IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッドの特許一覧 ▶ タイツァン イーフェン ケミカル ファイバー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7621549スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム
<>
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図1
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図2
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図3
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図4
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図5
  • 特許-スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20250117BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B65G1/04 535
B65G1/00 511Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024216500
(22)【出願日】2024-12-11
【審査請求日】2024-12-11
(31)【優先権主張番号】202311715796.4
(32)【優先日】2023-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523443995
【氏名又は名称】チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】524332809
【氏名又は名称】タイツァン イーフェン ケミカル ファイバー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポン ワン
(72)【発明者】
【氏名】シャンタオ ポン
(72)【発明者】
【氏名】イーポー チウ
(72)【発明者】
【氏名】ターコー リー
(72)【発明者】
【氏名】フォン シュイ
(72)【発明者】
【氏名】ユイ クオ
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-67440(JP,A)
【文献】特開2013-67441(JP,A)
【文献】特開2002-316705(JP,A)
【文献】特開2006-103921(JP,A)
【文献】特開2000-153907(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112027469(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113501242(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112394690(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像認識システムに適用されるスタッカーの制御方法であって、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得することであって、前記中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されており、前記タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである、ことと、
画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、前記第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得ることと、
前記中間テーブルに基づいて前記スタッカーの臨時作業タスクを決定することと、
前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することと、
前記スタッカーにより前記目標ロケーションの位置に基づいて前記臨時作業タスクを実行するために、前記臨時作業タスク及び前記目標ロケーションの位置を前記スタッカーに送信することと、を含む、
スタッカーの制御方法。
【請求項2】
前記スタッカーの制御方法であって、
前記スタッカーから送信された前記臨時作業タスクの実行状況を受信することと、
前記臨時作業タスクの実行状況に基づいて前記中間テーブルを更新することと、をさらに含む、
請求項1に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項3】
前記スタッカーの制御方法は、
前記スタッカーから送信されたタスク終了リクエストを受信したことに応答して、前記倉庫管理システムに更新後の前記中間テーブルを送信し、前記倉庫管理システムが更新後の前記中間テーブル及び前記倉庫管理システム自身が記憶した中間テーブルに基づいて集約処理を行い、集約後の中間テーブルに基づいて正常作業タスクを決定することをさらに含み、前記タスク終了リクエストは、前記スタッカーと前記倉庫管理システムとの通信が復旧された後に送信されたものである、
請求項2に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項4】
前記タスク割り当てリクエストを受信した後、前記スタッカーの制御方法は、
撮影すべきロケーション及び撮影角度を指示するための画像撮影指令を前記スタッカーに送信し、前記スタッカーが前記画像撮影指令に基づいて前記撮影角度で前記撮影すべきロケーションの画像を撮影することであって、前記撮影すべきロケーションは前記第1アイルに含まれるすべてのロケーションにおける一部のロケーションである、ことと、
前記スタッカーから送信された前記第1アイル内の前記撮影すべきロケーションの画像を受信することと、をさらに含み、前記複数枚の画像は前記撮影すべきロケーションの画像を含む、
請求項1に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項5】
前記スタッカーの制御方法は、
前記中間テーブルに基づいてプリセット期間における前記第1アイルの少なくとも一部のロケーションの保管状態を決定することであって、前記プリセット期間は、前記中間テーブルの生成時間を起点とし、予め設定された閾値の時間長を有する、ことと、
前記画像認識モデルにより得られた保管状態情報と前記中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とを比較することと、
前記画像認識モデルによって得られた保管状態情報と前記中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致しない第1タイプのロケーションを記録することであって、前記第1タイプのロケーションは保管状態を確認すべきロケーションである、ことと、をさらに含む、
請求項1に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項6】
前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することは、
前記臨時作業タスクが臨時入庫タスクである場合、前記画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第2タイプのロケーションの中から、前記臨時入庫タスクのために前記目標ロケーションを選択し、前記目標ロケーションの位置を決定することであって、前記第2タイプのロケーションは、貨物が格納されていないロケーションである、ことを含む、
請求項5に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項7】
前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することは、
前記臨時作業タスクが臨時出庫タスクである場合、前記画像認識モデルによって得られた保管状態情報と前記中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第3タイプのロケーションの中から、前記臨時出庫タスクが対象とする貨物ロット番号と合わせて、前記臨時出庫タスクのために前記目標ロケーションを選択し、前記目標ロケーションの位置を決定することであって、前記第3タイプのロケーションは、貨物が格納されているロケーションである、ことを含む、
請求項5に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項8】
前記画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、前記第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得ることは、
前記複数枚の画像及び前記立体倉庫の履歴保管状態情報を前記画像認識モデルに入力し、前記画像認識モデルにより出力された前記複数のロケーションの保管状態情報を得ることであって、前記画像認識モデルは、ロケーションに貨物が格納されているか否か、及びロケーションに格納されている貨物の標識を識別することに用いられる、ことを含む、
請求項1に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項9】
前記画像認識モデルは、
前記立体倉庫の複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像を取得し、
前記複数のサンプルロケーションの前記履歴保管状態情報及び前記履歴画像をプリセットモデルに入力して前記複数のサンプルロケーションの保管状態予測値を得、
前記複数のサンプルロケーションの保管状態真値と前記保管状態予測値とに基づいて損失関数を構築し、
前記損失関数に基づいて前記プリセットモデルをトレーニングして前記画像認識モデルを得る、ことによってトレーニングして得られる、
請求項1に記載のスタッカーの制御方法。
【請求項10】
立体倉庫自動化システムであって、
スタッカーと通信する場合にスタッカーに正常作業タスクを送信し、計算力センターに中間テーブルを送信するための倉庫管理システムと、
前記中間テーブルを記憶するための計算力センターであって、前記中間テーブルには少なくとも前記倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されている、計算力センターと、
前記倉庫管理システムから送信された前記正常作業タスクを受信したときに、前記正常作業タスクを実行するためのスタッカーであって、前記倉庫管理システムとの通信が中断した場合に、画像認識システムにタスク割り当てリクエストを送信するために、前記画像認識システムにより返送された臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置を受信し、前記目標ロケーションの位置に基づいて前記臨時作業タスクを実行する、スタッカーと、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、前記計算力センターから中間テーブルを取得するための画像認識システムであって、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、前記第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得、前記中間テーブルに基づいて前記スタッカーの臨時作業タスクを決定し、前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定し、前記スタッカーに前記臨時作業タスク及び前記目標ロケーションの位置を送信する、画像認識システムと、を備える、
立体倉庫自動化システム。
【請求項11】
画像認識システムに適用されるスタッカーの制御装置であって、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得するための第1取得モジュールであって、前記中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されており、前記タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである、第1取得モジュールと、
画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、前記第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得るための認識モジュールと、
前記中間テーブルに基づいて前記スタッカーの臨時作業タスクを決定するための第1決定モジュールと、
前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定するための第2決定モジュールと、
前記スタッカーにより前記目標ロケーションの位置に基づいて前記臨時作業タスクを実行するために、前記臨時作業タスク及び前記目標ロケーションの位置を前記スタッカーに送信するための第1送信モジュールと、を備える、
スタッカーの制御装置。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項13】
コンピュータに請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行されると、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実現するためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は化学繊維生産のインテリジェント化技術分野に関し、特にスタッカーの制御方法、装置及び立体倉庫自動化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
化学繊維生産分野では、立体倉庫は空間利用率が高く、自動化度合いが高いなどの利点があるため、立体倉庫は巻糸パッケージ包装の工場などに広く応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スタッカーは立体倉庫の重要な設備の一つとして、その作業状態は入出庫作業効率に影響を与える。そのため、スタッカーのタスク実行効率と安全性をどのように高めるかは早急に解決すべき技術問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。
【0005】
本開示の第1態様によれば、画像認識システムに適用されるスタッカーの制御方法を提供し、該方法は、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得することであって、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されており、タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである、ことと、
画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得ることと、
中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定することと、
第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することと、
スタッカーにより目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行するために、臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置をスタッカーに送信することと、を含む。
【0006】
本開示の第2態様によれば、立体倉庫自動化システムを提供し、該システムは、
スタッカーと通信する場合にスタッカーに正常作業タスクを送信し、計算力センターに中間テーブルを送信するための倉庫管理システムと、
中間テーブルを記憶するための計算力センターであって、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されている、計算力センターと、
倉庫管理システムから送信された正常作業タスクを受信したときに、正常作業タスクを実行するためのスタッカーであって、倉庫管理システムとの通信が中断した場合に、画像認識システムにタスク割り当てリクエストを送信するために、画像認識システムにより返送された臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置を受信し、目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行する、スタッカーと、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、計算力センターから中間テーブルを取得するための画像認識システムであって、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得、中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定し、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定し、スタッカーに臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置を送信する、画像認識システムと、を備える。
【0007】
本開示の第3態様によれば、画像認識システムに適用されるスタッカーの制御装置を提供し、該制御装置は、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得するための第1取得モジュールであって、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されており、タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである、第1取得モジュールと、
画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得るための認識モジュールと、
中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定するための第1決定モジュールと、
第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定するための第2決定モジュールと、
スタッカーにより目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行するために、臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置をスタッカーに送信するための第1送信モジュールと、を備える。
【0008】
本開示の第4態様によれば、電子デバイスを提供し、当該デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
該メモリには、該少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、該命令は、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実行させる。
【0009】
本開示の第5態様によれば、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0010】
本開示の第6様態によれば、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実現する。
【0011】
本開示の技術によれば、スタッカーが倉庫管理システムとの通信を中断した場合、スタッカーはロケーションの保管状態情報に基づいて臨時作業タスクを実行することができ、スタッカーのタスク実行効率と安全性の向上に役立つ。
【0012】
ここに記載された内容は、本開示の実施例のキーポイントまたは重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の各実施例の上記及びその他の特徴、利点、及び態様は、図面に関連して以下の詳細な説明を参照することにより、より明らかになるであろう。図面では、同一または類似の符号は、同一または類似の要素を表す。
【0014】
図1】本開示の実施例に係るスタッカーの制御方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例に係る中間テーブルの内容を示す概略図である。
図3】本開示の実施例に係る画像認識モデルのトレーニングを示す概略図である。
図4】本開示の実施例に係るスタッカーの制御システム400の構成を示す概略図である。
図5】本開示の実施例に係るスタッカーの制御装置の構成を示す概略図である。
図6】本開示の実施例に係るスタッカーの制御方法を実現するための電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の例示的な実施例について図面を参照して説明する。ここでは、本開示の実施例の様々な詳細が理解を容易にするために含まれ、それらは単に例示的であると考えられるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び思想から逸脱することなく、本明細書に記載された実施例に様々な変更及び修正を加えることができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、明瞭かつ簡明のために公知の機能及び構造の説明を省略する。
【0016】
本開示の明細書の実施例及び請求の範囲並びに上述の図面における用語「第1」、「第2」及び「第3」等は、特定の順序又は優先順位を記述するために使用する必要なく、類似の対象を区別するためのものである。さらに、用語「含む」及び「有する」並びにそれらの変形は非排他的な包含、例えば、一連のステップ又はユニットの包含を意図している。方法、システム、製品またはデバイスは、明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定される必要はなく、明示的に列挙されていない、またはこれらのプロセス、方法、製品またはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含むことができる。
【0017】
本開示の実施例の技術的態様を説明する前に、本開示で使用される可能性のある技術的用語についてまず説明する。
【0018】
立体倉庫は、高層倉庫やハイベイ倉庫とも呼ばれ、数階、十数階から数十階までの高さのラックに単位貨物を格納し、且つ対応する資材搬送設備を用いて貨物の入出庫作業を行う倉庫である。倉庫本体はラック、アイルスタッカークレーン、入(出)庫作業台、自動搬入(出)と操作制御システムから構成される。
【0019】
倉庫管理システム(Warehouse Management System,WMS)は、倉庫管理に特化したシステムであり、効率的なタスク実行とプロセス計画戦略をコアとし、ロケーション管理、バーコード/QRコード(登録商標)管理、倉庫自動化設備と協働して、作業効率と資源利用率を大幅に高めることができる。
【0020】
関連技術では、巻糸パッケージ包装の化学工業生産工場では、巻糸パッケージの包装プロセスが終了すると、スタッカーによって包装済みの巻糸パッケージを立体倉庫に保管するようにしている。立体倉庫は複数のアイルを含み、各アイルは少なくとも1つのスタッカーが製品の入庫及び/又は出庫を担当する。立体倉庫は高層倉庫またはハイベイ倉庫とも呼ばれ、数階、十数階、さらには数十階の高さのラックを用いて単位貨物を保管し、対応する資材搬送設備で貨物の入庫と出庫作業を行う倉庫を指す。
【0021】
関連技術では、スタッカーは巻糸パッケージを入庫する主要な設備であり、複数のスタッカーはアイル内を移動する。立体倉庫のアイル内でスタッカーの安全な運行を確保するために、主に作業タスクによる定期的な巡回検査或いは倉庫管理システムによるモニタリング制御に頼っている。しかし、人工巡回検査の効率は低い、倉庫管理システムを通じて監視する場合、倉庫管理システムが崩壊する可能性があり、スタッカーのタスク実行効率と安全性に影響を与える。また、立体倉庫に迷い込む作業員や動物が現れる可能性があるため、作業の安全性を確保するためにはリアルタイムで立体倉庫をモニタリング制御する必要がある。
【0022】
本開示は、上記の問題及び他の潜在的な問題のうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に解決するために、スタッカーの制御方法、システム及び装置を提案する。立体倉庫内のアイルを画像認識することにより保管状態情報を得、ロケーションの保管状態情報に基づいてスタッカーが臨時作業タスクを実行することを支援し、スタッカーのタスク実行効率と安全性の向上に役立つ。
【0023】
本開示の実施例は、画像認識システムに適用されるスタッカーの制御方法を提供し、図1は、本開示の実施例に係るスタッカーの制御方法のフローチャートであり、このスタッカーの制御方法はスタッカーの制御装置に適用することができる。該スタッカーの制御装置は、画像認識システムにおける電子デバイス上に設置される。画像認識システムは立体倉庫自動化システムの構成要素の1つである。いくつかの可能な実装では、スタッカーの制御方法は、メモリに記憶されたコンピュータ可読命令をプロセッサが呼び出すことによっても実装することができる。図1に示すように、該スタッカーの制御方法は以下を含む。
【0024】
S101において、スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得し、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完成していない作業タスクが記録されており、タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである。
【0025】
S102において、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得る。
【0026】
S103において、中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを確定する。
【0027】
S104において、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定する。
【0028】
S105において、スタッカーにより目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行するために、臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置をスタッカーに送信する。
【0029】
本開示の実施例において、該画像認識システムは計算力センターから中間テーブルを取得することができ、計算力センターは化学工業生産工場の重要なソフトウェア運行に使用することができ、良好な安定性を有する。画像認識システムは計算力センターと通信することができ、倉庫管理システムも計算力センターと通信することができる。画像認識システムはスタッカーと通信することができる。倉庫管理システムはスタッカーと通信することができる。倉庫管理システムは一定時間ごとにタスクの実行状況を報告し、計算力センターはタスクの実行状況に基づいて中間テーブルを生成することができる。あるいは、倉庫管理システムは一定時間ごとに計算力センターに中間テーブルをアップロードする。
【0030】
本開示の実施例では、該スタッカーは立体倉庫における重要な搬送設備であり、スタッカーは立体倉庫内で自動的に、迅速かつ正確に貨物を出し入れでき、倉庫の利用率と作業効率を高めることができる。該スタッカーの主な構成部分は、倉庫や作業場で貨物をピックアップし、運搬し、積み上げるためのフォークと、貨物を置くための荷台と、貨物の昇降操作を実現するための昇降機構と、スタッカーの倉庫内の移動を実現するための走行機構と、スタッカーの様々な操作と動作を制御するための制御システムとを含むことができる。ここで、該フォークは電動又は液動駆動方式を採用することができ、必要に応じて伸縮及び回転することができる。該ステージは、十分な支持能力と安定性を有する鋼構造またはアルミニウム合金構造を採用することができ、該昇降機構は電動または液動駆動方式を採用することができ、精度が高く、安定性と信頼性が良いという特徴がある。該走行機構は車輪または履帯構造を採用することができ、移動速度が速く、作動が安定している特徴がある。該制御システムはPLCやシングルチップなどの制御デバイスを採用することができ、自動化の度合いが高く、操作が簡便であるという特徴がある。
【0031】
本開示の実施例では、該タスク割り当てリクエストは、倉庫管理システムがクラッシュしたときにスタッカーから画像認識システムに送信されるリクエストである。該タスク割り当てリクエストは、スタッカーが対象シナリオに基づいて生成するタスク割り当てリクエストであってもよい。該タスク割り当てリクエストは、手動で入力された命令に基づいて生成されるタスク割り当てリクエストであってもよい。以上は例示的な説明にすぎず、タスク割り当てリクエストに含まれるすべての可能な取得方法を限定せず、ここでは列挙しない。
【0032】
図2は中間テーブルの内容を示す概略図であり、図2に示すように、該中間テーブルは倉庫システムの完了した作業タスクと完了していない作業タスクを記録することができるが、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムが割り当てていない作業タスクが記録されている。具体的には、該中間テーブルに記録されている完了した作業タスクの内容は、完了した作業の数、作業タスクを完了した完了時間、入庫タスクや出庫タスクなど完了した作業タスクのタイプを含むことができる。該中間テーブルに記録される完了していない作業タスクの内容は、完了していない作業タスクの締め切り時間、完了していない作業タスクのタイプなどを含むことができる。
【0033】
本開示の実施例では、該倉庫管理システムは入庫管理、出庫管理、移庫管理、在庫調整、バーコード印刷などの機能を提供することができ、製品のロット管理、有効期限管理、多包装仕様、多包装バーコードなどに対応することができ、完全な倉庫物流情報管理を実現する。
【0034】
本開示の実施例では、該倉庫管理システムは、計算力センターとスタッカーと通信することができる。スタッカーと倉庫管理システムの通信が中断した場合は、倉庫管理システムのクラッシュ、スタッカー故障を含むことができる。ここで、該倉庫管理システムがクラッシュした場合は、倉庫管理システムの例えばソフトウェア自体に欠陥があったり、ウイルスに攻撃されたりしたソフトウェアに問題が発生してシステムクラッシュを招いた場合、または、倉庫管理システムの例えばサーバ、ネットワークデバイス、ストレージデバイス、電源モジュールなどのハードウェアに問題が発生してシステムクラッシュを招いた場合、または、倉庫管理システムの電源不安定、電圧変動などの電力変動に問題が発生してシステムクラッシュを招いた場合を含むことができる。
【0035】
本開示の実施例では、該画像認識モデルは、立体倉庫のアイル内の複数枚の画像を認識して、保管状態情報を得るために用いられる。画像認識モデルのトレーニング方法は、立体倉庫の複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像を取得することと、複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像をプリセットモデルに入力し、複数のサンプルロケーションの保管状態予測値を得ることと、複数のサンプルロケーションの保管状態真値と保管状態予測値とに基づいて、損失関数を構築することと、損失関数に基づいてプリセットモデルをトレーニングして、画像認識モデルを得ることと、を含む。ここで、画像認識モデルは、予めトレーニング済みモデルである。
【0036】
いくつかの実施例では、第1アイルは、倉庫ラックとスタッカーとの間を接続するための通路である。第1アイルは通常、ラックの間にスタッカーのレールと平行に位置している。アイルの幅と高さは倉庫の規模とレイアウトによって決めることができる。立体倉庫では、アイルは主にスタッカーの移動と貨物の出し入れに用いられる。
【0037】
いくつかの実施例では、該複数枚の画像は立体倉庫の第1アイルの画像である。該複数枚の画像は、アイルに配置された制御フレーム上のカメラによって収集することができ、スタッカーの周囲に配置されたカメラによって収集することもでき。ドローンにより収集された画像であってもよい。該カメラはスタッカーの所在する支持フレームに取り付けることができ、アイルの上の高架に取り付けることもできる。該複数枚の画像は、カメラが直接撮影した画像であってもよいし、カメラが撮影した動画から切り取った何コマかの画像であってもよい。該第1アイル内の複数枚の画像は、異なるカメラが同じ時間帯に撮影した画像であってもよいし、スタッカーが第1アイル内を何周か移動する過程で同じカメラによって収集した複数枚の画像であってもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、該保管状態情報は、ロケーションに格納された巻糸パッケージ、ロケーションにまだ格納されていない巻糸パッケージ、ロケーションに格納された巻糸パッケージのロット番号、ロケーションに格納された巻糸パッケージの数、ロケーションに格納された巻糸パッケージの種類などを含むことができる。本開示の実施例に係るフィラメントの主なタイプは、プレ配向糸(Partially Oriented Yarns、POY)、フルドラフト糸(Fully Drawn Yarns、FDY)、引張変形糸(Draw Textured Yarns、DTY)(または低弾性フィラメント)などの1つまたは複数を含むことができる。例えば、フィラメントの種類としては、ポリエステルプレ配向糸(Polyester Partially Oriented Yarns)、ポリエステルフルドラフト糸(Polyester Fully Drawn Yarns)、ポリエステルドラフト糸(Polyester Drawn Yarns)、ポリエステル引張変形糸(Polyester Draw Textured Yarns)、ポリエステル短繊維(Polyester Staple Fiber)などが具体的に挙げられる。
【0039】
いくつかの実施例では、該臨時作業タスクは、スタッカーと倉庫管理システムとの通信が中断された場合にスタッカーが実行すべきタスクである。ここで、該臨時作業タスクは、臨時入庫タスクや臨時出庫タスク、臨時ロケーション移動タスクなどのタスクであってもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、該目標ロケーションの位置は、臨時作業タスクの位置である。例示的には、ロット番号A001のDTY巻糸パッケージに対して入庫タスクを実行し、ロット番号A001のDTY巻糸パッケージをアイル20の左側の第10階の3番目の倉庫に入庫する。
【0041】
いくつかの実施例では、臨時作業タスクが製品入庫タスクである場合、スタッカーが目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行することは、入庫対象製品を目標ロケーションに格納することを含む。
【0042】
臨時作業タスクが製品出庫タスクである場合、スタッカーが目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行し、目標ロケーションから出庫対象製品を取り出すことを含む。スタッカーと倉庫管理システムとの通信中断は、スタッカーのプリセット時間内に倉庫管理システムから送信されたプリセット信号を受信しなかったことを含む。
【0043】
ここで、プリセット信号はハートビート信号(Heartbeat Signal)であってもよく、倉庫管理システムは定期的にスタッカーにハートビート信号を送信して、現在の倉庫管理システムが正常な状態にあるか否かをスタッカーに通知することができ、スタッカーはプリセット時間内にハートビート信号を受信したか否かに基づいて倉庫管理システムが正常な状態にあるか否かを判断することもできる。もしプリセット時間内に倉庫管理システムから送信されたハートビート信号を受信していなければ、倉庫管理システムに異常が発生しているか否かを判断し、出庫入庫効率に影響しないように、画像認識システムにタスク割り当てリクエストを送信する。第1アイル内の画像は、カメラまたはドローンによって収集することができる。
【0044】
本開示の実施例の解決策は、スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得、中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定し、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定し、スタッカーにより目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行するために、臨時作業タスクと目標ロケーションの位置をスタッカーに送信する。このように、スタッカーが倉庫管理システムとの通信を中断した場合、スタッカーはロケーションの保管状態情報に基づいて臨時作業タスクを実行することができ、スタッカーのタスク実行効率と安全性の向上に役立つ。
【0045】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御方法は、スタッカーから送信された臨時作業タスクの実行状況を受信することと、臨時作業タスクの実行状況に基づいて中間テーブルを更新することと、を含む。
【0046】
いくつかの実施例では、該臨時作業の実行状況は、臨時タスクの進行状況、臨時タスクの開始時間、臨時タスクの終了時間、臨時タスクを完了した数などを含むことができる。ここで、該臨時タスクの進行状況は、臨時タスクが完了していない、臨時タスクが完了した、臨時タスクが進行中であるなどを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施例では、該臨時作業タスクの実行状況に基づいて中間テーブルを更新することは、臨時作業タスクが完了していないことが検出された場合に、中間テーブルにおいてその臨時作業タスクを、完了していない状態として決定し、臨時作業タスクが完了していることが検出された場合に、中間テーブルにおいてその臨時作業タスクを、完了した状態として決定し、臨時作業タスクが進行中であることが検出された場合に、中間テーブルにおいてその臨時作業タスクを、進行中として決定することができる。
【0048】
このように、画像認識システムは中間テーブルに対してタイムリーな統計と更新を行うことができ、倉庫管理システムの復旧作業後にそのクラッシュ期間のスタッカーの作業状況を迅速に理解することができ、それによって倉庫管理システムがスタッカーに新しい作業タスクを迅速に割り当て、スタッカーの作業効率を高め、さらに出庫入庫効率を高めることに役立つ。
【0049】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御方法は、スタッカーから送信されたタスク終了リクエストを受信したことに応答して、倉庫管理システムに更新後の中間テーブルを送信し、倉庫管理システムが更新後の中間テーブル及び倉庫管理システム自身が記憶した中間テーブルに基づいて集約処理を行い、集約後の中間テーブルに基づいて正常作業タスクを決定することをさらに含み、タスク終了リクエストは、スタッカーと倉庫管理システムとの通信が復旧された後に送信されたものである。
【0050】
いくつかの実施例では、該タスク終了リクエストは、倉庫管理システムが正常に復旧したときにスタッカーから画像認識システムに送信されるリクエストである。画像認識システムがスタッカーから送信されたタスク終了リクエストを受信すると、臨時作業タスクの生成を停止する。
【0051】
いくつかの実施例では、画像認識システムは、倉庫ストレージシステムがスタッカーとの通信を再開した後、倉庫ストレージシステムに更新中間テーブルを送信することができ、倉庫ストレージシステムは更新後の中間テーブルと倉庫管理システム自身が記憶している中間テーブルを比較し、その後集約して、集約された中間テーブルを得、該集約された中間テーブルに基づいてスタッカーの正常作業タスクを決定する。
【0052】
ここで、画像認識システムは、更新された中間テーブルを、計算力センターを介して倉庫管理システムに送信することもできる。
【0053】
いくつかの実施例では、画像認識システムが倉庫管理システムと通信を確立することができる場合、更新された中間テーブルを倉庫管理システムに直接送信することもできる。
【0054】
いくつかの実施例では、該正常作業タスクは、倉庫ストレージシステムによって発行されるタスクである。このとき、倉庫ストレージシステムとスタッカーは通信が正常な場合にある。
【0055】
いくつかの実施例では、スタッカーAが倉庫ストレージシステムとの通信が正常に復旧したことを検出すると、画像認識システムにタスク終了リクエストを送信し、画像認識システムは更新された中間テーブルを倉庫ストレージに送信し、倉庫管理システムは更新後の中間テーブルと倉庫管理システム自体が記憶した中間テーブルに基づいて集約処理を行い、集約された中間テーブルに基づいて正常作業タスクを決定し、その更新後の中間テーブルの内容は、ロット番号A001のDTY巻糸パッケージについて「入庫タスク実行-完了している」、ロット番号B005のFDY巻糸パッケージについて「入庫タスク実行-完了していない」、ロット番号F011のPOY巻糸パッケージについて「出庫タスク実行-完了している」であり、その倉庫管理システム自体が記憶している中間テーブルの内容は、ロット番号A001のDTY巻糸パッケージについて「入庫タスク実行-完了していない」、ロット番号B005のFDY巻糸パッケージについて「入庫タスク実行-完了していない」、ロット番号F011のPOY巻糸パッケージについて「出庫タスク実行-完了してない」、この場合集約された中間テーブルに基づいて決定される正常作業タスクが、ロット番号B005のFDY巻糸パッケージについて入庫タスクであることを決定する。
【0056】
このように、倉庫ストレージシステムが正常に復旧した後、画像認識システムが送信した中間テーブルに基づいて、正常作業タスクを再決定することができ、倉庫ストレージシステムが迅速に正常な作業状態に入ることに役立ち、スタッカーの作業の効率と正確性を高めることに役立ち、それによって巻糸パッケージの入庫/出庫の効率を高めることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、タスク割り当てリクエストを受信した後、該スタッカーの制御方法は、第1アイルに含まれるすべてのロケーションにおける一部のロケーションである撮像すべきロケーション及び撮像角度を指示するための画像撮影指令を画像認識システムがスタッカーに送信し、スタッカーが画像撮影指令に基づいて撮影角度で撮影すべきロケーションの画像を撮影することと、スタッカーから送信された第1アイル内の撮影すべきロケーションの画像を受信し、複数枚の画像が撮影すべきロケーションの画像を含むことと、を含む。
【0058】
ここで、撮像命令は、画像認識システムにより指定される特定のロケーションに対する撮像命令であってもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、該画像撮影指令は、電源をオンにするスタッカーの数、スタッカーのカメラの撮影角度、スタッカーのカメラに撮影されるロケーションを指示するために用いられることができる。ここで、画像撮像指令は、スタッカーの昇降機構と走行機構とに基づいても実現することができる。例示的には、該画像撮影指令は、スタッカーの右側カメラをオンにして仰角60度で3枚の画像を撮影するようなものであってもよく、スタッカーのすべてのカメラをオンにしそれぞれ仰角30度、仰角60度、仰角90度で画像を1枚ずつ撮影するようなものであってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、該撮影ロケーションは1つのロケーションのみを撮影することができ、複数のロケーションを連続して撮影することもでき、特定のロケーションの撮影を指定することもできる。該撮影角度は、1つの角度だけを撮影することができ、複数の角度を連続して撮影することもでき、特定のロケーションの撮影を指定することもできる。
【0061】
いくつかの実施例では、画像認識システムは、第1アイルの高架上に位置するカメラによって撮影された画像を継続的に受信することができ、該第1アイルの高架上に位置するカメラによって撮影された画像に基づいて、少なくとも一部のロケーションの保管状態情報を解析することができる。スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信した場合、少なくとも一部のロケーションの保管状態情報と合わせて、第1アイル内のすべてのロケーションから撮影すべきロケーションを決定し、さらに撮影すべきロケーションの画像を撮影するように該スタッカーに指示することができる。
【0062】
例として、画像認識システムは、スタッカーA、スタッカーB、スタッカーCに画像撮影指令を送信し、そのスタッカーAの画像撮影指令は、左側と右側のカメラを同時にオンにして俯角30度でそれぞれ第10階の14番目のロケーションを撮影する画像撮影指令であり、そのスタッカーBの画像撮影指令は、配置されたすべてのカメラをオンにして仰角75度と俯角30度でそれぞれ第20階の11番目のロケーションを3枚撮影する画像撮影指令であり、そのスタッカーCの画像撮影指令は、左側と右側のカメラをオンにして俯角80度でそれぞれ第27階の7番目のロケーション、8番目のロケーション、9番目のロケーション、10番目のロケーションを撮影する画像撮影指令であり、スタッカーA、スタッカーB、スタッカーCは、それぞれ撮影した画像を画像認識システムに送信する。
【0063】
このように、スタッカーは、画像認識システムから送信された画像撮影指令に基づいて画像を撮影し、撮影した画像を画像認識システムに送信する。画像認識システムが第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を確認することに役立ち、臨時作業タスクを正確に生成することに役立ち、スタッカーの作業タスクの実行精度を高めることに役立つ。
【0064】
本開示の実施例において、該スタッカーの制御方法は、画像認識システムが中間テーブルに基づいて、中間テーブルの生成時間を起点とし、予め設定された閾値の時間長を有する、プリセット期間における、第1アイルの少なくとも一部のロケーションの保管状態情報を決定することと、画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報を比較することと、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致しない第1タイプのロケーションを記録することとを含み、第1タイプのロケーションは保管状態を確認すべきロケーションである。
【0065】
ここで、該プリセット期間は、ユーザーの需要やタスクの需要に応じて設定や調整を行うことができる。プリセット期間は中間テーブルの生成時間を起点としており、ユーザーの需要やタスクの需要に応じてプリセット期間の終点を調整することができる。
【0066】
いくつかの実施例では、該第1タイプのロケーションは、保管状態を確認すべきロケーションである。例として、画像認識モデルに基づいて得られた保管状態情報は、「アイル20の左側第10階の3番目のロケーション-入庫済-ロット番号B005のFDY巻糸パッケージ、アイル70の右側第21階の17番目のロケーション-入庫済-ロット番号A011のDTY巻糸パッケージ、アイル60の右側第16階の21番目のロケーション-入庫済、アイル90の左側第32階の2番目のロケーション-未入庫」であり、中間テーブルから得られた保管状態情報は、「アイル20の左側第10階の3番目のロケーション-入庫済-ロット番号B005のFDY巻糸パッケージ、アイル70の右側第21階の17番目のロケーション-入庫済-ロット番号A011のDTY巻糸パッケージ、アイル60の右側第16階の21番目のロケーション-未入庫、アイル90の左側第32階の2番目のロケーション-未入庫」であり、画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とを比較し、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致しない第1タイプのロケーション、すなわちアイル60の右側の第16階の21番目のロケーションを記録する。該アイル60の右側の第16階の21番目のロケーションは、保管状態を確認すべきロケーションである第1タイプのロケーションである。
【0067】
このように、画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報を比較することにより、保管状態情報が一致しない第1タイプのロケーションを得ることができ、第1タイプのロケーションの保管状態情報をタイムリーに確認することができ、作業が重複することを回避し、スタッカーのタスク実行効率と安全性を向上させることに役立つ。
【0068】
本開示の実施例では、該第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することは、臨時作業タスクが臨時倉庫タスクである場合、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第2タイプのロケーションの中から、臨時倉庫タスクのために目標ロケーションを選択し、目標ロケーションの位置を決定することを含み、ここで、第2タイプのロケーションは、貨物が格納されていないロケーションである。
【0069】
いくつかの実施例では、第2タイプのロケーションは、貨物が格納されていないロケーションである。一例として、臨時作業タスクが臨時入庫タスクの場合、画像認識モデルに基づいて得られる保管状態情報は、「アイル14の左側第2階の7番目のロケーション-入庫済-ロット番号B011のFDY巻糸パッケージ、アイル21の右側第36階の14番目のロケーション-未入庫、アイル44の右側第22階の19番目のロケーション-未入庫、アイル16の左側第25階の12番目のロケーション-未入庫」であり、中間テーブルから得られた保管状態情報は、「アイル14の左側第2階の7番目のロケーション-入庫済-ロット番号B011のFDY巻糸パッケージ、アイル21の右側第36階の14番目のロケーション-入庫済、アイル44の右側第22階の19番目のロケーション-未入庫、アイル16の左側第25階の12番目のロケーション-未入庫」であり、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第2タイプのロケーションの中から、臨時入庫タスクのために目標ロケーション、すなわちアイル44の右側第22階の19番目のロケーション、アイル16の左側第25階の12番目のロケーションを選択し、該第2タイプのロケーションは、貨物が格納されていないロケーションである。
【0070】
このように、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第2タイプのロケーションの中から、臨時入庫タスクのために目標ロケーションを選択することができ、臨時入庫タスクの効率と正確性の向上に役立つ。
【0071】
本開示の実施例では、該第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することは、臨時作業タスクが臨時出庫タスクである場合、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第3タイプのロケーションの中から、臨時出庫タスクが対象とする貨物ロット番号と合わせて、臨時出庫タスクのために目標ロケーションを選択し、目標ロケーションの位置を決定することを含み、ここで、第3タイプのロケーションは、貨物が格納されているロケーションである。
【0072】
いくつかの実施例では、第3タイプのロケーションは、貨物が格納されているロケーションである。一例として、臨時作業タスクが臨時出庫タスクの場合、画像認識モデルに基づいて得られる保管状態情報は、「アイル4の左側第14階の20番目のロケーション-入庫済-ロット番号がB011のFDY巻糸パッケージ、アイル41の右側第20階の6番目のロケーション-ロット番号がB011のFDY巻糸パッケージ、アイル31の右側第12階の9番目のロケーション-A011のDTY巻糸パッケージ、アイル16の左側第25階の12番目のロケーション-未入庫」であり、中間テーブルから得られた保管状態情報は、「アイル4の左側第14階の20番目のロケーション-未入庫、アイル41の右側第20階の6番目のロケーション-ロット番号B011のFDY巻糸パッケージ、アイル31の右側第12階の9番目のロケーション-A011のDTY巻糸パッケージ、アイル16の左側第25階の12番目のロケーション-未入庫」であり、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第3タイプのロケーション、すなわち、アイル41の右側第20階の6番目のロケーション-ロット番号B011のFDY巻糸パッケージ、巷31の右側第12階の9番目のロケーション-A011のDTY巻糸パッケージ、臨時出庫タスクが対象とする貨物ロット番号がA011のDTY巻糸パッケージであれば、臨時出庫タスクのために目標ロケーション、すなわちアイル31の右側第12階の9番目のロケーションを選択し、該ロケーションは、すでに貨物が格納されているロケーションである。
【0073】
このように、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第3タイプのロケーションの中から、臨時出庫タスクが対象とする貨物ロット番号と合わせて、臨時出庫タスクのために目標ロケーションを選択することができ、臨時出庫タスクの効率と正確性の向上に役立つ。
【0074】
本開示の実施例では、該画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得ることは、画像認識システムが複数枚の画像及び立体倉庫の履歴保管状態情報を画像認識モデルに入力し、画像認識モデルにより出力された複数のロケーションの保管状態情報を得ることを含み、ここで、画像認識モデルは、ロケーションに貨物が格納されているか否か、及びロケーションに格納されている貨物の標識を識別することに用いられる。
【0075】
いくつかの実施例では、該履歴保管状態情報は、倉庫管理システムに保存されている過去の貨物入庫及び出庫の履歴記録を指すことができる。履歴保管状態情報は、貨物の立体倉庫における位置、在庫数、入庫日、出庫日、巻糸パッケージロット番号などを含むことができる。
【0076】
いくつかの実施例では、該貨物の識別は、貨物の番号、ラベル、二次元コードなどであってもよい。
【0077】
このように、画像認識モデルにより認識された保管状態情報は、立体倉庫の履歴保管状態情報を参照しているため、画像認識モデルの精度を高めることができる。
【0078】
図3は本開示の実施例に係る画像認識モデルのトレーニングを示す概略図であり、図3に示すように、該画像認識モデルは、立体倉庫の複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像を取得し、複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像をプリセットモデルに入力して複数のサンプルロケーションの保管状態予測値を得、複数のサンプルロケーションの保管状態真値と保管状態予測値とに基づいて損失関数を構築し、損失関数に基づいてプリセットモデルをトレーニングして画像認識モデルを得る、ことによってトレーニングして得られる。
【0079】
いくつかの実施例では、該サンプルロケーションは需要に応じて個別に設定及び調整することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、該履歴画像はサンプルロケーションの履歴保管状態情報に対応する画像である。該履歴画像はスタッカーに配置されたカメラによって得ることができ、アイルの高架に配置されたカメラによって得られることもでき、ドローンによって入手することもできる。以上は例示的な説明にすぎず、履歴画像に含まれるすべての可能な取得方法を限定せず、ここでは列挙しない。
【0081】
このように、事前トレーニング済みの画像認識モデルによってロケーションの保管状態情報を予測し、ロケーションの保管状態情報に基づいて臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定することができ、スタッカーの作業効率を向上させ、ひいては巻糸パッケージ入庫/出庫のインテリジェント化管理を実現することに役立つ。
【0082】
本開示の実施例はまた、上述したスタッカーの制御方法を実行可能な立体倉庫自動化システムを提案し、図4は本開示の実施例による立体倉庫自動化システム400の概略ブロック図である。図4に示すように、該立体倉庫自動化システム400は、スタッカーと通信する場合にスタッカーに正常作業タスクを送信するための倉庫管理システム410であって、計算力センターに中間テーブルを送信することにさらに用いられる倉庫管理システム410と、少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されている中間テーブルを記憶するための計算力センター420と、倉庫管理システムから送信された正常作業タスクを受信したときに正常作業タスクを実行するためのスタッカー430であって、倉庫管理システムとの通信が中断した場合に、画像認識システムにタスク割り当てリクエストを送信し、画像認識システムにより返送された臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置を受信し、目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行することにさらに用いられるスタッカー430と、スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、計算力センターから中間テーブルを取得し、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得、中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定し、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定し、スタッカーに臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置を送信するための画像認識システム440と、を備える。
【0083】
なお、本開示は立体倉庫自動化システムにおけるスタッカーの数を限定しない。
【0084】
このように、立体倉庫自動化システムの倉庫管理システム、計算力センター、スタッカー及び画像認識システムの相互協働により、スタッカーは倉庫管理システムとの通信が中断した場合に、ロケーションの保管状態情報に基づいて臨時作業タスクを実行することができ、スタッカーのタスク実行効率と安全性の向上に役立つ。
【0085】
図2及び図3に示された概略図は単なる概略であって制限的なものではなく、図中の内容は作業ニーズに応じて適性調整又は変更することができ、ここでは繰り返し述べないことを理解すべきである。当業者は、図2及び図3の例に基づいて様々な明らかな変更及び/又は置換を行うことができ、得られた解決策は依然として本開示の実施例の開示範囲に属する。
【0086】
本開示の実施例では、スタッカーの制御装置を提供し、図5に示すように、該スタッカーの制御装置は、
スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得するための第1取得モジュール510であって、中間テーブルには少なくとも倉庫管理システムの完了していない作業タスクが記録されており、タスク割り当てリクエストは倉庫管理システムとの通信が中断した場合にスタッカーが送信したものである、第1取得モジュール510と、
画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得るための認識モジュール520と、
中間テーブルに基づいてスタッカーの臨時作業タスクを決定するための第1決定モジュール530と、
第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報に基づいて、臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定するための第2決定モジュール540と、
スタッカーにより目標ロケーションの位置に基づいて臨時作業タスクを実行するために、臨時作業タスク及び目標ロケーションの位置をスタッカーに送信するための第1送信モジュール550と、を備える。
【0087】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御装置は、スタッカーから送信された臨時作業タスクの実行状況を受信するための第1受信モジュール(図5に図示せず)と、臨時作業タスクの実行状況に基づいて中間テーブルを更新するための更新モジュール(図5に図示せず)と、をさらに備える。
【0088】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御装置は、スタッカーから送信されたタスク終了リクエストを受信したことに応答して、倉庫管理システムに更新後の中間テーブルを送信し、倉庫管理システムが更新後の中間テーブル及び倉庫管理システム自身が記憶した中間テーブルに基づいて集約処理を行い、集約後の中間テーブルに基づいて正常作業タスクを決定するための第2送信モジュール(図5に図示せず)をさらに備え、タスク終了リクエストは、スタッカーと倉庫管理システムとの通信が復旧された後に送信されたものである。
【0089】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御装置は、タスク割り当てリクエストを受信した後、撮影すべきロケーション及び撮影角度を指示するための画像撮影指令をスタッカーに送信し、スタッカーが画像撮影指令に基づいて撮影角度で撮影すべきロケーションの画像を撮影するための第3送信モジュールであって、撮影すべきロケーションは第1アイルに含まれるすべてのロケーションにおける一部のロケーションである、第3送信モジュール(図5に図示せず)と、スタッカーから送信された第1アイル内の撮影すべきロケーションの画像を受信するための第2受信モジュール(図5に図示せず)と、をさらに備え、複数枚の画像は撮影すべきロケーションの画像を含む。
【0090】
いくつかの実施例では、該スタッカーの制御装置は、中間テーブルに基づいてプリセット期間における第1アイルの少なくとも一部のロケーションの保管状態を決定するための第3決定モジュール(図5に図示せず)であって、プリセット期間は、中間テーブルの生成時間を起点とし、予め設定された閾値の時間長を有する、第3決定モジュールと、画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とを比較するための比較モジュール(図5に図示せず)と、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致しない第1タイプのロケーションを記録するための記録モジュール(図5に図示せず)であって、第1タイプのロケーションは保管状態を確認すべきロケーションである、記録モジュールと、をさらに備える。
【0091】
いくつかの実施例では、該第2決定モジュール540は、臨時作業タスクが臨時入庫タスクである場合、画像認識モデルにより得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第2タイプのロケーションの中から、臨時入庫タスクのために目標ロケーションを選択し、目標ロケーションの位置を決定するための第1決定サブモジュールであって、第2タイプのロケーションは、貨物が格納されていないロケーションである、第1決定サブモジュールを含む。
【0092】
いくつかの実施例では、該第2決定モジュール540は、臨時作業タスクが臨時出庫タスクである場合、画像認識モデルによって得られた保管状態情報と中間テーブルに基づいて決定された保管状態情報とが一致する少なくとも1つの第3タイプのロケーションの中から、臨時出庫タスクが対象とする貨物ロット番号と合わせて、臨時出庫タスクのために目標ロケーションを選択し、目標ロケーションの位置を決定するための第2決定サブモジュールであって、第3タイプのロケーションは、貨物が格納されているロケーションである、第2決定サブモジュールを含む。
【0093】
いくつかの実施例では、該認識モジュール520は、複数枚の画像及び立体倉庫の履歴保管状態情報を画像認識モデルに入力し、画像認識モデルにより出力された複数のロケーションの保管状態情報を得るための入力サブモジュールであって、画像認識モデルは、ロケーションに貨物が格納されているか否か、及びロケーションに格納されている貨物の標識を識別することに用いられる、入力サブモジュールを含む。
【0094】
いくつかの実施例では、該画像認識モデルは、立体倉庫の複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像を取得し、複数のサンプルロケーションの履歴保管状態情報及び履歴画像をプリセットモデルに入力して複数のサンプルロケーションの保管状態予測値を得、複数のサンプルロケーションの保管状態真値と保管状態予測値とに基づいて損失関数を構築し、損失関数に基づいてプリセットモデルをトレーニングして画像認識モデルを得る、ことによってトレーニングして得られる。
【0095】
本開示の実施例に係るスタッカーの制御装置における各処理モジュールの機能は、前述のスタッカーの状態予測方法に関する記述を参照して理解することができ、本開示の実施例に係るスタッカーの制御装置における各処理モジュールは、本開示の実施例に係る機能を実現するアナログ回路によって実現することができ、本開示の実施例に係る機能を実行するソフトウェアの電子デバイス上での作動によって実現することができることは当業者にとって理解すべきである。
【0096】
本開示の実施例のスタッカーの制御装置は、スタッカーが倉庫管理システムとの通信を中断した場合、スタッカーはロケーションの保管状態情報に基づいて臨時作業タスクを実行することができ、スタッカーのタスク実行効率と安全性の向上に役立つ。
【0097】
本開示の実施例によれば、本開示は電子デバイス及び非臨時的コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0098】
図6は本開示の一実施例による電子デバイスの構造ブロック図である。図6に示すように、該電子デバイスはメモリ610とプロセッサ620とを含み、メモリ610にはプロセッサ620で実行可能なコンピュータプログラムが記憶される。メモリ610及びプロセッサ620の数は、1つ又は複数であり得る。メモリ610は、1つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶することができ、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、該電子デバイスによって実行されると、該電子デバイスに上記の方法の実施例により提供される方法を実行させる。該電子デバイスはさらに以下を含むことができる。通信インターフェース630は、外部デバイスと通信し、データのインタラクション・伝送を行うことに用いられる。
【0099】
メモリ610、プロセッサ620、及び通信インターフェース630が独立して実装される場合、メモリ610、プロセッサ620、及び通信インターフェース630は、バスを介して互いに接続され、相互間の通信を行うことができる。該バスは、ISA(Industry Standard Architecture)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、又はEISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであり得る。該バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類することができる。説明を容易にするために、図6に一本の太線のみで示すが、一本のバス又は一種類のバスのみを示すものではない。
【0100】
任意選択で、具体的な実装形態では、メモリ610、プロセッサ620、及び通信インターフェース630が1つのチップ上に集積される場合、メモリ610、プロセッサ620、及び通信インターフェース630は、内部インターフェースを介して相互間の通信を行うことができる。
【0101】
上記プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であってもよく、さらに他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリ等であってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の従来のプロセッサなどであり得る。なお、プロセッサは、Advanced RISC Machines(ARM)アーキテクチャをサポートするプロセッサであり得る。
【0102】
さらに、選択的に、上記メモリは読み出し専用メモリ及びランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに不揮発性ランダムアクセスメモリを含んでもよい。該メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであり得るか、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得る。ここで、不揮発性メモリは、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)を含むことができる。限定ではなく例として、多くの形態のRAMが利用可能である。例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、シナリオクロナスDRAM(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(Double Data Rate SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シナリオクリンクDRAM(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトRAMBUSRAM(Direct RAMBUS RAM,DR RAM)である。
【0103】
上述の実施例では、全体的又は部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合に、全体又は一部はコンピュータプログラム製品の形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がロードされ、コンピュータ上で実行されると、本開示の実施例によるプロセス又は機能が全体的又は部分的に生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよく、例えば、前記コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、Bluetooth(登録商標)、マイクロ波等)を介して、1つのウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信されてもよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体、又は1つもしくは複数の利用可能な媒体と統合されたサーバ、データセンタなどを含むデータ記憶デバイスであり得る。前記使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc,DVD))、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(Solid State Disk,SSD))などであり得る。なお、本開示で言及されるコンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体、言い換えれば、非一時的記憶媒体であり得る。
【0104】
当業者は上記実施例を実現する全部又は一部のステップがハードウェアによって実装されてもよく、プログラムによって関連するハードウェアに命令して実装されてもよく、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記記憶媒体は読み出し専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよいことを理解することができる。
【0105】
本開示の実施例の説明において、参照用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の説明は該実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。且つ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、当業者は、本開示に記載された異なる実施形態又は例及び異なる実施形態又は例の特徴を、互いに矛盾しない範囲で結びつけてもよい。
【0106】
本開示の実施例の説明において、「/」は、別段の説明がない限り、又はという意味を表し、例えば、A/Bは、A又はBのいずれかを表し得る。本開示における「及び/又は」は関連オブジェクトの関連関係を説明することに過ぎず、三種類の関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、以下を示すことができる。Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという三種類の状況である。
【0107】
本開示の実施例の説明では、「第1」及び「第2」という用語は、説明の目的のみのために使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するものと解釈されるべきではなく、示される技術的特徴の数を暗示するものと解釈されるべきではない。したがって、「第1」及び「第2」として定義される特徴は、明示的又は暗黙的に、そのような特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。本開示の実施例の説明において、「複数」とは、別段の説明がない限り、2つ以上を意味する。
【0108】
以上は本開示の例示的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則の範囲内で、行われた任意の修正、同等置換、改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【0109】
本明細書の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「 前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明を容易にし、説明を簡略化することのみを意図しており、言及された装置または要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成され、動作しなければならないことを示すものでも、示唆するものでもなく、したがって、本開示の限定として解釈されることはない。
【要約】
【課題】スタッカーの制御方法、装置、立体倉庫自動化システム、電子デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供し、化学繊維生産のインテリジェント化技術分野に関する。
【解決手段】スタッカーから送信されたタスク割り当てリクエストを受信したことに応答して、中間テーブルを取得し、画像認識モデルにより立体倉庫の第1アイル内の複数枚の画像を認識して、前記第1アイルの複数のロケーションの保管状態情報を得、前記中間テーブルに基づいて前記スタッカーの臨時作業タスクを決定し、前記第1アイルの前記複数のロケーションの前記保管状態情報に基づいて、前記臨時作業タスクに対応する目標ロケーションの位置を決定し、前記スタッカーにより前記目標ロケーションの位置に基づいて前記臨時作業タスクを実行するために、前記臨時作業タスク及び前記目標ロケーションの位置を前記スタッカーに送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6