(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】液体加熱容器
(51)【国際特許分類】
A47J 31/043 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A47J31/043
(21)【出願番号】P 2022579914
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2020137076
(87)【国際公開番号】W WO2021258678
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202010579724.1
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021184948.4
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518198750
【氏名又は名称】ゼジアン シャオシン スーポア ドメスティック エレクトリカル アプライアンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェンミン メイ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第01895857(US,A)
【文献】米国特許第02275746(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/043
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体加熱容器であって、
ろ過部材(11)及び集水部材(12)が設けられたポット本体(1)であって、前記集水部材(12)が、導水部(121)によって、前記ろ過部材(11)に水が流れるようにガイド可能である、ポット本体(1)と、
前記ポット本体(1)に設けられ、前記ろ過部材(11)及び前記導水部(121)を遮断するために使用される封止アセンブリと、
前記封止アセンブリに伝動連結され、前記封止アセンブリによって、前記ろ過部材(11)及び前記導水部(121)の遮断状態を調整するために使用される調整機構と、
を備える、液体加熱容器。
【請求項2】
前記封止アセンブリは、第1の封止部材(111)を備え、
前記第1の封止部材(111)は、前記ろ過部材(11)の内側又は外側に設けられ、前記ろ過部材(11)を遮断するために使用され、
前記第1の封止部材(111)は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、前記ろ過部材(11)をそれぞれ開放及び遮断し、
前記調整機構は、前記第1の封止部材(111)を駆動して、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替えることが可能である、請求項1に記載の液体加熱容器。
【請求項3】
前記ろ過部材(11)は、前記第1の封止部材(111)に対応する側にのみ、ろ過孔が設けられる、請求項2に記載の液体加熱容器。
【請求項4】
前記封止アセンブリは、第2の封止部材(112)をさらに備え、
前記第2の封止部材(112)は、前記ろ過部材(11)の内部に設けられ、前記導水部(121)を遮断するために使用され、
前記第2の封止部材(112)は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、前記導水部(121)をそれぞれ開放及び遮断し、
前記調整機構は、前記第2の封止部材を駆動して、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替えることが可能である、請求項2又は請求項3に記載の液体加熱容器。
【請求項5】
前記導水部(121)は、部分的に前記ろ過部材(11)内に延在し、前記ろ過部材(11)内に延在する前記導水部(121)の端部は、流出口を形成し、
前記第2の封止部材が、前記第1の動作モードにあるとき、前記流出口を開放するように、前記流出口から離間して設けられ、
前記第2の封止部材(112)が、前記第2の動作モードにあるとき、前記流出口を遮断するように、前記流出口に部分的に挿入される、請求項4に記載の液体加熱容器。
【請求項6】
前記第1の封止部材(111)は、連結部材(112a)を介して、前記第2の封止部材(112)と接続され、
前記連結部材(112a)は、前記第1の封止部材(111)と前記第2の封止部材(112)とを同期して移動可能である、請求項4又は請求項5に記載の液体加熱容器。
【請求項7】
前記連結部材(112a)は、前記ろ過部材(11)に移動可能に挿入され、前記第1の封止部材(111)に接続された一端と、前記第2の封止部材(112)に接続された他端とを有し、
前記連結部材(112a)は、前記第1の封止部材(111)と前記第2の封止部材(112)とを同期して垂直方向に移動させるように上下動可能である、請求項6に記載の液体加熱容器。
【請求項8】
前記調整機構が、
ヒンジ軸を介して、蝶番状に設けられた回転アーム(2)であって、前記回転アーム(2)の一端が、前記封止アセンブリに伝動連結される接続端(21)であり、前記回転アーム(2)の他端が、移動端(22)である、回転アーム(2)と、
前記移動端(22)に伝動連結され、前記移動端(22)をヒンジ軸の周りに回転駆動して、前記封止アセンブリによる前記導水部(121)及び前記ろ過部材(11)の遮断状態を変更可能である、駆動部材(3)と、を備える、請求項4から7のいずれか一項に記載の液体加熱容器。
【請求項9】
前記回転アーム(2)は、第1の回転アーム(23)と、第2の回転アーム(24)と、を備え、前記第1の回転アーム(23)及び前記第2の回転アーム(24)は、それぞれ接続端(21)及び移動端(22)を有し、
前記駆動部材(3)は、第1の駆動部(31)と、第2の駆動部(32)と、を備え、
前記第1の駆動部(31)が、前記第1の回転アーム(23)の前記移動端(22)に伝動連結されるとともに、前記第2の駆動部(32)が、前記第2の回転アーム(24)の前記移動端(22)に伝動連結されており、
前記駆動部材(3)は、前記第1の回転アーム(23)と前記第2の回転アーム(24)とを別々に又は同時に駆動して、前記第1の封止部材(111)と前記第2の封止部材(112)とを別々に又は同時に上下動可能である、請求項8に記載の液体加熱容器。
【請求項10】
前記第2の回転アーム(24)は、昇降ロッド(241)を介して、前記第1の封止部材(111)と伝動連結され、前記昇降ロッド(241)は、スプリング(241a)を介して、前記ろ過部材(11)と伝動連結され、
前記第2の回転アーム(24)が前記昇降ロッド(241)を押圧していないとき、前記スプリング(241a)は、前記第1の封止部材(111)が、前記ろ過部材(11)を遮断するように、前記昇降ロッド(241)を上方に移動するように駆動可能である、請求項9に記載の液体加熱容器。
【請求項11】
前記回転アーム(2)は、前記移動端(22)に磁気吸着部材(221)を備え、
前記駆動部材(3)は、前記磁気吸着部材(221)に対応する電磁石として設けられ、前記電磁石は、電力が供給されると、前記磁気吸着部材(221)を吸着させて下方に移動し、前記回転アーム(2)を介して、前記接続端(21)を上方に移動するように駆動可能である、請求項8から10のいずれか一項に記載の液体加熱容器。
【請求項12】
前記液体加熱容器は、前記ポット本体(1)を覆うために使用される蓋体(4)をさらに備え、
前記回転アーム(2)は、ヒンジ軸を介した蝶番状で前記蓋体(4)に設けられ、
前記蓋体(4)と前記接続端(21)との間に、第1の圧縮バネ(41)が設けられ、
前記接続端(21)は、前記第2の封止部材(112)が常時、前記導水部(121)を遮断するように、前記第1の圧縮バネ(41)の作用で前記第2の封止部材(112)を下方に強く押圧可能である、請求項8から11のいずれか一項に記載の液体加熱容器。
【請求項13】
前記第2の封止部材(112)と、前記ろ過部材(11)との間に設けられる、第2の圧縮バネ(113)と、
前記駆動部材(3)が前記接続端(21)を駆動して上方に移動するとき、前記第2の封止部材(112)は、前記第2の圧縮バネ(113)の弾性力により上方に移動し、前記導水部(121)を開放可能である、請求項8から12のいずれか一項に記載の液体加熱容器。
【請求項14】
前記導水部(121)の端部は、前記ろ過部材(11)に移動可能に挿入され、
前記集水部材(12)と前記ろ過部材(11)との間に、第3の圧縮バネ(13)が設けられ、
前記第3の圧縮バネ(13)の一方の端部は、前記ろ過部材(11)と連結され、前記第3の圧縮バネ(13)の他方の端部は、前記導水部(121)と連結され、
前記集水部材(12)は、前記第3の圧縮バネ(13)の弾性力により、前記ポット本体(1)の底壁を下方に強固に押圧可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載の液体加熱容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、液体加熱用具の技術分野に関し、特に、液体加熱容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬膳ポットや煎じポットは、日常生活で比較的よく使われる液体加熱用具である。煎じポットを例に挙げると、従来技術における煎じポットは、一般に、ポット本体に茶葉を保持するためのろ過装置を備えている。利用時には、茶葉をろ過装置に入れ、水を加えて加熱することで、茶葉の煮込みを行うことができる。
【0003】
茶葉の種類によってお茶の入れ方が異なるため、先行技術におけるより高度な煎じポットの中には、ポット本体にサイフォン装置を設け、それによって、ポット本体内の水をろ過装置に導き、茶葉を抽出した後、再びポット本体に滴下させるものがある。しかし、このようなサイフォン効果を有する煎じポットは、一般に、お茶を入れるのに使用する場合、抽出機能しか発揮できず、水と茶葉が長時間接触する煮込み機能を発揮できないため、利用に一定の限界がある。煎じポットの中には、内部のろ過装置で、茶葉の抽出や茶葉の浸し機能を実現できるものがあるが、第1の組み立てモードで茶葉の抽出を行い、第2の組み立てモードで茶葉の浸しを行うために、分解及び組み立てが必要であるため、操作に比較的負担がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願発明は、上記に記載した煎じポットに存在する少なくとも一つの課題を解決するための液体加熱容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願によって提供される液体加熱容器は、ポット本体と、封止アセンブリと、調整機構と、を備え、
ろ過部材及び集水部材が、ポット本体に設けられており、集水部材は、導水部を用いて、ろ過部材に水が流れるようにガイド可能であり、
封止アセンブリは、ポット本体に設けられ、ろ過部材と導水部を遮断するために使用され、
調整機構が、封止アセンブリに伝動連結され、封止アセンブリによって、ろ過部材及び導水部の遮断状態を調整するために使用される。
【0006】
本明細書において、「要素Aが(は)、要素Bに伝動連結される」とは、要素A又は要素Bが駆動して動作を行うことができるように、要素Aが(は)、伝動機構を介して、要素Bと連結されることを意味する。
【0007】
液体加熱容器は、調整機構を介して、封止アセンブリによるろ過部材及び導水部の遮断状態を柔軟に調整することができるので、茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らしなどの多機能を発揮することができる。したがって、従来技術における煎じポットは、煮込み、蒸らし、抽出の機能を同時に有していないという問題点が解決される。
【0008】
可能な設計では、封止アセンブリは、第1の封止部材を含み、
第1の封止部材は、ろ過部材の内側又は外側に設けられ、ろ過部材を遮断するために使用され、
第1の封止部材は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、ろ過部材をそれぞれ開放及び遮断し、
調整機構は、第1の封止部材を駆動して、第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替えることが可能である。
【0009】
第1の封止部材をろ過部材の外側又は内側に設け、導水部の導水状態に基づき、調整機構を介して、第1の封止部材によるろ過部材の遮断状態を柔軟に調整することにより、液体加熱容器が、茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らし、茶葉の密封保存などの多機能を発揮することができる。液体加熱容器の利用範囲がさらに広がる。
【0010】
可能な設計では、ろ過部材は、第1の封止部材に対応する側にのみ、ろ過孔が設けられる。
【0011】
上記のようなろ過孔の設け方は、構造的に簡単であり、第1の封止部材による、ろ過部材の遮断又は開放が容易であるという利点がある。
【0012】
可能な設計では、封止アセンブリは、第2の封止部材をさらに備え、
第2の封止部材は、ろ過部材の内側に設けられ、導水部を遮断するために使用され、
第2の封止部材は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、導水部をそれぞれ開放及び遮断し、
調整機構は、第2の封止部材を駆動して、第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替えることが可能である。
【0013】
また、第2の封止部材によって導水部を遮断し、調整機構が第2の封止部材を駆動して、第2の封止部材による導水部の遮断状態を変更可能であることにより、導水部がポット本体内の水をろ過部材にガイドするか否かを調整でき、構造的に簡単で、導水部によるろ過部材への導水状態の制御が容易になるという利点を有する。
【0014】
可能な設計では、導水部は部分的にろ過部材の中に延在し、ろ過部材の中に延在する導水部の端部は流出口を形成し、
第2の封止部材が、第1の動作モードにあるとき、流出口を開放するように、流出口から離間して設けられ、
第2の封止部材が、第2の動作モードにあるとき、流出口を遮断するように、流出口に部分的に挿入される。
【0015】
上記のような導水部及び第2の封止部材の設け方は、構造的に簡単であり、第2の封止部材による導水部の遮断又は開放が容易であるという利点がある。
【0016】
可能な設計では、第1の封止部材は、連結部材を介して、第2の封止部材と接続され、
連結部材は、第1の封止部材と第2の封止部材とを同期して移動させることが可能である。
【0017】
上記の連結部材を設けることにより、第1の封止部材又は第2の封止部材を駆動するだけで、第1の封止部材と第2の封止部材とを同期して移動させることが可能であるので、駆動装置を簡略化でき、茶葉の抽出状態と茶葉の浸し状態との間の液体加熱容器の切り替えが容易になるという利点がある。
【0018】
可能な設計では、連結部材は、ろ過部材に移動可能に挿入され、第1の封止部材と接続された一端と、第2の封止部材と接続された他端とを有し、
連結部材は、第1の封止部材と第2の封止部材とを同期して垂直方向に移動させるように垂直方向に移動可能である。
【0019】
連結部材を設ける方法は、構造的に簡単で、接続が安定し、ろ過部材に位置限定的に取り付けられ、垂直方向に移動可能であるという利点を有する。
【0020】
可能な設計では、調整機構は、回転アームと駆動部材から構成され、
回転アームは、ヒンジ軸を介して、蝶番状に設けられ、回転アームの一端が、封止アセンブリに伝動連結される接続端であり、回転アームの他端は、移動端であり、
駆動部材が、移動端に伝動連結され、移動端をヒンジ軸周りに回転駆動して、封止アセンブリによる導水部及びろ過部材の遮断状態を変更させることが可能である。
【0021】
回転アーム及び駆動部材として調整機構を設けることは、構造的に簡単であり、調整機構を介して、封止アセンブリによる導水部及びろ過部材の遮断状態を柔軟に変更することができるという利点を有する。
【0022】
可能な設計では、回転アームは、第1の回転アームと第2の回転アームとから構成され、
第1の回転アームと第2の回転アームは、それぞれ接続端と移動端を有し、
駆動部材は、第1の駆動部と第2の駆動部とから構成され、
第1の駆動部が、第1の回転アームの移動端に伝動連結され、第2の駆動部が、第2の回転アームの移動端に伝動連結されており、
駆動部材は、第1の回転アームと第2の回転アームとを別々に又は同時に駆動して、第1の封止部材と第2の封止部材とを別々に又は同時に上下動させることが可能である。
【0023】
上記のような具体的な調整機構の設け方により、第1の封止部材と第2の封止部材とを別々に又は同時に上下動させることができるので、液体加熱容器に、茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らしなどの多機能を持たせることができるようになる。
【0024】
可能な設計では、第2の回転アームは、昇降ロッドを介して、第1の封止部材と伝動連結され、昇降ロッドは、スプリングを介してろ過部材と伝動連結され、
第2の回転アームが、昇降ロッドを押圧していないとき、スプリングは、第1の封止部材がろ過部材を遮断するように、昇降ロッドを上方に移動するように駆動することが可能である。
【0025】
上記の昇降ロッド及びスプリングを設けることにより、第2の回転アームの接続端が昇降ロッドと直接連結されていなくても、第2の回転アームの接続端が上方に移動すると、第1の封止部材が依然として上方に移動できるため、連結構造を簡略化でき、第1の封止部材によるろ過部材の遮断が容易になるという利点を有する。
【0026】
可能な設計では、回転アームは、移動端に磁気吸着部材を備え、
駆動部材は、磁気吸着部材に対応する電磁石として設けられ、電磁石は、電力が供給されると、磁気吸着部材を吸着させて下方に移動し、回転アームを介して、接続端を上方に移動するように駆動することができる。
【0027】
上記の電磁石及び磁気吸着部材により、回転アームを非接触で回転駆動することが可能となり、構造的に簡単で、操作が容易で、非接触伝動を実現できるという利点を有する。
【0028】
可能な設計では、液体加熱容器は、ポット本体を覆うために使用される蓋体をさらに備え、
回転アームは、ヒンジ軸を介したヒンジによって蓋体に、蝶番状に設けられ、
蓋体と接続端との間に、第1の圧縮バネが設けられ、
接続端は、第1の圧縮バネの作用で第2の封止部材を下方に強く押圧し、第2の封止部材が通常、導水部を遮断することができる。
【0029】
蓋体に回転アームを設けることにより、回転アームを蓋体とともにポット本体から柔軟に分解して取り外すことができ、蓋体と回転アームの接続端との間に、第1の圧縮バネを設けることにより、第2の封止部材が導水部を常時遮断することができる。
【0030】
可能な設計では、第2の圧縮バネは、第2の封止部材とろ過部材との間に設けられ、
駆動部材が接続端を上方に移動させるとき、第2の封止部材は、第2の圧縮バネの弾性力により上方に移動し、導水部を開放することができる。
【0031】
上記の第2の圧縮バネを設けることにより、駆動部材の接続端と第2の封止部材とを直接連結する必要がない。駆動部材の接続端が、第2の封止部材を押圧しなくなる限り、第2の封止部材は導水部を開放することができるので、連結構造を簡略化できるとともに、第2の封止部材による導水部の開放を容易にすることができる利点がある。
【0032】
可能な設計では、導水部の端部は、ろ過部材に移動可能に挿入され、
集水部材とろ過部材との間に、第3の圧縮バネが設けられ、
第3の圧縮バネの一方の端部は、ろ過部材と連結され、第3の圧縮バネの他方の端部は、導水部と連結され、
集水部材は、第3の圧縮バネの弾性力により、ポット本体の底壁を下方に強固に押圧可能である。
【0033】
上記の第3の圧縮ばねを設けることにより、集水部材をポット本体に装着した際に、集水部材がポット本体の底壁を強固に押圧することができる。したがって、サイフォン効果を利用して、ポット本体の底部の水を、導水部を介して、ろ過部材に上向きに流入させることができる。
【0034】
本願によって提供される液体加熱容器では、利用中、封止アセンブリが導水部及びろ過部材を同時に開放するとき、液体加熱容器は、茶葉を洗浄する機能、又は、茶葉を抽出する機能を果たすことができ、封止アセンブリが導水部を開放する一方、ろ過部材を遮断するとき、液体加熱容器は、茶葉を蒸す機能を果たすことができ、封止アセンブリが導水部を遮断する一方、ろ過部材を開放するとき、液体加熱容器は、茶葉をろ過する機能、及び、茶葉を蒸らす機能を果たすことができ、封止アセンブリが導水部及びろ過部材を同時に遮断するとき、液体加熱容器は、ろ過部材内の茶葉を完全に分離することができる。
【0035】
本願発明が提供する液体加熱容器は、従来技術における液体加熱容器と比較して、調整機構により、封止アセンブリによるろ過部材と導水部の遮断状態を柔軟に調整できるため、茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らしなどの多機能を行うことができる。したがって、先行技術における煎じポットは、煮込み、浸し、抽出の機能を同時に行うことができないという問題点がある。
【0036】
本願の実施形態の他の特徴及び利点は、以下の説明で述べられ、部分的に説明から明らかになるか、または本願の実施形態を実施することによって理解される。本願発明の実施形態の目的及び他の利点は、説明及び添付図面に規定された構造によって達成及び獲得される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本願発明の実施形態によって提供される液体加熱容器の縦断面図である。
【
図2】
図2は、本願発明の実施形態によって提供される液体加熱容器の断面図であり、封止アセンブリ及び調整機構が、抽出機能に対応する状態にある。
【
図3】
図3は、本願発明の実施形態によって提供される液体加熱容器の断面図であり、封止アセンブリ及び調整機構が、煮込み機能に対応する状態にある。
【
図5】
図5は、本願発明の実施形態によって提供される液体加熱容器における、封止アセンブリ及び調整機構の第2の構造を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本出願の実施形態によって提供される液体加熱容器における、封止アセンブリ及び調整機構の第3の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ポット本体
11 ろ過部材
111 第1の封止部材
112 第2の封止部材
112a 連結部材
113 第2の圧縮バネ
12 集水部材
121 導水部
13 第3の圧縮バネ
2 回転アーム
21 接続端
22 移動端
221 磁気吸着部材
23 第1の回転アーム
24 第2の回転アーム
241 昇降ロッド
241a スプリング
3 駆動部材
31 第1の駆動部
32 第2の駆動部
4 蓋体
41 第1の圧縮バネ
【0039】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本願に係る実施形態を示し、本明細書とともに、本願の原理を説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本出願の技術的解決策をよりよく理解するために、本出願の実施形態は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0041】
記載される実施形態は、すべての実施形態ではなく、本出願の一部の実施形態に過ぎないことは明らかであるべきである。本願発明の実施形態に基づいて当業者が創意工夫をすることなく得た他の全ての実施形態は、本願発明の保護範囲に属する。
【0042】
出願の実施形態で使用される用語は、本出願を限定することを意図するものではなく、特定の実施形態を説明する目的のためにのみ使用される。本願の実施形態及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a/an」、「the」及び「said」は、文脈によって別の意味が明らかに示されない限り、複数形を含むことも意図される。
【0043】
なお、本明細書で使用する「及び/又は」という用語は、あくまで関連する対象を記述する関係であり、3つの関係があり得ることを意味することを理解されたい。例えば、「A及び/又はB」は、Aのみが存在する、A及びBが同時に存在する、Bのみが存在する、という3つの状況を意味する。加えて、本明細書における記号「/」は、概して、その前後の関連対象間に「又は」の関係があることを意味する。
【0044】
なお、本願発明の実施の形態で用いられる「上」、「下」、「左」、「右」などの方向性のある用語は、添付図面に示す角度から説明したものであり、本願発明の実施の形態を限定するものとして理解されるべきではないことに留意されたい。また、文脈上、ある要素が他の要素の「上」又は「下」に連結されていると記載されている場合、他の要素の「上」又は「下」に直接連結されるだけでなく、中間要素を介して、他の要素の「上」又は「下」に連結される可能性があることも理解されたい。
【0045】
液体加熱容器の具体的な実施形態は、本願発明の実施形態によって提供される構成に従って、以下に説明される。
【0046】
図1に示すように、本願発明の実施形態は、ポット本体1と、封止アセンブリと、調整機構と、を備える液体加熱容器を提供する。ポット本体1には、ろ過部材11及び集水部材12が設けられ、集水部材12は、導水部121によって、ろ過部材11に流れる水をガイドすることができる。封止アセンブリは、ポット本体1に設けられ、ろ過部材11及び導水部121を遮断するために使用される。調整機構は、封止アセンブリに伝動連結され、封止アセンブリによって、ろ過部材11及び導水部121の遮断状態を調整するために使用される。
【0047】
具体的には、液体加熱容器は、お茶を入れるポットや薬膳ポットとすることができる。お茶を入れるポットを例にとって、その活用方法を説明する。利用時には、まず、茶葉が、ろ過部材11に配置される。次に、ポット本体1に一定量の水を加え、電力を供給して加熱する。水の調理中、集水部材12は、ポット本体1内の水を、ろ過部材11に流すようにガイドすることができる。ろ過部材11及び導水部121の遮断状態を封止アセンブリによって調整することにより、ろ過部材11を遮断して水を貯留するか、又は、常時ろ過して水を通過させることができるので、液体加熱容器は、茶葉の浸しや茶葉の抽出などの多機能を行うことができ、茶葉の浸しや茶葉の抽出などの機能を柔軟に切り替えて行うことができる。よって、従来技術における煎じポットの中には、煮込み、浸し、及び、抽出を同時に行う機能を有しないものがあり、他のものは、ろ過装置を分解し、異なる状態に組み立てることによってのみこれらの機能を実行でき、これは操作に比較的負担がかかるものであったが、これらの問題が解決される。
【0048】
なお、上述した集水部材12は、導水部121によって、ろ過部材11に水が流れるようにガイドすることができる。具体的には、サイフォン効果や、ウォーターポンプによる汲み上げなどで実現できる。
【0049】
本実施形態の任意の解決策では、封止アセンブリは、第1の封止部材111を備える。第1の封止部材111は、ろ過部材11の内側又は外側に設けられ、ろ過部材11を遮断するために使用される。第1の封止部材111は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、ろ過部材11をそれぞれ開放及び遮断する。
【0050】
具体的には、
図2及び
図7に示すように、
図2の第1の封止部材111は、ろ過部材11の外側に設けられ、
図7の第1の封止部材111は、ろ過部材11の内側に設けられる。
【0051】
導水部121が、ポット本体1内の水をろ過部材11に流すように誘導し、第1の封止部材111が、ろ過部材11を開放した第1の動作モードになると、ろ過部材11は水を排出して自らのろ過孔からポット本体1内に逆流させることができる。この場合、液体加熱容器は、茶葉の洗浄又は茶葉の抽出の機能を果たすことができる。
【0052】
導水部121が、ポット本体1内の水をろ過部材11に流すように誘導し、第1の封止部材がろ過部材11を遮断する第2の動作モードになると、ろ過部材11内の水が、ろ過孔を介して、ポット本体1内に逆流することができなくなる。この場合、液体加熱容器では、ろ過部材11内に水を入れて茶葉の浸し機能を発揮させることができる。
【0053】
導水部121が、ポット本体1内の水をろ過部材11へ流すようにガイドしなくなり、第1の封止部材111がろ過部材11を開放する第1の動作モードになると、ろ過部材11内の水が、ろ過孔を介して、ポット本体1内に逆流することができる。この場合、液体加熱容器は、茶葉のろ過及び茶葉の蒸らしの機能を発揮することができる。
【0054】
導水部121が、ポット本体1内の水をろ過部材11に流すようにガイドしなくなり、第1の封止部材111がろ過部材11を遮断する第2の動作モードになると、ろ過部材11内の水がろ過孔を介して、ポット本体1内に逆流することができなくなる。この場合、液体加熱容器を用いると、ろ過部材11において茶葉を完全に分離することができる。この機能は、調理する水が沸騰していない時に使用することで、低温の水蒸気が茶葉に染み込み、茶葉の煮込み/浸しの効果に影響を与えることを防ぐ。
【0055】
以上より、本願発明が提供する液体加熱容器は、調整機構により、第1の封止部材111によるろ過部材11の遮断状態を柔軟に調整できるため、導水部121の導水状態に応じて、茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らし、茶葉の密閉保管などの多機能を行うことができ、液体加熱容器の活用範囲をさらに拡大することができる。
【0056】
本実施形態の任意の解決策では、ろ過部材11は、第1の封止部材111に対応する側にのみろ過孔が設けられる。
【0057】
ろ過孔は、ろ過部材11の第1の封止部材111に対応する側にのみ設けられているので、第1の封止部材111がろ過孔を遮断する場合、ろ過部材11を完全に密閉し、ろ過部材11が、水を密閉的に貯留することや、水から密閉的に隔離することができ、また、第1の封止部材111が、ろ過孔を遮断しなくなった場合、ろ過部材11が、常時ろ過して水を通過させることができる。
【0058】
さらに、第1の封止部材111が、ろ過部材11のろ過孔を遮断する方法と開放する方法は複数存在する。例えば、
図2及び
図3に示すように、第1の封止部材111は、ろ過部材11に向かって垂直方向に移動し、ろ過を押圧するか否かによって、ろ過孔を遮断又は開放することができる。
【0059】
もちろん、他の方法も採用できる。例えば、第1の封止部材111は、ろ過部材11のろ過孔が設けられた側に貼り付けるように配置する。ろ過部材11の遮断又は開放は、第1の封止部材111を回転させてろ過孔を覆う又は覆わないようにすることで実現する。
【0060】
以上のように、ろ過部材11にろ過孔を設ける方法は、構造的に簡単であり、第1の封止部材111がろ過孔を遮断又は開放することが容易であるという利点がある。
【0061】
本実施形態の任意の解決策において、封止アセンブリは、第2の封止部材112をさらに備える。第2の封止部材112は、ろ過部材11の内側に設けられ、導水部121を遮断するために用いる。第2の封止部材112は、第1の動作モードと第2の動作モードとでそれぞれ導水部121を開放及び遮断し、調整機構は、第1の動作モードと第2の動作モードとを切り換えるために、第1の封止部材111及び第2の封止部材112を駆動することができる。
【0062】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、ろ過部材11の内部に第2の封止部材112を設け、第2の封止部材112によって導水部121を遮断し、調整機構が、第2の封止部材112を駆動して、第2の封止部材112による導水部121の遮断状態を変更可能であり、また、導水部121がポット本体1内の水をろ過部材11に誘導するか否かを調整することができ、構造的に簡単で、導水部121によるろ過部材11への水の導水状態の制御が容易になるという利点を有する。
【0063】
本実施形態の任意の解決策において、導水部121は、部分的にろ過部材11内に延び、ろ過部材11内に延びる端部が流出口を形成し、第2の封止部材112が第1の動作モードにあるとき、流出口を開放するように流出口から離間して設け、第2の封止部材112が第2の動作モードにあるとき、流出口を遮断するように流出口に部分的に挿入される。
【0064】
同様に、
図2及び
図3に示すように、第2の封止部材112を導水部121の流出口に垂直方向に対応するように設け、第2の封止部材112が垂直方向に移動することにより、流出口を開放する機能又は流出口を遮断する機能を実現することが可能である。
【0065】
もちろん、第2の封止部材112によって導水部121を遮断又は開放する機能を実現するために、他の方法を採用することも可能である。例えば、導水部121の水の流出口に対して第2の封止部材112が貼り付けるように配置されており、第2の封止部材112は垂直方向の回転軸を中心に回転することが可能である。第2の封止部材112を回転させて完全に流出口に対向させると、導水部121を遮断することができ、第2の封止部材112を流出口からオフセットさせると、導水部121を開放することができる。
【0066】
上記のような導水部121と第2の封止部材112の設け方は、構造的に簡単であり、第2の封止部材112による導水部121の閉塞又は開放を容易に行うことができるという利点がある。
【0067】
本実施形態の任意の解決手段において、第1の封止部材111は、連結部材112aによって第2の封止部材112と連結され、連結部材112aは、第1の封止部材111と第2の封止部材112を同期して移動させることができる。
【0068】
具体的には、
図2及び
図7に示すように、第1の封止部材111が第1の動作モードから第2の動作モードに切り替わるとき、第2の封止部材112が第2/第1の動作モードから第1/第2の動作モードに同期して切り替わり、また、第1の封止部材111が第2の動作モードから第1の動作モードに切り替わるとき、第2の封止部材112が第1/第2の動作モードから第2/第1の動作モードに同期して切り替わる。
【0069】
封止アセンブリが、
図2に示される構造を有するように構成される場合、第1の封止部材111がろ過部材11を遮断するとき、第2の封止部材112が対応して導水部121を開放するので、この瞬間、液体加熱容器はろ過部材11に水を加えて、茶葉の浸し機能を発揮でき、また、第1の封止部材111がろ過部材11を開放するとき、第2の封止部材112が対応して導水部121を遮断するので、この瞬間、液体加熱容器は茶葉のろ過の機能を発揮できる。
【0070】
封止アセンブリが、
図7に示される構造を有するように構成される場合、第1の封止部材111がろ過部材11を遮断するとき、第2の封止部材112が対応して導水部121を遮断するので、この瞬間、液体加熱容器はろ過部材11に水を入れることも水を出すこともなくなり、密閉して貯めた水で茶葉の浸し機能を発揮でき、また、第1の封止部材111がろ過部材11を開放するとき、第2の封止部材112が対応して導水部121を開放するので、この瞬間、液体加熱容器内のろ過部材11は、一方では水を受け入れ、他方では水を出し、茶葉の抽出機能を発揮することができる。
【0071】
上記の連結部材112aを設けることにより、第1の封止部材111と第2の封止部材112とを同期して移動させるために、第1の封止部材111又は第2の封止部材112を駆動すればよく、駆動装置を簡略化でき、液体加熱容器を茶葉の抽出状態と茶葉の浸し状態とに切り替えることが容易になるという利点を有する。
【0072】
本実施形態の任意の解決手段において、連結部材112aは、ろ過部材11に移動可能に挿入され、一端が第1の封止部材111と連結され、他端が第2の封止部材112と連結され、連結部材112aは垂直方向に移動可能であり、第1の封止部材111と第2の封止部材112を同期して垂直方向に移動するよう駆動するように構成される。
【0073】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、上記の連結部材112aは、一端が第1の封止部材111に固定され、他端がボルト内のナットを介して、第2の封止部材112と着脱可能に連結される連結ボルトであるように具体的に設けることができる。また、連結部材112aがろ過部材11に対して移動可能に挿入されるため、連結部材112aが挿入される挿入孔からろ過部材11内の水が落下することを防止するために、連結部材112aの周壁や挿入孔にシール部材を対応させて設けることができる。
【0074】
上記のような連結部材112aの設け方は、構造的に簡単で、接続が安定し、ろ過部材11に位置限定的に取り付けられ、垂直方向に移動することが可能であるという利点を有する。
【0075】
本実施形態の任意の解決手段において、調整機構は、回転アーム2と駆動部材3とからなり、回転アーム2は、ヒンジを介して蝶番状に設けられ、封止アセンブリに伝動連結される接続端21である一端と、移動端22である他端とを有し、駆動部材3は、移動端22に伝動連結されて、ヒンジ軸の周りに移動端22を回転駆動でき、導水部121及びろ過部材11の封止アセンブリによる遮断状態を変更するように構成することができる。
【0076】
具体的には、
図2及び
図4に示すように、調整機構は、回転アーム2と駆動部材3とを備え、駆動部材3が回転アーム2の移動端22を駆動して回転アーム2をヒンジ軸回りに回転させ、接続端21を順に駆動して移動させるようになっている。最後に、封止アセンブリによる導水部121とろ過部材11の遮断状態の変更は、封止アセンブリを駆動して移動させることにより実現される。
【0077】
なお、上記の接続端21のヒンジ軸に対する距離は、移動端22のヒンジ軸に対する距離よりも小さく設計することが可能である。このように、回転アーム2は省力化されたレバー機構に相当し、上記の移動端22と駆動部材3との接続方法と、接続端21と封止アセンブリとの接続方法とは、いずれも直接接続又は間接接続とすることができるように設計される。
【0078】
上記した調整機構の具体的な構成方法は、構造的に簡単であり、駆動部材3による封止アセンブリによる導水部121とろ過部材11の遮断状態を柔軟に変更することが可能であるという利点がある。
【0079】
また、本実施形態では、さらに、液体加熱容器における調整機構の別の任意の解決策を提供する。
図5及び
図6に示すように、回転アーム2は、第1の回転アーム23及び第2の回転アーム24からなり、第1の回転アーム23及び第2の回転アーム24は、それぞれ自身の接続端21及び移動端22を有し、駆動部材3は、第1の駆動部31及び第2の駆動部32から構成され、第1の駆動部31は、第1の回転アーム23の移動端22に伝動連結され、第2の駆動部32は、第2の回転アーム24の移動端22に伝動連結され、駆動部材3は、第1の回転アーム23と第2の回転アーム24を別々に又は同時に移動駆動でき、第1の封止部材111と第2の封止部材112が別々に又は同時に上下動する。
【0080】
上記のような具体的な調整機構の設け方により、第1の封止部材111と第2の封止部材112を別々に又は同時に上下動させることができ、これにより、封止アセンブリが、導水部121とろ過部材11を同時に開放し、又は、ろ過部材11を遮断しながら導水部121を開放し、又は、ろ過部材11を開放しながら導水部121を遮断し、又は、導水部121とろ過部材11を同時に遮断することにより、液体加熱容器が茶葉の浸し、茶葉の抽出、茶葉の蒸らしなどの多機能を発揮することができる。
【0081】
本実施形態の任意の解決策では、第2の回転アーム24は、スプリング241aを介して、ろ過部材11と伝動連結された昇降ロッド241を介して、第1の封止部材111と伝動連結される。第2の回転アーム24が昇降ロッド241を押圧していない場合、スプリング241aは昇降ロッド241を上方に移動するように駆動することができるので、第1の封止部材111はろ過部材11を遮断することができる。
【0082】
具体的には、
図5及び
図6に示すように、上記昇降ロッド241は、ろ過部材11を貫通して第1の封止部材111に伝動連結され、スプリング241aは、一端がろ過部材11に当接し、他端が昇降ロッド241に固定された状態で、昇降ロッド241の外周壁にスリーブ留めすることができる。したがって、スプリング241aは、昇降ロッド241に上向きの弾性力を付与する。このように、第2の回転アーム24の接続端21が上方に移動する場合、接続端21を昇降ロッド241に直接連結する必要がなく、第1の封止部材111は依然として上方に移動可能なので、連結構造を簡略化でき、第1の封止部材111によるろ過部材11の遮断が容易になるという利点を有する。
【0083】
図2及び
図3に示す本実施形態の任意の解決策において、回転アーム2は、移動端22に磁気吸着部材221を備え、駆動部材3は、磁気吸着部材221に対応する電磁石として備えられ、電磁石は、電力が供給されると、磁気吸着部材221を下方に移動するように引きつけることができるので、回転アーム2を通じて接続端21を上方に駆動させることができる。
【0084】
駆動部材3を電磁石として設け、回転アーム2の移動端22に、それに対応する磁気吸着部材221を設けることにより、回転アーム2の回転、ひいては、封止アセンブリによる導水部121とろ過部材11との遮断状態を変更する機能を非接触の磁気吸着で実現でき、構造的に簡単で、操作が容易で、非接触伝動を実現できる利点がある。
【0085】
もちろん、上記の駆動部材3も別の方法で設けることができる。例えば、駆動部材3を駆動用電動モータとして設け、移動端22において回転アーム2とギア・ラック伝動機構を介して連結することで、回転アーム2を回転駆動する機能も実現することが可能である。
【0086】
本実施形態の任意の解決手段において、液体加熱容器は、ポット本体1を覆うために用いられる蓋体4をさらに備え、回転アーム2は、蓋体4にヒンジ軸を介して蝶番状に設けられ、第1の圧縮バネ41は、蓋体4と接続端21との間に設けられ、接続端21は、第1の圧縮バネ41の作用により、第2の封止部材112を下方に押圧でき、第2の封止部材112が常時、導水部121を遮断することができる。
【0087】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、蓋体4に回転アーム2を、ヒンジ軸を介して蝶番状に設けることにより、回転アーム2を蓋体4と共にポット本体1から柔軟に分解して取り外すことができ、蓋体4と回転アーム2の接続端21との間に第1の圧縮バネ41を設けることにより、第1の圧縮バネ41の弾性力により接続端21が第2の封止部材112を強く押圧することができるので、第2の封止部材112が常時、導水部121を遮断することができる。このように、待機状態において、駆動部材3は、導水部121によって、集水部材12がろ過部材11に水を流すように誘導することを防止することが可能である。
【0088】
なお、上記の第1の圧縮バネ41の弾性力の強さは、駆動部材3が回転アーム2を駆動する際に、回転アーム2が第1の圧縮バネ41の弾性力に打ち勝って常時回転しつつ、第2の封止部材112が安定して導水部121を常時遮断できるように柔軟に選択及び設定することが可能である。
【0089】
さらに、回転アーム2の接続端21は、第2の封止部材112に対して直接隣接することができ、又は、中間コネクタを介して、間接的にそれに隣接することができる。
【0090】
本実施形態の任意の解決策において、第2の封止部材112とろ過部材11との間に、第2の圧縮バネ113がさらに設けられ、駆動部材3が接続端21を駆動して上方に移動すると、第2の封止部材112が第2の圧縮バネ113の作用により上方に移動して導水部121を開放できるようにする。
【0091】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、上記の第2の圧縮バネ113は、具体的には、ろ過部材11内に延び、ろ過部材11に接続される一端と、第2の封止部材112に接続される他端と、を有する導水部121の筒部にスリーブ接続することが可能である。第2の封止部材112には、第2の圧縮バネ113の弾性力により、上方への移動傾向を付与することができる。したがって、駆動部材3の接続端21が上方に移動して第2の封止部材112を押圧しなくなると、第2の封止部材112も一緒に上方に移動して導水部121を開放することができる。
【0092】
なお、上記の第2の圧縮バネ113を設けることで、駆動部材3の接続端21と第2の封止部材112とを直接連結する必要はない。駆動部材3の接続端21が第2の封止部材112を押圧しなくなる限り、第2の封止部材112は導水部121を開放することができるので、連結構造を簡略化でき、第2の封止部材112による導水部121の開放を容易にできる利点がある。
【0093】
本実施形態の任意の解決手段では、導水部121の一端がろ過部材11に移動可能に挿入され、集水部材12とろ過部材11との間に第3の圧縮バネ13が設けられ、第3の圧縮バネ13の一端がろ過部材11に接続され、他端が導水部121に接続されて、第3の圧縮バネ13の弾性力により集水部材12がポット本体1の底壁を下方に強く押圧できるようにしたものである。
【0094】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、導水部121の一端がろ過部材11に対して移動可能に挿入され、集水部材12とろ過部材11との間に第3の圧縮バネ13が設けられた状態で、第3の圧縮バネ13の弾性力により、ろ過部材11から遠ざかる傾向を集水部材12に付与できるようになっている。このように、ろ過部材11と集水部材12とをポット本体1に装着すると、集水部材12がポット本体1の底壁を強固に押圧することができる。したがって、サイフォン効果を利用して、ポット本体1の底部の水を、導水部121を介してろ過部材11の上方に流入させることができる。
【0095】
なお、上記の集水部材12は、具体的には、テーパ構造であるものとして設けることができ、集水部材12の側壁に流入口を設けて、ポット本体1内の水が集水部材12に入りやすくすることができる。
【0096】
上述したものは、本出願の好ましい実施形態に過ぎず、本出願を限定する目的ではない。本出願の趣旨及び原理の範囲内で行われる任意の修正、等価交換、または改善は、本出願の保護の範囲内に含まれる。