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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電子回路ユニットと電池パック
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250117BHJP
   G06F 1/3206 20190101ALI20250117BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H02J7/00 A
G06F1/3206
H01M10/44 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022512013
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012182
(87)【国際公開番号】W WO2021200443
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2020061460
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003798
【氏名又は名称】パナソニックエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 修
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-122934(JP,A)
【文献】特開平07-064678(JP,A)
【文献】特開2017-083801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26-1/3296
H01M10/42-10/48
H02J7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部入力端子に入力される外部トリガー信号で切換パルス信号を出力するトリガー回路と、
前記トリガー回路の切換パルス信号が起動端子に入力されて、
前記切換パルス信号で動作モードと省電力モードとを切り換える回路モジュールとを
備え、
前記トリガー回路は、
外部トリガー信号で制御されて前記起動端子に切換パルス信号を出力する半導体スイッチング素子と、
前記半導体スイッチング素子の負荷抵抗と、
前記起動端子に入力される前記切換パルス信号を、
所定のパルス幅のワンショットパルスとするワンショットパルス回路と、
前記半導体スイッチング素子の入力側に接続されて、
前記半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路と、
を備え、
前記起動端子は、
前記半導体スイッチング素子と前記負荷抵抗との接続部に接続され、
前記ワンショットパルス回路は、
前記半導体スイッチング素子の入力側と前記外部入力端子との間に接続してなるワンショットパルス回路側カップリングコンデンサと、
前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサのワンショットパルス回路側充電抵抗とで構成され、
前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサと前記ワンショットパルス回路側充電抵抗の時定数で、
前記ワンショットパルスのパルス幅を特定してなり、
前記強制リセット回路が、
前記半導体スイッチング素子に一時的にオン電圧を入力して、
前記回路モジュールを強制的に動作モードとすることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載する電子回路ユニットであって、
前記強制リセット回路が
強制リセット回路側カップリングコンデンサと強制リセット回路側充電抵抗の直列回路と、
前記強制リセット回路側カップリングコンデンサの入力側に接続しているリセット端子を有し、
前記リセット端子に強制リセット信号が入力されて、
前記半導体スイッチング素子が一時的にオン状態に切り換えられることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載する電子回路ユニットであって、
前記強制リセット回路が
強制リセット回路側カップリングコンデンサと強制リセット回路側充電抵抗の直列回路と、
前記強制リセット回路側カップリングコンデンサの入力側に接続してなる短絡スイッチを備え、
前記短絡スイッチは、
オン状態で前記強制リセット回路側カップリングコンデンサの入力側をグランドラインに接続して、
前記半導体スイッチング素子が一時的にオン状態に切り換えられることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載する電子回路ユニットであって、
前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサの静電容量と、
前記ワンショットパルス回路側充電抵抗の電気抵抗が、
前記ワンショットパルスのパルス幅を1msec以上とする時定数であることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載する電子回路ユニットであって、
前記半導体スイッチング素子がFETであることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載する電子回路ユニットであって、
前記ワンショットパルス回路側充電抵抗は、前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサと電源ラインとの間に接続され、前記半導体スイッチング素子の入力側と前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサとの間に接続して第1の充電抵抗と、前記半導体スイッチング素子の入力側と前記電源ラインとを接続している第2の充電抵抗とを備え、
前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサが、
前記第1の充電抵抗と前記第2の充電抵抗の直列抵抗で充電されるようにしてなることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれかに記載する電子回路ユニットであって、
前記回路モジュールが、
Highレベルの切換パルス信号で省電力モードを動作モードに切り換えると共に、
前記半導体スイッチング素子のオン状態で、
前記起動端子にHighレベルの切換パルス信号が入力され、
前記ワンショットパルス回路が、
前記ワンショットパルス回路側充電抵抗で前記ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサを充電して、
前記起動端子をHighレベルからLowレベルとすることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項8】
請求項1ないしのいずれかに記載する電子回路ユニットと、
充電できる電池を備える電池パックであって、
前記電子回路ユニットと前記半導体スイッチング素子に電池電圧が供給されてなることを特徴とする電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作モードと省電力モードを切り換えて、動作モードで電力消費を削減する電子回路ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
動作モードと省電力モードを切り換えて、電力消費を削減する電子回路ユニットは種々の用途に使用されている。たとえば、この電子回路ユニットを装備する電池パックは、使用されない状態での電力消費を削減して電池の使用時間を長くし、また保存状態で省電力モードとして保存期間を長くできる特長がある。この電子回路ユニットは、動作モードを省電力モードに切り換える回路モジュールを備えており、この回路モジュールが起動信号を検出して省電力モードを動作モードに切り換えている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-083801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動作モードと省電力モードを切り換える電子回路ユニットは、外部入力端子に入力される外部トリガー信号で省電力モードと動作モードを切り換えている。動作モードは、電子回路ユニットを装備する機器を使用状態とし、省電力モードは使用しない状態で電力消費を削減する。動作モードと省電力モードを切り換えする電子回路ユニットは、使用環境によって、動作モードを省電力モードに切り換える必要がある。使用しない時間が長くなるなど、あらかじめ設定している条件を満足すると、内蔵するマイコン等でこの状態を判別して、動作モードを省電力モードに切り換えている。電子回路ユニットは、外部から入力される外部トリガー信号で動作モードに切り換えるために、内部に起動端子を設けている。電子回路ユニットは、外部からトリガー信号が入力されて、起動端子に”High”レベルの切換パルス信号が入力されると動作モードに切り換えている。電子回路ユニットは、動作モードに切り換えられた状態で、使用しない時間が長くなる等の条件では、動作モードを省電力モードに切り換えて電力消費を削減している。動作モードを省電力モードに切り換える状態で、起動端子が”High”レベルにあると、省電力モードに切り換えできないので、従来の電子回路ユニットは、動作モードに切り換えた後、一定の時間経過すると、起動端子を強制的に”Low”に切り換えるために、”High”レベルを所定の時間後に”Low”レベルとするショート回路を設けている。
【0005】
ショート回路は、所定の時間経過すると、スイッチング素子をオン状態に換えて、起動端子をグランドラインに短絡して、強制的に”Low”に切り換えて、起動端子のHighレベルを強制的にLowレベルとしている。FETなどのスイッチング素子をオン状態として、起動端子をLowレベルに保持するので、オン状態のFETを経由して電力を消費する欠点がある。
【0006】
さらに、従来の電子回路ユニットは、接続機器にセットされて、接続機器から外部トリガー信号が入力されて動作モードに切り換えられるが、省電力モードの状態で接続機器から外した状態では、動作モードに切り換えできず、動作モードとするために接続機器に再接続する必要があった。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の第1の目的は、極めて簡単なワンショットパルス回路で、動作モードに切り換えた後、所定の時間後に起動端子を”Low”レベルに切り換えして、必要なタイミングにおいて、動作モードを省電力モードに切り換えできる電子回路ユニットを提供することにある。
さらに、本発明の第2の目的は、省電力モードで接続機器から外した状態で、動作モードに切り換えできる電子回路ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様に係る電子回路ユニットは、外部入力端子に入力される外部トリガー信号で切換パルス信号を出力するトリガー回路と、トリガー回路の切換パルス信号が起動端子に入力されて、切換パルス信号で動作モードと省電力モードとを切り換える回路モジュールとを備えている。トリガー回路は、外部トリガー信号で制御されて起動端子に切換パルス信号を出力する半導体スイッチング素子と、半導体スイッチング素子の負荷抵抗と、起動端子に入力される切換パルス信号を所定のパルス幅のワンショットパルスとするワンショットパルス回路と、半導体スイッチング素子の入力側に接続されて、半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路とを備えている。起動端子は、半導体スイッチング素子と負荷抵抗との接続部に接続されている。ワンショットパルス回路は、半導体スイッチング素子の入力側と外部入力端子との間に接続してなるワンショットパルス回路側カップリングコンデンサと、ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサのワンショットパルス回路側充電抵抗とで構成されており、ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサとワンショットパルス回路側充電抵抗の時定数で、ワンショットパルスのパルス幅を特定している。時定数に応じて半導体スイッチング素子がオフ状態となるため、負荷抵抗による電力消費を削減することが可能となる。強制リセット回路は、半導体スイッチング素子に一時的にオン電圧を入力して、回路モジュールを強制的に動作モードとする。
【0009】
本発明のある態様に係る電池パックは、以上に記載される電子回路ユニットと、充電できる電池を備える電池パックであって、電子回路ユニットと半導体スイッチング素子に電池電圧を供給している。
【発明の効果】
【0010】
以上の電子回路ユニットは、ワンショットパルス回路を、ワンショットパルス回路側カップリングコンデンサとワンショットパルス回路側充電抵抗とからなる極めて簡単な回路構成として、動作モードにおける電力消費を削減できる。さらに、以上の電子回路ユニットは、省電力モードで接続機器から外した状態では、接続機器に再接続することなく動作モードに切り換えできる特長があり、電池の残容量を表示するLEDの点灯等の動作をすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る電池パックのブロック図である。
図2図1に示す電池パックの電子回路ユニットの動作状態を示すタイミングチャートである。
図3】従来の電池パックのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3は、従来の電子回路ユニット80のブロック図を示している。この図に示す電子回路ユニット80は、動作モードを切り換える回路を備える回路モジュール82と、外部トリガー信号を切換パルス信号に変換して、回路モジュール82の起動端子82aに入力するトリガー回路83とを備えている。トリガー回路83は、電源ライン91のプラス側にpチャンネルのFET85を接続して、FET85の負荷抵抗86の電圧を起動端子82aに入力している。このトリガー回路83は、外部入力端子89と反転回路88を介して、pチャンネルのFET85のゲートに入力される外部トリガー信号でFET85をオン状態に切り換え、オン状態のFET85に通電されて負荷抵抗86に発生する”High”信号を切換パルス信号として回路モジュール82の起動端子82aに入力している。回路モジュール82は、起動端子82aに入力される切換パルス信号が、”Low”から”High”に切り換えられるタイミングで、省電力モードを動作モードに切り換える。
【0013】
図3の電子回路ユニット80は、動作モードに切り換えた後、設定時間後に起動端子82aを”Low”レベルとするために、起動端子82aの電圧を強制的に”Low”レベルとするショートFET95を備えている。このショートFET95は、ショート回路96によりオンオフ制御されている。ショートFET95は回路モジュール82の外部に設けられて、ショート回路96は回路モジュール82に実装される。ショート回路96は、動作モードに切り換えられて所定の時間経過すると、ショートFET95のゲートにオン電圧を出力してオン状態に切り換える。オン状態のショートFET95は、起動端子82aをグランドライン92に接続して、起動端子82aの”High”レベルを強制的に”Low”に切り換える。このショート回路96は、ショートFET95などのスイッチング素子をオン状態として、起動端子82aを強制的にLowレベルに保持するので、オン状態のショートFET95が電力を消費して、動作モードでの消費電力を増加させる欠点がある。
【0014】
図3の電子回路ユニット80は、動作モードに切り換えられた後、起動端子82aの切換パルス信号の”High”を”ショート回路96でLow”に切り換えできるが、起動端子82aを強制的に”Low”レベルとするためにショートFET95に通電するので、ショートFET95が電力を消費する。したがって、図3の電子回路ユニット80は、電力消費を極力削減することが要求される動作モードにおいて電力を消費し、さらにショートFET95や、このショートFET95をオンオフに制御するためのショート回路96を回路モジュール82に設ける必要があって、回路構成が複雑となって製造コストが高くなる。
【0015】
さらに、図3の電子回路ユニット80は、省電力モードで接続機器から外した状態では動作モードに切り換えできず、省電力モードに切り換えるために接続機器に接続する必要があって、この操作に手間がかかる欠点がある。
【0016】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0017】
本発明の第1の実施態様の電子回路ユニットは、外部入力端子に入力される外部トリガー信号で切換パルス信号を出力するトリガー回路と、トリガー回路の切換パルス信号が起動端子に入力されて、切換パルス信号で動作モードと省電力モードとを切り換える回路モジュールとを備えている。トリガー回路は、外部トリガー信号で制御されて起動端子に切換パルス信号を出力する半導体スイッチング素子と、半導体スイッチング素子の負荷抵抗と、起動端子に入力される切換パルス信号を所定のパルス幅のワンショットパルスとするワンショットパルス回路と、半導体スイッチング素子の入力側に接続されて、半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路とを備えている。起動端子は、半導体スイッチング素子と負荷抵抗との接続部に接続されて、負荷抵抗の電圧が入力される。ワンショットパルス回路は、半導体スイッチング素子の入力側と外部入力端子との間に接続してなるカップリングコンデンサと、カップリングコンデンサの充電抵抗とで構成されており、カップリングコンデンサと充電抵抗の時定数で、ワンショットパルスのパルス幅を特定している。強制リセット回路は、半導体スイッチング素子に一時的にオン電圧を入力して、回路モジュールを強制的に動作モードとする。
【0018】
以上の電子回路ユニットは、ワンショットパルス回路を、カップリングコンデンサと充電抵抗からなる極めて簡単な回路で実現するので、回路構成を極めて簡単にしながら、起動端子を”Low”レベルとする状態における電力消費を削減して、極めて低電力消費にできる特長がある。さらに、以上の電子回路ユニットは、強制リセット回路で一時的に半導体スイッチング素子をオン状態に切り換えるので、省電力モードで接続機器から外した状態では、接続機器に再接続することなく動作モードに切り換えして便利に使用できる。
【0019】
さらに、以上の電子回路ユニットは、半導体スイッチング素子の入力側に接続して、半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路を設けており、この強制リセット回路が、半導体スイッチング素子に一時的にオン電圧を入力して、回路モジュールを強制的に動作モードとするので、接続機器から外した状態であって、外部トリガー信号の入力されない使用環境においても、接続機器に再セットすることなく回路モジュールを動作モードに切り換えできる。
【0020】
本発明の第2の実施態様の電子回路ユニットは、強制リセット回路が、カップリングコンデンサと充電抵抗の直列回路と、カップリングコンデンサの入力側に接続しているリセット端子を有し、リセット端子に強制リセット信号が入力されて、半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換えている。
【0021】
本発明の第3の実施態様の電子回路ユニットは、強制リセット回路が、カップリングコンデンサと充電抵抗の直列回路と、カップリングコンデンサの入力側に接続してなる短絡スイッチを備え、短絡スイッチが、オン状態でカップリングコンデンサの入力側をグランドラインに接続して、半導体スイッチング素子を一時的にオン状態に切り換えている。
【0022】
本発明の第4の実施態様の電子回路ユニットは、カップリングコンデンサの静電容量と、充電抵抗の電気抵抗が、ワンショットパルスのパルス幅を1msec以上とする時定数としている。
【0023】
本発明の第5の実施態様の電子回路ユニットは、半導体スイッチング素子をFETとしている。
【0024】
本発明の第6の実施態様の電子回路ユニットは、半導体スイッチング素子の入力側とカップリングコンデンサとの間に接続してなる充電抵抗を備え、カップリングコンデンサが、充電抵抗と充電抵抗の直列抵抗で充電されるようにしている。
【0025】
本発明の第7の実施態様の電子回路ユニットは、充電抵抗を、外部入力端子と電源ラインとに接続している。
【0026】
本発明の第8の実施態様の電子回路ユニットは、回路モジュールが、Highレベルの切換パルス信号で省電力モードを動作モードに切り換えると共に、半導体スイッチング素子のオン状態で、起動端子にHighレベルの切換パルス信号が入力され、ワンショットパルス回路が、充電抵抗でカップリングコンデンサを充電して、起動端子をHighレベルからLowレベルとしている。
【0027】
(実施の形態1)
図1は電子回路ユニット10を備える電池パック100を示している。電池パック100の電子回路ユニット10は、電池パック100が接続機器に接続されて充放電される状態で動作モード、充放電が継続しない状態で省電力モードに切り換えられて、消費電力を削減している。省電力モードにある電子回路ユニット10は、接続機器から入力される外部トリガー信号で動作モードに切り換えられる。
【0028】
(電池回路ユニット10)
電池パック100に実装される電子回路ユニット10は、電池1の保護回路などを実装するアナログフロントエンド(AFE)などの回路モジュール2と、この回路モジュール2を動作モードに切り換えるトリガー回路3を備える。トリガー回路3は、電池パック100を接続する機器から入力される外部トリガー信号で回路モジュール2を動作モードとする。トリガー回路3は、外部トリガー信号で”High”と”Low”に切り換える切換パルス信号を回路モジュール2の起動端子2aに入力して、回路モジュール2を動作モードとする。外部トリガー信号で動作モードに切り換えられた回路モジュール2は、特定の条件を満たすと、例えば使用しない状態が所定の時間継続すると、回路モジュール2を省電力モードに切り換えて電力消費を削減する。回路モジュール2は、特定の条件を満足することを判定するマイコン4などからの信号を省電力モードに切り換えられる。マイコン4で省電力モードに切り換えるタイミングで、起動端子2aが”High”レベルにあると、回路モジュール2は動作モードを保持して、省電力モードに切り換えできない。このため、トリガー回路3は、起動端子2aに”High”レベルの切換パルス信号を入力して、回路モジュール2を動作モードに切り換えた後、切換パルス信号を”Low”レベルに制御する。
【0029】
トリガー回路3は、外部トリガー信号が入力される半導体スイッチング素子5と、この半導体スイッチング素子5の負荷抵抗6と、起動端子2aに入力する切換パルス信号の”High”レベルを、あらかじめ設定している時間後に”Low”レベルに切り換えるワンショットパルス回路7と、半導体スイッチング素子5を一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路9とを備える。ワンショットパルス回路7は、半導体スイッチング素子5の入力側に接続しているカップリングコンデンサ13と、カップリングコンデンサ13と電源ライン11との間に接続している充電抵抗14からなる。強制リセット回路9は、半導体スイッチング素子5に一時的にオン電圧を入力して、回路モジュール2を強制的に動作モードとする。
【0030】
図1のトリガー回路3は、半導体スイッチング素子5をpチャンネルのFET5Aとする。pチャンネルのFET5Aは、カップリングコンデンサ13からオン電圧が入力されない状態でオフ、カップリングコンデンサ13からオン電圧が入力されてオン状態となる。pチャンネルのFET5Aは、オン状態に限って負荷抵抗6に通電し、負荷抵抗6は、通電される状態で電圧が発生して”High”レベルの切換パルス信号を起動端子2aに入力する。起動端子2aに入力された”High”レベルの切換パルス信号は、回路モジュール2を動作モードとする。
【0031】
pチャンネルのFET5Aは、ゲートにマイナスのオン電圧が入力されるタイミングでオン状態となって、回路モジュール2を動作モードとする。外部トリガー信号の”High”レベルで回路モジュール2を動作モードとするので、このタイミングでpチャンネルのFET5Aをオン状態とするために、図1のトリガー回路3は、pチャンネルのFET5Aの入力側に反転回路8を接続して、外部トリガー信号の”High”と”Low”を反転して、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力している。
【0032】
図1の反転回路8は、発光ダイオード16とフォトトランジスタ17からなるフォトカップラ15で、フォトトランジスタ17のコレクタをプルアップ抵抗18を介してプラス側の電源ライン11に接続して、エミッタをグランドライン12に接続している。この反転回路8のフォトカップラ15は、発光ダイオード16が外部トリガー信号の”High”で点灯して、フォトトランジスタ17がオン状態となる。オン状態のフォトトランジスタ17は、プルアップ抵抗18をグランドライン12に接続して出力を”Low”とする。フォトカップラ15は、発光ダイオード16が外部トリガー信号の”Low”信号で点灯しない状態では、フォトトランジスタ17がオフ状態となって、プルアップ抵抗18を介して”High”信号を出力する。図の反転回路はフォトカップラとしているが、反転回路はフォトカップラに限定せず、FET等のスイッチング素子で構成することもできる。
【0033】
入力側に反転回路8を接続するトリガー回路3は、外部トリガー信号の”High”が反転回路8に外部入力端子19に入力されると、pチャンネルのFET5Aのゲートにプラス側の電源ライン11に対してマイナスのオン電圧が入力されてFET5Aがオン状態となる。オン状態のpチャンネルのFET5Aは、負荷抵抗6に発生する”High”信号を起動端子2aに切換パルス信号として入力して、回路モジュール2を動作モードとする。
【0034】
回路モジュール2は、動作モードから省電力モードに切り換えられることがある。この状態は、電池パック100が接続機器に電力を供給しない状態が長く続く状態などで発生する。回路モジュール2は、起動端子2aが”High”レベルにあると、動作モードを省電力モードに切り換えできないので、動作モードを省電力モードに切り換えできるように、動作モードに切り換えた後、起動端子2aを”Low”レベルとする必要がある。
【0035】
動作モードに切り換えられた後、起動端子2aを強制的に”High”から”Low”に切り換えるために、トリガー回路3は、ワンショットパルス回路7を備える。ワンショットパルス回路7は、”High”レベルの切換パルス信号を所定の時間後に”Low”レベルに切り換えて、切換パルス信号を所定のパルス幅のワンショットパルスとする。ワンショットパルス回路7は、pチャンネルのFET5Aをオン時間を特定して、起動端子2aに入力する切換パルス信号をワンショットパルスとする。
【0036】
ワンショットパルス回路7は、FET5Aの入力側に接続しているカップリングコンデンサ13と、カップリングコンデンサ13の充電抵抗14とで構成している。図1の電子回路ユニット10は、充電抵抗14を、カップリングコンデンサ13とFET5Aのゲートとの間に接続している第1の充電抵抗14Aと、FET5Aのゲートと電源ライン11とを接続している第2の充電抵抗14Bとの直列抵抗で構成している。第2の充電抵抗14Bは、FET5Aのゲートをプラス側の電源ライン11に接続してノーマル状態でFET5Aをオフ状態に保持する。カップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数は、第1の充電抵抗14Aと第2の充電抵抗14Bの電気抵抗を加算した電気抵抗で特定される。この回路構成は、第2の充電抵抗14Bを、FET5Aのゲート電圧(VGS)をノーマル状態でオフ状態に保持する入力抵抗に併用できる。FET5Aは、ゲートとソースとの間に入力抵抗があって、この入力抵抗が第2の充電抵抗14Bと並列に接続されて、第2の充電抵抗14Bの電気抵抗を実質的に小さくするが、FET5Aの入力抵抗は相当に大きいので、これを無視して、第1の充電抵抗14Aと第2の充電抵抗14Bの電気抵抗から時定数を特定することができる。ただ、FET5Aの入力抵抗が大きい状態では、入力抵抗を考慮して第2の充電抵抗14Bの電気抵抗を特定する。
【0037】
カップリングコンデンサ13は、外部トリガー信号の”Low”状態、すなわち省電力モードにおいて両端の電圧がプラス側の電源ライン11の電圧となって電圧が0V、すなわち放電された状態となる。反転回路8からカップリングコンデンサ13の片側に”Low”信号が入力されると、カップリングコンデンサ13は充電抵抗14を介して充電が開始され、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が瞬間的に低下して”Low”となる。この状態で、pチャンネルのFET5Aのゲートにプラス側の電源ライン11に対してマイナスのオン電圧が入力され、ゲート・ソース間の電位差であるゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧よりも高くなって、FET5Aがオン状態となる。充電されるカップリングコンデンサ13は、両端の電圧が次第に高くなる。カップリングコンデンサ13の両端の電圧が高くなるにしたがって、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が次第に高くなって、やがてプラス側の電源ライン11の電圧まで復帰する。すなわち、オン状態となったpチャンネルのFET5Aは、時間の経過と共にゲート電圧(VGS)が次第に小さくなり、カットオフ電圧よりも低くなってオフ状態となる。したがって、カップリングコンデンサ13の電圧変化は、FET5Aのオン時間、すなわちワンショットパルスのパルス幅を特定する。カップリングコンデンサ13の電圧変化は、カップリングコンデンサ13の静電容量と、充電抵抗14の電気抵抗の積で特定される時定数で特定される。時定数が大きくなるとカップリングコンデンサ13の電圧変化は緩慢になるので、ワンショットパルスのパルス幅は大きく、すなわちpチャンネルのFET5Aのオン時間は長くなる。
【0038】
カップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数は、ワンショットパルスのパルス幅が、例えば1msec以上となるように設定される。このワンショットパルス回路7は、pチャンネルのFET5Aのオンタイムを1msec以上として、起動端子2aを”High”レベルに保持するタイミングを1msec以上とする。ワンショットパルスのパルス幅は、カップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数を大きくして、すなわちカップリングコンデンサ13の静電容量と充電抵抗14の電気抵抗を大きくして大きくできる。
【0039】
図2は、図1に示す電子回路ユニット10における、[A]外部トリガー信号、[B]反転回路出力信号、[C]FETのゲートの入力電圧、[D]切換パルス信号、及び[E]強制リセット信号の変化を示すタイミングチャートである。図2の[C]は、カップリングコンデンサ13からpチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が変化する特性を示している。この図に示すように、FET5Aのゲートに入力される入力電圧は、外部トリガー信号が”Low”から”High”に立ち上がるタイミングで、言い換えると、反転回路8の出力信号が”High”から”Low”になって、カップリングコンデンサ13の充電が開始されるタイミングで瞬間的に低下して”Low”になり、その後、次第に高くなってプラス側の電源ライン11の電圧まで復帰する。pチャンネルのFET5Aは、ゲートの入力電圧とプラス側の電源ライン11の電圧との差、すなわちゲート・ソース間の電位差であるゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧よりも大きい状態でオン状態に保持される。このため、pチャンネルのFET5Aは、ゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧よりも小さくなると、ゲートの入力電圧が”High”となって、オフ状態に切り換えられる。pチャンネルのFET5Aのオン時間は、ゲート電圧(VGS)が変化する状態、すなわちカップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数で特定される。時定数を大きくして、ゲート電圧(VGS)が小さくなるのを緩慢にして、pチャンネルのFET5Aのオン状態は長くなる。したがって、時定数を大きくしてワンショットパルスのパルス幅を長くできる。カップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数は、ワンショットパルスのパルス幅が、たとえば1msec以上であって100msec以下、好ましくは1msec以上であって10msec以下する。ワンショットパルスのパルス幅を長くすると、カップリングコンデンサ13の静電容量と充電抵抗14の電気抵抗が大きくなって部品が大きくてコスト高になり、反対にパルス幅が短すぎると、確実な切り換えが難しくなるので、確実に動作モードに切り換えでき、かつ部品コストを考慮して、以上の範囲に設定する。
【0040】
図1のトリガー回路3は、半導体スイッチング素子5のFET5Aを一時的にオン状態に切り換える強制リセット回路9を備える。強制リセット回路9は、半導体スイッチング素子5であるFET5Aのゲートに一時的にオン電圧を入力して、FET5Aをオン状態に切り換えて起動端子2aにワンショットパルスを入力する。ワンショットパルスの”High”レベルで、回路モジュール2を強制的に動作モードに切り換える。
【0041】
図1の強制リセット回路9は、ワンショットパルス回路7と同じ回路構成で、FET5Aを一時的にオン状態として、回路モジュール2の起動端子2aにワンショットパルスを入力する。強制リセット回路9は、カップリングコンデンサ23と充電抵抗24の直列回路からなり、カップリングコンデンサ23の入力側にリセット端子21を設けている。リセット端子21に図1の[E]に示す強制リセット信号である”Low”信号が入力されると、半導体スイッチング素子5のpチャンネルのFET5Aがオン状態に切り換えられる。リセット端子21に”Low”信号が入力されると、カップリングコンデンサ23は充電抵抗24を介して充電が開始され、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が瞬間的に低下して”Low”となる。この状態で、pチャンネルのFET5Aのゲートにプラス側の電源ライン11に対してマイナスのオン電圧が入力され、ゲート・ソース間の電位差であるゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧よりも高くなって、FET5Aがオン状態となる。充電されるカップリングコンデンサ23は、両端の電圧が次第に高くなる。カップリングコンデンサ23の両端の電圧が高くなるにしたがって、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が次第に高くなって、やがてプラス側の電源ライン11の電圧まで復帰する。すなわち、オン状態となったpチャンネルのFET5Aは、時間の経過と共にゲート電圧(VGS)が次第に小さくなり、カットオフ電圧よりも低くなってオフ状態となる。したがって、pチャンネルのFET5Aは、カップリングコンデンサ23が充電抵抗24で充電されて、ゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧に低下するまで、オン状態が保持される。
【0042】
オン状態のpチャンネルのFET5Aは、負荷抵抗6に接続された起動端子2aに”High”信号を発生する。したがって、pチャンネルのFET5Aがオン状態を保持するタイミングをパルス幅とするワンショットパルスが起動端子2aに入力される。起動端子2aに入力されるワンショットパルスは、立ち上がりタイミングにおいて、省電力モードであった回路モジュール2を動作モードに切り換える。
【0043】
以上の強制リセット回路9は、カップリングコンデンサ23と充電抵抗24の時定数を、好ましくは、前述のワンショットパルス回路7のカップリングコンデンサ13と充電抵抗14の時定数とほぼ同じとする。
【0044】
さらに、図1の強制リセット回路9は、カップリングコンデンサ13の入力側に接続している短絡スイッチ22を備える。短絡スイッチ22は、オン状態でカップリングコンデンサ23の入力側をグランドライン12に接続して、半導体スイッチング素子5のpチャンネルのFET5Aのゲートにオン電圧を入力する。カップリングコンデンサ23の入力側がグランドライン12に接続されると、カップリングコンデンサ23は充電抵抗24を介して充電が開始され、pチャンネルのFET5Aのゲートに入力される入力電圧が瞬間的に低下して”Low”となり、FET5Aがオン状態となる。pチャンネルのFET5Aは、カップリングコンデンサ23が充電抵抗24で充電されて、ゲート電圧(VGS)がカットオフ電圧に低下するまでオン状態を保持して、ワンショットパルスを起動端子2aに入力して、立ち上がりタイミングにおいて、省電力モードであった回路モジュール2を動作モードに切り換える。短絡スイッチ22は、たとえば押しボタンスイッチで、接続機器から外した状態で、ユーザーが押しボタンスイッチを押して、省電力モードを動作モードに切り換えできる。
【0045】
図1の電子回路ユニット10は、以下の動作で省電力モードと動作モードを切り換えて、動作モードを省電力モードに切り換える。
【0046】
1.接続機器から外部トリガー信号が電子回路ユニット10に入力される。外部トリガー信号は、図2の[A]で示すように、省電力モードから動作モードに切り換えるタイミングで、”Low”から”High”になる。
外部トリガー信号は、反転回路8で”High”と”Low”を反転してトリガー回路3のカップリングコンデンサ13に入力される。
外部トリガー信号は、図2の[A]に示すように、省電力モードを動作モードに切り換えるタイミングで”Low”レベルから”High”レベルに立ち上がるので、反転回路8からカップリングコンデンサ13に入力される信号は、図2の[B]に示すように、動作モードに切り換えられるタイミングで”High”から”Low”になる。
【0047】
2.カップリングコンデンサ13に”Low”信号が入力されると、pチャンネルのFET5Aのゲートの入力される入力電圧は、図2の[C]に示すように、プラス側の電源ライン11の電圧に対してマイナス側に大きく低下した電圧となる。この状態で、pチャンネルのFET5Aは、ゲートに”Low”のオン電圧が入力されてオン状態に切り換えられる。
オン状態のpチャンネルのFET5Aは、負荷抵抗6に通電して、負荷抵抗6の両端に発生する”High”信号を切換パルス信号として回路モジュール2の起動端子2aに入力する。動作モードに入力される”High”の切換パルス信号は、回路モジュール2を動作モードに切り換える。
【0048】
3.その後、カップリングコンデンサ13が充電抵抗14で充電されて両端の電圧が大きくなるにしたがって、図2の[C]に示すようにゲートの入力電圧が次第に高くなり、ゲート・ソース間の電位差であるゲート電圧(VGS)が次第に小さくなって、カットオフ電圧以下になると、pチャンネルのFET5Aはオフ状態に切り換えられる。
オフ状態となったpチャンネルのFET5Aは、負荷抵抗6の電流を遮断して、回路モジュール2の起動端子2aに入力する切換パルス信号を”Low”に切り換える。
起動端子2aに入力される切換パルス信号は、pチャンネルのFET5Aがオンになるタイミングからオフに切り換えられるタイミングまでの時間をパルス幅とするワンショットパルスとなる。
したがって、以上の電子回路ユニット10は、外部トリガー信号の”High”信号が外部入力端子19に入力されて、省電力モードから動作モードに切り換えられた後、所定の時間が経過すると、起動端子2aを”Low”として、省電力モードに切り換えできる状態とする。
【0049】
4.起動端子2aが”Low”レベルに保持される回路モジュール2は、マイコン4からの信号で、回路モジュール2を省電力モードに切り換えて電力消費を削減できる。
【0050】
5.回路モジュール2を省電力モードとする状態で、接続機器から外された状態で、動作モードとするには、リセット端子21に強制リセット信号を入力し、あるいは短絡スイッチ22である押しボタンスイッチを押して、pチャンネルのFET5Aのゲートにオン電圧を入力する。
オン状態のpチャンネルのFET5Aは、ワンショットパルス回路7と同じように、負荷抵抗6に通電して、負荷抵抗6の両端に発生する”High”信号を切換パルス信号として回路モジュール2の起動端子2aに入力する。動作モードに入力される”High”の切換パルス信号は、回路モジュール2を動作モードに切り換える。
【0051】
6.その後、カップリングコンデンサ23が充電されて両端の電圧が大きくなるにしたがって、図2の[C]に示すようにゲートの入力電圧が次第に高くなり、ゲート・ソース間の電位差であるゲート電圧(VGS)が次第に小さくなって、カットオフ電圧以下になると、pチャンネルのFET5Aはオフ状態に切り換えられる。
オフ状態となったpチャンネルのFET5Aは、負荷抵抗6の電流を遮断して、回路モジュール2の起動端子2aに入力する切換パルス信号を”Low”に切り換える。
起動端子2aに入力される切換パルス信号は、pチャンネルのFET5Aがオンになるタイミングからオフに切り換えられるタイミングまでの時間をパルス幅とするワンショットパルスとなる。
したがって、以上の電子回路ユニット10は、電池パック100が接続機器から外された状態で、リセット端子21に強制リセット信号を入力し、あるいは短絡スイッチ22である押しボタンスイッチを操作することで、起動端子2aに”High”信号を切換パルス信号として入力して、回路モジュール2を強制的に動作モードに切り換える。
【0052】
(電池パック100)
図1に示す電池パック100は、以上の構造の電子回路ユニット10と、充電できる電池1とを備えている。この電池パック100は、電子回路ユニット10を構成する、回路モジュール2、半導体スイッチング素子5、及びマイコン4に対して、内蔵する電池1から動作電力を供給するようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、動作モードと省電力モードを切り換えて、省電力モードで電力消費を削減できる電池パックに内蔵される電子回路ユニットとして好適に使用できる。
【符号の説明】
【0054】
100…電池パック
1…電池
2…回路モジュール
2a…起動端子
3…トリガー回路
4…マイコン
5…半導体スイッチング素子
5A…FET
6…負荷抵抗
7…ワンショットパルス回路
8…反転回路
9…強制リセット回路
10…電子回路ユニット
11…電源ライン
12…グランドライン
13…ップリングコンデンサ
14…充電抵抗
14A…第1の充電抵抗
14B…第2の充電抵抗
15…フォトカップラ
16…発光ダイオード
17…フォトトランジスタ
18…プルアップ抵抗
19…外部入力端子
21…リセット端子
22…短絡スイッチ
23…カップリングコンデンサ
24…充電抵抗
80…電子回路ユニット
82…回路モジュール
82a…起動端子
83…トリガー回路
85…FET
86…負荷抵抗
88…反転回路
89…外部入力端子
91…電源ライン
92…グランドライン
95…ショートFET
96…ショート回路
図1
図2
図3