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特許7621487光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタおよびスプリッタのポートを識別するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタおよびスプリッタのポートを識別するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20250117BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H04B10/272
H04J14/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023532417
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2021111612
(87)【国際公開番号】W WO2022110900
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202011358792.1
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】姜 恒云
(72)【発明者】
【氏名】金 超
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 波
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ ▲寧▼
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0263458(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01986350(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光回線終端装置から第Nのレベルまでカスケード接続された少なくとも1つのスプリッタと、 個の第1の光フィルタと、 個の第1のパワー変更アセンブリと、を備え、N、 、および は、全て正の整数である、光分配ネットワークであって、
記少なくとも1つのスプリッタの各々は、少なくとも2つの出力ポートを含み、前記少なくとも2つの出力ポートの各々は、少なくとも1つの第1の光フィルタに対応し、異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、前記異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長は、異なっており、
第Nのレベルのスプリッタ各出力ポートは、第1のパワー変更アセンブリにさらに対応し、前記第1のパワー変更アセンブリは、検出光源によって放出された第1の検出光が、対応する第1の光フィルタを通過した後に前記光回線終端装置からの第1のサービス光とともに前記第1のパワー変更アセンブリに伝送されると、前記第1のサービス光のパワーを変更するように構成され、前記第のレベルのスプリッタは、光ネットワーク終端装置に接続するように構成された光分配ネットワーク。
【請求項2】
Nは、1より大きい整数であり、
第Kのレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、第Hのレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタとは異なり、HおよびKの両方は、互いに異なる正の整数であり、
前記第Kのレベルのスプリッタおよび前記第Hのレベルのスプリッタは、前記第Nのレベルまでカスケード接続された少なくとも1つのスプリッタのうちの任意の2つである、請求項1に記載の光分配ネットワーク。
【請求項3】
Nは、1より大きい整数であり、
第Lのレベルのスプリッタの出力ポートは、第2のパワー変更アセンブリに対応し、前記第Lのレベルのスプリッタは、前記第Nのレベルのスプリッタ以外のスプリッタであり、Lは、正の整数であり、
前記第2のパワー変更アセンブリは、第2の検出光源によって放出された第2の検出光が、対応する第1の光フィルタを通過した後に前記第1のサービス光とともに前記第2のパワー変更アセンブリに伝送されると、前記光回線終端装置からの前記第1のサービス光の前記パワーを変更するように構成されている、請求項1に記載の光分配ネットワーク。
【請求項4】
前記第Lのレベルのスプリッタの前記出力ポートに対応する第1の光フィルタは、前記第Nのレベルのスプリッタの前記出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じである、請求項3に記載の光分配ネットワーク。
【請求項5】
i番目の出力ポートと、前記i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタと、前記i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたは前記i番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリとは、
前記i番目の出力ポートと、前記i番目の出力ポートに対応する前記第1の光フィルタと、前記i番目の出力ポートに対応する前記第1のパワー変更アセンブリまたは前記i番目の出力ポートに対応する前記第2のパワー変更アセンブリとが、順次一緒に統合されるか、
前記i番目の出力ポートに対応する前記第1の光フィルタが、前記i番目の出力ポートに統合され、前記i番目の出力ポートに対応する前記第1のパワー変更アセンブリまたは前記i番目の出力ポートに対応する前記第2のパワー変更アセンブリが、前記i番目の出力ポートに対応する前記統合された第1の光フィルタに直列に接続されるか、あるいは
前記i番目の出力ポートに対応する前記第1の光フィルタが、前記i番目の出力ポートに直列に接続され、前記i番目の出力ポートに対応する前記第1のパワー変更アセンブリまたは前記i番目の出力ポートに対応する前記第2のパワー変更アセンブリが、前記i番目の出力ポートに対応する前記第1の光フィルタに直列に接続されるか、のいずれかで接続され、
前記i番目の出力ポートは、前記第Nのレベルまでカスケード接続された少なくとも1つのスプリッタ内の任意のスプリッタの少なくとも2つの出力ポートのうちのいずれか1つであり、iは、正の整数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の光分配ネットワーク。
【請求項6】
前記第1のパワー変更アセンブリは、第1の利得アセンブリであり、前記第2のパワー変更アセンブリは、第2の利得アセンブリであるか、または、
前記第1のパワー変更アセンブリは、第1の減衰アセンブリであり、前記第2のパワー変更アセンブリは、第2の減衰アセンブリである、請求項3に記載の光分配ネットワーク。
【請求項7】
前記第1のパワー変更アセンブリは、第2の光フィルタにさらに対応し、
前記第2の光フィルタは、前記第1のパワー変更アセンブリからの前記第1の検出光を前記第1のパワー変更アセンブリに反射して戻すように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の光分配ネットワーク。
【請求項8】
光ネットワーク終端装置および請求項1から7のいずれか一項に記載の光分配ネットワークを備える光ネットワークシステムであって、前記光ネットワーク終端装置は、前記光分配ネットワークからの第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するように構成され、
前記第1のパワーおよび前記第2のパワーは、前記光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される、光ネットワークシステム。
【請求項9】
前記光ネットワークシステムは、光回線終端装置をさらに備え、
前記光回線終端装置は、
前記光ネットワーク終端装置から前記第1のパワーおよび前記第2のパワーを受信し、
前記第1のパワーおよび前記第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、
前記パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長を決定し、
前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない前記の前記中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、前記光ネットワーク終端装置に接続された前記スプリッタの前記出力ポートを決定するように構成されている、請求項8に記載の光ネットワークシステム。
【請求項10】
前記光ネットワーク終端装置は、
前記第1のパワーおよび前記第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、
前記パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長を決定し、
前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない前記の前記中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、前記光ネットワーク終端装置に接続された前記スプリッタの前記出力ポートを決定するようにさらに構成されている、請求項8に記載の光ネットワークシステム。
【請求項11】
検出光源は、
波長可変光源と、
光スイッチと少なくとも1つの固定波長を放出する光源との組み合わせと、のうちのいずれか1つまたは組み合わせであり、前記光スイッチは、検出光を出力するために少なくとも1つの固定波長を放出する前記光源のうちの1つを制御するように構成され、前記光源によって出力される前記検出光の中心波長は、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない中心波長に対応する、請求項8から10のいずれか一項に記載の光ネットワークシステム。
【請求項12】
少なくとも2つの出力ポートと、前記少なくとも2つの出力ポートの各々に対応する少なくとも1つの第1の光フィルタと、
を備え、
異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、前記異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長は、異な
各出力ポートは、パワー変更アセンブリにさらに対応し、前記パワー変更アセンブリは、検出光源によって放出された第1の検出光が、対応する第1の光フィルタを通過した後に光回線終端装置からの第1のサービス光とともに前記パワー変更アセンブリに伝送されると、前記第1のサービス光のパワーを変更するように構成された、スプリッタ。
【請求項13】
前記パワー変更アセンブリは、利得アセンブリまたは減衰アセンブリである、請求項12に記載のスプリッタ。
【請求項14】
スプリッタのポートを識別するための方法であって、
光ネットワーク終端装置によって、光回線終端装置から第1のサービス光を受信し、前記第1のサービス光の第1のパワーを決定するステップと、
前記光ネットワーク終端装置によって、第1のパワー変更アセンブリからパワー変更された第1のサービス光を受信し、前記パワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するステップであって、前記パワー変更された第1のサービス光は、前記第1のパワー変更アセンブリが、検出光源によって放出された第1の検出光を、対応する第1の光フィルタを通過した後に、前記第1のサービス光とともに受信すると、前記第1のサービス光の前記パワーを変更することによって取得され、前記第1の検出光の中心波長は、前記第1のパワー変更アセンブリに対応する前記第1の光フィルタが通過させる中心波長であり、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長は、異なっている、ステップと、を含み、
前記第1のパワーおよび前記第2のパワーは、前記光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される、方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記光ネットワーク終端装置によって、前記第2のパワーおよび前記第1のパワーに基づいてパワー変動を決定するステップと、
前記光ネットワーク終端装置によって、前記パワー変動および前記第1の検出光の前記中心波長に基づいて、前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長を決定するステップと、
前記光ネットワーク終端装置によって、前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない前記の前記中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、前記光ネットワーク終端装置に接続された前記スプリッタの前記出力ポートを決定するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記光回線終端装置によって、前記光ネットワーク終端装置から前記第1のパワーおよび前記第2のパワーを受信するステップと、
前記光回線終端装置によって、前記第1のパワーおよび前記第2のパワーに基づいてパワー変動を決定するステップと、
前記光回線終端装置によって、前記パワー変動および前記第1の検出光の前記中心波長に基づいて、前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させないの中心波長を決定するステップと、
前記光回線終端装置によって、前記第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない前記の前記中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、前記光ネットワーク終端装置に接続された前記スプリッタの前記出力ポートを決定するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月27日に中国国家知識産権局に出願された「OPTICAL DISTRIBUTION NETWORK,OPTICAL NETWORK SYSTEM,SPLITTER,AND METHOD FOR IDENTIFYING PORT OF SPLITTER」という名称の中国特許出願第202011358792.1号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、光通信技術の分野に関し、特に、光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタ、およびスプリッタのポートを識別するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通信技術の発展に伴い、パッシブ光ネットワーク(Passive Optical Network、PON)システムは、光通信技術においてますます広く使用されている。PONシステムは、光回線終端装置(optical line terminal、OLT)と、複数の光ネットワーク終端装置(optical network terminal、ONT)と、OLTとONTとを接続する光分配ネットワーク(optical distribution network、ODN)とを主に含む。OLTは、電気通信の中央局デバイスであり、PONネットワーク内の中央局に配置される。ONTは、「光モデム」とも称され、PONネットワークの終端ユニットである。ODNは、OLTとONTとの間の光信号伝送チャネルを提供することができる。ODNは、いかなる電子部品または電子電源も含まない。ODNは、主に、スプリッタ(splitter)およびファイバなどの受動部品を含み、能動電子デバイスを含む必要はない。PONネットワークは、ツリートポロジ、スタートポロジ、およびバストポロジなどの種々のトポロジ構造を柔軟にサポートすることができる。
【0004】
PONネットワークは、広いカバレッジ、大量の分岐光路、および受動性などの特徴を有する。ODNネットワークが運用された後、ODNネットワークのトポロジ接続関係は、ONTに接続されたODNネットワーク内のスプリッタのポートが不可視であるため、直感的に決定することができず、換言すれば、PONは、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートを識別することができない。従来技術では、ODNネットワークのトポロジ接続関係を決定するために、追加のアセンブリがONTに追加される必要があるか、またはONTの受信光路が変更される必要がある。しかしながら、これは、既存のONTと互換性がない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、既存のONTの互換性をサポートしながら、ONTに接続されたスプリッタのポートを識別するための、光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタ、およびスプリッタのポートを識別するための方法を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、光分配ネットワークを提供する。光分配ネットワークは、N個のレベルのスプリッタ、M個の第1の光フィルタ、およびK個の第1のパワー変更アセンブリを含むことができ、N、M、およびKは、全て正の整数である。N個のレベルのスプリッタの各々は、少なくとも1つのスプリッタを含み、少なくとも1つのスプリッタの各々は、少なくとも2つの出力ポートを含んでもよく、少なくとも2つの出力ポートの各々は、少なくとも1つの第1の光フィルタに対応し、異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。N番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの各出力ポートは第1のパワー変更アセンブリにさらに対応し、第1のパワー変更アセンブリは、受信された第1の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成され、N番目のレベルのスプリッタは、光ネットワーク終端装置に接続するように構成されたN個のレベルのスプリッタのうちの1つであり、Nは、正の整数である。
【0007】
この解決策に基づいて、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。検出光および第1のサービス光の両方が第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更することができる。第1のサービス光のみが第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更せず、その結果、対応する検出光の中心波長は、第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーに基づいて決定されることができ、対応する第1の光フィルタは、検出光の中心波長に基づいて決定されることができ、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートは、決定された第1の光フィルタに基づいてさらに決定されることができる。
【0008】
可能な実装形態では、Nは、1よりも大きい整数である。具体的には、光分配ネットワークは、2つ以上のレベルのスプリッタを含む。K番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、H番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタとは異なる。K番目のレベルのスプリッタおよびH番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタのうちの任意の2つであり、HおよびKは、両方とも正の整数である。
【0009】
この解決策に基づいて、異なるレベルのスプリッタの出力ポートは異なる第1の光フィルタに対応し、したがって、N個のレベルのスプリッタのうちのどのレベルのスプリッタが光ネットワーク終端装置に接続されるかが決定され得る。
【0010】
可能な実装形態では、Nは、1よりも大きい整数である。具体的には、光分配ネットワークは、2つ以上のレベルのスプリッタを含む。L番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの出力ポートは、第2のパワー変更アセンブリに対応し、L番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタ内のN番目のレベルのスプリッタ以外のスプリッタであり、Lは、正の整数である。第2のパワー変更アセンブリは、受信された第2の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成される。
【0011】
さらに、任意選択で、L番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタは、N番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じである。
【0012】
この解決策に基づいて、異なるレベルのスプリッタの出力ポートが同じ第1の光フィルタに対応する場合、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートは、スプリッタに対応する第2のパワー変更アセンブリによって第1のサービス光に対して生成された異なるパワーに基づいて区別され得る。これは、スプリッタの仕様を低減するために、波長リソースを節約するのに役立つ(換言すれば、異なるレベルのスプリッタの仕様は同じである)。
【0013】
以下は、出力ポートと、出力ポートに対応するパワー変更アセンブリと、出力ポートに対応する第1の光フィルタとを接続する可能な実装形態の一例を示す。i番目の出力ポートが一例として使用される。i番目の出力ポートは、N個のレベルのスプリッタ内の任意のスプリッタの少なくとも2つの出力ポートのうちのいずれか1つであり、iは、正の整数である。
【0014】
実装形態1:i番目の出力ポートと、i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタと、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリとは、順次一緒に統合される。
【0015】
これにより、スプリッタ、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを一緒に統合することによって、光分配ネットワークの製造プロセスが簡略化される。
【0016】
実装形態2:i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、i番目の出力ポートに統合され、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリは、i番目の出力ポートに対応する統合された第1の光フィルタに直列に接続される。
【0017】
実装形態3:i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、i番目の出力ポートに直列に接続され、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリは、i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタに直列に接続される。
【0018】
可能な実装形態では、第1のパワー変更アセンブリは、第1の利得アセンブリであり、第2のパワー変更アセンブリは、第2の利得アセンブリであるか、または、第1のパワー変更アセンブリは、第1の減衰アセンブリであり、第2のパワー変更アセンブリは、第2の減衰アセンブリである。
【0019】
可能な実装形態では、第1のパワー変更アセンブリは、第2の光フィルタにさらに対応する。第2の光フィルタは、第1のパワー変更アセンブリからの第1の検出光を反射して第1のパワー変更アセンブリに戻すように構成される。
【0020】
この解決策に基づいて、第1のサービス光のパワーは、第1のパワー変更アセンブリにおいて少なくとも2回変更する。このようにして、第1のサービス光が異なる出力ポートから出力されるときの第1のサービス光のパワー変動間の差が増大され、それにより、識別されたポートの精度を改善するのに役立つ。
【0021】
第1のパワー変更アセンブリの一端が第1の光フィルタに接続され、第1のパワー変更アセンブリの他端が第2の光フィルタに接続されることも理解され得る。
【0022】
第2の態様によれば、本出願は、光ネットワークシステムを提供する。光ネットワークシステムは、光ネットワーク終端装置と、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のうちのいずれか1つにおける光分配ネットワークとを含み得る。光ネットワーク終端装置は、光分配ネットワークからの第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するように構成され、第1のパワーおよび第2のパワーは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される。
【0023】
可能な実装形態では、光ネットワークシステムは光回線終端装置をさらに含む。光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置から第1のパワーおよび第2のパワーを受信し、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成される。
【0024】
可能な実装形態では、光ネットワーク終端装置は、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成される。
【0025】
可能な実装形態では、検出光源は、波長可変光源、および/または光スイッチと少なくとも1つの固定波長を放出する光源との組み合わせであり得る。光スイッチは、検出光を出力するために少なくとも1つの固定波長を放出する光源のうちの1つを制御するように構成され、光源によって出力される検出光の中心波長は、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない中心波長に対応する。
【0026】
可能な実装形態では、Nは、1よりも大きい整数であり、具体的には、光分配ネットワークは、2つ以上のレベルのスプリッタを含む。K番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、H番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタとは異なる。K番目のレベルのスプリッタおよびH番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタのうちの任意の2つであり、HおよびKは、両方とも正の整数である。
【0027】
この解決策に基づいて、異なるレベルのスプリッタの出力ポートは異なる第1の光フィルタに対応し、したがって、N個のレベルのスプリッタのうちのどのレベルのスプリッタが光ネットワーク終端装置に接続されるかが決定され得る。
【0028】
可能な実装形態では、Nは、1よりも大きい整数であり、具体的には、光分配ネットワークは、2つ以上のレベルのスプリッタを含む。L番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの出力ポートは、第2のパワー変更アセンブリに対応し、L番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタ内のN番目のレベルのスプリッタ以外のスプリッタであり、Lは、正の整数である。第2のパワー変更アセンブリは、受信された第2の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成される。
【0029】
さらに、任意選択で、L番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタは、N番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じである。
【0030】
この解決策に基づいて、異なるレベルのスプリッタの出力ポートが同じ第1の光フィルタに対応する場合、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートは、スプリッタに対応する第2のパワー変更アセンブリによって第1のサービス光に対して生成された異なるパワーに基づいて区別され得る。
【0031】
以下は、出力ポートと、出力ポートに対応するパワー変更アセンブリと、出力ポートに対応する第1の光フィルタとを接続する可能な実装形態の一例を示す。i番目の出力ポートが一例として使用される。i番目の出力ポートは、N個のレベルのスプリッタ内の任意のスプリッタの少なくとも2つの出力ポートのうちのいずれか1つであり、iは、正の整数である。
【0032】
実装形態1:i番目の出力ポートと、i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタと、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリとは、順次一緒に統合される。
【0033】
これにより、スプリッタ、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを一緒に統合することによって、光分配ネットワークの製造プロセスが簡略化される。
【0034】
実装形態2:i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、i番目の出力ポートに統合され、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリは、i番目の出力ポートに対応する統合された第1の光フィルタに直列に接続される。
【0035】
実装形態3:i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、i番目の出力ポートに直列に接続され、i番目の出力ポートに対応する第1のパワー変更アセンブリまたはi番目の出力ポートに対応する第2のパワー変更アセンブリは、i番目の出力ポートに対応する第1の光フィルタに直列に接続される。
【0036】
可能な実装形態では、第1のパワー変更アセンブリは、第1の利得アセンブリであり、第2のパワー変更アセンブリは、第2の利得アセンブリであるか、または、第1のパワー変更アセンブリは、第1の減衰アセンブリであり、第2のパワー変更アセンブリは、第2の減衰アセンブリである。
【0037】
可能な実装形態では、第1のパワー変更アセンブリは、第2の光フィルタにさらに対応する。第2の光フィルタは、第1のパワー変更アセンブリからの第1の検出光を反射して第1のパワー変更アセンブリに戻すように構成される。
【0038】
この解決策に基づいて、第1のサービス光のパワーは、第1のパワー変更アセンブリにおいて少なくとも2回変更する。このようにして、第1のサービス光が異なる出力ポートから出力されるときの第1のサービス光のパワー変動間の差が増大され、それにより、識別されたポートの精度を改善するのに役立つ。
【0039】
第1のパワー変更アセンブリの一端が第1の光フィルタに接続され、第1のパワー変更アセンブリの他端が第2の光フィルタに接続されることも理解され得る。
【0040】
第3の態様によれば、本出願は、スプリッタを提供する。スプリッタは、少なくとも2つの出力ポートと、少なくとも2つの出力ポートの各々に対応する少なくとも1つの第1の光フィルタとを含み得る。異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。
【0041】
さらに、任意選択で、スプリッタは、パワー変更アセンブリを含み、パワー変更アセンブリは、受信された第1の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成される。
【0042】
可能な実装形態では、パワー変更アセンブリは、利得アセンブリまたは減衰アセンブリである。
【0043】
第4の態様によれば、本出願は、スプリッタのポートを識別するための方法を提供し、本方法は、光ネットワークシステムに適用される。光ネットワークシステムは、光分配ネットワークおよび光ネットワーク終端装置を含む。光分配ネットワークは、N個のレベルのスプリッタと、M個の第1の光フィルタと、K個の第1のパワー変更アセンブリとを含み、N、M、およびKは、全て正の整数である。N個のレベルのスプリッタの各々は、少なくとも1つのスプリッタを含み、少なくとも1つのスプリッタの各々は、少なくとも2つの出力ポートを含み、少なくとも2つの出力ポートの各々は、少なくとも1つの第1の光フィルタに対応し、異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。N番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの各出力ポートは、第1のパワー変更アセンブリにさらに対応し、N番目のレベルのスプリッタは、光ネットワーク終端装置に接続するように構成されたN個のレベルのスプリッタのうちの1つである。本方法は、第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーを決定するステップと、パワー変更された第1のサービス光を受信し、パワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するステップであって、パワー変更された第1のサービス光は、第1のパワー変更アセンブリによって、受信された第1の検出光に基づいて第1のサービス光のパワーを変更することによって取得される、ステップと、を含む。第1のパワーおよび第2のパワーは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される。
【0044】
可能な実装形態では、光ネットワーク終端装置は、第2のパワーおよび第1のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定することができる。
【0045】
別の可能な実装形態では、光ネットワークシステムは、光回線終端装置をさらに含み得る。光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置から第1のパワーおよび第2のパワーを受信し、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定する。
【0046】
第5の態様によれば、本出願は、スプリッタのポートを識別するための方法を提供する。本方法は、光ネットワーク終端装置が、光回線終端装置から第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーを決定するステップと、光ネットワーク終端装置が、第1のパワー変更アセンブリからパワー変更された第1のサービス光を受信し、パワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するステップであって、パワー変更された第1のサービス光は、第1のパワー変更アセンブリによって受信された第1の検出光に基づいて第1のサービス光のパワーを変更することによって取得される、ステップと、を含む。第1の検出光の中心波長は、第1のパワー変更アセンブリに対応する第1の光フィルタが通過させる中心波長であり、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。第1のパワーおよび第2のパワーは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される。
【0047】
可能な実装形態では、光ネットワーク終端装置は、第2のパワーおよび第1のパワーに基づいてパワー変動を決定し、光ネットワーク終端装置は、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、光ネットワーク終端装置は、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定する。
【0048】
別の可能な実装形態では、光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置から第1のパワーおよび第2のパワーを受信し、光回線終端装置は、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、光回線終端装置は、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、光回線終端装置は、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定する。
【0049】
第6の態様によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令が光ネットワーク終端装置または光回線終端装置によって実行されると、光ネットワーク終端装置または光回線終端装置は、第4の態様または第4の態様の可能な実装形態のうちのいずれか1つにおける方法を実行することが可能にされる。
【0050】
第7の態様によれば、本出願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムまたは命令を含む。コンピュータプログラムまたは命令が光ネットワーク終端装置または光回線終端装置によって実行されると、光ネットワーク終端装置または光回線終端装置は、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のうちのいずれか1つにおける方法を実行することが可能にされる。
【0051】
第2の態様から第7の態様のうちのいずれか1つにおいて達成され得る技術的効果については、第1の態様における有利な効果の説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本出願によるエルビウムイオンのエネルギー準位の簡略化された概略図である。
図2】本出願によるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。
図3】本出願による光分配ネットワークのアーキテクチャの概略図である。
図4】本出願によるスプリッタの構造の概略図である。
図5a】本出願によるスプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとの間の対応関係の概略図である。
図5b】本出願によるスプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。
図6a】本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の対応関係の概略図である。
図6b】本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。
図6c】本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。
図6d】本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。
図6e】本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間のさらに別の対応関係の概略図である。
図7a】本出願による、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続する方法の概略図である。
図7b】本出願による、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続する別の方法の概略図である。
図7c】本出願による、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続するさらに別の方法の概略図である。
図8】本出願による光ネットワークシステムのアーキテクチャの概略図である。
図9a】本出願による、光スイッチと固定波長を放出する光源との組み合わせの構造の概略図である。
図9b】本出願による、光スイッチと固定波長を放出する光源との別の組み合わせの構造の概略図である。
図10a】本出願によるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。
図10b】本出願によるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。
図10c】本出願によるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。
図11】本出願によるスプリッタの出力ポートを識別するための方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下は、添付の図面を参照して本出願の実施形態を詳細に説明する。
【0054】
以下は、本出願における一部の用語を説明する。これらの説明は、当業者による理解を容易にすることを意図しているが、本出願において請求される保護範囲に対するいかなる限定も構成しないことに留意されたい。
【0055】
1.誘導ブリルアン散乱(stimulated brillouin scattering、SBS)効果
SBS効果はラマン効果である。光子と分子との間の相互作用に起因して、ファイバの二酸化ケイ素格子は、入射光が過度に強いときに光散乱を発生させ、周波数シフト散乱波を形成する。入射光のエネルギーの一部は、後方散乱光に移行する。その結果、入射光はファイバ上で消散される。この効果は、入射パワーが非常に高く、光波によって発生する電磁テレスコピック効果が物質中の超音波を刺激し、超音波の影響で入射光が散乱するために発生する。
【0056】
2.第1の光フィルタ
第1の光フィルタは、波長選択に用いられる装置である。第1の光フィルタは、複数の波長から必要な波長を選択またはフィルタリングすることができる。
【0057】
3.スプリッタ
スプリッタは、受動部品であり、光スプリッタと称されることもあり、複数の入力端および複数の出力端を有する接合部品であり得る。通常、スプリッタは、通常のリンクに対して光分割を行う場合、光分割を行う複数のリンクに対して、パワーに応じた比率で光分割割り当てを行う。光分割が実行されたリンクのパワーにはいくらかの減衰があることを理解されたい。
【0058】
4.光スイッチ
光スイッチは、光路変換部品であり、1つ以上の任意の伝送ポートを有する光部品である。光スイッチの機能は、光伝送路または集積光路において光信号に対して物理的スイッチングまたは論理演算を実行することである。光スイッチは、従来の機械式光スイッチ、マイクロメカニカル光スイッチ、熱光スイッチ、液晶光スイッチ、電気光学スイッチ、音響光学スイッチなどであってもよい。機械式光スイッチは、ファイバを移動させて光を出力端に直接結合させたり、プリズムまたは反射器を用いて光路をスイッチングして光を出力端に直接送信したり反射させたりすることができる。
【0059】
5.ドープファイバ
ドープファイバは、特定の元素がドープされたファイバであり、例えば、希土類ドープファイバである。希土類ドープファイバは、シリカファイバに希土類元素のイオンが添加された光ファイバである。希土類ドープファイバは、種々の波長の受信信号光を増幅するように構成され得る。具体的には、各波長の信号光に対応する利得は、希土類ドープファイバの固有パラメータに基づく設計を通じて取得され得る。ドープされた希土類は、エルビウムイオン、ツリウムイオン、ネオジムイオン、エルビウムイオンおよびイッテルビウムイオンなどであり得る。これは、本出願では限定されない。
【0060】
なお、ドープ元素の濃度によって入力信号光に対して発生する利得が異なり、ドープ元素の種類によっても入力信号光に対して発生する利得が異なる。すなわち、ドープファイバの利得は、ドープ元素の種類および濃度などのパラメータに関連する。
【0061】
6.波長分割多重化(wavelength division multiplexing、WDM)
波長分割多重化は、マルチプレクサ(コンバイナ(multiplexer)とも称される)を使用することによって、伝送端で2つ以上の異なる波長の光信号(種々の情報を搬送する)を組み合わせ、組み合わされた信号を伝送のために光回線の同じファイバに結合する技術である。受信端では、種々の波長を有する光信号が、デマルチプレクサ(ビームスプリッタまたはdemultiplexerとも称される)を使用することによって分離され、次いで、元の信号を復元するために光受信機によってさらに処理される。2つ以上の異なる波長の光信号を同じファイバ上で伝送するこの技術は、波長分割多重化と称される。波長分割マルチプレクサは、波長分割多重化技術に基づいて光信号を伝送する。
【0062】
7.平面光波回路(planar lightwave circuit、PLC)
平面光波回路では、光波回路は平面内に配置される。
【0063】
上記は、本出願における一部の用語を説明し、以下は、本出願における技術的特徴を説明する。これらの説明は、当業者による理解を容易にすることを意図しているが、本出願において請求される保護範囲に対するいかなる限定も構成しないことに留意されたい。
【0064】
エルビウムドープファイバ(erbium doped fiber、EDF)は、EDFによって信号光を増幅する(または、信号光のための利得を生成すると称される)原理を説明するための例として使用される。
【0065】
EDFが信号光を増幅する原理は、検出光(すなわち、ポンプ光)のエネルギーを信号光のエネルギーに変換することである。エルビウムイオンは、3つのエネルギー準位、すなわちE1エネルギー準位、E2エネルギー準位、およびE3エネルギー準位を有する。図1は、エルビウムイオンのエネルギー準位の簡略化した概略図である。E1エネルギー準位は、最低エネルギーおよび最大量の粒子を有する基底状態を表す。E2エネルギー準位は、中間のエネルギー準位である準安定状態であり、基底状態よりも活性であり、励起状態よりも安定である。準安定状態にある粒子の量は、比較的安定であり、ある期間にわたって安定状態に保つことができる。E3エネルギー準位は、最も高いエネルギーを有する励起状態を表す。
【0066】
検出光源が追加され、検出光の光子エネルギーがE3/E2エネルギー準位とE1エネルギー準位との間のエネルギー差に等しいとき、エルビウムイオンは、検出光を吸収し、基底状態から励起状態にジャンプし、換言すれば、E1エネルギー準位は、検出光のエネルギーが吸収された後にE3/E2エネルギー準位にジャンプする。この場合、EDFは反転分布状態となる。励起状態は不安定であるため、エルビウムイオンは急速にE2エネルギー準位に戻る。入力信号光のエネルギーがE2エネルギー準位とE1エネルギー準位とのエネルギー差に等しい場合、E2エネルギー準位のエルビウムイオンは基底状態にジャンプし、誘導放射光を生成し、信号光を増幅することができる。
【0067】
上記の内容に基づいて、図2は、PONシステムのアーキテクチャの概略図である。PONシステムがツリーネットワークトポロジ構造に基づくPONシステムである例が使用される。PONシステムは、OLT、ODN、およびONTを含み得る。OLTは、ODNを介して4つのONTの各々に接続される。図2では、4つのONTがそれぞれONT 1、ONT 2、ONT 3、およびONT 4である例が使用される。ODNは、フィーダファイバ、スプリッタ(splitter)、および分配ファイバを含む。図2では、例えば、1つのレベルのスプリッタが含まれ、そのレベルのスプリッタは1×4スプリッタである。OLTは、フィーダファイバを介してスプリッタに接続され、スプリッタは、分配ファイバを介して各ONTに接続される。
【0068】
PONシステム内のOLT、ONT、スプリッタ、およびポートの数、ならびにスプリッタに含まれるポートの数は全て、本出願では限定されないことを理解されたい。図2は単なる概略図である。
【0069】
なお、OLTからONTへ光信号が伝送される伝送方向を下り方向と称することにする。光信号がONTからOLTに伝送される方向は、アップストリーム方向と称される。OLTは、ブロードキャストモードで光信号をONTに伝送することができ、ONTは、ユニキャストモードで光信号をOLTに伝送することができる。アップストリーム方向では、PONシステムはマルチポイントツーポイント(multi-point to point、MP2P)システムであり、ダウンストリーム方向では、PONシステムはポイントツーマルチポイント(point 2 multiple point、P2MP)システムであることを理解されたい。
【0070】
図2に示されるPONシステムに基づいて、従来技術では、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートを識別するために、ONTの構造が変更される必要がある。例えば、3方向光サブアセンブリがONTに追加的に追加され、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートは、3方向光サブアセンブリによって受信された光信号のパワーを決定することによって決定される。換言すれば、従来技術では、ONTに接続されたスプリッタのポートが決定されると、既存のONTの構造を変更する必要がある。換言すれば、既存のONTの互換性はサポートされない。
【0071】
前述の問題に鑑みて、本出願は、光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタ、およびスプリッタのポートを識別するための方法を提供する。既存の光ネットワーク終端装置の互換性をサポートしながら、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを識別することができる。以下では、本出願において提供される光分配ネットワーク、光ネットワークシステム、スプリッタ、およびスプリッタのポートを識別するための方法を詳細に説明する。
【0072】
図3は、本出願による光分配ネットワークのアーキテクチャの概略図である。光分配ネットワークは、N個のレベルのスプリッタと、M個の第1の光フィルタと、K個の第1のパワー変更アセンブリとを含み、N、M、およびKは、全て正の整数である。N個のレベルのスプリッタの各々は、少なくとも1つのスプリッタを含み、少なくとも1つのスプリッタの各々は、少なくとも2つの出力ポートを含み、少なくとも2つの出力ポートの各々は、少なくとも1つの第1の光フィルタに対応し、異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。N番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの各出力ポートは第1のパワー変更アセンブリにさらに対応し、第1のパワー変更アセンブリは、受信された第1の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成され、N番目のレベルのスプリッタは、光ネットワーク終端装置に接続するように構成されたN個のレベルのスプリッタのうちの1つであり、Nは、正の整数である。
【0073】
図3では、N番目のレベルのスプリッタが一例として使用される。例えば、N番目のレベルのスプリッタは1つのスプリッタを含み、スプリッタは8つの出力ポートを含み、ポート#1からポート#8は8つの異なる出力ポートを識別するために使用され、各出力ポートは1つの第1の光フィルタに対応する。ポート#1は、第1の光フィルタ1に対応し、パワー変更アセンブリ1に対応し、ポート#2は、第1の光フィルタ2に対応し、パワー変更アセンブリ2に対応し、…、ポート#8は、第1の光フィルタ8に対応し、パワー変更アセンブリ8に対応する。第1の光フィルタ1から第1の光フィルタ8が通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は異なり、パワー変更アセンブリ1からパワー変更アセンブリ8は、第1のパワー変更アセンブリと総称される。
【0074】
図3に示される光分配ネットワークは、単なる例であることを理解されたい。本出願における光分配ネットワークは、図3に示される光分配ネットワークよりも多いまたは少ないスプリッタを有してもよく、または図3に示されるスプリッタよりも多いまたは少ない出力ポートを有してもよい。
【0075】
この解決策に基づいて、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。検出光および第1のサービス光の両方が第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更することができる。第1のサービス光のみが第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更せず、その結果、対応する検出光の中心波長は、第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーに基づいて決定されることができ、対応する第1の光フィルタは、検出光の中心波長に基づいて決定されることができ、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートは、決定された第1の光フィルタに基づいてさらに決定されることができる。
【0076】
可能な実装形態では、第1のサービス光は、限定はしないが、ギガビット対応パッシブ光ネットワーク(gigabit-capable passive optical networks、GPON)またはXgigabit対応パッシブ光ネットワーク(Xgigabit-capable passive optical networks、XGPON)、例えば、10 GPONまたは20 GPONのダウンストリーム信号光を含み、GPONの波長は約1490±10 nmであり、XGPONの波長は約1575 nm~1581 nmである。
【0077】
可能な実装形態では、異なる検出光の中心波長は異なり、第1の検出光の中心波長は、第1のパワー変更アセンブリ内の粒子が基底状態から励起状態にジャンプすることを可能にし得る。図1を参照すると、第1のパワー変更アセンブリがEDFである場合、第1の検出光の中心波長は、対応する第1の光フィルタを通過してもよく、エルビウムイオンは、基底状態(E1エネルギー準位)から励起状態(例えば、E2エネルギー準位またはより高いエネルギー準位)にジャンプすることが可能にされてもよい。検出光の中心波長については、検出光源の以下の関連説明を参照されたい。
【0078】
以下では、具体的な実装形態の解決策の例を提供するために、図3に示される各機能構造について説明する。
【0079】
1.光フィルタ
可能な実装形態では、第1の光フィルタは、バンドストップフィルタ(bandstop filter、BSF)であり得る。バンドストップフィルタは、特定の周波数帯域の波を極めて低く減衰させ、特定の周波数帯域以外の周波数帯域の光を通過させるフィルタである。すなわち、バンドストップフィルタは、特定の周波数帯域の光を透過させず、特定の周波数帯域以外の周波数帯域の光を透過させる。特定の周波数帯域に対応する波長は、バンドストップフィルタが通過させない光の中心波長である。換言すれば、バンドストップフィルタは、特定の波長(すなわち、中心波長)の光を通過させない。
【0080】
別の可能な実装形態では、第1の光フィルタは、代替的に、バンドパスフィルタ(band pass filter、BPF)であり得る。バンドパスフィルタは、特定の周波数帯域の光を通過させ、他の周波数帯域の光を遮断する(あるいは極めて低いレベルまで減衰させる)フィルタである。特定の周波数帯域に対応する波長は、バンドパスフィルタが通過させる光の中心波長である。すなわち、バンドパスフィルタは、特定の波長(すなわち、中心波長)の光を通過させる。バンドストップフィルタは、バンドパスフィルタに関連することを理解されたい。
【0081】
例えば、第1の光フィルタは、ファイバフィルタであってもよい。ファイバフィルタは、特殊なファイバ構造を使用して、異なる波長の波から中心波長(すなわち、特定の波長)の波を選択またはフィルタリングする部品である。すなわち、ファイバフィルタは、バンドストップフィルタであってもよいし、バンドパスフィルタであってもよい。ファイバフィルタは、例えば、ファイバブラッググレーティング(fiber bragg grating、FBG)または長周期ファイバグレーティング(long period fiber grating、LPG)であってもよい。
【0082】
解決策の説明を容易にするために、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない光の中心波長は、以下では第1の光フィルタに対応する中心波長と称される。第1の光フィルタに対応する中心波長は、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない光の中心波長であるとも理解され得る。すなわち、以下の説明における第1の光フィルタに対応する中心波長は、第1の光フィルタが透過させる光の中心波長に置き換えられてもよいし、第1の光フィルタが透過させない光の中心波長に置き換えられてもよい。
【0083】
本出願において、異なる第1の光フィルタは、異なる中心波長に対応する。例えば、第1の光フィルタ1は中心波長λ1に対応し、第1の光フィルタ2は中心波長λ2に対応し、第1の光フィルタ3は中心波長λ3に対応する。中心波長λ1、中心波長λ2および中心波長λ3は、互いに異なる。第1の光フィルタ1が中心波長λ1に対応するとは、第1の光フィルタ1が中心波長λ1の光を透過することを意味し、第1の光フィルタ2が中心波長λ2に対応するとは、第1の光フィルタ2が中心波長λ2の光を透過することを意味し、第1の光フィルタ3が中心波長λ3に対応するとは、第1の光フィルタ3が中心波長λ3の光を透過することを意味する。あるいは、第1の光フィルタ1が中心波長λ1に対応するとは、第1の光フィルタ1が中心波長λ1の光を通過させないことを意味し、第1の光フィルタ2が中心波長λ2に対応するとは、第1の光フィルタ2が中心波長λ2の光を通過させないことを意味し、第1の光フィルタ3が中心波長λ3に対応するとは、第1の光フィルタ3が中心波長λ3の光を通過させないことを意味する。
【0084】
可能な実装形態では、第2の光フィルタは反射光フィルタである。第2の光フィルタは、全帯域の光を反射することができる。さらに、任意選択で、第2の光フィルタは、検出光源によって放出される全ての中心波長の検出光を反射することができる。例えば、検出光源によって放出される検出光の中心波長がそれぞれ中心波長λ1から中心波長λ8である場合、第2の光フィルタは、中心波長λ1から中心波長λ8の全ての検出光を反射することができる。異なる第1のパワー変更アセンブリが同じ第2の光フィルタに対応し得ることを理解されたい。
【0085】
2.スプリッタ
可能な実装形態では、主に2つのタイプのスプリッタ、すなわち、溶融双円錐テーパ型および平面光波回路PLC型がある。通常、1×2スプリッタおよび1×4スプリッタは、溶融双円錐テーパ型を使用する。1×8以上のスプリッタはPLC型を使用する。PLC型のスプリッタは、半導体処理技術を使用し、良好な光分割の一貫性および良好なチャネル均一性を保証する。1×2スプリッタは、スプリッタが1つの入力ポートおよび2つの出力ポートを含むことを示し、1×4スプリッタは、スプリッタが1つの入力ポートおよび4つの出力ポートを含むことを示し、1×8スプリッタは、スプリッタが1つの入力ポートおよび8つの出力ポートを含むことを示す。
【0086】
図4は、本出願によるスプリッタの構造の概略図である。スプリッタが1×8スプリッタであることが、説明のための例として使用される。具体的には、スプリッタは、1つの入力ポートと8つの出力ポートとを含む。信号光(例えば、第1のサービス光)は、入力ポートからスプリッタに入力され、8つの部分に分割されてもよく、それらは、8つの異なる出力ポートからそれぞれ出力される(すなわち、8つのリンクに分割される)。なお、信号光は、パワーに基づいて8等分されてもよいし、パワー固定の比率に基づいて8等分されてもよい。スプリッタの分割比は、等しくても等しくなくてもよいことを理解されたい。これは、本出願では限定されない。
【0087】
3.パワー変更アセンブリ
可能な実装形態では、パワー変更アセンブリは利得アセンブリであってもよく、または減衰アセンブリであってもよい。利得アセンブリは、伝送された信号光に対して利得を生成するアセンブリであり、減衰アセンブリは、伝送された信号光を減衰させるアセンブリである。
【0088】
例えば、パワー変更アセンブリは、ドープファイバ、例えば、EDFまたはツリウムドープファイバ(thulium doped fiber、TDF)であってもよく、長さは、例えば、約40 cmであってもよい。あるいは、パワー変更アセンブリは、ドープされたガラスブロック、例えば、エルビウムドープされたガラスブロックまたはツリウムドープされたガラスブロックであり得る。パワー変更アセンブリは、代替的に、別の元素でドープされたファイバまたはガラスブロックであってもよく、前述の希土類は、単に例として使用されることに留意されたい。
【0089】
この用途では、異なるパワー変更アセンブリが、第1のサービス光に対して異なるパワー変動を生成する。N番目のレベルのスプリッタ内の各スプリッタの各出力ポートは、第1のパワー変更アセンブリに対応し、異なる出力ポートは、同じ第1のパワー変更アセンブリまたは異なる第1のパワー変更アセンブリに対応し得る。
【0090】
以下の説明では、解決策の説明を容易にするために、パワー変更アセンブリが利得アセンブリである例が使用される。
【0091】
可能な実装形態では、第1の利得アセンブリは、受信された第1の検出光に基づいて第1のサービス光の利得を生成する。換言すれば、第1の検出光および第1のサービス光の両方が利得アセンブリに伝送された場合、利得アセンブリは、第1のサービス光を増幅することができる。第1のサービス光のみが利得アセンブリに伝送された場合、利得アセンブリは、第1のサービス光のための利得を生成せず、第1のサービス光を次のレベルのスプリッタまたは光ネットワーク終端装置の出力ポートに伝送し得る。
【0092】
以下では、異なるケースを使用することによって、スプリッタの出力ポートと、第1の光フィルタと、利得アセンブリとの間の対応関係を説明する。
【0093】
ケース1:スプリッタの1つの出力ポートが1つの第1の光フィルタに対応し、異なる出力ポートが異なる第1の光フィルタに対応する。
【0094】
スプリッタの複数の出力ポートが複数の第1の光フィルタと1対1の対応関係にあることも理解され得る。換言すれば、1つの第1の光フィルタに対応する中心波長は、スプリッタの1つの出力ポートを識別し得る。図5aは、本出願によるスプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとの間の対応関係の概略図である。1×8スプリッタが一例として使用される。スプリッタは、8つの出力ポート、すなわち、出力ポート1(ポート#1)、出力ポート2(ポート#2)、出力ポート3(ポート#3)、出力ポート4(ポート#4)、出力ポート5(ポート#5)、出力ポート6(ポート#6)、出力ポート7(ポート#7)、および出力ポート8(ポート#8)を含む。出力ポート1は第1の光フィルタ1に対応し、出力ポート2は第1の光フィルタ2に対応し、出力ポート3は第1の光フィルタ3に対応し、出力ポート4は第1の光フィルタ4に対応し、出力ポート5は第1の光フィルタ5に対応し、出力ポート6は第1の光フィルタ6に対応し、出力ポート7は第1の光フィルタ7に対応し、出力ポート8は第1の光フィルタ8に対応する。第1の光フィルタ1に対応する中心波長はλ1であり、第1の光フィルタ2に対応する中心波長はλ2であり、第1の光フィルタ3に対応する中心波長はλ3であり、第1の光フィルタ4に対応する中心波長はλ4であり、第1の光フィルタ5に対応する中心波長はλ5であり、第1の光フィルタ6に対応する中心波長はλ6であり、第1の光フィルタ7に対応する中心波長はλ7であり、第1の光フィルタ8に対応する中心波長はλ8である。中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および、中心波長λ8は、互いに異なる。
【0095】
ケース2:スプリッタの一部の出力ポートは1つの第1の光フィルタに対応し、一部の出力ポートは複数のフィルタに対応する。
【0096】
スプリッタの一部の出力ポートは、1つの第1の光フィルタに対応する中心波長を使用することによって識別されてもよく、一部の出力ポートは、複数の第1の光フィルタにそれぞれ対応する中心波長を使用することによって識別されてもよいことも理解され得る。換言すれば、複数の第1の光フィルタにそれぞれ対応する中心波長の組み合わせコードは、1つのスプリッタの出力ポートを識別することができる。図5bは、本出願によるスプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。1×7スプリッタが一例として使用される。スプリッタは、出力ポート1(ポート#1)と、出力ポート2(ポート#2)と、出力ポート3(ポート#3)と、出力ポート4(ポート#4)と、出力ポート5(ポート#5)と、出力ポート6(ポート#6)と、出力ポート7(ポート#7)とを有する。出力ポート1は第1の光フィルタ1に対応し、出力ポート2は第1の光フィルタ2に対応し、出力ポート3は第1の光フィルタ3に対応し、出力ポート4は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ2に対応し、出力ポート5は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ3に対応し、出力ポート6は第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ3に対応し、出力ポート7は第1の光フィルタ1、第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ3に対応する。第1の光フィルタ1に対応する中心波長はλ1であり、第1の光フィルタ2に対応する中心波長はλ2であり、第1の光フィルタ3に対応する中心波長はλ3である。中心波長λ1、中心波長λ2および中心波長λ3は、互いに異なる。すなわち、出力ポート1は、第1の光フィルタ1に対応する中心波長λ1を用いて識別されてもよく、出力ポート2は、第1の光フィルタ2に対応する中心波長λ2を用いて識別されてもよく、出力ポート3は、第1の光フィルタ3に対応する中心波長λ3を用いて識別されてもよく、出力ポート4は、第1の光フィルタ1に対応する中心波長λ1と第1の光フィルタ2に対応する中心波長λ2との組み合わせを用いて識別されてもよく、出力ポート5は、第1の光フィルタ1に対応する中心波長λ1と第1の光フィルタ3に対応する中心波長λ3との組み合わせを用いて識別されてもよく、出力ポート6は、第1の光フィルタ2に対応する中心波長λ2と第1の光フィルタ3に対応する中心波長λ3との組み合わせを用いて識別されてもよく、出力ポート7は、第1の光フィルタ1に対応する中心波長λ1と、第1の光フィルタ2に対応する中心波長λ2と、第1の光フィルタ3に対応する中心波長λ3との組み合わせを用いて識別されてもよい。
【0097】
スプリッタの異なる出力ポートは、複数の第1の光フィルタに対応する中心波長の組み合わせを使用することによって識別される。これは、必要とされる中心波長の量を低減するのに役立つ。
【0098】
必要とされる異なる第1の光フィルタの最小数は、スプリッタの出力ポートの数に基づいて決定されることに留意されたい。例えば、スプリッタが8つの出力ポートを含む場合、8つの異なる出力ポートを区別するために、異なる中心波長に対応する少なくとも3つの第1の光フィルタが結合のために必要とされる。
【0099】
本出願では、同じレベルのスプリッタの異なる出力ポートは、異なる第1の光フィルタ((図5aに示すように)単一の第1の光フィルタであってもよく、または(図5bに示すように)複数の第1の光フィルタの組み合わせに対応してもよい)に対応し、異なる第1の光フィルタは、異なる中心波長に対応する。異なるレベルのスプリッタの出力ポートは、異なる第1の光フィルタに対応し得る。例えば、K番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタは、H番目のレベルのスプリッタの任意の出力ポートに対応する第1の光フィルタとは異なり、HおよびKは、両方とも正の整数である。K番目のレベルのスプリッタおよびH番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタのうちの任意の2つである。
【0100】
あるいは、異なるレベルのスプリッタの出力ポートは、同じ第1の光フィルタに対応し得る。例えば、L番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタは、N番目のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じであり、L番目のレベルのスプリッタは、N個のレベルのスプリッタのうちのN番目のレベルのスプリッタ以外のスプリッタであり、Lは、正の整数である。L番目のレベルのスプリッタの出力ポートは、第2のパワー変更アセンブリにさらに対応し、第2のパワー変更アセンブリは、受信された第2の検出光に基づいて光回線終端装置からの第1のサービス光のパワーを変更するように構成されることに留意されたい。
【0101】
以下では、異なるレベルのスプリッタの可能な組み合わせ方式を別々に説明する。解決策の説明を容易にするために、N=2が一例として使用される。2つのレベルのスプリッタは、それぞれ第1のレベルのスプリッタおよび第2のレベルのスプリッタと称される。複数の第2のレベルのスプリッタがあってもよいことを理解されたい。以下の説明では、解決策の説明を容易にするために、1つの第2のレベルのスプリッタが存在する例が使用される。
【0102】
方式1:第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタは、第2のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタとは異なる。
【0103】
図6aは、本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の対応関係の概略図である。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートは、8つの異なる第1の光フィルタに対応し、第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートは、8つの異なる第1の光フィルタに対応する。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および中心波長λ8に対応する。第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ9、中心波長λ10、中心波長λ11、中心波長λ12、中心波長λ13、中心波長λ14、中心波長λ15、および中心波長λ16に対応する。中心波長λ1から中心波長λ16までの16個の中心波長は、互いに異なる。詳細については、表1を参照されたい。
【0104】
【表1】
【0105】
図6bは、本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートは、8つの異なる第1の光フィルタに対応し、第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートのうちの一部は、複数の第1の光フィルタに対応する中心波長の組み合わせを使用することによって識別され得る。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および中心波長λ8に対応する。第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は、第1の光フィルタ9に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート2は、第1の光フィルタ10に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート3は、第1の光フィルタ11に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート4は、第1の光フィルタ9および第1の光フィルタ10に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート5は、第1の光フィルタ9および第1の光フィルタ11に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート6は、第1の光フィルタ10および第1の光フィルタ11に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート7は、第1の光フィルタ9、第1の光フィルタ10、および第1の光フィルタ11に対応する。詳細については、表2を参照されたい。
【0106】
【表2】
【0107】
方式1によれば、利得アセンブリは、最後のレベルのスプリッタ(すなわち、第2のレベルのスプリッタ)の各出力ポート上にのみ配置することができる。例えば、利得アセンブリは、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタの後に配置されてもよい。換言すれば、第1の光フィルタおよび利得アセンブリは、最後のレベルのスプリッタの各出力ポートに順次統合される。図6aまたは図6bを参照されたい。
【0108】
利得アセンブリは、代替的に、各レベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタの後に配置されてもよいことに留意されたい。利得アセンブリは、最後のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタの後にのみ配置される。これは、光分配ネットワークのプロセスを簡略化するのに役立つ。
【0109】
方式2:第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタは、第2のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じである。
【0110】
図6cは、本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートは、8つの異なる第1の光フィルタに対応し、第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートも、8つの異なる第1の光フィルタに対応する。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および中心波長λ8に対応する。第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および中心波長λ8に対応する。同じレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの第1の光フィルタは異なり、第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの第1の光フィルタは、第2のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの第1の光フィルタと同じであることが理解され得る。詳細については、以下の表3を参照されたい。
【0111】
【表3】
【0112】
図6dは、本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間の別の対応関係の概略図である。第1のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ1に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート2は第1の光フィルタ2に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート3は第1の光フィルタ3に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート4は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ2に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート5は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ3に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート6は第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ3に対応し、第1のレベルのスプリッタの出力ポート7は第1の光フィルタ1、第1の光フィルタ2、および第1の光フィルタ3に対応する。第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ1に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート2は第1の光フィルタ2に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート3は第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート4は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ2に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート5は第1の光フィルタ1および第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート6は第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート7は第1の光フィルタ1、第1の光フィルタ2、および第1の光フィルタ3に対応する。詳細については、表4を参照されたい。
【0113】
【表4】
【0114】
方式2によれば、利得アセンブリは、各レベルのスプリッタの出力ポートに配置される。例えば、利得アセンブリは、各レベルにおいて第1の光フィルタの後に配置されてもよい。換言すれば、第1の光フィルタおよび利得アセンブリは、各レベルのスプリッタの各出力ポートに順次統合される。図6cまたは図6dを参照されたい。例えば、第1の利得アセンブリは、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタに直列に接続され、第2の利得アセンブリは、第1のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタに直列に接続される。
【0115】
前述の方式2は、スプリッタの仕様をさらに低減するために、波長リソースを節約するのに役立つ(換言すれば、第1のレベルのスプリッタおよび第2のレベルのスプリッタの仕様は同じである)。換言すれば、第1のレベルのスプリッタの出力ポートおよび第2のレベルのスプリッタの出力ポートは、同じ波長を使用することによって識別される。
【0116】
方式3:第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタのうちの一部は、第2のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタのうちの一部と同じである。
【0117】
図6eは、本出願による、2つのレベルのスプリッタの各々の出力ポートと第1の光フィルタとの間のさらに別の対応関係の概略図である。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートは、8つの異なる第1の光フィルタに対応する。第1のレベルのスプリッタの8つの出力ポートに対応する8つの異なる第1の光フィルタは、8つの中心波長、すなわち、中心波長λ1、中心波長λ2、中心波長λ3、中心波長λ4、中心波長λ5、中心波長λ6、中心波長λ7、および中心波長λ8に対応する。第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は、第1の光フィルタ4に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート2は、第1の光フィルタ2に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート3は、第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート4は、第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ4に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート5は、第1の光フィルタ3および第1の光フィルタ4に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート6は、第1の光フィルタ3および第1の光フィルタ2に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート7は、第1の光フィルタ2、第1の光フィルタ3、および第1の光フィルタ4に対応する。詳細については、表5を参照されたい。
【0118】
【表5】
【0119】
代替的に、第2のレベルのスプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとの間に別の対応関係があってもよいことに留意されたい。例えば、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ4に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ2および第1の光フィルタ3に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ3および第1の光フィルタ4に対応し、または、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1は第1の光フィルタ2、第1の光フィルタ3、および第1の光フィルタ4に対応する。
【0120】
第2のレベルのスプリッタの出力ポートに接続された3つの第1の光フィルタは、第1の光フィルタ1以外の7つの第1の光フィルタのうちの任意の3つとすることができ、第1の光フィルタ2から第1の光フィルタ4に限定されないことにさらに留意されたい。第2のレベルのスプリッタの出力ポートに接続された第1の光フィルタは、第2のレベルのスプリッタの入力ポートに接続されたスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタと同じではあり得ないことも理解され得る。例えば、第1のレベルのスプリッタのポート#1に接続された第2のレベルのスプリッタの各出力ポートは、第1の光フィルタ1に接続することができず、第1のレベルのスプリッタのポート#2に接続された第2のレベルのスプリッタの各出力ポートは、第1の光フィルタ2に接続することができず、以下同様である。
【0121】
方式3によれば、利得アセンブリは、各レベルのスプリッタの出力ポートに配置される。例えば、利得アセンブリは、各レベルにおいて第1の光フィルタの後に配置されてもよい。換言すれば、第1の光フィルタおよび利得アセンブリは、各レベルのスプリッタの各出力ポートに順次統合される。図6eを参照されたい。例えば、第1の利得アセンブリは、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタに直列に接続され、第2の利得アセンブリは、第1のレベルのスプリッタの各出力ポートに接続された第1の光フィルタに直列に接続される。
【0122】
第1のレベルのスプリッタおよび第2のレベルのスプリッタの位置は、代替的に交換され得ることを理解されたい。
【0123】
以下は、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続する3つの可能な実装形態の例を示す。
【0124】
実装形態1:スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリは、一緒に統合される。
【0125】
図7aは、本出願によるスプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続する方式の概略図である。第1の光フィルタおよび利得アセンブリは、スプリッタの対応する出力ポートに順次統合され、換言すれば、第1の光フィルタの出力ポート、スプリッタ、および利得アセンブリは、一緒に統合される。図7aに示すように、第1の光フィルタ1および利得アセンブリは、スプリッタの出力ポート1(ポート#1)に順次統合され、第1の光フィルタ2および利得アセンブリは、スプリッタの出力ポート2(ポート#2)に順次統合され、…、第1の光フィルタ8および利得アセンブリは、スプリッタの出力ポート8(ポート#8)に順次統合される。スプリッタ、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを一緒に統合することによって、光分配ネットワークの製造プロセスを簡略化することができる。
【0126】
実装形態2:スプリッタの出力ポートと第1の光フィルタとが統合され、次いで、利得アセンブリに直列に接続される。
【0127】
図7bは、本出願による、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続する別の方法の概略図である。第1の光フィルタは、スプリッタの散乱ファイバに統合され(例えば、エッチングされるか、または紫外線に曝露される)、次いで、利得アセンブリに直列に接続されてもよい(例えば、熱溶解される)。図7bに示すように、第1の光フィルタ1は、スプリッタの出力ポート1(ポート#1)に統合され、次いで利得アセンブリに直列に接続され、第1の光フィルタ2は、スプリッタの出力ポート2(ポート#2)に統合され、次いで利得アセンブリに直列に接続され、…、第1の光フィルタ8は、スプリッタの出力ポート8(ポート#8)に統合され、次いで利得アセンブリに直列に接続される。
【0128】
実装形態3:第1の光フィルタは、スプリッタの出力ポート上で処理され、次いで、利得アセンブリに直列に接続される。
【0129】
図7cは、本願による、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを接続するさらに別の方法の概略図である。第1の光フィルタは、スプリッタの出力ポート上で処理され(例えば、エッチングされるか、または紫外線に曝露される)、次いで、利得アセンブリに直列に接続される。
【0130】
前述の3つの実装形態におけるスプリッタの出力ポートに対応する利得アセンブリによって生成される利得は、同じであってもよく、または異なっていてもよいことに留意されたい。これは、本出願では限定されない。
【0131】
前述の実装形態1によれば、第2の光フィルタは、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリと統合されてもよく、または、一緒に統合されたスプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリに直列に接続されてもよい。
【0132】
前述の実装形態2および実装形態3によれば、第2の光フィルタは、利得アセンブリに直列に接続されてもよい。
【0133】
可能な実装形態では、前述の3つの実装形態におけるスプリッタは、PLC型のスプリッタであってよい。
【0134】
可能な実装形態では、第1のパワー変更アセンブリは、第2の光フィルタにさらに対応する。第2の光フィルタは、第1のパワー変更アセンブリからの第1の検出光を反射して第1のパワー変更アセンブリに戻すように構成される。
【0135】
図6aを参照すると、第1の利得アセンブリの一端は第1の光フィルタに接続され、第1の利得アセンブリの他端は第2の光フィルタに接続される。第1の利得アセンブリは、第1のサービス光のパワーを少なくとも2倍に増幅することができる。これは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの識別された出力ポートの精度を向上させるのに役立つ。
【0136】
図6b、図6c、図6d、または図6eにおける第1の利得アセンブリの一端は、代替として、第2の光フィルタに接続されてもよいことに留意されたい。上記は、単に例として図6aを使用する。第2の光フィルタについては、前述の関連する説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0137】
本出願では、光分配ネットワーク内のスプリッタに含まれるポートの数、スプリッタのカスケード方式(例えば、シングルレベルまたはマルチレベル)、スプリッタの分割比などは限定されないことにさらに留意されたい。前述の実施形態は、解決策の説明を容易にするための例にすぎない。
【0138】
前述の光分配ネットワークに基づいて、図8は、本出願による光ネットワークシステムを示す。光ネットワークシステムは、光ネットワーク終端装置と、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおける光分配ネットワークとを含み得る。光分配ネットワークについては、前述の実施形態のいずれか1つにおける説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。光ネットワーク終端装置は、光分配ネットワークからの第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定するように構成され、第1のパワーおよび第2のパワーは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用される。
【0139】
さらに、任意選択で、光ネットワークシステムは、光回線終端装置を含み得る。光回線終端装置は、第1のサービス光を放出するように構成される。検出光源がオンにされていないとき、第1のサービス光は、光分配ネットワークを介して光ネットワーク終端装置に伝送され、光ネットワーク終端装置は、受信された第1の光信号の第1のパワーを決定するように構成され得る。検出光源がオンにされると、検出光源は、検出光を放出するために使用され、検出光および第1のサービス光は、光分配ネットワークに結合され得る。光分配ネットワークでは、第1の光フィルタが第1の検出光を通過させる場合、第1の検出光および第1のサービス光の両方が第1のパワー変更アセンブリに伝送され得る。第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更させ、パワー変更した第1のサービス光を光ネットワーク終端装置に伝送するように構成され得る。第1の光フィルタが第1の検出光を通過させない場合、第1のサービス光のみが第1のパワー変更アセンブリに伝送され得る。第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更せず、第1のサービス光は光ネットワーク終端装置に伝送され得る。第1のパワー変更アセンブリが第1のサービス光のみを受信する場合、第1のサービス光のパワーは変更されず、第1のサービス光は光ネットワーク終端装置に直接伝送され得ることを理解されたい。
【0140】
可能な実装形態では、光ネットワーク終端装置内の光電検出器は、受信された第1のサービス光の第1のパワーおよびパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定することができる。
【0141】
図8に示される光ネットワークシステムに基づいて、以下は、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートを決定する2つの実装形態の例を示す。
【0142】
実装形態1:光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートを決定する。
【0143】
可能な実装形態では、光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置から第1のパワーおよび第2のパワーを受信し、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。
【0144】
さらに、任意選択で、光回線終端装置は、光ネットワーク終端装置から第1のパワーおよび第2のパワーを受信し、第2のパワーおよび第1のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1から表5のいずれか1つに示すような)対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。
【0145】
例えば、第1の光フィルタがバンドストップフィルタであり、パワー変動が0である(換言すれば、パワーが変化しないままである)場合、これは、第1の光フィルタが通過することを許可しない検出光の波長が第1の検出光の中心波長であることを示す。第1の光フィルタがバンドパスフィルタであり、パワーが変更する場合、これは、第1の光フィルタが通過させる検出光の波長が第1の検出光の中心波長であることを示す。
【0146】
実装形態2:光ネットワーク終端装置は、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートを決定する。
【0147】
可能な実装形態では、光回線終端装置は、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。
【0148】
さらに、任意選択で、光ネットワーク終端装置は、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいてパワー変動を決定し、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長を決定し、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1から表5のいずれか1つに示すような)対応関係に基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。この場合、光ネットワーク終端装置は、決定された第1のパワーおよび第2のパワーを光回線終端装置に報告する必要はない。中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係は、代替的に、光ネットワーク終端装置に予め記憶されてもよく、または、光回線終端装置は、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1から表5のいずれか1つに示すような)対応関係を光ネットワーク終端装置に送信してもよく、これに対応して、光ネットワーク終端装置は、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係を光回線終端装置から受信することに留意されたい。
【0149】
可能な実装形態では、光ネットワークシステムは、検出光源をさらに含んでもよい。次に、検出光源について説明する。
【0150】
4.検出光源
可能な実装形態では、検出光源によって放出され得る波長の最小量は、光分配ネットワーク内の第1の光フィルタに対応する中心波長の量と同じである。
【0151】
図6aを参照すると、検出光源は、少なくとも16個の波長の検出光を放出することができ、検出光の16個の中心波長は、それぞれ、中心波長λ1から中心波長λ16である。図6bを参照すると、検出光源は、少なくとも11個の波長の検出光を放出することができ、検出光の11個の中心波長は、それぞれ、中心波長λ1から中心波長λ11である。図6cを参照すると、検出光源は、少なくとも8つの波長の検出光を放出することができ、検出光の8つの中心波長は、それぞれ、中心波長λ1から中心波長λ8である。図6dを参照すると、検出光源は、少なくとも3つの波長の検出光を放出してもよく、検出光の3つの中心波長は、それぞれ、中心波長λ1から中心波長λ3である。図6eを参照すると、検出光源は、少なくとも8つの中心波長の検出光を放出することができ、検出光の8つの中心波長は、それぞれ、中心波長λ1から中心波長λ8である。検出光源は、異なる中心波長の検出光を別々に放出してもよいことを理解されたい。例えば、検出光源は、1つの中心波長の検出光を1つの瞬間に放出してもよい。
【0152】
以下は、検出光源の2つの可能な構造の例を示す。
【0153】
構成1:検出光源は、波長可変光源であり得る。
【0154】
波長可変光源とは、出力する検出光の波長を必要に応じて変更することができることを意味する。例えば、光源は、波長可変連続波(continuous wave、CW)光源であってもよく、または波長可変パルス光源であってもよい。
【0155】
例えば、波長可変光源は、波長可変レーザ、例えば、分布帰還(distributed feedback、DFB)レーザ、ファブリペロー(Fabry-Perot、FP)レーザ、または電界吸収型変調レーザ(electro-absorption modulated laser、EML)であってもよい。以下は、詳細な説明を別々に提供する。
【0156】
DFBレーザは、ガリウムアンチモン(GaSb)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン酸インジウム(InP)、硫化亜鉛(ZnS)などを含む半導体材料を誘電体として主に使用し、高いサイドモード抑圧比(side-mode suppression ratio、SMSR)を有する。SMSRは、サイドモード抑圧比と称され、サイドモードの最大強度に対するメインモードの最大強度の比であり、縦モード性能の重要な指標である。DFBレーザの活性層にはグレーティングが集積されており、換言すれば、DFBレーザのレーザ発振は、グレーティングによって形成される光結合である。DFBレーザに注入される電流の大きさを変更することにより、DFBレーザが出力する光の波長を調整することができる。
【0157】
EMLが信号光を出力する原理は、DFBレーザが信号光を出力する原理と同じである。具体的には、EMLに注入される電流の大きさを変更することによって、EMLから出力される光の波長が調整され得る。
【0158】
FPレーザによって信号光を出力する原理は、FPレーザの光共振キャビティ内に注入光を放出して、FPレーザの光共振キャビティのレージング波長を注入光の波長と一致させることである。すなわち、注入光の波長を変更することにより、FPレーザの出力光の波長が変更する。
【0159】
可能な実装形態では、光源は、光源によって放出される波長が調整可能であるように、光回線終端装置を使用することによって制御され得る。
【0160】
構成2:検出光源は、光スイッチと、少なくとも1つの固定波長を放出する検出光源との組み合わせであり得る。
【0161】
光スイッチは、固定波長を有する少なくとも1つの検出光源内の1つの検出光源を制御して、検出光を出力するように構成されてもよい。光スイッチのリンクが接続状態にあるとき、リンクに対応する検出光源は、固定波長の検出光を出力してもよい。光スイッチのリンクが切断状態にあるとき、リンクに対応する検出光源は検出光を出力することができない。
【0162】
図9aは、本出願による光スイッチと固定波長を放出する検出光源との組み合わせの構造の概略図である。光スイッチは、具体的には、4つの入力端および1つの出力端を含む4×1スイッチであり得る。光スイッチの4つの入力端はそれぞれ4つの検出光源に接続され、光スイッチの出力端はWDMに接続される。具体的には、検出光源1は光スイッチの入力端1に接続され、検出光源2は光スイッチの入力端2に接続され、検出光源3は光スイッチの入力端3に接続され、検出光源4は光スイッチの入力端4に接続される。1つの検出光源は、1つの固定波長の検出光を出力してもよい。具体的には、検出光源1は波長1の検出光を出力し得、検出光源2は波長2の検出光を出力し得、検出光源3は波長3の検出光を出力し得、検出光源4は波長4の検出光を出力し得る。入力端1が出力端に接続されているとき、入力端1のリンクは接続状態にあり、したがって、検出光源1によって放出された波長1の検出光はWDMに出力され得、入力端2が出力端に接続されているとき、入力端2のリンクは接続状態にあり、したがって、検出光源2によって放出された波長2の検出光はWDMに出力され得、他の場合は同様である。
【0163】
図9bは、本出願による、光スイッチと固定波長を放出する検出光源との別の組み合わせの構造の概略図である。光スイッチは、具体的には、4つの入力端および4つの出力端を含む4×4スイッチであり得る。4つの入力端はそれぞれ4つの検出光源に接続され、4つの出力端は別々にWMDに接続される。入力端1が出力端1に接続されているとき、入力端1のリンクは接続状態にあり、したがって、検出光源1によって放出された波長1の検出光がWDMに出力され得、入力端2が出力端2に接続されているとき、入力端2のリンクは接続状態にあり、したがって、検出光源2によって放出された波長2の検出光がWDMに出力され得、他の場合は同様である。
【0164】
さらに、任意選択で、SBS効果を抑制するために、低周波位相変調器または強度変調器および無線周波数(radio frequency、RF)が検出光源の出力端に追加されてもよい。図9aまたは図9bを参照されたい。RFは、変調信号を位相変調器または強度変調器に入力して、検出光源によって放出された狭い線幅を有する検出光の位相または強度を変調し、検出光源によって放出された検出光の線幅を増加させ、SBS効果をさらに抑制することができる。検出光の線幅が狭く、ファイバのパワーが8 dBmよりも大きいとき、SBS効果がファイバ内で発生し、具体的には、検出光の大部分がファイバにわたって散逸されることを理解されたい。
【0165】
なお、図9aまたは図9bにおいて、検出光に施される位相変調または強度変調は外部変調に属する。検出光に対して実行される位相または強度変調は、代替的に内部変調であってもよく、具体的には、RFは、検出光の位相または強度に対して実行される内部変調を実装するために、検出光源に変調信号を入力してもよいことを理解されたい。
【0166】
可能な実装形態では、検出光源はポンプ検出光源であり得る。検出光源は、Sバンド、Cバンド、またはUバンドを選択してもよく、検出光の波長範囲は、光分配ネットワーク内の各第1の光フィルタの中心波長に基づいて選択され得る。検出光源のパワーは、既存のネットワーク損失およびエルビウムドープファイバ仕様に基づいて広範囲に調整され得る。
【0167】
前述の内容に基づいて、特定の光ネットワークシステムを参照して、以下は、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを識別する実装形態プロセスを提供する。
【0168】
以下の説明では、例えば、光ネットワークシステムはPONシステムであり、第1の光フィルタはバンドストップフィルタであり、スプリッタの出力ポート、第1の光フィルタ、および利得アセンブリを統合する方式は前述の実装形態1であり、検出光源は波長可変光源である。第2のレベルのスプリッタの出力ポートに接続された光ネットワーク終端装置が一例として使用される。
【0169】
検出光の波長が第1の光フィルタに対応する中心波長と同じであるとき、検出光は、第1の光フィルタによって入力ポートに反射され、検出光は、利得アセンブリに連続的に伝送されることができず、第1のサービス光のみが利得アセンブリに伝送されることに留意されたい。この場合、利得アセンブリは、第1のサービス光に対して利得を生成しない。検出光の波長が第1の光フィルタに対応する中心波長と異なるとき、検出光および第1のサービス光の両方が利得アセンブリに伝送され得る。この場合、検出光の作用下で、利得アセンブリは、第1のサービス光に対する利得を生成してもよい。換言すれば、第1のサービス光は利得アセンブリによって増幅されてもよく、すなわち、第1のサービス光のパワーも変更する。利得アセンブリによって第1のサービス光を増幅する原理については、図1の説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0170】
図10aは、本出願によるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。PONシステムは、検出光源、WDM、OLT、ODN、およびONTを含み得る。2つのレベルのスプリッタ(第1のレベルのスプリッタおよび第2のレベルのスプリッタ)が一例として使用される。例えば、1つの第2のレベルのスプリッタがあり、ODNは、図6aに示されるODNである(前述の関連する説明を参照することができ、詳細はここでは再び説明されない)。WDMは、受信された検出光および第1のサービス光をフィーダファイバに結合し、フィーダファイバを介して検出光および第1のサービス光を第1のレベルのスプリッタに伝送するように構成されてもよい。第1のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つの第2のレベルのスプリッタに接続するように構成されてもよく、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つのONTに接続するように構成されてもよい。
【0171】
検出光源がオンにされていないとき、ONTは、OLTから第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーP0を決定するように構成される。第1のサービス光が第1の利得アセンブリを通過するとき、第1の利得アセンブリは、第1のサービス光に対する利得を生成しないことを理解されたい。さらに、ONTは、第1のサービス光の第1のパワーP0をOLTに報告するように構成される。
【0172】
検出光源がオンにされると、検出光源は、異なる瞬間に波長λ1~λ16の検出光を別々に放出するために使用され得る。換言すれば、ある瞬間に、検出光源は、1つの中心波長の検出光を放出してもよい。例えば、中心波長λ1の検出光は時刻t1に放出され、中心波長λ2の検出光は時刻t2に放出され、中心波長λ3の検出光は時刻t3に放出され、…、中心波長λ15の検出光は時刻t15に放出され、中心波長λ16の検出光は時刻t16に放出される。
【0173】
検出光の中心波長がλ1であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP1を決定し、検出光の中心波長がλ2であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP2を決定し、…、検出光の中心波長がλ15であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP15を決定し、検出光の中心波長がλ16であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP16を決定する。
【0174】
さらに、任意選択で、ONTは、表6に示すように、決定された第2のパワーをOLTに報告するように構成される。可能な実装形態では、ONTは、ONTが第2のパワーを決定するたびに1つの第2のパワーをOLTに報告することができ、またはONTは、16個の第2のパワーを決定した後に、16個の第2のパワーを一緒にOLTに報告することができる。加えて、ONTは、第1のパワーおよび第2のパワーを一緒にOLTに報告することができ、または最初に第1のパワーを報告し、次いで第2のパワーを報告することができる。これは、本出願では限定されない。
【0175】
【表6】
【0176】
これに対応して、OLTは、ONTから第2のパワーを受信するように構成され、第2のパワーは、それぞれ、第2のパワーP1、第2のパワーP2、第2のパワーP3、第2のパワーP4、第2のパワーP5、第2のパワーP6、第2のパワーP7、第2のパワーP8、第2のパワーP9、第2のパワーP10、第2のパワーP11、第2のパワーP12、第2のパワーP13、第2のパワーP14、第2のパワーP15、および第2のパワーP16であり、ONTから第1のパワーP0を受信し、パワー変動ΔPnを別々に計算し、ΔPn=Pn-P0であり、nの値は1から16の範囲である。
【0177】
さらに、OLTは、パワー変動ΔPnに基づいて、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。可能な実装形態では、パワー変動ΔPnは、PONシステムの分解能または決定閾値(例えば、0.3 dBに設定され得るΔm)と比較されて、検出光源がオンにされたときおよび検出光源がオンにされていないときにOLTによって受信された信号光のパワーが変更するかどうかを決定することができる。ΔPn≧Δmの場合、ΔPnは「1」として記録され、第1のサービス光のパワーが波長の検出光の下で1単位だけ変化することを示す。これは、波長λnの検出光と第1のサービス光の両方が第1の利得アセンブリに入射することを示し、スプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタが波長λnの検出光を通過させることをさらに示す。ΔPn<Δmの場合、ΔPnは、第1のサービス光のパワーが波長の検出光の下で変化しないことを示す「0」として記録されてもよい。これは、波長λnの検出光および第1のサービス光が第1の利得アセンブリに一緒に入射せず、スプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタが波長λnの検出光を通過させない(または反射する)ことを示す。さらに、第1の光フィルタに対応する中心波長もλnであると決定されてよい。したがって、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートは、スプリッタの出力ポートと中心波長との間の(前述の表1に示すような)対応関係に基づいて決定され得る。
【0178】
なお、ΔPnはΔmより大きくてもよく、ΔPnは「1」として記録される。ΔPn≦Δmの場合、ΔPnは「0」として記録される。
【0179】
可能な実装形態では、OLTは、ΔP1~ΔP8に基づいて、ONTに接続された第1のレベルのスプリッタの出力ポートを決定し、ΔP9~ΔP16に基づいて、ONTに接続された第2のレベルのスプリッタの出力ポートを決定することができる。
【0180】
例えば、ΔP1~ΔP8は、それぞれ01111111である。具体的には、検出光の中心波長がλ1である場合、ONTによって受信される信号光のパワーは変化しない。検出光の中心波長がλ2であるとき、検出光の中心波長がλ3であるとき、検出光の中心波長がλ4であるとき、検出光の中心波長がλ5であるとき、検出光の中心波長がλ6であるとき、検出光の中心波長がλ7であるとき、または検出光の中心波長がλ8であるとき、ONTによって受信される信号光のパワーは変化する。検出光の中心波長が第1の光フィルタに対応する中心波長と同じであるとき、検出光は、第1の光フィルタによって入力端に反射される。このため、ONTが受信する信号光のパワーは変化しない。したがって、OLTは、ONTに接続された第1の光フィルタに対応する中心波長がλ1であると決定することができ、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1に示すような)対応関係に基づいて、中心波長λ1が第1のレベルのスプリッタの出力ポート1(ポート#1)に対応すると決定することができ、さらに、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#1に接続されていると決定することができる。
【0181】
さらに、検出光の中心波長がλ2であり、検出光の中心波長がλ3であり、検出光の中心波長がλ4であり、検出光の中心波長がλ5であり、検出光の中心波長がλ6であり、検出光の中心波長がλ7であり、または検出光の中心波長がλ8であるとき、検出光と第1のサービス光の両方が利得アセンブリに到達する。これは、7つの波長の検出光の各々が、第1の光フィルタに対応する中心波長と異なることを示す。このため、ONTが受信する信号光のパワーが変更する。したがって、OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、ポート#7、またはポート#8に接続されていないと決定することができる。
【0182】
例えば、ΔP9~ΔP16は、それぞれ01111111である。具体的には、検出光の中心波長がλ9である場合、ONTによって受信される信号光のパワーは変化しない。検出光の中心波長がλ10であるとき、検出光の中心波長がλ11であるとき、検出光の中心波長がλ12であるとき、検出光の中心波長がλ13であるとき、検出光の中心波長がλ14であるとき、検出光の中心波長がλ15であるとき、または検出光の中心波長がλ16であるとき、ONTによって受信される信号光のパワーは変化する。同じ原理に基づいて、OLTは、ONTに接続された第1の光フィルタに対応する中心波長がλ9であると決定することができ、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1に示すような)対応関係に基づいて、中心波長λ9に対応する第2のレベルのスプリッタの出力ポートがポート#1であると決定することができ、さらに、ONTが第2のレベルのスプリッタのポート#1に接続されていると決定することができる。
【0183】
さらに、検出光の中心波長がλ10であり、検出光の中心波長がλ11であり、検出光の中心波長がλ12であり、検出光の中心波長がλ13であり、検出光の中心波長がλ14であり、検出光の中心波長がλ15であり、または検出光の中心波長がλ16であるとき、検出光と第1のサービス光の両方が利得アセンブリに到達する。これは、7つの波長の検出光の各々が、第1の光フィルタに対応する中心波長と異なることを示す。このため、ONTが受信する信号光のパワーが変更する。したがって、OLTは、ONTが第2のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、ポート#7、およびポート#8に接続されていないと決定することができる。
【0184】
前述の内容に基づいて、パワー変動ΔP1~ΔP16が0111111101111111であると決定したとき、OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#1および第2のレベルのスプリッタのポート#1に接続されているとさらに決定することができる。
【0185】
図10bは、本出願による別のPONシステムのアーキテクチャの概略図である。PONシステムは、検出光源、WDM、OLT、ODN、およびONTを含み得る。2つのレベルのスプリッタ(すなわち、第1のレベルのスプリッタおよび第2のレベルのスプリッタ)が一例として使用される。例えば、1つの第2のレベルのスプリッタが存在し、ODNは、図6cに示されるODNである(前述の関連する説明を参照されたく、詳細はここでは再び説明されない)。WDMは、受信された検出光および第1のサービス光をフィーダファイバに結合し、フィーダファイバを介して検出光および第1のサービス光を第1のレベルのスプリッタに伝送するように構成されてもよい。第1のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つの第2のレベルのスプリッタに接続するように構成されてもよく、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つのONTに接続するように構成されてもよい。
【0186】
検出光源がオンにされていないとき、ONTは、OLTから第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーP0を決定するように構成される。第1のサービス光が第1の利得アセンブリを通過するとき、第1の利得アセンブリは、第1のサービス光に対する利得を生成しないことを理解されたい。さらに、ONTは、第1のサービス光の第1のパワーP0をOLTに報告するように構成される。
【0187】
検出光源がオンにされると、検出光源は、異なる瞬間に波長λ1~λ8の検出光を別々に放出するために使用され得る。換言すれば、ある瞬間に、検出光源は、1つの中心波長の検出光を放出してもよい。例えば、中心波長λ1の検出光は時刻t1に放出され、中心波長λ2の検出光は時刻t2に放出され、中心波長λ3の検出光は時刻t3に放出され、…、中心波長λ7の検出光は時刻t7に放出され、中心波長λ8の検出光は時刻t8に放出される。
【0188】
検出光の中心波長がλ1であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP1を決定し、検出光の中心波長がλ2であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP2を決定し、…、検出光の中心波長がλ8であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP8を決定する。
【0189】
さらに、任意選択で、ONTは、表7に示すように、決定された第2のパワーをOLTに報告するように構成される。可能な実装形態では、ONTは、ONTが第2のパワーを決定するたびに1つの第2のパワーをOLTに報告することができ、またはONTは、8つの第2のパワーを決定した後に8つの第2のパワーを一緒にOLTに報告することができる。加えて、ONTは、第1のパワーおよび第2のパワーを一緒にOLTに報告することができ、または最初に第1のパワーを報告し、次いで第2のパワーを報告することができる。これは、本出願では限定されない。
【0190】
【表7】
【0191】
これに対応して、OLTは、ONTから第2のパワーを受信するように構成され、第2のパワーは、それぞれ第2のパワーP1、第2のパワーP2、第2のパワーP3、第2のパワーP4、第2のパワーP5、第2のパワーP6、第2のパワーP7、および第2のパワーP8であり、ONTから第1のパワーP0を受信し、パワー変動ΔPnを別々に計算するように構成され、ΔPn=Pn-P0であり、nの値は1から8の範囲である。
【0192】
さらに、OLTは、パワー変動ΔPnに基づいて、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。可能な実装形態では、パワー変動ΔPnは、PONシステムの分解能または決定閾値(例えば、0.3 dBに設定され得るΔm)と比較されて、検出光源がオンにされる場合および検出光源がオンにされない場合にOLTによって受信される信号光のパワーが変更するかどうかを決定することができる。ΔPn=0である場合、これは、第1のサービス光のパワーが波長の検出光の下で変化しないことを示す。具体的には、波長λnの検出光および第1のサービス光は、第1の利得アセンブリに一緒に入射せず、波長λnの検出光は、第2の利得アセンブリに伝送されない。これは、波長λnの検出光が第1のスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタによって入力端に反射して戻されることをさらに示し、第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタに対応する中心波長がλnであることがさらに決定されてもよく、その結果、ONTに接続された第1のレベルのスプリッタの出力ポートは、スプリッタの出力ポートと中心波長との間の(表1に示すような)対応関係に基づいて決定され得る。ΔPn=Δmである場合、ΔPnは、第1のサービス光のパワーが波長の検出光の下で1単位だけ変化することを示す「1」として記録されてもよい。これは、波長λnの検出光および第1のサービス光の両方が第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリに入射することを示し、さらに、第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタが波長λnの検出光を通過させることを示す。ΔPn=2Δmである場合、ΔPnは、「2」として記録されてもよく、第1のサービス光のパワーが波長の検出光の下で2単位だけ変化することを示す。これは、検出光および第1のサービス光の両方が、第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリおよび第2のレベルのスプリッタに接続された第1の利得アセンブリに到達することを示す。
【0193】
検出光および第1のサービス光の両方が第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリに伝送された場合、検出光および第1のサービス光は1回作用し、第1のサービス光のパワーはΔmだけ増幅されることを理解されたい。検出光および第1のサービス光が第2のレベルのスプリッタに接続された第1の利得アセンブリに伝送されると、第1のサービス光は再びΔmだけ増幅される。換言すれば、検出光および第1のサービス光が第1の利得アセンブリおよび第2の利得アセンブリの両方に伝送され得る場合、第1のサービス光は2πmだけ増幅される。
【0194】
例えば、ΔP1~ΔP8は、それぞれ02222222である。具体的には、検出光の中心波長がλ1である場合、ONTによって受信される信号光のパワーは変化しない。検出光の中心波長がλ2であるとき、検出光の中心波長がλ3であるとき、検出光の中心波長がλ4であるとき、検出光の中心波長がλ5であるとき、検出光の中心波長がλ6であるとき、検出光の中心波長がλ7であるとき、または検出光の中心波長がλ8であるとき、ONTによって受信される信号光のパワーは変化する。検出光の中心波長が第1の光フィルタに対応する中心波長と同じであるとき、検出光は、第1の光フィルタによって入力端に反射して戻される。このため、ONTが受信する信号光のパワーは変化しない。したがって、OLTは、ONTに接続された第1の光フィルタに対応する中心波長がλ1であると決定することができ、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表1に示すような)対応関係に基づいて、中心波長λ1が第1のレベルのスプリッタの出力ポート1(ポート#1)に対応し、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1(ポート#1)に対応すると決定することができる。
【0195】
さらに、検出光の中心波長がλ2であり、検出光の中心波長がλ3であり、検出光の中心波長がλ4であり、検出光の中心波長がλ5であり、検出光の中心波長がλ6であり、検出光の中心波長がλ7であり、または検出光の中心波長がλ8であるとき、検出光と第1のサービス光の両方が、第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリおよび第2のレベルのスプリッタに接続された第1の利得アセンブリに到達する。これは、検出光の7つの中心波長の各々が、第1の光フィルタに対応する中心波長とは異なることを示す。このため、ONTが受信する信号光のパワーが変更する。OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、ポート#7、またはポート#8に接続されていないと決定することができ、さらに、ONTが第2のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、ポート#7、またはポート#8にも接続されていないと決定することができる。
【0196】
前述の内容に基づいて、パワー変動ΔP1からΔP8がそれぞれ02222222であると決定したとき、OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#1および第2のレベルのスプリッタのポート#1に接続されていると決定することができる。
【0197】
例えば、ΔP1~ΔP8は、それぞれ12222220である。具体的には、検出光の中心波長がλ1である場合、ONTによって受信される信号光のパワーは1単位だけ変化する。検出光の中心波長がλ2であり、検出光の中心波長がλ3であり、検出光の中心波長がλ4であり、検出光の中心波長がλ5であり、検出光の中心波長がλ6であり、または検出光の中心波長がλ7であるとき、ONTによって受信される第1のサービス光のパワーは2単位だけ変化する。検出光の中心波長がλ8であるとき、ONTによって受信される第1のサービス光のパワーは変化しない。OLTは、ΔP8=0に基づいて、波長λ8の検出光が第1のレベルのスプリッタの第1の光フィルタによって入力端に反射して戻され、第2のレベルのスプリッタに到達することができないと決定することができる。したがって、ONTに接続された第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタに対応する中心波長はλ8であると決定され得る。さらに、OLTは、中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表3に示すような)対応関係に基づいて、中心波長λ8が第1のレベルのスプリッタのポート#8に対応すると決定することができる。OLTは、ΔP1=1に基づいて、第1のサービス光が、第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリにおいてのみ利得を生成し、第2のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタによって反射されて戻されると決定することができる。したがって、ONTに接続された第1のレベルのスプリッタの出力ポートに対応する第1の光フィルタに対応する中心波長はλ1であると決定され得る。中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の(表2に示すような)対応関係を参照して、OLTは、中心波長λ1が第2のレベルのスプリッタのポート#1に対応すると決定することができる。
【0198】
さらに、検出光の中心波長がλ2であり、検出光の中心波長がλ3であり、検出光の中心波長がλ4であり、検出光の中心波長がλ5であり、検出光の中心波長がλ6であり、または検出光の中心波長がλ7であるとき、ONTによって受信される第1のサービス光のパワーは2単位だけ変化する。すなわち、6つの波長の検出光の下で、検出光および第1のサービス光は、第1のレベルのスプリッタに接続された第2の利得アセンブリおよび第2のレベルのスプリッタに接続された第1の利得アセンブリに到達する。これは、6つの波長の検出光の各々が、第1の光フィルタに対応する中心波長と異なることを示す。したがって、ONTによって受信される第1のサービス光のパワーは2単位だけ変化する。OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、またはポート#7に接続されていないと決定することができ、さらに、ONTが第2のレベルのスプリッタのポート#2、ポート#3、ポート#4、ポート#5、ポート#6、またはポート#7にも接続されていないと決定することができる。
【0199】
前述の内容に基づいて、パワー変動ΔP1からΔP8がそれぞれ12222220であると決定したとき、OLTは、ONTが第1のレベルのスプリッタのポート#8および第2のレベルのスプリッタのポート#1に接続されていると決定することができる。
【0200】
Δmは、特定の値、間隔、または関数であり得ることに留意されたい。
【0201】
図10cは、本出願によるさらに別のPONシステムの概略図である。PONシステムは、検出光源、WDM、OLT、ODN、およびONTを含み得る。例えば、ODNは、図5bに示されるODNである(前述の関連する説明が参照され、詳細はここでは再び説明されない)。WDMは、受信された検出光および第1のサービス光をフィーダファイバに結合し、フィーダファイバを介して検出光および第1のサービス光を第1のレベルのスプリッタに伝送するように構成されてもよい。第1のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つの第2のレベルのスプリッタに接続するように構成されてもよく、第2のレベルのスプリッタの各出力ポートは、1つのONTに接続するように構成されてもよい。
【0202】
検出光源がオンにされていないとき、ONTは、OLTから第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーP0を決定するように構成される。第1のサービス光が第1の利得アセンブリを通過するとき、第1の利得アセンブリは、第1のサービス光に対する利得を生成しないことを理解されたい。さらに、ONTは、第1のサービス光の第1のパワーP0をOLTに報告するように構成される。
【0203】
検出光源がオンにされると、検出光源は、異なる瞬間に波長λ1~λ3の検出光を別々に放出するために使用され得る。換言すれば、ある瞬間に、検出光源は、1つの中心波長の検出光を放出してもよい。例えば、時刻t1に中心波長λ1の検出光が放出され、時刻t2に中心波長λ2の検出光が放出され、時刻t3に中心波長λ3の検出光が放出される。
【0204】
検出光の中心波長がλ1であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP1を決定し、検出光の中心波長がλ2であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP2を決定し、検出光の中心波長がλ3であるとき、ONTは、受信されたパワー変更された第1のサービス光の第2のパワーP3を決定する。
【0205】
さらに、任意選択で、ONTは、決定された第2のパワーをOLTに報告するように構成される。これに対応して、OLTは、ONTから第2のパワーを受信することができる。詳細について、前述の関連説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0206】
さらに、OLTは、パワー変動ΔPnに基づいて、ONTに接続されたスプリッタの出力ポートを決定するように構成され得る。可能な実装形態では、パワー変動ΔPnは、PONシステムの分解能または決定閾値(例えば、0.3 dBに設定され得るΔm)と比較されて、検出光源がオンにされたときおよび検出光源がオンにされていないときにOLTによって受信された信号光のパワーが変更するかどうかを決定することができる。ΔPnに記録される値については、前述の関連する説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0207】
例えば、ONTは、第2のレベルのスプリッタの出力ポート1に接続され、対応するパワー変動は、ΔP1=P1-P0=0、ΔP2=P2-P0=1、およびΔP3=P3-P0=1である。すなわち、ΔP1~ΔP3は、それぞれ011である。すなわち、OLTは、パワー変動ΔP1~ΔP3がそれぞれ011であると決定した場合には、第2のレベルのスプリッタの#1ポートにONTが接続されていると決定することができる。
【0208】
別の例では、ONTは、第2のレベルのスプリッタの出力ポート7に接続され、対応するパワー変動は、ΔP1=P1-P0=0、ΔP2=P2-P0=0、およびΔP3=P3-P0=0である。すなわち、ΔP1~ΔP3は、それぞれ000である。換言すれば、OLTが、パワー変動ΔP1~ΔP3がそれぞれ000であると決定した場合、ONTが第2のレベルのスプリッタの#7ポートに接続されていると決定することができる。
【0209】
対応関係を示す前述のテーブルは単なる例であり、実装形態プロセスにおける同様の対応関係または対応関係のセットを示し得ることに留意されたい。
【0210】
第2のレベルのスプリッタが8つのポートを含むとき、ポートのうちの7つが識別されてよく、第8のポートが除外方法に従って決定されてよいことにさらに留意されたい。
【0211】
前述の内容および同じ概念に基づいて、本出願は、スプリッタのポートを識別するための方法を提供する。図11の説明を参照されたい。スプリッタのポートを識別するための方法は、図8図10cの実施形態のいずれか1つに示されるPONシステムに適用されてもよい。スプリッタのポートを識別するための方法は、図8から図10cの実施形態のうちのいずれか1つに示されるPONシステムに基づいて実装され得ることも理解され得る。
【0212】
図11は、本出願による、スプリッタのポートを識別するための方法の概略フローチャートである。本方法は、前述の実施形態のいずれか1つによる光ネットワークシステムに適用することができる。本方法は、以下のステップを含む。
【0213】
ステップ1101:光回線終端装置から第1のサービス光を受信し、第1のサービス光の第1のパワーを決定する。
【0214】
本明細書では、光回線終端装置からの第1のサービス光は、検出光源がオンにされていないときに受信され得る。
【0215】
ステップ1102:第1のパワー変更アセンブリからパワー変更された第1のサービス光を受信し、パワー変更された第1のサービス光の第2のパワーを決定する。
【0216】
パワー変更された第1のサービス光は、第1のパワー変更アセンブリによって、受信された第1の検出光に基づいて第1のサービス光のパワーを変更することによって取得され、第1の検出光の中心波長は、第1のパワー変更アセンブリに対応する第1の光フィルタが通過させる中心波長であり、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、異なる。第1のパワーおよび第2のパワーは、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定するために使用され得る。
【0217】
本明細書では、パワー変更された第1のサービス光は、第1のパワー変更アセンブリによって、受信された第1の検出光に基づいて第1のサービス光のパワーを変更することによって取得される。換言すれば、検出光源がオンにされた後、検出光源によって放出された検出光は、対応する第1の光フィルタを通過した後に第1のサービス光とともに第1のパワー変更アセンブリに伝送され、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更することができ、その結果、パワー変更された第1のサービス光が取得され得る。
【0218】
ステップ1101およびステップ1102の両方は、光ネットワーク終端装置によって実行され得る。詳細について、前述の関連説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0219】
可能な実装形態では、第1のパワーおよび第2のパワーに基づいて、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートを決定することは、光ネットワーク終端装置によって実行されてもよく、または光回線終端装置によって実行されてもよい。詳細について、前述の関連説明を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0220】
さらに、任意選択で、パワー変動は、第2のパワーおよび第1のパワーに基づいて決定されてもよく、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は、パワー変動および第1の検出光の中心波長に基づいて決定され、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタの出力ポートは、第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長、および中心波長とスプリッタの出力ポートとの間の対応関係に基づいて決定される。
【0221】
ステップ1101およびステップ1102から、異なる第1の光フィルタが通過させるかまたは通過させない検出光の中心波長は異なることが分かる。検出光および第1のサービス光の両方が第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは、第1のサービス光のパワーを変更することができる。第1のサービス光のみが第1のパワー変更アセンブリに伝送された場合、第1のパワー変更アセンブリは第1のサービス光のパワーを変更せず、その結果、対応する検出光の中心波長が第1のサービス光のパワーに基づいて決定されることができ、対応する第1の光フィルタが検出光の中心波長に基づいて決定されることができ、光ネットワーク終端装置に接続されたスプリッタのポートが、決定された第1の光フィルタに基づいてさらに決定されることができる。
【0222】
前述の実施形態では、利得アセンブリは、代替として、減衰アセンブリと置換されてもよく、利得アセンブリおよび減衰アセンブリは、集合的に、パワー変更アセンブリと称されてもよい。
【0223】
本出願の実施形態では、特に明記しない限り、または論理的な矛盾がない限り、異なる実施形態間の用語および/または説明は一貫しており、相互に参照されてもよく、異なる実施形態の技術的特徴は、その内部論理的関係に基づいて組み合わされ、新しい実施形態を形成してもよい。
【0224】
本出願において、「均一性」は、絶対的な均一性を意味するものではなく、工学的誤差は許容され、例えば、上述したように、「良好なチャネル均一性」である。等しいとは、絶対的に等しいことを意味せず、工学的誤差が許容される。例えば、前述の「検出光の光子エネルギーは、E3/E2エネルギー準位とE1エネルギー準位との間のエネルギー差に等しい」、別の例では、前述の「入力信号光のエネルギーは、E2エネルギー準位とE1エネルギー準位との間のエネルギー差に等しい」。少なくとも1つは、1つ以上を意味し、「複数の」は、2つ以上、例えば、前述の「少なくとも1つの第1の光フィルタ」を意味する。別の例として、前述の「少なくとも1つの固定波長」がある。「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の関連関係を説明し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、以下の場合、すなわち、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を表すことができ、AおよびBは、単数または複数とすることができる。一例は、上述のように、「検出光源は、波長可変光源、および/または光スイッチと少なくとも1つの固定波長を放出する光源との組み合わせであってもよい」である。本出願のテキスト記述において、文字「/」は、通常、関連するオブジェクト間の「または」関係、例えば、上述の「E3/E2エネルギー準位」を示す。加えて、本出願では、「例」という単語は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願において「例」として説明される任意の実施形態または設計方式は、別の実施形態または設計方式よりも好ましい、またはより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。代替的に、「例」という単語は、特定の方式で概念を提示するために使用され、本出願に対する限定を構成しないものとして理解され得る。本出願では、光信号のパワーは、光パワーと称されることもある。
【0225】
本出願の実施形態における種々の数は、単に説明を容易にするために区別するために使用され、本出願の実施形態の範囲を限定するために使用されないことが理解され得る。前述のプロセスのシーケンス番号は、実行シーケンスを意味せず、プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能および内部論理に基づいて決定されるべきである。「第1の」、「第2の」などの用語は、同様の物体を区別するために使用されるが、必ずしも特定の順序またはシーケンスを示すとは限らない。加えて、「含む(include)」、「有する(have)」という用語、およびそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図され、例えば、一連のステップまたはユニットを含む。方法、システム、製品、またはデバイスは、文字通り列挙されているステップまたはユニットに必ずしも限定されず、文字通り列挙されていないか、またはかかるプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0226】
本出願は、その特定の特徴および実施形態を参照して説明されるが、本出願の範囲から逸脱することなく、それらに対して種々の修正および組み合わせが行われ得ることは明らかである。これに対応して、明細書および添付の図面は、添付の特許請求の範囲によって定義される解決策を説明するための例にすぎず、本出願の範囲を包含する修正形態、変形形態、組み合わせまたは均等物のいずれかまたは全てと見なされる。
【0227】
当業者が、本発明の範囲から逸脱することなく、本出願に対して種々の修正および変形を行うことができることは明らかである。本出願は、これらの修正および変形が以下の特許請求の範囲およびそれらの等価な技術によって定義される保護の範囲内に入るという条件で、これらの修正および変形を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図7a
図7b
図7c
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11