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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-16
(45)【発行日】2025-01-24
(54)【発明の名称】内燃機関のトルク推定装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
F02D45/00 362
F02D45/00 364G
F02D45/00 366
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024528023
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 JP2022024115
(87)【国際公開番号】W WO2023243035
(87)【国際公開日】2023-12-21
【審査請求日】2024-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 宏規
(72)【発明者】
【氏名】西脇 和弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 大賀
【審査官】池田 匡利
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-016425(JP,A)
【文献】特開2006-183506(JP,A)
【文献】特開2017-106393(JP,A)
【文献】特開2009-275618(JP,A)
【文献】特開2013-068146(JP,A)
【文献】特開2007-100598(JP,A)
【文献】特開平7-332479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランク軸の回転速度及び角加速度を検出する回転情報検出部と、
スロットル開度、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び前記回転速度の少なくとも1つ以上のトルク特性データ用の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとしての第1推定トルクとの関係が予め設定された第1推定トルク用のトルク特性データを用い、現在の前記トルク特性データ用の運転状態に対応する前記第1推定トルクを算出する第1推定トルク算出部と、
前記角加速度に基づいて、前記クランク軸のトルクの推定値である第2推定トルクを算出する第2推定トルク算出部と、
前記第2推定トルクと、予め設定された第2推定トルクの基準値との偏差を、誤差学習値として学習し、前記第1推定トルクを前記誤差学習値により補正した値を、第3推定トルクとして算出する第3推定トルク算出部と、を備えた内燃機関のトルク推定装置。
【請求項2】
前記第3推定トルク算出部は、前記スロットル開度、前記筒内吸入空気量、前記燃料噴射量、及び前記回転速度の少なくとも1つ以上の学習判定用の運転状態に基づいて、学習条件が成立しているか否かを判定し、前記学習条件が成立したと判定した場合に、前記偏差に基づいて、前記誤差学習値を更新する請求項1に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項3】
前記第3推定トルク算出部は、前記スロットル開度、前記筒内吸入空気量、前記燃料噴射量、及び前記回転速度の少なくとも1つ以上の補正係数用の運転状態に基づいて、補正係数を算出し、前記誤差学習値と前記補正係数との乗算値により、前記第1推定トルクを補正した値を、前記第3推定トルクとして算出する請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項4】
前記第2推定トルク算出部は、燃焼行程の間の前記角加速度の最大値を算出し、前記最大値に基づいて、前記第2推定トルクを算出する請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項5】
前記内燃機関は複数の燃焼室を備え、
前記第2推定トルク算出部は、前記複数の燃焼室のそれぞれについて、燃焼行程の間の前記角加速度の最大値を算出し、前記複数の燃焼室の前記最大値の平均値に基づいて、前記第2推定トルクを算出する請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項6】
前記第3推定トルク算出部は、前記スロットル開度、前記筒内吸入空気量、前記燃料噴射量、及び前記回転速度の少なくとも1つ以上の基準値用の運転状態と、前記第2推定トルクの基準値との関係が予め設定された基準値用のトルク特性データを用い、現在の前記基準値用の運転状態に対応する前記第2推定トルクの基準値を算出する請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項7】
前記第3推定トルク算出部は、前記回転速度の増加中に、前記回転速度が、予め設定された判定回転速度を通過したときに、学習条件が成立したと判定し、前記偏差に基づいて、前記誤差学習値を更新する請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【請求項8】
前記第3推定トルク算出部は、判定期間の間、連続して前記回転速度が増加しており、且つ、前記回転速度が、前記判定回転速度を通過したときに、学習条件が成立したと判定する請求項7に記載の内燃機関のトルク推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、内燃機関のトルク推定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の技術では、出力トルクに影響する運転状態であるスロットル開度、吸入空気量、及び燃料噴射量などに基づいて、内燃機関のトルク特性を用い、内燃機関の出力トルクを推定している。また、特許文献1の技術では、トルクコンバータの特性に基づいて、内燃機関の出力トルクを推定し、トルク推定誤差を学習している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-291174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、内燃機関の個体差、経年変化により生じた出力トルクのばらつきを、内燃機関の外部の装置であるトルクコンバータの特性を利用して学習している。しかしながら、トルクコンバータの特性にもばらつきがあり、また、学習できる運転領域が限られる。
【0005】
そこで、本願は、内燃機関の個体差、経年変化により生じた内燃機関の出力トルクのばらつきを精度よく学習できる内燃機関のトルク推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る内燃機関のトルク推定装置は、
内燃機関のクランク軸の回転速度及び角加速度を検出する回転情報検出部と、
スロットル開度、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び前記回転速度の少なくとも1つ以上のトルク特性データ用の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとしての第1推定トルクとの関係が予め設定された第1推定トルク用のトルク特性データを用い、現在の前記トルク特性データ用の運転状態に対応する前記第1推定トルクを算出する第1推定トルク算出部と、
前記角加速度に基づいて、前記クランク軸のトルクの推定値である第2推定トルクを算出する第2推定トルク算出部と、
前記第2推定トルクと、予め設定された第2推定トルクの基準値との偏差を、誤差学習値として学習し、前記第1推定トルクを前記誤差学習値により補正した値を、第3推定トルクとして算出する第3推定トルク算出部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に係る内燃機関のトルク推定装置によれば、実際に検出した角加速度に基づいて算出した第2推定トルクを、第2推定トルクの基準値と比較することにより、内燃機関の個体ばらつき、経年変化等により生じたトルクばらつきを、誤差学習値として学習することができる。そして、誤差学習値により、予め設定された基準状態のトルク特性データに基づいて算出された第1推定トルクを補正して、第3推定トルクを算出することで、内燃機関の個体ばらつき、経年変化等により生じたトルクばらつきが反映された、精度の良いトルク推定値を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る内燃機関及びトルク推定装置(制御装置)の概略構成図である。
図2】実施の形態1に係るトルク推定装置(制御装置)のブロック図である。
図3】実施の形態1に係るトルク推定装置(制御装置)のハードウェア構成図である。
図4】実施の形態1に係る回転情報検出部の処理を説明するタイムチャートである。
図5】実施の形態1に係る各気筒と各行程との関係を説明する図である。
図6】実施の形態1に係る第1推定トルク用のトルク特性データを説明する図である。
図7】実施の形態1に係る各気筒の角加速度の最大値の算出を説明する図である。
図8】実施の形態1に係る基準値用のトルク特性データを説明する図である。
図9】実施の形態2に係るトルク推定装置(制御装置)のブロック図である。
図10】実施の形態2に係る誤差学習を説明するためのタイムチャートである。
図11】実施の形態2に係る誤差学習を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施の形態1
実施の形態1に係る内燃機関のトルク推定装置100(以下、単に、トルク推定装置100と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関1及びトルク推定装置100の概略構成図であり、図2は、本実施の形態に係るトルク推定装置100のブロック図である。本実施の形態では、トルク推定装置100は、内燃機関の制御装置50に組み込まれている。なお、トルク推定装置100は、内燃機関の制御装置50と別体であってもよい。
【0010】
1-1.内燃機関1の構成
まず、内燃機関1の構成について説明する。図1に示すように、内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室7(以下、気筒7とも称す)を備えている。内燃機関1は、燃焼室7に空気を供給する吸気管23と、燃焼室7で燃焼した排気ガスを排出する排気管17とを備えている。内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている。内燃機関1は、吸気管23を開閉するスロットルバルブ4を備えている。スロットルバルブ4は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ4には、スロットルバルブ4の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ19が設けられている。
【0011】
スロットルバルブ4の上流側の吸気管23には、吸気管23に吸入される吸入空気量に応じた電気信号を出力するエアフローセンサ3が設けられている。内燃機関1は、排気ガス還流装置20を備えている。排気ガス還流装置20は、排気管17から吸気マニホールド12に排気ガスを還流するEGR流路21と、EGR流路21を開閉するEGRバルブ22と、を有している。吸気マニホールド12は、スロットルバルブ4の下流側の吸気管23の部分である。EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式EGRバルブとされている。排気管17には、排気管17内の排気ガスの空燃比に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18を備えている。
【0012】
吸気マニホールド12には、吸気マニホールド12内の圧力に応じた電気信号を出力するガス圧センサ8が設けられている。吸気マニホールド12の下流側の部分には、燃料を噴射するインジェクタ13が設けられている。なお、インジェクタ13は、気筒7内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。内燃機関1には、大気圧に応じた電気信号を出力する大気圧センサ33が設けられている。内燃機関1には、冷却水温を検出する水温センサ34が設けられている。
【0013】
燃焼室7の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグと、点火プラグに点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、燃焼室7の頂部には、吸気管23から燃焼室7内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ14と、燃焼室7内から排気管17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ15と、が設けられている。吸気バルブ14には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする吸気可変バルブタイミング機構が設けられている。排気バルブ15には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする排気可変バルブタイミング機構が設けられている。可変バルブタイミング機構14、15は、電動アクチュエータを有している。
【0014】
内燃機関1は、複数の燃焼室7(本例では4つ)を備えている。各燃焼室7内には、ピストン5が備えられている。各燃焼室7のピストン5は、コンロッド9およびクランク32を介してクランク軸2に接続されている。クランク軸2は、ピストン5の往復運動によって回転駆動される。各燃焼室7で発生した燃焼ガス圧は、ピストン5の頂面を押圧し、コンロッド9およびクランク32を介してクランク軸2を回転駆動する。クランク軸2は、車輪、発電機等に駆動力を伝達する動力伝達機構に連結されている。動力伝達機構は、変速装置等から構成される。
【0015】
内燃機関1は、クランク軸2と一体回転するロータ31を備えている。ロータ31は、予め定められた複数のクランク角度に複数の歯を設けている。本実施の形態では、ロータ31は、20度間隔で歯が並べられている。ロータ31の歯には、一部の歯が欠けた欠け歯部分が設けられている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、ロータ31の歯を検出するクランク角センサ11を備えている。
【0016】
内燃機関1は、クランク軸とチェーンで連結されたカム軸を備えている。カム軸は、吸気バルブ14および排気バルブ15を開閉駆動する。クランク軸2が2回転する間に、カム軸は1回転する。内燃機関1は、カム軸と一体回転するカム用のロータを備えている。カム用のロータは、予め定められた複数のカム軸角度に複数の歯を設けている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、カム用のロータの歯を検出するカム角センサ30(図3参照)を備えている。
【0017】
制御装置50は、クランク角センサ11およびカム角センサ30の2種類の出力信号に基づいて、各ピストン5の上死点(TDC)を基準としたクランク角度を検出すると共に、各燃焼室7の行程を判別する。なお、内燃機関1は、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程、および排気行程の4行程機関とされている。
【0018】
クランク角センサ11、及びカム角センサ30は、クランク軸2の回転による、各センサと歯の距離の変化に応じた電気信号を出力する。各角センサ11、30の出力信号は、センサと歯の距離が近い場合と、遠い場合とで信号がオンオフする矩形波となる。各角センサ11、30には、例えば、電磁ピックアップ式のセンサが用いられる。
【0019】
なお、内燃機関の構成は、図1を用いて説明した構成に限定されず、各種の構成の内燃機関が用いられてもよい。
【0020】
1-2.トルク推定装置100(制御装置50)の構成
次に、トルク推定装置100について説明する。トルク推定装置100は、内燃機関の制御装置50に組み込まれている。図2に示すように、制御装置50は、回転情報検出部51、第1推定トルク算出部52、第2推定トルク算出部53、及び第3推定トルク算出部54等の処理部を備えている。制御装置50の各処理部51から54等は、制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置50は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90にバス等の信号線を介して接続された記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、および演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
【0021】
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、および各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。
【0022】
記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の揮発性及び不揮発性の記憶装置が備えられている。入力回路92は、各種のセンサ及びスイッチが接続され、これらセンサ及びスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
【0023】
そして、制御装置50が備える各処理部51から54等の各機能は、演算処理装置90が、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、および出力回路93等の制御装置50の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各処理部51から54等が用いる第1推定トルク用のトルク特性データ、慣性モーメントIcrk、負荷トルクτload、基準値用のトルク特性データ等の設定データは、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されている。また、各処理部51から54等が算出した回転速度Ne、角速度ωd、角加速度αd、第1推定トルクτest1、角加速度の最大値αmax、第2推定トルクτest2、誤差学習値Δτlrn等の各算出値、及び各検出値等のデータは、RAM等の書き換え可能な記憶装置91に記憶される。
【0024】
本実施の形態では、入力回路92には、クランク角センサ11、カム角センサ30、水温センサ34、エアフローセンサ3、スロットル開度センサ19、ガス圧センサ8、大気圧センサ33、空燃比センサ18、およびアクセルポジションセンサ26等が接続されている。出力回路93には、スロットルバルブ4(電気モータ)、EGRバルブ22(電気モータ)、インジェクタ13、点火コイル16、吸気可変バルブタイミング機構14、及び排気可変バルブタイミング機構15等が接続されている。なお、トルク推定装置100には、図示していない各種のセンサ、スイッチ、およびアクチュエータ等が接続されている。制御装置50は、各種センサの出力信号に基づいて、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、吸気マニホールド内の圧力、大気圧、空燃比等の内燃機関1の運転状態を検出する。
【0025】
制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、インジェクタ13および点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサ26の出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ4等を制御する。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ19の出力信号に基づき検出したスロットル開度θthが、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ4の電気モータを駆動制御する。また、制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、EGRバルブ22の目標開度を算出し、EGRバルブ22の電気モータを駆動制御する。制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、吸気バルブの目標開閉タイミング及び排気バルブの目標開閉タイミングを算出し、各目標開閉タイミングに基づいて、吸気及び排気可変バルブタイミング機構14、15を駆動制御する。
【0026】
1-2-1.回転情報検出部51
回転情報検出部51は、内燃機関のクランク軸の回転速度Ne及び角加速度αdを検出する。本実施の形態では、回転情報検出部51は、クランク角センサ11の出力信号に基づいて、クランク角度θdを検出し、検出したクランク角度θdの時間変化率である角速度ωd、及び角速度ωdの時間変化率である角加速度αdを算出する。回転情報検出部51は、クランク角センサ11の出力信号に基づいて、クランク軸の回転速度Neを検出する。なお、回転速度Neは、角速度ωdに対応するが、本実施の形態では、行程周期の平均的な速度である。
【0027】
本実施の形態では、図4に示すように、回転情報検出部51は、クランク角センサ11の出力信号に基づいてクランク角度θdを検出すると共にクランク角度θdを検出した検出時刻Tdを検出する。そして、回転情報検出部51は、検出したクランク角度θdである検出角度θdおよび検出時刻Tdに基づいて、検出角度θdの間に対応する角度間隔Δθdおよび時間間隔ΔTdを算出する。
【0028】
例えば、回転情報検出部51は、クランク角センサ11の出力信号(矩形波)の立下りエッジ(又は立上りエッジ)を検出した時のクランク角度θdを判定する。回転情報検出部51は、公知の方法を用い、クランク角センサ11およびカム角センサ30の2種類の出力信号に基づいて、第1気筒のピストンの上死点(TDC)を基準としたクランク角度θdを検出すると共に、各気筒7の行程を判別する。図5に、第1気筒から第4気筒の行程を示す。
【0029】
<角速度ωd、角加速度αdの算出>
回転情報検出部51は、各クランク角度θd、及び各クランク角度θdを検出した検出時刻Tdに基づいて、角速度ωdを算出する。例えば、次式に示すように、回転情報検出部51は、今回検出したクランク角度θd(n)と前回検出したクランク角度θd(n-1)との角度間隔Δθd(n)と、今回の検出時刻Td(n)と前回の検出時刻Td(n-1)との時間間隔ΔTd(n)とに基づいて、今回の検出角度の角速度ωd(n)を算出する。なお、角速度ωdの算出について、これ以外にも、公知の各種の方法が用いられてもよい。
【数1】
【0030】
回転情報検出部51は、角速度ωdに基づいて、角加速度αdを算出する。例えば、次式に示すように、回転情報検出部51は、今回の検出角度で算出した角速度ωd(n)と前回の検出角度で算出した角速度ωd(n-1)と今回の検出角度の時間間隔ΔTd(n)とに基づいて、今回の検出角度の角加速度αd(n)を算出する。なお、角加速度αdの算出について、これ以外にも、公知の各種の方法が用いられてもよい。
【数2】
【0031】
1-2-2.第1推定トルク算出部52
第1推定トルク算出部52は、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び回転速度Neの少なくとも1つ以上のトルク特性データ用の運転状態と、内燃機関の出力トルクとしての第1推定トルクτest1との関係が予め設定された第1推定トルク用のトルク特性データを用い、現在のトルク特性データ用の運転状態に対応する第1推定トルクτest1を算出する。第1推定トルクτest1は、クランク軸から内燃機関の外部に出力されるトルクであり、行程周期の間の平均的な出力トルクである。
【0032】
例えば、トルク特性データ用の運転状態として、スロットル開度θth及び回転速度Neが用いられる場合を説明する。図6に示すように、第1推定トルク用のトルク特性データは、スロットル開度θth、回転速度Ne、第1推定トルクτest1との関係が予め設定されたマップデータとされる。第1推定トルク算出部52は、第1推定トルク用のトルク特性データを参照し、現在のスロットル開度θth及び回転速度Neに対応する第1推定トルクτest1を算出する。ここで、スロットル開度θthの代わりに、筒内吸入空気量、又は燃料噴射量が用いられてもよい。すなわち、トルク特性データ用の運転状態として、回転速度Ne、及び燃料噴射量に相関するパラメータが用いられるとよい。
【0033】
なお、トルク特性データ用の運転状態として、出力トルクと相関する各種の内燃機関の運転状態、例えば、EGR率、点火時期、吸気バルブの開閉タイミング、排気バルブの開閉タイミングが用いられてもよい。なお、第1推定トルク用のトルク特性データは、複数のマップデータが組み合わされてもよく、又は、ニューラルネットワーク等が用いられてもよい。
【0034】
1-2-3.第2推定トルク算出部53
第2推定トルク算出部53は、角加速度αdに基づいて、クランク軸のトルクの推定値である第2推定トルクτest2を算出する。
【0035】
本実施の形態では、図7に示すように、第2推定トルク算出部53は、燃焼行程の間の角加速度αdの最大値αmaxを算出し、角加速度の最大値αmaxに基づいて、第2推定トルクτest2を算出する。この構成によれば、燃焼行程の間の角加速度の最大値αmaxを算出することで、燃焼により増加した角加速度の最大値αmaxを用いて、第2推定トルクτest2を算出することができ、第2推定トルクτest2として、主に燃焼により増加した瞬時トルクの最大値を算出することができる。
【0036】
本実施の形態では、内燃機関1は4つの燃焼室7(気筒7)を備えている。第2推定トルク算出部53は、4つの燃焼室7のそれぞれについて、燃焼行程の間の角加速度の最大値αmax1、αmax2、αmax3、αmax4を算出し、次式に示すように、4つの燃焼室の角加速度の最大値の平均値αmaxaveに基づいて、第2推定トルクτest2を算出する。平均値αmaxaveは、クランク軸が2回転する毎に算出される。
【数3】
【0037】
この構成によれば、気筒間に燃焼トルクのばらつきがあっても、気筒間の平均的な瞬時燃焼トルクの最大値を算出することができる。
【0038】
第2推定トルク算出部53は、角加速度αd(本例では、角加速度の最大値の気筒間平均値αmaxave)に、慣性モーメントIcrkを乗算して、第2推定トルクτest2を算出する。慣性モーメントIcrkは、クランク軸と一体的に回転する各回転部材の慣性モーメントの合計値であり、予め設定されている。
【数4】
【0039】
本実施の形態では、第2推定トルク算出部53は、角加速度αdと慣性モーメントIcrkとの乗算値から、負荷トルクτloadを減算して、第2推定トルクτest2を算出する。負荷トルクτloadは、内燃機関の外部からクランク軸にかかる各種の負荷トルクであり、通常は負の値になる。例えば、負荷トルクτloadには、予め設定された値が用いられる。或いは、負荷トルクτloadは、通常、行程周期では大きく変動しないため、第2推定トルク算出部53は、ピストンの上死点(TDC)付近の角度の角加速度αdに慣性モーメントIcrkを乗算したトルクを、負荷トルクτloadとして用いてもよい。上死点(TDC)付近の角度は、上死点前10度から上死点後10度までの範囲内の角度、例えば、TDCに設定されるとよい。上死点近傍では、コンロッド及びクランクが一直線になり、筒内圧がピストンを押す力により、軸トルクが生じないため、負荷トルクτloadを算出できる。この構成によれば、内燃機関の外部からクランク軸にかかる負荷トルクτloadを除外することができ、燃焼により増加した瞬時トルクの増加量を算出することができ、第2推定トルクτest2の算出精度を高めることができる。
【0040】
なお、行程周期の間の平均的な角加速度が、第2推定トルクτest2の算出に用いられてもよい。
【0041】
1-2-4.第3推定トルク算出部54
第3推定トルク算出部54は、第2推定トルクτest2と、予め設定された第2推定トルクの基準値τest2refとの偏差Δτest2を、誤差学習値Δτlrnとして学習し、第1推定トルクτest1を誤差学習値Δτlrnにより補正した値を、第3推定トルクτest3として算出する。
【0042】
この構成によれば、実際に検出した角加速度αdに基づいて算出した第2推定トルクτest2を、第2推定トルクの基準値τest2refと比較することにより、内燃機関1の個体ばらつき、経年変化等により生じたトルクばらつきを、誤差学習値Δτlrnとして学習することができる。そして、誤差学習値Δτlrnにより、予め設定された基準状態のトルク特性データに基づいて算出された第1推定トルクτest1を補正して、第3推定トルクτest3を算出することで、内燃機関1の個体ばらつき、経年変化等により生じたトルクばらつきが反映された、精度の良いトルク推定値を算出することができる。
【0043】
なお、制御装置50は、第3推定トルクτest3に基づいて、内燃機関の出力トルクを制御するトルク制御を行う。例えば、制御装置50は、第3推定トルクτest3が、要求出力トルクに近づくように、目標スロットル開度を算出する。また、制御装置50は、第3推定トルクτest3を、車両制御装置、モータ制御装置などの外部の制御装置に伝達し、外部の制御装置のトルク制御に反映させる。
【0044】
図2に示すように、第3推定トルク算出部54は、基準値算出部541、学習値算出部542、及び推定トルク補正部543を備えている。
【0045】
<基準値算出部541>
基準値算出部541は、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び回転速度Neの少なくとも1つ以上の基準値用の運転状態と、第2推定トルクの基準値τest2refとの関係が予め設定された基準値用のトルク特性データを用い、現在の基準値用の運転状態に対応する第2推定トルクの基準値τest2refを算出する。
【0046】
本実施の形態では、第2推定トルクの基準値τest2refは、燃焼により増加した瞬時トルクの最大値又は増加量であるため、行程周期の間の平均的な出力トルクである第1推定トルクτest1とは異なる値になる。そのため、基準値用のトルク特性データは、第1推定トルク用のトルク特性データと異なる値が設定されている。
【0047】
例えば、基準値用の運転状態として、スロットル開度θth及び回転速度Neが用いられる場合を説明する。図8に示すように、基準値用のトルク特性データは、スロットル開度θth、回転速度Ne、第2推定トルクの基準値τest2refとの関係が予め設定されたマップデータとされる。基準値算出部541は、基準値用のトルク特性データを参照し、現在のスロットル開度θth及び回転速度Neに対応する第2推定トルクの基準値τest2refを算出する。ここで、スロットル開度θthの代わりに、筒内吸入空気量、又は燃料噴射量が用いられてもよい。すなわち、基準値用の運転状態として、回転速度Ne、及び燃料噴射量に相関するパラメータが用いられるとよい。
【0048】
なお、基準値用の運転状態として、出力トルクと相関する各種の内燃機関の運転状態、例えば、EGR率、点火時期、吸気バルブの開閉タイミング、排気バルブの開閉タイミングが用いられてもよい。なお、基準値用のトルク特性データは、複数のマップデータが組み合わされてもよく、又は、ニューラルネットワーク等が用いられてもよい。
【0049】
<学習値算出部542>
学習値算出部542は、第2推定トルクτest2と第2推定トルクの基準値τest2refとの偏差Δτest2に基づいて、誤差学習値Δτlrnを更新する。
【0050】
学習値算出部542は、偏差Δτest2に対して統計処理を行って、誤差学習値Δτlrnを更新する。例えば、統計処理として、ローパスフィルタ処理が行われる。学習値算出部542は、次式を用いて、誤差学習値Δτlrnを更新する。ここで、(j)は、今回の更新周期の算出値を示し、(j-1)は、前回の更新周期の算出値を示し、Kfltは、フィルタゲインである。本実施の形態では、更新周期は、クランク軸が2回転する周期に設定される。
【数5】
【0051】
なお、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び回転速度Neの少なくとも1つ以上の運転状態の領域ごとに、誤差学習値Δτlrnが設けられ、更新されてもよい。
【0052】
<推定トルク補正部543>
推定トルク補正部543は、第1推定トルクτest1を誤差学習値Δτlrnにより補正した値を、第3推定トルクτest3として算出する。例えば、推定トルク補正部543は、次式を用いて、第3推定トルクτest3を算出する。
【数6】
【0053】
或いは、推定トルク補正部543は、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び回転速度Neの少なくとも1つ以上の補正係数用の運転状態に基づいて、補正係数Kτを算出し、次式に示すように、誤差学習値Δτlrnと補正係数Kτとの乗算値を、第1推定トルクτest1に加算した値を、第3推定トルクτest3として算出してもよい。
【数7】
【0054】
運転状態に応じて、推定トルクに対する誤差学習値Δτlrnの影響度合いが変化するため、誤差学習値Δτlrnに補正係数Kτを乗算することで、補正精度を向上させることができる。また、燃焼により増加した瞬時トルクの最大値又は増加量に対する、行程周期の間の平均的な出力トルクの比例係数は、運転状態に応じて変化するため、補正係数用の運転状態に基づいて補正係数Kτを算出し、誤差学習値Δτlrnに補正係数Kτを乗算することで、補正精度を向上させることができる。
【0055】
推定トルク補正部543は、補正係数用の運転状態と補正係数Kτとの関係が予め設定された基準値用の補正係数設定データを用い、現在の補正係数用の運転状態に対応する補正係数Kτを算出する。補正係数設定データは、基準値用のトルク特性データ等と同様に構成される。
【0056】
2.実施の形態2
実施の形態2に係るトルク推定装置100について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係るトルク推定装置100の基本的な構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、第3推定トルク算出部54の処理の一部が実施の形態1と異なる。
【0057】
本実施の形態では、図9に示すように、第3推定トルク算出部54は、第3推定トルク算出部54は、基準値算出部541、学習値算出部542、及び推定トルク補正部543に加えて、学習条件判定部544を備えている。
【0058】
学習条件判定部544は、スロットル開度θth、筒内吸入空気量、燃料噴射量、及び回転速度Neの少なくとも1つ以上の学習判定用の運転状態に基づいて、学習条件が成立しているか否かを判定する。学習値算出部542は、学習条件が成立した場合に、偏差Δτest2に基づいて、誤差学習値Δτlrnを更新する。
【0059】
この構成によれば、予め設定した学習条件が成立した場合に、学習を行うことにより、学習精度を向上させることができる。
【0060】
本実施の形態では、図10及び図11に示すように、学習条件判定部544は、回転速度Neの増加中に、回転速度Neが、予め設定された判定回転速度Thneを通過したときに、学習条件が成立したと判定する。
【0061】
回転速度Neの加速及び減速が行われている状態では、内燃機関のトルクが増減している過渡状態であるため、この過渡状態で学習を行うと、学習精度の低下を招きやすい。回転速度Neが連続して増加している状態では、トルクの増減が少なく、安定しているため、学習精度を向上できる。特に、2輪車両の場合は、4輪車両に比べ内燃機関の出力が小さく、低慣性であるため、変動要因により学習精度が低下し易いが、上記の構成により、学習精度の低下を抑制できる。
【0062】
例えば、学習条件判定部544は、判定期間Tjdの間、連続して回転速度Neが増加しており、且つ、回転速度Neが、判定回転速度Thneを通過したときに、学習条件が成立したと判定する。
【0063】
判定期間Tjdを設定することで、トルクの増減が少なく、安定している状態を、より精度よく判定でき、学習精度を向上できる。
【0064】
更に、学習条件判定部544は、判定期間Tjdの間、連続して回転速度Neが、予め設定された増加率の範囲内で増加しており、且つ、回転速度Neが、判定回転速度Thneを通過したときに、学習条件が成立したと判定してもよい。
【0065】
回転速度Neの増加率の範囲を設定することで、トルクの増減が少なく、安定している状態を、更に精度よく判定でき、学習精度を向上できる。
【0066】
図10及び図11を用いて、学習時の挙動を説明する。まず、図10について説明する。図10では、内燃機関に個体ばらつき及び経年変化が無い状態であり、第2推定トルクτest2と第2推定トルクの基準値τest2refとが一致しており、偏差Δτest2がゼロに近い。スロットル開度θthが増加し、トルクが増加し、回転速度Neが連続的に増加している。回転速度Neの増加中に、時刻t01で、回転速度Neが判定回転速度Thneを通過しており、学習条件が成立している。学習条件が成立したときの偏差Δτest2が誤差学習値Δτlrnとして学習される。
【0067】
次に、図11について説明する。図11では、内燃機関に個体ばらつき及び経年変化が有る状態であり、第2推定トルクτest2が第2推定トルクの基準値τest2refを上回っており、偏差Δτest2がゼロよりも小さくなっている。スロットル開度θthが増加し、トルクが増加し、回転速度Neが連続的に増加している。回転速度Neの増加中に、時刻t01で、回転速度Neが判定回転速度Thneを通過しており、学習条件が成立している。学習条件が成立したときの偏差Δτest2が誤差学習値Δτlrnとして学習される。
【0068】
なお、学習条件が複数回成立したときの複数回の偏差Δτest2の平均値が、誤差学習値Δτlrnとして学習されてもよい。
【0069】
上記の各実施の形態においては、気筒数が4つの4気筒の内燃機関が用いられる場合を例に説明した。しかし、任意の気筒数(例えば、1気筒、2気筒、3気筒、6気筒)の内燃機関が用いられてもよい。
【0070】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0071】
1 内燃機関、2 クランク軸、7 燃焼室(気筒)、51 回転情報検出部、52 第1推定トルク算出部、53 第2推定トルク算出部、54 第3推定トルク算出部、100 トルク推定装置、Kτ 補正係数、Ne 回転速度、Thne 判定回転速度、Tjd 判定期間、τest1 第1推定トルク、τest2 第2推定トルク、τest2ref 第2推定トルクの基準値、τest3 第3推定トルク、Δτest2 偏差、Δτlrn 誤差学習値、αd 角加速度、αmax 角加速度の最大値、θth スロットル開度
図1
図2
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図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11