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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】窒化ホウ素ナノ構造体
(51)【国際特許分類】
   C01B 21/064 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
C01B21/064 M
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021527139
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 AU2019051256
(87)【国際公開番号】W WO2020097688
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2018904384
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ザ ユニバーシティ オブ ウェスタン オーストラリア研究(オンライン)リポジトリ:https://research-repositroy.uwa.edu.au/en/publications/characterization-of-nanomaterials-synthesized-via-lam-ablation 公開日 2019年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】524352461
【氏名又は名称】オナルバ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Onalba Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エション,セリナ ムザヒド
(72)【発明者】
【氏名】チュア,フイ トン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ウェイク
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-512192(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103787287(CN,A)
【文献】米国特許第10005668(US,B1)
【文献】米国特許第08753578(US,B1)
【文献】Sehrina ESHON et al.,“Panorama of boron nitride nanostructures via lamp ablation”,Nano Research,2018年12月12日,Vol. 12, No. 3,p.557-562,DOI: 10.1007/s12274-018-2252-0
【文献】MX 2014004754 A,MX,2015年10月08日
【文献】Samuel BERNARD et al.,“High-yield synthesis of hollow boron nitride nano-polyhedrons”,Journal of Materials Chemistry,2011年,Vol. 21, No. 24,p.8694,DOI: 10.1039/C1JM10774G
【文献】Humberto TERRONES et al.,“Curved nanostructured materials”, New Journal of Physics,2003年10月03日,Vol. 5,p.126-126,DOI: 10.1088/1367-2630/5/1/126
【文献】Moshe LEVY et al.,“Synthesis of Inorganic Fullerene‐like Nanostructures by Concentrated Solar and Artificial Light”,Israel Journal of Chemistry,2010年11月02日,Vol. 50, No. 4,p.417-425,DOI: 10.1002/ijch.201000056
【文献】Hai-bo LU et al.,“High-yield synthesis of silicon carbide nanowires by solar and lamp ablation”,Nanotechnology,2013年07月23日,Vol. 24, No. 33,p.335603,DOI: 10.1088/0957-4484/24/33/335603
【文献】Wei Sheong WOI,"Lamp Ablation Syntheses of Nanomaterials",Master of philosophy Thesis,The University of Western Australia,2016年,DOI: 10.26182/5b7f5ddbc3552
【文献】V. V. KONONENKO et al.,“Ablation of hexagonal boron nitride by UV laser radiation”,Quantum Electronics,2018年11月26日,Vol. 48, No. 11,p.996-999,DOI: 10.1070/QEL16790
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 21/064
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化ホウ素ナノ構造体を製造する方法であって、溶融石英製の密閉容器中に真空封入された窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションすることを含む、方法。
【請求項2】
製造された前記ナノ構造体は、ナノオニオン構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製造された前記ナノ構造体は、少なくとも50wt%のナノオニオン構造体を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ランプアブレーションされる前記窒化ホウ素前駆体材料は、非晶質窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ウルツ鉱型窒化ホウ素、または、これらのうち2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ランプアブレーションされる前記窒化ホウ素前駆体材料は、六方晶窒化ホウ素を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ランプアブレーションされる前記窒化ホウ素前駆体材料は、窒化ホウ素ナノホーン、窒化ホウ素ナノロッド、窒化ホウ素ナノチューブ、窒化ホウ素ナノシート、窒化ホウ素ナノプレートレット、窒化ホウ素ナノオニオン、またはこれらのうち2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ランプアブレーションされる前記窒化ホウ素前駆体材料を、前記ランプアブレーションのためのランプ放射の中で回転させる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ランプアブレーションは、キセノンガス放電ランプを使用して実施される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ランプアブレーションは、前記窒化ホウ素前駆体材料にランプ放射を集束させるために、楕円面鏡を使用して実施される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記窒化ホウ素前駆体材料は、少なくとも5分間、ランプアブレーションされる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記窒化ホウ素前駆体材料は、大気圧未満の圧力でランプアブレーションされる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記窒化ホウ素前駆体材料は、1,400℃~3,500℃の範囲の温度でランプアブレーションされる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
製造された前記ナノ構造体は、ナノプレートレット構造体を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
製造された前記ナノ構造体は、ナノロッド構造体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
製造された前記ナノ構造体は、ナノホーン構造体を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
製造された前記ナノ構造体は結晶である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記断熱的放射遮蔽環境は、溶融石英を含む容器の形態をとる、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記窒化ホウ素前駆体材料を含む前記容器は、前記ランプアブレーションのためのランプの焦点に位置する、または前記焦点に近い場所に位置する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
製造される前記窒化ホウ素ナノ構造体は、前記ランプの前記焦点から6cm~30cm離れて位置する前記容器内で形成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記窒化ホウ素前駆体材料は、ランプアブレーションに、複数回、曝露される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、窒化ホウ素ナノ構造体に関する。本発明は、特に、窒化ホウ素ナノ構造体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素(Boron Nitride:BN)は、高温安定性、耐酸化性、耐食性、化学的耐久性、高い熱伝導率、高比表面積、低誘電率、および5~6eVのワイドバンドギャップなど、多くの優れた生理化学特性を有することから、重要な研究開発の対象となってきた。窒化ホウ素に由来する構造体もまた、生物学的適合性を示すことができ、また、化学的不活性および構造安定性を有することから比較的無毒である。
【0003】
窒化ホウ素は、様々な多形性の形態で存在する。窒化ホウ素は、たとえば、非晶質窒化ホウ素(a-BN)、六方晶窒化ホウ素(h-BN)、立方晶窒化ホウ素(c-BN)、およびウルツ鉱型窒化ホウ素(w-BN)の形態で存在しうる。
【0004】
窒化ホウ素は、ナノチューブ、ナノリボン、ナノウィスカ、ナノコーン、ナノシート、およびナノ球(当技術分野ではナノオニオンとしても知られる)など、様々な準安定ナノ構造体を形成することが知られている。
【0005】
ナノオニオンは、球状の形態をとり、かつ、比較的、密度が低く、かつ、比表面積が大きいため、潤滑剤や潤滑性添加物など各種用途の優れた候補となる。
【0006】
窒化ホウ素ナノチューブおよび窒化ホウ素ナノシートについては広く検討されてきたが、それらの製造は困難であるため、窒化ホウ素ナノオニオンに関する刊行物は限られている。
【0007】
窒化ホウ素ナノ構造体の製造方法として、たとえば、パルスレーザーアブレーション、化学蒸着、電子ビーム照射、および熱分解が報告されている。しかし、上記方法のほとんどは、触媒、鋳型、および/または複雑な設備など、複数のステップおよび/または構成要素を必要とする。
【0008】
化学合成技術もまた、窒化ホウ素ナノ構造体を製造するのに利用されてきた。しかし、そのような合成手法は、一般に複雑で、製品の収率および純度が低く、また、技術によっては、NaNなどの毒性の強い化学物質を使用する場合もある。
【0009】
光エネルギーを集中させて利用する方法も、窒化ホウ素ナノ構造体を合成するのに使用されてきたが、これらの方法は、ナノオニオンを製造するものとしては報告されなかった。さらに、これらの方法は、一般に複雑な設備を使用する。
【0010】
したがって、比較的単純で、環境にやさしく、効率的、かつ、大規模実現が可能である、窒化ホウ素ナノ構造体の製造方法を開発するという課題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、窒化ホウ素ナノ構造体を製造する方法を提供するものであり、前記方法は、断熱的放射遮蔽環境内で窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションすることを含む。
【0012】
断熱的放射遮蔽環境内で窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションすると、驚くべきことに、様々な窒化ホウ素ナノ構造体を製造できることが分かっている。ナノ構造体として、たとえば、ナノプレートレット、剥離ナノシート、ナノホーン、ナノロッド、およびナノオニオンが確認されている。
【0013】
驚くべきことに、本発明による方法は、ナノオニオン構造体の製造に特に好適である。
【0014】
ランプアブレーションは、高フラックスの明るい光を前駆体材料に照射することで、従来のオーブンまたは別経路では不可能な反応を達成する。
【0015】
一実施形態において、断熱的放射遮蔽環境は、溶融石英からなる材料で作られた容器の形をとる。
【0016】
別の実施形態において、前記容器は、密閉され、かつ、2つ以上の材料層を有し、前記材料層はそれぞれ、間隔をおいて配置され、かつ、密閉されている。
【0017】
別の実施形態において、前記容器は、チューブまたはアンプルの形をとる。
【0018】
別の実施形態において、製造された前記ナノ構造体は、ナノオニオン構造体を含む。
【0019】
別の実施形態において、製造された前記ナノ構造体は結晶である。
【0020】
別の実施形態において、製造された前記ナノ構造体は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、または、少なくとも95wt%のナノオニオン構造体を含む。
【0021】
本発明による前記方法は、ランプアブレーションの使用を必要とするのみであるため、実施するのに複雑ではなく、大規模実現が可能であり、かつ、環境にやさしいという利点を有する。
【0022】
本発明のさらなる態様および実施形態について、以下に、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の非限定的な図を参照しながら、本発明について説明する。
図1図1は、本発明により、窒化ホウ素ナノオニオン構造体がどのようにして製造されると考えられるかを示す概略図である。
図2図2は、本発明により使用されうるランプアブレーションシステムを示す。
図3図3(a)および図3(b)は、本発明によって使用されうる断熱的放射遮蔽環境を示す。前記断熱的放射遮蔽環境は、間隔をおいて配置された密閉層を備えるアンプル構成の形をとる。図3(a)および図3(b)において(10)は、窒化ホウ素前駆体材料を示し、(20)は、溶融石英で形成された密閉内層を示し、(30)は、溶融石英で形成された密閉外層を示す。
図4図4(a)は、h-BN前駆体材料のTEM画像であり、図4(b)は、h-BN前駆体材料のSEM画像であり、図4(c)は、h-BN前駆体材料のXRDパターンを示す。
図5図5は、BNナノペレットのEDSスペクトルを示す。
図6図6は、BNナノオニオンのEDSスペクトルを示す。
図7図7(a)は、BNナノオニオンの壁のラインプロファイルを示し、図7(b)は、単一のBNナノオニオンのラインプロファイルを示す。
図8図8(a)は、個々のBNナノオニオンの壁(シェル)からのEELSスペクトルを示し、図8(b)は、個々のBNナノオニオンの中心からのEELSスペクトルを示す。
図9図9は、ナノプレートレットのEDSスペクトルおよびBN剥離シートのEDSスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、窒化ホウ素ナノ構造体を製造する方法を提供する。窒化ホウ素「ナノ構造体」は、少なくとも1つの寸法が100nm未満である窒化ホウ素の物理的形態を意味する。
【0025】
本発明による方法によって、様々な窒化ホウ素ナノ構造体を製造することができる。これらのナノ構造体として、ナノホーン、ナノロッド、ナノシート、ナノプレートレット、およびナノオニオンが挙げられる。
【0026】
本発明による方法は、驚くべきことに、窒化ホウ素ナノオニオン構造を製造するのに特に好適であるということが分かっている。
【0027】
本発明の一実施形態において、製造されたナノ構造体はナノオニオン構造を含む。
【0028】
理論による限定を望むものではないが、ランプアブレーションからの非コヒーレント光の放射によって、前記ナノオニオン構造体が形成されると考えられており、前記非コヒーレント光の放射が窒化ホウ素前駆体材料に作用すると、より薄い窒化ホウ素ナノシートへと剥離する板状円形ナノ構造体が生成される。その後、窒化ホウ素ナノシートは、転位して、より安定したナノオニオン構造となる。
【0029】
本発明の方法によるナノオニオン構造の形成メカニズムを、図1に概略的に示す。図1を参照すると、h-BNは、前駆体材料として使用され、ランプアブレーションされる。この前駆体材料は、まず、より薄い窒化ホウ素ナノシートへと剥離する板状円形窒化ホウ素ナノ構造体を形成すると考えられる。その後、窒化ホウ素ナノシートは、転位して、より安定したナノオニオン構造となると考えられる。以下の実施例でより詳細に説明するが、このような提案は実験証拠によって支持され、この実験証拠によって、剥離窒化ホウ素ナノシートが整列している、不完全に閉じたナノオニオンを識別した。
【0030】
本発明による方法の利点は、かなりの割合の窒化ホウ素ナノオニオン構造を製造することができることである。
【0031】
一実施形態において、製造されたナノ構造体は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、または、少なくとも95wt%のナノオニオン構造を含む。
【0032】
当業者には周知のことであるが、窒化ホウ素ナノオニオンは、窒化ホウ素シートからなる同心シェルを含むナノ球構造体を有する。
【0033】
ナノオニオン構造体は、中空状であってもよい。
【0034】
一実施形態において、製造されたナノ構造体の寸法はすべて、100nm未満である。
【0035】
別の実施形態において、製造されたナノ構造体は、平均径が約15nm~約80nm、または約20nm~約60nmであるナノオニオン構造を含む。
【0036】
本発明によって製造されたナノ構造体は、結晶であってもよい。
【0037】
本発明によって製造されたナノ構造体は、当業者に既知の特徴を有する。たとえば、ナノホーン構造は、突起状の中空チューブであり、一端は開口し、もう一端は先細りして閉じている。ナノホーンの平均長は、典型的には、約10nmであり、平均径は約5nmである。ナノロッドの平均長は、典型的には、約15nmであり、平均径は約5nmである。ナノシートの最大平均長は、典型的には、約50nmである。
【0038】
本発明による方法は、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションすることを含む。「前駆体材料」とは、窒化ホウ素ナノ構造体を形成するようにランプアブレーションされる窒化ホウ素原料物質を意味する。
【0039】
当業者には、窒化ホウ素が多様な形態で存在することは理解されよう。たとえば、窒化ホウ素は、非晶質、六方晶、立方晶、およびウルツ鉱型の形態で存在しうる。
【0040】
本発明により使用されうる窒化ホウ素前駆体材料の種類は、特に限定されない。
【0041】
一実施形態において、本発明によりランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、非晶質窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ウルツ鉱型窒化ホウ素、または、これらのうち2つ以上の組み合わせを含む。
【0042】
別の実施形態において、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、六方晶窒化ホウ素を含む。
【0043】
典型的には、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、粉末状であろう。
【0044】
ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、それ自体が窒化ホウ素ナノ構造体を含んでもよく、または、窒化ホウ素ナノ構造体の形態をとっていてもよい。窒化ホウ素前駆体材料が窒化ホウ素ナノ構造体を含む場合、(前駆体材料としての)前記ナノ構造体が本発明によりランプアブレーションされると、前記ナノ構造体は、異なるナノ構造体に形質転換または変換されるであろうことは理解されよう。たとえば、窒化ホウ素前駆体材料が窒化ホウ素ナノホーンを含む場合、ナノホーン構造体が本発明によりランプアブレーションされると、前記ナノホーン構造体はナノオニオン構造体などの異なるナノ構造体に形質転換または変換されるであろう。したがって、窒化ホウ素前駆体材料それ自体が窒化ホウ素ナノ構造体を含む場合であっても、本発明による方法によって、窒化ホウ素ナノ構造体が製造される。
【0045】
一実施形態において、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、窒化ホウ素ナノホーン、窒化ホウ素ナノロッド、窒化ホウ素ナノチューブ、窒化ホウ素ナノシート、窒化ホウ素ナノプレートレット、窒化ホウ素ナノオニオン、またはこれらのうち2つ以上の組み合わせを含む。
【0046】
本発明による方法は、窒化ホウ素前駆体材料を断熱的放射遮蔽環境内でランプアブレーションすることを含む。理論による限定を望むものではないが、断熱的放射遮蔽環境は、窒化ホウ素ナノ構造体を提供する上で重要な要因であると考えられる。
【0047】
放射遮蔽環境が「断熱的」であるということは、放射遮蔽環境から失われる熱が、実質的にない、またはほとんどないことを意味する。この文脈において、「環境」は、好適な放射遮蔽材の境界によって定められる空間を意味するよう意図されている。したがって、放射遮蔽材は、熱損失に対して高効率の絶縁バリアとして機能する。当業者は、そのような放射遮蔽環境を提供しうる材料に精通している。好適な放射遮蔽環境の例について本明細書で説明する。
【0048】
断熱的放射遮蔽環境は、容器の形態をとってもよい。
【0049】
前記容器は、密閉され、かつ、2つ以上の材料層を有していてもよく、前記材料層は、それぞれ、間隔をおいて配置され、かつ、密閉されている。各々密閉され、かつ、間隔をおいて配置されている複数の材料層によって、断熱的放射遮蔽環境が形成される。理論による限定を望むものではないが、断熱的放射遮蔽環境は、アニーリング熱処理と同様に高温でアブレーションされた製品の徐冷を促進すると考えられる。その結果、独特のナノ構造体を形成することが可能になると考えられる。
【0050】
断熱的放射遮蔽環境は、部分的に不透明または半透明であってもよいが、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションするために、ランプ放射に対して実質的に透明なセクションを有する必要があることは当然であろう。たとえば、断熱的放射遮蔽環境は、アンプルなどの容器の形態をとってもよいが、その場合、少なくとも容器の一部、たとえば窒化ホウ素前駆体材料が位置する容器の先端などがランプ放射に対して透明である。ランプ放射に対して透明である容器部分は、典型的には、ランプの焦点に位置するか、または近い場所に位置するであろう。
【0051】
本発明による使用に好適な断熱的放射遮蔽環境の一例を図3に示す。図3(a)および図3(b)は、間隔をおいて配置された複数の密閉層を備えるアンプル構成の形をとる断熱的放射遮蔽環境を示す。図3(a)および図3(b)において、(10)は、窒化ホウ素前駆体材料を示し、(20)は、溶融石英からなる密閉内層を示し、(30)は、溶融石英からなる密閉外層を示す。示した容器部分は、ランプ放射に対して透明である。
【0052】
一実施形態において、断熱的放射遮蔽環境は、溶融石英で形成された部分を含む容器の形態をとる。
【0053】
前記溶融石英は、ランプ放射に対して透明であろう。
【0054】
使用する溶融石英は、赤外(infrared:IR)透過率が高いことが好ましい。
【0055】
好適な溶融石英として、たとえば、グレードGE214およびGE214Aが挙げられる。
【0056】
通常、窒化ホウ素前駆体材料は、ランプアブレーションされ前に、断熱的放射遮蔽環境内に封入されるであろう。通常、密閉前に、断熱的放射遮蔽環境を真空にするであろう。
【0057】
たとえば、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料を、石英ガラス製のチューブまたはアンプルに真空封入する方法で、断熱的放射遮蔽環境内に配置してもよい。
【0058】
一実施形態において、大気圧未満の圧力で、窒化ホウ素前駆体材料のランプアブレーションを実施する。たとえば、前記圧力は、約100mbar~約1×10-3mbarの範囲内でもよい。
【0059】
窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションする前に、窒化ホウ素前駆体材料から、あらゆる水分を除去することが望ましい。
【0060】
一実施形態において、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料は、実質的には無水である。
【0061】
不活性雰囲気下で、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションすることが望ましい。
【0062】
一実施形態において、不活性雰囲気下で、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションする。
【0063】
不活性雰囲気は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスによるものであってもよい。
【0064】
窒化ホウ素前駆体材料を断熱的放射遮蔽環境にどのように物理的に配置するかによって、前記前駆体材料がランプ放射に最大限曝露されるようにランプ放射の中で窒化ホウ素前駆体材料を回転させる、または、窒化ホウ素前駆体材料を中心にランプ放射を回転させることが必要となりうる。たとえば、断熱的放射遮蔽環境がチューブまたはアンプルなどの容器である場合、そのチューブまたはアンプルをランプ放射の中で単に回転させられるであろう。
【0065】
一実施形態において、ランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料を、ランプ放射の中で回転させる。
【0066】
別の実施形態において、窒化ホウ素前駆体材料を中心にランプ放射を回転させる。
【0067】
本発明の重要な特徴は、窒化ホウ素ナノ構造体の形成を促進するために、ランプアブレーションを利用することである。
【0068】
ランプアブレーションは、当業界で既知の技術であり、ガス放電ランプの放射を集束することで得られる高エネルギー非コヒーレント光源にターゲット試料を当てることを伴う。
【0069】
ガス放電ランプは、典型的には、アルゴン、ネオン、クリプトン、およびキセノンなど、1種類以上の希ガスを含む。前記ランプは、水銀またはナトリウムなど、1種類以上の他の材料を、さらに含んでもよい。また、ガス放電ランプとしては、いわゆるメタルハライドランプも挙げられる。
【0070】
一実施形態において、ランプアブレーションは、キセノンランプ、キセノン水銀ランプ、高圧水銀ランプ、またはメタルハライドランプを用いて実施される。
【0071】
ランプアブレーションで使用するランプは、光エネルギーを放射する。この光エネルギーを、便宜上、ランプ放射と称してもよい。
【0072】
一般に、本発明によるランプ放射のために使用するランプの発光効率は、約15~約50lm/Wの範囲内であろう。
【0073】
一般に、ランプのワット数は、約75W~10,000Wの範囲内であることが好ましい。
【0074】
一実施形態において、ランプアブレーションに使用するランプは、約4,000W~約10,000W、約6,000W~約10,000W、または、約7,000W~約10,000Wの範囲内である。
【0075】
一般に、ランプ放射の色温度は、約5,000K~約6,200Kの範囲内であろう。
【0076】
一実施形態において、ランプ放射の色温度は、約6,000Kである。
【0077】
別の実施形態において、約1,400℃~約3,500℃の範囲の温度で、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションする。
【0078】
ランプからのランプアブレーション放射を行うと、典型的には、1つ以上の表面から反射して焦点を形成する。本発明によるランプアブレーションを促進するように、前記焦点または前記焦点の近くに位置する断熱的放射遮蔽環境内に、窒化ホウ素前駆体材料を配置してもよい。典型的には、断熱的放射遮蔽環境内には温度勾配があり、最も高温のポイントは、通常、ランプの焦点に位置するか、またはその近くに位置し、断熱的放射遮蔽環境の残りの部分は、ランプの焦点から離れるにつれて、より低温になる。
【0079】
窒化ホウ素ナノ構造体、特にナノオニオン構造体は、ランプの焦点から少し離れた位置にある(すなわち、断熱的放射遮蔽環境内の最も高温の領域から少し離れた位置にある)断熱的放射遮蔽環境内に形成されることが多いであろう。
【0080】
一実施形態において、窒化ホウ素前駆体材料は、ランプアブレーションの焦点に位置するか、または前記焦点に近い場所に位置する断熱的放射遮蔽環境内に配置され、窒化ホウ素ナノ構造体、たとえば、ナノオニオン構造体は、焦点から約6cm~約30cm、約8cm~約12cm、約12cm~約16cm、または約16cm~約20cm離れた位置にある断熱的放射遮蔽環境内に形成される。
【0081】
窒化ホウ素前駆体材料がランプアブレーションの焦点に「近い」場所に位置するとは、ランプアブレーションを行うのに十分に焦点に近い放射遮蔽環境内に、前記材料が位置することを意味する。本発明を実施するように配置された窒化ホウ素前駆体材料を含む放射遮蔽環境の焦点からの距離は、ランプ放射強度に依存して変動しうる。放射遮蔽環境内の温度が、放射遮蔽環境内に配置される窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションするのに十分に高くなくてはならないことがキーポイントとなる。上述したように、焦点から離れるにつれて、温度は下がる。窒化ホウ素前駆体材料を含む放射遮蔽環境が焦点の位置に配置されない場合は、一般に、焦点から約2cmまたは1.5cm以内の場所に放射遮蔽環境が配置されるであろう。
【0082】
本発明は、当業界において既知のランプアブレーション装置を用いて実施することができる。たとえば、ランプ放射を再現かつ集束するために楕円反射面鏡を用いてランプアブレーション装置に提供してもよい。
【0083】
本発明による使用に好適なランプアブレーション装置の一例を、図2(a)および図2(b)に示す。図2(a)は、本発明による使用に好適なランプアブレーション装置の画像であり、図2(b)は、図2(a)において強調表示した部分の概略図である。図2(b)は、焦点にランプ放射を向ける楕円面鏡アセンブリに囲まれたランプの概略図である。本発明によりランプアブレーションされる窒化ホウ素前駆体材料を含み、真空密閉されたチューブ/アンプルの形をとる断熱的放射遮蔽環境は、前記焦点に位置する。
【0084】
上述したように、本発明によりランプアブレーションを実施する際、ランプ放射に窒化ホウ素前駆体材料が最大限曝露されることが望ましい。それは、ランプ放射の中で窒化ホウ素前駆体材料を回転させることで達成しうる。たとえば、図2(b)に示すアンプル/チューブを回転させることによって達成することができる。または、窒化ホウ素前駆体材料を中心にランプアブレーション装置を回転させてもよい。
【0085】
窒化ホウ素前駆体材料がランプアブレーションに曝露される時間は、窒化ホウ素前駆体材料の量やランプアブレーション装置の種類などの要因に依存して変化する。当業者は、使用する特定の装置および条件に基づいて、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションするのに好適な時間を容易に決定することができる。
【0086】
一実施形態において、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、または、少なくとも60分間、窒化ホウ素前駆体材料をランプアブレーションする。
【0087】
必要に応じて、窒化ホウ素前駆体材料が、ランプアブレーションに、複数回、曝露されてもよい。言いかえれば、ランプアブレーションを、窒化ホウ素前駆体材料に対して、複数回、実施してもよい。
【0088】
本発明の方法によって製造された窒化ホウ素ナノ構造体の用途は、特に限定されない。本発明の方法は窒化ホウ素ナノオニオン構造体を製造するのに特に好適であるので、前記方法によって製造した製品を、乾燥/固体潤滑剤として有利に使用することができる。また、本発明の方法によって製造されたナノ構造体を、耐摩耗性材料のために使用してもよい。
【0089】
下記の本発明は、下記の非限定的な実施例を参照して以下に説明する。
実施例
装置
図2に示すような装置を使用して、ランプアブレーションを実施した。大きな楕円反射面鏡は、焦点に位置する定格7kWの連続する超高輝度のキセノンショートアーク放電ランプ内部において、ランプ由来のプラズマの出力密度を再現する。メーカーのランプ放射輝度データをレイトレースシミュレーション結果と統合することによって推測すると、焦点領域におけるピーク放射照度は、300mm以下の領域上で6W/mm以下であった。
【0090】
一般手順
使用した窒化ホウ素前駆体パウダーは分析グレードh-BNであり、前記窒化ホウ素前駆体パウダーを、各々密閉した2つの溶融石英層からなる真空状態の石英アンプルに封入した。可能な限り多量の前駆体パウダーを、直接、確実に放射するように、放射したアンプルを60秒毎に180°以下回転させた。別の実験では、ランプアブレーションを連続して30分間および50分間実施した。
【0091】
次に、アンプルを数個のセクションへと切断し、各セクションを個別に分析した。アブレーションされた製品を高純度エタノールと混合し、その結果生じた溶液を使用して試料を調製した。前記試料を、透過型電子顕微鏡(FEI Titan G2 80-200 TEM/STEM, JEOL 2100 TEM)および走査電子顕微鏡(Verios XHR SEM)で分析した。
【0092】
結果および考察
製品ナノ構造体とBN前駆体材料とを区別するために、まず、h-BN前駆体パウダーのTEM画像(図4(a))とSEM画像(図4(b))を作成した。これらの画像によって、前駆体が特異な六方晶形を有し、高純度であることが確認される。図4(c)は、X線回折(X-Ray Diffraction:XRD)パターンを示す。前記パターンにおいて、d-間隔での5つのピーク、3.32805Å、2.16692Å、2.06206Å、1.81562Å、および1.66521Åを、それぞれ、(002)面、(100)面、(101)面、(102)面、および(004)面に対するh-BNとして示すことができる。格子定数は、a=2.502Å、c=6.656Åであり、これらは、文献値、a=2.5044、c=6.6562(JCPDSカードNo.34-421)に近似する。
【0093】
ナノペレットは、後述するナノオニオンと比較して、ランプの焦点に、より近い位置で観察された。また、ナノペレットは、前駆体BN材料から最終ナノ構造体への形質転換において、中間段階にあるように見えた。エネルギー分散型X線分光(Energy-Dispersive x-ray Spectroscopy:EDS)スペクトル(図5)によって、ナノ構造体が主にホウ素と窒素とを含むという事実が証明される。
【0094】
ランプ焦点から約12~16cm離れた位置にある石英アンプルセクションに、直径50~100nmの中空BNナノ球体(ナノオニオン)の顕著なクラスターがあることが判明した。
【0095】
30分間のアブレーション実験の結果、BNナノオニオンが、主に、焦点領域から同様の距離(12~16cm)だけ離れた位置で観察されたなど、50分間の曝露と比較して顕著な相違はなかった。前記構造体の直径は、20~60nmの範囲内である。適用した放射時間の差異による、ナノオニオンの寸法または形状への大きな影響は認められなかった。エネルギー分散型X線分光(EDS)スペクトル(図6)によって、ナノオニオンが主にホウ素と窒素を含むという事実が証明される。EDSスペクトル(図6)における炭素および銅の外観は、多孔質炭素フィルムを有する銅TEMグリッドからの背景として説明することができる。シリコンおよび酸素の存在は、試料調製中にアンプルを切断して製造した小さな石英破片によるものである。
【0096】
図7(a)は、BNナノオニオンの壁に沿って得たプロファイルを示す。FFT(図示せず)は、ラインプロファイルと共に、0.335nmの中間層間隔を推測するために使用される。前記中間層間隔は、h-BNの確立した(002)格子面間隔とよく一致する。図7(b)は、単一のナノオニオンのラインプロファイルを示す。前記プロファイルにおけるカウント数の変化は、相対厚と密接に関係し、ナノオニオンが実際に中空であることを強調する。
【0097】
BNナノオニオンの電子エネルギー損失分光(Electron Energy Loss Spectroscopy:EELS)分析によって、BおよびNの特異な吸収ピーク、すなわち、188eVおよび401eVでの特徴的なKシェルイオン化端が示される。BおよびNのK端の急峻なπおよびσピークは、sp結合の構成に特有であり、h-BN構造を明確に示す。284eVでの炭素吸収ピークは、TEM銅グリッド上の炭素フィルムに起因しうる。
【0098】
スペクトルの定量分析は、B/N原子数比が1.00±0.02であることを示す。EELSスペクトルにおける、ナノオニオンの壁(図8(a))および中心(図8(b))間でのπおよびσピークの相対強度の変化は、EELS微量分析においてsp混成BNの配向に影響を受けやすい性質によるものである。
【0099】
様々な他のBNナノ構造体は、アンプルの同じ領域、主にナノプレートレットや剥離ナノシートにおいて観察された。ナノプレートレットは、直径約50nmの二次元のものである。完全には閉じていない多くのナノオニオン構造体は、剥離シートの端の周辺で観察された。
【0100】
ナノホーンやナノロッドなどの、微細なナノ構造体も観察された。
【0101】
さらに、ナノロッドおよび同心チューブ状のナノ構造体も観察された。
【0102】
ナノプレートレットおよびナノシートの両方に存在する元素は、図9のEDSスペクトルから明らかで、BおよびNが他を圧している。SiおよびOの存在は、切断された石英反応器アンプル(上記参照)からの破片に帰すると考えられうる。また、Cの存在は、銅TEMグリッド上の炭素フィルムによるものである。
【0103】
理論による限定を望むものではないが、実験観察(図1)と矛盾しないナノ構造体の形成メカニズムは、剥離および蒸発したh-BNが凝縮して様々な構造となり、これらの構造が、形態を変化させて、より低いエネルギーの中空ナノオニオンを形成するというものである。h-BN前駆体は、最初に、板状で円形のBNナノ構造体を形成することができ、この構造体は、剥離して、より薄いBNシートとなる。その後、転位して、ランプの焦点から少し離れた位置にある容器のより冷涼なセクションで、より安定したナノオニオンとなる。アブレーションされた材料の徐冷を可能にする容器内の断熱的放射遮蔽環境によって、光熱形質転換が行われる。それを支持する証拠は、剥離シートが整列している多くの不完全に閉じたナノオニオンが観察されたことに基づき、剥離シートと板状ナノ構造体の両方が、ナノオニオンに匹敵する寸法を有することである。
【0104】
本明細書および下記の請求項全体にわたって、特段、文脈で要求しない限り、用語「comprise(含む)」、およびその変形である「comprises」や「comprising」などは、明記した整数、明記したステップ、または、整数もしくはステップからなる明記したグループを包含することを示唆するが、他の整数、他のステップ、または、整数もしくはステップからなる他のグループを除外することを示唆しないことは理解されよう。
【0105】
いずれの先行刊行物(もしくはその刊行物から得た情報)またはいずれの既知の事項への本明細書における参照は、認知もしくは承認、または、本明細書が関連する試みの範囲において前記先行刊行物(もしくはその刊行物から得た情報)または既知の事項が通常の一般的知識の部分を形成するという示唆のいずれの形態としても、解釈されることはなく、また、解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9