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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ヒータが組込まれたバッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6571 20140101AFI20250117BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20250117BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20250117BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20250117BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALN20250117BHJP
【FI】
H01M10/6571
H01M50/204 101
H01M50/296
H01M50/204 401D
H01M10/615
H01M50/202 101
H01M50/202 401D
H01M10/633
H01M10/617
H01M10/6555
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023515186
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2021048941
(87)【国際公開番号】W WO2022055790
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】63/075,709
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,パク・ヘン
(72)【発明者】
【氏名】シャネン,ローレン・フランシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジェイムズ・ロバート
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-047133(JP,A)
【文献】特開2014-116240(JP,A)
【文献】特開2012-079483(JP,A)
【文献】特開2004-171897(JP,A)
【文献】国際公開第2012/105636(WO,A1)
【文献】米国特許第10319213(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60-10/667
H01M 10/42-10/48
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリであって、
第1の端子、第2の端子、およびヒータ端子を含むコネクタと、
前記コネクタの前記第1の端子および前記第2の端子に電気的に結合された1つ以上の再充電可能バッテリセルと、
前記1つ以上の再充電可能バッテリセルの少なくともサブセットと接触する加熱素子とを含み、前記加熱素子は、前記コネクタの前記ヒータ端子と前記第1の端子および前記第2の端子のうちの1つとに電気的に結合された抵抗ヒータ経路を含み、前記加熱素子の前記抵抗ヒータ経路は、ヒータ電圧が前記ヒータ端子に印加されると熱を発生させて前記バッテリを暖め、前記バッテリはさらに、
前記加熱素子および前記1つ以上の再充電可能バッテリセルの外側に巻付けられており前記加熱素子を保持する防水材料を含み、前記防水材料は、周囲の水が前記加熱素子および前記バッテリセルに接触するのを防止し、前記コネクタの少なくとも前記第1の端子および前記第2の端子を電子デバイスのハウジング内のロジックボードに電気的に結合することを可能にするための開口部を含む、バッテリ。
【請求項2】
前記ヒータ端子は、温度制御回路の出力に電気的に結合されており、前記温度制御回路は、前記バッテリの動作温度が閾値温度よりも低いときに前記ヒータ電圧を前記ヒータ端子に与えるとともに、前記バッテリの前記動作温度に従って前記ヒータ電圧を動的に調整する、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記バッテリは、前記加熱素子と前記1つ以上の再充電可能バッテリセルとの間に配置され前記バッテリの前記動作温度を判定する温度センサを含む、請求項2に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記バッテリの動作温度とともに変化するように構成された第1の抵抗を有する負の温度係数(negative temperature coefficient:NTC)サーミスタさらに含み、
前記コネクタは、前記NTCサーミスタに結合されたNTC端子をさらに含む、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記NTC端子の出力は前記バッテリの前記動作温度を示し、前記ヒータ電圧は、前記NTC端子の前記出力が予め定義された加熱条件を満たすという判定に従って前記ヒータ端子に印加され、前記ヒータ電圧は、前記NTC端子の前記出力に応じて動的に調整される、請求項4に記載のバッテリ。
【請求項6】
前記バッテリの前記動作温度で実質的に一定のままとなるように構成された第2の抵抗を有する抵抗器をさらに含み、前記抵抗器および前記NTCサーミスタは、直列に結合され、前記第1の端子と前記第2の端子との間でバイアスがかけられ、前記NTC端子の出力は、前記バッテリの前記動作温度が閾値温度よりも低いかどうかを判定するために印加される、請求項4に記載のバッテリ。
【請求項7】
前記第1の端子および前記第2の端子は、それぞれ、前記バッテリの高供給ノードおよび低供給ノードに結合され、前記抵抗ヒータ経路は、前記コネクタの前記ヒータ端子および前記第2の端子に電気的に結合され、前記バッテリの動作温度が閾値温度よりも低いとき、前記ヒータ電圧は前記低供給ノードよりも高く、前記バッテリの前記動作温度に逆相関している、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項8】
前記第1の端子および前記第2の端子は、それぞれ、前記バッテリの高供給ノードおよび低供給ノードに結合され、前記抵抗ヒータ経路は、前記コネクタの前記第1の端子および前記ヒータ端子に電気的に結合され、前記バッテリの動作温度が閾値温度よりも低いとき、前記ヒータ電圧は、前記高供給ノードよりも低く、前記バッテリの前記動作温度に正相関している、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項9】
前記コネクタはさらに、
前記1つ以上の再充電可能バッテリセルに近接して配置された内部接続ボードを含み、前記内部接続ボードは、第1のバッテリパッド、第2のバッテリパッド、第1のヒータパッド、および第2のヒータパッドを有し、前記コネクタはさらに、
前記第1のバッテリパッドを前記第1の端子に結合する第1のバッテリ相互接続と、
前記第2のバッテリパッドおよび前記第2のヒータパッドを前記第2の端子に結合する第2のバッテリ相互接続と、
前記第1のヒータパッドを前記ヒータ端子に結合するヒータ相互接続とをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項10】
前記加熱素子は、前記抵抗ヒータ経路のうちの部分を支持して電気的に絶縁するポリマー基板を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記1つ以上の再充電可能バッテリセルと前記加熱素子との間に配置される第1の熱スプレッダシートをさらに含み、前記第1の熱スプレッダシートは、前記加熱素子および前記バッテリセルによって生成される熱を分散させるように構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項12】
第2の熱スプレッダシートをさらに含み、前記第2の熱スプレッダシートは、2つの直接隣接するバッテリセルの間に配置され、前記2つの直接隣接するバッテリセルの間で熱を分散させるように構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項13】
前記コネクタは、前記ロジックボード上に組立てられた収容コネクタに機械的かつ電気的に結合され、バッテリ保護回路は、前記バッテリに配置され、前記コネクタの前記第1の端子および前記第2の端子に電気的に結合される、請求項1~12のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項14】
前記バッテリは、ドアベルカメラに組込まれるとともに、少なくともドアベルボタンが押されている時間にわたり前記ドアベルカメラのカメラシステムを駆動するように構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項15】
前記1つ以上の再充電可能バッテリセルは、バッテリセルの第1のサブセットと、前記バッテリセルの第1のサブセットと直列に配置されたバッテリセルの第2のサブセットとを含み、前記バッテリセルの第1のサブセットおよび前記バッテリセルの第2のサブセットの各々は、それぞれのサブセット内において並列に配置されたバッテリセルのそれぞれのセットを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項16】
前記バッテリの電極は、前記バッテリの第1の端部上で前記バッテリセルに電気的に結合され、前記バッテリセルの各々には、前記バッテリの第1の端部において部分的に凹んでいる凹部が設けられており、
i)前記バッテリセルの前記電極、およびii)前記バッテリの前記第1の端部まで延びる前記抵抗ヒータ経路の第1および第2の経路端部(322、324)に電気的絶縁および機械的保護をもたらすために、保護材料が前記第1の端部の前記凹部に適用される、請求項1~15のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項17】
前記ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された、前記ロジックボード及び請求項1~3のいずれか1項に記載のバッテリとを備え、
前記バッテリは、前記コネクタを介して前記ロジックボードに接続されている、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
屋外の電子デバイス(例えば、屋外カメラ)は、このようなデバイスに設置される再充電可能リチウムイオンバッテリにとって問題となる極低温度に晒される可能性がある。このような低温では、リチウムイオンバッテリの充電および放電の過程で電気化学的動力が著しく低下する可能性があり、これによりバッテリインピーダンスが高まる可能性がある。例えば、カナダにおける平均気温は、1月および2月の冬期中は-5°Cから-15°Cの範囲であり、500mAhまでのエネルギ容量を有するリチウムイオンバッテリのインピーダンスは、室温でのリチウムイオンバッテリのインピーダンスと比較して、この温度範囲では5倍高くなる可能性がある。リチウムイオンバッテリのインピーダンスが高まると、それらの放電容量が低下し、結果として、バッテリによって電力供給される電子デバイスの実行時間が著しく低下する可能性がある。加えて、リチウムイオンバッテリが電子デバイスの動作に電力供給している間、インピーダンスが高まると、バッテリ自体に望ましくない電圧降下をもたらす可能性があり、これにより、デバイスの電圧低下(すなわち、デバイス動作を中断してしまう、電子デバイスの電源における意図しない電圧降下)の可能性が高まる可能性がある。このため、低温環境で使用するために設計された多くのバッテリ駆動型電子デバイスにおいて、デバイスの実行時間を延ばしてデバイスの電圧低下を回避するためのメカニズムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
本開示は、低温環境に曝される電子デバイス(例えば、屋外カメラ、ドアベルカメラ)のバッテリを暖めるための方法を記載する。バッテリは、2つの端子に電気的に結合された1つ以上の再充電可能バッテリセルを含む。加熱素子は、当該バッテリの1つ以上の再充電可能バッテリセルに物理的に組込まれて、2つの端子のうちの1つをバッテリセルと共有する。加熱素子が加熱されると、バッテリが暖められ、これにより、低温で動作しないようにバッテリを保護することができる。バッテリを暖めた結果、バッテリのインピーダンスおよび放電容量は損なわれず、かつ、バッテリによって電力供給される場合には、電子デバイスのデバイス実行時間または電力供給が不所望に低下することがなくなる。加えて、いくつかの実施形態では、バッテリは、コンパクトなフォームファクタを維持しつつ水の透過を阻止するためのパッケージング特徴を組込むように変更が加えられる。
【0003】
一局面では、いくつかの実現例は、コネクタと、1つ以上の再充電可能バッテリセルと、加熱素子と、防水材料とを有するバッテリを含む。コネクタは、第1の端子、第2の端子、およびヒータ端子を含む。1つ以上の再充電可能バッテリセルは、コネクタの第1の端子および第2の端子に電気的に結合される。加熱素子は、1つ以上の再充電可能バッテリセルの少なくともサブセットと接触し、例えば、1つ以上の再充電可能バッテリの外側に巻付けられる。加熱素子は、ヒータ端子とコネクタの第1の端子および第2の端子の一方とに電気的に結合された抵抗ヒータ経路を含む。ヒータ電圧がヒータ端子に印加されると、加熱素子の抵抗ヒータ経路は熱を発生させてバッテリを暖める。防水材料は、加熱素子および1つ以上の再充電可能バッテリセルの外側に巻付けられる。防水材料は、周囲の水が加熱素子およびバッテリセルに接触するのを防止する。防水材料はさらに、コネクタの少なくとも第1の端子および第2の端子を(例えば、バッテリとは異なりバッテリの外部にある)ロジックボードに電気的に結合することを可能にするための開口部を含む。
【0004】
いくつかの実現例では、ヒータ端子は、温度制御回路の出力に電気的に結合される。温度制御回路は、バッテリの動作温度が閾値温度よりも低いときにヒータ電圧をヒータ端子に与える。温度制御回路は、バッテリの動作温度に応じてヒータ電圧を動的に調整する。温度制御回路は、任意には、ロジックボード上に配置されるかまたは防水材料内に封入される。
【0005】
いくつかの実現例では、バッテリはさらに、バッテリの動作温度とともに変化するように構成された第1の抵抗を有する負の温度係数(negative temperature coefficient:NTC)サーミスタを含む。コネクタは、NTCサーミスタに電気的に結合されたNTC端子をさらに含む。
【0006】
このため、電子システムおよび電子デバイスは、特に電子デバイスがコンパクトなフォームファクタを有する場合、および/または低温環境で用いられる場合、加熱素子に組込まれた再充電可能バッテリを備える。
【0007】
図面の簡単な説明
説明される様々な実現例をより良く理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明が参照されるべきであり、同様の参照番号は図全体にわたって対応する部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】いくつかの実現例に従った、再充電可能バッテリを含む例示的な電子デバイスを示す図である。
図1B】いくつかの実現例に従った電子デバイスを示す断面図である。
図2】いくつかの実現例に従った、電子デバイスのバッテリ充放電システムを示す回路図である。
図3A】いくつかの実現例に従った、加熱素子を組込まない例示的なバッテリを示す図である。
図3B】いくつかの実現例に従った、加熱素子を組込んだ例示的なバッテリを示す図である。
図4A】いくつかの実現例に従った、電子デバイスのバッテリに組込み可能な例示的な加熱素子を示す図である。
図4B】いくつかの実現例に従った、電子デバイスのバッテリに組込み可能な例示的な加熱素子を示す図である。
図4C】いくつかの実現例に従った、電子デバイスのバッテリに組込み可能な例示的な加熱素子を示す図である。
図5A】いくつかの実現例に従った、1つ以上のバッテリセルをバッテリの外部にあるロジックボード(たとえば、メインボード)に電気的に結合するためのバッテリの接続アセンブリを示す図である。
図6A】いくつかの実現例に従った、例示的なバッテリ保護システムを示す回路図である。
図6B】いくつかの実現例に従った、例示的なバッテリ保護システムを示す回路図である。
図7A】いくつかの実現例に従った、複数のバッテリセルを有するバッテリを組立てるプロセスのうち、特に、防水材料で包まれていないバッテリを示す図である。
図7B】いくつかの実現例に従った、複数のバッテリセルを有するバッテリを組立てるプロセスのうち、特に、防水材料で包まれていないバッテリを示す図である。
図7C】いくつかの実現例に従った、複数のバッテリセルを有するバッテリを組立てるプロセスのうち、防水材料で包まれたバッテリを示す図である。
図7D】いくつかの実現例に従った、防水材料なしのバッテリを示す斜視図である。
図7E】いくつかの実現例に従った、防水材料なしのバッテリを示す正面図である。
図7F】いくつかの実現例に従った、防水材料なしのバッテリを示す側面図である。
図7G】いくつかの実現例に従った、防水材料なしのバッテリを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
同様の参照番号は、添付の図面のうちのいくつかの図全体を通じて対応する部分を指している。
【0010】
詳細な説明
本願の様々な実現例では、加熱素子は1つ以上のバッテリセルを含むバッテリに組込まれており、当該バッテリは、1つ以上のバッテリセルが追加の機能構成要素(例えば、温度センサ、保護回路)とともにパッケージングされる場合のバッテリパックを指し得る。このようなバッテリを有する電子デバイスを低温環境下で使用すると、加熱素子が熱を発生させてバッテリが暖められる。加熱素子は、バッテリの製造に必要な部品表(bill of material:BOM)を減らすコンパクトなパッケージでバッテリと一体化される。バッテリは、内部の保護回路モジュール(protection circuit module:PCM)と、バッテリの本体外にあるコネクタと、PCMをコネクタに接続するワイヤとを含む。PCMを支持するために追加の接続ボードが使用され、加熱素子の2つの両端部に電気的に結合される。加熱素子の2つの両端部のうち一方は、接続ボード上のバッテリの既存のアノードまたはカソード(例えば、既存のバッテリパックシステムの接地)に電気的に結合されるとともに、接続ボード、ワイヤおよびコネクタ端子上の同じ既存の接続パッドをバッテリのアノードまたはカソードと共有する。このため、既存の接続ボード、コネクタおよびワイヤはバッテリセルおよび加熱素子によって共有され、加熱素子のために別個のヒータボード、ワイヤまたはコネクタを追加する必要がない。このようなバッテリを有する電子デバイスは、バッテリに結合される外部ロジックボード上のスペースをさらに節約することができる。なぜなら、ロジックボードがバッテリ端子とヒータ端子とに別々に結合される2つのコネクタを収容する必要がないからである。
【0011】
いくつかの実現例では、加熱素子は、バッテリがバッテリ供給業者によって組み立てられる際にバッテリに組込まれる。加熱素子は、任意には、熱伝達を促進するようにバッテリセル上に直接巻付けられる発熱シートを含む。防水材料(例えば、パッケージラベル付きのラップ)はさらに、加熱素子およびバッテリセルの外側に巻付けられて、バッテリセルに近接して加熱素子を保持する。この防水材料を適用することにより、低温環境からバッテリセルを保護するための熱障壁をもたらし、これにより、時間が経つにつれてバッテリパック表面からの層間剥離および分離が起こるのを防ぐように加熱素子を保護する。
【0012】
加熱素子は、システム電力レールによって電力供給されるものであって、バッテリが電子デバイスに組合わされてそのコネクタが外部ロジックボードに電気的に結合され、これによって駆動される時にのみ機能することができる。バッテリのコネクタが外部ロジックボードに接続されていない場合、バッテリのアノードおよびカソードならびに加熱素子の2つの両端部は開放されて浮遊している。
【0013】
図1Aは、いくつかの実現例に従った、再充電可能バッテリ102を含む例示的な電子デバイス100を示し、図1Bは、いくつかの実現例に従った、図1Aに示す電子デバイス100の断面1B-1Bに沿った電子デバイス100の断面図1Bである。電子デバイス100は、デバイスハウジング110内にカメラモジュールおよびドアベルシステムを組込んだドアベルカメラデバイスである。デバイス100は、ドアベルカメラとして、低温の屋外環境で用いられる可能性が高く、このため、本明細書に記載するようなヒータ一体型バッテリを使用するための理想的なデバイスである。カメラモジュールは、画像を取込むように構成されたレンズアセンブリ104および画像センサ132と、1つ以上の無線通信ネットワークを介してリモートサーバとデータをやり取りするように構成された無線トランシーバとを含む。ドアベルシステムは、ボタンアセンブリ106のボタン上部106′を押下げることに応答してリモートのチャイム装置を鳴らすように構成される。
【0014】
いくつかの実現例では、デバイスハウジング110は、少なくとも複数の電子構成要素、レンズアセンブリ104、およびボタンアセンブリ106をデバイスハウジング110内に封止する前方カバープレート108を含む。前方カバープレート108は、前方カバープレート108上のボタン上部106′を露出させるように構成されたボタン開口部114を含む。ボタン上部106′はボタンアセンブリ106の一部であり、ユーザがボタンアセンブリ106を押下げるのを受けるように構成される。いくつかの実現例では、前方カバープレート108は、レンズアセンブリ104を露出させるカメラ開口部112をさらに含む。レンズアセンブリ104は、レンズアセンブリ104を保護するように構成されたカバーガラスを含む。電子デバイス100は、実質的に不透明な領域の背後に配置されたIR照明器118の配列を含み得る。IR照明器118は、前方カバープレート108の下に隠されているが、IR照明器118によって生成された光は、依然として前方カバープレート108を通り抜けて電子デバイス100の視野を照らすことができる。
【0015】
いくつかの実現例では、電子デバイス100は、レンズアセンブリ104内に少なくとも部分的に配置された周囲光センサ(ambient light sensor(ALS))アセンブリ(図1Bに図示せず)をさらに含む。ALSアセンブリは、レンズアセンブリ104を囲む周囲環境からレンズアセンブリ104に入る光の量を測定するように構成される。電子デバイス100は、マイクロフォン120およびスピーカ122をさらに含み得る。マイクロフォン120は前方カバープレート108の背後に隠されており、この前方カバープレート108は、音波がマイクロフォン120に到達することを可能にするマイクロフォンアパーチャ124を有する。リモートユーザは、電子デバイス100のカメラモジュールによって取込まれたライブビデオストリームを閲覧し得るとともに、マイクロフォン120およびスピーカ122を介して訪問者とリアルタイムで会話し得る。
【0016】
電子デバイス100は、デバイスハウジング110内に積重された少なくともセンサボード126と、メインボード128と、二次ボード130とを含み得る。メインボード128は、少なくとも中央処理装置(central processing unit:CPU)と、(例えば、メモリおよびメモリコントローラを含む)メモリシステムとを含む。画像センサアレイ132は、センサボード126の端部の上に配置され得る。二次ボード130は、無線トランシーバ回路、IR照明器ドライバ、LEDインジケータドライバ、および音声信号プロセッサ(図1Bに図示せず)のうちの少なくとも1つ以上を含み得る。
【0017】
いくつかの実現例では、再充電可能バッテリ102は、メインボード128上に装着されるとともに、コネクタを介してメインボード128に電気的に結合される。メインボード128は反転されてセンサボード126に接着されてもよい。メインボード128がセンサボード126からずらされると、再充電可能バッテリ102がセンサボード126の横に位置決めされてデバイスハウジング110内のコンパクトな空間が活用できるようになり得る。いくつかの実現例では、センサボード126は、再充電可能バッテリ102を充電するためにこれらの供給電圧を供給するなどして、外部から供給される供給電圧を調節し、メインボード128は、外部電源が利用できない時にセンサボード126および二次ボード130に電力供給するように再充電可能バッテリ102の動作を管理する。いくつかの状況では、電子デバイス100は外部電源からは切断されず、バッテリ102は、短時間だけ(例えば、ボタン上部106′が押された時に)電子デバイス100のカメラシステムを駆動するように構成される。代替的には、いくつかの状況では、バッテリ102は、バッテリ102が外部電源に接続されて当該外部電源によって充電される前に、長時間にわたって任意の外部電源から切断される電子デバイス100の動作に電力供給するために用いられる。
【0018】
図1Aを参照すると、電子デバイス100は、通常、建物の外部に設置され、屋外環境に露出され、このため屋外温度の変動に晒されるドアベルカメラデバイスである。いくつかの実現例では、再充電可能バッテリ102は、当該再充電可能バッテリの温度が第1の閾値温度(たとえば、45°C)よりも高いという判定に従って充電が不可にされる。逆に、いくつかの状況では、屋外温度は第2の閾値温度(例えば、0°C)よりも低下し、電子デバイス100のバッテリ102は屋外温度の低下によって影響を受ける可能性がある。いくつかの実現例では、加熱素子が再充電可能バッテリ102に組込まれ、当該加熱素子は、再充電可能バッテリの温度が第2の閾値温度(たとえば、0°C)未満であるという判定に従って再充電可能バッテリ102を加熱する。加熱素子は、再充電可能バッテリの温度が第3の閾値温度以上であるという判定に従って、再充電可能バッテリ102を加熱することが不可にされる。第3の閾値温度は、任意には、第2の閾値温度と等しく、かつ、第2の閾値温度とは異なっている。
【0019】
図2は、いくつかの実現例に従った、電子デバイス100のバッテリ充放電システム200の回路図である。電子デバイス100はバッテリ102を含む。任意には、バッテリ102は、電子デバイス100に内蔵されるか、または電子デバイス100内の交換可能なモジュールである。いくつかの実現例では、バッテリ102は単一の再充電可能バッテリセル202を含む。いくつかの実現例では、バッテリ102は、互いに電気的に結合された複数の再充電可能バッテリセル202を含む。例えば、いくつかの実現例では、バッテリ102の複数の再充電可能バッテリセル202は、1SnPの並列バッテリ構成(nは、並列に接続されたバッテリセル202の数(例えば、1S2P、1S3P、1S4P)を示す整数である)、mS1Pの直列バッテリ構成(mは、直列に接続されたバッテリセル202の数(例えば、2S2P)を示す整数である)、または、mSnPの混合バッテリ構成に従って結合され得る。本願では、バッテリ102は、1つ以上のバッテリセル202を追加の機能構成要素(例えば、加熱素子204、NTCサーミスタ216、およびバッテリ保護システム224)とともにパッケージングするバッテリパックを広く指している。
【0020】
いくつかの実現例では、バッテリ102は、CPU、メモリ、データ入力デバイス、データ出力デバイス、レンズアセンブリ、ヒートシンク、画像センサアレイ、赤外線照明器、フィルタなどの電子デバイス100の様々な構成要素を含む内部回路226に電気的に結合される。内部回路226はメインボード128、センサボード126、および/または二次ボード130上に実装される。いくつかの実現例では、外部電源228がバッテリ102および内部回路226に結合される。外部電源228は、電子デバイス100のバッテリ102を充電し、内部回路226に電力供給するために用いられる。
【0021】
いくつかの実現例では、電子デバイス100が外部電源228もしくは他の任意の電源によって充電されている間、および/または、バッテリ102が放電されて電子デバイス100の内部回路226を駆動している間、1つ以上のバッテリセル202が、当該1つ以上のバッテリセル202を保護するように構成されたバッテリ保護システム224に電気的に結合されている。いくつかの実現例では、バッテリ保護システム224は、バッテリ102を形成する複数の再充電可能バッテリセル202のうち少なくとも1つの再充電可能バッテリセルがいつ切断されるか、またはいつ充電できなくなるかを検出するために用いられる。いくつかの実現例では、バッテリ保護システム224は、バッテリ102の保護回路モジュール内に設計されている。いくつかの実現例では、1つ以上のバッテリセル202およびバッテリ保護システム224は、電子デバイス100内に収容されたバッテリパックの単一のパッケージ/筐体に組込まれる。図示されていない他の実現例では、バッテリ保護システム224は、バッテリ102とは別個のパッケージ/構成要素としてパッケージングされている。
【0022】
いくつかの実現例では、バッテリ102は、1つ以上のバッテリセル202に加えて、加熱素子204および防水材料206を含む。加熱素子204は、少なくとも当該1つ以上のバッテリセル202のサブセットと接触して配置され、例えば、1つ以上の再充電可能バッテリセル202の外側に巻付けられる。加熱素子204は、1つ以上のバッテリセル202を暖めるために熱を発生させるように構成された抵抗ヒータ経路を含む。防水材料206は、加熱素子204および1つ以上の再充電可能バッテリセル202の外側に巻付けられて、周囲の水が加熱素子204およびバッテリセル202に接触するのを防止する。
【0023】
バッテリ102は、バッテリ102を内部回路226および/または外部電源228に(例えば、より具体的にはメインボード128に)電気的に結合するように構成されたコネクタ(例えば、図3のコネクタ306)をさらに含む。コネクタは、第1の端子210、第2の端子212およびヒータ端子214を含む。第1の端子210および第2の端子212は、1つ以上のバッテリセル202の2つの対向する電極(すなわち、アノードおよびカソード)に結合されて、1つ以上のバッテリセル202が第1の端子210および第2の端子212で充電および放電することを可能にする。第2の端子212は、任意には接地電源220に結合される。加熱素子204の抵抗ヒータ経路は、ヒータ端子214とコネクタの第1の端子210および第2の端子212のうちの1つとに電気的に結合される。ヒータ電圧がヒータ端子214に印加されると、加熱素子204の抵抗ヒータ経路が熱を発生させてバッテリ102を暖める。加熱素子204の外側に巻付けられる防水材料206は、コネクタの少なくとも第1の端子210および第2の端子212をバッテリ102とは別個のロジックボード(例えば、メインボード128)に電気的に結合することを可能にするための開口部を有する。
【0024】
第1の端子210および第2の端子212は、それぞれ、1つ以上のバッテリセル202の高供給ノード(すなわち、カソード)および低供給ノード(すなわち、アノード)に電気的に結合される。いくつかの実現例では、抵抗ヒータ経路は第1の端子210とヒータ端子214との間に電気的に結合される。バッテリ102の動作温度が閾値温度よりも低いとき、ヒータ電圧は、第1の端子210に結合された高供給ノードよりも低く、バッテリ102の動作温度に正に相関する(すなわち、動作温度の上昇と共に高くなる)。逆に、いくつかの実現例では、抵抗ヒータ経路は、ヒータ端子214と第2の端子212との間に電気的に結合される。バッテリ102の動作温度が閾値温度よりも低いとき、ヒータ電圧は、第2の端子212に結合された低供給ノードよりも高く、バッテリの動作温度に逆に相関する(すなわち、動作温度の上昇と共に低くなる)。さらに、いくつかの実現例では、バッテリ102の低供給ノードは接地されてもよく、第2の端子212は低供給ノードで接地される。
【0025】
さらに、いくつかの実現例では、バッテリ102は、バッテリ102の動作温度とともに変化するように構成された第1の抵抗を有する負の温度係数(NTC)サーミスタ216をさらに含む。コネクタは、NTCサーミスタ216に結合されたNTC端子218をさらに含む。NTC端子218の出力はバッテリ102の動作温度を示しており、NTC端子218の出力が予め定義された加熱条件を満たすとの判定に応じてヒータ電圧がヒータ端子214に印加される。例えば、NTC端子218の出力は、バッテリの動作温度が閾値温度よりも低いかどうかを判定するために用いられる。ヒータ電圧は、NTC端子218の出力に応じて動的に調整することができる。さらに、いくつかの実現例では、NTCサーミスタ216は抵抗器222と直列に結合される。抵抗器222およびNTCサーミスタ215には、第1の端子210と第2の端子212との間で電気的にバイアスがかけられる。抵抗器222が有する第2の抵抗は、実質的に一定のままであるか、またはバッテリ102の動作温度に応じてわずかな許容範囲内で変化する。抵抗器222は、任意には、バッテリ102の外部、例えば、内部回路226内、またはバッテリ102の内部、に配置される。
【0026】
いくつかの実現例では、ヒータ端子214は、バッテリ102の動作温度が閾値温度よりも低いときにヒータ電圧をヒータ端子214に供給する温度制御回路230の出力に電気的に結合される。温度制御回路230は、バッテリ102の動作温度に応じてヒータ電圧を動的に調整する。任意には、温度制御回路230は、電子デバイス106の内部回路226の一部であり、バッテリ102の外部(例えばメインボード128上)にある。任意には、温度制御回路230は、センサボード126、メインボード128、および二次ボード130のいずれかに実装されるのではなく、バッテリ102に組込まれる。
【0027】
図3Aは、いくつかの実現例に従った、加熱素子204を組込んでいない例示的なバッテリ300を示し、図3Bは、いくつかの実現例に従った、加熱素子204を組込んだ例示的なバッテリ350を示す。バッテリ300は、1つ以上の再充電可能バッテリセル202と、内部接続ボード302と、バッテリ相互接続リンク304と、コネクタ306とを含む。バッテリ300は、カソード308およびアノード310を含む2つの対向する電極を有しており、電流は、バッテリセル202の分極電気機器から出てカソード308を通ってバッテリ300のアノード310に向かって流れ得る。1つ以上の再充電可能バッテリセル202は、バッテリ構成(例えば、lSnPの並列バッテリ構成、mSnPの混合バッテリ構成)に従って、カソード308とアノード310との間に電気的に結合される。バッテリ300のカソード308およびアノード310は、内部接続ボード302上の2つの別個のバッテリパッド(例えば、第1のバッテリパッドおよび第2のバッテリパッド)に電気的に結合される。コネクタ306は、バッテリ相互接続リンク304を介して内部接続ボード302に接続される。すなわち、コネクタ306は、内部接続ボード302の第1のバッテリパッドおよび第2のバッテリパッドに、さらにはバッテリ300のカソード308およびアノード310にそれぞれ電気的に結合される第1の端子210および第2の端子212を含む。
【0028】
外部パッケージングシート320は、1つ以上の再充電可能バッテリセル202と、カソード308およびアノード310と、内部接続ボード302と、バッテリ相互接続リンク304のバッテリ端部とを封入するために適用される。外部パッケージングシート320は、バッテリ相互接続リンク304がバッテリセル202から遠ざかるように延在して外部ロジックボード(例えば、メインボード128)に到達することを可能にするための開口部を有する。いくつかの実現例では、外部パッケージングシート320は、周囲の水が1つ以上の再充電可能バッテリセル202および内部接続ボード302に接触するのを防止する防水材料206を含む。図3Aおよび図3Bが概念図であり、多くの実施形態では、外部パッケージシート320が1つ以上の再充電可能バッテリセル202の周りに密に巻付けられることに留意されたい。
【0029】
図3Bを参照すると、いくつかの実現例では、加熱素子204は、1つ以上の再充電可能バッテリセル202の外側に巻付けられて接触している。加熱素子は、第1の経路端部322および第2の経路端部324を有する抵抗ヒータ経路を含む。第1の経路端部322および第2の経路端部324の各々は、加熱素子204の基板のうち、内部接続ボード302に達するようにバッテリ202のアノードまたはカソードに近接して延在するそれぞれの部分によって支持される。第1の経路端部322および第2の経路端部324は、内部接続ボード302の第1のヒータパッドおよび第2のヒータパッドにそれぞれ電気的に結合される。第1のヒータパッドは、バッテリ相互接続リンク304のヒータ相互接続を介してコネクタ306のヒータ端子214に電気的に結合される。第2のヒータパッドは、第1のバッテリパッドまたは第2のバッテリパッドに電気的に結合され、従って、バッテリ相互接続リンク304を介してコネクタ306の第1の端子210または第2の端子212に結合される。ヒータ電圧がヒータ端子に印加され、第1の端子および第2の端子が供給電圧に結合されると、電流が抵抗ヒータ経路を通って流れて、加熱素子204の抵抗ヒータ経路に熱を発生させてバッテリ350を暖める。
【0030】
加えて、防水材料206が、加熱素子204、1つ以上の再充電可能バッテリセル202、カソード308およびアノード310、内部接続ボード302、ならびにバッテリ相互接続リンク304のバッテリ端部を封入するように適用される。防水材料206は、バッテリ相互接続リンク304がバッテリセル202から遠ざかるように延在して外部ロジックボード(例えば、メインボード128)に到達することを可能にするための開口部を有する。防水材料206は、周囲の水が1つ以上の再充電可能バッテリセル202および内部接続ボード302に接触するのを防止する。
【0031】
いくつかの実現例では、バッテリ350に加熱素子204を組込むのに、別個の接続ボード、別個の相互接続リンク、または別個のコネクタを必要としない。むしろ、既存の接続ボード302、相互接続リンク304およびコネクタ306は、加熱素子204を支持するように変更が加えられる。具体的には、いくつかの実現例では、2つのヒータパッドが接続ボード302に追加され、ヒータ相互接続が相互接続リンク304に追加される。コネクタ306は、もう1つのヒータ端子214のみを含むように変更が加えられる。加熱素子204は、相互接続および端子を1つ以上のバッテリセル202と共有する。代替的には、いくつかの実現例では、第1のヒータパッドおよび第2のヒータパッドのいずれも、内部接続ボード302上の第1のバッテリパッドおよび第2のバッテリパッドのうちの一方に電気的に結合されないかまたは短絡されない。コネクタ306は、2つのヒータ端子を含むように変更が加えられる。第1のヒータパッドおよび第2のヒータパッドは、相互接続リンク304に追加された2つの別個のヒータ相互接続を介してコネクタ306の2つのヒータ端子に電気的に結合される。これらの手段により、加熱素子204は、別個のコネクタボード、相互接続リンクまたはコネクタを必要とすることなく、バッテリレベルではバッテリセル接続とは別個にそれ自体の接続を有する。
【0032】
図4A図4Cは、いくつかの実現例に従った、各々が電子デバイス100のバッテリ102に組込み可能な3つの例示的な加熱素子204A~204Cを示す。各加熱素子204は、抵抗ヒータ経路402のうち別々の部分を支持して電気的に絶縁するポリマー基板を有する。ポリマー基板は、任意には、ポリイミドで作られている。いくつかの実現例では、抵抗ヒータ経路402は、加熱素子204の基板にわたって均等に分散された(たとえば、蛇行形状を有する)パターンに追従する。代替的には、いくつかの実現例では、抵抗ヒータ経路402は、加熱素子204にわたって不均等に分散されたパターンに追従しており、バッテリ102の温度プロファイルと一致する密度プロファイルを有する。例えば、加熱素子204の領域404は、バッテリ102のうち電子デバイス100のデバイスハウジング110に近い部分に接触して配置されることとなり、低温に晒される可能性が高い。抵抗ヒータ経路402の密度は、加熱素子204の領域404において局所的に高くなっている。
【0033】
いくつかの実現例では、1つ以上の再充電可能バッテリセル202は、バッテリ102に組合わされると、集合的に実質的に平坦な3次元(three-dimensional:3D)形状を形成する。この3D形状の厚さ(thickness:t)は、その長さ(length:l)または幅(width:w)よりも実質的に小さい。1つ以上の再充電可能バッテリセル202の3D形状は、3D形状の長さ(l)および幅(w)によって規定される2つの対向する表面を有する。図4Aを参照すると、加熱素子204Aは、2つの対向する表面のうちの1つに合致する領域408を有する。加熱素子204Aは、2つの対向する表面のうちの1つに取り付けることができるか、または2つの隣接するバッテリセル202の間に配置することができる。図4Bおよび4Cを参照すると、加熱素子204Bまたは204Cは、2つの対向する表面に合致する2つの領域406および408を含み、これら2つの領域406および408は、加熱素子204Bまたは204Cがバッテリ102に組込まれた時に1つ以上の再充電可能バッテリセル202の2つの対向する側面を介してバッテリ102に熱を与えるように構成される。2つの領域406および408の各々のサイズは、任意には、1つ以上の再充電可能バッテリセル202の対向する表面の各々のサイズ以下である。
【0034】
抵抗ヒータ経路402は、第1の経路端部322および第2の経路端部324を有する。第1の経路端部322および第2の経路端部324の各々は、加熱素子204の基板のうち、当該加熱素子204の領域408の第1の側412Aから延在して内部接続ボード302に到達するそれぞれの部分によって支持される。加熱素子204Bまたは204Cの2つの領域406および408は架橋領域410を介して接続される。加熱素子204Bまたは204Cは、領域406または408が1つ以上の再充電可能バッテリセル202の両側に巻付けられ得るように、架橋領域410において折り畳まれている。図4Bを参照すると、架橋領域410は、任意には、領域408の第1の側412Aの反対側にある領域408の第2の側412Bから延在し、領域406または408の幅w′以下である幅(w)を有する。図4Cを参照すると、架橋領域410は、任意には、領域408の第1の側412Aに接続される領域408の第3の側412Cから延在し、領域406または408の長さl′以下である幅(w)を有する。架橋領域410は、加熱素子204Bまたは204Cによって巻かれるべき1つ以上のバッテリセル202の厚さ(t)に合致する長さ(l)を有する。加えて、抵抗ヒータ経路402は、領域406または408の各々において(例えば、蛇行形状を有する)それぞれのパターンに追従する。任意には、それぞれのパターンは架橋領域410上では使用されない。領域406または408の抵抗ヒータ経路402は、架橋領域410の上にわたって延在するが、架橋領域410上では電気的に切断されない。任意には、抵抗ヒータ経路402は、架橋領域410ならびに領域406および領域408上の同じパターンに追従する。領域408および領域410の各々は任意には剛性または可撓性であり、架橋領域410は可撓性である。
【0035】
図5は、いくつかの実現例に従った、1つ以上のバッテリセル202をバッテリ102の外部にあるロジックボード(たとえば、メインボード128)に電気的に結合するためのバッテリ102の接続アセンブリ500を示す。接続アセンブリ500は、内部接続ボード302、バッテリ相互接続リンク304、およびコネクタ306を含む。内部接続ボード302は、バッテリ102の高供給ノード(すなわち、カソード308)および低供給ノード(すなわち、アノード310)を有する1つ以上のバッテリセル202に電気的に結合される。バッテリ相互接続リンク304は、バッテリ102の供給ノードをコネクタ306にさらに結合するための複数の相互接続を含む。バッテリ相互接続リンク304の長さは、バッテリ102の供給ノードと、コネクタ306を収容するように構成されたロジックボードの収容コネクタとの間の距離よりも長い。コネクタ306の端子は、ロジックボード上に組合わされた収容コネクタの端子と合致する。コネクタ306がロジックボードの収容コネクタに機械的および電気的に結合されると、コネクタ306は、バッテリ102の電力をロジックボードの電子構成要素に与えるか、または、ロジックボードを介して外部電源228でバッテリ102を充電する。
【0036】
いくつかの実現例では、内部接続ボード302は、第1のバッテリパッド502、第2のバッテリパッド504、第1のヒータパッド506、および第2のヒータパッド508を含む。第1のバッテリパッド502および第2のバッテリパッド504は、バッテリ102のカソード308およびアノード310にそれぞれ電気的に結合される。第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508は、加熱素子204の抵抗ヒータ経路402の第1の経路端部322および第2の経路端部324にそれぞれ電気的に結合される。第1のバッテリパッド502および第2のバッテリパッド504ならびに第1のヒータパッド506はさらに、それぞれ、バッテリ相互接続リンク304の第1のバッテリ相互接続510、第2のバッテリ相互接続512、およびヒータ相互接続514を介してコネクタ306の対応する端子に結合される。さらに、いくつかの実現例では、第2のヒータパッド508は、内部接続ボード302上の第2のバッテリパッド504に結合されるかまたは短絡され、従って、バッテリ相互接続リンク304の第2のバッテリ相互接続512にも電気的に結合される。図5に示さないいくつかの実現例では、第2のヒータパッド508は、内部接続ボード302上の第1のバッテリパッド502に結合されるかまたは短絡され、従って、バッテリ相互接続リンク304の第1のバッテリ相互接続510に電気的に結合される。
【0037】
いくつかの実現例では、バッテリ相互接続リンク304はNTC相互接続516をさらに含み、コネクタ306はNTC相互接続516に結合されたNTC端子218をさらに含む。図2を参照すると、バッテリ102は、任意には内部接続ボード302上に配置されるかまたはバッテリ102の1つ以上のバッテリセル202の1つに近接して配置されるNTCサーミスタ216を含む。NTCサーミスタ216は、コネクタ306のNTC端子218に電気的に結合される。NTCサーミスタ216は、バッテリ102の動作温度とともに変化するように構成された第1の抵抗を有し、NTC端子の出力はバッテリ102の動作温度を示す。一例では、NTCサーミスタ216は、コネクタの第1の端子210とNTC端子218との間に電気的に結合され、NTCサーミスタ216の両端の電圧バイアスは、バッテリ102の動作温度を判定するために第1の端子210およびNTC端子218において監視される。さらに、いくつかの実現例では、NTC端子218の出力が予め定義された加熱条件を満たす(例えば、バッテリ102の動作温度が閾値温度よりも低い)という判定に従って、ヒータ電圧がヒータ端子214に印加される。ヒータ電圧は、NTC端子218の出力に従って動的に調整され、これにより、バッテリ102の動作温度を閾値温度よりも高く維持する。
【0038】
図6Aおよび図6Bは、いくつかの実現例に従った、2つのバッテリ保護システム224の回路図である。各バッテリ保護システム224は、バッテリ102が異常に機能しているかどうか(例えば、過充電されているか、充電が不十分であるか、または短絡されているか)を判定し、バッテリ102の異常状態(例えば、過充電、充電不足、または短絡の状態)を検出するとバッテリ102を切断するように構成されている。バッテリ保護システム224は、内部接続ボード302上に配置され、第1のバッテリパッド502、第2のバッテリパッド504、および第2のヒータパッド508に電気的に結合される。バッテリ保護システム224は、加熱素子204を介して第1のヒータパッド506に結合されている間、第1のヒータパッド506とは独立して動作する。逆に、いくつかの実現例(図示せず)では、バッテリ保護システム224は、バッテリ102の外部にあるロジックボード上に配置され、コネクタ306を介してバッテリ102に電気的に結合される。いくつかの実現例では、バッテリ保護システム224は、第2のバッテリパッド504とNTCノード602との間に結合されたNTCサーミスタ216を含み、NTCノード602は、バッテリ相互接続リンク304のNTC相互接続516およびコネクタ306のNTC端子218に電気的に結合される。
【0039】
バッテリ保護システム224は、第1の保護集積回路(protection integrated circuit:PIC)604および第1のスイッチ構成要素608を含む。第1のPIC604は、第1のスイッチ構成要素608に結合された電力コントローラであって、第1のスイッチ構成要素608を介してバッテリ102の充電および放電を制御するように構成されている。いくつかの実現例では、バッテリ保護システム224は、第2のPIC606および第2のスイッチ構成要素610をさらに含む。第2のPIC606は、第2のスイッチ構成要素610に結合された別の異なる電力コントローラであって、第2のスイッチ構成要素610を介してバッテリ102の充電および放電を制御するように構成されている。第1のスイッチ構成要素608および第2のスイッチ構成要素610は、充放電経路612に沿って、互いに直列に、かつバッテリ102と直列に結合される。スイッチ構成要素608および610の各々は、バッテリ102の充電および放電を管理するために、対応するPIC604または606によって制御され得る。さらに、いくつかの実現例では、第1のスイッチ構成要素608および第2のスイッチ構成要素610の各々は、バッテリ102の充電および放電を別々に制御するために充放電経路612上に配置された充電スイッチおよび放電スイッチを含む。
【0040】
いくつかの実現例では、2つのモニタ抵抗器614Aおよび614Bは、充放電経路612に沿って、互いに直列に、かつバッテリ102ならびにスイッチ構成要素608および610と直列に結合される。モニタ抵抗器614はまた、直流(direct current:DC)充放電経路612上で1つ以上のバッテリセル102と直列に結合される。第1のPIC604および第2のPIC606の各々は、モニタ抵抗器614Aまたは614Bに結合されるとともに、モニタ抵抗器614Aまたは614Bの電圧降下を監視し、それぞれ、モニタ抵抗器614Aまたは614Bの電圧降下に基づいてバッテリ102が異常に機能しているかどうかを判定するように構成される。
【0041】
内部接続ボード302は、第1のバッテリパッド502、第2のバッテリパッド504、第1のヒータパッド506、および第2のヒータパッド508を含む。図6Aを参照すると、第2のヒータパッド508は、バッテリ保護システム224の一部を介して、例えば、モニタ抵抗器614ならびにスイッチ構成要素608および610のうちの1つ以上を介して、第2のバッテリパッド504に結合される。いくつかの状況では、バッテリ102の動作温度が閾値温度を下回ると、バッテリ保護システム224は、バッテリの異常状態を検出し、バッテリ102の充電または放電を不可にする。バッテリ保護システム224によって影響を受けることなくヒータ電圧および低供給電圧が第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508を介して加えられると、外部電源228によって依然として加熱素子204が加熱されてバッテリ102を暖めることができる。代替的には、図6Aに示さないいくつかの実現例では、第2のヒータパッド508は第1のバッテリパッド502に直接短絡されている。バッテリ保護システム224は、バッテリの異常状態を検出すると、バッテリ102の充電/放電をともに不可にする。バッテリ保護システム224によって影響を受けることなく、高供給電圧およびヒータ電圧が第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508を介して印加されると、外部電源228によって加熱素子204が加熱されてバッテリ102を暖めることもできる。
【0042】
図6Bを参照すると、高電圧側がバッテリ保護されているいくつかの実現例では、第2のヒータパッド508は、第2のバッテリパッド504に直接電気的に短絡されている。任意には、パッド504および508の代わりに単一のパッドを使用することができ、これにより内部接続ボード302のフットプリントサイズを小さくすることができる。バッテリ保護システム224は、バッテリの異常状態を検出すると、バッテリ102の充電/放電の両方を不可にする。バッテリ保護システム224によって影響を受けることなく、高供給電圧およびヒータ電圧が第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508を介して加えられると、外部電源228によって加熱素子204が加熱されてバッテリ102を暖めることができる。
【0043】
図7A図7Cは、いくつかの実現例に従った、2つ以上のバッテリセル202を有するバッテリ102を組合わせるプロセス700を示す。特に、図7Aおよび図7Bは、防水材料206で包まれていないバッテリ102を示し、図7Cは、防水材料206で包まれているバッテリ102を示す。図7Dおよび図7Eは、それぞれ、いくつかの実現例に従った、防水材料206なしのバッテリ102を示す斜視図720および正面図740である。図7Fおよび図7Gは、いくつかの実現例に従った、防水材料206なしのバッテリ102の2つの側面図760および780である。
【0044】
バッテリ102は、1S2Pの並列バッテリ構成に配置された2つのバッテリセル202を有する。防水材料206は加熱素子204および2つのバッテリセル202の外側に巻付けられている。内部接続ボード302、および当該内部接続ボード302に結合されたバッテリ相互接続リンク304のバッテリ端部も防水材料206に封入される。バッテリ相互接続リンク304の残りの部分は、バッテリ相互接続リンク304の開口部から外側に延在し、コネクタ306にて終端する。コネクタ306は、ロジックボードの収容コネクタに合致するように構成される。いくつかの実現例では、ロジックボードは、バッテリ102の動作温度が閾値温度よりも低いときにヒータ端子214にヒータ電圧を印加し、バッテリ102の動作温度に従ってヒータ電圧を動的に調整するように構成された温度制御回路230を含む。代替的には、いくつかの実現例では、温度制御回路230は、防水材料206に封入された内部接続ボード302上に少なくとも部分的に配置されている。
【0045】
図7Aを参照すると、防水材料206がバッテリ102から除去されてその上に巻付けられていない時、2つのバッテリセル202Aおよび202Bが露出される。2つのバッテリセル202Aおよび202Bは各々、長さ(l)または幅(w)を有する表面を有しており、実質的に平坦な3D形状を形成するようにまとめて積層され、この実質的に平坦な3D形状が有する厚さ(t)はその長さ(l)および幅(w)よりも実質的に小さい。バッテリ102の2つの対向する電極(すなわち、カソード308およびアノード310)が形成され、バッテリ102の第1の端部702上でバッテリセル202Aおよび202Bに電気的に結合される。加熱素子204は、第1の経路端部322および第2の経路端部324を含む抵抗ヒータ経路402を有する。第1の経路端部および第2の経路端部324はまた、バッテリ102の第1の端部702にまで延在する。内部接続ボード302は、バッテリの第1の端部702付近に配置されるとともに、第1の経路端部322および第2の経路端部324ならびにバッテリ102の2つの対向する電極を収容するように構成される。
【0046】
いくつかの実現例では、バッテリセル202Aおよび202Bの各々は、第1の端部702において部分的に凹んでいる。内部接続ボード302は、第1の端部702付近に位置決めされ、バッテリセル202の2つの対向する電極308および310ならびに加熱素子204の第1の経路端部322および第2の経路端部324は、第1の端部702において内部接続ボード302のパッド502~508に電気的に結合される。いくつかの状況では、バッテリセル202の電極308および310ならびに加熱素子204の第1の経路端部322および第2の経路端部324に電気的絶縁および機械的保護をもたらすために、保護材料710がバッテリセル202の各々の凹部702に適用される。任意には、保護材料710は断熱発泡体の断片から作製される。防水材料206は、加熱素子204およびバッテリセル202の外側に巻付けられ、これにより、周囲の水が加熱素子204およびバッテリセル202に接触することを防止する。
【0047】
いくつかの実現例では、加熱素子204は、互いに繋がれている2つのバッテリセル202Aおよび202Bの外側に巻付けられる。代替的には、いくつかの実現例では、加熱素子204は、2つのバッテリセル202Aおよび202Bのうちの1つのみの外側に巻付けられる。対応する抵抗ヒータ経路402の経路端部322および324は、バッテリ102の第1の端部702にまで延在し、内部接続ボード302の第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508によって収容される。代替的には、いくつかの実現例では、加熱素子204は、第1の加熱素子(例えば、図4Bの204Bまたは図4Cの204C)および第2の加熱素子(例えば、図4Bの204Bまたは図4Cの204C)を含む。第1の加熱素子および第2の加熱素子は、それぞれ、2つのバッテリセル202Aおよび202Bの外側に巻付けられる。任意には、第1の加熱素子および第2の加熱素子の抵抗ヒータ経路は、それぞれの経路端部322および経路端部324で終端するように電気的に直列に結合される。任意には、第1の加熱素子および第2の加熱素子の抵抗ヒータ経路は、内部接続ボード302の第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508によって収容されるそれぞれの経路端部322および324において並列に電気的に結合される。
【0048】
図7Fを参照すると、いくつかの実現例では、加熱素子204はバッテリセルには巻付けられていない。むしろ、加熱素子204(例えば、図4Aの204A)が有する面積は、長さ(l)および幅(w)を有するバッテリ102の表面の面積以下である。加熱素子204は、防水材料206とバッテリセル202Aとの間、2つのバッテリセル202Aと202Bとの間、または防水材料206とバッテリセル202Bとの間に配置されている。図7Gを参照すると、加熱素子204は複数の加熱素子シート(例えば、図4Aの204A)を含み、その各々が有する面積は、長さ(l)および幅(w)を有するバッテリ102の表面の面積以下である。各々の加熱素子シートは、内部接続ボード302の第1のヒータパッド506および第2のヒータパッド508に電気的に結合された経路端部322および324を有する抵抗ヒータ経路を有する。
【0049】
図7Bを参照すると、いくつかの実現例では、第1の熱スプレッダシート704は、バッテリセル202Aと当該バッテリセル202Aに直接隣接する加熱素子204との間、および/またはバッテリセル202Bと当該バッテリセル202Bに直接隣接する加熱素子204との間に配置される。第1の熱スプレッダシート704は、加熱素子204およびバッテリセル202Aおよび/または202Bによって生成される熱を均等に分散させるように構成される。付加的または代替的には、いくつかの実現例では、第2の熱スプレッダシート706はバッテリセル202Aと202Bとの間に配置され、これらは他の場合には互いに直接隣接し、バッテリセル202Aと202Bとの間に均等に熱を分散させるように構成される。
【0050】
本明細書に記載のさまざまな実現例の説明で用いる用語は、特定の実現例のみを説明するためのものであり、限定を意図するものではない。記載されるさまざまな実現例の説明および添付の請求項で用いられる「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈による明確な別段の指示がない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で用いる「および/または」という語句は、列挙される関連の項目のうち1つ以上のありとあらゆる可能な組み合わせを参照しかつこれを包含することも理解される。「含む」、「含んでいる」、「備える」、および/または「備えている」という用語は、この明細書で用いる場合、述べる特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を排除するわけではないことがさらに理解される。加えて、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ用いられる。
【0051】
本明細書中で用いる「ならば(if)」という用語は、任意には、文脈に応じて、「したとき」または「すると」または「判定することに応じて」または「検出することに応じて」または「という判定に従って」を意味すると解釈される。同様に、「判定された場合」または「[述べた条件またはイベントが]検出された場合」という語句は、任意には、文脈に応じて、「判定すると」または「判定に応じて」または「[述べた条件またはイベントを]検出すると」または「[述べた条件またはイベントを]検出するのに応じて」または「[述べた条件またはイベントが]検出されるという判定に従って」を意味すると解釈される。
【0052】
上述の記載は説明の目的のために特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、上述の例示的な説明は、網羅的であること、または添付の特許請求の範囲を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。上述の教示を考慮して、多くの変更および変形が可能である。上記実施形態は動作の原理および実用的な用途を最もよく説明するために選択され説明されたものであり、これにより、他の当業者にとって可能となる。
【0053】
さまざまな図面は特定の順序で複数の論理的段階を示すが、順序に依存しない段階を再度順序付けてもよく、他の段階を組み合わせたり切離したりしてもよい。何らかの再順序付けまたは他のグループ分けについて具体的に言及されているが、他のものが当業者には自明であり、そのため、本明細書中に提示される順序付けおよびグループ分けは代替例を網羅的な列挙するものではない。さらに、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその任意の組み合わせで段階を実現可能であることを認識すべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G