.4,3.0Hz,1H),3.82(dd,J=11.4,1.8Hz,1H),3.78(s,3H,-CH),3.61(ddd,J=9.6,3.0,3.0Hz,1H),3.56(dd,J=3.0,3.0Hz,1H),3.52-3.45(m,3H),3.18(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.98(br,1H,-OH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ167.9,159.3,138.4,137.8,137.3,137.2,133.6,131.6,130.5,129.7,128.9,128.4,128.2,128.1,128.0,127.9,127.8,127.5,127.4,127.1,126.0,123.2,113.8,103.4,101.1,97.5,81.3,79.5,78.8,77.8,75.0,74.7,74.5,74.2,73.6,70.8,68.6,68.2,66.2,55.8,55.3;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5655NO13Na[M+Na]の計算値:972.3565/実測値:972.3567.
【0081】
【化50】
ベンジル[2-O-アセチル-4,6-O-ベンジリジン-3-O-p-メトキシ-ベンジル-β-D-マンノピラノシル]-(1→4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシドS21。二糖S20(936mg、0.985mmol、1当量)の無水CHCl(12mL)撹拌溶液に、無水ピリジン(0.56mL、6.90mmol、7当量)を添加し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.29mL、1.72mmol、1.75当量)をアルゴン下0℃で滴下し、TLCが出発物質の消失を示すまで(2時間)、混合物を0℃で撹拌した。完了したら、反応混合物をCHCl(20mL)で希釈し、0.5NのHCl(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、真空濃縮し、得られた残留物をさらなる反応のためにそのまま使用した。上記得られた残留物にBuNOAc(594mg、1.97mmol、2当量)を添加し、トルエン(18mL)に溶解した。溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共に2回同時蒸発させて微量の水を除去した。残留物を無水トルエン(12mL)に再溶解し、混合物を8時間超音波処理した。完了したら、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(20mL)および塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S21を白色の粉末として得た(913mg、93%)。R=0.29(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:2);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.76-7.49(m,4H,Ar-H),7.48-7.46(m,2H,Ar-H),7.39-7.31(m,7H,Ar-H),7.26-7.22(m,3H,Ar-H),7.10-7.06(m,1H,Ar-H),7.04-7.03(m,4H,Ar-H),6.99-6.98(m,2H,Ar-H),6.90-6.84(m,5H,Ar-H),5.49(s,1H,Ph-CH),5.44(d,J=3.0Hz,1H),5.09(d,J=7.8Hz,1H,C1-Hβ),4.82-4.76(m,3H),4.68(s,1H,C1-Hβ),4.58(d,J=12.0Hz,1H),4.49-4.44(m,3H),4.38(d,J=12.6Hz,1H),4.26-4.19(m,2H),4.17-4.11(m,2H),3.86-3.82(m,2H),3.78(s,3H,-CH),3.78-3.76(m,1H),3.57-3.54(m,2H),3.44(dd,J=10.2,3.6Hz,1H),3.13(ddd,J=9.6,9.6,4.8Hz,1H),2.15(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.2,167.8,159.2,138.5,137.8,137.4,137.1,133.6,131.5,129.7,129.2,128.9,128.5,128.1,128.1,127.9,127.9,127.8,127.7,127.6,127.5,127.1,126.0,123.1,113.8,101.4,99.5,97.3,79.1,77.7,76.9,75.4,74.5,74.3,73.5,71.3,70.7,69.1,68.4,68.3,66.9,55.6,55.2,21.0;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5857NO14Na[M+Na]の計算値:1014.3671/実測値:1014.3699.
【0082】
【化51】
スキームS5における試薬および条件:(a)Br、CHCl、0℃、10分間、次いでp-ニトロフェノール、AgO、CHCN、1時間、73%。(b)NaBrO、Na、HO、EtOAc、室温、1.5時間、93%。(c)LiOH・HO、MeOH、室温、16時間、84%。(d)AcO、ピリジン、室温、16時間、90%。(e)Br、CHCl、0℃、10分間、次いでp-ニトロフェノール、AgO、CHCN、1時間、74%。(f)NaBrO、Na、HO、EtOAc、室温、1.5時間、97%。(g)LiOH・HO、MeOH、室温、16時間、94%。
【0083】
【化52】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-β-D-ガラクトピラノシドS22。チオグリコシド4(115mg、0.11mmol、1当量)の無水CHCl(2mL)撹拌溶液に、臭素(6.02μL、0.12mmol、1.1当量)を0℃で添加した。反応混合物を激しく10分間撹拌した後、溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共に2回同時蒸発させて微量の水を除去した。従って得られた残留物を無水CHCN(2mL)に溶解し、4-ニトロフェノール(25.3mg、0.18mmol、1.7当量)およびAgO(124mg、0.53mmol、5当量)で処理した。TLCが出発物質の消失を示すまで(1時間)、反応混合物を暗所においてN中で激しく撹拌した。完了したら、反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(4mL)および塩水(3mL)で2回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S22を白色の粉末として得た(85mg、73%)。R=0.46(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ8.13-8.11(m,2H,Ar-H),7.96-7.94(m,2H,Ar-H),7.91-7.89(m,2H,Ar-H),7.49-7.44(m,2H,Ar-H),7.35-7.30(m,6H,Ar-H),7.24-7.22(m,2H,Ar-H),7.20-7.18(m,2H,Ar-H),7.13-7.11(m,1H,Ar-H),6.09(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.65-5.59(dd,J=10.2,3.0Hz,1H,C1-Hβ),5.35(d,J=9.6Hz,1H),5.28(dd,J=9.6,1.8Hz,1H),5.19(dd,J=27.0,10.8Hz,1H,sia-C4-H),5.04(dd,J=51.0,1.8Hz,1H,sia-C3-H),4.72-4.67(m,2H),4.44(dd,J=12.6,3.6Hz,1H),4.40(d,J=3.0Hz,1H),4.37(dd,J=8.4,6.6Hz,1H),4.31(d,J=10.8Hz,1H),4.18(ddd,J=4.2,4.2,4.2Hz,1H),4.08(dd,J=12.6,6.6Hz,1H),3.89-3.80(m,5H,-CH),2.26(s,6H,-2CH),2.10(s,3H,-CH),1.93(s,3H,-CH),1.92(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.1,170.8,170.4,170.3,170.2,165.5,165.5,165.4,165.3,161.8,142.6,138.0,133.2,133.1,129.8,129.7,129.4,129.0,128.4,128.3,128.2,128.1,128.0,127.5,125.6,116.8,98.8,98.7,98.2,88.1,86.8,75.0,73.9,73.7,73.2,71.6,69.7,69.1,69.0,67.3,67.2,63.4,63.3,53.4,45.1,23.3,21.2,20.8,20.7,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-215.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5355FN22Na[M+Na]の計算値:1113.3123/実測値:1113.3131.
【0084】
【化53】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシドS23。化合物S22(63.0mg、0.058mmol、1当量)のEtOAc(0.8mL)撹拌溶液に、HO(0.6mL)中のNaBrO(85%、39.2mg、0.26mmol、4.5当量)を添加し、その後にHO(1.2mL)中のNa(40.2mg、0.23mmol、4当量)をゆっくりと室温で添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(1.5時間)、反応混合物を撹拌した。反応が完了したら反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、20%Na水溶液(5mL)および塩水(3mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮し、得られた残留物をアセトン/トルエン(3:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S23を白色の粉末として得た(54mg、93%)。R=0.40(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ8.13-8.12(m,2H,Ar-H),7.99-7.98(m,2H,Ar-H),7.95-7.94(m,2H,Ar-H),7.50-7.46(m,2H,Ar-H),7.37-7.32(m,4H,Ar-H),7.19-7.18(m,2H,Ar-H),6.05(dd,J=10.2,9.8Hz,1H),5.53(ddd,J=9.0,6.0,3.0Hz,1H),5.49-5.45(m,2H,C1-Hβ),5.36(d,J=9.0Hz,1H),5.27(dd,J=9.0,1.8Hz,1H),5.19(dd,J=27.0,11.4Hz,1H,sia-C4-H),5.05(dd,J=51.6,1.8Hz,1H,sia-C3-H),4.47(d,J=3.0Hz,1H),4.37(dd,J=12.6,3.0Hz,1H),4.26(dd,J=10.8,1.2Hz,1H),4.18(dd,J=6.6,6.6Hz,1H),4.13-4.07(m,1H),4.05(dd,J=12.6,6.6Hz,1H),3.99-3.98(m,2H),3.85(s,3H,-CH),2.99(br,1H,-OH),2.17(s,3H,-CH),2.08(s,3H,-CH),2.07(s,3H,-CH),1.93(s,3H,-CH),1.88(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ170.9,170.8,170.5,170.3,165.6,165.6,165.3,161.8,142.9,133.4,133.3,129.8,129.7,129.2,129.1,129.0,128.4,128.4,128.2,125.6,125.3,117.1,99.0,98.1,98.0,88.3,87.0,73.9,73.3,71.6,69.2,69.1,69.0,67.9,67.2,66.5,63.6,62.9,53.4,45.1,23.3,21.1,20.7,20.6,20.6;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-216.0;HRMS(ESI-TOF)m/e:C4650FN22[M+H]の計算値:1001.2834/実測値:1001.2833.
【0085】
【化54】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-3-フルオロ-D-エリスロ-α-L-マンノ-ノン-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシド2。化合物S23(53mg、0.053mmol、1当量)のメタノール(5mL)溶液に、水(1mL)中のLiOH・HO(22.2mg、0.53mmol、10当量)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物をIR-120で中和し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物を(BIO-RAD)Biogel P-2カラムクロマトグラフィ(水で溶離)で精製して、化合物2を得た(27mg、84%)。H NMR(600MHz,DO):δ8.29-8.28(m,2H,Ar-H),7.30-7.29(m,2H,Ar-H),5.21(dd,J=51.6,2.4Hz,1H,sia-C3-H),5.18(d,J=7.8Hz,C1-Hβ),4.17(dd,J=9.0,9.0Hz,1H),4.07-4.00(m,3H),3.91-3.77(m,7H),3.63(dd,J=12.0,6.6Hz,1H),3.57(dd,J=9.0,1.8Hz,1H),2.04(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,DO):δ175.0,170.8,161.9,142.5,126.1,116.5,100.0,98.9,98.9,91.6,90.3,73.9,72.4,72.4,71.6,70.3,69.7,69.5,68.4,68.1,63.7,62.6,46.8,46.8,22.0;19F NMR(376MHz,CDCl):δ-217.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C2332FN16[M+H]の計算値:611.1730/実測値:611.1732.
【0086】
【化55】
p-トリル[5-アセトアミド-3,4,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-5-デオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノン-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシドS24。出発物質6(174mg、0.16mmol、1当量)のピリジン(2mL)撹拌溶液に、AcO(1mL)を添加した。反応混合物を室温で16時間激しく撹拌し、次いで高真空下で濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S24を白色の粉末として得た(162mg、90%)。R=0.49(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ7.94-7.92(m,2H,Ar-H),7.88-7.87(m,2H,Ar-H),7.48-7.44(m,2H,Ar-H),7.40-7.38(m,2H,Ar-H),7.35-7.27(m,6H,Ar-H),7.23-7.20(m,2H,Ar-H),7.18-7.16(m,1H,Ar-H),7.05-7.03(m,2H,Ar-H),5.80(dd,J=10.2。9.6Hz,1H),5.44-5.42(m,2H),5.35-5.29(m,3H),5.25(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),4.95(d,J=10.2Hz,1H,C1-Hβ),4.67-4.61(m,3H),4.33(ddd,J=10.2,10.2,10.2Hz,1H),4.25-4.22(m,2H),4.03-3.97(m,3H),3.92-3.89(m,1H),3.75(s,3H,-CH),2.29(s,3H,-CH),2.15(s,3H,-CH),2.07(s,3H,-CH),2.00(s,3H,-CH),1.95(s,3H,-CH),1.94(s,3H,-CH),1.89(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.0,170.5,170.3,170.0,169.3,168.5,168.0,165.7,165.2,138.4,137.6,133.1,132.9,132.5,129.8,129.7,129.7,129.5,129.2,129.1,128.3,128.2,128.0,127.4,127.2,98.9,86.5,76.9,75.5,74.6,74.3,72.7,71.6,71.5,68.5,68.3,66.9,62.6,62.5,52.7,48.4,23.0,21.1,20.8,20.7,20.6,20.6,20.5;HRMS(ESI-TOF)m/e:C5661NO21SNa[M+Na]の計算値:1138.3349/実測値:1138.3358.
【0087】
【化56】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-3,4,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-5-デオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-ベンジル-β-D-ガラクトピラノシドS25。チオグリコシドS24(132mg、0.12mmol、1当量)の無水CHCl(2.5mL)撹拌溶液に、臭素(6.67μL、0.13mmol、1.1当量)を0℃で添加した。10分間激しく撹拌した後、溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共に2回同時蒸発させて微量の水を除去した。得られた残留物を無水CHCN(2.5mL)に溶解し、4-ニトロフェノール(28.0mg、0.20mmol、1.7当量)およびAgO(137mg、0.59mmol、5当量)で処理した。TLCが出発物質の消失を示すまで(1時間)、反応混合物を暗所においてN中で激しく撹拌した。反応が完了したら反応混合物をEtOAc(12mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(5mL)および塩水(3mL)で2回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮し、得られた残留物をアセトン/トルエン(3:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S25を白色の粉末として得た(99mg、74%)。R=0.51(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ8.15-8.13(m,2H,Ar-H),7.95-7.92(m,4H,Ar-H),7.50-7.44(m,2H,Ar-H),7.36-7.31(m,6H,Ar-H),7.24-7.19(m,2H,Ar-H),7.17-7.15(m,3H,Ar-H),6.10(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.54(dd,J=10.2,3.0Hz,1H),5.52(d,J=7.8Hz,1H,C1-Hβ),5.48(ddd,J=10.2,7.2,3.0Hz,1H),5.39(d,J=10.2Hz,1H),5.31-5.29(m,2H),5.23(dd,J=9.6,1.8Hz,1H),4.73(dd,J=10.8,2.4Hz,1H),4.71-4.65(m,2H),4.32-4.30(m,3H),4.19(dd,J=7.2,7.2Hz,1H),3.97(dd,J=12.6,7.2Hz,1H),3.88-3.86(m,2H),3.83(s,3H,-CH),2.24(s,3H,-CH),2.12(s,3H,-CH),2.01(s,3H,-CH),1.98(s,3H,-CH),1.90(s,3H,-CH),1.88(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.0,170.7(2C),170,0,169.6,168.5,168.3,165.7,165.3,161.7,142.7,137.9,133.3,133.2,129.9,129.7,129.3,128.9,128.4,128.3,128.2,128.0,127.6,125.7,116.8,99.7,98.4,75.1,74.1,74.0,73.9,72.8,71.6,71.1,69.7,67.6,67.0,63.8,63.3,52.9,48.4,23.0,20.9,20.8,20.7,20.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C555924[M+H]の計算値:1131.3452/実測値:1131.3440.
【0088】
【化57】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-3,4,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-5-デオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソン酸メチル]-(2→6)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシドS26。化合物S25(91.0mg、0.080mmol、1当量)のEtOAc(1.2mL)撹拌溶液に、HO(0.9mL)中のNaBrO(54.6mg、0.36mmol、4.5当量)を添加し、その後にHO(1.8mL)中のNa(85%、56.0mg、0.32mmol、4当量)を室温でゆっくりと添加した。TLCが出発物質の消失を示すまで(1.5時間)、反応混合物を撹拌した。完了したら、反応混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、20%Na水溶液(7mL)および塩水(4mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。得られた残留物をアセトン/トルエン(3:5)を溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S26を白色の粉末として得た(81mg、97%)。R=0.23(シリカゲル、アセトン:トルエン=2:3);H NMR(600MHz,CDCl):δ8.18-8.16(m,2H,Ar-H),8.00-7.99(m,2H,Ar-H),7.94-7.93(m,2H,Ar-H),7.51-7.46(m,2H,Ar-H),7.38-7.32(m,4H,Ar-H),7.15-7.13(m,2H,Ar-H),6.07(dd,J=10.2,7.8Hz,1H),5.46-5.34(m,5H,C1-Hβ),5.30(d,J=10.2Hz,1H),5.22(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),4.60(dd,J=10.8,1.8Hz,1H),4.43(d,J=3.0Hz,1H),4.33(dd,J=12.6,2.4Hz,1H),4.26(ddd,J=10.2,10.2,10.2Hz,1H),4.12(dd,J=6.6,6.6Hz,1H),4.05(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),3.99(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),3.93(dd,J=12.6,7.2Hz,1H),3.83(s,3H,-CH),3.17(br,1H,-OH),2.14(s,3H,-CH),2.05(s,3H,-CH),2.02(s,3H,-CH),2.00(s,3H,-CH),1.87(s,3H,-CH),1.85(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,CDCl):δ171.1,171.0,170.4,170.0,169.9,168.8,167.9,165.8,165.2,161.7,142.9,133.4,133.3,129.9,129.7,129.3,129.1,128.4,128.4,125.8,116.9,99.1,98.9,74.0,73.9,73.0,71.1,70.6,69.2,68.7,67.2,66.5,63.0,62.5,53.0,48.5,23.0,20.8,20.7,20.6,20.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C485324[M+H]の計算値:1041.2983/実測値:1041.2976.
【0089】
【化58】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-5-デオキシ-D-エリスロ-α-L-グルコ-ノナ-2-ウロピラノソネート]-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシドS27。化合物S26(75mg、0.072mmol、1当量)のメタノール(5mL)溶液に、水(1mL)中のLiOH・HO(30mg、0.72mmol、10当量)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物をIR-120で中和し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を水を溶離液として用いる(BIO-RAD)Biogel P-2カラムクロマトグラフィにより精製して、化合物S27を得た(41mg、94%)。H NMR(600MHz,DO):δ8.29-8.28(m,2H,Ar-H),7.28-7.27(m,2H,Ar-H),5.20(d,J=7.2Hz,C1-Hβ),4.09-4.06(m,2H),4.01(dd,J=10.8,7.8Hz,1H),3.92-3.79(m,6H),3.71(d,J=10.8Hz,1H),3.64-3.60(m,2H),3.53(d,J=9.6Hz,1H),3.49(d,J=9.6Hz,1H),2.02(s,3H,-CH);13C NMR(150MHz,DO):δ174.8,173.0,161.9,142.5,126.1,116.4,99.9,98.1,76.1,73.9,73.5,72.4,72.2,71.5,70.3,68.4,68.0,63.0,62.6,50.7,21.9;HRMS(ESI-TOF)m/e:C233317[M+H]の計算値:609.1774/実測値:609.1774.
【0090】
【化59】
p-ニトロフェニル[5-アセトアミド-5-デオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-ノナ-2-ウロピラノシルオネート]-(2→6)-β-D-ガラクトピラノシド1。15mLのトリス緩衝液(pH7.0)中のpNP-β-Gal(1.0mmol)、シアル酸(1.2mmol)、シチジン三リン酸(1.2mmol)、CMP-シアル酸合成酵素(CSS、12U)、ピロホスファターゼ(PPA、1U)およびα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ(SiaT、15U)を5mMのMgClおよび5mMのMnClと混合することにより、Neu5Ac-α2,6-Gal-pNP:Neu5Ac-α2,6-Gal-pNPを合成した。加熱および遠心分離によるタンパク質の除去後に、生成物を水を溶離液として用いる(BIO-RAD)Biogel P-2カラムクロマトグラフィにより精製した。Neu5Ac-α2,6-Gal-pNPを含有する画分を回収し、凍結乾燥して化合物1を得た(50%)。H NMR(600MHz,DO):δ8.33-8.32(m,2H,Ar-H),7.31-7.29(m,2H,Ar-H),5.23(d,J=7.8Hz,C1-Hβ),4.06-4.04(m,2H),3.99(dd,J=10.2,8.4Hz,1H),3.90-3.86(m,3H),3.83(dd,J=10.2,3.6Hz,1H),3.80-3.76(m,1H),3.73-3.69(m,3H),3.65-3.62(m,2H),3.57(d,J=8.4Hz,1H),2.79(dd,J=12.6,4.8Hz,1H),2.04(s,3H,-CH),1.68(dd,J=12.6,12.0Hz,1H);13C NMR(150MHz,DO):δ174.6,173.1,161.4,142.1,125.7,116.0,99.8,99.4,73.6,72.1,71.9,71.3,69.8,68.0,67.7,67.7,62.5,62.2,51.4,39.8,21.6;HRMS(ESI-TOF)m/e:C233316[M+H]の計算値:593.1825/実測値:593.1825.
【0091】
実施例2:シアリダーゼ触媒加水分解に対する安定性およびシアリダーゼ阻害の分析31
材料:
ニホンコウジカビ(G5160)のβ-ガラクトシダーゼならびにコレラ菌(11080725001)およびウェルシュ菌(11585886001)由来のシアリダーゼをSigma Aldrich社から受け取った。
【0092】
シアリダーゼのための酵素アッセイ:
このアッセイは、基質(0~20mM)およびβ-ガラクトシダーゼ(100mU)を含有する50μLの最終体積で96ウェルプレートにおいて2連で37℃で行った。2種類のシアリダーゼのためのアッセイ条件は以下のとおりである:ウェルシュ菌(1mU)、酢酸ナトリウム緩衝液(50mM)(pH5.0)およびCaCl(10mM);コレラ菌(2mU)、酢酸ナトリウム緩衝液(50mM)(pH5.5)、CaCl(10mM)およびNaCl(150mM)。これらの反応をウェルシュ菌では40分間~2時間、コレラ菌では一晩行った。65μLのCAPS緩衝液(N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸、0.5M、pH10.5)を添加して、このアッセイを止めた。形成されたp-ニトロフェノラートの量は、マイクロプレートリーダーを用いて反応混合物のA405nmを測定することにより決定した。3種類の化合物(Neu5Ac-α2、6-GalβpNP、3Fax-Neu5Ac-α2,6-GalβpNPおよび3OHeq-Neu5Ac-α2,6-GalβpNP)を酵素のための基質として試験した。全ての3種類の化合物は、シアリダーゼの非存在下37℃で1時間のインキュベーション後に20mMにおいてA405nmのバックグラウンド吸光度を有する。3種類の化合物、すなわちNeu5Ac-α2,6-GalβpNP、3Fax-Neu5Ac-α2,6-GalβpNPおよび3OHeq-Neu5Ac-α2,6-GalβpNPの吸光度はそれぞれ0.044、0.129および0.072であった。pNPの標準曲線は0.35mMのpNPの段階2倍希釈により決定し、次いでpNPの濃度に対してA405nmをグラフ化することによりpNPの標準曲線を得た。
【0093】
シアリダーゼのための阻害アッセイ:
当該アッセイは、様々な濃度(0~20mM)の阻害剤の非存在または存在下で基質Neu5Ac-α2,6-GalβpNP(0.6mM)、β-ガラクトシダーゼ(100mU)およびシアリダーゼを含有する50μLの最終体積で96ウェルプレートにおいて2連で37℃で行った。反応をウェルシュ菌では40分間~2時間、コレラ菌では一晩進行させた。CAPS緩衝液(65uL、0.5M、pH10.5)を添加することにより、このアッセイを止めた。形成されたp-ニトロフェノラートの量はマイクロプレートリーダーを用いて反応混合物のA405nmを測定することにより決定した(図1)。
【0094】
実施例3:表面プラズモン共鳴(SPR)分析によるFcγRIIIaへの結合に対する効果を研究するための3Fax-Neu5AcおよびNeu5Acにより修飾された均質なmAbの調製
酵素の発現:
エンドグリコシダーゼEndo-S、Endo-S2、Endo-S2突然変異体(D184Q)、およびバクテロイデス・フラジリスNCTC9343由来のα-L-フコシダーゼを大腸菌において発現させ、Ni-NTAアガロースビーズを用いて酵素の精製を行った。
【0095】
モノ-GlcNAc-リツキシマブの調製:
以前に記載されているように32、トリス-HCl緩衝液(50mM、pH7.4、1.5mL)中のリツキシマブ(3.0mg、リツキサン(登録商標)、Roche社)をEndo-S(120μg)、Endo-S2(240μg)およびBfFucH(4.5mg)と共に37℃で24時間インキュベートした。LC-MSおよびSDS-PAGE分析は重鎖上のN-グリカンの完全な切断を示した。反応混合物をトリス-HCl緩衝液(50mM、pH7.4)により予め平衡化されたタンパク質A-アガロース樹脂カラム(1mL、GE Healthcare社)によるアフィニティークロマトグラフィに供した。次いで、このカラムをトリス-HCl緩衝液(50mM、pH7.4、20mL)で洗浄した。結合されたIgGをグリシン-HCl(100mM、pH3.0、10mL)により遊離し、溶出画分をトリス-HCl緩衝液(1.0M、pH8.3)で直接中和した。当該抗体を含有する画分を1つにまとめ、遠心濾過(Amicon Ultra遠心式フィルター、Millipore社、マサチューセッツ州ビルリカ)により濃縮してモノ-GlcNAcリツキシマブ(2.4mg)を得た。生成物をトリプシン処理し、糖ペプチド、すなわちTKPREEQYNSTYR(m/z=1391.58)およびEEQYNSTYR(m/z=1873.88)をナノスプレーLC/MSを用いて分析して、モノ-GlcNAcのグリコシル化パターンを確認した。
【0096】
グリカンオキサゾリンによるモノ-GlcNAcリツキシマブのグリコシル基転移:
グリカンオキサゾリンを50mMのトリス緩衝液(pH7.4)中のEndo-S2D184Qおよびモノ-GlcNAcリツキシマブ混合物に添加した。この溶液を37℃で30分間インキュベートした。次いで反応混合物をタンパク質-Aアフィニティーカラム、その後にCapto Q(GE Healthcare社)のアニオン交換カラムで精製して所望の生成物を回収した。
【0097】
糖鎖工学的に操作されたハーセプチン抗体のSDS-PAGE検出:
全てのSDS-PAGE分析を試料中に存在する2-メルカプトエタノールと共に、MOPS緩衝液中のNuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)4~12%Bis-Trisゲル(Invitrogen社)を用いて行った(図2)。
【0098】
糖鎖工学的に操作されたmAbのMS分光分析:
トリプシン処理した糖ペプチドの分析のために、高解像度および高質量精度ナノフローLC-MS/MS実験を、ナノエレクトロスプレーイオン源(New Objective社)、Agilent 1100 Series二成分高速液体クロマトグラフィポンプ(Agilent Technologies社、カリフォルニア州パロアルト)、およびFamosオートサンプラ(LC Packings、カリフォルニア州サンフランシスコ)を備えたLTQFT Ultra(線形四重極イオントラップフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)質量分析計(Thermo Electron社、カリフォルニア州サンノゼ)により行った。消化溶液(6μL)を自己充填プレカラム(150μm(内径)×20mm、5μm、100Å)に10μL/分の流速で注入した。300nL/分の流速で動作する移動相Aとして0.1%ギ酸/水および移動相Bとして0.1%ギ酸/80%アセトニトリルを用いる自己充填逆相C18ナノカラム(75μm(内径)×300mm、5μm、100Å)により、クロマトグラフ分離を行った。フルスキャンMS条件:質量範囲m/z320~2000、解像度m/z400における100,000の調査。LTQによりMS2のために10種の最も強力なイオンを連続的に単離した。エレクトロスプレー電圧を1.8kVに維持し、キャピラリー温度を200℃に設定した(図3および表3)。
【0099】
表面プラズモン共鳴(SPR)分析
全てのSPR実験を、泳動用緩衝液としてHBS-EP(10mMのHEPES(pH7.4)、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%のSurfactant P20)を用いて25℃で、BIACORE T200による単一サイクル速度論的方法を用いて行った。FcγRIIIaをHEK-293細胞にトランスフェクトして、分析物として複合型グリコシル化組換えタンパク質を発現させた。FcγRIIIa受容体へのリツキシマブ結合の分析のために、ヒトFab捕捉キット(GE Healthcare社)内の抗ヒトFab抗体をCM5センサチップの参照および活性チャネルの両方に固定し、次いでFcγRIIIa分析物の段階希釈物(2,6-FluoSCTおよび2,6-SCTのために2.5、5、10、20、40nM;市販のリツキシマブのために8、24、72、216、648nM)と、240秒間の結合およびその後の420秒の解離時間にわたって30μL/分で相互作用させるために、リツキシマブを活性チャネル上に捕捉した。リツキシマブデータをバックグラウンド除去のための二重参照により処理した。リツキシマブのデータをBiaEvaluationソフトウェア(GE Healthcare社)において1:1のLangmuir結合モデルに当て嵌めて、反応速度/親和定数を得た(表4)。分析対象の抗体をヒトFab捕捉キットにより捕捉し、単一サイクル速度論的方法により検出した。
【表3】

【表4】
【0100】
実施例4:化合物4および18の相対反応性値(RRV)
以前に報告されている実験手順34に従ってRRVを3連で測定した。二糖ドナー4のRRV(2053)を競合参照ドナーS3423(RRV=1791)に対して測定した。二糖ドナー18のRRV(537)を競合参照ドナーS23(RRV=286)に対して測定した。
【化60】
【0101】
他の実施形態
本明細書に開示されている特徴の全てをあらゆる組み合わせで1つにまとめてもよい。本明細書に開示されている各特徴を同じ、同等もしくは同様の目的を果たす他の特徴で置き換えてもよい。従って明示的に別段の定めをした場合を除き、開示されている各特徴は一般的な一連の同等もしくは同様の特徴の例にすぎない。
【0102】
さらに上記説明から、当業者であればその趣旨および範囲から逸脱することなく本発明の必須の特性を容易に確認することができ、かつそれを様々な使用および条件に適合させるために本発明の様々な変更および修正をなすことができる。従って他の実施形態も特許請求の範囲内である。
【0103】
参考文献
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図1A
図1B
図2
図3-1】
図3-2】