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特許7621588PET-CT画像を用いるアルツハイモ疾患の診断方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】PET-CT画像を用いるアルツハイモ疾患の診断方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20250120BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
G01T1/161 A
A61B6/03 577
A61B6/03 560J
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023507818
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2020017362
(87)【国際公開番号】W WO2022030692
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0096623
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512250119
【氏名又は名称】サムスン ライフ パブリック ウェルフェア ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウォン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ス・ジョン・キム
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-517030(JP,A)
【文献】特表2018-528398(JP,A)
【文献】国際公開第2019/155428(WO,A1)
【文献】CHO et al.,A new Centiloid method for 18F-florbetaben and 18F-flutemetamol PET without conversion to PiB,European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging,2019年12月13日,47,1938-1948
【文献】PRESOTTO et al.,Low-dose CT for the spatial normalization of PET images: A validation procedure for amyloid-PET semi-quantification,NeuroImage: Clinical,2018年07月19日,20,153-160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161-1/166
A61B 6/00-6/58
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断装置によって行われる、アルツハイマー病の診断方法であって、
前記診断装置は、テンプレート生成部と、細部領域識別部と、センチロイド算出部と、を備え、
前記テンプレート生成部が、PET-CT装置から算出されたCT画像に基づいて、MNI(Montreal Neurological Institute)領域で標準脳CTテンプレートを生成する過程と、
前記細部領域識別部が、前記標準脳CTテンプレートに基づいて、βアミロイドタンパク質の沈着が一定値以上である皮質ROI(cortex ROI)領域中から、複数の細部領域の全体皮質ボリューム(whole cortex volume of interest、VOI)を算出する過程であって、前記皮質ROI領域は、アルツハイマー病の患者グループと対照群グループのPET-CT画像をCT誘導空間正規化(CT guided spatial normalization)することによって算出され、前記複数の細部領域の全体皮質ボリュームは、正規化された 18 F-florbetaben(FBB)のPET画像及び正規化された 18 F-flutemetamol(FMM)のPET画像の両方においてアミロイド蓄積領域を有する、過程と、
前記センチロイド算出部が、前記複数の細部領域それぞれの全体皮質ボリュームに基づいてアミロイド沈着率(Standardized uptake value ratio、SUVR)を算出し、前記アミロイド沈着率(Standardized uptake value ratio、SUVR)に基づいて、前記複数の細部領域それぞれのセンチロイドを算出する過程と、を含み、
前記複数の細部領域は、前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂皮質、後頭部皮質、後帯状皮質、線条体皮質、および島皮質のうち少なくとも二つ以上を含む、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法。
【請求項2】
前記センチロイドは、前記アミロイド沈着率に第1既算出値を実数倍した結果値から第2既算出値を差し引いた値で算出される、請求項1に記載のPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法。
【請求項3】
PET-CT画像は、βアミロイドPET装置の結果物であって、PET画像及びCT画像それぞれを含む、請求項1に記載のPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法。
【請求項4】
PET-CT装置から算出されたCT画像に基づいて、MNI(Montreal Neurological Institute)領域で標準脳CTテンプレートを生成するテンプレート生成部と、
前記標準脳CTテンプレートに基づいて、βアミロイドタンパク質の沈着が一定値以上である皮質ROI(cortex ROI)領域中から、複数の細部領域の全体皮質ボリューム(whole cortex volume of interest、VOI)を算出する細部領域識別部であって、前記皮質ROI領域は、アルツハイマー病の患者グループと対照群グループのPET-CT画像をCT誘導空間正規化(CT guided spatial normalization)することによって算出され、前記複数の細部領域の全体皮質ボリュームは、正規化された 18 F-florbetaben(FBB)のPET画像及び正規化された 18 F-flutemetamol(FMM)のPET画像の両方においてアミロイド蓄積領域を有する、細部領域識別部と、
前記複数の細部領域それぞれの全体皮質ボリュームに基づいてアミロイド沈着率(Standardized uptake value ratio、SUVR)を算出し、前記アミロイド沈着率(Standardized uptake value ratio、SUVR)に基づいて、前記複数の細部領域それぞれのセンチロイドを算出するセンチロイド算出部と、を備え、
前記複数の細部領域は、前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂皮質、後頭部皮質、後帯状皮質、線条体皮質、および島皮質のうち少なくとも二つ以上を含む、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置。
【請求項5】
前記センチロイドは、前記アミロイド沈着率に第5既算出値を実数倍した結果値から第2既算出値を差し引いた値で算出される、請求項4に記載のPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置。
【請求項6】
PET-CT画像は、βアミロイドPET装置の結果物であって、PET画像及びCT画像それぞれを含む、請求項4に記載のPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センチロイド(centiloid)に基づいてアルツハイマー病(Alzheimer’s Disease、AD)を診断する方法及びその装置に係り、さらに詳細には、PET-CTスキャナの出力結果である、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、高齢化の進行と共に、アルツハイマー病(AD)による認知機能の障害を持つ人口が増加しつつある。現在まで開発された大部分のアルツハイマー病の治療剤は、コリンエステラーゼ阻害剤(cholinesterase Inhibitor、ChEI)がほとんどであり、その外にNMDA受容体拮抗剤(N-methyl-D-aspartate receptor antagonist)があるが、これらの治療剤は、疾患の初期段階で効能を持つという限界がある。
【0003】
一方、アルツハイマー病の原因と知られているタンパク質として、タウ(tau)タンパク質及びβアミロイドタンパク質(amyloid-β、Aβ、「アミロイドβ」または「アミロイド」とも称する)などがある。これらの原因タンパク質が脳に蓄積されるかどうかによってアルツハイマー病の進行程度が判断され、かつ認知機能の低下が予測されることができて、これらの原因タンパク質は、アルツハイマー病のバイオマーカーとしての役割を行える。
【0004】
アルツハイマー病の進行速度を緩めるために、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment、MCI)及びアルツハイマー病の初期診断の必要性があり、バイオマーカーとして、これらの原因タンパク質の鑑別が重要になっている。
【0005】
そのうち、βアミロイドの鑑別のために、認知機能を評価するための神経心理的要因、遺伝学的要因、高齢者人口統計学的要因、磁気共鳴撮像(Magnetic Resonance Imaging、MRI)、コンピュータ断層撮影(Computer Tomography、CT)、陽電子放出型断層撮影(Positron Emission Tomography、PET)、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography、SPECT)、PET-CTなどの脳画像基盤のツールなど、様々なツールの結果情報を分析の変数として使用することができ、徐々にβアミロイドの鑑別ツールは多様化している。
【0006】
これに関連して、従来の韓国公開特許第10-2019-0067477号(アミロイドPET画像を用いたアルツハイマー型認知症の測定方法および装置)は、脳のアミロイド沈着率に関するデータを取得して沈着率を分析し、脳の皮質下部構造物のアミロイド沈着率に基づいて、患者を、既定の複数のグループのうちいずれか一つのグループに分類し、かつ病気を推定する過程を開示しているが、これは、患者ごとに脳部位にアミロイドが沈着する程度が異なる事情を考慮できず、アミロイドPETについての分析方法の差や診断用放射誠意薬品の差により定量値が変動するという限界がある。
【0007】
よって、アミロイドの沈着程度を判断するために、定量値の変動を低減させることができる、標準化された情報であるセンチロイドを考慮する必要があり、センチロイドを考慮するに際して脳の細部領域ごとの沈着程度を考慮する方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したような問題を解決するために、本発明の一実施形態による、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置は、MRI検査を行わずにPET-CT装置による画像のみを用いて脳の細部領域別のセンチロイドを算出し、算出された細部領域別のセンチロイドを用いてアルツハイマー病を診断する方法及びその装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態による、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法は、PET-CT装置から算出されたCT画像に基づいて、MNI(Montreal Neurological Institute)領域で標準脳CTテンプレートを生成する過程と、前記標準脳CTテンプレートに基づいて、βアミロイドタンパク質の沈着が一定値以上である皮質ROI(cortex ROI)領域中から、18F-florbetaben(FBB)及び18F-flutemetamol(FMM)に共通で使われうる複数の細部領域の全体皮質ボリューム(whole cortex volume of interest、VOI)を算出する過程と、前記複数の細部領域それぞれの全体皮質ボリューム及びアミロイド沈着率(Standardized uptake value ratio、SUVR)に基づいて、前記複数の細部領域それぞれのセンチロイドを算出する過程と、を含む。
【0010】
実施形態によって、前記複数の細部領域は、前頭葉皮質(Frontal)、側頭葉皮質(Temporal)、頭頂皮質(parietal)、後頭部皮質(Occipital)、後帯状皮質(Posterior cingulate)、線条体皮質(Striatum)、および島皮質(Insula and cingulum)のうち少なくとも二つ以上を含む。
【0011】
実施形態によって、前記PET-CT画像は、放射性医薬品トレーサとして、18F-FBBまたは18F-FMMのうちいずれか一つを使って算出される。
【0012】
実施形態によって、前記センチロイドは、前記アミロイド沈着率に第1既算出値を実数倍した結果値から第2既算出値を差し引いた値で算出される。
【0013】
実施形態によって、PET-CT画像は、βアミロイドPET装置の結果物であって、PET画像及びCT画像それぞれを含む。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態による、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、PET-CT装置から算出されたCT画像に基づいて、MNI領域で標準脳CTテンプレートを生成するテンプレート生成部と、前記標準脳CTテンプレートに基づいてβアミロイドタンパク質の沈着が一定値以上である皮質ROI領域中から、18F-FBB及び18F-FMMに共通で使われうる複数の細部領域の全体皮質ボリューム(VOI)を算出する細部領域識別部と、前記複数の細部領域それぞれの全体皮質ボリューム及びアミロイド沈着率(SUVR)に基づいて、前記複数の細部領域それぞれのセンチロイドを算出するセンチロイド算出部と、を備える。
【0015】
実施形態によって、前記複数の細部領域は、前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂皮質、後頭部皮質、後帯状皮質、線条体皮質、および島皮質のうち少なくとも二つ以上を含む。
【0016】
実施形態によって、前記PET-CT画像は、放射性医薬品トレーサとして、18F-FBBまたは18F-FMMのうちいずれか一つを使って算出される。
【0017】
実施形態によって、前記センチロイドは、前記アミロイド沈着率に第1既算出値を実数倍した結果値から第2既算出値を差し引いた値で算出される。
【0018】
実施形態によって、PET-CT画像は、βアミロイドPET装置の結果物であって、PET画像及びCT画像それぞれを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態として提供される、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置は、MRI検査を受けられない患者をも対象として、βアミロイドを原因とするアルツハイマー病を診断することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態として提供される、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置は、MRI検査結果を用いないため、アルツハイマー病の診断にかかる費用及び時間を低減させることができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態として提供される、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置は、脳の細部領域別のセンチロイドに基づくため、患者ごとに脳部位にアミロイドが沈着する程度が相異なる事情を考慮することができて、アルツハイマー病の診断の正確度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法を説明するためのフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置を説明するための構造図である。
図3】本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置を検証するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態によるMR基盤方法によるグローバルCTX VOIと、CT基盤方法によるグローバルCTX VOIとを用いる、dcSUVRsとdcCLとの相関関係を説明するための図面である。
図5】本発明の一実施形態による7個の細部領域についてのセンチロイドの相関関係の分析が、CT基盤方法とMR基盤方法との間で行われることを説明するための図面である。
図6】本発明の一実施形態によるCT基盤方法で得た標準全域皮質標的VOIと、dcCLを使って得たセンチロイドとの線形相関関係を説明するための図面である。
図7】本発明の一実施形態によるMR基盤方法で得た標準全域皮質標的VOIと、dcCLを使って得たセンチロイドとの線形相関関係を説明するための図面である。
図8】本発明の一実施形態による7個の細部領域について、FBBが適用されたSUVRとセンチロイドとの線形関係を説明するための図面である。
図9】本発明の一実施形態による7個の細部領域について、FMMが適用されたSUVRとセンチロイドとの線形関係を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明で使われる用語について簡単に説明し、本発明を実施するための具体的な内容として、本発明の望ましい実施形態の構成及び作用について具体的に説明する。
【0024】
本発明で使われる用語としては、本発明での機能を鑑みてなるべく現在広く使われている一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新しい技術の出現などによって変わりうる。また、特定の場合には、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。よって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持っている意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0025】
明細書の全般にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。また、明細書に記載の「…部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで具現されるか、またはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現される。また、明細書の全般にわたって、ある部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは「直接的に連結」されている場合だけではなく、「その間に他の構成を介して」連結されている場合も含む。
【0026】
以下では、添付した図面を参照して当業者が容易に実施するように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明はいろいろな相異なる形態に具現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明らかに説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書の全般にわたって類似した部分については、類似した図面符号を付けた。
【0027】
アルツハイマー病の原因と知られているタンパク質として、タウタンパク質またはβアミロイドが知られており、これらの原因タンパク質が脳に蓄積するかどうかによってアルツハイマー病の進行程度が判断され、これらの原因タンパク質は、アルツハイマー病のバイオマーカーとしての役割を行える。βアミロイドの鑑別、すなわち、βアミロイドが脳に蓄積するかどうかを測定するために、磁気共鳴撮像(MRI)装置、コンピュータ断層撮影(CT)装置、陽電子放出型断層撮影(PET)装置、PET-CT装置(またはスキャナ)などの脳画像撮像装置が使われる。
【0028】
MRI装置の結果物または出力物は、MRI画像と称され、CT装置の結果物または出力物は、CT画像と称され、PET装置の結果物または出力物は、PET画像と称され、PET-CT装置の結果物または出力物は、PET-CT画像と称される。
【0029】
PET-CT装置は、PET装置とCT装置とが結合された装置であり、疾患の形態的な画像(CT画像)と機能的な画像(PET画像)とを一つの画像に共に生成することができ、CT画像及びPET画像を分離してそれぞれ生成及び出力する。PET-CT装置は、フュージョンCT(Fusion-CT)装置と称されることもある。PET-CT装置で使われるCT装置は、低線量(low dose)CT装置であってもよく、これによる画像及び内容は、一般のCT画像とは相異なってもよい。一般のCT装置は、人体の構造的な変化を探し出すのに対し、PET-CT装置は、構造的変化を引き起こす前の段階である生花学的な変化段階の状態を判断することができて、βアミロイドの蓄積によるアルツハイマー病の診断に好適である。
【0030】
通常的に、βアミロイドの蓄積を生体内(invivo)で測定するためにPET装置が使われており、PET装置は、アルツハイマー病の診断に重要なバイオマーカーとして使われており、その中でも、アミロイドPET装置が使われる。アミロイドPET装置は、脳に沈着するβアミロイドの存在または用量を測定するために使われる。アミロイドPET装置は、アミロイドとよく結合する物質と放射線同位元素(炭素放射線同位元素C11またはフッ素同位元素F18)とを結合させて、患者に注射して、脳に沈着したアミロイドの存在を確認する。
【0031】
一方、従来にアルツハイマー病を診断するためには、PET-CT装置からPET-CT画像を獲得して、MNI(Montreal Neurological Institute)領域に生成した標準脳CTテンプレートを、MRI画像に基づいて生成されたMNIテンプレートと比較して、両分析装置の相関関係を検証する過程が求められた。詳細には、従来には、アルツハイマー病の診断にセンチロイドが使われるが、さらに正確なセンチロイドを得るためには、PET-CT画像以外に患者の脳MRI画像が必要であり、アルツハイマー病の患者は、MRI装置及びPET装置を通じて二回の検査を受けねばならなかった。
【0032】
但し、MRI装置は、撮像時間が長くて閉鎖恐怖症のある患者には施行し難く、極めて少ない量であるとしても、金属性の人工歯牙、脊椎補形物などの金属物質を持っていれば、診断に妨げになり、かつ人工内耳や球形心拍動機などの作動を妨げるという欠点があり、結果的に、すべての患者にMRI装置を適用してMRI画像を撮像することができないため、PET-CT装置で得られる解剖学的なPET-CT画像のみに基づいてアルツハイマー病を診断するか、または、アルツハイマー病の診断のために使われるセンチロイドを測定する方法が必要である。
【0033】
本発明の一実施形態による、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置は、MRI装置の撮影なしに、PET-CT装置を通じる一回の撮影結果だけで脳の皮質を細部領域に区分して、細部領域それぞれについてのセンチロイドを算出し、これに基づいてアルツハイマー病を診断することができて、コスト低減と共に、MRI装置による撮像が困難である患者にセンチロイドというバイオマーカーを活用することで、アルツハイマー病を診断することができる。
【0034】
以下、図面を参考にして、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法を説明するための手順島であり、図2は、本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置を説明するための構造図である。
【0036】
図1のアルツハイマー病診断方法は、図2のアルツハイマー病診断装置によって行われるため、図1及び図2を共に説明する。
【0037】
図1を参照すれば、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置210の通信部211は、外部装置220から脳撮影画像を受信する(ステップS210)。実施形態によって、外部装置220は、脳画像撮像装置でもあり、例えば、MRI装置、CT装置、PET装置、PET-CT装置(またはスキャナ)のうちいずれか一つであり、望ましくは、PET-CT装置(またはアミロイドPET-CT装置またはアミロイドPET)でもある。
【0038】
実施形態によって、脳撮影画像は、PET-CT画像であってもよく、外部装置220とPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置210は、直接有線または無線通信を通じて脳撮影画像を送受信するか、または間接的に、それぞれ連結された病院内部システムを通じて脳撮影画像を送受信する。
【0039】
通信部211は、外部装置220から伝送された脳撮影画像を制御部212に伝達し、制御部212は、脳撮影画像を用いて脳の皮質領域を複数の細部領域に識別し、識別された複数の皮質の細部領域それぞれから、アミロイドの部分的な沈着を、標準化数値であるセンチロイドとして算出する。
【0040】
アミロイドPETにおいて、分析方法の差や追跡用放射性医薬品の差によって定量値の変動性があり、そのため標準化方法が必要になるにつれて、制御部212は、アミロイド陰性被験者の平均を0とし、典型的なアルツハイマー病の患者の平均を100とする基準に基づいて、アミロイドによって算出した標準化点数として、センチロイド(CL)を算出する。言い換えれば、センチロイドとは、いかなるアミロイドPETで得られた結果であるかに関係なく、確かなアミロイド陰性被験者の平均値を0と、典型的なアルツハイマー型認知症患者の平均値を100として点数化した単位を指示する。
【0041】
実施形態によって、制御部212は、伝達された脳撮影画像に基づいて、二つの放射性医薬品トレーサそれぞれのアミロイドPET-CT画像を生成または識別し、二つの放射性医薬品トレーサそれぞれのアミロイドPET-CT画像に共通に適用される複数の細部領域別のセンチロイドを算出する。実施形態によって、放射性医薬品トレーサは、アミロイドPETトレーサであり、例えば、二つの放射性医薬品トレーサは、18F-florbetaben(FBB)及び18F-flutemetamol(FMM)である。
【0042】
実施形態によって、制御部212は、アミロイドPET画像において、アミロイドβの沈着が主になされる脳の皮質領域から、センチロイドの定量値を算出する。
【0043】
実施形態によって、制御部212は、患者ごとに脳部位のアミロイドβ攝取が異なるため、これを細部的に分けて、アルツハイマー病の診断のための複数の細部領域別のセンチロイドを算出し、脳の皮質領域中で領域を分け、複数の細部領域別のセンチロイドを用いて、アルツハイマー病患者のPET画像から、アミロイドβの部分的領域の攝取を、標準化数値であるセンチロイドとして算出する。
【0044】
実施形態によって、制御部212は、小脳全体(Whole cerebellum)を参照領域とし、複数の細部領域それぞれのSUVR(standardized uptake value ratio)とセンチロイドを算出し、これを算出するための数式を、保存部214から伝達されて使う。アミロイドPET画像で沈着したアミロイドの量は、アミロイドのない領域を基準として、分析する領域のアミロイド量を相対的に定量して算出されるが、この時、アミロイドのない脳の領域を参照領域とし、適当な参照領域を設定して初めて定量が正確に行われる。一般的に、アルツハイマー病患者のアミロイドPET画像は、小脳領域を参照領域として分析する領域を補正するが、遺伝的なアルツハイマー病、プリオン病などの患者は、小脳でもアミロイド沈着が観察されるため、老人性アルツハイマー病以外の疾患では、参照領域として適していないこともある。
【0045】
実施形態によって、SUVRは、標準化されたPiB吸収率を指示する。PiB(Pittsburgh compound B、C-11ピッツバーグ化合物)は、βアミロイドトレーサであって、アミロイドPET用の放射誠意薬品である。脳に沈着したアミロイドにPiBが結合されて放射誠意薬品の攝取が増加することで、アミロイド沈着の程度を確認する。
【0046】
実施形態によって、制御部212は、正常人の集団から収集されたCT画像から算出されたMNIテンプレートに基づいて、MNI領域にある標準脳CTテンプレートを生成し、典型的なアルツハイマー病の患者グループと若い対照群グループのPET-CT画像をCT誘導空間正規化(CT guided spatial normalization)して、βアミロイドの沈着の高い全体皮質ROI(whole cortex ROI)を算出する。
【0047】
実施形態によって、制御部212は、アミロイドPET画像において、βアミロイド攝取の高い皮質ROIの中で、AAL atlasとの交集合演算として7個の皮質の細部領域を特定する。
【0048】
実施形態によって、制御部212は、アミロイドPET-CT画像に基づいて、βアミロイドの沈着または攝取の高い皮質ROIの中で、AAL(Automated anatomical labeling) atlas(「AAL地図」と称される)との交集合演算結果として、7個の細部領域を識別する。例えば、7個の細部領域は、前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂皮質、後頭部皮質、後帯状皮質、線条体皮質、および島皮質である。
【0049】
実施形態によって、CT誘導空間を正規化するということは、正規化補正する過程を含む。アミロイドの蓄積を測定するための対照群グループの設定及び方法については、図3で詳細に説明する。
【0050】
表1を参照すれば、制御部212は、複数の細部領域それぞれのSUVRとセンチロイド(CL)を算出し、センチロイドを直接変換するための数式を導出するか、または、これを算出するための数式を保存部214から伝達されて使う。
【0051】
【表1】
【0052】
実施形態によって、制御部212は、MRI画像を使って算出されたセンチロイドを最終検証してもよい。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態によるPET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断方法及びその装置を検証するためのフローチャートである。
【0054】
図3を参照すれば、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、PET-CT画像に基づいてセンチロイドを算出するために、先ず、実験参加者をグルーピングし、PET-CT装置によりPET-CT画像を確保する(ステップS310)。
【0055】
この時、実験参加者は、若い対照群(young controls、YC)、年寄り対照群(old controls、OC)、軽度認知障害(mild cognitive impairment、MCI)、硬度血管性認知症(subcortical vascular dementia)、アルツハイマー病(alzheimer’s disease dementia、ADD)の患者で構成される。実験参加者は、二つの放射性医薬品トレーサ(FBB及びFMM)が適用されたアミロイドPET装置による検査と、T1-加重磁気共鳴撮像(MRI)装置による検査を受ける。二つの放射性医薬品トレーサそれぞれによって、アミロイドが蓄積した全体皮質ボリューム(whole cortex volume of interest、VOI)を定義するために、前記実験参加者には、二つの放射性医薬品トレーサに対していずれもアミロイドPET陽性であるADD患者と、二つの放射性医薬品トレーサに対していずれもアミロイドPET陰性であるOC患者が含まれる。
【0056】
次いで、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、確保されたPET-CT画像を用いてセンチロイドを生成する。
【0057】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、SPM基盤の標準センチロイドプロセスによって、MNIテンプレート(MNI-152テンプレート)に個別MRI画像を共に登録した後、該MRI画像に個別PET-CT画像を共に登録する。実施形態によって、次いで、T1加重MRIのSPM8統合分割方式の変換パラメータを使って空間的に正規化する。
【0058】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、標準センチロイドグローバルターゲット皮質ボリューム(standard centiloid global cortical target volume of interest(CTX VOI))と、全体小脳(whole cerebellum、WC)マスクを使う。全体小脳(WC)は、FBB及びFMMPET画像についての定量的な分析において、基準領域として使われる。
【0059】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、空間的に正規化されたFBB及びFMM PET画像のSUVRパラメトリック画像を使って、アルツハイマー病患者(AD-CTX)と年寄り対照群(OC-CTX)でMR基盤FBB-FMMグローバルCTX VOIを生成する(ステップS320)。
【0060】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、FBB-FMMグローバルCTX VOIを生成するために、AD-CTXとOC-CTXとの差値に基づいてマスクが生成され、結果的に、FBBとFMM PETそれぞれのマスクが2個が生成される。
【0061】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、2個のマスクを交差し、交差されたマスクのしきい値を定めて、FBB及びFMM PETトレーサ用のアルツハイマー病に係る脳アミロイド蓄積の共通領域を持っているFBB-FMMグローバルCTX VOIを生成する。実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、それぞれMR基盤FBB-FMMCTX VOIと標準CTX VOIを使って個別dcSUVRとSUVR標準値を計算する。
【0062】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、脳CTテンプレートを構成し、PET画像とCT画像とを一つの画像に生成(co-registration)した後、CT誘導空間正規化のための標準脳CTテンプレートを生成する。PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、脳組職のHounsfield Unit(HU)校正を用いて、PET-CT画像から脳PET-CTテンプレートを作る。
【0063】
実施形態によって、脳CTテンプレートは、PET-CT画像の方向を変えるか、明暗を調節するか、またはガウス平滑(例えば、Gaussian smoothing 8mm)を適用することで生成される。
【0064】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、MNI空間で個別T1MR画像を空間的に正規化し、該HU校正されたCT画像にT1MR画像の空間正規化パラメータを適用する。HU校正されたCT画像(HU corrected Ct画像)は、引っ繰り返って対称テンプレートを生成する。
【0065】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、CT基盤FBB-FMMグローバルCTX VOIを生成する(ステップS330)。PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、個別CT画像についてHU補正処理を行う。FBBとFMMそれぞれのPET画像は、該HU補正CT画像に共に登録され、これらのPET画像は、生成された脳CTテンプレートによって、MNI空間についての各HU補正CT画像の正規化パラメータを使って空間的に正規化される。実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、正規化されたFBB及びFMMそれぞれのPET画像を使って、MR基盤FBB-FMM方法について前述したものと同じ方式で、FBB-FMMに共通で使われうるグローバルCTX VOI(「FBB-FMMグローバルCTX VOI」)を生成する。また、それぞれCT基盤グローバルFBB-FMMCTX VOIと標準CTX VOIを使って、個別dcSUVRとSUVR標準を計算する。SUVR標準(SUVR standard)は、Klunkの論文(2015、The centiloid project)で、PiBで生成されたCTX VOIで計算したSUVRを意味し、dcCLによって算出されたCTXとは相異なるCTXであってもよい。FBB-FMMグローバルCTX VOIは、Eur J Nucl Med Mol Imagingに掲載されている2020 Jul;47(8):1938-1948.doi:10.1007/s00259-019-04596-x.Epub 2019 Dec 13.の方法が適用され、ここで、ADCI、OCとして使われたが、本発明では、typical ADD、OCを持ってMRI画像なしにCT画像にFBB-FMM global CTX VOIを算出した点で差がある。
【0066】
実施形態によって、表2を参照すれば、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、センチロイドを算出するために、以前に算出されたFBB-FMMグローバルCTX VOI(FBB-FMM global CTX VOI)を使う。
【0067】
【表2】
【0068】
CT基盤FBB-FMMグローバルCTX VOIをFBB及びFMM PETに適用してdcSUVRを獲得し、MR基盤方法を使ってCT基盤センチロイドの有効性を検証することができる。
【0069】
【数1】
【0070】
数式1は、センチロイド(direct comparison of FBB-FMMCL、dcCL)計算に使われる。ここで、SUVRindは、すべてのYC-0とADD-100参加者の個別SUVR値を示し、SUVRYC-0とSUVRADD-100は、各グループの平均SUVR値を示す。
【0071】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、以前に生成されたFBB-FMMグローバルCTX VOIとの差値によって細部領域のセンチロイドを算出する(ステップS340)。細部領域VOIは、FBBとFMM PET及びAAL地図いずれでも高いアミロイド沈着を示す、生成されたFBB-FMMグローバルCTX VOIとの間に交差して定義される。FBB-FMMグローバルCTX VOIと交差する全体下位領域が使われ、その領域は、7個の細部領域として、前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂皮質、後頭部皮質、後帯状皮質、線条体皮質、および島皮質を含む。
【0072】
CT基盤及びMR基盤方法についての該地域の細部領域dcSUVR値と細部領域dcCL値は、7個の細部領域についてのdcCL変換方程式を使って計算される。7個の細部領域のセンチロイドを算出するための変換方程式は、細部領域のdcSUvRとdcCLから導出される。
【0073】
実施形態によって、PET-CT画像を用いるアルツハイマー病の診断装置は、MR細部領域によるセンチロイド算出方法を使ってCT基盤方法を検証する。
【0074】
相関関係についての線形回帰は、FBB及びFMM PETについてのCT基盤方法とMR基盤方法との間で行われる。図4を参照すれば、CT基盤方法によって生成されたFBB-FMMグローバルCTX VOIの信頼性のために、MR基盤方法によるグローバルCTX VOIと、CT基盤方法によるグローバルCTX VOIを用いたdcSUVRsとdcCLとの間に相関関係があるということが分かる。
【0075】
図5を参照すれば、全体的に細部領域のセンチロイドまで拡大して、我らの1次目標が、CT基盤細部領域のセンチロイドを算出する方法を立証することであったため、7個の細部領域についてのセンチロイドの相関関係分析が、CT基盤方法とMR基盤方法との間で行われると解される。
【0076】
図6を参照すれば、CT画像を使ったFBBについてのdcSUVRとdcCLとの間の線形式(Y=171.33X-160.93)及び、CT画像を使ったFMMについてのdcSUVRとdcCLとの間の線形式(Y=168.26X-154.001)を確認することができる。
【0077】
前記CT画像を使ったFBB及びFMMそれぞれのdcSUVRとdcCLとの間の線形式に基づいて、dcSUVRからdcCLが計算される。
【0078】
図7を参照すれば、FBB及びFMMそれぞれについての標準センチロイド方法によるセンチロイド点数と、dcCL方法によるセンチロイド点数との比較結果(X軸:標準センチロイド方法、Y軸:dcCL方法)を確認することができる。標準センチロイド方法では、細部領域を分けたものがないため、グローバルCTX VOIとしてのみ比較される。
【0079】
図8を参照すれば、7個の細部領域についてのFBBが適用されたSUVRとセンチロイドとの線形関係が確認され、図9を参照すれば、7個の細部領域についてのFMMが適用されたSUVRとセンチロイドとの線形関係が確認される。細部領域別のセンチロイドVOI maskを使って求めたdcSUVRがあれば、そのdcSUVRを入力として、細部領域別の線形式を通じて細部領域別のセンチロイド点数を計算することができる。
【0080】
一方、本発明の一実施形態によれば、前述した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。言い換えれば、前述した方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータ読み取り可能な媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。また、前述した方法で使われたデータの構造は、コンピュータ読み取り可能な媒体に多くの手段を通じて記録される。本発明の多様な方法を行うための実行可能なコンピュータプログラムやコードを記録する記録媒体は、搬送波や信号などの一時的な対象を含むと理解されてはならない。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0081】
以上、代表的な実施形態を通じて本発明を詳細に説明したが、当業者ならば、前述した実施形態において、本発明の範ちゅうを逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であるということが理解できるであろう。よって、本発明の権利範囲は、説明した実施形態に限って定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等な概念から導出されるあらゆる変更または変形された形態によって定められねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9