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特許7621341飼料押出器の動作に関する方法および飼料押出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】飼料押出器の動作に関する方法および飼料押出器
(51)【国際特許分類】
   A01K 5/02 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A01K5/02
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022513107
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 SE2020050819
(87)【国際公開番号】W WO2021040605
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】1950976-9
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521499848
【氏名又は名称】デラバル ホールディング アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルワッキー、シモン
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/033275(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/038602(WO,A1)
【文献】特開2007-282549(JP,A)
【文献】特開平10-327697(JP,A)
【文献】米国特許第05559716(US,A)
【文献】国際公開第2015/065172(WO,A1)
【文献】特開2006-094717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/00 - 9/00
39/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給餌テーブル(1)上を給餌テーブル端(7)から距離(x)を置いて前記給餌テーブル(1)の長手方向軸(5)に沿って移動するように、かつ電気モータ(11)によって駆動される回転可能なスクリュー(9)の回転運動によって前記給餌テーブル端(7)に向かって前記長手方向軸(5)に対して横方向に前記給餌テーブル(1)上に置かれた動物飼料を押し出すように配置された飼料押出器(3)の動作に関連する方法であって、
-前記飼料押出器(3)の前記動作のある期間中に前記電気モータ(11)に関連するパラメータの値を取得するステップと、
-前記パラメータの前記取得された値に基づいて、前記期間中に押し出された動物飼料の量を推定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
-前記期間中に押し出された動物飼料の前記推定された量に基づいて、前記給餌テーブル(1)の長さ(l)の少なくとも一部に沿った前記給餌テーブル上の動物飼料の残量を予測すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
動物飼料の前記推定された量に基づいて、かつ前記給餌テーブル端(7)からの前記距離(x)に基づいて、給餌テーブル(1)全体に残っている動物飼料の総量を予測すること、を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラメータが、前記電気モータ(11)の負荷と相関している、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記パラメータが、前記電気モータ(11)を流れる電流と相関している、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
-前記飼料押出器(3)が、前記給餌テーブル(1)の前記長手方向軸(5)に沿って移動した移動距離(td)を測定すること、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
-前記期間中に押し出された動物飼料の前記推定された量および前記測定された移動距離(td)に基づいて、前記測定された移動距離(td)に沿って存在する動物飼料の部分量を算出すること、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
-動物飼料の前記算出された部分量に基づいて、前記測定された移動距離の前方の前記給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の残量を予測すること、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
-動物飼料の前記推定された量、前記給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の前記予測された残量、動物飼料の前記予測された総量、または動物飼料の前記算出された部分量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記給餌テーブル上に存在する動物飼料の現在量を表す関数(F1、F2)を生成または更新すること、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
-エンティティ(13)への前記関数に関する情報の提供をトリガすること、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
-前記関数(F1、F2)の視覚的表現のユーザインターフェース上での表示をトリガすること、を含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
-動物飼料の前記推定された量、前記給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の前記予測された残量、動物飼料の前記予測された総量、または動物飼料の前記算出された部分量のうちの少なくとも1つが動物飼料の所定値を下回っている場合、かつ前記距離(x)が前記給餌テーブル端(7)から所定距離以下である場合、動物飼料の準備および/または分配装置(15)へのメッセージの送信をトリガすること、を含む、請求項~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
動物飼料用の飼料押出器(3)であって、前記飼料押出器(3)が、回転可能なスクリュー(9)と、前記回転可能なスクリュー(9)を駆動するように配置された電気モータ(11)とを備え、前記飼料押出器(3)が、給餌テーブル(1)上を給餌テーブル端(7)から距離(x)を置いて前記給餌テーブル(1)の長手方向軸(5)に沿って移動するように、かつ前記回転可能なスクリュー(9)の回転運動によって前記給餌テーブル端(7)に向かって前記長手方向軸(5)に対して横方向に動物飼料を押し出すように動作可能に配置されており、前記飼料押出器(3)が、前記飼料押出器(3)の動作のある期間中に前記電気モータ(11)に関連するパラメータの値を取得するように構成されたセンサ(17)を備え、前記センサ(17)が、前記パラメータの前記取得された値に基づいて、前記期間中に押し出された動物飼料の量を推定するように構成された処理ユニット(19)と通信するように配置されている、飼料押出器(3)。
【請求項14】
前記処理ユニット(19)が、前記期間中に押し出された動物飼料の前記推定された量に基づいて、前記給餌テーブル(1)の長さの少なくとも一部に沿った前記給餌テーブル上の動物飼料の残量を予測するように構成されている、請求項13に記載の飼料押出器(3)。
【請求項15】
前記処理ユニット(19)が、動物飼料の前記推定された量に基づいて、かつ前記給餌テーブル端(7)からの前記距離(x)に基づいて、給餌テーブル(1)全体の動物飼料の総量を予測するように構成されている、請求項13または14に記載の飼料押出器(3)。
【請求項16】
前記パラメータが、前記電気モータ(11)の負荷と相関している、請求項13~15のいずれか一項に記載の飼料押出器(3)。
【請求項17】
前記パラメータが、前記電気モータ(11)を流れる電流と相関している、請求項13~15のいずれか一項に記載の飼料押出器(3)。
【請求項18】
前記飼料押出器(3)が、前記給餌テーブル(1)の前記長手方向軸(5)に沿って移動した移動距離(td)を測定するように構成された測定ユニット(21)を備える、請求項15に記載の飼料押出器(3)。
【請求項19】
前記処理ユニット(19)が、前記期間中に押し出された動物飼料の前記推定された量および前記測定された移動距離(td)に基づいて、前記測定された移動距離(td)に沿って存在する動物飼料の部分量を算出するように構成されている、請求項18に記載の飼料押出器(3)。
【請求項20】
前記処理ユニット(19)が、動物飼料の前記算出された部分量に基づいて、前記測定された移動距離の前方の前記給餌テーブル(1)の残長に存在する動物飼料の残量を予測するように構成されている、請求項19に記載の飼料押出器(3)。
【請求項21】
前記処理ユニット(19)が、動物飼料の前記推定された量、前記給餌テーブル(1)の残長に存在する動物飼料の前記予測された残量、動物飼料の前記予測された総量、または動物飼料の前記算出された部分量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記給餌テーブル(1)上に存在する動物飼料の現在量を表す関数(F1、F2)を生成または更新するように構成されている、請求項20に記載の飼料押出器(3)。
【請求項22】
前記飼料押出器(3)が、前記関数(F1、F2)に関する情報をエンティティ(13)に提供するように構成されている、請求項21に記載の飼料押出器(3)。
【請求項23】
前記処理ユニット(19)が、前記関数(F1、F2)の視覚的表現のユーザインターフェース上での表示をトリガするように構成されている、請求項21または22に記載の飼料押出器(3)。
【請求項24】
前記飼料押出器(3)が、動物飼料の前記推定された量、前記給餌テーブル(1)の残長に存在する動物飼料の前記予測された残量、動物飼料の前記予測された総量、または動物飼料の前記算出された部分量のうちの少なくとも1つが動物飼料の所定値を下回っている場合、かつ前記距離(x)が前記給餌テーブル端(7)から所定距離以下である場合、動物飼料の準備および/または分配装置(15)へのメッセージの送信をトリガするように構成されている、請求項20~23のいずれか一項に記載の飼料押出器(3)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、給餌テーブル上での動物飼料の処理に関する。
【0002】
畜産農場および/または酪農場などの農場では、飼料フェンスの前にある給餌テーブルに動物飼料を分配することによって動物に給餌する。動物が食するにつれて、動物飼料の量は減っていく。ある時点で、残りの動物飼料は、動物の届かないところとなり、動物の届く範囲内のフェンスに向かって移動させる、例えば押し出される必要があり、ある時点で、新しい動物飼料を準備する必要がある。したがって、動物飼料は、1日に数回注意を払う必要があり、これには時間がかかる。近年、特に大型の畜産では、自動飼料ディスプレーサを使用して動物飼料を動物に近づけることが好ましいことがわかっている。自動飼料ディスプレーサを使用することにより、自動飼料ディスプレーサが給餌テーブルで動物飼料を処理している間、農場で他の作業に集中し得る農家の時間を大幅に節約できる。
【0003】
自動給餌システムが使用されている間、とりわけシステムの操作を考慮して給餌システムを改善するための努力がなされてきた。WO2014/033275A1は、スクリュー動作型飼料押出器によって動物飼料を移動させるためのシステムの例である。WO2014/033275A1に記載されているシステムおよび飼料押出器はうまく機能するが、飼料押出器の動作に関連する改善された方法を提供することが望まれている。また、動物飼料用の改良された飼料押出器を提供したいという要望がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、とりわけ、給餌テーブル上の動物飼料の量を推定するプロセスの信頼性を考慮して、飼料押出器の動作に関連する改善された方法を提供することである。また、本発明の目的は、動物飼料用の改良された飼料押出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に定義された方法および請求項13に定義された飼料押出器によって達成される。
【0006】
したがって、上記の目的は、給餌テーブル上を給餌テーブル端から距離を置いて給餌テーブルの長手方向軸に沿って移動するように、かつ電気モータによって駆動される回転可能なスクリューの回転運動によって給餌テーブル端に向かって長手方向軸に対して横方向に給餌テーブル上に置かれた動物飼料を押し出すように配置された給餌押出器の動作に関連する方法によって達成される。この方法は、飼料押出器の動作期間中に電気モータに関連するパラメータの値を取得するステップと、取得された値に基づいてその期間中に押し出された動物飼料の量を推定するステップと、を含む。
【0007】
電気モータの動作は、電気モータに関連するパラメータによって記述することができる。したがって、電気モータに関連するパラメータの値を取得することにより、電気モータの状態を監視することができる。電気モータによって駆動される回転可能なスクリューは、電気モータにいくらかの制動力を発生させる。ただし、制動力は主に、回転可能なスクリューによって押し出される動物飼料の量に関連する。動物飼料の押出量が増加すると制動力は増加し、動物飼料の押出量が減少すると制動力は減少する。これにより、電気モータに関連するパラメータの値は、回転可能なスクリューによって押し出される動物飼料の量と相関する。したがって、ある期間中に押し出された動物飼料の量は、その期間中のパラメータの取得された値に基づいて推定することができる。
【0008】
電気モータに関連するパラメータの値を取得することは、パラメータを測定または感知するように構成された測定または感知デバイスを使用することによって簡単な方法で達成することができる。したがって、その期間中に押し出された動物飼料の量は、複雑な機器を必要とせずに、簡単で信頼できる方法で推定することができる。
【0009】
これにより、上記の目的が達成される。
【0010】
一実施形態によれば、この方法は、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、給餌テーブルの長さの少なくとも一部に沿った給餌テーブル上の動物飼料の残量を予測することを含む。これにより、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に関する情報を使用して、給餌テーブルの長さの少なくとも一部に沿って、飼料押出器の前方の動物飼料の量を予測すること、つまり、予想することができる。
【0011】
予測は、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量を使用して、事前定義されたアルゴリズムに基づいて行うことができる。例えば、飼料押出器の前方の給餌テーブルの事前定義された部分に沿って、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量と同じ量の動物飼料があると予測することができる。予測は、例えば、給餌テーブルに沿った動物の種類および/またはサイズに関するさらなる情報に基づいてもよい。したがって、その期間中に押し出された動物飼料の量を知ることによって、かつ給餌テーブルの一部に沿った動物の種類および/またはサイズを知ることによって、給餌テーブルのその一部にどれだけの動物飼料が残っているかを予測することができる。例えば、同じ種類の動物が食している、および/またはほぼ同じサイズの動物が食している給餌テーブルの部分に沿った動物飼料の量は、その期間中に押し出された動物飼料の量に対応する。
【0012】
一実施形態によれば、この方法は、動物飼料の推定された量に基づいて、かつ給餌テーブル端からの距離に基づいて、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の総量を予測することを含む。
【0013】
給餌テーブル端は、動物が食する給餌テーブルからの給餌テーブルの側面を定義する。
【0014】
給餌テーブル端から所定距離にある所定量の動物飼料と比較して、給餌テーブル端からその所定距離にあるその期間中に押し出された動物飼料の推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の総量を示すことができる。給餌テーブル全体に残っている動物飼料の総量についての予測は、例えば、所定距離が最も外側の距離である場合、または所定距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合に行うことができる。
【0015】
それにより、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量であって、給餌テーブル端から第1の所定距離での動物飼料の第1の所定量以上である、推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第1の総量を示すことができる。例えば、第1の所定距離が給餌テーブル端から最も外側の距離である場合、かつ動物飼料の第1の所定量が動物飼料の比較的多い量に設定されている場合、給餌テーブル全体の動物飼料の第1の総量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の比較的多い量であると結論付けられる。動物飼料の比較的多い量とは、給餌テーブル全体に動物に給餌するのに十分な動物飼料があることを意味し得る。
【0016】
同様に、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量であって、給餌テーブル端から第2の所定距離で第2の所定量の動物飼料に等しいかそれを下回っている、推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第2の総量を示す。したがって、第2の所定距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合、かつ動物飼料の第2の所定量が動物飼料の比較的少ない量に設定されている場合、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第2の総量は、給餌テーブル全体の動物飼料の比較的少ない量であると結論付けられる。給餌テーブル端の近くで検出された少ない量の動物飼料は、給餌テーブル全体の動物飼料のほとんどが食されたことを意味し、新しい飼料を準備および/または提供するためのトリガとして有利に使用され得る。
【0017】
一実施形態によれば、パラメータは、電気モータの負荷と相関している。電気モータの負荷は、電気モータに配置され得るセンサによって監視することができる。したがって、パラメータの値は、飼料押出器から突き出た機器を必要とせずに、信頼性が高く効率的な方法で取得することができる。
【0018】
一実施形態によれば、パラメータは、電気モータを流れる電流と相関する。電気モータを流れる電流を測定すると、飼料押出器の動作中に電気モータがどれだけエネルギーを使用しているのかに関する情報が得られる。したがって、パラメータの値は、電気モータを流れる電流を監視するだけで、信頼性が高く効率的な方法で取得することができる。
【0019】
一実施形態によれば、この方法は、飼料押出器が給餌テーブルの長手方向軸に沿って移動した移動距離を測定することを含む。これにより、給餌テーブル上の動物飼料の量を推定する際の移動距離も変数として使用することができる。これにより、給餌テーブル上の動物飼料の量を推定するための改善された方法を提供することができる。
【0020】
一実施形態によれば、この方法は、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量と測定された移動距離とに基づいて、測定された移動距離に沿って存在する動物飼料の部分量を算出することを含む。したがって、給餌テーブルに沿った動物飼料の総量の部分量は、動物飼料の推定された量に基づいて、かつ測定された移動距離、すなわち測定された移動距離に沿って存在する量に基づいて算出することができる。
【0021】
一実施形態によれば、この方法は、動物飼料の算出された部分量に基づいて、測定された移動距離の前方の給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の残量を予測することを含む。動物飼料の算出された部分量は、測定された移動距離の前方の動物飼料の残量を予想するために使用し得る。例えば、測定された移動距離の前方の動物飼料の残量は、動物飼料の算出された部分量と同じであると予測され得る。結果として、飼料押出器の動作に関連するさらに改善された方法を提供することができ、測定された移動距離の前方の給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の残量も予測することができる。
【0022】
一実施形態によれば、この方法は、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、動物飼料の予測された総量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つに基づいて、給餌テーブル上に存在する動物飼料の現在量を表す関数を生成または更新することを含む。給餌テーブル上に存在する動物飼料の現在量を表す関数は、動物飼料の現在量を視覚化するため、および/または給餌に関する決定を行うために使用し得る。さらなる処理および分析は、例えば、動物飼料の現在量のマップまたはチャートを生成することを意味し得る。したがって、生成された関数の恩恵により、給餌に関する決定を容易に行い得る。
【0023】
一実施形態によれば、この方法は、関数に関する情報のエンティティへの提供をトリガすることを含む。したがって、生成された関数に関する情報をエンティティに提供することができ、例えば、関数に関する情報をさらに処理するためにエンティティに送信することができる。情報は、有線または無線で送信することができる。それにより、エンティティは、飼料押出器に配置され得るか、またはエンティティは、飼料押出器から距離を置いて配置され得る。
【0024】
一実施形態によれば、この方法は、関数の視覚的表現のユーザインターフェース上での表示をトリガすることを含む。関数の視覚的表現は、ユーザの情報の理解を容易にする。ユーザインターフェースに関数の視覚的表現を表示することにより、ユーザが情報を解釈しやすくなり、給餌テーブル上の動物飼料の量に関する、したがって取り得るアクション(もし、あれば)に関する結論を導き出すプロセスが改善される。
【0025】
一実施形態によれば、この方法は、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、動物飼料の予測された総量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つが動物飼料の所定値を下回っている場合、かつ距離が給餌テーブル端から所定距離以下である場合、動物飼料の準備および/または分配装置へのメッセージの送信をトリガすることを含む。
【0026】
例えば、所定距離は、給餌テーブル端に最も近い距離であり得る。したがって、動物飼料の予測された総量が動物飼料の所定量を下回っている場合、かつ距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合、動物飼料が給餌テーブル全体で食されており、給餌テーブル全体に沿った動物飼料の補充が必要になると結論付けられる。
【0027】
同様に、給餌テーブルに沿った位置での動物飼料の補充についての結論は、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つが、給餌テーブルに沿ったその位置での動物飼料の所定量を下回っている場合に、導かれる。
【0028】
上記の目的はまた、動物飼料用の飼料押出器によって達成される。飼料押出器は、回転可能なスクリューと、回転可能なスクリューを駆動するように配置された電気モータとを備え、飼料押出器は、給餌テーブル上を給餌テーブル端から距離を置いて給餌テーブルの長手方向軸に沿って移動するように、かつ回転可能なスクリューの回転運動によって給餌テーブル端に向かって長手方向軸に対して横方向に動物飼料を押し出すように動作可能に配置されており、飼料押出器は、飼料押出器の動作のある期間中に電気モータに関連するパラメータの値を取得するように構成されたセンサを備え、センサは、パラメータの取得された値に基づいて、その期間中に押し出された動物飼料の量を推定するように構成された処理ユニットと通信するように配置されている。
【0029】
電気モータの動作は、電気モータに関連するパラメータによって記述することができる。したがって、電気モータに関連するパラメータの値を取得することにより、電気モータの状態を監視することができる。電気モータによって駆動される回転可能なスクリューは、電気モータにいくらかの制動力を発生させる。ただし、制動力は主に、回転可能なスクリューによって押し出される動物飼料の量に関連する。動物飼料の押出量が増加すると制動力は増加し、動物飼料の押出量が減少すると制動力は減少する。これにより、電気モータに関連するパラメータの値は、回転可能なスクリューによって押し出される動物飼料の量と相関する。したがって、ある期間に押し出された動物飼料の量は、その期間中のパラメータの取得された値に基づいて推定することができる。
【0030】
電気モータに関連するパラメータの値を取得することは、パラメータを測定するように構成された測定デバイスを使用することによって簡単な方法で達成することができる。したがって、その期間中に押し出された動物飼料の量は、複雑な機器を必要とせずに、簡単で信頼できる方法で推定することができる。これにより、上記の目的が達成される。
【0031】
飼料押出器は、上記の方法の利点に対応する利点を提供する。
【0032】
一実施形態によれば、処理ユニットは、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、給餌テーブルの長さの少なくとも一部に沿った給餌テーブル上の動物飼料の残量を予測するように構成されている。これにより、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に関する情報を使用して、給餌テーブルの長さの少なくとも一部に沿って、飼料押出器の前方の動物飼料の量を予測すること、つまり、予想することができる。
【0033】
一実施形態によれば、処理ユニットは、動物飼料の推定された量に基づいて、かつ給餌テーブル端からの距離に基づいて、給餌テーブル全体の動物飼料の総量を予測するように構成されている。
【0034】
給餌テーブル端から所定距離にある所定量の動物飼料と比較して、給餌テーブル端からその所定距離にあるその期間中に押し出された動物飼料の推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の総量を示すことができる。給餌テーブル全体に残っている動物飼料の総量についての予測は、所定距離が最も外側の距離である場合、または所定距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合に行うことができる。
【0035】
その期間中に押し出された動物飼料の推定された量であって、給餌テーブル端から第1の所定距離での動物飼料の第1の所定量以上である、推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第1の総量を示すことができる。例えば、第1の所定距離が給餌テーブル端から最も外側の距離である場合、かつ動物飼料の第1の所定量が動物飼料の比較的多い量に設定されている場合、給餌テーブル全体の動物飼料の第1の総量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の比較的多い量であると結論付けられる。動物飼料の比較的多い量とは、給餌テーブル全体に動物に給餌するのに十分な動物飼料があることを意味し得る。
【0036】
同様に、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量であって、給餌テーブル端から第2の所定距離で第2の所定量の動物飼料に等しいかそれを下回っている、推定された量は、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第2の総量を示す。したがって、第2の所定距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合、かつ動物飼料の第2の所定量が動物飼料の比較的少ない量に設定されている場合、給餌テーブル全体に残っている動物飼料の第2の総量は、給餌テーブル全体の動物飼料の比較的少ない量であると結論付けられ得る。給餌テーブル端の近くで検出された少ない量の動物飼料は、動物飼料のほとんどが食されたことを意味し、新しい飼料を準備および/または提供するためのトリガとして有利に使用され得る。
【0037】
一実施形態によれば、パラメータは、電気モータの負荷と相関している。電気モータの負荷は、電気モータに配置され得るセンサによって監視することができる。したがって、パラメータの値は、飼料押出器から突き出た機器を必要とせずに、信頼性が高く効率的な方法で取得することができる。
【0038】
一実施形態によれば、パラメータは、電気モータを流れる電流と相関する。電気モータを流れる電流を測定すると、飼料押出器の動作中に電気モータがどれだけエネルギーを使用しているのかに関する情報が得られる。したがって、パラメータの値は、電気モータを流れる電流を監視するだけで、信頼性が高く効率的な方法で取得することができる。
【0039】
一実施形態によれば、飼料押出器は、飼料押出器が給餌テーブルの長手方向軸に沿って移動した移動距離を測定するように構成された測定ユニットを備える。これにより、給餌テーブル上の動物飼料の量を推定する際の移動距離も変数として使用することができる。これにより、給餌テーブル上の動物飼料の量を推定するための改善された方法を提供することができる。
【0040】
一実施形態によれば、処理ユニットは、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、かつ測定された移動距離に基づいて、測定された移動距離に沿って存在する動物飼料の部分量を算出するように構成されている。したがって、給餌テーブルに沿った動物飼料の総量の部分量は、動物飼料の推定された量に基づいて、かつ測定された移動距離、すなわち測定された移動距離に沿って存在する量に基づいて算出することができる。
【0041】
一実施形態によれば、処理ユニットは、動物飼料の算出された部分量に基づいて、測定された移動距離の前方の給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の残量を予測するように構成されている。動物飼料の算出された部分量は、測定された移動距離の前方の動物飼料の残量を予想するために使用し得る。例えば、測定された移動距離の前方の動物飼料の残量は、動物飼料の算出された部分量と同じであると予測され得る。結果として、飼料押出器の動作に関連するさらに改善された方法を提供することができ、測定された移動距離の前方の給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の残量も予測することができる。
【0042】
一実施形態によれば、処理ユニットは、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、動物飼料の予測された総量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つに基づいて、給餌テーブル上に存在する動物飼料の現在量を表す関数を生成または更新するように構成されている。給餌テーブル上に存在する動物飼料の現在量を表す関数は、動物飼料の現在量を視覚化するため、および/または給餌に関する決定を行うために使用し得る。さらなる処理および分析は、例えば、動物飼料の現在量のマップまたはチャートを生成することを意味し得る。したがって、生成された関数の恩恵により、給餌に関する決定を容易に行い得る。
【0043】
一実施形態によれば、飼料押出器は、関数に関する情報をエンティティに提供するように構成されている。したがって、生成された関数に関する情報をエンティティに提供することができ、例えば、関数に関する情報をさらに処理するためにエンティティに送信することができる。情報は、有線または無線で送信することができる。それにより、エンティティは、飼料押出器に配置され得るか、またはエンティティは、飼料押出器から距離を置いて配置され得る。
【0044】
一実施形態によれば、処理ユニットは、関数の視覚的表現のユーザインターフェース上での表示をトリガするように構成されている。関数の視覚的表現は、ユーザの情報の理解を容易にする。ユーザインターフェースに関数の視覚的表現を表示することにより、ユーザが情報を解釈しやすくなり、給餌テーブル上の動物飼料の量に関する、したがって取り得るアクション(もし、あれば)に関する結論を導き出すプロセスが改善される。
【0045】
一実施形態によれば、飼料押出器は、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、動物飼料の予測された総量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つが動物飼料の所定値を下回っている場合、かつ距離が給餌テーブル端から所定距離以下である場合、動物飼料の準備および/または分配装置へのメッセージの送信をトリガするように構成されている。
【0046】
例えば、所定距離は、給餌テーブル端に最も近い距離であり得る。したがって、動物飼料の予測された総量が動物飼料の所定値を下回っている場合、かつ距離が給餌テーブル端に最も近い距離である場合、動物飼料が給餌テーブル全体で食されており、給餌テーブル全体に沿った動物飼料の補充が必要になると結論付けられる。
【0047】
同様に、給餌テーブルに沿った位置での動物飼料の補充についての結論は、動物飼料の推定された量、動物飼料の予測された残量、または動物飼料の算出された部分量のうちの少なくとも1つが、給餌テーブルに沿ったその位置での動物飼料の所定量を下回っている場合に、導かれる。
【0048】
以下の本発明の好ましい実施形態は、以下の添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】給餌テーブルおよび給餌テーブル上で動作している飼料押出器の概略図である。
図2】飼料押出器の斜視図である。
図3.1】給餌テーブル上の動物飼料の現在量を表す関数の例である。
図3.2】給餌テーブル上の動物飼料の現在量を表す関数の例である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1には、給餌テーブル1および給餌テーブル1上で動作する飼料押出器3が概略的に示されている。給餌テーブル1は、牛舎の床の一部であり得る。給餌テーブル1は、異なる形態、例えば、長方形または正方形または「L」または「T」の形態を有し得る。飼料押出器3は、給餌テーブル1の長手方向軸5に沿って、給餌テーブル端7から距離xを置いて移動するように配置されている。給餌テーブル端7は、動物が食している給餌テーブル1の端および側面を定義する。給餌テーブル1での動物の位置は、四角形2の列によって示されており、各四角形は、給餌テーブル1での1匹の動物の位置を表す。
【0051】
給餌テーブル1は、飼料押出器3が飼料テーブル1に沿って移動できるように配置された導電性ワイヤ4を備える。導電性ワイヤ4は、給餌テーブル1に統合されたループとして配置することができ、この実施形態を図1に示す。代替例として、ワイヤ4の一部を給餌テーブル1に配置し、残りの部分を給餌テーブル1の上に吊るしてもよい。
【0052】
図1の実施形態によれば、ワイヤ4の部分4.1は、長手方向軸5に沿って配置されて、飼料押出器3が、長手方向軸5に平行かつ給餌テーブル端7に平行な経路に沿って給餌テーブル1上を移動する/動作するのを可能にする。ワイヤ4は、給餌テーブル1で成形され得る。ワイヤ4は、制御ユニット6によって電力が供給され、制御ユニット6は、飼料押出器3の充電ステーションとしても機能する。ただし、連続導線以外の、飼料押出器3を飼料テーブル1に沿って案内するための他の手段が可能であることに留意されたい。
【0053】
飼料押出器3は、給餌テーブル端7に対して飼料押出器を配置するように構成された位置決めユニット8を備える。開示された実施形態では、位置ユニット8は、4つのノード、a、b、c、およびdを有する。ノードa、b、cおよびdは、互いに距離dnを置いて直線に沿って配置され得る。簡単にするために、ノードaとノードbとの間の距離dnのみが示されている。ただし、他のノード間の距離は、ノードaとノードbとの間の距離dnに等しくなり得る。ノード間の距離も異なり得る。したがって、例えば、ノードaとノードbとの間の距離は、ノードbとノードcとの間の距離とは異なり得る。ノードa、b、c、およびdの間の距離は、飼料押出器3と給餌テーブル端7との間の距離xを定義する。給餌テーブル端7までの距離xは、例えば、ノードa、b、c、およびdにそれぞれ対応して、111cm、99cm、87cm、および75cmであり得る。
【0054】
位置決めユニット8は、ワイヤ4と通信するか、またはワイヤ4を感知して、ノードa、b、c、またはdを通ってワイヤ4に沿って飼料押出器3を案内するように構成されている。上記のように、給餌テーブル端7までの距離xは、ノードa、b、c、またはdによって制御され、これらのノードは、給餌テーブル端7までの距離xを決定するために一度に1つずつアクティブ化される。アクティブ化されたノードは、アクティブ化されたノードがワイヤ4に続くように、ワイヤ4と通信する。したがって、ノードa、b、c、またはdの1つをアクティブ化することによって、飼料押出器はその位置を変更することができ、それにより、給餌テーブル端7までの距離xを変更することができる。したがって、この例では、ノードdのアクティブ化は、飼料押出器3が飼料テーブル端7に最も近い位置でワイヤ4.1に沿って走行することを必要とし、ノードaのアクティブ化は、飼料押出器3が飼料テーブル端7から最も離れた位置でワイヤ4.1に沿って走行することを必要とする。ノードは、センサによって実装され得、センサは、アクティブ化されると、ワイヤ4を感知し、これにより、飼料押出器をナビゲートして、アクティブ化されたセンサをワイヤ4のすぐ上に配置する(例えば、ワイヤ4を可能な限り強く感知する)。
【0055】
図1には、ノードbによって定義される距離xを置いて移動する飼料押出器3が示されている。図1の実施形態によれば、ノードdは、給餌テーブル端7までの可能な最短距離xを定義し、ノードaは、給餌テーブル端7までの可能な最長距離xを定義する。飼料押出器3は、飼料押出器3の動作中、すなわち長手方向軸5に沿って移動している間、ノードa、b、c、およびdの間をシフトすることができる。どのノードがアクティブ化されるかは、例えば、飼料押出器3の前方の動物飼料10の量に依存し得る。
【0056】
ノードのアクティブ化および非アクティブ化、およびそれによる給餌テーブル端までの距離xの変更は、飼料押出器3にインストールされたソフトウェアを使用して自動的に実行され得、このソフトウェアは、例えば、飼料押出器3を走行させるモータの負荷に基づいて適切な距離xを選択し得る。
【0057】
飼料押出器3は、電気モータによって駆動される回転可能なスクリュー9の回転運動によって、給餌テーブル端7に向かって長手方向軸5に対して横方向に動物飼料10を押し出すように構成されている。電気モータを図2に示す。したがって、飼料押出器の観点から、動物飼料10は図2において右に押し出される。動物飼料10を押し出すために使用される回転可能なスクリュー9は、市場に出回っている他の自動化システムの場合のように、動物飼料の圧縮を排除するという利点を有する。また、回転可能なスクリュー9によって、動物飼料の押し出しおよび混ぜ合わせが達成され、これにより、飼料が動物にとってより魅力的になる。
【0058】
電気モータによって駆動される回転可能なスクリュー9は、回転可能なスクリュー9の慣性により、電気モータに制動力を発生させる。ただし、制動力は、主に、回転可能なスクリュー9によって押し出される動物飼料10の量に関係している。したがって、動物飼料量10が増加すると制動力が増加し、動物飼料量が減少すると制動力が減少する。これにより、飼料押出器3の動作期間中に電気モータに関連するパラメータの値を取得することにより、距離xにおいて、その期間中に押し出された動物飼料の量を、パラメータの取得された値に基づいて推定することができる。その期間は、例えば、3、5または9秒であり得る。電気モータに関連するパラメータの値は、1つの期間または複数の期間中に取得され得る。したがって、その期間中に押し出された動物飼料の量は、1つまたは複数の期間からのパラメータの取得された値に基づいて推定され得る。
【0059】
給餌テーブル1は、長さlを有する。動物飼料10の量はまた、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、給餌テーブル1の長さlの少なくとも一部に沿って推定され得る。したがって、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量を使用して、給餌テーブルの長さの少なくとも一部に沿って、飼料押出器の前方の動物飼料の量を推定すること、つまり、予測することができる。最も単純なアルゴリズムは、飼料テーブル1の長さlの全体または一部に沿って飼料の推定された量を推定すること、例えば、その期間中に移動した距離を想定することである。別の可能性として、少なくとも1つの餌場(図1のボックス2)の始まりと終りにインジケータ、例えばビーコン、トランシーバ、または磁石を配置して、1番目のビーコンからの信号の受信から2番目のビーコンから信号を受信するまでに押し出された飼料の量を推定し、この推定された量を任意の数の動物の餌場に外挿することが考えられる。
【0060】
パラメータは、電気モータの負荷と相関し得、またはパラメータは、電気モータを流れる電流と相関得る。したがって、例えば、ホール効果ベースの線形電流センサ(図示せず)を使用して、電気モータを介してアンペアレベルを測定し得る。次に、測定されたアンペアレベルを、電気モータの公称アンペアレベルと比較する。電気モータの負荷は、アンペアレベルに基づいて算出され得る。公称値のアンペアレベルは、電気モータの負荷が増加しないことを意味し、これは、給餌テーブル上の動物飼料の量がゼロであるか、動物飼料の比較的少ない量であることを意味し得る。アンペアレベルの増加は、押し出された動物飼料の量の増加を意味する。動物飼料の量は、例えば、相関関係のあるアンペアレベルに比例し得、例えば、100kgの動物飼料は、5Aのアンペアレベルの増加に対応する。キログラム単位の動物飼料の量とアンペアレベルとの相関関係は、動物飼料の種類に依存し得る。したがって、より高い水分レベルの動物飼料は、より低い水分レベルの動物飼料と比較して、電気モータにかかる摩擦力のより大きな増加を引き起こす。
【0061】
また、給餌テーブル1全体の動物飼料の総量も、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、かつ給餌テーブル端7からの距離xに基づいて予測することができる。上記のように、距離xは、ノードa、b、c、またはdのどのノードがアクティブ化されるかに依存する。したがって、飼料押出器3がノードaによって定義される距離xを置いて動作し、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量が動物飼料の第1の所定量以上である場合、給餌テーブル1全体に十分な動物飼料10があると結論付けられる。動物飼料の第1の所定量は、動物が食べ始める前に給餌テーブルに分配された新鮮で新しい動物飼料の量よりわずかに少なく設定し得る。
【0062】
同様に、飼料押出器3がノードdによって定義される距離xを置いて動作し、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量が動物飼料の第2の所定量以下である場合、給餌テーブル1全体に動物飼料10はほとんど残っていないと結論付けられる。動物飼料の第2の所定量は、ゼロよりわずかに上になるように設定し得る。
【0063】
図1に示すように、飼料押出器3は、移動距離tdだけ移動している。移動距離tdは、給餌テーブル1の側端1.1から、または動物の餌場の始まりに沿った給餌テーブルでの位置(四角形2で示されている)から測定され得る。移動距離tdは、例えば、飼料押出器3のホイールに取り付けられたホールセンサによって得ることができる。動物の餌場2の幅を知ることにより、前述のようにビーコンなどに頼るのではなく、動物の餌場のこの幅に対応する推定移動距離を使用することが可能となる。
【0064】
飼料押出器3は、長手方向軸5に沿って移動しながら、動物飼料10を押し出す。図1に示されるように、動物飼料10は、移動距離tdに沿って給餌テーブル端7に向かって押し出されている。
【0065】
移動距離tdを知ることにより、測定された移動距離tdに沿った給餌テーブル1上の動物飼料の部分量も、その期間中に押し出された動物飼料の推定された量に基づいて、かつ測定された移動距離tdに基づいて算出され得る。動物飼料の部分量は、推定された量に測定された移動距離を掛けることによって算出され得る。
【0066】
図1には、エンティティ13ならびに飼料の準備および/または分配装置15も示されている。エンティティ13は、給餌テーブル1の少なくとも一部に沿って存在する動物飼料の現在量を表す、図3に示される関数に関する情報を受信するように構成され得る。関数は、上記の動物飼料の算出された部分量に基づき得る。関数はまた、測定された移動距離の前方の給餌テーブルの残長に存在する動物飼料の予測された残量に基づき得、動物飼料の予測された残量は、動物飼料の算出された部分量に基づき得る。
【0067】
動物飼料の準備および/または分配装置15、例えば、自律型ミキサーワゴン、または飼料分配ビヒクルは、例えば、動物飼料の推定総量が動物飼料の所定値を下回っていることを示すメッセージを受信するように構成されている。そのような場合、メッセージは、動物飼料の新しいセットを準備する必要があること、および/または給餌テーブル1上で分配する必要があることを示し得る。
【0068】
図2には、図1に示した飼料押出器3が斜視図で示されている。飼料押出器3は、回転可能なスクリュー9を駆動するように配置された電気モータ11を備える。飼料押出器3は、電気モータ11に関連するパラメータの値を取得するように構成されたセンサ17を備える。パラメータは、電気モータ11の負荷と相関し得、またはパラメータは、電気モータ11を流れる電流と相関し得る。例として、ホール効果ベースの線形電流センサを使用し得る。
【0069】
センサ17は、電気モータ11に配置され得るか、またはセンサ17は、電気モータ11に電流を供給する電力ケーブル(図示せず)に配置され得る。センサ17は、パラメータの取得された値に基づいて、給餌テーブル端から距離を置いてある期間に押し出された動物飼料の量を推定するように構成された処理ユニット19と通信するように配置されている。
【0070】
一実施形態によれば、処理ユニット19は、飼料押出器3に配置され得る。すなわち、処理ユニット19は、飼料押出器3のケーシング内に取り付けられることによって、飼料押出器3と統合され得る。代替例として、処理ユニット19はまた、飼料押出器3から距離を置いて配置され得る。このような場合、処理ユニット19は、例えば、無線通信システムを介して、センサ17から信号を受信するように配置される。
【0071】
処理ユニット19は、図1に関連して説明したように、給餌テーブル端から距離を置いてある期間中に押し出された動物飼料の量を推定するように構成されている。
【0072】
図3.1には、関数F1による動物飼料の現在量が示されている。関数F1は、給餌テーブル1上での動物飼料の分布の例である。関数F1は、マップと呼ぶ場合もある。関数F1は、第1のサブ関数f11、第2のサブ関数f12、および第3のサブ関数f13を含み得る。サブ関数f11、f12、およびf13は、それぞれ、第1の移動距離td1、第2の移動距離td2、および第3の移動距離td3に沿った動物飼料の量を表す。移動距離td1、td2、およびtd3は、図1に関連して説明されているように、給餌テーブルの長手方向軸に沿った飼料押出器の移動距離を表す。移動距離td1、td2およびtd3は、動物飼料の存在が検出され、かつ動物飼料の量が推定された、給餌テーブルの長手方向軸に沿った飼料押出器の移動距離を表す。給餌テーブル1の側端1.1から測定された初期移動距離td0で、動物飼料の量はゼロと推定されている。
【0073】
第1のサブ関数f11は、給餌テーブル1上の飼料押出器の動作の初期期間中に飼料押出器の電気モータに関連するパラメータの取得された値に基づいて提供される。第1のサブ関数f11が取得されると、飼料押出器は、その位置を外側のノードに切り替える。つまり、給餌テーブル端までの距離が長くなる。次に、飼料押出器は、動物飼料の新しい量が推定されるまで、または所定期間が経過するまで、外側のノードによって定義された経路に沿って給餌テーブル1に沿って移動し続ける。動物飼料の新しい量は、第1のサブ関数f11で説明されている動物飼料の量よりも多い。所定期間が経過すると、飼料押出器は、前のノードに戻り、それによって前のノードによって定義された、給餌テーブル端により近い前の経路に戻る。飼料押出器は、第1のサブ関数f11で説明されている動物飼料と比較して、動物飼料の量が少ないかどうかを制御するために、前のノードに戻る。動物飼料の量が実質的に変わらない場合、飼料押出器は、再び外側のノードに切り替わる。その後、飼料押出器は、動物飼料の新しい量が推定されるまで、または新しい所定期間が経過して手順が繰り返されるまで、外側のノードによって定義された経路に沿って給餌テーブル1に沿って移動し続ける。第2のサブ関数f12は、動物飼料の新しい量が推定された場合を示している。第2のサブ関数f12によって記述された動物飼料の新しい量は、第1のサブ関数f11によって記述された動物飼料の量と比較して多い。
【0074】
動物飼料の新しい量を推定する手順は、上記のように繰り返される。図3.1に示すように、第3の関数f13によって記述される動物飼料の量は、第3の移動距離td3に沿って推定されている。第3のサブ関数f13によって記述された動物飼料の量は、第2のサブ関数f12によって記述された動物飼料の量よりも少ない。
【0075】
結果として、給餌テーブルの少なくとも一部に沿って存在する動物飼料の現在量のマップは、動物飼料の量を推定することによって、かつ動物飼料の推定された量を表すそれぞれのサブ関数を生成することによって達成され得る。
【0076】
動物飼料の現在量のマップは、給餌テーブルの異なる部分にどれだけの動物飼料が存在しているかを示す。関数F1の視覚的表現は、ユーザインターフェース上に表示され得、そのユーザインターフェースは、コンピュータまたは電話であり得る。サブ関数f11、f12、およびf13は、サブ関数ごとに異なる色を使用して示し得る。これにより、給餌テーブル上の動物飼料の現在量に関する情報を入手する農家にとって、動物飼料の準備作業が容易になる。
【0077】
図3.2は、別の関数F2によって示すことができる別の実施形態による動物飼料の現在量を示している。別の関数F2は、上記の関数F1と同様の方法で達成することができ、したがって、別の関数F2を生成するプロセスは、本明細書では詳細に説明しない。見てわかるように、別の関数F2は、第4のサブ関数f21および第5のサブ関数f22を含む。サブ関数f21およびf22は、それぞれ第4の移動距離td4および第5の移動距離td5に沿って推定されている。
【0078】
図3.1と同様に、移動距離td4およびtd5は、動物飼料の存在が検出され、かつ動物飼料の量が推定された、給餌テーブルの長手方向軸に沿った飼料押出器の移動距離を表す。給餌テーブル1の側端1.1から測定された初期移動距離td0で、動物飼料の量はゼロと推定されている。
【0079】
飼料押出器は、パラメータの値に基づいて上記のノードa、b、c、およびdの間を切り替えることによって、例えば、パラメータが事前定義された範囲内にあるように、給餌テーブル1上に置かれた動物飼料10の輪郭に沿って移動するように制御され得る。これにより、図3.1および図3.2に示される関数またはマップは、飼料押出器が給餌テーブル1上に存在する動物飼料の輪郭に沿うことによって達成され得る。
【0080】
本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内で変更および修正され得る。
図1
図2
図3.1】
図3.2】