(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】電池モジュールが多段に積層された電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20250120BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20250120BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20250120BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20250120BHJP
H01M 10/625 20140101ALN20250120BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/6554
H01M10/625
(21)【出願番号】P 2022549521
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2021006795
(87)【国際公開番号】W WO2021251670
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069078
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン・チャン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ソク・ヨ
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ウン・イム
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ヒョン・キム
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0372805(US,A1)
【文献】国際公開第2019/221376(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294693(US,A1)
【文献】特表2017-520883(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0085681(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60 -10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ以上の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収納するパックケースと、を含む、電池モジュールが多段に積層された電池パックであって、
前記電池モジュールは、第1電池モジュール、及び前記第1電池モジュールの上部に垂直に積層された第2電池モジュールを含み、
前記第1電池モジュールで発生した熱を放出するために、前記パックケースの底面の内側上面と前記第1電池モジュールとの間には第1冷却部が位置し、
前記第2電池モジュールで発生した熱を放出するために、前記第1電池モジュールと第2電池モジュールとの間には第2冷却部が位置し、
前記パックケースは、前面フレーム、後面フレーム、及び前記前面フレームと前記後面フレームとを連結する一対の側面フレームを含み、
前記一対の側面フレームには、前記第1冷却部に冷媒を供給して回収するための冷媒循環路が形成され、
前記第2冷却部は、第2ヒートシンク、前記第2ヒートシンクの下に位置する下部保護カバー、前記第2ヒートシンクの上部に位置する上部保護カバー、及び前記第2ヒートシンクを収納した状態で前記下部保護カバーの縁部及び前記上部保護カバーの縁部の全周にわたって位置する結合バンドを含
み、
前記側面フレームの冷媒循環路付近には、前 記冷媒循環路に平行な空気循環路が位置する、電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項2】
前記前面フレームには所定の距離で離隔した一対の冷媒流入ポートおよび冷媒流出ポートが形成され、
前記冷媒流入ポート及び前記冷媒流出ポートのそれぞれには前記冷媒循環路と連通する冷媒移送管が連結される、請求項1に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項3】
前記空気循環路には外部空気が通過することができる一つ以上の切開部が形成されている、請求項
1又は2に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項4】
前記第1冷却部は、冷媒が循環する空間部を提供するための一対の第1下部プレート及び第1上部プレート、及び前記冷媒循環路と着脱可能に結合される第1冷媒流入口及び第1冷媒流出口を含む第1ヒートシンクを含み、
前記側面フレームの底面には、前記第1冷媒流入口及び前記第1冷媒流出口と連結される締結ホールが形成される、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項5】
前記結合バンドはCMT溶接によって形成される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項6】
前記第2冷却部は、第2ヒートシンク、前記第2ヒートシンクの下に位置する下部保護カバー、及び前記第2ヒートシンクの上部に位置する上部保護カバーを含み、
前記下部保護カバーの縁部と前記上部保護カバーの縁部との間にはシーリングガスケットが備えられる、請求項1から
4のいずれか一項に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項7】
前記第2ヒートシンクは、第2ヒートシンク胴体、前記第2ヒートシンク胴体に第2冷媒を供給するための「L」字形の第2冷媒流入口、及び前記第2冷媒を排出するための「L」字形の第2冷媒流出口を含み、
前記下部保護カバーは、前記第2冷媒流入口及び前記第2冷媒流出口をそれぞれ収納するための一対の折曲管を備える、請求項1から
6のいずれか一項に記載の電池モジュールが多段に積層された電池パック。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の電池パックを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年06月08日付の韓国特許出願第2020-0069078号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールが多段に積層された電池パックに関し、具体的には多段に積層された電池モジュールで発生した熱を放出するために複数の冷却部を備えており、冷却部を保護し、冷媒の流出を最小化することができる電池モジュールが多段に積層された電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車動車などに使われるなど、日常生活に密接に使われている。
【0004】
現代社会で必要不可欠に使われている各種の電子機器のエネルギー源として使われている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加および複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結する電池モジュールまたこのような電池モジュールを多数備えた電池パックが使われる。
【0005】
電池モジュールまたは電池パックは、容量及び出力を向上させるために、多数の電池セルを直列または並列に連結して使っている。多数の電池セルを連結して使用する場合、過負荷などの問題点が発生することがある。特に、電池パックの場合、多数の電池セルを収容している電池モジュールがケース内に多段に位置しているので、過負荷によって電池パックの内部温度が上昇して電池の異常状態を増幅させるなどの問題が発生している。このような問題を解決するために、一般的な電池パックは電池の内部温度を低めることができる冷却部を備えて電池の安全性を高め、空間効率を改善してエネルギー密度を高める必要がある。
【0006】
図1は従来技術による電池モジュールの斜視図である。
図1に示すように、従来技術による電池モジュールは、電池セルを収納するモジュールケース20、電池モジュールの上面に位置する冷却流路30、前記冷却流路30に冷媒を供給してから回収する冷媒輸送管40、及び前記冷却流路30を取り囲んで保護する上部保護カバー50及び下部保護カバー60を含む。ここで、図示されてはいないが、上部保護カバー50の上面に電池モジュールが多段に積層された電池モジュールに対する冷却効率を向上させ、上部保護カバー50及び下部保護カバー60を通して冷却流路30の冷媒が漏洩することを防止する電池モジュールである。
【0007】
このように、従来技術は、電池モジュールと冷却流路30の冷媒との間の熱交換過程を改善して冷却性能を向上させ、冷却流路30を収納する溝部51、61を備えて空間活用度を改善したが、冷却流路30に冷媒を供給してから回収するための冷媒輸送管40が露出される構造であるので、電池パックの体積が大きいという問題点がある。
【0008】
また、冷媒が流れる冷媒輸送管40が外部に露出されているので、外部衝撃の際、損傷による冷媒漏洩によって深刻な事故につながることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、多段に積層された電池モジュールで発生する熱を効果的に放出して安全性を改善した電池パックを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、電池パックの内部からの冷媒流出を最小化することができる電池パックを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、冷却のための各種の部品によって体積が増加することを抑制することができる電池パックを提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、外部衝撃によってフレームが損傷しても冷媒の流出を制限することができる電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明による電池パックは、二つ以上の電池モジュール(100)、及び前記電池モジュール(100)を収納するパックケース(200)を含み、前記電池モジュール(100)は、第1電池モジュール(110)、及び前記第1電池モジュール(110)の上部に垂直に積層された第2電池モジュール(120)を含み、前記第1電池モジュール(110)で発生した熱を放出するための第1冷却部(300)が、前記パックケース(200)の底面の内側上面と前記第1電池モジュール(110)との間に位置し、前記第2電池モジュール(120)で発生した熱を放出するための第2冷却部(400)が、前記第1電池モジュール(110)と第2電池モジュール(120)との間に位置することを特徴とする。
【0015】
また、本発明による電池パックにおいて、前記パックケース(200)は、前面フレーム(210)、後面フレーム(220)、及び前記前面フレーム(210)と後面フレーム(220)とを連結する一対の側面フレーム(230)を含み、前記一対の側面フレーム(230)には、第1冷却部(300)に冷媒を供給してから回収するための冷媒循環路(231)が形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による電池パックにおいて、前記前面フレーム(210)には所定の距離で離隔した一対の冷媒流入ポート(211)及び冷媒流出ポート(212)が形成され、前記冷媒流入ポート(211)及び冷媒流出ポート(212)のそれぞれには前記冷媒循環路(231)と連通する冷媒移送管(213)が連結されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による電池パックにおいて、前記側面フレーム(230)の冷媒循環路(231)付近には前記冷媒循環路(231)に平行な空気循環路(232)が位置することを特徴とする。
【0018】
また、本発明による電池パックにおいて、前記空気循環路(232)には、外部空気が通過することができる一つ以上の切開部(233)が形成されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による電池パックにおいて、前記第1冷却部(300)は、冷媒が循環する空間部を提供するための一対の第1下部プレート(310’)及び第1上部プレート(310”)、及び前記冷媒循環路(231)と着脱可能に結合される第1冷媒流入口(311)及び第1冷媒流出口(312)を含む第1ヒートシンク(310)を含み、前記側面フレーム(230)の底面には前記第1冷媒流入口(311)及び第1冷媒流出口(312)と連結される締結ホール(234)が形成されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による電池パックにおいて、前記第2冷却部(400)は、第2ヒートシンク(410)、前記第2ヒートシンク(410)の下に位置する下部保護カバー(420)、前記第2ヒートシンク(410)の上部に位置する上部保護カバー(430)、及び第2ヒートシンク(410)を収納した状態で下部保護カバー(420)の縁部及び上部保護カバー430の縁部に沿って位置する結合バンド(440)を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明による電池パックにおいて、前記結合バンド(440)はCMT溶接によって形成されることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による電池パックにおいて、前記第2冷却部は、第2ヒートシンク、前記第2ヒートシンクの下に位置する下部保護カバー、及び前記第2ヒートシンクの上部に位置する上部保護カバーを含み、前記下部保護カバーの縁部と上部保護カバーの縁部との間にはシーリングガスケットが備えられることを特徴とする。
【0023】
また、本発明による電池パックにおいて、前記第2ヒートシンク(410)は、第2ヒートシンク胴体(411)、前記第2ヒートシンク胴体(411)に第2冷媒を供給するための「L」字形の第2冷媒流入口(412)、及び第2冷媒を排出するための「L」字形の第2冷媒流出口(413)を含み、前記下部保護カバー(420)は、前記第2冷媒流入口(412)及び第2冷媒流出口(413)をそれぞれ収納するための一対の折曲管(422)を備えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は前述した特徴のうちの一つ以上を含む電池パックが装着されたデバイスであることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上で説明したように、本発明による電池モジュールが多段に積層された電池パックによれば、垂直に積層された電池モジュールの間にも冷却部を備えるので、冷却効率を高めることができるという利点がある。
【0026】
また、本発明による電池モジュールが多段に積層された電池パックによれば、上部保護カバー及び下部保護カバーが第2ヒートシンクを取り囲んで保護するので、耐衝撃性に優れるだけでなく冷媒の漏出を最小化することができるという利点がある。
【0027】
また、本発明による電池モジュールが多段に積層された電池パックによれば、側面フレーム自体に冷媒循環路が備えられているので、外部衝撃の際にも冷媒の流出を最小化することができるという利点がある。
【0028】
さらに、本発明による電池モジュールが多段に積層された電池パックによれば、冷媒循環路に沿って空気循環路が側面フレームにさらに備えられているので、冷却効率を高めることができ、さらに全体重さも減らすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来技術による電池モジュールの斜視図である。
【
図2】本発明の好適な第1実施例による電池パックの斜視図である。
【
図3】本発明の好適な第1実施例による電池パックの分解斜視図である。
【
図4】
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図5】本発明の好適な第1実施例による側面フレームを示す斜視図である。
【
図6】本発明の好適な第1実施例による側面フレームが結合される状態を説明するための斜視図である。
【
図7】
図3の電池モジュール及び第1冷却部を説明するための分解斜視図である。
【
図8】
図7の第1冷却部を説明するための分解斜視図である。
【
図9】本発明の好適な第1実施例による第2冷却部の分解斜視図である。
【
図10】本発明の好適な第2実施例による第2冷却部の分解斜視図である。
【
図11】本発明の好適な第3実施例による電池パックを説明するための部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0031】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
図2は本発明の好適な第1実施例による電池パックの斜視図であり、
図3は本発明の好適な第1実施例による電池パックの分解斜視図である。
【0033】
図2及び
図3を参照して説明すると、本発明による電池パックは、電池モジュール100、前記電池モジュール100を収容するパックケース200、及び前記電池モジュール100で発生する熱を冷却させるための第1冷却部300及び第2冷却部400を含む。
【0034】
まず、電池モジュール100について説明すると、電池モジュール100は、パックケース200の底面に着座する複数の第1電池モジュール110と、第1電池モジュール110の上部に位置する第2電池モジュール120とを含んでなる。
【0035】
ここで、第1電池モジュール110及び第2電池モジュール120は一つ以上の単位セルを含む。ここで、単位セルは電極組立体及びこれを収納するセルケースを含むことができる。前記電極組立体は、長いシート状の正極及び負極の間に分離膜が介在された状態で巻き取られる構造を有するゼリーロール型組立体、長方形の正極及び負極が分離膜を間に介在した状態で積層される構造の単位セルから構成されるスタック型組立体、単位セルが長い分離フィルムによって巻き取られるスタックフォルディング型組立体、または単位セルが分離膜を間に介在した状態で積層されて互いに付着されるラミネーションスタック型組立体などからなることができるが、これに限定されない。本発明による電極組立体は、カーブドモジュールを形成するときに物理的ストレスが一番小さいスタックフォルディング型、またはラミネーションスタック型構造を有することが好ましい。
【0036】
前記電極組立体はセルケースに収納され、セルケースは、通常に内部層/金属層/外部層のラミネートシート構造を有する。内部層は電極組立体と直接的に接触するので、絶縁性及び耐電解液性を有しなければならなく、かつ外部に対する密閉のためにシーリング性、すなわち、内部層同士熱接着されたシーリング部位は優れた熱接着強度を有しなければならない。このような内部層の材料としては、耐化学性に優れながらもシーリング性が良いポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル酸ポリエチレン、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイミド樹脂から選択されることができるが、これらに限定されなく、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性及び耐化学性に優れたポリプロピレンが一番好ましい。
【0037】
内部層と接している金属層は外部から水分や各種のガスが電池の内部に浸透することを防止するバリア層に相当し、このような金属層の好適な材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使うことができる。
【0038】
そして、金属層の他側面には外部層を備えている。このような外部層は、電極組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保することができるように、引張強度、透湿防止性、及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使うことができる。一例として、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートを使うことができるが、これに限定されない。
【0039】
たとえ図面では、9個の第1電池モジュール110、1個の第2電池モジュール120などの総10個の電池モジュール100を収納したものとして示しているが、これは一例示に過ぎないだけで、いくらでも変更が可能である。
【0040】
パックケース200は電池モジュール100を収納し、外部衝撃などから電池モジュール100を保護するためのものであり、前面フレーム210、後面フレーム220、及び一対の側面フレーム230を含んでなる。
【0041】
具体的に、前面フレーム210には、所定の距離で離隔されている一対の冷媒流入ポート211及び冷媒流出ポート212が固定されており、そしてこれらのポートから側面フレーム230に向かって延びた一対の冷媒移送管213が連結される。
【0042】
したがって、所定の温度に冷却された外部からの冷媒は冷媒流入ポート211に注入された後、冷媒流入ポート211と連結されている冷媒移送管213に移動する。そして、電池モジュール100の熱を吸収して所定の温度に高くなった冷媒は他の冷媒移送管213及び冷媒流出ポート212を通して排出され、所定の温度に冷却された後、再供給される。
【0043】
また、冷媒流入ポート211に流入した冷媒の一部は第2冷却部400に移動し、第2電池モジュール120で発生した熱を吸収した後、冷媒流出ポート212を通して排出されて冷却された後、再供給される。
【0044】
ここで、一対の冷媒移送管213は側面フレーム230及び第2ヒートシンク410に冷媒を供給してから回収する。これについての詳細な説明は後述する。
【0045】
一方、パックケース200の底面には、電池モジュール100が互いに一定の間隔を維持することができるように、複数の区画壁を備えることができる。
【0046】
図4は
図2のA-A’線に沿って切断した断面図であり、
図5は本発明の好適な第1実施例による側面フレームを示す斜視図であり、
図6は本発明の好適な第1実施例による側面フレームが結合される状態を説明するための斜視図である。
【0047】
図4~
図6を参照して説明すると、本発明による電池パックの側面フレーム230は、前面フレーム210と後面フレーム220とを互いに連結するように所定の距離で離隔した一対からなり、それぞれの側面フレーム230は、冷媒移送管213と連結された冷媒循環路231、空気循環路232、切開部233、及び締結ホール234を備えている。
【0048】
まず、冷媒移送管213の一側と連結される冷媒循環路231は側面フレーム230の長手方向に沿って長く穿設された形状を有するように形成される。したがって、冷媒流入ポート211と連通する冷媒移送管213と連結される冷媒循環路231には第1ヒートシンク310に供給される冷たい冷媒が流れ、冷媒流出ポート212と連通する冷媒移送管213と連結される冷媒循環路231には吸熱によって一定の温度に上昇した冷媒が移動する。
【0049】
従来には、冷媒循環管が別個に製作された後、パックケースの側面または底面に連結される構造であるので、外部衝撃によって破損しやすい構造であり、さらに破損によって漏出する冷媒は新しいイベントを引き起こすという欠点がある。
【0050】
これに対し、本発明の冷媒循環路231は側面フレーム230自体に備えられるので、外部衝撃に対しても破損のおそれを最小化することができるだけでなく、全体体積を減らすことができるという利点がある。
【0051】
空気循環路232は冷媒が漏出しないように冷媒循環路231及び分離壁を挟んで位置し、冷媒循環路231を移動する冷媒が最大限自然に冷却されるように冷媒循環路231に平行に長く形成されている。
【0052】
さらに、空気循環路232には外部空気が通過することができる一つ以上の切開部233が形成されているので、より効率的な冷却が可能である。すなわち、側面フレーム230には冷媒循環路231に沿って空気循環路232がさらに備えられているので、電池パックを速やかに冷却させることができるだけではなく全体重さも減らすことができる。
【0053】
一方、一対の側面フレーム230の底面には、冷媒循環路231と連通する一つ以上の締結ホール234、より具体的には電池モジュール100の下に位置する第1ヒートシンク310の第1冷媒流入口311または第1冷媒流出口312と同じ個数の締結ホール234が形成されている。
【0054】
例えば、冷媒流入ポート211及び冷媒移送管213と順次連結される側面フレーム230の場合、側面フレーム230の底面の締結ホール234は第1ヒートシンク310の第1冷媒流入口311とそれぞれ締結及び固定され、よって冷媒流入ポート211に流入した冷媒は冷媒移送管213及び冷媒循環路231の順に移動した後、第1ヒートシンク310の第1冷媒流入口311に供給される。
【0055】
同様に、冷媒流出ポート212及び冷媒移送管213が連結されている他の側面フレーム230にも前記と構造と同じ構造に結合され、昇温した冷媒は第1ヒートシンク310の第1冷媒流出口312、冷媒移送管213、及び冷媒流出ポート212の順に循環する。
【0056】
図7は
図3の電池モジュール及び第1冷却部を説明するための分解斜視図であり、
図8は
図7の第1冷却部を説明するための分解斜視図である。
【0057】
第1電池モジュール110で発生する熱を冷却させるための第1冷却部300は電池モジュール100とパックケース200の内側上面との間に位置し、第1ヒートシンク310、及び第1ヒートシンク310とパックケース200との間の第1放熱板320を含んでなる。
【0058】
具体的に、第1ヒートシンク310は、冷媒が循環する空間部を提供するように、一対の第1下部プレート310’及び第1上部プレート310”から構成される。
【0059】
ここで、第1下部プレート310’には互いに向き合う一対の第1冷媒流入口311及び第1冷媒流出口312が形成されており、前述したように、側面フレーム230の底面の締結ホール234が結合される。
【0060】
一方、第1ヒートシンク310と第1電池モジュール110との間には第1放熱板320、かつ第1ヒートシンク310の下には第2放熱板330が位置することにより、第1電池モジュール110で発生する熱を第1ヒートシンク310に伝達する
【0061】
特に、第1放熱板320及び第2放熱板330は第1ヒートシンク310の上面及び下面に第1ヒートシンク310をもう一度取り囲む形状に位置するので、冷媒漏洩が発生しても電池パックの内部に冷媒が染みこむことを防止することができる利点がある。
【0062】
前記のような第1ヒートシンク310、第1放熱板320、及び第2放熱板330は熱伝導性に優れた素材からなることが好ましい。一例として、アルミニウムからなることができる。
【0063】
図9は本発明の好適な第1実施例による第2冷却分解斜視図である。
【0064】
第2冷却部400は第1電池モジュール110の上面と第2電池モジュール120の下面との間に位置し、第2ヒートシンク410、下部保護カバー420、上部保護カバー430、及び結合バンド440を含んでなる。
【0065】
具体的に、第2ヒートシンク410は、冷媒が循環する空間部を提供する第2ヒートシンク胴体411、第2冷媒流入口412、及び第2冷媒流出口413を含んでなる。
【0066】
ここで、第2冷媒流入口412及び第2冷媒流出口413は第2ヒートシンク胴体411の一側に所定の距離で離隔したままで位置し、略「L」字形を有する。そして、前述したように、第2冷媒流入口412は冷媒流入ポート211と結合され、第2冷媒流出口413は冷媒流出ポート212と結合される。
【0067】
下部保護カバー420は、下部保護カバー胴体421及び「L」字形の折曲管422を含んでなる。これは、外部衝撃などから第2ヒートシンク410を物理的に保護し、さらに多様な原因で第2ヒートシンク410から冷媒が漏出しても電池パックの内部に冷媒が流入することを根本的に遮断して2次イベントの発生を防止するためである。
【0068】
一方、下部保護カバー胴体421の縁部には一つ以上の第1締結部421’を備えることができ、これは後述する上部保護カバー胴体の第2締結部と固定される。
【0069】
上部保護カバー430は、平板状の上部保護カバー胴体431及び一つ以上の第2締結部431’を含んでなる。すなわち、下部保護カバー胴体421に第2ヒートシンク410が着座した状態でさらに上部保護カバー430が位置し、よって第2ヒートシンク410を一層堅固に保護することができる。
【0070】
結合バンド440は下部保護カバー胴体421と上部保護カバー胴体431とを結合するためのものであり、一例として下部保護カバー胴体421と上部保護カバー胴体431とが会う端部の接合部に沿ってCMT(Cold Metal Transfer)溶接によって形成されることができる。
【0071】
もちろん、下部保護カバー胴体421の第1締結部421’及び上部保護カバー胴体431の第2締結部431’を通してボルトなどで締結された後に溶接を遂行しても構わなく、第1締結部421’及び第2締結部431’を省略したままでCMT(Cold Metal Transfer)溶接のみ遂行することも可能である。
【0072】
一方、前記のような第2ヒートシンク410、下部保護カバー420、及び上部保護カバー430は熱伝導性に優れた素材からなることが好ましい。一例として、アルミニウムからなることができる。
【0073】
図10は本発明の好適な第2実施例による第2冷却部の分解斜視図である。
【0074】
図10を参照して説明すると、第2実施例は、第2冷却部400の結合バンド440の代わりに、シーリングガスケット450を備えたことを除き、第1実施例による第2冷却部400と同様である。
【0075】
第2実施例による第2冷却部400のシーリングガスケット450について説明すると、シーリングガスケット450は下部保護カバー胴体421の縁部と上部保護カバー胴体431の縁部との間に沿って形成されることができる。これにより、第2ヒートシンク410が破損しも第2冷却部400の外部に冷媒が漏洩することを確かに遮断することができる。一例として、シーリングガスケット450は耐熱性ゴム素材からなることができるが、同じ機能を果たすことができるものであれば特に限定されない。
【0076】
たとえ図面には示されてはいないが、下部保護カバー胴体421及び上部保護カバー胴体431のいずれか一つ以上にシーリングガスケット450を収容するための溝部(図示せず)がさらに形成されることができる。
【0077】
図11は本発明の好適な第3実施例による電池パックを説明するための部分斜視図である。
【0078】
図11を参照して説明すると、本発明の好適な第2実施例は、冷媒循環管313をさらに備えた電池パックであることができる。
【0079】
図2~
図10を参照しながら説明した実施例では側面フレーム230の冷媒循環路231を通して冷媒が循環する一方で、第3実施例は冷媒循環管313をさらに備える。
【0080】
すなわち、冷媒移送管213に流入するか排出される冷媒は冷媒循環管313を経由するように、冷媒移送管213と冷媒循環管313とが互いに連結され、冷媒循環管313は側面フレーム230の冷媒循環路231内に配置される。
【0081】
このように、冷媒循環路231の内部に冷媒循環管313が位置することにより、外部衝撃などによって側面フレーム230が損傷しても冷媒の漏洩をより確かに遮断することができ、イベントの発生を抑制することができる。
【0082】
本発明は前述した特徴のうちでいずれか一つ以上の特徴を有している電池パックが装着されたデバイスであることができ、前記デバイスは、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド電気自動車などのように大容量の電池を含む電子機器であることができる。
【0083】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0084】
100 電池モジュール
110 第1電池モジュール
120 第2電池モジュール
200 パックケース
210 前面フレーム
211 冷媒流入ポート
212 冷媒流出ポート
213 冷媒移送管
220 後面フレーム
230 側面フレーム
231 冷媒循環路
232 空気循環路
233 切開部
234 締結ホール
300 第1冷却部
310 第1ヒートシンク
310’ 第1下部プレート
310” 第1上部プレート
311 第1冷媒流入口
312 第1冷媒流出口
313 冷媒循環管
320 第1放熱板
330 第2放熱板
400 第2冷却部
410 第2ヒートシンク
411 第2ヒートシンク胴体
412 第2冷媒流入口
413 第2冷媒流出口
420 下部保護カバー
421 下部保護カバー胴体
421’ 第1締結部
422 折曲管
430 上部保護カバー
431 上部保護カバー胴体
431’ 第2締結部
440 結合バンド
450 シーリングガスケット