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特許7621362エアロゾル生成装置で使用するための消耗品の認証方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置で使用するための消耗品の認証方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20250117BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20250117BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250117BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/65
G06Q50/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022536515
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2020086560
(87)【国際公開番号】W WO2021122839
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】19218335.8
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ブーチュイギュア,レイス・スリマン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/131554(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0174076(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0093981(US,A1)
【文献】国際公開第2018/171337(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106235414(CN,A)
【文献】国際公開第2019/186158(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
A61M15/06
G06Q50/10
G06F21/44
G07F7/08
G06Q20/00-20/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置で使用するための消耗品を認証する方法であって、当該方法が、
前記エアロゾル生成装置と第1のエンティティとの間の通信を開始して、前記エアロゾル生成装置で使用するために前記消耗品を前記第1のエンティティから入手するステップであって、前記エアロゾル生成装置が装置IDに関連付けられ、前記消耗品が消耗品IDに関連付けられる、ステップと、
前記装置ID及び前記消耗品IDを前記第1のエンティティから第2のエンティティに送信するステップであって、前記第2のエンティティが、前記装置IDと前記消耗品IDとを関連付けて格納するように構成される、ステップと、
前記エアロゾル生成装置での前記消耗品の使用を検証するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記エアロゾル生成装置での前記消耗品の使用が、前記装置IDと前記消耗品IDとの前記関連付けに基づいて検証される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、更に、
前記消耗品が認証されているかどうかにかかわらず、前記エアロゾル生成装置で使用される前記消耗品の前記消耗品IDを前記エアロゾル生成装置に格納するステップと、
前記エアロゾル生成装置に格納された前記消耗品IDを前記装置IDと共に前記エアロゾル生成装置から前記第2のエンティティに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の方法であって、更に、
前記エアロゾル生成装置から受信した前記装置ID及び前記消耗品IDを、前記第1のエンティティから受信した前記装置IDと前記消耗品IDとの前記関連付けと比較して、前記エアロゾル生成装置での前記消耗品の使用が検証されているか否かを判定するステップと、
前記エアロゾル生成装置での前記消耗品の使用が検証されていない場合に、前記エアロゾル生成装置に通知を送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
前記消耗品の入手に成功した後に、前記第1のエンティティによって前記消耗品IDを前記エアロゾル生成装置に送信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、更に、
前記消耗品IDを前記エアロゾル生成装置に格納するステップと、
前記格納された消耗品IDに基づいて、使用のために前記エアロゾル生成装置のロックを解除するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、更に、
前記消耗品IDをスキャンして、前記第1のエンティティから受信され前記エアロゾル生成装置に格納された前記消耗品IDと比較するステップと、
前記比較が一致した場合に、前記エアロゾル生成装置から前記消耗品IDを削除するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記消耗品の入手に成功した後に、前記第1のエンティティによってロック解除指令を前記エアロゾル生成装置に送信するステップを含み、
前記ロック解除指令が、前記エアロゾル生成装置での使用が許可される前記消耗品のパック内の物品の数を示す情報を含む、方法。
【請求項9】
前記ロック解除指令が、前記消耗品に関連付けられた使用期間を示す情報を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法であって、更に、
前記消耗品の前記パック内の前記物品の数が使用されたときに、又は前記消耗品に関連付けられた前記使用期間が満了したときに、前記エアロゾル生成装置を自動的にロックするステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法であって、更に、非接触型決済インターフェースを使用して非接触型決済を開始して、セキュリティ条件が満たされたときに前記エアロゾル生成装置の識別情報を前記第1のエンティティに提供するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、更に、
パーソナルコンピューティング装置と無線通信するステップを含み、
前記セキュリティ条件が、前記パーソナルコンピューティング装置が前記エアロゾル生成装置の近傍にあるのを検出することを含む、方法。
【請求項13】
エアロゾル生成装置であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法におけるステップを実行するためのプロセッサと、
前記装置ID及び/又は前記消耗品IDを格納するためのメモリと、
前記第1のエンティティ、前記第2のエンティティ、及び前記パーソナルコンピューティング装置のうちの少なくとも1つと通信するように構成された通信ユニットと、
を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項14】
リモートサーバであって、
メモリと、
第1のエンティティから、エアロゾル生成装置用の第1の装置ID及び消耗品用の第1の消耗品IDを受信し、また、パーソナルコンピューティング装置から、前記エアロゾル生成装置用の第2の装置ID及び前記消耗品用の第2の消耗品IDを受信するように構成された通信インターフェースと、
前記第1の装置ID及び前記第1の消耗品IDをそれぞれ前記第2の装置ID及び前記第2の消耗品IDと比較して、前記消耗品の真正性を検証するように構成されたプロセッサと、
を備える、リモートサーバ。
【請求項15】
プロセッサによって実行されたときに、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実施するソフトウェア命令を含むコンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子タバコなどのエアロゾル生成装置に関する。特に、本発明は、非接触型決済を行うことが可能な電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコなどのエアロゾル生成装置がますます普及しつつある。これに伴って、かかる装置をよりスマートにし、使い勝手を向上させることへの要求も高まっている。しかしながら、これらの装置に追加の機能を導入することによって、装置がより複雑且つ高コストになることがある。加えて、これらの機能の一部を有効にするためには、機密情報を装置に記憶する必要がある場合があり、このことは、潜在的なセキュリティの問題につながることがある。
【0003】
いくつかのエアロゾル生成装置では、エアロゾルを生成するために使用される前駆体は、カートリッジなどの取り外し可能な消耗品内に貯蔵される。したがって、カートリッジは、前駆体が消費されたときに、容易に取り外して交換することができる。一部の無許可のエンティティは、エアロゾル生成装置で使用するための偽造カートリッジを製造している。このようなカートリッジは、低品質であり、装置及びユーザに損傷を与える可能性がある。カートリッジが本物であるかどうかは、ユーザには分からないことがある。したがって、ユーザは、装置を用いて無意識のうちに偽のカートリッジを使用することがある。このことは、そのようなエアロゾル生成装置及び本物のカートリッジの消費者と製造業者の両者にとって明らかに望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、エアロゾル生成装置で使用するための消耗品を認証する方法であって、エアロゾル生成装置と第1のエンティティとの間の通信を開始して、エアロゾル生成装置で使用するために消耗品を第1のエンティティから入手することであって、エアロゾル生成装置は装置IDに関連付けられ、消耗品は消耗品IDに関連付けられる、入手することと、装置ID及び消耗品IDを第1のエンティティから第2のエンティティに送信することであって、第2のエンティティは、装置IDと消耗品IDとを関連付けて記憶するように構成される、送信することと、エアロゾル生成装置での消耗品の使用を検証することとを含む、方法が提供される。
【0006】
有利には、上記方法によって、電子タバコなどのエアロゾル生成装置を使用して、使用のためのカートリッジを販売者から購入することが可能である。販売者及びリモートサーバの助けを借りて、購入したカートリッジの使用を電子タバコで検証することも可能である。このように、偽のカートリッジを識別することができ、製造業者とユーザの両方の利益を守ることができる。
【0007】
好ましくは、エアロゾル生成装置での消耗品の使用は、装置IDと消耗品IDとの関連付けに基づいて検証される。
【0008】
好ましくは、方法はまた、消耗品が認証されているかどうかにかかわらず、エアロゾル生成装置で使用される消耗品の消耗品IDをエアロゾル生成装置において記憶することと、エアロゾル生成装置において記憶された消耗品IDを装置IDと共にエアロゾル生成装置から第2のエンティティに送信することと含む。
【0009】
好ましくは、方法はまた、エアロゾル生成装置から受信した装置ID及び消耗品IDを、第1のエンティティから受信した装置IDと消耗品IDとの関連付けと比較して、エアロゾル生成装置での消耗品の使用が検証されているか否かを判定することと、エアロゾル生成装置での消耗品の使用が検証されていない場合に、エアロゾル生成装置に通知を送信することとを含む。
【0010】
好ましくは、方法はまた、消耗品の入手に成功した後に、第1のエンティティによって消耗品IDをエアロゾル生成装置に送信することを更に含む。
【0011】
好ましくは、方法はまた、消耗品IDをエアロゾル生成装置に記憶することと、記憶された消耗品IDに基づいて使用のためにエアロゾル生成装置のロックを解除することとを含む。
【0012】
好ましくは、方法はまた、消耗品IDをスキャンして、第1のエンティティから受信してエアロゾル生成装置において記憶された消耗品IDと比較することと、比較が一致した場合に、エアロゾル生成装置から消耗品IDを削除することとを含む。
【0013】
好ましくは、方法はまた、消耗品の入手に成功した後に、第1のエンティティによってロック解除指令をエアロゾル生成装置に送信することを含み、ロック解除指令は、エアロゾル生成装置での使用が許可される消耗品のパック内の物品の数を示す情報を含む。
【0014】
好ましくは、ロック解除指令は、消耗品に関連付けられた使用期間を示す情報を更に含む。
【0015】
好ましくは、方法はまた、消耗品のパック内のその数の物品が使用されたときに、又は消耗品に関連付けられた使用期間が満了したときに、エアロゾル生成装置を自動的にロックすることを含む。
【0016】
好ましくは、方法はまた、非接触型決済インターフェースを使用して非接触型決済を開始し、セキュリティ条件が満たされたときにエアロゾル生成装置の識別情報を第1のエンティティに提供することを含む。
【0017】
好ましくは、方法はまた、パーソナルコンピューティング装置と無線通信することを含み、セキュリティ条件は、パーソナルコンピューティング装置がエアロゾル生成装置の近傍にあることを検出することを含む。
【0018】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル生成装置であって、上記の方法におけるステップを実行するためのプロセッサと、装置ID及び/又は消耗品IDを記憶するためのメモリと、第1のエンティティ、第2のエンティティ、及びパーソナルコンピューティング装置のうちの少なくとも1つと通信するように構成された通信ユニットとを含む、エアロゾル生成装置が提供される。
【0019】
方法の別の態様によれば、リモートサーバであって、メモリと、第1のエンティティからエアロゾル生成装置用の第1の装置ID及び消耗品用の第1の消耗品IDを、並びにパーソナルコンピューティング装置からエアロゾル生成装置用の第2の装置ID及び消耗品用の第2の消耗品IDを受信するように構成された通信インターフェースと、第1の装置ID及び第1の消耗品IDをそれぞれ第2の装置ID及び第2の消耗品IDと比較して、消耗品の真正性を検証するように構成されたプロセッサとを含む、リモートサーバが提供される。
【0020】
本発明の別の態様によれば、プロセッサによって実行されたときに、上記で説明したような方法を実施するソフトウェア命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0021】
ここで、図面を参照して本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の態様による、使い勝手を向上させた例示的なエアロゾル生成装置である。
図2図1の装置内の様々なモジュールを示すブロック図である。
図3図1の装置がシステムにおける他のエンティティと通信するシステムの概略図である。
図4】本発明の態様による、図1の装置によって実施される方法のフロー図である。
図5】様々なエアロゾル生成装置のユーザの例示的なデータベースである。
図6図3のシステムにおけるリモートサーバのブロック図である。
図7図3のシステムにおいて実行される方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の様々な態様を説明する。以下の図面の説明では、同一又は類似の部分は同一又は類似の参照符号で示されることに留意されたい。図面は略図であり、それぞれの大きさの比率は現実のものとは異なることに留意されたい。それゆえ、具体的な大きさなどは以下の説明を考慮して判断すべきである。言うまでもなく、図面には相互の図面間で相互の大きさの関係性及び比率が異なる部分も含まれる。
【0024】
図1は、燃焼させることなくフレーバ及び/又は刺激剤を吸入するための器具である、非燃焼式エアロゾル生成装置100を示している。装置100は、非マウスピース端部102からマウスピース端部103に延びる本体101を有するロッド状の形状を有する。空気チャネル又は経路は、対向する端部102、103の間で本体101内に画定される。本例における装置100は、エアロゾル生成装置又はベイピング装置であり、以下では電子タバコ100と称される。電子タバコ100は、ユーザがマウスピース端部103を通して吸入するためのフレーバ又は刺激剤を放出するように、電子タバコ100内に収容されたエアロゾル源を気化させる又は加熱することによって機能する。電子タバコ100内のエアロゾル源は、好ましくは、タバコロッドなどの取り外し可能な消耗品を含み、ユーザは、加熱素子によって加熱され得る、本体101内に設けられた空洞内にこの取り外し可能な消耗品を配置し得る。温度センサも、本体101内の空洞に設けられ得る。かかる装置の構造及び動作は、当該技術分野において周知であり、当業者によって理解されるであろう。
【0025】
電子タバコ100はまた、電子タバコ100の電源の投入及び切断の少なくとも一方を行うよう構成され得る起動スイッチ104を含む。起動スイッチ104は、電子タバコ100の本体101の表面上の任意の好都合な位置に配置された押しボタン又はタッチボタンであり得る。スイッチ104はまた、振れセンサ、タッチスクリーン、生体認証センサ、音声認識ユニット、又はユーザからの入力を認識する他の任意のユニットを含み得る。
【0026】
電子タバコ100はまた、好ましくは本体101の内部に配置された、チップ又はタグの形態の、近距離無線通信(NFC)モジュール105を含む。電子タバコ100は、2つ以上のNFCタグ105を有し得、例えば、1つは電子タバコ100の本体101上に配置され、もう1つはカートリッジ上に配置される。
【0027】
電子タバコ100はまた、好ましくは、本体101の表面に配置された視覚的インジケータ106を含む。視覚的インジケータ106は、隣り合うLEDの細長いストリップの形態であり得る。同様に、他の光源、機械的インジケータ、LCDディスプレイ、音声エミッタ、振動ユニット、又は他の任意の構成のLED、例えば円形アレイのLEDなどの、任意のインジケータ又はフィードバック方法が使用され得る。LEDストリップ106は、LEDの複数のストリップを含み得、各ストリップは、任意選択的に、異なる色のLEDを有し得る。LEDストリップ106は、Bluetooth対応装置を求めるスキャンが行われていること、バッテリの充電レベルが低いこと、エラーが発生したこと、又は無線リンクを見つけ出すことができないことを示すなど、装置の任意のステータスを示すことができる。追加的に、LEDストリップ106は、予熱の進行状況、スキャンの進行状況、又は充電の進行状況などの、連続動作の進行状況を示すことができる。これは、1つ又は複数のLEDをオン又はオフにすること、特定の色のLEDをオン又はオフにすること、或いは装置のステータスをユーザに都合よく通知するLEDのそのような任意の便利な選択によって達成され得る。バッテリ残量又は残りのエアロゾル形成基材などの、装置の残りの利用可能な資源については、ストリップ内の多数の連続したLEDを比例的に又は別の方法で相応にオン又はオフにすることによって、LEDストリップ106を使用してユーザに伝達され得る。上記で説明したような任意の動作の進行状況も、このようにして示され得る。代替的又は追加的に、情報は、1つ又は複数のLEDの輝度を変えることによって、又は所定の周波数でLEDを点滅させることによって、ユーザに伝達され得る。
【0028】
図2は、電子タバコ又は装置100の様々なコンポーネントを示している。電子タバコ100は、消耗品モジュール201aと、ユーザが吸入するためのフレーバ及び/又は刺激剤を含むエアロゾルを放出するように、消耗品モジュール201a内に配置された消耗品201b又はカートリッジを気化させるために昇温する加熱素子202とを含む。本例において、消耗品201bは、ニコチンを含有する物質である。消耗品201bは、固体又は液体の形態であり得、加熱素子202によって加熱されて、燃焼することなくエアロゾルを放出する。加熱素子202は、電源203によって電力を供給され得る。電源203は、例えば、リチウムイオン電池である。電源203は、電子タバコ100の動作に必要な電力を供給する。例えば、電源203は、電子タバコ100に含まれる他の全てのコンポーネント又はモジュールに電力を供給する。代替例では、加熱素子は、液体の形態である消耗品内に配置される。
【0029】
消耗品201bは、消耗品201bを保持する消耗品モジュール201aを越えてマウスピース端部103の側に設けられた追加のフレーバ源(図示せず)を含み得、消耗品201bから生成されたエアロゾルと共にユーザによって吸入されるフレーバを生成する。使用できるフレーバ源の例としては、刻みタバコ、粒状に成形されたタバコ原料を含む成形体、シート状に成形されたタバコ原料を含む成形体が挙げられる。フレーバ源は、タバコを除く、ミント又はハーブなどの植物を含み得る。メンソールなどのフレーバは、フレーバ源に添加され得る。
【0030】
電子タバコ100はまた、非接触型決済インターフェースを含み得る、第1の通信モジュールを含む。本例では、非接触型決済インターフェースは、上記で説明したように、NFCモジュール105である。NFCモジュール105を介して、電子タバコ100は、他の任意のNFC対応装置と通信することができる。好ましくは、本発明におけるNFCモジュール105は、販売者から製品又はサービスを購入する目的で電子タバコ100を使用して非接触型決済を行うために使用される。このことは、図3及び図4を参照して、以下で更に詳細に説明する。
【0031】
電子タバコ100は、好ましくはBluetoothモジュール204である、第2の通信モジュールを更に含む。典型的にはチップ又はタグの形態である、Bluetoothモジュール204は、電子タバコ100の本体101内の任意の場所に配置することができる。Bluetoothモジュール204を使用して、電子タバコ100は、スマートフォンなどの別のBluetooth対応装置との近距離の安全な通信を確立することができる。このことは、図3及び図4を参照して、以下で更に詳細に説明する。第2の通信モジュール204はまた、Wi-Fi、3G、4G、5Gなどの既知の長距離プロトコルのうちの1つを使用して通信を行うことも可能性であり得ることに留意されたい。
【0032】
電子タバコ100はまた、電子タバコ内の様々なモジュール又はコンポーネントを制御するよう構成されるコントローラ205を含む。コントローラ205はまた、NFCモジュール105及びBluetoothモジュール204によって取り込まれたデータを処理し得る。
【0033】
電子タバコ100は、メモリ206と、追加の可視光発光素子、ディスプレイ、及び音声エミッタなどの他のモジュール207とを含み得る。メモリ206は、ベイピング使用履歴並びにユーザ設定及び好みなどの情報だけでなく、装置ID、消耗品ID、及び様々なセンサから受信したデータも記憶するように構成される。LEDなどの可視光発光素子は、非マウスピース端部102の先端に配置され得る。かかるLEDは、エアロゾルが吸入されているパフ状態における第1の発光モードと、エアロゾルが吸入されていない非パフ状態における、第1の発光モードとは異なる第2の発光モードを呈し得る。ここでは、発光モードは、発光素子の光量、点灯状態にある発光素子の数、発光素子の色、発光素子の点灯及び発光素子の非点灯を繰り返す周期などの、パラメータの組み合わせによって定義される。異なる発光モードとは、上記パラメータの少なくともいずれか1つが異なることを意味する。
【0034】
図3は、電子タバコ100と、相互接続された他の様々なエンティティとを含むシステム300を示している。システム300は、電子タバコ100のユーザによって所有される、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、又は装着可能な小型機器であり得る、パーソナルコンピューティング装置301を含む。電子タバコ100は、Bluetoothモジュール204を介して装置301に接続可能である。簡略化するために、パーソナルコンピューティング装置301は、以下ではスマートフォン301と称される。電子タバコ100をスマートフォン301に接続するために、ユーザは、好ましくは、電子タバコ100上のスイッチ104を設定時間にわたって又は所定の回数押す。これにより、Bluetoothモジュール204が起動され、次いで、Bluetoothモジュール204は、近傍の装置からのBluetooth信号を求めてスキャンする。スマートフォン301のBluetoothインターフェースが有効にされて発見可能モードにある場合、電子タバコ100は、スマートフォン301を見つけ出し、スマートフォン301に電子タバコ100と接続又はペアリングするように要求する。スマートフォン301のユーザが電子タバコ100からの要求を受け入れると、両装置がペアリングされる。代替的に、このペアリング動作をスマートフォン301に対して開始又は要求することができ、ユーザは、電子タバコ100を操作し、電子タバコ100とスマートフォン301とのペアリングを容認して完了する。電子タバコ100は、好ましくは、スマートフォン301がBluetooth圏内にあるときはいつでもスマートフォン301に自動的に接続できるように、スマートフォン301のMACアドレスなどの装置IDをメモリ206に記憶する。電子タバコ100は、スマートフォン301とのBluetooth接続を定期的にチェックし得る。スマートフォン301は、ユーザが電子タバコ100の機能を監視し制御できるアプリケーション(アプリ)を実行し得る。
【0035】
システム300は、販売者直販店内の又は自動販売機に配置されたNFC対応の販売時点情報管理(POS)端末であり得る、販売者端末303を更に含む。販売者端末303は、販売者端末303が電子タバコ100と通信できる電子タバコ100内のNFCモジュール105と同様のNFCタグなどの販売者決済インターフェースを有する。当該技術分野で知られているように、NFC通信では、装置は、通信できるように互いに非常に近接していなければならない。本発明では、ユーザは、電子タバコ100を使用して、販売者直販店又は自動販売機において製品又はサービスの代金を支払う。そうするために、ユーザは、電子タバコ100を販売者端末303に十分に近づけ、スイッチ104を押して又は電子タバコ100を振って、NFCモジュール105が販売者端末303上のNFCタグと通信できるようにし得る。電子タバコ100は、取引金額、販売者IDなどのデータを販売者端末303から受信し、2つの装置間に確立されたBluetooth接続を介してこのデータをスマートフォン301に渡す。コントローラ205は、そのようなデータの転送を容易にし得る。
【0036】
販売者端末303はまた、電子タバコ100に関連付けられた固有の装置識別子又は装置IDと、カートリッジ201bに関連付けられたカートリッジ固有識別子又は消耗品IDとを読み取るための手段を含み得る。
【0037】
システム300はまた、実質的に、ユーザが口座を保有する銀行の発行者サーバである、金融クリアリングハウス304を含む。金融クリアリングハウス304は、販売者端末303によって金融クリアリングハウス304に渡されたユーザの詳細を検証して、決済を承認することができる。簡略化するために、金融クリアリングハウス304は、以下では発行者304と称される。
【0038】
システム300は、販売者端末303に通信可能に接続された、電子タバコサーバ305を更に含む。電子タバコサーバ305は、電子タバコ100の製造業者によって又は電子タバコ100の製造業者により許可された信頼できる第三者によって運営及び管理されるリモートサーバである。電子タバコサーバ305はまた、電子タバコ100とスマートフォン301とに通信可能に接続され得る。電子タバコサーバ305は、電子タバコ100及び/又は電子タバコ100に接続されたスマートフォン301並びに販売者端末303を介して、ユーザがアクセスできるものとすることができる。場合により、電子タバコサーバ305は、サービスが要求されている電子タバコ100の調整可能な動作設定を決定することができる。いくつかの実施形態では、電子タバコサーバ305は、電子タバコ100のブランド及び/若しくはモデル又は例えばその識別子などの他の任意の装置特性のみを使用して、エアロゾルの放出組成を決定することができる。この場合、電子タバコサーバ305は、例えば、電子タバコ100のこのブランド及び/若しくはモデル又は他の任意の装置特性に関する放出試験報告書にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、電子タバコサーバ305は、以下で説明するように、装置及びカートリッジ情報を記憶することができる。電子タバコサーバ305はまた、ユーザの個人データ、例えば、ユーザのID、ユーザ識別子、年齢、写真、所在地、好み、許可されたユーザのリストなどを記憶し得る。
【0039】
システム300における様々なエンティティは、好ましくは、ネットワーク306を通じて接続される。ネットワーク306は、インターネットなどの公衆ネットワークであり得る。システム300での一部の通信は、電子タバコサーバ305と発行者304との間などの、安全なプライベートリンクを通じて行われ得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、装置IDは、番号又は一連の英数字又は他の任意の形式の識別情報を指すことがあり、電子タバコ100などの各エアロゾル生成装置を好ましくは固有の方法で識別することを可能にする、装置固有識別子である。装置IDは、例えば、各エアロゾル生成装置の製造又は購入中に各エアロゾル生成装置に帰属させることができる。場合により、装置IDは、製品シリアル番号と一致する可能性がある。
【0041】
本明細書で使用される場合、消耗品IDという用語は、番号又は一連の英数字又は他の任意の形式の識別情報であり得、カートリッジ201bなどの各カートリッジを固有の方法で識別し認証することを可能にする、カートリッジ固有識別子である。消耗品IDは、例えば、各カートリッジの製造又は購入中に各カートリッジに帰属させることができる。場合により、消耗品IDは、製品シリアル番号と一致する可能性がある。いくつかの実施形態では、消耗品IDは、カートリッジ内に貯蔵された前駆体及び/又はその組成物の性質を決定することを可能にする。
【0042】
ディレクトリサーバ、トークン化プラットフォーム、販売者の銀行などの他のエンティティもシステム300に存在し得ることが、当業者によって理解されるであろう。その上、システム300におけるエンティティは、有線回線を通じて又は無線で互いに通信し得る。システム300はまた、オンラインバンキングシステムにおいて十分に確立された既知のセキュリティプロトコル及び基準に準拠している。
【0043】
図4は、エアロゾル生成装置又は電子タバコ100を使用して非接触型決済を行う方法を示している。ステップ601において、エアロゾル生成装置が起動される。本例では、ユーザは、スイッチ104を1回押して電子タバコ100の電源を投入する。視覚的インジケータ106は、電子タバコ100の起動を示すために点灯し得る。この時点で、電子タバコ100は、好ましくは、ベイピングのために(例えばヒータをオンにすることによって)起動されるのではなく、単にNFCモジュール105及びBluetoothモジュール204をオンにするために起動される。むしろ、電子タバコ100は、装置を振ることによって又は音声指令を通じて起動され得る。加えて、ユーザは、スイッチ104上に配置された指紋センサを用いて自分の指紋をスキャンすることなどによる生体認証を用いて認証され得る。
【0044】
ステップ402において、販売者端末との無線通信(例えば、NFC通信)を確立する。この無線通信の確立は、例えば、装置を非接触型決済インターフェースに非常に近接させたときに、達成することができる。本例では、ユーザは、販売者(例えば、店内の店員)に要求するか又は自動販売機(例えば、駅にある自動券売機)で選択を行い、販売者端末303を使用して決済プロセスを開始する。例えば、ユーザは、電子タバコ販売者直販店において電子タバコ100と適合性のある消耗品の特定のフレーバを要求し選択し得る。次いで、ユーザは、電子タバコ100を販売者端末303に非常に近接させて、NFC接続を確立する。
【0045】
ステップ403において、決済インターフェースから信号を受信したかどうかが判定される。本例では、通常時には、電子タバコ100内のNFCモジュール105は、販売者端末303におけるNFCタグを検出し、その逆も然りである。販売者端末303は、確立されたNFC接続を介して、電子タバコ100からユーザの決済認証情報を求める信号を電子タバコ100に送信する。信号が電子タバコ100によって受信されない場合には、ユーザは、接続を確立するために、装置を販売者端末602に更に近づける必要があることがある。
【0046】
ステップ404において、エアロゾル生成装置がユーザの電子装置を検出できるかどうかが判定される。本例では、販売者端末303から信号を受信すると、コントローラ205は、Bluetoothモジュール204によって電子タバコ100の近傍にあるBluetooth対応装置を求めてスキャンし、スマートフォン301が電子タバコ100の近傍にあるかどうかを判定する。スマートフォン301が以前に認証されて電子タバコ100に接続されたことがある場合、電子タバコ100は、メモリ206に記憶されたスマートフォン301のMACアドレスと一致する。電子タバコ100はまた、スマートフォン301との接続を迅速に確立し得る。しかしながら、スマートフォン301との接続又は通信の確立は任意選択である。以前に認証されたスマートフォン301が電子タバコ100の近傍にあることを電子タバコ100が検出できる限り、プロセスはステップ606に進む。しかしながら、電子タバコ100は、スマートフォン301を検出してユーザを認証できない場合には、ステップ605に進む。ステップ405において、取引が拒否される。本例では、電子タバコ100は、スマートフォン301の検出に失敗すると、ユーザを認証することができない。販売者端末303は、決済認証情報を受信するために設定時間にわたって(通常は数秒)待機し、その後、取引を中止する。
【0047】
ステップ406において、エアロゾル生成装置の識別情報が販売者端末に送信される。本例では、スマートフォン301を検出すると、電子タバコ100は、その装置IDを販売者端末303に送信する。コントローラ205は、NFCモジュール105を介しての販売者端末303への装置IDの送信を容易にし得る。
【0048】
ステップ407において、装置識別情報がサーバに転送される。本例では、販売者端末303は、電子タバコ100から装置IDを受信した後に、装置IDを電子タバコサーバ305に送信する。電子タバコサーバ305は、ユーザ名、年齢、それぞれの装置IDを有する登録済みのベイピング装置(1つ又は複数)、登録済みの決済方法(例えば、クレジットカード情報)などを含むユーザのユーザプロファイルを記憶する。
【0049】
ステップ408において、ユーザの決済認証情報が、装置識別情報を使用してサーバから読み出される。本例では、電子タバコサーバ305は、電子タバコサーバ305に登録された全てのユーザのデータベースを維持し、決済認証情報を含むユーザのユーザプロファイルを安全に記憶する。電子タバコサーバ305は、データベース内の関連するユーザの装置IDを検索し、装置IDに関連付けられた登録済みのクレジットカード情報などのユーザの決済認証情報を読み出す。かかるデータベース500の例は図5に示されている。
【0050】
データベース500には、電子タバコサーバ305に登録された各ユーザのプロファイルが記憶される。各ユーザプロファイルには、ユーザ名、関連する電子タバコ装置ID、決済認証情報、ベイピング履歴、自宅の住所などの情報が記憶される。例えば、データベース500の2行目には、3つの電子タバコIDがプロファイルに関連付けられ、Visaクレジットカードがプロファイルにリンクされ、且つ自宅の住所がデータベースに記憶された、Timと呼ばれるユーザのプロファイルが記憶されている。電子タバコサーバ305は、ユーザを認証した後に、ユーザが、データベース500に記憶されたプロファイルを編集するか又はプロファイルに追加することを可能にし得る。データベース500に示されているフィールドは非限定的であり、当業者に既知であるデータベースには更に多くのフィールドが存在し得ることを理解されたい。
【0051】
ステップ409において、決済認証情報が金融クリアリングハウスに送信される。本例では、電子タバコサーバ305は、決済を処理するために、ユーザの読み出された決済認証情報を販売者端末303に返送し、次いで、販売者端末303は、受信した決済認証情報を発行者304に転送する。代替的に、電子タバコサーバ305は、決済を処理するために、ユーザの読み出された決済認証情報を発行者304に直接送信する。電子タバコサーバ305は、好ましくは、オンライン詐欺のリスクを最小限に抑えるために、安全な回線を通じて決済認証情報を発行者304に送信する。
【0052】
ステップ410において、金融クリアリングハウスから承認が受信される。本例では、発行者304は、決済を承認するために、電子タバコサーバ305から受信した決済認証情報を検証する。発行者304が決済に確信が持てない場合、発行者304は、ワンタイムパスワード(OTP)をスマートフォン301に送信するか又はスマートフォン301上の銀行アプリによって取引を確認するようにユーザに求めるなどの、1つ又は複数の既知の方法を使用してユーザを認証し得る。発行者304が取引に自信があり、ユーザの口座に十分な資金がある場合、発行者304は、決済を承認して、確認情報を電子タバコサーバ305に送信し、次に、電子タバコサーバ305が、確認信号を販売者端末303に送信する。確認情報を受信した時点で、販売者端末303は、決済承認済みメッセージを販売者用の販売者端末303の画面に表示し得る。ユーザはまた、スマートフォン301を介して発行者304から直接確認応答を受信し得る。この確認応答は、銀行アプリの更新の形式又は発行者304からのスマートフォン301上のテキストの形式であり得る。
【0053】
しかしながら、検証が失敗したか又はユーザの口座に十分な資金がない場合、発行者304は取引を拒否し、取引の拒否はまた、上記と同じ方法で販売者端末303に通信される。
【0054】
上記で説明した方法では、電子タバコ100は、販売者端末303との決済プロセスを開始するための非接触型決済装置として使用される。しかしながら、電子タバコ100は、電子タバコサーバ305を介して決済を更に処理するために、ユーザのスマートフォン301を使用してユーザを認証し、装置IDを販売者端末に送信する。次いで、電子タバコサーバ305は、装置IDを使用してユーザの決済認証情報を読み出し、発行者304との決済プロセスを完了する。電子タバコ100は、スマートフォン301を検出しなければ決済を行うことができず、したがって、決済プロセスをより安全にする。その上、電子タバコ100はユーザの決済認証情報を記憶しないので、決済を行うために電子タバコ100を使用することに関するデータセキュリティの問題はない。本発明のエアロゾル生成装置100は、販売者端末303とスマートフォン301との間の仲介決済開始装置としての機能を果たすことによって、オンライン取引を複雑にせずに又はオンライン取引のセキュリティを損なわずに、利便性と使い勝手の向上とをもたらす。
【0055】
代替的な実施形態では、スマートフォン301は、ユーザの決済認証情報を記憶し、販売者端末303と発行者304との間の決済処理を可能にする。このような実施形態では、電子タバコ100は、NFCを使用して販売者端末303と接続し、販売者端末303からの受信信号をスマートフォン301に送信する。電子タバコ100は、Bluetooth接続を使用してスマートフォン301からユーザの決済認証情報を受信し、受信した決済認証情報を販売者端末303にNFCを使用して送信する。次いで、販売者端末303は、決済を処理するために発行者304の決済認証情報を送信する。したがって、決済は、スマートフォン301を使用して行われるが、更なるセキュリティのための仲介手段としての電子タバコ100を介して行われる。
【0056】
図6は、電子タバコサーバ305における様々なコンポーネントのブロック図を示している。電子タバコサーバ305は、装置IDと消耗品IDとを関連付けるなどの様々な命令を実行するための1つ又は複数の処理ユニットを含み得るプロセッサ301と、かかる命令及び他の情報を記憶するメモリ602とを含む。メモリ602は、限定されるものではないが、ダイナミックRAM(DRAM)又はスタティックRAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び不揮発性RAM(NVRAM)を含み得る。上記のメモリの種類は、例示的なものにすぎず、したがって、コンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリの種類について限定するものではない。
【0057】
メモリ602は、ユーザID、装置ID、消耗品IDなどの装置及びユーザ情報を記憶するデータベース500を含む。データベース500をリモートサーバ305に統合することができ、又はデータベース500は、リモートサーバ305の外部にあるものとすることができ、且つ遠隔に位置することができる。例えば、リモートサーバ305は、1つ又は複数のハードディスクドライブを記憶装置として含み得る。
【0058】
プロセッサ601は、リモートサーバ305が、スマートフォン301及び販売者端末303などのシステム300の他の装置と通信することが可能であるように、通信インターフェース604に動作可能に結合される。例えば、通信インターフェース604は、システム300との関連での電子タバコサーバ305の機能に応じて、ネットワーク306を通じてシステム300の別の構成要素からの通信を受信し得る。
【0059】
図7は、システム300において実行される本発明の別の態様による方法についてのフロー図700を示している。全てのステップが図600に示されているわけではなく、ステップが必ずしも図示の順序で行われるとは限らないことに留意されたい。
【0060】
ステップ701において、消耗品IDに関連付けられた消耗品は、装置IDに関連付けられたエアロゾル生成装置で使用するために第1のエンティティから入手される。本例では、ユーザは、カートリッジ201bなどの消耗品を電子タバコ100で使用する。電子タバコ100で使用されているカートリッジが使い果たされたか又は予備のカートリッジが必要であるときに、ユーザは、かかるカートリッジの販売を許可された販売者から新たなカートリッジを購入し得る。ユーザは、上記で説明したように、販売者店舗に足を踏み入れ、電子タバコ100を決済装置として使用して、カートリッジ201bなどの新たなカートリッジを購入し得る。ユーザが電子タバコ100を販売者端末303に非常に近接させたときに、販売者端末303におけるNFCリーダが、電子タバコ100内のNFCモジュールと協働又は通信し、非接触型決済技術を使用して決済を開始する。販売者端末303は、販売者店舗内の販売時点情報管理(PoS)端末又は任意の公共空間に位置する自動販売機であり得ることに留意されたい。
【0061】
電子タバコ100は、装置識別子(装置ID)を販売者端末303に提供するように構成された装置識別素子を更に含み得る。識別素子は、電子タバコ100に一体化されるか又は電子タバコ100の本体の外表面に配置され得る。識別素子が電子タバコ100に一体化される場合、この素子は、装置IDを記憶するメモリを含むチップであって、例えばNFCのような、既知の近距離通信プロトコルを使用してこの識別子を伝送するために、販売者端末303などの、外部装置と通信できるチップによって形成することができる。識別素子が電子タバコ100の本体の外表面に配置される場合には、識別素子は、例えば装置IDを暗号化したQRコード(登録商標)又はバーコードを含むラベルによって形成することができる。変形例では、装置識別子は、例えば英数字を使用してラベルに書き込まれる。
【0062】
カートリッジ201bはまた、カートリッジ固有識別子又は消耗品IDを提供するように構成されたカートリッジ識別素子を含み得る。電子タバコ100用の装置識別素子と同じように、カートリッジ識別素子は、例えばNFCのような、既知の近距離通信プロトコルを使用してこの識別子を伝送するために外部装置と通信できるように、消耗品IDを記憶するメモリを含むチップによって形成することができる。他の実施形態によれば、カートリッジ識別素子は、例えば消耗品IDを暗号化したQRコード又はバーコードを含むラベルによって形成することができる。変形例では、消耗品IDは、例えば英数字を使用してラベルに書き込まれる。
【0063】
カートリッジ識別素子によって提供された消耗品IDは、識別手段を使用して読み取られ得る。これらの識別手段は、素子の性質に応じて、写真/ビデオカメラ及び/又はRFリーダ及び/又は光学リーダ及び/又は機械的接触面/電子接触面を含む。場合により、そのような識別手段は、消耗品IDを消耗品モジュール201aによって読み取ることができるように、電子タバコ100に一体化させることができる。いくつかの他の実施形態では、識別手段は、電子タバコ100に関連付けられた、スマートフォン301などの、携帯機器に、又は販売者端末303などの他の任意の外部装置に一体化させることができる。
【0064】
ステップ702において、装置ID及び消耗品IDは、第1のエンティティから、装置IDと消耗品IDとを関連付けて記憶する第2のエンティティに送信される。本例では、電子タバコ100を使用してカートリッジ201bを購入すると、販売者端末303は、電子タバコ100から装置IDを読み取るとともに、カートリッジ201bから消耗品IDを読み取る。電子タバコ100を使用して決済が行われない場合でも、販売者は依然として、販売者端末303又は別のスキャン端末で電子タバコ100をスキャンして装置IDを読み取るようにユーザに要求し得る。取引が確認された時点で、販売者端末303は、装置ID及び消耗品IDを電子タバコサーバ305に送信する。次いで、電子タバコサーバ305は、装置IDと消耗品IDとを関連付けてデータベース500にまとめて記憶する。消耗品又はカートリッジ201bは、多くの個別のカートリッジ又はスティックを含むパッケージで購入され得ることに留意されたい。
【0065】
ステップ703において、消耗品を認証するために消耗品IDが検証される。本例では、電子タバコ100で使用するために、すなわち、カートリッジ201bが偽造品ではなく、消費に適していることを確認するために、カートリッジ201bについての検証がなされる。これは、以下で説明するように、多くの方法で行われ得る。
【0066】
第1の実施形態では、ユーザは、多くのカートリッジを含むパッケージでカートリッジ201bを購入し、消耗品ID又はパックIDは、例えば、バーコード又はQRコードの形態でパッケージ上に設けられている。代替的に、消耗品ID又はパックIDは、販売者端末303によって電子タバコ100に直接送信され得る。この消耗品ID又はパックIDは、電子タバコ100によって記憶される。後に、ユーザが、購入したカートリッジ201bを電子タバコ100で使用する必要があるときに、カートリッジ201bが真正であるかどうかを判定するために、消耗品IDが電子タバコ100によって読み取られ、使用のために電子タバコ100を起動するか又はそのロックを解除するために、消耗品IDが使用される。データが読み取られた時点で、電子タバコ100に記憶された消耗品IDは、消耗品IDを1回しか使用できないように削除又は無効にされ得る。このように、無許可の関係者が、パックを使用して必ずしも許可されていないか又は安全でない消耗品を貯蔵することが阻止され、偽造の可能性が低減される。
【0067】
第2の実施形態では、販売者端末303は、パック内のカートリッジの数又はカートリッジの使用期間を示す情報を含むロック解除指令を送信する。電子タバコ100は、ベイピング消費を監視するために他のモジュール207に含まれる内部カウンタを有し、コントローラ205は、カートリッジ201bが使い果たされたと判定すると装置をロックする。例えば、ユーザが2つのパック(各パックが30個の個別のカートリッジを含む)を購入した場合、ロック解除指令が電子タバコ100に送信され、電子タバコ100での60個のカートリッジの使用を許可することを可能にする。これらの60個のカートリッジ全てが消費された後に、電子タバコ100は、装置を自動的にロックする。有利には、これにより、ユーザがカートリッジの購入時に装置を所有している場合を除き、無許可のユーザが電子タバコ100を使用することが防止される。この無許可のユーザによる使用の防止は、許可された販売者から購入した数のパックのみを電子タバコ100で使用することが許可されるので、偽造消耗品の使用を防止するのにも役立つ。
【0068】
第3の実施形態では、情報又はロック解除指令は、電子タバコ100に返送されない。購入時に、装置ID及び消耗品IDは、その関連付けをデータベース500に記憶するために、電子タバコサーバ305にのみ送信される。上記で説明したようにユーザが消耗品ID又はパックIDを用いて装置のロックを解除する度に、電子タバコ100は、消耗品の認証にかかわらず、消耗品ID又はパックIDをメモリ206の内部に記録及び記憶する。続いて、ユーザが電子タバコ100をスマートフォン301に接続すると、パフ記録及びベイピング履歴のみならず、装置、消費したカートリッジ又はパックに関する情報も電子タバコサーバ305にアップロードされる。次いで、電子タバコサーバ305は、アップロードされた装置及び消耗品情報を使用して、購入時にデータベース500に記憶された関連付け情報との比較を行う。換言すれば、電子タバコ100に記憶された装置ID及び消耗品IDは、電子タバコサーバ305に記憶された装置ID及び消耗品IDと比較される。この比較は、無許可のパック(例えば、販売者端末303から盗まれたパック、偽造IDを有する偽造パック)、無許可の装置(例えば、盗まれた電子タバコ)を識別するために、又は規制の目的で使用することができる。この場合、電子タバコサーバ305は、好ましくは、真正でない消耗品が電子タバコ100で使用されているという警告メッセージを電子タバコ100の所有者に送信する。
【0069】
例示の実施形態についての前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。開示した正確な形態に関して網羅的又は限定的であることは意図しておらず、修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であるか、又は開示した実施形態の実施によって得られ得る。
【0070】
主制御ユニット、又はコントローラによって実行される本明細書で説明した処理ステップは、主制御ユニットに関連付けられた、非一時的コンピュータ可読媒体、又は記憶装置に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むことができる。揮発性媒体は、特に、半導体メモリ及び動的メモリを含むことができる。不揮発性媒体は、特に、光学ディスク及び磁気ディスクを含むことができる。
【0071】
前述の説明での先行する実施形態は限定的なものではないことが、当業者には容易に理解されるであろう。各実施形態の特徴は、必要に応じて他の実施形態に組み込まれ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7