(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】引出形電気切替装置のためのシャシ装置およびそのような装置を備えるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02B 11/133 20060101AFI20250117BHJP
H02B 11/127 20060101ALI20250117BHJP
H02B 11/04 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H02B11/133 C
H02B11/127 A
H02B11/04 G
(21)【出願番号】P 2023533888
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2021084021
(87)【国際公開番号】W WO2022117748
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-06-02
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516314136
【氏名又は名称】ヘイガー-エレクトロ エスエーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エロイ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】イザード,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】プー,ニコラ
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-285114(JP,A)
【文献】実開昭49-110241(JP,U)
【文献】特開2004-304858(JP,A)
【文献】実開昭53-157332(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0214968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 11/00 - 11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出形電気切替装置のためのシャシ装置であって、前記シャシ装置が、引出形電気切替装置(D)を受け入れるように設計されたシャシ(C)と、前記シャシ(C)に取り付けられた差込システムとを備え、前記差込システムが、前記シャシ(C)に挿入されたそのような切替装置(D)に機能的に接続され、前記切替装置(D)の機能位置に各々対応するいくつかのトランスミッション位置で作動されるように設計された、機械的トランスミッション機構(1)と、前記シャシ(C)の操作開口(3)に機能的に挿入された時に前記
機械的トランスミッション機構(1)を作動させるための取り外し可能操作部材(2)と、前記操作開口(3)への前記操作部材(2)の挿入を防止する閉位置と前記挿入を可能にする開位置との間で動かすことができる第1のロック部材(4a)、および前記第1のロック部材(4a)を閉位置にブロックする第1の位置と前記ロック部材を解放する第2の位置との間で手動で動かすことができる第2のロック部材(4b)を備える主ロック機構(4)と、各トランスミッション位置に動くことができる追加のロック機構(5)であって、第1に、前記第1のロック部材(4a)が前記第1および第2の位置のいずれか1つにある場合、前記
機械的トランスミッション機構(1)の運動学的動きを防止するロック状態に動くことができ、第2に、前記動きを可能にするロック解除状態に動くことができる、追加のロック機構(5)とを備える、シャシ装置であり、前記第2のロック部材(4b)が、前記追加のロック機構(5)と協働することができ、前記第1のロック部材(4a)が開位置にある場合、前記協働によって、前記ロック機構をロック解除状態にするように前記追加のロック機構(5)を作動させる第3の位置に手動で動かすことができることを特徴とする、シャシ装置。
【請求項2】
前記追加のロック機構(5)が、前記追加のロック機構(5)をロック状態にすることによって前記
機械的トランスミッション機構(1)
の運動学的動きを防止するブロック状態
にされ、前記追加のロック機構(5)をロック解除状態にすることによって前記運動学的動きを可能にする解放状態にされるように設計された可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)と、前記第2のロック部材(4b)と協働することができ、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)に接続される連結アセンブリ(5d、5e)と、戻り手段(5f)とを備え、前記連結アセンブリ(5d、5e)が、第1に、前記第2のロック部材(4b)によって、前記第3の位置へ動く時に前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)をロック解除状態にするように作動され、第2に、前記戻り手段(5f)によって、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)をブロック状態にするように作動されることを特徴とする、請求項1に記載のシャシ装置。
【請求項3】
前記連結アセンブリ(5d、5e)が、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)をブロック状態にする前記連結アセンブリ(5d、5e)の作動後に、前記第2のロック部材(4b)が、前記戻り手段(5f)によって前記第3の位置から前記第2の位置へ自動的に動くように、前記第2のロック部材(4b)と協働することを特徴とする、請求項2に記載のシャシ装置。
【請求項4】
前記
機械的トランスミッション機構(1)が、前記操作部材が前記操作開口(3)に機能的に挿入されると前記操作部材(2)に接続されるように設計される、前記操作開口(3)の軸に沿って伸びる駆動シャフト(1a)と、引出形電気切替装置(D)への機能的接続を可能にする、前記駆動シャフト(1a)の回転軸(X2)に垂直な回転軸(X1)を有する従動シャフト(1b)と、前記駆動シャフト(1a)の回転が、前記操作部材(2)によって作動されると、前記従動シャフト(1b)の回転を引き起こすように、前記駆動シャフト(1a)を前記従動シャフト(1b)に接続するトランスミッション(1c)とを備え、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)が、ブロック状態にある時に前記従動シャフト(1b)の回転および/または前記駆動シャフト(1a)の回転を防止し、解放状態にある時に前記回転を可能にするように設計されることを特徴とする、請求項2~3のいずれか一項に記載のシャシ装置。
【請求項5】
前記連結アセンブリ(5d、5e)が
、前記従動シャフト(1b)
の回転軸(X1)に平行な回転軸(X4)の周りに回転するように取り付けられた回転中心体(50d)を備える星形回転部(5d)と、トランスミッション要素(5e)とを備え、前記回転中心体(50d)が、前記回転中心体(50d)から放射状に伸びる少なくとも2つの連結アーム(51d、52d、53d)を持ち、具体的には、第1の連結アーム(51d)が、前記トランスミッション要素(5e)によって前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)に接続され、第2の連結アーム(52d)が、前記第2のロック部材(4b)と接触することによって協働するように設計され、その結果、前記ロック部材(4b)の前記第3の位置への移動が、前記回転中心体(50d)の第1の方向(R1)への回転を作動させて、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)を解放位置へ駆動し、前記戻り手段(5f)が、前記
可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)をブロック位置へ自動的に駆動するように、前記第1の回転方向(R1)と反対の第2の回転方向(R2)に前記星形回転部(5d)を回転させることができることを特徴とする、
請求項4に記載のシャシ装置。
【請求項6】
前記戻り手段(5f)が、引張ばねもしくは圧縮ばねを備え、かつ前記回転中心体(50d)が、前記シャシ(C)に固定された前記戻り手段(5f)に接続された第3のアーム(53d)を持つか、または前記戻り手段(5f)が、前記回転中心体(50d)に接続されて前記回転中心体を直接駆動するねじりばねを備えるか、または前記戻り手段(5f)が重力で構成されることを特徴とする、請求項5に記載のシャシ装置。
【請求項7】
前記第1のロック部材(4a)が、前記駆動シャフト
(1a)および前記従動シャフト
(1b)
の回転軸(X1、X2)に垂直な方向に移動可能であり、前記第2のロック部材(4b)が、前記駆動シャフト(1a)
の回転軸(X2)に平行な方向に移動可能であることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載のシャシ装置。
【請求項8】
前記シャシ(C)が、前記従動シャフト(
1b)に垂直な取付壁(C1)を備え、前記第2のロック部材(4b)が、前記取付壁(C1)に形成され、前記駆動シャフト(
1a)に平行に伸びる摺動スロット(C10)に摺動自在に取り付けられることによって、前
記シャシ(C)に対して、前記第1、第2、および第3の位置に動くことを特徴とする、請求項7に記載のシャシ装置。
【請求項9】
前記第2のロック部材
(4b
)が、鍵形であり、小穴(400b)を設け
られた頭部(40b)、ならびに前記第1のロック部材(4a)および前記追加のロック機構(5)
の連結アセンブリ(5d、5e)と協働することがで
きるロッド(41b)を備えることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載のシャシ装置。
【請求項10】
前記連結アセンブリ(5d、5e)が、回転軸(X4)の周りに回転するように取り付けられた回転中心体(50d)を備える星形回転部(5d)と、トランスミッション要素(5e)とを備え、前記回転中心体(50d)が、前記回転中心体(50d)から放射状に伸びる少なくとも2つの連結アーム(51d、52d、53d)を持ち、具体的には、第1の連結アーム(51d)が、前記トランスミッション要素(5e)によって前記可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)に接続され、第2の連結アーム(52d)が、前記第2のロック部材(4b)と接触することによって協働するように設計され、その結果、前記ロック部材(4b)の前記第3の位置への移動が、前記回転中心体(50d)の第1の方向(R1)への回転を作動させて、前記可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)を解放位置へ駆動し、前記戻り手段(5f)が、前記可動ブロックアセンブリ(5a、5b、5c)をブロック位置へ自動的に駆動するように、前記第1の回転方向(R1)と反対の第2の回転方向(R2)に前記星形回転部(5d)を回転させることができることを特徴とする、請求項2~3のいずれか一項に記載のシャシ装置。
【請求項11】
前記第2のロック部材(4b)が、鍵形であり、小穴(400b)を設けられた頭部(40b)、ならびに前記第1のロック部材(4a)および前記追加のロック機構(5)の連結アセンブリ(5d、5e)および前記第2の連結アーム(52d)と協働することができるロッド(41b)を備えることを特徴とする、請求項5に記載のシャシ装置。
【請求項12】
シャシ装置および引出形電気切替装置を備えるアセンブリであって、前記シャシ装置が、前記引出形電気切替装置(D)を受け入れるシャシ(C)、および前記シャシ(C)に取り付けられた差込システムを備え、前記シャシ装置が、請求項1~
11のいずれか一項に記載のシャシ装置であることを特徴とする、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気切替装置の分野、より具体的には、引出形回路遮断器などの引出形電気切替装置、ならびに引出形電気切替装置のためのシャシ装置、ならびに前述のシャシ装置およびそのような切替装置を備えるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
引出形回路遮断器型の引出形電気切替装置(以下、切替装置と呼ぶ)は、機能的に、すなわち機械的および電気的に接続される時に固定シャシの内部空間に挿入され、機械的および電気的に分離された後で前述の固定シャシかた取り外されるように設計および構成される。
【発明の概要】
【0003】
このために、固定シャシは、配電網への電気接続のための主接続端子および低電圧電源への電気接続のための二次接続端子を備える後部を含む箱またはフレーム形状を有する。固定シャシの前部は、摺動移動によって切替装置を固定シャシに挿入するための入口開口を含む。切替装置は、前述の切替装置がシャシに機能的に挿入される時の主接続端子への接続のための主コネクタおよび二次接続端子への接続のための二次コネクタを有する。
【0004】
切替装置をシャシに摺動挿入するために、前述のシャシは、シャシ外部の取出位置とシャシ内の挿入位置との間の平行移動で、ローラーなどの摺動または転がり手段を使用して切替装置を支持および誘導するためのスライドをその内面に設けた側壁を備える。
【0005】
シャシは、一次または駆動シャフト、二次または従動シャフト、および前述のシャフト同士を接続するトランスミッションを備えるトランスミッション機構を含む差込システムをさらに備え、その結果、駆動シャフトの回転が前述のトランスミッションを介した従動シャフトの回転を引き起こす。従動シャフトは、シャシの後部に配置され、駆動シャフトおよびスライドを設けた側壁に垂直に伸びる。トランスミッションは、第1に、従動シャフトに軸方向に接続された歯車(ピニオン)、および第2に、駆動シャフトと一体になるか、または駆動シャフトに固定されることによって歯車とかみ合うウォームねじを備え、その結果、駆動シャフトの回転が、ウォームねじおよび歯車の回転を駆動し、それが、歯車に強固に接続された従動シャフトを回転させる。
【0006】
差込システムはまた、トランスミッション機構を動作させるための取り外し可能なクランク型操作部材を含む。このために、クランクは、駆動シャフトに沿ってシャシの前部の操作開口に挿入される。クランクが前述の操作開口に機能的に挿入されると、前述のクランクは、クランクの回転が駆動シャフトの回転を引き起こしてトランスミッション機構を作動させるように、駆動シャフトに機能的に接続される。
【0007】
従動シャフトは、従動シャフトの回転運動を、従動シャフトの回転軸に垂直かつ駆動シャフトの回転軸に平行な平行移動の軸に沿った、シャシ内での前述のシャシに対する切替装置の平行移動に変換するように、カムなどの接続手段を介して、シャシに挿入された切替装置に接続される。平行移動は、シャシの側壁にあるスライドの存在によって可能になる。
【0008】
トランスミッション機構を動作させるクランクを回転させると、シャシに機能的に挿入された切替装置は、シャシ内で3つの位置または状態間で動かされ、それらは具体的には、引出形回路遮断器がシャシの主接続端子および二次接続端子に接続される接続または差込位置または状態、引出形回路遮断器が主接続端子にも二次接続端子にも接続されず、したがってシャシから取り外され得る、分離または引出位置または状態と呼ばれる分離出位置または状態、ならびに切替装置の状態を試験もしくは検査することができ、切替装置が二次接続端子にのみ接続される、すなわち、切替装置が主接続端子に接続されない、試験位置または状態と呼ばれる中間位置または状態である。
【0009】
差込システムは、鉛直方向に、すなわち、駆動シャフトにおよび従動シャフトが水平面にある場合、これらのシャフトに垂直に動かすことができる、垂直軸に沿って伸びる板の形態の第1のロック部材を含む主ロック機構をさらに備える。第1のロック部材は、シャシの前部に取り付けられ、閉位置と呼ばれる、操作開口を閉鎖し、この閉位置にブロックされた状態に保持されるとクランクが前述の操作開口に挿入されるのを防止する、低い位置、および前述のクランクの挿入を可能にする、開位置と呼ばれる高い位置に動くことができる。第1のロック部材は、ばねによって閉位置に自動的に戻され、閉位置から解放された後、クランクが操作開口に挿入される場合、前述のクランクと、第1のロック部材の下部に組み込まれたランプ状またはカム状要素または表面との協働によって、開位置にされる。
【0010】
主ロック機構は、第1に、第2の概して鍵形のロック部材を備え、これは、操作者が前述のロック部材を把持することを可能にする頭部、および第1のロック部材と協働することができる、本質的にシャシ内へ第1のロック部材に垂直に伸びるロッドを備える。第1のロック部材のロッドと第1のロック部材の板との協働は、前述の第1および第2のロック部材に形成されたノッチまたはオリフィスの壁間の協働によって達成される。頭部には、従来の南京錠のリングを受け入れるように設計される小穴が設けられる。ロッドはまた、第2のロック部材が、駆動シャフトに平行な移動で水平に動くことを可能にするように、シャシ内に設けられたスライドと協働することができる。
【0011】
第2のロック部材は、したがって、前述の協働により、第1のロック部材を閉位置にブロックする第1の位置、および第1のロック部材が開位置に動くことができるように前述のロック部材を閉位置から解放する第2の位置に動くことができる。第2のロック部材の第2の位置に対応する第1のロック部材の開位置では、前述の協働は、第2のロック部材が第1の位置に動くのを防止する。第2のロック部材の第1の位置はまた、小穴を含む頭部の取り出された位置により、南京錠が小穴に挿入されることを可能にする。南京錠の付いた第2のロック部材の第1の位置は、したがって、閉位置にブロックされた第1のロック部材によって閉鎖されている操作開口にクランクを挿入することができないため、クランクによる駆動シャフトの作動を防止し、南京錠によってブロックされている第1のロック部材が第2の位置に動くのを防止し、それによりシャシを安全にする。
【0012】
最後に、シャシの安全性を強化するために、差込システムはまた、ロック状態においてトランスミッション機構の運動学的動きを防止し、ロック解除状態において前述の動き可能にする追加のロック機構を備える。この追加のロック機構は、概して、シャシに押し込まれた位置に手動で押すことができる、操作開口の下に配置されたロックボタンを備え、これは、接続および駆動機構を介して、追加のロック機構をロック解除状態にする。
【0013】
そのようなシャシ装置および切替装置を備える1つのそのようなアセンブリは、例えば、文献FR2773648に記載され、示されている。
【0014】
しかしながら、そのようなシャシ装置では、追加のロック機構は、第1の鍵形ロック部材が、第1の位置、すなわち南京錠ロック位置にある時に、または第2の位置にある時でさえ活性化され得、したがってロック解除され得、これは最適な安全性を提供しない。さらに、第1のロック部材および第2のロック部材に加えて提供されるロックボタンにより作動される追加のロック機構は、システムのコストを増大させ、追加のロック機構の作動を複雑にする。
【0015】
本発明は、追加のロック機構の動作を単純化し、コストを削減しながら最適な安全性を確保する、引出形電気切替装置のためのシャシ装置を提供することによって、これらの欠点を克服することを目的とする。
【0016】
このために、引出形電気切替装置のためのシャシ装置は、引出形電気切替装置を受け入れるように設計されたシャシと、シャシに取り付けられた差込システムとを備え、差込システムは、前述のシャシに挿入されたそのような切替装置に機能的に接続され、切替装置の機能位置に各々対応するいくつかのトランスミッション位置で作動されるように設計された、機械的トランスミッション機構と、シャシの操作開口に機能的に挿入された時にトランスミッション機構を作動させるための取り外し可能操作部材と、操作開口への操作部材の挿入を防止する閉位置と、前述の挿入を可能にする開位置との間で動かすことができる第1のロック部材、および第1のロック部材を閉位置にブロックする第1の位置と前述のロック部材を解放する第2の位置との間で手動で動かすことができる第2のロック部材を備える主ロック機構と、各トランスミッション位置に動くことができる追加のロック機構であって、第1に、第1のロック部材が第1および第2の位置のいずれか1つにある場合、トランスミッション機構の運動学的動きを防止するロック状態に動くことができ、第2に、前述の動きを可能にするロック解除状態に動くことができる、追加のロック機構とを備え、第2のロック部材は、追加のロック機構と協働することができ、第1のロック部材が開位置にある場合、前述の協働によって、前述のロック機構をロック解除状態にするように追加のロック機構を作動させる第3の位置に手動で動かすことができることを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、シャシ装置および引出形電気切替装置を備えるアセンブリに関し、前述のシャシ装置は、前述の引出形電気切替装置を受け入れるシャシ、およびシャシに取り付けられた差込システムを備え、シャシ装置は、本発明に係るシャシ装置であることを特徴とする。
【0018】
本発明を、非限定的な例として与えられ、添付の概略的な図面を参照しながら説明される好ましい実施形態に関する以下の説明からより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第2のロック部材が第2の位置にある、すなわち押し込まれており、第1のロック部材が、操作開口に機能的に挿入された操作部材によって開位置にされている構成、およびトランスミッション機構が、シャシに機能的に挿入された引出形電気切替装置の分離位置、試験位置、または接続位置にそれぞれ対応する3つのトランスミッション位置へ連続的に動くことができ、前述のトランスミッション機構が、試験位置に対応するトランスミッション位置に示され、その運動学的動きが、ロック状態にある追加のロック機構によってブロックされている構成の、本発明に係るシャシ装置の部分斜視図である。
【
図2】操作開口に挿入された操作部材がなく、ばねの作用によって閉位置にされた第1のロック部材を有し、トランスミッション機構が分離位置に対応するトランスミッション位置にされており、その運動学的動きが、ロック状態にある追加のロック機構によってブロックされている構成の、
図1に示されたシャシ装置の平面図である。
【
図3】
図2に示されたシャシ装置の第1および第2のロック部材の詳細斜視図である。
【
図4】第2のロック部材が、第1の位置に動かされ、南京錠の掛かっていない状態であり、連結アセンブリともはや接触していない、
図2のシャシ装置を示す。
【
図5】
図4に示されたシャシ装置の詳細斜視図である。
【
図6】操作部材が操作開口に挿入され、第1のロック部材が、ロック部材の挿入の結果として開位置に動かされた、
図2のシャシ装置を示す。
【
図7】第2の操作部材が第1の位置に動くのを防止する、第2の操作部材のロッドと第1の操作部材との間の協働を示す、
図6のシャシ装置の詳細図である。
【
図8】第2のロック部材が、第3の位置に手動で動かされ/押し込まれ、追加のロック機構をロック解除状態にする構成の、
図6のシャシ装置の平面図である。
【
図10】追加のロック機構がロック解除状態であり、トランスミッション機構が、操作部材によって作動されており、分離位置に対応する
図8に示されたトランスミッション位置と、試験位置に対応する
図1に示された次のトランスミッション位置との間にある構成の、
図8のシャシ装置を示す。
【
図12】第2のロック部材が、戻り手段による連結アセンブリの作動によって、第3の位置から第2の位置へ自動的に動かされたのと同時に、試験位置に対応するトランスミッション位置および追加のロック機構のロック状態にある、
図10のシャシ装置を示す。
【
図13】操作部材のない、本発明に係るシャシ装置の斜視図である。
【
図14】
図10に示されたシャシ装置、および前述のシャシ装置のシャシの内部空間に機能的に挿入されるように設計された引出形電気切替装置を備える、本発明に係るアセンブリの斜視図である。
【
図15】シャシ装置の差込システムの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図は、引出形電気切替装置のための本発明に係るシャシ装置を示し、前述のシャシ装置は、引出形電気切替装置D(以下、切替装置Dと呼ぶ)を受け入れるように設計されたシャシC、およびシャシCに取り付けられた差込システムを備える。
【0021】
差込システムは、
-前述のシャシCへの挿入後にそのような切替装置Dに機能的に接続され、各位置がシャシCに挿入された切替装置Dの機能位置に対応するいくつかのトランスミッション位置間で動くように設計された機械的トランスミッション機構1と、
-シャシCの操作開口3に機能的に挿入されると、トランスミッション機構1が作動することを可能にする、取り外し可能操作部材2と、
-第1に、操作開口3への操作部材2の挿入を防止する閉位置と呼ばれる位置と、前述の挿入を可能にする開位置と呼ばれる位置との間で動かすことができる第1のロック部材4a、および第2に、第1のロック部材4aを閉位置にブロックする第1の位置と前述のロック部材を解放する第2の位置との間で手動で動かすことができる第2の可動ロック部材4bを備える主ロック機構4と、
-各トランスミッション位置において、第1に、第1のロック部材4aが第1の位置または第2の位置のいずれかにある場合、トランスミッション機構1の運動学的動きを防止するロック状態にすることができ、第2に、前述の動きを可能にするロック解除状態にすることができる追加のロック機構5と
を備える。
【0022】
本発明によれば、第2のロック部材4bは、追加のロック機構5と協働することができ、第1のロック部材4aが開位置にある場合、前述の協働によって、前述のロック機構をロック解除状態にするように追加のロック機構5を作動させる第3の位置に手動で動かすことができる。
【0023】
トランスミッション機構1は、既知の接続手段を使用して切替装置Dに接続され得、それらは添付の図面には示されていない。
【0024】
図13および14は、既知の方法において、固定シャシCが、配電網への電気接続のための主接続端子(図示せず)および低電圧電源への電気接続のための二次接続端子6を備える後部を含む箱またはフレーム形状を有し得ることを示す。固定シャシの前部は、切替装置Dを固定シャシの受入空間C3に挿入するための入口開口C2を備える。例えば引出形回路遮断器などの切替装置Dは、前述の切替装置DがシャシCに機能的に挿入される時の主接続端子への接続のための主コネクタおよび二次接続端子への接続のための二次コネクタを有する。
【0025】
したがって、既知の方法において、例えばクランクである操作部材2を回転させ、トランスミッション機構1を作動させると、シャシCに機能的に挿入された切替装置Dを、シャシC内でいくつかの機能位置、好ましくは3つの機能位置間で動かすことができ、それらは具体的には、切替装置Dが主接続端子および二次接続端子6に接続される接続または差込位置、切替装置Dが主接続端子にも二次接続端子にも接続されず、したがってシャシCから取り外され得る引出または分離位置、ならびに切替装置Dの状態の試験もしくは検査を可能にし、前述の切替装置Dが二次接続端子にのみ接続される、すなわち、切替装置Dが主接続端子に接続されない試験または中間位置である。
【0026】
切替装置DをシャシCに挿入するために、前述のシャシは、既知のシャシと同様に、垂直に伸び、シャシ外部の取出位置とシャシC内の挿入位置との間の平行移動で、ローラーなどの摺動または転がり手段を用いて引出形電気切替装置Dを支持および誘導するためのスライド7をその内面に設けた側壁C10を備え得る。
【0027】
本発明によれば、追加のロック機構5は、
-追加のロック機構5をロック状態にすることによってトランスミッション機構1の運動学的動きを防止するブロック状態にされ、追加のロック機構5をロック解除状態にすることによって前述の運動学的動き可能にする解放状態にされるように設計された可動ブロックアセンブリ5a、5b、5cと、
-第2のロック部材4bと協働するように設計され、前述のブロックアセンブリ5a、5b、5cに連結される連結アセンブリ5d、5eと、
-戻り手段5fと
を備え得、
前述の連結アセンブリ5d、5eは、第1に、第2のロック部材4bによって、第3の位置へ動く時に前述のブロックアセンブリ5a、5b、5cを解放状態にするように作動され得、第2に、戻り手段5fによって、ブロックアセンブリ5a、5b、5cをブロック状態にするように作動され得る。
【0028】
ブロックアセンブリ5a、5b、5cのブロック状態は、既存の装置から知られているように、各トランスミッション位置において自動的に達成され、トランスミッション位置は、手動解放によって変更され得る。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、連結アセンブリ5d、5eは、ブロックアセンブリ5a、5b、5cをブロック状態にする連結アセンブリ5d、5eの作動後に、第2のロック部材4bが、戻り手段5fによって第3の位置から第2の位置へ自動的に動くように、第2のロック部材4bと協働する。
【0030】
既知の実施形態では、トランスミッション機構1は、操作部材2が操作開口3に機能的に挿入されると前述の操作部材に接続されるように設計される、操作開口3の軸に沿って伸びる駆動シャフト1a、引出形電気切替装置Dへの機能的接続を可能にする、駆動シャフト1aの回転軸X2に垂直な回転軸X1を有する従動シャフト1b、駆動シャフト1aの回転が、操作部材2によって作動されると、従動シャフト1bの回転を引き起こすように、駆動シャフト1aを従動シャフト1bに接続するトランスミッション1cを備え得る。
【0031】
また、既知の方法において、従動シャフト1bは、切替装置のシャシへの挿入時、従動シャフト1bの回転運動を、従動シャフト1bの回転軸X1に垂直かつ駆動シャフト1aの回転軸X2に平行な平行移動の軸に沿った、シャシ内での前述のシャシに対する切替装置Dの平行移動に変換するように、カム8などの接続手段を使用して切替装置Dに接続され得る。平行移動は、シャシC内のスライド7の存在によって可能になる。
【0032】
本発明に係るトランスミッション機構1の好ましい実施形態では、ブロックアセンブリ5a、5b、5cは、ブロック状態にある時に従動シャフト1bの回転および/または駆動シャフト1aの回転を防止し、解放状態にある時にそのような回転を可能にするように構成され得る。
【0033】
ブロックアセンブリ5a、5b、5cの好ましい実施形態では、ブロックアセンブリは、
-従動シャフト1bとともに回転するように束縛され、それらの各々がトランスミッション位置の1つに対してインデックス付けされる複数の凹部50a、51a、52aを設けた少なくとも1つの第1のブロック部5a、および/または駆動シャフト1bとともに回転するように束縛され、それらの各々がトランスミッション位置の1つに対してインデックス付けされる複数の凹部50bを設けた第2のブロック部5bと、
-第1のブロック部5aまたは第1のブロック部5aの1つおよび第2のブロック部5bと協働し、第1のブロック要素50cおよび/または第2のブロック要素51cを設けた、少なくとも1つのブロックレバー5cと
を含み得る。
【0034】
そのもしくは各第1のブロック要素50cおよび/またはそのもしくは各第2のブロック要素51cは、例えば、ラグ、歯、またはフックであり得る。
【0035】
そのまたは各ブロックレバー5cは、連結アセンブリ5d、5eの作動によって駆動されるように前述の連結アセンブリ5d、5eに接続され得、
-ブロックアセンブリ5a、5b、5cをブロック状態にする第1の移動位置では、第1のブロック要素50cは、第1のブロック部5aまたは第1のブロック部5aの1つの凹部50a、51a、52aの1つに挿入され、かつ/または第2のブロック要素51cは、第2のブロック部5bの凹部50b、51b、52bの1つに挿入され、
-ブロックアセンブリ5a、5b、5cを解放状態にする第2の移動位置では、第1のブロック要素50cは、対応する凹部50a、51a、52aから引き抜かれ、かつ/または第2のブロック要素51cは、対応する凹部50b、51b、52bから引き抜かれる。
【0036】
既知の方法において、トランスミッション1cは、駆動シャフト1aに強固に接続されたウォームねじ10c、および従動シャフト1bに強固に接続されたピニオン11cまたは歯車11cなどの他の類似部材を備え得る。さらに、ブロックアセンブリ5a、5b、5cは、ピニオン11cの両側に伸びる一対のブロックレバー5c、およびトランスミッション1cの両側に伸びる一対の第1のブロック部5aを備え得、その結果、ブロックレバー5cの一方が第1のブロック部5aの一方と協働し、他方のレバー5cが他方の第1のブロック部5aと協働する。
【0037】
好ましくは、そのまたは各ブロックレバー5cは、従動シャフト1bの回転軸X1に平行な枢軸X3の周りに枢動自在に取り付けられ、駆動シャフト1aと第2のロック部材4bとの間に位置する。さらに、そのまたは各ブロックレバー5cは、その枢軸X3の両側に位置する2つのブロック端部を含み得、前述のブロック端部の一方は第1のブロック要素50cを含み、他方の端部は第2のブロック要素51cを含む。
【0038】
好ましい実施形態では、第1のブロック部5aは、従動シャフト1bの回転軸X1と一致した軸を有する円盤形状または円筒形状であり得、第2のブロック部5bは、駆動シャフト1aの回転軸X2と一致した軸を有する円盤形状または円筒形状であり得る。さらに、第1のブロック部5aのそのまたは各凹部50a、51a、52aは、その周面に形成され得、第2のブロック部5bのそのまたは各凹部50a、51a、52aは、駆動シャフト1aの回転軸X2に垂直な、第2のブロック部5bの面に形成され得る。
【0039】
図1、2、4、5、6、8、9、10、11、および12は、本発明に係る連結アセンブリ5d、5eの好ましい実施形態では、前述の連結アセンブリが、好ましくは従動シャフト1bの回転軸X1に平行な回転軸X4の周りに回転するように取り付けられた回転中心体50dを有する星形回転部5d、およびトランスミッション要素5eを備え得ることを示す。回転中心体50dは、前述の回転中心体50dから放射状に伸びる少なくとも2つの連結アーム51d、52d、53dを持ち、具体的には、第1の連結アーム51dは、トランスミッション要素5eによってブロックアセンブリ5a、5b、5cに接続され、第2の連結アーム52dは、第2のロック部材4bと接触することによって協働するように設計され、その結果、前述のロック部材4bの第3の位置への移動が、回転中心体50dを第1の方向R1に回転させて、ブロックアセンブリ5a、5b、5cを解放位置へ駆動することができる。さらに、戻り手段5fは、ブロックアセンブリ5a、5b、5cをブロック位置へ自動的に駆動するように、前述の第1の回転方向R1と反対の第2の回転方向R2に星形回転部5dを回転させることができる場合がある。
【0040】
第1のロック部材4aは、駆動シャフトおよび従動シャフト1a、1bの回転軸X1、X2に垂直な方向に移動可能であり得、第2のロック部材4bは、駆動シャフト1aの回転軸X2に平行な方向に移動可能であり得る。
【0041】
シャシCは、従動シャフト5bに垂直な取付壁C1を備え得、そこにトランスミッション機構1が取り付けられる。この取付壁は、スライド7を備えるシャシCの側壁の1つの側面、好ましくは内側面を形成し得る。トランスミッション機構1は、より具体的には、スライドを備える取付壁C10の内面の反対側の前述の取付壁C10の外面に取り付けられる。
【0042】
さらに、第2のロック部材4bは、好ましくは、前述の取付壁C1に形成され、駆動シャフト5aに平行に伸びる摺動スロットC10に摺動自在に取り付けられることによって、固定シャシCに対して、第1、第2、および第3の位置に動くことができる。したがって、第1および第2の位置のみのための摺動スロットを提供する既存のシャシと比較して、本発明に係るシャシCの摺動スロットC10は、第2のロック部材4bが第3の位置に摺動することを可能にするように設計される。
【0043】
戻り手段5fは、例えば、
図1、2、4、6、8、10、11、および12に示されるような引張ばね、もしくは圧縮ばねであり得るか、または引張ばねもしくは圧縮ばねを備え得る。この場合、図に示されるように、本発明に係る回転中心体50dは、シャシC、適切な場合は取付壁C1に固定された引張または圧縮ばねを備える前述の戻り手段5fに接続された第3のアーム53dを有し得る。添付の図面に示されていない別の実施形態では、戻り手段5fは、回転中心体50dに接続されて前述の回転中心体に直接応力を加えるねじりばねからなり得る。戻り手段5fがねじりばねを備えるこの最後の実施形態では、回転中心体50dは、そのような第3のアーム53dを必要としない。別の実施形態(図示せず)では、戻り手段5fは重力であり得るが、これは、シャシCの取付壁C1が垂直に配向されることを必要とする。
【0044】
第2のロック部材4bは、小穴400bを設けた頭部40b、ならびに第1のロック部材4aおよび追加のロック機構5と、適用可能な場合は連結アセンブリ5d、5eと、適用可能な場合は請求項9に定義される第2の連結アーム52dと協働することができるロッド41bを有する鍵形であり得る。
【0045】
小穴400bは、例えば小穴400bにかけられた従来の南京錠(図示せず)を使用して、第1の位置から第2の位置への平行移動を防止するように、第2のロック部材4bが第1の位置(
図4および5)にロックされることを可能にする。
【0046】
南京錠が取り外されると、第2のロック部材4bは、第2の位置に動くことができる。しかしながら、この第2の位置(
図2および3)では、第2のロック部材4bは、閉位置にある時の第1のロック部材4aによってブロックされ、これは、第2のロック部材4bが、追加のロック機構5のロック解除を可能にする第3の位置に動くのを防止する。第2のロック部材4bの平行移動は、第1のロック部材4aにひっかかるそのロッド41b上の止め具410bを使用して、第1のロック部材4aによって防止され得る。第1のロック部材4aの開位置(
図1、6、および7)では、第1のロック部材4bは、第2および第3の位置に動くことができる。実際、
図1、6、および7に示されるように、第1のロック部材4aの開位置では、前述の第1のロック部材4aに作られた貫通孔40aは、前述の止め具が前述の貫通孔40aを通過することができるように止め具410に対向して位置付けられ、第2のロック部材4bが第3の位置に平行移動することを可能にする。
【0047】
第1のロック部材4aは、シャシCの操作開口3に挿入された操作部材2を用いて、第1の操作部材4aに設けられ得、シャシCへの挿入時の操作部材2の動きが、第1のロック部材4aを開位置(
図1、6、8、7、10、9、12)に向かって動かすように操作部材2と協働するランプまたはカム41aによって、閉位置から開位置に動くことができる。第1のロック部材4aは、それを開位置にブロックする操作部材2が、操作開口3から引き抜かれると(
図2、3、4、5)、例えば引張ばねなどのばね42aによって閉位置に戻ることができる。この原理は、先行技術において知られており、より詳細には説明されない。
【0048】
本発明はまた、シャシ装置および引出形電気切替装置Dを備えるアセンブリに関し、前述のシャシ装置は、前述の引出形電気切替装置Dを受け入れるシャシC、およびシャシCに取り付けられた差込システムを備える。
【0049】
本発明によれば、そのようなアセンブリでは、シャシ装置は、上記のような本発明に係るシャシ装置を備える。
【0050】
操作中、トランスミッション機構の位置を、例えば、分離位置に対応するトランスミッション位置から試験位置に対応する次の位置に変更することを望む操作者は、南京錠の取り外し後かつ操作開口3への操作部材2の挿入前に第2のロック部材4bが第1の位置にあり(
図4および5)、分離位置では、ブロックレバー(単数または複数)5cのブロック要素(単数または複数)50cおよび/または51cが、それぞれ凹部50aおよび/または51aに挿入される(
図2、4、および6)、シャシ装置の構成から始まって、以下のステップを実行する:
-まず(
図2)、操作部材1を操作開口3に挿入してトランスミッション機構1を作動させ、トランスミッション位置を変更することを望む操作者が、まず、第1のロック部材4aが、操作開口3を閉鎖する閉位置から開位置に動くのを可能にする第2の位置に、第2の操作部材4bを手動で動かすステップであって、その時、第3の位置への第2のロック部材4bの移動は、閉位置にある第1のロック部材4aにひっかかる第2のロック部材4bの止め具410bによって防止される、ステップ、
-続いて(
図6および7)、操作者が、操作部材2を操作開口3に挿入し、それが、ランプ41aを介して第1の操作部材4aを開位置に向かって動かし、第2のロック部材4bの止め具410bが通れるように道をあけて、前述の部材が第3の位置に動くことを可能にし、操作部材2が、駆動シャフト1aとの機能的接続を可能にするように駆動シャフト1aに沿って操作開口3に挿入されることを可能にする、ステップ、
-続いて(
図8および9)、操作者が、第2のロック部材4bを第3の位置に手動で動かし、それが、第2のロック部材4bのロッド41bと、連結アセンブリ5d、5eの星形回転部5dの連結アーム52dとの間の接触部を押すことによる協働によって、第1の回転方向R1に、より具体的には反時計回りの方向に、前述の星形回転部5dを回転させ、ブロックレバー(単数または複数)1c、より具体的には一対のブロックレバー1cを、前述の連結アセンブリ5d、5eの接続ロッド5eを介して枢動方向に枢動させ、前述のブロックレバー(単数または複数)1cのブロック要素50cおよび51cをそれぞれの凹部50a、50bから引き抜き、それにより、追加のロック機構5をロック解除状態にし、トランスミッション機構1の運動学的動きを可能にする、ステップ、
-続いて、追加のロック機構5のこのロック解除状態において、操作者が、トランスミッション機構1を駆動するように操作部材2を操作することができ、試験位置(
図1および12)に対応する次のトランスミッション位置への、その運動学的動きが可能になる、ステップ。一方の位置から他方の位置へのこの移行中(
図10)、そのまたは各ブロック要素51cは、円盤形状ブロック部5aの外周面と接触し、星形回転部5dを逆方向R2に動かす戻り手段5fの影響下で、ブロックレバー(単数または複数)5cをブロック位置に動かす。そのまたは各ブロック要素51cが、試験位置に対応するブロック部5aの凹部51aに達し、前述の凹部51aに入ると、ブロック位置に達し、前述の逆方向R2への星形回転部5dの回転はまた、第2のロック部材4bを第2の位置に自動的に動かす、ステップ、
-次いで、操作者が、トランスミッション位置を、分離位置に対応する以前のトランスミッション位置に戻すか、または接続位置に対応する次のトランスミッション位置へ変更するために、第2のロック部材4bを第1の位置に動かすか、または前述のロック部材を第2の位置に待機させておくか、または前述のロック部材を再び第3の位置に動かして追加のロック機構5をロック解除するかのいずれかを行うことができる、ステップ。
【0051】
具体的には、
-
図2は、第1のロック部材4aが、引張ばね42aによって閉位置に動いたこと、第2のロック部材4bが、第2の位置に対応する初期位置に動いたこと、星形回転部5dが、その第2の連結アーム52dを介して第2のロック部材4bのロッド41bの自由端と接触していること、およびブロックアセンブリ5a、5b、5cが、各ブロックレバー5cの2つのブロック要素を、それぞれのブロック部5a、5bの対応する凹部50a、50bに挿入することによって、トランスミッション機構1の運動学的動きを防止し、追加のロック機構5をロック状態にするブロック状態にあり、前述の凹部50a、50bは分離位置に対応するトランスミッション位置に対してインデックス付けされることを示し、
-
図3は、第2のロック部材4bの止め具410bが、前述のロック部材が第2の位置にある状態では、閉位置(垂直配向で低い位置)にある第1のロック部材4aにひっかかり、これが、第2のロック部材が第3の位置に動くのを防止することを示し、
-
図4および5は、第2のロック部材4bが後ろに動いて第1の位置に移り、第1の位置にある第2のロック部材4bを使用して第1のロック部材4aを閉位置にブロックすることによって、操作部材2が操作開口3に挿入されるのを防止することを示し、
-
図6および7は、操作部材2が、第1のロック部材4aと協働するランプ41aを使用して第1のロック部材4aを開位置(垂直配向で高い位置)に向かって押すことによって、操作開口3に挿入され、第1のロック部材4aの開位置が、追加のロック機構5がロック解除状態にされるのを可能にするために、第2のロック部材4bが第3の位置に動くための道をあけ、第1のロック部材4aの開位置がまた、第1のロック部材4aに設けられた壁43a(
図7)と接触する第2のロック部材4bのロッド41bに設けられた表面411bを用いて、第1の位置への第2のロック部材4bの移動(または退出)を防止することを示す。
【0052】
したがって、本発明に係るそのようなシャシ装置は、トランスミッション機構のトランスミッション位置に関係なく、例えば、分離位置、試験位置、および接続位置に対応するトランスミッション位置のいずれかにおいて、操作部材2が操作開口3に挿入されるのを防止するために、例えば従来の南京錠を使用して、第2のロック部材4bを第1の位置にロックすること、または第2のロック部材4bを使用して、操作部材2を挿入し、トランスミッション機構1をロック解除することを可能にする。
【0053】
その一方で、
図13および14に示されるように、シャシCの後面の主接続端子(添付の図面には示されていない)へのアクセスを確保するために、切替装置が、シャシCに差し込まれていないか、またはシャシCに挿入されていない場合、シャシCの後部は、既知の方法において、主接続端子に面する窓9、および主接続端子へのアクセスを防止するために前述の窓が閉鎖されることを可能にする閉位置と前述の主接続端子へのアクセス提供する前述の窓の開位置との間で移動可能なシャッター10を備え得る。
【0054】
図13および14は、この種のシャシ装置において一般に使用される1つの特定の実施形態では、主接続端子が、上の列および下の列の2列の多層主接続端子で、後部に取り付けられることを示す。この場合、上部シャッター10は、主接続端子の上の列の窓9のために提供され、下部シャッター10は、主接続端子の下の列の窓のために提供される。シャッター10は、窓9が形成される壁シャッター支持体9a内で移動可能である。
【0055】
既知の方法において、そのような安全シャッター10を取り付けられたこれらのシャシ装置は、通常T字形であり、後部に押し込まれた位置と、シャシCの受入空間C3内に引き抜かれた位置(
図13および14)との間の平行移動で誘導される、可動押しボタン制御部品11を備える、前述のシャッターを制御するためのシステムをさらに備え得る。引き抜かれた位置から押し込まれた位置への制御部品11の移動は、切替装置が、試験位置から後部に向かってシャシCの受入空間C3内に摺動して前述の切替装置を接続位置にする時に、切替装置Dを前述の制御部品に押し付けることによって達成される。制御部品11は、回路遮断器を試験または分離位置に摺動させる、すなわち、シャシの受入空間から前述の回路遮断器を引き抜く時に、戻り手段を使用して、押し込まれた位置から引き抜かれた位置へ自動的に動くことができる。制御システムは、制御部品11をシャッター10に接続し、前述の制御部品11の移動によって駆動されるカム(図示せず)を含み得る。ロックシステムは、制御部品11に作られた開口11aに係合した南京錠(図示せず)を使用して前述の制御部品11を引き抜かれた位置にブロックすることによって、シャッターをロックすることを可能にし、それにより、制御部品が押し込まれるのを防止する。
【0056】
各シャッター10は、概して、互いに反対方向に摺動することができ、シャッターが閉位置にある場合、パネルの一方の開口が他方のパネルの孔無し部分によって覆われ、シャッターが開位置にある場合、パネルの一方の開口が他方のパネルの開口の向かい側に配置されることを可能にするように前後に並んだ、2つの有孔パネルを備え、前述の開口は、主接続端子へのアクセス窓を形成する。別の既知の実施形態では、各シャッター10は、固定有孔パネルの後ろで摺動することができる有孔パネルを備え、前述のパネルは、シャッター10が閉位置にある場合、パネルの一方の開口が他方のパネルの孔無し部分によって覆われ、シャッター10が開位置にある場合、パネルの一方の開口が他方のパネルの開口の向かい側に配置されることを可能にするように前後に並び、前述の開口は、主接続端子へのアクセス窓を形成する。
【0057】
先行技術では、システムは、第2のロック部材4bに加えて、追加のロック機構をロック解除するためのボタンも必要とする。さらに、本発明に係るシャシ装置を用いると、第2のロック部材4bの位置に関係なくボタンの作動を常に可能にする既存のシステムとは対照的に、第2のロック部材4bが第1または第2の位置にある場合、追加のロック機構5をロック解除することはできない。
【0058】
当然のことながら、本発明は、記載され、添付の図面に示された実施形態に限定されない。特に、異なる要素の構成、すなわち技術的均等物の置換による構成に関して、それにより本発明の保護の範囲外に出ることなく、本発明に対して修正を行うことができる。