(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】硬化樹脂層
(51)【国際特許分類】
B32B 27/30 20060101AFI20250117BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20250117BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20250117BHJP
C08F 290/12 20060101ALI20250117BHJP
C09J 4/02 20060101ALI20250117BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20250117BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20250117BHJP
C09J 133/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B32B27/30 A
B32B27/00 D
C08F290/06
C08F290/12
C09J4/02
C09J5/00
C09J11/06
C09J133/00
(21)【出願番号】P 2023075432
(22)【出願日】2023-05-01
(62)【分割の表示】P 2021142177の分割
【原出願日】2017-02-28
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【氏名又は名称】野口 信博
(74)【代理人】
【識別番号】100185845
【氏名又は名称】穂谷野 聡
(72)【発明者】
【氏名】中村 司
(72)【発明者】
【氏名】原 大輔
【審査官】▲辻▼ 弘輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-144634(JP,A)
【文献】特開2015-054938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F290, B32B, C09J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、第2の部材とが硬化樹脂層を介して積層された積層体に用いられる硬化樹脂層であって、
上記硬化樹脂層は、第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物が光硬化したものであり、
上記第1の樹脂組成物と上記第2の樹脂組成物は、25℃における粘度が10000~50000mPa・sの範囲であり、
上記第2の樹脂組成物は、上記第1の樹脂組成物から形成された液止め部に配置され、
上記第2の樹脂組成物は、単官能モノマーを5~60質量%と、(メタ)アクリレート樹脂を
30~50質量%と、可塑剤を
15~50質量%含有し、
上記単官能モノマーは、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上であり、
上記第2の樹脂組成物は、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上であ
り、
上記単官能モノマーは、式(A)で表される化合物、及び式(B)で表される化合物の少なくとも1種である、硬化樹脂層。
【化1】
(式(A)中、R
1
は水素原子又はメチル基を表し、R
2
は炭素数2又は3のアルキレン基を表し、R
3
は炭化水素基を表し、nは1~15の整数を表す。式(B)中、R
4
は水素原子又はメチル基を表し、R
5
は炭素数11~20のアルキル基を表す。)
【請求項2】
上記第2の樹脂組成物は、光重合開始剤をさらに含有する、請求項1に記載の硬化樹脂層。
【請求項3】
上記第2の樹脂組成物は、80℃で3時間加熱後の加熱残分が97.0%以上である、請求項1または2に記載の硬化樹脂層。
【請求項4】
上記第2の樹脂組成物は、無機微粒子をさらに含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化樹脂層。
【請求項5】
第1の部材と、第2の部材とが硬化樹脂層を介して積層された積層体に用いられる硬化樹脂層であって、
上記硬化樹脂層は、第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物が光硬化したものであり、
上記第1の樹脂組成物と上記第2の樹脂組成物は、25℃における粘度が10000~50000mPa・sの範囲であり、
上記第2の樹脂組成物は、上記第1の樹脂組成物から形成された液止め部に配置され、
上記第2の樹脂組成物は、単官能モノマーを5~60質量%と、(メタ)アクリレート樹脂を30~50質量%と、可塑剤を15~50質量%含有し、
上記単官能モノマーは、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上であり、
上記第2の樹脂組成物は、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上であり、
上記単官能モノマーは、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、о-フェニルフェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及び2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートの少なくとも1種である、硬化樹脂層。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、硬化樹脂層に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部材同士を光硬化性樹脂組成物で貼り合わせ、光透過性樹脂層で固定する技術が知られている。例えば、例えば特許文献1には、画像表示部材と、光透過性部材との間に、光硬化性樹脂組成物を配して樹脂組成物層を形成し、樹脂組成物層に光を照射して硬化樹脂層を形成する方法が記載されている。ここで、画像表示装置における光透過性部材と画像表示部材とは、密着性が良好であることが望ましい。
【0003】
また、被塗布体(光透過性部材や画像表示部材)からの光硬化性樹脂組成物のはみ出しを抑制する観点から、いわゆるダムフィルプロセスが採用されることがある。ダムフィルプロセスでは、例えば、第1の樹脂組成物(ダム材)を用いて、画像表示部材の表面に、第2の樹脂組成物(フィル材)の塗布領域を形成する。次に、形成した塗布領域に第2の樹脂組成物を塗布し、画像表示部材と光透過性部材とを第2の樹脂組成物を介して貼合せる。そして、第2の樹脂組成物に光を照射して硬化樹脂層を形成する。
【0004】
ダムフィルプロセスにおいて、ダム材は、液ダレ防止の観点から、高粘度であることが好ましい。一方、フィル材は、気泡を防止し短いタクトタイムで貼合せする観点から、低粘度であることが好ましい。ここで、ダム材とフィル材の境界部の視認性を良好にする、すなわちダム材とフィル材の境界線が目立たないようにするために、ダム材とフィル材として、同一成分の樹脂組成物を用いる場合がある。しかし、ダム材とフィル材として、同一成分の樹脂組成物を用いると、ダム材の高粘度性、又はフィル材の低粘度性が犠牲になってしまうことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、ダム材とフィル材として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、ダム材の高粘度性とフィル材の低粘度性を両立し、部材同士の密着性を良好にできる光硬化性樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、第1の部材と、第2の部材とが硬化樹脂層を介して積層された積層体に用いられる硬化樹脂層であって、上記硬化樹脂層は、第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物が光硬化したものであり、上記第1の樹脂組成物と上記第2の樹脂組成物は、25℃における粘度が10000~50000mPa・sの範囲であり、上記第2の樹脂組成物は、上記第1の樹脂組成物から形成された液止め部に配置され、上記第2の樹脂組成物は、単官能モノマーを5~60質量%と、(メタ)アクリレート樹脂を10~60質量%と、可塑剤を10~70質量%含有し、上記単官能モノマーは、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上であり、上記第2の樹脂組成物は、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である。
【発明の効果】
【0008】
本技術によれば、第1の樹脂組成物(ダム材)と、第2の樹脂組成物(フィル材)として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、ダム材の高粘度性とフィル材の低粘度性を両立し、部材同士の密着性を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、画像表示装置の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2(A)は、画像表示部材の一例を示す正面図であり、
図2(B)は
図2(A)に示すA-A’断面図である。
【
図3】
図3(A)は、画像表示部材の表面に、第1の樹脂組成物を用いて第2の樹脂組成物の塗布領域を形成する方法の一例を説明するための正面図であり、
図3(B)は
図3(A)に示すA-A’断面図である。
【
図4】
図4は、画像表示部材の表面に、第1の樹脂組成物を用いて第2の樹脂組成物の塗布領域を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【
図5】
図5(A)は、第2の樹脂組成物を塗布する方法の一例を説明するための正面図であり、
図5(B)は
図5(A)に示すA-A’断面図である。
【
図6】
図6(A)は、画像表示部材と光透過性部材とを第2の樹脂組成物を介して貼合せる方法の一例を説明するための正面図であり、
図6(B)は
図6(A)に示すA-A’断面図である。
【
図7】
図7は、第2の樹脂組成物に光を照射して硬化樹脂層を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【
図8】
図8は、単官能モノマーの加熱残分の測定方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、光硬化性樹脂組成物の加熱残分の測定方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、接着強度試験の測定方法を説明するための斜視図である。
【
図12】
図12は、接着強度試験の測定方法を説明するための斜視図である。
【
図14】
図14は、接着強度試験の測定方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[積層体の製造方法]
本実施の形態に係る積層体の製造方法は、下記工程(A)~(D)を有し、工程(C)が第2の樹脂組成物を加熱することを含む。また、本製造方法で用いられる第2の樹脂組成物は、後に詳述するように、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上である単官能モノマーを含有し、かつ80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である。
【0011】
工程(A):第1の部材の表面に、第1の樹脂組成物を用いて光硬化性の第2の樹脂組成物の塗布領域を形成する。
工程(B):塗布領域に第2の樹脂組成物を塗布する。
工程(C):第1の部材と、第2の部材とを、第2の樹脂組成物を介して貼合せ、第2の樹脂組成物を塗布領域に充填させる。
工程(D):第2の樹脂組成物に光を照射して硬化樹脂層を形成する。
【0012】
本製造方法によれば、工程(C)で第2の樹脂組成物を加熱することにより、第2の樹脂組成物の粘度を低くできる。そのため、第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、第1の樹脂組成物の高粘度性と第2の樹脂組成物の低粘度性とを両立することができる。また、本製造方法では、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である第2の樹脂組成物を用いることにより、第2の樹脂組成物を加熱する際に第2の樹脂組成物中の成分が揮発するのを抑制できるため、第1の部材と第2の部材との密着性を良好にできる。
【0013】
本製造方法で用いられる第2の樹脂組成物は、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上であり、97.0%以上が好ましく、98.0%以上がより好ましく、99.0%以上がさらに好ましい。加熱残分がより多いことにより、第2の樹脂組成物を加熱する際に第2の樹脂組成物中の成分の揮発をより効果的に抑制できる。また、第2の樹脂組成物の加熱残分の上限値は、特に制限されない。ここで、第2の樹脂組成物の加熱残分は、熱量計測定装置(装置名:Q50、TA Instruments社製)を用いて、樹脂組成物10mgを80℃で3時間加熱する前後の質量を測定して求めた値をいう。第2の樹脂組成物の詳細については、後述する。
【0014】
以下、図面を参照しながら各工程の詳細について説明する。本製造方法では、例えば
図1に示すように、画像表示部材2(第1の部材)と、周縁部に遮光層4が形成された光透過性部材3(第2の部材)とが、硬化樹脂層1を介して積層した画像表示装置5(積層体)を得る。
【0015】
硬化樹脂層1は、後述する第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8とから形成されている。硬化樹脂層1の屈折率は、画像表示部材2や光透過性部材3の屈折率とほぼ同等とすることが好ましく、例えば1.45以上1.55以下であることが好ましい。これにより、画像表示部材2からの映像光の輝度やコントラストを高め、視認性を良好にすることができる。また、硬化樹脂層1の透過率は、90%を超えることが好ましい。これにより、画像表示部材2に形成された画像の視認性をより良好にすることができる。硬化樹脂層1の厚みは、例えば、50~200μmであることが好ましい。
【0016】
画像表示部材2は、例えば液晶表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。ここで、タッチパネルとは、液晶表示パネルのような表示素子とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた画像表示・入力パネルを意味する。
【0017】
光透過性部材3は、画像表示部材2に形成された画像が視認可能となるような光透過性を有するものであればよい。例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等の板状材料やシート状材料が挙げられる。これらの材料には、少なくとも一方の面にハードコート処理、反射防止処理等が施されていてもよい。光透過性部材3の厚さや弾性率などの物性は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
【0018】
遮光層4は、画像のコントラスト向上のために設けられるものであり、例えば、黒色等に着色された塗料をスクリーン印刷法などで塗布し、乾燥・硬化させて形成することができる。遮光層4の厚みは、通常5~100μmである。
【0019】
[工程(A)]
工程(A)では、例えば
図2、3に示すように、画像表示部材2の表面に、第1の樹脂組成物6を用いて第2の樹脂組成物8の塗布領域7を形成する。塗布領域7は、例えば
図3、4に示すように、画像表示部材2の表示領域中、第1の樹脂組成物6から形成された枠状の液止め部(ダム)11で囲まれた領域である。
【0020】
第1の樹脂組成物6は、工程(B)で塗布領域7に塗布する第2の樹脂組成物8の液ダレ防止のための材料である。第1の樹脂組成物6は、例えば、熱硬化性の樹脂組成物、光硬化性(例えば紫外線硬化性)の樹脂組成物等を用いることができる。第1の樹脂組成物6が光硬化性の樹脂組成物である場合、工程(A)では、例えば
図4に示すように、第1の樹脂組成物6に紫外線照射器9から紫外線10を照射して第1の樹脂組成物6を硬化させ、液止め部11を形成することにより、塗布領域7を画定できる。
【0021】
第1の樹脂組成物6は、液ダレ防止の観点から高粘度であることが好ましい。例えば、第1の樹脂組成物6は、25℃における粘度が10000~50000mPa・sであることが好ましい。
【0022】
第1の樹脂組成物6の塗布方法は、各種の塗布方法を採用でき、例えば、ディスペンサを用いる方法、コーターを用いる方法、スプレーを用いる方法等が挙げられる。特に、液ダレ抑制の観点からディスペンサを用いる方法が好ましい。第1の樹脂組成物6の塗布厚さは、例えば、本製造方法の工程(B)で塗布領域7に塗布する第2の樹脂組成物8の厚さ以下とすることができる。
【0023】
[工程(B)]
工程(B)では、例えば
図5に示すように、塗布領域7に第2の樹脂組成物8を塗布する。第2の樹脂組成物8の塗布方法としては、各種の塗布方法を採用でき、例えば上述した第1の樹脂組成物6の塗布方法が挙げられる。また、第2の樹脂組成物8の塗布量は、例えば、工程(C)における貼合せの際に、塗布領域7に充填させることができる量とすることが好ましい。
【0024】
第2の樹脂組成物8は、工程(D)で硬化させたときに、第1の樹脂組成物6から形成された液止め部11との境界線が目視で目立たないようにすることが好ましい。そのため、第2の樹脂組成物8は、第1の樹脂組成物6と実質的に同一成分であることが好ましい。同一成分とは、少なくとも第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8とが光学特性が同じこと、例えば光透過率と屈折率とが実質的に等しいことを意味する。第1の樹脂組成6と第2の樹脂組成物8の光学特性が実質的に等しい場合、例えば第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8の粘度が異なっていても、同一成分に含まれるものとする。
【0025】
また、第2の樹脂組成物8は、気泡を防止し、短いタクトタイムで貼合せする観点から、工程(C)における貼合せの際に低粘度であることが好ましい。例えば、第2の樹脂組成物8は、貼合せ時の温度における粘度が3000mPa・s以下であることが好ましく、1000~3000mPa・sであることがより好ましい。
【0026】
本製造方法では、以下の工程(C)において第2の樹脂組成物8を加熱(加温)することにより、第2の樹脂組成物8の粘度を低粘度(例えば3000mPa・s以下)に調整ができる。そのため、第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、第1の樹脂組成物6の高粘度性と、第2の樹脂組成物8の低粘度性とを両立できる。
【0027】
また、本製造方法では、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である第2の樹脂組成物8を用いることにより、以下の工程(C)において第2の樹脂組成物8を加熱する際に、第2の樹脂組成物8中の成分(例えば後述する単官能モノマー)の揮発を抑制できる。そのため、光透過性部材3と画像表示部材2との密着性を良好にできる。
【0028】
[工程(C)]
工程(C)では、例えば
図6に示すように画像表示部材2と光透過性部材3とを第2の樹脂組成物8を介して貼合せ、第2の樹脂組成物8を塗布領域7に充填させる。画像表示部材2と光透過性部材3との貼合せは、例えば、公知の圧着装置を用いて行うことができる。
【0029】
また、工程(C)は、上述したように第2の樹脂組成物8を加熱することを含む。第2の樹脂組成物8を加熱することにより、第2の樹脂組成物8が減粘された状態で塗布領域7に充填される。これにより、第2の樹脂組成物8中の気泡を防止し、短いタクトタイムでの貼合せが可能となる。加熱条件は、第2の樹脂組成物8の粘度が低粘度(例えば例えば3000mPa・s以下)に調整されるように設定することが好ましい。例えば、加熱温度は、画像表示部材2や光透過性部材3への熱による影響を考慮して、80℃以下が好ましく、60~80℃がより好ましい。加熱時間は、例えば、30分~3時間程度とすることができる。加熱のタイミングは、画像表示部材2と光透過性部材3との貼合せ前に行ってもよいし、貼合せる際に行ってもよいし、貼合せ後に行ってもよい。加熱方法としては、例えば、加熱ヒータ等を用いる方法等が挙げられる。
【0030】
[工程(D)]
工程(D)では、例えば
図7に示すように、第2の樹脂組成物8に紫外線照射器9から紫外線10を照射し、硬化樹脂層1(
図1を参照)を形成する。工程(D)における光照射は、工程(C)において加熱した第2の樹脂組成物8を放熱させてから行うことが好ましい。
【0031】
ここで、第2の樹脂組成物8が第1の樹脂組成物6と実質的に同一成分である場合、光照射後の第2の樹脂組成物8は、液止め部11と一体化し、光学的に同じ性質を有する単一の硬化樹脂層1となる。これにより、液止め部11と、硬化後の第2の樹脂組成物8との境界部の視認性をより良好にできる。
【0032】
以上のように、本製造方法によれば、工程(C)で第2の樹脂組成物8を加熱することにより、第2の樹脂組成物8の粘度が低くなる。そのため、第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、第1の樹脂組成物6の高粘度性と、第2の樹脂組成物8の低粘度性とを両立できる。また、本製造方法では、第2の樹脂組成物8として、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上である単官能モノマーを含有し、かつ80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である光硬化性樹脂組成物を用いる。これにより、第2の樹脂組成物8を加熱する際に第2の樹脂組成物8中の成分の揮発を抑制し、光透過性部材3と画像表示部材2との密着性を良好にできる。
【0033】
なお、上述した製造方法は、画像表示部材2の表面に、第1の樹脂組成物6と、第2の樹脂組成物8とを塗布するようにしたが、この方法に限定されるものではない。例えば、光透過性部材3の表面に第1の樹脂組成物6と第2の樹脂組成物8を塗布してもよい。また、上述した製造方法では、遮光層4が形成された光透過性部材3を用いたが、この例に限定されるものではない。例えば、遮光層が形成されていない光透過性部材を用いてもよい。
【0034】
また、上述した工程(A)では、光硬化性の樹脂組成物6を光照射により硬化させて液止め部11を形成するようにしたが、この方法に限定されるものではない。例えば、工程(A)では、熱硬化性の第1の樹脂組成物6を用いて、第1の樹脂組成物6を加熱し硬化させ、液止め部11を形成してもよい。また、第1の樹脂組成物6の粘度が、第2の樹脂組成物8の液ダレを防止できる程度に十分高い場合、第1の樹脂組成物6を熱や光により硬化させなくてもよい。
【0035】
[光硬化性樹脂組成物]
本実施の形態に係る光硬化性樹脂組成物は、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上である単官能モノマーと、(メタ)アクリレート樹脂と、光重合開始剤と、可塑剤とを含有し、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である。ここで、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートとの両方を包含する。光硬化性樹脂組成物は、上述した第1の樹脂組成物6、及び第2の樹脂組成物8として好ましく用いられる。
【0036】
[単官能モノマー]
単官能モノマーは、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上であることが好ましく、97.0%以上であることがより好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、99.50%以上であることが特に好ましい。
【0037】
ここで、単官能モノマーの加熱残分は、熱量計測定装置(装置名:Q50、TA Instruments社製)を用いて、単官能モノマー10mgを60℃で30分間加熱する前後の質量を測定して求めた値をいう。
【0038】
光硬化性樹脂組成物が上述の単官能モノマーを含有することにより、上述した工程(C)において第2の樹脂組成物を加熱する際に、この単官能モノマーの揮発をより効果的に抑制できる。そのため、光透過性部材3と画像表示部材2との密着性をより良好にすることができる。
【0039】
具体的に、単官能モノマーは、単官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、例えば、式(A)で表される化合物、及び式(B)で表される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
【化1】
【0040】
式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2又は3のアルキレン基を表す。R3は炭化水素基を表し、脂肪族炭化水素基であってもよいし、芳香族炭化水素基であってもよい。R3が脂肪族炭化水素基である場合、炭素数5~10の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。また、R3が芳香族炭化水素基である場合、炭素数6~12の芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数6~8の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。また、R3が芳香族炭化水素基である場合、R3は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1~10の直鎖状のアルキル基、炭素数3~10の分岐状のアルキル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。nは1~15の整数を表し、1~10の整数を表すことが好ましい。
【0041】
式(B)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。R5の炭素数は、11~20であり、15~20であることが好ましい。R5は直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、分岐状のアルキル基であることがより好ましい。
【0042】
単官能モノマーの具体例としては、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、о-フェニルフェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及び2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
【0043】
光硬化性樹脂組成物中、単官能モノマーの含有量は、5~60質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、10~30質量%がさらに好ましい。単官能モノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の単官能モノマーを併用する場合、その含有量が上記含有量の範囲を満たすことが好ましい。
【0044】
[(メタ)アクリレート樹脂]
(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、光硬化性の(メタ)アクリレート樹脂であり、ポリマーであっても、オリゴマーであってもよい。(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリイソプレン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー、及びポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも1種であることが好ましい。(メタ)アクリレート樹脂の具体例としては、UC-203(クラレ社製)、UV3700B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
【0045】
光硬化性樹脂組成物中、(メタ)アクリレート樹脂の含有量は、5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましく、30~50質量%が特に好ましい。(メタ)アクリレート樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の(メタ)アクリレート樹脂を併用する場合、その含有量が上記含有量の範囲を満たすことが好ましい。
【0046】
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系光重合開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の少なくとも1種を含有することがより好ましい。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、1-ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(イルガキュア184、BASF社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2一ヒドロキシ-2-メチル-プロピロニル)ベンジル]フェニル}-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア127、BASF社製)等を用いることができる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(TPO、BASF社製)等を用いることができる。その他、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン等を用いることもできる。
【0047】
光硬化性樹脂組成物中、光重合開始剤の含有量は、上述した単官能モノマー、及び(メタ)アクリレート樹脂の合計100質量部に対し、0.1~5質量部が好ましく、0.2~3質量部がより好ましい。このような範囲にすることにより、光照射時に硬化不足となるのをより効果的に防ぐとともに、開裂によるアウトガスの増加をより効果的に防ぐことができる。光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の光重合開始剤を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
【0048】
[可塑剤]
可塑剤は、光照射によりそれ自身が光硬化をせず、光硬化後の硬化樹脂層に柔軟性を与えるものである。例えば、ポリイソプレン系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリブタジエン系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等を用いることができる。ポリイソプレン系可塑剤の具体例としては、LIR-30、LIR-50(以上、クラレ社製)、EPOL(出光興産社製)等が挙げられる。ポリエーテル系可塑剤の具体例としては、P-3000(ADEKA社製)等が挙げられる。ポリブタジエン系可塑剤の具体例としては、HLBH-P2000、HLBH-P3000、LBH-P2000、LBHP3000、LBH-P5000(以上、クレイバレー社製)等が挙げられる。
【0049】
光硬化性樹脂組成物中、可塑剤の含有量は、5~70質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、15~50質量%がさらに好ましい。可塑剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の可塑剤を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
【0050】
[その他の成分]
光硬化性樹脂組成物は、本技術の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外の他の成分をさらに含有していてもよい。例えば、無機微粒子、粘着付与剤等が挙げられる。
【0051】
光硬化性樹脂組成物は、上述した第1の樹脂組成物6、及び第2の樹脂組成物8の少なくとも一方の屈折率を調整する目的で、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子は、例えば、表面がアルキルシリル基で修飾されたシリカ粒子を用いることができる。アルキルシリル基としては、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基を用いることができる。無機微粒子の形状は、例えば、球状、楕円形状、扁平状、ロッド状、繊維状などが挙げられる。無機微粒子の平均粒子径は、光硬化性樹脂組成物中での分散性などを考慮して、例えば、1~1000nmとすることが好ましい。無機微粒子の比表面積(BET吸着法)は、例えば、50~400m2/g程度である。
【0052】
粘着付与剤は、光硬化性樹脂組成物から形成された硬化樹脂層に柔軟性を与え、硬化樹脂層の初期接着強度(いわゆるタック性)をより向上させる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、天然ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジン等のロジン樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の石油樹脂などを使用することができる。
【0053】
光硬化性樹脂組成物は、透過率が90%を超えることが好ましい。これにより、硬化樹脂層1を形成したときに、画像表示部材2に形成された画像の視認性をより良好にすることができる。
【0054】
光硬化性樹脂組成物の屈折率は、画像表示部材2や光透過性部材3の屈折率とほぼ同等であることが好ましく、例えば1.45以上1.55以下であることが好ましい。これにより、画像表示部材2からの映像光の輝度やコントラストを高め、視認性を向上させることができる。
【0055】
光硬化性樹脂組成物は、上述した各成分を、公知の混合手法に従って均一に混合することにより調製することができる。
【実施例】
【0056】
以下、本技術の実施例について説明する。
【0057】
[(メタ)アクリレート樹脂]
UC-203:イソプレンオリゴマー、クラレ社製
UV3700B:ウレタンアクリレートオリゴマー、日本合成化学社製
【0058】
[単官能モノマー]
ISTA:イソステアリルアクリレート、大阪有機化学工業社製
M-111:ノニルフェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-113:ノニルフェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-117:ノニルフェノールPO変性アクリレート、東亞合成社製
M-120:2-エチルヘキシルEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-101A:フェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-102:フェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-106:о-フェニルフェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-110:パラクミルフェノールEO変性アクリレート、東亞合成社製
M-140:N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、東亞合成社製
M-5700:2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、東亞合成社製
IBXA:イソボルニルアクリレート、大阪有機化学工業社製
HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート、大阪有機化学工業社製
【0059】
[可塑剤]
LIR-30:イソプレンポリマー、クラレ社製
P-3000:ポリエーテルポリオール、ADEKA社製
【0060】
[重合開始剤]
Irg184:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製
【0061】
[単官能モノマーの加熱残分]
各単官能モノマーの加熱残分(%)は、熱量計測定装置(装置名:Q50、TA Instruments社製)を用いて求めた。具体的には、
図8に示すように、容器12に、10mgの単官能モノマー13を入れ、単官能モノマー13を60℃で30分間加熱する前後の質量を測定することにより求めた。
【0062】
[光硬化性樹脂組成物の調製]
表1に示す配合量(質量部)で各成分を均一に混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。
【0063】
[光硬化性樹脂組成物の粘度]
光硬化性樹脂組成物の25℃、又は80℃における粘度を、レオメータ(RS600、HAAKE社製、コーン角度C35/2°)で測定した。
【0064】
[光硬化性樹脂組成物の屈折率]
各光硬化性樹脂組成物を80℃で3時間加熱した後の屈折率と、加熱する前の屈折率をアッベ屈折率計(ナトリウムD線(585nm)、25℃)を用いて測定した。
【0065】
[光硬化性樹脂組成物の加熱残分]
各光硬化性樹脂組成物の加熱残分(%)は、熱量計測定装置(装置名:Q50、TA Instruments社製)を用いて求めた。具体的には、
図9に示すように、容器14に、10mgの光硬化性樹脂組成物15を入れ、光硬化性樹脂組成物15を80℃で3時間加熱する前後の質量を測定することにより求めた。
【0066】
[光硬化性樹脂組成物を加熱しない場合の接着強度]
図10、
図11に示すように、厚さ1.1mmのガラス板16の中央部に光硬化性樹脂組成物を滴下し、0.15mmのスペーサ19を介して、厚さ1.1mmのガラス板17を直交するように載置した。これにより、ガラス板16、17の間に、直径6mm、厚さ0.15mmの樹脂組成物層18が形成されたガラス接合体20を得た。
【0067】
図12、
図13に示すように、紫外線照射器9を用いて、積算光量が5000mJ/cm
2となるように、ガラス板17側から紫外線10を照射して樹脂組成物層18を硬化させ、硬化樹脂層21を形成した。
【0068】
図14に示すように、ガラス接合体20のガラス板16、17を治具22A、22Bで固定するとともに、治具22B側から垂直方向に5mm/分の速度で押し込み、以下の基準で接着状態を評価した。接着強度の測定には、荷重試験機(JSV-1000、日本計測システム社製)を用いた。接着強度は、25℃においてガラス板16とガラス板17とが分離するまでに要した応力を測定し、その応力を硬化樹脂層21の単位面積で除することにより算出した。
【0069】
[光硬化性樹脂組成物を加熱する場合の接着強度]
ガラス板16に滴下する光硬化性樹脂組成物として、80℃で3時間加熱したものを用いたこと以外は、上述した光硬化性樹脂組成物を加熱しない場合の接着強度の測定と同様に行った。
【0070】
[透過率]
紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV-2450)を用いて、ガラス接合体20における硬化樹脂層21の可視光領域の透過率を測定した。実用上、硬化樹脂層21の透過率が90%以上であることが好ましい。
【0071】
【0072】
実施例の光硬化性樹脂組成物は、加熱することにより粘度が低くなる。そのため、ダムフィルプロセスにおいて、ダム材(第1の樹脂組成物)とフィル材(第2の樹脂組成物)として同一成分の樹脂組成物を用いた場合でも、ダム材の高粘度性と、フィル材の低粘度性とを両立できる。
【0073】
また、実施例の光硬化性樹脂組成物は、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上である単官能モノマーを含有し、かつ80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%以上である。そのため、予め硬化性樹脂組成物を加熱した場合でも、接着強度が良好であることが分かった。これにより、例えばダムフィルプロセスにおいて、フィル材を加熱する際に、フィル材中の成分の揮発を抑制でき、部材同士の密着性を良好にできる。
【0074】
一方、80℃で3時間加熱後の加熱残分が95.0%未満の樹脂組成物を用いた比較例1、2では、予め樹脂組成物を加熱した場合、接着強度が良好ではないことが分かった。そのため、例えばダムフィルプロセスにおいて、フィル材を加熱する際に、フィル材中の成分の揮発を抑制できず、部材同士の密着性を良好にすることが困難である。また、比較例3、4では、樹脂組成物として、60℃で30分間加熱後の加熱残分が95.0%以上である単官能モノマーを含有しない樹脂組成物を用いたため、接着強度が良好ではないことが分かった。
【符号の説明】
【0075】
1 硬化樹脂層、2 画像表示部材、3 光透過性部材、4 遮光層、5 画像表示装置、6 第1の樹脂組成物、7 第2の樹脂組成物の塗布領域、8 第2の樹脂組成物、9 紫外線照射器、10 紫外線、11 液止め部(ダム)、12 容器、13 単官能モノマー、14 容器、15 光硬化性樹脂組成物、16 ガラス板、17 ガラス板、18 樹脂組成物層、19 スペーサ、20 ガラス接合体、21 硬化樹脂層、22A,22B 治具