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特許7621619アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療用の医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療用の医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/551 20060101AFI20250120BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20250120BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20250120BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
A61K31/551
A61K45/00
A61P37/08
A61P43/00 111
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022541524
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 JP2021028553
(87)【国際公開番号】W WO2022030428
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2020131412
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501410115
【氏名又は名称】学校法人高崎健康福祉大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】松岡 功
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 政明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一貴
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/177117(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/107804(WO,A1)
【文献】HU, B. et al.,5-BDBD ameliorates an OVA-induced allergic asthma by the reduction of Th2 cytokines production,Iranian Journal of Basic Medical Sciences,2018年,Vol.21, No.4,pp.364-369
【文献】CHEN, H. et al.,Effect of P2X4R on airway inflammation and airway remodeling in allergic airway challenge in mice.,MOLECULAR MEDICINE REPORTS,2016年,Vol.13,pp.697-704
【文献】YOSHIDA, K. et al.,Co-Stimulation of Purinergic P2X4 and Prostanoid EP3 Receptors Triggers Synergistic Degranulation in,International Journal of Molecular Sciences,2019年,Vol.20,Article No.5157
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 45/00
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療のための医薬組成物であって、
前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、
(A2) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(A17) 5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(B2) 5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B13) 5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B20) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;
(B48) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B57) 5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B71) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B106) 5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B118) 5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B146) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(B173) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(B177) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(B180) 1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(B181) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;
(B183) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;
(B196) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;
(B197) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(B208) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(B209) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(B210) 5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;及び
(B214) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンからなる群から選ばれる化合物又はその薬学的に許容される塩であり、
前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性咳嗽、アトピー性咳嗽及び喘息による咳嗽を除く症状である医薬組成物。
【請求項2】
記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性疾患である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
記アレルギー反応に伴う症状が、I型アレルギー反応に伴う症状である請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
記アレルギー反応に伴う症状が、アナフィラキシーショックである請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性鼻炎である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
記アレルギー反応に伴う症状が、気管支喘息(但し、咳嗽の症状を除く)である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性皮膚炎である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
記アレルギー反応に伴う症状が、花粉症である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
記アレルギー反応に伴う症状が、蕁麻疹である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
記アレルギー反応に伴う症状が、アトピー性皮膚炎である請求項1ないしのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物、例えばアレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療用の医薬組成物に関する。
本願は、2020年8月3日に、日本に出願された特願2020-131412号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症などに代表されるアレルギー性疾患は、とくに先進諸国において患者数の増加が大きな問題となっている。アレルギーは、本来は反応するべきでない物質に対し生体が異常な免疫応答をしてしまうことが原因と考えられており、さまざまな免疫細胞が関与しているとされる。しかしながら、アレルギー性疾患の発症及び悪化の分子機構にはいまだ不明な点が多く、さらに、その治療法も対症療法しかないため、根本的な治療にむけた病態の解明が望まれている。
【0003】
鼻アレルギー診療ガイドライン(非特許文献1)には、アレルギー性鼻炎の重症度別に薬物治療の選択例が通年性と季節性アレルギー性鼻炎に分けて記載されている。
通年性アレルギー性鼻炎では、軽症例に対しては、病型に関わらず第二世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、2 型ヘルパーT 細胞(Th2)サイトカイン阻害薬のいずれか一つを第一選択する。中等症例に対しては、くしゃみ・鼻漏型では、(1)第二世代抗ヒスタミン薬、(2)ケミカルメディエーター遊離抑制薬、又は(3)鼻噴霧用ステロイド薬のいずれか一つを選択し、必要に応じて(1)又は(2)に(3)を併用するとなっている。重症例で、くしゃみ、鼻漏が特に強い場合には、鼻噴霧用ステロイド薬に第二世代抗ヒスタミン薬を併用し、鼻閉が強い患者では鼻噴霧ステロイド薬に抗ロイコトリエン薬等を併用するとなっている。花粉症の薬物治療においては、例年強い花粉症症状を示す患者では初期療法を勧め、予想される花粉飛散量と、最も症状が強い時期における病型、重症度を基に用いる薬剤を選択するとされている。したがって、くしゃみ・鼻漏型では、第二世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬を、鼻閉型では抗ロイコトリエン薬等を用い、花粉飛散量の増加とともに、症状の増悪がみられる場合には早めに鼻噴霧用ステロイド薬を追加し、病型に合わせて治療内容をステップアップするとされている。
【0004】
抗アレルギー薬に求められるのは、服用しながら通常の社会生活や生産活動を維持することであり、服用による社会活動を制限する眠気や認知障害(インペアードパフォーマンス)をきたさないことが重要であり、有効性より安全性が優先される薬剤であると考えられている(非特許文献2)。一方で、患者の抗ヒスタミン薬に対するニーズで最も高いのが、「効果」、次いで「安全性」、「服用回数」等の順であったと報告されている(非特許文献3及び4)。抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代に分類され、第一世代の抗ヒスタミン薬は速効性があり、効果が強いが、効果の持続が短く、脳内への移行が大きいため眠気などの中枢抑制作用が大きな問題となっている。そのため、車の運転をする人、危険な作業をする人には注意して投与する。
【0005】
また、抗コリン作用があるため、緑内障、前立腺肥大、気管支喘息急性発作時の使用は注意が必要とされている(非特許文献2)。これに対し、第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代と比べて速効性は若干劣るものの、効果が長く、中枢抑制作用や抗コリン作用が少ない。更に、近年開発された後期の第二世代抗ヒスタミン薬には、最高血中濃度到達時間がより短く速効性に優れるものや血中濃度半減期が更に長くなり、1日1回投与で有効な薬剤も開発されている。
【0006】
谷内ら(非特許文献5)は、第一世代と第二世代の抗ヒスタミン薬の脳内ヒスタミンH1受容体占有率を陽電子放射断層撮影法(PET)により評価し、抗ヒスタミン薬による眠気や客観的な作業効率の低下を指標に脳内ヒスタミンH1占有率との関係を考察して、脳内ヒスタミンH1占有率から抗ヒスタミン薬を3つのタイプ(20%以下:非鎮静性、20%~50%:軽度鎮静性、50%以上:鎮静性)に分類した。国際的な会議[Consensus Group on New Generation Antihistamines (CONGA)]においても、鎮静作用の評価法としてPETを用いた脳内ヒスタミンH1占有率に基づく分類が採用され(非特許文献6)、国内においても日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン(非特許文献7)でも採用されている。国際的なガイドラインであるAllergic Rhinitis and its Impact on Asthma (ARIA)(非特許文献8)でも、非鎮静性でシトクロムP450(CYP)に影響しない経口抗ヒスタミン薬の使用が推奨され、蕁麻疹のガイドラインであるEAACI/GA2LEN/EDF/WAO16でも非鎮静性の経口抗ヒスタミン薬が第一選択として推奨されている。非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬は、鼻アレルギー診療ガイドラインに記載されている理想的な抗ヒスタミン薬の条件[速効性があり、効果が持続する、副作用(眠気、作業効率の低下など)が少ない、長期投与ができる(安全性)、投与回数が1日1~2回でコンプライアンスが良い](非特許文献1)を満たしているものが多いが、薬物代謝を受けて活性代謝物が産生されるため薬物代謝酵素の影響を受けるもの、肝・腎機能低下患者への投与は慎重投与のもの、アルコールや睡眠導入薬、抗不安薬など中枢抑制作用を増強する薬剤との相互作用があるものなど利便性に課題のあるものも知られている。
【0007】
以上のとおり、抗アレルギー薬は、患者の重症度、合併症の有無、職業、年齢、併用薬の有無に加えて生活様式、患者の好みや治療履歴を勘案して使い分けされている。そのため、従来の抗ヒスタミン薬では解決できていない理想とされる条件「速効性があり、効果が持続する、副作用(眠気、作業効率の低下など)が少ない、長期投与ができる(安全性)、投与回数が1日1~2回でコンプライアンスが良い」をすべて満たし、患者及び医療従事者からの医療ニーズに合った有効性と安全性のバランスに優れた利便性の良い非鎮静性であることが求められている。
【0008】
また、これまでの知見において、マスト細胞(MC)は、高親和性IgE受容体(FcεRI)を介して抗原(Ag)を認識し、I型アレルギー反応を引き起こすが、イオンチャネルP2X4受容体(P2X4R)刺激がFcεRIを介した脱顆粒を増強させることを吉田らは報告している(非特許文献9及び10)。具体的には、野生型及びP2X4受容体欠損(P2rx4-/-)マウスから調製した骨髄由来MC(BMMC)を使用して、IgE-FcεRI複合体をAgで刺激することにより誘発されるMC脱顆粒におけるP2X4受容体の役割を調査した結果、ATPは、野生型マウスから調製されたBMMCにおけるAg誘発脱顆粒を有意に増加させた一方で、P2rx4-/-マウスから調製されたBMMCにおけるAg誘発脱顆粒は減少させた。さらに、P2rx4-/-BMMCでP2X4受容体を発現させることにより、ATPの増強効果が回復したことを報告している。
【0009】
しかしながら非特許文献9では同時に、前記ATPの効果のメカニズムは、イオンチャネル活動によるCa2+流入以外のメカニズムが関与している可能性があることを示唆し、P2X4受容体チャネルの阻害剤であるCu2+による前処理では前記ATPの効果が損なわれなかったことも報告している。そのため、P2X4受容体が脱顆粒にどのように関与しているかは分かっておらず、P2X4受容体チャネルの阻害剤であれば抗アレルギーの効果があることを示すものではない。
【0010】
特許文献1においては、P2X4受容体チャネルの阻害剤(以下、P2X4受容体アンタゴニストという)の記載がある。
しかしながら、特許文献1において実施例に記載のある化合物は、例えば、ParoxetineやFluoxetine等の選択的セロトニン再取り込み阻害剤であり、ベンゾジアゼピン誘導体化合物である本願化合物とは全く異なる構造である。また、神経損傷(L5脊髄神経損傷モデル)を施した神経因性疼痛病態モデルを用いた実験結果のみが示され、P2X4受容体アンタゴニストにアレルギーの治療効果があることは判っていない。
【0011】
また特許文献2においても、P2X4受容体拮抗作用を示す化合物の記載があるが、特許文献1と同様に、神経因性疼痛モデルによる効果が示されているだけであり、アレルギーの治療効果があることは不明である。
【0012】
また、本願出願人は、その他にP2X4受容体アンタゴニストに関する特許出願を特許文献3ないし9のとおり行っているが、いずれの出願も、アレルギーの治療効果があることは不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開2008/020651号
【文献】国際公開2010/093061号
【文献】国際公開2008/023847号
【文献】国際公開2012/008478号
【文献】国際公開2012/014910号
【文献】国際公開2012/017876号
【文献】国際公開2013/105608号
【文献】国際公開2015/005468号
【文献】国際公開2015/005467号
【非特許文献】
【0014】
【文献】鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会.鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-2013年版(改訂第7版).東京:ライフ・サイエンス;2013.p34-63.(第5.4.3項)
【文献】久保伸夫.抗ヒスタミン薬に求められるもの.日薬理誌.2005;125:279-284.(第5.4.9項)
【文献】瀧川雅浩,岩月啓氏,島田眞路,戸倉新樹,古川福実.▲掻▼痒性皮膚疾患の患者は抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)に何を求めているか-患者アンケート調査結果-.Prog.Med.2006;26:2289-2295.(第5.4.10項)
【文献】荻野敏.花粉症治療における第2世代抗ヒスタミン薬の患者満足-インターネットによる患者調査結果(第1報)-.Prog. Med. 2009;29:2531-2537.(第5.4.11項)
【文献】Yanai K, Zhang D, Tashiro M, Yoshikawa T, Naganuma F, Harada R, et al. Positron emission tomography evaluation of sedative properties of antihistamines. Expert Opin Drug Saf. 2011;10:613-622.(第5.4.12項)
【文献】Holgate ST, Canonica GW, Simons FE, Taglialatela M, Tharp M, Timmerman H, et al. Consensus Group on New-Generation Antihistamines (CONGA): present status and recommendations. Clin Exp Allergy. 2003;33:1305-1324.(第5.4.13項)
【文献】日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会.アトピー性皮膚炎診療ガイドライン.日皮会誌.2009;119:1515-1534.(第5.4.5項)
【文献】Brozek JL, Bousquet J, Baena-Cagnani CE, Bonini S, Canonica GW, Casale TB, et al. Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma (ARIA) guidelines: 2010 revision. J Allergy Clin Immunol. 2010;126:466-476.(第5.4.14項)
【文献】Yoshida, K.; Ito, M.; Yamamoto, K.; Koizumi, S.; Tanaka, S.; Furuta, K.; Matsuoka, I. Extracellular ATP augments antigen-induced murine mast cell degranulation and allergic responses via P2X4 receptor activation. J. Immunol. 2019.
【文献】Yoshida K, et al. Co-Stimulation of Purinergic P2X4 and Prostanoid EP3 Receptors Triggers Synergistic Degranulation in Murine Mast Cells. Int. J. Mol. Sci. 2019, 20, 5157.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物を提供することであり、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物を提供することであり、特にI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物を提供することであり、更に特には、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物を提供することであり、更に特にはアナフィラキシーショックの抑制に有用な医薬組成物を提供することであり、花粉症の予防又は治療に有用な医薬組成物を提供することであり、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、P2X4受容体アンタゴニスト作用を有する一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩が、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用であることを見出し、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に有用であることを見出し、特にI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用であることを見出し、更に特には、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎に対する予防又は治療に有用であることを見出し、更に特にはアナフィラキシーショックの抑制に有用であることを見出し、更に特には、花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎に対する予防又は治療に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明により、アレルギー反応に伴う症状に対する予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物、更にはアレルギー性疾患に対する予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物、特にI型アレルギー反応に伴う症状に対する予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物、更に特には、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎に対する予防又は治療に有用な医薬組成物、アナフィラキシーショックの抑制に有用な医薬組成物又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎に対する予防又は治療に有用な医薬組成物であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物が提供される。
【0018】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物を用いることができる。より好ましくは、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物として、下記の一般式(BI)又は(BII)で表される化合物を用いることができる。また、前記化合物の薬学的に許容される塩を使用することができる。
【0019】
本発明の医薬組成物は、例えばアレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療、特にI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療、更に特には、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療、アナフィラキシーショックの抑制又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療のために用いることができる。
【0020】
別の観点からは、本発明により、上記の医薬組成物の製造のためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の使用;及びアレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療の方法、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療の方法、特にはI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療の方法、更に特にはアナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療の方法、アナフィラキシーショックの抑制の方法又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療の方法であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の予防若しくは抑制又は治療の有効量を、ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、特にはI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、更に特にはアナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物、アナフィラキシーショックの抑制に有用な医薬組成物又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、それぞれ高い有効性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】IgE感作したBMMCをDNP-HSAとATPの共刺激することで起こる脱顆粒反応に対する化合物Aの抑制効果を観察した図。
図2】IgE感作したBMMCをDNP-HSAとATPの共刺激することで起こる脱顆粒反応に対する化合物Bの抑制効果を観察した図。
図3】あらかじめIgE感作したマウスに、化合物A又はBを投与した群とそうでない群を用意し、それぞれの群のマウスに受動的皮膚アナフィラキシー(PCA)を惹起させることで、前記化合物のPCAに対する抑制効果を測定した図。
図4】あらかじめIgE感作したマウスに、化合物Aを投与した群とそうでない群を用意し、それぞれの群のマウスに受動的全身アナフィラキシー(PSA)を惹起させることで、前記化合物のPSAに対する抑制効果を測定した図。
図5】あらかじめIgE感作したマウスに、化合物Bを投与した群とそうでない群を用意し、それぞれの群のマウスに受動的全身アナフィラキシー(PSA)を惹起させることで、前記化合物のPSAに対する抑制効果を測定した図。
図6】IgE感作したBMMCをPGE2とATPの共刺激することで起こる脱顆粒反応に対する化合物Aの抑制効果を観察した図。
図7】BMMCを刺激することで起こるIL-6放出に及ぼす化合物Aの抑制効果を観察した図。
図8】BMMCを刺激することで起こるIL-13放出に及ぼす化合物Aの抑制効果を観察した図。
図9】BMMCを刺激することで起こるTNF-α放出に及ぼす化合物Aの抑制効果を観察した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として用いることができるが、下記の用途のための医薬組成物としても用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、I型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アナフィラキシーショックの予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アレルギー性鼻炎の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、気管支喘息の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アレルギー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アナフィラキシーショックの抑制に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、花粉症の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、蕁麻疹の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、アトピー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物として用いることができる。
【0024】
別の側面として、本発明の医薬組成物は、下記の用途のための医薬組成物としても用いることができる。
本発明の医薬組成物は、炎症を伴う、前記アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療のための医薬組成物として用いることができる。
本発明の医薬組成物は、マスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出を伴う、前記アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療のための医薬組成物として用いることができる。
【0025】
本明細書における「アレルギー反応に伴う症状」には、アレルギー性疾患(又はアレルギー疾患ともいう)が含まれる。本明細書において「アレルギー性疾患」とは、アレルギーが原因となって起こる病気のことをいう。
本明細書において、「予防」とは、 「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の発症を未然に防止すること、及びそのための行為又は手段を含む概念である。
本明細書において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させること、及びそのための行為又は手段を含み、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の悪化を抑制すること、及びそのための行為又は手段を含み、また、改善を含む概念である。ここで、「改善」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、「健常な」又は「正常な」状態に近づけること又はそのための行為若しくは手段、及び「健常な」又は「正常な」状態にすること又はそのための行為若しくは手段を含む概念である。したがって、1つの実施態様において、「改善」とは、「病的な」又は「異常な」症状又は状態の指標となる数値が、前記「改善」に従って、小さくなるか、又は大きくなって、正常な値に近づくか、又は正常な値となることを含む。また、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させること、及びそのための行為又は手段を含み、また、前記症状、状態又は疾患を改善すること、又はそのための行為若しくは手段を含む概念である。ここで、「改善」とは前記の意味を有する。前記「症状、状態又は疾患の悪化又は進行」は、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の悪化又は進行、及び「健常な」又は「正常な」状態から、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患への悪化又は進行を含む。1つの実施態様において、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させること、又はそのための行為若しくは手段である。別の実施態様において、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させることである。
1つの実施態様において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させること、及びそのための行為又は手段である。別の実施態様において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させることである。
本明細書において、前記症状、状態若しくは疾患若しくはそれらの指標となる数値、又は状態若しくは機能は、本発明が提供する医薬の投与前と投与後で比較するか、又はプラセボ若しくは本発明が提供する医薬を含まないコントロールの投与群と本発明が提供する医薬の投与群とを比較して評価され得る。
【0026】
本発明の前記医薬組成物の有効成分としては、下記に示す一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を用いることができる。
下記に示す表中などに用いられる略号は以下のとおりである。Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n-プロピル基、iPr:イソプロピル基、tBu:tert-ブチル基、Ac:アセチル基、Ph:フェニル基。
下記に示す表中などにおいて、置換基をその置換位置の位置番号とともに記す場合がある。また、化学式において、見かけ上同一の位置番号を区別するため、便宜的に一方の位置番号にプライム「’」を付して表示する場合があるが、化合物名において、一義的に構造を特定し得る限り、前記プライムを用いることなく位置番号を表記することがある。
【0027】
(A-1)下記の一般式(A):
【化1】

(式中、R1Aは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基を表し、
2A及びR3Aは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数2~8のアシルアミノ基、炭素数1~8のアルキルスルホニルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、カルバモイル基、炭素数1~8のアルキルチオ基、炭素数1~8のアルキルスルフィニル基、炭素数1~8のアルキルスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、
4A及びR5Aは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基を表し、
そして、Wは置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環を表す。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0028】
一般式(A)において、R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aの炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
1Aの炭素数2~8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
1A、R2A、R3A、R4A及びR5A又はR11A、R12A、R13A、R14A及びR15Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基又は2-フルオロエチル基等が挙げられる。
1A、R4A及びR5Aのフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
2A及びR3Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基又は2-フルオロエトキシ基等が挙げられる。
2A及びR3Aのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数2~8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
2A及びR3Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数2~8のアシルアミノ基としては、トリフルオロメチルカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0030】
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基が挙げられる。
2A及びR3Aのアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数1~8)としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルチオ基としては、メチルチオ基が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基が挙げられる。
2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基が挙げられる。
【0031】
の置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環としては、テトラゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピロール、チアゾール、ピリジン、ピロリジンが挙げられる。
の置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~8のアルキル基、トリフルオロメチル基等の1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、オキソ基、チオキソ基等が挙げられる。
一般式(A)中のR2A及びR3Aは、R2A、R3Aが置換しているベンゼン環に、同一又は異なったものが1~3個存在していてもよい。
【0032】
一般式(A)の化合物としては以下に示す化合物が好ましい。
(A-2)Wが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、オキソ基、チオキソ基から選ばれるものを有していてもよいテトラゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、ピラゾール又はイミダゾールである(A-1)に記載の化合物。
(A-3)Wが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基から選ばれるものを有していてもよいテトラゾール、1,2,4-トリアゾール又は1,2,3-トリアゾールである(A-1)又は(A-2)に記載の化合物。
(A-4)Wが5-オキソ-1,2,4-オキサジアゾール又は5-チオキソ-1,2,4-オキサジアゾールである(A-1)ないし(A-3)のいずれかに記載の化合物。
(A-5)Wがテトラゾールである(A-1)ないし(A-4)のいずれかに記載の化合物。
【0033】
(A-6)R1Aが水素原子又は炭素数1~8のアルキル基である(A-1)ないし(A-5)のいずれかに記載の化合物。
(A-7)R1Aが水素原子である(A-1)ないし(A-6)のいずれかに記載の化合物。
(A-8)R4Aが水素原子で、R5Aが水素原子又は炭素数1~8のアルキル基である(A-1)ないし(A-7)のいずれかに記載の化合物。
(A-9)R4A及びR5Aが共に水素原子である(A-1)ないし(A-8)のいずれかに記載の化合物。
(A-10)R2Aが水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)である(A-1)ないし(A-9)のいずれかに記載の化合物。
(A-11)R2Aが水素原子である(A-1)ないし(A-10)のいずれかに記載の化合物。
(A-12)R3Aが水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)である(A-1)ないし(A-11)のいずれかに記載の化合物。
(A-13)R3Aが水素原子である(A-1)ないし(A-12)のいずれかに記載の化合物。
一般式(A)で表される化合物の薬学的に許容される塩としては、例えば、一般式(A)のR2A、R3Aがアミノ基等の場合は、塩酸塩等が挙げられる。更に一般式(A)のR2A、R3Aがカルボキシル基の場合は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0034】
一般式(A)に包含される代表的化合物を以下に示す。
<代表化合物A-100>
【化2】

(式中、R1A、R4A、R5A及びW並びにWの置換位置は表1~3に記載のとおりである。)
表1~3において、Wの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の2位、3位及び4位は、代表化合物A-100の式中の2’位、3’位及び4’位にそれぞれ対応する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
<代表化合物A-200>
【化3】

(式中、R1A、R2A、R4A、R5A及びW並びにWの置換位置は表4及び5に記載のとおり)
表4及び5において、Wの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の2位、3位及び4位は、代表化合物A-200の式中の2’位、3’位及び4’位にそれぞれ対応する。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
<代表化合物A-300>
【化4】

(式中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A及びW並びにWの置換位置は表6及び7に記載のとおり)
表6及び7において、Wの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の3位及び4位は、代表化合物A-300の式中の3’位及び4’位にそれぞれ対応する。
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
(B-1)次の一般式(BI):
【化5】

(式中、R1B及びR2Bは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、若しくはアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表すか、又は
1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環から選択される縮合環を形成してもよく、そしてR1BとR2Bが一緒になって、R1BとR2Bがそれぞれ結合している炭素原子からなる環には、1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
3B及びR4Bは同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
5Bは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
6B及びR7Bは同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアミノ基を表し、
はC、CH又はNを表し、
はN、NH又はC(=O)を表し、
但し、XがNのとき、YはN,NHでなく、
また、XがC,CHのとき、YはC(=O)でなく、
実線と破線からなる二重線は、単結合又は二重結合を表し、
は酸素原子又は硫黄原子を表し、
は、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、若しくはインドール環を表すか、又は結合手を表し、
はN(R8B)C(=O)、NHCONH、CON(R9B)、NHC(=S)NH、N(R10B)SO、SON(R11B)又はOSOを表し、
ここで、R8B、R9B、R10B及びR11Bは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
は、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖、又は結合手を表し、
は、O、S、NR12B、又は結合手を表し、
ここで、R12Bは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
は、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、mは0~5の整数を表す。
但し、R1BとR2Bが一緒になって環を形成しない場合で、XがC、YがNで、実線と破線からなる二重線が二重結合で、Zが酸素原子で、Aがベンゼン環で、mが0で、BがC(=O)NHで、Eが結合手でGがフェニル基の場合を除く。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0045】
(B-2)下記の一般式(BII):
【化6】

(式中、
【化7】

は、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環を表し、
そしてこれらの環は1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
3Ba及びR4Baは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
5Baは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
6Ba及びR7Baは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、
【化8】

は、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基、又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、又はインドール環を表し、
BaはN(R8Ba)C(=O)、NHCONH,CON(R9Ba)、NHC(=S)NH、N(R10Ba)SO、SON(R11Ba)、又はOSOを表し、
ここで、R8Ba、R9Ba、R10Ba及びR11Baは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
Baは、O、S、NR12Ba又は結合手を表し、
ここで、R12Baは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
Baは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、nは0~5の整数を表す。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0046】
次に本明細書の一般式(BI)及び(BII)における置換基について説明する。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
炭素数3~8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2~8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0047】
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基又は2-フルオロエチル基等が挙げられる。
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基又はt-ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基又は2-フルオロエトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
【0048】
炭素数1~8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基等が挙げられる。
【0049】
アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)としては、メトキシカルボニル基等が挙げられる。
アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)としては、ベンジル基等が挙げられる。
水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、2-ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0050】
炭素数1~6のアルキルスルフィニル基としては、メタンスルフィニル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基等が挙げられる。
【0051】
置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基及び置換基を有していてもよいチアゾリル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基等が挙げられる。
【0052】
上記一般式(BI)の化合物としては、次に示す化合物が好ましい。
(B-1-1)
1B及びR2Bが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-1)に記載の化合物。
【0053】
(B-1-2)
1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成し、そしてR1BとR2Bが一緒になって、R1BとR2Bがそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環又はシクロヘキセン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
(B-1-3)
1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、そしてR1BとR2Bが一緒になって、R1BとR2Bがそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
(B-1-4)
1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成する上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
【0054】
(B-1-5)
3B及びR4Bが同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-4)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-6)
5Bが水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-5)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-7)
5Bが水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-6)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-8)
6B及びR7Bが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-7)のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(B-1-9)
6B及びR7Bが共に水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-8)のいずれかに記載の化合物。
【0055】
(B-1-10)
3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bが水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-9)のいずれかに記載の化合物。
【0056】
(B-1-11)
がNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が、単結合である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-10)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-12)
がCで、YがNで、実線と破線からなる二重線が、二重結合である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-11)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-13)
が酸素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-12)のいずれかに記載の化合物。
【0057】
(B-1-14)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基、又はピリジル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-13)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-15)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-14)のいずれかに記載の化合物。
【0058】
(B-1-16)
がフェニル基、又はピリジル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-15)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-17)
が結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-16)のいずれかに記載の化合物。
【0059】
(B-1-18)
がNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO,SONH又はOSOである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-17)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-19)
がNHC(=O)、NHCONH又はNHSOである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-18)のいずれかに記載の化合物。
【0060】
(B-1-20)
がNHC(=O)又はNHSOである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-19)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-21)
がNHC(=O)である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-20)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-22)
が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-21)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-23)
が結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-22)のいずれかに記載の化合物。
【0061】
(B-1-24)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-23)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-25)
が置換基として炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-24)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-26)
が結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-25)のいずれかに記載の化合物。
【0062】
(B-1-27)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-26)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-28)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-27)のいずれかに記載の化合物。
【0063】
(B-1-29)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼン又はピリジンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-28)のいずれかに記載の化合物。
【0064】
(B-1-30)
が置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-29)のいずれかに記載の化合物。
【0065】
(B-1-31)
が0である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-30)のいずれかに記載の化合物。
【0066】
(B-1-32)
がベンゼン環であり、mが0であり、BがNHC(=O)又はNHSOであり、Dが炭素数1~3のアルキル基又は結合手であり、Eが結合手であり、Gが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-31)のいずれかに記載の化合物。
【0067】
(B-1-33)
がベンゼン環であり、mが0であり、BがNHC(=O)であり、Dが結合手であり、Eが結合手であり、Gが置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-32)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-34)
1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bは水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSOを表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-33)の何れか1に記載の化合物。
(B-1-35)
上記の一般式(BI)において、R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bは水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-34)の何れか1に記載の化合物。
【0068】
上記一般式(BII)の化合物としては以下に示す化合物が好ましい。
(B-2-1)
【化9】

が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環である上記(B-2)に記載の化合物。
(B-2-2)
【化10】

が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環である上記(B-2)又は(B-2-1)に記載の化合物。
【0069】
(B-2-3)
3Ba及びR4Baが同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-2)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-4)
5Baが水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-3)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-5)
5Baが水素原子である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-4)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-6)
6Ba及びR7Baが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-5)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-7)
6Ba及びR7Baが共に水素原子である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-6)のいずれかに記載の化合物。
【0070】
(B-2-8)
【化11】

が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基、又はピリジル基である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-7)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-9)
【化12】

が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-8)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-10)
【化13】

が結合手である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-9)のいずれかに記載の化合物。
【0071】
(B-2-11)
BaがNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO,SONH又はOSOである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-10)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-12)
BaがNHC(=O)、NHCONH又はNHSOである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-11)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-13)
Baが結合手である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-12)のいずれかに記載の化合物。
【0072】
(B-2-14)
Baが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-13)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-15)
Baが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-14)のいずれかに記載の化合物。
【0073】
(B-2-16)
が0である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-15)のいずれかに記載の化合物。
【0074】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環から選択される縮合環を形成していることが好ましく、ナフタレン環を形成していることが特に好ましい。
【0075】
上記の一般式(BI)において、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表していることが好ましい。
【0076】
上記の一般式(BI)において、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合であることが好ましい。
【0077】
上記の一般式(BI)において、Zが酸素原子であることが好ましい。
【0078】
上記の一般式(BI)において、Aはベンゼン環又はピリジン環を表していることが好ましく、ベンゼン環を表していることが特に好ましい。
【0079】
上記の一般式(BI)において、mは0ないし4を表していることが好ましく、0を表していることが特に好ましい。
【0080】
上記の一般式(BI)において、BはN(R8B)C(=O)又はN(R10B)SOを表していることが好ましく、このとき、R8BとR10Bは水素原子を表していることがより好ましい。また、上記の一般式(BI)において、BはNHC(=O)を表していることが特に好ましい。
【0081】
上記の一般式(BI)において、Dは置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している炭素数1~6のアルキレン鎖又は結合手であることを表していることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している炭素数1~6のアルキレン鎖又は結合手であることを表していることがより好ましく、結合手を表していることが特に好ましい。
【0082】
上記の一般式(BI)において、Eは、O、又は結合手を表していることが好ましく、結合手を表していることが特に好ましい。
【0083】
上記の一般式(BI)において、Gは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼン又はピリジンを表していることが好ましく、Gは、置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0084】
上記の一般式(BI)において、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSOを表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0085】
上記の一般式(BI)において、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0086】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSOを表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることがさらに好ましい。
【0087】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0088】
一般式(BI)及び/又は(BII)に包含される代表的化合物を以下に示す。
【0089】
<代表化合物例B-100>
【0090】
【化14】
【0091】
(式中、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表8~17に記載のとおり)
【0092】
【表8】
【0093】
【表9】
【0094】
【表10】
【0095】
【表11】
【0096】
【表12】
【0097】
【表13】
【0098】
【表14】
【0099】
【表15】
【0100】
【表16】
【0101】
【表17】
【0102】
<代表化合物例B-200>
【0103】
【化15】
【0104】
(式中、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表18及び19に記載のとおり)
【0105】
【表18】
【0106】
【表19】
【0107】
<代表化合物例B-300>
【0108】
【化16】
【0109】
(式中、R1B、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表20に記載のとおり)
【0110】
【表20】
【0111】
<代表化合物例B-400>
【0112】
【化17】
【0113】
(式中、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表21に記載のとおり)
【0114】
【表21】
【0115】
<代表化合物例B-500>
【0116】
【化18】
【0117】
(式中、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表22に記載のとおり)
【0118】
【表22】
【0119】
<代表化合物例B-600>
【0120】
【化19】
【0121】
(式中、B(置換位置)、D、E及びGは表23に記載のとおり)
【0122】
【表23】
【0123】
<代表化合物例B-700>
【0124】
【化20】
【0125】
(式中、m(置換位置)、B、D、E及びGは表24に記載のとおり)
【0126】
【表24】
【0127】
<代表化合物例B-800>
【0128】
【化21】
【0129】
(式中、XBa、YBa、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表25に記載のとおり)
【0130】
【表25】
【0131】
<代表化合物例B-900>
【0132】
【化22】
【0133】
(式中、I=II-III=IV、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表26に記載のとおり)
【0134】
【表26】
【0135】
<代表化合物例B-1000>
【0136】
【化23】
【0137】
(式中、I-II-III-IV、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaはは表27に記載のとおり)
【0138】
【表27】
【0139】
<代表化合物例B-1100>
【0140】
【化24】
【0141】
(式中、R5Ba、BBa(置換位置)、n、EBa及びGBaは表28に記載のとおり)
【0142】
【表28】
【0143】
上記の一般式(A)で表される化合物は国際公開2010/093061に開示されているので、これらの国際公開を参照することにより、これらの化合物をいずれも容易に入手することができる。これらの国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示として含める。
【0144】
上記一般式(BI)及び(BII)で表される化合物は国際公開2013/105608に開示されているので、これらの国際公開を参照することにより、これらの化合物をいずれも容易に入手することができる。これらの国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示として含める。
【0145】
また、上記国際公開2010/093061、国際公開2013/105608及び国際公開2015/005467には、上記一般式(A)から(BII)で表される化合物が、P2X4受容体拮抗作用を有する旨の記載がある。
【0146】
なお、上記一般式(A)ないし(BII)で表される化合物に包含される好適な化合物又はその薬学的に許容される塩の具体例を以下に示すが、本発明の医薬組成物の有効成分に利用可能な化合物又はその薬学的に許容される塩はこれらに限定されることはない。
(化合物A1) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A2) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A3) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン カリウム塩;
(化合物A4) 5-[4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A5) 5-[4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A6) 1-メチル-5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A7) 1,3-ジメチル-5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A8) 5-[2-クロロ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A9) 5-[2-クロロ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A10) 5-[2-メチル-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0147】
(化合物A11) 5-[2-メチル-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A12) 5-[2-ブロモ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A13) 5-[3-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A14) 5-[3-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A15) 5-[3-(5-オキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A16) 5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A17) 5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A18) 5-[3-(オキサゾール-2-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A19) 5-[3-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A20) 5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A21) 5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
【0148】
(化合物B1) 5-(4-ベンゾイルアミノフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B2) 5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B3) 5-[4-(3-ブロモベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B4) 5-[4-[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B5) 5-[4-(2-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B6) 5-[4-(2,6-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B7) 5-[4-(2,6-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B8) 5-[4-(3-クロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B9) 5-[4-(2-フェニルアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B10) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニルチオ尿素;
【0149】
(化合物B11) 5-[4-(2,3-ジメトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B12) 5-[4-(2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B13) 5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B14) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B15) 5-[4-(2,5-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B16) 5-[4-(5-ブロモ-2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B17) 5-[4-(2,4-ジクロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B18) 5-[4-(2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B19) 5-[4-(2,3-ジヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B20) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;
【0150】
(化合物B21) 5-[4-[(2,6-ジクロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B22) 5-[4-[(2-メトキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B23) 5-[4-[(2-ヒドロキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B24) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]チオ尿素;
(化合物B25) 5-[4-[3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B26) 5-[4-[2-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B27) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]尿素;
(化合物B28) 5-[4-[(2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B29) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B30) 5-[4-(3-フェニルプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0151】
(化合物B31) 5-[4-[(1H-インドール-3-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B32) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B33) 5-[4-[(2-メチル-2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B34) 5-[4-(2-フェノキシアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B35) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B36) 5-[4-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B37) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B38) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B39) 5-[4-(3-フェニルプロペニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B40) 5-[4-[(3-ピリジルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
【0152】
(化合物B41) 5-[4-(1H-ベンズイミダゾール-2-カルボニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B42) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-メトキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B43) 5-[4-[(ベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B44) 5-[4-[(2-クロロベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B45) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-ヒドロキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B46) 5-[4-(2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B47) 5-[4-(2-ブロモベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B48) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B49) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-フルオロフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B50) 5-[4-[2-(2-メチルフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0153】
(化合物B51) 5-[4-[(キノキサリン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B52) 5-[4-[(5-メチルチオフェン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B53) 5-[3-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B54) 5-[4-[(2,4,6-トリメチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B55) 5-[4-(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B56) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノフェニル]-6-メチル-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B57) 5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B58) 5-[4-[(6-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B59) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B60) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-(2-メチルフェニル)チオ尿素;
【0154】
(化合物B61) 5-[4-(2-メトキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B62) 5-[4-(2,3-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B63) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-ヒドロキシフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B64) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B65) 5-[4-[(4-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B66) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B67) 5-[4-[2-(2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B68) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラハイドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ブチル]-2-クロロ-3-メトキシベンズアミド;
(化合物B69) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B70) 5-[4-(2-アセチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0155】
(化合物B71) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B72) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノエチル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B73) 5-[3-[(2-ヨードベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B74) 6,7-ジメチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B75) 5-[4-[(1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B76) 5-[4-[(ベンゾフラン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B77) 5-[4-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B78) 5-[4-(2-プロペニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B79) 5-[4-(2-プロピルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B80) 5-[3-フルオロ-4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0156】
(化合物B81) 5-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B82) 5-[4-[(2-イソプロポキシベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B83) 5-[4-[(3-メチルチオフェン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B84) 5-[4-(2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B85) 5-[4-[2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B86) 5-[4-[(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B87) 5-[4-(4-フルオロ-2-メトキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B88) 5-[4-(4-フルオロ-2-ヒドロオキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B89) 5-[3-[(2-ヨードフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B90) 5-[4-(2-メチル-2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0157】
(化合物B91) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B92) 5-[4-[(3-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B93) 5-[4-(4-ヨード-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B94) 5-[4-(6-フルオロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B95) 5-[4-(2-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B96) 5-[4-(6-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B97) 5-[4-(2-フルオロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B98) 5-[4-[(2-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B99) 5-[4-(2-メトキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B100) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0158】
(化合物B101) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B102) 5-(4-フェニルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B103) 5-(4-ベンジルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B104) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロぺノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B105) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B106) 5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B107) 5-[4-[(1-メチル-1H-ピロール-2-イルアセチル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B108) 5-[4-(2-クロロベンジル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B109) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロぺノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B110) 5-[4-(2-クロロフェニル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0159】
(化合物B111) 5-[4-(6-ブロモ-2,3-メチレンジオキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B112) 5-[4-(6-ブロモ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B113) 5-[4-[(2-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B114) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノピリジン-5-イル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B115) 5-[4-(6-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B116) 5-[4-(6-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B117) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-h]キノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B118) 5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B119) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B120) 5-[4-[2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0160】
(化合物B121) 5-[4-[2-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B122) 5-[4-[(2-イソプロペニルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B123) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B124) 5-[4-[2-クロロ-5-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B125) 5-[4-[2-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B126) 5-[4-[3-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B127) 5-[4-[2-エチル-6-メトキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B128) 5-[4-(3-メタンスルホニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B129) 6-エチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B130) 5-[4-[2-エチル-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0161】
(化合物B131) 5-[4-(3-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B132) 5-[4-(2-クロロ-5-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B133) 5-[4-(2-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B134) 5-[4-[[2-(4-モルホリニル)アセチル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B135) 5-[4-(2-クロロ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B136) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B137) 5-[4-(2-クロロ-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B138) 5-[4-(3-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B139) 5-[4-[(3-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B140) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0162】
(化合物B141) 5-[4-(3-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B142) 5-[4-[[(3-ヒドロキシピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B143) 5-[4-[(3-ビニルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B144) 5-[4-[(3-エチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B145) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B146) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B147) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B148) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(化合物B149) N-[3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B150) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
【0163】
(化合物B151) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B152) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B153) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B154) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-N-フェニルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B155) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B156) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B157) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]シクロヘキサンスルホンアミド;
(化合物B158) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-3-ピリジンスルホンアミド 塩酸塩;
(化合物B159) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-4-イソプロピルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B160) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニルメタンスルホンアミド;
【0164】
(化合物B161) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-チオフェン-スルホンアミド;
(化合物B162) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B163) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト-[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル 3-ブロモベンゼン-スルホネート;
(化合物B164) N-ベンジル-N-[4-(1-ベンジル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B165) N-ベンジル-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B166) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B167) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B168) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B169) N-[4-(7-クロロ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B170) N-[4-(7-ブロモ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
【0165】
(化合物B171) N-[4-[(2,4-ジオキソ-7-(トリフルオロメチル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)]フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B172) N-[4-(2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B173) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B174) 1-(3-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B175) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B176) N-[4-(7-ブロモ-6-メチル-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B177) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B178) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B179) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(化合物B180) 1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
【0166】
(化合物B181) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B182) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B183) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;
(化合物B184) 1-(2,3-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B185) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-メトキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B186) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B187) 1-(4-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B188) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ベンジル]メタンスルホンアミド;
(化合物B189) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-メトキシフェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B190) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド;
【0167】
(化合物B191) 1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B192) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-6-メチル-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B193) 1-(2-クロロフェニル)-N-[3-(2,4-ジオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)プロピル]メタンスルホンアミド;
(化合物B194) 1-(2-クロロフェニル)-N-[2-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)エチル]メタンスルホンアミド;
(化合物B195) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ヨードフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B196) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B197) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B198) 1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B199) 1-(2-エチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B200) 1-(2,3-ジメチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
【0168】
(化合物B201) 2-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルエタンスルホンアミド;
(化合物B202) 1-(2-ニトロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B203) 1-(2-アミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B204) 1-(2-ジメチルアミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B205) 5-[4-[(ピリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B206) 5-[4-[2-[(ピリジン-3-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B207) 5-[4-[(ピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B208) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B209) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B210) 5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0169】
(化合物B211) 5-[4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B212) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B213) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-8,9,10,11-テトラヒドロ-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;及び
(化合物B214) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン。
【0170】
本発明の医薬組成物の有効成分としてより好適な化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩に包含される。より具体的には、5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン カリウム塩;5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンが例示される。もっとも、本発明の医薬組成物の有効成分は上記の特定の化合物又はその薬学的に許容される塩に限定されることはない。
【0171】
本発明の医薬組成物の有効成分としてさらに好適な化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩に包含される。より具体的には、5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンが例示される。もっとも、本発明の医薬組成物の有効成分は上記の特定の化合物又はその薬学的に許容される塩に限定されることはない。
【0172】
上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、シス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の立体異性体が存在する場合もあるが、何れも本発明に含まれる。
【0173】
上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、互変異性体が存在する場合もあるが、前記互変異性体は前記化合物と同等の活性を示し、本発明に含まれる。
【0174】
また、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任意の混合物などを本発明の医薬組成物の有効成分として用いてもよい。上記の一般式(AI)ないし(BII)で表される化合物が二重結合や環状構造を含む場合には幾何異性体が存在する場合があるが、純粋な形態の幾何異性体のほか、それらの任意の割合の混合物を本発明の医薬組成物の有効成分として用いてもよい。
【0175】
本発明の医薬組成物の有効成分としては、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物のほか、前記化合物の遊離形態の化合物又は塩の形態の化合物の任意の溶媒和物を本発明の医薬組成物の有効成分として用いてもよい。前記溶媒和物には、水和物も含む。
【0176】
本明細書において、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、特に断りのない限り、当該化合物のシス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の立体異性体、互変異性体、不斉炭素に基づく任意の光学異性体、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、及びそれらの混合物を含み得るものとする。
【0177】
本発明の医薬組成物の有効成分としては、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物のほか、これらの化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を用いてもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩などの有機酸塩などを用いることができるが、これらに限定されることはない。塩基付加塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの塩のうち、薬学的に許容される塩を本発明の医薬組成物の有効成分として用いることが好ましい。
【0178】
本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に用いることができる。更には、アレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に用いることができる。好ましくはI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に用いることができる。より好ましくは、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療に用いることができ、更にアナフィラキシーショックの抑制又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療に用いることができる。
さらに本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状における炎症の予防若しくは抑制又は減少のために用いることができる。また本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状におけるマスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出抑制のために用いることができる。
【0179】
別の側面として、本発明の医薬組成物は、下記の用途のためにも用いることができる。
本発明の医薬組成物は、炎症を伴う、前記アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に用いることができる。
本発明の医薬組成物は、マスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出を伴う、前記アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に用いることができる。
これらのアレルギー反応に伴う症状はいずれも本発明の医薬組成物の適用対象となる。もっとも、本発明の医薬組成物の適用対象はこれらに限定されることはない。
【0180】
本発明の医薬組成物は経口投与又は非経口投与で投与することができる。本発明の医薬組成物は、製剤の技術分野における通常の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、テープ剤、パップ剤、注射剤、坐薬等の適宜の剤型として製造することができる。1つの実施態様において、「医薬組成物」は、前記有効成分と薬学的に許容される添加剤とを含む。
【0181】
これら製剤は、一般的な技術を用いて製造することができるが、例えば、錠剤の場合には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などの薬学的に許容される添加剤が用いることができる。賦形剤としては、乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
【0182】
注射剤の調剤には、溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などの薬学的に許容される添加剤が用いられる。これらの薬学的に許容される添加剤や製剤の調製方法は当業者が適宜選択できる。
すなわち、本発明の医薬組成物は、前記有効成分と薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物として提供され得る。
【0183】
非経口投与のための吸入剤としては、エアゾール剤、吸入用粉末剤、吸入用液剤(例えば、吸入用溶液、吸入用懸濁剤等)、又はカプセル状吸入剤が含まれ、前記吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。これらの吸入剤は適当な吸入容器を用いて適用することができ、例えば、吸入用液剤を投与する際には、噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)等を、吸入用粉末剤を投与する際には粉末薬剤用吸入投与器等を使用することができる。
【0184】
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を粉末又は液状にして、吸入噴射剤又は担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を粉末化する場合、常法に従って粉末化される。例えば、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム等とともに微粉末にし、均一な混合物にするか、造粒して粉末剤を調製する。また、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を液状化する場合、例えば前記化合物を水、生理食塩液又は有機溶剤等の液状担体に溶解すればよい。噴射剤としては、従来公知の噴射剤、例えば、代替フロン、液化ガス噴射剤(例えば、フッ化炭化水素、液化石油、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)、圧縮ガス(例えば、可溶性ガス(例えば、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等)、不溶性ガス(例えば、窒素ガス等))等が用いられる。
【0185】
吸入剤には、さらに、必要に応じて薬学的に許容される添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、一般に使用されている添加剤であれば何でもよく、例えば、固形賦形剤(例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、マルトース、セルロース等)、液状賦形剤(例えば、プロピレングリコール等)、結合剤(デンプン、デキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、矯味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリチルリチンアンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉末等)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、懸濁化剤又は乳化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、レシチン、トリオレイン酸ソルビタン等)、分散剤(例えば、界面活性剤等)、溶剤(例えば、水等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、pH調節剤(例えば、塩酸、硫酸等)可溶化剤(例えば、エタノール等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、増粘剤(カルボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等が用いられる。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤、着色剤、緩衝化剤、等張化剤、増粘剤、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。また、例えば吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤、結合剤、賦形剤、着色剤、防腐剤、吸収促進剤(胆汁酸塩、キトサン等)などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0186】
さらに、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を徐放性とするため、吸入剤においては生体内分解性重合物を含有していてもよい。生体内分解性重合物とは、脂肪酸エステル重合体又はその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネート及びポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。また、卵黄レシチン等のリン脂質、キトサン等を用いてもよい。脂肪酸エステル重合体又はその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸及び乳酸-グリコール酸共重合体が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα-シアノアクリル酸エステル、ポリβ-ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ-ベンジル-L-グルタミン酸及びポリL-アラニンの1種類又はそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸又は乳酸-グリコール酸共重合体であり、より好ましくは、乳酸-グリコール酸共重合体である。また、乳酸-グリコール酸共重合体等の生体内分解性重合物を用いて薬物を封入したマイクロスフェアやナノスフェアを調製してもよい。
【0187】
軟膏剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に研和、又は溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0188】
ゲル剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0189】
クリーム剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融又は乳化させて製造、調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等)、高級アルコール(2-ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0190】
湿布剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0191】
貼付剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0192】
リニメント剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独又は2種以上に溶解、懸濁又は乳化させて製造、調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0193】
本発明の医薬組成物の投与量は特に限定されないが、一般的には、成人に対して、吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤により有効成分量として1日あたり約0.01μg~100mg、好ましくは0.3μg~10mg、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、テープ剤、パップ剤により有効成分量として1日あたり約0.01mg~1000mg、注射剤により有効成分量として1日あたり約0.01mg~100mg、経口投与により1日あたり0.01mg~2000mg程度を投与することができる。もっとも、上記の投与量に限定されることはなく、投与方法、投与対象の年齢、体重、性別、症状、薬剤への感受性等に応じて適宜決定されるが、症状の改善の状況に応じて投与量を調節してよい年齢や症状等により増減することができる。
【0194】
本発明の医薬組成物は、各種アレルギー反応に伴う症状の治療又は予防に有用な他剤と組み合わせて使用することができる。そのような組み合わせの個々の成分は、治療又は予防の期間中、別々の異なる時に又は同時に、分割された又は単一の製剤で投与することができる。したがって、本発明は同時の又は時間が異なる投与の全てを含むと解釈すべきであり、本発明における投与はそのように解釈すべきである。本発明の医薬組成物と上記の各種アレルギー反応に伴う症状の治療又は予防に有用な他剤との組み合わせの範囲には、原則として上記の各種アレルギー反応に伴う症状の治療又は予防に有用ないかなる医薬製剤との組み合わせも包含される。
【0195】
本発明に係る組み合わせ製剤中の各製剤は、各種の形態を選択することができ、それぞれ上記製剤と同様に製造することができる。また、本発明の医薬組成物と他の各種アレルギー反応に伴う症状の治療薬又は予防薬を含む合剤の場合にも、常法又は慣用技術に従って、当業者が容易に製造することができる。
上記組み合わせは、本発明の医薬組成物に一つの他の活性物質のみならず、2又はそれ以上の他の活性物質を組み合わせたものを包含する。本発明の医薬組成物と、上記の各種アレルギー反応に伴う症状の治療薬又は予防薬から選ばれた1、2又はそれ以上の活性物質との組み合わせには多くの例が存在する。
【0196】
本発明の医薬組成物と組み合わせる薬剤としては、例えば、ステロイド、β2アゴニスト、ムスカリン受容体拮抗剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張薬、ロイコトリエン合成阻害剤、プロスタグランジン類、ロイコトリエン受容体拮抗剤、鎮痒剤、その他の鎮咳薬、及び去痰薬等が挙げられ、中でも、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤との組み合わせが好ましい。また、本発明の医薬組成物は漢方薬と組み合わせることができる。
【0197】
前記ステロイドとしては、例えばプロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、及びフルドロキシコルチド等の外用薬;酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメタゾン、及びベタメタゾン等の内服薬又は注射剤;並びにプロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST-126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、及びメチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート等の吸入剤等が挙げられる。
【0198】
β2アゴニストとしては、例えばフォルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、インダカテロール、ビランテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、イソプロテレノール、ミルベテロール、クレンブテロール、オロダテロール、フェノテロール、サルブタモール、レバルブテロール、プロカテロール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、ビトルテロール、リトドリン、及びアルブテロール等が挙げられる。
【0199】
ムスカリン受容体拮抗剤としては、例えばチオトロピウム、イプラトロピウム、フルトロピウム、オキシトロピウム、アクリジニウム、ダロトロピウム、グリコピロレート、及びウメクリジニウム等が挙げられる。
【0200】
抗ヒスタミン剤としては、例えばジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマスチン、ジメンヒドリナート、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリプロリジン、塩酸プロメタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸イソチペンジル、塩酸ホモクロルシクリジン、ヒドロキシジン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸レボカバスチン、アステミゾール、ベポタスチン、デスロラタジン、TAK-427、ZCR-2060、NIP-530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP-294、アンドラスト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。
【0201】
抗アレルギー剤としては、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ペミロラストカリウム、ダザノラスト、ネドクロミル、クロモグリカート、及びイスラパファント等の化学伝達物質遊離抑制薬;フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、エバスチン、塩酸セチリジン、塩酸オロパタジン、ロラタジン、及びフェキソフェナジン等のヒスタミン拮抗薬;塩酸オザグレル、及びイミトロダストナトリウム等のトロンボキサン合成酵素阻害剤;セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロバンカルシウム水和物、及びKT-2-962等のトロンボキサン拮抗薬;並びにトシル酸スプラタスト等のTh2サイトカイン阻害薬が挙げられる。
【0202】
気管支拡張薬としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、及びコリンテオフィリン等のキサンチン誘導体;エピネフリン、塩酸エフェドリン、dl-塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、硫酸イソプロテレノール、塩酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、塩酸クロルプレナリン、塩酸トリメトキノール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、硫酸ヘキソプレナリン、塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、臭化水素酸フェノテロール、フマル酸フォルモテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、キシナホ酸サルメテロール、R,R-フォルモテロール、ツロブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロール、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR-C68397、レボサルブタモール、KUR-1246、KUL-7211、AR-C89855、及びS-1319等の交感神経刺激剤;並びに臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、及びレバトロペート等の副交感神経遮断薬等が挙げられる。
【0203】
ロイコトリエン合成阻害剤としては、例えばオーラノフィン、マレイン酸プログルメタシン、L-674636、A-81834、UPA-780、A-93178、MK-886、REV-5901A、SCH-40120、MK-591、Bay-x-1005、Bay-y-1015、DTI-0026、アムレキサノックス、及びE-6700等が挙げられる。
【0204】
プロスタグランジン類としては、例えば、PGE2EP1受容体、PGE2EP2受容体、PGE2EP3受容体、若しくはPGE2EP4受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト;PGD2受容体、若しくはCRTH2受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト;PGFFP受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト;PGIIP受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト;並びにTX受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト等が挙げられる。
【0205】
ロイコトリエン受容体拮抗剤としては、例えばプランルカスト水和物、モンテルカスト、ザフィルルカスト、セラトロダスト、MCC-847、KCA-757、CS-615、YM-158、L-740515、CP-195494、LM-1484、RS-635、A-93178、S-36496、BIIL-284、及びONO-4057等が挙げられる。
【0206】
その他の鎮咳薬としては、例えばリン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、オキシメテバノール、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ペントキシベリン、リン酸ジメモルファン、クエン酸オキセラジン、クロペラスチン、リン酸ベンプロペリン、塩酸クロフェダノール、塩酸ホミノベン、ノスカピン、ヒベンズ酸チペミジン、塩酸エプラジノン、及びシャゼンソウエキス等が挙げられる。
【0207】
去痰薬としては、例えばアンモニアウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩酸ブロムヘキシン、桜皮エキス、カルボシステイン、フドステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブロキゾール徐放剤、メチルシステイン塩酸塩、アセチルシステイン、塩酸L-エチルシステイン、及びチロキサポール等が挙げられる。
【0208】
鎮痒剤としては、例えばジフェンヒドラミン塩酸塩、クロタミトン及びリドカイン等が挙げられる。
【0209】
本発明は以下の側面を有する。
<1a>アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療の方法であって、それが必要な対象(例えばヒトを含む哺乳類動物)に、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩の予防若しくは抑制又は治療の有効量を投与することを含む前記方法;
<2a>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性疾患である、<1a>に記載の方法;
<3a>前記アレルギー反応に伴う症状が、I型アレルギー反応に伴う症状である、<1a>又は<2a>に記載の方法;
<4a>前記アレルギー反応に伴う症状が、アナフィラキシーショックである、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<5a>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性鼻炎である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<6a>前記アレルギー反応に伴う症状が、気管支喘息である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<7a>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性皮膚炎である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<8a>前記アレルギー反応に伴う症状が、花粉症である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<9a>前記アレルギー反応に伴う症状が、蕁麻疹である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<10a>前記アレルギー反応に伴う症状が、アトピー性皮膚炎である、<1a>から<3a>のいずれか1に記載の方法;
<11a>前記アレルギー反応が、炎症を伴うアレルギー反応である、<1a>に記載の方法;及び
<12a>前記アレルギー反応が、マスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出を伴うアレルギー反応である、<1a>に記載の方法。
【0210】
本発明は以下の別の側面を有する。
<1b>アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に使用するためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩;
<2b>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<3b>前記アレルギー反応に伴う症状が、I型アレルギー反応に伴う症状である、<1b>又は<2b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<4b>前記アレルギー反応に伴う症状が、アナフィラキシーショックである、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<5b>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性鼻炎である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<6b>前記アレルギー反応に伴う症状が、気管支喘息である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<7b>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性皮膚炎である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<8b>前記アレルギー反応に伴う症状が、花粉症である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<9b>前記アレルギー反応に伴う症状が、蕁麻疹である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<10b>前記アレルギー反応に伴う症状が、アトピー性皮膚炎である、<1b>から<3b>のいずれか1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<11b>前記アレルギー反応が、炎症を伴うアレルギー反応である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
<12b>前記アレルギー反応が、マスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出を伴うアレルギー反応である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0211】
本発明は以下のさらに別の側面を有する。
<1c>アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療のための医薬組成物を製造するためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩の使用;
<2c>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性疾患である、<1c>に記載の使用;
<3c>前記アレルギー反応に伴う症状が、I型アレルギー反応に伴う症状である、<1c>又は<2c>に記載の使用;
<4c>前記アレルギー反応に伴う症状が、アナフィラキシーショックである、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<5c>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性鼻炎である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<6c>前記アレルギー反応に伴う症状が、気管支喘息である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<7c>前記アレルギー反応に伴う症状が、アレルギー性皮膚炎である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<8c>前記アレルギー反応に伴う症状が、花粉症である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<9c>前記アレルギー反応に伴う症状が、蕁麻疹である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<10c>前記アレルギー反応に伴う症状が、アトピー性皮膚炎である、<1c>から<3c>のいずれか1に記載の使用;
<11c>前記アレルギー反応が、炎症を伴うアレルギー反応である、<1c>に記載の使用;及び
<12c>前記アレルギー反応が、マスト細胞内の分泌顆粒の細胞外放出を伴うアレルギー反応である、<1c>に記載の使用。
【実施例
【0212】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
以下の実施例では、P2X4受容体アンタゴニストとして、
5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩(WO2010/093061、実施例14の塩:以下便宜上「化合物A」と呼ぶ)、及び5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン(WO2013/105608、実施例48の化合物:以下「化合物B」と呼ぶ)、並びに以下に示すその他の化合物を用いた:
5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン。
【0213】
実施例1 本発明の有効成分である化合物のP2X4受容体拮抗作用の測定
(試験方法)
本発明の有効成分である化合物のP2X4受容体拮抗作用を測定した。ATP受容体(ヒトP2X4)を1321N1細胞に導入し、P2X4受容体安定発現系として使用した。P2X4受容体発現細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃,5%CO条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura-2 AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にFura-2AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダであるEnVision(PerkinElmer)を使用した。キセノンランプから照射される光を340nm及び380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340及びF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発細胞内カルシウム応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。結果を以下の表29に示す。
【0214】
(試験結果)
【表29】
【0215】
実施例2 BMMCの脱顆粒反応に対する効果
IgEで感作した骨髄由来マスト細胞(bone marrow-derived mast cell、本明細書において、BMMCという)をジニトロフェニル結合ヒト血清アルブミン(2,4-Dinitrophenyl-Human Serum Albumin、本明細書において、DNP-HSAという)(10 ng/mL)とATP(0.1 mM)の共刺激することで起こる脱顆粒反応に対するP2X4受容体拮抗作用のある化合物A又はBの抑制効果を観察した。なお、前記脱顆粒反応は、β-hexosaminidaseの放出率を指標に脱顆粒率を求めて行った。β-hexosaminidaseの放出率の測定は以下の(脱顆粒実験)のとおり行った。
【0216】
(BMMCの調整)
雄性C57BL/6Jマウス(7~8週齢、日本エスエルシー株式会社製)の大腿骨より骨髄を回収した。赤血球を溶血させ10%FBS(ウシ胎児血清)、ペニシリン(100 unit/ml)、ストレプトマイシン(100 μg/ml)、リコンビナントマウスIL-3(10 ng/ml、peprotech社製)を含む培地で14日間培養した。15日目より幹細胞因子(Stem cell factor:SCF)(10 ng/ml)を培地に加え、35~42日間培養し実験に用いた。細胞がマスト細胞に分化しているかをc-KITとFcεRIの発現の程度によって確認した。なお、当該確認は、FACSCant II(BD Biosciences社製)を用いた。
【0217】
(脱顆粒実験)
BMMCの培養液に抗DNP-IgE抗体(clone : SPE-7、Sigma aldrich社製)を50 ng/mlになるように加え一晩感作した。前記BMMCをPBS(-)で洗浄し、Krebs Ringer-HEPES Buffer(NaCl 130 mM、KCl 4.7 mM、NaHCO3 4.0 mM、KH2P4 1.2 mM、Glucose 11.5 mM、HEPES 10 mM、CaCl2・H2O 1.8 mM)に1 × 106 cell/mlになるよう懸濁し実験に用いた。
次いで、IgEで感作した前記BMMCに、化合物A(1 μM, 3 μM, 又は10 μM)、化合物B(1 μM, 3 μM, 又は10 μM)又はコントロールとして0.1% DMSOを加えて室温で10分間プレインキュベーションした。
この後、それぞれの前記BMMCを次の4群に調整した。
(1)前記BMMCに何も加えない群、
(2)前記BMMCにATPのみを加えた群、
(3)前記BMMCに抗原としてDNP-HSA (10 ng/ml)のみを加えた群及び
(4)前記BMMCにATPとDNP-HSA (10 ng/ml) の混合液を同時に加えた群。
上記4群は、それぞれ37℃で5分間刺激し、氷上で急冷した後、遠心分離を行い、反応を停止した。上清を回収した後、沈殿した細胞は0.1 % triton X-100で溶解した。上清と細胞溶解液(50 μL)をβ-hexosaminidaseの基質である10 mM 4-Nitrophenyl N-acetyl-β-D-glucosaminide(Sigma aldrich社製)/ 50 mM クエン酸バッファー(pH 4.5、50 μL)と混合し、37℃で30分間インキュベーションした。50 mM 炭酸バッファー(pH 10.0、100 μL)を加えて反応を停止し、吸光マイクロプレートリーダSunrise(TECAN社製)で405/655の吸光度を測定した。β-hexosaminidaseの放出率は以下の式より求めた。
β-hexosaminidase放出率=上清吸光度/(上清吸光度+細胞溶解駅吸光度)×100
なお、本実施例における検体数はいずれもn=3で行い、本実施例における有意差は、図1及び図2の図面中の「*」若しくは「**」にて示しており、それぞれP<0.05、P<0.01であったことを示す。また、図1及び図2の図面における「*」若しくは「**」はそれぞれ、同じ群におけるコントロールと比較した結果、有意差があることを示す。
【0218】
(試験結果)
化合物Aについて
(1)ないし(3)のATP及びDNP-HSA (10 ng/ml)の共刺激を加えていない群は、β-hexosaminidaseの放出率が化合物Aを投与したBMMCとコントロールのBMMCのいずれも10%未満であった(図1(1)ないし(3))。これに対して(4)のATP及びDNP-HSA (10 ng/ml)の共刺激を加えた群におけるコントロールのBMMCは、β-hexosaminidaseの放出率が25%程度であった(図1(4))。しかしながら、同群において化合物AをプレインキュベーションしたBMMCは、前記コントロールのBMMCと比較して化合物Aの用量依存的にβ-hexosaminidaseの放出率が減少し、1 μM、3 μM及び10 μMのいずれの濃度においてもその放出率が有意に減少した(図1(4))。
【0219】
化合物Bについて
(1)ないし(3)のATP及びDNP-HSA (10 ng/ml)の共刺激を加えていない群は、β-hexosaminidaseの放出率が化合物Bを投与したBMMCとコントロールのBMMCのいずれも10%程度から15%程度であった(図2(1)ないし(3))。これに対して(4)のATP及びDNP-HSA (10 ng/ml)の共刺激を加えた群におけるコントロールのBMMCは、β-hexosaminidaseの放出率が30%を超えた(図2(4))。しかしながら、同群において化合物BをプレインキュベーションしたBMMCは、前記コントロールのBMMCと比較して化合物Bの用量依存的にβ-hexosaminidaseの放出率が減少し、3 μMと10 μMの化合物BをプレインキュベーションしたBMMCでは、その放出率が有意に減少した(図2(4))。
【0220】
実施例3 受動的皮膚アナフィラキシーに対する効果
あらかじめIgEを感作したマウスに、P2X4受容体拮抗作用のある化合物A又はBを投与した群とそうでない群を用意し、それぞれの群のマウスに受動的皮膚アナフィラキシー(Passive cutaneous anaphylaxis、本明細書において、PCAという)を惹起させることで、PCAに対する抑制効果を測定した。
【0221】
(IgE感作マウスの作製)
麻酔下のマウスに、IgEを100 ng/20 μL右耳に皮下投与して感作させた。左耳には生理食塩水のみを投与した。
なお前記マウスは、雄性C57BL/6Jマウス(10~11週齢、日本エスエルシー株式会社製)を用いた。
【0222】
(薬物の投与)
前記IgE感作マウスに、生理食塩水に含有させた化合物A(10 mg/kg)を、DNP-HSA投与の30分前に腹腔内投与した。なお、DNP-HSA投与は尾静脈投与にて行い、前記IgE感作マウスの作製から24時間後となるように調整した。
また、別の前記IgE感作マウスには、DMSO : 65%KolliphorEL(BASF SE社製):注射用水を1 : 1 : 8で調整した溶媒(以下、溶媒Bという)に含有させた化合物B(10 mg/kg)を、DNP-HSA投与の1時間前に腹腔内投与した。なお、65%KolliphorELの濃度は、エタノールと少量の注射用水(又は水)を用いて調製した。また、DNP-HSA投与は前記IgE感作マウスの作製から24時間後となるように調整した。
また、さらに別の前記IgE感作マウスには、化合物Aのコントロールとして生理食塩水を投与した群(vehicle群)と、化合物Bのコントロールとして溶媒Bを投与した群(vehicle群)を用意した。
【0223】
(PCAモデルマウスの作製)
前記IgE感作マウスの作製から24時間後に、0.5% Evans blueを含んだ100 ng/200 μL(生理食塩水)のDNP-HSAを尾静脈投与することによりアナフィラキシーを惹起させることでPCAモデルマウスを作製した。
【0224】
(抑制効果の測定)
前記PCAモデルマウスは浮腫によって血管内からEvans Blueを含んだ体液が耳介に移動するため、DNP-HSAを尾静脈投与した場合の耳介中のEvans Blue量の変化を測定することで、PCAに対する化合物A又はBの効果を測定した。
前記PCAモデルマウスは、DNP-HSA投与30分後に安楽死させ、耳介を回収し重量を測定した。回収した耳介は細かく切り刻み、ホルムアミド中(1 mL)で一晩加熱(65℃)しEvans blueを抽出した。抽出したEvans blueと検量線の吸光度(620 nm)を吸光マイクロプレートリーダ Sunrise(TECAN)で測定し、濃度を算出した。
なお、本実施例における検体数はいずれもn=5で行い、本実施例における有意差は、図3の図面中の「*」にて示しており、P<0.05であったことを示す。また、図3の図面における「*」は、それぞれの化合物を投与した群が、化合物を投与していない群(vehicle群)と比較した結果、有意差があることを示す。
【0225】
(試験結果)
化合物B(10 mg/kg)を前処置した後、DNP-HSAを尾静脈投与すると、耳介重量あたりのEvans Blueの増加を有意に抑制した。
また、化合物B(10 mg/kg)の前処置は、経口投与した場合であっても腹腔内投与と同様に耳介重量あたりのEvans Blueの増加を有意に抑制した(図示せず)。
【0226】
実施例4 受動的全身アナフィラキシーに対する効果
あらかじめIgEで感作したマウスにP2X4受容体拮抗作用のある化合物A又はBを投与した群とそうでない群を用意し、それぞれの群のマウスに受動的全身アナフィラキシー(Passive systemic anaphylaxis、本明細書において、PSAという)を惹起させることで、PSAに対する抑制効果を測定した。
【0227】
(IgE感作マウスの作製)
麻酔下のマウスに、IgEを10 μg/200 μL(生理食塩水)尾静脈投与して感作させた。
なお前記マウスは、雄性C57BL/6Jマウス(7~8週齢又は10~11週齢、日本エスエルシー株式会社製)を用いた。
【0228】
(薬物の投与)
前記IgE感作マウスに、生理食塩水に含有させた化合物A(10 mg/kg)をDNP-HSA投与の30分前に腹腔内投与した。なお、DNP-HSA投与は前記IgE感作マウスの作製から24時間後となるように調整した。
また、別の前記IgE感作マウスに、溶媒Bに含有させた化合物B(10 mg/kg)をDNP-HAS投与の1時間前に腹腔内投与した。なお、DNP-HSA投与は前記IgE感作マウスの作製から24時間後となるように調整した。
また、別の前記IgE感作マウスは、化合物Aのコントロールとして生理食塩水を投与した群(vehicle群)と、化合物Bのコントロールとして溶媒Bを投与した群(vehicle群)を用意した。
【0229】
(PSAモデルマウスの作製)
前記IgE感作マウスの作製から24時間後に、非麻酔下のマウスに100 ng/200 μL(生理食塩水)のDNP-HSAを尾静脈投与することによってPSAモデルマウスを作製し、アナフィラキシーを惹起させた。
【0230】
(抑制効果の測定)
前記PSAモデルマウスは全身アナフィラキシーを惹起することで、体温の急激な低下が引き起こされる。そのため、DNP-HSAを尾静脈投与した場合の体温の変化を測定することで、受動的全身アナフィラキシーに対する化合物A又はBのその効果を測定した。
前記体温変化の測定は、DNP-HSA投与時を0分とし、0分から投与後60分まで5分毎に直腸体温をBAT-7001H Thermometer(PHYSITEMP INSTRUMENTS INS)で測定した。
なお、本実施例における検体数は化合物Aの群はn=7、化合物Aのコントロール群はn=8、化合物B群とそのコントロール群はn=9で行い、本実施例における有意差は、図4及び図5の図面中の「*」にて示しており、P<0.05であったことを示す。また、図4及び図5の図面における「*」は、それぞれの化合物を投与した群が、それぞれのコントロール群(vehicle群)と比較した結果、有意差があることを示す。
【0231】
(試験結果)
前記IgE感作マウスに化合物A又はBで前処置した後、DNP-HSAを尾静脈投与すると、いずれも有意な体温低下抑制作用が観察された。また、化合物Aにおける体温低下抑制作用は、少なくとも35分間にわたって有意差があり、60分経過した時点でもその効果が持続していた。
【0232】
実施例5 BMMCの脱顆粒反応に対する効果
IgEで感作したBMMCをDNP-HSA(10 ng/mL)とATP(0.1 mM)の共刺激することで起こる脱顆粒反応と、プロスタグランジンE(Prostaglandin E2、本明細書において、PGE2という)(1 μg/mL)とATP(0.1 mM)の共刺激することで起こる脱顆粒反応のそれぞれに対する化合物Aの抑制効果を観察した。
なお、前記脱顆粒反応は、β-hexosaminidaseの放出率を指標に脱顆粒率を求めて行った。β-hexosaminidaseの放出率の測定は以下の(脱顆粒実験)のとおり行った。
(BMMCの調整)
実施例2に記載の方法に準拠して行った。
(脱顆粒実験)
BMMCの培養液に抗DNP-IgE抗体(clone : SPE-7、Sigma aldrich社製)を50 ng/mlになるように加え一晩感作した。前記BMMCをPBS(-)で洗浄し、Krebs Ringer-HEPES Buffer(NaCl 130 mM、KCl 4.7 mM、NaHCO3 4.0 mM、KH2P4 1.2 mM、Glucose 11.5 mM、HEPES 10 mM、CaCl2・H2O 1.8 mM)に1 × 106 cell/mlになるよう懸濁し実験に用いた。
次いで、IgEで感作した前記BMMCに、化合物A(1 μM, 3 μM, 又は10 μM)又はコントロールとして0.1% DMSOを加えて室温で10分間プレインキュベーションした。
この後、それぞれの前記BMMCを次の6群に調整した。なお、以下の括弧書きの数字は、図6中の括弧書き数字と一致する。
(1)前記BMMCに何も加えない群、
(2)前記BMMCにATPのみを加えた群、
(3)前記BMMCにPGE2 (1 μM)のみを加えた群
(4)前記BMMCにATPとPGE2 (1 μM) の混合液を同時に加えた群
(5)前記BMMCに抗原としてDNP-HSA (10 ng/ml)のみを加えた群及び
(6)前記BMMCにATPとDNP-HSA (10 ng/ml) の混合液を同時に加えた群。
上記6群は、それぞれ37℃で5分間刺激し、氷上で急冷した後、遠心分離を行い、反応を停止した。上清を回収した後、沈殿した細胞は0.1 % triton X-100で溶解した。上清と細胞溶解液(50 μL)をβ-hexosaminidaseの基質である10 mM 4-Nitrophenyl N-acetyl-β-D-glucosaminide(Sigma aldrich社製)/ 50 mM クエン酸バッファー(pH 4.5、50 μL)と混合し、37℃で30分間インキュベーションした。50 mM 炭酸バッファー(pH 10.0、100 μL)を加えて反応を停止し、吸光マイクロプレートリーダSunrise(TECAN社製)で405/655の吸光度を測定した。β-hexosaminidaseの放出率は以下の式より求めた。
β-hexosaminidase放出率=上清吸光度/(上清吸光度+細胞溶解駅吸光度)×100
【0233】
(試験結果)
(1)ないし(3)のATP(0.1 mM)及びPGE2 (1 μM)の共刺激を加えていない群は、β-hexosaminidaseの放出率が化合物Aを投与したBMMCとコントロールのBMMCのいずれも5%未満であった(図6(1)ないし(3))。これに対して(4)のATP(0.1 mM)及びPGE2(1 μM)の共刺激を加えた群におけるコントロールのBMMCは、β-hexosaminidaseの放出率が15%程度であった(図6(4))。しかしながら、同群において化合物AをプレインキュベーションしたBMMCは、前記コントロールのBMMCと比較して化合物Aの用量依存的にβ-hexosaminidaseの放出率が減少し、1 μM、3 μM及び10 μMのいずれの濃度においてもその放出率が有意に減少した(図6(4))。
なお、本実施例における検体数はいずれもn=3で行い、本実施例における有意差は、図6の図面中の「*」若しくは「**」にて示しており、それぞれP<0.05、P<0.01(Dunnett)であったことを示す。また、図6の図面における「*」若しくは「**」はそれぞれ、同じ群におけるコントロールと比較した結果、有意差があることを示す。
【0234】
実施例6 BMMCのIL-6、IL-13及びTNF-α放出に及ぼすP2X4受容体阻害薬の作用
(試験方法)
BMMCsは新鮮な培養液で洗浄し、刺激薬(100 μM ATP、1 μM PGE2、100 μM ATP + 1 μM PGE2)存在下及び非存在下で3時間反応させた。
群分けは、以下に示すとおりであり、図7~9の表記中の括弧書き数字と一致する。
(1)前記BMMCに何も加えない群、
(2)前記BMMCにATPのみを加えた群、
(3)前記BMMCにPGE2のみを加えた群、
(4)前記BMMCにATPとPGE2の混合液を同時に加えた群。
化合物Aの作用は10 μMの濃度で5分間前処理し観察した。反応液中に放出されたサイトカイン(interleukin (IL)-6, IL-13 and TNF-α)はELISA kits (Invitrogen)で測定した。
なお、本実施例における検体数はいずれもn=3で行い、本実施例における有意差は、図7~9の図面中の「**」にて示しており、P<0.01であったことを示す。また、前記有意差は、図7~9の図面におけるは化合物A非投与群におけると比較した結果であることを示す。
【0235】
(試験結果)
結果を図7~9に示す。
ATPによるIL-6、IL-13及びTNF-αの放出増大が、化合物Aにより抑制されたことが示された。この結果から、本願化合物は、アレルギー性皮膚炎や、アレルギー性気管支喘息などに有効であることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本発明の医薬組成物は、アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、更にはアレルギー性疾患の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、特にはI型アレルギー反応に伴う症状の予防若しくは抑制又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、更に特にはアナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、気管支喘息若しくはアレルギー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物、アナフィラキシーショックの抑制に有用な医薬組成物又は花粉症、蕁麻疹若しくはアトピー性皮膚炎の予防又は治療に有用な医薬組成物として有用であり、それぞれ高い有効性が期待される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9