(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】海苔を添加したライスペーパーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20250120BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
(21)【出願番号】P 2023530916
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 KR2021016663
(87)【国際公開番号】W WO2022119175
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167267
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516052766
【氏名又は名称】プキョン ナショナル ユニバーシティ インダストリ ユニバーシティ コーポレーション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】PUKYONG NATIONAL UNIVERSITY INDUSTRY-UNIVERSITY COOPERATION FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン モク
(72)【発明者】
【氏名】パク,スル キ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,グム ジェ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ミン ギュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソク モ
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0892985(KR,B1)
【文献】特開2014-117280(JP,A)
【文献】友寄博子、他,乾のりのたんぱく質含量, 抗酸化能, 水溶性食物繊維含量およびインスリン様作用の品質による相違,日本水産学会誌,日本水産学会,2020年08月25日,86(5),pp.427-429
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔、タピオカデンプン、米粉、塩および水を混合して生地を生成する段階(段階1);
前記生地を蒸す段階(段階2);および
前記蒸し上がった生地を乾燥させる段階(段階
3);を含む、海苔を添加したライスペーパーの製造方法
において、
前記段階1の海苔、タピオカデンプン、米粉および塩は、2:4~8:1~3:0.01~0.5の重量比で混合することを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
前記段階1における水は、タピオカデンプン重量に対して4~10倍体積の量を混合することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記段階2における生地は、直径12~18cmおよび厚さ0.1~5.0mmに伸ばして蒸すものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記段階2における蒸しは、95~120℃で10~300秒間行われるものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記段階3における乾燥は、30~40℃で10~48時間乾燥するものである、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔を添加したライスペーパーの製造方法および該方法により製造された海苔を添加したライスペーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
海苔(laver、Porphyra tenera)は、ウシケノリ科(Bangiceae)に属する紅藻類であって、韓国を代表する海藻類の一種であり、海苔(laver)は海藻類の一つであって、主に西南海岸で養殖の形で生産され、米国、中国、日本および東南アジアなどに主に輸出されている。
【0003】
海苔は、海岸養殖場で支柱式および浮き流し式で生産され、海苔網という養殖用網に海苔種苗を9月下旬から10月中旬にかけて付着させて養殖する。海苔は養殖中に海水の硫酸イオンが海苔の成分と結合して硫黄多糖体が生成され、このような成分は生理機能に優れていることが知られている。代表的な海苔の多糖類としてポルフィラン(porphyran)があり、ポルフィランは水溶性酸性多糖類として腸の活動を円滑にし、腸内菌叢の改善効果、血中コレステロール低下、抗がん、抗炎症などの効果があり、機能性素材として注目されている。
【0004】
栄養成分、無機質およびアミノ酸が多く含まれており、独特の風味を含んでおり、嗜好食品として愛用されており、海外でも低カロリー健康スナックとして脚光を浴びている。しかし、最近の養殖技術の発達により、海苔の生産量は増加する一方、海苔を用いた加工食品の場合、熱を利用して焼く方式の形態である乾海苔と味付け(スナック類を含む)または海苔の天ぷらなどと、種類に制限がある。したがって、単純な加工食品に偏った海苔の活用度を高めるために、様々な加工法の開発が必要とされる時期である。
【0005】
一方、ライスペーパー(rice paer)は、米粉を使って薄く伸ばし、乾燥した食品であって、ベトナムで主食として親しまれており、韓国では、しゃぶしゃぶのサム(包んで食べるもの)の一種として出される製品である。ライスペーパーは、非常に薄い紙の形で製造され、広がった状態の面の上に具を載せてくるくる巻いて簡単に食べられるようにしたものであり、その具体的な例としは、ベトナムの生春巻き・生春巻の皮・揚げ春巻・点心・スプリングロール・餃子の皮などがある。
【0006】
そこで、本発明者らは、海苔を用いた新たな加工食品を開発するために研究した結果、ライスペーパーの形態で製造し、海苔を添加したライスペーパーは様々な料理に活用できるだけでなく、高いタンパク質の含有量および抗酸化効能を有し、健康志向の消費者の欲求を満たすことができることを確認し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、海苔を添加したライスペーパーの製造方法を提供するものである。
本発明の他の目的は、海苔を添加したライスペーパーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、
本発明は、海苔、タピオカデンプン、米粉、塩および水を混合して生地を生成する段階(段階1);
前記生地を蒸す段階(段階2);および
上記蒸し上がった生地を乾燥させる段階(段階2);を含む、海苔を添加したライスペーパーの製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記方法により製造される海苔を添加したライスペーパーを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による海苔を添加したライスペーパーの製造方法によれば、香味とテクスチャー、抗酸化活性および栄養的価値に優れながらも、様々な料理に活用が可能なライスペーパーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による海苔を添加したライスペーパー(Rice Paper using a powder of Laver;LRP)の製造工程図を示す。
【
図2】本発明による海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロールライスペーパーの官能評価の結果を示すグラフである。
【
図3】本発明による海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロールライスペーパーのABTSラジカル消去能を分析した結果を示すグラフである。
【
図4】本発明による海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロールライスペーパーの総フェノール化合物含有量を分析した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
[海苔を添加したライスペーパーの製造方法]
本発明は、海苔、タピオカデンプン、米粉、塩および水を混合して生地を生成する段階(段階1);
前記生地を蒸す段階(段階2);および
上記蒸し上がった生地を乾燥させる段階(段階2);を含む、海苔を添加したライスペーパーの製造方法に関する。
【0014】
本発明による製造方法において、前記海苔は市販の干し海苔又は乾燥海苔を用いることができ、前記海苔を粉砕して刻み海苔(又は粉末海苔)の形態で用いるものであってもよい。このとき、海苔を乾燥および粉砕する方法は、一般に、海苔を乾燥および粉砕するために用いられるあらゆる工程を利用することができる。
【0015】
本発明による製造方法において、前記段階1の海苔、タピオカデンプン、米粉および塩は、2:4~8:1~3:0.01~0.5の重量比で混合するものであってもよく、好ましくは、海苔、タピオカデンプン、米粉および塩は、2.0:5.5~6.5:1.5~2.5:0.05~0.15の重量比で混合するものであってもよい。前記混合比は、海苔を添加したライスペーパーの味覚性および栄養性を最適な状態で提供するための割合であり、ライスペーパーの割れや破れを防止し、食感を改善させるためには、前記の割合範囲に合うように材料を混合することが好ましい。
【0016】
本発明による製造方法において、前記段階1における水は、タピオカデンプン重量に対して4~10倍体積の量を混合するものであってもよく、好ましくは、タピオカデンプン重量に対して4~6倍体積の量を混合するものであってもよい。上記範囲よりも少ない量で水を混合すると、材料間、うまく結合および混合されず、ライスペーパー生地の成形が難しく、上記範囲よりも多量の水が混合されると、ライスペーパーが破れるという問題が発生しうる。
【0017】
本発明による製造方法において、前記段階2における生地は、直径12~18cmおよび厚さ0.1~5.0mmに伸ばして蒸すものであってもよく、好ましくは直径14~16cmおよび厚さ0.5~3.0mmに伸ばして蒸すものであってもよい。上記の大きさおよび厚さの範囲で成形して蒸した場合、ライスペーパーに具を包む流動性を提供することができ、ライスペーパーを様々な具材として活用することができる。
【0018】
本発明による製造方法において、前記段階2における蒸しは、95~120℃で10~300秒間行われてもよい。好ましくは、95~110℃で10~60秒間蒸すものであってもよい。上記範囲よりも低い温度および短時間で蒸した場合、ペーパーとしての凝集力、テクスチャーおよび味覚性が低下することがあり、上記範囲よりも高い温度および長時間蒸した場合、水分の蒸発が過度に進み、ライスペーパーが硬くなって食感が劣り、ライスペーパー自体の割れ現象が発生する可能性がある。
【0019】
本発明による製造方法において、段階3における乾燥は、30~40℃で10~48時間実施することができ、好ましくは32~38℃で20~30時間乾燥することができる。上記範囲よりも低い温度および短時間で乾燥した場合、ペーパーとしての凝集力が低下し、乾燥に時間がかかり、上記範囲よりも高い温度および長い時間で乾燥した場合、水分蒸発が過度に進行し、ライスペーパーが硬くなって食感が劣り、ライスペーパー自体の割れ現象が発生する可能性がある。
【0020】
[海苔を添加したライスペーパー]
本発明は、前記海苔、タピオカデンプン、米粉、塩および水を混合して生地を生成する段階(段階1);
前記生地を蒸す段階(段階2);および
上記生地を乾燥させる段階(段階2);を含む方法により製造される、海苔を添加したライスペーパーを提供する。
【0021】
本発明による海苔を添加したライスペーパーは、抗酸化活性を有するものであってもよい。本発明の一実施形態による海苔を添加したライスペーパーは、海苔を添加していないライスペーパーよりも官能特性が向上し、抗酸化活性、タンパク質含有量および栄養価に優れている(実施例2~5参照)。
【0022】
以下の実施例により本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は本発明の内容を具体化するためのものに過ぎず、これによって本発明が限定されるものではない。
【0023】
<実施例1>海苔を添加したライスペーパーの製造
ライスペーパーの製造に添加するための海苔は、干し海苔を市販で購入し、粉砕して細かく挽いて使用した。
【0024】
まず、タピオカデンプン(tapioca starch)、米粉(rice flour)、粉海苔(laver powder)、塩(salt)および水(water)を、以下の表1のように配合してライスペーパー生地を製造した。この時、タピオカデンプン、米粉、粉海苔および塩は6:2:2:0.1の重量比で混合し、水はタピオカデンプンの重量に対して5倍体積で混合した。
【0025】
前記混合されたライスペーパー生地は、蒸気が上がる蒸気筒に直径15cmになるように薄く広げた後、蒸気に30秒間蒸した(steaming)。蒸し煮したライスペーパーを乾燥機に広げて35℃で24時間乾燥して水分を除去し、最終的に海苔を添加したライスペーパー(Rice Paper using a powder of Laver;LRP)を製造した。前記海苔を添加したライスペーパーの製造工程を
図1に示す。
【0026】
【0027】
<準備例1>海苔が添加されていないライスペーパーの準備
海苔を添加したライスペーパーと既存に販売されているライスペーパーの栄養学的価値を比較・分析するために、P社で製造されたライスペーパー(Sライスペーパー製品;タピオカデンプン68%、米粉30%など)、A社で製造されたライスペーパー(M生春巻きの皮の正方形の製品;タピオカデンプン56.9%、米粉32.5%など)およびM社で製造されたライスペーパー(M生春巻きの皮の丸型の製品:タピオカデンプン56.9%、米粉32.5%など)の3種を購入し、陽性コントロール1、2および3として使用した。
【0028】
<実施例2>ライスペーパーの一般成分組成の分析
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3ライスペーパーの一般成分について分析を行った。
【0029】
一般成分(水分、炭水化物、粗脂肪、粗タンパク質、灰分)の分析測定は、食品医薬品安全処食品公転(2020)の試験法に従って行った。水分含有量は、105℃の条件でドライオーブン(dry oven)で5時間乾燥する常圧加熱乾燥法を用いて測定した。粗脂肪含有量測定は石油エーテルを抽出溶媒としてSoxhlet法を使用した。粗タンパク質含有量測定は、semi-Kjeldahl法を用いて試料にタンパク質分解促進剤と硫酸を添加して分解した後、タンパク質自動分析機で含有量を測定した。灰分含有量測定は、直接灰化法を用いて550~600℃で白色または灰白色の灰分が得られるまで測定した。炭水化物含有量は試料100g中に水分、粗脂肪、粗タンパク質、灰分含有量を差し引いた残りの値で計算し、分析結果を下記表2に示す。
【0030】
【0031】
分析の結果、全部の試料において炭水化物が最も高く示されており、海苔を添加したライスペーパー(LRP)からは、粗タンパク質が陽性コントロールに比べて高く示された。このような結果から、海苔添加により固形分の含有量が高くなったことが確認できた。
【0032】
<実施例3>ライスペーパーの官能評価
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーに対して官能評価を行った。官能検査は、教育を受けたパネル20名を選定し、官能検査を実施した。実施する前に各項目について十分に認知するように十分に説明をして訓練してから実施した。官能検査用試料は、80℃の温度の水に30秒間入れた後、官能検査用ボウルに入れて提供した。評価内容は、外観(appearance)、色(color)、味(taste)、テクスチャー(texture)、総合的な好みさ(overall aceptability)であり、5ポイントスケールで評価した。官能評価の結果を
図2に示す。
【0033】
図2に示すように、LRPの外観、色、および総合的な好みは、陽性コントロールと同様のレベルで評価され、特に、LRPは、摂取時の香りとテクスチャーに対するスコアが陽性コントロールに比べて非常に高いことが示された。したがって、本発明により製造された海苔を添加したライスペーパーは十分な嗜好性を有し、商品性があることが確認された。
【0034】
<実施例4>ライスペーパーの抗酸化活性の評価
4-1.ライスペーパー抽出物の製造
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーの抗酸化活性を測定するために、各試料を94%のエタノール水溶液で溶媒抽出し、抽出物を製造した。具体的には、ライスペーパー試料を各試料重量の10倍体積の94%のエタノール水溶液に加え、3時間、40℃、150rpmで攪拌抽出した。抽出溶液は濾過した後、濃縮し、溶媒を除去することによってライスペーパー抽出物を得た。得られた各抽出物は200mg/mLの濃度でエタノールで希釈し実験に用いた。
【0035】
4-2.ABTSラジカル消去能の評価
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーに対してABTSラジカル消去能を確認した。
【0036】
2.4mMポタシウムペルスルフェート(potassium persulfate)を含む7mMのABTS溶液を製造した後、暗室で16時間保管した。この溶液を734nmで0.700±0.005になるように希釈して用いた。ABTS溶液150μLと上記5-1にて製造したライスペーパー抽出物試料を50μLずつ注入した後、6分間暗室放置した。743nmで吸光度を測定し、ABTSラジカル消去能(ABTS radical-scavenging、%)を計算した。
【0037】
図3に示すように、LRPのABTSラジカル消去能は陽性コントロールよりも非常に高く示されており、標準抗酸化物質として5mMのtroloxと同様の活性が示された。このような結果から、海苔を添加したライスペーパー(LRP)の抗酸化活性に優れていることが確認できた。
【0038】
4-3.総フェノール化合物含有量の評価
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーに対して、総フェノール化合物含有量を分析した。一般的にポリフェノール(polyphenol)化合物は、植物系に広く分布している二次代謝産物の一つであり、様々な構造と分子量を有するフェノール性化合物は、フェノールヒドロキシル(phenolic hydroxyl(OH))基がタンパク質のような巨大分子との結合により抗酸化、抗菌、抗がんなどの生理機能を有し、特に緑茶に多量に含まれていることが知られている。
【0039】
ライスペーパーの抗酸化活性を調べるために、総フェノール化合物含有量を分析するために、抽出液200μLと1N Folin-Ciocalteu’s試薬100μLを混合した後、3分間放置した後に、10%Na
2CO
3溶液300μLと混合した。1時間放置後、765nmで吸光度を測定した。総フェノール化合物含有量の値(Total phenol、mg GAE/g)は、標準物質である没食子酸(garlic acid)の標準曲線(standard curve)に代入して測定した。
図4に示すように、LRPの総フェノール化合物含有量は、陽性コントロール1~3に比べて高く示された。
【0040】
<実施例5>ライスペーパーのアミノ酸組成の分析
アミノ酸分析は、江陵原州大学共同実験実習館に分析依頼をして行った。
【0041】
5-1.構成アミノ酸の分析
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーの構成アミノ酸含有量を分析した。
【0042】
各ライスペーパーのサンプルは約50mgを取り、分解瓶に入れた後、6N HCl 40mLを加え、窒素ガスを注入した後、栓を塞いで110℃で24時間加水分解した。塩酸を50℃で減圧濃縮した後、0.2Nナトリウム塩化バッファー(sodiumcitrate buffer)(pH2.2)の50mlを加えて希釈し、濾紙(0.45μm、 Pall Life Sciences,California,USA)を用いて濾過した。濾過した試料は、アミノ酸分析機(L-8900 High-speed AminoAcid analyzer,Hitachi,Tokyo,Japan)を用いて組成および含有量を分析し、下記表3に示す。
【0043】
【0044】
上記表3に示すように、LRPの構成アミノ酸はAla(アラニン)7.800mg/gで最も高く分析され、Glu5.665mg/g、Asp(アスパラギン酸)5.382mg/g、Leu(ロイシン)4.210mg/gの順に高く示された。
【0045】
5-2.遊離アミノ酸の分析
海苔を添加したライスペーパー(LRP)および陽性コントロール1~3のライスペーパーの遊離アミノ酸含有量を分析した。
遊離アミノ酸分析は、高速度アミノ酸分析計(high-speed amino acid analyzer)(LA8080;Hitachi Co.,Tokyo,Japan)を用いて分析した。サンプルを約5g採取し、6N HCl30mL添加し、130℃で24時間加水分解した。分解したサンプルに分析用蒸留水50mLを添加し、0.22μmニトロセルロースフィルターにより溶液を濾過した後、20μLを注入して分析した。
【0046】
【0047】
上記表4に示すように、LRPの遊離アミノ酸分析は、Ala(アラニン)25568.656mg/100gで最も高く示され、Tau(タウリン)24336.792mg/100g、Glu(グルタミン酸)17756.150mg、Arg(アルギニン)747.926mg/100gの順に高く示された。
【0048】
これまで、本発明に関してその好ましい実施形態を中心に見てきた。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現され得ることが理解されるであろう。したがって、開示された実施形態は限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にある全ての相違点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。